新規リポソーム組成物
本発明は,脂質含有組成物,例えば,薬剤を封入した標的化リポソーム,およびその医薬処方物,ならびに,脂質含有組成物を製造および使用する方法,例えば,標的化リポソームを癌および他の疾病の治療において使用する方法を提供する。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,封入されている薬剤または標識された化合物,および任意に少なくとも1つの追加の脂質を含む標的化リポソームであって,
ここで,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化1】
で表され,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化2】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,アシル基であり,および
mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
リポソームは誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,かつ標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする標的化リポソーム。
【請求項2】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項3】
少なくとも1つの追加の脂質が,コレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項2記載の標的化リポソーム。
【請求項4】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項5】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項6】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項7】
ホスファチジルコリンは飽和脂肪酸の成分を含む,請求項6記載の標的化リポソーム。
【請求項8】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項6記載の標的化リポソーム。
【請求項9】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項7記載の標的化リポソーム。
【請求項10】
少なくとも1つの追加の脂質は,コレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項9記載の標的化リポソーム。
【請求項11】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項10記載の標的化リポソーム。
【請求項12】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項10記載の標的化リポソーム。
【請求項13】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項14】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項13記載の標的化リポソーム。
【請求項15】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項14記載の標的化リポソーム。
【請求項16】
トランスフェリンはホロ形でありアポ形ではない,請求項15記載の標的化リポソーム。
【請求項17】
リポソームの平均直径が約50nm−約250nmである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項18】
R1,R2,R5およびR6は,オレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびpは3である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項19】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPCまたはDSPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在し,これはコレステロールである,請求項18記載の標的化リポソーム。
【請求項20】
mおよびpはそれぞれ独立して,2−4の整数である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項21】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項22】
mおよびpは等しく,3である,請求項21記載の標的化リポソーム。
【請求項23】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項24】
R1とR2は同じであり,R5とR6は同じである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項25】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項26】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項18記載の標的化リポソーム。
【請求項27】
薬剤が存在する,請求項26記載の標的化リポソーム。
【請求項28】
薬剤はオキザリプラチンである,請求項27記載の標的化リポソーム。
【請求項29】
少なくとも1つの追加の脂質が存在し,これはコレステロールである,請求項28記載の標的化リポソーム。
【請求項30】
標識された化合物が存在する,請求項26記載の標的化リポソーム。
【請求項31】
薬剤は抗癌剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項32】
薬剤は細胞毒性薬剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項33】
薬剤はトポイソメラーゼI阻害剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項34】
トポイソメラーゼI阻害剤はトポテカンまたはイリノテカンである,請求項33記載の標的化リポソーム。
【請求項35】
薬剤はビンカアルカロイドである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項36】
ビンカアルカロイドは,ビンクリスチン,ビンブラスチン,ビンレウロシン,ビンロジシン,ビノレルビンまたはビンデシンである,請求項35記載の標的化リポソーム。
【請求項37】
薬剤は核酸である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項38】
核酸は,アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムである,請求項37記載の標的化リポソーム。
【請求項39】
薬剤は白金化合物である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項40】
白金化合物は,ビプラチン,シスプラチン,カルボプラチン,オルマプラチン,オキザリプラチン,ゼニプラチン,エンロプラチン,ロバプラチンまたはスピロプラチンである,請求項39記載の標的化リポソーム。
【請求項41】
白金化合物はオキザリプラチンである,請求項40記載の標的化リポソーム。
【請求項42】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルであり,mおよびpは3であり,標的化リガンドはトランスフェリンであり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項43】
薬剤はアルキル化剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項44】
薬剤はタキサンである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項45】
薬剤は代謝性アンタゴニストである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項46】
薬剤は抗腫瘍抗生物質である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項47】
薬剤はホルモン療法薬剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項48】
薬剤は分子標的薬である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項49】
オキザリプラチンは,トレハロース,マルトース,スクロース,マンノース,ラクトース,マンニトール,グリセロールおよびデキストロースからなる群より選択される糖の水性溶液に溶解されている,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項50】
糖は,約1−約20%パーセント糖(v/v)の濃度である,請求項49記載の標的化リポソーム。
【請求項51】
リポソーム中のオキザリプラチンの濃度は,約0.1mg/ml−約25mg/mlである,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項52】
トランスフェリンはホロ形である,請求項15記載の標的化リポソーム。
【請求項53】
リポソームはカチオン性脂質を含まない,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項54】
リポソームはアニオン性脂質を含まない,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項55】
請求項1記載の標的化リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤または標識された化合物を加え;そして
c)リポソームを形成する
の各工程を含む方法。
【請求項56】
さらに,工程(c)のリポソームを精製する工程(d)を含む,請求項55記載の方法。
【請求項57】
工程(b)の薬剤が混合前に水性溶液中にある,請求項55記載の方法。
【請求項58】
工程(c)は超音波処理または撹拌を含む,請求項55記載の方法。
【請求項59】
工程(c)は押し出しを含む,請求項55記載の方法。
【請求項60】
請求項1記載の標的化リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化3】
[式中,R3およびR4は,それぞれ独立して,アシル基であり,nは,独立して,1−10の整数である]
で表され;
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤または標識された化合物を加え;
c)リポソームを形成し;そして
d)N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルに標的化リガンドを連結させる,
の各工程を含む方法。
【請求項61】
さらに工程(d)のリポソームを精製する工程(e)を含む,請求項60記載の方法。
【請求項62】
工程(b)における薬剤は混合前に水性溶液中にある,請求項60記載の方法。
【請求項63】
工程(c)は超音波処理または撹拌を含む,請求項60記載の方法。
【請求項64】
工程(c)は押し出しを含む,請求項60記載の方法。
【請求項65】
癌を治療する方法であって,
a)請求項1記載の標的化リポソームを癌を治療するのに有効な量で治療を必要とする個体に投与することを含み,ここで,標的化リポソームは薬剤を含み,および薬剤は抗癌剤であることを特徴とする方法。
【請求項66】
診断方法であって,
a)請求項1記載の標的化リポソームを検出に有効な量で診断を必要とする個体に投与し,ここで,標的化リポソームは標識された化合物を含み;そして
b)標識された化合物を検出する,
の各工程を含む方法。
【請求項67】
請求項1記載の標的化リポソーム,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項68】
トランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンであって,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化4】
[式中,R5およびR6は,それぞれ独立して,アシル基であり,およびpは1−10の整数である]
で表され,
およびトランスフェリンはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結されていることを特徴とする,トランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項69】
pは2−4の整数である,請求項68記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項70】
pは3である,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項71】
R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項72】
R5およびR6は同じである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項73】
R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項74】
R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,pは3である,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項75】
請求項69または74記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項76】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含む空リポソームであって,
ここで,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化5】
で表され,および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化6】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
リポソームは誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする空リポソーム。
【請求項77】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項78】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項77記載の空リポソーム。
【請求項79】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項80】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項81】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項82】
ホスファチジルコリンは飽和脂肪酸の成分を含む,請求項81記載の空リポソーム。
【請求項83】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項81記載の空リポソーム。
【請求項84】
リポソームは少なくとも1つの追加の脂質を含む,請求項83記載の空リポソーム。
【請求項85】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項84記載の空リポソーム。
【請求項86】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項85記載の空リポソーム。
【請求項87】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項86記載の空リポソーム。
【請求項88】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項89】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項88記載の空リポソーム。
【請求項90】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項89記載の空リポソーム。
【請求項91】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項88記載の空リポソーム。
【請求項92】
トランスフェリンはホロ形でありアポ形ではない,請求項90記載の空リポソーム。
【請求項93】
リポソームの平均直径は約50nm−約250nmである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項94】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびpは3である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項95】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項96】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項97】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項98】
mおよびpは等しく,3である,請求項97記載の空リポソーム。
【請求項99】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項100】
R1とR2は同じであり,およびR5とR6は同じである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項101】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項102】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項103】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項104】
トランスフェリンはホロ形である,請求項103記載の空リポソーム。
【請求項105】
リポソームはカチオン性脂質を含まない,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項106】
リポソームはアニオン性脂質を含まない,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項107】
請求項76記載の空リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)リポソームを形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項108】
さらに,工程(b)のリポソームを精製する工程(c)を含む,請求項107記載の方法。
【請求項109】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項107記載の方法。
【請求項110】
工程(b)は押し出しを含む,請求項107記載の方法。
【請求項111】
請求項76記載の空リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化7】
[式中,R3およびR4は,それぞれ独立してアシル基であり,nは,独立して,1−10の整数である]
で表され;
b)リポソームを形成し;そして
c)N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルに標的化リガンドを連結させて,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項112】
さらに,工程(c)のリポソームを精製する工程(d)を含む,請求項111記載の方法。
【請求項113】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項111記載の方法。
【請求項114】
工程(b)は押し出しを含む,請求項111記載の方法。
【請求項115】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項111記載の方法。
【請求項116】
治療用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項76記載の空リポソーム中に薬剤を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項117】
診断用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項76記載の空リポソーム中に標識された化合物を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項118】
治療用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項87記載の空リポソーム中に薬剤を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項119】
診断用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項87記載の空リポソーム中に標識された化合物を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項120】
請求項76記載の空リポソーム,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項121】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に,少なくとも1つの追加の脂質の混合物を含む脂質混合物であって,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化8】
で表され,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化9】
[式中,R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,アシル基であり,mおよびnは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
混合物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まない,
ことを特徴とする脂質混合物。
【請求項122】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項123】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項122記載の脂質混合物。
【請求項124】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項125】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項126】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項124記載の脂質混合物。
【請求項127】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項126記載の脂質混合物。
【請求項128】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項126記載の脂質混合物。
【請求項129】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項128記載の脂質混合物。
【請求項130】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項129記載の脂質混合物。
【請求項131】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項130記載の脂質混合物。
【請求項132】
mおよびnは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項133】
mおよびnは等しく,2−4の整数である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項134】
mおよびnは等しく,3である,請求項133記載の脂質混合物。
【請求項135】
R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項136】
R1とR2は同じであり,R3とR4は同じである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項137】
R1,R2,R3およびR4は同じである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項138】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルである,請求項137記載の脂質混合物。
【請求項139】
mおよびnは3であり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項138記載の脂質混合物。
【請求項140】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質の混合物を含む脂質混合物であって,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化10】
で表され,
標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化11】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
混合物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする脂質混合物。
【請求項141】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項142】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項141記載の脂質混合物。
【請求項143】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項144】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項145】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項143記載の脂質混合物。
【請求項146】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項145記載の脂質混合物。
【請求項147】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項145記載の脂質混合物。
【請求項148】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項147記載の脂質混合物。
【請求項149】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項148記載の脂質混合物。
【請求項150】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項149記載の脂質混合物。
【請求項151】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項152】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項153】
mおよびpは等しく,3である,請求項152記載の脂質混合物。
【請求項154】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項155】
R1とR2は同じであり,R5およびR6は同じである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項156】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項157】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項156記載の脂質混合物。
【請求項158】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項159】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項158記載の脂質混合物。
【請求項160】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項159記載の脂質混合物。
【請求項161】
トランスフェリンはホロ形であってアポ形ではない,請求項160記載の脂質混合物。
【請求項162】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,mおよびpは3であり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項141記載の脂質混合物。
【請求項163】
請求項121記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルを混合する,の工程を含む方法。
【請求項164】
請求項122記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,少なくとも1つの追加の脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルを混合する,の工程を含む方法。
【請求項165】
請求項140記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよび標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを混合する,の工程を含む方法。
【請求項166】
請求項141記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,少なくとも1つの追加の脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよび標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを混合する,の工程を含む方法。
【請求項167】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含むリポソームを含むリポソーム含有組成物であって,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化12】
で表され,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化13】
[式中,R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびnは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
組成物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まない,
ことを特徴とするリポソーム含有組成物。
【請求項168】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項169】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項168記載のリポソーム含有組成物。
【請求項170】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項171】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項172】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項170記載のリポソーム含有組成物。
【請求項173】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項172記載のリポソーム含有組成物。
【請求項174】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびnは3である,請求項173記載のリポソーム含有組成物。
【請求項175】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項173記載のリポソーム含有組成物。
【請求項176】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項175記載のリポソーム含有組成物。
【請求項177】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項176記載のリポソーム含有組成物。
【請求項178】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項177記載のリポソーム含有組成物。
【請求項179】
mおよびnは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項180】
mおよびnは等しく,2−4の整数である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項181】
mおよびnは等しく,3である,請求項180記載のリポソーム含有組成物。
【請求項182】
R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項183】
R1とR2は同じであり,R3とR4は同じである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項184】
R1,R2,R3およびR4は同じである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項185】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルである,請求項184記載のリポソーム含有組成物。
【請求項186】
さらに溶液を含む,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項187】
溶液は,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項186記載のリポソーム含有組成物。
【請求項188】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含むリポソームを含むリポソーム含有組成物であって,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化14】
で表され,
標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化15】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
組成物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とするリポソーム含有組成物。
【請求項189】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項190】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項189記載のリポソーム含有組成物。
【請求項191】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項192】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項193】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項191記載のリポソーム含有組成物。
【請求項194】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項193記載のリポソーム含有組成物。
【請求項195】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項193記載のリポソーム含有組成物。
【請求項196】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項195記載のリポソーム含有組成物。
【請求項197】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項196記載のリポソーム含有組成物。
【請求項198】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項197記載のリポソーム含有組成物。
【請求項199】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項200】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項201】
mおよびpは等しく,3である,請求項200記載のリポソーム含有組成物。
【請求項202】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項203】
R1とR2は同じであり,およびR5とR6は同じである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項204】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項205】
R1,R2,R3およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項206】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項207】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項206記載のリポソーム含有組成物。
【請求項208】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項206記載のリポソーム含有組成物。
【請求項209】
トランスフェリンはホロ形であってアポ形ではない,請求項208記載のリポソーム含有組成物。
【請求項210】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項194記載のリポソーム含有組成物。
【請求項211】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCである,請求項210記載のリポソーム含有組成物。
【請求項212】
さらに溶液を含む,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項213】
溶液は,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項212記載のリポソーム含有組成物。
【請求項214】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項189記載のリポソーム含有組成物。
【請求項215】
さらに薬剤を含む,請求項167,168,173,188,189または194のいずれかに記載のリポソーム含有組成物。
【請求項216】
薬剤は抗癌剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項217】
薬剤は細胞毒性薬剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項218】
薬剤はトポイソメラーゼI阻害剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項219】
トポイソメラーゼI阻害剤はトポテカンまたはイリノテカンである,請求項218記載のリポソーム含有組成物。
【請求項220】
薬剤はビンカアルカロイドである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項221】
ビンカアルカロイドは,ビンクリスチン,ビンブラスチン,ビンレウロシン,ビンロジシン,ビノレルビンまたはビンデシンである,請求項220記載のリポソーム含有組成物。
【請求項222】
薬剤は核酸である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項223】
核酸はアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムである,請求項222記載のリポソーム含有組成物。
【請求項224】
薬剤は白金化合物である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項225】
白金化合物は,ビプラチン,シスプラチン,カルボプラチン,オルマプラチン,オキザリプラチン,ゼニプラチン,エンロプラチン,ロバプラチンまたはスピロプラチンである,請求項224記載のリポソーム含有組成物。
【請求項226】
白金化合物はオキザリプラチンである,請求項225記載のリポソーム含有組成物。
【請求項227】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する場合には,これはコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項228】
少なくとも1つまたはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCである,請求項227記載のリポソーム含有組成物。
【請求項229】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項227記載のリポソーム含有組成物。
【請求項230】
リポソームが追加の脂質を含む場合,脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項229記載のリポソーム含有組成物。
【請求項231】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項232】
リポソーム中のオキザリプラチンの濃度は約0.1mg/ml−約25mg/mlである,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項233】
薬剤はアルキル化剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項234】
薬剤はタキサンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項235】
薬剤は代謝性アンタゴニストである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項236】
薬剤は抗腫瘍抗生物質である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項237】
薬剤はホルモン療法薬剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項238】
薬剤は分子標的薬である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項239】
オキザリプラチンは,トレハロース,マルトース,スクロース,ラクトース,マンノース,マンニトール,グリセロールおよびデキストロースからなる群より選択される糖の水性溶液に溶解されている,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項240】
標的化リガンドが存在する場合には,これはトランスフェリンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項241】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,R1,R2,および存在する場合にはR5およびR6は,オレオイルまたはステアロイルであり,mおよび,存在する場合にはpは3であり,少なくとも1つの追加の脂質が存在する場合にはこれはコレステロールであり,薬剤はオキザリプラチンであり,および標的化リガンドが存在する場合にはこれはトランスフェリンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項242】
糖は約1−約20%パーセント糖(v/v)の濃度である,請求項239記載のリポソーム含有組成物。
【請求項243】
さらに標識された化合物を含む,請求項167,168,173,188,189または194のいずれかに記載のリポソーム含有組成物。
【請求項244】
標識された化合物は放射性同位体成分を含む,請求項243記載のリポソーム含有組成物。
【請求項245】
請求項215記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質脂質,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,存在する場合にはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンまたはターゲティング因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に存在する場合には少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤を加え;そして
c)リポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項246】
請求項243記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質脂質,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,存在する場合にはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンまたはターゲティング因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に存在する場合には少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された脂質混合物に標識された化合物を加え,
c)リポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項247】
請求項188記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された混合物に溶媒を加えてリポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項248】
混合する工程(a)が有機溶媒の存在下で行われる,請求項247記載の方法。
【請求項249】
工程(b)における溶媒が,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項247記載の方法。
【請求項250】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項247記載の方法。
【請求項251】
工程(b)は押し出しを含む,請求項247記載の方法。
【請求項252】
工程(a)において少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項245記載の方法。
【請求項253】
工程(a)において,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルが存在する,請求項252記載の方法。
【請求項254】
工程(a)において,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンが存在する,請求項252記載の方法。
【請求項1】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,封入されている薬剤または標識された化合物,および任意に少なくとも1つの追加の脂質を含む標的化リポソームであって,
ここで,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化1】
で表され,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化2】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,アシル基であり,および
mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
リポソームは誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,かつ標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする標的化リポソーム。
【請求項2】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項3】
少なくとも1つの追加の脂質が,コレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項2記載の標的化リポソーム。
【請求項4】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項5】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項6】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項7】
ホスファチジルコリンは飽和脂肪酸の成分を含む,請求項6記載の標的化リポソーム。
【請求項8】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項6記載の標的化リポソーム。
【請求項9】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項7記載の標的化リポソーム。
【請求項10】
少なくとも1つの追加の脂質は,コレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項9記載の標的化リポソーム。
【請求項11】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項10記載の標的化リポソーム。
【請求項12】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項10記載の標的化リポソーム。
【請求項13】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項14】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項13記載の標的化リポソーム。
【請求項15】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項14記載の標的化リポソーム。
【請求項16】
トランスフェリンはホロ形でありアポ形ではない,請求項15記載の標的化リポソーム。
【請求項17】
リポソームの平均直径が約50nm−約250nmである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項18】
R1,R2,R5およびR6は,オレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびpは3である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項19】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPCまたはDSPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在し,これはコレステロールである,請求項18記載の標的化リポソーム。
【請求項20】
mおよびpはそれぞれ独立して,2−4の整数である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項21】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項22】
mおよびpは等しく,3である,請求項21記載の標的化リポソーム。
【請求項23】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項24】
R1とR2は同じであり,R5とR6は同じである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項25】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項26】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項18記載の標的化リポソーム。
【請求項27】
薬剤が存在する,請求項26記載の標的化リポソーム。
【請求項28】
薬剤はオキザリプラチンである,請求項27記載の標的化リポソーム。
【請求項29】
少なくとも1つの追加の脂質が存在し,これはコレステロールである,請求項28記載の標的化リポソーム。
【請求項30】
標識された化合物が存在する,請求項26記載の標的化リポソーム。
【請求項31】
薬剤は抗癌剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項32】
薬剤は細胞毒性薬剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項33】
薬剤はトポイソメラーゼI阻害剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項34】
トポイソメラーゼI阻害剤はトポテカンまたはイリノテカンである,請求項33記載の標的化リポソーム。
【請求項35】
薬剤はビンカアルカロイドである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項36】
ビンカアルカロイドは,ビンクリスチン,ビンブラスチン,ビンレウロシン,ビンロジシン,ビノレルビンまたはビンデシンである,請求項35記載の標的化リポソーム。
【請求項37】
薬剤は核酸である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項38】
核酸は,アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムである,請求項37記載の標的化リポソーム。
【請求項39】
薬剤は白金化合物である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項40】
白金化合物は,ビプラチン,シスプラチン,カルボプラチン,オルマプラチン,オキザリプラチン,ゼニプラチン,エンロプラチン,ロバプラチンまたはスピロプラチンである,請求項39記載の標的化リポソーム。
【請求項41】
白金化合物はオキザリプラチンである,請求項40記載の標的化リポソーム。
【請求項42】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルであり,mおよびpは3であり,標的化リガンドはトランスフェリンであり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項43】
薬剤はアルキル化剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項44】
薬剤はタキサンである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項45】
薬剤は代謝性アンタゴニストである,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項46】
薬剤は抗腫瘍抗生物質である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項47】
薬剤はホルモン療法薬剤である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項48】
薬剤は分子標的薬である,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項49】
オキザリプラチンは,トレハロース,マルトース,スクロース,マンノース,ラクトース,マンニトール,グリセロールおよびデキストロースからなる群より選択される糖の水性溶液に溶解されている,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項50】
糖は,約1−約20%パーセント糖(v/v)の濃度である,請求項49記載の標的化リポソーム。
【請求項51】
リポソーム中のオキザリプラチンの濃度は,約0.1mg/ml−約25mg/mlである,請求項41記載の標的化リポソーム。
【請求項52】
トランスフェリンはホロ形である,請求項15記載の標的化リポソーム。
【請求項53】
リポソームはカチオン性脂質を含まない,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項54】
リポソームはアニオン性脂質を含まない,請求項1記載の標的化リポソーム。
【請求項55】
請求項1記載の標的化リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤または標識された化合物を加え;そして
c)リポソームを形成する
の各工程を含む方法。
【請求項56】
さらに,工程(c)のリポソームを精製する工程(d)を含む,請求項55記載の方法。
【請求項57】
工程(b)の薬剤が混合前に水性溶液中にある,請求項55記載の方法。
【請求項58】
工程(c)は超音波処理または撹拌を含む,請求項55記載の方法。
【請求項59】
工程(c)は押し出しを含む,請求項55記載の方法。
【請求項60】
請求項1記載の標的化リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化3】
[式中,R3およびR4は,それぞれ独立して,アシル基であり,nは,独立して,1−10の整数である]
で表され;
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤または標識された化合物を加え;
c)リポソームを形成し;そして
d)N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルに標的化リガンドを連結させる,
の各工程を含む方法。
【請求項61】
さらに工程(d)のリポソームを精製する工程(e)を含む,請求項60記載の方法。
【請求項62】
工程(b)における薬剤は混合前に水性溶液中にある,請求項60記載の方法。
【請求項63】
工程(c)は超音波処理または撹拌を含む,請求項60記載の方法。
【請求項64】
工程(c)は押し出しを含む,請求項60記載の方法。
【請求項65】
癌を治療する方法であって,
a)請求項1記載の標的化リポソームを癌を治療するのに有効な量で治療を必要とする個体に投与することを含み,ここで,標的化リポソームは薬剤を含み,および薬剤は抗癌剤であることを特徴とする方法。
【請求項66】
診断方法であって,
a)請求項1記載の標的化リポソームを検出に有効な量で診断を必要とする個体に投与し,ここで,標的化リポソームは標識された化合物を含み;そして
b)標識された化合物を検出する,
の各工程を含む方法。
【請求項67】
請求項1記載の標的化リポソーム,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項68】
トランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンであって,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化4】
[式中,R5およびR6は,それぞれ独立して,アシル基であり,およびpは1−10の整数である]
で表され,
およびトランスフェリンはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結されていることを特徴とする,トランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項69】
pは2−4の整数である,請求項68記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項70】
pは3である,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項71】
R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項72】
R5およびR6は同じである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項73】
R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項74】
R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,pは3である,請求項69記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン。
【請求項75】
請求項69または74記載のトランスフェリンで修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項76】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含む空リポソームであって,
ここで,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化5】
で表され,および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化6】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
リポソームは誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする空リポソーム。
【請求項77】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項78】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項77記載の空リポソーム。
【請求項79】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項80】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項81】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項82】
ホスファチジルコリンは飽和脂肪酸の成分を含む,請求項81記載の空リポソーム。
【請求項83】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項81記載の空リポソーム。
【請求項84】
リポソームは少なくとも1つの追加の脂質を含む,請求項83記載の空リポソーム。
【請求項85】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項84記載の空リポソーム。
【請求項86】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項85記載の空リポソーム。
【請求項87】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項86記載の空リポソーム。
【請求項88】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項89】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項88記載の空リポソーム。
【請求項90】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項89記載の空リポソーム。
【請求項91】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項88記載の空リポソーム。
【請求項92】
トランスフェリンはホロ形でありアポ形ではない,請求項90記載の空リポソーム。
【請求項93】
リポソームの平均直径は約50nm−約250nmである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項94】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびpは3である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項95】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,および少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項96】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項97】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項98】
mおよびpは等しく,3である,請求項97記載の空リポソーム。
【請求項99】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項100】
R1とR2は同じであり,およびR5とR6は同じである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項101】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項102】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項103】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項94記載の空リポソーム。
【請求項104】
トランスフェリンはホロ形である,請求項103記載の空リポソーム。
【請求項105】
リポソームはカチオン性脂質を含まない,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項106】
リポソームはアニオン性脂質を含まない,請求項76記載の空リポソーム。
【請求項107】
請求項76記載の空リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)リポソームを形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項108】
さらに,工程(b)のリポソームを精製する工程(c)を含む,請求項107記載の方法。
【請求項109】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項107記載の方法。
【請求項110】
工程(b)は押し出しを含む,請求項107記載の方法。
【請求項111】
請求項76記載の空リポソームを製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化7】
[式中,R3およびR4は,それぞれ独立してアシル基であり,nは,独立して,1−10の整数である]
で表され;
b)リポソームを形成し;そして
c)N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルに標的化リガンドを連結させて,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項112】
さらに,工程(c)のリポソームを精製する工程(d)を含む,請求項111記載の方法。
【請求項113】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項111記載の方法。
【請求項114】
工程(b)は押し出しを含む,請求項111記載の方法。
【請求項115】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項111記載の方法。
【請求項116】
治療用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項76記載の空リポソーム中に薬剤を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項117】
診断用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項76記載の空リポソーム中に標識された化合物を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項118】
治療用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項87記載の空リポソーム中に薬剤を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項119】
診断用リポソームを製造する方法であって,
a)請求項87記載の空リポソーム中に標識された化合物を封入する,
の工程を含む方法。
【請求項120】
請求項76記載の空リポソーム,および1またはそれ以上の薬学的に許容しうる担体,賦形剤,希釈剤,安定化剤,または保存剤を含む医薬処方物。
【請求項121】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に,少なくとも1つの追加の脂質の混合物を含む脂質混合物であって,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化8】
で表され,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化9】
[式中,R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,アシル基であり,mおよびnは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
混合物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まない,
ことを特徴とする脂質混合物。
【請求項122】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項123】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項122記載の脂質混合物。
【請求項124】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項125】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項126】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項124記載の脂質混合物。
【請求項127】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項126記載の脂質混合物。
【請求項128】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項126記載の脂質混合物。
【請求項129】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項128記載の脂質混合物。
【請求項130】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項129記載の脂質混合物。
【請求項131】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項130記載の脂質混合物。
【請求項132】
mおよびnは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項133】
mおよびnは等しく,2−4の整数である,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項134】
mおよびnは等しく,3である,請求項133記載の脂質混合物。
【請求項135】
R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項136】
R1とR2は同じであり,R3とR4は同じである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項137】
R1,R2,R3およびR4は同じである,請求項121記載の脂質混合物。
【請求項138】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルである,請求項137記載の脂質混合物。
【請求項139】
mおよびnは3であり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールである,請求項138記載の脂質混合物。
【請求項140】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質の混合物を含む脂質混合物であって,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化10】
で表され,
標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化11】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
混合物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とする脂質混合物。
【請求項141】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項142】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項141記載の脂質混合物。
【請求項143】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項144】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項145】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項143記載の脂質混合物。
【請求項146】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項145記載の脂質混合物。
【請求項147】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項145記載の脂質混合物。
【請求項148】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項147記載の脂質混合物。
【請求項149】
混合物は,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項148記載の脂質混合物。
【請求項150】
混合物はDMPCおよびコレステロールを含む,請求項149記載の脂質混合物。
【請求項151】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項152】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項153】
mおよびpは等しく,3である,請求項152記載の脂質混合物。
【請求項154】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項155】
R1とR2は同じであり,R5およびR6は同じである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項156】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項157】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項156記載の脂質混合物。
【請求項158】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項140記載の脂質混合物。
【請求項159】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項158記載の脂質混合物。
【請求項160】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項159記載の脂質混合物。
【請求項161】
トランスフェリンはホロ形であってアポ形ではない,請求項160記載の脂質混合物。
【請求項162】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,mおよびpは3であり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項141記載の脂質混合物。
【請求項163】
請求項121記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルを混合する,の工程を含む方法。
【請求項164】
請求項122記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,少なくとも1つの追加の脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルを混合する,の工程を含む方法。
【請求項165】
請求項140記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよび標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを混合する,の工程を含む方法。
【請求項166】
請求項141記載の脂質混合物を製造する方法であって,1またはそれ以上のリン脂質,少なくとも1つの追加の脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンおよび標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンを混合する,の工程を含む方法。
【請求項167】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含むリポソームを含むリポソーム含有組成物であって,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化12】
で表され,
N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルは式2:
【化13】
[式中,R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびnは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
組成物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まない,
ことを特徴とするリポソーム含有組成物。
【請求項168】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項169】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項168記載のリポソーム含有組成物。
【請求項170】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項171】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項172】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項170記載のリポソーム含有組成物。
【請求項173】
1またはそれ以上のリン脂質は,DMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項172記載のリポソーム含有組成物。
【請求項174】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルであり,およびmおよびnは3である,請求項173記載のリポソーム含有組成物。
【請求項175】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項173記載のリポソーム含有組成物。
【請求項176】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項175記載のリポソーム含有組成物。
【請求項177】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項176記載のリポソーム含有組成物。
【請求項178】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項177記載のリポソーム含有組成物。
【請求項179】
mおよびnは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項180】
mおよびnは等しく,2−4の整数である,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項181】
mおよびnは等しく,3である,請求項180記載のリポソーム含有組成物。
【請求項182】
R1,R2,R3およびR4は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項183】
R1とR2は同じであり,R3とR4は同じである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項184】
R1,R2,R3およびR4は同じである,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項185】
R1,R2,R3およびR4はオレオイルまたはステアロイルである,請求項184記載のリポソーム含有組成物。
【請求項186】
さらに溶液を含む,請求項167記載のリポソーム含有組成物。
【請求項187】
溶液は,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項186記載のリポソーム含有組成物。
【請求項188】
1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を含むリポソームを含むリポソーム含有組成物であって,
ここで,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式1:
【化14】
で表され,
標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは,第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンに連結された標的化リガンドを含み;および
第2のN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンは式3:
【化15】
[式中,R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立してアシル基であり,mおよびpは,独立して,1−10の整数である]
で表され;および,
組成物は誘導化されていないホスファチジルエタノールアミンまたはポリエチレングリコールを含まず,および標的化リガンドは無傷の抗体ではない,
ことを特徴とするリポソーム含有組成物。
【請求項189】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項190】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項189記載のリポソーム含有組成物。
【請求項191】
1またはそれ以上のリン脂質は,ホスファチジルコリン,ホスファチジン酸,ホスファチジルセリンおよびホスファチジルグリセロールからなる群より選択される,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項192】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項193】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項191記載のリポソーム含有組成物。
【請求項194】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPC,DSPC,POPCまたはDPPCである,請求項193記載のリポソーム含有組成物。
【請求項195】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項193記載のリポソーム含有組成物。
【請求項196】
少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項195記載のリポソーム含有組成物。
【請求項197】
リポソームは,DMPCおよびコレステロール,DSPCおよびコレステロール,POPCおよびコレステロール,またはDPPCおよびコレステロールを含む,請求項196記載のリポソーム含有組成物。
【請求項198】
リポソームはDMPCおよびコレステロールを含む,請求項197記載のリポソーム含有組成物。
【請求項199】
mおよびpは,それぞれ独立して,2−4の整数である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項200】
mおよびpは等しく,2−4の整数である,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項201】
mおよびpは等しく,3である,請求項200記載のリポソーム含有組成物。
【請求項202】
R1,R2,R5およびR6は,それぞれ独立して,オレオイル,ステアロイル,パルミトイルまたはミリストイルである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項203】
R1とR2は同じであり,およびR5とR6は同じである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項204】
R1,R2,R5およびR6は同じである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項205】
R1,R2,R3およびR6はオレオイルまたはステアロイルである,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項206】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸,糖鎖,およびモノクローナル抗体のフラグメントからなる群より選択される,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項207】
標的化リガンドは,トランスフェリン,葉酸,ヒアルロン酸および糖鎖からなる群より選択される,請求項206記載のリポソーム含有組成物。
【請求項208】
標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項206記載のリポソーム含有組成物。
【請求項209】
トランスフェリンはホロ形であってアポ形ではない,請求項208記載のリポソーム含有組成物。
【請求項210】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,少なくとも1つの追加の脂質が存在しこれはコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項194記載のリポソーム含有組成物。
【請求項211】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCである,請求項210記載のリポソーム含有組成物。
【請求項212】
さらに溶液を含む,請求項188記載のリポソーム含有組成物。
【請求項213】
溶液は,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項212記載のリポソーム含有組成物。
【請求項214】
R1,R2,R5およびR6はオレオイルまたはステアロイルであり,1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,少なくとも1つの追加の脂質はコレステロールであり,および標的化リガンドはトランスフェリンである,請求項189記載のリポソーム含有組成物。
【請求項215】
さらに薬剤を含む,請求項167,168,173,188,189または194のいずれかに記載のリポソーム含有組成物。
【請求項216】
薬剤は抗癌剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項217】
薬剤は細胞毒性薬剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項218】
薬剤はトポイソメラーゼI阻害剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項219】
トポイソメラーゼI阻害剤はトポテカンまたはイリノテカンである,請求項218記載のリポソーム含有組成物。
【請求項220】
薬剤はビンカアルカロイドである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項221】
ビンカアルカロイドは,ビンクリスチン,ビンブラスチン,ビンレウロシン,ビンロジシン,ビノレルビンまたはビンデシンである,請求項220記載のリポソーム含有組成物。
【請求項222】
薬剤は核酸である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項223】
核酸はアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムである,請求項222記載のリポソーム含有組成物。
【請求項224】
薬剤は白金化合物である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項225】
白金化合物は,ビプラチン,シスプラチン,カルボプラチン,オルマプラチン,オキザリプラチン,ゼニプラチン,エンロプラチン,ロバプラチンまたはスピロプラチンである,請求項224記載のリポソーム含有組成物。
【請求項226】
白金化合物はオキザリプラチンである,請求項225記載のリポソーム含有組成物。
【請求項227】
少なくとも1つの追加の脂質が存在する場合には,これはコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項228】
少なくとも1つまたはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCである,請求項227記載のリポソーム含有組成物。
【請求項229】
1またはそれ以上のリン脂質は中性リン脂質である,請求項227記載のリポソーム含有組成物。
【請求項230】
リポソームが追加の脂質を含む場合,脂質はコレステロールまたはコレステロール誘導体である,請求項229記載のリポソーム含有組成物。
【請求項231】
1またはそれ以上のリン脂質はホスファチジルコリンである,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項232】
リポソーム中のオキザリプラチンの濃度は約0.1mg/ml−約25mg/mlである,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項233】
薬剤はアルキル化剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項234】
薬剤はタキサンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項235】
薬剤は代謝性アンタゴニストである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項236】
薬剤は抗腫瘍抗生物質である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項237】
薬剤はホルモン療法薬剤である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項238】
薬剤は分子標的薬である,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項239】
オキザリプラチンは,トレハロース,マルトース,スクロース,ラクトース,マンノース,マンニトール,グリセロールおよびデキストロースからなる群より選択される糖の水性溶液に溶解されている,請求項226記載のリポソーム含有組成物。
【請求項240】
標的化リガンドが存在する場合には,これはトランスフェリンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項241】
1またはそれ以上のリン脂質はDMPCまたはDSPCであり,R1,R2,および存在する場合にはR5およびR6は,オレオイルまたはステアロイルであり,mおよび,存在する場合にはpは3であり,少なくとも1つの追加の脂質が存在する場合にはこれはコレステロールであり,薬剤はオキザリプラチンであり,および標的化リガンドが存在する場合にはこれはトランスフェリンである,請求項215記載のリポソーム含有組成物。
【請求項242】
糖は約1−約20%パーセント糖(v/v)の濃度である,請求項239記載のリポソーム含有組成物。
【請求項243】
さらに標識された化合物を含む,請求項167,168,173,188,189または194のいずれかに記載のリポソーム含有組成物。
【請求項244】
標識された化合物は放射性同位体成分を含む,請求項243記載のリポソーム含有組成物。
【請求項245】
請求項215記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質脂質,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,存在する場合にはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンまたはターゲティング因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に存在する場合には少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された脂質混合物に薬剤を加え;そして
c)リポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項246】
請求項243記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質脂質,およびN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,存在する場合にはN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンまたはターゲティング因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステル,および,任意に存在する場合には少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された脂質混合物に標識された化合物を加え,
c)リポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項247】
請求項188記載のリポソーム含有組成物を製造する方法であって,
a)1またはそれ以上のリン脂質,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミン,および,任意に少なくとも1つの追加の脂質を混合して脂質混合物を形成し;そして
b)工程(a)で形成された混合物に溶媒を加えてリポソーム含有組成物を形成する,
の各工程を含む方法。
【請求項248】
混合する工程(a)が有機溶媒の存在下で行われる,請求項247記載の方法。
【請求項249】
工程(b)における溶媒が,水性溶液または水性溶液と水混和性溶媒との混合物である,請求項247記載の方法。
【請求項250】
工程(b)は超音波処理または撹拌を含む,請求項247記載の方法。
【請求項251】
工程(b)は押し出しを含む,請求項247記載の方法。
【請求項252】
工程(a)において少なくとも1つの追加の脂質が存在する,請求項245記載の方法。
【請求項253】
工程(a)において,N−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンのスクシンイミジルエステルが存在する,請求項252記載の方法。
【請求項254】
工程(a)において,標的化因子で修飾されたN−(ω)−ジカルボン酸誘導化ホスファチジルエタノールアミンが存在する,請求項252記載の方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【公表番号】特表2008−538105(P2008−538105A)
【公表日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500977(P2008−500977)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/008650
【国際公開番号】WO2006/099169
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(502189775)メビオファーム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/008650
【国際公開番号】WO2006/099169
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(502189775)メビオファーム株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]