説明

有機発光表示装置用表示板

【課題】 共通信号の歪曲を最少化して表示特性を確保できる有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置用表示板は、複数のアノード電極190と、所定の電圧の供給を受けてアノード電極190と対向する第1部分、及び前記所定の電圧の印加を受けて前記第1部分と異なる断面構造を有する第2部分を含むカソード電極270と、アノード電極190とカソード電極270との間に備えられている複数の発光部材370と、所定の電圧を伝達し、カソード電極270の第2部分と接触する信号線とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示板に係り、より詳しくは有機発光表示装置用表示板に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機発光表示装置(有機ELディスプレイ)は蛍光性有機物質を励起発光させて画像を表示する自己発光型表示装置である。有機発光表示装置は正孔注入電極(アノード)と電子注入電極(カソード)及びこれらの間に介在されている有機発光層を含む。有機発光層に正孔と電子を注入すれば、電子と正孔が対をなして消滅しながら光を出す。このような有機発光表示装置は発光効率を向上させるために電子輸送層(ETL)及び正孔輸送層(HTL)、電子注入層(EIL)及び正孔注入層(HIL)をさらに含んでいる。
【0003】
有機発光表示装置の画素は、各々アノード、カソード及び発光層を含んで行列の形態に配列されており、手動行列方式(または単純行列方式)や能動行列方式に駆動される。
【0004】
単純行列方式の有機発光表示装置は、互いに交差する複数のアノード線と複数のカソード線、及び複数の画素を含み、各画素は発光層を含む。アノード線のうちの一つとカソード線のうちの一つを選択すれば、選択された信号線の交差点に位置する画素が発光する。
【0005】
能動行列方式の有機発光表示装置もまた複数の画素を含み、各画素はアノード、カソード及び発光層の他にもスイッチングトランジスタ、駆動トランジスタ及びストレージキャパシタを含む。このような有機発光表示装置は、またゲート信号を伝達する複数のゲート線とデータ電圧を伝達する複数のデータ線を含む。スイッチングトランジスタはゲート線のうちの一つとデータ線のうちの一つに連結されており、ゲート信号に応答してデータ線からのデータ電圧を伝達する。駆動トランジスタはスイッチングトランジスタからデータ電圧を受けて、データ電圧によって大きさが決定される電流を駆動する。駆動トランジスタから出てきた電流は発光層へ流れて発光層は電流に依存する強さの発光をする。能動行列方式の有機発光表示装置は、データ電圧を調節して駆動トランジスタによって駆動する電流を制御することによって階調表示を行い、赤色、緑色及び青色の発光層を設けて色表示を行う。
【0006】
このような有機発光表示装置は、発光方向によって前面発光方式及び後面放出方式に区分されるが、前面発光方式はカソード電極をインジウム錫酸化物またはインジウム亜鉛酸化物などのような透明な電極物質で形成し、アノード電極は不透明な導電物質で形成し、後面発光方式ではこれと反対に電極を配置する。また、必要に応じてはアノード電極とカソード電極の相対的な位置を変えることができる。
【0007】
カソードは他の導電体を通じて共通電圧の供給を受けるが、カソードと導電体との間の接触抵抗が高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が目的とする技術的課題は、共通信号の歪曲を最少化して表示特性を確保できる有機発光表示装置の薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するために、本発明による実施形態では、共通電圧をカソード電
極に伝達する共通電圧信号線に連結されるカソード電極の接触部は、他の部分と異なる積層構造で形成する。この時、接触部には容易に酸化されない導電膜だけを残して共通信号線に連結する。
【0010】
本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置用表示板は、複数のアノード電極と、所定の電圧の供給を受けて前記アノード電極と対向する第1部分及び前記所定の電圧の印加を受けて前記第1部分と異なる断面構造を有する第2部分を含むカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間に備えられている複数の発光部材と、前記所定の電圧を伝達し、前記カソード電極の第2部分と接触する信号線とを含む。
【0011】
前記カソード電極の第1部分は多層部分を含むことができる。
【0012】
前記多層部分は前記発光部材と接触する第1層と、前記第1層を間に置いて前記アノード電極の反対側に位置する第2層を含むことができる。
【0013】
前記第1層は前記信号線と離隔しており、前記第2部分は前記第2層を含むことができる。
【0014】
前記第1層は前記第2層より低い仕事関数を有することができる。
【0015】
前記第1層はバリウム(Ba)、カルシウム(Ca)またはリチウム(Li)などアルカリ金属またはアルカリ土類金属またはフッ化リチウム(LiF)など絶縁体を含むことができる。
【0016】
前記第2層は前記第1層より抵抗が小さくてもよい。
【0017】
前記第1層は前記第2層より酸化されやすくてもよい。
【0018】
前記信号線は多層構造を有することができる。
【0019】
本発明の他の実施形態による有機発光表示装置用表示板は、複数のアノード電極と、前記アノード電極上に位置する複数の発光部材と、前記発光部材上に位置する第1部分及び前記発光部材と離れている第2部分を含む金属層と、前記発光部材より高さが低く、前記金属層の第2部分と連結されて所定の信号を伝達する信号線とを含む。
【0020】
前記表示板は、前記信号線上に、前記発光部材の下に位置する絶縁膜をさらに含むことができる。
【0021】
前記絶縁膜は前記アノード電極の下に位置し、前記信号線を少なくとも一部露出する接触孔を有することができる。
【0022】
前記表示板は前記信号線と前記金属層の間に位置する接触補助部材をさらに含むことができる。
【0023】
前記信号線と前記金属層との間に位置する接触補助部材をさらに含むことができる。
【0024】
前記アノード電極は透明物質を含むことができる。
【0025】
前記接触補助部材は前記アノード電極と同一層に位置することができる。
【0026】
前記表示板は、走査線、データ線、前記走査線及び前記データ線に連結されているスイッチングトランジスタ、前記スイッチングトランジスタ及び前記アノード電極に連結されている駆動トランジスタ、そして前記駆動トランジスタの両端に連結されているキャパシタをさらに含むことができる。
【0027】
前記信号線は前記走査線または前記データ線と同一層を含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
このように、本発明の実施形態では、カソード電極の接触部から絶縁体または容易に溶融されるBaまたはCaなどのような金属を除去し、仕事関数が高くて容易に酸化されない金属のみを利用して直接共通信号線と連結することによって、カソード電極の接触部の接触抵抗を最少化することができる。これを通じて共通電圧が歪曲されることを最少化することができ、輝度が減少することを防止してそれぞれの画素が均一性を維持しながら画像を表示することができて、有機発光表示装置の表示特性を安定的に確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
添付した図面を参照して本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な異なる形態で実現できて、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
図面には、各種層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示している。明細書全体に通じて類似な部分については同じ図面符号を付けている。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるとする時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0031】
図1及び図2を参照して本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置に対して詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置のブロック図であり、図2は本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置における一つの画素の等価回路図である。
【0033】
図1を参考にすれば、本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置は、表示板300及びこれに連結されている二つの駆動部、つまり、走査駆動部400及びデータ駆動部500を含む。
【0034】
図1を参考にすれば、表示板300は複数の信号線及びこれに連結されていてほぼ行列状に配列されている複数の画素(PX)を含む。
【0035】
信号線は走査信号を伝達する複数の走査信号線(G1−Gn)及びデータ信号を伝達する複数のデータ線(D1−Dm)を含む。走査信号線(G1−Gn)はほぼ行方向にのびていて互いにほとんど平行し、データ線(D1−Dm)はほぼ列方向にのびていて互いにほとんど平行する。
【0036】
図2を参考にすれば、各画素(PX)、例えば、走査信号線(Gi)とデータ線(Dj)に連結されている画素は有機発光素子(LD)、駆動トランジスタ(Qd)、キャパシタ(Cst)及びスイッチングトランジスタ(Qs)を含む。
【0037】
駆動トランジスタ(Qd)は制御端子、入力端子及び出力端子を有する。制御端子はスイッチングトランジスタ(Qs)に連結されており、入力端子は駆動電圧線172に連結
されており(図5参照)、出力端子は有機発光素子(LD)に連結されている。
【0038】
有機発光素子(LD)は駆動トランジスタ(Qd)の出力端子に連結されているアノードと共通電圧(Vcom)に連結されているカソードを有する。共通電圧(Vcom)は駆動電圧(Vp)より低く、共通電圧(Vcom)の例としては接地電圧が挙げられる。有機発光素子(LD)は駆動トランジスタ(Qd)の出力電流によって強さを異ならせて発光する。駆動トランジスタ(Qd)の出力電流は制御端子と入力端子との間の電圧に依存する。
【0039】
スイッチングトランジスタ(Qs)は制御端子、入力端子及び出力端子を有する。制御端子は走査信号線(Gi)に連結されており、入力端子はデータ線(Dj)に連結されており、出力端子は駆動トランジスタ(Qd)の出力端子に連結されている。スイッチングトランジスタ(Qs)は走査信号線(Gi)に印加される走査信号に応答してデータ線(Dj)に印加されるデータ信号を駆動トランジスタ(Qd)に伝達する。
【0040】
スイッチングトランジスタ(Qs)はn−チャンネル電界効果トランジスタ(FET)であり、駆動トランジスタ(Qd)はp−チャンネル電界効果トランジスタである。しかし、スイッチングトランジスタ(Qs)と駆動トランジスタ(Qd)のチャンネル類型が前後することもでき、二つのトランジスタ(Qs、Qd)が両方ともn−チャンネル電界効果トランジスタであったりp−チャンネル電界効果トランジスタであることもできる。また、トランジスタ(Qs、Qd)、キャパシタ(Cst)及び有機発光素子(LD)の連結関係が変わることができる。
【0041】
トランジスタ(Qs、Qd)は多結晶シリコンまたは非晶質シリコンを含む。
【0042】
キャパシタ(Cst)は駆動トランジスタ(Qd)の制御端子と出力端子との間に連結されており、駆動トランジスタ(Qd)の制御端子に連結されたデータ信号を保存し維持する。
【0043】
再び図1を参考にすれば、走査駆動部400は表示板300の複数の走査信号線(G1−Gn)に連結されており、スイッチングトランジスタ(Qs)を導通させるためのゲートオン電圧(Von)とスイッチングトランジスタ(Qs)を遮断させるためのゲートオフ電圧(Voff)からなる走査信号を合成して走査信号線(G1−Gn)に印加する。
【0044】
データ駆動部500は表示板300のデータ線(D1−Dm)と連結されており、データ信号をデータ線(D1−Dm)に印加する。
【0045】
走査駆動部400またはデータ駆動部500は集積回路チップの形態で表示板300上に直接装着されるか、可撓性印刷回路膜(図示せず)上に装着されてTCP(tape carrier package)の形態で表示板300に付着できる。これとは異なって表示板300に集積されてもよい。
【0046】
ついで、本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置用表示板について図3乃至図8を前述した図1及び図2を参照して説明する。
【0047】
図3は本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置用表示板の概略的な平面図であり、図4は図3の表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図であり、図5は図3に示した表示板の画素と信号線を示す配置図であり、図6及び図7は各々図5の薄膜トランジスタ表示板をVI−VI’線及びVII−VII’線に沿って切断した断面図であり、図8は本発明の一つの実施形態による有機発光素子の概略図である。
【0048】
本発明の一つの実施形態による表示板100は、図3のように(点線で囲まれた四角形)、表示領域(DA)と表示領域(DA)の外側に位置する周辺領域(PA)を含み、表示領域(DA)には複数の画素(PX)が備えられている。
【0049】
表示板300上にはまた、有機発光素子(LD)のカソードとして作用する共通電極270が備えられている。共通電極270は表示領域(DA)を完全に覆っており、周辺領域(PA)に位置して共通電圧(Vcom)を受信するための接触部(B)を有している。共通電極270の接触部(B)は外部から共通電圧(Vcom)を受けるための共通電圧パッド279を含む共通電圧線278と連結されている。
【0050】
表示板300上にはまた、走査信号線(G1−Gn)及びデータ線(D1−Dm)が備えられている。信号線のほとんどは表示領域(DA)内に位置するが、各信号線は周辺領域(PA)に位置する端部を含み、この端部は走査信号またはデータ信号などの信号を受信するためのものである。
【0051】
走査駆動部400及びデータ駆動部500は表示板300外部にあるか、周辺領域(PA)に位置するか、画素及び信号線と共に表示板300の周辺領域(PA)に集積してもよい。
【0052】
次は、表示板の詳細な層状構造について説明する。
【0053】
透明なガラスまたはプラスチックなどで作られた絶縁基板110上に窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などで作られた遮断膜111が形成されている。遮断膜111は二重膜構造でありうる。
【0054】
遮断膜111上に多結晶シリコンなどで作られた複数対の第1及び第2島型半導体151a、151bが形成されている。島型半導体151a、151b各々はn型またはp型の導電性不純物を含む複数の不純物領域と、導電性不純物をほとんど含まない少なくとも一つの真性領域を含む。
【0055】
スイッチング薄膜トランジスタ(Qs)用第1半導体151aを見れば、不純物領域は第1ソース領域153a、中間領域1535及び第1ドレイン領域155aを含み、これらはn型不純物でドーピングされていて互いに分離されている。真性領域は不純物領域153a、1535、155aの間に位置した一対の第1チャンネル領域154a1、154a2などを含む。
【0056】
駆動薄膜トランジスタ(Qd)用第2半導体151bを見れば、不純物領域は第2ソース領域153b及び第2ドレイン領域155bを含み、これらはp型不純物でドーピングされていて互いに分離されている。真性領域は第2ソース領域153bと第2ドレイン領域155bとの間に位置した第2チャンネル領域154bを含む。第2ソース領域153bは上方へ長く伸びて維持領域157を構成する。
【0057】
不純物領域はチャンネル領域154a1、154a2、154bとソース及びドレイン領域153a、155a、153b、155bとの間に位置した低濃度ドーピング領域(図示せず)をさらに含むことができる。このような低濃度ドーピング領域は不純物をほとんど含まないオフセット領域で代替することができる。
【0058】
これとは異なって、第1半導体151aの不純物領域153a、155aがp型不純物でドーピングされたり、第2半導体151bの不純物領域153b、155bがn型不純
物でドーピングされることができる。p型の導電性不純物としてはホウ素(B)、ガリウム(Ga)などが挙げられ、n型の導電性不純物としてはリン(P)、砒素(As)などが挙げられる。
【0059】
島型半導体151a、151bは非晶質シリコンで作られることができる。この場合、不純物領域が存在しなく、島型半導体151a、151bと他の金属層との間の接触特性を補強するための抵抗性接触部材が半導体151a、151b上に形成されることができる。
【0060】
半導体151a、151b及び遮断膜111上には窒化ケイ素または酸化ケイ素などで作られたゲート絶縁膜140が形成されている。
【0061】
ゲート絶縁膜140上には複数対の第1制御電極124aを含む複数のゲート線121及び複数の第2制御電極124bを含む複数のゲート導電体が形成されている。
【0062】
ゲート線121はゲート信号を伝達して主に横方向にのびている。第1制御電極124aはゲート線121から上方へのびて第1半導体151aと交差するが、特に第1チャンネル領域154a1、154a2と重畳する。各ゲート線121は他の層または外部駆動回路との接続のために面積の広い端部を含むことができる。ゲート信号を生成するゲート駆動回路(図示せず)が基板110上に集積されている場合、ゲート線121が伸びてゲート駆動回路と直接連結されることができる。
【0063】
第2制御電極124bはゲート線121と分離されていて第2半導体151bの第2チャンネル領域154bと重畳する。第2制御電極124bは伸びて維持電極127を構成し、維持電極127は第2半導体151bの維持領域157と重畳してストレージキャパシタ(Cst)を構成する。
【0064】
ゲート導電体121、124bはアルミニウム(Al)やアルミニウム合金などのアルミニウム系金属、銀(Ag)や銀合金などの銀系金属、銅(Cu)や銅合金などの銅系金属、モリブデン(Mo)やモリブデン合金などのモリブデン系金属、クロム(Cr)、タンタル(Ta)及びチタニウム(Ti)などで作られることができる。しかし、これらは物理的性質が異なる二つの導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することもできる。このうちの一つの導電膜は信号遅延や電圧降下を減らすことができるように比抵抗の低い金属、例えば、アルミニウム系金属、銀系金属、銅系金属などで作られる。これとは異なって、他の導電膜は他の物質、特にITO(インジウム錫酸化物)及びIZO(インジウム亜鉛酸化物)との物理的、化学的、電気的接触特性に優れた物質、例えばモリブデン系金属、クロム、チタニウム、タンタルなどで作られる。このような組み合わせの良い例としては、クロム下部膜とアルミニウム(合金)上部膜及びアルミニウム(合金)下部膜とモリブデン(合金)上部膜がある。しかし、ゲート導電体121、124bはその他にも多様な金属または導電体で作られることができる。
【0065】
ゲート導電体121、124bの側面は基板110面に対して傾いており、その傾斜角は約30゜乃至約80゜であるのが好ましい。
【0066】
ゲート導電体121、124b上には層間絶縁膜160が形成されている。層間絶縁膜160は窒化ケイ素や酸化ケイ素などの無機絶縁物、有機絶縁物、低誘電率絶縁物などで作られる。有機絶縁物と低誘電率絶縁物との誘電定数は4.0以下であるのが好ましく、低誘電率絶縁物の例としては、プラズマ化学気相蒸着(PECVD)で形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどが挙げられる。有機絶縁物のうちの感光性を有するもので層間絶縁膜160を作ることができ、層間絶縁膜160の表面は平坦でありうる。
【0067】
層間絶縁膜160には第2制御電極124bを露出する複数の接触孔164が形成されている。また、層間絶縁膜160とゲート絶縁膜140にはソース及びドレイン領域153a、153b、155a、155bを露出する複数の接触孔163a、163b、165a、165bが形成されている。
【0068】
層間絶縁膜160上には複数のデータ線171と複数の駆動電圧線172と複数の第1及び第2出力電極175a、175bと共通電圧線278を含む複数のデータ導電体が形成されている。
【0069】
データ線171はデータ信号を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差する。各データ線171は接触孔163aを通じて第1ソース及びドレイン領域153aと連結されている複数の第1入力電極173aを含み、他の層または外部駆動回路との接続のために面積の広い端部を含むことができる。データ信号を生成するデータ駆動回路(図示せず)が基板110上に集積されている場合、データ線171が伸びてデータ駆動回路と直接連結されることができる。
【0070】
駆動電圧線172は駆動電圧を伝達し、主に縦方向にのびてゲート線121と交差する。各駆動電圧線172は接触孔163bを通じて第2ソース及びドレイン領域153bと連結されている複数の第2入力電極173bを含む。駆動電圧線172は互いに連結されることができる。
【0071】
第1出力電極175aはデータ線171及び駆動電圧線172と分離されている。第1出力電極175aは接触孔165aを通じて第1ドレイン領域155aに連結されており、接触孔164を通じて第2制御電極124bと連結されている。
【0072】
第2出力電極175bはデータ線171、駆動電圧線172及び第1出力電極175aと分離されており、接触孔165bを通じて第2ドレイン領域155bと連結されている。
【0073】
共通電圧線278は、図3に示すように、基板110の上側周縁付近に位置した共通電圧パッド279を含む。共通電圧線278はゲート線121と同一層で作られることができる。
【0074】
データ導電体171、172、175a、175b、278はモリブデン、クロム、タンタル及びチタニウムなど耐火性金属またはこれらの合金で作られることが好ましく、耐火性金属膜(図示せず)と低抵抗導電膜(図示せず)を含む多重膜構造を有することができる。多重膜構造の例としてはクロムまたはモリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)上部膜の二重膜、モリブデン(合金)下部膜とアルミニウム(合金)中間膜とモリブデン(合金)上部膜の三重膜がある。しかし、データ導電体171、172、175a、175bはその他にも多様な金属または導電体で作られることができる。
【0075】
ゲート導電体121、121bと同様に、データ導電体171、172、175a、175bもまたその側面が基板110面に対して30゜乃至80゜程度の傾斜角で傾いているのが好ましい。
【0076】
データ導電体171、172、175a、175b上には保護膜180が形成されている。保護膜180は無機物、有機物、低誘電率絶縁物質などで構成される。
【0077】
保護膜180には第2出力電極175b及び共通電圧線278を各々露出する複数の接
触孔185、188が形成されている。保護膜180にはまた、データ線171の端部を露出する複数の接触孔(図示せず)が形成されることができ、保護膜180と層間絶縁膜160にはゲート線121の端部を露出する複数の接触孔(図示せず)が形成されることができる。共通電圧線278が層間絶縁膜160の下にある場合には、接触孔188が層間絶縁膜160を貫通することができる。
【0078】
保護膜180上には複数の画素電極190及び少なくとも一つの接触補助部材88が形成されている。
【0079】
画素電極190は図2に示した発光素子(LD)のアノードとして作用し、接触孔185を通じて第2出力電極175bと連結されている。画素電極190と接触補助部材88はITO(インジウム錫酸化物)またはIZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明な導電物質で作られるのが好ましいが、アルミニウム、銀、カルシウム、バリウム、マグネシウムなどの不透明反射性金属で作られることができる。
【0080】
接触補助部材88は接触孔188を通じて共通電圧線278と連結されており、共通電圧線278の露出された部分を覆う。接触補助部材88は省略できる。
【0081】
保護膜180上にはまた、複数の接触補助部材(図示せず)または連結部材(図示せず)が形成されることができ、これらはゲート線121とデータ線171の露出された端部及び共通電圧パッド279と連結される。
【0082】
保護膜180上には有機発光表示装置の画素を分離するための隔壁360が形成されている。隔壁360は画素電極190の周縁付近を囲んで有機発光物質で満たされる開口部を定義し、有機絶縁物または無機絶縁物で作られる。隔壁360にはまた、接触補助部材88を露出する複数の接触孔368が形成されている。
【0083】
隔壁360が定義する画素電極190上の開口部内には有機発光部材370が形成されている。有機発光部材370は赤色、緑色、青色の三原色など基本色のうちのいずれか一つの光を固有に発する有機物質で作られる。有機発光表示装置は有機発光部材370が出す基本色の色光の空間的な合計によって所望の映像を表示する。
【0084】
有機発光部材370上には下部電極271(第1層)と上部電極272(第2層)を含む共通電極270が形成されている。共通電極270は共通電圧(Vcom)の印加を受ける。また、共通電極270は、図4において、下部電極271と上部電極272の複層構造を有する第1部分と、上部電極272のみからなる第2部分とを有する。
【0085】
下部電極271はフッ化リチウム(LiF)など絶縁体またはカルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、リチウム(Li)などアルカリ金属またはアルカリ土類金属などで作られることができて、上部電極272はアルミニウム、銀またはその合金など低抵抗金属で作られることができる。発光部材370と接触する下部電極271は低い仕事関数を有して有機発光部材370に電子をより容易に供給する役割を果たす。上部電極272は耐酸化性の低抵抗物質で作られて下部電極271を保護し、共通電圧(Vcom)の歪曲を減らす。
【0086】
上部電極272は接触孔368を通じて接触補助部材88と接触する接触部(B)を含み、下部電極271は接触補助部材88と接触しない。このようにすれば、共通電極270と接触補助部材88または共通電圧線278の接触抵抗が低下する。より詳しく説明すると、BaまたはCaなどのように仕事関数の低い金属は、小さい熱にも容易に溶けるために共通電圧が伝達される時、接触部(B)で発生する熱によって容易に溶融されて接触
抵抗を増加させる。また、LiFなどのような絶縁体も接触抵抗を増加させる。しかし、前述した構造では接触補助部材88が上部電極272とは接触するが、下部電極271とは接触しないため、共通電極270と共通電圧線278との間の接触抵抗が低下するようになる。
【0087】
このような有機発光表示装置において、第1半導体151a、ゲート線121に連結されている第1制御電極124a、データ線171に連結されている第1入力電極173a及び第1出力電極175aはスイッチング薄膜トランジスタ(Qs)を構成し、第2半導体151b、第1出力電極175aに連結されている第2制御電極124b、駆動電圧線172に連結されている第2入力電極173b及び画素電極190に連結されている第2出力電極175bは駆動薄膜トランジスタ(Qd)を構成する。互いに重畳する維持電極127と駆動電圧線172及び維持領域157はストレージキャパシタ(Cst)を構成する。図5乃至図7に示す薄膜トランジスタ(Qs、Qd)はゲート電極124a、124bが半導体151a、151bの上にあるために“上部ゲート薄膜トランジスタ”という。
【0088】
一方、有機発光部材370は、図8に示すように、多層構造を有することができる。有機発光部材370は光を出す発光層(EML)の他に、発光層(EML)の発光効率を向上させるための補助層を含む。補助層には電子と正孔の均衡を合せるための電子輸送層(ETL)及び正孔輸送層(HTL)と、電子と正孔の注入を強化するための電子注入層(EIL)及び正孔注入層(HIL)などがある。共通電極270の下部電極271は電子注入層(EIL)として作用することができる。
【0089】
以下、このような表示板を製造する方法について図9乃至図27C及び前述した図3乃至図8を参照して説明する。
【0090】
図9、図11、図13、図15、図17、図19、図21、図23及び図25は図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図であり、図10A及び図10Bは各々図9の表示板をXA−XA’線及びXB−XB’線に沿って切断した断面図であり、図10Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図12A及び図12Bは各々図11の表示板をXIIa−XIIa’線及びXIIB−XIIB’線に沿って切断した断面図であり、図12Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図14A及び図14Bは各々図13の表示板をXIVA−XIVA’線及びIXB−IXB’線に沿って切断した断面図であり、図14Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図16A及び図16Bは各々図15の表示板をXVIA−XVIA’線及びXVIB−XVIB’線に沿って切断した断面図であり、図16Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図18A及び図18Bは各々図17の表示板をXVIIIA−XVIIIA’線及びXVIIIB−XVIIIB’線に沿って切断した断面図であり、図18Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図20A及び図20Bは各々図19の表示板をXXA−XXA’線及びXXB−XXB’線に沿って切断した断面図であり、図20Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図22A及び図22Bは各々図21の表示板をXXIIA−XXIIA’線及びXXIIB−XXIIB’線に沿って切断した断面図であり、図22Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図24A及び図24Bは各々図23の表示板をXXIVA−XXIVA’線及びXXIVB−XXIVB’線に沿って切断した断面図であり、図24Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図26A及び図26Bは各々図25の表示板をXXVIA−XXVIA’線及びXXVIB−XXVI
B’線に沿って切断した断面図であり、図26Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。図27A及び図27Bは各々図25の表示板をXXVIA−XXVIA’線及びXXVIB−XXVIB’線に沿って切断した断面図であって、図26A及び図26Bの次の段階を示した図面であり、図27Cはこの段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【0091】
まず、基板110の上部に酸化ケイ素などを蒸着して遮断膜111を形成し、遮断膜111上に非晶質シリコンで作られた半導体層を蒸着する。非晶質シリコン層の蒸着はLPCVD(low temperature chemical vapor deposition)、PECVE(plasma enhanced chemical vapor deposition)またはスパッタリングによって進行することができる。
【0092】
ついで、半導体層にレーザービームを照射して多結晶シリコンに結晶化した後、半導体層を写真エッチングして図9乃至図10Bに示した複数対の第1及び第2島型半導体151a、151bを形成する。この時、半導体は結晶化しなくてもよい。
【0093】
ついで、図11乃至図12Cに示すように、ゲート絶縁膜140とゲート金属層を順次に蒸着して第1感光膜パターン(PR1)を形成する。第1感光膜パターン(PR1)をエッチングマスクにしてゲート金属層をエッチングすることによって維持電極127を含む複数の第2ゲート電極124bと複数のゲート金属部材120aを形成する。第1感光膜パターン(PR1)、ゲート電極124b及びゲート金属部材120aで覆われていない第2島型半導体151部分にp型不純物を注入してチャンネル領域154bを定義し、複数のp型不純物領域153b、155bを形成する。この時、第1島型半導体151aは第1感光膜パターン(PR1)及びゲート金属部材120aで覆われて保護される。
【0094】
ついで、図13乃至図14Cに示すように、第1感光膜パターン(PR1)を除去して、第2感光膜パターン(PR2)を形成する。第2感光膜パターン(PR2)をエッチングマスクにしてゲート金属部材120aをエッチングすることによって第1ゲート電極124aを含む複数のゲート線121を形成する。第2感光膜パターン(PR2)、ゲート線121及びゲート電極124bで覆われていない第1島型半導体151aにn型不純物イオンを注入してチャンネル領域154aを定義し、複数のn型不純物領域153a、153bを形成する。この時、第2島型半導体151aは第2感光膜パターン(PR2)で覆われて保護される。
【0095】
ついで、図15乃至図16Cに示すように、層間絶縁膜160を積層してゲート絶縁膜140と共に写真エッチングして不純物領域153a、155a、153b、155bを各々露出する接触孔163a、163b、165a、165b及び第2ゲート電極124bの一端部を露出する接触孔164を形成する。
【0096】
ついで、図17乃至図18Cに示すように、層間絶縁膜160上にデータ金属層を積層して写真エッチングして第1ソース電極173aを含む複数のデータ線171、第2ソース電極173bを含む複数の駆動電圧線172、複数の第1及び第2ドレイン電極175a、175b及び共通電圧線278を形成する。
【0097】
ついで、図19乃至図20Cに示すように、保護膜180を積層してマスクを利用した写真エッチング工程によってパターニングして第2ドレイン電極175bを露出する複数の接触孔185及び共通電圧線278を露出する複数の接触孔188を形成する。
【0098】
ついで、図21乃至図22Cに示すように、保護膜180上に画素電極190と接触補助部材88を形成する。画素電極190を反射性不透明物質で作る場合には、データ金属
層でデータ線171と共に画素電極190を作ることができる。
【0099】
ついで、図23乃至図24Cに示すように、絶縁膜を積層してパターニングして画素電極190上に位置した複数の開口部を有し、接触補助部材88上に位置した少なくとも一つの接触孔368を有する隔壁360を形成する。
【0100】
ついで、図25乃至図26Cに示すように、開口部内に有機発光層370を形成する。この時、有機発光層370は多層構造で構成することができる。有機発光層370はマスキングの後、蒸着、インクジェット印刷などの方法によって形成する。
【0101】
ついで、図27A乃至図27Cに示すように、有機発光層370上に下部電極271を形成する。この時、シャドウマスクを利用して下部電極271が接触孔368上には存在しないようにする。
【0102】
最後に、図5に示すように、接触孔368上に位置した接触部(B)を含む上部電極272を形成する。
【0103】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者による多様な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置のブロック図である。
【図2】本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置における一つの画素の等価回路図である。
【図3】本発明の一つの実施形態による有機発光表示装置用表示板の概略的な平面図である。
【図4】図3の表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図5】図3に示した表示板の画素と信号線を示す配置図である。
【図6】図5の薄膜トランジスタ表示板をVI−VI’線に沿って切断した断面図である。
【図7】図5の薄膜トランジスタ表示板をVII−VII’線に沿って切断した断面図である。
【図8】本発明の一つの実施形態による有機発光素子の概略図である。
【図9】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図10A】図9の表示板をXA−XA’線に沿って切断した断面図である。
【図10B】図9の表示板をXB−XB’線に沿って切断した断面図である。
【図10C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図11】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図12A】図11の表示板をXIIA−XIIA’線に沿って切断した断面図である。
【図12B】図11の表示板をXIIB−XIIB’線に沿って切断した断面図である。
【図12C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図13】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図14A】図13の表示板をXIVA−XIVA’線に沿って切断した断面図である。
【図14B】図13の表示板をXIVB−XIVB’線に沿って切断した断面図である。
【図14C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図15】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図16A】図15の表示板をXVIA−XVIA’線に沿って切断した断面図である。
【図16B】図15の表示板をXVIB−XVIB’線に沿って切断した断面図である。
【図16C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図17】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図18A】図17の表示板をXVIIIA−XVIIIA’線に沿って切断した断面図である。
【図18B】図17の表示板をXVIIIB−XVIIIB’線に沿って切断した断面図である。
【図18C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図19】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図20A】図19の表示板をXXA−XXA’線に沿って切断した断面図である。
【図20B】図19の表示板をXXB−XXB’線に沿って切断した断面図である。
【図20C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図21】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図22A】図21の表示板をXXIIA−XXIIA’線に沿って切断した断面図である。
【図22B】図21の表示板をXXIIB−XXIIB’線に沿って切断した断面図である。
【図22C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図23】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図24A】図23の表示板をXXIVA−XXIVA’線に沿って切断した断面図である。
【図24B】図23の表示板をXXIVB−XXIVB’線に沿って切断した断面図である。
【図24C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図25】図3乃至図8の薄膜トランジスタ表示板を本発明の一つの実施形態によって製造する方法の中間段階における表示板の配置図である。
【図26A】図25の表示板をXXVIA−XXVIA’線に沿って切断した断面図である。
【図26B】図25の表示板をXXVIB−XXVIB’線に沿って切断した断面図である。
【図26C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図27A】図25の表示板をXXVIA−XXVIA’線に沿って切断した断面図であって、図26A及び図26Bの次の段階を示した図面である。
【図27B】図25の表示板をXXVIB−XXVIB’線に沿って切断した断面図であって、図26A及び図26Bの次の段階を示した図面である。
【図27C】この段階で図3に示した表示板をIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
【0105】
88…接触補助部材
110…基板、
111…遮断膜、
121…ゲート線、
124a、124b…ゲート電極、
127…維持電極、
140…ゲート絶縁膜、
151a、151b…半導体、
153a、153b…ソース領域、
155a、155b…ドレイン領域、
157…維持領域、
160…層間絶縁膜、
163a、163b、164、165a、165b…接触孔、
171…データ線、
172…駆動電圧線、
173a、173b…ソース電極、
175a、175b…ドレイン電極、
180…保護膜、
185、188…接触孔、
190…画素電極、
270、271、272…共通電極、
278、279…共通電圧線、
360…隔壁、
368…接触孔、
370…発光部材、
400…走査駆動部、
500…データ駆動部、
Cst…ストレージキャパシタ、
PR1、PR2…感光膜、
Qs…スイッチング薄膜トランジスタ、
Qd…駆動薄膜トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアノード電極と、
所定の電圧の供給を受けて前記アノード電極と対向する第1部分及び前記所定の電圧の印加を受けて前記第1部分と異なる断面構造を有する第2部分を含むカソード電極と、
前記アノード電極と前記カソード電極との間に備えられている複数の発光部材と、
前記所定の電圧を伝達し、前記カソード電極の第2部分と接触する信号線と、
を含むことを特徴とする、有機発光表示装置用表示板。
【請求項2】
前記カソード電極の第1部分は多層部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項3】
前記多層部分は前記発光部材と接触する第1層と、前記第1層を間に置いて前記アノード電極の反対側に位置する第2層とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項4】
前記第1層は前記信号線と離隔していることを特徴とする、請求項3に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項5】
前記第2部分は前記第2層を含むことを特徴とする、請求項4に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項6】
前記第1層は前記第2層より低い仕事関数を有することを特徴とする、請求項5に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項7】
前記第1層はアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むことを特徴とする、請求項6に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項8】
前記第1層はバリウム(Ba)、カルシウム(Ca)またはリチウム(Li)を含むことを特徴とする、請求項7に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項9】
前記第1層はフッ化リチウム(LiF)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項10】
前記第2層は前記第1層より抵抗が小さいことを特徴とする、請求項5に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項11】
前記第1層は前記第2層より酸化されやすいことを特徴とする、請求項5に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項12】
前記信号線は多層構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項13】
複数のアノード電極と、
前記アノード電極上に位置する複数の発光部材と、
前記発光部材上に位置する第1部分及び前記発光部材と離れている第2部分を含む金属層と、
前記発光部材より高さが低く、前記金属層の第2部分と連結されて所定の信号を伝達する信号線と、
を含むことを特徴とする、有機発光表示装置用表示板。
【請求項14】
前記信号線上に、前記発光部材の下に位置する絶縁膜をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項15】
前記絶縁膜は前記アノード電極の下に位置し、前記信号線を少なくとも一部露出する接触孔を有することを特徴とする、請求項14に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項16】
前記信号線と前記金属層との間に位置する接触補助部材をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項17】
前記アノード電極は透明物質を含むことを特徴とする、請求項16に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項18】
前記接触補助部材は前記アノード電極と同一層に位置することを特徴とする、請求項17に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項19】
走査線と、データ線と、前記走査線及び前記データ線に連結されているスイッチングトランジスタと、前記スイッチングトランジスタ及び前記アノード電極に連結されている駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタの両端に連結されているキャパシタとをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の有機発光表示装置用表示板。
【請求項20】
前記信号線は前記走査線または前記データ線と同一層を含むことを特徴とする、請求項19に記載の有機発光表示装置用表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【公開番号】特開2006−18301(P2006−18301A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194199(P2005−194199)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】