説明

方向転換装置を備えた箱詰装置

【課題】物品の搬送時における搬送姿勢を短時間でかつ確実に転回できる方向転換装置を備えた箱詰装置を提供することである。
【解決手段】本発明に係る方向転換装置220を備えた箱詰装置100は、方向転換装置220が転回装置221、回動軸222および回動板230からなる。転回装置221が包装物110f,110gに当接して、包装物110f,110gに力が付与されるとともに、回動軸222および回動板230により転回装置221による当接位置と異なる位置に力が付与される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の方向を制御する方向転換装置を備えた箱詰装置に関する。
【0002】
また、特許文献1には、ベルトコンベアで搬送されてくる複数の袋包装品を次ぎ次ぎに厚さ方向が水平方向となるようにして高速集積できる低コストな袋包装品の立ち起こし重ね合わせ装置について開示されている。
【0003】
この特許文献1記載の袋包装品の立ち起こし重ね合わせ装置においては、常時走行されてコンベアベルト上に送り込まれる袋包装品を搬送し得るベルトコンベアと、該ベルトコンベアにより搬送されてくる最初の袋包装品を停止させるストッパと、ベルトコンベア上でストッパにより停止される最初の袋包装品の下側に設けられていてストッパにより停止された最初の袋包装品を検知する第一の袋包装品検出器の検知信号に基づいて作動するエアシリンダにより該袋包装品の上流側より揺動起立されて該袋包装品を厚さ方向が略水平方向となるように立て起こしてストッパとの間に挟持し得る第一の袋包装品立て起こし板、及びベルトコンベア上で第一の袋包装品立て起こし板により停止される二番目の袋包装品の下側に設けられていて第一の袋包装品立て起こし板により停止された二番目の袋包装品を検知する第二の袋包装品検出器の検知信号に基づいて作動するエアシリンダにより該二番目の袋包装品の上流側より揺動起立されて該二番目の袋包装品を厚さ方向が略水平方向となるように立て起こして第一の袋包装品立て起こし板との間に挟持し得る第二の袋包装品立て起こし板との少なくとも二つ以上の袋包装品立て起こし板を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−85513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の袋包装品の立ち起こし重ね合わせ装置においては、包装物である袋包装品の厚さ方向が略水平方向となるように立て起こすことはできるが、包装物の姿勢を変更することはできない。
【0006】
例えば、箱の例示として、通い箱、ダンボール箱等がある。ここでは、ダンボール箱について説明を行う。例えば、図10に示すように、ダンボール箱900に対して、包装物110a,〜,110eを並列に隣接して収納し、包装物110f,110gを包装物110a,〜,110eと90度姿勢を異ならせて収納する。すなわち、一般にダンボール箱900の中に最大限の包装物を収納することが求められている。この当該作業は、実際、手作業で行われていることが多い。このように特許文献1記載の袋包装品の立ち起こし重ね合わせ装置では、ダンボール箱900内に図6に示すような状態で包装物110a,〜,110gを収納することができない。
【0007】
ここで、図10に示すような状態で包装物110a,〜,110gを収納することを考慮すれば、搬送時における包装物110a,〜,110eおよび包装物110f,110gの搬送姿勢を90度転回させる、またはダンボール箱900内に収納する際に包装物の姿勢を90度転回させて収納させる必要がある。
【0008】
しかしながら、ダンボール箱900内に収納する際に、包装物の搬送姿勢を変更させるには、包装物を個別に吸引または把持して、90度転回させる必要があり、包装物の吸引または把持する構造が複雑化する。
【0009】
本発明の目的は、物品の搬送時における搬送姿勢を短時間でかつ確実に転回できる方向転換装置を備えた箱詰装置を提供することである。
本発明の目的は、省スペース化を実現でき、かつ物品の搬送時における搬送姿勢を短時間でかつ確実に転回できる方向転換装置を備えた箱詰装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)
一局面に従う方向転換装置を備えた箱詰装置は、搬送装置により搬送される物品の方向を方向転換装置により転換する箱詰装置であって、方向転換装置は、搬送経路上で、物品に当接することにより物品を水平回転させる転回装置と、転回装置による当接位置と異なる位置に力を付与して物品を水平回転させる転回補助装置と、を含むものである。
【0011】
方向転換装置を備えた箱詰装置において、方向転換装置は、転回装置および転回補助装置からなる。転回装置が物品に当接して、物品に力が付与されるとともに、転回補助装置により転回装置による当接位置と異なる位置に力が付与される。
【0012】
この場合、複数の方向から物品に力が付与されるので、物品を短時間で方向転換させることができる。また、搬送中の物品に対して、転回装置により回動軸を形成し、転回補助装置により物品の回動を促進させることができるので、確実に物品の方向転換を行うことができる。
【0013】
(2)
転回補助装置は、当接部材により物品に力を付与することが好ましい。
【0014】
転回補助装置は、当接部材により物品に力を付与するので、当接部材が物品に直接接触して力を付与することができる。この場合、物品の重量が重い場合であっても、短時間でかつ確実に方向転換することができる。
【0015】
(3)
転回補助装置は、物品の搬送方向の後ろ側に力を付与することが好ましい。
【0016】
この場合、物品の搬送方向の後ろ側に力を付与することができるので、物品を小さな力で回転させることができる。すなわち、物品の重心から遠い位置に小さな力を加えることで、物品を確実に回転させることができる。
【0017】
(4)
転回補助装置は、物品の水平回転の際に最も移動する部位の近傍に力を付与することが好ましい。
【0018】
この場合、物品の水平回転の際に最も移動する部位の近傍に力を付与することができるので、物品を小さな力で回転させることができる。すなわち、物品の重心から遠い位置に小さな力を加えることで、物品を確実に回転させることができる。
【0019】
(5)
搬送経路上の物品を検知するセンサをさらに備え、物品が転回装置に当接するタイミングと同時、または当該タイミング以降に、転回補助装置は、センサの信号に基づいて物品に力を付与することが好ましい。
【0020】
この場合、物品が転回装置に当接するタイミングと同時、または当該タイミング以降に、転回補助装置は、センサの信号に基づいて物品に力を付与するので、転回装置に物品が接触した後に、物品に力を付与するので、転回装置と物品との接触部が軸となり、短時間で水平回転を行うことができる。
【0021】
(6)
転回補助装置は、搬送装置の側壁の一部と、側壁の回動軸とからなり、側壁の一部が回動軸により回動することにより物品に力を付与することが好ましい。
【0022】
この場合、回転補助装置は、搬送装置の側壁の一部と、側壁の回動軸とからなるので、物品を水平回転させない場合、側壁として収容することができる。また、側壁の一部が回動軸により回動することにより、回動軸を安定して形成できるとともに、物品に対して面により力を付与することができ、確実に物品を回転させることができる。
【0023】
(7)
転回補助装置は、側壁の移動量が転回装置の突出距離以下であることが好ましい。
【0024】
この場合、転回補助装置は、側壁の移動量が転回装置の突出距離以下であるので、回転補助装置が突出した場合には、転回装置の突出距離と同等の距離で側壁が突出するので、物品の水平回転を確実に行うことができる。一方、回転補助装置が突出方向と逆に動く場合には、突出距離と同等の距離だけ側壁を逆方向に移動させることで、次に搬送される物品の搬送を阻害しない。
(8)
物品は、外形が変化し得る包装物であってもよい。
【0025】
この場合、外形が変化し得る包装物を短時間で確実に方向転換することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る方向転換装置を備えた箱詰装置によれば、省スペース化を実現でき、かつ物品の搬送時における搬送姿勢を短時間でかつ確実に転回できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る一実施の形態に係る方向転換装置を備えた箱詰装置
【図2】図1に示した第2水平部に備えられた方向転換装置の一例を示す模式的側面図
【図3】方向転換装置の一例を示す模式的平面図
【図4】方向転換装置を備えた箱詰装置における内部構造の一例を示す模式的構造図
【図5】図3の箱詰装置において方向転換装置を表出させる前の状態を示す模式的平面図
【図6】図3の箱詰装置において方向転換装置を表出させた状態を示す模式的平面図
【図7】図6の方向転換装置の動作および効果を説明するための模式的平面図
【図8】図7に示した方向転換装置の他の例を説明するための模式的平面図
【図9】箱詰装置における効果を説明するための模式図
【図10】ダンボール箱内に収納した包装物の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、変形し得る包装物を搬送し、方向を転換する方向転換装置を備えた箱詰装置について具体例を挙げて説明する。本実施の形態においては、複数の包装物110a,〜,110eの長さ方向を搬送方向に沿わせて搬送し、複数の包装物110f,110gの幅方向を搬送方向に沿わせて搬送する状態について説明する。すなわち、複数の包装物110f,110gを方向転換装置により方向転換させる。
【0029】
なお、本実施の形態においては、外形が変形し得る包装物(例えば、柔軟な薄状体によって包装された包装物)について説明するが、本発明の方向転換装置を備えた箱詰装置は、箱状の包装物、その他任意の包装物についても、適用することができる。
【0030】
(一実施の形態)
図1は、本発明に係る一実施の形態に係る方向転換装置を備えた箱詰装置100の一例を示す模式的外観図である。
【0031】
図1に示す箱詰装置100は、主に第1搬送部200、第2搬送部400、第3搬送部410、伸縮性搬送部420および箱搬送部550を含む。
【0032】
第1搬送部200および第2搬送部400、第3搬送部410および伸縮性搬送部420は、無端のベルトコンベアを有する搬送構造からなる。また、当該ベルトコンベアは、後述する第2水平搬送部206および伸縮性搬送部420を除いて、搬送面に凹凸が形成されており、包装物の姿勢を崩し難い摩擦力を発生させるものからなる。さらに、伸縮性搬送部420は、搬送面の距離が伸縮自在であるベルトコンベア、例えばシャトルコンベアからなる。
【0033】
第1搬送部200は、矢印M1の方向に複数の包装物を移送する。第1搬送部200は、シールチェッカ700を備えたシールチェック搬送部204、第1水平搬送部205、傾斜部を含む第2水平搬送部206および方向転換装置220からなり、シールチェック搬送部204、第1水平搬送部205、傾斜部を含む第2水平搬送部206の順に、連続して設けられる。また、本実施の形態においては、方向転換装置220は、第2水平搬送部206に設けられる。当該方向転換装置220の詳細については、後述する。
【0034】
また、シールチェッカ搬送部204には、空隙を設けた搬送部710を有する。当該搬送部710は、搬送される包装物の大きさよりも狭い範囲で搬送部から設けられており、シールチェッカ搬送部204において包装物が確実に封止されておらず、包装物の内容物が流出した場合であっても、第1水平搬送部205に当該内容物が搬送されない構造を有する。
【0035】
なお、本実施の形態においては、第1水平搬送部205、傾斜部を含む第2水平搬送部206に区分して設けることとしたが、これに限定されず、第1水平搬送部205、傾斜部を含む第2水平搬送部206の全てまたは一部を一体として設けてもよく、個別制御ができるように設けてもよい。
【0036】
また、第1搬送部200の下方には、第2搬送部400、第3搬送部410および伸縮性搬送部420が設けられる。第2搬送部400は、傾斜角度を変更できるように設けられる。
【0037】
図1に示すように、複数の包装物は、連続してシールチェック搬送部204、第1搬送部200の第1水平搬送部205上を移送され、次いで、傾斜部を含む第2水平搬送部206上を搬送され、第2搬送部400の集積部AR1において集められる。
【0038】
包装物群110の第1番目の包装物110aが第2搬送部400の集積部AR1に落下する場合、第2搬送部400は、水平面に沿って設けられており、包装物110aは、第2搬送部400の集積部AR1に落下された際に横倒し姿勢になる。また、第2搬送部400が水平面に沿って設けられるので、第1番目の包装物110aが転がることを防止できる。
【0039】
そして、第2搬送部400が水平面に対して傾斜角度となるように回動され、第2番目の包装物110b以降は、第2搬送部400に既に落下された第1番目の包装物110aに寄りかかり、立姿勢となる。そして、第2搬送部400、第3搬送部410および伸縮性搬送部420は、矢印M1の方向と逆方向の矢印M2の方向に包装物110a,〜,110eを移送する。
【0040】
そして、包装物110a,〜,110eが、第1姿勢制御板405、第2姿勢制御板406および第3姿勢制御板407によりさらに立姿勢に整列され、第3姿勢制御板407により図1の奥方向に押し出される。続いて、包装物110f,110gは、連続してシールチェック搬送部204、第1搬送部200の第1水平搬送部205上を移送され、次いで、傾斜部を含む第2水平搬送部206上を搬送される。ここで、長さ方向の搬送姿勢から幅方向の搬送姿勢に方向転換される。
【0041】
その後、包装物110a,〜,110eと包装物110f,110gが集積された後、箱500の上方から下方に設けられた箱500内に投入される。そして、箱500が箱搬送部550により矢印M2の方向に移動され、シール装置(図示せず)または卍状蓋折装置(図示せず)により箱500のシールが行われ、包装物群110の箱詰作業が終了する。
【0042】
なお、図1においては、図示していないが、ダンボールを広げてシールし、箱500を形成する装置が別途備えられていることが好ましい。また、箱500を箱搬送部550(コンベアまたは搬送ローラ)により移動させているが、これに限定されず、他の任意の装置により箱500を移動させてもよい。
【0043】
さらに、本実施の形態においては、包装物群110を箱500の上方から落下させて箱詰を行っているが、これに限定されず、箱500の開口部を側面に配置し、包装物群110をスライドして箱詰してもよい。
【0044】
次に、図2は、図1に示した第2水平搬送部206に備えられた方向転換装置220の一例を示す模式的側面図であり、図3は、方向転換装置220の一例を示す模式的平面図である。
【0045】
図2および図3に示す方向転換装置220は、転回装置221、回動軸222、回動板230および第1フォトセンサ207を含む。また、方向転換装置220の第1水平搬送部205の搬送面上には、一対のガイド機構240,241、搬送ベルト軸240a,240b,241a,241bおよび移動機構251が設けられる。
【0046】
また、一対のガイド機構240,241は、第1水平搬送部205から第2水平搬送部206にかけて搬送面上に設けられ、ガイド機構240の下流側において側壁の一部を利用した方向転換装置220が設けられる。方向転換装置220は、ガイド機構240の側壁面に沿って、回動板230が設けられ、回動板230の下流側に回動軸222が設けられる。さらに、転回装置221は、回動軸222の下流に設けられる。また、第2水平搬送部206の搬送面上には、第1フォトセンサ307が設けられる。
【0047】
ガイド機構240は、搬送ベルト軸240aおよび搬送ベルト軸240bに巻回された無端のベルトからなり、同様に、ガイド機構241は、搬送ベルト軸241aおよび搬送ベルト軸241bに巻回された無端のベルトからなる。
一対のガイド機構240,241は、それぞれ、搬送ベルト軸240a,240bが時計回りに軸回転、搬送ベルト軸241a,241bが反時計回りに軸回転することにより、それぞれ無端のベルトが移動し、包装物の搬送のガイドを行う。
【0048】
ここで、搬送ベルト軸240a,240bは、上端よりも下端の断面面積が大きい略円柱形状からなるので、無端のベルトが下方に落下しない効果を有する。また、方向転換装置220の回動軸222および回動板230と、ガイド機構240は同一の移動機構251で連結されており、移動機構251により一体として移動する構造となっている。
【0049】
次に、図4は、方向転換装置220を備えた箱詰装置100における内部構造の一例を示す模式的構造図である。
【0050】
図4に示すように、箱詰装置100は、主に制御部301、記録部302、第1水平駆動部365、第2水平駆動部355、ガイド移動部340、ガイド回動部341、補助回動部342、第1フォトセンサ307および入力部308を含む。なお、第1フォトセンサ307は、包装物110a,〜,110gの個々の通過を検出する検出装置である。
【0051】
制御部301は、入力部308から入力された複数の包装物の商品データに基づいて、記録部302に記録された当該商品データに応じた制御プログラムを選択する。制御部301は、記録部302に記録された制御プログラムを読み込み、第1フォトセンサ307からの信号に応じて、第1水平駆動部365、第2水平駆動部355、ガイド移動部340、補助回動部342、ガイド回動部341の各動作を制御する。
【0052】
ここで、後述するように、第1水平駆動部365は、第1水平搬送部205の動作を制御し、第2水平駆動部355は、第2水平搬送部206の動作を制御する。ガイド移動部340は、移動機構251の移動を制御し、ガイド回動部は、一対のガイド機構240,241のうちガイド機構241の回動を制御する。さらに、補助回動部342は、回動軸222の回動を制御する。
【0053】
次いで、図3、図5および図6を用いて箱詰装置100による包装物110a,〜,110gの搬送の一例について説明を行う。図5は図3の箱詰装置100において方向転換装置220を表出させる前の状態を示す模式的平面図であり、図6は図3の箱詰装置100において方向転換装置220を表出させた状態を示す模式的平面図であり、図7は図6の方向転換装置220の動作および効果を説明するための模式的平面図であり、図8は、図7の方向転換装置220の他の例を示す模式図である。
【0054】
まず、複数の包装物110a,〜,110eについては、包装物の長さ方向が矢印M1の方向に沿った姿勢で搬送される。そのため、ガイド機構240と方向転換装置220の端面とが直線状に配置された状態で搬送が行われる。
【0055】
この場合、一対のガイド機構240,241の無端のベルトが駆動されるとともに、第1水平搬送部205,第2水平搬送部206の無端状ベルトが搬送回転する。その結果、包装物110a,〜,110eが矢印M1の方向にガイドされつつ搬送される。
【0056】
また、第1フォトセンサ307は、包装物110a,〜,110eの検出を制御部301に与える。制御部301は、図5に示すように、第1フォトセンサ307からの信号に基づいて、包装物110a,〜,110e(5個)の包装物が搬送された場合、ガイド回動部341によりガイド機構241を矢印R24の方向に回動させるとともに、ガイド移動部340により移動機構251を矢印N1の方向に移動させる。
【0057】
それにより、図6に示すように、第2水平搬送部206の搬送面上に方向転換装置220の転回装置221があらわれる。転回装置221は、包装物110f,110gの搬送方向に交差する方向の半分以下の幅L221で包装物110f,110gに接触する。それにより、包装物110f,110gに回転モーメント(矢印R211)を発生させるものである。
【0058】
すなわち、図7に示すように、移動機構251の矢印N1の方向への移動距離L221は、包装物110f,110gの搬送方向に交差する方向の幅H222の半分以下の幅(H222/2以下)であることが好ましい。また、回動軸222は、回動板230を包装物110f,110gの半分以下の幅の突出量L222を形成するように回動する。なお、転回装置221における包装物110f,100gとの接触部(回動軸)P1は、曲面を有することが好ましい。
【0059】
また、図8に示すように、回動板230の代わりに、回動板230aを用いてもよい。回動板230aは、回動軸222から距離L110の部分において突起を有する。その結果、包装物110fの全長L220の半分以上の値である距離L110(以下、この距離L110を後ろ側と呼ぶ)に力を与えて回転モーメント(矢印R220)を発生させることができる。
【0060】
以上のように、回動軸222を軸として回動板230,230aが矢印R220の方向に回転移動することにより、回動板230,230aが包装物110f,110gの搬送方向の後ろ側に接触する。その結果、包装物110f,110gの回転モーメント(矢印R211)に回転モーメント(矢印R220)が加えられる。
【0061】
また、該包装物110f,110gにおいては、包装物の外形に対して、内容物が移動可能に存在しているため、密度が均一でなく、場合に応じて方向を転換させる力が異なる。しかしながら、回転モーメント(矢印R211)に回転モーメント(矢印R220)を加えることにより、該包装物110f,110gを短時間で確実に方向を転換することができる。
【0062】
なお、本実施の形態においては、回動板230,230aを用いることとしたが、これに限定されず、棒状部材であってもよく、気体を噴出する気体噴出装置(ノズル)を設けてもよい。
【0063】
このように、包装物110f,110gが矢印M1の方向に搬送されつつ、転回装置221に包装物110f,110gが接触し、回動軸を形成して、回動板230により包装物110f,110gの後ろ側が押されることで、包装物110f,110gが矢印R211の方向に短時間でかつ確実に90度回動し、包装物110f,110gの長手方向を搬送方向と交差する方向で包装物110f,110gの搬送が行われる。
【0064】
続いて、本実施の形態に係る方向転換装置220の効果について、図を用いて説明を行う。図9は、方向転換装置220による包装物110a,〜,100gの搬送位置を説明する説明図である。図9(a)は、本実施の形態に係る方向転換装置220の効果を示し、図9(b)は、他の方向転換装置220の効果を示す。
【0065】
図9(a)に示すように、本実施の形態に係る方向転換装置220においては、転回装置221が移動されないので、包装物110a,〜,110eの搬送位置と、包装物110f,110gの搬送位置との最大幅が距離L1となる。
【0066】
一方、図9(b)に示すように、転回装置221aを突出させる場合には、包装物110a,〜,110eの搬送位置と、包装物110f,110gの搬送位置との最大幅が距離L10(L1<L10)となる。
【0067】
また、図9(a)に示すように、方向転換装置220を備えた箱詰装置100の第2水平搬送部206の全体幅は、距離L2である。一方、図9(b)に示すように、他の方向転換装置を備えた箱詰装置の第2水平搬送部の全体幅搬送装置の全体幅は、距離L21(L2<L21)である。
【0068】
すなわち、転回装置221aを突出させる構造の場合には、第2水平搬送部206の幅が大きくなり、箱詰装置100のフットスペースが大きくなってしまう。
一方、図9(a)に示す方向転換装置220を備えた箱詰装置100においては、第2水平搬送部206の幅を狭くすることができるので、方向転換装置220を備えた箱詰装置100のフットスペースを狭くすることができる。
【0069】
以上のように、本実施の形態に係る方向転換装置220を備えた箱詰装置100においては、包装物110f,100gを短時間で90度方向転換させることができる。また、搬送中の包装物110f,100gに対して、転回装置221により回動軸P1を形成し、回動軸222および回動板230により包装物110f,100gの回動を促進させることができるので、確実に物品の方向転換を行うことができる。
【0070】
また、回動軸222および回動板230により包装物110f,100gに力を付与するので、当接回動板230が包装物110f,100gに直接接触して力を付与することができる。また、搬送方向(矢印M1の方向)の包装物110f,100gの後ろ側の位置(L110)にR220の方向の力を付与することができるので、包装物110f,100gを小さな力で回転させることができる。すなわち、包装物110f,100gの重心から遠い位置、または水平回転の際に最も移動する部位の近傍に小さな力を加えることができる。その結果、包装物110f,100gの内容重量が重い場合であっても、短時間でかつ確実に方向転換することができる。
【0071】
また、包装物110f,100gが転回装置221に当接するタイミングと同時、または当該タイミング以降に、回動軸222および回動板230は、第1フォトセンサ307の信号に基づいて包装物110f,100gに力を付与するので、転回装置221に包装物110f,100gが接触した後に、包装物110f,100gに力を付与するので、転回装置221と包装物110f,100gとの接触部が回動軸P1となり、短時間で水平回転を行うことができる。
【0072】
さらに、一対のガイド機構240に延在する側壁の一部として回動板230が設けられ、当該回動板230の回動軸222とからなるので、包装物110f,100gを水平回転させない場合、一対のガイド機構240に延在する側壁として収容することができる。
【0073】
回動軸222および回動板230は、回動板230の移動量L222が転回装置221の突出距離L221と同等または突出距離L221以下であるので、包装物110f,100gの水平回転を確実に行うことができる。一方、回動軸222および回動板230が矢印R220とは逆方向に動く場合には、突出距離L221と同等の距離だけ側壁を矢印R220と逆方向に移動させることで、次に搬送される包装物110f,100gの搬送を阻害しない。
【0074】
また、移動機構251により一対のガイド機構240,241が移動され、搬送面上に転回装置221が出現される。その結果、転回装置221が搬送面上に突出する場合と比較して、包装物110f,110gの転回スペース(距離L10から距離L1に)を低減することができる。すなわち、転回装置221が搬送面上に突出する場合には、突出した距離だけ包装物110f,110gが移動し、搬送面の幅を大きくする必要がある。一方、転回装置221が出現する場合には、転回装置221が突出する距離分だけ搬送面の幅を少なくすることができ、箱詰装置100全体の省スペース化を実現することができる。
【0075】
また、第1フォトセンサ307により検出された包装物110a,〜,100gの個数に応じて制御部301がガイド移動部340,ガイド回動部341を介して移動機構251およびガイド機構241が移動される。その結果、収容すべき箱、例えばダンボール箱内に最大限収納することができる包装物110f,100gの姿勢に変更して、搬送することができる。
【0076】
本実施の形態においては、第2水平搬送部206が搬送装置および搬送経路に相当し、包装物110a,〜,110gが物品または外形が変化し得る包装物に相当し、方向転換装置220が方向転換装置に相当し、箱詰装置100が箱詰装置に相当し、転回装置221,221aが転回装置に相当し、回動軸222,回動板230が転回補助装置に相当し、回動板230が当接部材に相当し、包装物110f,110gの矢印M1の後ろ側(L110)が、物品の前記搬送方向の後ろ側および物品の水平回転の際に最も移動する部位の近傍に相当し、第1フォトセンサ307がセンサに相当し、ガイド機構240に延在して設けられた回動板230が搬送装置の側壁の一部に相当し、回動軸222が回動軸に相当し、回動板230の移動量L222が側壁の移動量に相当し、転回装置221の突出距離L221が転回装置の突出距離に相当する。
【0077】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の主旨と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0078】
100 箱詰装置
110a,〜,110g 包装物
206 第2水平搬送部
220 方向転換装置
221,221a 転回装置
222 回動軸
230,230a 回動板
307 第1フォトセンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置により搬送される物品の方向を方向転換装置により転換する方向転換装置を備えた箱詰装置であって、
前記方向転換装置は、
前記搬送経路上で、前記物品に当接することにより前記物品を水平回転させる転回装置と、
前記転回装置による当接位置と異なる位置に力を付与して前記物品を水平回転させる転回補助装置と、を含むことを特徴とする方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項2】
前記転回補助装置は、当接部材により前記物品に力を付与することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項3】
前記転回補助装置は、前記物品の前記搬送方向の後ろ側に力を付与することを特徴とする請求項1または2記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項4】
前記転回補助装置は、前記物品の水平回転の際に最も移動する部位の近傍に力を付与することを特徴とする請求項1または2記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項5】
前記搬送経路上の物品を検知するセンサをさらに備え、
前記物品が前記転回装置に当接するタイミングと同時、または当該タイミング以降に、前記転回補助装置は、前記センサの信号に基づいて前記物品に力を付与することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項6】
前記転回補助装置は、前記搬送装置の側壁の一部と、前記側壁の回動軸とからなり、
前記側壁の一部が前記回動軸により回動することにより前記物品に力を付与することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項7】
前記転回補助装置は、前記側壁の移動量が前記転回装置の突出距離以下であることを特徴とする請求項6記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。
【請求項8】
前記物品は、外形が変化し得る包装物であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方向転換装置を備えた箱詰装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−219123(P2011−219123A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89653(P2010−89653)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】