説明

明色化剤としての幻視光沢剤

【課題】自然な外観の同質で一様な白い顔色を得るための化粧品及び/または皮膚科用組成物を提供する。
【解決手段】幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物を含有する組成物を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所適用のための化粧品組成物中、または皮膚科用組成物の調製のための幻視光沢剤(optical brightner)群の化合物の使用に関し、この組成物は、優れた一様さ、優れた同質性、優れた透明性、雪花石膏のように滑らかな外観及び優れた白さを顔色に与える特性を有する。この組成物はまた、シャドウコンシーリング特性を有する。
【背景技術】
【0002】
本発明はまた、幻視光沢剤群の化合物と、皮膚明色化剤、スクリーニング剤、皺防止剤及び保湿剤などの所定の化粧品化合物との組み合わせにも関し、この組み合わせは、特に上記の領域において著しい特性を有する。
【0003】
最後に、本発明は皮膚の即時明色化方法にも関し、この方法は、幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物を含む化粧品組成物を皮膚に適用することからなる。
【0004】
有色またはより濃い色の皮膚を持つ人々には、皮膚を明るくすることが一般的であり、この目的のために明色化剤を含有する化粧品または皮膚科用組成物を使用することは一般的である。
【0005】
明色化剤として最も一般的に使用される物質は、ヒドロキノン及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アゼライン酸、アルブチン及びその誘導体であり、これらは単独または他の活性剤と組み合わせて使用される。
【0006】
明色化剤を含むこうした組成物はまた、皮膚が異常変色した個人にも使用されるが、これらの異常変色には、多様な原因のものが挙げられる:老化(老人性シミ)、UV光への露出、黒皮症(pregnancy mask)、皮膚病理等。
【0007】
しかしながら、これらの剤に欠点がないわけではない。特に、皮膚の明色化効果を得るためには、これらを長期間大量に用いる必要がある。これらを含む組成物の適用によっては、即時の効果は見られない。
【0008】
さらに、ヒドロキノン及びその誘導体は、明色化作用を得られるだけの量を使用しなければならないが、ヒドロキノンは特に、メラノサイトに対する細胞毒性が知られている。
さらにまた、コウジ酸及びその誘導体は、高価であるという欠点を有し、このために大量生産向けの製品に多量に使用することが不可能である。
【0009】
顔色を一様にすること及び即時に白い外観を与えることの可能な化粧品組成物を使用することは既知の習慣であるが、これらの組成物は結合剤中に分散したパウダーからなる。これらのパウダーは、一般的に、所望の効果によって白色または有色の含量を含有し、ラメラ型の充填剤あるいはまた小板形態のシリカを含有する。顔色を一様にする作用は、主としてラメラ型の充填剤によって供されるカバーパウダーによって得られる。
【0010】
こうした組成物の欠点は、皮膚欠陥のむらを隠すことが、概組成物のカバー力によって供される点である。この方法においてメイクアップした皮膚は、これらの組成物の透明性の欠如によって自然な外観を失う。
【0011】
これらの組成物の透明性を増大させる手段として、ラメラ充填剤を使用することも検討される(米国特許4,899,163号参照)、これらは光を反射し、皮膚に不自然な光沢のある外観を与えるという欠点を有する。
【特許文献1】米国特許4,899,163号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、自然な外観の同質で一様な白い顔色を得るための化粧品及び/または皮膚科用組成物の需要は依然としてあり、これらの組成物は皮膚に適用した後に十分な透明性を有するものであるべきである。
【0013】
仏国特許出願2,741,261号には、明色化蛍光剤を含む化粧品組成物が記載されており、これらの剤はまた、幻視光沢剤としても既知である。これらの剤は、これらを含む化粧品組成物が皮膚または髪に適用された際に概組成物の輝きを強め、色を明るくするという利点を有する。これらの剤の効果は、着色された支持体(髪)上、または着色組成物(マスカラ、マニキュアまたはリップスティック等のメイクアップ)中で観察される。しかしながら、上述のような皮膚上の幻視光沢剤自体の効果はこの文献中に記載も示唆もされていない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の主題は、皮膚の明色化、特に皮膚の即時明色化を目的とする組成物中、または概組成物の調製のための、幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物の使用である。こうした組成物は、顔色に優れた一様さ、優れた同質性、優れた透明性及び雪花石膏のように滑らかな外観を与える。
このような使用は、特にアジア人の皮膚に有効である。
【0015】
特に、この組成物は、化粧品組成物である。皮膚科用としての使用もまた想定される。
本発明の組成物は、メイクアップ組成物または髪への適用を意図した組成物よりも、スキンケア組成物であることが好ましい。
【0016】
本発明の主題はまた、幻視光沢剤に属する少なくとも一の化合物の、白人の皮膚に有効な組成物中、または概組成物の調製のための使用である。
【0017】
幻視光沢剤は、当業者には良く知られた化合物である。こうした化合物は“Fluorescent Whitening Agent, Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer”, Vol. 11, pp. 227-241, 4th Edition, 1994, Wileyに記載されている。
これらは、特に、主としてUV領域の300から390nmにて吸光し、400から525nmにて発光する化合物と定義可能である。
【0018】
幻視光沢剤の中で、特に重要なものは、スティルベン誘導体、クマリン誘導体、オキサゾール及びベンズオキサゾール誘導体及びイミダゾール誘導体である。
こうした化合物は、容易に購入可能である。例えば、Chiba Geigy社製の“Tinopal SOP”及び“Tinopal 0B”を挙げることができる。
【0019】
本発明により好ましく使用される幻視光沢剤は、ナトリウム=4,4’-ビス[(4,6-ジアニリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]スティルベン-2,2’-ジスルホナート及び2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンズオキサゾール)である。
【0020】
本発明の主題はまた、皮膚明色化剤として、特に即時明色化剤として、及び/または、一様さ、同質性、透明性及び雪花石膏のように滑らかな外観より選択される少なくとも一の特性を皮膚に与えることを目的とする剤としての、組成物中または組成物の調製のための幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物の使用である。
本発明の主題はまた、コンシーラーとしての、組成物中または組成物の調製のための幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物の使用である。
【0021】
このように、目の周囲表面が暗色、さらには灰色または黒色に見えること及び/または目の下のたるみの存在及び/または目の輪郭の外観上の衰えによる目の周りの影は、本発明の組成物を適用することにより減少または喪失可能である。
【0022】
幻視明色化剤は、本発明において、組成物全重量に対して0.1から15重量%の量で使用されることが好ましく、0.5から10重量%の量で使用されることが更に好ましい。
光学明色化剤は、増強または相補的作用を有する他の化粧剤と組み合わせることが望ましい。
【0023】
したがって、本発明の主題は、組成物、特に幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物及び化粧品に従来使用されている少なくとも一の明色化剤及び/または脱色剤を含む化粧品組成物である。
【0024】
化粧品に従来使用されているこれらの明色化剤及び/または脱色剤の中では、ヒドロキノン及びその誘導体、例えばヒドロキノンモノメチルエーテル及びヒドロキノンモノエチルエーテル、コウジ酸及びその誘導体、乳酸及びその塩、アスコルビン酸及びその誘導体、アゼライン酸、アルブチン及びその誘導体、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸(欧州特許0,780,120に記載)、パラセタモル(本出願人により1996年12月6日に出願された仏国特許出願96/15046号に記載)及び、カルバマート、尿素または化学式(I)のスルホンアミド官能基を含むアミノフェノール誘導体(本出願人により1997年8月27日に出願された仏国特許出願97/10710号に記載)を挙げることができる。これらのアミノフェノール誘導体は、下記の化学式(I)を有する。
【0025】
【化1】

【0026】
式中、
Rは、水素原子または-COR基を表し、
は、同一でも相違しても良く、飽和または不飽和で、直鎖状、環状または分枝状で、任意にヒドロキシル化されたC−C30アルキルまたはアルコキシ基より選択される基を表し、
は、下記の(a)、(b)または(c)式の基より選択され、
(a)-CO-NR
(b)-CO-O-R
(c)-SO-R
は、水素原子または直鎖状または分枝状で飽和または不飽和の、任意にヒドロキシル化されたC−Cアルキル基を表し、
は、水素原子または下記のR基を表し、
は、飽和または不飽和で、直鎖状、環状または分枝状で、任意にヒドロキシル化されたC−C30アルキル基を表す。
【0027】
これらのカルバマート、尿素または化学式(I)のスルホンアミド官能基を含むアミノフェノール誘導体の中で、特に好ましいのは、N-エチルオキシカルボニル-4-アミノフェノール;N-エチルオキシカルボニル-O-エチルオキシカルボニル-4-アミノフェノール;N-コレステリルオキシカルボニル-4-アミノフェノール及びN-エチルアミノカルボニル-4-アミノフェノールである。
【0028】
本発明はまた、短期間及び長期間の皮膚の明色化を得る目的のためのこうした組成物の使用に関する。
こうした組成物はまた、UV光を遮断し得る少なくとも一の剤及び/または少なくとも一の剥落剤を含むことが好ましい。
【0029】
本発明の主題はまた、組成物、特に幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物及びUV光を遮断し得る少なくとも一の剤及び/または少なくとも一の剥落剤を含む化粧品組成物である。
【0030】
UV光を遮断し得る剤の中では、親水性または親油性の有機スクリーニング剤及び無機スクリーニング剤を挙げることができる。
【0031】
親水性スクリーニング剤は、特にベンゾフェノン誘導体、p-アミノ安息香酸誘導体、ショウノウ誘導体またはベンズイミダゾール誘導体より選択可能である。
親水性スクリーニング剤は、本発明による最終組成物中に、組成物全重量に対して0.1から20重量%、好ましくは0.2から10重量%の含量で存在可能である。
【0032】
本発明に特に適切な親油性スクリーニング剤は、ジベンゾイルメタン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリラート誘導体、p-アミノ安息香酸誘導体、及び国際特許出願93/04665号及び同94/06404号に記載のスクリーニングポリマー及びスクリーニングシリコーンより選択可能である。有機スクリーニング剤の他の例は、欧州特許出願0,487,404号に記載されている。
【0033】
親油性スクリーニング剤は、本発明による最終組成物中に、組成物全重量に対して0.5から30重量%、好ましくは0.5から20重量%の含量で存在可能である。
【0034】
無機スクリーニング剤としては、顔料またはナノ顔料(基本粒子の平均径:一般的に5から100nm、好ましくは10から50nm)で、被覆または未被覆の金属酸化物であり、例えば酸化チタンのナノピグメント(無形またはルチル及び/またはアナタース型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムが可能であって、これらは全てそれ自体良く知られた光保護剤であり、物理的にUV光を遮断すること(反射及び/または拡散)によって作用する。さらに、通常の被覆剤は、アルミナ及び/またはステアリン酸アルミニウム、及びシリコーンである。こうした被覆または未被覆金属酸化物ナノピグメントは、特に欧州特許出願0,518,772号及び同0,518,773号に記載されている。
【0035】
無機スクリーニング剤は、本発明による最終組成物中に、組成物全重量に対して0.1から20重量%、好ましくは0.2から10重量%の含量で存在可能である。
【0036】
剥落剤の中では、ヒドロキシ酸、特にα-及びβ-ヒドロキシ酸、サリチル酸またはその誘導体の一つで、塩化された天然または合成のレチノイド、例えば、レチノール、レチノールエステル、レチン酸またはレチナールを挙げることができる。サリチル酸誘導体としては、特に、欧州特許出願2,581,542号及び同378,936号に記載のものを挙げることができ、特に、5-n-オクタノイルサリチル酸、5-n-デカノイルサリチル酸、5-n-ドデカノイルサリチル酸、5-n-オクチルサリチル酸、5-n-ヘプチルオキシサリチル酸、4-n-ヘプチルオキシサリチル酸及びその第4級アンモニウム塩、例えばジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩を挙げることができる。欧州特許出願570,230号に記載のサリチル酸誘導体もまた使用可能である。
【0037】
本発明の主題はまた、組成物、特に幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物及び少なくとも一の保湿剤を含む化粧品組成物である。こうした組成物は特に、目の下の影の予防及び/または処理に有効である。
【0038】
これらの組成物中に使用可能な保湿剤の中では、特に尿素またはその誘導体及びポリオール、例えばグリセロール、ソルビトールまたはプロピレングリコールを挙げることができる。
【0039】
本発明はまた、組成物、特に幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物及び少なくとも一の皺防止剤を含む化粧品組成物である。こうした組成物は、この場合もまた、目の下の影の予防及び/または処理に特に有効である。
【0040】
これらの組成物中に使用可能な皺防止剤の中では、ヒドロキシ酸、特にα-及びβ-ヒドロキシ酸、アスコルビン酸またはその誘導体、サリチル酸またはその誘導体の一つで、塩化された天然または合成のレチノイド、例えば、レチノール、レチノールエステル、レチン酸またはレチナールを挙げることができる。サリチル酸誘導体としては、特に、欧州特許出願2,581,542号及び同378,936号に記載のものを挙げることができ、特に、5-n-オクタノイルサリチル酸、5-n-デカノイルサリチル酸、5-n-ドデカノイルサリチル酸、5-n-オクチルサリチル酸、5-n-ヘプチルオキシサリチル酸、4-n-ヘプチルオキシサリチル酸及びその第4級アンモニウム塩、例えばジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩を挙げることができる。欧州特許出願570,230号に記載のサリチル酸誘導体もまた使用可能である。
【0041】
最後に、本発明の主題は、皮膚の即時明色化方法であり、この方法は、少なくとも一の幻視光沢剤を含む化粧品組成物を皮膚に適用することからなる。
【0042】
本発明により使用される幻視光沢剤を含有する組成物には、通常局所適用に使用されるあらゆる製薬形態、例えば、溶液、ゲル、ローションまたは漿液の形態の分散物、液体または乳剤タイプの準液体の堅さをもち、水相中に脂肪相を分散させること(O/W)またはその逆(W/O)によって得られるエマルション、またはクリームまたはゲルタイプのソフトで準固体または固体の堅さをもつ懸濁液またはエマルション、あるいはまた、ミクロエマルション、ミクロカプセルミクロ粒子またはイオン性及び/または非イオン性タイプの小胞分散物等の形態が可能である。
これらの組成物は通常の方法で調製される。
【0043】
既知の通り、本発明の組成物、特に化粧品組成物は、化粧品の分野で一般的な補助剤、例えば、乳化剤、親水性または親油性のゲル化剤、親水性または親油性の活性剤、保存料、抗酸化剤、香料、充填剤及び染料等を含有可能である。これらの様々な補助剤の量は、化粧品の分野で従来使用されている通りであり、例えば組成物全重量の0.01から20%である。その性質により、これらの補助剤は脂肪相、水相及び/または脂質小胞に導入可能である。
【0044】
油中水型(W/O)または水中油型(O/W)乳化剤を、所望の最終エマルションによって、乳化剤として使用可能である。
【0045】
乳化剤としては、例えば、グリセリル/ステアラート/PEG-100ステアラートの混合物(ICI社製、“Arlacel 165”)、PEG-20ステアラート(ICI社製、“Myrj 49”)、PEG-40ステアラート(ICI社製、“Myrj 52”)及びソルビタントリステアラート(ICI社製、“Span 65”)を挙げることができる。
乳化剤含量としては、組成物全重量に対して、0.1から15重量%、好ましくは0.5から5重量%が可能である。
【0046】
本発明の組成物には、共乳化剤を、例えば組成物全重量に対して、0.05から10重量%の量で添加可能である。共乳化剤としては、グリセリルステアラートを挙げることができる。
【0047】
脂質小胞分散物中では、乳化剤は小胞自体またはイオン性及び/または非イオン性脂質からなる。
【0048】
本発明において使用可能なオイルとしては、鉱物油、植物油(コーン胚芽油)、合成オイル(イソヘキサデカン)、シリコーンオイル(シクロメチコーン)及びフッ素化油を挙げることができる。脂肪アルコール(ステアリルアルコール、セチルアルコール)脂肪酸(ステアリン酸)及びワックスもまた使用可能である。
【0049】
使用可能な親水性活性剤は、例えば、タンパク質またはタンパク質水解物、アミノ酸、尿素、アラントイン、糖及び糖誘導体、及びグリセルリチン酸である。
使用可能な親油性活性剤は、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド及び精油である。
【0050】
これらの組成物は特に、顔、手または全身のための処理または手入れ用クリーム、スキンケアまたは皮膚処理用の保護または手入れ用ボディミルクまたはローション、ゲルまたはムースを構成する。
【0051】
以下の実施例は、本発明を詳説する。これらの実施例中、示した割合は重量%である。
【実施例】
【0052】
(実施例1:O/W流動クリーム)
・2-エチルヘキシルパーミタート 8%
・流動ワセリン 8%
・グリセリル=モノ/ジイソステアラート 2%
・グリセリル=モノ/ジイソステアラート、ステアリン酸及び
グリセリンの混合物(40/50/5/5) 2%
・ナトリウム=4,4’-ビス[(4,6-ジアニリノ
-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]スティルベン
-2,2’-ジスルホナート 1%
・トリエタノールアミン 0.9%
・プロピレングリコール 2%
・ステアリン酸 2%
・ステアリン酸マグネシウム 2%
・保存料 適量
・水 100gまでの残量
* Chiba Geigy社製“Tinopal SOP
【0053】
(実施例2:O/W流動クリーム)
スティルベン誘導体を、Chiba Geigy社より“Uvitex 0B”の名で市販の2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンズオキサゾール)1%と置き換えた以外は、実施例1と同様の成分を用いてクリームを調製した。
これら二つのクリームをアジア人の女性に試用したところ、その即時明色化効果及びその透明性について、非常に高く評価された。これら二つのクリームは、皮膚に雪花石膏のように滑らかな外観を与えた。
【0054】
(実施例3:目の周囲のためのコンシーラークリーム)
・ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%
・ナトリウム=4,4’-ビス[(4,6-ジアニリノ
-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]スティルベン
-2,2’-ジスルホナート 7%
・アンモニア水で部分的に中性化された架橋アクリルアミド
メチルプロパンスルホン酸 1.5%
・グリセリン 5%
・エチルアルコール 5%
・オキシエチレン化メチルグルコースジオレアート
(120 EO) 0.5%
・オキシエチレン化ソルビタンモノラウラート(20 EO) 0.5%
・保存料 適量
・水 100gまでの残量
* Chiba Geigy社製“Tinopal SOP”
【0055】
(実施例4:目の周囲のためのコンシーラークリーム)
“Tinopal SOP”を1%のみ用いて実施例3を繰り返した。
実施例3及び4の二つのコンシーラー組成物を白人女性の皮膚に試用した。いずれにも、即時の、自然で明らかなシャドウコンシーリング効果が得られた。顔の皮膚が均一に着色され、シミが薄くなって見え、目の周りの衰えが目立たなくなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物中での、または組成物の調製における、幻視光沢剤(optical brightner)群に属する少なくとも一の化合物の使用であって、この組成物が皮膚の明色化を目的とすることを特徴とする使用。
【請求項2】
組成物が皮膚の即時明色化を目的とすることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
組成物中での、または組成物の調製における、幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物の使用であって、この組成物が、一様さ、同質性、透明性、雪花石膏のように滑らかな外観より選択される少なくとも一の特質を顔色に与えることを目的とすることを特徴とする使用。
【請求項4】
アジア人の皮膚の手入れを目的とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
組成物中での、または組成物の調製における、幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物の使用であって、この組成物が、コンシーラー組成物であることを特徴とする使用。
【請求項6】
白人の皮膚の手入れを目的とすることを特徴とする請求項5に記載の使用。
【請求項7】
幻視光沢剤が、UVA領域の300から390nmにて吸光し、400から525nmにて発光する化合物より選択されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
幻視光沢剤が、スティルベン誘導体、クマリン誘導体、オキサゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体及びイミダゾール誘導体より選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
幻視光沢剤が、ナトリウム=4,4’-ビス[(4,6-ジアニリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]スティルベン-2,2’-ジスルホナート及び2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンズオキサゾール)より選択されることを特徴とする請求項8に記載の使用。
【請求項10】
白さ、一様さ、同質性、透明性及び雪花石膏のように滑らかな外観より選択される少なくとも一の特質を皮膚に与えることを目的とする剤としての、組成物中または組成物の調製における、幻視光沢剤群の少なくとも一の化合物の使用。
【請求項11】
幻視光沢剤が、皮膚の即時明色化を目的とする剤であることを特徴とする請求項10に記載の使用。
【請求項12】
幻視光沢剤が、組成物中に、組成物全重量に対して0.1から15重量%、好ましくは0.5から10重量%の量で存在することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物及びこの群に属さない少なくとも一の第二の皮膚明色化剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項14】
第二の皮膚明色化剤が、ヒドロキノン及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、乳酸及びその塩、アスコルビン酸及びその誘導体、アゼライン酸、アルブチン及びその誘導体、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、パラセタモル及び、カルバマート、尿素または化学式(I)のスルホンアミド官能基を含むアミノフェノール誘導体より選択されることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
UV光を遮断し得る少なくとも一の剤及び/または剥落剤より選択される少なくとも一の化合物を更に含むことを特徴とする請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物及び剥落剤より選択される少なくとも一の化合物を含むことを特徴とする組成物。
【請求項17】
皮膚の明色化を目的とすることを特徴とする請求項13から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物及び少なくとも一の保湿剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項19】
幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物及び少なくとも一の皺防止剤を含むことを特徴とする組成物。
【請求項20】
目の下の影の予防及び/または処理を目的とすることを特徴とする請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
幻視光沢剤群に属する少なくとも一の化合物を含む組成物を皮膚に適用することを特徴とする皮膚の即時明色化のための非治療的方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
UVA領域の300から390nmにて吸光し、400から525nmにて発光する化合物より選択される少なくとも一の幻視光沢剤を含む組成物を皮膚に適用することを特徴とする皮膚の非治療的即時明色化方法
【請求項2】
幻視光沢剤が、スティルベン誘導体、クマリン誘導体、オキサゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体及びイミダゾール誘導体より選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法
【請求項3】
幻視光沢剤が、ナトリウム=4,4’-ビス[(4,6-ジアニリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]スティルベン-2,2’-ジスルホナート及び2,5-チオフェンジイルビス(5-tert-ブチル-1,3-ベンズオキサゾール)より選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法
【請求項4】
アジア人の皮膚の手入れを目的とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
【請求項5】
前記組成物が、コンシーラー組成物であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法
【請求項6】
白人の皮膚の手入れを目的とすることを特徴とする請求項1から3及び5のいずれか一項に記載の方法
【請求項7】
幻視光沢剤が、皮膚の即時明色化を目的とする剤であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法
【請求項8】
幻視光沢剤が、前記組成物中に、組成物全重量に対して0.1から15重量%の量で存在することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の方法
【請求項9】
前記組成物が、ヒドロキノン及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、乳酸及びその塩、アスコルビン酸及びその誘導体、アゼライン酸、アルブチン及びその誘導体、L-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、パラセタモル及び、カルバマート、尿素または化学式(I)のスルホンアミド官能基を含むアミノフェノール誘導体より選択される第二の皮膚明色化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法
【請求項10】
前記組成物が、UV光を遮断し得る少なくとも一の剤及び/または剥落剤より選択される少なくとも一の化合物を更に含むことを特徴とする請求項に記載の方法
【請求項11】
前記組成物が、ヒドロキシ酸、塩化されていて良いサリチル酸またはその誘導体の一つ、天然または合成のレチノイドから選択される少なくとも一の剥落剤を更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法
【請求項12】
前記組成物が、少なくとも一の保湿剤を更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法
【請求項13】
前記組成物が、ヒドロキシ酸、アスコルビン酸またはその誘導体、塩化されていて良いサリチル酸またはその誘導体の一つ、天然または合成のレチノイドから選択される少なくとも一の皺防止剤を更に含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法
【請求項14】
目の下の影の予防及び/または処理を更に目的とすることを特徴とする請求項12または13に記載の方法

【公開番号】特開2006−206602(P2006−206602A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79546(P2006−79546)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【分割の表示】特願平11−133196の分割
【原出願日】平成11年5月13日(1999.5.13)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】