説明

映像合成装置及びプログラム

【課題】ピクチャ・イン・ピクチャ映像の特殊再生時の再生形態に対して、提供者の意図を反映した再生形態とすることを可能にする映像合成装置等を提供すること。
【解決手段】複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データが入力され、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置であって、管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、管理データから指示情報を読み出す読出手段と、読出手段により読み出された指示情報に従って、指示された再生形態で複数の映像データの映像を合成する合成手段と、を備え、指示情報は、ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の映像データと、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークインフラの高速化や記録メディアの大容量化によって、ユーザやユーザが扱う映像機器が一度に扱える映像データの絶対量は飛躍的に増加している。それに伴い、複数の映像データを使って実現される様々な機能や、それらに基づく高度アプリケーションも登場しつつある。そのような機能の1つにピクチャ・イン・ピクチャとよばれる機能がある。「ピクチャ・イン・ピクチャ」は、画面(親画面)の中に小さな子画面を重ねて2つの映像を同時に表示する機能である。例えば、親画面の映像と別のアングルから撮影された映像を子画面中に表示する「マルチアングル表示」や、親画面の映像に関する付加情報をコメンタリ形式で表示する「コメンタリ表示」(例えば、映画に関する撮影秘話などを収録した監督のコメンタリ映像等を表示する)に用いられる。
【0003】
このピクチャ・イン・ピクチャ機能は、例えば、図17に示されるように、2つの映像データを2つの異なるレイヤ上にそれぞれ復号し、それらの復号映像を重ね合せることといった処理により実現される。
【0004】
また、図18はピクチャ・イン・ピクチャ機能における子画面の映像の表示形態の違いを示すもので、子画面には矩形映像1801の他、任意形状からなる映像1802が用いられることもある。ピクチャ・イン・ピクチャの機能及び実現方法については、例えば特許文献1等に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−123775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ピクチャ・イン・ピクチャでは、2つの映像が同時に再生されて表示される。このため、ピクチャ・イン・ピクチャ表示時に、例えば親画面の映像に対して高速再生などの特殊再生が指示された場合に、子画面の映像が親画面の映像に追従して特殊再生するのか、あるいは特殊再生しないのかといったことには従来制限がなく、再生機器の実装依存であった。従って、映像を提供する側で特殊再生時の動作を制限することはできなかった。ここで、特殊再生とは、2倍速、4倍速といった映像の高速再生の他、スロー再生、コマ送り再生、逆再生など、通常再生と異なった映像の再生形態のことをいう。
【0007】
図19に、映像コンテンツを提供者から消費者に配信する場合の代表的な3つのルート(放送、通信(ネットワーク)、パッケージ流通)を示す。また、複合的な配信手段として、基本部分を放送又はパッケージ流通で送り、追加分を通信(ネットワーク)で送るといったことも行われる。このようにしてピクチャ・イン・ピクチャを含んだ映像を提供者から消費者に配信する際、用途(アプリケーション)によっては、映像の提供者側でピクチャ・イン・ピクチャの特殊再生時の再生形態を提供者の意図した通りに指定したい要求がある。
【0008】
例えば、子画面に表示される映像は特典映像であり、高速再生せずに最後まで視聴することを視聴条件として設定する、といった要求である。それに対して、従来のピクチャ・イン・ピクチャでは、特殊再生時の再生形態が上述のように再生機器側任せであり、提供者側のそのような要求を実現する方法がなかった。
【0009】
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、ピクチャ・イン・ピクチャ映像の特殊再生時の再生形態に対して、提供者の意図を反映した再生形態とすることを可能にする映像合成装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明の映像合成装置は、複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データが入力され、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置であって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0011】
本発明の映像合成装置は、複数の映像データと、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置であって、
前記複数の映像データの少なくとも1つに前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の映像合成装置において、前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の映像合成装置において、前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、
前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報に従って、ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第1制御ステップを実現することを特徴とする。
【0015】
本発明のプログラムは、複数の映像データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記複数の映像データの少なくとも1つに前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、
前記少なくとも1つの映像データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報に従って、ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第1制御ステップを実現することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、前記第1制御ステップに換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第2制御ステップを実現することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のプログラムは、前記第1制御ステップに換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第3制御ステップを実現することを特徴とする。
【0018】
本発明のプログラムは、複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段を備え、
前記プログラムは、前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成ステップを含み、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0019】
本発明のプログラムは、複数の映像データと、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記複数の映像データの少なくとも1つに前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、前記少なくとも1つの映像データから前記指示情報を読み出す読出手段を備え、
前記プログラムは、前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成ステップを含み、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明のプログラムにおいて、前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明のプログラムにおいて、前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、親画面の映像の特殊再生時における、子画面の映像の再生形態(親画面の特殊再生に追従させるか否か)を示した指示フラグを、子画面の映像の映像データ中に含める。あるいは、親画面、子画面の映像データと独立した管理データ内に格納する。こうして、映像データの配信時などに、指示フラグによる指示情報を映像データとともに扱う。映像合成装置では、上記格納された指示フラグを読み出して利用することにより、提供者の意図した通りにピクチャ・イン・ピクチャ時の特殊再生を行う(子画面映像を親画面映像と追従して特殊再生する、あるいは独立して再生する)ことが可能となる。その結果、ピクチャ・イン・ピクチャ時の再生形態が映像合成装置や再生機器の実装に不依存となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態にかかる映像再生装置の概略構成を示した機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態にかかる映像再生装置で、特殊再生時の再生形態を示した説明図である。
【図3】第1の実施形態にかかる映像再生装置で、特殊再生時の別の再生形態を示した図である。
【図4】第1の実施形態にかかる映像再生装置で、特殊再生時のさらに別の再生形態を示した説明図である。
【図5】第1の実施形態にかかる映像再生装置で、特殊再生時のさらに別の再生形態を示した説明図である。
【図6】第1の実施形態にかかる映像再生装置で扱われる指示フラグの値と特殊再生時の再生形態との対応関係を示した表である。
【図7】第1の実施形態にかかる映像データ生成装置の概略構成を示した機能ブロック図である。
【図8】第1の実施形態で扱われる映像データの概略構造を示した説明図である。
【図9】第1の実施形態にかかる映像再生装置の別の構成を示した機能ブロック図である。
【図10】第1の実施形態で扱われる映像データの別の概略構造を示した説明図である。
【図11】第1の実施形態にかかる映像再生装置のさらに別の構成を示した機能ブロック図である。
【図12】第1の実施形態で再生される映像の画面表示例を示した説明図である。
【図13】第2の実施形態にかかる映像再生装置の概略構成を示した機能ブロック図である。
【図14】第3の実施形態にかかる映像再生装置の概略構成を示した機能ブロック図である。
【図15】第3の実施形態にかかる映像データ生成装置の概略構成を示した機能ブロック図である。
【図16】第3の実施形態で扱われる映像データの概略構造を示した説明図である。
【図17】従来のピクチャ・イン・ピクチャ機能の実現方式を示した説明図である。
【図18】従来のピクチャ・イン・ピクチャ機能を示した例である。
【図19】従来の映像コンテンツの配信を説明した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の実施形態では、一例として、本発明における映像合成装置(プログラム)を、記録媒体を再生する映像再生装置に適用した場合について説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態にかかる映像再生装置を、図1乃至図12を用いて説明する。
【0026】
図1は、第1の実施形態にかかる映像再生装置1の概略構成を示した機能ブロック図である。映像再生装置1は、2つの映像データ(符号化映像ストリーム)を入力とし、それらを復号、復号映像を合成した映像を出力表示する。なお、本明細書では以下、ピクチャ・イン・ピクチャ表示において親画面に表示される映像を「メイン映像」、子画面として表示される映像を「サブ映像」と呼んで区別する。
【0027】
映像再生装置1は、サブ映像の映像データから後述する指示フラグを読み出すためのフラグ読出部101、映像データそれぞれについて符号化データを復号するための復号部102と103、同じくそれぞれの復号映像を保持して合成タイミングに応じて出力するためのバッファ(BF)104と105、それら復号映像を合成するための合成部106、出力映像を表示する表示部107、ユーザからの入力を受け付ける入力部108、並びに、復号部102、103の復号処理を制御するための復号管理部109を備えて構成されている。また、上記合成部106には、サブ映像の復号映像について、合成用に表示サイズや表示位置を調整するための調整部110が含まれる。
【0028】
本実施形態にかかる映像再生装置1では、フラグ読出部101において、後述する指示フラグが映像データから読み出されて出力される。実際の映像データの復号では、付随するオーディオデータの分離や、映像に付随する管理情報(映像の符号化方式を示す情報などデータの復号に必要な情報や、映像の時間的な切出しや連結を指定するプレイリスト情報など映像の再生に必要な情報等)の読み出しが必要な場合があるが、図1では説明の簡便のため、それらの分離、読み出しについては省略する。
【0029】
まず初めに、フラグ読出部101で、サブ映像の映像データから、特殊再生時の再生形態を指示する指示フラグが読み出される。この読み出された指示フラグは、復号管理部109に入力されて、ピクチャ・イン・ピクチャ映像の特殊再生時に利用される。指示フラグの具体的内容については後で詳しく説明する。
【0030】
まず、通常再生時の動作について説明する。通常再生の場合、メイン映像の映像データ及び(指示フラグ読み出し後の)サブ映像の映像データは、それぞれ復号部102、103に入力されて順次復号される。そして、復号された各映像は、バッファ(BF)104、105に一時蓄積されたのち、出力タイミングを調整された上で合成部106に送られる。
【0031】
合成部106は、内部に調整部110を含んで構成されている。そして、合成部106に入力される2つの復号映像のうち、サブ映像にあたる復号映像がBF105から調整部110に入力される。調整部110では、サブ映像をメイン映像へ重ね合せる前処理として、サブ映像の画像サイズの変更や表示位置の設定を行う。これらサブ映像(子画面)の画像サイズや表示位置の値は、合成パラメータとして映像再生装置1が予め持っているか、又は、ユーザによって入力される。あるいは、ユーザとのインタラクションを通して決定されるものであってもよい。こうして調整されたサブ映像は、BF104から入力されるメイン映像にあたる復号映像上に重ねて合成される。
【0032】
なお、合成する際、サブ映像の透過度を設定して、メイン映像が透けて見えるようにしてもよい。この透過度も合成パラメータとして映像再生装置1が予め持っているか、もしくはユーザとのインタラクションを通して決定されることとなる。
【0033】
こうして合成部106で合成されて出力されたピクチャ・イン・ピクチャ映像は、表示部107を通してモニタなどに表示される。
【0034】
次に、特殊再生が指示された場合の動作について説明する。映像再生装置1は入力部108を備えており、ユーザからの特殊再生指示を受け付ける。入力部108は、特殊再生の指示入力を受け取ると、その指示内容を示す特殊再生指示情報に変換し、当該特殊再生指示情報を復号管理部109に送る。
【0035】
復号管理部109には、入力部108からの特殊再生指示情報と共に、フラグ読出部101でサブ映像の映像データから読み出された特殊再生時の再生形態を示す指示フラグが入力されている。復号管理部109は、上記特殊再生指示情報を受け取ると、2つの復号部102、103、並びに合成部106の処理を制御して、図2から図5に示すような再生形態のいずれかでピクチャ・イン・ピクチャ時の特殊再生を実行する。この時、フラグ読出部101から入力された指示フラグは、どの再生形態で特殊再生するかを決定するために用いられる。
【0036】
図2に示す再生形態(A)は、メイン映像の特殊再生が指示された場合に、メイン映像に追従してサブ映像も特殊再生される再生形態を示したものである。この時、映像再生装置1の復号管理部109は、復号部102、103双方に対して、同期して特殊再生(のための復号処理の実行)を指示する。指示を受けた復号部102、103は、例えば高速再生の場合、復号するフレームデータを間引き、例えばIフレームのみを復号して出力することで、メイン映像、サブ映像双方の高速再生を実現する。出力された復号映像は、通常再生の時と同様に合成部106に入力され、合成されて出力、表示される。
【0037】
なお、このように同期して特殊再生するのを容易にするために、符号化時にIフレームの挿入位置をメイン映像とサブ映像とで合せておくといった処理を加えてもよい。更に、MPEG(Moving Picture Expert Group)規格で規定されたフレーム間予測符号化方式のデータ構造であるGoP(Group of Picture)構造まで含めて、メイン映像とサブ映像のデータ構造を合せるようにしてもよい。GoP構造まで含めてメイン映像とサブ映像のデータ構造を合せることで、Pフレームなども含めた滑らかな特殊再生での同期が可能となる。
【0038】
図3に示す再生形態(B)は、メイン映像の特殊再生が指示された場合に、メイン映像が特殊再生される間のサブ映像の出力を止め、通常再生に復帰後に、通常再生に復帰したメイン映像と同じ時刻位置からのサブ映像を再度合成して表示する再生形態を示したものである。この時、映像再生装置1の復号管理部109は、復号部102のみに特殊再生(のための復号処理の実行)を指示する。また、復号管理部109は、合成部106に、特殊再生の間、サブ映像の合成を止めるよう指示する。通常再生への復帰が指示されたら、復号管理部109は、復号部102に通用再生(のための復号処理の実行)を指示すると共に、復号部103に、通常再生に復帰したメイン映像と同じ時刻位置からサブ映像の映像データの復号を指示する。そして、通常再生復帰後は、メイン、サブの復号画像が合成部106に入力され、合成されて出力、表示される。
【0039】
図2、図3の再生形態は、メイン映像とサブ映像とが同期して再生される場合を示した例である。即ち、図2、図3の再生形態では、メイン映像とサブ映像とが同一の時刻基準によって再生されている。
【0040】
図4に示す再生形態(C)は、メイン映像の特殊再生が指示された場合に、メイン映像のみを特殊再生し、サブ映像は通常再生のまま再生し表示する再生形態を示したものである。この時、映像再生装置1の復号管理部109は、復号部102のみに特殊再生(のための復号処理の実行)を指示する。復号部103は通常再生のまま復号が行われる。そして、復号部102から出力された特殊再生されたメイン映像と、復号部103から出力された通常再生されたサブ映像とは、通常再生の時と同様に合成部106に入力され、合成されて出力、表示される。
【0041】
図5に示す再生形態(D)は、メイン映像の特殊再生が指示された場合に、メイン映像が特殊再生される間のサブ映像の出力を止め、通常再生に復帰後に、停止した時間位置からのサブ映像を再度合成して表示する再生形態を示したものである。この時、映像再生装置1の復号管理部109は、復号部102のみに特殊再生(のための復号処理の実行)を指示する。また、復号管理部109は、合成部106に、特殊再生の間、サブ映像の合成を止めるよう指示する。通常再生への復帰が指示されたら、復号管理部109は、復号部102に通常再生(のための復号処理の実行)を指示すると共に、復号部103に、特殊再生が開始されてサブ映像の復号が停止された位置からのサブ映像の復号を指示する。そして、通常再生復帰後は、メイン映像とサブ映像とが合成部106に入力され、合成されて出力、表示される。
【0042】
図4、図5の再生形態は、メイン映像とサブ映像との再生が特殊再生を行った時に非同期となる場合を示した例である。即ち、図4、図5の再生形態では、メイン映像とサブ映像とが異なる時刻基準によって再生される。
【0043】
ここで、指示フラグについて説明する。フラグ読出部101で読み出され復号管理部109へ入力される指示フラグは、上記したどの再生形態で特殊再生するかを決定するために用いられる。即ち、サブ映像の映像データに含まれる指示フラグの値によって、サブ映像をメイン映像と同期させるか(図2、図3)、非同期とするか(図4、図5)を制御する。本明細書では、設定される指示フラグの例として、次の3種類を定義する。
【0044】
「再生形態指示フラグ」:
メイン映像が特殊再生時、サブ映像を追従して特殊再生させるか、追従しないで独立に再生(例えば通常再生)させるかを示す2値のフラグ。
【0045】
「追従再生禁止フラグ」:
メイン映像が特殊再生時、サブ映像が追従して特殊再生することを禁止する2値のフラグ。本フラグが「真」の時、サブ映像は常にメイン映像の特殊再生と独立に再生(例えば通常再生)される。
【0046】
「独立再生禁止フラグ」:
メイン映像が特殊再生時、サブ映像がメイン映像に追従しないで独立に再生(例えば通常再生)することを禁止する2値のフラグ。本フラグが「真」の時、サブ映像は常にメイン映像に追従して特殊再生される。
【0047】
映像データはこれらの指示フラグのいずれか1つ又は複数を含み、それあるいはそれらの値によって映像再生装置1におけるピクチャ・イン・ピクチャにおける特殊再生時の再生形態が決定される。図6の表に、それら指示フラグの値と、採り得る再生形態(A)(図2)、再生形態(C)(図4)との具体的な対応関係を示した。
【0048】
図6の表601は、再生形態指示フラグの値「独立」「追従」と、再生形態指示フラグが「独立」もしくは「追従」の時に映像再生装置1が採り得る再生形態との関係を示している。再生形態指示フラグが「独立」の場合、サブ映像はメイン映像の特殊再生に追従せず、独立した時間基準で通常再生される。再生形態指示フラグが「追従」の場合、サブ映像はメイン映像の特殊再生に追従して、同一の時間基準で特殊再生される。
【0049】
なお、同期して特殊再生を行うことを容易にするために、符号化時にIフレームの挿入位置をメイン映像とサブ映像とで合せるといった処理を加えている場合、このフラグの値は直接、Iフレーム位置を合せているか(フラグの値は「追従」)、合せていないか(フラグの値は「独立」)を表していると捉えることもできる。
【0050】
図6の表602は、追従再生禁止フラグの値「真」「偽」と、追従再生禁止フラグが「真」もしくは「偽」の時に映像再生装置1が採り得る再生形態との関係を示している。追従再生禁止フラグが「真」の場合、サブ映像はメイン映像の特殊再生に追従せず、独立した時間基準で通常再生される。一方、追従再生禁止フラグが「偽」の時には、いずれの再生を映像再生装置1が行ってもよい。
【0051】
また、図6の表603は、独立再生禁止フラグの値「真」「偽」と、独立再生禁止フラグが「真」もしくは「偽」の際に映像再生装置1が採り得る再生形態との関係を示している。独立再生禁止フラグが「真」の場合、サブ映像はメイン映像の特殊再生に追従して、同一の時間基準で特殊再生される。一方、独立再生禁止フラグが「偽」の時には、いずれの再生を映像再生装置1が行ってもよい。
【0052】
なお、ここに示した指示フラグは一例であり、いずれも「0」、「1」の2値フラグであるが、多値からなるさらに複雑な指示フラグを定義して用いることも可能である。例えば、追従再生を禁止し独立再生を許可するフラグであって、かつ、図5のようにサブ映像の再生を止める形式での独立再生は禁止し、図4のようにサブ映像を通常再生し続ける形式の独立再生のみを許可する、といった指示フラグを設けることもできる。
【0053】
言い換えれば、上記した、再生が「追従」か「独立」かを示す「0」、「1」の2値フラグ以外に、メイン映像が特殊再生時にサブ映像の表示を続けるか(図2、図4)、あるいはメイン映像が特殊再生時にはサブ映像を表示しないか(図3、図5)、を示した「表示」か「非表示」かを表す「0」、「1」の2値フラグを用意し、それらフラグの値の組合せによって図2から図5の再生形態(A)〜(D)のいずれか1つを一意に指定することも可能である。前者(再生が「追従」か「独立」かを示すフラグ)を「再生指示フラグ」、後者(サブ映像が「表示」か「非表示」かを示すフラグ)を「表示指示フラグ」と呼んで区別してもよい。
【0054】
例えば、再生指示フラグを「追従」とし、表示指示フラグを「表示」とすると、図2の再生形態(A)が選ばれる。このような再生では、メイン映像に合成されたサブ映像が完全にメイン映像の一部であるように見せることができ、見かけ上、メイン映像とサブ映像の区別が付かないように見せる効果を持つ。このため、映像提供者がそのような効果を望む場合には、各指示フラグを上記のように設定する。反対に、サブ映像をメイン映像と異なる付加映像であることを明示したい場合には、再生指示フラグを「追従」とし、表示指示フラグを「非表示」として、図3の再生形態(B)を選ぶ。
【0055】
また、再生指示フラグを「独立」とし、表示指示フラグを「表示」とすると、図4の再生形態(C)が選ばれる。これは、例えば、サブ映像1回の再生にかかる実再生時間が厳密に決められているような、優先度の極めて高いサブ映像に対して適用される再生形態であり、サブ映像1回の再生の間、サブ映像の再生を停止しない。一方、再生指示フラグを「独立」とし、表示指示フラグを「非表示」とした図5の再生形態(D)では、メイン映像が特殊再生の間、サブ映像の再生並びに表示を停止し、メイン映像が通常再生に復帰後に、停止位置から続きのサブ映像を再生し表示する。このため、機器を操作している間にうっかりサブ映像を見逃してしまうといった状況を回避できて、サブ映像を落ち着いて見せるのに適している。
【0056】
このように、映像データに付随して与えられる指示フラグによって、映像再生装置1における特殊再生時の再生形態を指定することができる。この指示フラグは、映像データの提供者側でサブ映像の映像データを生成する際に付加される。
【0057】
図7に、映像データ生成装置11の概略構成を示す機能ブロック図を示した。映像データ生成装置11は、符号化部701とフラグ設定部702、及びフラグ書込部703を含む。映像提供者の指示入力は、フラグ設定部702で指示フラグに変換される。入力された映像は、符号化部701で符号化されて映像データ(符号化映像ストリーム)に変換される。その後、フラグ書込部703を通して映像データ(符号化映像ストリーム)に指示フラグが格納される。
【0058】
映像提供者は、指示フラグを映像データ(符号化映像ストリーム)に埋め込むことにより、提供者の意図した再生形態で映像再生装置でのピクチャ・イン・ピクチャの特殊再生を可能とする。また、図8に、図7の映像データ生成装置11で生成される映像データの例を示し、特に指示フラグの埋込位置の例を示した。図8に示すように、指示フラグは、映像データ(符号化映像ストリーム)中のシーケンスヘッダに埋め込むか(801)、各パケットヘッダに埋め込むか(802)、又は、符号化映像ストリームに対する管理情報(プレイリスト情報など)が映像データ内に記録されている場合に、管理情報内に指示フラグを格納する(803)。但し、指示フラグの映像データ内の埋込位置はこれに限るものではない。
【0059】
上記した第1の実施形態にかかる映像再生装置1では、入力された映像データ(符号化映像ストリーム)中に指示フラグが含まれている例を示したが、これに限られない。例えば、映像データのデータストリームと共に、映像データストリームを管理するための管理情報(映像の符号化方式を示す情報などデータの復号に必要な情報や、映像の時間的な切出しや連結を指定するプレイリスト情報など映像の再生に必要な情報)を記録したデータストリーム(管理データストリーム)が与えられ、それらが多重化された多重化データが入力される場合に、映像データストリームでなく管理データストリーム内に指示フラグが格納されて入力されることとしても良い。
【0060】
また、上記した映像再生装置1に入力される映像データでは、指示フラグがサブ映像の映像データに含まれている例を示したが、これに限らず、メイン映像の映像データ側に指示フラグを格納して入力されることも想定される。その場合の指示フラグは、そのメイン映像の映像データに対して任意のサブ映像の映像データが組み合わされた時、そのメイン映像の特殊再生に対して任意のサブ映像が追従するか否かを示すフラグとなる。
【0061】
図9に、それら入力パターンの違いを整理して図示した。91、92は、指示フラグを含む2つの映像データ(符号化映像ストリーム)を入力する場合を示したもので、91は図1のαと同一のものである。93、94は、指示フラグを含む管理データ(ストリーム)を映像データ(ストリーム)と多重化した多重化データを入力する場合を示したものである。分離部903及び904は、多重化されたデータから管理データを分離する為の機能部である。なお、分離された管理データの扱いについてはここでは説明を省略する。また、91、93は指示フラグがサブ映像側の映像データ(もしくは対応する管理データ)に含まれる場合、92、94は指示フラグがメイン映像側の映像データ(もしくは対応する管理データ)に含まれる場合を示している。いずれも出力は2つの映像データと指示フラグであり、図1のα部分に置き換えて接続されるものである。
【0062】
なお、図9の93や94では、多重化データが映像データと管理データの2つのデータストリームのみで構成されているように描いているが、実際にはオーディオのデータストリームなど他のデータストリームが多重化されていてもよい。図9では簡便のため、それらについては図示していない。
【0063】
また、図10は、多重化データを構成する映像データ(符号化映像ストリーム)及び管理データストリームの例を示した図である。図10に示すように、指示フラグは、映像データ(符号化映像ストリーム)に関する再生管理情報(プレイリスト情報など)内に埋め込むか(1001)、あるいは映像データ(符号化映像ストリーム)に関する復号管理情報(符号化方式情報など)に格納する(1002)。ただし、指示フラグの管理データ内の埋込位置はこれに限るものではない。
【0064】
図1の2つの復号部102と103とは、同一の復号能力を持ったものであってもよいし、それぞれ別個の復号能力を持ったものであってもよい。第1の実施形態にかかる映像再生装置1では、入力された時点でそれぞれの映像データが、メイン映像用の映像データであるか、サブ映像用の映像データであるかが決まっている。したがって、メイン映像よりも解像度が低い(画像サイズが小さい)サブ映像専用の映像データを定義することができ、そのような場合、サブ映像の映像データが入力される復号部103には、サブ映像専用の映像データ復号用に低解像度映像を復号する専用のものを用いることもできる。
【0065】
また、図1の映像再生装置1において、入力される映像データが、符号化されていない映像データであるといったケースも想定され得る。その場合では、映像データの復号は必要でないため、復号部102、103は復号を行う機能ブロックではなく、入力された映像データを適宜切り分けて出力する機能ブロック(分離部102’、103’)に置換えられる。また、復号管理部109は、前記の機能ブロック(分離部102’、103’)が映像データを切り分けて出力するのを管理するための機能ブロック(分離管理部109’)に置換えられる。
【0066】
また、図1に示した映像再生装置1の合成部106は、サブ映像の調整のみを行い、メイン映像の調整は行わない(即ちメイン映像は全画面表示)ものであった(図11(a))が、合成部106はこれに限らず、図11(b)に示すように、メイン映像側にも調整部1110を設け、調整して出力する合成部1106に置き換えることもできる。図12に、合成部1106に置き換えた場合の出力映像の例を示した。この場合、図12の1202に示したようにメイン映像を任意の大きさに変更したり、あるいは1203に示したようにメイン、サブの2つの映像を重ね合わさずに、並べて2画面表示するといった画面構成にすることもできる。
【0067】
本実施形態の映像再生装置では、ピクチャ・イン・ピクチャ表示用途以外に、図12の1203に示したような2画面表示させる映像再生装置においても適用可能である。すなわち、指示フラグを映像データに埋め込むことで、一方の映像の特殊再生に対して他方の映像を追従して特殊再生させるか否かといった制御を加えることができ、映像提供者側の意図した2画面表示映像の特殊再生を行うことが可能となる。
【0068】
上記した第1の実施形態にかかる映像再生装置1では、映像データと共に、ピクチャ・イン・ピクチャで特殊再生時の再生形態を示した情報である指示フラグが入力され、指示フラグに基づいて上記特殊再生時の再生形態が決定される。したがって、映像の提供者が映像データを生成する際に指示フラグを映像データに付随させて送ることにより、提供者の意図した再生形態でピクチャ・イン・ピクチャ再生時の特殊再生を映像再生装置に行わせることができる。
【0069】
なお、本実施形態にかかる映像再生装置1、図9の91の場合には、入力された時点で各映像データがメイン映像用か、サブ映像用かが決まっているが、サブ映像用として生成された映像データをメイン映像の映像データとして入力することもできる。その場合、映像データに格納されている指示フラグは無視される。また同様に、図9の92の場合には、メイン映像用として生成された指示フラグを含む映像データをサブ映像の映像データとして入力することもできる。その場合にも、映像データに格納されている指示フラグは無視される。また、映像再生装置1にデフォルトの再生形態を設けて、指示フラグがメイン映像、サブ映像のいずれからも読み出されなかった場合に、デフォルトの再生形態で特殊再生するように設定してもよい。
【0070】
また、上記第1の実施形態で説明した指示フラグは、メイン映像が特殊再生された際のサブ映像の挙動を示したフラグであるが、逆に、サブ映像の特殊再生が指示された場合のメイン映像の挙動を示す指示フラグを定義することもできる。このことについて以下の実施形態内では特に断らないが、他の実施形態についても同様に適用される。
【0071】
また、サブ映像の挙動を示して映像提供者の意図を伝えるフラグとしては、上記特殊再生時の再生形態を示した指示フラグ以外に、サブ映像の移動・拡大を禁止するフラグなども合せて格納するようにしてもよい。このサブ映像の移動・拡大を禁止するフラグは、サブ映像の表示サイズ、表示位置がユーザによって変更可能である再生装置において適用される。サブ映像の拡大・移動を禁止するフラグの値が「真」であるとき、メイン映像に対してサブ映像の表示サイズ、表示位置を固定とし、ユーザの指示を受け付けなくする。
【0072】
また、上記第1の実施形態の映像再生装置1では、特殊再生の実現方法として復号部の処理を制御する方法を示したが、特殊再生の実現方法はこれに限らない。例えば、高速再生の例では、上記実施形態で示した復号部で間引く処理以外にも、全てのフレームを復号した後で、バッファ104、105から出力される復号画像をタイミングの調整と合せて間引くといった方法でも高速再生を実現することができる。即ち、図1に示した映像再生装置1は特殊再生を実現するための装置の一構成形態であり、これ以外にも特殊再生を実現する装置構成をとることができ、それらについても同様に本実施形態の指示フラグによる特殊再生の制御を適用可能である。このことについても以下の実施形態内では特に断らないが、他の実施形態についても同様に適用される。
【0073】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる映像再生装置2を、図13を用いて説明する。
【0074】
図13は、第2の実施形態にかかる映像再生装置2の概略構成を示した機能ブロック図である。映像再生装置2は、各映像データから指示フラグを読み出すためのフラグ読出部1301と1302、復号部1303と1304、バッファ(BF)1305と1306、合成部1307(調整部1312と1313を含む)、表示部1308、入力部1309、復号管理部1310、並びに、合成部1307で実行される合成処理を制御するための合成管理部1311とを備えて構成される。このうち、フラグ読出部1301、1302はいずれも図1に示したフラグ読出部101と同等の機能を持ち、また、復号部1303、1304、バッファ1305、1306、表示部1308はそれぞれ、図1に示した復号部102、103、バッファ104、105、表示部107と同等の機能を持つものである。さらに、調整部1312、1313は図1に示した調整部110と同等の機能を持つ。以下、第1の実施形態にかかる映像再生装置1との相違を中心に、第2の実施形態にかかる映像再生装置2の動作を説明する。
【0075】
上記した第1の実施形態にかかる映像再生装置1では、2つの入力映像データについて、入力される段階で、いずれがメイン映像用でいずれがサブ映像用かが予め決められた上で入力されていた。これは、サブ映像専用の映像データ、例えば、メイン映像に対するおまけ映像や撮影秘話のちょっとしたコメンタリ映像など、メイン映像再生をしない映像データがある場合に最も有効である。
【0076】
これに対して、第2の実施形態にかかる映像再生装置2は、2つの入力映像データについて、入力段階でメイン用かサブ用かに分けずに、入力後、映像の合成段階で2つの映像の合成を調整することでメイン映像、サブ映像を決定するようにしたものである。これは、頻繁にメイン映像再生とサブ映像再生を切り替えるような用途、例えば、マルチアングル表示で表示映像を頻繁に切り替えるような場合に最も有効となる。
【0077】
このために、映像再生装置2は、映像再生装置1にない新たな機能ブロック、合成管理部1311を有している。
【0078】
入力部1309は、特殊再生指示以外に、ユーザから、メイン映像、サブ映像を切り替える(いずれがメイン映像でいずれがサブ映像かを選択する)映像選択の指示を受け付ける。入力部1309は、映像選択の指示を受け取ると、映像選択指示情報を発行し、合成管理部1311に伝える。
【0079】
合成管理部1311は、上記映像選択指示情報にていずれがメイン表示でいずれがサブ表示となるかを知り、それぞれの調整部1312、1313に対して、上記映像選択指示情報で示されたメイン映像表示、サブ映像表示に対応する合成パラメータを各々に送る。また、重ねる際の上下関係(メイン映像の上にサブ映像を重ねる)を合成部1307に通知する。また透過度の設定などを合せて送ってもよい。さらに、いずれがサブ映像として選択されているかを示した選択情報を復号管理部1310に送る。
【0080】
フラグ読出部1301、1302では、入力されたそれぞれの映像データから指示フラグを読み出し、読み出された指示フラグのいずれも復号管理部1310に入力される。
【0081】
復号管理部1310は、ユーザからの特殊再生指示を受けて入力部1309が発行した特殊再生指示情報を受け取ると、合成管理部1311から受け取っている上記選択情報(いずれがサブ映像として選択されているかを示した情報)を参照して、入力されている2つの指示フラグのうちサブ映像にあたる映像データの指示フラグを知り、該指示フラグに基づいて、第1の実施形態で示したのと同様にピクチャ・イン・ピクチャ再生時の特殊再生の再生形態を決定する。
【0082】
映像再生装置2では、入力される2つの映像データはいずれもメイン映像、サブ映像として再生することが可能な映像データである。したがって、映像再生装置2では、復号部1303、1304は全く等価な機能を有する。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる映像再生装置3を、図14乃至図16を用いて説明する。
【0084】
図14は、第3の実施形態にかかる映像再生装置3の概略構成を示した機能ブロック図である。映像再生装置3は、複数の映像データが多重化された多重化データを複数の映像データと管理データその他に分離するための分離部1401、管理データから指示フラグを読み出すフラグ読出部1402、2つの復号部1403と1404、2つのバッファ(BF)1405と1406、合成部1407(調整部1411を含む)、表示部1408、入力部1409、並びに復号管理部1410を備えて構成される。このうち、復号部1403、1404、バッファ1405、1406、合成部1407、調整部1411、表示部1408及び復号管理部1410はそれぞれ、図1に示した映像再生装置1の復号部102、103、バッファ104、105、合成部106、調整部110、表示部107及び復号管理部109と同等の機能を持つものである。即ち、第3の実施形態にかかる映像再生装置3は、第1の実施形態にかかる映像再生装置1と比べて、分離部1401、フラグ読出部1402(映像再生装置1ではフラグ読出部101)、及び入力部1409(映像再生装置1では入力部108)のみが異なっている。以下、第1、第2の実施形態にかかる映像再生装置1、2との相違を中心に、第3の実施形態にかかる映像再生装置3の動作を説明する。
【0085】
上記した映像再生装置1及び2では、映像データ(符号化映像ストリーム)内、もしくは映像データと1対1に対応する管理データストリーム内に指示フラグが格納されており、その指示フラグは、対応する映像データに対して、その映像データがピクチャ・イン・ピクチャ再生でサブ映像表示される際の特殊再生時の再生形態を制御するものであった。それに対して、本第3の実施形態にかかる映像再生装置3は、複数の映像データ(符号化映像ストリーム)に対して、それらを管理する管理データストリームが独立して与えられる状況で、その管理データストリームに格納された指示フラグによってピクチャ・イン・ピクチャ再生での特殊再生時の再生形態を制御する。
【0086】
即ち、映像再生装置3で扱われる指示フラグは、入力されたいずれかの映像データに対する再生形態を示すものではなく、一方がメイン映像データとして、他方がサブ映像データとして決定されたのちに、決定されたサブ映像の再生形態を制御するように動作する。このため、映像再生装置1では予めメイン映像、サブ映像の映像データが決定後に入力され、また、映像再生装置2では合成段階でメイン映像かサブ映像かが決定されるのに対して、映像再生装置3では、分離部1401で多重化データの分離時にいずれがメイン映像でいずれがサブ映像かが決定されて、復号部1403、1404以降の処理に引き継がれる。
【0087】
本実施形態にかかる映像再生装置3は、2つの映像データ(符号化映像ストリーム)並びに指示フラグを含む管理データストリームが多重化された多重化データを入力として、2つの映像データの復号画像を合成した映像として表示するものである。図15に、この入力される多重化データを生成するための映像データ生成装置31の概略構成を示す機能ブロック図を示す。
【0088】
図15の映像データ生成装置31は、2つの符号化部1501と1502、管理情報生成部1503、フラグ設定部1504、フラグ書込部1505、及び多重化部1506を備えて構成される。
【0089】
入力された2つの映像は符号化部1501、1502でそれぞれ映像データ(符号化映像ストリーム)に変換される。フラグ設定部1504は映像提供者から指示される再生形態に対応した指示フラグを生成し、生成された指示フラグはフラグ書込部1505で、管理情報生成部1503で生成された管理情報(管理データストリーム)に書き込まれる。
【0090】
管理データストリームに格納されている管理情報は、映像データ(符号化映像ストリーム)の符号化方式を示す情報など各映像データに対応して記録される情報(復号管理情報)や、映像の時間的な切出しと連結情報により複数の映像データの再生を指定するプレイリスト情報など共通の情報(再生管理情報)などが含まれる。
【0091】
また、図16に、図15の映像データ生成装置31で生成されるデータの多重化前のデータの例(指示フラグの埋込位置の例)を示す。図16に示すように、指示フラグは、管理データストリームの共通の再生管理情報内に格納される(1601)。これらの映像データ、管理データは多重化部1506で多重化されて多重化データが形成される。
【0092】
図15に示した映像データ生成装置31で生成される多重化データを入力した後、図14の映像再生装置3の分離部1401の動作は次のようになる。
【0093】
第2の実施形態の映像再生装置2と同様に、入力部1409は、ユーザから、メイン映像、サブ映像を切り替える(いずれがメイン映像でいずれがサブ映像かを選択する)映像選択の指示を受け付ける。入力部1409は、映像選択の指示を受け取ると、対応する映像選択指示情報を発行し、分離部1401に伝える。
【0094】
分離部1401は、入力された多重化データを2つの映像データ並びに管理データに分離した後、上記受け取った映像選択指示情報に従って、メイン映像に指定された映像データを復号部1403に、サブ映像に指定された映像データを復号部1404に入力する。また、分離部1401から出力された管理データは、フラグ読出部1402に入力され、指示フラグが読み出される。読み出された指示フラグは、復号管理部1410に入力され、ピクチャ・イン・ピクチャ再生における特殊再生時の再生形態を制御する。以降は、第1の実施形態で説明したのと同様の動作となる。
【0095】
なお、本第3の実施形態の図14乃至図16では、多重化データが映像データ(符号化映像ストリーム)及び管理データ(管理データストリーム)のみからなるように説明しているが、実際にはオーディオデータなどの他のデータが多重化されていることもある。ここでは説明の簡便のため、そのような映像データ及び管理データ以外のデータについては図示を省略した。
【0096】
また、映像再生装置3に入力される映像データ(符号化データストリーム)及び管理データ(管理データストリーム)は多重化されて入力されるように図示したが、必ずしも多重化されている必要はない。2つの映像データ及び1つの管理データが別個のチャンネルを通して入力されて、それらを処理するように構成しても構わない。即ち、本第3の実施形態にかかる映像再生装置3は、いずれかの映像データに依存しない、複数の映像データに対して共通に扱える指示フラグが、管理データを通して装置に与えられることがポイントであり、それ以外ではない。
【0097】
なお、上記した各実施形態では、放送や通信といった伝送路を経由して入力される映像データ(及び管理データ)が映像再生装置を通して直接再生される状況を想定して、各実施形態にかかる映像再生装置を説明したが、本発明が適用可能な状況はこれに限らず、例えば、映像データ(及び管理データ)が予め記録媒体に記録されており、記録媒体に記録された映像データ(及び管理データ)を逐次読み出して再生するといった状況においても同様に適用可能である。図19のパッケージ流通における適用がそれにあたる。また、伝送路を経由して一旦記録媒体に記録された後、記録された映像データ(及び管理データ)を読み出して再生する状況についても同様である。即ち、本発明は、各実施形態で詳細に説明した指示フラグを含んだ映像データ、あるいは管理データが記録された記録媒体に対して、またそのような記録媒体を再生する映像再生装置に対しても、適用可能である。
【0098】
また、各実施形態において説明した映像データ(あるいは管理データ)に格納される指示フラグは、ピクチャ・イン・ピクチャ映像の特殊再生時の再生形態について、映像提供者の意図を反映させるための固定の情報として記載した。しかしながら、この映像データ(あるいは管理データ)に格納される指示フラグを、再生側において、ユーザの再生時の好みを記録しておくためのフィールドとして利用することも可能である。あるいは、映像再生装置の再生能力によって制限される値に、上記指示フラグを映像再生装置側で書き換えるといったことも起こり得る。このような書き換えは、放送や通信などの伝送路を通して入力された映像データ(及び管理データ)を記録媒体に記録する際や、記録媒体から映像データ(及び管理データ)を逐次読み出して再生するといった際に、映像再生装置が指示フラグの格納フィールドの値を書き換えることで行われる。この書き換え処理は、ユーザが直接入力しても、あるいはJava(登録商標)等のプログラムで動的に変更できるようにしてもよい。即ち、本発明は、指示フラグの値が最終的に何処で設定されたかに拘らず、各実施形態で詳細に説明した指示フラグを含む映像データ、あるいは管理データの映像再生装置に対して適用可能である。
【0099】
なお、ここで開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1 映像再生装置
101 フラグ読出部
102、103 復号部
104、105 バッファ(BF)
106 合成部
107 表示部
108 入力部
109 復号管理部
110 調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データが入力され、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置であって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする映像合成装置。
【請求項2】
複数の映像データと、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置であって、
前記複数の映像データの少なくとも1つは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とする映像合成装置。
【請求項3】
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像合成装置。
【請求項4】
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の映像合成装置。
【請求項5】
複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、
前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報に従って、ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第1制御ステップを実現するためのプログラム。
【請求項6】
複数の映像データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記複数の映像データの少なくとも1つは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、
前記少なくとも1つの映像データから前記指示情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成手段と、
を備え、
前記指示情報に従って、ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第1制御ステップを実現するためのプログラム。
【請求項7】
前記第1制御ステップに換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第2制御ステップを実現するための請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1制御ステップに換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを前記合成手段に指示する制御を行う第3制御ステップを実現するための請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項9】
複数の映像データと、該複数の映像データの少なくとも1つに関する管理データを読み出し、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記管理データは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、前記管理データから前記指示情報を読み出す読出手段を備え、
前記プログラムは、前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成ステップを含み、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
複数の映像データと、該複数の映像データの映像を合成したピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像を出力する映像合成装置において実行されるプログラムであって、
前記複数の映像データの少なくとも1つは、前記再生映像の特殊再生時の再生形態を指示する指示情報を含み、
前記映像合成装置は、前記少なくとも1つの映像データから前記指示情報を読み出す読出手段を備え、
前記プログラムは、前記指示情報に従って、前記指示された再生形態で前記複数の映像データの映像を合成する合成ステップを含み、
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報であることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記指示情報は、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の映像で親画面の映像が特殊再生の間、子画面の映像が表示されるか否かを示した情報に換えて、前記ピクチャ・イン・ピクチャ形式の再生映像で、子画面の映像が特殊再生の間、親画面の映像が特殊再生されるか否かを示した情報であることを特徴とする請求項9又は10に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−206803(P2010−206803A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82631(P2010−82631)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【分割の表示】特願2009−163383(P2009−163383)の分割
【原出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】