説明

新規化合物、その製造方法、中間体、医薬組成物、並びにアルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及びパーキンソン病のような5−HT6介在疾患の治療におけるそれらの使用

本発明は、式(I)の新規化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩、これらの製造方法、及びその製造において使用される新規中間体、該化合物を含有する医薬組成物、並びに5−HT6介在疾患、例えばアルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及びパーキンソン病の治療における該化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、該化合物を含有する医薬組成物及び治療における該化合物の使用に関する。本発明はさらに、該化合物の製造方法、並びに新規中間体及び該新規化合物の製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
セロトニン (5−ヒドロキシ−トリプタミン) (5−HT)受容体は、多くの生理的及び病理学的機能、例えば不安症、睡眠調節、攻撃性、摂食及び鬱病において重要な役割を果たす。5−HT受容体は全身に分布しており、そして異なる特性を有する7種の5−HT受容体サブタイプ、すなわち5−HT1〜5−HT7に分けることができる。
【0003】
5−HT6受容体は、中枢神経系(CNS)において最も見られる。インシトゥ・ハイブリダイゼーション研究により、ラット脳における5−HT6受容体が、線条体、側坐核、嗅結節及び海馬体のような領域に局在していることが知られている(Ward ら, Neuroscience, 64, p 1105−1111, 1995)。
【0004】
科学研究により、特に種々のCNS障害に関して、5−HT6受容体のモジュレーターの治療的使用の可能性が明らかになった。5−HT6受容体機能の遮断は、コリン作動性伝達を高めることが示されている(Bentley ら, Br J Pharmacol 126:1537−1542, 1999;Riemer ら
J Med Chem 46, 1273−1276)。5−HT6アンタゴニストはまた、ムスカリン性アンタゴニストスコポラミンにより誘導されるインビボ認知モデルにおいて、認知障害を回復に向かわせることが示されている (Woolley ら Phychopharmacolgy, 170, 358−367, 2003;Foley ら Neuropsychopharmacology, 29 93−100, 2004)。
【0005】
5−HT6アンタゴニストは、前頭葉及び背側海馬におけるグルタメート及びアスパルテート、及び前頭葉におけるアセチルコリンのレベルを増加させることが研究により分かっている。神経系統に影響を与えるこれらの物質は、記憶及び認知に関与していることが知られている (Dawson ら, Neuropsychopharmacology., 25(5), p 662−668, 2001) (Gerard ら, Brain Res., 746, p 207−219, 1997) (Riemer ら J Med Chem 46(7), p 1273−1276, 2003)。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、CNSにおいてアセチルコリンのレベルを増加させ、そして認知障害、例えばアルツハイマー病の治療において使用される。したがって、5−HT6アンタゴニストは、認知障害の治療に使用することができる。
【0006】
また、5−HT6アンタゴニストは、内側前頭葉前部皮質におけるドーパミン及びノルアドレナリンのレベルを増加させることが研究により示されている(Lacroix ら Synapse 51, 158−164, 2004)。さらに、5−HT6受容体アンタゴニストは、注意の心的状態の転換タスク(attentional set shifting task)における行動を改善することが示されている (Hatcher ら Psychopharmacology 181(2):253−9, 2005)。したがって、5−HT6リガンドは、認知障害が特徴である障害、例えば統合失調症の治療において有用であると考えられる。いくつかの抗うつ薬及び非定型抗精神病薬は5−HT6受容体に結合し、これはこれらの薬剤の活性のプロフィールにおける一因子であり得る (Roth ら, J. Pharm. Exp. Therapeut., 268, 1402−1420, 1994;Sleight ら, Exp. Opin. Ther. Patents, 8, 1217−1224, 1998;Kohen ら, J. Neurochem., 66(1), p 47−56, 1996;Sleight ら Brit. J. Pharmacol., 124, p 556−562, 1998;Bourson ら, Brit. J. Pharmacol., 125, p 1562−1566, 1998)。
【0007】
Stean ら (Brit. J. Pharmacol. 127 Proc. Supplement 131P, 1999)は、転換の治療における5−HT6モジュレーターの使用の可能性を記載している。5−HT6受容体はまた、全般性ストレス及び不安状態にも関連している(Yoshioka ら, Life Sciences, 62, 17/18, p 1473−1477, 1998)。5−HT6アゴニストは、不安症と関係がある脳領域においてGABAのレベルを上昇させることが示されており、そして強迫性障害のモデル予想において有用である可能性が示されている (Schechter ら NeuroRx. 2005 October;2(4):590-611)。したがって、この受容体のモジュレーターは、幅広いCNS障害において使用することができると考えられる。
【0008】
Pullagurla ら (Pharmacol Biochem Behav. 78(2):263−8, 2004)は、ドーパミン伝達が影響を受ける障害における5−HT6アンタゴニストの使用の可能性を記載しており、例えば5−HT6アンタゴニストとドーパミンエンハンサー、例えばレボドパ/カルビドパ又はアマンチジン(amantidine)との組み合わせは、ドーパミンエンハンサーのみの投与と比べて利点を有すると考えられる。
【0009】
さらに、5−HT6受容体モジュレーターを用いたラットにおける食物摂取の減少が報告されている (Bentley ら, Br. J. Pharmacol. Suppl. 126, P66, 1999;Bentley ら J. Psychopharmacol. Supl. A64, 255, 1997;Pendharkar ら Society for Neuroscience, 2005)。したがって、5−HT6受容体モジュレーターはまた、摂食障害、例えば拒食症、肥満、過食症及び類似の障害、並びにまた2型糖尿病の治療において有用である可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、5−ヒドロキシ−トリプタミン6受容体における調節活性を示す化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、式I
【化1】

の化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩を提供し、
式中、
QはC6-10アリールC0-6アルキル、C5-11ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキルC0-6アルキル又はC1-10アルキルであり;
R1は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R8OC0-6アルキル、CN、SR7、R7SO2C0-6アルキル、SO2R7、R7CON(R8)C0-6アルキル、NR8SO2R7、COR7、COOR8、OSO2R8、(R8)2NCOC0-6アルキル、SO2N(R8)2、N(R8)CON(R8)2、NO2、C3-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル又はオキソであり;
nは0、1、2、3、4又は5であり;
BはO、N(R6)2であるか、又はBはC5-11ヘテロアリール内のNR6であり、ここでR6はQと環を形成し;
XはO、CH2、CO、S、SO、SO2又はNR12であり;
R2は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R7OC0-6アルキル、CN、SR7、SO2R8、SOR7、N(R8)COR7、N(R8)SO2R7、COR7、COOR7、OSO2R7、CON(R8)2又はSO2N(R8)2であり;
R3は水素、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はR7OC1-6アルキルであり;
R4は水素、C1-5アルキル、C1-5ハロアルキル、C1-5アルコキシ又はC1-5ハロアルコキシであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;又は
R3及びR4は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R5は水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ又はC1-6ハロアルキルであり;又は
R4及びR5は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキル又はC3-7シクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R6は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルC0-6アルキル、R7OC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6シアノアルキル、(R10)2NCOC0-6アルキル又はR11SO2C1-6アルキルであり;
R7はC1-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R8は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル又はC5-6ヘテロアリールC0-6アルキルであり;又は
R7及びR8は一緒になってC5-6ヘテロアリール又はC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し;
ここで、R1、R3、R7及びR8における任意のアリール及びヘテロアリールは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6ハロアルキル、CN、OR10、C1-6アルキル、オキソ、SR10、CON(R10)2、N(R10)COR11、SO2R11、SOR11、N(R10)2及びCOR11から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R9は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC0-3アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、CON(R10)2、N(R10)COR11、SR10 SOR11、CN又はSO2R11であり;
R10は水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R11はC1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;又は
R10及びR11は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、これは水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びシアノから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;そして
R12は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11又はSO2R11である。
【0012】
本発明の別の実施態様において、式中:
QはC6-10アリールC0-6アルキル、C5-11ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキルC0-6アルキル又はC1-10アルキルであり;
R1は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R8OC0-6アルキル、CN、SR7、R7SO2C0-6アルキル、SO2R7、R7CON(R8)C0-6アルキル、NR8SO2R7、COR7、COOR8、OSO2R8、(R8)2NCOC0-6アルキル、SO2N(R8)2、N(R8)CON(R8)2、NO2、C3-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシ
クロアルキル又はオキソであり;
nは0、1又は2であり;
BはO又はN(R6)2であり;
XはO又はCH2であり;
R2は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R3は水素、C1-10アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はR7OC1-6アルキルであり;
R4は水素、C1-5アルキル、C1-5ハロアルキル、C1-5アルコキシ又はC1-5ハロアルコキシであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;又は
R3及びR4は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R5は水素であり;
R6は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルC0-6アルキル、R7OC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC1-6シアノアルキルであり;
R7はC1-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R8は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル又はC5-6ヘテロアリールC0-6アルキルであり;
ここで、R1における任意のアリール及びヘテロアリールは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6ハロアルキル、CN、OR10、C1-6アルキル、オキソ、SR10、CON(R10)2、N(R10)COR11、SO2R11、SOR11、N(R10)2及びCOR11から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;そして
R10は水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルである;
式Iの化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩が提供される。
【0013】
本発明の1つの実施態様において、QはC6-10アリールC0-4アルキル又はC5-11ヘテロアリールC0-4アルキルである。
【0014】
本発明の別の実施態様において、R1は水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C6-10アリールC0-4アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-4アルキル、C1-4ハロアルキル、COR7、R8OC0-4アルキル、SO2R7又はR7CON(R8)C0-4アルキルである。
【0015】
本発明のさらなる実施態様において、BはN(R6)2であり、そしてR6は水素又はC1-3アルキルである。
【0016】
本発明の1つの実施態様において、R2は水素、ハロゲン又はC1-4ハロアルキルである。
【0017】
本発明のさらに別の実施態様において、R3は水素、C1-3アルキル又はC1-4ハロアルキルである。
【0018】
本発明のさらなる実施態様において、R3及びR4は一緒になってC3-6ヘテロシクロアルキルを形成する。
【0019】
本発明の別の実施態様において、式中:
QはC6-10アリールC0-4アルキル又はC5-11ヘテロアリールC0-4アルキルであり;
R1は水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C6-10アリールC0-4アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-4アルキル、C1-4ハロアルキル、COR7、R8OC0-4アルキル、SO2R7
はR7CON(R8)C0-4アルキルであり;
nは0、1又は2であり;
BはN(R6)2であり;
XはO又はC1アルキルであり;
R2は水素、ハロゲン又はC1-4ハロアルキルであり;
R3は水素、C1-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;
R4は水素であり;又は
R3及びR4は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し;
R5は水素であり;
R6は水素であり;
R7はC1-4アルキル、C6-10アリールC0-4アルキル又はC1-4ハロアルキルであり;
R8はC3-7シクロアルキルC0-4アルキルであり;
ここで、R1における任意のアリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1-4ハロアルキル及びOR10から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;そして
R10は水素又はC1-4ハロアルキルである;
式Iの化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩が提供される。
【0020】
さらなる実施態様において、Qはフェニル、ナフチル、ベンゾチエニル、チアゾール、ピロリル、ピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、フェニルメチル、テトラリニル、イミダゾチアゾール又はチエニルである。
【0021】
本発明の1つの実施態様において、Qは0、1、2、3、4又は5個の基R1で置換され、ここで、Q上のR1置換基の数は、用語nにより表される。本発明の別の実施態様においてnは0、1又は2である。
【0022】
さらに別の実施態様において、Qは1又はそれ以上のR1により置換されたフェニル又はナフチルである。
【0023】
別の実施態様において、R1はハロゲン、例えばクロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロである。
【0024】
さらなる実施態様において、R1はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、フェニル又はナフチルである。
【0025】
1つの実施態様において、R1はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ブロモメチル又はクロロメチルである。
【0026】
別の実施態様において、R1はメチル、トリフルオロメチル又はフェニルである。
【0027】
または、R1はCOR7であり、そしてR7はC6-10アリールである。1つの実施態様において、R7はフェニルである。
【0028】
さらなる実施態様において、R1はメトキシ、エトキシ、プロポキシ又はフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロエトキシ又はジフルオロエトキシである。別の実施態様において、R1はメトキシ又はフルオロメトキシである。
【0029】
さらなる実施態様において、R1は水素、NCOCH3、ピリジニル、ベンゾイル又はフェニルSO2である。
【0030】
1つの実施態様において、BはN(R6)2であり、そしてR6は水素又はC1-3アルキルである。別の実施態様において、Bはアミンである。
【0031】
さらに別の実施態様において、XはO又はCH2である。
【0032】
さらなる実施態様において、R2は水素、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ブロモメチル又はクロロメチルである。1つの実施態様において、R2は水素又はトリフルオロメチルである。別の実施態様において、R2はハロゲン、例えばクロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロである。1つの実施態様において、R2はクロロである。
【0033】
別の実施態様において、R3は水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチルである。さらなる実施態様において、R3は水素、メチル又はi−プロピルである。
【0034】
さらに別の実施態様において、R3はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ブロモメチル又はクロロメチルである。1つの実施態様において、R3はフルオロエチルである。
【0035】
別の実施態様において、R4は水素である。
【0036】
さらなる実施態様において、R3及びR4は一緒になってC3-6ヘテロシクロアルキルを形成する。さらなる実施態様において、R3及びR4は一緒になってピロリジンを形成する。
【0037】
1つの実施態様において、R5及びR6は水素である。
【0038】
別の実施態様において、R7はメチル又はフェニルである。
【0039】
さらに別の実施態様において、R8は水素又はトリフルオロメチルである。
【0040】
本発明のさらなる実施態様は、以下よりなる群から選択される化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩に関する:
3−ブロモ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3,5−ジクロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3−メトキシ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3−ブロモ−N−(9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
3−クロロ−2−フルオロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−2−スルホンアミド;
5−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
【0041】
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ビフェニル−3−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)キノリン−8−スルホンアミド;
1−(3−クロロフェニル)−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)メタンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ビフェニル−4−スルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
3−ブロモ−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−3−メチル−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
【0042】
N−[4−メチル−5−({[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]アミノ}スルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]アセトアミド;
2,3−ジクロロ−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−(トリフルオロメチル)−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)キノリン−8−スルホンアミド;
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド;
4−フェニル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−5−(トリフルオロメチル)チオフェン−3−スルホンアミド;
4'−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
4−(フェニルスルホニル)−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
5−クロロ−3−メチル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
2−ブロモ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
【0043】
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
2−ヨード−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,6−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド;
3,4−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−4−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
2−ベンゾイル−4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;及び
6−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−。
【0044】
本発明を説明するために、本明細書及び特許請求の範囲において使用される種々の用語の定義を以下に挙げる。
【0045】
疑念を回避するために、本明細書において、基が「上記で定義された」、「上述のように」又は「上記」により修飾されている場合、該基は、最初に記載され、そして最も広い定義、及びその基についての他の定義の全てを包含するものと理解される。
【0046】
疑念を回避するために、本明細書において、「C1-6」は1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有する炭素基を意味するものと理解される。
【0047】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アルキル」は、直鎖状及び分枝鎖状のアルキル基を共に包含し、そしてメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、i−ヘキシル等であってよいが、これらに限定されない。用語C1-10アルキルは、1〜10個の炭素原子を有し、そしてメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、neo−ペンチル等であってよいが、これらに限定されない。
【0048】
用語「C0」は、単結合を意味するか、又は存在しない。例えば、「アリールC0アルキル」は「アリール」と同じであり、「C2アルキルOC0アルキル」は「C2アルキルO」と同じである。
【0049】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アルケニル」は、直鎖状及び分枝鎖状のアルケニル基を共に包含する。2〜10個の炭素原子及び1つ又は2つの二重結合を有する用語「C2-10アルケニル」は、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、クロチル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル(nanenyl)、デセニルであってよく、そしてブテニル基は例えばブテン−2−イル、ブテン−3−イル又はブテン−4−イルであってよいが、これらに限定されない。
【0050】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アルキニル」は、直鎖状及び分枝鎖状のアルキニル基を共に包含する。2〜10個の炭素原子及び1つ又は2つの三重結合を有する用語「C2-10アルキニル」は、エチニル、プロパルギル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル(nanynyl)、デシニルであってよく、そしてブチニル基は例えばブチン−3−イル又はブチン−4−イルであってよいが、これらに限定されない。
【0051】
用語「アルコキシ」は、特に記載のない限り、一般式−O−Rの基を意味し、ここでRは炭化水素基から選択される。用語「C1-10アルコキシ」はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ、ペントキシ、イソペントキシ等を包含するが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アミン」又は「アミノ」は一般式−NRR’の基を意味し、ここでR及びR’は水素又は炭化水素基から独立して選択される。用語「N(R6)」は、R6が同じであっても異なっていてもよい基を意味する。
【0053】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「シクロアルキル」は、場合により置換されている、部分的に又は完全に飽和型の環式炭化水素環系を意味する。用語「C3-7シクロアルキル」はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロペンテニルであってよいが、これらに限定されない。
【0054】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、非芳香族の、部分的に又は完全に飽和型の炭化水素基を意味し、これは1個の環及び少なくとも1個のヘテロ原子を含有する。この複素環の例としては、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサゾリル、2−オキサゾリドニル又はテトラヒドロフラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アリール」は、少なくとも1つの不飽和型芳香環を有する、場合により置換された単環式又は二環式炭化水素環系を意味する。「アリール」の例は、フェニル、ナフチル又はテトラリニルであってよいが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの不飽和環を有し、且つN、O又はSから独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する、場合により置換された単環式又は二環式炭化水素環系を意味する。「ヘテロアリール」の例は、ピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ベンゾフリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラゾリル、トリアゾリル、キナゾリニル又はイソチアゾリルであってよいが、これらに限定されない。疑念を回避するために、C5ヘテロアリールは、少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5員芳香環系を意味する。
【0057】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「アリールアルキル」及び「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル基を介してアリール又はヘテロアリール基に結合する置換基を意味する。
【0058】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、フルオロ、ヨード、クロロ又はブロモであってよい。
【0059】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「ハロアルキル」は、上記で定義されたハロで置換された上記で定義されたアルキル基を意味する。用語「C1-6ハロアルキル」はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ブロモプロピル又はクロロメチル等を包含するが、これらに限定されない。用語「C1-6ハロアルキルO」はフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、フルオロエトキシ又はジフルオロエトキシを包含するが、これらに限定されない。
【0060】
本発明は、上記で定義した式Iの化合物、及びその塩、溶媒和物又は溶媒和された塩に関する。医薬組成物において使用するための塩は、医薬として許容し得る塩であるが、他の塩は、式Iの化合物の製造において有用であり得る。
【0061】
本発明の化合物の医薬として許容し得る好適な塩は、例えば酸付加塩、例えば無機酸又は有機酸との塩である。さらに、本発明の化合物の医薬として許容し得る好適な塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は有機塩基との塩である。
【0062】
他の医薬として許容し得る塩及びこれらの塩を製造する方法は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences (第18版、Mack Publishing Co.)において見出すことができる。
【0063】
式Iの或る種の化合物は、キラル中心及び/又は幾何異性中心(E−及びZ−異性体)を有し得、そして本発明はこのような全ての光学異性体、ジアステレオ異性体及び幾何異性体を包含するものと理解される。
【0064】
本発明はまた、あらゆる式Iの化合物の互変異性型に関する。
【0065】
製造方法
詳細な工程の記載
このような方法に関する以下の記載をとおして、有機合成分野の当業者に容易に理解されるようなやり方で、適切ならば、適切な保護基が種々の反応体及び中間体に加えられ、その後で除去されることは理解されよう。このような保護基を使用するための慣用の方法及び適切な保護基の例は、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. Green, P.G.M. Wuts Wiley−Interscience、ニューヨーク(1999年)に記載されている。また、化学的操作による基又は置換基の、別の基又は置換基への変換は、最終生成物に向けての合成経路における任意の中間体又は最終生成物について行うことができ、ここで、可能な変換の種類は、その工程において分子により運ばれる他の官能基の、該変換において用いられる条件又は試薬に対する特有の不適合性によってのみ限定されることは理解されよう。このような特有の不適合性、並びに適切な変換及び適切な順番での合成工程を実施することによって該不適合性を回避する方法は、有機合成分野の当業者に容易に理解されよう。変換の例は以下に記載され、そして記載された変換は、例示した一般的な基又は置換基にのみ限定されるものではないことは理解されよう。他の適切な変換についての参照及び説明は、「Comprehensive Organic Transformations − A Guide to Functional Group Preparations」 R. C. Larock, VHC Publishers, Inc. (1989年)において記載されている。他の適切な反応についての参照及び説明は、有機化学の教科書、例えば「Advanced Organic Chemistry」、第4版、McGraw Hill (1992年3月)、又は「Organic Synthesis」、Smith, McGraw Hill, (1994年)に記載されている。中間体及び最終生成物の精製技術としては、例えば順相及び逆相のカラムクロマトグラフィー、又は回転板、再結晶化、蒸留、及び液体−液体又は固体−液体抽出が挙げられ、これらは当業者に容易に理解されよう。置換基及び基は、異なる定義付けをされる場合を除き、式Iにおいて定義されるものである。「一般的方法」において示される特定の反応順序は、決定的なものではない。記載された化合物の多くについて、反応工程の順番は変化し得る。反応は、LC−UV、LC−MS、TLC又はNMRにより完了したことが確定するまで実施した。
【0066】
【化2】

【0067】
【化3】

【0068】
工程1
化合物Bは化合物Aからニトロ化 (1c)を経て製造することができる。ニトロ化は例えば亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸カリウムを用いて、トリフルオロ酢酸又は硫酸のような溶媒中、0〜60℃で、好ましくは0℃〜室温で、反応時間1〜10時間で行うことができる。該ニトロ化はまた、硝酸を用いて、TFA又は硫酸のような溶媒中、−10℃〜RTで、1〜10時間の反応時間で行うことができる。生成物は抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
同じ方法を、化合物Rの化合物Sへの変換 (1c)又は化合物Kの化合物Mへの変換 (1b)に用いることができる。
【0069】
工程2
化合物Cは化合物Bから還元的アミノ化 (2a)を用いて製造することができる。典型的には、Bは、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム又は水素のような還元剤の存在下で、例えば「Advanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms and Structure」, J. March, John Wiley & Sons, New York, 1992に記載されるような好適な触媒の存在下で、カルボニル化合物、例えばアルデヒド又はケトンと混合することができる。酸、例えばギ酸又は酢酸を加えて、反応系のpHを制御することができる。反応は水、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、THF、ギ酸、酢酸又はこれらの混合物のような溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度で、好ましくはRTで行うことができる。反応混合物は、抽出し、次いでカラムクロマトグラフィーにより精製することにより後処理を行うか、又は反応混合物を濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0070】
工程3
化合物Cは分子内芳香族求核置換を介して化合物Dに変換することができ(3c)、ここで、Y=F又はClである。典型的には化合物CをTHF、ジオキサン又はDMFのような溶媒中に溶解し、そして塩基、例えば水素化ナトリウム又はナトリウムメトキシドを加える。反応はRT〜溶媒の還流温度で、1〜24時間の反応時間で行うことができる。生成物は抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
あるいは、Y=OHの場合、ミツノブ(Mitsunobu)型の分子内閉環を用いることができる。典型的には、化合物CをDMF、THF又はジクロロメタン又はこれらの混合物のような溶媒中中に溶解することができる。ホスフィン化合物、例えばトリフェニルホスフィン又はトリブチルホスフィン及び活性化剤、例えばジエチルアゾジカルボキシレート又はジイソプロピルアゾジカルボキシレートを、好ましくは−10℃〜周囲温度で加えた。反応は−15℃及び溶媒の還流温度、好ましくは周囲温度で、1〜24時間の反応時間で行うことができる。生成物は抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
【0071】
工程4
化合物Dの化合物Eへの還元(4a)は、好適な触媒、例えばチャコール上のパラジウムを用いて、メタノール、エタノール、EtOAc、酢酸又はこれらの混合物のような溶媒中、場合により例えば塩酸又はアンモニアの存在下での水素化により行うことができる。他の好適な触媒については、例えば「Comprehensive Organic Transformations, a Guide to Functional Group Preparation」、R C. Larock, John Wiley & sons, New York, 1999を参照されたい。水素源は、大気圧下又は加圧下での水素ガス又は例えばギ酸アンモニウムであってよい。使用することができる他の還元剤は、例えば溶媒、例えばエタノール又はEtOAc中の塩化スズ(II)水和物である。反応はRT〜溶媒の還流温度で行うことができる。生成物は溶媒の除去、抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
同じ方法を、化合物Oの化合物Pへの変換(4b)に用いることができる。
【0072】
工程5
化合物Eは、DMF、N−メチルピロリジン、アセトニトリル、ジオキサン、クロロホルム若しくはジクロロメタン又はこれらの混合物のような溶媒中、塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、PS−DIEA又はDIPEAの存在下で、0℃〜溶媒の還流温度で、化合物Hとの反応により化合物Fに変換することができる(5a)。生成物は抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
同じ方法を、化合物Gの化合物Iaへの変換 (5b)又は化合物Pの化合物Qへの変換 (5c)に用いることができる。
【0073】
工程6
化合物Jは、Schmidt転位を介して化合物Kに変換することができる (6a)。化合物J及びアジ化ナトリウムは、ベンゼン、TFA又は酢酸のような溶媒中に溶解することができる。硫酸を、5℃以下、典型的には−10℃〜5℃で加えることができる。反応はRT〜溶媒の還流温度で行うことができる。次いで、混合物を氷又は水上に注ぎ、混合物を塩基、例えばアンモニア、炭酸カリウム又は水酸化ナトリウムを用いて塩基性にすることができる。混合物をRTで1〜20時間撹拌することができ、そして生成物は抽出、沈殿又はカラムクロマトグラフィーにより単離することができる。
同じ方法を、化合物Lの化合物Mへの変換(6b)に用いることができる。
【0074】
工程7
化合物Mの化合物Nへの還元(7c)は、還元剤、例えばボラン又は水素化アルミニウムリチウムを用いて、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのような溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度、好ましくは25℃〜還流温度で行うことができる。生成物はカラムクロマトグラフィーにより又は抽出により単離することができる。
同じ方法を、化合物Kの化合物Rへの変換(7b)に用いることができる。
【0075】
工程8
化合物Nは、標準的な保護基化学を用いて化合物Oに変換することができる(8a)。同じ方法論を、化合物Qの化合物Ibへの変換(8b)に用いることができる。
このような保護基を用いるための慣用の手順、及び好適な保護基の例は、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley−Interscience, New York, 1999に記載されている。
【0076】
工程9
化合物Icは、例えば「Comprehensive Organic Transformations, a Guide to Functional Group Preparation」, R. C. Larock, John Wiley & sons, New York, 1999に記載されるように、化合物R3Y2[ここで、Y2は好適な脱離基、例えばハロゲン、メシレート又はトリフレートである]を用いて、アルキル化により、化合物Ibから製造することができる (9a)。典型的には、塩基、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下、及び場合により、Y=Cl、Brである場合、触媒量のヨウ化カリウムの存在下で、DMF、エタノール、ジクロロメタン又はトルエンのような溶媒中、Ib及びR3Y2を混合する。反応は25℃〜溶媒の還流温度で行うことができ、そして反応時間は1〜100時間であってよい。反応混合物を、抽出、及び次いでカラムクロマトグラフィーにより精製することにより後処理するか、又は反応混合物を濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。反応温度は、溶媒の還流温度以上に上げることができ、そして反応時間は、マイクロ波加熱の使用により短縮することができる。
【0077】
化合物Icはまた、アミド又はカルバメートを最初に製造し、次いで適切な還元剤を用いて還元することにより、化合物Ibから製造することができる。例えば「Comprehensive Organic Transformations, a Guide to Functional Group Preparation」, R. C. Larock, John Wiley & Sons, New York, 1999に記載されるように、アミドは、例えば酸塩化物又はカルボン酸を用いて、カップリング試薬の存在下で、Ibの反応により製造される。カルバメートは、ジクロロメタンのような溶媒中、塩基、例えばトリエチルアミン又はピリジンの存在下で、0℃〜溶媒の還流温度で、アルキルクロロホルメートの化合物Ibとの反応により製造することができる。カルバメート又はアミドの還元は、還元剤、例えば水素化アルミニウムリチウムを用いて、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルのような溶媒中、0℃〜溶媒の還流温度、好ましくは25℃〜還流温度で行うことができる。アミドの還元はまた、還元剤としてボランを用いて行うことができる。「工程2」で記載された方法はまた、化合物Ibの化合物Icへの変換に用いることができる。
同じ方法を、化合物Nの化合物D2への変換に用いることができる。
【0078】
中間体
本発明の1つの実施態様は、式II
【化4】

(式中、ZはN又はOであり、そしてここでX、R2、R3、R4及びR9は上記で定義されたとおりである)の中間体に関し、これは式Iの化合物の製造に用いることができる。
【0079】
医薬組成物
本発明の1つの実施態様によれば、活性成分として治療有効量の式Iの化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩を、1又はそれ以上の医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤及び/又は不活性担体と共に含有する医薬組成物を提供する。
【0080】
該組成物は、例えば錠剤、丸薬、シロップ剤、粉剤、顆粒剤若しくはカプセル剤としての経口投与に好適な形態、滅菌溶液、懸濁液若しくは乳濁液としての非経口注射(例えば静脈内、皮下、筋内、血管内若しくは輸液)に好適な形態、例えば軟膏剤、パッチ剤若しくはクリーム剤としての局所投与に好適な形態、又は例えば坐剤としての直腸投与に好適な形態、又は吸入に好適な形態であってもよい。
【0081】
一般に、上記組成物は、慣用の方法で、1又はそれ以上の慣用の賦形剤、医薬として許容し得る希釈剤及び/又は不活性担体を用いて製造することができる。ヒトを含む哺乳動物の治療において好適な式Iの化合物の日用量は、経口投与で約0.01〜250mg/kg体重であり、そして非経口投与で約0.001〜250mg/kg体重である。
【0082】
活性成分の典型的な日用量は広範囲で変化し、そして種々の因子、例えば関連する適応症(indication)、治療する疾患の重篤度、投与経路、患者の年齢、体重及び性別、並びに使用する特定の化合物に依存し、そして医師が決定することができる。
【0083】
医療用途
興味深いことに、本発明の化合物は、治療において有用であることが分かった。式Iの化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩、及びその対応する活性代謝産物又はプロドラッグは、5−ヒドロキシ−トリプタミン6 (5−HT6)受容体について高度の効力及び選択性を示す。したがって、本発明の化合物は、5−HT6受容体の過剰活性化を伴う身体状態の治療において有用であると考えられる。
【0084】
式Iの化合物は、5−HT6受容体が関与するか又は該受容体の影響を受ける障害、例えば認知障害、人格障害、行動障害、精神疾患及び神経変性障害の治療に好適であると考えられる。
【0085】
このような障害の例は、アルツハイマー病 不安症、鬱病、痙攣性疾患、例えばてんかん、人格障害、強迫性障害、偏頭痛、認知障害、例えば記憶障害、睡眠障害、摂食障害、例えば拒食症、肥満、過食症、パニック発作、薬物乱用からの禁断症状、統合失調症、統合失調症に伴う認識機能障害、注意欠陥過活動性障害 (ADHD)、注意力欠如障害 (ADD)、認知症、記憶喪失、脊髄外傷及び/又は頭部外傷に伴う障害、発作(stroke)、2型糖尿病、無茶食い障害(binge disorder)、双極性障害、精神病、パーキンソン病、ハンチントン病、神経細胞成長障害を特徴とする神経変性障害、及び疼痛からなる群より選択することができる。
【0086】
さらに関連する障害は、胃腸障害、例えば胃食道逆流性疾患(GERD)及び過敏性腸症候群(IBS)からなる群より選択することができる。
【0087】
該化合物はまた、5−HT6 活性化因子に対する耐性の治療に用いることもできる。
【0088】
本発明の一つの実施態様は、治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0089】
本発明の別の実施態様は、5−HT6介在疾患の治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0090】
本発明のさらなる実施態様は、アルツハイマー病の治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0091】
本発明の別の実施態様は、認知障害、例えば統合失調症に伴う認識機能障害の治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0092】
本発明のさらに別の実施態様は、肥満の治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0093】
本発明の一つの実施態様は、パーキンソン病の治療において使用するための、上述の式Iの化合物に関する。
【0094】
本発明の別の実施態様は、上述の5−HT6介在疾患、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及び/又はパーキンソン病、及び任意の他の障害の治療のための医薬の製造における、上述の式Iの化合物の使用に関する。
【0095】
本発明のさらなる実施態様は、治療を必要とするヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の上述の式Iの化合物を投与することからなる、上述の5−HT6介在疾患、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及び/又はパーキンソン病、及び任意の他の障害の治療方法に関する。
【0096】
本発明の別の実施態様は、上述の5−HT6介在疾患、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及び/又はパーキンソン病、及び任意の他の障害の治療において使用するための、上述の式Iの化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0097】
本発明の一つの実施態様は、活性成分として上述の式Iの化合物を含有する、上述の5−HT6介在疾患、アルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及び/又はパーキンソン病、及び任意の他の障害の治療のための薬剤に関する。
【0098】
本明細書において、用語「療法」及び「治療」は、特にそれに反する記載のない限り、予防及び/又は防止を含む。用語「治療する」、「治療の」及び「治療上」はそれに応じて解釈されるべきである。
【0099】
本明細書において、特に記載のない限り、用語「阻害剤」及び「アンタゴニスト」は、あらゆる意味で、アゴニストによる応答の生成をもたらす変換経路を部分的又は完全に遮断する化合物を意味する。
【0100】
本発明の化合物は5−HT6受容体のモジュレーターであり、そしてこれは阻害剤、及びアゴニスト、逆アゴニスト又は部分アゴニストである可能性がある。
【0101】
用語「障害」は、特に記載のない限り、5−HT6受容体活性を伴う任意の身体状態及び疾患を意味する。
【0102】
非医療用途
治療用医薬における使用に加えて、式Iの化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩は、新規治療剤の探索の一部として、実験動物、例えばネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスにおける5−HT6関連活性のモジュレーターの影響の評価のためのインビトロ及びインビボ試験系の開発及び標準化における薬理学的ツールとしても有用である。
【実施例】
【0103】
一般的方法
本発明は、以下の実施例により詳細に説明され、ここで一般的には:
操作は、特に記載の無い限り、周囲温度又は室温、すなわち17〜25℃で、そしてアルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で行った。使用した全ての溶媒は分析グレードであり、そして商業的に入手可能な無水溶媒を反応に使用した;
蒸発は、真空下でロータリーエバポレータにより行い、そして濾過により残った固体の除去後に後処理を行った;
HPLC分析は、G1379A Micro Vacuum Degasser、G1312A Binary Pump、G1367A Wellplate 自動サンプラー、G1316A Thermostatted Column Compartment及びG1315Bダイオード・アレイ検出器からなるAgilent HP1000システムにより行った。カラム:X−Terra MS、Waters、4.6 x 50 mm、3.5μm。カラム温度は40℃に設定し、そして流速は1.5 ml/分に設定した。ダイオード・アレイ検出器は、210〜300 nmをスキャンし、ステップ及びピーク幅はそれぞれ2 nm及び0.05分に設定した。直線グラジエントを用い、0%〜100% アセトニトリルで4分間行った。移動相:アセトニトリル/MilliQ水中5% アセトニトリルにおける10mM 酢酸アンモニウム;
薄層クロマトグラフィー (TLC)は、Merck TLC−プレート (シリカゲル 60 F254)で行い、UVでスポットを可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、Combi Flash(R) CompanionTMでRediSepTM標準相フラッシュカラムを用いて、又はMerck シリカゲル 60 (0.040−0.063 mm)で行った。フラッシュクロマトグラフィーで典型的に用いた溶媒は、クロロホルム/メタノール、トルエン/酢酸エチル及び酢酸エチル/ヘキサンの混合物であった;
【0104】
1H及び13C NMRスペクトルは、プロトンでは400 MHzで記録し、そしてカーボン−13では100 MHzで記録し、いずれもZ−グラジエントの5mm BBOプローブを備えたVarian Unity+ 400 NMRスペクトロメータで、又はZ−グラジエントの60μlデュアル逆流プローブを備えたBruker Avance 400 NMRスペクトロメータで、又はZ−グラジエントの4−核プローブを備えたBruker DPX400 NMRスペクトロメータで行った。以下の基準シグナルを用いた:DMSO−d6 δ 2.50 (1H)の中心線; CD3OD δ 3.31 (1H) の中心線;アセトン−d6 2.04 (1H);及びCDCl3 δ 7.26 (1H) (他に記載のない限り);
マススペクトルは、Alliance 2795 (LC)、Waters PDA 2996及びZQシングル四重極マススペクトロメータからなるWaters LCMSで記録した。マススペクトロメータは、エレクトロスプレーイオン源(ESI)を備えており、正イオン又は負イオンモードで操作した。キャピラリー電圧は3 kVであり、そしてコーン電圧は30 Vであった。マススペクトロメータは、m/z 100〜700でスキャン時間0.3秒でスキャンした。分離は、Waters X−Terra MS C8 (3.5μm、50又は100mM x 2.1mM i.d.)又はScantecLab製のACE 3 AQ (100mM x 2.1mM i.d.)で行った。流速は、それぞれ1.0又は0.3 mL/分に調整した。カラム温度は40℃に設定した。直線グラジエントは、100% A (A:95:5 10mM NH4OAc:MeCN、又は95:5 8mM HCOOH:MeCN)で出発し、100% B (MeCN)で終わる中性又は酸性移動相系を用いた。別法として、マススペクトルは、Waters LCMSシステム(Sample Manager 2777C、1525μバイナリーポンプ、1500 Column Oven、ZQ、PDA2996及びELS検出器、Sedex 85)で記録した。分離は、Agilent Tehcnologiesにより供給されるZorbax カラム(C8、3.0 x 50 mm、3μm)を用いて行った。4分間直線グラジエントは、100% A (A:95:5 10mM NH4OAc:MeOH)で出発し、そして100% B (MeOH)で終了した。ZQは、混合APPI/APCIイオン源を備えており、そして正イオンモードでm/z 120〜800を、スキャン時間0.3秒でスキャンした。APPIリペラー及びAPCIコロナは、それぞれ0.86 kV及び0.80μAに設定した。さらに、脱溶媒和温度 (300℃)、脱溶媒和ガス (400 L/Hr)及びコーンガス (5 L/Hr)は、APCI及びAPPIモードの両方について一定であった;
【0105】
分取クロマトグラフィーは、ダイオード・アレイ検出器を有するGilson自動分取HPLCで行った。カラム:XTerra MS C8、19x300mm、7μm。MeCN及び(95:5 0.1M NH4OAc:MeCN)によるグラジエントを用いた。流速:20 ml/分。別法として、精製は、Waters Symmetry(R) カラム(C18、5μm、100mM x 19 mm)を備えたShimadzu SPD−10A UV−可視化検出器を有するセミ分取Shimadzu LC−8A HPLCで行った。MeCN及び(95:5 0.1M NH4OAc:MeCN)のグラジエントを用いた。流速:10ml/分;
GC−MS分析は、Agilent Technologiesにより供給されるGC−MS (GC 6890、5973N MSD)で行った。使用したカラムは、DB−5 MS、ID 0.25mM x 30m、0.25μmであった。直線温度グラジエントを、40℃(1分間維持)から出発し、そして300℃ (1分間維持)で終了し、25℃/分で適用した。MSは、CIイオン源を備えており、反応ガスはメタンであった。MSは、m/z 50〜500をスキャンし、そしてスキャン速度は3.25 スキャン/秒に設定した。別法として、マススペクトル(EI−DI)は、Finigan MAT SSQ 710スペクトロメータで記録した;
マイクロ波加熱は、2450 MHzでの連続照射を生じるCreator、Initiator又はSmith Synthesizer シングルモードマイクロ波空洞で行った;
収量が記載されている場合、これは必ずしも達成可能な最大量であるわけではない;
中間体は、必ずしも完全に精製されているわけではないが、その構造及び純度は、薄層クロマトグラフィー、HPLC、赤外線 (IR)、MS及び/又はNMR分析により評価した;
【0106】
以下の略語を用いた:
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
MS 質量分析
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
DMF ジメチルホルムアミド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
MeOH メタノール
RT 室温
PS−DIEA ポリスチレン結合ジエチルアミン
PG 保護基
PS−トリスアミン トリス−(2−アミノエチル)−アミンポリスチレン
EtOAc 酢酸エチル
【0107】
本発明は、以下の非限定的実施例により詳細に説明される。
【0108】
出発物質5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−スルホニルクロリド及び5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホニルクロリドは、Bioorg. Med. Chem. Lett. (1998) 6, 869−876に従い製造した。
【0109】
実施例1
(i):3−ブロモ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (26mg、0.145mmol)をクロロホルム:アセトニトリル(1:1、1.5ml)中に溶解し、そしてクロロホルム:アセトニトリル(1:1、1ml)中の3−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(44mg、0.174mmol)及びピリジン (23μl、0.29mmol)の溶液に加えた。混合物を周囲温度で30分間撹拌し、そしてメタノール(1ml) を加えた。溶媒を蒸発させ、そして生成物を分取HPLCにより単離して、乾燥したフィルム状物質(43mg、76%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 7.68−7.79 (2 H, m) 7.44 (2 H, t) 6.72−6.85 (3 H, m) 3.83−3.89 (2 H, m) 3.48−3.54 (2 H, m) 2.78−2.84 (2 H, m) 2.19 (3 H, s);MS ESI m/z M+H+ 397, 399;M−H+ 395, 397.
(ii) 2−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}−4−ニトロフェノール
2−(メチルアミノ)エタノール(3.9ml、48mmol)及び酢酸(2.6ml、48mmol)をTHF (85ml)中に溶解した。2−ヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(8.1g、48mmol)を加え、そして混合物を0℃に冷却した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(15.4g、73mmol)を加え、そして冷却浴を外した。混合物を周囲温度で5時間撹拌した。塩酸(10%)を加えてpHを1に調整した。生成した沈殿を濾過により除去した。濾液をジクロロメタンで洗浄し、水酸化ナトリウム(aq、1M) で中和し、そしてジクロロメタンで抽出した((5)。合一した有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。生成物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより、クロロホルム:メタノール(18:1〜12:1のグラジエント)で溶離させて単離し、表題化合物を得た(1.8g、17%)。MS ESI m/z M+H+ 227;M−H+ 225.
(iii) 4−メチル−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
2−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}−4−ニトロフェノール(1.84g、8.14mmol)及びトリフェニルホスフィン (3.20g、12.2mmol)をTHF (50ml)及びジクロロメタン (20ml)中に溶解した。混合物を0℃に冷却し、そしてジエチルアゾジカルボキシレート (2.15ml、12.2mmol) を加えた。混合物をアルゴン雰囲気下、周囲温度で4時間撹拌した。水を加え、そして混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘキサン:EtOAc (グラジエント50〜100% EtOAc)で溶離させて精製し、表題化合物を得た(1.02g、60%)。MS ESI m/z M+H+ 209.
(iv) 4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン
4−メチル−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (1.02g、4.81mmol)をエタノール(35ml)中に溶解し、そしてチャコール上の10%パラジウム(100 mg) を加えた。混合物を、水素ガス圧50 psiで1時間水素化した。混合物をAl2O3(中性)及びセライトに通して濾過した。溶媒を蒸発させて、定量的収率で表題化合物を得た。MS ESI m/z M−H+ 177.
【0110】
実施例2〜7
実施例2〜7は、実施例1(i)において示された方法に従って製造した:
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
実施例8
(i):3−ブロモ−N−(9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
表題化合物を、実施例1(i)における方法に従って、9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミンから出発して製造して、表題化合物(35 mg、51%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.88 (1 H, s) 7.65 (2 H, m) 7.32 (1 H, t) 7.01 (1 H, d) 6.71 (1 H, d) 4.13−4.18 (2 H, m) 3.68 (2 H, s) 3.10−3.15 (2 H, m) 2.96−3.05 (1 H, m) 1.08−1.12 (6 H, m);MS ESI m/z M+H+ 459, 461;M−H+ 457, 459.
(ii) 2−[(3−クロロ−2−フルオロベンジル)(イソプロピル)アミノ]エタノール
2−(i−プロピルアミン)エタノール(1.83ml、15.8mmol)及び酢酸(0.90ml、15.8mmol)を無水THF (40ml)中に溶解し、そして混合物を0℃に冷却した。3−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド(1.85ml、15.8mmol) 及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.0g、23.7mmol)を加えた。混合物を周囲温度で20時間撹拌した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(8ml)を加え、そして混合物をEtOAcで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて表題化合物(3.9 g)を得た。MS ESI m/z M+H+ 246, 248.
(iii) 9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
2−[(3−クロロ−2−フルオロベンジル)(イソプロピル)アミノ]エタノール(3.9g、15.8mmol)をTHF:DMF (2:1、100ml) 中に溶解し、そして溶液を、THF:DMF (2:1、75ml)中の水素化ナトリウム(0.80g、31.5mmol)のスラリーに滴下して加えた。反応混合物を周囲温度で30分間及び50℃で2.5時間撹拌した。メタノールを反応混合物に滴下して加えてクエンチした。混合物をDowex H+ 樹脂で中和し、そして樹脂を濾過により除去した。混合物を蒸発により濃縮した。水 (50ml)を加え、次いで水性水酸化ナトリウム(1M)をpH 10になるまで加えた。混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ、そして残留物を分取HPLCにより精製して、表題化合物を得た(0.64g、2工程で併せて18%)。MS ESI m/z M+H+ 226, 228.
(iv) 9−クロロ−4−イソプロピル−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピンをTFA (0.8ml)中に溶解し、そして混合物を0℃に冷却した。硝酸(0.34ml)を加え、そして混合物を0℃で35分間撹拌した。混合物を氷上に注ぎ、そして固体を濾過により単離し、そして水で洗浄して表題化合物を得た(64 mg、53%)。MS ESI m/z M+H+ 271, 273.
(v) 9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン
9−クロロ−4−イソプロピル−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (64 mg、0.24mmol)をエタノール(2.7ml)中に懸濁し、そして塩化スズ(II)二水和物 (265 mg、1.18mmol)を加え、次いで塩酸(4滴)を加えた。混合物を70℃で2時間加熱し、そして0℃で16時間加熱した。氷を加え、次いで水性炭酸水素ナトリウムを加え、そして混合物をEtOAc ((3)及びジクロロメタン ((3) で抽出した。合一した有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、表題化合物(47mg、84%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 6.68 (1 H, d) 6.55 (1 H, d) 4.04−4.10 (2 H, m) 3.89 (2 H, s) 3.15−3.27 (3 H, m) 1.22 (6 H, d). MS ESI m/z M+H+ 241, 243.
【0113】
実施例9
(i):2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
4−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (183 mg、0.70mmol)をクロロホルム:アセトニトリル(3:1、5ml)中に溶解し、そしてピリジン (116μl、1.43mmol)を加え、次いで2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(171 mg、0.69mmol)を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、そしてメタノール(1ml) を加えた。溶媒を蒸発させ、そして残留物をクロロホルム(7ml) 中に溶解し、そして水性水酸化ナトリウム(2 M、7ml) を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、そして水 (25ml) を加えた。濃塩酸を加えてpHを酸性にし、次いで炭酸水素ナトリウムを加えてpHを塩基性にした。混合物をクロロホルムで抽出した((2)。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製して、固体として、表題化合物のアセテートを得た (209 mg、69%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 7.85−8.02 (2 H, m) 7.51 (1 H, t) 6.76−6.90 (3 H, m) 3.81−3.87 (2 H, m) 3.65 (2 H, s) 2.93−2.99 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 373, 375;M−H+ 373, 375.
(ii) 3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−オン
4−クロマノン (25g、169mmol)及びアジ化ナトリウム(33.2g、510mmol)を酢酸(335ml)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、そして濃硫酸(50ml)を滴下して加えた。混合物を4時間加熱還流し、次いでRTに冷却した。混合物を氷(500ml)上に注ぎ、そして濃水酸化アンモニウムを加えてpHを塩基性にした。混合物を周囲温度で20時間撹拌し、そして生成した固体を濾過により回収して表題化合物(15g、54%)を得た。MS ESI m/z M+H+ 164.
(iii) 7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−オン
3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−オン (15g、92mmol)を濃硫酸中に溶解し、そして混合物を0℃に冷却した。亜硝酸カリウム(10.4g、103mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で30分間及び室温で4時間撹拌した。混合物を氷(1000ml)上に注ぎ、そして生成した固体を濾過により回収した。固体を沸騰EtOAc中に懸濁し、次いでRTに冷却した。固体を濾過により回収して表題化合物を得た(8.21g、43%)。MS ESI m/z M+H+ 209;M−H+ 207.
(iv) 7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
7−ニトロ−3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−オン (0.99g、4.7mmol)をTHF (7ml)中に懸濁し、そしてBH3 (THF中の1M、19ml、19mmol)を加えた。混合物を4時間加熱還流した。混合物を0℃に冷却し、そして塩酸(4 M、7ml) を加えた。混合物を1時間加熱還流し、次いで蒸発により濃縮した。残留物を水 (30ml)で希釈し、そして固体炭酸水素ナトリウムで中和した。混合物をEtOAcで抽出した(3()。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより、0.1% トリエチルアミンを含有するクロロホルム:メタノール 10:1で溶離させて精製し、油状物質として表題化合物を得た(0.88g、96%)。MS ESI m/z M+H+ 195.
(v) 7−ニトロ−4−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (0.87g、4.5mmol)及びピリジン (1.4ml、18mmol)をジクロロメタン (10ml)中に溶解した。トリフルオロ酢酸無水物 (0.90ml、6.75mmol)を、−10℃でアルゴン雰囲気下で滴下して加えた。混合物を0℃で30分間及び周囲温度で1時間撹拌した。氷水(2ml)を加え、次いでジクロロメタン (25ml)を加えた。混合物を水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて表題化合物を得、これを直接、次の工程において使用した。MS EI m/z M+ 290.
(vi) 4−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン
粗製7−ニトロ−4−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (実施例9v)をEtOAc:メタノール(1:1、50ml) 中に溶解した。チャコール上10%パラジウム(100 mg)を加え、そして混合物を水素ガス圧50 psiで16時間水素化した。混合物をAl2O3(中性)及びセライトに通して濾過した。溶媒を除去して表題化合物を得た (1.1g、2工程で併せて94%)。MS ESI m/z M+H+ 261.
【0114】
実施例10〜14
実施例10〜14を実施例9(i)の方法に従って製造し、そして生成物を酢酸塩として単離した。
【表3】

【0115】
【表4】

【0116】
実施例15
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド
4−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (20 mg、0.077mmol)、ピリジン (12μl、0.15mmol)及びビフェニル−2−スルホニルクロリド(20 mg、0.079mmol)をクロロホルム(1ml)中に溶解した。反応混合物を周囲温度で、窒素雰囲気下で4時間撹拌した。水性水酸化ナトリウム(2 M、0.5ml)を加え、そして撹拌を1時間続けた。溶媒を除去し、そして残留物を分取HPLCにより精製して、乾燥したフィルム状物質を得た(13 mg、40%)。1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 8.10 (1 H, d) 7.60 (1 H, t) 7.51 (1 H, t) 7.35−7.43 (3 H, m) 7.21−7.30 (3 H, m) 6.82 (1 H, d) 6.67−6.76 (2 H, m) 3.96−4.03 (2 H, m) 3.86 (2 H, s) 3.17−3.23 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 381, M−H+ 379.
【0117】
実施例16〜21
実施例16〜21を、実施例15の方法に従って製造した。
【表5】

【0118】
【表6】

【0119】
実施例22
(i):2,3−ジクロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド
2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(15 mg、0.060mmol)をクロロホルム(1ml)中に溶解し、そしてピリジン (10μl、0.12mmol)及び4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (13 mg、0.060mmol)を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、メタノール(1ml)を加え、そして溶媒を蒸発により除去した。残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(13 mg、50%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.91 (1 H, d) 7.63 (1 H, dd) 7.24−7.31 (1 H, m) 6.90−6.97 (2 H, m) 6.85 (1 H, d) 4.59 (1 H, t) 4.47 (1 H, t) 3.95−4.00 (2 H, m) 3.82 (2 H, s) 3.10−3.15 (2 H, m) 2.74 (1 H, t) 2.67 (1 H, t);MS ESI m/z M+H+ 419, 421.
(ii) 4−(2−フルオロエチル)−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン
2−フルオロエタノール(0.35ml、6.06mmol)及びトリエチルアミン (1.0ml、7.28mmol)をジクロロメタン (5ml)中に溶解し、そして混合物を窒素雰囲気下で−10℃に冷却した。メシルクロリド(0.565ml、7.28mmol)を加えた。混合物を−10℃で30分間撹拌した。氷水を加え、そして相を分離した。有機相を5% 塩酸、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。粗製物をDMF (6ml) 中に溶解し、そして7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (0.98g、5.06mmol)及びDIPEA (0.87ml、5.06mmol) を加えた。混合物を90℃で18時間加熱した。混合物をRTに冷却し、そして氷水(10ml) を加えた。混合物をトルエン ((1) で抽出し、そして有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(0.265g、22%)。MS ESI m/z M+H+ 241.
(iii) 4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン
4−(2−フルオロエチル)−7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン (0.265g、1.1mmol)をEtOAc (14ml)及びメタノール(7ml)中に溶解した。チャコール上の10%パラジウム(50 mg)を加え、そして混合物を水素ガス圧50 psiで16時間水素化した。混合物をAl2O3(中性)及びセライトに通して濾過した。溶媒を除去して表題化合物を得た(0.169g、73%)。MS ESI m/z [M+MeCN+H]+ 252.
【0120】
実施例23
4−クロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド
実施例22 (i)において示された方法を用いて表題化合物を製造した (23 mg、69%)。1H
NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 8.68−8.73 (1 H, m) 8.39−8.44 (1 H, m) 8.05 (1 H, d) 7.69−7.76 (2 H, m) 7.55 (1 H, d) 6.71−6.80 (2 H, m) 6.65 (1 H, d) 4.53 (1 H, t) 4.41 (1 H, t) 3.93−3.98 (2 H, m) 3.71 (2 H, s) 3.08−3.14 (2 H, m) 2.64 (1 H, t) 2.57 (1 H, t);MS ESI m/z M+H+ 435, 437.
【0121】
実施例24
(i):2,3−ジクロロ−N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド
(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−アミン (37 mg、0.180mmol)をジクロロメタン中に溶解し、そしてPS−DIEA (3.72mmol/g、150 mg)を加え、次いでジクロロメタン (0.5ml)中の2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(55 mg、0.225mmol)を加えた。混合物を周囲温度で20時間振盪した。PS−トリスアミン (2.35 mmol/g、50 mg)をジクロロメタン中のスラリーとして加え、そして混合物を3時間振盪した。樹脂を濾過により除去し、そしてジクロロメタン、メタノール及びTHFで洗浄した。溶媒を蒸発により除去し、そして残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(30 mg、40 %)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.91 (dd, 1 H) 7.65 (dd, 1 H) 7.28 (t, 1 H) 6.91−6.96 (m, 2 H) 6.83−6.87 (m, 1 H) 4.28 (dd, 1 H) 3.68 (d, 1 H) 3.56−3.63 (m, 1 H) 3.43 (dd, 1 H) 3.09−3.16 (m, 1 H) 2.65−2.75 (m, 1 H) 2.49 (q, 1 H) 1.75−1.95 (m, 3 H) 1.34−1.46 (m, 1 H);MS ESI m/z M+H+ 413, 415, 417;M−H+ 411, 413, 415.
(ii) [(2S)−1−(2−フルオロ−5−ニトロベンジル)ピロリジン−2−イル]メタノール
THF (10ml)中の2−フルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(595 mg、3.52mmol)の溶液に、THF (10ml)中の(S)−(+)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジンの溶液を加え、次いで酢酸(251μl、4.40mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、そしてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(276 mg、4.40mmol) を加えた。冷却浴を外し、そして混合物をRTで16時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、そして炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中の0〜7% メタノールのグラジエントで溶離させて精製し、油状物質を得た(629 mg、70%)。MS ESI m/z M+H+ 255.
(iii) (11aS)−7−ニトロ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン
[(2S)−1−(2−フルオロ−5−ニトロベンジル)ピロリジン−2−イル]メタノール(620mg、2.44mmol)を無水THF (15ml) 中に溶解し、そして水素化ナトリウム(88 mg、3.66mmol) を加えた。混合物を周囲温度で、アルゴン雰囲気下で5時間撹拌した。EtOAcを加え、そして混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中の0〜10%メタノールのグラジエントで溶離させて精製し、固体(284 mg、50%)を得た。MS ESI m/z M+H+ 235.
(iv) (11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−アミン
(11aS)−7−ニトロ−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン (279 mg、1.19mmol)をメタノール(10ml)中に溶解し、そしてアンモニア (メタノール中7M、2ml)を加え、次いでチャコール上の10%パラジウム(130 mg)を加えた。混合物を大気圧の水素ガス下で2時間水素化した。混合物をセライトに通して濾過し、そして溶媒を蒸発させて油状物質を得た(225 mg、92%)。MS ESI m/z M+H+ H 205.
【0122】
実施例25〜27
実施例25〜27は、実施例24(i)の方法に従って製造した。
【表7】

【0123】
実施例28
(i):3−ブロモ−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド
9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (23 mg、0.10mmol)をジオキサン (1ml)中に溶解した。塩化水素(エーテル中2M、75μl、0.15mmol)を加え、そして沈殿が形成された。3−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(14.4μl、0.10mmol)を加え、そして10分後、DIPEA (9μl. 0.05mmol) を加えた。アセトニトリル(0.25ml)を加え、そして沈殿が溶解するまで混合物を加熱した。混合物を周囲温度で撹拌し、そして20分後、DIPEA (9μl、0.05mmol) を加えた。混合物を15分間撹拌し、そしてDIPEA (9μl、0.05mmol) を加えた。混合物を10分間撹拌し、そしてDIPEA (9μl、0.05mmol) を加えた。混合物をさらに10分間撹拌し、そしてDIPEA (9μl、0.05mmol) を加えた。水 (200μl)を加え、そして混合物を分取HPLCにより精製して表題化合物を得た(10.5 mg、23 %)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.86−7.89 (1 H, m) 7.64−7.69 (2 H, m) 7.43 (1 H, br. s.) 7.33 (1 H, t) 7.22 (1 H, d) 7.18 (1 H, d) 4.68 (2 H, s) 3.77−3.82 (2 H, m) 3.14−3.19 (2 H, m);MS ESI m/z M+ H+ 451, 453.
(ii) 2−フルオロ−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド
2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(2.76ml、20mmol)を濃硫酸(5ml)中に溶解し、そして濃硝酸を滴下して加えた。混合物を周囲温度で30分間撹拌した。混合物を水上に注ぎ、そしてジクロロメタンで抽出した((3)。合一した有機層を水性水酸化ナトリウム(1M) で洗浄し、そして水層をジクロロメタンで抽出した((2)。全ての有機層を合一し、乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(2.73g、58%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 10.43 (1 H, s) 8.93−8.99 (1 H, m) 8.74−8.81 (1 H, m);MS EI m/z M+ 237.
(iii) 9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン
2−フルオロ−5−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(474 mg、2.0mmol)を無水ジオキサン (5ml)中に溶解し、そして2−アミノエタノール(133μl、2.2mmol)及びモレキュラー・シーブ 3Aを加えた。混合物を周囲温度で20時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(113 mg、3.0mmol)を加え、そして混合物を24時間撹拌した。パラジウム黒 (50 mg)、ギ酸アンモニウム(1 g)及びメタノール(5ml) を加えた。混合物を1時間撹拌し、そしてさらにギ酸アンモニウム(1 g) を加えた。混合物を周囲温度で5時間撹拌し、そして混合物をセライトに通して濾過し、そしてセライトをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、そして残留物をEtOAc中に溶解し、そして水で洗浄した。水層を1M 水性水酸化ナトリウム(pH 10)で塩基性にし、そしてEtOAcで抽出した。合一した有機層を乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc:メタノール 9:1で溶離させて表題化合物を得た(220 g、47%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 6.82 (1 H, d) 6.78 (1 H, d) 4.70 (2 H, s) 3.78−3.83 (2 H, m) 3.05−3.10 (2 H, m);MS ESI m/z M+H 233.
【0124】
実施例29
5−クロロ−3−メチル−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド
9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−アミン (23 mg、0.10mmol)をジオキサン (0.75ml)中に溶解した。塩化水素(エーテル中2M、75μl、0.15mmol)を加え、次いでアセトニトリル(0.25ml)を加え、そして沈殿が形成された。5−クロロ−3−メチルベンゾ[B]チオフェン−2−スルホニルクロリド(28mg、0.10mmol)を加え、次いでDIPEA (25μl)を加えた。沈殿が溶解するまで混合物を加熱した。DIPEA (10μl)を加え、そして10分後、さらにDIPEA (10μl) を加えた。混合物を周囲温度で20時間撹拌し、そして反応混合物をシリカのプラグに通して濾過した。シリカをメタノール(0.5ml) で洗浄した。濾液をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘプタン:EtOAc (1:2)で溶離させて表題化合物(10 mg、20%)を得た。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.48 (1 H, d) 7.44 (1 H, d) 7.11−7.17 (2 H, m) 7.06 (1 H, d) 4.34 (2 H, d)) 3.41−3.48 (2 H, m) 2.80−2.87 (2 H, m) 2.16 (3 H, s);MS ESI m/z M+H+ 477, 479.
【0125】
実施例30〜33
実施例30〜33を、実施例29における方法に従って製造した。
【表8】

【0126】
実施例34
(i):2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド
2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン(69mg、0.27mmol)及びピリジン(43μl、0.54mmol)を、クロロホルム(1ml)及びアセトニトリル(1ml) 中に溶解した。2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(79mg、0.32mmol)を加え、そして混合物を周囲温度で1時間撹拌した。水(1ml)を加え、そして溶媒を蒸発させた。残留物をクロロホルム(2.5ml)中に溶解し、そして水性水酸化ナトリウム(2M、2.5ml)を加えた。混合物を周囲温度で40分間撹拌した。混合物を水(8ml) で希釈し、そして塩酸を加えてpHを酸性にした。炭酸水素ナトリウムを加えてpHを塩基性にし、そして混合物をクロロホルムで抽出した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製し、固体として表題化合物のアセテートを得た(32mg、32%)。1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 8.04 (1 H, dd) 7.76 (1 H, dd) 7.41 (1 H, t) 7.04−7.15 (3 H, m) 4.16−4.20 (2 H, m) 3.33−3.38 (2 H, m) 2.90−2.96 (2 H, m) 1.86 (2 H, br. s.);MS ESI m/z M+H+ 371.
(ii) 8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−1−オン
7−ニトロ−1−テトラロン(3.0g、15.7mmol)及びアジ化ナトリウム(3.0g、47.0mmol)を酢酸(31ml) 中に溶解し、そして混合物を0℃に冷却した。濃硫酸(5ml)を滴下して加えた。混合物を50℃で4時間加熱し、そしてRTに冷却した。混合物を氷(50ml) 上に注ぎ、そして混合物を高濃度水酸化アンモニウムで塩基性にした。混合物を周囲温度で20時間撹拌し、そして生成した固体を濾過により回収した。生成物を分取HPLCにより単離し、表題化合物を得た(0.51g、16%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 8.36 (1 H, br. s.) 8.21−8.29 (2 H, m) 7.57 (1 H, d) 2.94 (2 H, q) 2.87 (2 H, t) 1.89−1.99 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 207.
(iii) 8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン
8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−1−オン(330mg、1.60mmol)をTHF (2ml) 中に懸濁し、そしてボラン(THF中の1M溶液、6.5ml、6.5mmol)を加えた。混合物を4時間還流し、0℃に冷却し、そして塩酸(4M、3ml)を注意深く加えた。混合物を1時間還流し、溶媒を蒸発させ、そして水(11ml)を加えた。固体炭酸水素ナトリウムを添加することにより、混合物を中和した。混合物をEtOAcで抽出した ((3)。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物をシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより、0.1%トリエチルアミンを含有するクロロホルム中の10%メタノールで溶離させて精製し、表題化合物を得た(258mg、84%)。 MS ESI m/z M+H+ 193.
(iv) 8−ニトロ−2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン
8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン(258mg、1.34mmol)をジクロロメタン(5ml) 中に溶解し、そしてピリジン(0.43ml、5.2mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、そしてトリフルオロ酢酸無水物 (0.28ml、2.01mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で30分間及びRTで1時間撹拌した。水(1ml)を加え、次いでジクロロメタン(25ml)を加えた。混合物を水で洗浄し、有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(346mg、89%)。MS ESI m/z M−H+ 287.
(v) 2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン
8−ニトロ−2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン(346mg、1.20mmol)をEtOAc (3ml)及びメタノール(3ml) 中に溶解した。アンモニア(メタノール中の7M溶液、2滴)を加え、次いでチャコール上の10%パラジウム(50mg)を加えた。混合物を大気圧の水素ガス下で8時間水素化した。混合物をAl2O3/セライトに通して濾過し、そして溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(346mg、定量的収率)。 MS ESI m/z M+H+ 259.
【0127】
実施例35
4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド
実施例34において示された方法を用いて、表題化合物のアセテートを乾燥したフィルム状物質として得た (25mg、21%)。 1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 8.83 (1 H, d) 8.36 (1 H, d) 8.18 (1 H, d) 7.71−7.83 (2 H, m) 7.66 (1 H, d) 6.93−7.06 (3 H, m) 4.13 (2 H, s) 3.31−3.32 (2 H, m) 2.83−2.91 (2 H, m) 1.83 (2 H, br. s.);MS ESI m/z M+H+ 387, 389.
【0128】
実施例36
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド
実施例34において示された方法を用いて、表題化合物のアセテートを乾燥したフィルム状物質として得た(32mg、24%)。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 8.17 (1 H, d) 7.55 (1 H, t) 7.36−7.51 (6 H, m) 7.24−7.30 (1 H, m) 6.95 (1 H, d) 6.67−6.74 (1 H, m) 6.56 (1 H, s) 3.93 (2 H, s) 3.20−3.28 (2 H, m) 2.80−2.86 (2 H, m) 1.80 (2 H, br. s.);MS ESI m/z M+H+ 379.
【0129】
実施例37
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)キノリン−8−スルホンアミド
実施例34において示された方法を用いて、固体として表題化合物のアセテートを得た(87mg、67%)。 1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 9.16 (1 H, dd) 8.27−8.35 (2 H, m) 8.03 (1 H, dd) 7.55−7.64 (2 H, m) 6.88−6.93 (3 H, m) 3.94 (2 H, s) 3.21−3.28 (2 H, m) 2.76−2.82 (2 H, m) 1.80 (2 H, br. s.);MS ESI m/z M+H+ 355.
【0130】
実施例38
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン(34mg、0.13mmol)及びピリジン(22μl、0.26mmol)を、クロロホルム(1ml) 中に溶解した。1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1H−ピロール−2−スルホニルクロリド(59mg、0.17mmol)を加え、そして混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、そして残留物をメタノール(0.5ml) 中に溶解し、そしてアンモニア(メタノール中の7M溶液、3ml)を加えた。混合物を周囲温度で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、そして残留物を分取HPLCにより精製し、乾燥したフィルム状物質を得た(25mg、40%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 8.62−8.65 (1 H, m) 8.09 (1 H, d) 7.90−7.92 (1 H, m) 7.41 (1 H, dd) 7.14−7.20 (2 H, m) 7.05 (1 H, d) 7.01 (1 H, d) 6.55 (1 H, dd) 4.04 (2 H, s) 3.26−3.32 (2 H, m) 2.84−2.91 (2 H, m) 1.81−1.89 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 472.
【0131】
実施例39〜49
実施例39〜49を実施例38の方法に従って製造した。
【表9】

【0132】
【表10】

【0133】
【表11】

【0134】
実施例50
(i):2,3−ジクロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド
2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン(13mg、0.070mmol)をジクロロメタン(1ml) 中に溶解し、そしてピリジン(12μl、0.14mmol)を加え、次いでジクロロメタン(0.5ml)中の2,3−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(19mg、0.077mmol)を加えた。混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次いでジクロロメタン(30ml)で希釈した。混合物を水性水酸化ナトリウム及び水で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(3mg、11%)。 1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 7.99 (1 H, dd) 7.72 (1 H, dd) 7.37 (1 H, t) 6.94−6.98 (3 H, m) 3.69 (2 H, s) 2.91−2.95 (2 H, m) 2.76−2.81 (2 H, m) 2.19 (3 H, s) 1.64−1.71 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 385, 387, 389.
(ii) 2−メチル−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン
8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン(50mg、0.26mmol)をメタノール(2ml) 中に溶解し、そしてアルデヒドを形成し(37%水溶液、97μl、1.3mmol)、そして酢酸(30μl)を加えた。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、そしてシアノ水素化ホウ素ナトリウム(49mg、0.78mmol)を加えた。混合物を周囲温度で16時間撹拌し、そして溶媒を蒸発させた。残留物をジクロロメタン中に溶解し、そして水性水酸化ナトリウム及び水で洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(47mg、88%)。MS ESI m/z M+H+ 207.
(iii) 2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン
チャコール上のパラジウム(10%、6mg)及びギ酸アンモニウム(25mg、0.40mmol)をアルゴン雰囲気下のエタノール(1ml)中で混合した。混合物を2分間撹拌し、そして2−メチル−8−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン(20mg、0.10mmol)を加え、そしてバイアルを密封した。混合物を、マイクロ波照射により140℃で15分間加熱した。混合物をセライトに通して濾過し、そしてセライトをメタノールで洗浄した。溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(26mg、定量的収率)。 MS ESI m/z M+H+ 177.
【0135】
実施例51
4−クロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド
表題化合物を、実施例50(i) において示された方法に従って製造し、固体(5mg, 18%)を得た。1H NMR (400 MHz, メタノール−d4) δ ppm 8.83 (1 H, dd) 8.35−8.39 (1 H, m) 8.11 (1 H, d) 7.72−7.81 (2 H, m) 7.63 (1 H, d) 6.90 (1 H, d) 6.84 (1 H, dd) 6.74 (1 H, d) 3.60 (2 H, s) 2.87−2.93 (2 H, m) 2.70−2.76 (2 H, m) 2.08 (3 H, s) 1.59−1.66 (2 H, m);MS ESI m/z M+H+ 401, 403, 404.
【0136】
実施例52
6−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−スルホンアミド
6−クロロイミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−スルホニルクロリド(32mg、0.122mmol)を、クロロホルム(2ml)中の2−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−アミン(21mg、0.081mmol)及びピリジン(13μl、0.16mmol)の溶液に加えた。反応混合物を1時間撹拌した。水(0.3ml)を加え、そして溶媒を真空下で除去した。残留物をクロロホルム(2.5ml)及び水酸化ナトリウム溶液(2N、2.5ml)中に再溶解した。混合物を40分間激しく撹拌した。水(10ml)を加え、そして混合物を濃塩酸を用いて酸性にし、次いで固体NaHCO3を用いて塩基性にした。混合物をクロロホルムで3回抽出し、そして合一した有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製し、表題化合物を得た(1.28mg 3.30%)。1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.83 (1 H, d) 6.97−7.06 (3 H, m) 6.82 (1 H, d) 3.88 (2 H, s) 3.17 (2 H, s) 2.81 (2 H, d) 1.74 (2 H, s);MS (ESI) m/z M+H+ 383及び385.
【0137】
実施例53
2−ベンゾイル−4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド
化合物を実施例52において示された方法に従って製造し、固体(25%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ ppm 7.85 (2 H, d) 7.65−7.76 (2 H, m) 7.52 (2 H, t) 7.41−7.47 (1 H, m) 7.36 (1 H, d) 7.05−7.16 (3 H, m) 4.08 (2 H, s) 3.30−3.37 (2 H, m) 2.88−2.94 (2 H, m) 1.90 (2 H, m);MS (ESI) m/z M+H+ 440及び442.
【0138】
薬理学
ラットの線条体5−HT6受容体に結合する[125I]SB258585に関する方法
材料
比放射活性2000 Ci/mmolの[125I]SB258585 (1)を、Amersham Biosciences Europe GmbH、Freiburg、ドイツから購入した。他の薬品は、商業的供給元から購入し、そして分析グレードのものを用いた。
膜の製造
成体のラット(Sprague−Dawley, 320−370g, B & K Sweden)の線条体組織を解剖し、計量し、そして50mM トリス−HCl、4mM MgCl2、1mM EDTA、10μM パーギリン及びプロテアーゼ阻害剤 (Complete, Roche Diagnostics) pH 7.4を含有するバッファ中でUltra−Turrax T8 (IKA Labortechnik, ドイツ)を用いてホモジナイズした。組織ホモジネートを48 000xgで10分間遠心分離し、そしてペレットを再懸濁し、上述のように再び遠心分離した。最後の膜をバッファ中に希釈して、1mlあたり原湿重量(w.w.)60mgの濃度とし、−70℃でアリコートで保存した。
放射性リガンド結合アッセイ
チューブあたり、0.5mlバッファ(50mM トリス、4mM MgCl2、100mM NaCl、1mM EDTA、5mM アスコルビン酸塩及び10μM パーギリン(pH 7.4))、0.2 nM [125I]SB258585及び非標識SB258585において、1〜3mg w.w.で、最終濃度範囲0.23〜20nM (12 conc.)として、二連で飽和結合研究を行った。10μM メチオテピンの存在下で、非特異的結合を測定した。競合実験において、競合薬剤をDMSO中に予め溶解し、そしてバッファ中に希釈して7種類の濃度で、チューブあたり0.8〜2mg w.w.及び放射性リガンド濃度0.5〜1 nMを用いた。アッセイは、Brandelセル・ハーベスターを用いて、室温で1〜3時間インキュベートし、そして0.3% ポリエチレンイミンで予め処理したWhatman GF/Bフィルタに通して急速濾過することにより終了させた。Packard Tri−Carb 2900TR液体シンチレーションカウンターにおいて、放射活性を測定した。PRISM 4.00 (GraphPad Software Inc., San Diego, CA)を用いて、非線形回帰分析によりデータを分析した。
アッセイについての更なる情報は、Hirst, W.D., Minton, J.A.L., Bromidge, S.M., Moss, S.F., Latter, A., Riley, G., Routledge, C., Middlemiss, D.N. & Price, G.W. (2000)において見出すことができる。ラット、ブタ及びヒトの脳組織におけるヒト組み換え5−HT6受容体及び天然5−HT6受容体への[125I]−SB−258585の結合特性は、Br. J. Pharmacol., 130, 1597−1605に記載されている。
【0139】
結果
上記のアッセイで測定した典型的なIC50値は、5μM以下である。本発明の1つの態様において、IC50は500 nMより低い。本発明の別の態様において、IC50は50 nMより低い。本発明のさらなる態様において、IC50は10 nMより低い。
【表12】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で表わされる化合物又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩。
式中、
QはC6-10アリールC0-6アルキル、C5-11ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキルC0-6アルキル又はC1-10アルキルであり;
R1は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R8OC0-6アルキル、CN、SR7、R7SO2C0-6アルキル、SO2R7、R7CON(R8)C0-6アルキル、NR8SO2R7、COR7、COOR8、OSO2R8、(R8)2NCOC0-6アルキル、SO2N(R8)2、N(R8)CON(R8)2、NO2、C3-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル又はオキソであり;
nは0、1、2、3、4又は5であり;
BはO、N(R6)2であるか、又はBはC5-11ヘテロアリール内のNR6であり、ここでR6はQと環を形成し;
XはO、CH2、CO、S、SO、SO2又はNR12であり;
R2は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R7OC0-6アルキル、CN、SR7、SO2R8、SOR7、N(R8)COR7、N(R8)SO2R7、COR7、COOR7、OSO2R7、CON(R8)2又はSO2N(R8)2であり;
R3は水素、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はR7OC1-6アルキルであり;
R4は水素、C1-5アルキル、C1-5ハロアルキル、C1-5アルコキシ又はC1-5ハロアルコキシであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;又は
R3及びR4は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R5は水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ又はC1-6ハロアルキルであり;又は
R4及びR5は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキル又はC3-7シクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R6は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルC0-6アルキル、R7OC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6シアノアルキル、(R10)2NCOC0-6アルキル又はR11SO2C1-6アルキルであり;
R7はC1-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R8は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C6-1
0アリールC0-6アルキル又はC5-6ヘテロアリールC0-6アルキルであり;又は
R7及びR8は一緒になってC5-6ヘテロアリール又はC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し;
ここで、R1、R3、R7及びR8における任意のアリール及びヘテロアリールは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6ハロアルキル、CN、OR10、C1-6アルキル、オキソ、SR10、CON(R10)2、N(R10)COR11、SO2R11、SOR11、N(R10)2及びCOR11から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R9は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC0-3アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、CON(R10)2、N(R10)COR11、SR10 SOR11、CN又はSO2R11であり;
R10は水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R11はC1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;又は
R10及びR11は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、これは水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びシアノから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;そして
R12は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11又はSO2R11である。
【請求項2】
式Iにおいて、
QはC6-10アリールC0-6アルキル、C5-11ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C3-7ヘテロシクロアルキルC0-6アルキル又はC1-10アルキルであり;
R1は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C1-10アルコキシ、N(R10)2、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルキルO、R8OC0-6アルキル、CN、SR7、R7SO2C0-6アルキル、SO2R7、R7CON(R8)C0-6アルキル、NR8SO2R7、COR7、COOR8、OSO2R8、(R8)2NCOC0-6アルキル、SO2N(R8)2、N(R8)CON(R8)2、NO2、C3-6シクロアルキル、C3-6ヘテロシクロアルキル又はオキソであり;
nは0、1又は2であり;
BはO又はN(R6)2であり;
XはO又はCH2であり;
R2は水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R3は水素、C1-10アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はR7OC1-6アルキルであり;
R4は水素、C1-5アルキル、C1-5ハロアルキル、C1-5アルコキシ又はC1-5ハロアルコキシであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-3アルキル及びC1-3アルコキシから独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;又は
R3及びR4は一緒になってC3-7ヘテロシクロアルキルを形成し、そしてこれは水素、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、COR11、SO2R11、OR11、シアノ、オキソ及びSO2N(R10)2から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;
R5は水素であり;
R6は水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキルC0-6アルキル、R7OC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC1-6シアノアルキルであり;
R7はC1-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-6アルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル又はC1-6ハロアルキルであり;
R8は水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-7シクロアルキルC0-6アルキル、C6-10アリールC0-6アルキル又はC5-6ヘテロアリールC0-6アルキルであり;
ここで、R1における任意のアリール及びヘテロアリールは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6ハロアルキル、CN、OR10、C1-6アルキル、オキソ、SR10、CON(R10)2、N(R10)COR11、SO2R11、SOR11、N(R10)2及びCOR11から独立して選択される1又はそれ以上の基により置換されてもよく;そして
R10は水素、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルである;
請求項1に記載の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩。
【請求項3】
QがC6-10アリールC0-4アルキル又はC5-11ヘテロアリールC0-4アルキルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Qがフェニル、ナフチル、ベンゾチエニル、チアゾール、ピロリル、ピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、フェニルメチル、テトラリニル、イミダゾチアゾール又はチエニルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
R1が水素、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C6-10アリールC0-4アルキル、C5-6ヘテロアリールC0-4アルキル、C1-4ハロアルキル、COR7、R8OC0-4アルキル、SO2R7又はR7CON(R8)C0-4アルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
BがN(R6)2であり、そしてR6は水素又はC1-3アルキルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R2が水素、ハロゲン又はC1-4ハロアルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R3が水素、C1-3アルキル又はC1-4ハロアルキルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
R3及びR4が一緒になってC3-6ヘテロシクロアルキルを形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
以下:
3−ブロモ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2−クロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3,5−ジクロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3−メトキシ−N−(4−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
3−ブロモ−N−(9−クロロ−4−イソプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
3−クロロ−2−フルオロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−2−スルホンアミド;
5−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)ビフェニル−3−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)キノリン−8−スルホンアミド;
1−(3−クロロフェニル)−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)メタンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−[4−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]ビフェニル−4−スルホンアミド;
N−[(11aS)−2,3,11,11a−テトラヒドロ−1H,5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾオキサゼピン−7−イル]−3−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
3−ブロモ−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
5−クロロ−3−メチル−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
N−[4−メチル−5−({[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]アミノ}スルホニル)−1,3−チアゾール−2−イル]アセトアミド;
2,3−ジクロロ−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
3−(トリフルオロメチル)−N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド;
N−[9−(トリフルオロメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]ナフタレン−1−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)キノリン−8−スルホンアミド;
1−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド;
4−フェニル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−5−(トリフルオロメチル)チオフェン−3−スルホンアミド;
4'−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−2−スルホンアミド;
4−(フェニルスルホニル)−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)チオフェン−2−スルホンアミド;
5−クロロ−3−メチル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−1−ベンゾチオフェン−2−スルホンアミド;
2−ブロモ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド;
2−ヨード−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
2,6−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド;
3,4−ジクロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ビフェニル−4−スルホンアミド;
2,3−ジクロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;
4−クロロ−N−(2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ナフタレン−1−スルホンアミド;
2−ベンゾイル−4−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)ベンゼンスルホンアミド;及び
6−クロロ−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾアゼピン−8−イル)イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾール−5−スルホンアミド
からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はその塩、溶媒和物若しくは溶媒和された塩。
【請求項11】
治療で使用するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
5−HT6介在疾患の治療用医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項13】
アルツハイマー病、認知障害、統合失調症に伴う認識機能障害、肥満及び/又はパーキンソン病の治療用医薬の製造における、請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項14】
活性成分として治療有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物を、1又はそれ以上の医薬として許容し得る希釈剤、賦形剤及び/又は不活性担体と共に含有する医薬組成物。
【請求項15】
5−HT6介在疾患の治療において使用するための、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
5−HT6介在疾患の治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、該疾患の治療方法。
【請求項17】
活性成分として請求項1〜10のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、5−HT6介在疾患の治療用薬剤。
【請求項18】
式II:
【化2】

(式中、ZはN又はOであり、そしてX、R2、R3、R4及びR9は請求項1において定義されるとおりである)で表わされる化合物。
【請求項19】
請求項1に記載の式Iの化合物の製造における、請求項18に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−501705(P2009−501705A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520212(P2008−520212)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000827
【国際公開番号】WO2007/004959
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】