説明

方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤及び方向性電磁鋼板の製造方法

【課題】皮膜性状及び磁気特性が良好な方向性電磁鋼板を安定して製造する。
【解決手段】常圧の窒素−水素混合気流中で加熱したとき、酸素を含むガスを放出し、500〜950℃の温度域におけるガスの放出による減量が2%以上である化合物を、添加物として2〜30質量%含むことを特徴とする方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤と、該焼鈍分離剤を用いて仕上げ焼鈍を行う方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板は、主に、電力用トランスコア材料に用いられるので、低鉄損であることが必須である。方向性電磁鋼板は、最終板厚とした冷延鋼板に、脱炭焼鈍を施した後、二次再結晶と純化を目的とした仕上げ焼鈍を行い、さらに、鋼板表面に皮膜を形成する工程を経て製造される。
【0003】
このようにして得られた方向性電磁鋼板は、先鋭な(110)〔001〕集合組織(ゴス方位)を有するSi含有鋼板と、その表面に形成された数ミクロン厚の無機質皮膜からなる。
【0004】
鋼板がゴス方位を持つことが、方向性電磁鋼板の低鉄損特性を実現するために不可欠な条件であり、この組織を実現するために、仕上げ焼鈍中にゴス方位粒子が選択的に成長する二次再結晶という粒成長を利用する。
【0005】
二次再結晶を安定的に引き起こすため、方向性電磁鋼板では、インヒビターという鋼中の微細析出物を利用する。インヒビターは、仕上げ焼鈍中、低温部では、粒成長を抑制し、一定の温度以上では、分解又は粗大化によってピン止め効果を失って、二次再結晶を引き起こ作用をなす。インヒビターとしては、硫化物や窒化物が一般的に利用される。
【0006】
望ましい組織を得るためには、インヒビターを一定の温度まで保持することが必要であり、硫化物であれば、仕上げ焼鈍の硫黄成分分圧を、窒化物であれば、窒素分圧を制御することなどで目的を達することができる。
【0007】
インヒビターとして使用する硫化物や窒化物は、仕上げ焼鈍中の昇温途中で起きる二次再結晶のために必要ではあるが、これらが製品中に残留すると、製品の鉄損を著しく悪化させる。硫化物や窒化物の影響を鋼中から除くために、二次再結晶完了後、純水素中1200℃前後で、長時間保定を行う。これを純化焼鈍という。
【0008】
一方、方向性電磁鋼板の無機質皮膜は、グラス皮膜と二次皮膜から構成されていて、これらの皮膜が鋼板に与える張力により磁区制御効果が得られて、低鉄損特性が向上する。
【0009】
一般に、仕上げ焼鈍時に、鋼板中のSiO2と焼鈍分離剤主成分のMgOが反応し、鋼板上にグラス皮膜が形成される。グラス皮膜には2つの機能がある。
【0010】
その1つは、グラス皮膜が鋼板に強固に密着し、それ自身が鋼板への張力付与効果を持つとともに、仕上げ焼鈍後工程で形成される張力皮膜を形成する際に、その鋼板への密着性を確保する中間層としての機能がある。他の1つは、仕上げ焼鈍中に、インヒビターの過度の強度低下を防止し、二次再結晶を安定化する機能である。
【0011】
したがって、良好な磁気特性を有する方向性電磁鋼板を安定的に製造するためには、欠陥のない健全なグラス皮膜を形成することが必要となる。
【0012】
グラス皮膜に、0.1〜1mm程度の、点状に皮膜が形成されない欠陥が密集して発生することがある。このような場合には、外見上、問題となるのみならず、良好な磁気特性は得られない。
【0013】
従来、良好なグラス皮膜を得るため、CAA(Citric acid activity:クエン酸活性度)値又は粒度分布を最適値とし、焼鈍分離剤と鋼板との反応性を向上させることが特許文献1及び2に開示されている。
【0014】
また、特許文献3には、焼鈍分離剤の水和量を制御することにより、健全な皮膜を形成することが開示されている。特許文献4には、焼鈍分離剤へ塩化物を添加することにより、健全な皮膜を形成することが開示されている。しかし、いずれも、焼鈍雰囲気の影響を受けやすい鋼板端部付近における欠陥抑制には、必ずしも十分な効果が得られない。
【0015】
特許文献5には、雰囲気制御により、グラス皮膜の欠陥を抑制する方法が開示されているが、この方法には、鋼板端部及び鋼板内部を含めて、目標の雰囲気を均一に実現することが困難なことや、加湿することが必要な場合があるため、雰囲気の制御が難しくなるなどの問題がある。
【0016】
以上、これまでに、様々な技術が開示されているが、皮膜欠陥を完全に抑制するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平10−088423号公報
【特許文献2】特開平07−188937号公報
【特許文献3】特開2002−194445号公報
【特許文献4】特開平08−199239号公報
【特許文献5】特開2006−161106号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】宇野泰章ほか、粘土科学、32、129(1992)
【非特許文献2】岸證、熱測定、34、87(2007)
【非特許文献3】佐々木孝彦ほか、粘土科学討論会講演要旨集、34、148(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、皮膜欠陥がなく、磁気特性の良好な方向性電磁鋼板を安定して製造するための手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、皮膜欠陥を効果的に抑制する方法を研究した。その結果、仕上げ焼鈍用焼鈍分離剤に、スメクタイト、タルク、及び、セピオライトのうちの1種又は2種以上を添加することが、皮膜欠陥抑制の点で、効果的であることを見出した。
【0021】
本発明は、窒素−水素比率又は蒸気等の混合により仕上げ焼鈍雰囲気を制御する方法に比較して、鋼板コイルの各部での不均一性の問題が生じ難いので、上記方法よりも効果的に皮膜欠陥を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明よれば、優れた性状のグラス皮膜を有し、磁気特性の良好な方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明について、以下、詳細に説明する。本発明は、仕上げ焼鈍工程に関するものであるが、仕上げ焼鈍用鋼板は、以下のような工程を経て製造される。
【0024】
まず、C:0.03〜0.1質量%、Si:2.5〜4.5質量%を含有する、所定組成の溶湯をスラブ形状に鋳造し、これを、公知の方法で熱延した後、熱処理を施して冷延する。冷延板は、最終製品の磁性や機械的特性、皮膜特性の向上のために加えた微量添加物や、不可避的に混入する元素を含む。
【0025】
このようにして得た最終板厚の鋼板に熱処理を施して脱炭し、次の仕上げ焼鈍工程へ備える脱炭焼鈍板とする。脱炭焼鈍板には、二次再結晶を発現するためのインヒビターが含まれている。インヒビターとして、例えば、AlN、MnS、及び、MnSeなどが公知であるが、本発明では、インヒビターの種類は特に問わない。
【0026】
通常、脱炭焼鈍板の最表層には、脱炭中に形成されたSiO2を主とする酸化物層が存在する。このSiO2は、焼鈍分離剤に含まれるMgOと反応してフォルステライトからなるグラス皮膜を形成するので、良好な皮膜を得るためには、脱炭焼鈍板のSiO2量を制御することが必要となる。
【0027】
SiO2が少なすぎると、グラス皮膜の形成が不良となり、皮膜の密着性などが損なわれる。他方、SiO2量が多すぎると、グラス皮膜が必要以上に厚くなるほか、製品板の磁気特性が劣化するとの問題が発生する。それ故、SiO2量は、酸素量換算で、400〜1500ppmが好ましく、より好ましくは、600〜1100ppmである。
【0028】
脱炭焼鈍板に焼鈍分離剤を塗布する目的は、仕上げ焼鈍中での鋼板同士の焼き付きを防止しつつ、グラス皮膜を形成することである。焼鈍分離剤はMgOを主成分とするが、皮膜特性の改善や、磁気特性の改善のために、公知の微量添加元素を含むことができる。
【0029】
焼鈍分離剤の塗布方法は、水などでスラリーとして塗布、乾燥する方法や、静電塗布法など、公知のいずれの方法も用いることができる。焼鈍分離剤を塗布した後の脱炭焼鈍板は、切り板などにして、仕上げ焼鈍を実施してもよいが、コイル状に巻き取って、仕上げ焼鈍を実施すると、作業性が良い。
【0030】
ここで、本発明者らは、仕上げ焼鈍中の鋼板直上における酸素ポテンシャルを最適化する添加物を見出すことを目的に、種々の化合物について検討した。その結果、スメクタイト、セピオライト、及び/又は、タルクを、焼鈍分離剤の添加物として用いると、皮膜欠陥抑制に良い結果が得られた。この結果に基づき、本発明では、焼鈍分離剤に、スメクタイト、セピオライト、及び、タルクのうち1種又は2種以上を、添加物として添加する。
【0031】
これらの添加物の添加において、添加量が、少なすぎると、添加効果がなく、多すぎると、かえって皮膜性状が悪化する。それ故、適切なな添加量は、焼鈍分離剤の主成分MgO:100質量部に対し、2〜30質量%であり、好ましくは、5〜25質量%である。
【0032】
上記添加物による皮膜欠陥抑制効果は、以下の理由により発現すると推定される。一般に、スメクタイト、セピオライト、及び、タルクは、加熱すると高温域で脱水し、酸素を含むガスを放出する。脱水による減量は、500〜950℃の温度域で、2%以上になると推定される。これについては、非特許文献1〜3に報告がある。
【0033】
上記温度域(500〜950℃)で、酸素を含むガスが、焼鈍分離剤の添加物から発生すると、鋼板直上の酸素ポテンシャルの低下が抑制されて、鋼板直上の雰囲気が、グラス皮膜の形成に適したものとなり、その結果、皮膜欠陥抑制効果が得られると推定される。
【0034】
添加物を選択する場合は、500〜950℃の温度域での酸素を含むガスの発生による減量が多いものを選択する。減量は、おおむね2%以上とする。減量が2%に満たないと、添加物の添加量が多くなりすぎ、皮膜形成に悪影響を与えて、健全なグラス皮膜が得られない。
【0035】
酸素を含むガスの発生によって添加物の減量が2%以上になる温度域が、低すぎても、高すぎても、皮膜欠陥抑制効果は発現しない。
【0036】
500℃未満で、酸素を含むガスが発生し、鋼板直上の酸素ポテンシャルが上昇しても、この温度域では、皮膜改善に効果がない。したがって、酸素を含むガスの発生によって添加物の減量が2%以上になる温度域の下限は、500℃とする。好ましくは600℃以上であり、この温度域で、さらによい皮膜改善効果が得られる。
【0037】
一方、950℃を超える温度域で、酸素を含むガスが焼鈍分離剤から大量に発生すると、皮膜欠陥が生じ易く、磁気特性も劣化する。したがって、酸素を含むガスの発生によって添加物の減量が2%以上になる温度域の上限は、950℃とする。好ましくは850℃以下であり、この温度域で、さらによい皮膜改善効果が得られる。
【0038】
以上のように、脱炭焼鈍板に仕上げ焼鈍を施し、二次再結晶の後、純化焼鈍を施して室温まで冷却して、二次再結晶組織を有し、グラス皮膜が形成された鋼板を得ることができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
【0040】
(実施例1)
Si:3.2質量%、Mn:0.12質量%、S:0.005質量%、C:0.05質量%、酸可溶解Al:0.026質量%、N:0.008質量%を含むスラブを素材として、公知の方法で熱間圧延を施した後、熱延板焼鈍を施し、次いで、冷間圧延を施して、板厚0.23mmの冷延板とした。
【0041】
この後、加湿した水素−窒素雰囲気中で、冷延板に焼鈍を施し、鋼板の窒素量をほぼ200ppmに調整して、脱炭焼鈍板を得た。この脱炭焼鈍板に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、その後、コイル状に巻き取った。
【0042】
焼鈍分離剤は、MgO:100質量部、及び、TiO2:5質量部に対し、FeCl2を塩素で200ppm添加し、さらに、表1に示す添加物を、各例で、10質量%添加したものである。このような焼鈍分離剤を塗布した鋼板を、1200℃の水素気流中で20時間焼鈍した。得られた鋼板の皮膜性状及び磁気特性(磁束密度B8(T)及び鉄損W17/50(w/kg))を、同じく表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
皮膜性状の評価記号の意味は、次の通りである。○以上が合格である。
◎:鋼板一面に欠陥がなく、鋼板全域に、均一な色彩のグラス皮膜である。
○:鋼板一面に欠陥がないが、鋼板端部近傍と鋼板中央付近で、色彩に若干のむらがあるグラス皮膜である。
△:鋼板端部付近に点状欠陥が散在するグラス皮膜である。
【0045】
表1より、スメクタイト、セピオライト、又は、タルクを添加した焼鈍分離剤を用いると、欠陥のない良好な皮膜が得られ、満足すべき磁気特性が得られることが解る。
【0046】
結晶水を持つパリゴルスカイトを添加した焼鈍分離剤は皮膜改善効果がない。これは、非特許文献3から明らかなように、500〜950℃で2%以上の減量がないからである。また、1000℃で熱処理して結晶水を除去したスメクタイト、セピオライト、又は、タルクを10質量%添加した焼鈍分離材を用いた比較例4〜6でも、皮膜改善効果がない。
【0047】
(実施例2)
Si:3.2質量%、Mn:0.12質量%、S:0.005質量%、C:0.05質量%、酸可溶解Al:0.026質量%、N:0.008質量%を含むスラブを素材として、公知の方法で熱間圧延を施した後、熱延板焼鈍を施し、次いで、冷間圧延を施して、板厚0.23mmの冷延板とした。
【0048】
この後、加湿した水素−窒素雰囲気中で、冷延板に焼鈍を施し、鋼板の窒素量をほぼ200ppmに調整して、脱炭焼鈍板を得た。この脱炭焼鈍板に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、その後、コイル状に巻き取った。
【0049】
焼鈍分離剤は、MgO:100質量部、及び、TiO2:5質量部に対し、FeCl2を塩素で200ppm添加し、さらに、表2に示す添加物を、各例、それぞれの添加量で添加したものである。このような焼鈍分離剤を塗布した鋼板を、1200℃の水素気流中で20時間焼鈍した。得られた鋼板の皮膜性状及び磁気特性(磁束密度B8(T)及び鉄損W17/50(w/kg))を、同じく表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
皮膜性状の評価記号の意味は、次の通りである。○以上が合格である。
◎:鋼板一面に欠陥が無く、鋼板全域に、均一な色彩のグラス皮膜である。
○:鋼板一面に欠陥がなが、鋼板端部近傍と鋼板中央付近で、色彩に若干のむらがあるグラス皮膜である。
△:鋼板端部付近に点状欠陥が散在するグラス皮膜である。
×:鋼板端部近傍に点状欠陥があり、かつ、変色部が発生したグラス皮膜である。
【0052】
表2より、スメクタイト、セピオライト、又は、タルクを添加した焼鈍分離剤を用いると、欠陥のない良好な皮膜が得られ、満足すべき磁気特性が得られることが解る。
【0053】
(実施例3)
Si:3.2質量%、Mn:0.12質量%、S:0.005質量%、C:0.05質量%、酸可溶解Al:0.026質量%、N:0.008質量%を含むスラブを素材として、公知の方法で熱間圧延を施した後、熱延板焼鈍を施し、次いで、冷間圧延を施して、板厚0.23mmの冷延板とした。
【0054】
この後、加湿した水素−窒素雰囲気中で、冷延板に焼鈍を施し、鋼板の窒素量をほぼ200ppmに調整して、脱炭焼鈍板を得た。この脱炭焼鈍板に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、その後、コイル状に巻き取った。
【0055】
焼鈍分離剤は、MgO:100質量部、及び、TiO2:5質量部に対し、FeCl2を塩素で200ppm添加し、さらに、表3に示す添加物を、各例、それぞれの添加量で添加したものである。このような焼鈍分離剤を塗布した鋼板を、1200℃の水素気流中で20時間焼鈍した。得られた鋼板の皮膜性状及び磁気特性(磁束密度B8(T)及び鉄損W17/50(w/kg))を、同じく表3に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
皮膜性状の評価記号の意味は、次の通りである。○以上が合格である。
◎:鋼板一面に欠陥がなく、鋼板全域に均一な色彩のグラス皮膜である。
○:鋼板一面に欠陥がないが、鋼板端部近傍と鋼板中央付近で色彩に若干のむらがあるグラス皮膜である。
△:鋼板端部付近に点状欠陥が散在するグラス皮膜である。
×:鋼板端部近傍に点状欠陥があり、かつ、変色部が発生したグラス皮膜である。
【0058】
表3より、スメクタイト、セピオライト、又は、タルクから選ばれる添加物を複合添加した焼鈍分離剤を用いると、欠陥のない良好な皮膜が得られ、満足すべき磁気特性が得られることが解る。
【産業上の利用可能性】
【0059】
前述したように、本発明よれば、優れた性状のグラス皮膜を有し、磁気特性の良好な方向性電磁鋼板を安定して得ることができる。よって、本発明は、電磁鋼板製造産業において利用可能性が高いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常圧の窒素−水素混合気流中で加熱したとき、酸素を含むガスを放出し、500〜950℃の温度域におけるガスの放出による減量が2%以上である化合物を、添加物として2〜30質量%含むことを特徴とする方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。
【請求項2】
前記化合物が結晶水を含むこと特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。
【請求項3】
前記化合物が、スメクタイト、セピオライト、及び、タルクのうちの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。
【請求項4】
前記焼鈍分離剤が、MgOを主成分とするものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。
【請求項5】
前記焼鈍分離剤が、前記化合物を、MgO:100質量部に対し、添加物として2〜30質量%含むことを特徴とする請求項4に記載の方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤。
【請求項6】
最終板厚の冷延板に脱炭焼鈍を施し、窒化処理後、仕上げ焼鈍を施して方向性電磁鋼板を製造する方向性電磁鋼板の製造方法において、冷延板を切板状態で積層して、又は、コイル状態で仕上げ焼鈍を行う際、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤を冷延板に塗布して仕上げ焼鈍を行うことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

【公開番号】特開2011−219803(P2011−219803A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88869(P2010−88869)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】