説明

有機電界発光素子及びその製造方法

【課題】ITO層間で、前記ITO層と平行するように形成されるスキャンラインを含む有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
【解決手段】有機電界発光素子はインジウム錫酸化物層(ITO層)200、金属電極層202、データライン206及びスキャンライン208を含む。ITO層200と金属電極層202とが交差する発光領域204に複数のサブピクセルが形成される。データライン206は、ITO層200にそれぞれ接続される。スキャンライン208は、ITO層200間で金属電極層202と交差し、ITO層200と平行に形成され、接続領域210を除いた領域上に絶縁物質が蒸着される。スキャンライン208がITO層200間に形成されるので、従来のスキャンラインが形成されていた空間だけ、余裕がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機電界発光素子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、インジウム錫酸化物層(Indium Tin Oxide Films;ITO層)間で、前記インジウム錫酸化物層と平行するように形成されるスキャンラインを含む有機電界発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は所定電圧が印加された場合、所定波長の光を発生する。
図1は、従来の有機電界発光素子を示した平面図である。
図1を参照すると、従来の有機電界発光素子は、インジウム錫酸化物層(ITO層)100、金属電極層102、データライン106、第1スキャンライン108及び第2スキャンライン110を、それぞれ複数個含む。
ITO層100と金属電極層102とが交差する発光領域104には、複数のサブピクセルが形成される。
【0003】
データライン106は、ITO層100にそれぞれ接続され、図示されない集積回路チップから伝送されたデータ信号を受信し、前記受信されたデータ信号をITO層100に伝送する。
【0004】
第1スキャンライン108は、金属電極層102中の一部金属電極層にそれぞれ接続され、前記集積回路チップから伝送される第1スキャン信号を前記一部金属電極層に伝送する。
第2スキャンライン110は、金属電極層102中の残りの金属電極層にそれぞれ接続され、前記集積回路チップから伝送される第2スキャン信号を前記残りの金属電極層に伝送する。
【0005】
例えば、第1スキャンライン108は、金属電極層102中の奇数の金属電極層にそれぞれ接続され、第2スキャンライン110は、金属電極層102中の偶数の金属電極層にそれぞれ接続される。
前述のように、従来の有機電界発光素子において、スキャンライン108、110は図1に図示されるように、金属電極層102の外側に形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、基板には複数の有機電界発光素子が形成される。この場合、従来の有機電界発光素子と共にスキャンライン108、110が金属電極層102の外部に形成されると、スキャンライン108、110が占める空間だけ、前記基板の空間に余裕がなくなる。その結果、前記基板に形成され得る有機電界発光素子の数が、少なくなる。
したがって、スキャンラインが占める空間を減少できる有機電界発光素子及びその製造方法が求められるようになった。
【0007】
本発明の第1の目的は、インジウム錫酸化物層間に形成されたスキャンラインを有する有機電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記スキャンラインを接続するスキャンライン接続部を有する有機電界発光素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、第1有機電界発光素子のデータライン接続部と第2有機電界発光素子のスキャンライン接続部とを、同一平面上に位置させる有機電界発光素子基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子は、複数のインジウム錫酸化物層、複数のスキャンライン、絶縁層、有機物層及び金属電極層を含む。前記インジウム錫酸化物層は、基板上に形成される。前記スキャンラインは、前記基板上で前記インジウム錫酸化物層間に、それぞれ形成される。前記絶縁層は、前記インジウム錫酸化物層の発光領域、及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される。前記有機物層は、前記発光領域上に形成される。前記金属電極層は、前記有機物層及び前記接続領域上に、前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される。
【0009】
本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子は、複数のインジウム錫酸化物層、複数のスキャンライン、絶縁層、有機物層、金属電極層及びスキャンライン接続部を含む。前記インジウム錫酸化物層は、基板上に形成される。前記スキャンラインは、前記基板上で、前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される。前記絶縁層は、前記インジウム錫酸化物層の発光領域、及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される。前記有機物層は、前記発光領域上に形成される。前記金属電極層は、前記有機物層及び前記接続領域上に、前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される。前記スキャンライン接続部は、前記スキャンラインを接続する。
【0010】
また、本発明の好ましい他の実施例に係る有機電界発光素子は、複数のインジウム錫酸化物層、複数のスキャンライン、絶縁層、有機物層、複数の金属電極層及び複数のスキャンライン接続部を含む。前記インジウム錫酸化物層は、基板上に形成される。前記スキャンラインは、前記基板上で前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される。前記絶縁層は、前記インジウム錫酸化物層の発光領域及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される。前記有機物層は、前記発光領域上に形成される。前記金属電極層は、前記有機物層及び前記接続領域上に、前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される。前記スキャンライン接続部は、前記スキャンラインを所定単位で接続する。
【0011】
また、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子は、インジウム錫酸化物層と、該インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層とを有し、さらに、複数のデータライン、複数のデータライン接続部、複数のスキャンライン及びスキャンライン接続部を含む。前記データラインは前記インジウム錫酸化物層にそれぞれ接続される。前記データライン接続部は、前記データラインを所定単位で接続する。前記スキャンラインは、前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される。前記スキャンライン接続部は、前記スキャンラインを接続する。
【0012】
さらに、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子基板は、それぞれインジウム錫酸化物層と、該インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層とを持つ複数の有機電界発光素子を有し、さらに第1有機電界発光素子及び第2有機電界発光素子を含む。前記第1有機電界発光素子は、第1インジウム錫酸化物層に接続されたデータラインを所定単位で接続する1つ以上のデータライン接続部を含む。前記第2有機電界発光素子は、第2インジウム錫酸化物層間で、前記第2インジウム錫酸化物層と平行に形成される複数のスキャンラインを所定単位で接続する1つ以上のスキャンライン接続部を含む。ここで、前記データライン接続部と前記スキャンライン接続部は同一平面上で前記金属電極層と平行に配置する。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子の製造方法は、インジウム錫酸化物層を形成する段階;前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行にスキャンラインを形成する段階;前記インジウム錫酸化物層及びスキャンラインが形成された基板の全面に発光領域及び接続領域を除いて絶縁物質を蒸着する段階;前記発光領域に有機物層を蒸着する段階;及び前記発光領域及び接続領域上に前記インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層を形成する段階;を含む。
【0014】
また、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子の製造方法は、インジウム錫酸化物層を形成する段階;前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行にスキャンラインを形成する段階;前記スキャンラインを接続させるスキャンライン接続部を前記スキャンラインに形成する段階;前記インジウム錫酸化物層及びスキャンラインが形成された基板の全面に発光領域及び接続領域を除いて絶縁物質を蒸着する段階;前記発光領域に有機物層を蒸着する段階;及び前記発光領域及び接続領域上に前記インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層を形成する段階;を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る有機電界発光素子及びその製造方法は、スキャンラインがITO層間に形成されるので、同サイズの基板で輝度を向上させることができる。
また、本発明に係る有機電界発光素子及びその製造方法は、スキャンラインがITO層間に形成されるので、前記有機電界発光素子のサイズを小さくすることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る有機電界発光素子及びその製造方法は、品質検査のときに、ライン接続部及びライン電源部を利用して所定の電圧をインジウム錫酸化物層及び金属電極層に印加するので、有機電界発光素子のラインは外部検査装置のピンによる損傷を受けない。
さらにまた、本発明に係る有機電界発光素子基板は、第2有機電界発光素子の第2スキャンライン接続部を第1有機電界発光素子の第1データライン接続部間に配置されるので、横方向には有機電界発光素子の数を増やしながら、縦方向には前記有機電界発光素子基板の空間を最大限活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明に伴う有機電界発光素子及びその製造方法の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図2は本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。但し、図2は説明の便宜のために3(横)×4(縦)サイズの有機電界発光素子を示した。
【0018】
図2を参照すると、本発明の有機電界発光素子はインジウム錫酸化物層(ITO層)200、金属電極層202、データライン206及びスキャンライン208を含む。
ITO層200と金属電極層202とが交差する発光領域204に複数のサブピクセルが形成される。詳しくは、第1発光領域にはレッドサブピクセルが形成され、第2発光領域にはグリーンサブピクセルが形成され、第3発光領域にはブルーサブピクセルが形成される。ここで、前記レッドサブピクセル、グリーンサブピクセル及びブルーサブピクセルが一つのピクセルを構成する。
【0019】
データライン206は図2に示されるように、ITO層200にそれぞれ接続され、集積回路チップ(未図示)から供給されるデータ信号をITO層200に伝送する。
スキャンライン208は図2に示されるように、ITO層200間で金属電極層202と交差して形成される。即ち、スキャンライン208は、ITO層200間でITO層200と平行に形成される。
スキャンライン208の全体領域中の一部領域210(以下、“接続領域”という)を除いた領域上に絶縁物質が蒸着される。即ち、接続領域210にはスキャンライン208のみが存在し、残りの領域にはスキャンライン208上に絶縁物質が蒸着されている。
【0020】
したがって、前記集積回路チップからスキャンライン208にスキャン信号が供給される場合、スキャンライン208は前記スキャン信号を接続領域210を介して金属電極層202に供給する。
要するに、本発明の有機電界発光素子は、従来の有機電界発光素子とは違って、スキャンライン208がITO層200間に形成されるので、従来のスキャンラインが形成されていた空間だけ、空間に余裕がある。
【0021】
したがって、本発明の有機電界発光素子は、前記空間に余裕がある分だけ、ピクセルの数を増やすことができ、ITO層200の幅を拡大、すなわち、発光領域204の大きさを拡大することができる。その結果、本発明の有機電界発光素子は従来の有機電界発光素子に比べて輝度がさらに向上された。
また、本発明の有機電界発光素子は前記余裕空間だけそのサイズを減少することができるので、小型化するこができる。
【0022】
以下、本発明の有機電界発光素子の製造方法を詳述する。
先ず、基板上にITO層が全面蒸着される。
次いで、前記ITO層が全面蒸着された基板がパターニングされ、図2に示されるITO層200が前記基板上に形成される。
ITO層200にデータライン206が接続され、ITO層200間に金属電極層202と交差するスキャンライン208が形成される。
ITO層200、データライン206及びスキャンライン208が形成された基板の全面に絶縁物質が蒸着され、発光領域204及び接続領域210には絶縁物質が形成されない。
前記絶縁物質が蒸着された基板がパターニングされ、蒸着された絶縁物質が除去される。
前記発光領域204上に有機物層がそれぞれ蒸着される。
前記蒸着された有機物層を持つ基板上に金属電極層202が、ITO層200と交差するように形成される。
【0023】
図3は、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子を示す図2のI‐I´ラインに沿う断面図である。
図3に示されるように、ITO層200間で基板300上にスキャンライン208が形成される。本発明の一実施例に係るスキャンライン208は金属層である。例えば、スキャンライン208は、モリブデン(MO)からなる。
絶縁層302がITO層200間に、図3に示されるように形成される。但し、スキャンライン208中の一つのスキャンライン上には絶縁層302が形成されないが、残りのスキャンライン上には絶縁層302が形成される。
【0024】
その結果、絶縁層302が形成されないスキャンラインのみが、それに対応する金属電極層と接続される。これにより、前記集積回路チップから伝導されたスキャン信号が絶縁層302が形成されないスキャンラインを介して、それに対応する金属電極層に伝導される。
以後、ITO層200の発光領域204上に、有機物層304がそれぞれ形成される。
【0025】
ここで、有機物層304は、それぞれ順に積層された正孔輸送層(HTL)、発光層(ETL)及び電子輸送層(ETL)を含む。または、有機物層304は、それぞれ順に積層された正孔注入層(HIL)、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層(EIL)を含む。
金属電極層202は、有機物層304及び絶縁層302上に形成される。
【0026】
図4は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示す図2のI−I´ラインに沿う断面図である。
図4に示されるように、スキャンライン208は、基板400上に順に積層されたITO層208A及び金属層208Bを含む。
金属層208Bが基板400に弱く結合されるので、本発明の有機電界発光素子は、基板400と結合力の強いITO層208Aを基板400上に形成し、その後、ITO層208A上に金属層208Bを形成する。
本発明の一実施例に係る金属層208Bは、モリブデン(MO)からなる。
【0027】
図5は本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
図5を参照すると、一つの金属電極層と2つのスキャンラインが、2つの接続領域510でそれぞれ接続される。
したがって、前記集積回路チップは、2つの接続領域510中の一つの接続領域に該当するスキャンラインを介して、前記接続領域に該当する金属電極層にスキャン信号を供給することができる。
図3及び図5を参照すると、本発明の有機電界発光素子は、サイズが許容される限度内で一つの金属電極層と複数のスキャンラインを接続することができる。
【0028】
図6は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
図6を参照すると、本発明の有機電界発光素子はITO層600、金属電極層602、データライン606、スキャンライン608、データライン接続部612及びスキャンライン接続部614を含む。
ライン接続部612及び614を除いた別の構成要素は、図2に示された有機電界発光素子の構成要素と同一なので、以下説明を省略する。
データライン接続部612は、導電体としてデータライン606を接続させ、スキャンライン接続部614は、導電体としてスキャンライン608を接続させる。
【0029】
以下、前記有機電界発光素子の輝度検査を例に挙げて、データライン接続部612及びスキャンライン接続部614の機能を説明する。
前記有機電界発光素子の輝度検査のときに、外部検査装置は第1ピンをデータライン606中の一つのデータラインに接触させて前記データラインに所定の正の電圧を印加する。この場合、データライン606がデータライン接続部612によって接続されているので、接触されたデータラインに印加された前記正の電圧が、データライン接続部612を介して残りのデータラインに供給される。したがって、前記検査装置から印加された前記正の電圧が、データライン606を介してITO層600に供給される。
【0030】
また、前記検査装置は、第2ピンをスキャンライン608中の一つのスキャンラインに接触させて、前記スキャンラインに所定の負の電圧を印加する。その結果、前記検査装置から印加された前記負の電圧が、スキャンライン608を介して金属電極層602に供給される。
即ち、前記検査装置からITO層600に前記正の電圧が印加され、金属電極層602に前記負の電圧が印加されるので、前記ピクセルが発光する。
前記検査装置は、前記発光する光を介して前記有機電界発光素子の輝度不良を検出する。
有機電界発光素子の輝度検査後、ライン接続部612及び614は、スクライブ刃によって切断される。
【0031】
前述したように、本発明の有機電界発光素子で、前記検査装置からライン606及び608に接触されるピンの数は2つであり、全てのラインにピンを接触させなければならなかった従来の有機電界発光素子より、検査のために要求されるピンの数が顕著に少ない。したがって、本発明の有機電界発光素子のライン606及び608は従来の有機電界発光素子のラインよりも、前記ピンによって損傷を受ける可能性が顕著に少なくなる。
【0032】
以下、本発明の有機電界発光素子の製造方法を詳述する。
先ず、基板上にITO層が全面蒸着される。
次いで、前記ITO層が全面蒸着された基板がパターニングされ、図6に示されるように、ITO層600が前記基板上に形成される。
ITO層600にデータライン606が接続され、ITO層600間に金属電極層602と交差するスキャンライン608が形成される。
データライン接続部612及びスキャンライン接続部614が、データライン606及びスキャンライン608にそれぞれ接続される。
ここで、データライン接続部612及びスキャンライン接続部614の形成は、ITOパターニング過程で共に形成され得る。
データライン606及びスキャンライン608が形成された基板の全面に、絶縁物質が蒸着され、発光領域604及び接続領域610には絶縁物質が形成されない。
発光領域604上に有機物層がそれぞれ蒸着され、前記蒸着された有機物層を持つ基板上に金属電極層602が、ITO層600と交差するように形成される。
【0033】
図7は本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
図7を参照すると、一つの金属電極層と2つのスキャンラインが、2つの接続領域710でそれぞれ接続される。
したがって、前記集積回路チップは、2つの接続領域710中の一つの接続領域に該当するスキャンラインを介して、前記接続領域に該当する金属電極層にスキャン信号を供給することができる。
データライン接続部712は、データライン706を接続させ、スキャンライン接続部714は、スキャンライン708を接続させる。
【0034】
図8は、本発明の好ましい他の実施例に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
図8を参照すると、本発明の有機電界発光素子は、ITO層800、金属電極層802、データライン806、スキャンライン808、データライン接続部812、スキャンライン接続部814、データライン電源部816及びスキャンライン電源部818を含む。
データライン電源部816及びスキャンライン電源部818を除いた別の構成要素は、図6の有機電界発光素子の構成要素と同じ機能であるので、以下、説明を省略する。
【0035】
有機電界発光素子の輝度検査のときに、前記検査装置は第1ピンをデータライン電源部816に接触させ、所定の正の電圧をデータライン電源部816に印加する。
データライン電源部816は、前記印加された正の電圧をデータライン接続部812及びデータライン806を介してITO層800に供給する。
また、前記検査装置は、第2ピンをスキャンライン電源部818に接触させ、所定の負の電圧をスキャンライン電源部818に印加する。
スキャンライン電源部818は、前記印加された負の電圧をスキャンライン接続部814及びスキャンライン808を介して金属電極層802に供給する。
要するに、本発明の有機電界発光素子で、前記ピンはライン806、808に直接接触されずにライン電源部816及び818に接触されるので、ライン806及び808は前記ピンによって損傷を受けない。
【0036】
図9は、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子基板を示した平面図で、図10は、図9のB部分を拡大して示した平面図である。
図9を参照すると、本発明の有機電界発光素子基板900は複数の有機電界発光素子を含む。
図10を参照すると、前記有機電界発光素子は、第1有機電界発光素子1000及び第2有機電界発光素子1002を含む。
以下、第1有機電界発光素子1000を例に挙げて、前記有機電界発光素子等の動作を詳述し、その後、前記有機電界発光素子間の位置関係を詳述する。
第1有機電界発光素子1000は、第1ITO層1004、第1金属電極層1006、第1データライン1010、第1スキャンライン1012、第1データライン接続部1016及び第1スキャンライン接続部1018を含む。
ライン接続部1016、1018を除いた別の構成要素は、図2に示された有機電界発光素子の構成要素と同一なので、以下、説明を省略する。
【0037】
第1データライン接続部1016は、導電体として所定単位で第1データライン1010を接続する。例えば、第1データライン接続部1016は、図10に示されるように第1データライン1010を3つ単位でそれぞれ接続する。
また、第1データライン接続部1016は、前記第1有機電界発光素子の不良検査時、外部検査装置から印加される所定電圧を、第1データライン1010を介して第1ITO層1004に供給する。
第1スキャンライン接続部1018は、導電体として第1スキャンライン1012を接続する。
本発明の他の実施例に係る第1スキャンライン1012は、複数のスキャンライン接続部によって所定単位で接続され得る。
また、第1スキャンライン接続部1018は、前記第1有機電界発光素子の不良検査時、前記外部検査装置から印加される所定電圧を第1スキャンライン1012を介して金属電極層1006に提供する。
【0038】
以下、第1の有機電界発光素子1000と第2の有機電界発光素子1002との位置関係を詳述する。
図10を参照すると、第1データライン1010は、3つ単位で第1データライン接続部1016に接続される。
第2スキャンライン1024は、1個の第2のスキャンライン接続部1026に接続される。
第2有機電界発光素子1002の第2スキャンライン接続部1026は、第1のデータライン接続部1016間に位置する。もちろん、第2スキャンライン接続部1026が第1データライン接続部1016間に位置せずに、最も外側のデータライン接続部の外部に位置することもある。
即ち、第2スキャンライン接続部1026は、第1データライン接続部1016と同じ平面上に位置し、第1金属電極層1006に平行に有機電界発光素子基板900上に形成される。その結果、有機電界発光素子基板900の空間が、最大限活用される。
【0039】
本発明の他の実施例に係る第2のスキャンライン1024は、所定単位で複数個の第2スキャンライン接続部によって接続され得る。
この場合にも、前記第2スキャンライン接続部は、第1データライン接続部1016と同じ平面上に位置し、第1金属電極層1006に平行に有機電界発光素子基板900上に形成される。
要するに、本発明の有機電界発光素子基板900は第2有機電界発光素子1002の第2スキャンライン接続部1026を、第1有機電界発光素子1000の第1データライン接続部1016間に位置させるので、横方向には従来のスキャン領域ほどの空間が節約され、縦方向には有機電界発光素子基板900の空間を最大限活用することができる。
【0040】
前述した本発明の好ましい実施例は、例示の目的のために開示されたものであって、本発明に対する通常の知識を持つ当業者であるならば本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能である。しかし、このような修正、変更及び付加は本発明の特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、従来の有機電界発光素子を示した平面図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい一実施形態に係る図2のI−I´線に沿って切断した有機電界発光素子を示した断面図である。
【図4】図4は、本発明の好ましい他の実施形態に係る図2のI−I´線に沿って切断した有機電界発光素子を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
【図7】図7は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい他の実施形態に係る有機電界発光素子を示した平面図である。
【図9】図9は、本発明の好ましい一実施形態に係る有機電界発光素子基板を図示した平面図である。
【図10】図10は、図9のB部分を拡大して示した平面図である。
【符号の説明】
【0042】
200;ITO層
202:金属電極層
204:発光領域
206:データライン
208:スキャンライン
210:接続領域
300:基板
302:絶縁層
304:有機物層
1000:第一有機電界発光素子
1002:第2有機電界発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された複数のインジウム錫酸化物層、
前記基板上で前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される複数のスキャンラインと、
前記インジウム錫酸化物層の発光領域及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される絶縁層、
前記発光領域上に形成される有機物層、及び
前記有機物層及び前記接続領域上に前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される金属電極層を含む有機電界発光素子。
【請求項2】
前記スキャンラインは、金属を含む請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項3】
前記スキャンラインは、第1インジウム錫酸化物層上に形成された第2インジウム錫酸化物層及び金属層を含む請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項4】
前記接続領域は、前記スキャンラインにそれぞれ形成され、それぞれ一つの金属電極層に接続されている請求項1に記載の有機電界発光素子。
【請求項5】
基板上に形成された複数のインジウム錫酸化物層、
前記基板上で前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される複数のスキャンライン、
前記インジウム錫酸化物層の発光領域及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される絶縁層、
前記発光領域上に形成される有機物層、
前記有機物層及び前記接続領域上に、前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される金属電極層、及び
前記スキャンラインを接続するスキャンライン接続部を含む有機電界発光素子。
【請求項6】
前記スキャンライン接続部は、導電体である請求項5に記載の有機電界発光素子。
【請求項7】
前記スキャンライン接続部に接続され、有機電界発光素子の検査のときに、検査装置から印加される所定電圧を、前記スキャンライン接続部を介して前記スキャンラインに供給するスキャンライン電源部をさらに含む請求項5に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記データラインを接続するデータライン接続部をさらに含む請求項5に記載の有機電界発光素子。
【請求項9】
前記データライン接続部に接続され、有機電界発光素子の検査のときに、検査装置から印加される所定電圧を、前記データライン接続部を介して前記データラインに提供するデータライン電源部をさらに含む請求項8に記載の有機電界発光素子.
【請求項10】
基板上に形成された複数のインジウム錫酸化物層、
前記基板上で前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される複数のスキャンライン、
前記インジウム錫酸化物層間の発光領域及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される絶縁層、
前記発光領域上に形成される有機物層、
前記有機物層及び前記接続領域上に、前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される金属電極層、及び
前記スキャンラインを所定単位で接続する複数のスキャンライン接続部を含む有機電界発光素子。
【請求項11】
前記インジウム錫酸化物層にそれぞれ接続される複数のデータライン、及び
前記データラインを所定単位で接続する複数のデータライン接続部をさらに含む請求項10に記載の有機電界発光素子。
【請求項12】
前記データライン接続部及び前記スキャンライン接続部は、それぞれ金属からなっている請求項11に記載の有機電界発光素子。
【請求項13】
インジウム錫酸化物層と、該インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層とを含む有機電界発光素子において、
前記インジウム錫酸化物層にそれぞれ接続される複数のデータライン、
前記データラインを所定単位で接続する複数のデータライン接続部、
前記インジウム錫酸化物層間にそれぞれ形成される複数のスキャンライン、及び
前記スキャンラインを接続するスキャンライン接続部を含む有機電界発光素子。
【請求項14】
前記インジウム錫酸化物層の発光領域及びスキャンラインの接続領域を除いた領域に形成される絶縁層、及び
前記発光領域上に形成される有機物層をさらに含み、
前記金属電極層は、前記有機物層及び前記接続領域上で前記インジウム錫酸化物層と交差するように形成される請求項13に記載の有機電界発光素子。
【請求項15】
前記データライン接続部及び前記スキャンライン接続部は、それぞれ金属からなっている請求項13に記載の有機電界発光素子。
【請求項16】
第1インジウム錫酸化物層に結合されたデータラインを、所定単位で接続する1つ以上のデータライン接続部を含む第1有機電界発光素子、及び
第2インジウム錫酸化物層間で、前記第2インジウム錫酸化物層と平行に形成される複数のスキャンラインを、所定単位で接続する1つ以上のスキャンライン接続部を含む第2有機電界発光素子を含み、
前記データライン接続部と前記スキャンライン接続部は、同一平面上に位置する、有機電界発光素子基板。
【請求項17】
前記データライン接続部及び前記スキャンライン接続部は、それぞれ導電体である請求項16に記載の有機電界発光素子基板。
【請求項18】
インジウム錫酸化物層を形成する段階、
前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行にスキャンラインを形成する段階、
前記インジウム錫酸化物層及びスキャンラインが形成された基板の全面に発光領域及び接続領域を除いて絶縁物質を蒸着する段階、
前記発光領域に有機物層をそれぞれ蒸着する段階、及び
前記発光領域及び接続領域上に前記インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層を形成する段階を含む、有機電界発光素子の製造方法。
【請求項19】
前記スキャンラインを形成する段階は、
前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行する金属層を形成する段階を含む請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項20】
前記スキャンラインを形成する段階は、
前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行するインジウム錫酸化物層を形成する段階、及び
前記インジウム錫酸化物層間に形成されたインジウム錫酸化物層上に金属層を形成する段階を含む請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項21】
前記接続領域は、前記スキャンラインにそれぞれ形成され、それぞれ一つの金属電極層に接続されている請求項18に記載の有機電界発光素子の製造方法。
【請求項22】
インジウム錫酸化物層を形成する段階、
前記インジウム錫酸化物層間に前記インジウム錫酸化物層と平行にスキャンラインを形成する段階、
前記スキャンラインを接続するスキャンライン接続部を形成する段階、
前記インジウム錫酸化物層及びスキャンラインが形成された基板の全面に発光領域及び接続領域を除いて絶縁物質を蒸着する段階、
前記発光領域にそれぞれ有機物層を蒸着する段階、及び
前記発光領域及び接続領域上に前記インジウム錫酸化物層と交差する金属電極層を形成する段階を含む、有機電界発光素子の製造方法。
【請求項23】
前記スキャンライン接続部の終端に、スキャンライン電源部を形成する段階をさらに含む請求項22に記載の有機電界発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−190630(P2006−190630A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77675(P2005−77675)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(596066770)エルジー エレクトロニクス インコーポレーテッド (384)
【Fターム(参考)】