説明

時間計測回路

【課題】TAC方式とクロックカウント方式を併用する際に、クロック発生部を別途設ける必要のない時間計測回路を得る。
【解決手段】入力信号の振幅の最大値を検出し、ピーク検出トリガを出力するピーク検出回路(30)と、外部からの測定開始信号を起点として、時間経過に伴って電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号を生成し出力するアナログ信号発生部(10)と、アナログ信号の電圧値をモニタし、所定電圧値を超えるごとにアナログ信号の電圧値をゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させるパルス発生部(60)と、ピーク検出トリガが出力されたタイミングにおけるアナログ信号の電圧値と、パルス信号の計数結果とに基づいて、測定開始信号を起点としてピーク検出トリガが出力されるまでの時間を算出する時間算出処理部(20、40、50)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルスレーダやレーザー距離計などに利用される時間測定回路に関するものであり、特に、TAC(Time to Amplitude Converter)方式とクロックカウント方式を併用した時間測定回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来パルスレーダ等のレーダシステムでターゲットまでの距離計測を行う場合、第一の方式として、TAC方式が知られている。このTAC方式は、パルスレーダからターゲットに向けてパルスを照射するとともに、時間とともに振幅が増大するアナログ信号を発生させる。そして、ターゲットによって反射、もしくは散乱されたパルスが、レーダに帰還するまでの変化量を求めることにより、時間を計測する。
【0003】
図5は、従来のTAC方式で用いられるアナログ電圧発生回路の例示図である。このアナログ電圧発生回路は、電流源111、容量112、スイッチ113、114、および出力端子115を備えている。スイッチ113は、電流源111と容量112との間に直列に接続されている。一方、スイッチ114は、容量112に並列に接続されている。
【0004】
スイッチ113がオンし、スイッチ114がオフすると、電流源111から容量112に電荷が供給され、容量112の電極間電圧が増加する。ここで、電流源111を定電流源とすると、時間に対して一定の割合で電荷が供給されるため、出力端子115からは、時間に対して一定の割合で電圧が増加するランプ電圧が出力されることとなる。TAC方式では、出力電圧から経過時間を知ることができる。
【0005】
また、第二の方式として、クロックカウント方式が知られている。このクロックカウント方式は、パルスレーダからターゲットに向けてパルスを照射するとともに、クロック信号を発生させ、パルスがレーダによって帰還するまでの間、クロックをカウントすることにより時間計測を行う。
【0006】
また、第三の方式として、クロックの周期毎の時間をクロックカウント方式で計測し、クロック周期以下の時間をTAC方式で計測するものも知られている。このように、クロックカウント方式とTAC方式を併用することで、安価で精度の高い時間計測を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−227483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
図6は、TAC方式とクロックカウント方式を併用した従来の時間計測回路の構成図である。この時間計測回路は、アナログ信号発生部10、パルスカウンタ20、ピーク検出回路30,算定部40、信号処理部50、インバータ90、およびクロック発生回路100を備えている。また、端子として、入力端子1〜4、および出力端子5を備えている。
【0009】
このような従来の時間計測回路では、クロック発生回路100から出力されるクロックパルスとインバータ90を用いて、アナログ信号発生部10内の容量16aと容量16bを交互に切り替え、クロック周期以下の時間をアナログ信号発生部10で測定する。また、クロックパルスをパルスカウンタ20でカウントすることによって、クロック周期毎の時間を測定する。そして、信号処理部50は、両者の測定結果に基づいて、ターゲットまでの距離を算出する。
【0010】
つまり、クロック信号は、アナログ信号発生部10を制御する役割と、パルスカウンタ20でカウントすることでクロック周期距離情報となる役割との2つの役割を持っている。従来の回路の場合、クロック信号を得る手段として、クロック発生部を別に設けるか(クロック発生回路100に相当)、または外部からクロックを与えるという手段がとられていた。この結果、回路規模が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、TAC方式とクロックカウント方式を併用する時間計測回路において、クロック発生部を別途設ける必要のない、または外部からのクロックを不要とした時間計測回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る時間計測回路は、入力信号の振幅の最大値を検出し、ピーク検出トリガを出力するピーク検出回路と、外部からの測定開始信号を起点として、時間経過に伴って、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号を生成し出力するアナログ信号発生部と、アナログ信号発生部から出力されるアナログ信号の電圧値をモニタし、所定電圧値を超えるごとにアナログ信号の電圧値をゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させるパルス発生部と、ピーク検出回路からピーク検出トリガが出力されたタイミングにおけるアナログ信号発生部から出力されるアナログ信号の電圧値と、パルス発生器から発生されたパルス信号の計数結果とに基づいて、測定開始信号を起点としてピーク検出トリガが出力されるまでの時間を算出する時間算出処理部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る時間計測回路によれば、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号をモニタし、所定電圧値を超えるごとにゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させる構成を有しており、これにより、TAC方式とクロックカウント方式を併用する時間計測回路において、クロック発生部を別途設ける必要のない、または外部からのクロックを不要とした時間計測回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における時間計測回路の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1における時間計測回路の各部から出力される主要な信号波形のタイミングチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2における時間計測回路の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2における時間計測回路の各部から出力される主要な信号波形のタイミングチャートである。
【図5】従来のTAC方式で用いられるアナログ電圧発生回路の例示図である。
【図6】TAC方式とクロックカウント方式を併用した従来の時間計測回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の時間計測回路の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における時間計測回路の構成図である。本実施の形態1の時間計測回路は、アナログ信号発生部10、パルスカウンタ20、ピーク検出回路30、算定部40、信号処理部50、比較器60、および参照電圧源70を備えて構成されている。また、端子として、入力端子1〜3、および出力端子5を備えている。
【0017】
ここで、アナログ信号発生部10は、電流源11、スイッチ13〜15、および容量16を備えている。また、アナログ信号発生部10では、入力端子1から入力される測定開始信号により制御されるスイッチ13がオンとなり、かつスイッチ14、15、がオフのときのみ、電流源11から容量16へ電荷が供給され、電極間の電圧が上昇する。
【0018】
算定部40は、S/H(サンプル&ホールド)回路41とラッチ42からなる。そして、S/H回路41は、ピーク検出回路30が入力信号の最大値で出力するピーク検出トリガを受けて、その時刻のアナログ信号発生部10の出力電圧を保持する。また、ラッチ42は、パルスカウンタ20のカウント値を記憶する。信号処理部50は、S/H回路41の出力値およびラッチ42の出力値から距離を求め、出力端子5に出力する。
【0019】
次に、図1に示す時間計測回路の動作を説明する。図2は、本発明の実施の形態1における時間計測回路の各部から出力される主要な信号波形のタイミングチャートである。ここでは、パルスレーダの時間計測回路として使用される状況を想定する。パルスレーダからパルスが送信されると同時に、入力端子1から入力される測定開始信号VgがLowからHighと変化し、あらかじめ決めた時間幅でHighを継続するものとする(図2(B)参照)。
【0020】
また、測定開始信号が入力される前に、必ずリセット信号が入力端子2から入力され(図2(A)参照)、容量16の電極間の電圧を等しくするとともに、パルスカウンタ20のカウント値を0とするものとする。電流源11は、定電流源とし、アナログ信号発生部10の出力は、傾きaで時間に比例して電圧が高くなるランプ電圧(V=at)とする(図2(C)参照)。また、参照電圧源70は、電圧値V(接地電圧<V<電源電圧)とし、比較器60は、ランプ電圧Vと参照電圧Vとを比較して、以下に示す動作を行う(図2(D)参照)。
≦Vの場合 → Lowを出力
>Vの場合 → Highを出力
【0021】
入力端子2からリセット信号が入力され、一定期間スイッチ15がオンとなる結果として、容量16の電極間の電圧が等しくなり、比較器60は、Lowを出力するため、スイッチ14は、オフとなる。また、パルスカウンタのカウント値は、リセット信号の入力に伴って0となる(図2(E)参照)。
【0022】
パルスレーダからパルスが送信されると同時に、測定開始信号がHighとなり、スイッチ13がオンとなるのと同時に、容量16の電極間の電圧が時間に対し一定の傾きaで上昇する(図2(B)、(C)参照)。時間V/a後、ランプ電圧Vは、参照電圧Vと等しくなり、その直後、比較器60は、Highを出力する(図2(D)参照)。
【0023】
この瞬間に、パルスカウンタの出力は1となり(図2(E)参照)、また、容量16の電極間電圧は同値となり、この結果、比較器60の出力はLowとなる(図2(D)参照)。このように、比較器60は、ランプ電圧Vが参照電圧Vより大きくなった瞬間に、容量16の電極間電圧を等しくするという動作を繰り返し、一定間隔でパルスを出力することとなる(図2(D)参照)。一方、パルスカウンタ20は、比較器60がHighを出力した回数をカウントする(図2(E)参照)。
【0024】
今、測定開始信号がHighとなった時間からT1(2V/a<T1<3V/a)過ぎた時刻に、ターゲットから反射されたパルスがパルスレーダに帰還し、入力端子3に入力されたとする(図2(F)参照)。この場合、ピーク検出回路30は、入力の最大値となるところでトリガを出力し、このトリガは、算定部40のS/H回路41とラッチ42に入力される。S/H回路41は、トリガの入力された時刻のアナログ信号発生部10の出力電圧を保持するので、S/H回路41の出力電圧V1は、a(T12−V/a)となる(図2(G)参照)。また、図2に示した例では、ラッチ42の出力は、2となる(図2(H)参照)。
【0025】
信号処理部50では、算定部40内のS/H回路41の出力電圧と、ラッチ42の出力値とから、以下の式を解くことにより、発射したパルスがレーダに帰還するまでの時間Tと、レーダからターゲットまでの距離Lを算出する。ここで、Cは光速である。
T=((ラッチ出力×(V/a))+S/H回路41の出力電圧)/a
L=(C×T)/2a
【0026】
このように、アナログ信号発生部10内の容量を、比較器60を用いてリセットし、また、リセットした回数をカウントすることで、クロック信号と同様の機能をもつ信号を発生させることが可能となる。従来の回路では、別途クロック発生部を設ける必要や外部クロック信号を入力する必要があり、このようなクロック発生部は、振動子や発振器、分周器といった回路から構成されていた。これに対して、本発明によれば、アナログ信号発生部に比較器単体を追加することで、従来のものと同様の効果が得られるため、回路を小規模化することが可能となる。
【0027】
以上のように、実施の形態1によれば、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号をモニタし、所定電圧値を超えるごとにゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させることができ、クロック信号と同様の機能をもつ信号を発生させることが可能となる。この結果、クロック発生回路が不要となり、時間計測回路の小型化および低価格化を実現できる。
【0028】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2における時間計測回路の構成図である。本実施の形態2の時間計測回路は、アナログ信号発生部10、パルスカウンタ20、ピーク検出回路30、算定部40、信号処理部50、2つの比較器60a、60b、参照電圧源70、演算部80、およびインバータ90を備えて構成されている。また、端子として、入力端子1〜3、および出力端子5を備えている。
【0029】
先の実施の形態1における図1の構成と比較すると、本実施の形態2における図3の構成は、演算部80およびインバータ90をさらに備えているとともに、比較器が2台で構成され、さらに、アナログ信号発生部10の内部構成が異なっている。そこで、このような異なる構成を中心に、以下に説明する。
【0030】
本実施の形態2におけるアナログ信号発生部10は、電流源11、スイッチ12、13、14a、14b、15a、15b、および容量16a、16bを備えている。このように、本実施の形態2における時間測定回路は、アナログ信号発生部10内に2つの容量16a、16bを設けている。そして、2つの容量16a、16bは、スイッチ12を切り替えることにより、スイッチ13を介して電流源11と切り替え接続される。
【0031】
また、アナログ信号発生部10では、入力端子1から入力される測定開始信号により制御されるスイッチ13がオンとなり、かつスイッチ14a、14b、15a、15bがオフのときのみ、スイッチ12の切替状態に応じて、電流源11から容量16aまたは容量16bのいずれかへ電荷が供給され、電極間の電圧が上昇する。
【0032】
また、容量16a、16bの出力のそれぞれは、比較器60a、60bに接続されている。そして、比較器60a、60bの出力は、演算部80に接続されており、この演算部80からの出力により、容量16a、16bに蓄えられる電圧が制御されることとなる。ここで、演算部80は、2つの1ビットパルスカウンタ81a、81、および排他的論理和素子82で構成されている。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態2における時間計測回路の各部から出力される主要な信号波形のタイミングチャートである。そこで、図4のタイミングチャートを参照しながら、本実施の形態2における図3の時間計測回路の動作について説明する。
【0034】
パルスレーダからパルスが送信されると同時に、測定開始信号がHighとなり(図4(B)参照)、スイッチ13がオンとなるのと同時に、容量16aの電極間の電圧が時間に対し一定の傾きaで上昇する(図4(C)参照)。その後、容量16aの電極間の電圧がVに達するとともに比較器60aは比較トリガを出力する(図4(D)参照)。
【0035】
その瞬間に、1ビットパルスカウンタ81aの出力はHighとなり(図4(E)参照)、排他的論理和素子82は1ビットパルスカウンタ81aの出力Highと1ビットパルスカウンタ81bの出力Lowから、Highを出力する。演算部80の出力がHighとなったため(図4(I)参照)、スイッチ14aはオンとなり、容量16aの電極間の電圧は等しくなると共に、スイッチ14bはオフとなり、容量16b間の電極間の電圧が時間に対して一定の傾きaで上昇する(図4(F)参照)。容量16bの電極間の電圧がVに達するとともに比較器60bは比較トリガを出力する(図4(G)参照)。
【0036】
その瞬間に、1ビットパルスカウンタ81bの出力はHighとなり(図4(H)参照)、排他的論理和素子82の出力もLowとなる。演算部80の出力がLowとなったため(図4(I)参照)、スイッチ14bはオンとなり、容量16bの電極間の電圧は等しくなると共に、スイッチ14aはオフとなるため容量16a間の電極間の電圧が時間に対して一定の傾きaで上昇する(図4(C)参照)。このように、容量16a、16bが交互に充電と放電を繰り返すと共に、比較器60a、60bはそれぞれ接続された容量16aと16bの電圧をモニタし、あらかじめ設定された電圧Vに達するとそれらの電極間の電圧をリセットする。
【0037】
演算部80は、比較器出力から容量を交互に切り替えるための制御信号を生成するという動作をおこなう(図4(I)参照)。なお、ターゲットから反射されたパルスがパルスレーダに帰還した後のピーク検出回路30と算定部40の動作と、その後の信号処理部50の処理は、図1と同様となる(図4(J)〜(M)参照)。
【0038】
図3、図4に示す回路構成を用いることで、実際の回路において図1中の容量16の電極間電圧をリセットする際の放電時間の影響を排除することが可能となる。このため、リセット直後の測定精度の劣化を防ぐことが可能となり、かつ、別途クロック発生部を設ける必要や外部クロック信号を入力する必要なくなるため、回路を小規模化することが可能となる。
【0039】
以上のように、実施の形態2によれば、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号をモニタし、所定電圧値を超えるごとにゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させることができる。この結果、先の実施の形態1と同様に、クロック発生回路が不要となり、時間計測回路の小型化および低価格化を実現できる。
【0040】
さらに、本実施の形態2では、2つの比較器と2つの容量を備えるとともに、それぞれの比較器出力から容量を交互に切り替えるための制御信号を生成する演算部を備えている。換言すると、実質的には、アナログ信号発生部、比較器、およびパルスカウンタからなる系統を2系統有していることとなり、各系統を交互に動作させることが可能となる。この結果、先の実施の形態1のように、1つの容量の電極間電圧をリセットする際の放電時間の影響を排除することができ、リセット直後の測定精度の劣化を防ぐことが可能となる。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、本発明の時間計測回路をパルスレーダに組み込んで利用する場合について説明した。しかしながら、本発明の時間測定回路は、パルスレーダに限らず、他の測定装置などの任意の電子装置内に組み込んで利用することができる。
【0042】
また、上述した実施の形態では、アナログ信号発生部として、電流源と容量を用いたランプ電圧回路の例に、時間経過とともに上昇するアナログ信号を出力する場合を説明した。しかしながら、時間経過とともに上昇するアナログ信号を出力するために、ランプ波形の代わりに、正弦波や三角波などを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0043】
1〜3 入力端子、5 出力端子、10 アナログ信号発生部、11 電流源、12、13、14、14a、14b、15、15a、15b スイッチ、16、16a、16b 容量、20 パルスカウンタ、30 ピーク検出回路、40 算定部、41 サンプル&ホールド回路、42 ラッチ、50 信号処理部、60、60a、60b 比較器(パルス発生部)、70 参照電圧源、80 演算部、81a、81b 1ビットパルスカウンタ、82 排他的論理和素子、90 インバータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の振幅の最大値を検出し、ピーク検出トリガを出力するピーク検出回路と、
外部からの測定開始信号を起点として、時間経過に伴って、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号を生成し出力するアナログ信号発生部と、
前記アナログ信号発生部から出力される前記アナログ信号の電圧値をモニタし、所定電圧値を超えるごとに前記アナログ信号の電圧値をゼロリセットする動作を繰り返すことで、一定間隔のパルス信号を発生させるパルス発生部と、
前記ピーク検出回路から前記ピーク検出トリガが出力されたタイミングにおける前記アナログ信号発生部から出力される前記アナログ信号の電圧値と、前記パルス発生器から発生された前記パルス信号の計数結果とに基づいて、前記測定開始信号を起点として前記ピーク検出トリガが出力されるまでの時間を算出する時間算出処理部と
を備えたことを特徴とする時間計測回路。
【請求項2】
発射したパルスがターゲットによって反射もしくは散乱されて帰還するまでの時間を計測し、前記ターゲットまでの距離を計測するために用いられる請求項1に記載の時間計測回路において、
前記ピーク検出器は、発射した前記パルスが前記ターゲットによって反射もしくは散乱されて帰還する信号を前記入力信号として読み込み、前記入力信号の振幅の最大値を検出し、ピーク検出トリガを出力し、
前記アナログ信号発生部は、前記パルスを前記ターゲットに対して発射したタイミングを前記測定開始信号とし、時間経過に伴って、電圧値が所定のパターンで上昇するアナログ信号を生成し出力し、
前記パルス発生部は、前記アナログ信号発生部から出力される前記アナログ信号の電圧値と、前記所定電圧値とを比較し、前記アナログ信号が前記所定電圧値よりも大きくなった場合にリセット信号を出力し、前記リセット信号により前記アナログ信号発生部で生成される前記アナログ信号の電圧値をゼロリセットさせる比較器で構成され、
前記時間算出処理部は、
前記パルスを前記ターゲットに対して発射したタイミングでカウンタをクリアし、前記比較器から出力される前記リセット信号の回数をカウントするパルスカウンタと、
前記ピーク検出回路から前記ピーク検出トリガが出力されたタイミングにおける前記アナログ信号発生部から出力される前記アナログ信号の電圧値と、前記パルスカウンタによるカウント値とに基づいて、発射した前記パルスが前記ターゲットによって反射もしくは散乱されて帰還するまでの時間を算出する信号処理部と
を有する
ことを特徴とする時間計測回路。
【請求項3】
請求項2に記載の時間計測回路において、
前記アナログ信号発生部、前記比較器、および前記パルスカウンタからなる系統を2系統有し、
それぞれの系統の比較器からの出力に基づいて、それぞれの系統のアナログ信号発生部を交互に動作させるように制御する演算部をさらに備え、
前記信号処理部は、前記2系統から交互に出力される信号に基づいて、発射した前記パルスが前記ターゲットによって反射もしくは散乱されて帰還するまでの時間を算出する
ことを特徴とする時間計測回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−27621(P2011−27621A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175366(P2009−175366)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】