説明

新規ヘテロ環化合物およびその使用

本発明は、血液脳関門を通過し、β−アミロイドの形成および蓄積を阻害し、そして神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置に有用である、式(I):


の化学化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。さらに、本発明の化合物は、特定のキナーゼを阻害し、そのために、中枢神経系の癌を処置するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国仮特許出願第60/933,828号(2007年6月7日出願)(言及することによってその全体が組み込まれる)の優先権を主張している。
【0002】
本発明の分野
本発明は、新規のヘテロ環、その医薬組成物および使用方法に関する。さらに、本発明は、血液脳関門を通過し、β−アミロイドの形成および蓄積を阻害する治療方法に関する。従って、本発明の化合物および組成物は、神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置に有用である。さらに、本発明の化合物は、特定のキナーゼを阻害し、そのために、中枢神経系の癌の処置に有用である。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
理論に束縛されることなく、アルツハイマー病(“AD”)の病理には、β−アミロイド前駆体蛋白質(アルツハイマー病関連前駆体蛋白質または“APP”)の代謝物であるアミロイド−β(“Aβ”)が関与していると考えられており、また、ADの主要な病理学的決定要因であると考えられている。これらのペプチドは、主に、40および42のアミノ酸からなり、それぞれAβ1−40(“Aβ40”)またはAβ1−42(“Aβ42”)である。Aβ40およびAβ42は、APPのC末端近くで起こる2個の酵素開裂によって生じる。開裂を行う酵素であるβ−セクレターゼおよびγ−セクレターゼは、それぞれAβのN末端およびC末端を作る。Aβのアミノ末端は、APPのメチオニン残基596とアスパラギン酸残基597の間のβ−セクレターゼ開裂によって形成される(番号は、APP695アイソフォームに基づく。)。γ−セクレターゼは、このβ−セクレターゼ開裂生成物のC末端を、種々の位置で、すなわち38残基、40残基または43残基で開裂し、Aβペプチドを遊離させる。第3の酵素であるα−セクレターゼは、Aβとγ開裂位置の間で前駆体蛋白質を開裂し、その結果、Aβ生成を妨げ、P3として知られる非病理学的な約3kDaのペプチドを遊離させる。β−セクレターゼおよびα−セクレターゼの双方の開裂が、それぞれsAPPβおよびsAPPαとして知られる、APPの可溶性の分泌性末端フラグメントを与える。sAPPαフラグメントは、神経保護性があることが示唆されている。これらのセクレターゼはまた、他の重要な蛋白質のプロセシングに関与し得る。例えば、γ−セクレターゼはまた、Notch-1蛋白質を開裂する。
【0004】
Aβ形成および/または蓄積を選択的に阻害する薬物は、従って、アルツハイマー病の処置、管理および予防において興味深い。しかしながら、有用性を最大にするためには、それが、脳中の関連の作用部位に容易に送達され得ることが望ましい。脳は、多くの薬物様化合物が通過できない血液脳関門(“BBB”)と呼ばれる選択的な障壁によって、化学的な傷害から保護されている。
【0005】
国際特許公報 WO 03/057165 は、ある既知のチロシンキナーゼの阻害剤が、Aβの産生および蓄積を阻害するのに有用であることを開示している。このような化合物は、イマチニブを含む米国特許第5,521,184号に記載された化合物を含む。Netzer et al., Proc Natl Acad Sci., 100(21):12444-9(2003) は、イマチニブが、Notch-1のγ−セレクターゼによる開裂に影響を及ぼすことなく、かつ神経に対して許容されない毒性を示すことなく、Aβの産生を阻害することを示した。アルツハイマー病の処置または予防のためにイマチニブを使用する主な欠点は、しかしながら、イマチニブがP−糖蛋白質系によって脳から能動的に排出され、それによって、高濃度の本化合物を脳に蓄積することが妨げられるために、この化合物のBBBの通過が不十分であることである。従って、イマチニブは、一般的に、中枢神経系の癌の処置に用いられない。
【0006】
国際特許公報 WO 05/072826 には、病原体感染を処置するための、チロシンキナーゼ阻害剤の組成物および使用方法が記載されている。J. Zimmermann et al., Bioorganic & Medicinal Chem. Lett., 7(2):187-192 には、ABL−キナーゼの強力かつ選択的な阻害剤であるフェニルアミノピリミジン(PAP)誘導体が記載されている。国際特許公報 EP 1 533 304 には、アミド誘導体が記載されている。国際特許公報 WO 04/005281 には、チロシンキナーゼ阻害剤が記載されている。国際特許公報 WO 05/039586 には、アミロイド関連障害を処置するための、ピリジニル−ピリミジニルアミノ−ベンズアミド誘導体の使用が記載されている。米国特許第5,521,184号には、ピリミジン誘導体とその製造方法が記載されている。国際特許公報 WO 04/110452 には、置換フェニル化合物が記載されている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の概要
本発明は、血液脳関門を通過し、β−アミロイドの形成および蓄積を阻害し、神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置に有用である、式(I):
【化1】

の化合物を目的としている。さらに、本発明の化合物は、特定のキナーゼを阻害し、そのために、中枢神経系の癌を処置するのに有用である。
【0008】
本発明の詳細な説明
本発明の化合物は、遊離形または塩形の式(I):
【化2】

[式中、
はCHまたはNであり;
は、C1−6アルキル、C1−6シクロアルキル、またはアリールであり、これらは、所望によりアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、またはハロ基で置換されており;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、またはトリフルオロメチルであるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、5または6員のヘテロ環を形成し;
Yは、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、−NHCONH−、または−NHCH−であり;
Dは、5または6員のアリール、少なくとも1個のN、S、またはO環原子を有するか、またはオキソ(C=O)部分を形成する1個のC環原子を有するヘテロアリールまたはヘテロ環であり;ただし、A=Nであり、かつR=R=R=R=R=Hであり、かつR=CHであり、かつY=NHCOであるならば、Dは置換フェニル基ではなく;
は、C0−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロシクリル(C0−4アルキル)−、または−C0−6アルキル−N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)であり、これらは、所望によりC1−6アルキルで置換されている。]
によって表される化合物である。
【0009】
一つの局面において、本発明の化合物は、Yが−NHCO−であり、他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0010】
この局面の一つの態様において、本発明の化合物は、Yが−NHCO−であり;AがNであり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0011】
第2の局面において、本発明の化合物は、Yが−CONH−であり、他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0012】
第2の局面の一つの態様において、本発明の化合物は、Yが−CONH−であり;AがNであり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0013】
第2の局面の別の態様において、本発明の化合物は、Yが−CONH−であり;AがNであり;RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、5または6員のヘテロ環を形成し;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0014】
第2の局面の別の態様において、本発明の化合物は、Yが−CONH−であり;AがCであり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0015】
第3の局面において、本発明の化合物は、Yが−NHSO−であり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0016】
第4の局面において、本発明の化合物は、Yが−NHCONH−であり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0017】
第5の局面において、本発明の化合物は、Yが−NHCH−であり;他の可変基が式Iについて上で定義した通りである、遊離形または塩形の式Iによって表される化合物である。
【0018】
本発明の別の局面において、本発明の化合物は、遊離形または塩形の次に示す化合物から選択される:
【化3】

【化4】

【化5】

【0019】
従って、本発明は、遊離形または塩形の次に示す化合物を提供する:
1.1 AがCHまたはNである式Iの化合物;
1.2 AがCHである式Iまたは1.1の化合物;
1.3 AがNである式Iまたは1.1の化合物;
1.4 RがC1−6アルキル、C1−6シクロアルキルまたはアリールであり、これらは所望によりアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシまたはハロ基で置換されている、式Iまたは1.1、1.2または1.3の化合物;
1.5 Rが、所望によりアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシまたはハロ基で置換されているアリールである、式Iまたは1.1−1.4の何れかの化合物;
1.6 Rがアリールである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.7 Rがフェニルである、式Iまたは1.1−1.6の何れかの化合物;
1.8 Rが、所望によりアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシまたはハロ基で置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.9 Rが、所望によりハロ(例えばクロロ、フルオロ)で置換されているアリールである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.10 Rが、所望によりハロ(例えばクロロ、フルオロ)で置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.9の何れかの化合物;
1.11 Rが、所望によりクロロおよびフルオロで置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.9−1.10の何れかの化合物;
【0020】
1.12 Rが3−クロロ−2−フルオロフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.9−1.11の何れかの化合物;
1.13 Rが所望によりハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)で置換されているアリールである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.14 Rが所望によりハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)で置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.13の何れかの化合物;
1.15 Rが、所望によりトリフルオロメチルで置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.13−1.14の何れかの化合物;
1.16 Rが4−トリフルオロメチルフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.13−1.15の何れかの化合物;
1.17 Rが、3−トリフルオロメチルフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.13−1.15の何れかの化合物;
1.18 Rが、所望によりアルキル(例えばメチル)で置換されているアリールである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.19 Rが、所望によりアルキル(例えばメチル)で置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.18の何れかの化合物;
1.20 Rが、所望によりメチルで置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.18−1.19の何れかの化合物;
1.21 Rが4−メチルフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.18−1.20の何れかの化合物;
1.22 Rが、所望によりアルコキシ(例えばメトキシ)で置換されているアリールである、式Iまたは1.1−1.5の何れかの化合物;
1.23 Rが、所望によりアルコキシ(例えばメトキシ)で置換されているフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.22の何れかの化合物;
【0021】
1.24 Rが4−メトキシフェニルである、式Iまたは1.1−1.5または1.22−1.23の何れかの化合物;
1.25 RがC1−6アルキル(例えばエチル)である、式Iまたは1.1−1.4の何れかの化合物;
1.26 Rがエチルである、式Iまたは1.1−1.4または1.25の何れかの化合物;
1.27 R、R、R、R、RおよびRが、独立して、水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシまたはトリフルオロメチルである、式Iまたは1.1−1.26の何れかの化合物;
1.28 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.27の何れかの化合物;
1.29 Rがトリフルオロメチルである、式Iまたは1.1−1.28の何れかの化合物;
1.30 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.28の何れかの化合物;
1.31 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.30の何れかの化合物;
1.32 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.31の何れかの化合物;
1.33 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.32の何れかの化合物;
1.34 RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、5または6員のヘテロ環を形成している、式Iまたは1.1−1.31の何れかの化合物;
1.35 RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、5員のヘテロ環を形成している、式Iまたは1.1−1.31または1.34の何れかの化合物;
【0022】
1.36 RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、テトラヒドロフランを形成している、式Iまたは1.1−1.31または1.34−1.35の何れかの化合物;
1.37 RがC1−4アルキル(例えばメチル)である、式Iまたは1.1−1.36の何れかの化合物;
1.38 Rがメチルである、式Iまたは1.1−1.37の何れかの化合物;
1.39 Rがハロである、式Iまたは1.1−1.36の何れかの化合物;
1.40 Rがフルオロである、式Iまたは1.1−1.36または1.39の何れかの化合物;
1.41 Rが水素である、式Iまたは1.1−1.36の何れかの化合物;
1.42 Yが、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、−NHCONH−または−NHCH−である、前述の何れかの化合物;
1.43 Yが−NHCO−である、式Iまたは1.1−1.42の何れかの化合物;
1.44 Yが−CONH−である、式Iまたは1.1−1.42の何れかの化合物;
1.45 Dが、5または6員のアリール、少なくとも1個のN、SまたはO環原子を有するか、またはオキソ(C=O)部分を形成する1個のC環原子を有するヘテロアリールまたはヘテロ環であって;ただし、A=Nであり、R=R=R=R=R=Hであり、R=CHであり、かつY=NHCOであるならば、Dは、置換フェニル基ではない、前述の何れかの化合物;
1.46 Dがアリールである、式Iまたは1.1−1.45の何れかの化合物;
1.47 Dがフェニルである、式Iまたは1.1−1.46の何れかの化合物;
【0023】
1.48 Rが、C0−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロシクリル(C0−4アルキル)−または−C0−6アルキル−N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)であり、これらは、所望によりC1−6アルキルで置換されている、前述の何れかの化合物;
1.49 Rがヘテロシクリル(C0−4アルキル)−であり、所望によりC1−6アルキルで置換されている、前述の何れかの化合物;
1.50 Rが、ピペリジン−1−イルメチルまたは(ピロリジン−1−イル)エチルである、前述の何れかの化合物;
1.51 Rが、(ピペラジン−1−イル)メチルであり、所望によりC1−6アルキルで置換されている、式Iまたは1.1−1.49の何れかの化合物;
1.52 Rが、(ピペラジン−1−イル)メチルであり、所望によりメチルで置換されている、式Iまたは1.1−1.49または1.51の何れかの化合物;
1.53 Rが4−メチル(ピペラジン−1−イル)メチルである、式Iまたは1.1−1.49または1.52の何れかの化合物;
【0024】
1.54
【化6】

【化7】

【化8】

から選択される、前述の何れかの化合物;
【0025】
1.55 当該化合物が、
【化9】

である、前述の何れかの化合物;
1.56 当該化合物が、
【化10】

である、前述の何れかの化合物。
【0026】
用語“アルキル”は、直鎖および分枝鎖のアルキル基を含む。個々のアルキル基、例えば“プロピル”という記載は、直鎖のもののみに特定され、個々の分枝鎖のアルキル基、例えば‘イソプロピル’という記載は、分枝鎖のもののみに特定される。例えば、“C1−6アルキル”は、C1−4アルキル、C1−3アルキル、プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルを含む。同様の取り決めは他の基に適用され、例えば“フェニルC1−6アルキル”は、フェニルC1−4アルキル、ベンジル、1−フェニルエチルおよび2−フェニルエチルを含む。“Cアルキル”は、Cアルキルが末端であるとき水素末端を言い、“Cアルキル”が架橋(結合)しているとき直接結合を言う。用語“C0−6アルキル”は、例えば、“C1−6アルキル”の定義の範囲に“Cアルキル”を加えたものを言う。従って、“C1−6アルキル”について許容される置換基は、“C0−6アルキル”の範囲内の“C1−6アルキル”について許容されると理解される。
【0027】
用語“ハロ”は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを言う。
【0028】
所望の置換基が、例えば“1〜5個の独立した”置換基が、置換基のリストから選択されるとき、この定義は、全ての置換基がリスト中の1個の特定の基から選択されるか、または複数の置換基がリスト中の2個以上の特定の基から選択される場合を含むと理解されるべきである。置換基が分子(親)の名前を用いて再度引用されるとき、置換基は、当該親分子の基であると理解される。
【0029】
“アリール”は、当業者によって十分に理解され、フェニルおよびナフチルを含む。
【0030】
“ヘテロアリール”は、少なくとも1個の窒素、硫黄または酸素環原子を含む、4〜12員の完全に不飽和な、または部分的に不飽和なヘテロ環状単環式または二環式環であり、特記しない限り、−CH−基は、所望により−C(O)−によって置き換えられ得る。このようなヘテロアリールの例は、インドリル、ピリジル、フリル、チエニル、ピラニル、ピロリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾール−2−オン、ベンゾピリダジン−ジオン、ピリジン N−オキシド、およびキノリン N−オキシドを含む。
【0031】
“ヘテロシクリル”(ヘテロ環)は、少なくとも1個の窒素、硫黄または酸素環原子を含む4〜12個の原子を含む、飽和の単環式または二環式環である。このような“ヘテロシクリル”の例は、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリノ、ピペリジル、およびピペラジニルを含む。
【0032】
“C1−6アルコキシ”の例は、メトキシ、エトキシおよびプロポキシを含む。
【0033】
“−(C0−6アルキル)−N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)”の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、ジ−N−メチルアミノ、ジ−(N−エチル)アミノ、およびN−エチル−N−メチルアミノを含む。
【0034】
本発明の化合物の適当な塩は、例えば、本発明の化合物が十分に塩基性であれば本発明の化合物の酸付加塩であり、例えば、無機酸または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸との酸付加塩である。さらに、本発明の化合物が十分に酸性であれば、本発明の化合物の適当な塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩であるか、あるいは、生理学的に許容されるカチオンを与える有機塩基との塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリンまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンとの塩である。
【0035】
特定の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物は、溶媒和物、例えば水和物、および非溶媒和物として存在し得ると理解されるべきである。本発明は、β−アミロイドの形成および蓄積を阻害する全ての溶媒和物の形態を含むと理解されるべきである。
【0036】
可変基の特定の基は、次に示す通りである。このような基は、前記または後記で定義された定義、請求項または態様の何れかについて適切なものを用いられ得る。本発明のさらなる局面に従って、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、前に定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む、医薬組成物が提供される。
【0037】
該組成物は、例えば錠剤またはカプセル剤として経口投与に適切な形態であっても、滅菌処理された溶液、懸濁液またはエマルジョンとして非経腸投与(静脈内、皮下、筋肉内、血管内注射、または点滴を含む)に適切な形態であっても、軟膏またはクリームとして局所投与に適切な形態であっても、あるいは、坐剤として直腸投与に適切な形態であってもよい。
【0038】
一般的に、上記の組成物は、慣用の賦形剤を用いて、慣用の方法で製造され得る。
【0039】
式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物は、通常、温血動物に、1〜1000mg/kgの範囲の単位投与で投与され、これが、通常治療有効量を提供する。好ましくは、10〜100mg/kgの範囲の1日投与量が用いられる。しかしながら、1日投与量は、処置される宿主、特定の投与経路、処置される疾患の重症度に依存して、必ず変化する。従って、最適な投与量は、何れかの特定の患者を処置する開業医によって決定され得る。
【0040】
本発明のさらなる局面に従って、治療によるヒトまたは動物の処置方法に使用するための、前に定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物が提供される。
【0041】
我々は、本発明で定義した化合物またはその薬学的に許容される塩が、血液脳関門を通過し、β−アミロイドの形成および蓄積を阻害することを見出した。従って、本発明の化合物は、神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置に有用である。
【0042】
我々は、本発明で定義した化合物またはその薬学的に許容される塩が、特定のキナーゼを阻害し得ることを見出した。従って、本発明の化合物は、中枢神経系の癌の処置に有用である。
【0043】
従って、本発明のこの局面によると、医薬として使用するための、前で定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物が提供される。
【0044】
本発明のさらなる局面に従って、温血動物、例えばヒトにおいて、β−アミロイドの形成および蓄積の阻害に使用する医薬の製造における、前で定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物の使用が提供される。
【0045】
本発明の1つの局面に従って、温血動物、例えばヒトにおいて、血液脳関門を通過して、特定のキナーゼの阻害を起こすのに使用する医薬の製造における、前で定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物の使用が提供される。
【0046】
本発明のさらなる特徴に従って、神経系および脳の癌の処置に使用する医薬の製造における、前で定義した遊離形または塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物の使用が提供される。
【0047】
本発明のこの局面のさらなる特徴に従って、処置を必要とする温血動物、例えばヒトにおいて、異常な蛋白質凝集体の蓄積に対して阻害効果を生じさせる方法であって、該動物に、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を投与することを含む方法が提供される。
【0048】
さらに、本発明の化合物、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、または1.1〜1.56の何れかの化合物は、特に脳における異常な蛋白質凝集体の蓄積によって特徴付けられる疾患、例えば、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、および/またはタウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの異常な発現または蓄積に関連した血管障害、神経学的障害および/または神経変性障害の処置、制御および管理に有用である。このような異常な蛋白質凝集体は、例えばi)アミロイド・プラークおよび神経原繊維濃縮体、および、ii)タウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの沈殿物を含む。
【0049】
従って、本発明は、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、および/またはタウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの異常な発現または蓄積に関連した血管障害、神経学的障害および/または神経変性障害の処置方法を提供する。このような方法は、それを必要とする患者に、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を投与することを含む。
【0050】
さらに、本発明は、過剰増殖性疾患、特に、星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、および下垂体腺腫を含む、脳または中枢神経系の癌の処置方法を提供する。このような方法は、それを必要とする患者に、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を投与することを含む。
【0051】
本発明はまた、キナーゼ、例えばc-Ab1、BCR-Ab1、ARG、c-Src、c-Kit、FAK、Trk、EGFR、VEGFR、Tie-2、c-Met、FGFR-1、Flt-1、Her-2、c-Raf、 PDGFR、PDGFR-beta、MAPK、PKA、PKC、PKCα、PKCδ、CDK5、GSK-3、またはJNKの発現または活性の機能障害、特にCNS細胞中のキナーゼの過剰発現または過剰活性によって特徴付けられる疾患の処置方法であって、有効量の遊離形または塩形の本発明の化合物を、それを必要とするヒトまたは動物の患者に投与することを含む方法を提供する。本発明の方法に有用な本発明の化合物または組成物は、遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む。
【0052】
本発明のさらなる局面において、特に脳における異常な蛋白質凝集体の蓄積によって特徴付けられる疾患、例えばアルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、および/またはタウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの異常な発現または蓄積に関連した血管障害、神経学的障害および/または神経変性障害の処置、制御および管理に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、前に定義した遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む医薬組成物が提供される。このような異常な蛋白質凝集体は、例えば、i)アミロイド・プラークおよび神経原繊維濃縮体、および、ii)タウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの沈殿物を含む。
【0053】
本発明のさらなる局面において、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、および/または、タウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの異常な発現または蓄積に関連した血管障害、神経学的障害および/または神経変性障害の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、前に定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0054】
該処置方法は、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病、および/または、タウ蛋白質またはアミロイド蛋白質、例えばAβの異常な発現または蓄積に関連した血管障害、神経学的障害および/または神経変性障害を処置するための他の治療化合物と共に、遊離形または塩形の本発明の化合物、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を投与することを含む。
【0055】
このような併用処置は、個々の処置成分を、同時に、連続して、または別個に投与することによって達成され得る。このような組み合わせ製品は、前記の用量範囲内の本発明の化合物と、承認された用量範囲内の他の薬学的に活性な薬物を用いる。
【0056】
治療薬におけるその使用に加えて、式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物およびその薬学的に許容される塩はまた、新規治療薬の捜索の一部として、特に脳における異常な蛋白質凝集体の蓄積の阻害効果を評価するための、in vitroおよびin vivo試験系の開発および標準化における薬理学的ツールとして有用である。
【0057】
本発明のさらなる局面において、過剰増殖性疾患、特に、星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、および下垂体腺腫を含む、脳または中枢神経系の癌の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、前に定義した遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0058】
本発明のさらなる局面において、星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、および下垂体腺腫の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、遊離形またはその薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0059】
該処置方法は、遊離形または塩形の本発明の化合物、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物を、特に星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫および下垂体腺腫を含む脳または中枢神経系の癌を処置するための他の治療化合物と共に投与することを含む。
【0060】
このような併用処置は、個々の処置成分を、同時に、連続して、または別個に投与することによって達成され得る。このような組み合わせ製品は、前記の用量範囲内の本発明の化合物と、承認された用量範囲内の他の薬学的に活性な薬物を用いる。
【0061】
治療薬におけるその使用に加えて、遊離形または薬学的に許容される塩形の式(I)、例えば1.1〜1.56の何れかの化合物はまた、新規治療薬の捜索の一部として、キナーゼ、例えばc-Ab1、BCR-Ab1、ARG、c-Src、c-Kit、FAK、Trk、EGFR、VEGFR、Tie-2、c-Met、FGFR-1、Flt-1、Her-2、c-Raf、 PDGFR、PDGFR-beta、MAPK、PKA、PKC、PKCα、PKCδ、CDK5、GSK-3、またはJNKの発現または活性の機能障害、特にCNS細胞におけるキナーゼの過剰発現または過剰活性の効果を評価するための、in vitroおよびin vivo試験系の開発および標準化における薬理学的ツールとして有用である。
【0062】
上記の他の医薬組成物、プロセス、方法、使用および医薬製剤において、本明細書で記載された本発明の化合物の代替物および好ましい態様もまた適用される。
【0063】
実施例
本発明は、下記の非限定的実施例によって説明される。特記しない限り、
(i) 温度は、摂氏(℃)で示される;操作は、18〜25℃の範囲の温度である室温または環境温度(“rt”)で行った;
(ii) 有機溶液は、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた;溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを用いて、減圧下(600〜4000Pascals;4.5〜30mmHg)で、60℃までの浴温度で行う;
(iii) 一般的に反応の推移はTLCによって追跡し、反応時間は例示のためにのみ示す;
(iv) 最終生成物は、満足のいくプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルデータを有した;
(v) 収率は例示のためのみに示し、必ずしも入念なプロセス開発によって得られるものではない;より多くの物質が必要ならば、製造を繰り返した;
(vii) 示されたときは、NMRデータは、主要な示性プロトンについてのδ値の形態であり、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率で示し、400MHzで、特記しない限り重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を溶媒として用いて測定した;
(vii) 化学記号は、その通常の意味を有する;SI単位系および記号を用いる;
(viii) 溶媒比は、容積:容積(v/v)で示される;
(ix) 質量スペクトルは、70eVの電子エネルギーで、化学イオン化(CI)モードで、直接曝露プローブを用いて測定した;示されるとき、イオン化は、電子衝撃(EI)、高速原子衝撃(FAB)またはエレクトロスプレー(ESP)によって行われる;m/zの値が示される;一般的に、親マスを示すイオンのみが報告される;特記しない限り、記載されたマス・イオンは[MH]である;
【0064】
(x) 合成が、先の例で記載された方法と類似の方法であると記載されるとき、用いられる量は、先の実施例で用いられたミリモル比と同じミリモル比である;
(xi) 下記の略号を用いた:
【表1】

(xii) “ISCO”は、ISCO, Inc (4700 superior street Lincoln, NE, U.S.A.)から得られる製造者の指示書に従って用いられる、12gおよび40gの予め充填されたシリカゲル・カートリッジを用いた順相フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーを言う。
【実施例】
【0065】
実施例1:
N−(3−(4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
【化11】

【0066】
(a) N−(3−ブロモフェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
DIEA(433μl, 2.49mmol)を、DMF(2ml)中の、3−ブロモベンゼンアミン(90.3μl, 0.829mmol)、4−(ピペリジン−1−イルメチル)安息香酸(200mg, 0.912mmol)、BOP(477mg, 1.08mmol)の懸濁液に加えた。該反応混合物を、室温で、アルゴン雰囲気下で、一夜撹拌した。該反応混合物を、5gのシリカ充填カートリッジに負荷した。カートリッジ中の溶媒を真空下で乾燥させた後、カートリッジを精製のためにICSO系に置いた(収率:80%)。
MS (ESI+) m/z 373.0 [M+H]+.
【0067】
(b) N−(3−(4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
N−(3−ブロモフェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド(20mg, 0.054mmol)および4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミン(18mg, 0.080mmol)、KOBu(12mg, 0.11mmol)、Pd(dba)(2.5mg, 0.027mmol)およびXantphos(2.5mg, 0.043mmol)の混合物を、マイクロ波反応容器中で、0.6mlのトルエンに懸濁した。該反応混合物を、マイクロ波中、150℃で1時間加熱した。冷却後、該混合物をDMFで希釈し、次いで、0.45μmマイクロフィルターで濾過した。得られた濾液をセミ分取HPLCによって分離した。集めた生成物のフラクションを凍結乾燥し、純粋な生成物を白色の粉末として得た。
MS (ESI+) m/z 516.2 [M+H]+.
【0068】
実施例2
4−(ピペリジン−1−イルメチル)−N−(3−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化12】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 532.1 [M+H]+.
【0069】
実施例3
4−(ピペリジン−1−イルメチル)−N−(3−(4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化13】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 456.2 [M+H]+.
【0070】
実施例4
4−メチル−N−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
【化14】

【0071】
(a) 4−メチル−3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)安息香酸メチル
4−フェニルピリミジン−2−アミン(100mg, 0.58mmol)および3−ブロモ−4−メチル安息香酸メチル(111mg, 0.48mmol)、CsCO(221mg, 0.68mmol)、Pd(dba)(22mg, 0.024mmol)およびXantphos(22mg, 0.039mmol)の混合物を、マイクロ波反応容器中で、5mlのトルエンに懸濁した。該反応混合物を、マイクロ波中で、130℃で30分間、次いで180℃で30分間加熱した。冷却後、該混合物をISCO系によって精製し、80mgの生成物を得た(収率:43%)。
MS (ESI+) m/z 320.1 [M+H]+.
【0072】
(b) 3−ブロモ−4−メチル安息香酸
1mlの2.5N NaOHを、メタノール(1ml)中の4−メチル−3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)安息香酸メチル(80mg, 0.25mmol)の溶液に加えた。該反応混合物を40℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣を5mlの水で処理し、次いでpH=4に調節した。得られた懸濁液をジクロロメタンで3回抽出した。有機相を合わせて、蒸発させて溶媒を除去し、40mgの生成物を白色の粉末として得た(収率:53%)。
MS (ESI+) m/z 306.2 [M+H]+.
【0073】
(c) 4−メチル−N−(4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)フェニル)−3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
DIEA(50μl, 0.204mmol)を、DMF中の、3−ブロモ−4−メチル安息香酸(15μmg, 0.049mmol)、4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ベンゼンアミン(9mg, 0.04mmol)、BOP(25mg, 0.057mmol)の溶液に加えた。該反応混合物を、室温で、アルゴン雰囲気下で、一夜撹拌した。次いで、該反応混合物をセミ分取HPLCによって精製し、純粋な生成物を白色の粉末として得た。
MS (ESI+) m/z 493.2 [M+H]+.
【0074】
実施例5
N−(3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
【化15】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−フェニルピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 464.2 [M+H]+.
【0075】
実施例6
4−(ピペリジン−1−イルメチル)−N−(3−(4−p−トリルピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)ベンズアミド
【化16】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−p−トリルピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 478.3 [M+H]+.
【0076】
実施例7
N−(3−(4−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
【化17】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−(4−メトキシフェニル)ピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 494.2 [M+H]+.
【0077】
実施例8
N−(3−(4−フェニル−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−(ピペリジン−1−イルメチル)ベンズアミド
【化18】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−クロロ−2−フルオロフェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−フェニル−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−アミンを加えた、実施例1と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 494.2 [M+H]+.
【0078】
実施例9
4−メチル−3−(4−フェニルピリミジン−2−イルアミノ)−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド
【化19】

該合成方法は、段階(c)において、4−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)ベンゼンアミンの代わりに、4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ベンゼンアミンを加えた、実施例4と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 478.1 [M+H]+.
【0079】
実施例10
4−メチル−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−3−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
【化20】

【0080】
(a) 3−ブロモ−4−メチル−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド
DIEA(473μl, 2.72mmol)を、DMF中の、3−ブロモ−4−メチル安息香酸(189ml, 0.881mmol)、4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)ベンゼンアミン(140mg, 0.734mmol)、BOP(487mg, 1.01mmol)の溶液に加えた。該反応混合物を、室温で、アルゴン雰囲気下で、一夜撹拌した。該反応混合物をAcOEtで希釈し、次いで、1N NaOH水溶液で3回洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、蒸発させ、有機溶媒を除去した。得られた残渣を、さらに、高真空下で、一夜乾燥させ、粗生成物を得た。これを、さらに精製することなく次の合成段階に直接用いた。
MS (ESI+) m/z 387.0 [M+H]+.
【0081】
(b) 4−メチル−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−3−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
3−ブロモ−4−メチル−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド(59mg, 0.13mmol)および4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−アミン(31mg, 0.13mmol)、KOBu(22mg, 0.2mmol)、Pd(dba)(4.6mg, 0.005mmol)およびXantphos(4.6mg, 0.008mmol)の混合物を、マイクロ波反応容器中で、1mlのTHFに懸濁した。該反応混合物を、マイクロ波中、150℃で90分間加熱した。冷却後、該混合物をDMFで希釈し、次いで0.45μmミクロフィルターで濾過した。得られた濾液をセミ分取HPLCによって分離した。集めた生成物のフラクションを凍結乾燥し、純粋な生成物を白色の粉末として得た。
MS (ESI+) m/z 546.1 [M+H]+.
【0082】
実施例11
4−フルオロ−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−3−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
【化21】

該合成方法は、段階(a)において、3−ブロモ−4−メチル安息香酸の代わりに、3−ブロモ−4−フルオロ安息香酸を加えた、実施例10と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 550.0 [M+H]+.
【0083】
実施例12
4−メチル−3−(4−フェニルピリジン−2−イルアミノ)−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド
【化22】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−フェニルピリジン−2−アミンを加えた、実施例10と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 477.1 [M+H]+.
【0084】
実施例13
4−メトキシ−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−3−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンズアミド
【化23】

該合成方法は、段階(a)において、3−ブロモ−4−メチル安息香酸の代わりに、3−ブロモ−4−メトキシ安息香酸を加えた、実施例10と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 562.1 [M+H]+.
【0085】
実施例14
N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−5−(4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イルアミノ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド
【化24】

該合成方法は、段階(a)において、3−ブロモ−4−メチル安息香酸の代わりに、5−ブロモ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボン酸を加えた、実施例10と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 574.1 [M+H]+.
【0086】
実施例15
3−(4−エチルピリジン−2−イルアミノ)−4−メチル−N−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)ベンズアミド
【化25】

該合成方法は、段階(b)において、4−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−アミンの代わりに、4−エチルピリジン−2−アミンを加えた、実施例10と類似の方法である。
MS (ESI+) m/z 429.0 [M+H]+.
【0087】
実施例16 − N2a細胞アッセイ
N2a細胞におけるアミロイドβ(Aβ)産生の評価
N2a細胞におけるAβ産生に対する化合物の影響を、Netzer, W. J., Dou, F., Cai, D., Veach, D., Jean, S., Li, Y., Bornmann, W. G., Clarkson, B., Xu, H., and Greengard, P. (2003) Proc Natl Acad Sci U S A 100, 12444-12449に記載された通りに評価する。例示された本発明の化合物は、10μMの濃度で、24時間に亘って、少なくとも50%までアミロイドβを阻害する。
【0088】
実施例17 − 試験化合物の組織濃度を評価するためのマウスの脳/血漿分布アッセイ
C57bl/6 黒色マウスに、10mM DMSO溶液を用いて1mgの1回注射として、化合物を皮下投与する。2時間後または4時間後にマウスを屠殺する。抗凝固剤としてカリウム−EDTAを加えた管に体幹の血液を集め、5000×gで10分間遠心分離する。上部血漿相を細胞成分から傾斜する。20mM Tris−HCl、135mM NaCl、pH 7.4緩衝液と共に、全脳を超音波処理し、200mg/mL (w/v)のホモジネートを得る。脳ホモジネートまたは血漿を、2容積のアセトニトリルで抽出し、15,000×gで20分間遠心分離することによって澄明にする。HPLCによって、Sunfire(商標) C18 カラム(3.5ミクロン, 2.1×50mm)で、メタノールの濃度勾配で、15分かけて、0.1%蟻酸の移動相で、Waters Alliance 2695分離モジュールを用いて、抽出物を分離する。Micromass Quattro Micro トリプル四重極質量分析検出器によって、分離をモニターする。例えばZhao, M., et al. (2005) J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 819, 73-80; および Appels, N. M et al. (2005) Rapid Commun Mass Spectrom 19, 2187-2192 で以前に報告された方法と類似の方法によって、化合物の標準化を行う。
脳内濃度=測定値−血漿濃度の2%
B/P比=脳内濃度/血漿濃度
【0089】
例示された本発明の化合物は、このアッセイにおいて、投与後4時間で、0.6より大きいB/P比を有し、同時にイマチニブの脳内濃度が投与後4時間で0.1μM未満の脳内濃度であるのと比べて、例示された本発明の化合物は、投与後4時間で0.3μMより大きい脳内濃度を有し、本発明の化合物が、脳へ実質的により高い濃度で通過し、そして蓄積されることを証明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形または塩形の式(I):
【化1】

[式中、
は、CHまたはNであり;
は、C1−6アルキル、C1−6シクロアルキル、またはアリールであり、これらは、所望によりアルキル、ハロアルキル、アルキルオキシ、またはハロ基で置換されており;
、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、またはトリフルオロメチルであるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、5または6員のヘテロ環を形成し;
Yは、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、−NHCONH−、または−NHCH−であり;
Dは、5または6員のアリール、少なくとも1個のN、S、またはO環原子を有するか、またはオキソ(C=O)部分を形成する1個のC環原子を有するヘテロアリールまたはヘテロ環であり;ただし、A=Nであり、かつR=R=R=R=R=Hであり、かつR=CHであり、かつY=NHCOであるならば、Dは置換フェニル基ではなく;
は、C0−6アルキル、C3−7シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロシクリル(C0−4アルキル)−、または−C0−6アルキル−N(C0−6アルキル)(C0−6アルキル)であり、これらは、所望によりC1−6アルキルで置換されている。]
の化合物。
【請求項2】
遊離形または塩形の、
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

から選択される、請求項1に記載された化合物。
【請求項3】
遊離形または塩形の、
【化6】

である、請求項1または2に記載された化合物。
【請求項4】
遊離形または塩形の、
【化7】

である、請求項1または2に記載された化合物。
【請求項5】
薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項6】
医薬として使用するための、遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物。
【請求項7】
アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、またはプリオン病の処置に使用する医薬の製造における、遊離形または塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項8】
アルツハイマー病の処置に使用する医薬の製造における、遊離形または塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項9】
星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、または下垂体腺腫の処置に使用する医薬の製造における、遊離形または塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物の使用。
【請求項10】
異常な蛋白質凝集体の蓄積によって特徴付けられる疾患の処置、制御および管理に使用するための、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
脳における異常な蛋白質凝集体の蓄積によって特徴付けられる疾患の処置、制御および管理に使用するための、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、プリオン病の処置、制御および管理に使用するための、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項13】
アルツハイマー病の処置、制御および管理に使用するための、請求項12に記載された医薬組成物。
【請求項14】
タウ蛋白質またはアミロイド蛋白質の異常な発現または蓄積に関する血管障害、神経学的障害、または神経変性障害の処置、制御および管理に使用するための、有効量の遊離形または薬学的に許容される塩形の請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項15】
アミロイド・プラークの異常な蛋白質凝集体、神経原繊維濃縮体またはタウ蛋白質もしくはアミロイド蛋白質の沈殿物の処置、制御および管理に使用するための、有効量の、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項16】
過剰増殖性疾患の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項17】
脳または中枢神経系の癌の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体を組み合わせた、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項18】
星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、または下垂体腺腫の処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と組み合わせた、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1−4の何れか1項に記載された化合物を含む医薬組成物。
【請求項19】
異常な蛋白質凝集体の蓄積によって特徴付けられる1種以上の疾患を処置する、制御する、または管理する方法であって、それを必要とする患者に、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1〜4の何れか1項に記載された化合物を投与することを含む方法。
【請求項20】
該疾患が、アルツハイマー病、進行性核上麻痺、ダウン症、記憶および認識障害、認知症、アミロイド神経障害、脳炎、神経および脳の外傷、血管性アミロイド症、アミロイド症を伴う脳出血、パーキンソン病、ハンチントン病、およびプリオン病からなる群から選択される、請求項19に記載された方法。
【請求項21】
該疾患または障害が、アルツハイマー病である、請求項19または20に記載された方法。
【請求項22】
1種以上の過剰増殖性疾患を処置する方法であって、それを必要とする患者に、遊離形または薬学的に許容される塩形の、請求項1〜4の何れか1項に記載された化合物を投与することを含む方法。
【請求項23】
星状細胞腫、髄芽腫、乏突起神経膠腫、神経膠芽腫、神経膠腫、上衣腫、髄膜腫、肉腫、胚細胞性腫瘍、松果体腫、頭蓋咽頭腫、および下垂体腺腫からなる群から選択される、請求項22に記載された方法。

【公表番号】特表2010−529131(P2010−529131A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511207(P2010−511207)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/007146
【国際公開番号】WO2008/153959
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(507401225)イントラ−セルラー・セラピーズ・インコーポレイテッド (21)
【氏名又は名称原語表記】INTRA−CELLULAR THERAPIES, INC.
【Fターム(参考)】