説明

曲面形成方法および半導体発光素子

【課題】曲面を自由に制御することの可能な曲面形成方法およびその方法を用いて形成した半導体発光素子を提供する。
【解決手段】曲面形成方法は、第2クラッド層13中の特定の元素の組成比fに応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより、特定の元素が結晶成長方向に組成比fの分布を有する第2クラッド層13を選択的に除去して、その表面に所定の曲面Sを形成する。例えば、エッチャントのエッチングレートをr(rは組成比fの関数となっている。)、エッチング時間をt、第2クラッド層13のエッチング前の半径をRとすると、(R−rt)=2(py)0.5 を満たすように、組成比fを設定することにより、曲面Sをパラボラ形状とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化合物半導体表面を曲面に加工する曲面形成方法、およびその曲面形成方法を用いて形成された半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)等の半導体発光素子の外部量子効率は、内部量子効率と光抽出効率との2つの要素からなり、これらの効率を改善することにより、長寿命、低消費電力、かつ、高出力の半導体発光素子を実現することが可能となる。ここで、前者の内部量子効率は、例えば、結晶欠陥や転位の少ない良質な結晶が得られるように成長条件を正確に管理したり、キャリア・オーバーフローの発生を抑制することの可能な層構造とすることにより改善される。一方、後者の光抽出効率は、活性層から発光した光が基板や活性層で吸収される前に出射窓に対して脱出円錐(エスケープ・コーン)角未満で入射する割合が多くなるような幾何形状や層構造とすることにより改善される。
【0003】
そうした形状や構造の1つに、マイクロリフレクタと呼ばれる構造がある(特許文献1)。これは、光取り出し側とは反対側にメサ部を設けると共にそのメサ部の表面に高反射率のミラーを設けた構造であり、これにより、光取り出し側とは反対側に発光した光を光取り出し側に反射することができるようになっている。しかしながら、この構造では、光取り出し側とは反対側に発光した光は発光ダイオード内で複数回反射したのち出射されることとなるため、複数回反射する間に活性層で吸収されたり、脱出円錐角未満で光取り出し側に入射できずに再度活性層側に反射される割合が多い。そのため、光抽出効率を大幅に改善することは困難である。
【0004】
そこで、光抽出効率をさらに改善するために、メサ部と高反射率のミラーとが接する面をパラボラ形状とする構造が考えられる(特許文献2)。この構造は、活性層の発光領域を点光源と仮定して曲面の焦点に配置すると、その発光領域から発光した光は1回の反射で光取り出し側に垂直に入射するようになっている。これにより、活性層での光の吸収を低減することができ、また、発光光が光取り出し側で反射されて再度活性層側に戻されることがないので、光抽出効率を大幅に改善することが可能である。
【0005】
【特許文献1】特表2004−506331号公報
【特許文献2】特開昭59−121985号公報
【特許文献3】特開平9−8266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献2記載の構造はパラボラ形状の曲面を有しているため、その曲面を通常のエッチングプロセスで形成することは極めて困難であるという問題がある。なお、一般に、曲面を形成する方法としてリフロー法と呼ばれる手法が知られているが(特許文献3)、この手法は、レジストを加熱変形させ、湾曲形状を記憶させた状態でドライエッチングを行うものであり、レジストの溶融によるダレを利用したものである。そのため、曲面の形状を自由に制御することは極めて困難であり、ましてやパラボラ形状の曲面を形成することは到底不可能である。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、曲面の形状を自由に制御することの可能な曲面形成方法およびその方法を用いて形成した曲面を有する半導体発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の曲面形成方法は、化合物半導体中の特定の元素の組成比に応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより、特定の元素が結晶成長方向に組成比の分布を有する化合物半導体層を選択的に除去して、その表面に所定の曲面を形成するものである。
【0009】
本発明の曲面形成方法では、化合物半導体中の特定の元素の組成比の分布を調整することにより曲面の形状が制御される。これにより、曲面を例えば、パラボラ形状とすることも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の曲面形成方法によれば、化合物半導体中の特定の元素の組成比の分布を調整することにより曲面の形状を制御するようにしたので、任意の曲面を形成することができる。したがって、この曲面形成方法を用いることにより、任意の曲面を有する半導体発光素子を容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1(A)は、本発明の一実施の形態に係る発光ダイオード(LED)の断面構造を表したものである。図1(B)は、図1(A)の第2クラッド層13A中の特定の元素の組成比fの積層方向の分布を表したものである。なお、図1(A)は、模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なっている。
【0013】
この発光ダイオードは、基板10の一面側に、第1クラッド11、活性層12、第2クラッド層13およびコンタクト層14をこの順に積層した積層構造を有する。コンタクト層16の表面にはp側電極16、基板10の裏面にはn側電極17がそれぞれ形成されている。この発光ダイオードは、活性層12から発せられた発光光線を基板10の開口Wから出射するように構成された上面発光型の発光素子である。
【0014】
基板10、第1クラッド11、活性層12、第2クラッド層13およびコンタクト層14は、例えば、AlGaInP系半導体によりそれぞれ構成されてなる化合物半導体層である。なお、AlGaInP系半導体とは、長周期型周期表における3B族元素のアルミニウム(Al),ガリウム(Ga)またはインジウム(In)と、5B族元素のリン(P)とを含む化合物半導体のことをいう。
【0015】
基板10は、活性層12からの発光光を吸収することのない、光学的に透明な材料、例えば、ガリウム燐(GaP)などにより構成される。
【0016】
活性層12は、例えば、量子井戸層(図示せず)と障壁層(図示せず)とを交互に積層してなる多重量子井戸構造を備えており、アンドープIna Ga1-a P(0<a<1)からなる量子井戸層とアンドープ(Alb Ga1-b 1-c Inc P(0<b≦1,0<c<1)からなる障壁層とを一組として、それを複数積層して構成される。また、活性層12は、第2クラッド層13と比べて十分に小さな体積からなる発光領域12Aを中心領域に有している。ここで、活性層12のIn組成比a,cおよびAl組成比bは、発光波長や発光波長幅、光密度などを勘案して決定される。なお、活性層13は、多重量子井戸構造以外の構造、例えば単一量子井戸構造やバルク構造を有するものであってもよい。
【0017】
第1クラッド層11は例えばn型(Ald Ga1-d 1-e Ine P(0<d≦1,0<e<1)により、第2クラッド層13は例えばp型(AlfaGa1-fa1-g Ing P(0<fa≦1,0<g<1)によりそれぞれ構成される。また、第1クラッド層11および第2クラッド層13は、活性層12より大きなバンドギャップを有する。ここで、第1クラッド層11および第2クラッド層13のAl組成およびIn組成は、活性層11に対するキャリアの閉じ込め性や注入性などを勘案して決定される。
【0018】
第2クラッド層13は、組成比fが積層方向(結晶成長方向)に連続的に変化する特定の元素を含有しており、その特定の元素の組成比fに応じてエッチングレートrの異なる(すなわち、エッチングレートrが組成比fの関数となっている)エッチャントにより形成された曲面Sを有している。例えば、以下の式(1)を満たすように組成比fが設定されている場合には、曲面Sは、基板10の表面に平行な軸(積層方向に垂直な軸)をX、基板10の表面に垂直な軸(積層方向に平行な軸)をYとすると、Y軸上に焦点を有すると共にその焦点を基準として活性層12とは反対側のY軸上に頂点を有する放物線を、Y軸を回転軸として360°回転させることにより得られる面、いわゆるパラボラ形状の曲面となる。
(R−rt)=2(py)0.5 …(1)
【0019】
ここで、Rは第2クラッド層13のエッチング前の半径、tはエッチング時間、pはパラボラ形状の曲面の焦点と頂点との距離、yはパラボラ形状の曲面の頂点から焦点側に向かう距離である。なお、パラボラ形状の曲面の焦点が活性層12の発光領域12Aの中心部分と対応しているので、発光領域12Aはパラボラ形状の曲面の焦点およびその近傍に点光源として配置されている。
【0020】
例えば、第2クラッド層13A(第2クラッド層13のエッチング前の層)を、図1(B)に示したようなAl組成比faの分布を積層方向に有する(AlfaGa1-fa1-g Ing Pにより構成し、かつ、図2に示したように、(AlfaGa1-fa1-g Ing P中のAl組成比faに応じてエッチングレートの異なるエッチャント、例えば、加水すると共に約30℃に加熱した硫酸(H2 SO4 )により選択的に除去することにより、第2クラッド層13の曲面Sを上記したようなパラボラ形状の曲面とすることができる。
【0021】
ところで、第2クラッド層13は、エッチャントにより除去されていない(またはほとんど除去されていない)残留部18を有する。この残留部18は、第2クラッド層13のうち活性層12近傍に設けられており、図1(B)に示したように、Al組成比faが所定の値より小さな領域Aに対応している。この領域Aは、図2に示したように、(AlfaGa1-fa1-g Ing Pのエッチングレートrがほとんどゼロとなる領域に相当することから、残留部18はエッチャントにより除去されずに(またはほとんど除去されずに)活性層12表面に残留した部分に相当する。したがって、残留部18はエッチングストップ層としての機能を有する。このように、第2クラッド層13のうち活性層12近傍の層にエッチングストップ層としての機能を持たせているので、第2クラッド層13を選択的に除去する際に活性層12が露出する虞がない。そのため、第2クラッド層13と活性層12との間に別途、光吸収層としての機能も有するエッチングストップ層を設ける必要はない。
【0022】
コンタクト層14は、例えばp型GaPにより構成され、第2クラッド層13の頂点およびその近傍の表面上に設けられている。
【0023】
反射膜15は、例えば酸化シリコン(SiO2 )層および銀(Ag)層を曲面Sの表面にこの順に積層した構造を有しており、活性層12からの発光光を高反射率で反射するようになっている。反射膜15に含まれるAg層は、コンタクト層14と電気的に絶縁されている。なお、反射膜15は、全指向性反射層により構成されていてもよい。
【0024】
p側電極16は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をコンタクト層14の表面にこの順に積層した構造を有しており、コンタクト層16と電気的に接続されている。また、n側電極17は、例えば、金(Au)とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とをこの順に積層した構造を有しており、基板10と電気的に接続されている。なお、n側電極17は、基板10の裏面のうち曲面Sの開口部に対応する領域(開口Wに相当する)を取り囲むような態様で設けられている。
【0025】
このような構成を有する発光ダイオードは、例えば次のようにして製造することができる。
【0026】
この発光ダイオードを製造するためには、例えばGaAsからなる基板10上に、AlGaInP系半導体層を、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により形成する。この際、AlGaInP系半導体の原料としては、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン (PH3 ) を用い、ドナー不純物の原料としては、例えばセレン化水素(H2 Se)を用い、アクセプタ不純物の原料としては、例えばジメチル亜鉛(DMZn)を用いる。
【0027】
具体的には、まず、図3(A)に示したように、基板10の表面に、第1クラッド11、活性層12、第2クラッド層13A、コンタクト層14Aおよびレジスト層T1をこの順に積層させる。このとき、第2クラッド層13Aの特定の元素の組成比fが、所定の分布となるように原料ガスを調整する。
【0028】
次に、図3(B)に示したように、第2クラッド層13Aの特定の元素の組成比fに応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより第2クラッド層13Aを選択的に除去して曲面Sを形成する。
【0029】
例えば、第2クラッド層13Aを、図1(B)に示したようなAl組成比faの分布を積層方向に有する(AlfaGa1-fa1-g Ing Pにより構成し、かつ、図2に示したように、(AlfaGa1-fa1-g Ing P中のAl組成比faに応じてエッチングレートの異なるエッチャント、例えば、加水すると共に約30℃に加熱した硫酸(H2 SO4 )により選択的に除去してパラボラ形状の曲面を形成する。その後、レジスト層T1を除去する。
【0030】
次に、図4(A)に示したように、コンタクト層14A上に、コンタクト層14が形成されることとなる領域と対向する領域にレジスト層T2を形成する。その後、図4(B)に示したように、コンタクト層14Aを選択的に除去して、コンタクト層14を形成したのち、レジスト層T2を除去する。
【0031】
次に、図1(A)に示したように、例えば真空蒸着法により、曲面Sの表面上に反射膜15を、コンタクト層14上にp側電極16を、基板10の裏面のうち曲面Sの開口部に対応する領域(開口Wに相当する)を除く領域にn側電極17をそれぞれ形成する。このようにして、本実施の形態の発光ダイオードが製造される。
【0032】
次に、本実施の形態の発光ダイオードの作用・効果について説明する。
【0033】
本実施の形態の発光ダイオードでは、p側電極16とn側電極17との間に所定の電圧が印加されると、n側電極17から電子が、p側電極16から正孔がそれぞれ活性層12へ注入される。そして、この活性層12に注入された電子と正孔が再結合することにより発光領域12Aから光子が発生し、その結果、発光光が基板10の裏面から外部に出射される。
【0034】
このとき、第2クラッド層13Aの特定の元素の組成比fが上記した式(1)を満たす場合には、エッチャントにより選択的に除去された第2クラッド層13Aの曲面Sはパラボラ形状の曲面となっており、さらに、発光領域12Aはそのパラボラ形状の曲面の焦点およびその近傍に点光源として配置されることとなる。これにより、発光領域12Aから発光した発光光のうち、開口W(光取り出し側)とは反対側に発光した光を1回の反射で開口Wにほぼ垂直に入射させることができる。その結果、活性層12での光の吸収を低減することができ、また、発光光が光取り出し側で反射されて再度活性層12側に戻されることがないので、光抽出効率を大幅に改善することができる。
【0035】
また、上記したように、第2クラッド層13のうち活性層12近傍の層にエッチングストップ層としての機能を持たせているので、光吸収層としての機能を有するエッチングストップ層を別途設ける必要はない。これにより、第2クラッド層13で光が吸収されることはほとんどないので、光抽出効率を悪化させる虞はない。
【0036】
このように、本実施の形態の曲面形成方法では、第2クラッド層13の特定の元素の組成比fの分布を調整すると共に、第2クラッド層13中の特定の元素の組成比fに応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより選択的に除去するようにしたので、その表面に任意の曲面Sを形成することができ、パラボラ形状の曲面を容易に形成することができる。
【0037】
また、本実施の形態の半導体発光素子では、上記曲面形成方法を用いて曲面Sを形成するようにしたので、製造方法を複雑化することなく、光抽出効率を大幅に改善することが可能である。特に、曲面Sをパラボラ形状とした場合には、光抽出効率を大幅に改善することができる。
【0038】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
【0039】
例えば、上記実施の形態では、本発明の曲面形成方法をAlGaInP系の発光ダイオードに適用する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、AlGaAs系の発光ダイオードに適用することも可能である。具体的には、第2クラッド層のエッチング前の層を、上記実施の形態と同様、Al組成比kaの分布を積層方向に有するAlkaGa1-kaAs(0<ka≦1)により構成し、かつ、AlkaGa1-kaAs中のAl組成比kaに応じてエッチングレートの異なるエッチャント、例えば、フッ化アンモニウムとフッ酸との混合液により選択的に除去することにより、第2クラッド層の表面に任意の曲面Sを形成することができ、パラボラ形状の曲面を容易に形成することができる。
【0040】
また、上記実施の形態では、本発明の曲面形成方法を発光ダイオードの製造に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の半導体素子の製造に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態に係る発光ダイオードの断面構成図である。
【図2】Al組成比とエッチングレートとの関係を表す図である。
【図3】図1の発光ダイオードの製造工程を説明するための断面構成図である。
【図4】図3の続きの製造工程を説明するための断面構成図である。
【符号の説明】
【0042】
10…基板、11…第1クラッド層、12…活性層、12A…発光領域、13,13A…第2クラッド層、14,14A,14B…コンタクト層、15…反射膜、16…p側電極、17…n側電極、A…領域、f…第2クラッド層中の特定の元素の組成比、fa…第2クラッド層中のAl組成比、r…エッチングレート、R…半径、p…曲面の焦点と頂点との距離、S…曲面、t…エッチング時間、T1,T2…レジスト層、W…開口、y…曲面の頂点から焦点側に向かう距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物半導体中の特定の元素の組成比に応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより、前記特定の元素が結晶成長方向に組成比の分布を有する化合物半導体層を選択的に除去して、その表面に所定の曲面を形成する
ことを特徴とする曲面形成方法。
【請求項2】
前記曲面が、結晶成長方向に垂直な軸をX、結晶成長方向に平行な軸をYとすると、Y軸上に焦点および頂点を有する放物線を、Y軸を回転軸として360°回転させることにより得られる面となるように、前記特定の元素の組成比を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の曲面形成方法。
【請求項3】
前記化合物半導体は、Alを含んで構成されており、
前記化合物半導体のAl組成比をfa、前記エッチャントのエッチングレートをr(rはfaの関数となっている)、エッチング時間をt、前記化合物半導体のエッチング前の半径をR、前記曲面の焦点と頂点の距離をp、前記曲面の頂点から焦点側に向かう距離をyとすると、以下の式(1)を満たすように、Al組成比faを設定する
(R−rt)=2(py)0.5 …(1)
ことを特徴とする請求項2に記載の曲面形成方法。
【請求項4】
前記化合物半導体は、(Alf Ga1-f 1-g Ing P(0<f≦1,0<g<1)を含んで構成されており、
前記エッチャントは、加水したH2 SO4 である
ことを特徴とする請求項3に記載の曲面形成方法。
【請求項5】
前記化合物半導体は、Alk Ga1-k As(0<k≦1)を含んで構成されており、
前記エッチャントは、フッ化アンモニウムとフッ酸との混合液である
ことを特徴とする請求項3に記載の曲面形成方法。
【請求項6】
活性層と、前記活性層より大きなバンドギャップを有し、前記活性層の両側に配置された一対のクラッド層とを含んで構成された化合物半導体層を備えた半導体発光素子であって、
前記一対のクラッド層の一方は、組成比が積層方向に連続的に変化する特定の元素を含有すると共に、その特定の元素の組成比に応じてエッチングレートの異なるエッチャントにより形成された曲面を有する
ことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項7】
前記曲面が、積層方向に垂直な軸をX、積層方向に平行な軸をYとすると、Y軸上に焦点を有すると共にその焦点を基準として前記活性層とは反対側のY軸上に頂点を有する放物線を、Y軸を回転軸として360°回転させることにより得られる面となるように、前記特定の元素の組成比が設定されている
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記一対のクラッド層の一方は、Alを含有する化合物半導体であり、
前記一対のクラッド層の一方のAl組成比をfa、前記エッチャントのエッチングレートをr(rはfaの関数となっている)、エッチング時間をt、前記一対のクラッド層の一方のエッチング前の半径をR、前記曲面の焦点と頂点の距離をp、前記曲面の頂点から焦点側に向かう距離をyとすると、以下の式(2)を満たすように、Al組成比faが設定されている
(R−rt)=2(py)0.5 …(2)
ことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
前記一対のクラッド層の一方は、(Alf Ga1-f 1-g Ing P(0<f≦1,0<g<1)を含んで構成されており、
前記エッチャントは、加水したH2 SO4 である
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。
【請求項10】
前記一対のクラッド層の一方は、Alk Ga1-k As(0<k≦1)を含んで構成されており、
前記エッチャントは、フッ化アンモニウムとフッ酸との混合液である
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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