説明

暖房用発熱パネル

【課題】本発明は保温性の高い全体的に均一な発熱が可能で結露現象も防止することができる暖房用発熱パネルを提供する。
【解決手段】電気の供給により発熱する板状の面状発熱体(100)と、前記面状発熱体の上面に結合されるマグネシウムボード板(200)と、板状で発泡成型され前記面状発熱体の下面に結合されるもので上面の縁には前記面状発熱体に連結されるリードワイヤが収容される安着溝を備える底部材(300)と、前記底部材の下面に結合され多数の隔壁により空気層が形成される隔室が備えられる中空板(400)とを含んで構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発熱する面状発熱体を使用し家庭の床などに設置できるように板状で提供される暖房用発熱パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な暖房の方式には電気を使う場合と石油やガスを使う場合に分けられる。最近国際油価の急激な上昇により電気を使う方式の方が好まれている。電気を使う暖房方式の場合、大部分がヒーティングケーブル及びヒーティングパイプを使っている。このような方式は設置構造や施工方式が石油やガスを使う方式と同様に設置にかかる時間と費用が相当に要求されるし、電気熱線による有害な電磁波が放出される恐れのみならず、点加熱方式の局部発熱による電気の使用量も増加し省エネルギーの側面に不適合なものであり、長時間の使用による電熱線の老朽化で高温発熱時に断線されてしまう問題点もあったのである。
【0003】
最近このような問題点の改善のためにフィルム型の面状発熱体としてPET(Polyethylene Terephthalete)の材料を使い、カーボンをスクリーンした様々な製品が紹介されている。このような製品は面の全体が発熱する特性があり、熱線に比べ設置が簡単で優秀な省エネルギー性も持つ。しかしながら、薄く形成されたPETの材料はその特性上、引っかきに弱い問題点があり、異常な温度の上昇時PETの材料が軟質化し、これによりラミネイティーングされたPETの材料が分離されてしまい、その役割を果たすことが出来なくなる問題点もある。それに前述した熱線を使うパネルやフィルム型の面状発熱体の場合、電源が遮断された後急激な温度の低下が発生する問題点があり、結露による安全性が低下する問題点もあったのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前述のような問題点を解決するために、板状に製造される面状発熱体を用いエネルギーの効率を高めるとともにフィルム型の面状発熱体に比べ耐衝撃性を含んだ全体的な安全性の高い暖房用発熱体を提供することを目的とする。
【0005】
そして、電源が遮断された後の急激な温度の低下を防止することが可能で、結露の防止も可能な暖房用発熱体を提供することを目的とする。また、連続的に連結し設置しやすい構造を持ち、異常な温度の上昇時、電流の供給が遮断できる暖房用発熱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の暖房用発熱パネルは前記のような目的を達成するために、電気の供給で発熱する板状の面状発熱体と、前記面状発熱体の上面に結合されるマグネシウムボード板と、板状で発泡成型され前記面状発熱体の下面に結合され上面の縁には前記面状発熱体に連結されるリードワイヤが収容される安着溝が備わる底部材と、前記底部材の下面に結合され多数の隔壁により空気層が形成される隔室を備える中空板とを含んで構成したことを特徴とする。
【0007】
それに前記暖房用発熱パネルは、リードワイヤにバイメタルが連結され異常に温度が上昇した場合、電流の供給が遮断されることができ、前記面状発熱体は、カーボン極細糸含みのカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物で覆い、前記ガラス繊維の織物の両端部に銅版と結合しメラミン樹脂を覆った後、圧着してから板状になり、前記底部材は、ポリスチレンを押出発泡し多数の気孔が内部に形成されることを特徴とする。
【0008】
なお、本発明はカーボン極細糸含みのカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物で覆い、前記ガラス繊維の織物の両端部に銅版と結合しメラミン樹脂で覆った後、圧着してから板状に成型され電気の供給により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体の上面に結合されるグネシウムボード板と、押出発泡され内部に気孔が形成され上面に前記面状発熱体とマグネシウムボード板が設け上面の左右側の縁にはリードワイヤが収容される安着溝を備える底部材とから構成されることを特徴とする。
【0009】
また、前記暖房用発熱パネルは、面状発熱体と結合するマグネシウムボード板と底部材とをエポキシ樹脂を接着剤として結合されることを特徴とし、前記マグネシウムボード板は、熱伝写により覆われてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前述のように本発明による暖房用発熱パネルは電源の供給が切られても保温性の高いグネシウムボード板により伝統的な韓国のオンドルのように温気が比較的に長く続く効果があるので、省エネルギーの側面で利点があり、遠赤外線の放射量が多いので人体に有益であり、高い強度を持つので安定的な施工も可能である。
【0011】
そして、底部材及び中空板により結露現象による漏電の防止ができ、底面を通じる熱損失の最小化が可能になる効果を持つのである。
【0012】
さらに、既存の電熱線を使う暖房器具に比べ電磁波の発生がない、全面発熱による全体的に均一な温度分布の実現が可能な効果があるのである。
【0013】
また、本発明による暖房用発熱パネルは床板のような形態で規定の規格で提供されるので、別の暖房施工が不必要で床の施工が簡単に仕上げられる効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明による暖房用発熱体に関するより具体的な説明をする。参考として図1は本発明の第1の実施態様による暖房用発熱パネルの平面図であり、図2は断面図を図示したものである。
【0015】
本発明による暖房用発熱パネルはその基本的な構成として面状発熱体(100)、マグネシウムボード板(200)、底部材(300)及び中空板(400)からなり、前記面状発熱体(100)は公知の様々な板状の面状発熱体を適用することもできる。前記面状発熱体は電流の流れにより発生するジュール熱により発熱されるもので、一般的にカーボンの成分が含まれた面状発熱体がよく使われる。
【0016】
前記面状発熱体(100)は、より望ましくは基本的にカーボンの面状発熱体であるが、遠赤外線の放射率が高い電磁波の遮蔽機能も持ち耐衝撃性と耐熱性も卓越した特性を持つように製造されたものである。すなわち、本発明に使われる面状発熱体はカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂が含まれたガラス繊維の織物で覆われ、銅版がガラス繊維の織物の両端部と結合されメラミン樹脂が銅版及びガラス繊維の織物の全体に覆われるようにし熱と圧力を加え圧着された面状発熱体である。このような構造を持つ面状発熱体は薄い板状の形態で均一な発熱ができる特性を持つ遠赤外線が放出されるもので、フィルム型面状発熱体に比べ耐衝撃性の高い、ガラス繊維の織物の特性上電磁波の遮蔽機能を持つ、高温(略120℃)にも使える特性をも持つものである。
【0017】
本発明に使われる面状発熱体の製造過程を察してみると、カーボンペーパはパルプ、カーボン極細糸、PVA、メラミン樹脂及びサイジング剤などを水に混入し薄い紙の形態で作られる。続いて前記カーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂が含まれたガラス繊維の織物を多段に積層し、長く板状で裁断された薄い銅版がガラス繊維の織物の両端部に固定される。続いて耐熱性の向上のため、メラミン樹脂を前記ガラス繊維の織物に塗布しプレス作業による加熱及び加圧で圧着するのである。プレス作業でカーボンペーパ、ガラス繊維の織物及びメラミン樹脂が一体に固定され面状発熱体になる。
【0018】
このような形態を持つ面状発熱体と従来フィルム型の面状発熱体の遠赤外線の放射率を測定し比較すると、深さ5〜20μmのフィルム型の面状発熱体の場合、放射率が0.883で、放射エネルギーは3.56100(W/mμm、40℃)であるのに対し、本発明による面状発熱体は同一の条件で0.903の放射率と4.73100(W/mμm、40℃)の放射エネルギーの測定結果が出されたのである。そこで本発明の面状発熱体が暖房器具に適用されると人体により有益なことが確実にわかるのである。
【0019】
前述の面状発熱体(100)の上面にはマグネシウムボード板(200)が結合される。前記マグネシウムボード板(200)は保温性と強度の高いもので、床に施工時安定的な作業が可能である。一方、前記マグネシウムボード板(200)は製造時、数回水の中に沈む工程(水槽工程)を行うことが望ましい。なぜならば、前記水槽工程によりMgO及びMgCl2のような塩基性の物質を除去できるし硬時変化による風化現象と黄変現象の防止のためである。
【0020】
前記マグネシウムボード板(200)はより望ましくはその両面にコーティング層(図示しない)が備われる。前記コーティング層は湿気に弱い問題を補完できるし、熱伝写による形成が可能である。それに前記マグネシウムボード板(200)と面状発熱体(100)とはエポキシ樹脂で結合される。なぜならば、本発明の面状発熱体はエポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物でプレスされ表面の状態が滑りすぎるので、一般の接着剤としては付着が難しいからである。
【0021】
次に前記マグネシウムボード板(200)の下面に付着される底部材(300)に関して説明する。前記底部材(300)は押出発泡のポリスチレンからなり上圧式の押出発泡で多数の気空が内部に備われる構造である。前記底部材の気孔は結露現象による湿気で漏電になることを防止するためのである。即ち、気孔は外部の空気が底部材の内部に流入されることを遮断し、これで結露現象の防止を可能とするためのである。
【0022】
なお、前記底部材(300)の場合、左右の両端部の縁の近くには面状発熱体(100)に連結されるリードワイヤ(315)が収容できる安着溝(310)が備えられ、前記安着溝(310)は外の部位より深く搾られ、ここにリードワイヤが収容されるのである。特に一定の規格を持つ複数の本発明による発熱パネルを連結し使う時前記安着溝にリードワイヤが収容され連続的な組み立てが可能となる。一方、前記底部材(300)と面状発熱体(100)及びマグネシウムボード板(200)との接合は前述のエポキシ樹脂を用い密閉されるようになる。
【0023】
本発明による発熱パネルは前記底部材(300)の下面に中空板(400)がもうひとつ結合され、前記中空板(400)の内部には多数の隔壁(410)が備えられ空気層が形成される隔室(420)が備えられる。前記中空板(400)の内部に存在する空気層により地面からの冷気流が遮断でき、前記中空板(400)としてはポリプロピレンで製造された板状のものが使われる。
また、前記発熱パネルの構成において前記リードワイヤ(315)にバイメタル(317)が設けられることが本発明の別の特徴である。前記バイメタル(317)の設置で規定された温度以上に上昇すればバイメタルの動作で電源が切られるので、火災の予防もできる。より具体的には、一例として略70℃以上の範囲で作動するバイメタルを使用し、リードワイヤと連結され設置されるバイメタルの位置は面状発熱体の下面に接するようにする。即ち、リードワイヤが面状発熱体に内部まで延長されるようにバイメタルが設置されるのである。それに複数の発熱パネルを連結し使用する場合には、各々の発熱パネルあたりにバイメタルが備われるようにし、そこで各発熱パネルは独立的に作動するのである。例えば本発明による発熱パネルの上面に布団のような物体が置かれた場合、布団で覆われた部位は他の部位に比べ温度が非常に上昇しこんな状態が長時間続く場合火災が起きる恐れがある。それに本発明は設定温度以上の上昇時バイメタルが作動し電源が遮断されるようになることである。
【0024】
以下、本発明による暖房用発熱パネルの別の実施態様(図3参考)に関する説明をする。
【0025】
本発明による別の実施態様として発熱パネルは面状発熱体(100)、マグネシウムボード板(200)及び底部材(300)からなる。前記面状発熱体(100)は前述のようにカーボン極細糸含みのカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物で覆い、前記ガラス繊維の織物の両端部に銅版と結合しメラミン樹脂で覆った後、圧着してから板状に成型され電気の供給により発熱するものである。このような面状発熱体の上面にマグネシウムボード板(200)が結合され、前記面状発熱体の下面には底部材(300)が設けられる。前記底部材(300)はポリスチレンのような素材を押出発泡し内部に気孔が形成されるように製造されるもので、前記底部材の縁にはリードワイヤ(315)が収容される安着溝(315)が備えられる。
【0026】
また、第1の実施態様のように前記面状発熱体(100)と結合されるマグネシウムボード板(200)及び底部材(300)は接着剤としてエポキシ樹脂が使用され、前記マグネシウムボード板(200)の表面は熱伝写によりコーティングさせるほうが望ましい。
【0027】
以下に上述のような構成の暖房用発熱パネルの作用関係に対する説明をする。電気の供給により面状発熱体は熱を発生する。このよにして発生する熱の大部は保温性の高いマグネシウムボード板に吸収され長時間温気が続くのである。即ち、本発明による暖房用発熱パネルは韓国の伝統的な暖房システムのオンドルと同じ特性を持ち、また面状発熱体の下部に底部材及び中空板が設置されるので、内外の空気の流れが遮断できるし、したがって結露現象も抑制できるし安定性を高めることもできる。それに底からの冷気が中空板により一次的に遮断され、また底部材により二次的に遮断できるので熱損失の最小化が可能になるのである。
【0028】
また、本発明による暖房用発熱パネルは複数のものを連続的に連結し設置することも可能で、この時はリードワイヤをお互い連結し底部材に形成される安着溝に前期リードワイヤが収容されるようにすることで別の仕上げの処理が不必要で設置がきれいにできる。
【0029】
また、本発明は各々の発熱パネルにバイメタルを設置し非常に急激な温度の上昇時、バイメタルの作動で電源が遮断されることで火災の予防が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施態様による暖房用発熱パネルの平面図。
【図2】図1のる暖房用発熱パネルの断面図。
【図3】本発明の別の実施態様による暖房用発熱パネルの断面図。
【符号の説明】
【0031】
100 面状発熱体
200 マグネシウムボード板
300 底部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気の供給で発熱する板状の面状発熱体(100)と、前記面状発熱体の上面に結合されるマグネシウムボード板(200)と、板状で発泡成型され前記面状発熱体(100)の下面に結合され上面の縁には前記面状発熱体に連結されるリードワイヤ(315)が収容される安着溝(315)を備える底部材(300)と、前記底部材の下面に結合され多数の隔壁(410)により空気層が形成される隔室(420)を備える中空板(400)とを含んで構成したことを特徴とする暖房用発熱パネル。
【請求項2】
前記暖房用発熱パネルは、リードワイヤ(315)にバイメタル(317)が連結され異常に温度が上昇した場合、電流の供給が遮断されるようになることを特徴とする請求項1記載の暖房用発熱パネル。
【請求項3】
前記面状発熱体は、カーボン極細糸含みのカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物で覆い、前記ガラス繊維の織物の両端部に銅版と結合しメラミン樹脂で覆った後、圧着してから板状になることを特徴とする請求項1または請求項2記載の暖房用発熱パネル。
【請求項4】
前記底部材は、ポリスチレンを押出発泡し多数の気孔が内部に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の暖房用発熱パネル。
【請求項5】
カーボン極細糸含みのカーボンペーパの上下面に各々エポキシ樹脂含みのガラス繊維の織物で覆い、前記ガラス繊維の織物の両端部に銅版と結合しメラミン樹脂で覆った後、圧着してから板状に成型され電気の供給により発熱する面状発熱体(100)と、前記面状発熱体の上面に結合されるマグネシウムボード板(200)と、押出発泡され内部に気孔が形成され、上面に前記面状発熱体とマグネシウムボード板が設けられ上面の左右側の縁にはリードワイヤ(315)が収容される安着溝(315)を備える底部材(300)とから構成されることを特徴とする暖房用発熱パネル。
【請求項6】
前記暖房用発熱パネルは、面状発熱体(100)と結合するマグネシウムボード板(200)と底部材(300)とをエポキシ樹脂を接着剤とし結合されることを特徴とする請求項1または請求項5記載の暖房用発熱パネル。
【請求項7】
前記マグネシウムボード板(200)は、熱伝写により覆われてあることを特徴とする請求項1または請求項5記載の暖房用発熱パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−183092(P2007−183092A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253(P2007−253)
【出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507005285)
【Fターム(参考)】