説明

有機アミノシラン前駆体からの酸化ケイ素膜の製造方法

【課題】シラン酸化物前駆体の化学気相成長によって基材上に酸化ケイ素膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】以下式のシラン前駆体と酸化剤との反応による。


(式中、R及びRは、直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和のC〜C10のアルキル基、芳香族、アルキルアミノ基からなる群より選択され;式A及び式C中において、RとRは、環状基(CHになっていてもよく(nは1〜6、好ましくは4及び5)、且つRは、一重結合、(CH鎖、環、SiR又はSiHを表す)。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイスの製作においては、酸化ケイ素などの化学的に不活性な誘電体材料の薄い不動態層が必要不可欠である。酸化ケイ素の薄層は、ポリシリコンと金属層の間の絶縁体、拡散マスク、酸化バリヤー、トレンチ分離、高い絶縁破壊電圧を有する金属間絶縁材料、及びパッシベーション層として機能する。
【0002】
以下の論文及び特許は、酸化ケイ素膜を製造するためにエレクトロニクス産業で用いられている堆積プロセスの合成法に関する当技術分野の代表的なものとして引用される。
【0003】
特許文献1は、低圧化学気相成長(LPCVD)によって基材上に改善された堆積速度で実質的に均一な厚さを有する二酸化ケイ素層を製造するための方法を開示している。反応体は酸化剤とクロロシランの混合物を一般に含み、このクロロシランは式RSiHCl(式中、R及びRはアルキル基を表す)のモノクロロシランである。二酸化ケイ素層は、種々の基材、例えば、アルミニウム上に堆積させることができる。
【0004】
特許文献2は、半導体基材上にSiO膜を堆積させるためのCVDプロセスを開示している。有機シリコン化合物、例えば、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)又はジ−tert−ブチルシランが前駆体として用いられている。
【0005】
特許文献3は、ALDにより、式Si[N(CH、SiH[N(CH、SiH[N(CH又はSiH[N(CH]の化合物を使用して、窒化ケイ素及び酸化ケイ素膜を製造するための方法を開示している。トリスジメチルアミノシラン(TDMAS)が前駆体として好ましい。
【0006】
特許文献4は、前駆体反応体としてビス−tert−ブチルアミノシラン(BTBAS)を使用することを含む酸化ケイ素、窒化ケイ素及び酸窒化ケイ素膜の形成において、堆積速度を向上させるための方法を開示している。
【0007】
特許文献5は、CVD反応器を用いて基材上にSiO膜を堆積するための方法を開示している。ケイ素の前駆体、すなわちTEOS、ジエチルシラン、テトラメチルシクロテトラオキシシロキサン、フルオロトリエトキシシラン、及びフルオロトリアルコキシシランが、水及び過酸化水素と組み合わせて反応体として使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,250,473号明細書
【特許文献2】米国特許第5,382,550号明細書
【特許文献3】米国特許第6,391,803号明細書
【特許文献4】米国特許第6,153,261号明細書
【特許文献5】米国特許第6,974,780号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、基材上に酸化ケイ素層を堆積させる方法に関する。基材上に酸化ケイ素層を形成するための基本的なプロセスでは、基材上に酸化ケイ素層を生成するための条件下で、堆積チャンバーにおいてシラン前駆体を酸化剤と反応させる。本明細書で記載されるプロセスでは、有機アミノシランをシラン前駆体として用いる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前駆体として用いられる化合物のクラスは、一般に以下の式によって表される:
【0011】
【化1】

(式中、
R及びRは、直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和のC〜C10のアルキル基、芳香族、アルキルアミノ基からなる群より選択され;
式A及び式C中において、RとRは、環状基(CHになっていてもよく(nは1〜6、好ましくは4及び5)、且つ
は、一重結合、(CH鎖、環、SiR又はSiHを表す)。
【0012】
好ましい化合物は、RとRの両方がイソプロピルである式A中の化合物である。
【0013】
CVDプロセスで用いられる前駆体は、多くの利点を提供することができ、これらの利点としては、下記の点を挙げることができる:
低温条件での誘電体膜の形成を促進できること;
低い酸エッチ速度を有する膜を製造できること;
前駆体と酸素含有源との比を変化させることにより、得られる酸化ケイ素膜の炭素含有量を調整できること;
前駆体と窒素含有源との比を変化させることにより、得られる酸化ケイ素膜の窒素含有量を調整できること;
優れた堆積速度で酸化ケイ素膜を形成できること;及び
種々のシラン前駆体を使用した場合に過度の分解速度によって一般に生じる多くの製造上の問題を克服できること。
【発明を実施するための形態】
【0014】
化学気相成長(CVD)及びプラズマ化学気相成長(PECVD)によって半導体基材上に酸化ケイ素膜を形成することが周知であり、このような堆積プロセスは、本発明の実施において使用することができる。これらのプロセスでは、反応器チャンバーを排気し、半導体基材をその中に置く。次いで、有機ケイ素化合物と酸化源を、酸化ケイ素層が半導体ウェハ上に形成される条件下で、反応器チャンバーに提供する。これらの膜はまた、プロセスの間の炭素、水素及び窒素源の添加によって、炭素、窒素及び水素の含有量を調整できる(ドーピングと称されることがある)。有機アミノシラン前駆体の使用によって製造された膜は、酸化ケイ素膜、酸炭化ケイ素膜、酸窒化ケイ素膜、及び炭酸窒化ケイ素膜と称されることがある。
【0015】
本発明の実施に適したケイ素化合物の1つのクラスは、有機アミノシラン前駆体であり、これは以下の式Aによって表される。
【0016】
【化2】

【0017】
化合物のこのクラスでは、R及びRは、直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和のC〜C10のアルキル基、芳香族、アルキルアミノ基、複素環、水素、シリル基からなる群より選択され、置換基を有していても有していなくてもよい。RとRは、組み合わされて環状基になっていてもよい。代表的な置換基は、アルキル基、特にC〜Cのアルキル基、例えば異性体を含むエチル、プロピル及びブチル;環状基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0018】
このクラスのうち好ましい化合物の幾つかの例は、以下の式によって表される(nは1〜6、好ましくは4又は5):
【0019】
【化3】

【0020】
酸化ケイ素層の製造において使用するのに好適な有機アミノシラン前駆体の第2のクラスは、式Bによって表されるように、1つの窒素原子からぶら下がった2つのシリル基を有する有機アミノシランである。
【0021】
【化4】

【0022】
クラスAの化合物におけるR基の場合と同様に、Rは、直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和のC〜C10のアルキル基、芳香族、アルキルアミノ基、及び複素環からなる群より選択される。具体的なRとしては、メチル、エチル、プロピル、アリル、ブチル、ジメチルアミン基、及び環状基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0023】
例示の化合物は、以下の式によって表される:
【0024】
【化5】

【0025】
アミノシラン化合物の第3のクラスは、式Cによって表される。これらは一般に、R及びRが式AのR及びRと同じであるジアミノジシリル化合物である。R基は、窒素原子を架橋している。R基は単に、窒素原子間の一重結合である場合があり、又は架橋基、例えばSiR、SiH、連鎖又は環であってよい。
【0026】
式Cは以下のとおりである。
【0027】
【化6】

【0028】
具体例としては、以下の式によって表されるものが挙げられる。
【0029】
【化7】

【0030】
上記の複数の有機アミノシランは半導体基材上に酸化ケイ素膜を製造するのに適しているが、式Aの有機アミノシランが好ましいことを見出した。ジアルキルアミノシランは、同様の誘電率を有する膜を形成するという点で、前駆体としての従来のシランの幾つかの基準を満たす。特に、ジイソプロピルアミノシランは、優れた低エッチ速度を提供し、安定でかつ他の多くのシラン前駆体よりも長い保存寿命を有するという点で、プロセスにおいて予想外の特性を提供する。
【0031】
酸化ケイ素膜は、化学気相成長(CVD)、低圧化学気相成長(LPCVD)、プラズマCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)などのために設計された堆積チャンバーにおいて形成することができる。本明細書で用いられるCVDという語は、半導体産業で用いられるこれらプロセスのそれぞれを包含するものである。
【0032】
堆積チャンバーにおいてジアルキルアミノシランを酸化ケイ素に転化するための酸素源として、通常の酸化剤を使用することができる。代表的な酸化剤としては、過酸化水素、亜酸化窒素、オゾン及び分子状酸素が挙げられる。典型的には、酸化剤/シラン前駆体の比は、0.1よりも大きく、好ましくは有機アミノシラン前駆体1モル当たり酸化剤が0.1〜6モルである。
【0033】
酸窒化ケイ素膜の形成に使用できる通常の窒素源としては、アンモニア、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン及びそれらの混合物が挙げられる。
【0034】
本明細書において記載される式A及びBの有機アミノシランを用いると、製造者はCVDによって比較的低い温度で、酸化ケイ素膜を形成することができるが、450〜600℃の一般的な温度範囲で行うこともできる。
【0035】
低圧化学気相成長(LPCVD)プロセスは、種々の基材、例えばシリコン及びアルミニウム上で、一般には0.1〜500Torr、好ましくは0.5〜20Torrの圧力範囲内で行うことができる化学反応を伴う。高圧のCVDでは、所望の基材に達する前に、気相での核生成又は予備堆積が起こることがある。不活性ガス、例えば窒素及びヘリウムによるシラン前駆体の希釈が、このような高圧の反応のために必要とされる場合がある。製造者が不活性ガスを使用して前駆体の対応する希釈を達成することにより、堆積の共形性を改善することができ又は化学気相浸透のための浸入を改善することができる。
【0036】
特定のシラン前駆体として、イソプロピルアミノシラン、好ましくはジイソプロピルアミノシランを使用することで、5Å/分〜60Å/分の速度で堆積し、屈折率が1.45〜1.70であり、かつ(1%HF溶液での)ウェットエッチ速度が0.01Å/秒〜1.5Å/秒である酸化物膜を形成することができる。
【0037】
以下の例は、本発明の種々の実施態様を説明するために与えられるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0038】
[一般的手順]
酸化ケイ素堆積物のための実験用前駆体を評価するのに用いられるLPCVD反応器において、前駆体を試験した。前駆体を脱ガスし、低圧マスフローコントローラ(MFC)を通じて、反応器に計量供給した。化学物質の質量損失と流れ時間に対して、MFC流量を較正した。酸素などの追加の反応体、及び窒素及びヘリウムなどの希釈剤も同様に、較正されたMFCを通じて反応器に計量供給した。10−4Torr(0.013Pa)未満に反応器を排気できるルーツブロワー/ドライポンプの組合せに、反応器を連結した。堆積中にシリコンウェハの装填物にわたる温度は、設定点の1℃以内にした。
【0039】
ウェハを石英ボート上に装填して反応器に挿入した。反応器をポンプにより基準圧にして漏れをチェックする。系をガス流によってプロセス温度まで上げた。このガス流は、反応器が温まったときにシリコンウェハが酸化するのを防ぐために、残留する酸素又は水分を希釈するものである。次いで、反応器を所定の時間安定化させて、すべてのウェハ表面を、付属の熱電対を用いて、ウェハについて先の測定により決定されたのと等しい温度にした。
【0040】
制御された圧力で所定の堆積時間にわたって、ガス及び蒸気を反応器に注入した。次に、ガスを遮断し、反応器をポンプで基準圧にした。次いで、反応器が冷却されるときに、反応性のガス及び蒸気を除去するために、反応器をポンプでパージし、ポンプを停止しそしてポンプでパージした。反応器を大気圧に戻し、ウェハを取り出し、そして室温に冷却した。次いで、堆積膜を、膜厚、膜の屈折率、膜応力、赤外線吸光度、誘電率及び酸エッチ速度について測定した。
【実施例】
【0041】
[例1]
[ジエチルアミノシラン前駆体を用いた酸化ケイ素膜の形成]
以下の反応体及び流量条件を用いて、上で概説した一般的手順に従った。ジエチルアミノシラン(DEAS)11.7sccmを、O5.9sccmとともに、0.6Torrで、74分の堆積時間にわたって、500℃で、LPCVD反応器に流した。
【0042】
酸化ケイ素膜の平均の膜厚は123nmであり、屈折率は1.459であった。1%HF溶液でのこの膜のウェットエッチ速度は1.38Å/秒であった。赤外スペクトルはSi−O−Siの吸収が顕著であった。C−Hの吸収はノイズ中にあり、膜が二酸化ケイ素であることを示した。ラザフォード後方散乱分光法(前方散乱による水素)による膜組成の分析は、この膜が28原子%のケイ素、57原子%の酸素、11原子%の水素、3原子%の炭素及び1原子%の窒素であることを示した。このことは、この膜が、水素、炭素及び窒素の不純物を有する二酸化ケイ素であることを示している。
【0043】
[例2]
[ジエチルアミノシラン前駆体を用いた酸化ケイ素膜の形成]
プロセス条件を除いて例1の手順に従った。この目的は、より高い温度と短い反応時間の効果を決定することであった。この例では、ジエチルアミノシラン(DEAS)11.7sccmを、O5.9sccmとともに、0.6Torrで、33分の堆積時間にわたって、600℃で、反応器に流した。
【0044】
酸化ケイ素膜の平均の膜厚は157nmであり、屈折率は1.501であった。1%HF溶液でのこの膜のウェットエッチ速度は0.41Å/秒であった。赤外スペクトルはSi−O−Siの吸収が顕著であった。C−Hの吸収はノイズ中にあり、膜が酸化ケイ素であることを示した。ラザフォード後方散乱分光法(前方散乱による水素)による膜組成の分析は、この膜が27原子%のケイ素、47原子%の酸素、15原子%の水素、7原子%の炭素及び4原子%の窒素であることを示した。このことは、この膜が、水素、炭素及び窒素の不純物を有する二酸化ケイ素であることを示している。
【0045】
[例3]
[ジイソプロピルアミノシラン前駆体を用いた酸化ケイ素膜の形成]
プロセス条件及び前駆体を除いて本質的に例1の手順に従った。この例では、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)10.5sccmを、O5.0sccmとともに、0.6Torrで、74分の堆積時間にわたって、500℃で、反応器に流した。
【0046】
酸化ケイ素膜の平均の膜厚は112nmであり、屈折率は1.458であった。1%HF溶液でのこの膜のウェットエッチ速度は1.39Å/秒であった。赤外スペクトルはSi−O−Siの吸収が顕著であった。C−Hの吸収はノイズ中にあり、膜が酸化ケイ素であることを示した。ラザフォード後方散乱分光法(前方散乱による水素)による膜組成の分析は、この膜が28原子%のケイ素、55原子%の酸素、12原子%の水素、3原子%の炭素及び2原子%の窒素であることを示した。このことは、この膜が、水素、炭素及び窒素の不純物を有する二酸化ケイ素であることを示している。
【0047】
[例4]
[ジイソプロピルアミノシラン前駆体を用いた酸化ケイ素膜の形成]
プロセス条件及び前駆体を除いて例2の手順に従った。この例では、ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)10.5sccmを、O5.0sccmとともに、0.6Torrで、33分の堆積時間にわたって、600℃で、反応器に流した。
【0048】
酸化ケイ素膜の平均の膜厚は124nmであり、屈折率は1.495であった。1%HF溶液でのこの膜のウェットエッチ速度は0.42Å/秒であった。赤外スペクトルはSi−O−Siの吸収が顕著であった。C−Hの吸収はノイズ中にあり、膜が酸化ケイ素であることを示した。ラザフォード後方散乱分光法(前方散乱による水素)による膜組成の分析は、この膜が28原子%のケイ素、51原子%の酸素、11原子%の水素、6原子%の炭素及び4原子%の窒素であることを示した。このことは、この膜が、水素、炭素及び窒素の不純物を有する二酸化ケイ素であることを示している。
【0049】
まとめると、例1〜4は、式Aで示されるタイプの有機アミノシランが、半導体基材上に酸化ケイ素膜を製造するための前駆体として使用できることを示している。ジイソプロピルアミノシラン(DIPAS)は、低エッチ速度の酸化物のプロセスにおいて、前駆体としてのジエチルアミノシラン(DEAS)の使用に対する利点をもたらす。DEASは、室温でDIPASよりも不安定である。DEASの不安定な性質は、多くのEH&Sマネジメント、製造、供給ライン(倉庫保管及び船積みを含む)及びエンドユーザプロセスの問題を引き起こす場合がある。例3及び4は、DIPASから形成された酸化物膜が、同様のプロセス条件下で例1及び2においてDEASから形成された酸化物膜と同じエッチ速度、誘電率、屈折率及び定性的組成(FTIRによる)を一般に有することを示している。したがって、化学及びプロセス両方の観点から、DIPASは、低エッチ速度の酸化ケイ素膜を製造するための好ましい前駆体である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式によって表される有機アミノシランからなる群より選択されるシラン前駆体を使用することを含む、酸化剤との反応によるシラン酸化物前駆体の化学気相成長によって基材上に酸化ケイ素膜を形成する方法:
【化1】

(式中、
R及びRは、直鎖、分枝又は環状の飽和又は不飽和のC〜C10のアルキル基、芳香族、アルキルアミノ基からなる群より選択され;
式A及び式C中において、RとRは、環状基(CHになっていてもよく(nは1〜6、好ましくは4及び5)、且つ
は、一重結合、(CH鎖、環、SiR又はSiHを表す)。
【請求項2】
前記有機アミノシランが式Aによって表され、且つR及びRが2〜4個の炭素を有するアルキル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
R及びRが環状である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
R及びRが組み合わさって(CHの形態の環になっており、且つnが4又は5である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
R及びRがイソプロピルである、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記有機アミノシランが以下の式によって表される(式中、nは4及び5からなる群より選択される)、請求項1に記載の方法:
【化2】

【請求項7】
前記酸化剤が、酸素、過酸化水素、オゾン及び亜酸化窒素からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記有機アミノシランが式Bによって表され、且つ前記有機アミノシランが以下の式を有する群より選択される、請求項1に記載の方法:
【化3】

【請求項9】
酸素源が、酸素、過酸化水素、オゾン及び亜酸化窒素からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記有機アミノシランが以下の式によって表される、請求項9に記載の方法:
【化4】

【請求項11】
前記有機アミノシランが式Cによって表され、且つ前記有機アミノシランが以下の式を有する群より選択される、請求項1に記載の方法:
【化5】

【請求項12】
炭素及び水素でドープされた酸化ケイ素膜を形成するために、炭素及び水素源を堆積チャンバーに導入する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
炭素、窒素及び水素でドープされた酸化ケイ素膜を形成するために、窒素源を堆積チャンバーに導入する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化学気相成長チャンバーにおいて化学気相成長により基材上に酸化ケイ素の誘電体層を製造するための方法であって、
ジイソプロピルアミノシランと酸化剤を前記ジイソプロピルアミノシランと前記酸化剤を反応させるための条件下で前記化学気相成長チャンバーに導入し、前記基材上に酸化ケイ素層を堆積させることを含む、方法。
【請求項15】
前記酸化剤が、オゾン、酸素、亜酸化窒素及び過酸化水素からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
350〜700℃の温度と0.1〜500Torrの圧力を前記化学気相成長チャンバーにおいて用いる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ジイソプロピルアミノシランと酸化剤とのモル比が、ジイソプロピルアミノシラン1モル当たり0.1〜10モルの酸化剤である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
化学気相成長チャンバーにおいて化学気相成長により基材上に酸窒化ケイ素の誘電体層を製造するための方法であって、
ジイソプロピルアミノシラン、窒素源及び酸化剤を、前記ジイソプロピルアミノシランと、前記酸化剤及び前記窒素源とを反応させるための条件下で前記化学気相成長チャンバーに導入し、前記基材上に酸窒化ケイ素層を堆積することを含む、方法。
【請求項19】
前記酸化剤が、オゾン、酸素、亜酸化窒素及び過酸化水素からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記窒素源が、アンモニア、ヒドラジン、アルキルヒドラジン、ジアルキルヒドラジン及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項18に記載の方法。

【公開番号】特開2011−159992(P2011−159992A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−82821(P2011−82821)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2010−249926(P2010−249926)の分割
【原出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】