説明

新規の[F−18]ラベル化L−グルタミン酸及びL−グルタミン誘導体(I)、その使用及びその調製方法

式(I)の[F−18]−ラベル化L−グルタミン酸、[F−18]−ラベル化L−グルタメート、その誘導体の化合物及び合成ならびにその使用が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特許請求の範囲に示す内容、すなわち、一般式Iの[F−18]ラベル化L−グルタミン酸誘導体及び [F−18]ラベル化L−グルタミン誘導体ならびにその使用及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍疾患の早期診断は腫瘍患者の生存予後に重要な役割を果たす。この診断では、非侵襲性診断画像形成法は重要な助けになる。近年、詳細には、PET(陽電子放出型断層撮影)技術が特に有用であることが判ってきた。PET技術の感度及び特異性は、本質的に、使用する信号提供物質(トレーサ)及び体内でのその分布によって決まる。適切なトレースの探究において、腫瘍組織を健康な周囲の組織と区別する、腫瘍の特定の性質を利用することが試みられている。PET用途に使用される好ましい市販の同位体は18Fである。2時間未満という短い半減期のために、18Fは適切なトレーサの調製となると特に要求が厳しい。この同位体では複雑で長い合成経路及び精製手順は許されない。というのは、トレーサが診断に使用されることができる前にかなりの量の異性体の放射活性が既に失われてしまっているからである。したがって、非放射活性フッ素化のための確立された合成経路を18Fトレーサの合成に応用することはしばしば可能でない。さらに、18Fの高い比放射能(約80GBq/nmol)により、トレーサの合成のための [18F]−フッ化物を非常に少量で生じ、それで、極端に過剰の前駆体を要求し、非放射性フッ素化反応を基礎とする放射性合成法(radio synthesis strategy)の結果を予測困難にしている。
【0003】
FDG([18F]−2−フルオロデオキシグルコース)−PETは広く受け入れられており、そして腫瘍疾患の診断及びさらには臨床モニタリングにおいてしばしば補助的に使用されている。悪性腫瘍は栄養供給源としてのグルコースを求めて宿主と競っている(Warburg O., aeber den Stoffwechsel der Carcinomzelle [The metabolism of the carcinoma cell], Biochem.Zeitschrift 1924; 152: 309-339; KellofG., Progress and Promise of FDG-PET Imaging for Cancer Patient Management and Oncologic Drug Development, Clin. Cancer Res. 2005; 11(8): 2785-2807)。正常組織の周囲細胞と比較して、腫瘍細胞は、通常、グルコース代謝率が高められている。このことを利用する。その際、フルオロデオキシグルコース(FDG)を用いると、グルコース誘導体が細胞中に益々輸送されるが、それはリン酸化後にFDG−6−ホスフェートとして代謝的に捕獲される(ワーブルグ効果)。
【0004】
したがって、18F−ラベル化FDGはPET技術を用いて患者内の腫瘍疾患を検知するための有効なトレーサである。新規のPETトレーサの探究において、最近、18F PET画像形成のためにアミノ酸が益々使用されてきた(たとえば、Eur. J. Nucl. Med. Mol. Imaging May 2002; 29(5): 681-90を参照されたい)。ここで、幾つかの18F−ラベル化アミノ酸はタンパク質合成速度を測定するのに適するが、ほとんどの他の誘導体は腫瘍内への直接的な細胞吸収量を測定するのに適する。既知の18F−ラベル化アミノ酸は、たとえば、チロシンアミノ酸、フェニルアラニンアミノ酸、ピロリンアミノ酸、アスパラギンアミノ酸及び人工アミノ酸から誘導される(たとえば、J. Nucl. Med. 1991; 32: 1338-1346, J. Nucl. Med. 1996; 37: 320-325, J. Nucl. Med. 2001; 42: 752-754及びJ. Nucl. Med. 1999; 40: 331-338)。18F−ラベル化誘導体としてのグルタミン酸及びグルタミンは知られておらず、一方、非放射活性フッ素化グルタミン及びグルタミン酸誘導体は知られており、たとえば、γ−位にフッ素を有するもの(たとえば、Amino Acids Apr. 2003; 24(3): 245-61を参照されたい)、又は、β−位にフッ素を有するもの(たとえば、Tetrahedron Lett. 1989; 30(14): 1799-1802, J. Org. Chem. 1989; 54(2): 498-500, Tetrahedron: Asymmetry 2001; 12(9): 1303-1312)である。
【0005】
化学官能基に保護基を有しかつβ−位及びγ−位に脱離基を有するグルタミン酸誘導体は過去に既に報告されている。このように、酸官能基及びアミン官能基にエステル及びZ保護基がそれぞれ提供された、γ−位にメシレート又は臭化物を有するグルタメート(J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1; 1986; 1323-1328)、又は、たとえば、保護基を有しないγ−クロログルタミン酸(Synthesis; (1973); 44-46)の報告がある。脱離基がβ−位にある同様の誘導体の様々な報告もある:たとえば、Chem. Pharm. Bull.; 17; 5; (1969); 879-885, J. Gen. Chem. USSR (英文訳); 38; (1968); 1645- 1648; Tetrahedron Lett., 27; 19; (1986); 2143-2144, Chem. Pharm. Bull.; EN; 17; 5; 1969; 873-878, 特許 FR 1461184, 特許 JP 13142。
【0006】
腫瘍診断に最近使用されているPETトレーサは幾つかの明らかな欠点がある。FDGは好ましくは、高められたグルコース代謝率を有する細胞内に蓄積されるが、異なる病理理学的及び生理学的条件下で、たとえば、感染部位又は創傷治癒に関与している細胞及び組織においても高められたグルコース代謝率を有する(J. Nucl. Med. Technol. (2005), 33, 145-155に要約されている)。しばしば、FDG−PETにより検知された障害がほんとうに腫瘍性起源のものなのか、又は、組織の他の生理学的又は病理学的状態の結果なのかを確かめることがなおも困難である。概して、腫瘍学におけるFDG−PETによる診断は感度が84%であり、特異度が88%である(Gambhir ら, "A tabulated summary of the FDG PET literature", J. Nucl. Med. 2001, 42, 1-93S)。たとえば、脳腫瘍の画像形成は健康な脳組織におけるFDGの蓄積性が高いので非常に困難である。特定の場合には、現在知られている18F−ラベル化アミノ酸誘導体は脳内の腫瘍を検知するのに好適である(Eur. J. Nucl. Med. Mol. Imaging. 2002年5月; 29(5): 681-90を参照されたい)。しかし、他の腫瘍の場合には、18F−ラベル化アミノ酸誘導体はゴールドスタンダード(Goldstandard)[18F]2−FDGの画像形成特性と競合することはできない。現在のF−18−ラベル化アミノ酸の腫瘍組織中の代謝蓄積及び保持は、一般に、FDGよりも低い。さらに、異性体的に純粋なF−18−ラベル化非芳香族アミノ酸の調製は化学的に非常に要求が厳しい。グルコースと同様に、グルタミン酸及びグルタミンでも、増殖性腫瘍細胞における代謝が高められることは記載されている(Medina, J. Nutr. 1131: 2539S-2542S, 2001; Souba, Ann Surg 218: 715-728, 1993)。タンパク質及び核酸の合成ならびにエネルギー発生の速度が増加されるのは、本質的に、腫瘍細胞のグルタミン消費が増加することが理由であると考えられる。天然の基質と同一である、対応するC−11及びC−14−ラベル化化合物の合成は既に文献に記載されている(たとえば、Antoni, Enzyme Catalyzed Synthesis of L-[4-C-11]aspartate and L-[5-C-11]glutamate. J. Labelled Compd. Radiopharm. 44; (4) 2001: 287-294 及びBuchanan, The biosynthesis of showdomycin: studies with stable isotopes and the determination of principal precursors, J. Chem. Soc. Chem. Commun.; EN; 22; 1984; 1515-1517)。C−11−ラベル化化合物を用いた最初の試験は腫瘍内での有意な蓄積を示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は[18F]−ラベル化形態でPETをベースとする診断に適する新規の化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、ジアステレオマーを含む、一般式(I)の[18F]−ラベル化グルタミン酸誘導体及び[18F]−ラベル化グルタミン誘導体の発明により達成される。
【0009】
【化1】

【0010】
上式中、Aは
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)N(C1〜C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)−L、
h)O−L、又は、
i)O−Z
であり、
Gは
a)ヒドロキシル、
b) O−Z、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
f)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
g)トリフェニルメトキシ
であり、
1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R1又はR2のうちの1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でなく、
Lは
a)枝分かれもしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
Zは金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0011】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はAが
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)プロポキシ、
e)NMe2
f)NEt2
g)NH2
h)N(H)−L、
i)O−L、又は、
j)O−Z
である点で区別される。
【0012】
式(I)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はAが
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)NMe2
e)NH2、又は、
f)N(H)−L
である点で区別される。
【0013】
式(I)の本発明に係る特に好ましい化合物はAが
a)ヒドロキシル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
c)NH2
である点で区別される。
【0014】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はAが
ヒドロキシル
である点で区別される。
【0015】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はAが
NH2
である点で区別される。
【0016】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はAが
エトキシ
である点で区別される。
【0017】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はGが
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキル、又は、
c)O−C24−OMe
である点で区別される。
【0018】
式(I)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はGが
a)ヒドロキシル、又は、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキル
である点で区別される。
【0019】
式(I)の本発明に係る特に好ましい化合物はGが
a)ヒドロキシル、又は、
b)エトキシ
である点で区別される。
【0020】
式(I)の本発明に係る特に好ましい化合物はGが
a)ヒドロキシル
である点で区別される。
【0021】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はR1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
である点で区別される。
【0022】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物はR1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C4アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R1又はR2のうちの1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でない点で区別される。
【0023】
本発明のさらなる特定の主題は、R1
a)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2アルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3アルキルである一般式Iの化合物である。
直鎖18F−C2アルコキシは18F−エトキシである。
直鎖18F−C3アルキルは18F−プロピルである。
【0024】
本発明のさらなる特定の主題は、R118F−エトキシ又は18F−プロピルであり、そしてR2が水素である、一般式Iの化合物である。
【0025】
式(I)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、R118F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル及び18F−プロピルからなる群より選ばれ、そしてR2が水素である点で区別される。
【0026】
式(I)の本発明に係る好ましい化合物は、Lが
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)−C24−OMe、又は、
f) −C24−O−C24−OMe
である点で区別される。
【0027】
式(I)の本発明に係る特に好ましい化合物は、Lが
a)メチル、又は、
b)エチル
である点で区別される。
【0028】
同様に好ましい式(I)の本発明に係る化合物はZがNa+、K+、Ca2+及びMg2+からなる群より選ばれる点で区別される。Zは好ましくはNa+である。
【0029】
一般式(I)の本発明に係る化合物の調製方法は、式(II)の化合物中に存在する1個以上の保護基が除去される点で区別される。
【0030】
式Iに係る化合物は、
【化2】

である。
【0031】
生理学的pH7.4で、本発明に係る式(I)の化合物は、当業者に知られているように、両性イオン又は塩として存在してもよい。
【0032】
さらなる態様によると、本発明は一般式(II)の化合物に関する。
【化3】

【0033】
上式中、A’は
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
c) 分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
d) 分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)N(C1〜C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)−L’、又は、
h)O−L’
であり、
G’は
a)ヒドロキシル、
b) O−Z’、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
f)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
g)トリフェニルメトキシ
であり、
1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R1又はR2のうちの正確に1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でなく、
Qは、
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b) N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d) N(H)−エトキシカルボニル、
e) N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
e) N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
f) N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
g) N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
h) N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
i) N(H)−シクロブチルカルボニル、
j) N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
k)N(H)−ビニルカルボニル、
l) N(H)−アリルカルボニル、
m) N(H)−アダマンチルカルボニル、
n) N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
o) N(H)−シンナミルカルボニル、
p)N(H)−ホルミル、
q) N(H)−ベンゾイル、
r) N(H)−トリチル、
s) N(H)−p-メトキシジフェニルメチル、
t) N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
u)
【0034】
【化4】

【0035】
又は、v)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
L’は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
X’及びX”は互いに独立に、
a) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アラルキル、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z’は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0036】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はA’が
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)プロポキシ、
e)NMe2
f)NEt2
g)NH2
h)N(H)−L、
i)O−L、又は、
j)O−Z
である点で区別される。
【0037】
式(II)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はA’が
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、
d)NMe2
e)NH2、又は、
f)N(H)−L
である点で区別される。
【0038】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物はA’が
a)ヒドロキシル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
c)NH2
である点で区別される。
【0039】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はA’が
tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0040】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はA’が
NH2
である点で区別される。
【0041】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はA’が
エトキシ
である点で区別される。
【0042】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はG’が
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキル、又は、
c)O−C24−OMe
である点で区別される。
【0043】
式(II)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はG’が
a)ヒドロキシル、又は、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキル
である点で区別される。
【0044】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物はG’が
a)ヒドロキシル、
b)メトキシ、
c)エトキシ、又は、
d)tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0045】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物はG’が
tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0046】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はR1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R1又はR2のうちの正確に1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でない点で区別される。
【0047】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物はR1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C4アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R1又はR2のうちの正確に1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は水素であり、ただし、R1は水素でない点で区別される。
【0048】
式(II)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、R118F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル及び18F−プロピルからなる群より選ばれ、R2が水素である点で区別される。
【0049】
本発明のさらに特に好ましい主題はR1
a)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2アルコキシ、又は、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C3アルキルである一般式IIの化合物である。
直鎖18F−C2アルコキシは18F−エトキシである。
直鎖18F−C3アルキルは18F−プロピルである。
【0050】
本発明のさらに詳細な主題はR118F−エトキシ又は18F−プロピルであり、R2が水素である一般式IIの化合物である。
【0051】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物は、L’が
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)−C24−OMe、
f) −C24−O−C24−OCH3、又は、
g)tert-ブチル
である点で区別される。
【0052】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物は、L’が
a)メチル、
b)エチル、又は、
c)tert-ブチル
である点で区別される。
【0053】
同様に好ましい式(II)の本発明に係る化合物はZ’がNa+、K+、Ca2+及びMg2+からなる群より選ばれる点で区別される。Z’は好ましくはNa+である。
【0054】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物は、Qが
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
c)N−(tert-ブトキシカルボニル)2、又は、
d)
【0055】
【化5】

である点で区別される。
【0056】
式(II)の本発明に係るさらに好ましい化合物は、Qが
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N−(tert-ブトキシカルボニル)2、又は、
c)
【0057】
【化6】

である点で区別される。
【0058】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物は、Qが
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、又は、
b)
【0059】
【化7】

である点で区別される。
【0060】
式(II)の本発明に係る特に好ましい化合物は、QがN(H)−tert-ブトキシカルボニルである点で区別される。
【0061】
式(II)の本発明に係る好ましい化合物は、X’及びX”が
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、又は、
c)置換もしくは未置換アラルキル
である点で区別される。
式(II)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、X’及びX”が
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
b)置換もしくは未置換アリール
である点で区別される。
【0062】
式(II)の特に本発明に係る好ましい化合物は、X’及びX”がフェニルであるか、又は、2−位で置換されたフェニルである点で区別される。
【0063】
本発明に係る一般式(II)の化合物の調製方法は、複数の式(II)の化合物が18F−同位体の導入によって式(III)から形成されうる点で区別される。
【0064】
一般式(II)の化合物の調製方法は式(III)の化合物をF−18フッ化物と反応させることを含む。
式I、II又はIIIの化合物は医薬としての使用に有用である。
式I、II又はIIIの化合物は腫瘍性疾患の画像形成のために使用に有用である。
式I、II又はIIIの化合物は腫瘍性疾患の画像形成のための医薬の調製のための使用に有用である。
【0065】
さらなる態様によると、本発明は一般式(III)
【化8】

の化合物に関する。
【0066】
上式中、A”は
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
b) 分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
c) 分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
d)N(C1〜C5アルキル)2
e)NH2
f)N(H)−L”、又は、
g)O−L”
であり、
G”は
a) O−Z”、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
f)トリフェニルメトキシ
であり、
3及びR4
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R3又はR4のうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基はEを含まず、ただし、R3は水素でなく、
Eは脱離基であり、
Q’は、
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b) N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d) N(H)−エトキシカルボニル、
e) N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
g) N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h) N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
i) N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j) N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k) N(H)−シクロブチルカルボニル、
l) N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)−ビニルカルボニル、
n) N(H)−アリルカルボニル、
o) N(H)−アダマンチルカルボニル、
p) N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
q) N(H)−シンナミルカルボニル、
r)N(H)−ホルミル、
s) N(H)−ベンゾイル、
t) N(H)−トリチル、
u) N(H)−p-メトキシフェニルジフェニルメチル、
v) N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【0067】
【化9】

【0068】
又は、x)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
L”は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
X’及びX”は、
a) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z”は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0069】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はA”が
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
b)NH2
である点で区別される。
【0070】
一般式(III)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はA”が
a)メトキシ、
b)エトキシ、
c)NH2、又は、
d)tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0071】
一般式(III)の本発明に係る特に好ましい化合物はA”が
メトキシ
である点で区別される。
【0072】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はA”が
NH2
である点で区別される。
【0073】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はA”が
エトキシ
である点で区別される。
【0074】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はA”が
tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0075】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はG”が
a)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
e)トリフェニルメトキシ
である点で区別される。
【0076】
一般式(III)の本発明に係るさらに好ましい化合物はG”が
a)メトキシ、
b)エトキシ、又は、
c)tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0077】
一般式(III)の本発明に係る特に好ましい化合物はG”が
tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0078】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はR3及びR4
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C3〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R3又はR4のうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基はEを含まず、ただし、R3は水素でない点で区別される。
【0079】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はR3及びR4
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C4アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C3〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C3〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C3〜C5アルキニル、
f)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
g) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R3又はR4のうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基は水素であり、ただし、R3は水素でない点で区別される。
【0080】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はR3及びR4
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C2アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C3アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C3アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C3アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R3又はR4のうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基はEを含まない点で区別される。
【0081】
本発明のさらなる特定の主題はR3
a)分岐鎖もしくは直鎖E−C2アルコキシ、又は、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C3アルキル
である一般式IIIの化合物である。
直鎖E−C2アルコキシはE−エトキシである。
直鎖E−C3アルキルはE−プロピルである。
【0082】
本発明のさらなる特定の主題はR3がE−エトキシ又はE−プロピルであり、R4が水素である一般式IIIの化合物である。
【0083】
Eは既知であるか又は当業者に明らかである脱離基であり、そしてたとえば、Synthese (1982), p 85-125, Table 2, p 86; Carey及びSundberg, Organische Synthese, (1995), p 279-281, Table 5.8; 又は Netscher, Recent Res. Dev. Org. Chem., 2003, 7, 71-83, schemes 1, 2, 10及び15又はJerry March, Advanced Organic Chemistry, 4th edition, John Wiley and Sons, pp.351-56及び642-653に説明され又は記載されているが、それに限定されない。
【0084】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はEが
ハロゲン、又は、
スルホニルオキシ
である点で区別される。
好ましいハロゲンはヨード、ブロモ及びクロロである。
好ましいスルホニルオキシはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブチルオキシ、トシルオキシ及びノシルオキシである。
【0085】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はEが
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
である点で区別される。
【0086】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はEが
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)トシルオキシ、又は、
f)ヨード
である点で区別される。
【0087】
一般式(III)の本発明に係るさらなる好ましい化合物はEが
a)ブロモ、
b)メタンスルホニルオキシ、
c)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
である点で区別される。
【0088】
一般式(III)の本発明に係る特に好ましい化合物はEが
a)ブロモ、又は、
b)メタンスルホニルオキシ、
である点で区別される。
【0089】
式(III)の本発明に係る好ましい化合物は、Q’が
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
c)N−トリチル、又は、
d)
【0090】
【化10】

である点で区別される。
【0091】
式(III)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、Q’が
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、又は、
b)
【0092】
【化11】

である点で区別される。
【0093】
式(III)の本発明に係る好ましい化合物は、L”が
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、又は、
c)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニル
である点で区別される。
【0094】
式(III)の本発明に係る好ましい化合物は、 L”が
a)メチル、
b)エチル、
c)プロピル、
d)イソプロピル、
e)−C24−OMe、又は、
f) −C24−O−C24−OMe
である点で区別される。
【0095】
式(III)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、L”が
a)メチル、又は、
b)エチル
である点で区別される。
【0096】
式(III)の本発明に係る好ましい化合物は、X’及びX”が互いに独立に
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、又は、
c)アラルキル
である点で区別される。
【0097】
式(III)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、X’及びX”が互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
b)置換もしくは未置換アリール
である点で区別される。
【0098】
式(III)の本発明に係る特に好ましい化合物は、X’及びX”が
フェニルであるか、又は、2−位で置換されたフェニルである点で区別される。
【0099】
同様に好ましい式(III)の本発明に係る化合物はZ’がNa+、K+、Ca2+及びMg2+からなる群より選ばれる点で区別される。Z’は好ましくはNa+である。
【0100】
さらなる態様によると、このように、本発明は、式(I)又は(II)の化合物を調製するための式(IV)の化合物の使用に関する。
【0101】
【化12】

【0102】
上式中、G'''は
a)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
e)トリフェニルメトキシ
であり、
5及びR6
a)水素、
b)ヒドロキシル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
e)R7−E’
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R5又はR6のうちの正確に1つはE’を含み、そして対応するもう一方の置換基はE’を含まず、ただし、R5は水素でなく、
E’は脱離基であり、
7
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、又は、
d) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
Q'''は、
a)N−tert-ブトキシカルボニル、
b)N−アリルオキシカルボニル、
c)N−ベンジルオキシカルボニル、
d)N−エトキシカルボニル、
e)N−メトキシカルボニル、
f)N−プロポキシカルボニル、
g)N−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N−シクロブチルカルボニル、
l)N−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N−ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N−アダマンチルカルボニル、
p)N−ジフェニルメチルカルボニル、
q)N−シンナミルカルボニル、
r)N−ホルミル、
s)N−ベンゾイル、
t)N(H)−トリチル、
u)N(H)−p-メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【0103】
【化13】

【0104】
又は、x)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
X’及びX”は、互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリールであり、
nは0、1、2又は3である。
【0105】
式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物はG'''が
a)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
e)トリフェニルメトキシ
である点で区別される。
【0106】
式(IV)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、G'''が
a)メトキシ、
b)エトキシ、又は、
c)tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0107】
式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物は、G'''が
a)tert-ブトキシ
である点で区別される。
【0108】
E’は既知であるか又は当業者に明らかである脱離基であり、そしてそれはたとえば、Synthese (1982), p 85-125, Table 2, p 86; Carey及びSundberg, Organische Synthese, (1995), p 279-281, Table 5.8;又はNetscher, Recent Res. Dev. Org. Chem., 2003, 7, 71-83, schemes 1, 2, 10及び15又はJerry March, Advanced Organic Chemistry, 4th edition, John Wiley and Sons, pp.351-56及び642-653に説明され又は記載されているが、それに限定されない。
【0109】
一般式(III)の本発明に係る好ましい化合物はE’が
ハロゲン、又は、
スルホニルオキシ
である点で区別される。
好ましいハロゲンはヨード、ブロモ及びクロロである。
好ましいスルホニルオキシはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ノナフルオロブチルオキシ、トシルオキシ及びノシルオキシである。
【0110】
一般式(IV)の本発明に係る好ましい化合物はE’が
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
である点で区別される。
【0111】
一般式(IV)の本発明に係る好ましい化合物はE’が
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
である点で区別される。
【0112】
一般式(IV)の本発明に係る好ましい化合物はE’が
a)ブロモ、
b)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、又は、
c)トリフルオロメシルオキシ
である点で区別される。
【0113】
一般式(IV)の本発明に係るさらに好ましい化合物はE’が
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)トシルオキシ、又は、
f)ヨード
である点で区別される。
【0114】
一般式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物はE’が
a)ブロモ、又は、
b)メタンスルホニルオキシ
である点で区別される。
【0115】
式(IV)の本発明に係る好ましい化合物は、Q’が
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
c)N−トリチル、又は、
d)
【0116】
【化14】

である点で区別される。
【0117】
式(IV)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、Q’が
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、又は、
b)
【0118】
【化15】

である点で区別される。
【0119】
式(IV)の本発明に係る好ましい化合物は、X’及びX”が互いに独立に
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、又は、
c)アラルキル
である点で区別される。
【0120】
式(IV)の本発明に係るさらなる好ましい化合物は、X’及びX”が互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
b)置換もしくは未置換アリール
である点で区別される。
【0121】
式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物は、X’及びX”が
フェニルであるか、又は、2−位で置換されたフェニルである点で区別される。
【0122】
式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物はR5及びR6
a)水素、
b)ヒドロキシル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
e)R7−E’
であり、ただし、置換基R5又はR6のうちの正確に1つはE’を含み、そして対応するもう一方の置換基はE’を含まず、ただし、R5は水素でないという点で区別される。
【0123】
式(IV)の本発明に係る特に好ましい化合物はR5及びR6
a)水素、
b)ヒドロキシル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C3〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖C3〜C5アルコキシ、又は、
e)R7−E’
であり、ただし、置換基R5又はR6のうちの正確に1つはE’を含み、そして対応するもう一方の置換基はE’を含まず、
E’は
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メシルオキシ、
d)トリフルオロメチルスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
であり、R7
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニル
である、という点で区別される。
【0124】
さらなる態様によると、本発明は一般式III又はIVの化合物を含む画像形成キットに関する。
【0125】
さらなる態様によると、本発明は一般式I、II、III又はIVの化合物及び適切な医薬キャリア物質を含む医薬組成物に関する。
【0126】
式I又はIIの化合物は、その化合物が37〜600MBqの用量範囲において画像形成に適切であることを特徴とする。
【0127】
式I又はIIの好ましい化合物は、その化合物が150MBq〜370MBqの用量範囲において特に適切であることを特徴とする。
【0128】
医薬としての使用のための式I又はIIの化合物。
腫瘍性疾患の画像形成のための使用のための式I又はIIの化合物。
腫瘍性疾患の画像形成のための医薬の製造のための式I、II、III又はIVの化合物の使用。
【0129】
本発明に係る一般式(I)又は(II)の化合物の調製方法は、ほとんどの式(I)又は(II)の化合物が一般式(IV)の化合物中に18F同位体を導入することにより形成されることができる点で区別される。
本発明は一般式(IV)の化合物に関する。
18F同位体を導入するために特に好ましいのは4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサンK18F(クラウンエーテル塩クリプトフィックス K18F)、
18F、
18F、
KH182
Cs18F、
Na18F、又は、
18Fテトラアルキルアンモニウム塩(たとえば、[F−18]テトラブチルアンモニウムフルオリド)である。
【0130】
本発明は、フッ素同位体18Fを用いた、一般式(I)又は(II)の化合物及び方法に関する。
【0131】
本発明の主題の式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)の化合物が1つ以上のキラル中心を含むならば、本発明はすべての可能なジアステレオマーを含む、この異性体のすべての形態を含むが、ただし、置換基R1−R6がS配置で存在している。炭素−炭素二重結合が存在する場合に、シス及びトランス異性体の両方は本発明の一部を形成する。たとえば、ケト−エノール互変異性化などで互変異性体形態が存在しうる場合には、本発明はすべての互変異性体を含むが、これらの形態は平衡状態で存在してよく、又は、好ましくは、1つの形態で存在することができる。
【0132】
一般式I及びIIの化合物及びその好ましい実施形態は医薬として使用される。本発明に係る一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は生理学的又は病理学的状態の診断/画像形成に使用される。これらの化合物は、好ましくは、人体又は動物の体の非侵襲性のPETを基礎とする診断において使用される。特に好ましくは、一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は腫瘍性疾患の診断に使用される。このような腫瘍性疾患の例は、消化管もしくは大腸管の悪性腫瘍、肝癌、膵臓癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、精巣癌、悪性黒色腫、小細胞及び非小細胞気管支癌、異型口腔粘膜癌、浸潤性口腔癌、ホルモン依存性乳癌及びホルモン非依存性乳癌を含む乳癌、扁平上皮癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、骨肉腫、髄膜腫、軟部肉腫を含む神経学的癌疾患; 下垂体腺腫、褐色細胞腫(chromocytoma)、傍神経節腫を含む血管腫及び内分泌腺腫瘍、リンパ腫及び白血病を含む血液腫瘍疾患、又は、上記の腫瘍のいずれかの転移である。本発明に係る一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は腫瘍性疾患の診断用医薬の調製のために使用される。このような腫瘍性疾患の例は、消化管もしくは大腸管の悪性腫瘍、肝癌、膵臓癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、精巣癌、悪性黒色腫、小細胞及び非小細胞気管支癌、異型口腔粘膜癌、浸潤性口腔癌、ホルモン依存性乳癌及びホルモン非依存性乳癌を含む乳癌、扁平上皮癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、骨肉腫、髄膜腫、軟部肉腫を含む神経学的癌疾患; 下垂体腺腫、褐色細胞腫(chromocytoma)、傍神経節腫を含む血管腫及び内分泌腺腫瘍、リンパ腫及び白血病を含む血液腫瘍疾患、又は、上記の腫瘍のいずれかの転移である。
【0133】
本発明は式I、II、III又はIVの少なくとも1種の化合物及び医薬上許容されるキャリアを含む医薬組成物に関する。
【0134】
式I、II、III又はIVの化合物の医薬としての使用では、活性化合物に加えて、たとえば、水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコールなどの、経腸投与又は非経口投与に適する有機もしくは無機医薬不活性キャリアを含む医薬製剤の形態にされる。
【0135】
本発明は式I、II、III又はIVの少なくとも1種の化合物を含むキットに関する。
1)一般式Iの化合物
【化16】

【0136】
上式中、Aは
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)N(C1〜C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)−L、
h)O−L、又は、
i)O−Z
であり、
Gは
a)ヒドロキシル、
b) O−Z、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
f)トリフェニルメトキシ
であり、
1及びR2
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R1又はR2のうちの1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でなく、
Lは
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
Zは金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0137】
2)Aはヒドロキシル、分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ又はNH2であることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
3)AはNH2であることを特徴とする、請求項1又は2記載の化合物。
4)R118F−メトキシ、18F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル又は18F−プロピルでからなる群より選ばれ、そしてR2は水素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
5)R118Fであり、そしてR2は水素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
6)Gはヒドロキシル及び分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキルからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
7)Gはメトキシであることを特徴とする、請求項6記載の化合物。
8)ZはMg2+、Ca2+、Na+及びK+からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
9)下記式
【0138】
【化17】

【0139】
の化合物からなる群より選ばれる、請求項1記載の化合物。
【0140】
10)一般式(II)の化合物。
【化18】

【0141】
上式中、A’は
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
c) 分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
d) 分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)N(C1〜C5アルキル)2
f)NH2
g)N(H)−L’、又は、
h)O−L’
であり、
G’は
a)ヒドロキシル、
b) O−Z’、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
f)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
g)トリフェニルメトキシ
であり、
1及びR2
a)水素、
i)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルコキシ、
j)分岐鎖もしくは直鎖18F−C1〜C5アルキル、
k)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルケニル、
l)分岐鎖もしくは直鎖18F−C2〜C5アルキニル、
m)ヒドロキシル、
n)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
o) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R1又はR2のうちの正確に1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、R1は水素でなく、
Qは、
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)−エトキシカルボニル、
e)N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
e)N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
f)N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
g)N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
h)N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
i)N(H)−シクロブチルカルボニル、
j)N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
k)N(H)−ビニルカルボニル、
l)N(H)−アリルカルボニル、
m)N(H)−アダマンチルカルボニル、
n)N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
o)N(H)−シンナミルカルボニル、
p)N(H)−ホルミル、
q)N(H)−ベンゾイル、
r)N(H)−トリチル、
s)N(H)−p-メトキシジフェニルメチル、
t)N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
u)
【0142】
【化19】

【0143】
又は、v)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
L’は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
X’及びX”は、
a) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アラルキル、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z’は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0144】
11)A’はヒドロキシル、分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ又はNH2であることを特徴とする、請求項10記載の化合物。
12)A’はメトキシであることを特徴とする、請求項11記載の化合物。
13)R118F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル及び18F−プロピルからなる群より選ばれ、そしてR2は水素であることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項記載の化合物。
14)Gはヒドロキシル及び分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C4アルキルからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項記載の化合物。
15)Gはメトキシであることを特徴とする、請求項14記載の化合物。
16)Z’はNa+、K+、Ca2+及びMg2+からなる群より選ばれることを特徴とする、請求項10〜15のいずれか1項記載の化合物。
17) Qは、N(H)−tert-ブトキシカルボニル、N(H)−ベンジルオキシカルボニル、及び、
【0145】
【化20】

【0146】
からなる群より選ばれ、
X’及びX”は互いに独立に、
a) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アラルキル、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であることを特徴とする、請求項10〜16のいずれか1項記載の化合物。
18)QはN(H)−tert-ブトキシカルボニルであることを特徴とする、請求項17記載の化合物。
【0147】
19)請求項1〜9のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物の調製方法であって、請求項10〜18のいずれか1項記載の式(II)の化合物中に存在する1つ以上の保護基を除去することを含む、方法。
20)請求項10〜18のいずれか1項記載の式(II)の化合物の調製方法であって、請求項24記載の式(III)の化合物をF−18フッ化物と反応させることを含む、方法。
21)医薬としての使用のための請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物。
22)腫瘍性疾患における画像形成を行うための使用のための請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物。
23)腫瘍性疾患における画像形成を行うための医薬を調製するための請求項1〜18のいずれか1項記載の化合物の使用。
24)式(III)の化合物
【0148】
【化21】

【0149】
上式中、A”は
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、
b) 分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC1〜C5アルコキシ、
c) 分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
d)N(C1〜C5アルキル)2
e)NH2
f)N(H)−U’、
g)N(H)−L”、又は、
h)O−L”
であり、
G”は
a) O−Z”、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
f)トリフェニルメトキシ
であり、
3及びR4
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C5アルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C5アルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C2〜C5アルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、又は、
h) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ
であり、ただし、置換基R3又はR4のうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基はEを含まず、ただし、R3は水素でなく、
Eは、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメチルスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
であり、
Q’は、
a)N(H)−tert-ブトキシカルボニル、
b)N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)−エトキシカルボニル、
e)N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
g)N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
i)N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)−シクロブチルカルボニル、
l)N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)−ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)−アダマンチルカルボニル、
p)N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)−シンナミルカルボニル、
r)N(H)−ホルミル、
s)N(H)−ベンゾイル、
t)N(H)−トリチル、
u)N(H)−p-メトキシジフェニルメチル、
v)N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【0150】
【化22】

【0151】
又は、x)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
L”は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
X’及びX”は、互いに独立に、
a) 分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z”は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である。
【0152】
25)式(I)又は(II)の化合物を調製するための式(IV)の化合物の使用
【化23】

【0153】
上式中、G'''は
a)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C1〜C5アルキル−(O−C1〜C4アルキル)n−O−C1〜C4アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C2〜C5アルキニル、又は、
e)トリフェニルメトキシ
であり、
5及びR6
a)水素、
b)ヒドロキシル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルコキシ、又は、
e)R7−E’
であり、ただし、置換基R5又はR6のうちの正確に1つはE’を含み、そして対応するもう一方の置換基はE’を含まず、ただし、R5は水素でなく、
E’は、
a)クロロ、
b)ブロモ、
c)メタンスルホニルオキシ、
d)トリフルオロメタンスルホニルオキシ、
e)ノナフルオロブチルオキシ、
f)トシルオキシ、又は、
g)ヨード
であり、R7
a)分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
c) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルケニル、又は、
d) 分岐鎖もしくは直鎖C2〜C5アルキニルであり、
Q'''は、
a)N−tert-ブトキシカルボニル、
b)N−アリルオキシカルボニル、
c)N−ベンジルオキシカルボニル、
d)N−エトキシカルボニル、
e)N−メトキシカルボニル、
f)N−プロポキシカルボニル、
g)N−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N−シクロブチルカルボニル、
l)N−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N−ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N−アダマンチルカルボニル、
p)N−ジフェニルメチルカルボニル、
q)N−シンナミルカルボニル、
r)N−ホルミル、
s)N−ベンゾイル、
t)N(H)−トリチル、
u)N(H)−p-メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)−ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【0154】
【化24】

【0155】
又は、x)N−(tert-ブトキシカルボニル)2であり、
X’及びX”は、互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C1〜C5アルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリールであり、
nは0、1、2又は3である。
【0156】
14)一般式III又はIVの化合物を含む、画像形成キット。
15)一般式I、II、III又はIVの化合物及び適切な医薬キャリア物質を含む、医薬組成物。
30)化合物が37〜600MBqの用量範囲において画像形成に適切であることを特徴とする、請求項1〜9、10〜18のいずれか1項記載の化合物及び一般式IVの化合物。
31)化合物が150MBq〜370MBqの用量範囲において特に適切であることを特徴とする、請求項30記載の化合物。
【0157】
[F−18]同位体がグルタミン酸骨格の4−位にメチレン基を介して配置されている本発明に係る化合物、たとえば、4S−[F−18]フルオロメチルグルタミン酸1はスキーム7に示すとおりに調製されうる。このため、たとえば、化合物2の保護基の酸性除去によって、本発明に係る4S−[F−18]フルオロメチルグルタミン酸1が得られる。
【0158】
【化25】

【0159】
ここで、様々な有機酸(たとえば、トリフルオロ酢酸)、しかし特に無機酸、たとえば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、過塩素酸又はリン酸は使用されてよい。式(I)の本発明に係る化合物2はHPLCによって精製されることができ、ここで、原則として、様々な精製工程、たとえば、RP−C18カートリッジ又は他の分離材料による精製は、上流又は下流で行われることができる。
【0160】
化合物4 (Tetrahedron, 45, 5, (1989) 1453-1464)から文献(Chem. Pharm. Bull., 17, 5 (1969), 879-885)に記載された方法と類似的に合成されるトシレート3の[F−18]ラベル化グルタミン酸誘導体2への放射化学フッ素化は当業者に知られた方法を用いて行うことができる(スキーム8を参照)。
【0161】
【化26】

【0162】
ここで、塩基、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカーボネート及びテトラアルキルホスホニウムカーボネート及び炭酸カリウムなどの存在下に、化合物3を適切な[F−18]−フッ化物溶液と反応させることができる。反応は、好ましくは、高温で行われる。たとえば、クリプトフィックス(K2.2.2)などのクラウンエーテルの添加は反応に正の効果を及ぼすことができ、特に、触媒性塩基としてのK2CO3との組み合わせで、反応に正の効果を及ぼすことができる。可能な溶剤は好ましくは非プロトン性であるが、プロトン性溶剤又は、他の非プロトン性溶剤添加剤、たとえば、水を使用することも可能である。通常、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドは[F−18]−フッ化物アニオンによる放射化学フッ素化のための最も適切な溶剤として使用される。通常、化合物2は精製を受ける必要はなく、化合物2から化合物1への転化について記載した方法を用いて即座に処理されうる。しかしながら、化合物2の精製は、原則として、好ましくは、無極性相、たとえば、RP C−18による分取HPLCを用いて可能である。
【0163】
[F−18]同位体がグルタミン酸骨格の4−位に4S−配置でアルコキシ基を介して配置されている本発明に係る化合物、たとえば、4−S−(2−[F−18]フルオロエトキシグルタミン酸(5)はスキーム9に示すとおりに調製されうる。このように、化合物6又は7の保護基の酸性除去により、本発明に係る化合物4−S−[F−18]フルオロエトキシグルタミン酸(5)が得られる。
【0164】
【化27】

【0165】
ここで、様々な有機酸(たとえば、トリフルオロ酢酸)、しかし特に無機酸、たとえば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、過塩素酸又はリン酸は使用されてよい。また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用いた塩基性開環も可能である(S. Bakerら Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2815-2818)。式(I)の本発明に係る化合物5はHPLCによって精製されることができ、ここで、原則として、様々な精製工程、たとえば、RP−C18カートリッジ又は他の分離材料による精製は、上流又は下流で行われることができる。
【0166】
化合物9から文献 (N. Sharmaら Tetrahedron, 2004, 45, 1453-1464)に記載された方法と類似的に合成されるトシレート8の[F−18]ラベル化S−グルタミン酸誘導体6への放射化学フッ素化は当業者に知られた方法を用いて行うことができる(スキーム10を参照)。
【0167】
【化28】

【0168】
ここで、塩基、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカーボネート及びテトラアルキルホスホニウムカーボネート及び炭酸カリウムなどの存在下に、化合物6を適切な[F−18]−フッ化物溶液と反応させることができる。反応は、好ましくは、高温で行われる。たとえば、クリプトフィックス(K2.2.2)などのクラウンエーテルの添加は反応に正の効果を及ぼすことができ、特に、触媒性塩基としてのK2CO3との組み合わせで、反応に正の効果を及ぼすことができる。可能な溶剤は好ましくは非プロトン性であるが、プロトン性溶剤又は、他の非プロトン性溶剤添加剤、たとえば、水を使用することも可能である。通常、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドは[F−18]−フッ化物アニオンによる放射化学フッ素化のための最も適切な溶剤として使用される。通常、化合物6は精製を受ける必要はなく、化合物6から化合物6への転化について記載した方法を用いて即座に処理されうる。しかしながら、化合物6の精製は、原則として、好ましくは、無極性相、たとえば、RP C−18による分取HPLCを用いて可能である。
【0169】
化合物8から文献 (X. Zhang Tetrahedron Lett. 2001, 42, 5335-5338)に記載された方法と類似的に合成されるトシレート10の[F−18]ラベル化グルタミン酸誘導体7への放射化学フッ素化は当業者に知られた方法を用いて行うことができる(スキーム11を参照)。
【0170】
【化29】

【0171】
ここで、塩基、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカーボネート及びテトラアルキルホスホニウムカーボネート及び炭酸カリウムなどの存在下に、化合物10を適切な[F−18]−フッ化物溶液と反応させることができる。反応は、好ましくは、高温で行われる。たとえば、クリプトフィックス(K2.2.2)などのクラウンエーテルの添加は反応に正の効果を及ぼすことができ、特に、触媒性塩基としてのK2CO3との組み合わせで、反応に正の効果を及ぼすことができる。可能な溶剤は好ましくは非プロトン性であるが、プロトン性溶剤又は、他の非プロトン性溶剤添加剤、たとえば、水を使用することも可能である。通常、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドは[F−18]−フッ化物アニオンによる放射化学フッ素化のための最も適切な溶剤として使用される。通常、化合物7は精製を受ける必要はなく、化合物7から化合物5への転化について記載した方法を用いて即座に処理されうる。しかしながら、化合物7の精製は、原則として、好ましくは、無極性相、たとえば、RP C−18による分取HPLCを用いて可能である。カートリッジを用いた精製も可能である。
【0172】
化合物6への放射化学フッ素化のための別の適切な出発材料は臭化物8aであり、それは化合物9から2つの工程:1,2−ジブロモエタンを用いた化合物9のアルキル化を行ない、ブロモエトキシピロリジン誘導体8bを提供すること、及び、次いで、例3a及び3bに記載されたとおりの、たとえば、ルテニウム(III)化合物を用いた酸化を行うことで得ることができる。
【0173】
【化30】

F−19参照化合物11、12及び13の合成はスキーム12に示されるとおりに行われることができる。
【0174】
【化31】

【0175】
化合物11はヒドロキシプロリン誘導体9をアルキル化しそして酸化することにより得ることができる。F−19参照化合物の調製では、たとえば、例1dに記載されるように、当業者に知られた方法により、DAST(三フッ化ジエチルアミノ硫黄)を用いて、類似のヒドロキシル化合物からフッ化物を調製することが有利であることも判った。ピログルタミン誘導体26の開環により、鎖状参照化合物12が得られる。保護基の酸性除去により、グルタミン酸誘導体13が得られる。
【0176】
[F−18]同位体がグルタミン酸骨格の4−位にアルキル基を介して配置されている本発明に係る化合物、たとえば、4−[F−18]フルオロプロピルグルタミン酸14又は4−[F−18]フルオロブチルグルタミン酸15はスキーム13に示すように調製されうる。このように、たとえば、化合物16及び17の保護基の酸性除去により、本発明に係る化合物、それぞれ、4−[F−18]フルオロプロピルグルタミン酸14及び4−[F−18]フルオロブチルグルタミン酸15(5)が提供される。
【0177】
【化32】

【0178】
ここで、様々な有機酸(たとえば、トリフルオロ酢酸)、しかし特に無機酸、たとえば、臭化水素酸、塩酸、硫酸、過塩素酸又はリン酸は使用されてよい。式(I)の本発明に係る化合物14及び15はHPLCによって精製されることができ、ここで、原則として、様々な精製工程、たとえば、RP−C18カートリッジ又は他の分離材料を用いた精製は、上流又は下流で行われることができる。
【0179】
化合物20から文献 (S. Hanessianら J. Org. Chem. 2005, 70, 5070-5085)に記載された方法と類似的に合成される臭化物18又はトシレート19の[F−18]ラベル化グルタミン酸誘導体16及び17への放射化学フッ素化は当業者に知られた方法を用いて行うことができる(スキーム14を参照)。
【0180】
【化33】

【0181】
ここで、塩基、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカーボネート及びテトラアルキルホスホニウムカーボネート及び炭酸カリウムなどの存在下に、化合物18及び19を適切な[F−18]−フッ化物溶液と反応させることができる。反応は、好ましくは、高温で行われる。たとえば、クリプトフィックス(K2.2.2)などのクラウンエーテルの添加は反応に正の効果を及ぼすことができ、特に、触媒性塩基としてのK2CO3との組み合わせで、反応に正の効果を及ぼすことができる。可能な溶剤は好ましくは非プロトン性であるが、プロトン性溶剤又は、他の非プロトン性溶剤添加剤、たとえば、水を使用することも可能である。通常、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドは[F−18]−フッ化物アニオンによる放射化学フッ素化のための最も適切な溶剤として使用される。通常、化合物16及び17は精製を受ける必要はなく、化合物16から化合物14又は化合物17から15への転化について記載した方法を用いて即座に処理されうる。しかしながら、化合物16及び17の精製は、原則として、好ましくは、無極性相、たとえば、RP C−18による分取HPLCを用いて可能である。
【0182】
F−19参照化合物21及び22はグルタミン酸誘導体20のアルキル化(スキーム15)によって合成されうる。化合物20は、また、例2aと類似的に、ヨウ化物、好ましくは二ヨウ化物を用いてアルキル化されうる。この場合、放射化学フッ素化に適する前駆体は市販のグルタミン酸誘導体20から1つの工程で得られる。
【0183】
【化34】

【0184】
保護基の除去により、フルオロアルキル化グルタミン酸誘導体23及び24が得られる。
【0185】
各場合に、本発明の主題の式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)又は式(V)の化合物のC−3又は/及びC−4はS−形態のキラル中心を含むべきである。炭素−炭素二重結合が存在する場合には、「シス」及び「トランス」形態の両方は本発明の一部を形成する。たとえば、ケト−エノール互変異性化などで互変異性体形態が存在しうる場合には、本発明はすべての互変異性体を含むが、これらの形態は平衡状態で存在してよく、又は、好ましくは、1つの形態で存在することができる。
【0186】
一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は医薬として使用される。本発明に係る一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は生理学的又は病理学的状態の診断に使用される。これらの化合物は、好ましくは、人体又は動物の体の非侵襲性のPETを基礎とする診断において使用される。特に好ましくは、本発明に係る一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は腫瘍性疾患の診断に使用される。このような腫瘍性疾患の例は、消化管もしくは大腸管の悪性腫瘍、肝癌、膵臓癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、精巣癌、悪性黒色腫、小細胞及び非小細胞気管支癌、異型口腔粘膜癌、浸潤性口腔癌、ホルモン依存性乳癌及びホルモン非依存性乳癌を含む乳癌、扁平上皮癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、骨肉腫、髄膜腫、軟部肉腫を含む神経学的癌疾患; 下垂体腺腫、褐色細胞腫(chromocytoma)、傍神経節腫を含む血管腫及び内分泌腺腫瘍、リンパ腫及び白血病を含む血液腫瘍疾患、又は、上記の腫瘍のいずれかの転移である。本発明に係る一般式I又はIIの化合物及びその好ましい実施形態は腫瘍性疾患の診断用医薬の調製のために使用される。このような腫瘍性疾患の例は、消化管もしくは大腸管の悪性腫瘍、肝癌、膵臓癌、腎臓癌、膀胱癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、精巣癌、悪性黒色腫、小細胞及び非小細胞気管支癌、異型口腔粘膜癌、浸潤性口腔癌、ホルモン依存性乳癌及びホルモン非依存性乳癌を含む乳癌、扁平上皮癌、神経芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、骨肉腫、髄膜腫、軟部肉腫を含む神経学的癌疾患; 下垂体腺腫、褐色細胞腫(chromocytoma)、傍神経節腫を含む血管腫及び内分泌腺腫瘍、リンパ腫及び白血病を含む血液腫瘍疾患、又は、上記の腫瘍のいずれかの転移である。
【0187】
本発明は式I又はIIの少なくとも1種の化合物及び医薬上許容されるキャリア材料を含む医薬製剤に関する。
【0188】
式I又はIIの化合物の医薬としての使用では、活性化合物に加えて、たとえば、水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコールなどの、経腸投与又は非経口投与に適する有機もしくは無機医薬不活性キャリアを含む医薬製剤の形態にされる。
【0189】
本発明は式I、II、III、IV又はVの少なくとも1種の化合物を含むキットに関する。
【0190】
用語「アリール」は、それ自体で又は別の基の一部として使用される際に、単環もしくは二環芳香族基を指し、それは環内に6から10個の炭素原子を含むことができ、たとえば、フェニル又はナフチルであり、それは置換基を有することができる。アリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、シアノ、CF3及びニトロからなる群より選ばれる1個以上の基によって、安定な化合物をもたらすあらゆる適切な位置において置換されていてよい。挙げることができる置換基はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ヒドロキシル、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はトリフルオロメチル基である。
【0191】
各場合に、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素と理解されるべきである。
【0192】
用語「アルキル」は、それ自体で又は別の基の一部として使用される際に、直鎖もしくは分岐鎖であってよい飽和炭素鎖を指し、特に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチルもしくはn−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルブチルもしくは3−メチルブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル又はn−デシル基である。C1〜C10アルキルは場合によりO、S又はNによって遮られていてよい。
【0193】
アルケニル置換基は、各場合に、直鎖もしくは枝分かれであり、たとえば、下記の基が挙げられる:ビニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、2−メチルプロプ−2−エン−1−イル、2−メチルプロプ−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−3−イル、ブト−3−エン−1−イル、アリル。
【0194】
アルキニル置換基は直鎖もしくは分岐鎖であることができ、たとえば、−CH2−C≡CH、−CH2−C≡CH、−C≡C−CH3、−CH(CH3)−C≡CH、−C≡C−CH2(CH3)、−C(CH32C≡CH、−C≡C−CH(CH32−、−CH(CH3)−C≡C−CH3、−CH2−C≡C−CH2(CH3)である。
【0195】
ハロゲンはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードである。好ましいのはクロロ、ブロモ及びヨードである。
【0196】
1〜C5−アルコキシ基は直鎖又は分岐鎖であることができ、そしてメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシもしくはn−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、2−メチルブトキシ又は3−メチルブトキシ基であることができる。
【0197】
ヘテロアリール基は各場合に、5〜10個の環原子を含み、そして、炭素原子の代わりに、1個以上の同一の又は異なるヘテロ原子、たとえば、酸素、窒素又は硫黄を環内に含んでよく、そしてさらに各場合に、ベンゾ縮合されていてよい。挙げることができる例はチエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルなど、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルなどである。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】図1は競争細胞実験における本発明に係る化合物の時間依存性細胞取り込み量を表すグラフである。
【図2】図2は[F−18]FDGと比較した(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の時間依存性細胞取り込み量を表すグラフである。
【図3】図3はマウス保有A549腫瘍における(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET/CT試験(左側、セクション画像分析、右側、最大強度プロジェクション、10MBqの(4S)−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)−L−Gluの静脈内投与90分後)である。
【図4】図4はラット保有H460腫瘍中の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET(セクション画像分析、16MBqの(4S)−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)−L−Gluの静脈内投与80〜100分後)である。
【図5】図5はラット保有H460腫瘍中の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET(最大強度プロジェクション、16MBqの(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の静脈内投与80〜100分後)である。
【図6】図6はマウス保有A549腫瘍における250kBqの(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸(F−18FSPG)の静脈投与後の臓器分布を表すグラフである。
【実施例】
【0199】
例1
(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタン二酸
a)(2S,4S)−4−アリル−2−tert−ブトキシカルボニルアミノペンタン二酸ジメチル
【0200】
【化35】

【0201】
11.01g(40ミリモル)のジメチルBoc-グルタメート(Advanced Chemtech)を160mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして−70℃に冷却した。88ml(88ミリモル)のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン中の1M溶液を1時間にわたってこの温度で滴下して添加し、そして混合物を−70℃でさらに2時間攪拌した。14.52g(120ミリモル)の臭化アリルを、その後、滴下して添加し、この温度で2時間後に、クーリングバスを取り外し、200mlの2N塩酸及び400mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離し、中性まで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてろ過し、ろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル中でクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:3.3g(26.2%)。
【0202】
元素分析
計算 C57.13 H7.99 N4.44
実測 C56.97 H8.12 N4.30
【0203】
b)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4(3−ヒドロキシプロピル)ペンタン二酸ジメチル
【化36】

【0204】
3.15g(10ミリモル)の例1aに記載した化合物を50mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そしてアイスバス中で冷却した。約20分間の時間にわたって、13.3mlの1Mジボラン/テトラヒドロフラン錯体(テトラヒドロフラン中)を窒素下に氷冷しながら滴下して添加し、そして混合物を氷上で1時間攪拌しそして室温で一晩攪拌した。15mlの1N水酸化ナトリウム水溶液及び13.3mlの30%濃度の過酸化水素水溶液を、その後、滴下して加えた。30分後に、混合物を水で希釈し、テトラヒドロフランを留去し、そして残存水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機相を分離し、中性になるまで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、そしてろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:0.6mg(18%)。
【0205】
元素分析
計算 C54.04 H8.16 N4.20
実測 C53.88 H8.25 N4.39
【0206】
c)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−メタンスルホニルオキシプロピル)ペンタン二酸ジメチル
【0207】
【化37】

【0208】
0.17g(0.5ミリモル)の例1bに記載したヒドロキシル化合物をジクロロメタン中に溶解させ、そしてアイスバス中で冷却した。0.30g(3ミリモル)のトリエチルアミン及び115mg(1ミリモル)のメタンスルホニルクロリドを添加した後に、混合物を氷上で2時間攪拌しそしてその後、濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:145mg(70.5%)。
【0209】
元素分析
計算 C46.70 H7.10 N3.40 S7.79
実測 C46.48 H7.22 N3.61 S7.21
【0210】
d)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタン二酸ジメチル
【0211】
【化38】

【0212】
0.33g(1ミリモル)の例1bに記載したヒドロキシル化合物を15mlのジクロロメタン中に溶解させ、そして氷上で冷却した。0.32g(2ミリモル)の三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)の添加の後に、混合物を氷上で1時間攪拌し、その後、水で洗浄し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過しそしてろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をジクロロメタン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:25mg(7.5%)。
【0213】
元素分析
計算 C53.72 H7.81 F5.66 N4.18
実測 C53.55 H7.94 N5.21 N4.37
【0214】
e)(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−フルオロプロピル)ペンタン二酸
【0215】
【化39】

【0216】
23.5mg(0.07ミリモル)の例1dに記載した化合物を2mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、1mlの1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そして混合物を室温で4時間攪拌した。その後、混合物を乾燥するまで濃縮し、得られた未精製生成物を、約20mlの3Nの、ジエチルエーテル中の塩化水素中に溶解させ、一晩攪拌し、濃縮しそしてジエチルエーテルとともに繰り返し共蒸発させた。このようにして得られた未精製生成物を水/メタノール勾配を用いてC18シリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:4mg(27%)。
【0217】
元素分析(無水化合物で計算)
計算 C46.37 H6.81 F9.17 N6.76
実測 C46.11 H7.02 N8.87 N6.93
【0218】
f)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸ジメチル
【0219】
【化40】

【0220】
[F−18]−フッ化物を、サイクロ(登録商標)トロン中での[O−18](p,n))[F−18]反応によって調製した。同位体溶液(4GBq)をSep-Pack Light QMA カートリッジに取り付けた。[F−18]−フッ化物を、クリプトフィックス2.2.2/炭酸カリウム溶液(5mgK2.2.2、1mgの炭酸カリウム、アセトニトリル(1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶離させた。窒素のストリーム中、アセトニトリル(1mlで3回)を添加し、120℃で溶剤を除去した。1mlのアセトニトリル中の5mg(12.2μモル)の(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−メタンスルホニルオキシプロピル)ペンタン二酸ジメチル1cを添加し、そして得られた混合物を110℃で10分間攪拌した。約60℃に冷却した後に、混合物をシリカ−プラスカートリッジを通過させた。中間体をHPLC(C18、アセトニトリル/水)によって精製した。HPLC画分を水(約50ml)で希釈し、C18カートリッジを通過させた。中間体を1mlのアセトニトリルで溶離した。940MBq(39%d.c.)の(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸ジメチル1fを80分の合成時間で得た。
【0221】
g)(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸
【0222】
【化41】

【0223】
0.5mlの4N塩酸水溶液を、1mlのアセトニトリル中の940MBqの2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸ジメチル1fに添加した。攪拌しながら、混合物を130℃(オイルバス温度)で10分間加熱した。室温への冷却の後に、約650μLの2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により溶液を中和した。これにより、890MBq(95%d.c.)の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸1gが提供された。
【0224】
例2
(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタン二酸
a)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−ヨードブチル)ペンタン二酸ジメチル
【0225】
【化42】

【0226】
5.51g(20ミリモル)のジメチルBoc-グルタメートを60mlのテトラヒドロフラン中に溶解させ、そして−70℃に冷却した。1時間にわたって、44ml(44ミリモル)のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン中の1M溶液をこの温度で滴下して添加し、そして混合物を−70℃で2時間攪拌した。18.60g(60ミリモル)の1,4−ジヨードブタンを、その後、滴下して添加し、この温度で2時間後に、クーリングバスを取り外し、100mlの2N塩酸及び300mlの酢酸エチルを添加した。有機相を分離し、中性まで水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そしてろ過し、ろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:1.0g(11.0%)。
【0227】
元素分析
計算 C42.02 H6.17 I27.75 N3.06
実測 C41.78 H6.30 I27.19 N3.22
【0228】
b)(2S,4S)−2−アミノ−4(4−フルオロブチル)ペンタン二酸
【0229】
【化43】

【0230】
152mg(1.12ミリモル)のフッ化銀の1.5mlの水中の溶液を、30mlのアセトニトリル中の例2aに記載された0.45g(1ミリモル)の化合物に添加し、混合物を40℃で一晩攪拌した。得られたサスペンションをろ過し、溶液を乾燥まで蒸発させ、このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。残留物を20mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、10mlの1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、混合物を室温にて4時間攪拌した。その後、混合物を乾燥まで濃縮し、得られた未精製生成物を、約70mlの、ジエチルエーテル中の3N塩化水素に溶解させ、一晩攪拌し、濃縮し、ジエチルエーテルとともに繰り返し共蒸発させた。得られた(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−フルオロブチル)ペンタン二酸を、水/メタノール勾配を用いてC18シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせ、そして濃縮した。収量:33mg(15%)。
【0231】
元素分析(無水化合物で計算)
計算 C48.86 H7.29 F8.59 N6.33
実測 C48.66 H7.55 F8.20 N6.57
【0232】
c)(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F−18]フルオロブチル)ペンタン二酸ジメチル
【0233】
【化44】

【0234】
[F−18]−フッ化物を、サイクロ(登録商標)トロン中での[O−18](p,n)[F−18]反応によって調製した。同位体溶液(5.2GBq)をSep-Pack Light QMA カートリッジに取り付けた。[F−18]−フッ化物を、クリプトフィックス2.2.2/炭酸カリウム溶液(5mgK2.2.2、1mgの炭酸カリウム、アセトニトリル(1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶離させた。窒素のストリーム中、アセトニトリル(1mlで3回)を添加し、120℃で溶剤を除去した。1mlのアセトニトリル中の5mg(10.9μモル)の(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−ヨードブチル)ペンタン二酸ジメチル2aを添加し、そして得られた混合物を110℃で10分間攪拌した。約60℃に冷却した後に、混合物をシリカ−プラスカートリッジを通過させた。中間体をHPLC(C18、アセトニトリル/水)によって精製した。HPLC画分を水(約50ml)で希釈し、C18カートリッジを通過させた。中間体を1mlのアセトニトリルで溶離した。1.8GBq(59%d.c.)の(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F−18]フルオロブチル)ペンタン二酸ジメチル2cを85分の合成時間で得た。
【0235】
d)(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−[F−18]フルオロブチル)ペンタン二酸
【0236】
【化45】

【0237】
0.5mlの4N塩酸水溶液を、1mlのアセトニトリル中の1.8GBqの2(2S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−[F−18]フルオロブチル)ペンタン二酸ジメチル2cに添加した。攪拌しながら、混合物を130℃(オイルバス温度)で10分間加熱した。室温への冷却の後に、約700μLの2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により溶液を中和した。これにより、1.7GBq(94%d.c.)の(2S,4S)−2−アミノ−4−(4−[F−18]フルオロブチル)ペンタン二酸2dが提供された。
【0238】
例3
(2S,4S)−2−アミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタン二酸
a)1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−ブロモエトキシ)ピロリジン−1,2−ジオエート(2−アミノ−4−(6−フルオロヘキシルオキシ)ペンタン二酸の前駆体)
【0239】
【化46】

【0240】
0.98g(4ミリモル)の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジオエート(ALDRICH)を36mlの1,2−ジブロモエタン中に溶解し、そしてアイスバス中で冷却した。1.36g(4ミリモル)のテトラブチルアンモニウムビスルフィットを添加した後に、18mlの50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そして混合物を氷上で2時間攪拌し、室温で一晩攪拌した。200mlの水及び200mlのジクロロメタンの添加の後に、有機相を水で一度洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、そしてろ液を濃縮した。得られた未精製生成物をジクロロメタン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、そして適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:60g(4.3%)。
【0241】
元素分析
計算 C44.33 H6.30 Br22.69 N3.98
実測 C44.02 H6.33 Br22.21 N4.11
【0242】
b)1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−ブロモエトキシ−5−オキソピロリジン−1,2−ジオエート
【化47】

【0243】
106mg(0.3ミリモル)の例3aに記載された化合物を10mlの酢酸エチル中に溶解させた。14mg(0.06ミリモル)の塩化ルテニウム(III)水和物の添加の後に、0.32g(1.5ミリモル)の過ヨウ素酸ナトリウムの4mlの水中の溶液を添加し、混合物を一晩攪拌し、酢酸エチルで希釈し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、そしてろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:48mg(43.7%)。
【0244】
元素分析
計算 C42.64 H5.50 Br21.82 N3.82
実測 C42.33 H5.74 Br21.17 N3.59
【0245】
c)1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジオエート
【0246】
【化48】

【0247】
188mg(0.5ミリモル)のクリプトフィックス222及び29mg(0.5ミリモル)のフッ化カリウムを、20mlのジメチルスルホキシド中の183mg(0.5ミリモル)の例3bに記載された化合物に添加し、そして混合物をマイクロ波炉内で100℃で30分間反応させた。その溶液を減圧下に濃縮し、残留物を水と酢酸エチルとの間で分離し、酢酸エチル相を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、そしてろ液を濃縮した。このようにして得られた未精製生成物をヘキサン/酢酸エチル勾配を用いてシリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、そして適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:13.7mg(9.0%)。
【0248】
元素分析
計算 C51.14 H6.60 F6.22 N4.59
実測 C50.84 H6.81 F6.00 N4.36
【0249】
d)(2S,4S)−2−アミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタン二酸
【0250】
【化49】

【0251】
21.4mg(0.07ミリモル)の例3cに記載した化合物を2mlのテトラヒドロフラン中に溶解し、1mlの1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そして混合物を室温で4時間攪拌した。その後、混合物を乾燥するまで蒸発させ、得られた未精製生成物を、約20mlの6N塩酸水溶液中に懸濁させ、80℃で6時間攪拌し、濃縮した。このようにして得られた未精製生成物を水/メタノール勾配を用いてC18シリカゲルでクロマトグラフィー処理し、適切な画分を合わせそして濃縮した。収量:3.2mg(22%)。
【0252】
元素分析(無水化合物で計算)
計算 C40.19 H5.78 F9.08 N6.70
実測 C39.82 H5.86 F8.81 N6.96
【0253】
e)1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−[F−18]フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジオエート
【0254】
【化50】

【0255】
[F−18]−フッ化物を、サイクロ(登録商標)トロン中での[O−18](p,n)[F−18]反応によって調製した。同位体溶液(3.9GBq)をSep-Pack Light QMA カートリッジに取り付けた。[F−18]−フッ化物を、クリプトフィックス2.2.2/炭酸カリウム溶液(5mgK2.2.2、1mgの炭酸カリウム、アセトニトリル(1.5ml)、水(0.5ml))を用いて、カートリッジから溶離させた。窒素のストリーム中、アセトニトリル(1mlで3回)を添加し、120℃で溶剤を除去した。1mlのアセトニトリル中の5mg(13.7μモル)の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−ブロモエトキシ)ピロリジン−1,2−ジオエート3aを添加し、そして得られた混合物を100℃で10分間攪拌した。約70℃に冷却した後に、混合物をシリカ−プラスカートリッジを通過させた。中間体をHPLC(C18、アセトニトリル/水)によって精製した。HPLC画分を水(約50ml)で希釈し、C18カートリッジを通過させた。中間体を1mlのアセトニトリルで溶離した。1.3GBq(52%d.c.)の1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−[F−18]フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジオエート3eを70分の合成時間で得た。
【0256】
f)(2S,4S)−2−アミノ−4−(2−[F−18]フルオロエトキシ)ペンタン二酸
【0257】
【化51】

【0258】
0.5mlの4N塩酸水溶液を、1mlのアセトニトリル中の1.3GBqの1−tert−ブチル2−メチル(2S,4S)−4−(2−[F−18]フルオロエトキシ)−5−オキソピロリジン−1,2−ジオエート3eに添加した。攪拌しながら、混合物を130℃(オイルバス温度)で10分間加熱した。室温への冷却の後に、約700μLの2N水酸化ナトリウム水溶液の添加により溶液を中和した。これにより、1.2GBq(92%d.c.)の(2S,4S)−2−アミノ−4−(2−フルオロエトキシ)ペンタン二酸3fが提供された。
【0259】
例4
細胞実験
本発明に係るグルタミン酸誘導体の腫瘍細胞への取り込み量を細胞実験において調査した。ここで、放射ラベル化グルタミン酸誘導体(4R/S−[F−18]F−L−グルタミン酸)の取り込み量は本発明に係る化合物及び対象物質の存在下において調べた(競争実験)。本発明に係る化合物を、4R/S−[F−18]F−L−グルタミン酸(トレーサー)よりも過剰量(1mM)で用いた。天然のL−配置グルタミン酸(L−Glu)を正の対照として用いた。このL−Gluは、分析において、1mMのL−Gluの濃度で、トレーサの取り込みの87%抑制をもたらしている。驚くべきことに、4S−配置のメチル誘導体及びヒドロキシル誘導体は、各場合に、対応する4R−配置の誘導体よりもかなり良好にトレーサ取り込み量を抑制することが判った。4−ヒドロキシ誘導体では、S−配置誘導体について、87%の競争値と決定され、一方、R−配置誘導体について、70%の競争値のみと決定された。4S−メチル誘導体では、92%もの抑制が判明し、一方、4R−配置メチル誘導体については、わずか64%の抑制であることが判明した。4S−(3−フルオロプロピル)−L−Gluは調べた他の誘導体よりもかなり良好な抑制を示した。このように、1mMの4S−(3−フルオロプロピル)−L−Gluはトレーサ取り込み量を5.4%にまで、>94%低減することができた。
【0260】
【表1】

【0261】
S−配置のF−18ラベル化グルタミン酸誘導体の細胞取り込み量
F−18でラベル化した後に、(2S、4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を、A549及びH460腫瘍細胞(両方とも、ヒト非小細胞の気管支癌細胞株)を用いて、細胞実験において試験した。ここで、時間依存性細胞取り込み量を観測した。30分間のインキュベーションの後に、(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸について、899000cpm/100000細胞の取り込み量を測定することができた。したがって、30分間のインキュベーションの後に、(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸は、「ゴールドスタンダード」[F−18]FDGよりも、これらの腫瘍細胞中に高度に蓄積している。
【0262】
図2:[F−18]FDGと比較した(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の時間依存性細胞取り込み量。すべてのF−18−ラベル化化合物について、時間依存性細胞内放射活性が観測された。30分後に、840000cpm/100000細胞の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸が取り込まれた。[F−18]FDGの場合には、30分後に、770000cpm/100000細胞が取り込まれた。
【0263】
動物実験
臓器分布実験において、(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を、マウス保有A549腫瘍で試験した(表2)。注入の0.25時間後に、2.4%の注入投与量/g(%ID/g)を腫瘍内で測定し、1時間後に、腫瘍取り込み量は1.6%ID/gであった。腎臓及び膵臓において、過渡的吸収又は排出を観測した。このため、0.25時間後に、これらの臓器中で、それぞれ14.4%ID/g及び13.6%ID/gを観測した。1時間後に、これらの臓器での活性はそれぞれ2%ID/g及び4%ID/gに低減された。すべての時点で、骨への取り込み量は<0.5%ID/gであった。
【0264】
【表2】

【0265】
マウス保有A549腫瘍における(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET/CT画像形成
10MBqの(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸をマウス保有A549腫瘍に静脈内投与した60分後に、PET/CTスキャナー(Inveon)を用いた20分データ獲得を開始した。画像分析はA549腫瘍中への(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の高い取り込み量を示す。
【0266】
ラット保有H460腫瘍での(4S)−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)−L−Gluを用いたPET
18MBqの(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸をラット保有H460腫瘍に静脈内投与した80分後に、PETスキャナー(Inveon)を用いた20分データ獲得を開始した。画像分析はH460腫瘍中への(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の高い取り込み量を示す。
【0267】
図3はマウス保有A549腫瘍における(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET/CT試験(左側、セクション画像分析、右側、最大強度プロジェクション、10MBqの(4S)−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)−L−Gluの静脈内投与90分後)である。
【0268】
図4はラット保有H460腫瘍中の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET(セクション画像分析、16MBqの(4S)−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)−L−Gluの静脈内投与80〜100分後)である。
【0269】
図5はラット保有H460腫瘍中の(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸を用いたPET(最大強度プロジェクション、16MBqの(2S,4S)−2−アミノ−4−(3−[F−18]フルオロプロピル)ペンタン二酸の静脈内投与80〜100分後)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物
【化1】

(上式中、Aは
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC〜Cアルコキシ、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
e)N(C〜Cアルキル)
f)NH
g)N(H)−L、
h)O−L、又は、
i)O−Z
であり、
Gは
a)ヒドロキシル、
b)O−Z、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルケニル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキニル、又は、
f)トリフェニルメトキシ
であり、
及びR
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、又は、
h)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R又はRのうちの1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、Rは水素でなく、
Lは
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキニルであり、
Zは金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である)。
【請求項2】
18F−メトキシ、18F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル及び18F−プロピルからなる群より選ばれ、そしてRは水素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項3】
下記式
【化2】

からなる群より選ばれる、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
一般式(II)の化合物
【化3】

(上式中、A’は
a)ヒドロキシル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC〜Cアルコキシ、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
e)N(C〜Cアルキル)
f)NH
g)N(H)−L’、又は、
h)O−L’
であり、
G’は
a)ヒドロキシル、
b)O−Z’、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
f)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキニル、又は、
g)トリフェニルメトキシ
であり、
及びR
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖18F−C〜Cアルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、又は、
h)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R又はRのうちの正確に1つは正確に1個の18F同位体を含み、そして対応するもう一方の置換基は18F同位体を含まず、ただし、Rは水素でなく、
Qは、
a)N(H)−tert−ブトキシカルボニル、
b)N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)−エトキシカルボニル、
e)N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
e)N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
f)N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
g)N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
h)N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
i)N(H)−シクロブチルカルボニル、
j)N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
k)N(H)−ビニルカルボニル、
l)N(H)−アリルカルボニル、
m)N(H)−アダマンチルカルボニル、
n)N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
o)N(H)−シンナミルカルボニル、
p)N(H)−ホルミル、
q)N(H)−ベンゾイル、
r)N(H)−トリチル、
s)N(H)−p−メトキシジフェニルメチル、
t)N(H)−ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
u)
【化4】

又は、v)N−(tert−ブトキシカルボニル)であり、
L’は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキニルであり、
X’及びX”は互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アラルキル、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z’は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である)。
【請求項5】
18F−エトキシ、18F−プロポキシ、18F−エチル及び18F−プロピルからなる群より選ばれ、そしてRは水素であることを特徴とする、請求項4項記載の化合物。
【請求項6】
Qは、N(H)−tert−ブトキシカルボニル、N(H)−ベンジルオキシカルボニル、及び、
【化5】

からなる群より選ばれ、
X’及びX”は互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アラルキル、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であることを特徴とする、請求項4又は5記載の化合物。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物の調製方法であって、請求項4〜6のいずれか1項記載の式(II)の化合物中に存在する1つ以上の保護基を除去することを含む、方法。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか1項記載の一般式(II)の化合物の調製方法であって、請求項12記載の式(III)の化合物をF−18フッ化物と反応させることを含む、方法。
【請求項9】
医薬としての使用のための請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
腫瘍性疾患における画像形成を行うための使用のための請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
腫瘍性疾患における画像形成を行うための医薬を調製するための請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項12】
式(III)の化合物
【化6】

(上式中、A”は
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖ヒドロキシC〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
d)N(C〜Cアルキル)
e)NH
f)N(H)−U’、
g)N(H)−L”、又は、
h)O−L”
であり、
G”は
a)O−Z”、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルケニル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
e)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキニル、又は、
f)トリフェニルメトキシ
であり、
及びR
a)水素、
b)分岐鎖もしくは直鎖E−C〜Cアルコキシ、
c)分岐鎖もしくは直鎖E−C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖E−C〜Cアルケニル、
e)分岐鎖もしくは直鎖E−C〜Cアルキニル、
f)ヒドロキシル、
g)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、又は、
h)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ
であり、アルキルは場合により1個以上のO、S又はNによって遮られていてよく、ただし、置換基R又はRのうちの正確に1つはEを含み、そして対応するもう一方の置換基はEを含まず、ただし、Rは水素でなく、
Eは脱離基であり、
Q’は、
a)N(H)−tert−ブトキシカルボニル、
b)N(H)−アリルオキシカルボニル、
c)N(H)−ベンジルオキシカルボニル、
d)N(H)−エトキシカルボニル、
e)N(H)−メトキシカルボニル、
f)N(H)−プロポキシカルボニル、
g)N(H)−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)N(H)−1,1−ジメチルプロピニル、
i)N(H)−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N(H)−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N(H)−シクロブチルカルボニル、
l)N(H)−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N(H)−ビニルカルボニル、
n)N(H)−アリルカルボニル、
o)N(H)−アダマンチルカルボニル、
p)N(H)−ジフェニルメチルカルボニル、
q)N(H)−シンナミルカルボニル、
r)N(H)−ホルミル、
s)N(H)−ベンゾイル、
t)N(H)−トリチル、
u)N(H)−p−メトキシジフェニルメチル、
v)N(H)−ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【化7】

又は、x)N−(tert−ブトキシカルボニル)であり、
L”は、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキニルであり、
X’及びX”は、互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリール
であり、
Z”は金属カチオン同等物であり、
nは0、1、2又は3である)。
【請求項13】
式(I)又は(II)の化合物を調製するための式(IV)の化合物の使用
【化8】

(上式中、G'''は
a)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル、
b)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルケニル、
c)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキル−(O−C〜Cアルキル)−O−C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖O−C〜Cアルキニル、又は、
e)トリフェニルメトキシ
であり、
及びR
a)水素、
b)ヒドロキシル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
d)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ、又は、
e)R−E’
であり、ただし、置換基R又はRのうちの正確に1つはE’を含み、そして対応するもう一方の置換基はE’を含まず、ただし、Rは水素でなく、
E’は脱離基であり、

a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルコキシ、
b)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
c)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルケニル、又は、
d)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキニルであり、
Q'''は、
a)N−tert−ブトキシカルボニル、
b)N−アリルオキシカルボニル、
c)N−ベンジルオキシカルボニル、
d)N−エトキシカルボニル、
e)N−メトキシカルボニル、
f)N−プロポキシカルボニル、
g)N−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、
h)水素、
i)N−1−メチル−1−フェニルエトキシカルボニル、
j)N−1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エトキシカルボニル、
k)N−シクロブチルカルボニル、
l)N−1−メチルシクロブチルカルボニル、
m)N−ビニルカルボニル、
n)N−アリルカルボニル、
o)N−アダマンチルカルボニル、
p)N−ジフェニルメチルカルボニル、
q)N−シンナミルカルボニル、
r)N−ホルミル、
s)N−ベンゾイル、
t)N(H)−トリチル、
u)N(H)−p−メトキシフェニルジフェニルメチル、
v)N(H)−ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、
w)
【化9】

又は、x)N−(tert−ブトキシカルボニル)であり、
X’及びX”は、互いに独立に、
a)分岐鎖もしくは直鎖C〜Cアルキル、
b)置換もしくは未置換アリール、
c)置換もしくは未置換アルキルアリール、又は、
d)置換もしくは未置換ヘテロアリールであり、
nは0、1、2又は3である)。
【請求項14】
一般式III又はIVの化合物を含む、画像形成キット。
【請求項15】
一般式I、II、III又はIVの化合物及び適切な医薬キャリア物質を含む、医薬組成物。
【請求項16】
化合物が37〜600MBqの用量範囲において画像形成に適切であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物及び一般式IVの化合物。
【請求項17】
化合物が150MBq〜370MBqの用量範囲において特に適切であることを特徴とする、請求項16記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−520932(P2011−520932A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509884(P2011−509884)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003420
【国際公開番号】WO2009/141091
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】