説明

新規トリアゾロ[4,3−A]ピリジン誘導体、これらの調製方法、医薬としてのこれらの使用、医薬組成物および、特にMET阻害剤としての、新規使用

本発明は、医薬としての、特に、MET阻害剤としての、式(I)の新規生成物に関し:


式中:RaはH、Hal、アリールまたは、任意に置換される、ヘテロアリールを表し;RbはH、Rc、−COORc−CO−Rcまたは−CO−NRcRdを表し;ここで、Rcは、すべて任意に置換される、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールを表し;RdはH、alkまたはシクロアルキルを表し;これらの生成物はすべての異性体形態および塩の状態にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規トリアゾロ[4,3−a]ピリジン誘導体、これらの調製方法、得られる新規中間体、医薬としてのこれらの使用、これらを含む医薬組成物およびこのようなトリアゾロ[4,3−a]ピリジン誘導体の新規使用に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、タンパク質、特に、キナーゼの活性を調節することによる抗癌活性を有する、新規トリアゾロ[4,3−a]ピリジン誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
これまで、化学療法において用いられる商業的に入手可能な化合物の大半は、副作用および患者による寛容性の点で多大な問題を引き起こす、細胞毒性剤である。用いられる医薬が健常細胞を除外して癌細胞に対して選択的に作用する場合、これらの副作用を制限することができる。従って、化学療法の有害作用を制限するための解決法の1つは、癌細胞において主に発現し、健常細胞においてはあまり発現しないか、またはまったく発現しない、代謝経路またはこれらの経路の構成要素に対して作用する医薬の使用からなり得る。プロテインキナーゼは、タンパク質の特定の残基、例えば、チロシン、セリンまたはトレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素の1ファミリーである。このようなリン酸化はタンパク質の機能を大幅に改変し得る:従って、プロテインキナーゼは広く様々な細胞プロセスの調節において重要な役割を果たし、これには、特に、代謝、細胞増殖、細胞接着および運動性、細胞分化または細胞の生存が含まれ、特定のプロテインキナーゼは細胞周期イベントの開始、進行および達成において中心的な役割を果たす。
【0004】
プロテインキナーゼの活性が関与する様々な細胞機能のうち、特定のプロセスが特定の疾患を治療する上で魅力的な標的を表す。一例として、プロテインキナーゼが重要な役割を果たし得る、血管形成並びに細胞周期および、その上、細胞増殖の制御を特に挙げることができる。これらのプロセスは固形腫瘍の成長および、その上、他の疾患に特に必須である:特に、このようなキナーゼを阻害する分子は、癌において観察されるもののような望ましくない細胞増殖を制限することが可能であり、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病または神経細胞アポトーシスの予防、制限または治療において役割を果たし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主題はプロテインキナーゼに対する阻害効果を有する新規誘導体である。従って、本発明による生成物は、特に、プロテインキナーゼの阻害によって調節することができる疾患の予防または治療に用いることができる。
【0006】
本発明による生成物は、特に、キナーゼの活性の調節によって抗癌活性を示す。活性の調節が求められるキナーゼのうち、METおよび、その上、METタンパク質の突然変異体が好ましい。
【0007】
本発明は、ヒトの治療において用いるための医薬の調製への前記誘導体の使用にも関する。
【0008】
従って、本発明の目的の1つは、特にキナーゼに対して作用することによる、抗癌活性を有する組成物を提供することである。活性の調節が求められるキナーゼのうち、METが好ましい。
【0009】
以下の薬理学セクションにおいて、本出願の生成物がMETの自己リン酸化活性およびその成長がMETまたはこれらの突然変異形態に依存する細胞の増殖を特に阻害することが、生化学的試験において細胞株で、示される。
【0010】
MET、即ち、肝細胞成長因子受容体は、特に上皮および内皮細胞が発現する、チロシンキナーゼ活性を有する受容体である。HGF、肝細胞成長因子はMETの特異的リガンドとして説明される。HGFは間葉細胞によって分泌され、ホモ二量体化されるMET受容体を活性化する。従って、受容体は触媒ドメインY1230、Y1234およびY1235のチロシンで自己リン酸化する。
【0011】
HGFでのMETの刺激は、細胞増殖、散乱(または分散)および運動性、アポトーシスに対する抵抗性、浸潤並びに血管形成を誘導する。
【0012】
METおよび、同様に、HGFは多くのヒト腫瘍および広く様々な癌において過剰発現することが見出されている。METは胃腫瘍およびグリア芽腫において増幅することも見出されている。MET遺伝子の多くの点変異も、腫瘍、特にキナーゼドメインであるが、膜近傍ドメインおよびSEMAドメインにおいても記述されている。過剰発現、増幅または突然変異は受容体の構造的活性化およびこの機能の異常調節を生じる。
【0013】
従って、本発明は、特に、METプロテインキナーゼおよびこの突然変異体の新規阻害剤であって、特に腫瘍学において、抗増殖および抗転移治療に用いることができる阻害剤に関する。
【0014】
本発明は、METプロテインキナーゼおよびこの突然変異体の新規阻害剤であって、特に腫瘍学において、抗血管形成治療に用いることができる阻害剤にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一主題は式(I)の生成物であり:
【0016】
【化1】

式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;アリール基;またはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbは水素原子、Rc、−COORcもしくは−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらすべての基は任意に以下に示されるように置換され;
Rdは水素原子またはアルキルもしくはシクロアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、CN、CF、−NR1R2、ヘテロシクロアルキル、−COOH、−COOalk、−CONR1R2および−NR1COR2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アルキルおよびシクロアルキル基は、任意に、これら自体がハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換されるアリールまたはヘテロアリール基でも置換され;
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、任意に、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、O−ヘテロ−シクロアルキル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換されるアルキル基でも置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する、環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基並びにアルキル、フェニル、CH−フェニルおよびヘテロアリール基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、後者の基においてはアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含有するアルキルおよびアルコキシ、NH、NHalk並びにN(alk)から選択される1以上の基でこれら自体が任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)およびアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有する、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0017】
本発明の一主題は上述の式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;またはアリールもしくはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、両者は、これら自体が以下に示されるように任意に置換される、ヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基はハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、−NR1R2、−COOH、−COOalkおよび−CONR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アリールまたはヘテロアリール基は、任意に、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、O−ヘテロシクロアルキルおよびアルコキシ基から選択される1以上の基で任意に置換されるアルキル基でも置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシルおよびアルコキシ基並びにアルキル、フェニルおよびCH−フェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、ここでアルキルまたはフェニル基は、これら自体、ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0018】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;以下に示されるように任意に置換されるフェニル基;または、これ自体ヒドロキシル基もしくはO−ヘテロシクロアルキル基で任意に置換される、ヘテロシクロアルキル基もしくはアルキル基で任意に置換されるピラゾリル基を表し;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキルまたはシクロアルキル基を表し、両者とも、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1以上の基で任意に置換される、基ヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2およびフェニルから選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4もしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は、水素原子または、ヒドロキシルもしくはアルコキシ基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、請求項1および2のいずれかにおいて定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有する、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0019】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;または、ハロゲン原子およびアルキル基から選択される1以上の基で任意に置換される、フェニル基;または、ピペリジル基もしくは、これ自体ヒドロキシ基で任意に置換される、アルキル基もしくはテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ基で任意に置換される、ピラゾリル基を表し;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキルまたは、ヒドロキシル、アルコキシおよびNR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2は、水素原子もしくは、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;または、R1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基はアルキル、フェニルもしくは−CH−フェニル基で任意に置換され、後者の基はこれら自体ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0020】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ヨウ素原子;ハロゲン原子およびメチル基から選択される1もしくは2の基で任意に置換されるフェニル基;またはピペリジル基もしくは、これ自体ヒドロキシル基もしくはテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ基で任意に置換される、エチル基で任意に置換されるピラゾリル基を表し;
Rbは水素原子、CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはシクロプロピル基または、アルコキシもしくはNR1R2基で任意に置換される、アルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2が水素原子もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、第2窒素原子上でアルキル基で任意に置換される、モルホリニルもしくはピペラジニル基を形成するものであり;
上述のアルキルおよびアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
従って本発明の主題は式(I)の生成物であり:
【0022】
【化2】

式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;アリール基;またはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbは水素原子、Rc、−COORcまたは−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらすべての基は任意に以下に示されるように置換され;
Rdは水素原子またはアルキルもしくはシクロアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基はハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、CN、CF、−NR1R2、−COOH、−COOalk、−CONR1R2および−NR1COR2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アルキルおよびシクロアルキル基は、これら自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換される、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基でも任意に置換され;
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換される、アルキル基でも任意に置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含む環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含む可能性のあるHNを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基並びにアルキル、フェニル、CH−フェニルおよびヘテロアリール基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、後者の基においてアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基がこれら自体ハロゲン原子並びに以下の基:ヒドロキシル、アルキルおよび1から4個の炭素原子を含有するアルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)から選択される1以上の基で任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)およびアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0023】
特に、式(I)の生成物において、
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、CN、CF、−NR1R2、−COOH、−COOalk、−CONR1R2および−NR1COR2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アルキル基は、これら自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換される、アリールまたはヘテロアリール基でも任意に置換され;
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換される、アルキル基でも任意に置換される。
【0024】
本発明の一主題は上で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;またはアリールもしくはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、これらの両者とも、これら自体任意に以下に示されるように置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基はハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、−NR1R2、−COOH、−COOalkおよび−CONR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシルおよびアルコキシ基並びにアルキル、フェニルおよびCH−フェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、ここでアルキルまたはフェニル基は、これら自体、ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0025】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;または任意に以下に示されるように置換されるフェニル基を表し;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキルまたはシクロアルキル基を表し、両者とも、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1以上の基で任意に置換される、基ヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2およびフェニルから選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4もしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含む可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子または、ヒドロキシルもしくはアルコキシ基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と形成することができる環状基は、上で定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキルおよびアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有し;
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0026】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;またはハロゲン原子で任意に置換されるフェニル基を表し;
Rbは水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcは、ヒドロキシル、アルコキシおよびNR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換される、アルキルまたはシクロアルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2は水素原子もしくは、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基はアルキル、フェニルもしくは−CH−フェニル基で任意に置換され、後者の基は、これら自体、ハロゲン原子およびアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有し、
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0027】
式(I)の生成物および以下の文書において:
「アルキル(またはalk)基」という用語は、直鎖および、適切であるならば、分岐鎖メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよび、その上、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシル基並びに、その上、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体を意味する:上記リストの1から6個の炭素原子を含有するアルキル基、より具体的には、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基が好ましい;
「アルコキシ基」という用語は、直鎖および、適切であるならば、分岐鎖メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、直鎖二級もしくは三級ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシ基および、その上、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体を意味する:上記リストの1から4個の炭素原子を含有するアルコキシ基が好ましい;
「ハロゲン原子」という用語は塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、好ましくは、塩素、臭素またはフッ素原子を意味する;
「シクロアルキル基」という用語は3から10個の炭素原子を含有する飽和炭素環式基を意味し、従って、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基、最も具体的にはシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を意味する;
従って、「ヘテロシクロアルキル基」という用語は、酸素、窒素またはイオウ原子から選択される同一であっても異なっていてもよい1個以上のヘテロ原子が割り込む、3から10員環を含有する単環式または二環式炭素環式基を意味する:例えば、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、アジリジル、アゼチジル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラン、オキソジヒドロピリダジニル、さもなければオキセタニル基を挙げることができ、これらのすべての基は任意に置換される;特に、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニル、さもなければピロリジニル基を挙げることができる;
「−O−ヘテロシクロアルキル基」という用語は、−O−(オキシ)官能基を坦持する、上で定義されるヘテロシクロアルキル基を意味する:例えば、モルホリニルオキシ、チオモルホリニルオキシ、ホモモルホリニルオキシ、アジリジルオキシ、アゼチジルオキシ、ピペラジニルオキシ、ピペリジルオキシ、ホモピペラジニルオキシ、ピロリジニルオキシ、イミダゾリジニルオキシ、ピラゾリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ、テトラヒドロチエニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、ヘキサヒドロピラニルオキシ、オキソジヒドロピリダジニルオキシ、さもなければオキセタニルオキシ基を挙げることができ、これらすべての基は任意に置換される;特に、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ、モルホリニルオキシ、チオモルホリニルオキシ、ホモモルホリニルオキシ、ピペラジニルオキシ、ピペリジルオキシ、ホモピペラジニルオキシ、さもなければピロリジニルオキシ基を挙げることができる;
「アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、任意に−C(O)員環を含有し得る最大で12員環を含有する、それぞれ単環式または二環式、不飽和または部分的に不飽和の、炭素環式および複素環式基を意味し、複素環式基はO、NまたはSから選択される同一であっても異なっていてもよい1個以上のヘテロ原子を含有し、適切であるならば、Nは任意に置換される;
従って、「アリール基」という用語は、6から12員環を含有する単環式または二環式基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニルおよびアントラセニル基、より具体的には、フェニルおよびナフチル基、さらにより具体的には、フェニル基を意味する。−C(O)員環を含有する炭素環式基が、例えば、テトラロン基であることを指摘することができる;
従って、「ヘテロアリール基」という用語は、5から12員環を含有する単環式または二環式基を意味する:単環式へテロアリール基は、例えば、以下の基:2−チエニルおよび3−チエニルのようなチエニル、2−フリルもしくは3−フリルのようなフリル、ピラニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジルのようなピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサジアゾリル、3−もしくは4−イソオキサゾリルのようなイソオキサゾリル、フラザニルまたはテトラゾリル(これらは遊離であっても塩化されていてもよく、これらすべての基は任意に置換される。)であり、これらのうち、より具体的には、以下の基:2−チエニルおよび3−チエニルのようなチエニル、2−フリルのようなフリル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピリダジニル(これらの基は任意に置換される。)であり;二環式ヘテロアリール基は、例えば、以下の基:3−ベンゾチエニルのようなベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリル、キノロン、テトラロン、アダメンチル(adamentyl)、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ジヒドロベンゾフラン、エチレンジオキシフェニル、チアントレニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、プリニル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリルまたはオキソジヒドロピリジノピラゾリル(これらすべての基は任意に置換される。)である。
【0028】
ヘテロアリールまたは二環式基の例として、より具体的には、上に示されるように同一であっても異なっていてもよい1以上の置換基で任意に置換される、ピリミジニル、ピリジル、ピロリル、アザインドリル、インダゾリル、ピラゾリル、ベンゾチアゾリルまたはベンゾイミダゾリル基を挙げることができる。
【0029】
式(I)の生成物のカルボキシル基は当業者に公知の様々な基で塩化またはエステル化されていてもよく、これらのうち、例えば、以下を挙げることができる:
塩化化合物のうち、無機塩基、例えば、1当量のナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムもしくはアンモニウムまたは有機塩基、例えば、メチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リジン、アルギニン、ヒスチジンもしくはN−メチルグルカミン、
エステル化化合物のうち、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルのようなアルコキシカルボニル基を形成するためのアルキル基(これらのアルキル基は、例えば、ハロゲン原子およびヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アミノまたはアリール基、例えば、クロロメチル、ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、ピロピオニルオキシメチル、メチルチオメチル、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基から選択される基でおそらくは置換される。)。
【0030】
式(I)の生成物の無機または有機酸との付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、アルキルモノスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはプロパンスルホン酸、アルキルジスルホン酸、例えば、メタンジスルホン酸またはα,β−エタンジスルホン酸、アリールモノスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびアリールジスルホン酸で形成される塩であり得る。
【0031】
立体異性は、この広い意味において、特にこの置換基がアキシアルまたはエクアトリアル位にあり得る一置換シクロヘキサンおよびエタン誘導体の様々な可能性のある回転配座におけるような、同じ構造式を有するがこの様々な基が空間的に異なって配置される化合物の異性と定義することができることを思い起こすことができる。しかしながら、二重結合または環のいずれかに結合する置換基の異なる立体配置により、幾何異性またはシス−トランス異性として一般に公知である別のタイプの立体異性が存在する。「立体異性」という用語は、本出願においては、この最も広い意味で用いられ、従って、上に示されるすべての化合物に関係する。
【0032】
NR1R2またはNR3R4が上で定義される環を形成するとき、このようなアミノ化環は、特に、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、アゼピニル、モルホリニル、ホモモルホリニル、ピペラジニルまたはホモピペラジニル基から選択することができ、これらの基はこれら自体、任意に、上または以下に示されるように:例えば、ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、フェニルおよびCH−フェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で置換され、このアルキルまたはフェニル基は、これら自体、ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される。
【0033】
NR1R2またはNR3R4環は、より具体的には、1もしくは2のアルキル基で任意に置換されるピロリジニル基もしくはモルホリノ基または、第2窒素原子上で、これら自体ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換されるアルキル、フェニルもしくはCH−フェニル基で任意に置換される、ピペラジニル基から選択することができる。
【0034】
本発明の一主題は上で、または以下で定義される式(I)の生成物であり、式中:
Raは水素原子;ヨウ素原子;またはハロゲン原子で任意に置換されるフェニル基を表し;
Rbは水素原子、CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはシクロプロピル基または、アルコキシもしくはNR1R2基で任意に置換される、アルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2は水素原子もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、第2窒素原子上でアルキル基で任意に置換されるモルホリニルもしくはピペラジニル基を形成するものであり;
上述のアルキルまたはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有し;
前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0035】
本発明の一主題は、最も具体的には、以下の式に相当する、上で定義される式(I)の生成物である;
N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド
1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−(2−メトキシエチル)−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−{6−[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}シクロプロパンカルボキサミド
6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−(6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【0036】
本発明の一主題は上で定義される式(I)の生成物を調製するためのあらゆる方法でもある。
【0037】
本発明による生成物は従来の有機化学法を用いて調製することができる。
【0038】
式(I)の化合物の調製
下記スキーム1、2および3は式(I)の生成物の調製に用いられる方法を説明する。この点において、主張される化合物の調製方法に関して、これらは本発明の範囲の限界を構成し得ない。
【0039】
従って、本発明による上で定義される式(I)の生成物は、特に、下記スキーム1、2および3に記述される方法に従って調製することができる。
【0040】
従って、本発明の一主題は、以下で定義されるスキーム1に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0041】
従って、本発明の一主題は、以下で定義されるスキーム2に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0042】
従って、本発明の一主題は、以下で定義されるスキーム3に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0043】
【化3】

【0044】
上記スキーム1において、置換基RaおよびRbは上に示される意味を有する。
【0045】
RaおよびRbが同じ意味を有する化合物(I)はRb=Hである化合物(I)から得ることができる。
【0046】
【化4】

【0047】
より具体的には、Rb=CORc(Rcは上で定義される通りである。)である化合物(I)は、例えば:
式Rc−COClの酸塩化物を、例えば、ピリジンのような溶媒の存在下、20℃の領域内の温度で反応させることによって、
式Rc−CO−O−CO−Rcの酸無水物を、例えば、ピリジンような溶媒の存在下、20℃の領域内の温度で反応させることによって、
例えば、D.DesMarteauら(Chem.Lett.,2000,9,1052)によって記載される条件下で、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドの存在下並びにトリエチルアミンのような塩基の存在下、20℃から溶媒の還流温度までの温度で式Rc−COOHのカルボン酸と反応させることによって、
得ることができる。
【0048】
【化5】

【0049】
より具体的には、Rb=CO−O−Rc(Rcは上で定義される通りである。)である化合物(I)は、例えば、Rb=Hである化合物(I)をクロロカーボネートRc−O−COX(X=Cl)と、テトラヒドロフランのような溶媒中、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、またはピリジン中、20℃の領域内の温度で反応させることによって得ることができる。
【0050】
【化6】

【0051】
より具体的には、Rb=CON(Rc)Rd(RcおよびRdは上で定義される通りである。)である化合物(I)は、例えば、R=フェニルであるカルバメート(D)をアミンRc(Rd)NH(RcおよびRdは上で定義される通りである。)と、テトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒の存在下、20℃の領域内の温度で反応させることによって得ることができる。
【0052】
カルバメート(D)は、例えば、Rb=Hである化合物(I)をクロロカーボネートR−O−COX(X=Cl)と、テトラヒドロフランのような溶媒中、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、またはピリジン中、20℃の領域内の温度で反応させることよって得ることができる。
【0053】
【化7】

【0054】
より具体的には、Rb=Rc(Rcは上で定義される通りである。)である化合物(I)は、例えば:
R=t−ブチルであるカルバメート(E)を当業者に慣例的な方法に従って、例えば、トリフルオロ酢酸を用いてジクロロメタンのような溶媒中、20℃の領域内の温度で脱保護することによって;
Rb=Hである化合物(I)から、特許EP 0408437に記載されるか、またはR.A Glennonら(Journal of Medicinal Chemistry,1981,24,766−769)によって記述される方法を適用することによって、
得ることができる。
【0055】
カルバメート(E)は、例えば、R=t−ブチルであるカルバメート(D)をハロゲン化物Rc−X(Rcは上で定義される通りである。)と、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒の存在下、水素化ナトリウムのような塩の存在下、20℃から90℃の温度で反応させることによって得ることができる。
【0056】
Rb=Hである化合物(I)は、当業者に慣例的な方法に従って化合物(C)を環化することによって、例えば、H.Masaichiら(Journal of Medicinal Chemistry,2007,50(18),4453−4470)によって記述される方法を適用することにより、チオシアン酸カリウムおよび臭素を酢酸のような酸の存在下、20℃から溶媒の還流温度までの温度で反応させることによって得ることができる。
【0057】
化合物(C)は、当業者に慣例的な方法による、例えば、塩化スズをエタノールのような溶媒中で用いるか、またはその代わりに、パラジウム付着木炭もしくはラネーニッケルのような触媒の存在下で水素を用いる、化合物(B)の還元によって得ることができる。
【0058】
化合物(B)は、Raが上で定義される通りである化合物A)を4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート(市販製品)と、例えばM.A.Biamonteら(Journal of Organic Chemistry,2005,70,717−720)によって記述される条件の下、おそらくは炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、例えばジメチルスルホキシド、アセトンまたはアセトニトリルのような溶媒中、20℃から溶媒の還流温度までの温度でカップリングさせることによって得ることができる。
【0059】
【化8】

【0060】
化合物(A)は商業的に入手可能であるか、または特許EP 0254623もしくは特許US 4244953に記載される方法を適用することにより、式(A2)のヒドラジノ誘導体を用いて、ピリジンもしくはクロロホルムのような溶媒中、20℃から溶媒の還流までの温度で二硫化炭素と反応させることによって調製する。
【0061】
化合物(A2)は商業的に入手可能であるか、または特許EP 0254623もしくはUS特許4244953に記載される方法を適用することにより、またはR.Churchら(Journal of Organic Chemistry 1995,60,3750−3758)に従い、2−クロロピリジン誘導体(A1)を用いて、ヒドラジンもしくはヒドラジン水和物の反応によって得られる。
【0062】
化合物(A1)は商業的に入手可能であるか、または2−クロロ−5−ヨードピリジン(市販化合物)を用いて、例えば:リン酸カリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、ジメチルスルホキシドのような溶媒中、80℃の領域内の温度で式Ra−B(OH)のボロン酸を用いて、もしくは例えば1,2−ジメトキシエタンのような溶媒中でのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、1N水酸化ナトリウムのような塩基の存在下、80℃の領域内の温度でボロン酸エステルRa−B(OR)を用いて得ることができる。
【0063】
【化9】

【0064】
Rb=Hである化合物(I)は、Rb=HおよびRa=Iである化合物(I)から、化合物(A1)の調製について記述される式Ra−B(OH)のボロン酸の反応によって、またはボロン酸エステルRa−B(OR)の反応によって得ることもできる。
【0065】
【化10】

【0066】
上記スキーム2において、置換基RaおよびRbは上に示される意味を有する。
【0067】
RaおよびRbが上に示される同じ意味を有する化合物(I)は、上記化合物(B)の調製について記載される、Raが上で定義される通りである化合物(A)とRbが上で定義される通りである化合物(H)とのカップリング反応によって得ることができる。
【0068】
Rbが上で示されるものと同じ意味を有する化合物(H)は、当業者に慣例的な方法による化合物(G)のジアゾ化によって、例えば、水性テトラフルオロホウ酸のような酸の存在下、20℃の領域内の温度での亜硝酸(HNO)または亜硝酸ナトリウム(NaNO)の反応によって得ることができる。
【0069】
Rbが上に示されるものと同じ意味を有する化合物(G)は、当業者に慣例的な方法に従う、例えば、パラジウム付着木炭またはラネーニッケルのような触媒の存在下、テトラヒドロフランのような溶媒中、20℃から溶媒の還流までの温度で水素を用いる、化合物(F)の還元によって得ることができる。
【0070】
Rbが上で示されるものと同じ意味を有する化合物(F)は、Rb=Hである化合物(I)からの化合物(I)の調製について上述されるように、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール(市販製品)から得ることができる。
【0071】
【化11】

【0072】
上記スキーム3において、置換基RaおよびRcは上に示される意味を有する。
【0073】
Raが上と同じ意味を有し、Rb=CORcである化合物(I)は、例えば、R.Varalaら(Chemistry Letters,2004,33(12),1614−1615)またはM.Winnら(Journal of Medicinal Chemistry,2001,44,4393−4403)によって記述される条件下、炭酸カリウムのような塩基の存在下、ジメチルスルホキシドのような溶媒中、20℃から溶媒の還流温度までの温度での、Raが上で定義される通りである化合物(L)とRcが上で定義される通りである化合物(K)とのカップリング反応によって得ることができる。このような反応はマイクロ波の下で行うこともできる。
【0074】
Rcが上に示されるものと同じ意味を有する化合物(K)は、例えば、炭酸水素ナトリウムまたはリン酸二水素カリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、20℃から溶媒の還流までの温度での、化合物(J)のDL−ジチオトレイトールでの還元によって得ることができる。
【0075】
Rcが上で示されるものと同じ意味を有する化合物(J)は、Rb=CORcである化合物(I)のRb=Hである化合物(I)からの調製について上述されるように、2−アミノ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(市販製品)から得ることができる。
【0076】
【化12】

【0077】
化合物(L)は商業的に入手可能(Ra=H)であるか、または、当業者に慣例的な方法に従い、例えば、E.S.Handら(Journal of Organic Chemistry,1980,45,3738−3745)によって記述される条件に従うか、もしくはエタノールのような溶媒中、20℃から溶媒の還流までの温度で臭素を用いる、化合物(L1)の臭素化によって調製される。
【0078】
化合物(L1)は商業的に入手可能(Ra=H)であるか、または6−ブロモ[1,2−4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)を用いてカップリング反応により、例えば:
炭酸水素ナトリウムおよびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、ジメチルスルホキシドまたはジオキサンのような溶媒中、80℃の領域内の温度で式Ra−B(OH)のホウ酸を用いる、
例えば1,2−ジメトキシエタンのような溶媒中のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、1N水酸化ナトリウムのような塩基の存在下、80℃の領域内の温度でボロン酸エステルRa−B(OR)を用いる、
C.Enguehardら(Helvetica Chimica Acta(2001),84,3610−3614)によって記述される方法を適用することによって得ることができる。
【0079】
式(A)、(A1)、(A2)、(F)、(G)、(L)および(L1)の出発生成物のうち、幾つかは公知であり、商業的に得ることができるか、または、例えば市販製品から出発して、当業者に公知の通常の方法に従って得ることができる。
【0080】
上述の本発明による方法を実施するため、副反応を回避するためにアミノ、カルボキシルおよびアルコール官能基に保護基を導入することが必要であり得ることは当業者には理解される。
【0081】
以下の反応性官能基の保護の例の限定的なリストを挙げることができる:
ヒドロキシル基は、例えば、tert−ブチルのようなアルキル基、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルまたはアセチルで保護することができ、
アミノ基は、例えば、アセチル、トリチル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニルもしくはフタルイミド基またはペプチド化学において公知の他の基で保護することができる。
【0082】
酸官能基は、例えば、ベンジルもしくはtert−ブチルエステルのような容易に開裂可能なエステルまたはペプチド化学において公知のエステルで形成されるエステルの形態で保護することができる。
【0083】
用いることができる様々な保護基のリストが当業者に公知の教科書、例えば、特許BF2 499 995に見出される。
【0084】
所望であれば、および必要であれば、上に示される方法によって得られる中間生成物または式(I)の生成物を、他の中間体または他の式(I)の生成物を得るため、当業者に公知の1以上の変換反応、例えば:
a)酸官能基をエステル化するための反応、
b)エステル官能基をケン化して酸官能基を得る反応、
c)遊離またはエステル化カルボキシル官能基を還元してアルコール官能基を得る反応、
d)アルコキシ官能基を変換してヒドロキシル官能基を得る反応または、その代わりに、ヒドロキシル官能基を変換してアルコキシ官能基を得る反応、
e)保護された反応性官能基が坦持し得る保護基を除去するための反応、
f)対応する塩を得るための、無機もしくは有機酸または塩基で塩化するための反応、
g)ラセミ形態を分割して分割生成物を得るための反応、
に処することが可能であり、このようにして得られる前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態にあることを注記することができる。
【0085】
これらの反応a)からg)は当業者に公知の通常の条件、例えば、以下に示されるものの下で行うことができる。
【0086】
a)上述の生成物には、所望であれば、可能性のあるカルボキシル官能基上で、当業者に公知の通常の方法に従って行うことができるエステル化反応を施すことができる。
【0087】
b)上述の生成物の酸官能基をもたらすエステル官能基の可能性のある変換は、所望であれば、当業者に公知の通常の条件下で、特に、例えば、メタノールのようなアルコール性媒体中で水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを用いるか、またはその代わりに、塩酸もしくは硫酸を用いる酸もしくはアルカリ加水分解によって行うことができる。
【0088】
ケン化反応は当業者に公知の通常の方法に従って、例えば、メタノールもしくはエタノール、ジオキサンまたはジメトキシエタンのような溶媒中、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で行うことができる。
【0089】
c)上述の生成物の可能性のある遊離またはエステル化カルボキシル官能基を、所望であれば、当業者に公知の方法によって還元してアルコール官能基を得ることができる;可能性のあるエステル化カルボキシル官能基は、所望であれば、当業者に公知の方法によって、特に、テトラヒドロフラン、さもなければジオキサンまたはエチルエーテルのような溶媒中で水素化アルミニウムリチウムを用いて還元し、アルコール官能基を得ることができる。
【0090】
上述の生成物の可能性のある遊離カルボキシル官能基は、所望であれば、特に水素化ホウ素を用いて、還元してアルコール官能基を得ることができる。
【0091】
d)上述の生成物の、特にメトキシのような、可能性のあるアルコキシ官能基を、所望であれば、当業者に公知の通常の条件下で、例えば、塩化メチレンのような溶媒中で三臭化ホウ素を用いて、ピリジン塩酸塩もしくは臭化水素酸塩または、その代わりに、水中の臭化水素酸もしくは塩酸または還流温度のトリフルオロ酢酸を用いて、ヒドロキシル官能基に変換することができる。
【0092】
e)上で示されるもののような保護基の除去は、当業者に公知の通常の条件下で、特に、塩酸、ベンゼンスルホン酸もしくはパラトルエンスルホン酸、ギ酸またはトリフルオロ酢酸のような酸で行われる酸加水分解によって、またはその代わりに、触媒水素化によって行うことができる。
【0093】
フタルイミド基はヒドラジンで除去することができる。
【0094】
f)上述の生成物には、所望であれば、例えば、当業者に公知の通常の方法に従って無機もしくは有機酸または無機もしくは有機塩基を用いる、塩化反応を施すことができる:このような塩化反応は、例えば、塩酸、またはその代わりに、酒石酸、クエン酸もしくはメタンスルホン酸の存在下、エタノールもしくはメタノールのようなアルコール中で行うことができる。
【0095】
g)上述の生成物の可能性のある光学的に活性の形態は、当業者に公知の通常の方法によるラセミ混合物の分割によって調製することができる。
【0096】
上で定義される式(I)の生成物および、その上、これらの酸との付加塩は、特に上に示されるこれらのキナーゼ阻害特性のおかげで、有利な薬理学的特性を示す。
【0097】
本発明の生成物は、特に、腫瘍の治療に用いることができる。
【0098】
従って、本発明の生成物は一般に用いられる抗腫瘍剤の治療効果をも高める。
【0099】
これらの特性はこれらの治療上の使用を正当化し、本発明の一主題は、特に、医薬としての上で定義される式(I)の生成物であり、前記式(I)の生成物はすべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩の状態にある。
【0100】
本発明の主題は、最も具体的には、医薬としての、以下の式に相当する生成物である:
N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド
1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−(2−メトキシエチル)−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−{6−[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}シクロプロパンカルボキサミド
6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−(6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
並びに、その上、前記式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩。
【0101】
本発明は、活性成分としての、少なくとも1種類の上で定義される式(I)の生成物またはこの生成物の医薬的に許容し得る塩またはこの生成物のプロドラッグおよび、適切であるならば、医薬的に許容し得る担体を含む医薬組成物にも関する。
【0102】
従って、本発明は、少なくとも1種類の上で定義される医薬を活性成分として含有する医薬組成物を範囲に収める。
【0103】
本発明のこのような医薬組成物は、適切であるならば、他の抗有糸分裂性医薬、例えば、特に、タキソール、シスプラチン、DNA挿入剤などに基づくものの活性成分を含有することができる。
【0104】
これらの医薬組成物は、皮膚および粘膜への局所塗布により、または静脈内もしくは筋肉内注射により、経口、非経口または局所投与することができる。
【0105】
これらの組成物は固体であっても液体であってもよく、ヒト医薬において一般に用いられる医薬形態のいずれか、例えば、単純もしくは糖衣錠、ピル、ロゼンジ、ゲルカプセル、ドロップ、顆粒、注射用調製品、軟膏、クリームまたはジェルの状態であり得る;これらは通常の方法に従って調製される。活性成分は、これらの中で、これらの医薬組成物において通常用いられる賦形剤、例えば、タルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水性もしくは非水性担体、動物もしくは植物起源の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、様々な湿潤剤、分散剤もしくは乳化剤および保存剤に組み込むことができる。
【0106】
通常の投薬量は、これは用いられる生成物、治療を受ける個体および問題の状態に依存する変数であるが、例えば、成人において毎日0.05から5g、好ましくは、毎日0.1から2gであり得る。
【0107】
本発明の一主題は、プロテインキナーゼの活性の阻害において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物またはこれらの生成物の医薬的に許容し得る塩の使用でもある。
【0108】
本発明の一主題は、プロテインキナーゼの活性の異常調節を特徴とする疾患の治療または予防において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物の使用でもある。
【0109】
このような医薬は、特に、哺乳動物における疾患の治療または予防において用いるためのものであり得る。
【0110】
本発明の一主題は、プロテインキナーゼがプロテインチロシンキナーゼである、上で定義される使用でもある。
【0111】
本発明の一主題は、プロテインチロシンキナーゼがMETまたはこれらの突然変異形態である、上で定義される使用でもある。
【0112】
本発明の一主題は、プロテインキナーゼが細胞培養物中に存在する、上で定義される使用でもある。
【0113】
本発明の一主題は、プロテインキナーゼが哺乳動物体内に存在する、上で定義される使用でもある。
【0114】
本発明の一主題は、特に、非制御増殖に関連する疾患の予防または治療において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0115】
本発明の一主題は、特に、以下の群:血管増殖障害、繊維性障害、「メサンギウム」細胞増殖障害、代謝性障害、アレルギー、喘息、血栓症、神経系疾患、網膜症、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、筋肉変性および癌から選択される疾患の治療または予防において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0116】
従って、本発明の一主題は、最も具体的には、腫瘍学における疾患の治療または予防において用いるための、特に、癌の治療において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0117】
これらの癌のうち、固形または液性腫瘍の治療および細胞毒性剤に対して耐性である癌の治療が興味深いものである。
【0118】
本発明の引用生成物は、特に、一次腫瘍および/または転移、特に、胃、肝臓、腎臓、卵巣、直腸、前立腺および肺(NSCLCおよびSCLC)癌、グリア芽種、甲状腺、膀胱または乳癌、黒色腫、リンパ腫または骨髄造血性腫瘍、肉腫、脳、咽頭またはリンパ系癌、骨癌および膵臓癌の治療に用いることができる。
【0119】
本発明の一主題は、癌化学療法において用いるための医薬の調製への、上で定義される式(I)の生成物の使用でもある。
【0120】
癌化学療法において用いるためのこのような医薬は単独で、または組み合わせて用いることができる。
【0121】
本発明の生成物は、特に、単独で、または化学療法もしくは放射線療法との組み合わせで、またはその代わりに、例えば、他の治療薬との組み合わせで投与することができる。
【0122】
このような治療薬は一般に用いられる抗腫瘍剤であり得る。
【0123】
キナーゼ阻害剤として、ブチロラクトン、フラボピリドールおよび、オロモウシンとしても知られる、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチルプリンを挙げることができる。
【0124】
本発明の一主題は、新規工業生成物としての、上で定義され、および以下に示す式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(H)、(L)、(L1)、(J)および(K)の合成中間体:
【0125】
【化13】

であり、式中、Ra、RbおよびRcは上で示される意味を有し、Rはt−ブチルまたはフェニル基を表す。
【0126】
式(I)の生成物である以下の実施例は本発明を限定することなしに説明する。
【実施例】
【0127】
実験の項
本発明の化合物の命名はACDLABSソフトウェア・バージョン10.0で行った。
【0128】
400MHzでのH NMRスペクトルは、Bruker Avance DRX−400分光計で、303Kの温度、2.5ppmで参照される溶媒d−ジメチルスルホキシド(DMSO−d)中の化学シフト(ppmでのδ)を用いて取得した。
【0129】
赤外(IR)スペクトルはNicolet Nexusフーリエ変換赤外分光計で取得した;スペクトル範囲は2cm−1の解像度で4000から400cm−1である。
【0130】
質量スペクトル(MS)は方法Aまたは方法Bのいずれかによって得た:
方法A:
Waters UPLC−SQD装置;イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレー(ES+/−);クロマトグラフィー条件:カラム:Acquity BEH C18 1.7μm−2.1×50mm;溶媒:A:HO(0.1%ギ酸) B:CHCN(0.1%ギ酸);カラム温度:50℃;流速:1ml/分;勾配(2分):0.8分で5から50%のB;1.2分:100%のB;1.85分:100%のB;1.95:5%のB;保持時間=Tr(分)。
【0131】
方法B:
Waters ZQ装置;イオン化:ポジティブおよび/またはネガティブ・モード・エレクトロスプレー(ES+/−);クロマトグラフィー条件:カラム:XBridge C18 2.5μm−3×50mm;溶媒:A:HO(0.1%ギ酸) B:CHCN(0.1%ギ酸);カラム温度:70℃;流速:0.9ml/分;勾配(7分):5.3分で5から100%のB;5.5分:100%のB;6.3分:5%のB;保持時間=Tr(分)。
【0132】
(実施例1)
6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
【0133】
(実施例1a)
6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.84gのチオシアン酸カリウムを、氷酢酸33ml中に1.15gの4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)アニリンの溶液に一工程で添加する。約15分間撹拌した後、氷酢酸5mlで希釈した0.243mlの臭素を、温度を約20℃に維持しながら、滴下により流し入れる。沈殿が徐々に形成され、この反応混合物を20℃の領域内の温度で約18時間撹拌した後、100mlの水に注ぎ入れる。炭酸カリウムを添加することによってpHを約8にする。20℃の領域内の温度で3時間撹拌した後、沈殿をスピンフィルター乾燥させ、20mlの水で3回洗浄し、デシケーター内、減圧下で五酸化リンで乾燥させる。1.31gの6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンが黄色固体の形態で得られる。
融点:260−266℃(Buchi)。
MS:方法B;[M+H] m/z=300;[M−H] m/z=298;Tr=2.38分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 7.10(td,J=6.8,1.0Hz,1H)7.26(m,2H)7.48(ddd,J=9.3,6.8,1.0Hz,1H)7.61(ブロードs,2H)7.80(m,1H)7.88(dt,J=9.3,1.0Hz,1H)8.48(dt,J=6.8,1.0Hz,1H)。
【0134】
(実施例1b)
4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)アニリン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.5gの3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンを、エタノール8ml中に6.21gの塩化第一スズ二水和物の溶液に添加する。得られるオレンジ溶液を約60℃にする。塩酸の10N溶液8.2mlをこの温度で滴下により流し入れ、この反応混合物をこの同じ温度で約30分間撹拌する。20℃の領域内の温度に戻った後、200mlの水を添加し、この懸濁液のpHを30%水酸化ナトリウムを添加することによって約12に調整する。この媒体を250mlの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を200mlの水で3回および塩化ナトリウムの飽和水溶液200mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水させ、濾過して減圧下で濃縮する。1.09gの4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)アニリンがベージュの固体の形態で得られる。
融点:210℃(ケフラーベンチ(Kofler bench))
MS:方法A;[M+H] m/z=243;Tr=0.42分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 5.43(ブロードs,2H)6.50(d,J=8.5Hz,2H)7.08(td,J=6.9,1.0Hz,1H)7.21(d,J=8.5Hz,2H)7.45(ddd,J=9.3,6.9,1.0Hz,1H)7.84(dt,J=9.3,1.0Hz,1H)8.47(dd,J=6.9,1.0Hz,1H)。
【0135】
(実施例1c)
3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.57gの4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを、ジメチルスルホキシド15ml中に1gの[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオールの溶液に少しずつ添加する。20℃の領域内の温度で4日間撹拌した後、この混合物を100mlの水に注ぎ入れる。沈殿をスピンフィルター乾燥させ、20mlの水で3回および10mlのエタノールで1回および10mlのジエチルエーテルで洗浄した後、風乾させる。1.22gの3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが黄色固体の形態で得られる。
融点:178−180℃(ケフラーベンチ)
MS:方法B;[M+H] m/z=273;Tr=3.10分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 7.16(td,J=6.7,1.1Hz,1H)7.31(d,J=9.0Hz,2H)7.58(ddd,J=9.3,6.8,1.1Hz,1H)8.01(dt,J=9.3,1.1Hz,1H)8.14(d,J=9.0Hz,2H)8.42(dt,J=6.8,1.1Hz,1H)。
【0136】
(実施例2)
N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド
【0137】
(実施例2a)
N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
0.037mlの塩化シクロプロパンカルボニルを、0.1gの6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンおよび2mlのピリジンの懸濁液に添加する。20℃の領域内の温度で一晩の後、0.037mlの塩化シクロプロパンカルボニルを添加する。20℃の領域内の温度で一晩の後、0.037mlの塩化シクロプロパンカルボニルを再度添加する。20℃の領域内の温度で一晩の後、10mlの水を添加し、沈殿をスピンフィルター乾燥させ、2mlの水で3回、2mlのエタノールで3回、2mlのジエチルエーテルで2回洗浄し、減圧下、50℃でオーブン乾燥する。0.068gのN−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミドが固体の形態で得られる。
融点:187−190℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H] m/z=368;[M−H] m/z=366;Tr=0.71分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.94(m,4H)1.96(m,1H)7.10(td,J=6.8,1.0Hz,1H)7.35(dd,J=8.6,2.2Hz,1H)7.51(ddd,J=9.3,6.8,1.0Hz,1H)7.66(d,J=8.6Hz,1H)7.91(ブロードd,J=9.3Hz,1H)8.05(d,J=2.0Hz,1H)8.47(ブロードd,J=6.8Hz,1H)12.67(ブロードs,1H)。
化合物N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミドは以下の方法で調製することもできる:
100mgの2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−6−ジアゾニウムテトラフルオロボレートを、36.44mgの[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオール、20.25mgの炭酸水素ナトリウムおよび2mlのアセトニトリルの懸濁液に添加する。20℃の領域内の温度で6日間撹拌した後、この混合物を20mlの水に注ぎ入れる。沈殿をスピンフィルター乾燥させ、10mlのジエチルエーテルで2回洗浄した後、風乾する。40mgのN−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミドが得られる。
【0138】
(実施例2b)
2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−6−ジアゾニウムテトラフルオロボレート
この化合物は以下の方法で得ることができる:
133.1mgの亜硝酸ナトリウムおよび1.5mlの水を、0.5gのN−(6−アミノ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび2mlのテトラフルオロホウ酸水溶液(48%の溶液)の溶液に添加する。この反応媒体を周囲温度で16時間撹拌したままにする。形成された沈殿を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄した後風乾する。566mgの2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−6−ジアゾニウムテトラフルオロボレートが白色固体の形態で得られる。
融点:200℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M]:m/z=245;[BF:m/z=87;Tr=0.28分。
IR:2253cm−1(アリール−ジアゾニウムカチオン);1150−1000cm−1、533および523cm−1(テトラフルオロボレート)。
【0139】
(実施例2c)
N−(6−アミノ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる;
1.5gのN−(6−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、150mgのパラジウム付着木炭(10%)および150mlのテトラヒドロフランをオートクレーブに投入する。次に、この媒体を15barの水素圧の下で撹拌し、50℃に加熱する。常圧および周囲温度に戻った後、セライトを通して媒体を濾過し、濾液を減圧下、蒸発によって濃縮する。1.3gのN−(6−アミノ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色固体の形態で得られる。
融点>260℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H]:m/z 234;Tr=0.34分。
【0140】
(実施例2d)
N−(6−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
2.3mlの塩化シクロプロパンカルボニルを、5gの2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール(市販製品)および50mlの無水ピリジンの懸濁液に滴加する。次に、この反応混合物を周囲温度で24時間撹拌したままにする。形成される沈殿を濾別し、100mlの水、10mlのエタノールで2回および20mlのジエチルエーテルで2回すすいだ後、スピンフィルター乾燥および風乾する。5.14gのN−(6−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色粉末の形態で得られる。
融点>260℃(ケフラーベンチ)
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.92−1.05(m,4H)1.97−2.08(m,1H)7.86(d,J=8.9Hz,1H)8.26(dd,J=8.9,2.4Hz,1H)9.01(d,J=2.4Hz,1H)13.02(ブロードm,1H)。
【0141】
(実施例3)
1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
【0142】
(実施例3a)
1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
この化合物は以下の方法で調製することができる:
0.1mlの2−(モルホリン−4−イル)エタンアミンを、テトラヒドロフラン7ml中に0.3gのフェニル[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]カルバメートの懸濁液に添加する。20℃の領域内の温度で一晩の撹拌の後、0.028mlの2−(モルホリン−4−イル)エタンアミンを添加し、この反応混合物を20℃の領域内の温度で一晩撹拌する。次に、この混合物を100mlのジクロロメタンに注ぎ入れる。有機相を50mlの2N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。pHを約4に調整するために水相に氷酢酸を補足し、100mlのジクロロメタンで3回、100mlの酢酸エチルで3回および100mlのn−ブタノールで3回抽出し、得られる生成物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮する。固体が得られ、これを20mlの水に溶解し、スピンフィルター乾燥させ、2mlの水で2回、5mlのアセトニトリルで3回および5mlのジエチルエーテルで3回洗浄し、風乾する。0.13gの1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素が白色固体の形態で得られる。
融点:204−207℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H] m/z=456;[M+H−C12 m/z=300;[C13 m/z=157(基本ピーク);[M−H] m/z=454;Tr=0.45分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 2.35−2.44(m,6H)3.25(部分的にマスクされたm,2H)3.58(m,4H)6.88(ブロードm,1H)7.11(ブロードd,J=6.8Hz,1H)7.29(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)7.44−7.53(m,2H)7.90(ブロードd,J=9.3Hz,1H)7.95(ブロードs,1H)8.48(ブロードd,J=6.8Hz,1H)11.23(ブロードm,1H)。
【0143】
(実施例3b)
フェニル[[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]カルバメート
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.68mlのフェニルクロロカーボネート、次いで2.7mlの水および1.12gの炭酸水素ナトリウムを、テトラヒドロフラン27ml中に1gの6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンの懸濁液に添加する。この混合物を20℃の領域内の温度で約48時間撹拌する。沈殿をスピンフィルター乾燥させ、10%の水を含有するテトラヒドロフラン10mlおよび3回の酢酸エチル10mlで洗浄して風乾する。0.59gのフェニル[[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]カルバメートが得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=420;[M−H] m/z=418;Tr=3.71分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 7.11(td,J=6.8,1.0Hz,1H)7.25−7.33(m,3H)7.36(dd,J=8.5,2.0Hz,1H)7.45(t,J=7.8Hz,2H)7.51(ddd,J=9.3,6.8,1.0Hz,1H)7.66(d,J=8.5Hz,1H)7.91(ブロードd,J=9.3Hz,1H)8.05(ブロードd,J=2.0Hz,1H)8.48(ブロードd,J=6.8Hz,1H)12.68(ブロードm,1H)。
【0144】
(実施例4)
1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
この化合物は実施例3aにおけるように、しかしながら0.2gのフェニル[[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]カルバメートおよび75.15mgの2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エタンアミンを用いて調製することができる。形成される沈殿のスピンフィルター乾燥、0.5mlのテトラヒドロフランで3回および0.5mlのジエチルエーテルで2回の洗浄並びに風乾の後、0.110gの1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素が白色固体の形態で得られる。
融点:180−185℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H] m/z=469;[M+H−C15O] m/z=300(基本ピーク);[C16O] m/z=170;[M−H] m/z=467;Tr=0.44分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 2.15(s,3H)2.21−2.43(m,10H)3.25(部分的にマスクされたm,2H)6.72(ブロードm,1H)7.11(td,J=6.8,1.0Hz,1H)7.30(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)7.47−7.54(m,2H)7.90(dt,J=9.3,1.0Hz,1H)7.98(d,J=2.0Hz,1H)8.48(dt,J=6.8,1.0Hz,1H)10.91(ブロードm,1H)。
【0145】
(実施例5)
1−(2−メトキシエチル)−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
この化合物は実施例3aにおけるように、しかしながら0.2gのフェニル[[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]−カルバメートおよび0.05mlの2−メトキシエタンアミンを用いて調整することができる。形成される沈殿のスピンフィルター乾燥、2mlのジイソプロピルエーテルで3回の洗浄および約50℃、減圧下でのオーブン乾燥の後、0.143gの1−(2−メトキシエチル)−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素が白色固体の形態で得られる。
融点:252−257℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H] m/z=401;[M−H] m/z=399;Tr=0.62分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 3.27(s,3H)3.31(部分的にマスクされたm,2H)3.40(t,J=5.4Hz,2H)6.83(ブロードt,J=5.6Hz,1H)7.11(td,J=6.8,1.0Hz,1H)7.31(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)7.50(ddd,J=9.3,6.8,1.0Hz,1H)7.55(d,J=8.3Hz,1H)7.91(dt,J=9.3,1.0Hz,1H)8.01(d,J=2.0Hz,1H)8.49(dt,J=6.8,1.0Hz,1H)10.73(ブロードm,1H)。
【0146】
(実施例6)
6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
【0147】
(実施例6a)
6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
この化合物は、230mgの4−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]アニリン、13mlの酢酸、0.24gのチオシアン酸カリウムおよび32μlの臭素を用いて、実施例1aに記述されるように得ることができる。このようにして、0.25gの6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンがオレンジの粉末の形態で得られる。
融点から190℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法B;[M+H] m/z=426;[M−H] m/z=424;Tr=2.98分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 7.27(d,J=8.6Hz,1H)7.31(dd,J=8.6,2.0Hz,1H)7.61(ブロードs,2H)7.65(dd,J=9.5,1.4Hz,1H)7.73(d,J=9.5Hz,1H)7.81(d,J=2.0Hz,1H)8.71(ブロードs,1H)。
【0148】
(実施例6b)
4−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]アニリン
この化合物は、4.02gの塩化第一スズ二水和物、60mlのエタノールおよび1.89gの6−ヨード−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンおよび塩酸の12N水溶液4.45mlを用いて、実施例1bにおけるように調製することができる。0.23gの4−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]アニリンがオレンジ−褐色固体の形態で得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=369;Tr=3.06分。
【0149】
(実施例6c)
6−ヨード−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、1.18gの6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオール、10mlのジメチルスルホキシドおよび1.21gの4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを用いて、実施例1cにおけるように調製することができる。このようにして、1.89gの6−ヨード−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンがオレンジの粉末の形態で得られる。
MS:方法B;[M+H]:m/z 399;Tr=3.74分。
【0150】
(実施例6d)
6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオール
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.37gの2−ヒドラジニル−5−ヨードピリジン、40mlのテトラヒドロフランおよび1.25gのN,N’−チオカルボニルジイミダゾールの溶液を1時間還流する。冷却後、減圧下での蒸発によって反応媒体を濃縮した後、得られる粉末を25mlの水の存在下、冷条件下で撹拌する。生じる沈殿を濾別し、10mlの水で2回洗浄して風乾する。1.40gの6−ヨード−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオールが得られる。
融点>264℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H]:m/z 278;[M−H]:m/z 276;Tr=0.57分。
【0151】
(実施例6e)
2−ヒドラジニル−5−ヨードピリジン
この化合物は特許WO 2006/114213、実施例32A、第40頁に記載されるように得ることができる。
【0152】
(実施例7)
6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
【0153】
(実施例7a)
6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
この化合物は、0.24gの4−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}アニリン、10mlの酢酸、0.28gのチオシアン酸カリウムおよび、氷酢酸2mlで希釈した、37μlの臭素を用いて、実施例1aに記述されるように調製することができる。このようにして、0.14gの6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンが淡いピンクの固体の形態で得られる。
融点:>264℃(ケフラーベンチ)
MS:方法B;[M+H] m/z=394;[M−H] m/z=392;Tr=3.47分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 7.27(d,J=8.3Hz,1H)7.31−7.38(m,3H)7.60(ブロードs,2H)7.77(dd,J=8.6,5.4Hz,2H)7.82(dd,J=9.8,1.5Hz,1H)7.87(d,J=1.7Hz,1H)7.98(d,J=9.9Hz,1H)8.59(ブロードs,1H)。
化合物6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンは以下の方法で得ることもできる:
35mgのリン酸カリウム、80mgの4−フルオロフェニルボロン酸および3mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを20mgの6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾ−チアゾル−2−アミンおよび1mlのジメチルスルホキシドの溶液に添加する。この反応媒体を80℃で18時間加熱する。その後、5mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加し、媒体を2日間再度80℃にする。反応媒体を氷浴で冷却した後、15mlの水を添加し、媒体を冷条件の下で1時間、次いで周囲温度で18時間、撹拌したままにする。水相を30mlの酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで脱水させて濾過し、減圧下での蒸発によって濃縮する。20mgの6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンが得られる。
【0154】
(実施例7b)
4−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]−スルファニル}アニリン
この化合物は、1.88gの塩化第一スズ二水和物、25mlのエタノール、0.61gの6−(4−フルオロフェニル)−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンおよび塩酸の10N水溶液2.06mlを用いて、実施例1bにおけるように調製することができる。このようにして、0.24gの4−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}アニリンが黄色固体の形態で得られる。
融点:217℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H]:m/z 337(基本ピーク);[2M+Na]:m/z 695;Tr=0.81分。
【0155】
(実施例7c)
6−(4−フルオロフェニル)−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、0.83gの6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオール、8mlのジメチルスルホキシドおよび0.80gの4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレートを用いて、実施例1cのように調製することができる。このようにして、0.61gの6−(4−フルオロフェニル)−3−[(4−ニトロフェニル)スルファニル][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが褐色フォームの形態で得られる。
MS:方法A;[M+H]:m/z=367;Tr=0.98分。
【0156】
(実施例7d)
6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオール
この化合物は以下の方法で調製することができる:
1.2gの5−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニルピリジン、15mlの二硫化炭素および50mlのクロロホルムの溶液を18時間還流する。その後、15mlの二硫化炭素を添加して反応媒体を還流温度で4時間保持し、次いで15mlの二硫化炭素を添加して反応媒体を還流温度で2時間保持し、次いで20mlの二硫化炭素を添加して反応媒体を還流温度で24時間保持する。次に、反応媒体を周囲温度で24時間撹拌したままにする。20mlのエタノールを添加した後、媒体を29時間還流する。冷却後、減圧下での蒸発によって媒体を濃縮し、生じる黄色粉末をアルゴン圧下、シリカゲル(溶離液:97/3 ジクロロメタン/メタノール)でのクロマトグラフィーによって精製する。0.63gの6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−チオールが黄色粉末の形態で得られる。
融点:249℃(ケフラーベンチ)
MS:方法A;[M+H]:m/z=246;[M−H]:m/z=244;Tr=0.77分。
【0157】
(実施例7e)
5−[4−フルオロフェニル)−2−ヒドラジニルピリジン
この化合物は、R.Church et al.,Journal of Organic Chemistry(1995),60(12),3750−8によって記述されるように調製することができる。
【0158】
(実施例8)
N−{6−[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は、0.13gの6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン、0.081mlの塩化シクロプロパンカルボニルおよび5mlのピリジンを用いて、実施例2におけるように調製することができる。このようにして、0.11gのN−{6−[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}シクロプロパンカルボキサミドが黄色固体の形態で得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=462;[M−H] m/z=460;Tr=0.97分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.92(m,4H)1.96(m,1H)7.34(t,J=8.8Hz,2H)7.45(dd,J=8.4,2.0Hz,1H)7.66(d,J=8.4Hz,1H)7.77(dd,J=8.8,5.5Hz,2H)7.84(dd,J=9.6,1.7Hz,1H)8.01(dd,J=9.6,1.0Hz,1H)8.11(d,J=2.0Hz,1H)8.61(ブロードs,1H)12.57(ブロードm,1H)。
【0159】
(実施例9)
6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
0.25gの6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン、5mlの1−2−ジメトキシエタン、1.2mlのNaOH(1N水溶液)および0.14gの(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ボロン酸の溶液をアルゴンの下で30分間撹拌する。その後、20mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加し、この反応媒体を30分間65℃にする。次に、20mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加し、反応混合物を一晩還流する。さらに20mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび0.61gの(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)ボロン酸を添加する。この媒体を4時間還流し、20℃近傍の温度で2日間撹拌したままにする。その後、10mlのジオキサン、1mlの水および20mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを添加して媒体を密封管に移し、マイクロ波を用いて15分間150℃にする。20℃近傍の温度に戻った後、減圧下での蒸発によって媒体を濃縮する。このようにして得られる残滓を、アルゴン圧の下、シリカゲルで(溶離液:95/5 ジクロロメタン/メタノール)クロマトグラフィー処理する。0.14gの6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンがオレンジ−褐色固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=380;[M−H] m/z=378;Tr=0.5分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 3.88(s,3H)7.27(d,J=8.3Hz,1H)7.35(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)7.60(s,2H)7.75(dd,J=9.5,1.3Hz,1H)7.87(d,J=2Hz,1H)7.91(d,J=9.5Hz,1H)8.02(s,1H)8.33(s,1H)8.57(s,1H)。
【0160】
(実施例10)
N−(6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は、0.13gの6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン、0.034mlの塩化シクロプロパンカルボニルおよび2mlのピリジンを用いて、実施例2におけるように調製することができる。このようにして、0.1gのN−(6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが淡黄色固体の形態で得られる。
融点から196℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法B;[M+H] m/z=448;[M−H] m/z=446;Tr=3.32分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.89−1.00(m,4H)1.94−2.01(m,1H)3.87(s,3H)7.43(dd,J=8.5,2.0Hz,1H)7.67(d,J=8.5Hz,1H)7.77(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)7.94(d,J=9.5Hz,1H)8.01(s,1H)8.12(d,J=2Hz,1H)8.33(s,1H)8.58(s,1H)12.62(br.s.,1H)。
【0161】
(実施例11)
N−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]−スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0162】
(実施例11a)
N−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]−スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
104mgの3−ブロモ−6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、100mgの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、110mgの炭酸カリウムおよび1mlのジメチルスルホキシドを密封ガラス管に投入する。この媒体を185℃で12分間マイクロ波加熱する。20℃近傍の温度に戻った後、媒体を60mlの水に注ぎ入れ、形成される沈殿を焼成ガラスを通して濾別し、水で洗浄し、スピンフィルター乾燥させ、乾燥させる。このようにして得られる固体を、アルゴン圧の下、シリカゲル(溶離液:85/15、次いで90/10 ジクロロメタン/メタノール)でクロマトグラフィー処理する。固体が得られ、これを2mlのエタノールから摩砕して濾過し、1mlのエタノールで2回、次いで1mlのジエチルエーテルで3回洗浄して乾燥させる。82mgのN−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが淡黄色固体の形態で得られる。
融点>260℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H] m/z=434;Tr=0.65分。
H NMR(400MHz,DMSO−6)δppm 0.89−0.99(m,4H)1.94−2.03(m,1H)7.45(dd,J=8.5,2.0Hz,1H)7.67(d,J=8.5Hz,1H)7.83(dd,J=9.5,1.7Hz,1H)7.94(dd,J=9.5,1.0Hz,1H)8.08(br.s.,1H)8.15(d,J=2.0Hz,1H)8.39(br.s.,1H)8.59−8.65(m,1H)12.66(br.s.,1H)13.11(br.s.,1H)。
【0163】
(実施例11b)
(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
2gの(6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび70mlのエタノールの懸濁液に、20℃までの水8ml中に33.6mgのリン酸二水素カリウムの溶液、次いで3.2gのDL−ジチオトレイトールを添加する。この反応媒体を還流温度で5時間撹拌した後、20℃近傍の温度にする。次に、400mlの水を添加し、形成される沈殿を焼成ガラスを通して濾別して水で完全に洗浄し、スピンフィルター乾燥させた後、乾燥させる。1.5gの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが淡黄色固体の形態で得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=251;[M−H] m/z=249;Tr=3.77分。
【0164】
(実施例11c)
(6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
5.3mlの塩化シクロプロパンカルボニルを、20℃近傍の温度を維持しながら、10gの2−アミノ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(市販製品)および100mlのピリジンの溶液に添加する。この反応媒体を4時間撹拌した後、500mlの水を添加する。形成される沈殿を焼成ガラスを通して濾別し、水で完全に洗浄してスピンフィルター乾燥させた後、乾燥させる。13gの(6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが淡黄色固体の形態で得られ、前記化合物をこのまま次段階において用いる。
【0165】
(実施例11d)
3−ブロモ−6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
0.058mlの臭素および2mlの水の溶液を、エタノール4ml中に170mgの6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンの溶液に添加する。この反応混合物を20℃近傍の温度で約2日間撹拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液20mlを添加する。30分間撹拌した後、形成される沈殿を焼成ガラスを通して濾別し、5mlの水で3回洗浄してスピンフィルター乾燥させた後、乾燥させる。得られる固体残滓を、アルゴン圧の下、シリカゲル(溶離液:85/15 酢酸エチル/メタノール)でクロマトグラフィー処理する。110mgの3−ブロモ−6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが白色固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=264;[M−H] m/z=262;Tr=0.35分。
【0166】
(実施例11e)
6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
272mgの(1H−ピラゾル−4−イル)ボロン酸を、400mgの6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)、8mlのジメチルスルホキシド、69mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよび2mlの水中の溶液の状態にある424mgの炭酸ナトリウムの混合物に添加する。この反応媒体を150℃で20分間マイクロ波加熱する。20℃近傍の温度に戻った後、減圧下での蒸発によって媒体を濃縮し、次に40mlの水に溶解する。水相を20mlの酢酸エチルで3回抽出する。水相中に形成される沈殿を焼成ガラスを通して濾別し、水で洗浄してスピンフィルター乾燥させた後、乾燥させる。200mgの6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]−ピリジンが白色固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=186;[M−H] m/z=184;Tr=0.21分。
【0167】
(実施例12)
N−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0168】
(実施例12a)
N−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は、348mgの3−ブロモ−6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、250mgの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、280mgの炭酸カリウムおよび4mlのジメチルスルホキシドを用いて、実施例11aにおけるように調製することができる。146mgのN−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4)トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色固体の形態で得られる。
融点=191℃(ケフラーベンチ)。
【0169】
MS:方法A;[M+H] m/z=476;[M−H] m/z=474;Tr=1.04分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.89−0.96(m,4H)1.93−2.00(m,1H)2.28(d,J=1.5Hz,3H)7.40−7.49(m,3H)7.57(dd,J=11.2,1.5Hz,1H)7.67(d,J=8.5Hz,1H)7.87(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)7.99(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)8.13(d,J=1.7Hz,1H)8.61−8.66(m,1H)12.65(br.s.,1H)。
【0170】
(実施例12b)
3−ブロモ−6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]−ピリジン
この化合物は以下の方法で調製することができる:
450mgの6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、10mlのクロロホルムおよび356mgのN−ブロモスクシンイミドの混合物を一晩還流させる。この媒体を20℃近傍の温度まで冷却した後、減圧下での蒸発によって濃縮する。このようにして得られる残滓を,アルゴン圧の下、シリカゲル(溶離液:80/20 酢酸エチル/メタノール)でクロマトグラフィー処理する。534mgの3−ブロモ−6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンがベージュの固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=306;Tr=0.88分。
【0171】
(実施例12c)
6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、400mgの6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)、8mlのジメチルスルホキシド、69mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、水2ml中の溶液としての424mgの炭酸ナトリウムおよび370mgの((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)ボロン酸を用いて、実施例11eにおけるように調製することができる。456mgの6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが白色固体の形態で得られる。
融点=236℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H] m/z=228;Tr=0.71分。
【0172】
(実施例13)
N−(6−([6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0173】
(実施例13a)
N−(6−{[6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は、480mgの3−ブロモ−6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、411mgの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、454mgの炭酸カリウムおよび10mlのジメチルスルホキシドを用いて、実施例11aにおけるように調製することができる。148mgのN−(6−{[6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドがベージュの固体の形態で得られる。
融点>260℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H] m/z=462;[M−H] m/z=460;Tr=0.98分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.92(br.s.,4H)1.95(br.s.,1H)7.23−7.31(m,1H)7.46(d,J=8.6Hz,1H)7.50−7.70(m,4H)7.88(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)8.01(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)8.13(br.s.,1H)8.69(br.s.,1H)。
【0174】
(実施例13b)
3−ブロモ−6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、360mgの6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、10mlのクロロホルムおよび300mgのN−ブロモスクシンイミドを用いて、実施例12bにおけるように調製することができる。480mgの3−ブロモ−6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが黄土色固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=292;Tr=0.77分。
【0175】
(実施例13c)
6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、400mgの6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)、8mlのジメチルスルホキシド、69mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、水2ml中の溶液としての424mgの炭酸ナトリウムおよび345mgの(3−フルオロフェニル)ボロン酸を用いて、実施例12cにおけるように調製することができる。361mgの6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが白色固体の形態で得られる。
融点=210℃(ケフラーベンチ).
MS:方法A;[M+H] m/z=214;Tr=0.59分。
【0176】
(実施例14)
N−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾ−チアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0177】
(実施例14a)
N−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロ−プロパンカルボキサミド
この化合物は、240mgの3−ブロモ−6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン、170mgの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、170mgの炭酸カリウムおよび4mlのジメチルスルホキシドを用いて、実施例11aにおけるように調製することができる。240mgのN−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色固体の形態で得られる。
融点から110℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H] m/z=562;[M−H] m/z=560;Tr=0.84分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.90−0.98(m,4H)1.27−1.67(m,6H)1.91−2.01(m,1H)3.32−3.39(m,1H)3.52(ddd,J=11.5,8.6,3.4Hz,1H)3.70−3.80(m,1H)3.89−3.98(m,1H)4.23−4.36(m,2H)4.51(t,J=3.3Hz,1H)7.42(dd,J=8.6,2.0Hz,1H)7.66(d,J=8.6Hz,1H)7.78(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)7.94(dd,J=9.5,1.0Hz,1H)8.05(s,1H)8.11(d,J=2.0Hz,1H)8.36(s,1H)8.58(s,1H)12.65(br.s.,1H)。
【0178】
(実施例14b)
3−ブロモ−6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、440mgの6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]−ピリジン、10mlのクロロホルムおよび226mgのN−ブロモスクシンイミドを用いて、実施例12bにおけるように調製することができる。245mgの3−ブロモ−6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが無色ラッカーの形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=392;Tr=0.64分。
【0179】
(実施例14c)
6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン
この化合物は、320mgの6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)、15mlの1,2−ジメトキシエタン、69mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、3.2mlのNaOH(1N水溶液)および990mgの1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールを用いて、実施例9におけるように調製することができる。445mgの6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンが結晶化する黄色油の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=314;Tr=0.49分。
【0180】
(実施例14d)
1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール
この化合物は、特許US2007/0265272、第39頁に記述されるように調製することができる。
【0181】
(実施例15)
N−(6−{[6−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ−[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
45mgのAmberlyst 15 form H+樹脂を、215mgのN−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドおよび10mlのメタノールの溶液に添加し、この反応媒体を20℃近傍の温度で16時間撹拌する。5mlのジクロロメタンを添加した後、20℃近傍の温度での同じ撹拌で、4日の合計期間にわたって、反応(LC/MSによって監視)が完了するように樹脂を、即ち、連続的に45mg、40mg、次いで150mgの樹脂を再度添加する。次に、この反応媒体を濾過し、樹脂を28%のCHCl/MeOH/NHOH(体積基準で12/3/0.5)の混合液15mlで4回洗浄する。得られる濾液を減圧下での蒸発によって濃縮する。このようにして、65mgのN−(6−{[6−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドが白色固体の形態で得られる。
融点から182℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法A;[M+H] m/z=478;[M−H] m/z=476;Tr=0.63分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.88−1.00(m,4H)1.91−2.03(m,1H)3.75(q,J=5.5Hz,2H)4.16(t,J=5.6Hz,2H)4.95(t,J=5.3Hz,1H)7.44(dd,J=8.6,2.0Hz,1H)7.67(d,J=8.3Hz,1H)7.81(dd,J=9.5,1.5Hz,1H)7.95(d,J=9.3Hz,1H)8.06(s,1H)8.12(d,J=2.0Hz,1H)8.38(s,1H)8.62(s,1H)。
【0182】
(実施例16)
N−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
【0183】
(実施例16a)
N−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
この化合物は以下の方法で調製することができる:
102mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[3−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾル−6−イル}スルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキシレートおよび1.52mlの塩酸(ジオキサン中の4N溶液)の混合物を20℃近傍の温度で一晩撹拌した後、減圧下での蒸発によって濃縮する。このようにして得られる残滓を5mlのジイソプロピルエーテルに溶解した後、焼成ガラスを通して濾過し、2mlのジイソプロピルエーテルで2回洗浄してスピンフィルター乾燥させた後、乾燥させる。101mgのN−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド塩酸塩が黄土色固体の形態で得られる。
融点>260℃(ケフラーベンチ)。
MS:方法B;[M+H] m/z=517;[M−H] m/z=515;Tr=2.66分。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm 0.85−1.01(m,4H)1.93−2.05(m,1H)2.05−2.30(m,4H)3.02−3.18(m,2H)3.33−3.44(m,2H)4.42−4.57(m,1H)7.44(dd,J=8.7,1.6Hz,1H)7.68(d,J=8.6Hz,1H)7.86(d,J=9.5Hz,1H)7.98(d,J=9.8Hz,1H)8.13(s,2H)8.48(s,1H)8.67(s,1H)12.70(s,1H)。
【0184】
(実施例16b)
2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[3−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾル−6−イル}スルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキレート
この化合物は、134mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[(3−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキレート、83mgの(6−スルファニル−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド、83mgの炭酸カリウムおよび3.5mlのジメチルスルホキシドを用いて、実施例11aにおけるように調製することができる。103mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[3−({2−[(シクロプロピルカルボニル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾル−6−イル}スルファニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキレートがベージュの固体の形態で得られる。
MS:方法A;[M+H] m/z=617;[M−H] m/z=615;Tr=0.99分。
【0185】
(実施例16c)
2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[(3−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキレート
この化合物は、120mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−[4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−1H−ピラゾル−1−イル]ピペリジン−1−カルボキレート、5mlのクロロホルムおよび58mgのN−ブロモスクシンイミドを用いて、実施例12bにおけるように調製することができる。134mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−{4−[{3−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a)ピリジン)−6−イル]−1H−ピラゾル−1−イル}ピペリジン−1−カルボキレートが緑色固体の形態で得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=447;[M−H]+HCOOH m/z=491;Tr=3.71分。
【0186】
(実施例16d)
2−メチルプロパン−2−イル 4−[4−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−1H−ピラゾル−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
この化合物は、180mgの6−ブロモ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン(市販製品)、10mlの1,2−ジメトキシエタン、35mgのジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、1.8mlのNaOH(1N水溶液)および377mgのtert−ブチル 4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾル−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートを用いて、実施例9におけるように調製することができる。120mgの2−メチルプロパン−2−イル 4−[4−({1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−6−イル)−1H−ピラゾル−1−イル]ピペリジン−1−カルボキレートが無色ラッカーの形態で得られる。
MS:方法B;[M+H] m/z=369;[M−H]+HCOOH m/z=413;Tr=3.25分。
【0187】
(実施例16e)
tert−ブチル 4−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾル−1−イル]ピペリジン−1−カルボキレート
この化合物は特許WO2007/066187、第34頁に記述されるように調製することができる。
【0188】
(実施例17)
医薬組成物
以下の配合物に相当する錠剤を調製した:
実施例7の生成物 0.2g
1gの完成錠剤用の賦形剤
(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)。
実施例7は医薬調製品の一例として理解され、所望であれば、この調製を本発明における実施例中の他の生成物で行うことが可能である。
【0189】
薬理の項
実験プロトコル
i)MET、細胞質ドメインの発現および精製
バキュロウイルスにおける発現
pFastBac(Invitrogen)内のHis−Tev−MET(956−1390)組換えDNAを昆虫細胞にトランスフェクトし、幾つかのウイルス増幅工程の後、最終バキュロウイルス貯蔵物を関心タンパク質の発現について試験する。
27℃で72時間、組換えウイルスに感染させた後、SF21細胞培養物を遠心によって収穫し、細胞ペレットを−80℃で保存する。
【0190】
精製
細胞ペレットを溶解バッファ(バッファA[50mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、10%グリセロール、1mM TECP];+プロテアーセ阻害剤のカクテル、Roche Diagnostics、EDTA非含有、ref 1873580)に再懸濁し、混合物が均一になるまで4℃で撹拌した後、「Dounce」タイプの装置を用いて機械的に溶解させる。
遠心の後、溶解上清をニッケルキレート樹脂(His−Trap 6 Fast Flow(商標)、GE HealthCare)を共に4℃で2時間温置する。20体積のバッファAで洗浄した後、この懸濁液をカラムに充填し、バッファBの勾配(バッファA+290mMイミダゾール)でタンパク質を溶出する。
電気泳動分析(SDS PAGE)のため、関心タンパク質を含有する画分を合わせ、限外濾過(10kDaカットオフ)によって濃縮し、バッファAで平衡化した排除クロマトグラフィーカラム(Superdex(商標)200、GE HealthCare)に注入する。
ヒスチジンタグの酵素的開裂の後、バッファAで平衡化した新規IMACニッケルキレートクロマトグラフィーカラム(His−Trap 6 Fast Flow(商標)、GE HealthCare)にタンパク質を再注入する。バッファBの勾配で溶出し、電気泳動(SDS PAGE)後の関心タンパク質を含有する画分を最終的に合わせ、−80℃で保存する。
自己リン酸化タンパク質を産生するため、上記画分を、2mM ATP、2mM MgClおよび4mM NaVOの添加の後、周囲温度で1時間温置する。5mMのEDTAで反応を停止させた後、反応混合物をバッファA+4mM NaVOで予備平衡化したHiPrep脱塩カラム(GE HealthCare)に注入し、関心タンパク質を含有する画分(SDS PAGE分析)を合わせて−80℃で保存する。リン酸化の程度を質量分析(LC−MS)およびペプチドマッピングによって確認する。
【0191】
II)試験AおよびB
A)試験A:96ウェル形式でのHTRF METアッセイ
5nMの最終濃度のMETを、50μlの最終体積の酵素反応において、試験分子の存在下(0.17nMから10μMの最終濃度範囲、3% DMSO最終濃度)、10mM MOPSバッファ、pH7.4、1mM DTT、0.01% Tween 20中で温置する。基質溶液で反応を開始し、1μg/ml ポリ−(GAT)、10μM ATPおよび5mM MgClの最終濃度を得る。周囲温度で10分間の温置の後、ウェルあたり80ngのストレプトアビジン61SAXLB Cis−Bio Int.および18ngの抗−ホスホチロシンMab PT66−Europium Cryptateの存在下で50mM Hepes、pH7.5、500mMフッ化カリウム、0.1% BSAおよび133mM EDTAの最終溶液が得られるように、30μl混合物で反応を停止させる。周囲温度で2時間の温置の後、TRACE/HTRF技術用の読取機を用いて2つの波長、620nmおよび665nmで読み取りを行い、665/620比から阻害%を算出する。
実験の項の実施例における式(I)の生成物に対してこの試験Aで得られる結果は、IC50が500nM未満、特に、100nM未満であるようなものである。
【0192】
B)試験B:METの自己リン酸化の阻害;ELISA技術(pppY1230、1234、1235)
a)細胞溶解物:MKN45細胞を、200μlのRPMI培地+10% FCS+1% L−グルタミン中に20000細胞/ウェルで、96ウェルプレート(セルコートBDポリリジン)に播種する。これらを恒温槽内で24時間接着したままにする。
播種の翌日に細胞を6つの濃度の生成物で1時間、2回ずつ処理する。少なくとも3つの対照ウェルを同じ最終量のDMSOで処理する。
生成物の希釈:純粋DMSO中に10mMの貯蔵物−純粋DMSO中に増分3で10mMから30μMの範囲−培養培地で1/50に中間希釈した後、10μlを除去して細胞(200μl)に直接添加:10000から30nMの最終範囲。
温置の最後に、上清を慎重に除去し、200μlのPBSですすぎを行う。次に、100μlの溶解バッファを氷上のウェル内に直接入れ、4℃で30分間温置する。溶解バッファ:10mM Tris HCl、pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、1% Triton X−100、10%グリセロール、0.1% SDS、0.5%デオキシコレート、20mM NaF、2mM NaVO、1mM PMSFおよび抗プロテアーゼのカクテル。
100μlの溶解物をV底ポリプロピレンプレートに移し、直ちにELISAを行うか、またはプレートを−80℃で凍結する。
【0193】
b)PhosphoMET ELISA BioSourceキットKHO0281
70mlのキット希釈バッファ+30μLの細胞溶解物、またはブランクに対しては30μlの溶媒バッファをキットプレートの各ウェルに添加する。穏やかに撹拌しながら周囲温度で2時間、温置する。
ウェルを400μlのキット洗浄バッファで4回すすぐ。100μlの抗−phospho MET抗体と共に周囲温度で1時間温置する。
ウェルを400μlのキット洗浄バッファで4回すすぐ。100μlの抗−ウサギHRP抗体と共に周囲温度で30分間温置する(色原体のみのウェルは除く)。
ウェルを400μlのキット洗浄バッファで4回すすぐ。100μLの色原体を導入し、暗所、周囲温度で30分間温置する。
100μlの停止液で反応を停止させる。プレートをWallac Victorプレートリーダーで遅延なしに、450nM、0.1秒で読み取る。
【0194】
C)試験C:14C−チミジンパルスによる細胞増殖の測定
細胞をCytostar 96ウェルプレート内に、37℃および5% COで4時間、180mlで播種する:DMEM培地+10%ウシ胎仔血清+1% L−グルタミン中にウェルあたり2500細胞の割合のHCT116細胞およびRPMI培地+10%ウシ胎仔血清+1% L−グルタミン中にウェルあたり7500細胞の割合のMKN45細胞。これらの4時間の温置の後、生成物10μlをELISAについて述べられる希釈法に従った20倍濃縮液として添加する。生成物は、3の増分で10000nMから0.3nMまで、10の濃度で2回ずつ試験する。
72時間の処理の後、ウェルあたり0.1MCiが得られるように10μCi/mlの14C−チミジン10mlを添加する。14C−チミジンの取り込みをMicro−Beta装置(Perkin−Elmer)で24時間のパルスおよび96時間の処理の後に測定する。
アッセイのすべての工程はBIOMEK2000またはTECANステーションで自動化される。
実験の項における例としての式(I)の生成物についてこの試験Bで得られる結果はIC50が10マイクロM未満、特に、1マイクロM未満であるようなものである。
【0195】
実験の項における例としての生成物について得られる結果を、以下のように、以下の薬理学的結果の表に示す:
試験Aについて、記号+は500nM未満に対応し、記号++は100nM未満に対応する;
試験Bについて、記号+は500nM超に対応し、記号++は100nM未満に対応する;
試験Cについて、記号+は10マイクロM未満に対応し、記号++は1マイクロMに対応する。
【0196】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の生成物:
【化1】

(式中:
Raは水素原子;ハロゲン原子;アリール基;またはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbは水素原子、Rc、−COORcもしくは−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を表し、これらすべての基は任意に以下に示されるように置換され;
Rdは水素原子またはアルキルもしくはシクロアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、ハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、CN、CF、−NR1R2、ヘテロシクロアルキル、−COOH、−COOalk、−CONR1R2および−NR1COR2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アルキルおよびシクロアルキル基は、任意に、これら自体がハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換されるアリールまたはヘテロアリール基でも置換され;
シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、任意に、これ自体ハロゲン原子並びにヒドロキシル、O−ヘテロ−シクロアルキル、アルキル、アルコキシおよびNR3R4基から選択される1以上の基で任意に置換されるアルキル基でも置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、並びにR1およびR2の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する、環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、これら自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基並びにアルキル、フェニル、CH−フェニルおよびヘテロアリール基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、後者の基においてはアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含有するアルキルおよびアルコキシ、NH、NHalk並びにN(alk)から選択される1以上の基でこれら自体が任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)およびアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有する。)
であって、すべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある前記式(I)の生成物。
【請求項2】
Raが水素原子;ハロゲン原子;またはアリールもしくはヘテロアリール基を表し、これらのアリールおよびヘテロアリール基は任意に以下に示されるように置換され;
Rbが水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、両者は、自体が以下に示されるように任意に置換される、ヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基から選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基はハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、−NR1R2、−COOH、−COOalkおよび−CONR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換され;
アリールまたはヘテロアリール基は、任意に、自体がハロゲン原子並びにヒドロキシル、O−ヘテロシクロアルキルおよびアルコキシ基から選択される1以上の基で任意に置換されるアルキルでも置換され;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、これら自体任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:R3およびR4は同一であるか、または異なり、R3およびR4の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R3およびR4の他方は水素原子または、自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールもしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、3から10員環並びに、任意に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシルおよびアルコキシ基並びにアルキル、フェニルおよびCH−フェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され、ここでアルキルまたはフェニル基は、これら自体、ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から6個の炭素原子を含有する、
請求項1において定義される式(I)の生成物であって、
すべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある前記式(I)の生成物。
【請求項3】
Raが水素原子;ハロゲン原子;以下に示されるように任意に置換されるフェニル基;または、これ自体ヒドロキシル基もしくはO−ヘテロシクロアルキル基で任意に置換される、ヘテロシクロアルキル基もしくはアルキル基で任意に置換されるピラゾリル基を表し;
Rbが水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcはアルキルまたはシクロアルキル基を表し、両者とも、自体がハロゲン原子並びにヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される1以上の基で任意に置換される、基ヒドロキシル、アルコキシ、NR1R2およびフェニルから選択される1以上の基で任意に置換され;
Rdは水素原子またはアルキル基を表し;
NR1R2は:R1およびR2は同一であるか、または異なり、R1およびR2の一方は水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2の他方は水素原子または、自体が任意に置換されるヒドロキシル、アルコキシ、NR3R4もしくはフェニル基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
NR3R4は:同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は、水素原子または、ヒドロキシルもしくはアルコキシ基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;またはR3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基は、これが含有する可能性のあるNHを含めて、任意に置換されるものであり;
R1およびR2またはR3およびR4が、それぞれ、これらが結合する窒素原子と共に形成することができる環状基は、請求項1および2のいずれか一方において定義される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換され;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有する、
請求項1または2において定義される式(I)の生成物であって、
すべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある前記式(I)の生成物。
【請求項4】
Raが水素原子;ハロゲン原子;または、ハロゲン原子およびアルキル基から選択される1以上の基で任意に置換される、フェニル基;または、ピペリジル基もしくは、これ自体ヒドロキシ基で任意に置換される、アルキル基もしくはテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ基で任意に置換される、ピラゾリル基を表し;
Rbが水素原子、−CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcは、ヒドロキシル、アルコキシおよびNR1R2基から選択される1以上の基で任意に置換される、アルキルまたはシクロアルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2は、水素原子もしくは、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換される、アルキル基を表し;または、R1およびR2は、これらが結合する窒素原子と共に、4から7員環および、任意に、O、S、NおよびNHから選択される別のヘテロ原子を含有する環状基を形成し、この基はアルキル、フェニルもしくは−CH−フェニル基で任意に置換され、後者の基はこれら自体ハロゲン原子並びにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、NH、NHalkおよびN(alk)基から選択される同一であっても異なっていてもよい1以上の基で任意に置換されるものであり;
上述のすべてのアルキル(alk)またはアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有する、
請求項1から3のいずれか一項において定義される式(I)の生成物であって、
すべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある前記式(I)の生成物。
【請求項5】
Raが水素原子;ヨウ素原子;ハロゲン原子およびメチル基から選択される1もしくは2の基で任意に置換されるフェニル基;またはピペリジル基もしくは、自体がヒドロキシル基もしくはテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ基で任意に置換される、エチル基で任意に置換されるピラゾリル基を表し;
Rbが水素原子、CO−Rc基または−CO−NRcRd基を表し;
ここで、Rcは、アルコキシもしくはNR1R2基で任意に置換される、シクロプロピル基またはアルキル基を表し;
Rdは水素原子を表し;
NR1R2は:同一であっても異なっていてもよいR1およびR2が水素原子もしくはアルキル基を表し;またはR1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、第2窒素原子上でアルキル基で任意に置換される、モルホリニルもしくはピペラジニル基を形成するものであり;
上述のアルキルおよびアルコキシ基は1から4個の炭素原子を含有する、
請求項1から4のいずれか一項において定義される式(I)の生成物であって、
すべての可能性のあるラセミ、鏡像異性体およびジアステレオ異性体形態並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩の状態にある前記式(I)の生成物。
【請求項6】
以下の式に相当する、他の請求項のいずれか一項において定義される式(I)の生成物:
N−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]シクロプロパンカルボキサミド
1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
1−(2−メトキシエチル)−3−[6−([1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル]尿素
6−[(6−ヨード[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル)スルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−{6−[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルスルファニル]−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}シクロプロパンカルボキサミド
6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
N−(6−{[6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−((3−フルオロ−4−メチル)フェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(3−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
N−(6−{[6−(1−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾル−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド
並びに、その上、前記式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩。
【請求項7】
他の請求項のいずれか一項において定義される式(I)の生成物の調製方法であって、以下に定義されるスキーム1:
【化2】

(置換基RaおよびRbは請求項1から5のいずれか一項において示される意味を有する。)に従う方法。
【請求項8】
他の請求項のいずれか一項において定義される式(I)の生成物の調製方法であって、以下に定義されるスキーム2:
【化3】

(置換基RaおよびRbは請求項1から5のいずれか一項において示される意味を有する。)に従う方法。
【請求項9】
他の請求項のいずれか一項において定義される式(I)の生成物の調製方法であって、以下に定義されるスキーム3:
【化4】

(置換基RaおよびRcは請求項1から5のいずれか一項において示される意味を有する。)に従う方法。
【請求項10】
医薬としての、請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物並びに、その上、前記式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩。
【請求項11】
医薬としての、請求項6において定義される式(I)の生成物並びに、その上、前記式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩。
【請求項12】
活性成分として、少なくとも1種類の請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物またはこの生成物の医薬的に許容し得る塩もしくはこの生成物のプロドラッグおよび医薬的に許容し得る担体を含有する医薬組成物。
【請求項13】
METプロテインキナーゼおよびこれらの突然変異形態の活性の阻害において用いるための医薬の調製への、請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物またはこれらの生成物の医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項14】
プロテインキナーゼが細胞培養物中に存在する、請求項13において定義される使用。
【請求項15】
以下の群:血管増殖障害、繊維性障害、「メサンギウム」細胞増殖障害、代謝性障害、アレルギー、喘息、血栓症、神経系疾患、網膜症、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、筋肉変性および癌から選択される疾患の治療または予防において用いるための医薬の調製への、請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物の使用。
【請求項16】
癌の治療において用いるための医薬の調製への、請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物の使用。
【請求項17】
固形または液性腫瘍の治療への、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
細胞毒性剤に耐性である癌の治療への、請求項16または17に記載の使用。
【請求項19】
一次腫瘍および/または転移、特に、胃、肝臓、腎臓、卵巣、直腸、前立腺および肺(NSCLCおよびSCLC)癌、グリア芽種、甲状腺、膀胱または乳癌、黒色腫、リンパ腫または骨髄造血性腫瘍、肉腫、脳、咽頭またはリンパ系腫瘍、骨癌および膵臓癌の治療への、請求項16および17のいずれか、または両者に記載の使用。
【請求項20】
癌化学療法において用いるための医薬の調製への、請求項1から6において定義される式(I)の生成物の使用。
【請求項21】
癌化学療法において単独で、または組み合わせて用いるための医薬の調製への、請求項1から6において定義される式(I)の生成物の使用。
【請求項22】
キナーゼ阻害剤としての請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物。
【請求項23】
MET阻害剤としての請求項1から6のいずれか一項において定義される式(I)の生成物。
【請求項24】
新規工業生成物としての、上記請求項7、8および9において定義され、並びに以下に示す、式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(H)、(L)、(L1)、(J)および(K)の合成中間体:
【化5】

(式中、Ra、RbおよびRcは請求項1から5のいずれか一項において示される定義を有し、並びにRはt−ブチルまたはフェニル基を表す。)。

【公表番号】特表2011−528337(P2011−528337A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517978(P2011−517978)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051406
【国際公開番号】WO2010/007316
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】