説明

有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の処理方法

【課題】低レベル放射性廃棄物中にポリ塩化ビニル(PVC)等のハロゲン系有機ポリマーを含んでいても、高減容化可能な低レベル放射性廃棄物の処理方法を提供すること。
【解決手段】ハロゲン有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、硝酸ナトリウムの存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させた後、該低レベル放射性廃棄物に超臨界水反応により生成した又は超臨界水反応後に不溶化物生成剤を添加して生成させた放射性核種の不溶化物を固相移行(分離)させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物の減容化を目的とする低レベル放射性廃棄物の処理方法及び処理プラントに関する。特に、ポリ塩化ビニルに代表される塩素系ポリマーを含有する低レベル放射性廃棄物を超臨界水反応により分解気化・液状化して、全体量を減容化処理するのに好適な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所で代表される放射性物質取扱施設から発生する低レベル放射性廃棄物の多くは、ゴム手袋、放射線防護服、内装シート、ALARA(As Low As Reasonably Achievable)シート等の有機ポリマー系のものが多い。ここで、有機ポリマー(有機高分子)とは、無機ポリマー(無機高分子)に対する語であって、プラスチック、熱可塑性エラストマー、天然ゴム、合成ゴム、さらには、天然繊維、合成繊維、紙等を含む概念である。
【0003】
これらの有機ポリマー系廃棄物は、圧縮、焼却、溶融等の工程を経てモルタル(又はコンクリート)で固めてドラム缶(200L)内に詰めて、埋設しているのが現状である。
【0004】
しかし、埋設箇所は限定されるため、これらの廃棄物の減容化は重大な課題である。そこで本発明者らは、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を減容化処理する方法として、下記構成の触媒(酸化ルテニウム)の存在下で超臨界水を用いて分解する技術を応用した下記処理方法を提案した(特許文献1・非特許文献1・2等参照)。
【0005】
「超臨界水において酸化ルテニウム(IV)を触媒として用い、高分子化合物を気体に変換すると共に、これに付着していた放射性の鉄およびコバルト等の放射性金属を(水)不溶性酸化物に変換し、然る後、ガラス固化を図った後に廃棄するようにした低レベル放射性廃棄物の処理方法。」
しかし、特許文献1、非特許文献2等に記載の処理方法では、塩素系等のハロゲン系有機ポリマーを含む低レベル放射性廃棄物の減容化効果は余り高くないことが分かった。
【0006】
また、本発明の発明性に直接影響を与えるものではないが、放射性廃棄物を超臨界水反応で分解後、Co60等の放射性核種を、水酸化鉄とともに共沈・分離する技術が非特許文献3に記載されている。
【特許文献1】特開2003−232891号公報(請求項1等)
【非特許文献1】W.Sugiyama et.al "An extreme disposition method for low-level-radioactive wastes supercritical water(2)", The 2nd International Symposium Supercritical Fluid Technology for Energy and Enviromental Applications SUPER GREEN 2003 Proceedings,Nagoya Univ. November 9-12, 2003, p180-182
【非特許文献2】杉山亘他「超臨界水を用いた低レベル放射性廃棄物の処理手法(3)」日本原子力学界2003年秋の大会予稿集、2003年9月24日、p542
【非特許文献3】山田他「超臨界水を用いた放射性廃イオン交換樹脂処理システム」、(社)火力原子力発電発電技術学会発行「火力原子力発電」2002年7月号No.550Vol.53、p47〜55
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記にかんがみて、低レベル放射性廃棄物中にポリ塩化ビニル(PVC)等のハロゲン系有機ポリマーを含んでいても、高減容化可能な低レベル放射性廃棄物の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的(課題)を解決するために、本発明者らは、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の低レベル放射性廃棄物の処理方法に想到した。
有機ポリマー系低レベル放射性廃棄物を窒素オキソ酸アルカリ及び/又はアルカリ土類塩の存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させ、該低レベル放射性廃棄物に含まれている放射性核種の不溶化物を生成させて、必要により不溶化物生成剤を該液状化物に添加し、該液状化物に含まれている放射性核種の不溶化物を固相移行(分離)させることを特徴とする。
【0009】
上記方法において、不溶化物生成剤として、通常、1)不溶性水酸化物生成剤、2)不溶性炭酸塩生成剤3)不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤及び4)ハロゲン化銀生成剤の内、一つ以上を使用する。
【0010】
上記不溶性水酸化物生成剤は、通常、アルカリ及び/又はアルカリ土類の水酸化物の群から選択することが望ましい。
【0011】
上記不溶性炭酸塩生成剤は、通常、アルカリ及び/又はアルカリ土類の炭酸塩の群から選択することが望ましい。
【0012】
上記不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤としては、テトラフェニルホウ酸ナトリウムを使用することが望ましい。
【0013】
上記超臨界水反応に際して、該超臨界水に非放射性酸化鉄 (水酸化鉄を含む。)を含有させることが望ましい。鉄族元素の固相移行割合が増大して、放射性鉄族核種(Fe、Ni、Co等)の分離回収率が良好となる。また、ストロンチウムの分離回収率も良好となる。
【0014】
上記において、有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、分別したハロゲン系有機ポリマーとすることが望ましい。非ハロゲン系有機ポリマーと同時に処理すると、低レベル放射性廃棄物の分解に必要な添加硝酸アルカリ及び/又はアルカリ土類塩の混合比が、酸化ルテニウム触媒の場合に比して格段に高いため、反応装置(反応容器)1個当たりの処理能力が低下する。
【0015】
そして、上記低レベル放射性廃棄物の処理方法は、下記構成の処理プラントを用いて行うことが望ましい。
【0016】
低レベル放射性廃棄物(以下「放射性廃棄物」という。)の処理プラントであって、
前処理装置、超臨界水反応装置、不溶化分離装置及び油水分離装置を備えてなり、
前処理装置は、前記放射性廃棄物を粉砕する前処理可能とされ、
超臨界水反応装置は、前処理された放射性廃棄物を導入すると共に窒素オキソ酸のアルカリ塩又はアルカリ土類塩を導入して超臨界水反応可能とされ、
不溶化分離装置は、超臨界水反応で分解生成した液状化物を、該液状化物に不溶化物生成剤を導入して放射性核種を不溶化し固相移行可能とされ、また、
油水分離装置は、前記不溶化分離装置からの液成分を導入して油水分離可能とされている、ことを特徴とする。
【0017】
上記装置において、前記油水分離装置より分離された水分を、前記超臨界水反応装置へ循環供給させるための循環水供給装置を有する構成とすることが望ましい。反応に使用した水を循環使用することにより、水循環の可及的にクローズド化が可能となる。
【手段(構成)の詳細な説明】
【0018】
(1)本発明の有機ポリマー系低レベル放射性廃棄物(以下単に「放射性廃棄物」という。)の処理方法は、PVC等のハロゲン系有機ポリマーを含まないものにも適用可能であるが、ハロゲン系有機ポリマーを含むもの、特にハロゲン系有機ポリマーのみからなる放射性廃棄物に適用することが、前述の理由により本発明の効果が顕著となる。
【0019】
ここでハロゲン系有機ポリマーとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン系樹脂(プラスチック)、クロロプレン(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)等のハロゲン系ゴムを材料とする廃棄物を挙げることができる。そして、通常、原子力発電所等では、ハロゲン系高分子と非ハロゲン系高分子材料(ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル)とは、当初から分別保管していることが多い。
【0020】
(2)超臨界水反応とは、超臨界水(Tc:374.1K、Pc:22.1MPa以上)で、反応させることをいう。超臨界水反応では、有機ポリマー廃棄物の可燃・難燃を問わず、短時間で完全に分解可能である。すなわち、有機物を酸化分解すると、難分解性であっても、有機物を構成する炭素は二酸化炭素に、水素は水に分解される。
【0021】
このときの反応条件は、放射性廃棄物の処理量、窒素オキソ酸のアルカリ・アルカリ土類塩の添加量により異なるが、通常、温度673〜773K、圧力31〜53MPaで、反応時間30〜180minとする。例えば、亜硝酸ナトリウムの場合、720K(450℃)×43MPa×30minとする。
【0022】
ここで、窒素オキソ酸のアルカリ塩としては、硝酸ナトリウム(NaNO3)等の硝酸アルカリ塩・アルカリ土類塩が、発生酸素数が多くて好ましいが、他の亜硝酸、次亜硝酸のアルカリ塩(K塩等)、アルカリ土類塩(Ca塩等)も使用可能である。硝酸ナトリウムとした場合、その廃棄物(難燃物)に対する質量混合比は、2〜5倍、望ましくは3〜5倍とする。後述の如く、過少では分解率が低く、過多としてもそれ以上の分解率の向上は望めない。
【0023】
本発明者らは、硝酸ナトリウムは水溶液中で脱塩素反応に効果的な試薬であることに着目して、超臨界水の酸化反応に酸化剤として使用することに想到した。
【0024】
硝酸ナトリウムは、硝酸イオンが酸化剤として働くとともに、水溶液中で、脱塩素反応が生じた場合、水溶液は酸性となるが、これを中和する物質としてナトリウムが働く。こうして、PVC等のハロゲン系高分子が、効果的に脱塩、多段酸化されて分解される。図1に硝酸ナトリウムによるPVCの多段酸化分解の模式図を示す。
【0025】
なお、図2に示す実験手法にしたがって、「陰イオン交換樹脂(ポリスチレン系)」、「ゴム手袋(NR製)」及び「PVC(平均重合度:約1020)」について、硝酸ナトリウム多段酸化の下記各種高分子材料(難燃物)の分解率を測定した。
【0026】
ここで、混合比・分解率はそれぞれ下記式により求めた。
【0027】
混合比=MNaNO3/Morg
但し、MNaNO3:硝酸ナトリウム投入質量(mg)
org:難燃物
分解率(wt%)=100(M0−M)/M
但しM0:分解前試料質量(mg)、
M:実験後の固形残渣・沈殿物・有機残渣合計質量
それらの結果を示す図3から、ハロゲン系プラスチックの難燃物においても、ある程度以上混合すれば90%の分解率を示すことが分かる。
【0028】
ここで、PVC:150mgは、塩化ビニルモノマー(モル質量:62.5gmol-1)換算で2.4mmolに相当する。図1の1)式からPVCを完全酸化するには、2.4mmol×5=12mmolの酸素原子が必要となり、ここで、硝酸ナトリウム1分子から3個の酸素原子が放出されるため、必要な硝酸ナトリウム(モル質量:85.0gmol-1)は、85gmol-1×12mmol/3=340mgとなる。これを満たす混合比は、計算上は質量比で340mg/150mg=2.25以上となるが、過剰の3〜4倍以上で分解率が向上する。
【0029】
なお、硝酸ナトリウムの代わりに酸化ルテニウム(IV)30mgを用いて、PVCを超臨界水反応させた場合に、PVC分解率は50%以下であり、塩化ビニル由来の有機物の固体(スス)が発生することを確認している。
【0030】
そして、当該実験で発生したガス組成を分析するために、実験後の反応容器にガス回収用バルブを取付けて、反応容器をアルゴンで置換することにより試料ガスを回収した。該試料ガスを、質量ガスクロマトグラフ装置(島津製作所社製「GCMS−QP5000」)を用いて分析した。その結果、生成ガスは、二酸化炭素と窒素であり、化学的に有害な気体は存在しなかった。 超臨界水反応により、放射性廃棄物中の放射性核種のうち、鉄、コバルト、ニッケルの大部分とストロンチウムの一部が回収可能である。
【0031】
(3)超臨界水反応により分解気化・液状化により生成した液状化物に含まれている放射性核種は、該液状化物に不溶化物生成剤を添加して、不溶化物を生成させて固相移行(分離)させる。ここで、液状化物とは、液体及び液体中に固形微粒子が分散しているものを含む概念である。また、分離の態様としては、通常、沈殿(沈降分離)により行うが、遠心分離、蒸発、晶析、濾過、固体抽出等任意である。
【0032】
ここで、不溶化物生成剤とは、液状化物中の放射性核種と主として反応不溶化させるものであるが、凝集剤(フロック剤)のようなものも含む概念である。
【0033】
不溶化物生成剤としては、1)不溶性水酸化物生成剤、2)不溶性炭酸塩生成剤、3)不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤及び4)ハロゲン化銀生成剤を挙げることができ、通常、全てを使用するが、望ましくは、1)不溶性水酸化物生成剤、さらに望ましくは2)不溶性炭酸塩生成剤を必須として、適宜選択可能である。
【0034】
そして、後述の如く、上記3)、4)の添加工程は、液状化物を塩基(アルカリ)性にする必要があるため、不溶化物生成剤の添加により液状化物が塩基性となる1)及び2)の添加工程を先に行うことが望ましい。
【0035】
上記1)不溶性水酸化物(酸化物)生成剤は、通常、水溶性のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物となる群、すなわち、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属水酸化物またはそれらの酸化物の群から選択する。これらの内で、アルカリ金属水酸化物、さらには、KOH、NaOH等が好適に使用できる。それらの添加量は、不溶性水酸化物(酸化物)が生成(沈殿)可能な中性域から塩基性域になる量とする。したがって、超臨界水反応処理後の液状化物が不溶性水酸化物を生成可能な中性域以上であれば、当該不溶性水酸化物生成剤の添加は改めて行う必要はない。
【0036】
水酸化物として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、半減期が長くて放射性廃棄物中の残存率の高い放射性鉄(Fe)、放射性ニッケル(Ni)、放射性コバルト(Co)、放射性クロム(Cr)、放射性ストロンチウム(Sr)、テクネチウム(Tc)が含まれており有効な固相移行(沈殿分離)法である。
【0037】
放射性鉄(Fe)、放射性コバルト(Co)、放射性ニッケル(Ni)、放射性ベリリウム(Be)、放射性マグネシウム(Mg)、放射性ストロンチウム、放射性アルミニウム(Al)、放射性カルシウム(Ca)、放射性チタン(Ti)、放射性バナジウム(V)、放射性クロム(Cr)、放射性マンガン(Mn)、放射性銅(Cu)、放射性亜鉛(Zn)、放射性ガリウム(Ga)、放射性イットリウム(Y)、放射性ジルコニウム(Zr)、放射性ニオブ(Nb)、放射性ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、放射性パラジウム(Pd)、放射性銀(Ag)、放射性カドミウム(Cd)、放射性インジウム(In)、放射性スズ(Sn)、放射性ランタン(La)、放射性セリウム(Ce)、放射性サマリウム(Sm)、放射性ユウロピウム(Eu)、放射性ガドリニウム(Gd)、放射性テルビウム(Tb)、放射性ジスプロシウム(Dy)、放射性エルビウム(Er)、放射性ツリウム(Tm)、放射性イッテルビウム(Yb)、放射性ルテチウム(Lu)、放射性ハフニウム(Hf)、放射性金(Au)、放射性水銀(Hg)、放射性鉛(Pb)、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)とアメリシウム(Am)。
【0038】
上記2)不溶性炭酸塩生成剤としては、通常、アルカリ及び/又はアルカリ土類の水溶性炭酸塩(水素塩を含む。)の群から選択する。これらのうちで、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを好適に使用できる。それらの添加量は、放射性核種の含有量により異なるが、例えば、Na2CO3水溶液の場合、過剰量(モル比で10倍)を添加する。
【0039】
ここで、炭酸塩として不溶化物を生成(沈殿)させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、半減期が長くて放射性廃棄物中の残存率の高く、かつ、水酸化物としては、余り沈殿し難いストロンチウム(Sr)が含まれており、有効な固相移行(沈殿分離)法である。
【0040】
放射性マグネシウム(Mg)、放射性カルシウム(Ca)、放射性マンガン(Mn)、放射性鉄(Fe)、放射性ニッケル(Ni)、放射性銅(Cu)、放射性亜鉛(Zn)、放射性ストロンチウム(Sr)、放射性イットリウム(Y)、放射性銀(Ag)、放射性カドミウム(Cd)、放射性バリウム(Ba)、放射性ランタン(La)、放射性サマリウム(Sm)、放射性ガドリニウム(Gd)、放射性ジスプロシウム(Dy)、放射性イッテルビウム(Yb)、放射性水銀(Hg)、放射性鉛(Pb)とウラン(U)。
【0041】
上記3)不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤(以下「不溶性TFB塩生成剤」)としは、通常、テトラフェニルホウ酸ナトリウム(以下「TFB−Na」)を使用する。TFB−Naは、アルカリ金属を効果的に沈殿させる試薬であり、その添加量は、該試薬により沈殿する放射性核種(アルカリ金属)の含有量により異なるが、通常、過剰量(モル比で2倍)を添加する。
ここで、TFB塩として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、半減期が長く放射性金属として残存率の高く、かつ、上記水酸化物や炭酸塩としては沈降しないCsが含まれており、有効な沈殿剤である。
【0042】
放射性カリウム(K)、放射性ルビジウム(Rb)、放射性セシウム(Cs)、放射性タリウム(Tl)。
【0043】
上記4)ハロゲン化銀生成剤は、通常、硝酸銀を使用する。それらの添加量は、溶出放射性金属の量により異なるが、例えば、AgNO3(1M/L)水溶液の場合、過剰量(モル比で2倍)を添加する。
ここで、ハロゲン化銀として沈殿させることのできる放射性核種は、下記のようなものを挙げることができる。これらの内には、放射性廃棄物中の残存率の高く、かつ、上記各不溶化物生成剤では不溶化させ難いヨウ素(I)が含まれており、有効な沈降剤である。
【0044】
放射性ヨウ素(I)、放射性臭素(Br)、放射性フッ素(F)
(4)上記において、該超臨界水に非放射性酸化鉄(III) (水酸化鉄を含む。)を添加
させることが望ましい。その添加量は、放射性コバルト等の放射性鉄族元素の含有量により異なるが、モル比で、880〜1000倍とする。水酸化鉄の固相を液状化物中に存在させることにより、放射性鉄族核種の固相移行割合が増大して、鉄族元素の分離効率が増大する。
【0045】
(5)本発明の低レベル放射性廃棄物(以下「放射性廃棄物」という。)の処理方法は、図4〜9に示すような構成の処理プラントを用いて行うことが望ましい。
【0046】
なお、図6・9では酸化ルテニウム(IV)触媒による超臨界水反応に使用する反応装置(反応容器)(A)及びそれに対応する不溶化分離装置、油水分離装置等を接続した図であるが酸化ルテニウム処理法のシステムは必然的ではない。しかし、酸化ルテニウム触媒法と硝酸多段酸化法とを併用することが、非ハロゲン系とハロゲン系を同時に処理する際に、効率処理が可能となる。
【0047】
本発明のプラントは、基本的に1)前処理装置12、2)超臨界水反応装置14、3)不溶化分離装置16、及び3)油水分離装置18を備えている。
上記1)前処理装置12は、前記放射性廃棄物を粉砕する前処理可能とされている。前処理装置12に使用する粉砕装置(粉砕手段)としては、放射性廃棄物の空中飛散抑制及び分解効率の見地から、通常、1〜30mmの大きさに裁断可能な中間粉砕機を使用することが望ましい。図5に前処理系(システム)の一例図を示す。
【0048】
上記2)超超臨界水反応装置(反応容器)14は、前処理された前記放射性廃棄物を導入すると共に窒素オキソ酸のアルカリ塩又はアルカリ土類塩を導入して超臨界水反応可能とされている。すなわち、超臨界状態を形成可能な加熱手段と加圧手段とを備えている。そして、該反応装置14には、前処理装置12と、適当な輸送手段(スクリュー、ポンプ等)を介して前処理物(粉砕物)を定量供給可能に投入装置20とを備えた前処理系21が接続されるとともに、純水供給系22、水酸化鉄供給系24及び硝酸ナトリウム供給系26が接続されている。なお純水供給系22には純水予熱器28を備えている。
【0049】
また、図6に超臨界水反応装置14のシステムの一例図を示す。
【0050】
不溶化分離装置16は、超臨界水反応後の液状物を、該生成液状物に放射性核種不溶化物生成剤を導入して放射性核種を反応不溶化して沈殿分離操作可能とされている。図7に不溶化分離装置のシステムの一例図を示す。
【0051】
上記油水分離装置18は、前記不溶化分離装置からの液相(沈殿残液)を導入して油水分離可能とされている。ここで油水分離装置は沈降分離装置や遠心分離装置等の汎用装置を使用可能である。そして、前記油水分離装置18より分離された水は、前記超臨界水反応装置へ循環供給させるための循環水供給装置(再利用水タンク)30及び給水予熱器32を経て超臨界水反応装置14に戻す。また油水分離装置18より分離された油分は、超臨界用反応装置用燃料又は廃棄処分とする。図8に油水分離装置システム図の一例を示す。
【0052】
上記排ガス処理装置19は、超臨界水反応処理で発生したガス成分を導入して、炭酸ガスと燃料成分に分離可能とされている。分離手段としては、特に限定されないが、アルカリ及び/又はアルカリ土類水酸化物(例えば、苛性ソーダ)の水溶液中をガス成分を通過させることによって、簡単に行える。なお、分離後の燃料成分は、通常、超臨界水反応装置用燃料として使用するが、タンク等に貯留しておいて別用途として使用してもよい。図9に排ガス処理システムの一例図を示す。
【0053】
上記プラントを使用しての放射性廃棄物処理の好適な概略は、下記の如くである。
【0054】
1)超臨界水反応装置(反応容器)内に、ハロゲン系有機ポリマーの低レベル放射性廃棄物、硝酸ナトリウム水溶液、非放射性水酸化鉄を加え超臨界水反応を実施する。この超臨界水反応により、放射性廃棄物中の放射性核種のうち、鉄族元素(Fe、Co、Ni)の大部分とストロンチウム(Sr)の一部が不溶化物として生成する。常温まで降温後、難燃物分解に由来する気体を排気筒より放出する。反応容器内に、非放射性水酸化鉄(III)が酸化鉄(III)となることで、放射性の鉄、コバルト、ニッケル、ストロンチウムの沈殿が形成し保持されると共に、処理後の水溶液と有機ポリマー分解により発生する油分が保持される。
【0055】
2)上記反応容器内容物(液状化物)を沈殿槽などで構成する不溶化分離装置(放射性廃液処理装置)に移送し、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムの水溶液を添加することにより放射性ストロンチウムを沈殿とする。この操作により、放射性廃液は弱アルカリ性となる。弱アルカリ性となった放射性廃液にテトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液を添加することで放射性セシウムが沈殿し、硝酸銀水溶液を添加することで放射性ヨウ素が沈殿する。
【0056】
3)放射性物質(放射性核種)を不溶化分離せた後、沈殿層からの液相を油水分離装置に移送し、油分(油相)と水(水相)に分離する。さらに、水を蒸発等で減容させることにより水中の塩化ナトリウムを沈殿させて回収してもよい。
【実施例】
【0057】
以下、本発明の効果を確認するために行った代表的放射性核種の移行割合を測定した実験例について説明する。
【0058】
なお、各実験例はいずれも酸化ルテニウム(IV)触媒を用いた超臨界水反応処理(分解処理)の生成物(液状物)ついて行ったものであるが、本発明におけるいわゆる硝酸ナトリウム多段酸化法の放射性核種についても、各不溶化剤を添加することにより、同様の不溶化分離処理(放射性核種の固相移行)が可能であり、固相分離(沈殿分離)回収が可能であると考えられる。
【0059】
また、本実験に使用した放射性・非放射性水酸化鉄は、いずれも、塩化鉄(III)六水和物から合成したものであり、その配合質量は該FeCl3・6H2Oからの換算値である。
(1)放射能測定を反応前に添加した放射性物質、超臨界反応後の固体(固相)、液体(液相)、気体(気相)について実施した。さらに、反応後の液体に不溶化物生成剤を添加後の固体(固相)、液体(液相)について実施した。
【0060】
放射能測定に用いたGe半導体γ線スペクトロメータはORTEC Inc., GEM-28185-Pである。代表的な測定時間についてであるが、実験前の全放射性物質は30min、放射能が高い固体又は液体は30min、放射能が低い固体又は液体は1h、気体は12hである。バックグラウンド測定は12hである。
【0061】
放射性物質の固相、液相、気相の各相への移行割合を、下記に数式(1)を定義して求めた。
【0062】
phase=Aphase/(Asol+Aliq+Agas)・・・(1)
ここで、Dphaseは各相の移行割合を示す。すなわちDsol、Dliq及びDgasはそれぞれ固相、液相および気相への各移行割合を示す。また、Aphaseは各相の放射能を、Asol、Aliq、Agasはそれぞれ固相、液相、気相における放射能を示す。実験後の各相の放射能についてであるが、放射性物質の半減期を考慮するため実験前に添加した放射性物質の放射能を測定した時刻に換算し決定した。
【0063】
測定器を補正するために放射線源のユウロピウム−152を用いた。放射能を測定する場合には、天然に存在する放射性元素(バックグラウンド)に由来する測定誤差を考慮する必要がある。以下に記す結果には測定誤差を付記する。なお、測定誤差の考え方を付録に記す。測定位置による誤差を無くすために、各試料測定は常に同じ位置で実施した。
(2)結果及び考察
<実験例1:放射性鉄について>
キャリヤーを放射性水酸化鉄としその添加質量を変化させた実験を図10に従って実施した。
【0064】
各相への移行割合を示す表1から、反応後の液相にはほとんど放射性鉄が存在していないことが分かる。
【0065】
【表1】

<実験例2:放射性コバルト>
図10において、キャリヤーを放射性水酸化コバルトとしその添加質量を変化させた実験を実施した。
【0066】
移行割合を示す表2から、コバルトは、固体に移行するが液体にも少なからず移行することが分かる。
【0067】
【表2】

図10に示す手法にしたがって、キャリヤーを非放射性水酸化鉄:200mgとCoCl2・6H2O:0.5mg、Co−60 0.5mol/L HCl:数滴を添加したものとした実験を実施した。
【0068】
移行割合を示す表3から、コバルトの固相への移行割合は鉄のみの場合(表1)と同等になることが分かる。このことは、水溶液中のCo(II)が水酸化鉄(Fe(OH)3)で共沈することに他ならない。したがって、溶液中のコバルトを固相(個体)として回収する場合には、Fe(OH)3を添加することが有効であることが分かる。
【0069】
【表3】

<実験例3:放射性セシウムについて>
図10において、キャリヤーを非放射性硝酸セシウムとしその添加質量を変化させた実験を実施した。
【0070】
各相への移行割合を示す表4の結果から、セシウムはほとんど液相に移行することが分かる。
【0071】
【表4】

また、他の手法により水溶液中のセシウムを固相として回収することを検討した。
【0072】
水溶液中のセシウムはテトラフェニルホウ酸ナトリウムで沈殿することが公知である(「岩波理化学事典第5版」204p参照)。このことにより、テトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液で放射性セシウムを沈殿させる実験を、上記手法で得た反応液状化物(10mLプラスチック製試験管に回収したもの。)について、図11に示す実験手法に従って実施した。
【0073】
すなわち、水3mLを入れたプラスチック製試験管に一定量(0.5mg、5mg)の非放射性硝酸セシウムを投入し、前述のセシウム−137塩酸水溶液1滴を加え良く撹拌した。別のプラスチック製試験管に水1mLを入れセシウムに対して過剰mol濃度となるテトラフェニルホウ酸ナトリウム(キシダ化学株式会社製、特級試薬)を添加し良く撹拌した。このテトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液を1滴ずつ放射性セシウム溶液に加え、1mL全てを添加した。その結果、白色微粉末沈殿が形成された。
【0074】
この懸濁液を遠心機で固相と液相に分離した。テトラフェニルホウ酸ナトリウムは、水溶液が酸性の場合には化学構造が破壊されてしまうため。しかし、アルカリ性水溶液では安定である。
【0075】
したがって、0.1M/L及び0.01M/Lの各炭酸水素ナトリウム水溶液を用いた実験も実施した。
【0076】
移行割合を示す表5から、中性、アルカリ性を問わず、水溶液中のセシウムは完全に固相に移行することが分かる。したがって、テトラフェニルホウ酸ナトリウムは水溶液中のセシウムを固相として回収する物質として有効であることが支持される。
【0077】
【表5】

<実験例4:放射性ヨウ素について>
図10において、キャリヤーを非放射性ヨウ化ナトリウムとしその添加質量を変化させた実験を実施した。
【0078】
移行割合を示す表6から、ヨウ化ナトリウム(NaI)として添加した放射性ヨウ素は気体にまったく移行せず、ほとんどが液相に移行することが分かる。
【0079】
【表6】

次に、放射性ヨウ化銀(AgI)をキャリヤーとした実験を同様にして行った。それらの結果を示す表7から、ヨウ化銀が本反応で分解することが示唆される。
【0080】
処理後の液相に存在するヨウ素を回収する場合には、硝酸銀水溶液を添加し、ヨウ化銀とすることが有効である。ヨウ化銀の溶解度積(Ksp)は(log10Ksp=-16.08)であり、非常に水に難溶である。
【0081】
【表7】

<実験例5:放射性ストロンチウムについて>
図10において、キャリヤーを放射性・非放射性炭酸ストロンチウムとしそれらの添加質量を変化させた実験を実施した。
【0082】
移行割合を示す表8から、固体の放射性炭酸ストロンチウムは溶液に移行することがわかる。
【0083】
【表8】

放射性ストロンチウムを固相として回収する実験を、超臨界水反応(450℃、30分)において、非放射性水酸化鉄200mgを添加し、図10においてキャリヤーをそれぞれ1)固体の放射性炭酸ストロンチウムと2)液状の放射性硝酸ストロンチウムとした実験を実施した。
【0084】
1)放射性炭酸ストロンチウム(固体):0.5,5mg
2)放射性硝酸ストロンチウム(1M/L硝酸水溶液):10μL
非放射性硝酸ストロンチウム:5mg
放射性炭酸ストロンチウム及び放射性硝酸ストロンチウムにおける各結果を表9・10にそれぞれ示す。それらの結果から、ストロンチウムがある程度以上含まれている場合、ストロンチウムは水酸化鉄により固相として回収可能であることがわかった。
【0085】
【表9】

【0086】
【表10】

水溶液中のストロンチウムを炭酸ナトリウム水溶液及び炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて炭酸ストロンチウムの沈殿を形成させた実験を、図12に示す手法に従って行った。
【0087】
それらの結果を示す表11及び表12から、炭酸ナトリウム(水溶液)及び炭酸水素ナトリウム(水溶液)は、ストロンチウムを固相(沈殿)として回収するのが有効であることが分かる。
【0088】
【表11】

【0089】
【表12】

【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明で使用するPVCの硝酸ナトリウム多段酸化分解の模式図である。
【図2】本発明の超臨界水反応による多段酸化分解率を測定した実験手順を示す流れ図である。
【図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ図2の実験手順に従って測定した各試料(難燃物)の分解率の結果を示すグラフ図である。
【図4】本発明の超臨界水反応を用いた低レベル放射性廃棄物プラントの一例を示す概略流れ図である。
【図5】同じく前処理系(システム)の説明図である。
【図6】同じく超臨界水反応装置のシステムの一例図である。
【図7】同じく不溶化分離装置のシステムの一例図である。
【図8】同じく油水分離装置のシステムの一例図である。
【図9】同じく排ガス処理系(システム)の一例図である。
【図10】放射性核種における各相位相割合の測定における超臨界水反応実験の手法を示す流れ図である。
【図11】テトラフェニルホウ酸ナトリウム水溶液の水溶液中セシウム回収実験の手法を示す流れ図である。
【図12】放射性炭酸ストロンチウムと水酸化鉄の共沈実験の手法を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0091】
12・・・前処理装置
14・・・超臨界水反応装置
16・・・不溶化分離装置
18・・・油水分離装置
22・・・純水供給系
24・・・水酸化鉄供給系
26・・・硝酸ナトリウム供給系
28・・・純水予熱器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリマー系低レベル放射性廃棄物を窒素オキソ酸アルカリ及び/又はアルカリ土類塩の存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させ、該低レベル放射性廃棄物に含まれている放射性核種の不溶化物を生成させて固相移行(分離)させることを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項2】
有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、窒素オキソ酸のアルカリ又はアルカリ土類塩の存在下で超臨界水反応させることで、前記低レベル放射性廃棄物を分解気化・液状化させた後、該液状化物に含まれている放射性核種を、該液状物に不溶化物生成剤を添加することにより、不溶化物を生成させて固相移行(分離)させることを特徴とする低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項3】
前記不溶化物の生成を、1)不溶性水酸化物生成剤、2)不溶性炭酸塩生成剤3)不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤及び4)ハロゲン化銀生成剤のうち一つ以上を使用することを特徴とする請求項2記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項4】
前記不溶性水酸化物生成剤をアルカリ及び/又はアルカリ土類の水溶性水酸化物の群から選択することを特徴とする請求項3記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項5】
前記不溶性炭酸塩生成剤をアルカリ及び/又はアルカリ土類の水溶性炭酸塩(炭酸水素塩を含む。)の群から選択することを特徴とする請求項3記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項6】
前記不溶性テトラフェニルホウ酸塩生成剤をテトラフェニルホウ酸ナトリウムとすることを特徴とする請求項3記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項7】
前記ハロゲン化銀生成剤を硝酸銀とすることを特徴とする請求項3記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項8】
前記超臨界水反応に際して、該超臨界水に非放射性酸化鉄 (水酸化鉄を含む。)を含有させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項9】
前記有機ポリマー系の低レベル放射性廃棄物を、分別したハロゲン系有機ポリマーとすることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の低レベル放射性廃棄物の処理方法。
【請求項10】
低レベル放射性廃棄物(以下「放射性廃棄物」という。)の処理プラントであって、
前処理装置、超臨界水反応装置、不溶化分離装置及び油水分離装置を備えてなり、
前記前処理装置は、前記放射性廃棄物を粉砕する前処理可能とされ、
前記超臨界水反応装置は、前処理された前記放射性廃棄物を導入すると共に窒素オキソ酸のアルカリ塩及び/又はアルカリ土類塩を導入して超臨界水反応可能とされ、
前記不溶化分離装置は、超臨界水反応後の液状化物を、不溶化物生成剤を導入し、放射性核種を不溶化し、固相移行可能とされ、また、
前記油水分離装置は、前記不溶化分離装置からの液成分を導入して油水分離可能とされている、
ことを特徴とする低レベル放射性廃棄物処理プラント。
【請求項11】
前記油水分離装置より分離された水を、前記超臨界水反応装置へ循環供給させるための循環水供給装置を有することを特徴とする請求項10記載の低レベル放射性廃棄物処理プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−84236(P2006−84236A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267350(P2004−267350)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(502045057)
【Fターム(参考)】