説明

新規のカルボニル化配位子及びエチレン性不飽和化合物のカルボニル化におけるその使用

一般式(I)の新規の二座配位子が記載される。式(I):Rはヒドロカルビル芳香族構造を表す。芳香族構造上の置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表す。基、X、X、X及びXは、各原子Q若しくはQに対する三級炭素原子を介してQ若しくはQに結合し、Q及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表す。触媒系及び触媒系を利用したエチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の二座配位子、そのような配位子を組み入れる新規の触媒系、及びエチレン性不飽和化合物のカルボニル化におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコール又は水の存在下で一酸化炭素を用いたエチレン性不飽和化合物のカルボニル化、及び第6、8、9又は10族の金属、たとえば、パラジウム、及びホスフィン配位子、たとえば、アルキルホスフィン、シクロアルキルホスフィン、アリールホスフィン、ピリジルホスフィン若しくは二座ホスフィンを含む触媒系は、多数の欧州特許及び特許出願、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12及び特許文献13に記載されている。特に、特許文献11、特許文献12及び特許文献13は、二座ホスフィン配位子が、高い反応率を達成するのを可能にする触媒系を提供することを開示している。リン原子間のC3アルキル架橋は、リンにおける三級ブチル置換基と共に特許文献13にて例示されている。
【0003】
その後、特許文献14は、アルキル架橋を有する二座ホスフィン化合物の特定の基がほとんど補充を必要としない又は補充を必要としない顕著に安定な触媒を提供できること、そのような二座触媒の使用が以前開示されたものよりも有意に高い反応率をもたらすこと、及び高い変換で不純物はほとんど又は全く生じないことを開示した。
【0004】
特許文献15は、高級アルケン類に使用した場合、及び外部から添加された非プロトン性溶媒の存在下である場合、特許文献14と同様の方法に関する比率を開示している。
特許文献16は、特許文献13で使用された二座ホスフィンに対する改変を開示しており、その際、リン原子の一方又は両方が、任意で置換された2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1.(3,7)]デシル基、又は1以上の炭素原子がヘテロ原子で置換されるその誘導体に組み入れられることを(「2−PA」基)開示している。例には、エテン、プロペン及び一部の高級の末端及び内部のオレフィン類のアルコキシカルボニル化が多数挙げられる。
【0005】
特許文献17は、特許文献16の教示を特許文献14で開示された型の1,2置換のアリール架橋を有する二座ホスフィンに拡大している。開示された好適なオレフィン基質には、種々の置換基を有する幾つかの種類が挙げられる。
【0006】
特許文献18は、ブタジエンのカルボニル化に有用であるような上記双方の型の配位子架橋を記載し、特許文献19は、三級炭素置換基が各リン原子で異なる特許文献18の選択を記載している。
【0007】
特許文献14、特許文献15及び特許文献17で記載された型のアリール架橋の芳香族構造をさらに置換することによって、今や好適な触媒を達成することができるので、さらに高いTONを達成することができることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0055875号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第04489472号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0106379号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0235864号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第0274795号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0499329号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第0386833号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公開第0441447号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第0489472号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第0282142号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第0227160号明細書
【特許文献12】欧州特許出願公開第0495547号明細書
【特許文献13】欧州特許出願公開第0495548号明細書
【特許文献14】国際公開第96/19434号パンフレット
【特許文献15】国際公開第01/68583号パンフレット
【特許文献16】国際公開第98/42717号パンフレット
【特許文献17】国際公開第03/070370号パンフレット
【特許文献18】国際公開第04/103948号パンフレット
【特許文献19】国際公開第05/082830号パンフレット
【特許文献20】国際公開第04/024322号パンフレット
【特許文献21】欧州特許出願公開第1330309号明細書
【特許文献22】米国特許第6,723,882号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】シー・マスターズ(C. Masters)、「Homogenous Transition Metal Catalysis − A Gentle Art」、チャップマン・アンド・ホール(Chapman and Hall)、14ページ以下参照(1981年)
【非特許文献2】トールマン(Tolman)、「Phosphorus Ligand Exchange Equilibria on Zerovalent Nickel. A Dominant Role for Steric Effects」、Journal of American Chemical Society、第92巻、2956〜2965ページ(1970年)
【非特許文献3】シー・エー・トールマン(C. A. Tolman)、Chem. Rev.第77巻、313〜348ページ(1977年)
【非特許文献4】Journal of Molecular Catalysis: Chemical、第188巻、105〜113ページ(2002年)
【非特許文献5】デビッド・アール・リードら(David R. Lide, et al.)編、Handbook of Chemistry and Physics、第76版、シー・アール・シー・プレス(CRC press)(1995年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、一般式(I)の新規の二座配位子が提供される。
【0011】
【化1】

式中、
A及びBはそれぞれ独立して低級アルキレン連結基を表す。
【0012】
Rは、少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状原子上で、各連結基を介してQ及びQがそれぞれ連結する少なくとも1つの芳香環を有するヘテロカルビル芳香族構造を表し、芳香族構造の1以上のさらなる芳香族環状原子にて1以上の置換基Yによって置換される。
【0013】
その際、芳香族構造における置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表す。
【0014】
基、X、X、X及びXは、独立して少なくとも1つの三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表し、又はXとX及びXとX、もしくはそのいずれかは一緒に、少なくとも2つの三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを形成し、その際、前記一価のラジカル若しくは二価のラジカルはそれぞれ、前記少なくとも1つ若しくは2つの三級炭素原子を介して各原子Q若しくはQに結合する。
【0015】
及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表す。
上記新規の二座配位子は、カルボニル化反応において驚くべき改善された安定性を有することが見い出された。通常、カルボニル化反応、特にヒドロキシ−又はアルコキシ−カルボニル化についての転換数(TON)(金属のモル/生成物のモル)は、同一条件下で反応させた1,3−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)プロパンのそれに近いか、それより大きく、さらに好ましくは同一条件下で反応させた1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンより大きい。好ましくは、そのような条件は連続反応にあるが、バッチ反応も役立つであろう。
【0016】
従って、本発明の第2の態様によれば、エチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法が提供され、方法は、ヒドロキシル基の供給源及び触媒系の存在下で前記化合物を一酸化炭素と反応させることを含み、触媒系は、
(a)8族、9族又は10族の金属又はその化合物と
(b)一般式(I)の二座配位子を含む。
【0017】
【化2】

式中、
A及びBはそれぞれ独立して低級アルキレン連結基を表す。
【0018】
Rは、少なくとも1つの芳香環の利用できる隣接する環状原子上で、各連結基を介してQ及びQがそれぞれ連結する少なくとも1つの芳香環を有するヘテロカルビル芳香族構造を表し、芳香族構造の1以上のさらなる芳香族環状原子にて1以上の置換基Yによって置換される。
【0019】
その際、芳香族構造における置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表す。
【0020】
基、X、X、X及びXは、独立して少なくとも1つの三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表し、又はXとX及びXとX、もしくはそのいずれかは一緒に、少なくとも2つの三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを形成し、その際、前記一価のラジカル若しくは二価のラジカルはそれぞれ、前記少なくとも1つ若しくは2つの三級炭素原子を介して各原子Q若しくはQに結合する。
【0021】
及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表し、任意でアニオンの起源を表す。
通常、以後、単にYとも記される置換基Yが1を超えてある場合、任意の2つは、芳香族構造の同一又は異なった芳香族環状原子に位置してもよい。好ましくは、芳香族構造には、≦10のY基があり、すなわち、nは1〜10であり、さらに好ましくは1〜6のY基があり、最も好ましくは1〜4のY基があり、特に芳香族構造には1、2又は3の置換基Y基がある。置換される環状芳香族原子は、炭素であってもヘテロ原子であってもよいが、好ましくは炭素である。
【0022】
好ましくは、x=1〜nΣtYは、4〜100の間であり、さらに好ましくは4〜60であり、最も好ましくは4〜20であり、特に4〜12である。
好ましくは、置換基Yが1つある場合、Yは、少なくともフェニルと同じくらい立体障害性である基を表し、置換基Yが2以上ある場合、それらはそれぞれフェニルと同じくらい立体障害性である、及び結合してフェニルよりも立体障害性である基を形成する、もしくはそのいずれかである。
【0023】
本明細書では立体障害性であることによって、以後記載される基R〜R12又は置換基Yの背景のいずれかで、我々は、当業者によって容易に理解されるような、しかし、疑念を回避するための用語を意味し、用語、フェニルより立体障害性であることは、以下の条件に従って8倍過剰でPHY(Y基を表す)をNi(0)(CO)と反応させる場合、PHPhよりも低い程度の置換(DS)を有することを意味するために取られうる。同様に、t−ブチルよりも立体障害性であることへの言及は、PHt−Buなどと比
べたDS値への言及として取られうる。2つのY基を比較し、PHYが参照よりも立体障害性でないならば、そのときはPHYを参照と比較すべきである。同様に、3つのY基を比較し、PHY又はPHYが標準よりも立体障害性でないならば、そのときはPHYを比較すべきである。3より多くのY基があるのならば、それらをt−ブチルよりも立体障害性であるようにすべきである。
【0024】
本明細書における本発明の背景での立体障害は、非特許文献1で議論されている。
非特許文献2は、Ni(0)錯体の安定性を主として決定する配位子の特性はその電子特性ではなくそのサイズであると結論付けた。
【0025】
Y基の相対的な立体障害を決定するには、DSを決定するTolman(トールマン)の方法を、上記で提示されたように決定されるべき基のリン類縁体で使用してもよい。
Ni(CO)のトルエン溶液を8倍過剰のリン配位子で処理した;赤外線スペクトル中でのカルボニル伸縮振動によって、配位子によるCOの置換が続いた。密閉試験管にて100°で64時間加熱することによって溶液を平衡化した。100°でさらに74時間加熱したが、スペクトルは有意に変化しなかった。次いで、平衡化された溶液のスペクトルにおけるカルボニル伸縮バンドの頻度及び強度を決定する。相対強度、及びバンドの吸光係数がすべて同じ桁の大きさであるという想定から置換の程度を半定量的に推定することができる。たとえば、P(C11の場合、Ni(CO)LのAバンドとNi(CO)のBバンドはほぼ同一の強度なので、置換の程度は1.5であると推定される。この実験が各配位子を区別できなければ、そのときは、場合によってはジフェニルリンPPhH又はジ−t−ブチルリンをPYH同等物と比べるべきである。その上さらに、これも配位子を区別できなければ、そのときは、場合によっては、PPh又はP(Bu)配位子をPYと比較すべきである。Ni(CO)錯体を完全に置換する小さな配位子と共にそのようなさらなる実験は必要とされてもよい。
【0026】
Y基はまた、芳香環の中心点に中心がある円筒円錐の頂角として本発明の背景で定義することができるその円錐角を参照することによって定義されてもよい。中心点によって、環状環原子から等距離である環の面における点を意味する。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つのY基の円錐角又は2以上のY基の円錐角の合計は、少なくとも10°、さらに好ましくは少なくとも20°最も好ましくは少なくとも30°である。円錐の頂角が今や芳香環の中心点に中心があることを除いて、円錐角は、非特許文献3のトールマン(Tolman)の方法に従って測定されるべきである。トールマン(Tolman)の円錐角のこの改変された使用は、シクロペンタジエニルジルコニウムエテンの重合触媒におけるもののような立体効果を測定するそのほかの系でも使用されている(非特許文献4)。
【0028】
適当なサイズであるように置換基Yを選択してQ原子とQ原子の間の活性部位に関して立体障害を提供する。しかしながら、置換基が金属脱離を防いでいる、その入ってくる経路に向いている、一般にさらに安定な触媒確認を提供している、又はさもなければ作用しているかどうかは分からない。
【0029】
SがSi、C、N、S、O又はアリールを表し、R404142が以後定義される−SR404142をYが表す場合、特に好ましい配位子が見い出される。好ましくは、各Y及び2以上のY基の組み合わせ、もしくはそのいずれかは、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である。
【0030】
さらに好ましくは、たった1つの置換基Yがある場合、それは少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性であるが、2以上の置換基Yがある場合、それらはそれぞれ、単一
の基とみなせば、少なくともフェニルと同じくらい立体障害性であり、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である。
【0031】
好ましくは、Sがアリールであり、R40、R41及びR42が独立して水素、アルキル、−BQ−X(X)(式中、B、X及びXは本明細書で定義されたとおりであり、Qは上記Q又はQのように定義される)、リン、アリール、アリーレン、アルカリル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はアルキルリンである。
【0032】
本明細書で言うR19〜R30は、独立して一般に、水素、不飽和若しくは飽和のアリール又は不飽和若しくは飽和のアルキルから選択されてもよく、さらに、R21は、ニトロ、ハロ、アミノ又はチオであってもよい。
【0033】
好ましくは、SがSi、C、N、S又はOであり、R40、R41及びR42が独立して水素、アルキル、リン、アリール、アリーレン、アルカリル、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はアルキルリンである場合、その際、R40〜R42の少なくとも1つは水素ではなく、R19〜R30は本明細書で定義されるとおりである;且つ、R71〜R73はR40〜R42のように定義されるが、好ましくはC〜Cのアルキル又はフェニルである。
【0034】
好ましくは、Sは、Si、C又はアリールである。しかしながら、組み合わせた1以上のY基として又は複数のY基の場合、N、S又はOも好まれてもよい。疑念を回避するために、酸素又はイオウは二価であってもよいので、R40〜R42は孤立電子対であってもよい。
【0035】
好ましくは、Y基に加えて、芳香族構造は、置換されなくてもよく、又は可能であれば、Y(非芳香族環状原子上の)、アルキル、アリール、アリーレン、アルカリル、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はアルキルリンから選択される基によってさらに置換されてもよく、その際、R19〜R30は本明細書で定義されるとおりであり、Yの場合又は第1の態様のYの定義を満たす基の場合、結合は、芳香族構造の非環状芳香族原子に対するものである;且つ、R71〜R73はR40〜R42のように定義されるが、好ましくはC〜Cのアルキル又はフェニルである。さらに、少なくとも1つの芳香環はメタロセン錯体の一部であることができ、たとえば、Rがシクロペンタジエニル又はインデニルアニオンである場合、それは、たとえば、フェロセニル、ルテノシル、モリブデノセニル又はインデニルの同等物のような金属錯体の一部を形成してもよい。
【0036】
そのような錯体は本発明の背景の範囲内で芳香族構造とみなされるべきなので、それらが1を超える芳香環を含む場合、置換基Yは、Q原子及びQ原子が結合するのと同じ芳香環、又は構造のさらなる芳香環の上にあってもよい。たとえば、メタロセンの場合、置換基Yはメタロセン構造の1以上の環のいずれにあってもよく、これは、Q及び
が結合する環と同一であっても異なっていてもよい。
【0037】
本明細書で定義されるようなY基で置換されてもよい好適なメタロセン型の配位子は当業者に既知であろうし、特許文献20で広範囲にわたって定義されている。そのような芳香族アニオンに特に好ましいY置換基は、SがSiである場合である。
【0038】
しかしながら一般に、Sがアリールである場合、アリールは、さらに置換されなくてもよく、又はR40、R41及びR42に加えて、芳香族構造について上記で定義されたさらなる置換基のいずれによって置換されてもよい。
【0039】
本発明におけるさらに好ましいY置換基は、t−アルキル又はt−アルキルアリール、たとえば、t−ブチル又は2−フェニルプロップ−2−イル、−SiMe、−フェニル、アルキルフェニル−、フェニルアルキル−又はホスフィノアルキル−、たとえば、ホスフィノメチルから選択されてもよい。
【0040】
好ましくは、SがSi又はCであり、R40〜R42の1以上が水素である場合、R40〜R42の少なくとも1つは十分に嵩だかであり、必要とされる立体障害を提供すべきであり、そのような基は好ましくは、リン、ホスフィノアルキル−、三級炭素を持つ基、たとえば、−t−ブチル、−アリール、−アルカリル、−アラルキル又は三級シリルである。
【0041】
好ましくは、ヒドロカルビル芳香族構造は、置換基を含めて、メタロセン錯体でなければ、5から70までの環状原子、さらに好ましくは5〜40の環状原子、最も好ましくは5〜22の環状原子、特に5又は6の環状原子を有する。
【0042】
好ましくは、芳香族ヒドロカルビル構造は、単環式であっても多環式であってもよい。環状芳香族原子は炭素又はヘテロ原子であってもよく、その際、本明細書でヘテロ原子への言及は、イオウ、酸素及び窒素、もしくはそのいずれかへの言及である。しかしながら、Q原子及びQ原子は、少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状炭素原子に連結することが好ましい。一般的に、環状ヒドロカルビル構造が多環式である場合、それは好ましくは二環式又は三環式である。芳香族構造におけるさらなる環は自体芳香族であってもよいし、そうでなくてもよく、それに応じて芳香族構造が理解されるべきである。本明細書で定義されるような非芳香族環状環は、不飽和結合を含んでもよい。環状原子によって環状骨格の一部を形成する原子を意味する。
【0043】
好ましくは、架橋基−R(Yは、さらに置換されようと、又はさもなければ好ましくは、200以下の原子、さらに好ましくは150以下の原子、さらに好ましくは100以下の原子を含む。
【0044】
用語、芳香族構造のさらに1つの芳香族環状原子によって、Q原子及びQ原子が連結基を介して結合する少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状原子ではない、芳香族構造におけるさらなる芳香族環状原子を意味する。
【0045】
好ましくは、前記利用可能な隣接する環状原子のいずれかの側で直接隣接する環状原子は好ましくは置換されない。例として、環上で1位を介してQ原子に結合し、環上で2位を介してQ原子に結合する芳香族フェニル環は、好ましくは、環の4位及び5位、もしくはそのいずれかにて置換された1以上のさらなる芳香族環状原子、並びに3位及び6位にて置換されていない前記利用可能な隣接する環状原子に直接隣接する2つの環状原子を有する。しかしながら、これは、好ましい置換基の配置にすぎず、環の3位及び6位での置換は、たとえば、可能である。
【0046】
用語、芳香環は、それぞれB及びAを介してQ原子及びQ原子が連結する少なくとも1つの環が芳香族であることを意味し、芳香族は、フェニル、シクロペンタジエニルアニオン、ピロリル、ピリジニル型の構造だけでなく、環において自由に移動することができる非局在化Pi電子を持つ任意の環で見い出されるもののような芳香族性を持つそのほかの環も含むように好ましくは広く解釈されるべきである。
【0047】
好ましい芳香環は、環において5又は6の原子を有するが、4n+2Pi電子を持つ環も、たとえば、[14]アンヌレン、[18]アンヌレンなどのように可能である。
芳香族ヒドロカルビル構造は、4及び5−t−アルキルベンゼン−1,2−ジイル、もしくはそのいずれか、4,5−ジフェニルベンゼン−1,2−ジイル、4及び5−フェニル−ベンゼン−1,2−ジイル、もしくはそのいずれか、4,5−ジ−t−ブチル−ベンゼン−1,2−ジイル、4又は5−t−ブチルベンゼン−1,2−ジイル、2、3、4及び5−t−アルキル−ナフタレン−8,9−ジイル、もしくはそのいずれか、1H−インデン−5,6−ジイル、1、2及び3メチル−1H−インデン−5,6−ジイル、もしくはそのいずれか、4,7メタノ−1H−インデン−1,2−ジイル、1、2及び3−ジメチル−1H−インデン−5,6−ジイル、もしくはそのいずれか、1,3−ビス(トリメチルシリル)−イソベンゾフラン−5,6−ジイル、4−(トリメチルシリル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−ホスフィノメチルベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−ジメチルシリルベンゼン−1,2−ジイル、4−ジ−t−ブチル、メチルシリルベンゼン−1,2−ジイル、4−(t−ブチルジメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−t−ブチルシリル−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(トリ−t−ブチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’−tert−ブチルプロップ−2’−イル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’,2’,3’,4’,4’ペンタメチル−ペント−3’−イル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’,2’,4’,4’−テトラメチル、3’−t−ブチル−ペント−3’−イル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−t−アルキルフェロセン−1,2−ジイル、4,5−ジフェニルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−フェニル−フェロセン−1,2−ジイル、4,5−ジ−t−ブチル−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−t−ブチルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)ホスフィノメチルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)ジメチルシリルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−ジ−t−ブチル、メチルシリルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(t−ブチルジメチルシリル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−tーブチルシリル−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(トリ−t−ブチルシリル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’−tert−ブチルプロップ−2’−イル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’,2’,3’,4’,4’ペンタメチル−ペント−3’−イル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’,2’,4’,4’−テトラメチル、3’−t−ブチル−ペント−3’−イル)−フェロセン−1,2−ジイル、から選択されてもよい。
【0048】
本明細書での構造において、1より多くの立体異性体が可能である場合、そのような立体異性体すべてが意図される。
上述のように、一部の実施態様では、芳香族構造のさらなる芳香族環状原子上に2以上の前記Y及び非Y置換基、もしくはそのいずれかがあってもよい。任意で、前記2以上の置換基は、特に自体近接する環状芳香族原子上にある場合、結合してたとえば、脂環式環構造のようなさらなる環構造を形成してもよい。
【0049】
そのような脂環式環構造は、飽和であっても不飽和であってもよく、架橋されても架橋されなくてもよく、アルキル、本明細書で定義されるようなY基、アリール、アリーレン、アルカリル、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はホスフィノアルキルによって置換されてもよく、その際、存在する場合、R40〜R42の少なくとも1つは水素ではなく、R19〜R30は本明細書で定義されたとおりであり、R71〜R73はR40〜R42のように定義されるが、好ましくはC〜Cのアルキル又はフェニルであり、及び、1以上(好ましくは合計4未満)の酸素、窒素、イオウ、珪素の原子によって、又はシラノ又はジアルキル珪素基又はそれらの混合物によって中断されるか、もしくはそのいずれかである。
【0050】
そのような構造の例には、ピペリジン、ピリジン、モルフォリン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、フラン、ジオキサン、アルキル置換DIOP、2−アルキル置換の1,3−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、1,4−ジチアン、ピペリジン、ピロリジン、チオモルフォリン、シクロヘキセノン、ビシクロ[4.2.0]
オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、アダマンタン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロフラン−2−オン、デルタバレロラクトン、ガンマブチロラクトン、無水グルタル酸、ジヒドロイミダゾール、トリアザシクロノナン、トリアザシクロデカン、チアゾリジン、ヘキサヒドロ−1H−インデン(5,6−ジイル)、オクタヒドロ−4,7−メタノ−インデン(1,2−ジイル)、及びテトラヒドロ−1H−インデン(5,6−ジイル)が挙げられ、それらのすべてが置換されなくてもよく、又は本明細書のアリールについて定義されるように置換されてもよい。
【0051】
しかしながら、複合基を形成してもしなくても、芳香族構造が1を超える芳香環を含み、複合Y置換基の好ましい位置がそれに応じて理解されるべき場合、Q及びQが連結基を介して連結する前記利用可能な隣接する環状原子のいずれかの側で直接隣接する芳香族環状原子は置換されず、好ましい置換は少なくとも1つの芳香環の他の場所であり、又は芳香族構造の他の場所であることが好ましい。
【0052】
通常、X基は、CR(R)(R)を表し、XはCR(R)(R)を表し、XはCR(R)(R)を表し、XはCR10(R11)(R12)を表し、その際、R〜R12はアルキル、アリール又はhetを表す。
【0053】
特に好ましいのは、それらの各三級炭素原子と会合する場合の有機基R〜R、R〜R、R〜R及びR10〜R12、もしくはそのいずれか、又は代替的にR〜R及びR〜R12、もしくはそのいずれかが少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である複合基を形成する場合である。
【0054】
立体基は、環状、部分環状又は非環状であってもよい。環状又は部分環状である場合、基は置換されてもよく、非置換であってもよく、飽和されてもよく、不飽和であってもよい。環状又は部分環状の基は好ましくは、環状構造において、三級炭素原子を含めて、C〜C34、さらに好ましくはC〜C24、最も好ましくはC10〜C20の炭素原子を含有する。環状構造は、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、アリール又はHetから選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、その際、R19〜R30はそれぞれ独立して水素、アリール又はアルキルを表し、及び、1以上の酸素原子若
しくはイオウ原子によって、又はシラノ基若しくはジアルキルシルコン基によって中断されるか、もしくはそのいずれかである。
【0055】
特に、環状のX、X、X及びX、もしくはそのいずれかが、コングレシル、ノルボルニル、1−ノルボルナジエニル又はアダマンチルを表してもよく、又はXとXは、それらが結合するQと一緒に、任意で置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基若しくはその誘導体を形成し、又はXとXは、それらが結合するQと一緒に、式1aの環系を形成する。
【0056】
【化3】

同様に、XとXは、それらが結合するQと一緒に、任意で置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基若しくはその誘導体を形成し、又はXとXは、それらが結合するQと一緒に、式1bの環系を形成する。
【0057】
【化4】

或いは、基X、X、X及びX、もしくはそのいずれかの1以上が、配位子が結合する固相を表してもよい。
【0058】
特に好ましいのは、X、X、X及びX、又はその相手Qと一緒のXとX、及びその相手Qと一緒のXとXが同一である場合、或いはXとXは同一である一方でXとXは異なるが、互いに同じである場合である。
【0059】
好ましい実施態様では、R〜R12はそれぞれ独立してアルキル、アリール又はHetを表す。
19〜R30はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール又はHetを表す。
【0060】
49及びR54は存在する場合、それぞれ独立して水素、アルキル、アリールを表す。
50〜R53は存在する場合、それぞれ独立してアルキル、アリール又はHetを表す。
【0061】
YY及びYYは存在する場合、それぞれ独立して酸素、イオウ又はN−R55を表し、その際、R55は水素、アルキル、アリールを表す。
好ましくは、R〜R12はそれぞれ独立してアルキル又はアリールを表す。さらに好ましくは、R〜R12はそれぞれ独立してC〜Cのアルキル、C〜Cのアルキルフェニル(その際、フェニル基は本明細書で定義されるアリールと同様に任意で置換される)、又はフェニル(その際、フェニル基は本明細書で定義されるアリールと同様に任意で置換される)を表す。一層さらに好ましくは、R〜R12はそれぞれ独立してC〜Cのアルキルを表し、それは、本明細書で定義されるアルキルと同様に任意で置換される。最も好ましくは、R〜R12はそれぞれ、非置換のC〜Cのアルキル、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びシクロヘキシル、特にメチルを表す。
【0062】
本発明の特に好ましい実施態様では、R、R、R及びR10はそれぞれ、本明細書で定義されるような同一のアルキル、アリール又はHetの部分を表し、R、R、R及びR11はそれぞれ、本明細書で定義されるような同一のアルキル、アリール又はHetの部分を表し、R、R、R及びR12はそれぞれ、本明細書で定義されるような同一のアルキル、アリール又はHetの部分を表す。さらに好ましくは、R、R、R及びR10はそれぞれ、同一のC〜Cのアルキル、特に非置換のC〜Cのアルキル、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル又はシクロヘキシルを表し;R、R、R及びR11はそれぞれ独立して上記で定義されたような同一のC〜Cのアルキルを表し;R、R、R及びR12はそれぞれ独立して上記で定義されたような同一のC〜Cのアルキルを表す。たとえば、R、R、R及びR10はそれぞれメチルを表し;R、R、R及びR11はそれぞれエチルを表し;R、R、R及びR12はそれぞれn−ブチル又はn−ペンチルを表す。
【0063】
本発明の特に好ましい実施態様では、R〜R12基は、上記で定義されたような同一のアルキル、アリール又はHetの部分を表す。好ましくは、アルキル基の場合、R〜R12はそれぞれ、同一のC〜Cのアルキル基、特に非置換のC〜Cのアルキル、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル又はシクロヘキシルを表す。さらに好ましくは、R〜R12はそれぞれ、メチル又はtert−ブチルを表し、最も好ましくはメチルを表す。
【0064】
式Iの化合物でA及びBが表す用語「低級アルキレン」は、本明細書で使用されるとき、C〜C10又はC〜C10の基を含み、後者の場合、基の2つの場所で結合することができ、それによってQ基又はQ基をR基に接続し、後者の場合、さもなければ、以下の「アルキル」と同様に定義される。それにもかかわらず、後者の場合、メチレンが最も好ましい。前者の場合、CによってQ基又はQ基がR基に直接接続し、C〜C10の低級アルキレン基が存在しないことを意味し、この場合、A及びBの一方のみがC〜C10の低級アルキレンである。いかなる場合でも、A基又はB基の一方がCである場合、他方の基はCであることができず、本明細書で定義されるようにC〜C10の基でなければならないので、A及びBの少なくとも一方はC〜C10の「低級アルキレン」基である。
【0065】
用語「アルキル」は本明細書で使用されるとき、C〜C10のアルキルを意味し、メチル、エチル、エテニル、プロピル、プロペニル、ブチル、ブテニル、ペンチル、ペンテニル、ヘキシル、ヘキセニル及びヘプチルの基が挙げられる。特に特定されない限り、アルキル基は、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖又は分枝鎖であってもよく(特に好ま
しい分枝基は、t−ブチル及びイソプロピルである)、飽和又は不飽和であってもよく、環状、非環状又は部分環状/非環状であってもよく、非置換であってもよく、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、非置換又は置換のアリール、又は非置換又は置換のHetから選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、又は終端処理されてもよく、その際、R19〜R30はそれぞれ独立して水素、ハロ、非置換又は置換のアリール、又は非置換又は置換のアルキルを表し、R21の場合、ハロ、ニトロ、シアノ及びアミノを表し、及び、1以上(好ましくは4未満)の酸素原子、イオウ原子、珪素原子、又はシラノ基、ジアルキルシルコン基又はそれらの混合物が割り込むか、もしくはそのいずれかである。
【0066】
用語「Ar」又は「アリール」は、本明細書で使用されるとき、5〜10員環、好ましくは5〜8員環の炭素環式の芳香族又は偽芳香族の基を含み、たとえば、フェニル、シクロペンタジエニル及びインデニルアニオン及びナフチルを含み、それらの基は非置換であってもよく、或いは、非置換又は置換のアリール、アルキル(この基自体が本明細書で定義されるように非置換であってもよく、置換されてもよく、終端処理されてもよい)、Het(この基自体が本明細書で定義されるように非置換であってもよく、置換されてもよく、終端処理されてもよい)、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、又は−C(S)N(R27)R28から選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、その際、R19〜R30はそれぞれ独立して水素、非置換又は置換のアリール、アルキル(この基自体が本明細書で定義されるように非置換であってもよく、置換されてもよく、終端処理されてもよい)を表し、R21の場合、ハロ、ニトロ、シアノ又はアミノを表す。
【0067】
用語「アルケニル」は、本明細書で使用されるとき、C〜C10のアルケニルを意味し、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルの基が挙げられる。特に特定されない限り、アルケニル基は、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖又は分枝鎖であってもよく、飽和又は不飽和であってもよく、環状、非環状又は部分環状/非環状であってもよく、非置換であってもよく、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、非置換又は置換のアリール、又は非置換又は置換のHetから選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、又は終端処理されてもよく、その際、R19〜R30は、上記アリールに関して同義であり、及び、1以上(好ましくは4未満)の酸素原子、イオウ原子、珪素原子、又はシラノ基、ジアルキルシルコン基又はそれらの混合物が割り込むか、もしくはそのいずれかである。
【0068】
用語「アルキニル」は、本明細書で使用されるとき、C〜C10のアルキニルを意味し、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びヘキシニルの基が挙げられる。特に特定されない限り、アルキニル基は、十分な数の炭素原子がある場合、直鎖又は分枝鎖であってもよく、飽和又は不飽和であってもよく、環状、非環状又は部分環状/非環状であってもよく、非置換であってもよく、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、非置換又は置換のアリール、又は非置換又は置換のHetから選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、又は終端処理されてもよく、その際、R19〜R30は、上記アルキルに関して同義であり、及び、1以上(好ましくは4未満)の酸素原子、イオウ原子、珪素原子、又はシラノ基、ジアルキルシルコン基又はそれらの混合物が割り込む
か、もしくはそのいずれかである。
【0069】
用語「アルキル」、「アラルキル」、「アルカリル」、「アリーレンアルキル」などは、それと反対の情報の非存在下で、基のアルキル又はalkの部分に関する限り、「アルキル」の上記定義に従って理解されるべきである。
【0070】
上記Ar又はアリール基は、1以上の共有結合によって連結されてもよいが、本明細書における「アルキレン」又は「アリーレンアルキル」などへの言及は、2つの共有結合の連結として理解されるべきであるが、さもなければ、基のアルキレン部分に関する限り、上記Ar又はアリールとして定義される。「アルカリル」、「アラルキル」などへの言及は、基のAr又はアリールの部分に関する限り上記Ar又はアリールへの言及として理解されるべきである。
【0071】
それによって上述の基が置換されてもよく又は終端処理されてもよいハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが挙げられる。
用語「Het」は、本明細書で使用されるとき、4〜12員環、好ましくは4〜10員環の環系を含み、その環は、窒素、酸素、イオウ及びそれらの混合物から選択される1以上のヘテロ原子を含有し、その環は、1以上の二重結合を含有せず、性質に合わせて非芳香族であってもよく、部分芳香族又は完全芳香族であってもよい。環系は、単環式、二環式であってもよく、融合してもよい。本明細書で同定される各「Het」は、非置換であってもよく、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキル(このアルキル基自体が本明細書で定義されるように非置換であってもよく、置換されてもよく、終端処理されてもよい)、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28から選択される1以上の置換基によって置換されてもよく、その際、R19〜R30はそれぞれ独立して水素、非置換又は置換のアリール又はアルキル(このアルキル基自体が本明細書で定義されるように非置換であってもよく、置換されてもよく、終端処理されてもよい)を表し、R21の場合、ハロ、ニトロ、アミノ又はシアノを表す。従って、用語「Het」は、任意で置換されるアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルフォリニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリル及びピペラジニルのような基を含む。Hetにおける置換は、Het環の炭素原子においてでもよく、適宜、1以上のヘテロ原子においてでもよい。
【0072】
「Het」基は、N酸化物の形態であってもよい。
本明細書で言及されるような用語「ヘテロ」は、窒素、酸素、イオウ又はそれらの混合物を意味する。
【0073】
アダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は、任意で追加の水素を含み、アルキル、−OR19、−OC(O)R20、ハロ、ニトロ、−C(O)R21、−C(O)OR22、シアノ、アリール、−N(R23)R24、−C(0)N(R25)R26、−C(S)(R27)R28、−SR29、−C(O)SR30、−CF、−P(R56)R57、−PO(R58)(R59)、−PO、−PO(OR60)(OR61)又は−SO62から選択される1以上の置換基を含み、その際、R19〜R30、アルキル、ハロ、シアノ及びアリールは本明細書で定義されたとおりであり、R56〜R62はそれぞれ独立して水素、アルキル、アリール又はHetを表す。
【0074】
好適には、アダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は、上記で定義されたような1以上の置換基で置換され、高度に好ましい置換基には、非置換のC〜Cのアルキル、−OR19、−OC(O)R20、フェニル、−C(O)OR22、フルオロ、−SOH、−N(R23)R24、−P(R56)R57、−C(0)N(R25)R26及び−PO(R58)(R59)、−CFが挙げられ、その際、R19は、水素、非置換のC〜Cのアルキル又はフェニルを表し、R20、R22、R23、R24、R25、R26はそれぞれ独立して水素又は非置換のC〜Cのアルキルを表し、R56〜R59はそれぞれ独立して非置換のC〜Cのアルキル又はフェニルを表す。特に好ましい実施態様では、置換基は、C〜Cのアルキルであり、さらに好ましくは1,3−ジメチルアダマンチルで見い出されるようなメチルである。
【0075】
好適には、アダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は、追加の水素原子、上記で定義されたような置換基を10まで、好ましくは上記で定義されたような置換基を5まで、さらに好ましくは上記で定義されたような置換基を3まで含んでもよい。好適には、アダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は、追加の水素原子を含む場合、本明細書で定義されるような1以上の置換基、好ましくは、各置換基は同一である。好ましい置換基は、非置換のC〜Cのアルキル及びトリフルオロメチルであり、好ましくはたとえば、メチルのような非置換のC〜Cのアルキルである。高度に好ましいアダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は、水素原子のみを含み、すなわち、アダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基は置換されない。
【0076】
好ましくは、式Iの化合物に1より多くのアダマンチル基、コングレシル基、ノルボルニル基又は1−ノルボルンジエニル基が存在する場合、そのような各基は同一である。
2−Q(又はQ)−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基(以後、便宜上2−メタ−アダマンチル基と呼ばれ、その際、2−メタ−アダマンチルは、ヒ素原子、アンチモン原子又はリン原子であるQ又はQへの参照であり、すなわち、2−アルサ−アダマンチル及び2−スチバ−アダマンチルならびに2−ホスファ−アダマンチル、もしくはそのいずれか、好ましくは2−ホスファ−アダマンチル)は、任意で追加の水素原子、1以上の置換基を含む。好適な置換基には、アダマンチル基に関して本明細書で定義されたような置換基が挙げられる。高度に好ましい置換基には、アルキル、特に非置換のC〜Cのアルキル、特に、メチル、トリフルオロメチル、−OR19が挙げられ、その際、R19は、本明細書で定義されたとおりであり、特に非置換のC〜Cのアルキル又はアリール及び4−ドデシルフェニルである。2−メタ−アダマンチル基が1より多い置換基を含む場合、好ましくは、各置換基は同一である。
【0077】
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1位、3位、5位又は7位の1以上にて本明細書で定義されたような置換基によって置換される。さらに好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1位、3位及び5位のそれぞれにて置換される。好適には、そのような配置は、2−メタ−アダマンチル基のQ原子が、水素原子を有さないアダマンチル骨格における炭素原子に結合することを意味する。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、1位、3位、5位又は7位のそれぞれで置換される。2−メタ−アダマンチル基が1を超える置換基を含む場合、好ましくは、各置換基は同一である。特に好ましい置換基は、非置換のC〜Cのアルキル及びハロアルキルであり、特に非置換のC〜Cのアルキル、たとえば、メチル及びフッ素化C〜Cのアルキル、たとえば、トリフルオロメチルである。
【0078】
好ましくは、2−メタ−アダマンチルは、非置換の2−メタ−アダマンチル又はC
のアルキル置換基又はその組み合わせの1以上によって置換された2−メタ−アダマンチルを表す。
【0079】
好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、2−メタ−アダマンチル骨格において2−Q原子以外の追加のヘテロ原子を含む。好適な追加のヘテロ原子には、酸素原子及びイオウ原子が挙げられ、特に酸素原子が挙げられる。さらに好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6位、9位及び10位にて1以上の追加のヘテロ原子を含む。一層さらに好ましくは、2−メタ−アダマンチル基は、6位、9位及び10位のそれぞれにて追加のヘテロ原子を含む。最も好ましくは、2−メタ−アダマンチル基が、2−メタ−アダマンチル骨格にて2以上の追加のヘテロ原子を含む場合、各追加のヘテロ原子は同一である。好ましくは、2−メタ−アダマンチル基が、2−メタ−アダマンチル骨格にて1以上の酸素原子を含む。特に好ましい2−メタ−アダマンチル基は、本明細書で定義されるような1以上の置換基によって任意で置換されてもよいが、2−メタ−アダマンチル骨格の6位、9位及び10位のそれぞれにて酸素原子を含む。
【0080】
本明細書で定義されるような高度に好ましい2−メタ−アダマンチル基には、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基、及び2−ホスファ−1,3,5−トリ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサアダマンチル基が挙げられる。最も好ましくは、2−ホスファ−アダマンチルは、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基又は2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル基から選択される。
【0081】
好ましくは、式Iの化合物にて1以上の2−メタ−アダマンチル基が存在する場合、各2−メタ−アダマンチル基は同一である。しかしながら、非対称の配位子を調製し、そのような配位子がQ原子を組み入れる2−メタ−アダマンチル基を含み、次いでQ原子上に他の基を見つけることができ、逆も同様であることも有利である。
【0082】
当業者に周知の方法によって2−メタ−アダマンチル基を調製してもよい。好適には、特定の2−ホスファ−アダマンチル化合物がカナダのサイテックカナダ社から入手可能である。同様に、式Iの相当する2−メタ−アダマンチル化合物を同一の供給業者から入手してもよく、類似の方法によって調製してもよい。
【0083】
本発明の好ましい実施態様は、それらを含み、
その際、
は、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表す。
【0084】
は、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
【0085】
は、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に式1aの環系を形成する。
【0086】
【化5】

は、CR(R)(R)を表し、Xは、アダマンチルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
【0087】
は、CR(R)(R)を表し、Xは、アダマンチルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に式1aの環系を形成する。
【0088】
【化6】

は、CR(R)(R)を表し、Xは、アダマンチルを表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表す。
【0089】
は、CR(R)(R)を表し、Xは、コングレシルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
は、CR(R)(R)を表し、Xは、コングレシルを表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表す。
【0090】
とXは独立してアダマンチルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
とXは独立してアダマンチルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に式1aの環系を形成する。
【0091】
【化7】

とXは独立してアダマンチルを表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表す。
【0092】
、X、X及びXはアダマンチルを表す。
とXはそれらが結合するQと一緒に式1bの環系を形成してもよい。
【0093】
【化8】

且つ、XとXは、それらが結合するQと一緒に式1aの環系を形成する。
【0094】
【化9】

とXは独立してコングレシルを表し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
【0095】
とXはそれらが結合するQと一緒に式1bの環系を形成してもよい。
【0096】
【化10】

且つ、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
【0097】
とXは独立してコングレシルを表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表す。
とXはそれらが結合するQと一緒に式1bの環系を形成してもよい。
【0098】
【化11】

は、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し;
とXはそれらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成する。
【0099】
本発明の高度に好ましい実施態様はそれらを含み、その際、
は、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し、特にR〜R12はメチルである。
【0100】
式Iの化合物において好ましくは、XはXと同一であり、及びXはXと同一であるか、もしくはそのいずれかである。
本発明の特に好ましい組み合わせはそれらを含み、その際、
(1)Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し;AとBは同一であり、−CH−を表し;QとQは双方共、環の1位及び2位にてR基に連結するリンを表し;Rは、4−(トリメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイルを表す。
【0101】
(2)Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR10(R11)(R12)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し、Xは、CR(R)(R)を表し;AとBは同一であり、−CH−を表し;QとQは双方共、環の1位及び2位
にてR基に連結するリンを表し;Rは、4−t−ブチルベンゼン−1,2−ジイルを表す。
【0102】
(3)XとXはそれらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成し、XとXは、それらが結合するQと一緒に2−ホスファ−アダマンチル基を形成し;AとBは同一であり、−CH−を表し;QとQは双方共、環の1位及び2位にてR基に連結するリンを表し;Rは、4−(トリメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイルを表す。
【0103】
(4)X、X、X及びXはアダマンチルを表し、AとBは同一であり、−CH−を表し;QとQは双方共、環の1位及び2位にてR基に連結するリンを表し;Rは、4−(トリメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイルを表す。
【0104】
好ましくは、式Iの化合物において、A及びBはそれぞれ独立して、本明細書で定義されるような置換基、たとえば、アルキル基によって任意で置換されるC〜Cのアルキレンを表す。好ましくは、A及びBが表す低級アルキレンは置換されない。A及びBが独立して表してもよい特に好ましいアルキレンは−CH−又は−C−である。最も好ましくは、A及びBのそれぞれが、本明細書で定義されるように同一のアルキレンを表し、特に−CH−を表す。或いは、A又はBの1つがCであり、すなわち、Q又はQがR基に直接接続し、他方のQ基がR基に直接接続せず、C〜Cのアルキレンであり、好ましくは−CH−又は−C−であり、最も好ましくは−CH−である。
【0105】
式Iのその上さらに好ましい化合物は、それらを含み、その際、
〜R12は、アルキルであり、同一であり、好ましくはそれぞれC〜Cのアルキルを表し、特にメチルを表す。
【0106】
式Iの特に好ましい特定の化合物はそれらを含み、その際、
〜R12のそれぞれは同一であり、メチルを表し、A及びBは同一であり、−CH−を表し、Rは、4−t−ブチル−ベンゼン−1,2−ジイル又は4−(トリメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイルを表す。
【0107】
好適な二座配位子の例は、1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノ
メチル)−4−フェニルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10
−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,1
0−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)
−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−ト
リオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;及び1−(8−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−2,4,6−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−5−(トリメチルシリル)ベンゼンである。
【0108】
好適な二座フェロセン型の配位子の例は、1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t
−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシク
ロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−ト
リオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−
t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1
.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセンである。
【0109】
本発明はまた、好適な二座配位子及び好適な二座フェロセン型配位子の上記例のすべての改変にも及び、その際、各リン原子が、Rを表す環に直接連結されるように芳香環に連結したメチレン連結基の1つが外される。これらの改変例では、メチレンが1つ外された場合、そのほかのリン原子を連結するそのほかのメチレン連結基は、各上記例でQ及びQを表す2つのリン原子をC架橋が接続するように、依然として存在する。
【0110】
本発明の配位子の精選された構造は、以下を含む
【0111】
【化12】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−3,6−ジフェニル−4,5−ジメチルベンゼン
【0112】
【化13】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン
【0113】
【化14】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’−トリメチルシリルフェロセン
【0114】
【化15】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’−tert−ブチルフェロセン
【0115】
【化16】

5,6−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1,3−ビス−トリメチルシリル−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン
【0116】
【化17】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−3,6−ジフェニルベンゼン
【0117】
【化18】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−トリメチルシリルフェロセン
【0118】
【化19】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ジ(4’−tertブチルフェニル)ベンゼン
【0119】
【化20】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−トリメチルシリルベンゼン
【0120】
【化21】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(tert−ブチルジメチルシリル)ベンゼン
【0121】
【化22】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン
【0122】
【化23】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−tert−ブチルベンゼン
【0123】
【化24】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ジ−tert−ブチルベンゼン
【0124】
【化25】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(トリ−tert−
ブチルメチル)ベンゼン
【0125】
【化26】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(トリ−tert−ブチルシリル)ベンゼン
【0126】
【化27】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン
【0127】
【化28】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−フェニルベンゼン
【0128】
【化29】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−3,6−ジメチル−4,5−ジフェニルベンゼン
【0129】
【化30】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−3,4,5,6−テトラフェニルベンゼン
【0130】
【化31】

塩化4(1−{3,4−ビス−[(ジ−tert−ブチル−ホスファニル)−メチル]−フェニル}−1−メチル−エチル)−ベンゾイル
【0131】
【化32】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(4’−クロロカルボニル−フェニル)ベンゼン
【0132】
【化33】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(ホスフィノメチル)ベンゼン
【0133】
【化34】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(2’−ナフチルプロップ−2’−イル)ベンゼン
【0134】
【化35】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(3’,4’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼン
【0135】
【化36】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−3−(2’,3’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼン
【0136】
【化37】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−tertブチル−5−(2’−tertブチル−4’,5’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼン
上記例、一般式(I)の配位子の構造では、Q基及びQ基、もしくはそのいずれか、リンに連結されるX〜X三級炭素を持つ基、t−ブチルの1以上が好適な代替物によって置き換えられてもよい。好ましい代替物は、アダマンチル、1,3−ジメチルアダマンチル、コングレシル、ノルボルニル又は1−ノルボンジエニルであり、又は、XとXが一緒に、及びXとXが一緒に、もしくはそのいずれかがリンと共に、たとえば、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル若しくは2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチルのような2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基を形成する。最も好ましい実施態様では、X〜Xの基又は組み合わせたX/X及びX/Xの基は同一であることが好ましいが、異なった基を使用してこれらの精選された配位子及び一般的に本発明で、活性部位の周囲で非対称を生じることが有利であってもよい。
【0137】
同様に、t−ブチル代替物を含めて一般式(I)の配位子の上記例の構造のすべてにおいて、式(I)におけるA又はBを表すメチレン連結基の1つは、Q及びQを表す各リン原子がRを表す芳香環に直接連結されるように、代替物として外されてもよい。これらの改変された例の構造では、そのほかのリン原子を連結するそのほかのメチレン連結基は、各例の構造でQ及びQを表す2つのリン原子をC架橋が接続するように、依然として存在する。
【0138】
好ましくは、Qはリンであり、且つ好ましくは、Qは独立してリンである。
好ましくは、二座配位子は、二座のリン配位子、アルシン配位子又はスチビン配位子であり、好ましくは、リン配位子である。
【0139】
疑念を回避するために、本明細書での8族、9族又は10族の金属への言及は、近代の周期律表の命名法における8族、9族及び10族を含むように解釈されるべきである。用語「8族、9族又は10族」によって、我々は好ましくは、Ru、Rh、Os、Ir、Pt及びPdのような金属を選択する。好ましくは、金属は、Ru、Pt及びPdから選択される。さらに好ましくは、金属はPdである。
【0140】
そのような8族、9族又は10族の好適な化合物には、硝酸;硫酸;低級アルカン酸(C12まで)、たとえば、酢酸及びプロピオン酸;スルホン酸、たとえば、メタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、たとえば、p−トルエンス
ルホン酸、t−ブチルスルホン酸及び2−ヒドロキシプロパンスルホン酸;スルホン化イオン交換樹脂(低酸レベルのスルホン樹脂を含む)過ハロゲン酸、たとえば、過塩素酸;ハロゲン化カルボン酸、たとえば、トリクロロ酢酸及びトリフルオロ酢酸;オルソリン酸;ホスホン酸、たとえば、ベンゼンホスホン酸;並びにルイス酸とブレンステッド酸との間の相互作用に由来する酸との、又はそれらに由来する弱く配位したアニオンを含む化合物とのそのような金属の塩が挙げられる。好適なアニオンを提供してもよいそのほかの原料には、任意でハロゲン化されたホウ酸テトラフェニル誘導体、たとえば、ホウ酸パーフルオロテトラフェニルが挙げられる。さらに、ゼロ価のパラジウム錯体、特に、不安定配位子を伴うもの、たとえば、トリフェニルホスフィン又はアルケン類、たとえば、ジベンジリデンアセトン又はスチレン又はトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを使用してもよい。上記アニオンは金属の化合物として直接導入されてもよいが、好ましくは、金属又は金属化合物とは独立して触媒系に導入されるべきである。
【0141】
アニオンは、18℃の希釈水溶液で測定したpKaが6未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは4未満を有する酸、反応を妨害しないカチオンを伴う塩、たとえば、金属塩、及び反応条件下で分解してその場でアニオンを生成するエステルのような前駆体の1以上に由来してもよく、又はそのようなものとして導入されてもよい。好適な酸及び塩には、上記で列記された酸及び塩が挙げられる。
【0142】
特に好ましい酸促進剤は、スルホン化イオン交換樹脂を含むスルホン酸及び上記で列記されたカルボン酸である。使用されてもよい低レベルの酸イオン交換樹脂は好ましくは、35モル/モル未満、さらに好ましくは25モル/モル未満、最も好ましくは15モル/モル未満の反応においてSOH/Pd比のレベルを提供する。樹脂によって提供されるSOH濃度についての典型的な範囲は、1〜40モル/モルPd、さらに好ましくは2〜30モル/モルPd,最も好ましくは3〜20モル/モルPdである。
【0143】
一般に反応に適するアニオンを選択することができる。特定のエチレン性不飽和化合物は、他よりもアニオンの酸のpKaに感受性が高くてもよく、条件及び溶媒は、当業者の範囲内で適宜変化してもよい。たとえば、ブタジエンのカルボニル化では、アニオンの酸のpKaは、18℃での希釈水溶液にて2より大きくすべきであり、さらに好ましくは2〜5の間のpKaを有する。
【0144】
カルボニル化反応では、存在するアニオンの量は触媒系の触媒挙動にとって重要ではない。アニオンの8族、9族又は10族の金属又は化合物に対するモル比は、1:1〜10000:1、好ましくは10:1〜2000:1、特に100:1〜1000:1であってもよい。酸及び塩によってアニオンが提供される場合、酸と塩の相対的な比率は重要ではない。しかしながら、アニオンが酸によって提供される又は酸によって部分的に提供される場合、酸の8族、9族又は10族の金属に対する比は好ましくは、上記アニオンの金属又は化合物に対するのと同じ比である。Hによって、1モルの一塩基酸が1モルのHを有し、1モルの二塩基酸が2モルのHを有し、それに応じて三塩基酸が解釈されるべきであるような活性酸性部位の量を意味する。同様に、C2+によって、Mについて金属カチオンの比がそれに応じて調整されるべきであるような2カチオンの電荷を有する金属のモルを意味する。たとえば、Mカチオンは、Mのモル当たり0.5モルのC2+を有するとして理解されるべきである。
【0145】
アルコキシカルボニル化反応では、好ましくは、二座配位子の酸に対する比は、少なくとも1:2モル/モル(H)であり、好ましくは、二座配位子の8族、9族又は10族の金属に対する比は、少なくとも1:1モル/モル(C2+)である。好ましくは、配位子は、金属のモル/モル(C2+)を超え、好ましくは酸との1:2モル/モル(H)の比を超える。配位子自体が反応において酸のレベルを緩衝する塩基として作用してもよ
く基質の分解を防いでもよいので、過剰の配位子は有利である。他方、酸の存在は反応混合物を活性化し、反応全体の比率を改善する。
【0146】
ヒドロキシカルボニル化反応では、好ましくは、二座配位子の酸に対する比は、少なくとも1:2モル/モル(H)であり、好ましくは、二座配位子の8族、9族又は10族の金属に対する比は、少なくとも1:1モル/モル(C2+)である。好ましくは、配位子は、金属のモル/モル(C2+)を超える。配位子自体が反応において酸のレベルを緩衝する塩基として作用してもよく基質の分解を防いでもよいので、過剰の配位子は有利であってもよい。他方、酸の存在は反応混合物を活性化し、反応全体の比率を改善する。
【0147】
言及したように、本発明の触媒系は、均質的に使用しても、不均質で使用してもよい。好ましくは、触媒系は均質的に使用される。
好適には、本発明の方法を使用して、一酸化炭素、及びヒドロキシル基を含有する化合物、任意でアニオンの供給源の存在下、エチレン性不飽和化合物のカルボニル化を触媒してもよい。本発明の配位子は、たとえば、エチレン、プロピレン、1,3−ブタジエン、ペンテンニトリル及びオクテンのカルボニル化のようなカルボニル化反応において驚くべき高さのTONを生じる。その結果、本発明の方法を採用することによってカルボニル化法の商業化が高まるであろう。
【0148】
有利なことに、エチレン性不飽和化合物などのカルボニル化における本発明の触媒系の使用は、特にアルコキシカルボニル化及びヒドロキシカルボニル化について良好な比率を提供する。
【0149】
本明細書におけるエチレン性不飽和化合物への言及は、アルケン類、アルキン類、抱合及び非抱合のジエン類、官能性アルケン類などで見られるもののような化合物における1以上の不飽和C−C結合を含めるように解釈されるべきである。
【0150】
本発明に好適なエチレン性不飽和化合物は、分子当たり2〜50の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物、又はその混合物である。好適なエチレン性不飽和化合物は、分子当たり1以上の単離される又は抱合された不飽和結合を有してもよい。好ましいのは、2〜20の炭素原子を有する化合物又はその混合物であり、一層さらに好ましいのは、多くても18の炭素原子、さらに多くても16の炭素原子を有する化合物であり、再びさらに好ましいのは、多くても10の炭素原子を有する化合物である。エチレン性不飽和化合物はさらに、官能基、又は窒素、イオウ若しくは酸化物のようなヘテロ原子を含んでもよい。例には、官能基としてのカルボン酸、エステル類又はニトリル類が挙げられる。方法の好ましい群では、エチレン性不飽和化合物はオレフィン又はオレフィンの混合物である。好適なエチレン性不飽和化合物には、アセチレン、メチルアセチレン、プロピルアセチレン、1,3−ブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ペンテンニトリル、アルキルペンタノエート、たとえば、メチル3−ペンタノエート、ペンテン酸(たとえば、2−及び3−ペンテン酸)、ヘプテン類、ビニルエステル類、たとえば、酢酸ビニル、オクテン、ドデセンが挙げられる。
【0151】
特に好ましいエチレン性不飽和化合物は、エチレン、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、アルキルペンタノエート、ペンテンニトリル、ペンテン酸(たとえば、3−ペンテン酸)、アセチレン、ヘプテン、ブチレン、オクテン、ドデセン及びプロピレンである。
【0152】
特に好ましいエチレン性不飽和化合物は、エチレン、プロピレン、ヘプテン、オクテン、ドデセン、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、及びペンテンニトリルである。
その上さらに、内部二重結合を含有するアルケン類の混合物及び飽和炭化水素を伴う分枝鎖アルケン類、もしくはそのいずれかをカルボニル化することが可能である。例は、ラ
フィネート1、ラフィネート2及びクラッカーに由来するそのほかの混合流、又はアルケンの二量化(ブテンの二量化は具体例の1つである)及びフィッシャー・トロプシュの反応に由来する混合流である。
【0153】
本明細書におけるビニルエステル類に対する言及は、式(IV)の置換又は非置換のビニルエステルへの言及を含む:
62−C(O)0CR63=CR6465
式中、R62は、水素、アルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−NR2324、−C(O)NR2526、−C(S)R2728、−SR29、−C(O)SR30から選択されてもよく、式中、R19〜R30は本明細書で定義されたとおりである。
【0154】
好ましくは、R62は、水素、アルキル、フェニル又はアルキルフェニルから選択され、さらに好ましくは、水素、フェニル、C〜Cのアルキルフェニル、又はC〜Cのアルキル、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルから選択され、一層さらに好ましくは、C〜Cのアルキル、特にメチルである。
【0155】
好ましくは、R63〜R65は、それぞれ独立して、本明細書で定義されるような水素、アルキル、アリール又はHetを表す。最も好ましくは、R63〜R65は、独立して水素を表す。
【0156】
しかしながら、任意で本明細書におけるエチレン性不飽和化合物への言及は、酢酸ビニルを含むビニルエステル類を除外することができる。
本明細書の式(たとえば、式I又はIV)の化合物が定義されるようにアルケニル基又はシクロアルキル部分を含有する場合、シス(E)及びトランス(Z)の異性が生じてもよい。本発明は、本明細書で定義される式のいずれかの化合物の個々の立体異性体を含み、適宜、その混合物と共にその個々の互変異性形態を含む。ジアステレオ異性体又はシス異性体及びトランス異性体の分離は、従来の技法、たとえば、式の化合物又は好適なその塩又はその誘導体の立体異性体混合物の分画結晶化、クロマトグラフィ又はHPLCによって達成されてもよい。式の1つの化合物の個々の鏡像異性体は、相当する光学的に純粋な中間体から、又は好適なキラル支持体を用いた相当するラセミ体のH.P.L.C.のような分解能によって、又は適宜、相当するラセミ体と好適な光学的に活性のある酸若しくは塩基との反応によって形成されるジアステレオ異性体の塩の分画結晶化によって調製されてもよい。
【0157】
立体異性体はすべて本発明の方法の範囲内に含まれる。
式(I)の化合物は、8族、9族又は10族の金属又はその化合物と配位して本発明で使用するための化合物を形成する配位子として機能してもよいことが当業者によって十分に理解されるであろう。通常、8族、9族又は10族の金属又はその化合物は、式(I)の化合物のリン原子、ヒ素原子及びアンチモン原子、もしくはそのいずれかの1以上に配位する。
【0158】
上述のように、本発明は、本発明で定義されるような触媒化合物の存在下で、エチレン性不飽和化合物を一酸化炭素と、水又はアルカノールのようなヒドロキシル基の供給源とに接触させることを含むエチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法を提供する。
【0159】
好適には、ヒドロキシル基の供給源には、ヒドロキシル官能基を有する有機分子が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシル官能基を有する有機分子は、分枝鎖又は直鎖であってもよく、アルカノール、特にアリールアルカノールを含むC〜C30のアルカノールを
含み、それらは任意で、本明細書で定義されるようなアルキル、アリール、Het、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−NR2324、−C(O)NR2526、−C(S)R2728、−SR29又は−C(O)SR30から選択される1以上の置換基によって置換されてもよい。高度に好ましいアルカノールは、C〜Cのアルカノール類、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロパノール、イソ−ブタノール、t−ブチルアルコール、n−ブタノール、フェノール及びクロロカプリルアルコールである。モノアルカノールが最も好ましいが、好ましくは、ジオール、トリオール、テトラオールのようなジオクタオール類から選択されるポリアルカノール及び糖が利用されてもよい。通常、そのようなポリアルカノールは、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリ(ヒドロキシメチル)エタン、ナンノース、ソルベース、ガラクトース及びそのほかの糖から選択される。好ましい糖には、スクロース、フルクトース及びグルコースが挙げられる。特に好ましいアルカノールは、メタノール及びエタノールである。最も好ましいアルカノールはメタノールである。
【0160】
アルコールの量は重要ではない。一般に、カルボニル化される基質の量を超えた量が用いられる。従って、所望であれば、別の溶媒を使用してもよいが、アルコールは、同様に反応溶媒として役立ってもよい。
【0161】
反応の最終生成物は、少なくとも部分的には使用したアルカノールの供給源によって決定されることが十分に理解されるであろう。たとえば、メタノールの使用は、相当するメチルエステルを生じる。代わって、水の使用は、相当する酸を生じる。従って、本発明は、エチレン性不飽和結合を横切って−C(O)O、C−C30のアルキル又はアリール又は−C(O)OHを付加する好都合な方法を提供する。
【0162】
本発明の第2の態様に係る方法では、一酸化炭素は、純粋な形態、又は不活性気体、たとえば、窒素、二酸化炭素若しくはアルゴンのような希ガスによって希釈された形態で使用されてもよい。少量の、通常5体積%未満の水素が存在してもよい。
【0163】
液相反応媒体におけるエチレン性不飽和化合物のヒドロキシル基供給源に対する比(体積/体積)は、広い限定の間で変化してもよく、好適には1:0.1〜1:10、好ましくは2:1〜1:2の範囲にあり、及びアルカノール又は水の大過剰までであり、後者はアルカノール又は水の100:1までの過剰のような反応溶媒でもある。しかしながら、反応温度にてエチレン性不飽和化合物が気体であるならば、液相反応媒体ではそれはさらに低いレベルで存在してもよく、たとえば、ヒドロキシル基供給源に対する比が1:20,000〜1:10、さらに好ましくは1:10,000〜1:50、最も好ましくは1:5000〜1:500である。
【0164】
カルボニル化法において使用される本発明の触媒の量は重要ではない。好ましくは、8族、9族又は10族の金属の量が、液相カルボニル化反応の媒体におけるエチレン性不飽和化合物のモル当たり、10−7〜10−1モル、さらに好ましくは10−6〜10−2モル、最も好ましくは10−5〜10−2モルである場合、良好な結果が得られてもよい。
【0165】
好適には、本発明に必須ではないが、本明細書で定義されるようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化は、1以上の非プロトン性溶媒にて行われてもよい。好適な溶媒には、ケトン類、たとえば、メチルブチルケトン、エーテル類、たとえば、アニソール(メチルフェニルエーテル)、2,5,8−トリオキサノナン(ジグリム)、ジエチルエーテル
、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル及びジエチレングリコールのジメチルエーテル;エステル類、たとえば、酢酸メチル、アジピン酸ジメチル、安息香酸メチル、フタル酸ジメチル及びブチロラクトン;アミド類、たとえば、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びジメチルホルムアミド;スルホキシド類及びスルホン類、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジ−イソプロピルスルホン、スルホラン(テトラヒドロチオフェン−2,2−ジオキシド)、2−メチルスルホラン、ジエチルスルホン、テトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシド及び2−メチル−4−エチルスルホン;芳香族化合物、そのような化合物のハロ変異体を含む、たとえば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン;アルカン類、そのような化合物のハロ変異体を含む、たとえば、卵、ヘキサン、ヘプタン、2,2,3−トリメチルペンタン、塩化メチレン及び四塩化炭素;ニトリル類、たとえば、ベンゾニトリル及びアセトニトリルが挙げられる。
【0166】
非常に好適なのは、298.15K及び1x10Nm−2にて50の値未満、さらに好ましくは3〜8の範囲内にある誘電率を有する非プロトン性溶媒である。本背景にて、所与の溶媒に対する誘電率は、誘電体としてのその物質を伴うコンデンサの能力の誘電用に真空である同一コンデンサの能力に対する比を表す通常の意味で使用される。一般的な有機配位子の誘電率の値は、非特許文献5のような一般の参考書に見い出すことができ、通常、約20℃又は25℃、すなわち、293.15K又は298.15Kの温度、及び大気圧、すなわち、1x10Nm−2にて引用され、或いは引用される変換換算係数を用いてその温度及び気圧に容易に変換することができる。特定の化合物についての文献データが入手できなければ、確立された物理化学的方法を用いて、誘電率を容易に測定してもよい。
【0167】
たとえば、アニソールの誘電率は4.3(294.2Kにて)であり、ジエチルエーテルのそれは4.3(293.3Kにて)であり、スルホランのそれは43.4(303.2Kにて)であり、メチルペンタノエートのそれは、5.0(293.2Kにて)であり、ジフェニルエーテルのそれは、3.7(283.2Kにて)、ジメチルアジペートのそれは、6.8(293.2Kにて)、テトラヒドロフランのそれは7.5(295.2Kにて)、メチルノナノエートのそれは、3.9(293.2Kにて)である。好ましい非プロトン性溶媒はアニソールである。
【0168】
アルカノールの存在下で、エチレン性不飽和化合物、一酸化炭素のエステルカルボニル化生成物としての反応によって非プロトン性溶媒が生成され、アルカノールは非プロトン性溶媒である。
【0169】
過剰の非プロトン性溶媒、すなわち、少なくとも1:1の非プロトン性溶媒のアルカノールに対する比(v/v)にて方法を実施してもよい。好ましくは、この比は、1:1〜10:1、さらに好ましくは1:1〜5:1の範囲である。最も好ましくは、比(v/v)は、1.5:1〜3:1の範囲である。
【0170】
前述したにもかかわらず、外部から添加された非プロトン性溶媒の非存在下で、すなわち、反応自体によって生成されない非プロトン性溶媒の非存在下で反応を実施することが好ましい。
【0171】
ヒドロキシカルボニル化の間、プロトン性溶媒の存在も好ましい。プロトン性溶媒には、カルボン酸又はアルコールが挙げられてもよい。非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の混合物も採用されてもよい。
【0172】
カルボニル化反応に水素を添加して反応率を改善してもよい。利用する場合、水素の好適なレベルは、一酸化炭素の体積の0.1〜20%の間、さらに好ましくは一酸化炭素の体積の1〜20%、さらに好ましくは一酸化炭素の体積の2〜15%、最も好ましくは一酸化炭素の体積の3〜10%の比率である。
【0173】
本発明の触媒化合物は、「不均質」触媒として作用してもよく、又は「均質」触媒として作用してもよく、好ましくは均質触媒である。
用語「均質」触媒によって、我々は、本明細書で記載されるような好適な溶媒中で、担持されるのではなく、カルボニル化反応の反応物質(たとえば、エチレン性不飽和化合物、ヒドロキシル基を含有する化合物及び一酸化炭素)と共にその場に単に添加される、又はその場で形成される触媒、すなわち、本発明の化合物を意味する。
【0174】
用語「不均質」触媒によって、我々は、支持体で支えられる触媒、すなわち、本発明の化合物を意味する。
従って、さらなる態様によれば、本発明は、本明細書で定義されるようなエチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法を提供し、その際、支持体、好ましくは不溶性の支持体を含む触媒と共に方法が実施される。
【0175】
好ましくは、支持体は、当業者に既知のポリマー、たとえば、ポリオレフィン、ポリスチレン又はポリスチレンコポリマー、たとえば、ジビニルベンゼンコポリマー、又はそのほかの好適なポリマー又はコポリマーを含み;珪素誘導体、たとえば、機能化シリカ、シリコーン又はシリコーンゴム;又はそのほかの多孔性粒子状物質、たとえば、無機酸化物及び無機塩化物を含む。
【0176】
好ましくは、支持体材料は、10〜700m/gの範囲にある表面積、0.1〜4.0cc/gの範囲にある総孔容積及び10〜500μmの範囲内の平均粒度を有する多孔性シリカである。さらに好ましくは、表面積は、50〜500m/gの範囲内であり、孔容積は0.5〜2.5cc/gの範囲内であり、平均粒度は、20〜200μmの範囲内である。最も好ましくは、表面積は、100〜400m/gの範囲内であり、孔容積は0.8〜3.0cc/gの範囲内であり、平均粒度は、30〜100μmの範囲内である。典型的な多孔性支持体材料の孔サイズは、10〜1000Åの範囲内である。好ましくは、平均孔径、50〜500Å、さらに望ましくは75〜350Åを有する支持体材料が使用される。100℃〜800℃の温度のいずれかで3〜24時間シリカを脱水することが特に望ましくてもよい。
【0177】
好適には、支持体は、柔軟な支持体であっても硬い支持体であってもよく、不溶性の支持体は、当業者に周知の技法によって本発明の方法の化合物で被覆、及び含浸されるか、もしくはそのいずれかである。
【0178】
或いは、本発明の方法の化合物は、任意で共有結合を介して不溶性の支持体の表面に固定され、配置は任意で、二官能性のスペーサー分子を含み、不溶性の支持体から化合物を離す。
【0179】
式Iの化合物に存在する官能基、たとえば、芳香族構造の置換基の、支持体に存在する又は予め支持体に挿入された相補的反応基との反応を促進することによって、本発明の化合物を不溶性の支持体の表面に固定してもよい。支持体の反応基と本発明の化合物の相補的置換基との組み合わせは、不均質な触媒を提供し、その際、本発明の化合物と支持体は、たとえば、エーテル、エステル、アミド、アミン、尿素、ケト基のような連結を介して連結される。
【0180】
本発明の方法の化合物を支持体に連結する反応条件の選択はエチレン性不飽和化合物及び支持体の基に依存する。たとえば、カルボジイミド、1,1’−カルボニルジイミダゾールのような試薬、及び混合無水物の使用、還元アミノ化のような方法が採用されてもよい。
【0181】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明の任意の態様の方法又は配位子触媒組成物の使用を提供し、その際、触媒は支持体に連結される。
さらに、二座ホスフィンは、架橋置換基、架橋基R、連結基A又は連結基Bの少なくとも1つを介して好適なポリマー基材に連結されてもよく、たとえば、1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチル−ベンゼンを、好ましくは、ベンゼン基の3、5又は6の環状炭素を介してポリスチレンに結合させ、不動の不均質触媒を提供してもよい。
【0182】
使用される二座配位子の量は、広い限定の範囲内で変化することができる。好ましくは、二座配位子は、存在する二座配位子のモル数の存在する8族、9族又は10族の金属のモル数に対する比が金属のモル当たり、1〜50、たとえば、1〜15、特に1〜10となるような量で存在する。さらに好ましくは、式Iの化合物の8族、9族又は10族の金属に対するモル:モルの範囲は、1:1〜20:1、最も好ましくは1:1〜10:1、又はさらに1:1〜1.5:1の範囲内である。好都合なことに、これらの低モル比を適用することの可能性は、式Iの化合物の過剰の使用を回避するのでこれらの普通高価な化合物の消費を出来るだけ抑えるので、有利である。好適には、本発明の触媒は、カルボニル化反応においてその場でのそれらの使用に先立って別の工程で調製される。
【0183】
好都合なことに、本発明で定義されるような8族、9族又は10族の金属又はその化合物を以前記載されたアルカノール類又は非プロトン性溶媒(特に好ましい溶媒は、特定のカルボニル化反応のエステル生成物若しくは酸生成物、たとえば、酢酸ビニルのカルボニル化のための2−アセトキシメチルプロピオネート若しくは3−アセトキシメチルプロピオネート又はエチレンのカルボニル化のためのプロピオン酸メチルである)の1つのような好適な溶媒中で溶解し、その後、本発明で定義されるような式Iの化合物と混合することによって本発明の方法を実施してもよい。
【0184】
反応において不活性であるそのほかの気体の存在下で一酸化炭素を使用してもよい。そのような気体の例には、水素、窒素、二酸化炭素、及びアルゴンのような希ガスが挙げられる。
【0185】
反応の生成物は、任意の好適な手段によってそのほかの成分から分離されてもよい。しかしながら、有意に少ない副産物が形成され、それによって、一般に有意に高い選択性によって証拠付けられてもよいような生成物の最初の分離の後、さらなる精製の必要性を低減することは、本発明の利点である。さらなる利点は、触媒系を含有するそのほかの成分が、新しい触媒の最少限の補完と共にさらなる反応でリサイクルおよび再利用されてもよく、もしくはそのいずれかでもよい。
【0186】
好ましくは、カルボニル化は、−30〜170℃、さらに好ましくは−10〜160℃、最も好ましくは20〜150℃の間の温度で実施される。特に好ましい温度は、40℃〜150℃の間で選択されるものである。有利には、カルボニル化は穏やかな温度で実施することができ、室温(20℃)で反応を実施できることは特に有利である。
【0187】
好ましくは、低温カルボニル化を操作する場合、カルボニル化は、−30℃〜49℃、さらに好ましくは−10℃〜45℃、一層さらに好ましくは0℃〜45℃、最も好ましくは10℃〜45℃の間にて実施される。特に好ましいのは10〜35℃の範囲である。
【0188】
好ましくは、カルボニル化は、0.80x10N.m−2〜90x10N.m−2、さらに好ましくは1x10N.m−2〜65x10N.m−2、最も好ましくは1x10N.m−2〜50x10N.m−2のCO分圧にて実施される。特に好ましいのは、5〜45x10N.m−2CO分圧である。
【0189】
好ましくは、低圧のカルボニル化も想定される。好ましくは、低圧のカルボニル化を操作する場合、カルボニル化は、0.1〜5x10N.m−2、さらに好ましくは0.2x〜2x10N.m−2、最も好ましくは0.5〜1.5x10N.m−2のCO分圧にて実施される。
【0190】
商業的に許容される時間規模でのカルボニル化が明らかに好まれることを除いて、カルボニル化の時間には特定の制約はない。バッチ反応におけるカルボニル化は、48時間まで、さらに通常24時間まで、最も通常12時間まで行われる。通常、カルボニル化は、少なくとも5分間、さらに通常少なくとも30分間、最も通常少なくとも1時間である。連続反応では、そのような時間規模は明らかに不適切であり、触媒が置き換えを必要とする前、TONが商業的に許容可能である限り、連続反応を継続することができる。
【0191】
本発明の触媒系は好ましくは、1以上の反応物質によって又は好適な溶媒の使用によって形成されてもよい液相で構成される。
触媒系と共に安定化する化合物の使用は、触媒系から喪失された金属の回収を改善する点で有益であってもよい。液体反応媒体にて触媒系を利用する場合、そのような安定化する化合物が、8族、9族又は10族の金属の回収を助けてもよい。
【0192】
従って、好ましくは、液体反応媒体にて触媒系は、液体キャリアに溶解されたポリマー分散剤を含み、前記ポリマー分散剤は、液体キャリアの中で触媒系の8族、9族又は10族の金属又は金属化合物の粒子のコロイド状懸濁液を安定化することが可能である。
【0193】
液体反応媒体は、反応のための溶媒であってもよく、又は1以上の反応物質若しくは反応生成物自体を含んでもよい。液体形態の反応物質及び反応生成物は溶媒又は液体希釈剤と混和可能であってもよいし、又はそれに溶解されてもよい。
【0194】
ポリマー分散剤は、液体反応媒体に可溶性であるが、反応動態又は熱移動に有害であるような方法で反応媒体の粘度を有意に高めるべきではない。温度及び圧力の反応条件下で液体媒体における分散剤の溶解性は、分散剤分子の金属粒子への吸着を有意に阻止するほど大きくあるべきではない。
【0195】
触媒の分解の結果形成される金属粒子が液体反応媒体中の懸濁液で保持され、さらなる量の触媒を作ることにおける置き換え又は任意で再利用のための液体と共に反応器から排出されるように、ポリマー分散剤は、液体反応媒体の中における前記8族、9族又は10族の金属又は金属化合物の粒子のコロイド状懸濁液を安定化することが可能である。金属粒子は、場合によってはさらに大きい粒子が形成してもよいが、通常、たとえば、5〜100nmの範囲の平均粒度でのコロイドの様相である。ポリマー分散剤の一部は金属粒子の表面に吸着するが、分散剤分子の残りは、液体反応媒体によって少なくとも部分的に溶媒和されたままであり、このように、反応器の壁上に又は反応器の死腔に定着することに対して、及び粒子の衝突によって成長し、最終的に凝固する可能性がある金属粒子の凝集物を形成することに対して分散された8族、9族又は10族の金属粒子を安定化させる。好適な分散剤の存在下でさえ、粒子の一部の凝集が生じる可能性があるが、分散剤の種類及び濃度を最適化すれば、そのような凝集は相対的に低いレベルになるはずであり、撹拌によって凝集が崩壊し、粒子が再分散されるように、それらは緩くのみ形成されてもよい

【0196】
ポリマー分散剤は、グラフトコポリマー及びスターポリマーのようなポリマーを始めとするホモポリマー又はコポリマーを含む。
好ましくは、ポリマー分散剤は、十分に酸性又は塩基性の官能性を有して前記8族、9族又は10族の金属又は金属化合物のコロイド状懸濁液を実質的に安定化する。
【0197】
実質的に安定化するによって、溶液相からの8族、9族又は10族の金属の沈殿が実質的に回避されることを意味する。
この目的で特に好ましい分散剤には、カルボン酸、スルホン酸、アミン類及びアミド類、たとえば、ポリアクリレート又はヘテロ環、特に窒素、ヘテロ環、置換されたポリビニルポリマー、たとえば、ポリビニルピロリドン又は前述のコポリマーを含む酸性及び塩基性のポリマーが挙げられる。
【0198】
そのようなポリマー分散剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリグリシン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−メチオニン、ポリ−L−プロリン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−チロシン、ポリ(ビニルベンゼンスルホン酸)、及びポリ(ビニルスルホン酸)、アシル化ポリエチレンイミンから選択されてもよい。好適なアシル化ポリエチレンイミンは、ビーエーエスエフ(BASF)の特許文献21及び特許文献22に記載されている。
【0199】
好ましくは、ポリマー分散剤は、ペンダント又はポリマーの主鎖の中にある酸性部分又は塩基性部分を組み入れる。好ましくは、酸性部分は、6.0未満の、さらに好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満の解離定数(pKa)を有する。好ましくは、塩基性部分は、6.0未満の、さらに好ましくは5.0未満の、最も好ましくは4.5未満である塩基解離定数(pKb)を有し、pKa及びpKbは25℃での希釈水溶液で測定される。
【0200】
好適なポリマー分散剤は、反応条件にて反応媒体に可溶性であることに加えて、ポリマーの主鎖の中に、又はペンダント基としてのいずれかで少なくとも1つの酸性部分又は塩基性部分を含有する。我々は、酸及びアミド類、たとえば、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリアクリレート、たとえば、ポリアクリル酸(PAA)を組み入れているポリマーが特に好適であることを見い出している。本発明で使用するのに好適であるポリマーの分子量は、反応媒体の性質及びその中のポリマーの溶解性に依存する。我々は、通常、平均分子量は100,000未満であることを見い出している。好ましくは、平均分子量は、1,000〜200,000、さらに好ましくは5,000〜100,000、最も好ましくは10,000〜40,000の範囲内であり、たとえば、PVPが使用される場合、Mwは、好ましくは10,000〜80,000、さらに好ましくは20,000〜60,000の範囲内であり、PAAの場合、1,000〜10,000の桁である。
【0201】
反応媒体中の分散剤の有効な濃度は、使用されるべき各反応/触媒系について決定されるべきである。
分散された8族、9族又は10族の金属は、反応器から取り出された液流から、たとえば、ろ過によって回収されてもよく、次いで処分されてもよく、又は触媒として若しくはそのほかの適用として再利用するために加工されてもよい。連続法では、外部熱交換器を介して液流を循環させてもよく、そのような場合、それらの循環装置にてパラジウム粒子のためのフィルターを設置することが好都合であってもよい。
【0202】
好ましくは、g/gにおけるポリマー:金属の質量比は、1:1〜1000:1の間で
あり、さらに好ましくは1:1〜400:1の間であり、最も好ましくは1:1〜200:1の間である。好ましくは、g/gにおけるポリマー:金属の質量比は、1000までであり、さらに好ましくは400までであり、最も好ましくは200までである。
【0203】
本発明の第1の態様で述べられた特徴のいずれかが本発明の第2、第3、第4、第5又はそのほかの態様の好ましい特徴とみなされてもよく、逆もまた同様であることが十分に理解されるであろう。
【0204】
本発明は、式(I)の新規の二座配位子に及ぶだけでなく、8族、9族又は10族の金属又はその化合物とのそのような配位子の新規の錯体にも及ぶ。
【発明を実施するための形態】
【0205】
以下の非限定の実施例及び比較例を手段として、今や本発明が記載され、説明される。合成例
本発明の実施例の配位子の調製は以下のとおりである。
化合物1
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−トリメチルシリルベンゼンの合成
パート(I)
4−トリメチルシリル−o−キシレンの合成
マグネシウムリボン(2.91g、115.41ミリモル)をシュレンク管に加えた。これに少量の(3〜4)のヨウ素の結晶を加えた。次いで、THF(150mL)を加えて橙色/黄色の溶液を生じた。THF(80mL)で4−ブロモ−o−キシレン(19.41g、104.91ミリモル)を希釈し、次いで1時間かけてゆっくりとマグネシウム懸濁液に加え、反応時間の間、反応フラスコを温かい(50℃)水槽に入れた。これによって、一部不溶性のマグネシウムと共に暗橙色/茶色の溶液を生じた。次いでこの溶液を85℃で1時間加熱した。次いで、未反応のマグネシウムを取り除いて清浄なシュレンク管にカニューレで移す前に溶液を室温に冷却した。次いで、THF溶液を−78℃に冷却し、その後、シリンジによって塩化トリメチルシリル(13.41mL、104.91ミリモル)を加えた。次いで、得られた溶液を−78℃で30分間撹拌し、その後、室温に温めた。次いで、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。水(100mL)を添加することによって溶液の反応を止めた。次いで、エーテル(100mL)を加え、二相の混合物を分離した。水性層をエーテル(100mL)で洗浄し、有機抽出物を合わせた。次いで有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、その後ろ過した。次いでろ液を減圧下で乾燥させ、無色の油を得た。収量=14.47g、77%。
パート(II)
4−トリメチルシリル−o−キシレン(5.00g、28.1ミリモル)(パート(I)で調製された)をヘプタン(100mL)で希釈し、これに、NaOBu(8.1g、84.3ミリモル)、TMEDA(12.6mL、84.3ミリモル)及びBuLi(ヘキサン中で2.5M、33.7mL、84.3ミリモル)を加えた。ブチルリチウムを一滴ずつ加え、無色から黄色、橙色、暗赤色への迅速な色変化を生じた。次いで、溶液を3時間65℃に加熱した。これによって茶色/橙色の懸濁液を生じた。懸濁液を室温に冷却し、上清の液体をカニューレで除いた。次いで、茶色の沈殿物残渣をペンテン(100mL)で洗浄した。次いでペンテン洗浄液をカニューレで除いた。次いで、固形物残渣をペンテン(100mL)に懸濁し、次いで、冷たい水槽で冷却した。次いでBuPCl(7.5mL、39.3ミリモル)を懸濁液に一滴ずつ加えた。得られた懸濁液を次いで3時間撹拌し、一晩静置した。水(100mL)を窒素ガスで30分間脱気し、次いで懸濁液に加えた。これによって二相の溶液が得られた。上部(有機相)をペンテン(100mL)で希釈し、有機相をカニューレで清浄なシュレンク管に取り出した。次いでペンテン抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カニューレで清浄なシュレンク管に移した
。次いで溶媒を減圧下で除き、橙色の油を得た。二相溶液を生じるメタノール(100mL)をこれに加えた。次いで、これを加熱して還流(70℃)し、淡黄色の溶液及び無色の不溶性物質を生じた。次いで溶液を室温に冷却し、清浄なシュレンク管にろ過した。次いで−20℃の冷凍庫に溶液を一晩置いた。これによって白っぽい固形物の沈殿が得られた。次いで、残りのメタノール溶液をカニューレで除き、固形物を減圧下で乾燥させた。グローブボックスにて固形物を単離した。収量=4.70g、36%、純度92%、[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ)、27.3(s)、26.1(s)ppm
化合物2
1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−tert−ブチル−ベンゼンの合成
4−tert−ブチル−o−キシレン(4.55g、28.1ミリモル)(アルドリッチ)をヘプタン(100mL)で希釈し、これに、NaOBu(8.1g、84.3ミリモル)、TMEDA(12.6mL、84.3ミリモル)及びBuLi(ヘキサン中で2.5M、33.7mL、84.3ミリモル)を加えた。ブチルリチウムを一滴ずつ加え、無色から黄色、橙色、暗赤色への迅速な色変化を生じた。次いで、溶液を3時間65℃に加熱した。これによって茶色/橙色の懸濁液を生じた。懸濁液を室温に冷却し、上清の液体をカニューレで除いた。次いで、茶色の沈殿物残渣をペンテン(100mL)で洗浄した。次いでペンテン洗浄液をカニューレで除いた。次いで、固形物残渣をペンテン(100mL)に懸濁し、次いで、冷たい水槽で冷却した。次いでBuPCl(7.5mL、39.3ミリモル)を懸濁液に一滴ずつ加えた。得られた懸濁液を次いで3時間撹拌し、一晩静置した。水(100mL)を窒素ガスで30分間脱気し、次いで懸濁液に加えた。これによって二相の溶液を得た。上部(有機相)をペンテン(100mL)で希釈し、有機相をカニューレで清浄なシュレンク管に取り出した。次いでペンテン抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カニューレで清浄なシュレンク管に移した。次いで溶媒を減圧下で除き、橙色の油を得た。二相溶液を生じるメタノール(100mL)をこれに加えた。次いで、これを加熱して還流(70℃)し、淡黄色の溶液及び無色の不溶性物質を生じた。次いで溶液を室温に冷却し、清浄なシュレンク管にろ過した。次いで−20℃の冷凍庫に溶液を一晩置いた。これによって白っぽい固形物の沈殿が得られた。次いで、残りのメタノール溶液をカニューレで除き、固形物を減圧下で乾燥させた。グローブボックスにて固形物を単離した。収量=4.20g、33%、純度95%、[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ)、27.1(s)、26.3(s)ppm
化合物3
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’−(トリメチルシリル)フェロセンの合成
パート(I)
1−ブロモ−1’−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0206】
【化38】

−78℃(ドライアイス/アセトン槽)に冷却した無水THF(200mL)における1、1’−ジブロモフェロセン(10.14g、29.49ミリモル)に、n−ブチルリチウム(12.56mL、28.02ミリモル、0.95当量)を加え、Nのもとで反応物を30分間撹拌した。次いで、最少限の量の無水THFに溶解したクロロトリフェニ
ルシラン(8.26g、28.02ミリモル、0.95当量)一滴ずつ加え、次いで溶液を室温まで温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を得た。
次いで、水によって反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、ジエチルエーテルで水性層をさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。生成物をカラムクロマトグラフィで精製した。出発材料はガソリンによって除き、次いで生成物はガソリン/10%EtOによって橙色のバンドとして得られた。得られた油は、最終的に減圧下で乾燥させ、橙色の結晶として純粋な生成物を残した(収量:11.09g、72%)。
パート(II)
1−ジメチルアミノメチル−1’−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0207】
【化39】

無水ジエチルエーテル(100mL)中の1−ブロモ−1’−トリフェニルシリルフェロセン(8g、15.29ミリモル)に、n−ブチルリチウム(6.73mL、16.82ミリモル、1.1当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を1時間撹拌した。次いで無水THF(100mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(3.11g、16.82ミリモル、1.1当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して黄色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。カラムクロマトグラフィによって生成物を精製した。出発材料をガソリン(10%EtO)で除き、そのとき、生成物は1:1ガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させて、赤色/橙色の結晶として純粋な生成物を残した(収量、3g、39%)。
パート(III)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−1’−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0208】
【化40】

無水ジエチルエーテル(100mL)中の1−ジメチルアミノメチル−1’−トリフェニルシリルフェロセン(2.66g、5.30ミリモル)に、n−ブチルリチウム(2.55mL、6.36ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を1時間撹拌した。次いで無水THF(100mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(
ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(1.08g、5.83ミリモル、1.1当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して橙色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。カラムクロマトグラフィによって生成物を精製した。出発材料をガソリン(10%EtO)で除き、そのとき、生成物は1:1ガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、2.94g、99%)。
パート(IV)
1,2−ビス(ジメチルアミノメチル)−1’−(トリフェニルシリル)フェロセン(5.15g、9.23ミリモル)とジ−tert−ブチルホスフィン(4.00g、27.40ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。これに、30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(100mL:10mL)を加えた。次いで、得られた懸濁液を130℃に5時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(50mL)に懸濁し、20分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除いた。次いで残留物をエタノール(50mL)に懸濁し、エタノール懸濁液を加熱して還流した。これによって赤色の溶液が得られ、次いでそれを室温に冷却した後、−20℃の冷凍庫に一晩置いた。これによって赤色/橙色の固形物の沈殿が得られた。清浄なシュレンク管に母液をカニューレで移し、残留物を減圧下で乾燥させた。次いでグローブボックスにてこの固形物を単離した。収量=2.8g、40%;純度95%、[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 23.5ppm
化合物4
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’,3−ビス(トリフェニルシリル)フェロセンの合成
パート(I)
1−ジメチルアミノメチル−2,1’−ビス−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0209】
【化41】

無水ジエチルエーテル(300mL)中のジメチルアミノメチルフェロセン(20g、82.26ミリモル)に、n−ブチルリチウム(82.26mL、205.65ミリモル、2.5当量)とTMEDA(13.66mL、90.49ミリモル、1.1当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を12時間撹拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、無水THF(200mL)に溶解したクロロトリフェニルシラン(50.94g、172.75ミリモル、2.1当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。ガソリン及びEtOによって油を層にし、静置して一晩結晶化することによって生成物を精製した。液体残留物を静かに移し、橙色/赤色の結晶を減圧下で乾燥させた。橙色/赤色の結晶の第2の産物は、静かに移した液体
を層にし、その工程を繰り返すことによって得られた(収量、42.75g、68%)。パート(II)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,1’−ビス−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0210】
【化42】

無水ジエチルエーテル(400mL)中の1−ジメチルアミノメチル−2,1’−ビス−トリフェニルシリルフェロセン(40g、52.63ミリモル)に、n−ブチルリチウム(25.26mL、63.16ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を20時間撹拌した。次いで無水THF(250mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(12.65g、68.42ミリモル、1.3当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して橙色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。最少限のEtO及びガソリンの層によって油を層にし、静置して一晩結晶化することによって生成物を精製した。液体残留物を静かに移し、赤色の結晶を減圧下で乾燥させた。赤色の結晶の第2の産物は、静かに移した液体を層にし、その工程を繰り返すことによって得られた(収量、21.50g、50%)。パート(III)
1,2−ビス(ジメチルアミノメチル)−1’,3−ビス(トリフェニルシリル)フェロセン(15.37g、18.84ミリモル)とジ−tert−ブチルホスフィン(8.00g、54.79ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。これに、30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(100mL:10mL)を加えた。次いで、得られた懸濁液を130℃に4時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(100mL)に懸濁し、20分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除いた。次いで残留物をエタノール(50mL)に懸濁し、エタノール懸濁液を80℃に加熱した。得られた懸濁液を次いで室温に冷却し、エタノール可溶性の物質を清浄なシュレンク管の中にろ過した。減圧下で残留物を乾燥させ、淡橙色の固形物を得た。収量=8.0g、42%、純度95%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 23.9(s)、20.4(s)ppm
化合物5
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィンメチル)−3−(トリフェニルシリル)フェロセンの合成
パート(I)
1−ジメチルアミノメチル−2−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0211】
【化43】

無水ジエチルエーテル(300mL)中のジメチルアミノメチルフェロセン(20g、82.26ミリモル)に、n−ブチルリチウム(41.13mL、102.82ミリモル、1.25当量)とTMEDA(13.66mL、90.49ミリモル、1.1当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を12時間撹拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、無水THF(200mL)に溶解したクロロトリフェニルシラン(25.48g、86.38ミリモル、1.05当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。ガソリン及びEtOによって油を層にし、静置して一晩結晶化することによって生成物を精製した。液体残留物を静かに移し、橙色/赤色の結晶を減圧下で乾燥させた。橙色/赤色の結晶の第2の産物は、静かに移した液体を層にし、その工程を繰り返すことによって得られた(収量、25.63g、62%)。パート(II)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,1’−ビス−トリフェニルシリルフェロセンの調製
無水ジエチルエーテル(400mL)中の1−ジメチルアミノメチル−2−トリフェニルシリルフェロセン(20g、39.87ミリモル)に、n−ブチルリチウム(19.13mL、47.84ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を20時間撹拌した。次いで無水THF(250mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(9.59g、51.83ミリモル、1.3当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して橙色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。最少限のEtO及びガソリンの層によって油を層にし、静置して一晩結晶化することによって生成物を精製した。液体残留物を静かに移し、赤色の結晶を減圧下で乾燥させた。赤色の結晶の第2の産物は、静かに移した液体を層にし、その工程を繰り返すことによって得られた(収量、14.7g、66%)。
パート(III)
パート(II)のジアミン(5.00g、8.96ミリモル)とジ−tert−ブチルホスフィン(3.50g、23.97ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。これに、30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(100mL:10mL)を加えた。次いで、得られた懸濁液を130℃に3時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(50mL)に懸濁し、20分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除いた。次いで、ペンタン(50mL)を加え、ペンタン可溶性物質を清浄なシュレンク管にカニューレで移した。溶媒を減圧下で除き、橙色/赤色の油状固形物を得た。収量=2.0g、30%、純度90%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 26.0(s)、20.3(s)ppm
化合物6
1,2−ビス(ジ−1−(3,5−ジメチルアダマンチル)ホスフィノメチル)−1’−トリメチルシリル−フェロセンの調製
パート(I)
1−ブロモ−1’−トリメチルシリルフェロセンの調製
【0212】
【化44】

−78℃に冷却した(ドライアイス/アセトン槽)無水THF(200mL)における1、1’−ジブロモフェロセン(10g、29.08ミリモル)に、n−ブチルリチウム(11.05mL、27.63ミリモル、0.95当量)を加え、Nのもとで反応物を30分間撹拌した。次いで、クロロトリメチルシラン(3.7mL、29.08ミリモル、1当量)を一滴ずつ加え、次いで溶液を室温まで温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を得た。
次いで、水によって反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、ジエチルエーテルで水性層をさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。カラムクロマトグラフィによって最初の赤色バンド(ガソリン)として生成物を精製した。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、7.11g、73%)。
パート(II)
1−ジメチルアミノメチル−1’−トリメチルシリルフェロセンの調製
【0213】
【化45】

無水ジエチルエーテル(100mL)中の1−ブロモ−1’−トリメチルシリルフェロセン(5.52g、16.37ミリモル)に、n−ブチルリチウム(7.2mL、18.01ミリモル、1.1当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を1時間撹拌した。次いで無水THF(100mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(3.33g、18ミリモル、1当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して黄色の溶液を生じた。
次いで、水によって反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、ジエチルエーテルで水性層をさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。生成物をカラムクロマトグラフィによって精製した。出発材料をガソリン(10%EtO)で除き、そのとき、生成物は1:1ガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、4.09g、79%)。
パート(III)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−1’−トリメチルシリルフェロセンの調製
【0214】
【化46】

無水ジエチルエーテル(100mL)中の1−ジメチルアミノメチル−1’−トリメチルシリルフェロセン(3.86g、12.24ミリモル)に、n−ブチルリチウム(5.88mL、14.69ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を1時間撹拌した。次いで無水THF(100mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(2.50g、13.47ミリモル、1.1当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して橙色の溶液を生じた。
次いで、水によって反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、ジエチルエーテルで水性層をさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。生成物をカラムクロマトグラフィによって精製した。出発材料をガソリン(10%EtO)で除き、そのとき、生成物は1:1ガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、4.33g、95%)。
パート(IV)
1,2−ビス(ジ−1−(3,5−ジメチルアダマンチル)ホスフィノメチル)−1’−(トリメチルシリル)フェロセンの合成
窒素で10分間脱気した酢酸:無水酢酸(18mL:2mL)にジアミンパート(III)(1.00g、2.68ミリモル)を溶解した。次いで、ジメチルアダマンチルホスフィン(1.98g、5.36ミリモル)を含有する500mLのシュレンク管にカニューレによってジアミン溶液を移した。次いで、得られた懸濁液を130℃に5時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(50mL)に懸濁し、20分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除いた。次いで残留物をエタノール(50mL)で洗浄し、エタノール洗浄液をカニューレで除いた。次いで残った固形物を減圧下で乾燥させ、グローブボックスにて黄色/橙色の固形物として単離した。収量=1.10g、41%、純度、86%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 18.7ppm。
化合物7
1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−3,5,1’−トリス−トリフェニルシリルフェロセンの調製
パート(I)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,5,1’−トリス−トリフェニルシリルフェロセンの調製
【0215】
【化47】

無水ジエチルエーテル(200mL)中の1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,1’−ビス−トリフェニルシリルフェロセン(10.2g、12.48ミリモル)(上記化合物4として調製された)に、n−ブチルリチウム(5.99mL、14.98ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を4時間撹拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、最少限の量の無水ジエチルエーテルに溶解したクロロトリフェニルシラン(4.78g、16.23ミリモル、1.3当量)一滴ずつで反応を止めた。次いで溶液を室温まで温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を得た。
次いで、水によって反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、ジエチルエーテルで水性層をさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。最少限のEtO及びガソリンの層によって油を層にし、静置して一晩結晶化することによって生成物を精製した。液体残留物を静かに移し、得られた赤色の結晶を減圧下で乾燥させた(収量、10.41g、78%)。
製造された1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,5,1’−トリス−トリフェニルシリルフェロセン(18.24ミリモル)を以下のようにジ−tert−ブチルホスフィンにした。
パート(II)
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’,3,5−トリス(トリフェニルシリル)フェロセンの合成
パート(I)のジアミン(10.41g、9.69ミリモル)とジ−tert−ブチルホスフィン(5.00g、34.2ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。これに、30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(100mL:10mL)を加えた。次いで、得られた懸濁液を130℃に4時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。残留物をメタノール(100mL)に懸濁し、20分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除いた。次いで、ペンタン(50mL)を加え、ペンタン可溶性物質を清浄なシュレンク管にカニューレで移した。溶媒を減圧下で除き、淡橙色/茶色の固形物を得た。収量=1.7g、14%、純度95%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 23.9(s)、20.4(s)ppm
化合物8
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−3,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセンの調製
パート(I)
1−ジメチルアミノメチル−2,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセンの調製
【0216】
【化48】

無水ジエチルエーテル(200mL)中のジメチルアミノメチルフェロセン(30g、123.39ミリモル)(アルドリッチ)に、n−ブチルリチウム(123.39mL、308.48ミリモル、2.5当量)とTMEDA(20.48mL、135.73ミリモル、1.1当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を12時間撹拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、クロロトリメチルシラン(34.45mL、271.46ミリモル、2.2当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して橙色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。カラムクロマトグラフィによって生成物を精製した(大規模カラム)。少量の出発材料は、ガソリン(5%トリエチルアミン)によって除き、生成物は、1:1のガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、40g、84%)。
パート(II)
1,2−ビス−ジメチルアミノメチル−3,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセンの調製
【0217】
【化49】

無水ジエチルエーテル(200mL)中の1−ジメチルアミノメチル−2,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセン(30g、77.42ミリモル)に、n−ブチルリチウム(37.2mL、92.91ミリモル、1.2当量)を加え、室温にてNのもとで反応物を20時間撹拌した。次いで無水THF(250mL)を加え、次いで溶液を−78℃に冷却し(ドライアイス/アセトン槽)、エッシェンモーザーの塩(17.18g、92.91ミリモル、1.2当量)によって溶液の反応を止めた。次いで溶液を室温に温め、さらに12時間撹拌して赤色の溶液を生じた。
次いで水で反応を止め、さらに15分間撹拌した。生成物を含有するエーテルの層を分離し、水性層をジエチルエーテルでさらに数回抽出した。合わせたエーテル分画を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトを介してろ過した。回転式エバポレーターによってエーテル溶媒を除いた(赤色の油を生じた)。カラムクロマトグラフィによって生成物を精製した(大規模カラム)。少量の出発材料は、ガソリン(5%トリエチルアミン)によって除き、生成物は、1:1のガソリン/EtO(5%トリエチルアミン)と共に得られた。得られた赤色の油を最終的に減圧下で乾燥させた(収量、32.11g、93%)。
パート(III)
1,2−ビス(ジメチルアミノメチル)−1’−(トリフェニルシリル)フェロセンの
代わりに1,2−ビス−ジメチルアミノメチル)−3,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセン(9.23ミリモル)を上記化合物3として化合物8を調製した。
化合物A
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−CMePh−ベンゼンの合成
パート(I)
4−CMePh−o−キシレンの合成
3,4−ジメチルベンゾフェノン(15.0g、71.43ミリモル)を500mLのシュレンク管に加え、これに安息香酸(150mg)を加えた。次いで、固形物をトルエン(100mL)に溶解した。次いで、これに、トリメチルアルミニウム(トルエン中で2.0M、100mL、200ミリモル)を加えた。得られた溶液を125℃に60時間加熱した。次いで溶液を室温に冷却し、水(100mL)を非常にゆっくり添加することによって溶液の反応を止めた。これによって白色の懸濁液が得られ、次いでジメチルエーテル(150mL)を加え、懸濁液をろ過した。ろ液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過した。次いでろ液を減圧下で乾燥させ、これによって無色の油を得た。収量=13.4g、84%。
【0218】
上記パート1の4−CMePh−o−キシレン(13.0g、58.0ミリモル)とNaOBu(16.7g、174.1ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。次いでこれに、ヘプタン(150mL)を加え、次いでTMEDA(26.1mL、174.1ミリモル)、BuLi(ヘキサン中で2.5M、69.6mL、174.1ミリモル)をゆっくり加えた。ブチルリチウムの添加によって無色から黄色、橙色、暗赤色への迅速な色変化が生じた。次いで、得られた溶液を70℃に3時間加熱した。これによって暗赤色の懸濁液が生じた。懸濁液を室温に冷却し、上清液をカニューレで除き、次いで、茶色の沈殿残留物をペンタン(200mL)で洗浄した。次いでペンタンの洗浄液をカニューレで除いた。次いで固形残留物をペンタン(250mL)に懸濁し、0℃に冷却した。次いで、BuPCl(19.8mL、104.5ミリモル)を一滴ずつ懸濁液に加えた。次いで得られた懸濁液を一晩撹拌した。水(100mL)を窒素で30分間脱気し、次いで懸濁液に加えた。これによって二相の溶液が得られた。上部(有機相)をペンテン(100mL)で希釈し、有機相をカニューレで清浄なシュレンク管に取り出した。次いで、さらに100mLのペンテンで水性層を洗浄し、ペンテン抽出物を合わせた。次いでペンテン抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カニューレで清浄なシュレンク管に移した。次いで溶媒を減圧下で除き、赤色/茶色の油を得た。次いでメタノール(100mL)を加え、得られた懸濁液を加熱して還流し、次いで形成された懸濁液を室温に冷却し、メタノール可溶性物質をカニューレで除いた。残留物を減圧下で乾燥させ、橙色/茶色の油を得た。収量=10.9g、45%。[31P][H]NMRは構造と一致し、ビスメタンスルホン酸塩に変換することによって化合物を仕上げた。以下参照。
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−CMePh−ベンゼンのビスメタンスルホン酸塩の合成
ホスフィン(化合物A)(10.9g、21.3ミリモル)をメタノール(100mL)に懸濁した。これに、メタンスルホン酸(2.76mL、42.6ミリモル)を加えた。次いで得られた溶液を1時間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除き、粘性の茶色の油を得た。次いで、ジエチルエーテル(50mL)を加え、エーテル可溶性物質をカニューレで除いた。次いで残りの物質を減圧下で乾燥させ、粘着性の黄色の固形物を得た。次いで、ジエチルエーテル(60mL)を加え、ゴムヘラによってエーテル中で固形物を撹拌した。次いでエーテル可溶性物質を除き、残留物を減圧下で乾燥させた。これによって自由流動性の淡黄色の固形物が得られた。収量=11.0g、85%、純度95%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 42.6(br)、39.0(br)ppm。
化合物B
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−tert−ブチルジメチルシリルベンゼンの合成
パート(I)
4−tert−ブチルジメチルシリル−o−キシレンの合成
マグネシウムリボン(2.91g、115.41ミリモル)をシュレンク管に加えた。これに少量の(3〜4)のヨウ素の結晶を加えた。次いで、THF(150mL)を加えて橙色/黄色の溶液を生じた。THF(80mL)で4−ブロモ−o−キシレン(19.41g、104.91ミリモル)を希釈し、次いで1時間かけてゆっくりとマグネシウム懸濁液に加え、反応時間の間、反応フラスコを温かい(50℃)水槽に入れた。これによって、一部不溶性のマグネシウムと共に暗橙色/茶色の溶液を生じた。次いでこの溶液を85℃で1時間加熱した。次いで、未反応のマグネシウムを取り除いて清浄なシュレンク管にカニューレで移す前に溶液を室温に冷却した。次いで、THF溶液を−78℃に冷却した後、塩化tert−ブチルジメチルシリル(15.81g、104.91ミリモル)のTHF(50mL)溶液を加えた。次いで、得られた溶液を−78℃で30分間撹拌し、その後、室温に温めた。次いで、得られた溶液を室温で一晩撹拌した。水(100mL)を添加することによって溶液の反応を止めた。次いで、エーテル(100mL)を加え、二相の混合物を分離した。水性層をエーテル(100mL)で洗浄し、有機抽出物を合わせた。次いで有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、その後ろ過した。次いでろ液を減圧下で乾燥させ、白色の固形物を得た。収量=15.64g、68%。
パート(II)
パート(I)の4−tert−ブチルジメチルシリル−o−キシレン(7.5g、34.1ミリモル)と上記NaOBu(13.1g、136.4ミリモル)を一緒にシュレンク管に加えた。次いでヘプタン(100mL)を加え、その後、TMEDA(20.5mL、136.4ミリモル)、BuLi(ヘキサン中で2.5M、54.5mL、136.4ミリモル)をゆっくり加えた。ブチルリチウムの添加によって、無色から黄色、橙色、暗赤色への迅速な色変化を生じた。次いで、溶液を3時間75℃に加熱した。これによって少量の沈殿物を伴った茶色の溶液が得られた。次いで、溶液を0℃に冷却し、BuPCl(11mL、62.5ミリモル)を懸濁液に一滴ずつ加えた。次いで得られた懸濁液を一晩撹拌した。水(100mL)を窒素ガスで30分間脱気し、次いで懸濁液に加えた。これによって二相の溶液が得られた。上部(有機相)をペンテン(150mL)で希釈し、有機相をカニューレで清浄なシュレンク管に取り出した。ペンテン(150mL)を水性残留物に加え、ペンテン抽出物を合わせた。次いでペンテン抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、カニューレで清浄なシュレンク管に移した。次いで溶媒を減圧下で除き、茶色の油を得た。二相溶液を生じるメタノール(50mL)をこれに加えた。次いでこれを加熱して還流し(70℃)、その後、室温に冷却した。次いでメタノール可溶性物質を清浄なシュレンク管にカニューレで移し、−20℃の冷凍庫に一晩置いた。これによって、茶色の油の形成を生じた。次いでメタノール母液を清浄なシュレンク管に移し、冷凍庫に置いた。3日間冷凍庫に静置して淡茶色の固形物が形成した。メタノール母液を除き、残留物を減圧下で乾燥させた。これによって淡茶色の固形物が得られた。収量=0.80g、5%、純度、95%。[31P][H]NMR(CDCl、161.9MHz、δ); 28.3(s)、26.0(s)ppm。
比較例は以下のように得られた。
比較例1
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンはアルドリッチから入手可能である。
比較例2
1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)フェロセンの合成
パート(I)
1,2−ビス−(ジメチルアミノメチル)フェロセンの調製
25℃の温度にて窒素のもとで、(ジメチルアミノメチル)フェロセン(アルドリッチ
、13.13g、10.69mL、48.97ミリモル)のジエチルエーテル(80mL)溶液にn−ブチルリチウム(アルドリッチ、ヘキサン中2.5M、24mL、54ミリモル)を加え、反応混合物を4時間撹拌する。次いで、得られた赤色の溶液をドライアイス/アセトン槽で約−70℃に冷却し、エッシェンモーザーの塩(ICHNMe)(アルドリッチ、10g、54ミリモル)を加える。反応物を室温に温め、一晩撹拌する。
【0219】
過剰の水酸化ナトリウム水溶液によって得られた溶液の反応を止め、得られた生成物をジエチルエーテル(3x80mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、セライトでろ過し、減圧して揮発物を除き、明るい橙色の結晶性固形物として粗精製した標題の化合物を得る。−17℃に冷却することによって軽ガソリンから粗生成物を再結晶化させ、再結晶化させた生成物を冷ガソリンで洗浄して明るい橙色の固形物として標題の化合物を得る(13.2g、74%)。昇華によって化合物をさらに精製して8.5g(52%)のパート(I)の標題の化合物を得ることができる(融点:74℃)。
H NMR(250 MHz; CDCl) : δ4.23 (brd, 2H)
; 4.11−4.10 (t, 1H) ; 4.04(s, 5H) ; 3.43, 3.38, 3.23, 3.18 (AB quartet, 2H) ; 2.22(s, 6H)。
13C NMR (63 MHz; CDCl): δ83.81 ; 70.40;
69.25; 66.84; 57.35; 45.23。
元素分析:観察値:C 63.7%; H 8.9%; N 9.5%;計算値:C 64.0%; H 8.1%; N 9.4%
パート(II)
500mLのシュレンク管に、ジ−tert−ブチルホスフィン(13.3g、90.8ミリモル)と1,2−ビス(ジメチルアミノメチル)フェロセン(13.6g、45.4ミリモル)を加えた。30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(100mL:30mL)の混合物に、次いでこれを懸濁した。次いで、懸濁液を130℃に加熱し、この温度で2時間保持した。得られた溶液を次いで室温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。得られた粘着性の固形物をメタノール(50mL)に懸濁し、30分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除き、残留物をエタノール(50mL)に懸濁した。次いでエタノール懸濁液を70℃に加熱した。得られた溶液を室温に冷却し、その後、一晩、−20℃の冷凍庫に置いた。これによって大量の橙色の結晶性生成物が得られた。エタノール母液をカニューレで除き、減圧下で固形物を乾燥させた。これによって自由流動性の橙色の結晶が得られた。収量、15.1g、57%。[31P]NMR[H](CDCl、161.9MHz、δ); 23.6 ppm、純度99%。
比較例3
1,2−ビス(ジ−1−(3,5−ジメチルアダマンチル)ホスフィノメチル)フェロセンの合成
パート(I)
1−ヒドロキシメチル−2−ジメチルアミノメチルフェロセンの調製
アルゴンのもとで、1−ジメチルアダマンチルフェロセン(アルドリッチ、1.0g、4.12ミリモル)のジエチルエーテル(20mL)溶液にn−ブチルリチウム(アルドリッチ、ジエチルエーテル中1.6M、5.14mL、8.24ミリモル)を加える。反応物を3時間撹拌して赤みを帯びた色を発色させる。次いで、ドライアイス/アセトン槽で溶液を冷却し、焼成パラ−ホルムアルデヒド(0.247g、2倍過剰)を加え、得られた混合物を室温にて一晩撹拌する。次いで水で反応を止め、ジエチルエーテルで抽出し、MgSO上で乾燥させ、セライト上でろ過する。減圧して溶媒を除き、粗精製した標題の化合物を得る。粗精製した生成物を中性アルミナカラムにかけ、それをガソリン/ジエチルエーテル(9:1の比)で溶出して出発材料、1−ジメチルアミノメチルフェロセンを除く。次いで実質的に純粋な酢酸エチルでカラムを溶出して標題の化合物を溶出する。減圧して酢酸エチルを除いて橙色の油/結晶性の塊として標題の化合物を得る。
H NMR (250 MHz; CDCl) δ2.131 (s, 6 H),
δ2.735 (d, 1 H, 12.512 Hz), δ3.853 (d, 1 H, 12.512 Hz), δ3.984 (dd, 1 H, 2.156 Hz), δ4.035 (s, 5 H), δ4.060 (dd, 1 H, 2.136 Hz) δ4.071 (d, 1 H, 12.207 Hz), δ4.154 (m, 1 H), δ4.73 (d, 1 H, 12.207 Hz)。13C NMR (61 MHz; CDCl) δ7.688, δ84.519,
δ70.615, δ68.871, δ68.447, δ65.369, δ60.077, δ58.318, δ44.414
COSY 2D H NMR
4.071ppmでの部分的に曖昧なダブレット及び4.73ppmで確認されたダブレットへのそのカップリング。
赤外線スペクトル(CHCl) (c.a. 0.06g / 0.8mL)
2953.8 cm−1 , 2860.6 cm−1, 2826.0 cm−1, 2783.4 cm−1, 1104.9 cm−1
パート(II)
グローブボックスにて、500mLのシュレンク管に、ジメチルアダマンチルホスフィン(29.5g、82.3ミリモル)と1−ヒドロキシメチル−2−ジメチルアミノメチルフェロセン(11.2g、41.2ミリモル)を加えた。30分間窒素で脱気した酢酸:無水酢酸(150mL:30mL)の混合物に、次いでこれを懸濁した。次いで、懸濁液を130℃に加熱し、この温度で60分間保持した。得られた溶液を次いで常温に冷却し、減圧下で溶媒を除いた。得られた粘着性の固形物をメタノール(50mL)に懸濁し、30分間撹拌した。次いで減圧下でメタノールを除き、残留物をエタノール(100mL)に懸濁した。次いで、黄色/橙色の粉末が形成され、暗赤色/茶色の溶液になるまでエタノール懸濁液を撹拌した。次いでろ過によってエタノール可溶性物質の洗浄液を除き、減圧下で残留物を乾燥させた。これによって自由流動性の黄色/橙色の固形物が得られ、グローブボックスでそれを単離した。収量、26.7g、70.1%、[31P]NMR[H](CDCl、161.9MHz、δ);18.9 ppm、純度、95%。試験結果
表1は、CO/エテンの存在下、初めてそれらを80℃にて一晩加熱した後の触媒における6つのホスフィン配位子の活性を示す。各場合で、パラジウム、配位子及び酸のモル数は、配位子が予備処理されていない標準のバッチと同様である(表2)。従って、処理された(早期熟成された)配位子の気体の取り込み及び重量増加を未処理の配位子についての標準と比較することができる。熱処理を用いて、標準の3時間のバッチ試験では明らかではない触媒の安定性における差異を検討する。言い換えれば、触媒の早期熟成を生じる条件が採用される。
【0220】
ベンゼン環の4位でトリメチルシリル基を含有するホスフィンは、これらの熟成条件下でその活性のほとんどを保持するが、非置換の配位子、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンは、その活性の85%を失う(たとえば、未処理の標準)ことを理解することができる。環上の置換基が存在する場合はすべて、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンを越える改善が認められる。
表1.新しい配位子及び比較のための1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンの結果
【0221】

【表1】


表2.熟成させた配位子すべての使用された標準
【0222】
【表2】



実験的試験方法
パート1.熟成
標準のシュレンクライン技法を用いて触媒溶液を調製した。窒素で浄化したグローブボックスを用いて、1.45x10−5モルのPd(dba)と6当量のホスフィン配位子を500mLの丸底フラスコに量り取った。次いでフラスコをシュレンクラインに移した。このフラスコに172mL(63.2重量%)の脱気したMePと116mL(36.8重量%)の脱気したMeOHを加えた。これに450当量(420μL)のメタンスルホン酸を加えた。
【0223】
次いで、事前に空にしたオートクレーブを反応溶液で満たした。常温にて5バールのエタンを加え、その後、10バールの50:50エタン/COの混合物を加え、総計15バールの気体圧を与えた。撹拌器を始動させ(1000rpm)、オートクレーブを80℃に加熱した。この温度でいったん時間を書きとめ、この条件下で一晩17時間オートクレーブをずっと撹拌した。
【0224】
実験の第2のパートに使用できる70重量%のMePと30重量%のMeOHの新しい且つ最適な組成を生じるように10バールのエタン/COの消費がMePを生成するように63.2重量%のMePと36.8重量%のMeOHという当初の溶媒組成を用いた。パート2.試験
この時間が経過した後、10バールの1:1エタン/COが完全に反応したのでオートクレーブの総圧力を約5バールに落とした。次いで、オートクレーブを80℃から100℃に加熱した。この温度でエタンを直ちに加え、10.2バールの圧力をもたらした(100℃での溶媒の蒸気圧の上にエタンの約8バール)。当初存在したCOがこの段階ですべて反応したということはオートクレーブにはエタンのみが残ると想定された。12.2バールのオートクレーブの圧力を可能にするように設定されたテスコム社によって供給された圧力調節弁(テスコム1500モデル番号26−1025−24−007)を介して2.251の円筒における40バールの50:50エタン/CO供給リザーバにオートクレーブを開放し、気相で達成されるべき9:1のエタン/CO比を可能にすることによって反応は直ちに開始された。反応は3時間進行し、その後、オートクレーブを冷却し、通気した。
パート3
標準のTONの決定
標準と比較した平均の%活性を算出するために、標準のシュレンクライン技法を用いて同様に反応標準溶液を調製した。窒素で浄化したグローブボックスにて、7.8mgのPd(dba)(1.45x10−5モル)と6当量のホスフィン配位子(8.7x10−5モル)を500mLの丸底フラスコに量り取った。次いでフラスコをシュレンクラ
インに移した。次いで、配位子とパラジウムを脱気したプロピオン酸メチル125mLに溶解した。錯化を助けるために、パラジウムと配位子は最初プロピオン酸メチルに溶解し、45分間撹拌し、その後、さらなる溶媒を溶液に加えた。これによって中性の平面三角形構造のPd(0)錯体[Pd(配位子)dba]のその場での形成が可能になる。
【0225】
錯化の後、175mLのプロピオン酸メチル/メタノールの混合物(50重量%のメタノール、50重量%のプロピオン酸メチル)を脱気し、フラスコに加えた。メタンスルホン酸(MSA)420μLの添加によって触媒溶液の調製を完了した。溶液の最終組成は、約70重量%のプロピオン酸メチルと30重量%のメタノールである。
事前に空にしたオートクレーブに触媒溶液を加え、100℃に加熱した。次いで100℃にて蒸気圧の上に8バールのエタン、総計10.2バールの圧力でオートクレーブを加圧した。次に、10リットルのリザーバから充填されるCO:エタン(1:1の気体)の添加によって12.2バールにオートクレーブを加圧した。10リットルのリザーバからの気体の一定の注入を介して反応全体を通して12.2バールでオートクレーブの圧力が維持されていることは、調節弁によって確保される。反応器の温度と同様にリザーバの圧力も1時間の反応全体を通して記録された。
【0226】
理想的な気体の挙動及びプロピオン酸メチルへの100%の選択性を仮定することによって各反応における任意の時点で生成されたモルは、リザーバ圧の低下から算出され、それによって反応TON及び反応率を得ることができる。結果を表1及び表2に示す。
リサイクル実施例
実験
標準のシュレンクライン技法を用いて、70重量%のプロピオン酸メチルと30重量%のメタノールから成る溶媒300mLに1.45x10−5モルのPdと8.7x10−5モルの配位子を溶解することによって反応溶液を調製した。パラジウムと配位子は、プロピオン酸メチル中で錯化することができ、その後、メタノールを混合物に加えた。メタンスルホン酸420μL(450当量)の添加によって触媒溶液の調製を完了した。
【0227】
事前に空にしたオートクレーブに触媒溶液を加え、100℃に加熱した。次いで100℃にて蒸気圧の上に8バールのエタン、総計10.2バールの圧力でオートクレーブを加圧した。次に、さらに高い圧力で10リットルのリザーバから充填されるCO:エタン(1:1の気体)の添加によって12.2バールにオートクレーブを加圧した。10リットルのリザーバからの気体の一定の注入を介して反応全体を通して12.2バールでオートクレーブの圧力が維持されていることは、調節弁によって確保される。反応器の温度と同様にリザーバの圧力も3時間の反応全体を通して記録された。理想的な気体の挙動及びプロピオン酸メチルへの100%の選択性を仮定することによって各反応における任意の時点で生成されたモルは、リザーバ圧の低下から算出され、それによって特定の配位子による反応TONを得ることができる。
【0228】
反応時間の後、オートクレーブを冷却し、通気した。反応溶液を容器の底から回収し、直ちに不活性の雰囲気に置いた。次いで、圧力をかけて溶液を約50mLに減らした。溶液を濃縮することは、メタノール(混合物の最も揮発性の成分)及び微量のCOを取り除き、それらは、双方共、Pd(II)をPd(0)に還元し、金属パラジウムとしての溶液外へのパラジウムの沈殿の原因となる。この濃縮された溶液を不活性の雰囲気で一晩静置し、次いで、200mLのプロピオン酸メチル、100mLのメタノール及び140μL(150当量)のメタンスルホン酸の添加を伴う次の反応溶液の主成分を形成するのに使用した。溶液を濃縮する際、酸の喪失の可能性を相殺するのに過剰の酸を添加した。次いでこのリサイクル材料をオートクレーブに加えて前と同様に設定された条件下で反応させた。反応TONの有意な低下が認められるまで、このように触媒をリサイクルした。一回の実行でTONが20000モルのMeP/モルPdより低下した場合、触媒のリサイ
クルを中止した。
リサイクル実験のデータ
各リサイクル実験についてのパラジウムのモル当たりの生成されたMePのモルで表される回転数(TON)は、表3に詳説する。置換されたフェロセンに基づく配位子は、非置換の同等物を超えて向上した安定性を示すことが理解できる。
【0229】

【表3】


高度に置換された配位子の70重量%のMePと30重量%のMeOHにおけるStdバッチ実験
実験
標準のシュレンクライン技法を用いて、反応溶液を調製した。窒素で浄化したグローブボックスにて、7.8mgのPd(dba)(1.45x10−5モル)と6当量のホスフィン配位子(8.7x10−5モル)を500mLの丸底フラスコに量り取った。次いでフラスコをシュレンクラインに移した。次いで、配位子とパラジウムを脱気したプロピオン酸メチル125mLに溶解した。錯化を助けるために、パラジウムと配位子は最初プロピオン酸メチルに溶解し、45分間撹拌し、その後、さらなる溶媒を溶液に加えた。これによって中性の平面三角形構造のPd(0)錯体[Pd(配位子)dba]のその場での形成が可能になる。
【0230】
錯化の後、175mLのプロピオン酸メチル/メタノールの混合物(50重量%のメタノール、50重量%のプロピオン酸メチル)を脱気し、フラスコに加えた。メタンスルホン酸(MSA)420μLの添加によって触媒溶液の調製を完了した。
【0231】
事前に空にしたオートクレーブに触媒溶液を加え、100℃に加熱した。次いで100℃にて蒸気圧の上に8バールのエタン、総計10.2バールの圧力でオートクレーブを加圧した。次に、10リットルのリザーバから充填されるCO:エタン(1:1の気体)の添加によって12.2バールにオートクレーブを加圧した。10リットルのリザーバからの気体の一定の注入を介して反応全体を通して12.2バールでオートクレーブの圧力が維持されていることは、調節弁によって確保される。反応器の温度と同様にリザーバの圧力も1時間の反応全体を通して記録された。理想的な気体の挙動及びプロピオン酸メチルへの100%の選択性を仮定することによって各反応における任意の時点で生成されたモルは、リザーバ圧の低下から算出され、それによって反応TONを得ることができる。
【0232】

【表4】



上記のデータから、上の環及び下の環双方の位置でのシクロペンタジエニル環の置換はさらに活性のある且つ安定な触媒を提供することが理解できる。加えて、さらに嵩だかい配位子及び多数置換された種は安定性においてさらなる改善を提供する。
【0233】
本出願に関連する本明細書と共に現在提出される又はそれに先立って提出される、及び本明細書と共に公衆の便覧に開放されるあらゆるページ及び文書に読者の注目が向けられ、そのような書類及び文書すべての内容が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0234】
本明細書(添付のクレーム、要約及び図面を含む)で開示される特徴のすべて、及びそのように開示される方法又はプロセスの工程のすべて、もしくはそのいずれかは、そのような特徴及び工程、もしくはそのいずれかの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、いかなる組み合わせで組み合わせられてもよい。
【0235】
本明細書(添付のクレーム、要約及び図面を含む)で開示される特徴はそれぞれ、明白に述べられない限り、同様の、同等の又は類似の目的に適う代替の特徴で置き換えられてもよい。従って、明白に述べられない限り、開示される各特徴は、同等の又は類似の特徴の一般的シリーズの一例にすぎない。
【0236】
本発明は、前述の実施態様に制約されない。本発明は、本明細書(添付のクレーム、要
約及び図面を含む)で開示される特徴の新規のもの若しくは新規の組み合わせに及び、又は開示される方法若しくはプロセスの工程の新規のもの若しくは新規の組み合わせに及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の新規の二座配位子:
【化1】

(式中、
A及びBは、低級アルキレン連結基であり、
Rは、少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状原子上で、各連結基を介してQ及びQがそれぞれ連結する少なくとも1つの芳香環を有するヒドロカルビル芳香族構造を表し、芳香族構造の1以上のさらなる芳香族環状原子にて1以上の置換基Yによって置換され;
その際、芳香族構造における置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表し;
基、X、X、X及びXは、独立して少なくとも1つの三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表し、又はXとX及びXとX、もしくはそのいずれかは一緒に、少なくとも2つの三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを形成し、その際、前記一価のラジカル若しくは二価のラジカルはそれぞれ、前記少なくとも1つ若しくは2つの三級炭素原子を介して各原子Q若しくはQに結合し、
及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表す。)。
【請求項2】
エチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法であって、ヒドロキシル基の供給源と触媒系の存在下で前記化合物を一酸化炭素と反応させることを含み、該触媒系は、
(a)8族、9族又は10族の金属又はその化合物と、
(b)一般式(I):
【化2】

(式中、
A及びBは、低級アルキレン連結基であり、
Rは、少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状原子上で、各連結基を介してQ及びQがそれぞれ連結する少なくとも1つの芳香環を有するヒドロカルビル芳香族構造を表し、芳香族構造の1以上のさらなる芳香族環状原子にて1以上の置換基Yによって置換され;
その際、芳香族構造における置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水
素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表し;
基、X、X、X及びXは、独立して少なくとも1つの三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表し、又はXとX及びXとX、もしくはそのいずれかは一緒に、少なくとも2つの三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを形成し、その際、前記一価のラジカル若しくは二価のラジカルはそれぞれ、前記少なくとも1つ若しくは2つの三級炭素原子を介して各原子Q若しくはQに結合し、
及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表す。)の二座配位子と、
任意でアニオンの供給源とを含むことによって入手できる方法。
【請求項3】
各Yが独立して−SR404142を表し、
式中、Sがアリールであり、R40、R41及びR42が独立して水素、アルキル、−BQ−X(X)(式中、B、X及びXは請求項1と同義であり、Qは上記請求項1のQ又はQと同義である)、リン、アリール、アリーレン、アルカリル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はアルキルリンの1以上から選択され、
式中、SがSi、C、N、S又はOであり、R40、R41及びR42が独立して水素、アルキル、リン、アリール、アリーレン、アルカリル、アラルキル、アリーレンアルキル、アルケニル、アルキニル、het、ヘテロ、ハロ、シアノ、ニトロ、−OR19、−OC(O)R20、−C(O)R21、−C(O)OR22、−N(R23)R24、−C(O)N(R25)R26、−SR29、−C(O)SR30、−C(S)N(R27)R28、−CF、−SiR717273又はアルキルリンであり、その際、R40〜R42の少なくとも1つは水素ではなく、
式中、本明細書で言うR19〜R30は、独立して一般に、水素、不飽和若しくは飽和のアリール又は不飽和若しくは飽和のアルキルから選択されてもよく、さらに、R21は、ニトロ、ハロ、アミノ又はチオであってもよく、
71〜R73はR40〜R42のように定義されるが、好ましくはC〜Cのアルキル又はフェニルである、請求項1又は2に記載の二座配位子又は方法。
【請求項4】
置換基が、アルキル、好ましくは、t−ブチルのようなt−アルキル;2−フェニルプロップ−2−イルのようなt−アルキルアリール;−SiMeのようなアルキルシリル;フェニル;アルキルフェニル;2−フェニルプロップ−2−イルのようなフェニルアルキル;ホスフィノメチルのようなホスフィノアルキル;又はリンから選択され;それらの基が非置換であっても、置換されてもよい請求項3の配位子又は方法。
【請求項5】
前記Y置換基が2以上ある上記請求項のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項6】
2以上の前記置換基が結合してさらなる環構造を形成する請求項5に記載の配位子又は方法。
【請求項7】
ヒドロカルビル芳香族構造が6から30までの環状原子を有する請求項1〜6のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項8】
芳香族ヒドロカルビル構造R(Yが、4及び5−t−アルキルベンゼン−1,2−ジイルもしくはそのいずれか、4,5−ジフェニルベンゼン−1,2−ジイル、4及び5−フェニル−ベンゼン−1,2−ジイル、もしくはそのいずれか、4,5−ジ−t−ブチル−ベンゼン−1,2−ジイル、4又は5−t−ブチルベンゼン−1,2−ジイル、2、
3、4及び5−t−アルキル−ナフタレン−8,9−ジイル、もしくはそのいずれか、1H−インデン−5,6−ジイル、1、2及び3メチル−1H−インデン−5,6−ジイル、もしくはそのいずれか、4,7メタノ−1H−インデン−1,2−ジイル、1、2及び3−ジメチル−1H−インデン−5,6−ジイル、もしくはそのいずれか、1,3−ビス(トリメチルシリル)−イソベンゾフラン−5,6−ジイル、4−(トリメチルシリル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−ホスフィノメチルベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−ジメチルシリルベンゼン−1,2−ジイル、4−ジ−t−ブチル、メチルシリルベンゼン−1,2−ジイル、4−(t−ブチルジメチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−t−ブチルシリル−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(トリ−t−ブチルシリル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’−tert−ブチルプロップ−2’−イル)ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’,2’,3’,4’,4’ペンタメチル−ペント−3’−イル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(2’,2’,4’,4’−テトラメチル、3’−t−ブチル−ペント−3’−イル)−ベンゼン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−t−アルキルフェロセン−1,2−ジイル、4,5−ジフェニルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−フェニル−フェロセン−1,2−ジイル、4,5−ジ−t−ブチル−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−t−ブチルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)ホスフィノメチルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)ジメチルシリルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−ジ−t−ブチル、メチルシリルフェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(t−ブチルジメチルシリル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)−t−ブチルシリル−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(トリ−t−ブチルシリル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’−tert−ブチルプロップ−2’−イル)フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’,2’,3’,4’,4’ペンタメチル−ペント−3’−イル)−フェロセン−1,2−ジイル、4−(又は1’)(2’,2’,4’,4’−テトラメチル、3’−t−ブチル−ペント−3’−イル)−フェロセン−1,2−ジイル、1’,2’,3’−トリフェニルフェロセン−1,2−ジイル、1’,2’,3’,4’−テトラメチルフェロセン−1,2−ジイル、1’,2’,3’,4’−テトラフェニルフェロセン−1,2−ジイル、1’,2’,3’,4’,5’−ペンタメチルフェロセン−1,2−ジイル、又は1’,2’,3’,4’,5’−ペンタフェニルフェロセン−1,2−ジイルから選択される請求項1〜7のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項9】
各Y及び2以上のY基の組み合わせ、もしくはそのいずれかが少なくともフェニルと、さらに好ましくはt−ブチルと同じくらい立体障害性である請求項1〜8のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項10】
基が、CR(R)(R)を表し、XがCR(R)(R)を表し、XがCR(R)(R)を表し、XがCR10(R11)(R12)を表し、式中、R〜R12はアルキル、アリール又はhetを表す請求項1〜10のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項11】
それらの各三級炭素原子と会合する場合の有機基R〜R、R〜R、R〜R及びR10〜R12、もしくはそのいずれか、又は代替的にR〜R及びR〜R12、もしくはそのいずれかは、少なくともt−ブチルと同じくらい立体障害性である複合基を形成する請求項1〜11のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項12】
環状のX、X、X及びX、もしくはそのいずれかが、コングレシル、ノルボルニル、1−ノルボルナジエニル又はアダマンチルを表わす請求項1〜12のいずれかに記載
の配位子又は方法。
【請求項13】
とXは、それらが結合するQと一緒に、任意で置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基若しくはその誘導体を形成し、又はXとXは、それらが結合するQと一緒に、式1aの環系を形成する、
【化3】

請求項1〜12のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項14】
とXは、それらが結合するQと一緒に、任意で置換された2−Q−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基若しくはその誘導体を形成し、又はXとXは、それらが結合するQと一緒に、式1bの環系を形成する、
【化4】

請求項1〜13のいずれかに記載の配位子又は方法。
【請求項15】
好適な二座配位子が、1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2
−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.
1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−フェニルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−フェニルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(トリメチルシリル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−
ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホス
フィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(
ジ−t−ブチル)ベンゼン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)ベンゼン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−t−ブチルベンゼン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2
−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ
アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホス
フィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジフェニルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)フェニルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ビス−(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロメチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(トリメチルシリル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス(ジ−アダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(P,P−アダマンチル、t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,
3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサ−アダマンチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマンチルホスフィノメチル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1−(2−ホスフィノメチル−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−2−(ジアダマ
ンチルホスフィノメチル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2−ビス−パーフルオロ(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−ジ−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)(2’−フェニルプロップ−2’−イル)フェロセン;1,2−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4,5−(ジ−t−ブチル)フェロセン;1,2
−ビス−(2−ホスフィノメチル−1,3,5,7−テトラ(トリフルオロ−メチル)−6,9,10−トリオキサトリシクロ{3.3.1.1[3,7]}デシル)−4−(又は1’)t−ブチルフェロセンである、又は各リン原子の1つがR基を表すフェロセン又はベンゼンの環に直接連結するのでQ及びQを表す2つのリン原子を接続するC架橋を形成するようにA基又はB基を表すメチレン基の1つが外される上記配位子のいずれかである請求項1〜14のいずれか一項に記載の配位子又は方法。
【請求項16】
エチレン性不飽和化合物が分子当たり2〜50の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物又はその混合物である請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
エチレン性不飽和化合物が、アセチレン、メチルアセチレン、プロピルアセチレン、1,3−ブタジエン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、ペンテンニトリル、アルキルペンタノエート、たとえば、メチル3−ペンタノエート、ペンテン酸(たとえば、2−及び3−ペンテン酸)、ヘプテン類、ビニルエステル類、たとえば、酢酸ビニル、オクテン、ドデセンから選択される請求項1〜16のいずれか一項に記載の配位子又は方法。
【請求項18】
触媒系であって、
(a)8族、9族又は10族の金属又はその化合物と、
(b)一般式(I):
【化5】

(式中、
A及びBは、低級アルキレン連結基であり、
Rは、少なくとも1つの芳香環の利用可能な隣接する環状原子上で、各連結基を介してQ及びQがそれぞれ連結する少なくとも1つの芳香環を有するヘテロカルビル芳香族構造を表し、芳香族構造の1以上のさらなる芳香族環状原子にて1以上の置換基Yによって置換され;
その際、芳香族構造における置換基Yは、x=1〜nΣtYが≧4となるように水素以外の原子の合計x=1〜nΣtYを有し、その際、nは置換基Yの総数であり、tYは特定の置換基Yにおける水素以外の原子の総数を表し;
基、X、X、X及びXは、独立して少なくとも1つの三級炭素原子を有する30原子までの一価のラジカルを表し、又はXとX及びXとX、もしくはそのいずれかは一緒に、少なくとも2つの三級炭素原子を有する40原子までの二価のラジカルを形成し、その際、前記一価のラジカル若しくは二価のラジカルはそれぞれ、前記少なくとも1つ若しくは2つの三級炭素原子を介して各原子Q若しくはQに結合し、
及びQは、独立してリン、ヒ素又はアンチモンを表す。)の二座配位子と、
任意でアニオンの供給源とを組み合わせることによって入手できる触媒系。
【請求項19】
明細書に記載されたような及び実施例を参照したエチレン性不飽和化合物のカルボニル化のための方法。
【請求項20】
明細書に記載されたような及び実施例を参照した新規の二座配位子。
【請求項21】
上文に記載されたような及び実施例を参照した新規の触媒系。
【請求項22】
式Iの配位子が、
【化6】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−3,6−ジフェニル−4,5−ジメチルベンゼン
【化7】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4,5−ジフェニルベンゼン
【化8】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’−トリメチルシリルフェロセン
【化9】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1’−tert−ブチルフェロセン
【化10】

5,6−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−1,3−ビス−トリメチルシリル−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン
【化11】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−3,6−ジフェニルベンゼン
【化12】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノメチル)−4−トリメチルシリルフェロ
セン
【化13】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ジ(4’−tertブチルフェニル)ベンゼン
【化14】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−トリメチルシリルベンゼン
【化15】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(tert−ブチルジメチルシリル)ベンゼン
【化16】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ビス(トリメチルシリル)ベンゼン
【化17】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−tert−ブチルベンゼン
【化18】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4,5−ジ−tert−ブチルベンゼン
【化19】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(トリ−tert−ブチルメチル)ベンゼン
【化20】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(トリ−tert−ブチルシリル)ベンゼン
【化21】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−(2’−フェニルプロップ−2’−イル)ベンゼン
【化22】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−4−フェニルベンゼン
【化23】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−3,6−ジメチル−4,
5−ジフェニルベンゼン
【化24】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))−3,4,5,6−テトラフェニルベンゼン
【化25】

塩化4(1−{3,4−ビス−[(ジ−tert−ブチル−ホスファニル)−メチル]−フェニル}−1−メチル−エチル)−ベンゾイル
【化26】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(4’−クロロカルボニル−フェニル)ベンゼン
【化27】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(ホスフィノメチル)ベンゼン
【化28】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(2’−ナフチルプロップ−2’−イル)ベンゼン
【化29】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−(3’,4’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼン
【化30】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−3−(2’,3’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼン
【化31】

1,2−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル)−4−tertブチル−5−(2’−tertブチル−4’,5’−ビス(ジ−tert−ブチル(ホスフィノメチル))フェニル)ベンゼンから選択され;
或いは、Q基及びQ基、もしくはそのいずれかが、リンに連結されるX〜X三級
炭素を持つ基、t−ブチルの1以上が、アダマンチル、1,3−ジメチルアダマンチル、コングレシル、ノルボルニル又は1−ノルボンジエニルから選択される好適な代替物によって置き換えられ、又はXとXが一緒に、及び、XとXが一緒に、もしくはそのいずれかがリンと共に、たとえば、2−ホスファ−1,3,5,7−テトラメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチル若しくは2−ホスファ−1,3,5−トリメチル−6,9,10−トリオキサアダマンチルのような2−ホスファ−トリシクロ[3.3.1.1{3,7}]デシル基を形成する上記構造のいずれか1つから選択され;或いは、例示の構造でQ及びQを表す2つのリン原子をC架橋が接続するように各リン原子がRを表す芳香環に直接連結されるように式IにおけるA又はBを表すメチレン連結基の1つが外される上記構造又は代替構造のいずれか1つから選択される上記請求項のいずれかに記載の二座配位子、方法又は触媒系。

【公表番号】特表2010−511600(P2010−511600A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538795(P2009−538795)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/GB2007/050717
【国際公開番号】WO2008/065448
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(500460209)ルーサイト インターナショナル ユーケー リミテッド (30)
【Fターム(参考)】