説明

有機砒素含有水の処理方法

【課題】地下水に含まれる有機砒素として代表的なジフェニルアルシン酸を除去して飲料水の汚染を防止できる有機砒素含有水の処理方法を提供すること。
【解決手段】有機基と砒素原子の結合を含む有機砒素を含有する原水に光照射して前記有機基と砒素原子の結合を解離する光酸化工程と、前記光酸化工程の解離によって生じた砒素又は砒素化合物を凝集処理する工程を含むことを特徴とする有機砒素含有水の処理方法であり、好ましくは、前記光酸化工程は、オゾンの存在下で光照射することを特徴とする有機砒素含有水の処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機砒素含有水の処理方法に関し、詳しくは、地下水に含まれる有機砒素として代表的なジフェニルアルシン酸を除去して飲料水の汚染を防止できる有機砒素含有水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境省は、2004年1月から旧相模海軍工蔽化学実験部跡地の井戸水について毒ガス関連物質の分析を行った結果、0.001mg/l(砒素換算)のジフェニルアルシン酸(DPAA)が検出された旨を3月に報告し、これを受けて神奈川県や平塚市は旧相模海軍工蔽化学実験部跡地の周辺及び下流域の範囲内における井戸水の飲用を中止する対策をとっている。
【0003】
また茨城県でも、2004年9月に、神栖町の農業用井戸水及びその水を使用した産米からジフェニルアルシン酸が検出された旨の報告を行っている。
【0004】
従って、有機砒素含有水の処理は緊急の課題であり、地下水を無害化する実用的な処理法の開発が望まれている。
【0005】
なお、従来、砒素除去技術としては、特許文献1に記載のように凝集処理、ゼオライト吸着、ガラス固化、セメント固化の処理を行う手法が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、砒素を凝集処理したり、あるいは吸着処理する手法、さらに原水中の砒素を5価の砒素に酸化する手法が開示されている。
【特許文献1】特開2002−210451号公報
【特許文献2】特開平9−2857861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2に記載の技術は、いずれも無機系砒素を除去する手法であり、有機砒素の除去については開示がなく、いずれの方法を採用しても有機砒素の効果的な除去は実現できない。
【0008】
本発明者は、有機砒素の処理法について、鋭意検討した結果、有機成分と砒素との結合を切断した後、凝集等処理することにより、地下水等の水処理が効果的に実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
そこで、本発明は、地下水に含まれる有機砒素として代表的なジフェニルアルシン酸を除去して飲料水の汚染を防止できる有機砒素含有水の処理方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0012】
(請求項1)
有機基と砒素原子の結合を含む有機砒素を含有する原水に光照射して前記有機基と砒素原子の結合を解離する光酸化工程と、
前記光酸化工程の解離によって生じた砒素又は砒素化合物を凝集処理する工程を含むことを特徴とする有機砒素含有水の処理方法。
【0013】
(請求項2)
前記光酸化工程は、オゾンの存在下で光照射することを特徴とする請求項1記載の有機砒素含有水の処理方法。
【0014】
(請求項3)
前記光酸化工程は、オゾンの存在下で光照射すると共に酸化促進剤を添加することを特徴とする請求項2記載の有機砒素含有水の処理方法。
【0015】
(請求項4)
有機基と砒素原子の結合を含む有機砒素を含有する原水にオゾンの存在下で光照射して前記有機基と砒素原子の結合を解離する光酸化工程と、
前記光酸化工程後に、前記解離を促進すると共に余剰オゾンを除去する活性炭触媒により処理を行う活性炭触媒処理工程と、
前記解離によって生じた砒素又は砒素化合物を凝集処理する工程を含むことを特徴とする有機砒素含有水の処理方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、地下水に含まれる有機砒素として代表的なジフェニルアルシン酸を除去して飲料水の汚染を防止できる有機砒素含有水の処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明において、有機砒素は、有機基と砒素原子の結合を含む化合物であり、代表例としてはジフェニルアルシン酸が挙げられる。
【0018】
ジフェニルアルシン酸は、下記化1で示される構造を有している。
【0019】
【化1】

【0020】
ここで、Asは砒素原子を表し、Phはフェニル基(有機基の一例)を表し、Oは酸素原子を表し、OHは水酸基を表す。
【0021】
次に、図1に基づいて、有機砒素含有水の処理方法の好ましい態様を説明する。
【0022】
図1(A)は、光酸化工程100と凝集処理工程200からなる例であり、図1(B)は光酸化工程100と活性炭触媒処理工程300と凝集処理工程200からなる例である。
【0023】
図1(A)において、光酸化工程100は、基本的には、原水に光照射して有機基と砒素原子の結合(Ph−As結合)を解離する。
【0024】
本発明において、原水に紫外光が照射されると、解離エネルギーが供給されるので、その結果「解離」が生じる。
【0025】
この解離は、反応形態でみれば酸化反応であり、砒素などの無機物が生成する観点からみれば無機化反応である。ここで「無機化」というのは、無機砒素化合物あるいは砒素原子となっている状態であり、有機物を含まない原子あるいは化合物になっている状態を意味している。
【0026】
また本発明における光酸化工程100では、前記解離によって生成する有機物を生じ、その有機物は光酸化によって分解される。ここで生成する有機物は、解離によって生成するPh基を含む化合物、解離によって生成する少量のPh(フェノール)や脂肪酸等が挙げられる。有機物は酸化分解によって最終的には二酸化炭素と水になり、BOD成分の存在しない無害な処理水となる。従って、本発明の処理方法は安全でクリーンである。
【0027】
凝集処理工程200では光酸化工程100から送られる液体に対して、凝集剤が添加され、無機砒素化合物あるいは砒素原子は凝集除去される。
【0028】
図1(B)において、光酸化工程100ではオゾンが供給され、酸化分解の促進が図られている。活性炭触媒処理工程300では反応過程で生成するPh基を含む化合物或いはPh化合物の分解を行い、余剰のオゾンが除去される。凝集処理工程200は図1(A)と同様である。
【0029】
次に、本発明における光酸化工程の機構について更に詳細に説明する。
【0030】
光酸化工程での紫外線照射により、水中の溶存酸素がオゾン、酸素ラジカルを経て、ヒドロキシラジカル(OH・)が生成される。
【0031】
またオゾンのような酸化剤を原水に添加すると効率的にヒドロキシラジカル(OH・)が生成される。
【0032】
更にオゾンのような酸化剤に加えて、過酸化水素水、次亜塩素酸などの酸化促進剤を原水に微量添加すると、更に効率的にヒドロキシラジカル(OH・)が生成される。
【0033】
本発明ではこの酸化促進剤の添加が微量であることにより、ジフェニルアルシン酸の分解効率を向上させる効果がある。酸化促進剤の添加量は0〜300ppmの範囲が好ましく、より好ましくは0〜200ppmの範囲、更に好ましくは0〜100ppmの範囲である。
【0034】
以下に、ヒドロキシラジカル(OH・)の生成機構について説明する。
【0035】
(紫外線照射により水中の溶存酸素からヒドロキシラジカルを生成)
184.9nm照射: 3/2O→O
253.7nm照射: O→ O+ O・
184.9nm照射: O+O・+HO→2OH・+O
(水分子から直接ヒドロキシラジカル生成)
184.9nm照射: HO→OH・+H・
(オゾン添加によるヒドロキシラジカル生成)
253.7nm照射: O→O+O・
184.9nm照射: O+O・+HO→2OH・+O
(過酸化水素添加によるヒドロキシラジカル生成)
184.9nm+253.7nm照射: H→2OH・
(次亜塩素酸添加によるヒドロキシラジカル生成)
184.9nm+253.7nm照射: OCl→Cl・+O・
184.9nm照射:O・+HO→2OH・
【0036】
上記のようにして生成されたヒドロキシラジカル(OH・)と紫外光のエネルギーの協働作用により、上述したような有機物(Ph基)とAsの結合が解離したり、Ph基が分解したり、解離によって生成したPhや脂肪酸を最終的に二酸化炭素と水に分解する。
【0037】
次に、本発明の処理方法を実施する装置の一例にについて図2に基づいて説明する。
【0038】
図2は本発明の好ましい処理システムの一例を示すフロー図であり、同図において、1は有機砒素を含有する原水を導入して光酸化処理する光酸化槽である。
【0039】
光酸化槽1内には紫外線照射ランプ10が装置中央に上下方向に配置されている。紫外線照射ランプ10は紫外線制御器11によって紫外線の波長の種類や照射エネルギーなどが制御される。
【0040】
なお、図示しないが、光酸化槽1の下方から空気やオゾンを光酸化槽1の内部に供給し、紫外線照射ランプ10の周囲を曝気攪拌するようにすると、光酸化の促進上好ましい。
【0041】
紫外線の波長の種類としては、例えば365nm、253.7nm、184.9nmが挙げられ、これらの紫外線の内、2種類の波長の紫外線を組み合わせて照射することはヒドロキシラジカルの生成を促進する上で好ましいことである。
【0042】
照射エネルギーは、365nmの場合約3.4eVであり、253.7nmの場合約4.9eVであり、184.9nmの場合約6.7eVである(いずれも理論値)。
【0043】
光酸化槽1には、酸化促進剤タンク12から酸化促進剤ポンプ13により酸化促進剤を供給可能に構成されている。酸化促進剤としては、過酸化物(過酸化水素など)、次亜塩素酸又はその塩(例えば次亜塩素酸ソーダなど)などが挙げられる。曝気攪拌のために供給される酸化剤であるオゾンと上記の酸化促進剤を併用すると好ましい。
【0044】
光酸化槽1で光酸化処理された原水は、好ましくは活性炭触媒槽14にて、酸化分解のさらなる促進、余剰オゾンの除去を行った後、ポンプ2により凝集槽3に送られる。凝集槽3は攪拌機30を備えている。
【0045】
凝集槽3には凝集剤が添加される。凝集剤には、無機系凝集剤や高分子凝集剤があり、無機系凝集剤としては硫酸第二鉄、PAC(商品名)、TRP(商品名)などがある。これらのうち硫酸第二鉄は必須であるが、2種以上を併用することも好ましい。
【0046】
硫酸第二鉄としては、例えばポリ鉄(商品名)を用いることができる。TRPはカルシウム・シリカ等を主成分とした天然ミネラル水処理剤であり、株式会社アステック社製「TRP」を用いることができる。
【0047】
高分子凝集剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれでもよいが、無機系凝集剤との適合性を考慮して選択して使用することができる。
【0048】
更に本発明では無機系凝集剤と高分子凝集剤を併用することも好ましいことである。
【0049】
本実施の形態では、2種の凝集剤の併用の例を説明する。31は硫酸鉄タンクであり、32は硫酸鉄ポンプである。33はTRPタンク、34はTRPポンプ、35はTRP攪拌機である。
【0050】
凝集された原水はポンプ4により沈殿槽5に送られる。沈殿槽5は固液分離手段の一例として用いるものであるので、他の固液分離手段、例えば膜処理装置(精密濾過膜、限外濾過膜、液中膜など)を用いることもできる。なお液中膜を採用する場合には、凝集槽3内に浸漬して用いることができる。
【0051】
沈殿槽5で固液分離された処理水(上澄み水)は、中間タンク6に送られ、必要により設けられる活性炭吸着塔7にポンプ8により送られ、残留するAsや反応過程で生成するPh基を含む化合物或いはPh化合物の残留物が吸着処理される。
【実施例】
【0052】
以下、実施例により、本発明の効果を例証する。
【0053】
(実施例1)
<原水>
現地の井戸水から採取して原水とした。原水中の有機砒素であるジフェニルアルシン酸の分析結果を表1に示す。なお原水中に無機砒素は含まれていなかった。
【0054】
【表1】

【0055】
(ジフェニルアルシン酸の分析方法及び定量下限)
分析方法:溶媒抽出−GC/MSにより分析した。
定量下限:0.001mg/L
【0056】
<光酸化処理>
上記の原水を表2に示す実験1−1〜10の処方で光酸化処理した。光酸化槽では下方より空気又はオゾンを供給し、曝気攪拌を行った。空気又はオゾンの供給量は2.0L/分とした。
【0057】
オゾンを添加する実験では添加量0.375mg/Lであり、1時間当たりのオゾン添加量は0.375×2.0L/分×60=45mg/時間とした。
【0058】
【表2】

【0059】
表2中、「Wako」は和光純薬工業株式会社製商品名を示す。
【0060】
<分析結果>
表2に示す実験1−1〜10の処方で、滞留時間10分のものについて、処理水のジフェニルアルシン酸の水質分析結果を以下の表3に示す。なお表3には原水の分析値も参考までに示した。ジフェニルアルシン酸の分析方法は原水の分析方法と同じ方法を採用した。
【0061】
【表3】

【0062】
次に処理水の無機砒素濃度を以下の分析方法により分析してその結果を表4に示す。
【表4】

【0063】
(無機砒素の分析方法及び定量下限)
測定方法:JIS−K.0102.61.2
定量下限:0.001mg/L
【0064】
<結果の考察>
この結果により、有機砒素(ジフェニアルアルシン酸)におけるPh−As結合は解離され、無機砒素になったことが示された。分解効率はほぼ100%であり、本発明の効果が確認できた。
【0065】
(実施例2)
実施例1で光分解された処理水について、以下の凝集処理を行った。凝集剤、添加量、凝集時間、沈降時間を含む処理方法は図3に示す。
【0066】
次に、原水を光酸化した後で凝集処理する前の処理水、凝集処理後の処理水について、ジフェニルアルシン酸濃度と砒素濃度を測定した。分析方法は実施例1と同じである。 処理水の分析結果を表5に示す。
【0067】
【表5】

【0068】
なお、表5中の検出限界は以下の通りである。
ジフェニルアルシン酸<0.001mg/L
無機砒素 <0.001mg/L
【0069】
(実施例3)
実施例1及び実施例2は低濃度有機砒素(0.02〜.03mg/L)を含む原水に対する処理実験であったが、この実施例3は中濃度・高濃度の場合の適切な酸化剤添加量を検討するものである。
【0070】
処理実験は、有機砒素0.6〜0.7mg/Lの地下水を用い、以下の表6に示す処方に従って光酸化処理を行った。なお、光酸化槽でオゾン曝気攪拌を行った。
【0071】
【表6】

【0072】
以上の処理結果について表7に示す。表7には、光酸化処理後の処理水の全砒素濃度の分析結果が示されている。
【0073】
【表7】

【0074】
以上の結果から、原水濃度が高くなった場合には、光酸化処理後処理水の分析結果を見ても、酸化剤添加量を増やして単純に効果が上がるという結果にはならなかった。
【0075】
次いで、酸化剤添加量を少量とした場合の実験を行い効果の再確認を行った。凝集処理は実施例2と同様に実施した。実験結果を表8及び図4に示す。砒素濃度は無機砒素濃度を示している。
【0076】
【表8】

【0077】
以上の実験結果から、酸化剤として次亜塩素酸を用いた場合、その添加量は0〜100ppmが最も好ましいと判断される。
【0078】
(実施例4)
光酸化は、主に光(紫外線)のもつエネルギーと光によって生じるヒドロキシラジカルの生成物との相乗効果で分解が行われる。ただし、光は透過距離が長くなると透過率が低下するという法則(Lambert−Beerの法則)がある。
【0079】
−Log(I/Io)=As=β・C・l
ここで、I/Io:透過率
As:吸光度
β:吸収係数
C:対象物質の濃度
l:液深
【0080】
本実験では光の透過率低下により、どの程度処理効率が低下するか、また滞留時間による処理効率の変化を求めた。
【0081】
原水は、有機砒素5mgAs/Lに調整した模擬水で行った。
実験結果を図5に示す。
【0082】
このことから、直径5cmの酸化筒の方が、直径の大きい10cm酸化筒と比べ、有機砒素分解率が高いことがわかる。
【0083】
これを補完するためには、(1)十分な滞留時間をとる、(2)攪拌を効率よく行い、光酸化可能域にできるだけ原水を循環させることが重要である。
【0084】
(実施例5)
有機砒素の光酸化分解状況を調べるために、短時間(5分間)の照射で、砒素形態がどのように変化するかの実験を行った。原水は実施例3のものと同じものを使用した。
実験結果を表9に示す。
【0085】
【表9】

【0086】
表中、MPAAはモノフェニルアルシン酸、DPAAはジフェニルアルシン酸を示す。
【0087】
(ジフェニルアルシン酸)
測定方法:溶媒抽出−GC/MSによる分析
定量下限:1μg/L
【0088】
(無機砒素)
測定方法:JIS−K.0102.61.2
定量下限:1μg/L
【0089】
その結果、光酸化筒での滞留時間5分間で分解した結果、ジフェニルアルシン酸はモノフェニルアルシン酸を経て、無機砒素(5価)になることが判明した。
【0090】
このことから、ジフェニルアルシン酸と同時に検出されることが多いモノフェニルアルシン酸についても光酸化による処理が有効であることがわかった。
【0091】
十分な酸化時間を確保すれば、ジフェニルアルシン酸は全てモノフェニルアルシン酸を経て無機砒素になることから、モノフェニルアルシン酸の分解も同時に行っていると言える。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】有機砒素含有水の処理工程の好ましい例を示す図
【図2】本発明の好ましい処理システムの一例を示すフロー図
【図3】凝集処理方法を示す図
【図4】好ましい酸化促進剤の量を示すグラフ
【図5】有機砒素分解率を示すグラフ
【符号の説明】
【0093】
1:光酸化槽
2:ポンプ
3:凝集槽
4:ポンプ
5:沈殿槽
6:中間タンク
7:活性炭吸着塔
8:ポンプ
10:紫外線照射ランプ
11:紫外線制御器
12:酸化剤タンク
13:酸化剤ポンプ
14:活性炭触媒槽
30:攪拌機
31:硫酸鉄タンク
32:硫酸鉄ポンプ
33:TRPタンク
34:TRPポンプ
35:TRP攪拌機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機基と砒素原子の結合を含む有機砒素を含有する原水に光照射して前記有機基と砒素原子の結合を解離する光酸化工程と、
前記光酸化工程の解離によって生じた砒素又は砒素化合物を凝集処理する工程を含むことを特徴とする有機砒素含有水の処理方法。
【請求項2】
前記光酸化工程は、オゾンの存在下で光照射することを特徴とする請求項1記載の有機砒素含有水の処理方法。
【請求項3】
前記光酸化工程は、オゾンの存在下で光照射すると共に酸化促進剤を添加することを特徴とする請求項2記載の有機砒素含有水の処理方法。
【請求項4】
有機基と砒素原子の結合を含む有機砒素を含有する原水にオゾンの存在下で光照射して前記有機基と砒素原子の結合を解離する光酸化工程と、
前記光酸化工程後に、前記解離を促進すると共に余剰オゾンを除去する活性炭触媒により処理を行う活性炭触媒処理工程と、
前記解離によって生じた砒素又は砒素化合物を凝集処理する工程を含むことを特徴とする有機砒素含有水の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−142282(P2006−142282A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295530(P2005−295530)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(393003837)株式会社アステック (7)
【Fターム(参考)】