説明

新規MDM2−p53インヒビターとしての置換されたピペリジン

本発明は、式(II)又は(III )(式中、X、n及びR1−R12は本明細書において定義された通りである)で表される化合物及び医薬的に許容できるその塩を提供する。本発明はまた、治療的有効量の式(II)又は(III )の化合物又は医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る医薬組成物を提供する。前記化合物は、癌の処理のために有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式(I):
【化1】

【0002】
[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;
R12は、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル、及び下記式:
【0003】
【化2】

【0004】
(式中、R7〜R11は独立して、水素、ハロゲン、-CN, -NO2, -CF3,-OCH3,-COOCH3, 及び -C6H5から成る群から選択される)
で表される基から成る群から選択され;
R2〜R6は、水素、ハロゲン、低級アルキル、-(CH3)3, -CF3,-OCH3,-N02, 及び-CNから成る群から独立して選択され;そして
R12が、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルである場合、R2〜R6は水素である]
で表される、シス−3,4−ジアルコキシ置換を有する一連のピペリジン、及び医薬的に許容できるその塩を提供する。
【0005】
式Iの化合物は、MDM2−p53相互作用の小分子インヒビターである。それらの化合物は、癌の治療又は制御において有用である。
p53は、癌の進行に対する保護において中心的役割を演じる腫瘍抑制タンパク質である。p53は細胞統合性を抑制し、そして増殖抑制又はアポプトシスの誘発により、細胞の永久的に損傷されたクローンの増殖を妨げる。分子レベルで、p53は、細胞周期及びアポプトシスの調節に関係する一連の遺伝子を活性化することができる転写因子である。p53は、細胞レベルで、MDM2により確実に調節される有能な細胞周期インヒビターである。MDM2及び、p53は、フィードバック制御ループを形成する。MDM2はp53を結合し、そしてp53−調節された遺伝子のトランスアクチベーション能力を阻害する。さらに、MDM2は、p53のユビキチン−依存性分解を仲介する。p53は、MDM2遺伝子の発現を活性化し、従って、MDM2タンパク質の細胞レベルを高めることができる。このフィードバック調節ループは、MDM2及びp53の両者が正常な増殖細胞において低レベルで維持されることを保証する。MDM2はまた、細胞周期調節において中心的役割を演じる、E2Fのための補因子である。
【0006】
MDM2:p53(E2F)の比は、多くの癌において異常調節される。時折存在する分子のp16INK4/p19ARF遺伝子座における欠失は、MDM2タンパク質分解に対して影響を及ぼすことが示されている。野生型p53と腫瘍細胞におけるMDM2-p53との相互作用の阻害は、p53の蓄積、細胞周期阻止及び/又はアポプトシスを導くべきである。従って、MDM2アンタゴニストは、単一の例として、又は広範囲の他の抗腫瘍治療と組合して、癌治療への新規アプローチを提供する。この手段の実施の可能性は、MDM2−p53相互作用の阻害のための異なった高分子手段(例えば、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド)の使用により示されている。MDM2はまた、p53として、保存された結合領域を通してE2Fを結合し、そしてサイクリンAのE2F−依存性転写を活性化し、このことは、MDM2アンタゴニストが、p53変異体細胞において効果を有することを示唆する。
【0007】
本発明は、下記式(II):
【化3】

【0008】
[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;
R2〜R6は、水素、ハロゲン、低級アルキル、-(CH3)3, -CF3,-OCH3,-N02, 及び-CNから成る群から独立して選択され;そして
R7〜R11は、水素、ハロゲン、-CN, -NO2, -CF3,-OCH3,-COOCH3, 及び -C6H5から成る群から独立して選択される]
で表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩を提供する。
【0009】
本発明はまた、下記式(III ):
【化4】

【0010】
[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;そして
R12は、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルから成る群から選択される]
で表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩を提供する。
【0011】
本発明はまた、治療的有効量の式(II)又は(III )の化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る医薬組成物も提供する。本発明はさらに、治療的有効量の式(II)又は(III )の化合物を、癌の処理の必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法を提供する。さらに、本発明は、癌を処理するための薬剤の調製のためへの式(II)又は(III )の化合物の使用を提供する。
【0012】
本発明は、ELISAアッセイにおいて試験された、MDM2−p53相互作用の一連の小分子インヒビター、すなわちシス−ジアルコキシ置換を有するピペリジンを提供する。このシリーズにおける最も有能な化合物は、p53−由来のペプチドとほぼ同じである能力を有するp53−様ペプチドとMDM2タンパク質との相互作用を阻害することが示されている。MDM2タンパク質のp53−結合ポケットへのそれらの化合物の結合は、このシリーズの選択された化合物及びそれらの化合物のフラグメントのNMR研究により確かめられている。それらの化合物は、細胞に基づくアッセイにおける明確な機械的活性、及びインビトロ及びインビボでの野生型p53含有腫瘍細胞に対する抗増殖活性を示している、シス−イミダゾリンと同じ結合ポケットを結合することが示されている。従って、それらの化合物は抗癌剤として有用である。
【0013】
本明細書において使用される場合、次の用語は次のような意味を有する:
“アルキル”又は“低級アルキル基”とは、1〜10個、好ましくは1〜6個、及びより好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、直鎖又は枝分かれ鎖の飽和脂肪族炭化水素を意味する。典型的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル及びイソプロピルを包含する。
“アルケニル”とは、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子、及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、直鎖又は枝分かれ鎖の脂肪族炭化水素を意味する。
“カルボニル”とは、二価の−CO−基を意味する。
“有効量”とは、疾病の徴候を妨げ、軽減し、そして改善するか、又は処理される対象の生存性を延長するために有効である量を意味する。
【0014】
“ハロゲン”とは、弗素、塩素、臭素又は沃素を意味する。
“ヒドロキシ”とは、一価の-OH基を意味する。
置換されたアルキルにおけるように“置換された”とは、置換が1又は複数の位置で存在し、そして特にことわらない限り、個々の置換部位での置換基が特定されたオプションから独立して選択されることを意味する。
“スルホニル”とは、二価の基-SO2-を意味する。
“IC50”とは、特定の測定された活性の50%を阻害するために必要とされる特定の化合物の濃度を言及する。IC50は、中でも、続いて記載されるようにして、測定され得る。
【0015】
“医薬的に許容できる塩”とは、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持し、そして適切な非毒性有機又は無機酸又は有機又は無機塩基から形成される、通常の酸付加塩又は塩基付加塩を言及する。酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭酸、ヨウ酸、硫酸、スルファミド酸、リン酸及び硝酸に由来するそれらの塩、及び有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、修酸、琥珀酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、及び同様のものに由来するそれらの塩を包含する。塩基付加塩は、カリウム、ナトリウム、アンモニウム及び第四アンモニウム水酸化物、例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物に由来するそれらの塩化を包含する。医薬化合物(すなわち、薬剤)の塩への化学的変性は、化合物の改良された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性を得るために当業者に良く知られている技法である。例えば、H. Ansel など., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995) at pp. 196 and 1456-1457を参照のこと。
【0016】
“医薬的に許容できる”例えば医薬的に許容できるキャリヤー、賦形剤、等は、特定の化合物が投与される対象に対して薬理学的に許容でき、且つ実質的に非毒性であることを意味する。
“治療的有効”とは、ヒト腫瘍細胞、例えばヒト腫瘍細胞系の増殖を有意に阻害し、そして/又はその分化を妨げる、式(II)又は(III )、又は医薬的に許容できるその塩の少なくとも1つの化合物の量を意味する。
【0017】
本発明の化合物は、都合良く例示される場合、約3μM〜約100μMのIC50を示す。
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患、特に腫瘍学的障害の処理又は制御において有用である。それらの化合物及び前記化合物を含む製剤は、固形腫瘍、例えば乳腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍及び前立腺腫瘍の処理又は制御において有用である。
本発明の化合物の治療的有効量とは、疾病の徴候を妨げるか、軽減するか、又は改善するために効果的であるか、又は処理される対象の生存を延長するために効果的である化合物の量を意味する。治療的有効量の決定は、当業者の範囲内である。
【0018】
本発明の化合物の治療的有効量又は用量は、広い限界内で変化し、そして当業界において知られている態様で決定され得る。そのような用量は、個々の特定の場合における個々の必要条件、例えば投与される特定の化合物、投与の経路、処理される条件、及び処理される患者に従って調節されるであろう。一般的に、約70kgの体重のヒト成人への経口又は非経口投与の場合、約10mg〜約10,000mg、好ましくは約200mg〜約1,000mgの毎日の用量が適切であり、但しその上限は、指摘される場合、限度をこえることができる。毎日の用量は、単一用量として又は分割された用量で投与され、又は非経口投与に関しては、それは連続注入として与えられ得る。
【0019】
本発明によれば、下記式(II):
【化5】

【0020】
[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;
R2〜R6は、水素、ハロゲン、低級アルキル、-(CH3)3, -CF3,-OCH3,-N02, 及び-CNから成る群から独立して選択され;そして
R7〜R11は、水素、ハロゲン、-CN, -NO2, -CF3,-OCH3,-COOCH3, 及び -C6H5から成る群から独立して選択される]
で表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩が提供される。
【0021】
本発明の好ましい態様においては、nは1である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、Xはクロロ又はフルオロ;より好ましくはクロロである。本発明のもう1つの好ましい態様においては、Xはバラ置換基である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R1が水素、-CH2CH3,-CH2CH2CH3,-COCH3,-COCH2CH3,- CH2CHOHCH20H, 及び-SO2CH3から成る群から選択され;より好ましくは、R1は水素である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R2及びR6が、水素、及びハロゲン、より好ましくは、水素、フルオロ、クロロ及びブロモから成る群から独立して選択される。
【0022】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R3及びR5が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CH3、-OCH3, -CN及び-NO2から成る群から独立して選択され;より好ましくは、R3及びR5は、水素、フルオロ、クロロ及びブロモから成る群から独立して選択される。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R4が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-C(CH3)3, -CH3, -CN及び-CF3から成る群から選択され;より好ましくは、R4は、水素、フルオロ、クロロ、及びブロモから成る群から選択される。
【0023】
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R7及びR11が、水素、ハロゲン、-CN, -NO2及び-C6H5から成る群から独立して選択され;より好ましくは、R7及びR11は、水素、フルオロ、クロロ、及びブロモから成る群から独立して選択される。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R8及びR10が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN, -NO2及び-OCH3から独立して選択され;より好ましくは、R8及びR10は、水素、フルオロ、クロロ、及びブロモから独立して選択される。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R9が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OCH3, -CN, -CF3及び-COOCH3から成る群から選択され;より好ましくは、R9は、水素、フルオロ、クロロ、及びブロモから成る群から選択される。
【0024】
式(II)を有する好ましい化合物は、次のものを包含する:
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(ビフェニル-2-イルメトキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
【0025】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac] -4- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルメチル]-安息香酸 メチルエステル;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
【0026】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 5-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
【0027】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac] -2- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4,5-ジメトキシ-2-ニトロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
【0028】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-ブト-2-エニルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-ペント-2-エニルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-ブトキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(4-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4-(4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
【0029】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4, 5-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3,4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 4, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
【0030】
シス- [rac] -3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -4- (2, 5-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 6-ジクロロ-ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac] -3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -4- (3-メトキシ-ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 3, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
【0031】
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2-フルオロ-3-メチル-ベンジルオキシ)-ピペリジン;
シス- [rac] -4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
【0032】
シス- [rac]-4- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ- ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (2-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-tert-ブチル-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac] -4- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-4-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-4- (3-クロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
【0033】
シス- [rac]-4- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ- ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2, 3-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
【0034】
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-トリフルオロメチル- ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac] -3- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-4-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-4- (2-クロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-メチル-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
【0035】
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3, 4-ビス- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3, 4-ビス- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -3- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル) - ピペリジン-1-イル] -エタノン ;
【0036】
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)- ピペリジン-1-イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-l-イル]- エタノン;
【0037】
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac] -3- [1-アセチル-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
【0038】
シス- [rac]-1- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン-1-イル]-エタノン ;
シス- [rac] -1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2,3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル]-プロパン-1-オン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル]-プロパン-1-オン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-フルオロ-フェニル)-ピペリジン;
シス- [rac] -4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-(3,4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-1-エチル- ピペリジン ;
【0039】
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-1-プロピル- ピペリジン;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -プロパン-1, 2-ジオール;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]- プロパン-1, 2-ジオール ; 及び
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル]-スルホニルメタン。
【0040】
さらに、本発明によれば、下記式(III ):
【化6】

【0041】
[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;そして
R12は、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルから成る群から選択される]で表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩が提供される。
【0042】
本発明の好ましい態様においては、nは1である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、Xはクロロ又はフルオロ;より好ましくはクロロである。本発明のもう1つの好ましい態様においては、Xはバラ置換基である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R1が水素、-CH2CH3,-CH2CH2CH3,-COCH3,-COCH2CH3,- CH2CHOHCH20H, 及び-SO2CH3から成る群から選択され;より好ましくは、R1は水素である。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、R12は、-(CH2)3CH3, -(CH2)4CH3,-CH2CH=CHCH3, 及び-CH2CH=CH-CH2CH3から成る群から選択される。
【0043】
式(III )を有する好ましい化合物は、次のものを包含する:
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3-ブチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3-ペンチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3- (ブト-2-エン) イルオキシ-ピペリジン; 及び
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3- (ペント-2-エニル) オキシ-ピペリジン。
【0044】
式(II)を有する他の好ましい化合物は、次のものを包含する:
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-ブチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac] -4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -3-ペンチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (ブト-2-エン) イルオキシ-ピペリジン ; 及び
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (ペント-2-エニル) オキシ-ピペリジン。
【0045】
本発明はまた、治療的有効量の式(II)又は(III )の化合物、及び治療的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、治療的有効量の式(II)又は(III )の化合物を、癌の治療の必要な患者に投与することを含んで成る、癌の処理方法を提供する。好ましくは、前記癌は、乳癌又は結腸癌である。
【0046】
さらに、本発明は、請求項1記載の式Iの化合物の調製方法提供し、ここで前記方法は、
a)下記式IV:
【化7】

【0047】
[式中、R2〜R6、X及びnは上述の通りである]
で表される化合物を、適切なリンカーにより固相にカップリングし、下記式V:
【化8】

【0048】
[式中、円で囲んだPは固相を表す]で表される化合物を得、
b)アニオンを生成するためにカリウムtert−ブトキシドを用い、そして前記式Vの化合物を、式R12Xのアルキルハロゲン化物によりアルキル化し、下記式VI:
【0049】
【化9】

[式中、R12は上述の通りである]で表される化合物を得、
【0050】
c)前記リンカーから生成物を分解し、下記式Ia:
【化10】

[式中、R1はHである]で表される化合物を得、そして所望には、
【0051】
d)前記一般式Iaの化合物と、アシルハロゲン化物、アルキルハロゲン化物又は塩化スルホニルとを反応せしめ、式I(式中、R1はカルボニル、スルホニル、低級アルキル、又はカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルである)で表される化合物を得ることを含んで成る。
【0052】
本発明の化合物、及びその中間体は、下記に示されるスキームに従って調製され得る。出発材料は、既知の方法を用いて、又は例示のようにして製造される。スキーム、調製及び例の記載に使用される略語は、下記に示される。
ACE-Cl = 1-クロロエチル クロロホルメート (Aldrich) ;
BEMP = 2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1, 3-ジメチル-ペルヒドロ-1, 3,2- ジアザホスホリン (Fluka) ;
Boc = tert-ブチルオキシカルボニル ;
t-BuOK = カリウムtert-ブトキシド;
CH2Cl2 = ジクロロメタン ;
DCE = 1, 2-ジクロロエタン ;
【0053】
DMF = N, N-ジメチルホルムアミド ;
Et20 = ジエチルエーテル ;
EtOH = エタノール;
H2SO4 =硫酸;
HCl = 塩化水素 ;
H20 =水 ;
MeOH =メタノール;
NaH = 水素化ナトリウム ;
【0054】
NMO = N-メチルモルホリン-N-オキシド ;
NMP = l-メチル-2-ピロリジノン ;
Os04 =四酸化オスミウム;
ポリマー (支持された) BEMP = ポリスチレン樹脂により支持された2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1, 3-ジメチル- ペルヒドロ-1,3, 2- ジアザホスホリン(Fluka);
i-Pr2NEt = N, N-ジイソプロピルエチルアミン ;
TEA =トリエチルアミン ;
TFA =トリフルオロ酢酸 ;
THF = テトラヒドロフラン。
【0055】
スキーム1〜3は、新規固相合成を用いての式(II)及び(III )を有する本発明の化合物の一般的調製方法を概略する。スキームは、溶液相での化合物の一般的調製方法を概略する。スキーム5は、新規ポリマー支持された試薬を用いてR1基を変性するための種々の方法を例示する。
【0056】
スキーム1においては、市販の4−アリール−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンの第二アミンの保護が概略されている。好ましい保護基は、既知方法(Greene, T. W. and Wuts, P. G. M, 2nd Edition, John Wiley & Sons, N. Y. 1991)から合成され得るtert−ブチルオキシカルボニルである。液相合成に関しては、得られるtert−ブチルエステルが、OsO4/NMOにより処理され、ジヒドロキシ中間体Aが形成される。C3での中間体Aの選択的o−アルキル化が、NaH及び4−メトキシベンジルクロリドを用いて行われ得る。得られる中間体は、既知方法に従ってベンジル化され得る。
【0057】
50%TFA/CH2Cl2を用いての4−メトキシルベンジル及びtert−ブチルオキシカルボニル基の保護解除は、4−アリール−4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシピペリジンBを生成する。固相合成に関しては、得られるピペリジンBが、適切なリンカー、例えばクロロメチル誘導体ArgoPore-Clリンカー (Argonaut)にカップリングされ得る。固相上でのアルキル化は、アニオンを生成するためにt-BuOKを用いて、続いて種々のアルキルハロゲン化物(RX)によりカップリングすることにより達成され得る。最終反応生成物は、本発明のピペリジン化合物を得るために、α−クロロエチルクロロホルメート(ACE−Cl)/MeOHを用いて、N−ベンジル結合の第三アミンリンカーから切断され得る(Leysen, D. など. Tetrahedro Lett. 1997,2915-2918)。
【0058】
【化11】

【0059】
スキーム2においては、一般的方法が、スキーム1における中間体Aに由来する官能化されたR基を特徴とする式(II)の化合物を調製するために概略されている。中間体Aは、NaH及びベンジルブロミドを用いてのC3のアルキル化、続くtert−ブチルオキシカルボニル基の酸保護解除を通して、4−アリール−3−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシピペリジンに転換され得る。固相上での続く合成が、スキーム1に概略される、記載される反応に続いて、本発明のピペリジン化合物を生成するために達成され得る。
【0060】
【化12】

【0061】
スキーム3においては、中間体Aからのtert−ブチルオキシカルボニルの保護解除を、50%TEA/CH2Cl2を用いて行うことができる。固相上での合成は、得られる4−アリール−3,4−ジヒドロキシピペリジンのArgoPore−Clリンカーによるカップリングにより開始する。t−BuOK及びアルキルハロゲン化物(RX)を用いてのジアルキル化、続く記載される条件に従ってのポリマー支持体の分解は、本発明のピペリジン化合物を提供する。
【0062】
【化13】

【0063】
スキーム4においては、溶液相における式(II)及び(III )の化合物の調製についての一般的合成方法が、概略されている。NaH及びアルキルハロゲン化物を用いての中間体Aの連続的アルキル化、続くtert−ブチルオキシカルボニルの酸保護解除が、本発明のピペリジンを提供する。
【0064】
【化14】

【0065】
スキーム5においては、中間体Cの後−変性についての一般的方法が概略される。中間体Cの第二アミンが種々の剤、例えば塩化アシル、アルキルハロゲン化物及び塩化スルホニルにより処理され、対応するアミド、tert−アミン又はスルホンアミドが形成される。中間体Cがまた、ポリマー支持体BEMP及びアリルヨウ化物を用いてアリル化され、N−アリル置換された中間体が、形成され、これはさらに、OsO4/NMOにより処理され、本発明の3−プロパン−1,3−ジオール置換されたピペリジンが形成され得る。
【0066】
【化15】

【0067】
本発明の化合物が下記例に従って、調製され得る。例は、本発明の化合物及び組成物の調製を例示する目的のために提供されるが、但し本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0068】
下記例において調製され、そして式(II)又は(III )により提供される化合物の阻害活性(IC50)は、3μM〜100μMの範囲である。
例1シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル:
【化16】

【0069】
4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(Lancaster, 1.00g, 4.35mモル)、トリエチルアミン(0.92g, 9.13mモル)及びジ−tert−ブチルカーボネート(Aldrich, 1.04g, 4.78mモル)を、ジクロロメタン(100ml)において組合し、そして室温で14時間、攪拌した。その混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)、水(30ml)、飽和塩化ナトリウム溶液(30ml)により洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。その混合物を濾過し、そして真空下で濃縮し、4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.41g、100%)を、黄色の粘性油状物として得、これを、さらに精製しないで使用した。
【0070】
4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(334mg、1.14mモル)を、アセトン/水(1;1、100ml)に溶解し、そしてN−メチルモルホリン−N−オキシド(Aldrich, 462mg, 3.42mモル)及び触媒量の四酸化オスミウム(Aldrich)を添加した。その混合物を室温で3時間、攪拌した。亜硫酸ナトリウム(2ml)の飽和水溶液を添加し、そしてその混合物を室温で30分間、攪拌した。その混合物を、酢酸エチル(10ml)及び水(5ml)により稀釈した。有機層を分離し、そして水性層を酢酸エチル(2×10ml)により抽出した。組合された有機層を、ブラインにより洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。その混合物を濾過し、そして真空下で濃縮し、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(364mg、1.11mモル、97%)を、黄色の油状物として得た。
【0071】
例2シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル:
【化17】

【0072】
テトラヒドロフラン/N, N−ジメチルホルムアミド(4/1, 4ml)の混合液中、水素化ナトリウム(62mg、2.6mモル)の氷冷却懸濁液に、テトラヒドロブラン/N, N−ジメチルホルムアミド(1ml、4/1)中、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例1、340mg、1.04mモル)の溶液を滴下した。添加の完結後、混合物を、氷冷却下で15分間、攪拌した。次に、3,4−ジクロロベンジルクロリド(Aldrich, 239mg, 1.14mモル)を添加し、そしてその混合物を室温に暖め、そして20時間、攪拌した。
【0073】
混合物を、塩化アンモニウム(30ml)の飽和水溶液に注ぎ、そして混合物を酢酸エチル(3×15ml)により抽出した。組合された有機層を水(2×20ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(1×20ml)により洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。その混合物を濾過し、そして真空下で濃縮し、粘性油状物(500mg)を得、これをフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Merckシリカゲル60、230〜400メッシュ)により精製し、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(310mg、61%)を、無色の油状物として得た。
【0074】
例3シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル:
【化18】

【0075】
テトラヒドロフラン(1.5ml)中、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例2、224mg、0.46mモル)の氷冷却溶液に、水素化ナトリウム(22mg、0.92mモル)を滴下した。氷冷却下での10分間の攪拌の後、臭化ベンジル(86mg、0.51mモル)、続いてN, N−ジメチルホルムアミド(0.5ml)を添加した。冷却浴を除き、そしてその混合物を室温に暖め、そして3時間、攪拌した。数滴のメタノールを添加し、そしてその混合物を室温で1時間、攪拌した。その混合物を、酢酸エチル(30ml)と飽和塩化アンモニウム水溶液(15ml)との間に分けた。
【0076】
有機層を分離し、そして水性層を酢酸エチル(3×15ml)により抽出した。組合された有機層を、水(3×30ml)、飽和塩化ナトリウム水溶液(15ml)により洗浄し、そして無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。その混合物を濾過し、そして真空下で濃縮し、シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(240mg)を得、これをさらに精製しないで使用した。
【0077】
例4シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン塩酸塩:
【化19】

【0078】
粗シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例3、240mg)を、無水ジエチルエーテル(10ml)に溶解した。その混合物を氷浴において冷却し、そして塩化水素ガスを前記溶液に10分間、通した。反応溶液を堅く蓋をし、そして0℃で24時間、貯蔵した。沈殿した固形物を集め、そしてジエチルエーテルにより洗浄し、シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン塩酸塩(130mg、55%)を、白色固形物として得た。
C24H24NO2C1についてのHR-FAB m/e: [M+H] + 476.0952, 実測値476.0931。
【0079】
例5シス[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル:
【化20】

【0080】
シス[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、例2及び3に使用される方法に従って、精製を伴わないで使用される、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例1)及び4−メトキシベンジルクロリド(Aldrich)から調製した。
【0081】
例6シス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン:
【化21】

【0082】
シス[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例5, 550mg, 1.02mモル)を、50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10ml)に溶解した。1.5時間の攪拌の後、溶液を真空下で蒸発した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(1:1)において粉砕し、シス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン(150mg)を、白色粉末として得た。質量スペクトル(ES) [M+CH3CN] + = 359。
【0083】
例7樹脂に結合されたシス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン:
【化22】

【0084】
N−メチルピロリン(12ml)中、シス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン(例6, 7.3g, 23mモル)、ArgoPore−Cl樹脂(16g, 15.3mモル、充填容量:0.96mモル、Argonaut Inc.からの)及びN, N−ジイソプロピルエチルアミン(13ml、76.7mモル)の混合物を、60℃で一晩、加熱した。樹脂を濾過し、そしてCH2Cl2及びメタノールにより連続的に洗浄した。樹脂を40℃/高真空下で一晩、乾燥し、樹脂に結合されたシス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジンを得た。
【0085】
例8シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−置換されたピペリジンライブラリー:
一般方法
【化23】

【0086】
THF:DMF(4:1)溶液(2ml)中、樹脂に結合されたシス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン(例7、200mg, 0.192mモル、充填溶液:0.96mモル/g)及びアルキルハロゲン化物(RX、0.58mモル)の懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(THF中、0.77M;1ml、0.77mモル)を添加した。室温での一晩の攪拌の後、樹脂を濾過し、そしてN, N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、ジクロロメタン及びジエチルエーテルにより連続的に洗浄した。樹脂を40℃/高温真空下で一晩、乾燥した。1−クロロエチルクロロホルメート(0.2ml、1.9mモル)を、1,2−ジクロロエタン(2ml)中、前記樹脂に添加した。室温での4時間の振盪の後、樹脂を濾過し、そして1,2−ジクロロエタン(3×2ml)により洗浄した。濾液を真空下で蒸発した。無水メタノール(2ml)を前記樹脂に添加し、そしてその溶液を60℃で3時間、加熱した。その溶液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。
上記態様で、次の化合物を調製した。
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
【表5】

例28に記載されるアッセイにおいては、例8Oの化合物は、19.8μMのIC50を示した。
【0092】
例9シス[rac]−3−ベンジルオキシ−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]ピペリジン:
【化24】

【0093】
シス[rac]−3−ベンジルオキシ−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]ピペリジンを、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例1)及び臭化ベンジル(Aldrich)から、例2及び6に使用される方法に従って調製した。
【0094】
例10樹脂に結合されたシス−[rac]−3−ベンジルオキシ−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]−ピペリジン:
【化25】

【0095】
この樹脂に結合された化合物を、シス[rac]−3−ベンジルオキシ−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]ピペリジン(例9)から、例7に使用される方法に従って調製した。
【0096】
例11シス−[rac]−3−ベンジルオキシ−4−(4−クロロフェニル)−4−置換されたピペリジンライブラリー:
一般方法
【化26】

【0097】
シス−[rac]−3−ベンジルオキシ−4−(4−クロロフェニル)−4−置換されたピペリジンライブラリーを、樹脂に結合されたシス−[rac]−3−ベンジルオキシ−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]−ピペリジン(例10)及び臭化アルキルから、例8に使用される方法に従って調製した。
上記態様で、次の化合物を調製した。
【0098】
【表6】

【0099】
【表7】

【0100】
例12樹脂に結合された3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]ピペリジン:
【化27】

この樹脂に結合された化合物を、例2,6及び7に使用される方法に従って調製した。
【0101】
例134−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−置換されたピペリジン:
一般方法
【化28】

【0102】
4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−4−置換されたピペリジンを、樹脂に結合された3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−4,4−[(4−クロロフェニル)−ヒドロキシ]ピペリジン(例12)及び臭化アルキルから、例8に使用される方法に従って調製した。
上記態様で、次の化合物を調製した。
【0103】
【表8】

【0104】
【表9】

【0105】
【表10】

【0106】
例14樹脂に結合されたシス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−3,4−ジオール:
【化29】

この樹脂に結合された化合物を、シス−[rac]−4−(4−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(例1)から、例6及び7に使用される方法に従って調製された。
【0107】
例15シス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−3,4−ビス−(2,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン:
【化30】

【0108】
THF:DMF(4:1)溶液(2ml)中、樹脂−結合されたシス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−3,4−ジオール(例14、200mg、0.192mモル、充填用量:0.96mモル/g)及び2,4−ジフルオロベンジルブロミド(Lancaster, 1.54mモル)の懸濁液に、カリウムt−ブトキシド(THF中、0.77M;1ml、0.77mモル)を添加した。室温での一晩の攪拌の後、樹脂を濾過し、そしてN, N−ジメチルホルムアミド−テトラヒドロフラン、メタノール、ジクロロメタン及びジエチルエーテルにより連続的に洗浄した。樹脂を、40℃/高真空下で一晩、乾燥した。1−クロロエチルクロロホルメート(0.2ml、1.9mモル)を、1,2−ジクロロエタン(2ml)中、前記樹脂に添加した。室温での4時間の振盪の後、樹脂を濾過し、そして1,2−ジクロロエタン(3×2ml)により洗浄した。濾液を真空下で蒸発した。無水メタノール(2ml)を、前記樹脂に添加し、そしてその溶液を60℃で3時間、加熱した。溶液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。分子質量(ES)M+=480。
【0109】
例16シス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−3,4−ビス(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン:
【化31】

【0110】
シス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−3,4−ビス(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−ピペリジンを、樹脂に結合されたシス−[rac]−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−3,4−ジオール(例14)及び3−ニトロベンジルブロミド(Lancaster)から、例15に使用される方法に従って調製した。分子質量(ES)M+=498。
【0111】
例17シス−[rac]−1−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−置換された−(ピペリジン−1−イル)−エタノンライブラリー:
一般方法
【化32】

【0112】
テトラヒドロフラン(1ml)中、樹脂に結合されたシス[rac]−4,4−[ベンジルオキシ−(4−クロロフェニル)]−3−ヒドロキシピペリジン(例8、0.012mモル)、ポリマー支持されたBEMP(10mg、0.023mモル、充填容量:2.3mモル/g、Fluka Inc.からの)及び塩化アセチル(0.01ml、0.14mモル)の混合物を、室温で一晩、振盪した。樹脂を濾過し、そしてCH2Cl2及びメタノールにより連続的に洗浄した。濾液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。
上記態様で、次の化合物を調製した。
【0113】
【表11】

【0114】
【表12】

【0115】
【表13】

例17Kは、例28に記載されるアッセイにおいて、5.5μMのIC50を有する。
【0116】
例18シス−[rac]−1−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1−オン:
【化33】

【0117】
シス−[rac]−1−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1−オンを、4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン(例8Ad)及び塩化プロピオニル(Aldrich)から、例17で使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)M+=518。
【0118】
例19シス−[rac]−1−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1−オン:
【化34】

【0119】
シス−[rac]−1−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ピペラジン−1−イル]−プロパン−1−オンを、シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン(例4)から、例18に使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)M+=533。
【0120】
例20樹脂に結合されたシス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−3−オール:
【化35】

【0121】
この樹脂に結合された化合物を、4−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(Acros)から、例1,5,6及び7に使用される方法に従って調製した。
【0122】
例21シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン:
【化36】

【0123】
シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジンを、樹脂に結合されたシス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−3−オール(例20)及び4−ブロモベンジルブロミド(Aldrich)から、例8に使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)MH+=471.
【0124】
例22シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−ペンチルオキシ−ピペリジン:
【化37】

シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−フルオロ−フェニル)−3−ペンチルオキシ−ピペリジンを、樹脂に結合されたシス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−フルオロ−フェニル)−ピペリジン−3−オール(例20)及び1−ヨードペンタン(Aldrich)から、例8に使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)MH+=372.IC50=56μM(例28に記載されるアッセイによる)。
【0125】
例23シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−1−エチル−ピペリジン:
【化38】

【0126】
テトラヒドロフラン(1ml)中、シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン(例4、0.001mモル)、ポリマー支持されたBEMP(6.5mg、0.015mモル、充填容量:2.3mモル/g、Fluka Inc.からの)、ヨードエタン(Aldrich, 0.015mモル)の混合物を、室温で一晩、振盪した。樹脂を濾過し、そしてCH2Cl2及びメタノールにより連続的に洗浄した。濾液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。質量スペクトル(ES)MH+=506.IC50=4.9μM(例28に記載されるアッセイにおける)。
【0127】
例24シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−1−プロピル−ピペリジン:
【化39】

【0128】
シス−[rac]−4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−1−プロピル−ピペリジンを、シス−[rac]−4−(ベンジルオキシ)−4−(4−クロロフェニル)−3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)−ピペリジン(例4)及び1−ヨードプロパン(Aldrich)から、例23に使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)M+=519。
【0129】
例25シス−[rac]−3−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1,2−ジオール:
【化40】

テトラヒドロフラン(1ml)中、4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン(例8Ac、6mg、0.013mモル)、ポリマー支持されたBEMP(10mg、0.023mモル、充填容量:2.3mモル/g、Fluka Inc.からの)、ヨウ化アリル(Aldrich, 3μl、0.003mモル)の混合物を、室温で2時間、振盪した。樹脂を濾過し、そしてCH2Cl2及びメタノールにより連続的に洗浄した。濾液を真空下で蒸発した。精製しないで、残渣を、アセトン/水(9:1)溶液(1ml)に溶解した。その溶液に、四酸化オスミウム(Aldrich, 10μl、0.008mモル)及び4−メチルモルホリンN−オキシド(Aldrich, 12mg, 0.1mモル)を添加した。その混合物を、シリカゲルパッドを通して濾過した。濾液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。質量スペクトル(ES)M+=536。
【0130】
例26シス−[rac]−3−[4−ベンジルオキシ−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン−1−イル]−プロパン−1,2−ジオール:
【化41】

この化合物を、4−ベンジルオキシ−3−(4−ブロモ−ベンジルオキシ)−4−(4−クロロ−フェニル)−ピペリジン(例8P)から、例25に使用される方法に従って調製した。質量スペクトル(ES)MH+=562。IC50=25.8μM(例28に記載されるアッセイにおける)。
【0131】
例27シス−[rac]−3−[4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)ピペリジン−1−イル]−メタンスルホニル:
【化42】

ジクロロメタン(0.5ml)中、4−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−フェニル)−3−(2,3,4−トリフルオロ−ベンジルオキシ)−ピペリジン(例8Ac、4mg、0.008mモル)及びトリエチルアミン(6μl、0.08mモル)の0℃での溶液に、塩化メタンスルホニル(Aldrich、2.5μl、0.015mモル)を滴下した。2時間の攪拌の後、その混合物を、アミノシリカゲルパッド(Silicycle)を通して濾過した。濾液を真空下で蒸発し、所望する生成物を得た。質量スペクトル(ES)MH+=541。
【0132】
例28インビトロ活性アッセイ:
p53とMDM2タンパク質との相互作用を阻害する本発明の置換されたピペリジン化合物の能力を、組換えGST−標識されたMDM2がp53のMDM2−相互作用領域に類似するペプチドに結合するELISA(酵素−連結された免疫吸着アッセイ)により測定した(Bottgerなど., J. Mol. Bio. 1997, Vol. 269, p.744-756)。このペプチドを、ストレプタビジン被覆されたウェルに結合するN−末端ビオチンを通して96ウェルプレートの表面に固定する。MDM2を、抗−MDM2マウスモノクローナル抗体(SMP-14, Santa Cruz Biotech)の存在下で個々のウェルに添加する。結合されなかったMDM2タンパク質の除去の後、ペルオキシダーゼ結合された第2抗体(抗−マウスIgG, Roche Molecular Biochemicals)及びペプチド結合されたMDM2の量を、ペルオキシダーゼ基質(MTB Microwell Peroxydase Substrate System, Kirkegaard & Perry Labs)の添加により比色的に決定する。
【0133】
試験プレートを、ストレプタビジン(PBS中、5mg/ml)により2時間、被覆し、続いてPBS(リン酸緩衝溶液)により洗浄し、そしてPBS中、2mg/mlのウシ血清アルブミン(Sigma)及び0.05% Tween 20 (Sigma)を含むブロッキング緩衝液150μlにより4℃で、一晩ブロックすることにより調製した。ビオチニル化されたペプチド(1μM)を、50μlのブロッキング緩衝液における個々のウェルに添加し、そして1時間のインキュベーションの後、広範囲に洗浄する。試験化合物を、別の96ウェルプレオートに希釈し、そしてMDM2タンパク質及び抗−MDM2抗体の混合物を含む化合物インキュベーションプレートに三重反復して添加する。
【0134】
20分のインキュベーションの後、プレートの内容物を、試験プレートに移し、そしてさらに1時間インキュベートする。第2抗−マウスIgG抗体を前記試験プレートに添加し、そして続いて、PBS中、0.05% Tween 20により3度、洗浄する。最終的に、ペルオキシダーゼ基質を個々のウェルに添加し、そして吸光度を、450nmで、プレートリーダー(MR700、Dynatech)を用いて読み取る。試験化合物の阻害活性を、処理されたウェル対処理されていないウェルにおける結合されたMDM2の%として測定し、そしてIC50を計算した。
【0135】
上記例において調製され、そして式(I)又は(II)により表される化合物の阻害活性(IC50)は、3μM〜100μMの範囲である。
本発明は特定の及び好ましい態様により例示されて来たが、当業者は、変更及び修飾が通常の実験及び本発明の実施を通して行われ得ることを理解するであろう。従って、本発明は前述の記載によって制限されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;
R12は、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル、及び下記式:
【化2】

(式中、R7〜R11は独立して、水素、ハロゲン、-CN, -NO2, -CF3,-OCH3,-COOCH3, 及び -C6H5から成る群から選択される)
で表される基から成る群から選択され;
R2〜R6は、水素、ハロゲン、低級アルキル、-C(CH3)3, -CF3,-OCH3,-N02, 及び-CNから成る群から独立して選択され;そして
R12が、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルである場合、R2〜R6は水素である]
で表される化合物、及び医薬的に許容できるその塩。
【請求項2】
下記式(II):
【化3】

[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;
R2〜R6は、水素、ハロゲン、低級アルキル、-C(CH3)3, -CF3,-OCH3,-N02, 及び-CNから成る群から独立して選択され;そして
R7〜R11は、水素、ハロゲン、-CN, -NO2, -CF3,-OCH3,-COOCH3, 及び -C6H5から成る群から独立して選択される]
で表される請求項1記載の一般式Iの化合物、及び医薬的に許容できるその塩。
【請求項3】
nが1である請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項4】
Xがクロロである請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項5】
Xがパラ置換基である請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項6】
R1が水素、-CH2CH3,-CH2CH2CH3,-COCH3,-COCH2CH3,- CH2CHOHCH20H, 及び-SO2CH3から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項7】
R2及びR6が、水素、フルオロ、クロロ及びブロモから成る群から独立して選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項8】
R3及びR5が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CH3、-OCH3, -CN及び-NO2から成る群から独立して選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項9】
R4が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-C(CH3)3, -CH3, -CN及び-CF3から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項10】
R7及びR11が、水素、フルオロ、クロロ、-CN, -NO2及び-C6H5から成る群から独立して選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項11】
R8及びR10が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CN, -NO2及び-OCH3から独立して選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項12】
R9が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OCH3, -CN, -CF3及び-COOCH3から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項13】
前記化合物が、
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(ビフェニル-2-イルメトキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac] -4- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-安息香酸 メチルエステル;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 5-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-トリフルオロメチル-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac] -2- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]-ベンゾニトリル ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4,5-ジメトキシ-2-ニトロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-ブト-2-エニルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-ペント-2-エニルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-ブトキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3-(4-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4-(4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 4, 5-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3,4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 4, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac] -3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -4- (2, 5-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 6-ジクロロ-ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac] -3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -4- (3-メトキシ-ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2, 3, 6-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ; 及び
シス- [rac]-3-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-4- (2-フルオロ-3-メチル-ベンジルオキシ)-ピペリジン;
から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項14】
前記化合物が、
シス- [rac] -4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ- ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (2-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-tert-ブチル-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac] -4- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-4-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-4- (3-クロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ) - ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ- ベンジルオキシ)-ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2, 3-ジフルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-トリフルオロメチル- ベンジルオキシ) -ピペリジン ;
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
シス- [rac] -3- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-4-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-4- (2-クロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン; 及び
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (4-メチル-ベンジルオキシ)- ピペリジン;
から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項15】
前記化合物が、
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3, 4-ビス- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン ; 及び
シス- [rac]-4- (4-クロロ-フェニル)-3, 4-ビス- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン;
から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項16】
前記化合物が、
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -3- (2, 4-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (3-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (2-クロロ-4-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル) - ピペリジン-1-イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 5-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (3-クロロ-2-フルオロ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)- ピペリジン-1-イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (4-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-l-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-フルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac] -3- [1-アセチル-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-3-イルオキシメチル]- ベンゾニトリル;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 6-ジフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3-ニトロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1-イル]- エタノン;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -エタノン ;
シス- [rac]-1- [4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-4- (2-フルオロ-ベンジルオキシ)- ピペリジン-1-イル]-エタノン ;
シス- [rac] -1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2,3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル]-プロパン-1-オン ;
シス- [rac]-1- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル]-プロパン-1-オン ; 及び
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-フルオロ-フェニル)-ピペリジン;
から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項17】
前記化合物が、
シス- [rac] -4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-(3,4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-1-エチル- ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (3, 4-ジクロロ-ベンジルオキシ)-1-プロピル- ピペリジン;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-1- イル] -プロパン-1, 2-ジオール;
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-3- (4-ブロモ-ベンジルオキシ)-4- (4-クロロ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]- プロパン-1, 2-ジオール ; 及び
シス- [rac] -3- [4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (2, 3, 4-トリフルオロ-ベンジルオキシ)-ピペリジン-l- イル]-スルホニルメタン;
から成る群から選択される請求項2記載の一般式IIの化合物。
【請求項18】
下記式(III ):
【化4】

[式中、nは、1又は2から独立して選択された整数であり;
Xは、ハロゲンであり;
R1は、水素、カルボニル、スルホニル、低級アルキル、及びカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルから成る群から選択され;そして
R12は、1〜約5個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルから成る群から選択される]
で表される請求項1記載の一般式Iの化合物、及び医薬的に許容できるその塩。
【請求項19】
nが1である請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項20】
Xがクロロである請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項21】
Xがパラ置換基である請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項22】
R1が水素、-CH2CH3,-CH2CH2CH3,-COCH3,-COCH2CH3,- CH2CHOHCH20H, 及び-SO2CH3から成る群から選択される請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項23】
R12が、-(CH2)3CH3, -(CH2)4CH3,-CH2CH=CHCH3, 及び-CH2CH=CH-CH2CH3から成る群から選択される請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項24】
前記化合物が、
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3-ブチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3-ペンチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3- (ブト-2-エン) イルオキシ-ピペリジン;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-フルオロ-フェニル)-3- (ペント-2-エニル) オキシ-ピペリジン;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3-ブチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac] -4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル) -3-ペンチルオキシ-ピペリジン ;
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (ブト-2-エン) イルオキシ-ピペリジン ; 及び
シス- [rac]-4-ベンジルオキシ-4- (4-クロロ-フェニル)-3- (ペント-2-エニル) オキシ-ピペリジン;
から成る群から選択される請求項18記載の一般式III の化合物。
【請求項25】
治療的有効量の請求項1記載の式Iの化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る医薬組成物。
【請求項26】
治療的有効量の請求項2記載の式IIの化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
治療的有効量の請求項18記載の式III の化合物、及び医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤を含んで成る請求項25記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記化合物が、癌を有する患者への投与のために適切である請求項25記載の医薬組成物。
【請求項29】
薬剤として使用するための請求項1〜24のいずれか1項記載の化合物。
【請求項30】
請求項1記載の式Iの化合物の調製方法であって、
a)下記式IV:
【化5】

[式中、R2〜R6、X及びnは請求項1記載の通りである]
で表される化合物を、適切なリンカーにより固相にカップリングし、下記式V:
【化6】

[式中、円で囲ったPは固相を表す]
で表される化合物を得、
b)アニオンを生成するためにカリウムtert−ブトキシドを用い、そして前記式Vの化合物を、式R12Xのアルキルハロゲン化物によりアルキル化し、下記式VI:
【化7】

[式中、R12は請求項1記載の通りである]で表される化合物を得、
c)前記リンカーから生成物を分解し、下記式Ia:
【化8】

[式中、R1はHである]
で表される化合物を得、そして所望には、
d)前記一般式Iaの化合物と、アシルハロゲン化物、アルキルハロゲン化物又は塩化スルホニルとを反応せしめ、式I(式中、R1はカルボニル、スルホニル、低級アルキル、又はカルボニル、スルホニル又はヒドロキシにより置換された低級アルキルである)で表される化合物を得ることを含んで成る方法。
【請求項31】
請求項30記載の方法により調製される請求項1〜24のいずれか1項記載の式Iの化合物。
【請求項32】
癌の処理及び制御のための薬剤の調製のためへの請求項1〜24のいずれか1項記載の式Iの化合物の使用。
【請求項33】
乳癌又は結腸癌の処理及び制御のためへの請求項32記載の使用。
【請求項34】
前述のような新規化合物、医薬組成物、方法及び使用。

【公表番号】特表2006−519767(P2006−519767A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518673(P2005−518673)
【出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002339
【国際公開番号】WO2004/080460
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】