映像表示装置
【課題】ユーザの操作に依存することなく、映像の表示状態の切替えを行なうことができる映像表示装置を提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、2個の映像信号に基づく映像を表示する2画面表示モードとを有している。入力端子T1にのみ映像信号が入力され、入力端子T2には映像信号が入力されていないとき(図1(a)参照)には、プロジェクタ1は1画面表示モードに設定され、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に映像信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わり(図1(b)参照)、PC1からの映像信号に基づく映像と、PC2からの映像信号に基づく映像とが1画面内に同時に表示される。
【解決手段】プロジェクタ1は、単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、2個の映像信号に基づく映像を表示する2画面表示モードとを有している。入力端子T1にのみ映像信号が入力され、入力端子T2には映像信号が入力されていないとき(図1(a)参照)には、プロジェクタ1は1画面表示モードに設定され、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に映像信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わり(図1(b)参照)、PC1からの映像信号に基づく映像と、PC2からの映像信号に基づく映像とが1画面内に同時に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像表示装置に関し、より特定的には、複数の映像ソースが接続可能な映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部の映像信号供給装置(映像ソース)から供給される映像信号に基づく映像を表示する映像表示装置として、たとえば特開2008−208872号公報(特許文献1)には、1つの入力源からの映像を表示部に1画面で表示させる1画面表示と、2つの入力源からの2つの映像を該表示部に2画面で表示させる2画面表示とを自動的に切替えて実行させる自動切替モードを備えた構成が開示される。
【0003】
この特許文献1に記載の映像表示装置では、自動切替モードに設定されかつ1画面表示を実行している状態において、表示中の映像の入力源とは異なる入力源を選択する選択操作が行なわれたときには、制御部が2画面表示として、1画面表示の実行時に選択されていた入力源の映像と選択操作によって選択された入力源の映像とを表示させる。特許文献1では、かかる構成により、ユーザの1人が1画面表示で映像を鑑賞しているときに、他のユーザが異なる入力源を選択する選択操作を行なったとしても、その映像の表示を確実に継続させることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−208872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年では、映像表示装置は複数の入力端子を備えるようになっており、様々な種類の映像ソースを接続可能になっている。映像表示装置に複数の映像ソースからの映像信号が入力されている場合には、ユーザはリモコン(リモートコントローラの略)等の操作部を用いて、これらの複数の映像ソースの中から所望の映像ソースを選択するための操作を行なわなければならない。たとえば上述したような2画面表示を実行する場合には、複数の入力端子のうちから2つの入力端子を指定する操作を行なう必要がある。
【0006】
このように従来の映像表示装置では、1画面表示と2画面表示との切替えを、入力端子を選択する操作に依存して行なうため、選択した入力端子に対して映像ソースからの映像信号が入力されていない場合には、2画面のうちの1画面には何も表示されないことになる。このため、ユーザは映像信号を発している映像ソースを選択するための操作を行なわなければならず、その結果映像表示装置の操作性が損なわれるという問題があった。
【0007】
また、従来の映像表示装置では、ユーザが2画面表示の設定を変更しない限り、2画面のうちの一方の画面の表示/非表示の切替えや2画面のそれぞれに表示させる映像の組合せを変えることができないことから、映像表示装置の使い勝手を悪くしてしまうという問題があった。
【0008】
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの操作に依存することなく、映像の表示状態の切替えを行なうことができる映像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従えば、映像表示装置は、単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、複数の映像信号のそれぞれに基づく複数の映像を表示するマルチ画面表示モードとを備える。映像表示装置は、複数の入力端子を含み、外部の複数の映像信号供給装置から供給される複数の映像信号を、複数の入力端子のそれぞれを介して入力するための入力部と、入力部に入力された映像信号による映像を表示する表示部と、入力部に対する映像信号の入力の有無を検出する映像信号検出部と、映像信号検出部の検出結果に基づいて、表示部に表示させる映像を切替えるための制御部とを備える。制御部は、複数の入力端子のうちの1つの入力端子に映像信号が入力されているときには、1つの入力端子以外の入力端子に対する映像信号の入力の有無に基づいて、1画面表示モードとマルチ画面表示モードとを切替えるための第1の表示切替手段を含む。
【0010】
好ましくは、映像表示装置は、複数の映像信号供給装置のうちの第1の映像信号供給装置との間で信号を送受信する通信部をさらに備える。映像信号検出部は、通信部を介して第1の映像信号供給装置から受信した所定の信号をトリガとして、入力部に対する第1の映像信号供給装置からの第1の映像信号の入力の有無を検出する。制御部は、入力部に対する第1の映像信号の入力の有無に基づいて、表示部における第1の映像信号に基づく映像の表示および非表示を切替えるための第2の表示切替手段をさらに含む。
【0011】
好ましくは、制御部は、映像信号検出部によって入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、複数の映像信号に基づく映像を、所定時間ごとに切替えて表示部に表示させるための第3の表示切替手段をさらに含む。
【0012】
好ましくは、制御部は、映像信号検出部によって入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、予め定められた優先順位に従って複数の映像信号から少なくとも1つの映像信号を選択し、その選択した少なくとも1つの映像信号に基づく映像を表示部に表示させるための第4の表示切替手段をさらに含む。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ユーザの操作に依存することなく、入力部に対する映像信号の入力の有無や映像が表示される時間に応じて表示映像の切替えを行なうことができる。この結果、所望の映像を表示する際の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像表示装置により表示される映像を説明する図である。
【図2】図1におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図3】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図5】図4におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図6】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図8】2画面表示モードの実行時にプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図9】図7におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図10】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態4に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図12】図11におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図13】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0016】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る映像表示装置により表示される映像を説明する図である。
【0017】
図1を参照して、本実施の形態1に係る映像表示装置(以下、「プロジェクタ」ともいう)1は、液晶デバイスを利用して映像を投影する液晶プロジェクタであって、スクリーンに液晶デバイスにより表示される映像の光を投写することにより、映像を投影(表示)する。投写面は、スクリーンに限定されず、壁面であってもよい。
【0018】
プロジェクタ1は、入力部9を備える。入力部9は、複数の入力端子を含み、各入力端子からは異なる種類の映像信号が入力可能である。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、2個の入力端子T1,T2を含むものと想定する。
【0019】
入力端子T1,T2には、伝送路を介して外部の映像信号供給装置(映像ソース)が接続される。映像ソースとしては、PC(Personal Computer)、VTR(Videotape Recorder)などのアナログ信号を出力する映像ソースや、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置、Blu−Rayディスク再生装置などのデジタル信号を出力する映像ソースがある。図1の例では、入力端子T1,T2は、RGB端子であり、PC1,PC2からそれぞれ供給されるアナログRGB信号に対応している。
【0020】
なお、説明を簡単にするため、各映像ソースから送信される信号は映像信号であると想定する。映像信号とともに音声信号も伝送されるが、説明を簡単にするために、音声信号の伝送およびプロジェクタ1における音声信号処理の説明は略す。
【0021】
(プロジェクタの表示モード)
本実施の形態に係るプロジェクタ1は、映像信号による映像を表示するための動作モード(以下、表示モードともいう)として、単一の映像信号に基づく映像を表示する「1画面表示モード」と、複数の映像信号に基づく映像を表示する「マルチ画面表示モード」とを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2個の映像信号に基づく映像を表示する「2画面表示モード」を想定する。
【0022】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。
【0023】
具体的には、図1(a)を参照して、入力端子T1,T2には、PC1,PC2がそれぞれ接続され、PC1,PC2の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1にのみ映像信号が入力され、入力端子T2には映像信号が入力されていないときには、プロジェクタ1は1画面表示モードに設定される。したがって、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。
【0024】
そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に映像信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わる。これにより、PC1からの映像信号に基づく映像と、PC2からの映像信号に基づく映像とが1画面内に同時に表示される。
【0025】
ここでは、2画面は、2個の映像のうちの一方を表示する画面であって比較的に大きいサイズの画面(メインウィンドウ)100と、2個の映像のうちの他方を表示する画面であって比較的に小さいサイズの画面(サブウィンドウ)110とを想定する。図1(b)では、サブウィンドウ110は、メインウィンドウ100の表示領域内に配置されているが、メインウィンドウ100およびサブウィンドウ110の配置の態様はこれに限定されず、並列する態様であってもよい。また、各ウィンドウのサイズは、異なるサイズであってもよいが、同じサイズであってもよい。
【0026】
以下に、図2および図3を用いて、本発明の実施の形態1に係るプロジェクタにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0027】
図2は、図1におけるプロジェクタ1の構成を説明する図である。
図2を参照して、プロジェクタ1は、入力端子T1,T2と、レシーバ部10と、映像信号処理回路12と、OSD(On Screen Display)回路14と、DAC(Digital Analog Converter)16と、液晶パネル駆動部18と、光学部20と、投写レンズ22と、ランプ24と、ランプ駆動部26と、電源部28と、制御部30と、映像信号検出部32と、操作受付部34とを備える。
【0028】
レシーバ部10は、入力端子T1,T2から与えられる映像信号を処理して出力する。具体的には、レシーバ部10は、受信したアナログ映像信号Vinをデジタル映像信号Dinに変換するADC(Analog Digital Converter)機能を有しており、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、入力端子T2から与えられるアナログ映像信号Vin2をデジタル映像信号Din2として出力する。これは、映像信号Vinに各種の映像信号処理を施すために行なわれる。
【0029】
映像信号処理回路12は、レシーバ部10から出力される映像信号Dinを表示のための信号に処理して出力する。具体的には、映像信号処理回路12は、制御部30の指示に基づき、単一の入力端子T1(またはT2)にのみ映像信号Vin1(またはVin2)が入力されている場合には、この単一の映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100(図1)に表示されるように、与えられる映像信号Din1(またはDin2)に基づき1フレーム分のデジタル映像信号Dscを生成する。
【0030】
一方、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されている場合には、これら2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像がメインウィンドウ100およびサブウィンドウ110(図1)にそれぞれ表示されるように、与えられる映像信号Din1,Din2に基づき1フレーム分のデジタル映像信号Dscを生成する。
【0031】
さらに、映像信号処理回路12は、映像信号Dinで表わされる映像を拡大および縮小することにより液晶ライトバルブの持つ解像度に合わせるスケーリング処理、1秒間における描画更新回数を示すフレームレート変換処理、および映像信号Dscの有する階調値を液晶ライトバルブ(図示せず)で表示するのに適した階調値に変換するガンマ補正などを行なう。このとき、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されている場合には、映像信号処理回路12は、2個の映像信号に基づく映像が図1(b)に示すような所定のレイアウトで配置されるように、映像信号Din1,Din2に縮小処理および合成処理を施す。映像信号Dinは、これらの映像信号処理が施され、デジタル映像信号Dscとして出力される。
【0032】
OSD回路14は、映像信号処理回路12から出力される映像信号Dscに、制御部30から与えられる情報に基づく映像データの信号を重畳して、重畳された後の映像信号Dscを出力する。
【0033】
DAC16は、OSD回路14から出力された映像信号Dscを入力し、D/A変換を施したアナログ映像信号Voutを出力する。
【0034】
プロジェクタ1では、液晶パネル駆動部18、光学部20、投写レンズ22およびランプ24は、DAC16から出力される映像信号Voutに従って、制御部30の制御の下に、スクリーンに映像を表示するための表示部に相当する。
【0035】
表示部の動作について説明する。液晶パネル駆動部18は、液晶ドライバであり、液晶ライトバルブに映像信号Voutを供給し、液晶ライトバルブに映像を写し出す。
【0036】
光学部20は、図示は省略するが、ランプ24が放射する白色光を略平行光に変換するインテグレータ光学系と、白色光を光の3原色である赤色、緑色、青色の各色成分光に分離して各色光用の液晶ライトバルブに供給する分離光学系と、液晶ライトバルブにて各色光毎に映像信号Voutに応じて変調された各色光を、再度合成する合成光学系とを含んでいる。液晶ライトバルブからの各色光毎の変調光は、合成光学系としてのダイクロイックプリズムにより合成された後、投写レンズ22によって、スクリーン上に拡大投写される。投写レンズ22は、投写光をスクリーンに結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写映像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。
【0037】
電源部28は、図示しないAC電源のコンセントに差し込まれるプラグを経由して電源が供給され、供給された電源をプロジェクタ1内の各部に供給する。ランプ駆動部26は、電源部28からの電源を受け、ランプ24を点灯するための高電圧を発生する。
【0038】
映像信号検出部32は、レシーバ部10から出力される映像信号Dinを検出することにより、入力端子T1,T2のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部32は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0039】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)であり、各部との信号のやり取りを行ない、また、操作受付部34からの操作信号に従って各部の動作を制御する。
【0040】
制御部30はさらに、映像信号検出部32から映像信号の入力の有無についての検出結果を受けると、その検出結果に基づいて、プロジェクタ1の表示モードを切替えるための切替指令を生成する。制御部30は、生成した切替指令を映像信号処理回路12へ出力する。映像信号処理回路12は、制御部30からの切替指令に従って、上述した方法によって、1画面表示モードと2画面表示モードとを切替える。
【0041】
操作受付部34は、プロジェクタ1の本体に設けられた複数の操作用ボタンからなる操作部およびプロジェクタ1を遠隔操作するためのリモコン(リモートコントローラの略)への操作がなされると、当該操作を受付け、各種動作のトリガとなるコマンド信号を送る。
【0042】
図3は、プロジェクタ1の動作を説明するフローチャートである。
図3を参照して、入力部9からの映像信号Vinがレシーバ部10に入力されると(ステップS01)、映像信号検出部32は、レシーバ部10から出力される映像信号を検出することによって、入力端子T1,T2のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部32は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0043】
制御部30は、映像信号検出部32からの検出結果に基づいて、外部の映像ソースからの映像信号が入力されている入力端子が1つであるか否かを判断する(ステップS02)。映像信号が入力されている入力端子が1つであると判断されたとき(ステップS01のYES判定時)には、プロジェクタ1は1画面表示モードとなる。制御部30は、この単一の映像信号に基づく映像を表示部から投写させる。
【0044】
一方、映像信号が入力されている入力端子が1つでないと判断されたとき(ステップS01のNO判定時)には、制御部30はさらに、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS04)。複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS04のYES判定時)には、プロジェクタ1は2画面表示モードとなる。制御部30は、2個の映像信号に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS05)。
【0045】
一方、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されていない、すなわち、いずれの入力端子にも映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS04のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0046】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、表示部から表示される映像は、複数の入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて切替えられる。したがって、たとえば1画面表示モードの実行中においては、2個目の映像信号の入力が検出された時点で自動的に2画面表示モードに切替わる一方で、該2個目の映像信号の入力が途絶えた時点で再び1画面表示モードに切替わる。これによれば、ユーザが表示モードの設定変更のための操作を行なうことなく、必要な場面でのみ2画面表示とすることができる。その結果、映像を表示する際のプロジェクタの利便性が向上する。
【0047】
なお、上述した実施の形態1で説明した、複数の入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて自動的に表示モードを切替える機能については、その有効/無効を映像を鑑賞しているユーザに選択させるようにしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、映像信号の入力の有無に応じて1画面表示と2画面表示とを切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。この場合には、映像信号検出部によって映像信号の入力が検出された入力端子の個数に応じて、1画面上に同時に表示させる映像の個数を切替えるようにしてもよい。
【0049】
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0050】
図4を参照して、プロジェクタ1Aは、入力部9と、通話部40とを備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、2個の入力端子T1,T2を含むものと想定する。
【0051】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。一方、入力端子T2には、有線または無線の伝送路を介してインターホン装置IP1が接続されている。
【0052】
インターホン装置IP1は、室外に設置されており、プロジェクタ1Aとの間で信号の送受信を行なう。プロジェクタ1Aとインターホン装置IP1とは、相互の通話のための通話部をそれぞれ備えている。また、インターホン装置IP1には、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いて撮像を行なう撮像部が備えられ、プロジェクタ1Aは、インターホン装置IP1の撮像部で撮像された映像を表示部から投写させる。これにより、インターホン装置IP1側にいる来訪者の顔をプロジェクタ1側で確認することができる。
【0053】
また、本実施の形態に係るプロジェクタ1Aは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0054】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、インターホン装置IP1から送信される所定の信号(呼出信号)をトリガとして、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。なお、呼出信号は、インターホン装置IP1に設けられた呼出ボタン50aが来訪者によって押操作されたときに、伝送路を介してプロジェクタ1Aの入力端子T2に出力される信号である。
【0055】
具体的には、図4(a)を参照して、入力端子T1,T2には、PC1,インターホン装置IP1がそれぞれ接続され、PC1およびインターホン装置IP1の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1に映像信号が入力され、入力端子T2にはインターホン装置IP1からの呼出信号が入力されていないときには、プロジェクタ1Aは1画面表示モードに設定される。したがって、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。
【0056】
そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に呼出信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わる。プロジェクタ1Aは、図4(b)に示すように、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力されるインターホン装置IP1内の撮像部からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。なお、図4(b)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこれに限定されるものではない。
【0057】
2画面表示モードの実行時には、さらに、プロジェクタ1Aに設けられた通話部40と、インターホン装置IP1に設けられた通話部(図示せず)とを用いて、プロジェクタ1とインターホン装置IP1との間で通話が可能となる。したがって、プロジェクタ1Aのユーザは、インターホン装置IP1側にいる来訪者の顔をプロジェクタ1側で確認することができるとともに、該来訪者と通話を行なうことができる。
【0058】
以下に、図5および図6を用いて、本発明の実施の形態2に係るプロジェクタ1Aにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0059】
図5は、図4におけるプロジェクタ1Aの構成を説明する図である。
図5を参照して、本実施の形態2に係るプロジェクタ1Aは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、通話部40および通信部42を備える点でのみ異なる。したがって、図5およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその説明を省略する。
【0060】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子T1に接続されるとともに、通信部42を介して、インターホン装置IP1と接続するための入力端子T2に接続される。具体的には、レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、通信部42から与えられる映像信号Vin2をデジタル映像信号Din2として出力する。
【0061】
インターホン装置IP1は、室外に設置され、伝送路を介して室内に設置されたプロジェクタ1との間の通話が可能となっている。
【0062】
インターホン装置IP1は、呼出部50と、通信部52と、撮像部54と、通話部56とを含む。
【0063】
呼出部50は、来訪者によって押操作される呼出ボタンを有しており、呼出ボタンが操作されたときに所定の呼出信号を通信部52と伝送路とを介してプロジェクタ1Aの通信部42へ出力する。
【0064】
通信部52は、伝送路を介してプロジェクタ1Aの通信部42との間で信号を送受信する。通信部52および通信部42の間で送受信される信号には、映像信号、音声信号および制御信号が含まれる。
【0065】
撮像部54は、図示は省略するが、撮像素子と、撮像素子の出力をデジタル変換して映像データを生成する変換回路と、変換回路の出力した映像データを多重伝送のために変調することにより映像信号を生成する変調回路とを含む。撮像素子としては、CCD型やCMOS型のものを用いることができる。
【0066】
通話部56は、図示は省略するが、入力された音声を電気信号である音声信号に変換して該音声信号を通信部52および伝送路を介して送信する送話回路と、伝送路および通信部52を介して受信された音声信号を音声に変換する受話回路と、送話回路と受話回路と通信部52との間に介在して送話回路から通信部52に入力される音声信号と通信部52から受話回路に入力される音声信号とを比較して、信号レベル(すなわち音量)が低いほうを減衰させ信号レベルが高いほうを増幅することにより通話方向を切替える音声スイッチとを含む。具体的には、送話回路は、音声を電気信号である音声信号に変換するマイクロホンを有する。受話回路は、音声信号を音声に変換するスピーカを有する。
【0067】
プロジェクタ1Aでは、通信部42は、伝送路を介してインターホン装置IP1の通信部52との間で信号を送受信する。通信部42は、伝送路から受信された信号から映像信号、音声信号および制御信号を分離するための分波回路を有している。
【0068】
通話部40は、インターホン装置IP1の通話部56と同様の構成からなり、送話回路と、受話回路と、音声スイッチとを含む。
【0069】
制御部30は、通常、撮像部54および通話部40,56を停止させている。インターホン装置IP1の呼出ボタンが押操作されると、インターホン装置IP1の呼出部50は呼出信号をプロジェクタ1Aに送信する。プロジェクタ1Aでは、呼出信号が通信部42に受信されると、制御部30は、撮像部54を始動させて撮像部54による撮像を行なわせる。さらに、制御部30は、撮像部54が動作することによって映像信号が通信部42に入力されると、プロジェクタ1の表示モードを切替えるための切替指令を生成し、その生成した切替指令を映像信号処理回路12へ出力する。
【0070】
映像信号処理回路12が、制御部30からの切替指令に従って、1画面表示モードから2画面表示モードへ切替えると、図4(b)に示したように、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1からの映像信号Vin2に基づく映像が表示される。プロジェクタ1Aのユーザは、この映像を確認して通話を開始するか否かを決定する。通話を開始する場合には、操作受付部34が操作部またはリモコンに設けられた通話ボタンの押操作を受付けたことに応答して、制御部30は、プロジェクタ1Aおよびインターホン装置IP1のそれぞれの通話部40,56を動作させて通話を可能とする。一方、通話を開始しない場合には、放置すれば、待機時間が所定時間に達したときに、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を停止させる。
【0071】
図6は、プロジェクタ1Aの動作を説明するフローチャートである。
図6を参照して、ステップS11では、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されているか否かを判断する(ステップS11)。入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていないと判断されたとき(ステップS11のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0072】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS11のYES判定時)には、制御部30は、通信部42での呼出信号の受信の有無を検出することによって、入力端子T2に呼出信号が入力されているか否かを判断する(ステップS12)。入力端子T2に呼出信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS12のNO判定時)には、プロジェクタ1Aは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から投写させる。
【0073】
一方、入力端子T2に呼出信号が入力されていると判断されたとき(ステップS12のYES判定時)には、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を動作させる。ステップS14では、制御部30は、入力端子T2に映像信号Vin2が入力されているか否かを判断する。入力端子T2に映像信号Vin2が入力されていると判断されたとき(ステップS14のYES判定時)には、プロジェクタ1Aは2画面表示モードとなる。制御部30は、2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS15)。
【0074】
一方、入力端子T2に映像信号Vin2が入力されていないと判断されたとき(ステップS14のNO判定時)には、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS11)。
【0075】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、表示部から表示される映像は、外部の所定の映像ソースから受信した所定の信号をトリガとして、該所定の映像ソースが接続される入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて切替えられる。上述した実施の形態では、1画面表示モードの実行中においては、インターホン装置からの呼出信号を受信すると、インターホン装置からの映像信号の入力が検出された時点で自動的に2画面表示モードに切替わる。
【0076】
また、インターホン装置が待機状態となることによってインターホン装置からの映像信号の入力が途絶えた時点で再び1画面表示モードに切替わる。これによれば、1画面表示状態において、必要な場面(すなわち来訪者の確認)では2画面表示とすることができる。したがって、1画面表示と2画面表示との切替えを、別途操作ボタン等を設けることなく行なうことができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態では、所定の映像ソースから入力された所定の信号をトリガとして、1画面表示と2画面表示とを切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。この場合には、通信部で受信した入力信号の個数に応じて、1画面上に同時に表示させる映像の個数を切替えるようにしてもよい。
【0078】
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0079】
図7を参照して、プロジェクタ1B、入力部9を備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、4個の入力端子T1〜T4を含むものと想定する。
【0080】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。一方、入力端子T2〜T4には、有線または無線の伝送路を介して撮像装置CA1〜CA3がそれぞれ接続されている。
【0081】
撮像装置CA1〜CA3は、監視カメラに適用されている。撮像装置CA1〜CA3はそれぞれ、装置本体を旋回させることによって撮像エリアを移動させたときに撮像した映像を出力する。撮像装置CA1から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T2に入力される。撮像装置CA2から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T3に入力される。撮像装置CA3から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T4に入力される。プロジェクタ1Bは、後述する方法によって撮像装置CA1〜CA3で撮像された映像を表示部から投写させる。これにより、所定の撮像対象エリア内の映像をプロジェクタ1B側で確認することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係るプロジェクタ1Bは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0083】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、入力部9に対する撮像装置CA1〜CA3からの映像信号の入力の有無に基づいて実行される。
【0084】
具体的には、入力端子T1にはPC1が接続され、入力端子T2〜T3にはそれぞれ撮像装置CA1〜CA3が接続されており、PC1および撮像装置CA1〜CA3の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1〜T4の各々に映像信号が入力されているときには、プロジェクタ1Bは2画面表示モードに設定される。
【0085】
図8は、2画面表示モードの実行時にプロジェクタ1Bにより表示される映像を説明する図である。プロジェクタ1Bは、図8(a)に示すように、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力される撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。なお、図8(a)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこれに限定されるものではない。
【0086】
そして、サブウィンドウ110に撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像を表示させてから所定時間(たとえばX分とする)が経過したときには、図8(b)に示すように、サブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA1からの映像信号から撮像装置CA2からの映像信号に切替える。さらに、このサブウィンドウ110の映像を切替えたタイミングから所定時間が経過すると、図8(c)に示すように、サブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA2からの映像信号から撮像装置CA3からの映像信号に切替える。
【0087】
このように、本実施の形態3に係るプロジェクタ1Bでは、2画面表示モードの実行時には、サブウィンドウ110に表示させる映像を所定期間ごとに切替える。以下に、図9および図10を用いて、本発明の実施の形態3に係るプロジェクタ1Bにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0088】
図9は、図7におけるプロジェクタ1Bの構成を説明する図である。
図9を参照して、本実施の形態3に係るプロジェクタ1Bは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、映像信号検出部60、入力切替部62、A/Dコンバータ64およびタイマ66を備える点でのみ異なる。したがって、図9およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその詳細な説明を省略する。
【0089】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子に接続されている。レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。
【0090】
入力端子T2〜T4には撮像装置CA1〜CA3がそれぞれ接続されている。撮像装置CA1〜CA3から出力されるアナログの映像信号は、入力端子T2〜T4を介して映像信号検出部60に入力される。
【0091】
映像信号検出部60は、入力端子T2〜T4から入力される映像信号を検出することにより、入力端子T2〜T4のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部60は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0092】
入力切替部62は、映像信号検出部60から出力される3個の映像信号を、制御部30からの制御に応じて選択的に切替えて、選択した1個の映像信号をA/Dコンバータ64に供給する。A/Dコンバータ64は、入力切替部62から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号をデジタル映像信号Din2として映像信号処理回路12に出力する。
【0093】
タイマ66は、制御部30を構成するCPUの内部クロックなどの時間カウント機能を用いて構成され、制御部30の指示に基づき時間カウントを開始し、カウント値を制御部30に戻す。
【0094】
制御部30による切替制御は、映像信号検出部60の検出結果に基づき、所定のタイミングで入力映像信号を切替えるように入力切替部62を制御する。具体的には、制御部30は、映像信号検出部60からの検出結果に基づき、入力端子T2〜T4のうちの少なくとも2つの入力端子に映像信号が入力されていると判断されたときには、当該少なくとも2つの映像信号のうちのいずれか1つの映像信号を選択してA/Dコンバータ64に供給する。これにより、プロジェクタ1Bは2画面表示モードに設定される。プロジェクタ1Bは、入力端子T1に入力される映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示するとともに、当該該選択された映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示する。
【0095】
サブウィンドウ110での映像の表示が開始されると、制御部30は、タイマ66にカウント開始を指示する。そして、制御部30は、タイマ66のカウント値を逐次取得し、サブウィンドウ110での表示が開始されてからの経過時間を監視する。
【0096】
制御部30は、タイマ66のカウント値が所定時間(X分)に達すると、映像信号の切替えを行なうように入力切替部62を制御する。これにより、入力映像信号が切替わるため、図8に示したように、サブウィンドウ110に表示される映像は、切替後の入力映像信号に基づく映像に切替わる。
【0097】
図10は、プロジェクタ1Bの動作を説明するフローチャートである。
図10を参照して、ステップS21では、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されているか否かを判断する。入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていないと判断されたとき(ステップS21のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0098】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS21のYES判定時)には、制御部30はさらに、入力端子T2〜T4に映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS22)。入力端子T2〜T4のいずれにも映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS22のNO判定時)には、プロジェクタ1Bは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から表示させる。
【0099】
一方、入力端子T2〜T4に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS22のYES判定時)には、プロジェクタ1Bは2画面表示モードとなる。制御部30は、タイマ66のカウント値を逐次取得し、取得したカウント値に基づいて所定時間(X分)ごとに映像信号の切替えを行なうように入力切替部62を制御する(ステップS24)。そして、制御部30は、2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS25)。
【0100】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、複数の撮像装置(監視カメラ)からの映像信号の入力が検出されたときには2画面表示モードに切替わるとともに、該複数の撮像装置からの映像信号を所定時間ごとに切替えて表示部に表示させる。これによれば、1画面表示状態において、必要な場面(監視カメラによる監視)では2画面表示とすることができる。したがって、1画面表示と2画面表示との切替えを、別途操作ボタン等を設けることなく行なうことができる。
【0101】
また、2画面表示状態においては複数の撮像装置からの映像信号を巡回的に切替えて表示させることができるため、表示切替えのための操作を行なう必要がなくなり、プロジェクタの利便性が向上する。
【0102】
なお、上述した実施の形態では、2画面表示において複数の映像ソースから入力された映像信号を切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。
【0103】
[実施の形態4]
図11は、この発明の実施の形態4に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0104】
図11を参照して、プロジェクタ1Cは、入力部9と、通話部40とを備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、3個の入力端子T1〜T3を含むものと想定する。
【0105】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。入力端子T2には、有線または無線の伝送路を介して撮像装置CA1が接続されている。入力端子T3には、有線または無線の伝送路を介してインターホン装置IP1が接続されている。
【0106】
撮像装置CA1は、たとえば監視カメラであり、装置本体を旋回させることによって撮像エリアを移動させたときに撮像した映像を出力する。撮像装置CA1から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Cの入力端子T2に入力される。
【0107】
インターホン装置IP1は、図4で説明したインターホン装置IP1と同様の構成からなり、プロジェクタ1Cとの間で信号の送受信を行なう。
【0108】
本実施の形態に係るプロジェクタ1Cは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0109】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。具体的には、図11(a)を参照して、入力端子T1,T2,T3にはPC1、撮像装置CA1、インターホン装置IP1がそれぞれ接続され、PC1、撮像装置CA1およびインターホン装置IP1の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1およびT2のそれぞれに映像信号が入力され、かつ、入力端子T3にはインターホン装置IP1からの呼出信号が入力されていないときには、プロジェクタ1Cは2画面表示モードに設定される。このとき、プロジェクタ1Cは、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力される撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。以下では、このような2画面表示状態であって、このうちの1画面に撮像装置CA1からの映像を表示させるためのモードを「監視カメラモード」とも称する。なお、図11(a)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこの限りではない。
【0110】
そして、上述した監視カメラモードの実行時において、入力端子T3に呼出信号が入力されたことが確認されると、図11(b)に示すように、プロジェクタ1Cはサブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像からインターホン装置IP1内の撮像部からの映像信号に基づく映像に切替える。以下では、このような2画面表示状態であって、このうちの1画面にインターホン装置IP1からの映像を表示させるためのモードを「インターホンモード」とも称する。
【0111】
なお、インターホンモードの実行時には、さらにプロジェクタ1Cに設けられた通話部と、インターホン装置IP1に設けられた通話部とを用いて、プロジェクタ1Cとインターホン装置IP1との間で通話が可能となる。
【0112】
以下に、図12および図13を用いて、本発明の実施の形態4に係るプロジェクタにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0113】
図12は、図11におけるプロジェクタ1Cの構成を説明する図である。
図12を参照して、本実施の形態4に係るプロジェクタ1Cは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、通話部40と、通信部42と、映像信号検出部60と、A/Dコンバータ64と、入力切替部68とを備える点でのみ異なる。したがって、図12およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその説明を省略する。
【0114】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子T1に接続されるとともに、通信部42を介して、インターホン装置IP1と接続するための入力端子T3に接続される。具体的には、レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、通話部40から与えられる映像信号Vin2をデジタル映像信号として入力切替部68に出力する。
【0115】
インターホン装置IP1は、室外に設置され、伝送路を介して室内に設置されたプロジェクタ1Cとの間の通話が可能となっている。インターホン装置IP1は、呼出部50と、通信部52と、撮像部54と、通話部56とを含む。インターホン装置IP1の構成は、図5で説明した構成と同じである。プロジェクタ1Cでは、通信部42は、伝送路を介してインターホン装置IP1の通信部52との間で信号を送受信する。通信部42は、伝送路から受信された信号から映像信号、音声信号および制御信号を分離するための分波回路を有している。通話部40は、インターホン装置IP1の通話部56と同様の構成からなり、送話回路と、受話回路と、音声スイッチとを含む。
【0116】
制御部30は、通常、撮像部54および通話部40,56を停止させている。インターホン装置IP1の呼出ボタンが押操作されると、インターホン装置IP1の呼出部50は呼出信号をプロジェクタ1Cに送信する。プロジェクタ1Cでは、呼出信号が通信部42に受信されると、制御部30は、撮像部54を始動させて撮像部54による撮像を行なわせる。
【0117】
映像信号検出部60は、入力端子T2から入力される映像信号を検出することにより、入力端子T2に映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部60は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0118】
A/Dコンバータ64は、入力端子T2から供給されたアナログ映像信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号をデジタル映像信号として入力切替部68に出力する。
【0119】
入力切替部68は、レシーバ部10から出力される映像信号(すなわち、インターホン装置IP1からの映像信号)と、A/Dコンバータ64から出力される映像信号(すなわち、撮像装置CA1からの映像信号)とを、制御部30からの制御に応じて選択的に切替える。そして、制御部30は、選択した1個の映像信号をデジタル映像信号Din2として映像信号処理回路12に供給する。
【0120】
映像信号処理回路12が、制御部30からの切替指令に従って、1画面表示モードから2画面表示モードへ切替えると、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1および撮像装置CA1のいずれか一方からの映像信号Din2に基づく映像が表示される。
【0121】
ここで、制御部30による切替制御は、映像信号検出部60の検出結果および通信部42からの信号に基づき、予め定められた優先順位に従って1個の映像信号を選択するように入力切替部68を制御する。具体的には、制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号およびインターホン装置IP1からの映像信号が入力切替部68に入力されているときには、インターホン装置IP1からの映像信号を選択して映像信号処理回路12に供給する。一方、撮像装置CA1からの映像信号およびインターホン装置IP1からの映像信号のいずれか一方のみが入力切替部68に入力されているときには、該入力映像信号を選択して映像信号処理回路12に供給する。
【0122】
これにより、プロジェクタ1Cは2画面表示モードに設定され、入力端子T1に入力される映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示するとともに、当該選択された映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示する。そして、この2画面表示状態において、現在サブウィンドウ110に表示させている映像信号よりもより優先度の高い映像信号が入力されたときには、後から入力された映像信号を表示させるようにサブウィンドウ110の表示映像を切替える。
【0123】
本実施の形態では、図11に示したように、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させているとき、すなわち、監視カメラモードの実行時に、インターホン装置IP1からの映像信号が入力された場合には、インターホンモードに切替わり、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1からの映像信号に基づく映像が表示される。
【0124】
そして、インターホンモードにおいて、プロジェクタ1Cのユーザは、この映像を確認して通話を開始するか否かを決定する。通話を開始する場合には、操作受付部34が操作部またはリモコンに設けられた通話ボタンの押操作を受付けたことに応答して、制御部30は、プロジェクタ1Cおよびインターホン装置IP1のそれぞれの通話部40,56を動作させて通話を可能とする。一方、通話を開始しない場合には、放置すれば、待機時間が所定時間に達したときに、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を停止させる。これにより、プロジェクタ1Cは監視カメラモードに戻り、サブウィンドウ110には再び撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像が表示される。
【0125】
なお、本実施の形態では、撮像装置CA1よりもインターホン装置IP1を高い優先順位に設定したが、この優先順位はユーザによって変更することが可能である。
【0126】
図13は、プロジェクタ1Cの動作を説明するフローチャートである。
図13を参照して、ステップS31では、入力端子T1に映像信号Vin1に入力されているか否かを判断する。入力端子T1に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS31のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0127】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS31のYES判定時)には、制御部30はさらに、入力端子T2に撮像装置CA1からの映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS32)。入力端子T2に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS32のNO判定時)には、プロジェクタ1Cは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から表示させる(ステップS33)。
【0128】
一方、入力端子T2に撮像装置CA1からの映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS32のYES判定時)には、プロジェクタ1Cは2画面表示モードとなる。制御部30は、通信部42での呼出信号の受信の有無を検出することによって、入力端子T3に呼出信号が入力されているか否かを判断する(ステップS34)。入力端子T3に呼出信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS34のNO判定時)には、プロジェクタ1Cは監視カメラモードとなり、制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。
【0129】
一方、入力端子T3に呼出信号が入力されていると判断されたとき(ステップS34のYES判定時)には、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を動作させる。
【0130】
ステップS36では、制御部30は、入力端子T3に撮像部54からの映像信号が入力されているか否かを判断する。入力端子T3に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS36のYES判定時)には、プロジェクタ1Cはインターホンモードとなる。制御部30は、インターホン装置IP1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる(ステップS37)。
【0131】
一方、入力端子T3に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS36のNO判定時)には、監視カメラモードが維持される。制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる(ステップS35)。
【0132】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、複数の映像ソースからの映像信号の入力が検出されたときには2画面表示モードに切替わるとともに、該複数の映像ソースからの映像信号のうちから、予め定められた優先順位に従って選択した映像信号を表示部に表示させる。これによれば、たとえば監視カメラによる監視中であっても自動的に表示映像が切替えられて来訪者の確認を行なうことができる。したがって、別途操作ボタン等を設けることなく、表示切替えを操作性良く行なうことができる。
【0133】
なお、上述した実施の形態では、2画面表示において複数の映像ソースから入力された映像信号を切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。
【0134】
なお、上述した実施の形態1〜4では、プロジェクタとして液晶プロジェクタを採用したが、これに限定されるものではない。たとえば、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のプロジェクタ等の他の方式のプロジェクタに本発明の技術を採用してもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
1,1A〜1C プロジェクタ、9 入力部、10 レシーバ部、12 映像信号処理回路、14 OSD回路、18 液晶パネル駆動部、20 光学部、22 投写レンズ、24 ランプ、26 ランプ駆動部、28 電源部、30 制御部、32 映像信号検出部、34 操作受付部、40,56 通話部、42,52 通信部、50a 呼出ボタン、50 呼出部、54 撮像部、56 通話部、60 映像信号検出部、62 入力切替部、64 A/Dコンバータ、66 タイマ、68 入力切替部、100 メインウィンドウ、110 サブウィンドウ、CA1〜CA3 撮像装置、IP1 インターホン装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像表示装置に関し、より特定的には、複数の映像ソースが接続可能な映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外部の映像信号供給装置(映像ソース)から供給される映像信号に基づく映像を表示する映像表示装置として、たとえば特開2008−208872号公報(特許文献1)には、1つの入力源からの映像を表示部に1画面で表示させる1画面表示と、2つの入力源からの2つの映像を該表示部に2画面で表示させる2画面表示とを自動的に切替えて実行させる自動切替モードを備えた構成が開示される。
【0003】
この特許文献1に記載の映像表示装置では、自動切替モードに設定されかつ1画面表示を実行している状態において、表示中の映像の入力源とは異なる入力源を選択する選択操作が行なわれたときには、制御部が2画面表示として、1画面表示の実行時に選択されていた入力源の映像と選択操作によって選択された入力源の映像とを表示させる。特許文献1では、かかる構成により、ユーザの1人が1画面表示で映像を鑑賞しているときに、他のユーザが異なる入力源を選択する選択操作を行なったとしても、その映像の表示を確実に継続させることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−208872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年では、映像表示装置は複数の入力端子を備えるようになっており、様々な種類の映像ソースを接続可能になっている。映像表示装置に複数の映像ソースからの映像信号が入力されている場合には、ユーザはリモコン(リモートコントローラの略)等の操作部を用いて、これらの複数の映像ソースの中から所望の映像ソースを選択するための操作を行なわなければならない。たとえば上述したような2画面表示を実行する場合には、複数の入力端子のうちから2つの入力端子を指定する操作を行なう必要がある。
【0006】
このように従来の映像表示装置では、1画面表示と2画面表示との切替えを、入力端子を選択する操作に依存して行なうため、選択した入力端子に対して映像ソースからの映像信号が入力されていない場合には、2画面のうちの1画面には何も表示されないことになる。このため、ユーザは映像信号を発している映像ソースを選択するための操作を行なわなければならず、その結果映像表示装置の操作性が損なわれるという問題があった。
【0007】
また、従来の映像表示装置では、ユーザが2画面表示の設定を変更しない限り、2画面のうちの一方の画面の表示/非表示の切替えや2画面のそれぞれに表示させる映像の組合せを変えることができないことから、映像表示装置の使い勝手を悪くしてしまうという問題があった。
【0008】
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの操作に依存することなく、映像の表示状態の切替えを行なうことができる映像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従えば、映像表示装置は、単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、複数の映像信号のそれぞれに基づく複数の映像を表示するマルチ画面表示モードとを備える。映像表示装置は、複数の入力端子を含み、外部の複数の映像信号供給装置から供給される複数の映像信号を、複数の入力端子のそれぞれを介して入力するための入力部と、入力部に入力された映像信号による映像を表示する表示部と、入力部に対する映像信号の入力の有無を検出する映像信号検出部と、映像信号検出部の検出結果に基づいて、表示部に表示させる映像を切替えるための制御部とを備える。制御部は、複数の入力端子のうちの1つの入力端子に映像信号が入力されているときには、1つの入力端子以外の入力端子に対する映像信号の入力の有無に基づいて、1画面表示モードとマルチ画面表示モードとを切替えるための第1の表示切替手段を含む。
【0010】
好ましくは、映像表示装置は、複数の映像信号供給装置のうちの第1の映像信号供給装置との間で信号を送受信する通信部をさらに備える。映像信号検出部は、通信部を介して第1の映像信号供給装置から受信した所定の信号をトリガとして、入力部に対する第1の映像信号供給装置からの第1の映像信号の入力の有無を検出する。制御部は、入力部に対する第1の映像信号の入力の有無に基づいて、表示部における第1の映像信号に基づく映像の表示および非表示を切替えるための第2の表示切替手段をさらに含む。
【0011】
好ましくは、制御部は、映像信号検出部によって入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、複数の映像信号に基づく映像を、所定時間ごとに切替えて表示部に表示させるための第3の表示切替手段をさらに含む。
【0012】
好ましくは、制御部は、映像信号検出部によって入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、予め定められた優先順位に従って複数の映像信号から少なくとも1つの映像信号を選択し、その選択した少なくとも1つの映像信号に基づく映像を表示部に表示させるための第4の表示切替手段をさらに含む。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ユーザの操作に依存することなく、入力部に対する映像信号の入力の有無や映像が表示される時間に応じて表示映像の切替えを行なうことができる。この結果、所望の映像を表示する際の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像表示装置により表示される映像を説明する図である。
【図2】図1におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図3】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図5】図4におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図6】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図8】2画面表示モードの実行時にプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図9】図7におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図10】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態4に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【図12】図11におけるプロジェクタの構成を説明する図である。
【図13】プロジェクタの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0016】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に係る映像表示装置により表示される映像を説明する図である。
【0017】
図1を参照して、本実施の形態1に係る映像表示装置(以下、「プロジェクタ」ともいう)1は、液晶デバイスを利用して映像を投影する液晶プロジェクタであって、スクリーンに液晶デバイスにより表示される映像の光を投写することにより、映像を投影(表示)する。投写面は、スクリーンに限定されず、壁面であってもよい。
【0018】
プロジェクタ1は、入力部9を備える。入力部9は、複数の入力端子を含み、各入力端子からは異なる種類の映像信号が入力可能である。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、2個の入力端子T1,T2を含むものと想定する。
【0019】
入力端子T1,T2には、伝送路を介して外部の映像信号供給装置(映像ソース)が接続される。映像ソースとしては、PC(Personal Computer)、VTR(Videotape Recorder)などのアナログ信号を出力する映像ソースや、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置、Blu−Rayディスク再生装置などのデジタル信号を出力する映像ソースがある。図1の例では、入力端子T1,T2は、RGB端子であり、PC1,PC2からそれぞれ供給されるアナログRGB信号に対応している。
【0020】
なお、説明を簡単にするため、各映像ソースから送信される信号は映像信号であると想定する。映像信号とともに音声信号も伝送されるが、説明を簡単にするために、音声信号の伝送およびプロジェクタ1における音声信号処理の説明は略す。
【0021】
(プロジェクタの表示モード)
本実施の形態に係るプロジェクタ1は、映像信号による映像を表示するための動作モード(以下、表示モードともいう)として、単一の映像信号に基づく映像を表示する「1画面表示モード」と、複数の映像信号に基づく映像を表示する「マルチ画面表示モード」とを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2個の映像信号に基づく映像を表示する「2画面表示モード」を想定する。
【0022】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。
【0023】
具体的には、図1(a)を参照して、入力端子T1,T2には、PC1,PC2がそれぞれ接続され、PC1,PC2の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1にのみ映像信号が入力され、入力端子T2には映像信号が入力されていないときには、プロジェクタ1は1画面表示モードに設定される。したがって、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。
【0024】
そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に映像信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わる。これにより、PC1からの映像信号に基づく映像と、PC2からの映像信号に基づく映像とが1画面内に同時に表示される。
【0025】
ここでは、2画面は、2個の映像のうちの一方を表示する画面であって比較的に大きいサイズの画面(メインウィンドウ)100と、2個の映像のうちの他方を表示する画面であって比較的に小さいサイズの画面(サブウィンドウ)110とを想定する。図1(b)では、サブウィンドウ110は、メインウィンドウ100の表示領域内に配置されているが、メインウィンドウ100およびサブウィンドウ110の配置の態様はこれに限定されず、並列する態様であってもよい。また、各ウィンドウのサイズは、異なるサイズであってもよいが、同じサイズであってもよい。
【0026】
以下に、図2および図3を用いて、本発明の実施の形態1に係るプロジェクタにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0027】
図2は、図1におけるプロジェクタ1の構成を説明する図である。
図2を参照して、プロジェクタ1は、入力端子T1,T2と、レシーバ部10と、映像信号処理回路12と、OSD(On Screen Display)回路14と、DAC(Digital Analog Converter)16と、液晶パネル駆動部18と、光学部20と、投写レンズ22と、ランプ24と、ランプ駆動部26と、電源部28と、制御部30と、映像信号検出部32と、操作受付部34とを備える。
【0028】
レシーバ部10は、入力端子T1,T2から与えられる映像信号を処理して出力する。具体的には、レシーバ部10は、受信したアナログ映像信号Vinをデジタル映像信号Dinに変換するADC(Analog Digital Converter)機能を有しており、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、入力端子T2から与えられるアナログ映像信号Vin2をデジタル映像信号Din2として出力する。これは、映像信号Vinに各種の映像信号処理を施すために行なわれる。
【0029】
映像信号処理回路12は、レシーバ部10から出力される映像信号Dinを表示のための信号に処理して出力する。具体的には、映像信号処理回路12は、制御部30の指示に基づき、単一の入力端子T1(またはT2)にのみ映像信号Vin1(またはVin2)が入力されている場合には、この単一の映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100(図1)に表示されるように、与えられる映像信号Din1(またはDin2)に基づき1フレーム分のデジタル映像信号Dscを生成する。
【0030】
一方、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されている場合には、これら2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像がメインウィンドウ100およびサブウィンドウ110(図1)にそれぞれ表示されるように、与えられる映像信号Din1,Din2に基づき1フレーム分のデジタル映像信号Dscを生成する。
【0031】
さらに、映像信号処理回路12は、映像信号Dinで表わされる映像を拡大および縮小することにより液晶ライトバルブの持つ解像度に合わせるスケーリング処理、1秒間における描画更新回数を示すフレームレート変換処理、および映像信号Dscの有する階調値を液晶ライトバルブ(図示せず)で表示するのに適した階調値に変換するガンマ補正などを行なう。このとき、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されている場合には、映像信号処理回路12は、2個の映像信号に基づく映像が図1(b)に示すような所定のレイアウトで配置されるように、映像信号Din1,Din2に縮小処理および合成処理を施す。映像信号Dinは、これらの映像信号処理が施され、デジタル映像信号Dscとして出力される。
【0032】
OSD回路14は、映像信号処理回路12から出力される映像信号Dscに、制御部30から与えられる情報に基づく映像データの信号を重畳して、重畳された後の映像信号Dscを出力する。
【0033】
DAC16は、OSD回路14から出力された映像信号Dscを入力し、D/A変換を施したアナログ映像信号Voutを出力する。
【0034】
プロジェクタ1では、液晶パネル駆動部18、光学部20、投写レンズ22およびランプ24は、DAC16から出力される映像信号Voutに従って、制御部30の制御の下に、スクリーンに映像を表示するための表示部に相当する。
【0035】
表示部の動作について説明する。液晶パネル駆動部18は、液晶ドライバであり、液晶ライトバルブに映像信号Voutを供給し、液晶ライトバルブに映像を写し出す。
【0036】
光学部20は、図示は省略するが、ランプ24が放射する白色光を略平行光に変換するインテグレータ光学系と、白色光を光の3原色である赤色、緑色、青色の各色成分光に分離して各色光用の液晶ライトバルブに供給する分離光学系と、液晶ライトバルブにて各色光毎に映像信号Voutに応じて変調された各色光を、再度合成する合成光学系とを含んでいる。液晶ライトバルブからの各色光毎の変調光は、合成光学系としてのダイクロイックプリズムにより合成された後、投写レンズ22によって、スクリーン上に拡大投写される。投写レンズ22は、投写光をスクリーンに結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写映像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。
【0037】
電源部28は、図示しないAC電源のコンセントに差し込まれるプラグを経由して電源が供給され、供給された電源をプロジェクタ1内の各部に供給する。ランプ駆動部26は、電源部28からの電源を受け、ランプ24を点灯するための高電圧を発生する。
【0038】
映像信号検出部32は、レシーバ部10から出力される映像信号Dinを検出することにより、入力端子T1,T2のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部32は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0039】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)であり、各部との信号のやり取りを行ない、また、操作受付部34からの操作信号に従って各部の動作を制御する。
【0040】
制御部30はさらに、映像信号検出部32から映像信号の入力の有無についての検出結果を受けると、その検出結果に基づいて、プロジェクタ1の表示モードを切替えるための切替指令を生成する。制御部30は、生成した切替指令を映像信号処理回路12へ出力する。映像信号処理回路12は、制御部30からの切替指令に従って、上述した方法によって、1画面表示モードと2画面表示モードとを切替える。
【0041】
操作受付部34は、プロジェクタ1の本体に設けられた複数の操作用ボタンからなる操作部およびプロジェクタ1を遠隔操作するためのリモコン(リモートコントローラの略)への操作がなされると、当該操作を受付け、各種動作のトリガとなるコマンド信号を送る。
【0042】
図3は、プロジェクタ1の動作を説明するフローチャートである。
図3を参照して、入力部9からの映像信号Vinがレシーバ部10に入力されると(ステップS01)、映像信号検出部32は、レシーバ部10から出力される映像信号を検出することによって、入力端子T1,T2のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部32は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0043】
制御部30は、映像信号検出部32からの検出結果に基づいて、外部の映像ソースからの映像信号が入力されている入力端子が1つであるか否かを判断する(ステップS02)。映像信号が入力されている入力端子が1つであると判断されたとき(ステップS01のYES判定時)には、プロジェクタ1は1画面表示モードとなる。制御部30は、この単一の映像信号に基づく映像を表示部から投写させる。
【0044】
一方、映像信号が入力されている入力端子が1つでないと判断されたとき(ステップS01のNO判定時)には、制御部30はさらに、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS04)。複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS04のYES判定時)には、プロジェクタ1は2画面表示モードとなる。制御部30は、2個の映像信号に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS05)。
【0045】
一方、複数の入力端子T1,T2に映像信号が入力されていない、すなわち、いずれの入力端子にも映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS04のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0046】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、表示部から表示される映像は、複数の入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて切替えられる。したがって、たとえば1画面表示モードの実行中においては、2個目の映像信号の入力が検出された時点で自動的に2画面表示モードに切替わる一方で、該2個目の映像信号の入力が途絶えた時点で再び1画面表示モードに切替わる。これによれば、ユーザが表示モードの設定変更のための操作を行なうことなく、必要な場面でのみ2画面表示とすることができる。その結果、映像を表示する際のプロジェクタの利便性が向上する。
【0047】
なお、上述した実施の形態1で説明した、複数の入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて自動的に表示モードを切替える機能については、その有効/無効を映像を鑑賞しているユーザに選択させるようにしてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、映像信号の入力の有無に応じて1画面表示と2画面表示とを切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。この場合には、映像信号検出部によって映像信号の入力が検出された入力端子の個数に応じて、1画面上に同時に表示させる映像の個数を切替えるようにしてもよい。
【0049】
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0050】
図4を参照して、プロジェクタ1Aは、入力部9と、通話部40とを備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、2個の入力端子T1,T2を含むものと想定する。
【0051】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。一方、入力端子T2には、有線または無線の伝送路を介してインターホン装置IP1が接続されている。
【0052】
インターホン装置IP1は、室外に設置されており、プロジェクタ1Aとの間で信号の送受信を行なう。プロジェクタ1Aとインターホン装置IP1とは、相互の通話のための通話部をそれぞれ備えている。また、インターホン装置IP1には、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラを用いて撮像を行なう撮像部が備えられ、プロジェクタ1Aは、インターホン装置IP1の撮像部で撮像された映像を表示部から投写させる。これにより、インターホン装置IP1側にいる来訪者の顔をプロジェクタ1側で確認することができる。
【0053】
また、本実施の形態に係るプロジェクタ1Aは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0054】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、インターホン装置IP1から送信される所定の信号(呼出信号)をトリガとして、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。なお、呼出信号は、インターホン装置IP1に設けられた呼出ボタン50aが来訪者によって押操作されたときに、伝送路を介してプロジェクタ1Aの入力端子T2に出力される信号である。
【0055】
具体的には、図4(a)を参照して、入力端子T1,T2には、PC1,インターホン装置IP1がそれぞれ接続され、PC1およびインターホン装置IP1の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1に映像信号が入力され、入力端子T2にはインターホン装置IP1からの呼出信号が入力されていないときには、プロジェクタ1Aは1画面表示モードに設定される。したがって、PC1からの映像信号に基づく映像がメインウィンドウ100に表示される。
【0056】
そして、1画面表示モードの実行時において、入力端子T2に呼出信号が入力されたことが確認されると、プロジェクタ1は1画面表示モードから2画面表示モードに切替わる。プロジェクタ1Aは、図4(b)に示すように、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力されるインターホン装置IP1内の撮像部からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。なお、図4(b)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこれに限定されるものではない。
【0057】
2画面表示モードの実行時には、さらに、プロジェクタ1Aに設けられた通話部40と、インターホン装置IP1に設けられた通話部(図示せず)とを用いて、プロジェクタ1とインターホン装置IP1との間で通話が可能となる。したがって、プロジェクタ1Aのユーザは、インターホン装置IP1側にいる来訪者の顔をプロジェクタ1側で確認することができるとともに、該来訪者と通話を行なうことができる。
【0058】
以下に、図5および図6を用いて、本発明の実施の形態2に係るプロジェクタ1Aにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0059】
図5は、図4におけるプロジェクタ1Aの構成を説明する図である。
図5を参照して、本実施の形態2に係るプロジェクタ1Aは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、通話部40および通信部42を備える点でのみ異なる。したがって、図5およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその説明を省略する。
【0060】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子T1に接続されるとともに、通信部42を介して、インターホン装置IP1と接続するための入力端子T2に接続される。具体的には、レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、通信部42から与えられる映像信号Vin2をデジタル映像信号Din2として出力する。
【0061】
インターホン装置IP1は、室外に設置され、伝送路を介して室内に設置されたプロジェクタ1との間の通話が可能となっている。
【0062】
インターホン装置IP1は、呼出部50と、通信部52と、撮像部54と、通話部56とを含む。
【0063】
呼出部50は、来訪者によって押操作される呼出ボタンを有しており、呼出ボタンが操作されたときに所定の呼出信号を通信部52と伝送路とを介してプロジェクタ1Aの通信部42へ出力する。
【0064】
通信部52は、伝送路を介してプロジェクタ1Aの通信部42との間で信号を送受信する。通信部52および通信部42の間で送受信される信号には、映像信号、音声信号および制御信号が含まれる。
【0065】
撮像部54は、図示は省略するが、撮像素子と、撮像素子の出力をデジタル変換して映像データを生成する変換回路と、変換回路の出力した映像データを多重伝送のために変調することにより映像信号を生成する変調回路とを含む。撮像素子としては、CCD型やCMOS型のものを用いることができる。
【0066】
通話部56は、図示は省略するが、入力された音声を電気信号である音声信号に変換して該音声信号を通信部52および伝送路を介して送信する送話回路と、伝送路および通信部52を介して受信された音声信号を音声に変換する受話回路と、送話回路と受話回路と通信部52との間に介在して送話回路から通信部52に入力される音声信号と通信部52から受話回路に入力される音声信号とを比較して、信号レベル(すなわち音量)が低いほうを減衰させ信号レベルが高いほうを増幅することにより通話方向を切替える音声スイッチとを含む。具体的には、送話回路は、音声を電気信号である音声信号に変換するマイクロホンを有する。受話回路は、音声信号を音声に変換するスピーカを有する。
【0067】
プロジェクタ1Aでは、通信部42は、伝送路を介してインターホン装置IP1の通信部52との間で信号を送受信する。通信部42は、伝送路から受信された信号から映像信号、音声信号および制御信号を分離するための分波回路を有している。
【0068】
通話部40は、インターホン装置IP1の通話部56と同様の構成からなり、送話回路と、受話回路と、音声スイッチとを含む。
【0069】
制御部30は、通常、撮像部54および通話部40,56を停止させている。インターホン装置IP1の呼出ボタンが押操作されると、インターホン装置IP1の呼出部50は呼出信号をプロジェクタ1Aに送信する。プロジェクタ1Aでは、呼出信号が通信部42に受信されると、制御部30は、撮像部54を始動させて撮像部54による撮像を行なわせる。さらに、制御部30は、撮像部54が動作することによって映像信号が通信部42に入力されると、プロジェクタ1の表示モードを切替えるための切替指令を生成し、その生成した切替指令を映像信号処理回路12へ出力する。
【0070】
映像信号処理回路12が、制御部30からの切替指令に従って、1画面表示モードから2画面表示モードへ切替えると、図4(b)に示したように、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1からの映像信号Vin2に基づく映像が表示される。プロジェクタ1Aのユーザは、この映像を確認して通話を開始するか否かを決定する。通話を開始する場合には、操作受付部34が操作部またはリモコンに設けられた通話ボタンの押操作を受付けたことに応答して、制御部30は、プロジェクタ1Aおよびインターホン装置IP1のそれぞれの通話部40,56を動作させて通話を可能とする。一方、通話を開始しない場合には、放置すれば、待機時間が所定時間に達したときに、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を停止させる。
【0071】
図6は、プロジェクタ1Aの動作を説明するフローチャートである。
図6を参照して、ステップS11では、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されているか否かを判断する(ステップS11)。入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていないと判断されたとき(ステップS11のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0072】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS11のYES判定時)には、制御部30は、通信部42での呼出信号の受信の有無を検出することによって、入力端子T2に呼出信号が入力されているか否かを判断する(ステップS12)。入力端子T2に呼出信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS12のNO判定時)には、プロジェクタ1Aは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から投写させる。
【0073】
一方、入力端子T2に呼出信号が入力されていると判断されたとき(ステップS12のYES判定時)には、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を動作させる。ステップS14では、制御部30は、入力端子T2に映像信号Vin2が入力されているか否かを判断する。入力端子T2に映像信号Vin2が入力されていると判断されたとき(ステップS14のYES判定時)には、プロジェクタ1Aは2画面表示モードとなる。制御部30は、2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS15)。
【0074】
一方、入力端子T2に映像信号Vin2が入力されていないと判断されたとき(ステップS14のNO判定時)には、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS11)。
【0075】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、表示部から表示される映像は、外部の所定の映像ソースから受信した所定の信号をトリガとして、該所定の映像ソースが接続される入力端子に対する映像信号の入力の有無に応じて切替えられる。上述した実施の形態では、1画面表示モードの実行中においては、インターホン装置からの呼出信号を受信すると、インターホン装置からの映像信号の入力が検出された時点で自動的に2画面表示モードに切替わる。
【0076】
また、インターホン装置が待機状態となることによってインターホン装置からの映像信号の入力が途絶えた時点で再び1画面表示モードに切替わる。これによれば、1画面表示状態において、必要な場面(すなわち来訪者の確認)では2画面表示とすることができる。したがって、1画面表示と2画面表示との切替えを、別途操作ボタン等を設けることなく行なうことができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態では、所定の映像ソースから入力された所定の信号をトリガとして、1画面表示と2画面表示とを切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。この場合には、通信部で受信した入力信号の個数に応じて、1画面上に同時に表示させる映像の個数を切替えるようにしてもよい。
【0078】
[実施の形態3]
図7は、この発明の実施の形態3に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0079】
図7を参照して、プロジェクタ1B、入力部9を備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、4個の入力端子T1〜T4を含むものと想定する。
【0080】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。一方、入力端子T2〜T4には、有線または無線の伝送路を介して撮像装置CA1〜CA3がそれぞれ接続されている。
【0081】
撮像装置CA1〜CA3は、監視カメラに適用されている。撮像装置CA1〜CA3はそれぞれ、装置本体を旋回させることによって撮像エリアを移動させたときに撮像した映像を出力する。撮像装置CA1から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T2に入力される。撮像装置CA2から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T3に入力される。撮像装置CA3から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Bの入力端子T4に入力される。プロジェクタ1Bは、後述する方法によって撮像装置CA1〜CA3で撮像された映像を表示部から投写させる。これにより、所定の撮像対象エリア内の映像をプロジェクタ1B側で確認することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係るプロジェクタ1Bは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0083】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、以下に述べるように、入力部9に対する撮像装置CA1〜CA3からの映像信号の入力の有無に基づいて実行される。
【0084】
具体的には、入力端子T1にはPC1が接続され、入力端子T2〜T3にはそれぞれ撮像装置CA1〜CA3が接続されており、PC1および撮像装置CA1〜CA3の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1〜T4の各々に映像信号が入力されているときには、プロジェクタ1Bは2画面表示モードに設定される。
【0085】
図8は、2画面表示モードの実行時にプロジェクタ1Bにより表示される映像を説明する図である。プロジェクタ1Bは、図8(a)に示すように、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力される撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。なお、図8(a)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこれに限定されるものではない。
【0086】
そして、サブウィンドウ110に撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像を表示させてから所定時間(たとえばX分とする)が経過したときには、図8(b)に示すように、サブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA1からの映像信号から撮像装置CA2からの映像信号に切替える。さらに、このサブウィンドウ110の映像を切替えたタイミングから所定時間が経過すると、図8(c)に示すように、サブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA2からの映像信号から撮像装置CA3からの映像信号に切替える。
【0087】
このように、本実施の形態3に係るプロジェクタ1Bでは、2画面表示モードの実行時には、サブウィンドウ110に表示させる映像を所定期間ごとに切替える。以下に、図9および図10を用いて、本発明の実施の形態3に係るプロジェクタ1Bにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0088】
図9は、図7におけるプロジェクタ1Bの構成を説明する図である。
図9を参照して、本実施の形態3に係るプロジェクタ1Bは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、映像信号検出部60、入力切替部62、A/Dコンバータ64およびタイマ66を備える点でのみ異なる。したがって、図9およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその詳細な説明を省略する。
【0089】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子に接続されている。レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。
【0090】
入力端子T2〜T4には撮像装置CA1〜CA3がそれぞれ接続されている。撮像装置CA1〜CA3から出力されるアナログの映像信号は、入力端子T2〜T4を介して映像信号検出部60に入力される。
【0091】
映像信号検出部60は、入力端子T2〜T4から入力される映像信号を検出することにより、入力端子T2〜T4のそれぞれに映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部60は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0092】
入力切替部62は、映像信号検出部60から出力される3個の映像信号を、制御部30からの制御に応じて選択的に切替えて、選択した1個の映像信号をA/Dコンバータ64に供給する。A/Dコンバータ64は、入力切替部62から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号をデジタル映像信号Din2として映像信号処理回路12に出力する。
【0093】
タイマ66は、制御部30を構成するCPUの内部クロックなどの時間カウント機能を用いて構成され、制御部30の指示に基づき時間カウントを開始し、カウント値を制御部30に戻す。
【0094】
制御部30による切替制御は、映像信号検出部60の検出結果に基づき、所定のタイミングで入力映像信号を切替えるように入力切替部62を制御する。具体的には、制御部30は、映像信号検出部60からの検出結果に基づき、入力端子T2〜T4のうちの少なくとも2つの入力端子に映像信号が入力されていると判断されたときには、当該少なくとも2つの映像信号のうちのいずれか1つの映像信号を選択してA/Dコンバータ64に供給する。これにより、プロジェクタ1Bは2画面表示モードに設定される。プロジェクタ1Bは、入力端子T1に入力される映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示するとともに、当該該選択された映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示する。
【0095】
サブウィンドウ110での映像の表示が開始されると、制御部30は、タイマ66にカウント開始を指示する。そして、制御部30は、タイマ66のカウント値を逐次取得し、サブウィンドウ110での表示が開始されてからの経過時間を監視する。
【0096】
制御部30は、タイマ66のカウント値が所定時間(X分)に達すると、映像信号の切替えを行なうように入力切替部62を制御する。これにより、入力映像信号が切替わるため、図8に示したように、サブウィンドウ110に表示される映像は、切替後の入力映像信号に基づく映像に切替わる。
【0097】
図10は、プロジェクタ1Bの動作を説明するフローチャートである。
図10を参照して、ステップS21では、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されているか否かを判断する。入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていないと判断されたとき(ステップS21のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0098】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS21のYES判定時)には、制御部30はさらに、入力端子T2〜T4に映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS22)。入力端子T2〜T4のいずれにも映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS22のNO判定時)には、プロジェクタ1Bは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から表示させる。
【0099】
一方、入力端子T2〜T4に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS22のYES判定時)には、プロジェクタ1Bは2画面表示モードとなる。制御部30は、タイマ66のカウント値を逐次取得し、取得したカウント値に基づいて所定時間(X分)ごとに映像信号の切替えを行なうように入力切替部62を制御する(ステップS24)。そして、制御部30は、2個の映像信号Vin1,Vin2に基づく映像を表示部から投写させる(ステップS25)。
【0100】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、複数の撮像装置(監視カメラ)からの映像信号の入力が検出されたときには2画面表示モードに切替わるとともに、該複数の撮像装置からの映像信号を所定時間ごとに切替えて表示部に表示させる。これによれば、1画面表示状態において、必要な場面(監視カメラによる監視)では2画面表示とすることができる。したがって、1画面表示と2画面表示との切替えを、別途操作ボタン等を設けることなく行なうことができる。
【0101】
また、2画面表示状態においては複数の撮像装置からの映像信号を巡回的に切替えて表示させることができるため、表示切替えのための操作を行なう必要がなくなり、プロジェクタの利便性が向上する。
【0102】
なお、上述した実施の形態では、2画面表示において複数の映像ソースから入力された映像信号を切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。
【0103】
[実施の形態4]
図11は、この発明の実施の形態4に係るプロジェクタにより表示される映像を説明する図である。
【0104】
図11を参照して、プロジェクタ1Cは、入力部9と、通話部40とを備える。入力部9は、複数の入力端子を含む。なお、本実施の形態では、一例として、入力部9は、3個の入力端子T1〜T3を含むものと想定する。
【0105】
入力端子T1は、RGB端子であり、PC1から供給されるアナログRGB信号に対応している。入力端子T2には、有線または無線の伝送路を介して撮像装置CA1が接続されている。入力端子T3には、有線または無線の伝送路を介してインターホン装置IP1が接続されている。
【0106】
撮像装置CA1は、たとえば監視カメラであり、装置本体を旋回させることによって撮像エリアを移動させたときに撮像した映像を出力する。撮像装置CA1から出力される映像信号は、伝送路を介してプロジェクタ1Cの入力端子T2に入力される。
【0107】
インターホン装置IP1は、図4で説明したインターホン装置IP1と同様の構成からなり、プロジェクタ1Cとの間で信号の送受信を行なう。
【0108】
本実施の形態に係るプロジェクタ1Cは、表示モードとして、1画面表示モードと、マルチ画面表示モードとを有している。以下では、マルチ画面表示モードの一態様として、2画面表示モードを想定する。
【0109】
1画面表示モードおよび2画面表示モードの間の切替えは、入力部9に対する映像信号の入力の有無に基づいて実行される。具体的には、図11(a)を参照して、入力端子T1,T2,T3にはPC1、撮像装置CA1、インターホン装置IP1がそれぞれ接続され、PC1、撮像装置CA1およびインターホン装置IP1の映像信号を入力可能になっている場合を想定する。この場合において、入力端子T1およびT2のそれぞれに映像信号が入力され、かつ、入力端子T3にはインターホン装置IP1からの呼出信号が入力されていないときには、プロジェクタ1Cは2画面表示モードに設定される。このとき、プロジェクタ1Cは、PC1からの映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示させるとともに、入力端子T2に入力される撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。以下では、このような2画面表示状態であって、このうちの1画面に撮像装置CA1からの映像を表示させるためのモードを「監視カメラモード」とも称する。なお、図11(a)の例では、メインウィンドウ100の表示領域内にサブウィンドウ110が配置されるが、各ウィンドウの配置およびサイズの態様はこの限りではない。
【0110】
そして、上述した監視カメラモードの実行時において、入力端子T3に呼出信号が入力されたことが確認されると、図11(b)に示すように、プロジェクタ1Cはサブウィンドウ110に表示させる映像を、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像からインターホン装置IP1内の撮像部からの映像信号に基づく映像に切替える。以下では、このような2画面表示状態であって、このうちの1画面にインターホン装置IP1からの映像を表示させるためのモードを「インターホンモード」とも称する。
【0111】
なお、インターホンモードの実行時には、さらにプロジェクタ1Cに設けられた通話部と、インターホン装置IP1に設けられた通話部とを用いて、プロジェクタ1Cとインターホン装置IP1との間で通話が可能となる。
【0112】
以下に、図12および図13を用いて、本発明の実施の形態4に係るプロジェクタにおける表示モードの切替制御について説明する。
【0113】
図12は、図11におけるプロジェクタ1Cの構成を説明する図である。
図12を参照して、本実施の形態4に係るプロジェクタ1Cは、図2のプロジェクタ1に対して、映像信号検出部32に代えて、通話部40と、通信部42と、映像信号検出部60と、A/Dコンバータ64と、入力切替部68とを備える点でのみ異なる。したがって、図12およびその説明では、図2と共通する部分についての図示およびその説明を省略する。
【0114】
レシーバ部10は、PC1と接続するための入力端子T1に接続されるとともに、通信部42を介して、インターホン装置IP1と接続するための入力端子T3に接続される。具体的には、レシーバ部10は、入力端子T1から与えられるアナログ映像信号Vin1をデジタル映像信号Din1として出力する。また、レシーバ部10は、通話部40から与えられる映像信号Vin2をデジタル映像信号として入力切替部68に出力する。
【0115】
インターホン装置IP1は、室外に設置され、伝送路を介して室内に設置されたプロジェクタ1Cとの間の通話が可能となっている。インターホン装置IP1は、呼出部50と、通信部52と、撮像部54と、通話部56とを含む。インターホン装置IP1の構成は、図5で説明した構成と同じである。プロジェクタ1Cでは、通信部42は、伝送路を介してインターホン装置IP1の通信部52との間で信号を送受信する。通信部42は、伝送路から受信された信号から映像信号、音声信号および制御信号を分離するための分波回路を有している。通話部40は、インターホン装置IP1の通話部56と同様の構成からなり、送話回路と、受話回路と、音声スイッチとを含む。
【0116】
制御部30は、通常、撮像部54および通話部40,56を停止させている。インターホン装置IP1の呼出ボタンが押操作されると、インターホン装置IP1の呼出部50は呼出信号をプロジェクタ1Cに送信する。プロジェクタ1Cでは、呼出信号が通信部42に受信されると、制御部30は、撮像部54を始動させて撮像部54による撮像を行なわせる。
【0117】
映像信号検出部60は、入力端子T2から入力される映像信号を検出することにより、入力端子T2に映像信号が入力されているか否かを検出する。映像信号検出部60は、映像信号の入力の有無についての検出結果を制御部30に出力する。
【0118】
A/Dコンバータ64は、入力端子T2から供給されたアナログ映像信号をデジタル信号に変換し、変換後の信号をデジタル映像信号として入力切替部68に出力する。
【0119】
入力切替部68は、レシーバ部10から出力される映像信号(すなわち、インターホン装置IP1からの映像信号)と、A/Dコンバータ64から出力される映像信号(すなわち、撮像装置CA1からの映像信号)とを、制御部30からの制御に応じて選択的に切替える。そして、制御部30は、選択した1個の映像信号をデジタル映像信号Din2として映像信号処理回路12に供給する。
【0120】
映像信号処理回路12が、制御部30からの切替指令に従って、1画面表示モードから2画面表示モードへ切替えると、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1および撮像装置CA1のいずれか一方からの映像信号Din2に基づく映像が表示される。
【0121】
ここで、制御部30による切替制御は、映像信号検出部60の検出結果および通信部42からの信号に基づき、予め定められた優先順位に従って1個の映像信号を選択するように入力切替部68を制御する。具体的には、制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号およびインターホン装置IP1からの映像信号が入力切替部68に入力されているときには、インターホン装置IP1からの映像信号を選択して映像信号処理回路12に供給する。一方、撮像装置CA1からの映像信号およびインターホン装置IP1からの映像信号のいずれか一方のみが入力切替部68に入力されているときには、該入力映像信号を選択して映像信号処理回路12に供給する。
【0122】
これにより、プロジェクタ1Cは2画面表示モードに設定され、入力端子T1に入力される映像信号に基づく映像をメインウィンドウ100に表示するとともに、当該選択された映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示する。そして、この2画面表示状態において、現在サブウィンドウ110に表示させている映像信号よりもより優先度の高い映像信号が入力されたときには、後から入力された映像信号を表示させるようにサブウィンドウ110の表示映像を切替える。
【0123】
本実施の形態では、図11に示したように、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させているとき、すなわち、監視カメラモードの実行時に、インターホン装置IP1からの映像信号が入力された場合には、インターホンモードに切替わり、サブウィンドウ110には、インターホン装置IP1からの映像信号に基づく映像が表示される。
【0124】
そして、インターホンモードにおいて、プロジェクタ1Cのユーザは、この映像を確認して通話を開始するか否かを決定する。通話を開始する場合には、操作受付部34が操作部またはリモコンに設けられた通話ボタンの押操作を受付けたことに応答して、制御部30は、プロジェクタ1Cおよびインターホン装置IP1のそれぞれの通話部40,56を動作させて通話を可能とする。一方、通話を開始しない場合には、放置すれば、待機時間が所定時間に達したときに、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を停止させる。これにより、プロジェクタ1Cは監視カメラモードに戻り、サブウィンドウ110には再び撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像が表示される。
【0125】
なお、本実施の形態では、撮像装置CA1よりもインターホン装置IP1を高い優先順位に設定したが、この優先順位はユーザによって変更することが可能である。
【0126】
図13は、プロジェクタ1Cの動作を説明するフローチャートである。
図13を参照して、ステップS31では、入力端子T1に映像信号Vin1に入力されているか否かを判断する。入力端子T1に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS31のNO判定時)には、制御部30は、表示部から映像を投写させることなく、処理を終了する。
【0127】
一方、入力端子T1に映像信号Vin1が入力されていると判断されたとき(ステップS31のYES判定時)には、制御部30はさらに、入力端子T2に撮像装置CA1からの映像信号が入力されているか否かを判断する(ステップS32)。入力端子T2に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS32のNO判定時)には、プロジェクタ1Cは1画面表示モードとなり、制御部30は、単一の映像信号Vin1に基づく映像を表示部から表示させる(ステップS33)。
【0128】
一方、入力端子T2に撮像装置CA1からの映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS32のYES判定時)には、プロジェクタ1Cは2画面表示モードとなる。制御部30は、通信部42での呼出信号の受信の有無を検出することによって、入力端子T3に呼出信号が入力されているか否かを判断する(ステップS34)。入力端子T3に呼出信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS34のNO判定時)には、プロジェクタ1Cは監視カメラモードとなり、制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる。
【0129】
一方、入力端子T3に呼出信号が入力されていると判断されたとき(ステップS34のYES判定時)には、制御部30は、撮像部54および通話部40,56を動作させる。
【0130】
ステップS36では、制御部30は、入力端子T3に撮像部54からの映像信号が入力されているか否かを判断する。入力端子T3に映像信号が入力されていると判断されたとき(ステップS36のYES判定時)には、プロジェクタ1Cはインターホンモードとなる。制御部30は、インターホン装置IP1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる(ステップS37)。
【0131】
一方、入力端子T3に映像信号が入力されていないと判断されたとき(ステップS36のNO判定時)には、監視カメラモードが維持される。制御部30は、撮像装置CA1からの映像信号に基づく映像をサブウィンドウ110に表示させる(ステップS35)。
【0132】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、複数の入力端子を備えたプロジェクタにおいて、複数の映像ソースからの映像信号の入力が検出されたときには2画面表示モードに切替わるとともに、該複数の映像ソースからの映像信号のうちから、予め定められた優先順位に従って選択した映像信号を表示部に表示させる。これによれば、たとえば監視カメラによる監視中であっても自動的に表示映像が切替えられて来訪者の確認を行なうことができる。したがって、別途操作ボタン等を設けることなく、表示切替えを操作性良く行なうことができる。
【0133】
なお、上述した実施の形態では、2画面表示において複数の映像ソースから入力された映像信号を切替える態様について説明したが、3個以上の映像信号を同時に表示するマルチ画面表示においても本実施の形態を同様に適用可能である。
【0134】
なお、上述した実施の形態1〜4では、プロジェクタとして液晶プロジェクタを採用したが、これに限定されるものではない。たとえば、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のプロジェクタ等の他の方式のプロジェクタに本発明の技術を採用してもよい。
【0135】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
1,1A〜1C プロジェクタ、9 入力部、10 レシーバ部、12 映像信号処理回路、14 OSD回路、18 液晶パネル駆動部、20 光学部、22 投写レンズ、24 ランプ、26 ランプ駆動部、28 電源部、30 制御部、32 映像信号検出部、34 操作受付部、40,56 通話部、42,52 通信部、50a 呼出ボタン、50 呼出部、54 撮像部、56 通話部、60 映像信号検出部、62 入力切替部、64 A/Dコンバータ、66 タイマ、68 入力切替部、100 メインウィンドウ、110 サブウィンドウ、CA1〜CA3 撮像装置、IP1 インターホン装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、複数の映像信号のそれぞれに基づく複数の映像を表示するマルチ画面表示モードとを備えた映像表示装置であって、
複数の入力端子を含み、外部の複数の映像信号供給装置から供給される複数の映像信号を、前記複数の入力端子のそれぞれを介して入力するための入力部と、
前記入力部に入力された映像信号による映像を表示する表示部と、
前記入力部に対する映像信号の入力の有無を検出する映像信号検出部と、
前記映像信号検出部の検出結果に基づいて、前記表示部に表示させる映像を切替えるための制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の入力端子のうちの1つの入力端子に映像信号が入力されているときには、前記1つの入力端子以外の入力端子に対する映像信号の入力の有無に基づいて、前記1画面表示モードと前記マルチ画面表示モードとを切替えるための第1の表示切替手段を含む、映像表示装置。
【請求項2】
前記複数の映像信号供給装置のうちの第1の映像信号供給装置との間で信号を送受信する通信部をさらに備え、
前記映像信号検出部は、前記通信部を介して前記第1の映像信号供給装置から受信した所定の信号をトリガとして、前記入力部に対する前記第1の映像信号供給装置からの第1の映像信号の入力の有無を検出し、
前記制御部は、前記入力部に対する前記第1の映像信号の入力の有無に基づいて、前記表示部における前記第1の映像信号に基づく映像の表示および非表示を切替えるための第2の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記映像信号検出部によって前記入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、前記複数の映像信号に基づく映像を、所定時間ごとに切替えて前記表示部に表示させるための第3の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記映像信号検出部によって前記入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、予め定められた優先順位に従って前記複数の映像信号から少なくとも1つの映像信号を選択し、その選択した前記少なくとも1つの映像信号に基づく映像を前記表示部に表示させるための第4の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項1】
単一の映像信号に基づく映像を表示する1画面表示モードと、複数の映像信号のそれぞれに基づく複数の映像を表示するマルチ画面表示モードとを備えた映像表示装置であって、
複数の入力端子を含み、外部の複数の映像信号供給装置から供給される複数の映像信号を、前記複数の入力端子のそれぞれを介して入力するための入力部と、
前記入力部に入力された映像信号による映像を表示する表示部と、
前記入力部に対する映像信号の入力の有無を検出する映像信号検出部と、
前記映像信号検出部の検出結果に基づいて、前記表示部に表示させる映像を切替えるための制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の入力端子のうちの1つの入力端子に映像信号が入力されているときには、前記1つの入力端子以外の入力端子に対する映像信号の入力の有無に基づいて、前記1画面表示モードと前記マルチ画面表示モードとを切替えるための第1の表示切替手段を含む、映像表示装置。
【請求項2】
前記複数の映像信号供給装置のうちの第1の映像信号供給装置との間で信号を送受信する通信部をさらに備え、
前記映像信号検出部は、前記通信部を介して前記第1の映像信号供給装置から受信した所定の信号をトリガとして、前記入力部に対する前記第1の映像信号供給装置からの第1の映像信号の入力の有無を検出し、
前記制御部は、前記入力部に対する前記第1の映像信号の入力の有無に基づいて、前記表示部における前記第1の映像信号に基づく映像の表示および非表示を切替えるための第2の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記映像信号検出部によって前記入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、前記複数の映像信号に基づく映像を、所定時間ごとに切替えて前記表示部に表示させるための第3の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記映像信号検出部によって前記入力部に複数の映像信号が入力されたことが検出された場合には、予め定められた優先順位に従って前記複数の映像信号から少なくとも1つの映像信号を選択し、その選択した前記少なくとも1つの映像信号に基づく映像を前記表示部に表示させるための第4の表示切替手段をさらに含む、請求項1に記載の映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−109504(P2011−109504A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263788(P2009−263788)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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