説明

有機EL表示装置及びその駆動方法

【課題】輝度ムラやシェーディングを抑制し、高い表示画質を実現する。
【解決手段】それぞれが第1副画素と第2副画素を備える複数の画素と、各副画素に配置された有機EL素子と、データ線ドライバと、画素回路と、ゲート線ドライバと、を備える有機EL表示装置であって、各画素は同一色を発光する第1副画素に配置された第1有機EL素子と第2副画素に配置された第2有機EL素子を有し、第1副画素と第2副画素の各々の光取り出し効率は第2副画素の方が高く、複数のトランジスタの少なくとも1つは駆動電流を供給するトランジスタであり、駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、第1有機EL素子を発光レベルで階調表示させ、第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示させる、基準電圧線ドライバを有することを特徴とする有機EL表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(Electroluminescent)素子を用いた表示装置及びその駆動方法に関し、特に有機EL素子の正面方向での光の利用効率を高めることが可能なアクティブマトリクス型有機EL表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子では、光が発光層から様々な角度で出射するため、保護層と外部空間との境界面で全反射する光成分が多く発生し、全反射した光成分の中には素子内部に閉じ込められてしまう成分がある。このため、光取り出し効率が低くなるという課題があった。この課題を解決するために、特許文献1では、有機EL素子を封止する酸化窒化シリコン(SiNxOy)膜上に樹脂から成るマイクロレンズアレイを配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−039500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように有機EL素子の上にマイクロレンズアレイを配置する構成の場合、マイクロレンズアレイがなければ全反射していた光成分を取り出すことができるという効果に加え、集光の効果が期待できる。これらの効果により有機EL素子を用いた表示装置の光取り出し効率(特に正面輝度)の向上を実現できる。しかし、光取り出し効率の向上に伴い、従来は目立たなかった製造時のTFTのばらつきに起因した輝度ムラが目立つようになる。更に、表示装置の斜め方向の輝度は減少するため、この構成の場合、広い視野角特性が求められる場面では使いづらくなる。そこで、マイクロレンズアレイを配置した有機EL素子とマイクロレンズアレイを配置しない有機EL素子が混在している構成が考えられるが、光取り出し効率が低いため大きな電流が必要となり、配線の電圧降下に起因したシェーディング(輝度勾配)が発生する。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザーシーンに応じて「省電力モード」か「広視野角モード」を選択でき、TFTのばらつきに起因した輝度ムラや電圧降下に起因したシェーディングを抑制できる表示画質の高い有機EL表示装置を提供することを目的とする。また、TFTのばらつきに起因した輝度ムラや電圧降下に起因したシェーディングを抑制できる表示画質の高い有機EL表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、マトリクス状に配置され、それぞれが第1副画素と第2副画素を備える複数の画素と、前記各副画素に配置された有機EL素子と、前記各画素に画像データに応じたデータ信号を供給するデータ線ドライバと、前記各画素に配置され、複数のトランジスタを有し、前記有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、前記有機EL素子を点灯させる画素回路と、前記各トランジスタを駆動するゲート線ドライバと、を備える有機EL表示装置であって、前記各画素は同一色を発光する第1副画素に配置された第1有機EL素子と第2副画素に配置された第2有機EL素子を有し、前記第1副画素と前記第2副画素の各々の光取り出し効率は前記第2副画素の方が高く、前記複数のトランジスタの少なくとも1つは駆動電流を供給するトランジスタであり、前記駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、前記第1有機EL素子を発光レベルで階調表示させ、前記第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示させる、基準電圧線ドライバを有することを特徴とする有機EL表示装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、マトリクス状に配置され、それぞれが第1副画素と第2副画素を備える複数の画素と、前記各副画素に配置された有機EL素子と、前記各画素に画像データに応じたデータ信号を供給するデータ線ドライバと、前記各画素に配置され、複数のトランジスタを有し、前記有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、前記有機EL素子を点灯させる画素回路と、前記各トランジスタを駆動するゲート線ドライバと、を備える有機EL表示装置の駆動方法であって、前記各画素は同一色を発光する第1副画素に配置された第1有機EL素子と第2副画素に配置された第2有機EL素子を有し、前記第1副画素と前記第2副画素の各々の光取り出し効率は前記第2副画素の方が高く、前記複数のトランジスタの少なくとも1つは駆動電流を供給するトランジスタであり、前記駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、前記第1有機EL素子を発光レベルで階調表示し、前記第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示することを特徴とする有機EL表示装置の駆動方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、共通の画素回路構成で入力信号を変えることにより、光取り出し効率が高い副画素に含まれる有機EL素子を駆動する場合はデジタル階調駆動方式で駆動する。これにより、輝度ムラを抑制でき、高い表示画質を実現できる。光取り出し効率が低い副画素に含まれる有機EL素子を駆動する場合はアナログ階調駆動方式で駆動する。これにより、シェーディングを抑制でき、高い表示画質を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る有機ELパネル、画素構成及び画素配置を示す概略図である。
【図2】本発明に係る有機EL素子の相対輝度−視野角特性である。
【図3】本発明に係る有機EL素子のVg−Id特性である。
【図4】実施例1の有機ELパネル、画素構成及び画素配置の概略図である。
【図5】実施例1の画素回路である。
【図6】実施例1の有機ELパネルの動作タイミングチャートである。
【図7】実施例2の画素回路である。
【図8】実施例2の有機ELパネルの動作タイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の有機EL表示装置の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1(a)はマトリクス状に配置された複数の画素(m行n列画素)を有し、各画素に有機EL素子が配置された有機ELパネル11の概略図であり、本発明に係る有機ELパネルの一例である。有機ELパネル11はデータ線15にデータ信号を印加するデータ線駆動回路12、ゲート線16を駆動するゲート線駆動回路13を有する。また、各画素に配置され、複数のトランジスタを有し、有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、有機EL素子を点灯させる画素回路14を有する。更に、基準電圧線17に基準電圧信号を印加する基準電圧線駆動回路18を有する。m行n列画素は各データ線と各ゲート線の交点に配置され、各画素に対応するデータ信号に基づいて表示を行う。
【0012】
データ線駆動回路12は各画素に画像データに応じたデータ信号を供給するデータ線ドライバであり、外部からの画像データを入力し有機EL素子を画像データに応じて駆動する電流量を制御する回路である。ゲート線駆動回路13は画素回路14が有する各トランジスタを駆動する(各トランジスタのゲート端子に接続されたゲート線16を駆動する)ゲート線ドライバであり、該当行の書き込み動作時にパルス信号を発生させる。一般的には1行目から順に書き込み動作を行うため、シフトレジスタやその他の論理回路を搭載し、画素回路14の書き込み動作を行えるようにロジックの信号発生を行う。ゲート線駆動回路13によって書き込み該当行にある画素は、データ線駆動回路12によって駆動されたデータ信号をデータ線15より入力し書き込み動作を行う。
【0013】
基準電圧線駆動回路18は複数のトランジスタのうち、駆動電流を供給するトランジスタ(駆動トランジスタ)のゲート端子に基準電圧を供給する基準電圧線ドライバである。該当画素の発光時に、一定の基準電圧を発生させるか、三角波や鋸波といった、時間の経過と共に電圧が変化する基準電圧信号を発生させる。発生した基準電圧信号は基準電圧線17によって該当画素に入力される。基準電圧信号は有機EL素子を含む副画素の光取り出し効率が低い場合には一定電圧の基準電圧となり、有機EL素子を含む副画素の光取り出し効率が高い場合には三角波や鋸波といった、時間の経過と共に電圧が変化する信号とする。基準電圧線17は図1(a)では行単位で各画素に接続されているが、列単位で各画素に接続しても良く、データ線15と共用しても良い。基準電圧線駆動回路18はデータ線駆動回路12やゲート線駆動回路13と共用しても良い。
【0014】
図1(b)は本発明の表示装置における画素(例えば、図1(a)中のa行目b列目)に相当する部分を示す部分断面図である。本発明の表示装置の画素は基板20と、基板20上にマトリクス状に形成された、表示領域を構成する複数の副画素からなる。ここで、「副画素」とは、1つの発光素子が設けられた領域を意味する。図1(b)では、基板上に形成された有機EL素子の上面から(上方向から)光を放出させるトップエミッション型の表示装置を示しているが、本発明はボトムエミッション型の表示装置にも適用できる。
【0015】
本発明では、発光素子としての有機EL素子が上記複数の副画素の各々に形成され、異なる副画素に含まれる各有機EL素子は互いに視野角特性が異なる(視野角特性A、視野角特性B)。具体的には、各画素は同一色を発光する2つの有機EL素子を有し、この2つの有機EL素子は相対的に光取り出し効率が低い第1副画素に含まれる第1有機EL素子と相対的に光取り出し効率が高い第2副画素に含まれる第2有機EL素子からなる。第2副画素の第2有機EL素子の光放出面側には集光性の高い素子が配置され、第1副画素の第1有機EL素子の光放出面側には集光性の高い素子が配置されていないのが好ましい。集光性の高い素子としては、マイクロレンズ等を用いるのが好ましい。
【0016】
異なる副画素の各有機EL素子の間には発光領域を分離する領域分離層22が設けられている。有機EL素子の夫々は一対の電極であるアノード電極21及びカソード電極24と、それらの電極間に挟持された、発光層を含む有機化合物層23(以下、「有機EL層」と称する)を備えている。具体的には、基板20の上に画素毎にパターニングされたアノード電極21が形成され、アノード電極21の上に有機EL層23が形成され、更に有機EL層23上にカソード電極24が形成されている。
【0017】
アノード電極21は、例えばAg等の高い反射率を持つ導電性の金属材料から形成される。又はそのような金属材料から成る層とホール注入特性に優れたITO(Indium−Tin−Oxide)等の透明導電性材料から成る層との積層体から構成しても良い。
【0018】
カソード電極24は、複数の有機EL素子に対して共通に形成されており、発光層で発光した光を素子外部に取り出し可能な半反射性或いは光透過性の構成を有している。具体的には、素子内部での干渉効果を高めるためにカソード電極24を半反射性の構成とする場合、カソード電極24はAgやAgMg等の電子注入性に優れた導電性の金属材料から成る層を2〜50nmの膜厚で形成することにより構成されている。なお、「半反射性」とは、素子内部で発光した光の一部を反射し一部を透過する性質を意味し、可視光に対して20〜80%の反射率を有するものをいい、「光透過性」とは、可視光に対して80%以上の透過率を有するものをいう。
【0019】
有機EL層23は、少なくとも発光層を含む単層又は複数の層からなる。有機EL層23の構成例としては、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層からなる4層構成、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層からなる3層構成等が挙げられる。有機EL層23を構成する材料は公知の材料を使用することができる。
【0020】
基板20には各有機EL素子を独立に駆動できるように画素回路が形成されている。これらの画素回路は複数の薄膜トランジスタ(以下、TFT:Thin−Film−Transistorと称する)から構成されている(不図示)。TFTが形成された基板20は、TFTとアノード電極21とを電気的に接続するためのコンタクトホールが形成された層間絶縁膜に覆われている(不図示)。層間絶縁膜上には、画素回路による表面凹凸を吸収し、表面を平坦にするための平坦化膜が形成されている(不図示)。
【0021】
カソード電極24の上には、空気中の酸素や水分から有機EL層23を保護するために保護層25が形成されている。保護層25は、SiN、SiON等の無機材料からなる。或いは、無機材料と有機材料との積層膜からなる。無機膜の膜厚は0.1μm以上10μm以下が好ましく、CVD法で形成することが好ましい。有機膜は工程中に表面に付着して除去できない異物を覆って保護性能を向上させるために使用するため、1μm以上が好ましい。図1(b)では、保護層25を画素分離層22の形状に沿って形成させているが、保護層25の表面が平坦であっても良い。有機材料を使うことで容易に表面を平坦にすることが可能である。
【0022】
本発明の表示装置の画素は、3つの異なる色相を持った有機ELパネルとして構成しても良いし、3色相に限らず、4つの異なる色相を持った有機ELパネルとして構成しても良い。3色相の場合には、例えばR・G・Bの3色相を持った有機ELパネルとし、R・G・Bの3色相の有機EL素子からなる構成としても良いし、白色有機EL素子にR・G・Bの3色相のカラーフィルターを重ねた構成としても良い。4色相の場合には、例えばR・G・B・Wの4色相を持った有機ELパネルとしても良い。3つの異なる色相を持った有機ELパネルを3色相の有機EL素子から構成する場合、互いに異なる色を発光する画素を組み合わせて、3色以上の色を発光する画素ユニットを表示単位とするのが好ましい。
【0023】
図1(c)は本発明の有機ELパネルの画素配置の一例である。R画素31、G画素32、B画素33が配置されており、R画素31、G画素32、B画素33の3つで1つの画素ユニットを構成する有機ELパネルである。R画素31はR−1副画素311、R−2副画素312で構成され、各副画素は色相が共にR、かつ互いに光学特性が異なる。G画素32はG−1副画素321、G−2副画素322で構成され、各副画素は色相が共にG、かつ互いに光学特性が異なる。B画素33はB−1副画素331、B−2副画素332で構成され、各副画素は色相が共にB、かつ互いに光学特性が異なる。各画素はRを発光し光学特性の異なる2つの副画素、Gを発光し光学特性の異なる2つの副画素、Bを発光し光学特性の異なる2つの副画素を有する。
【0024】
以下、R−1副画素311、G−1副画素321、B−1副画素331を視野角の広い特性を持つ副画素A、R−2副画素312、G−2副画素322、B−2副画素332を光取り出し効率(正面輝度)の高い特性を持つ副画素Bとする。また、副画素Aに含まれる有機EL素子を有機EL素子A、副画素Bに含まれる有機EL素子を有機EL素子Bとする。
【0025】
図2は副画素A・Bそれぞれの相対輝度−視野角特性であり、図2中の(a)が副画素Aの相対輝度−視野角特性、(b)が副画素Bの相対輝度−視野角特性を示す。輝度は有機EL素子A・B共に同じ電流を注入し、副画素Aの正面輝度を1としたときの相対輝度値で表している。図2より、副画素Aは視野角が広い。一方、副画素Bは視野角が狭いが、正面輝度が副画素Aの約4倍である。即ち、副画素Aの光取り出し効率<副画素Bの光取り出し効率である。
【0026】
次に、有機ELパネル11の動作について述べる。R・G・B各画素の、光学特性の異なる2つの副画素は、独立して点灯・消灯(発光・非発光)を選択可能な画素回路で駆動する。例えば、R画素ではR−1副画素とR−2副画素を独立して点灯・消灯することができる。
【0027】
R−1副画素311、G−1副画素321、B−1副画素331のみを点灯させると、有機ELパネル11は視野角の広い性能が得られる(以下、「広視野角モード」と称する)。
【0028】
R−2副画素312、G−2副画素322、B−2副画素332のみを低電流で点灯させ、正面輝度をR−1副画素311、G−1副画素321、B−1副画素331を点灯させた場合と同等にすると、消費電力を低減できる(以下、「省電力モード」と称する)。
【0029】
有機EL素子A・Bの一方のみを点灯させる上記2つのモードでは、光取り出し効率の異なる副画素それぞれに含まれる有機EL素子A・Bを異なる駆動方法で駆動する。光取り出し効率が相対的に高い副画素Bに含まれる有機EL素子Bを駆動する場合は、発光期間制御により階調表示を行う駆動方法(以下、デジタル階調駆動と称する)で駆動する。一方、光取り出し効率が相対的に低い副画素Aに含まれる有機EL素子Aを駆動する場合は、発光レベルで階調表示を行う駆動方法(以下、アナログ階調駆動と称する)で駆動する。画像データは各駆動方法に対応して調整された画像データが作成される。こうすることにより、本発明の効果が得られる。
【0030】
上記2つのモードで駆動を行う画素回路としては、例えば図5・図7の画素回路が好適に用いられる。本発明は、各画素に少なくとも1つの駆動トランジスタを有し、駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、有機EL素子Aを発光レベルで階調表示させ、有機EL素子Bを、発光期間を制御して階調表示させる、基準電圧線ドライバを有する。これにより、後述のように、本発明の効果が得られる。上記2つのモードでは有機EL素子A・Bの一方のみを点灯させているが、有機EL素子A・Bを同時に点灯させても本発明の効果が得られる。
【0031】
次に、デジタル階調駆動とアナログ階調駆動について説明する。
【0032】
デジタル階調駆動では、画素内にある有機EL素子への電流量を制御する駆動トランジスタをスイッチとみなしてON/OFFの2値の制御を行う。そして、ON期間の長さを変えることで有機EL素子に流れる電流量を制御し、階調表現を行う駆動方法である。この駆動方法は、駆動トランジスタを線形領域でスイッチ動作させるために、LTPS−TFTに一般的に見られる製造時の閾値特性ばらつきがあっても、電流量ばらつきを抑制できるという長所がある。即ち、表示装置としては、各トランジスタ間のばらつき特性が抑制された均一で高い画質が得られる。しかし、駆動トランジスタのドレイン−ソース両端に印加される電圧が小さいため、電源電圧の変動が駆動トランジスタで吸収できず、有機EL素子に印加される電圧が変動してしまう。このため、駆動電流が変動し、シェーディング(輝度勾配)として画質の劣化を引き起こすという短所がある。
【0033】
アナログ階調駆動では、駆動トランジスタをアナログ電流源とみなしてゲート電極に印加した電圧に応じた電流を有機EL素子に流す。即ち、ゲート電極の電圧レベルで有機EL素子に流れる電流量を制御し、階調表現を行う駆動方法である。なお、ゲート電極の電圧レベルを変えることが、発光レベルで階調表示することを意味する。この駆動方法は、駆動トランジスタを飽和領域で駆動させるために、電源電圧の変動が駆動トランジスタで吸収しやすい。このため、電源電圧の変動や、有機EL素子自身の駆動電圧変動が発生しても一定量の電流を有機EL素子に注入し続けることができるという長所がある。しかし、製造時の閾値特性ばらつきがあると、電流量が大きく変動してしまう。即ち、表示装置としては、各トランジスタ間のばらつき特性が目立つざらつきのある表示になるという短所がある。
【0034】
最近では、トランジスタの閾値ばらつきを抑制する方法として、画素内で駆動トランジスタの閾値を補正したり、各画素のトランジスタ特性に合わせて画像データに補正をかけたりする等、多くの方法が提案されている。しかし、これら補正の方法はばらつきを抑制することはできるが、完璧になくすためにはシステムが複雑になり困難である。特に、副画素の光取り出し効率が向上し、有機EL素子に流す駆動電流が小さくなればなるほど、僅かな電流変動が目立つようになる。
【0035】
図3はある2種類のPMOSトランジスタのVg−Id特性である。図3にはこの2種類のトランジスタのRef特性と、閾値が0.6Vシフトした特性の2つが描かれており、その電流差の割合をId比率としている。図3に示すように電流Idが大きいほど電流差の比率が小さく、電流Idが小さいほど電流差の比率が大きくなっている。
【0036】
以上より、光取り出し効率が高い副画素に含まれる有機EL素子を均一に駆動する場合にはデジタル階調駆動が好ましい。
【0037】
本発明では、副画素の光取り出し効率に合わせて、同一の画素回路で画像データと基準電圧を切り替えることにより、デジタル階調駆動とアナログ階調駆動の切り替えを行う。
【0038】
光取り出し効率が高い副画素に含まれる有機EL素子を駆動する場合、駆動トランジスタのばらつきを抑制するためにデジタル階調駆動を行う。その際、光取り出し効率が高いため、必要な駆動電流は小さくなる。その結果、電源配線抵抗に起因した電源電圧降下はほとんど起きず、シェーディングも目立たない。
【0039】
光取り出し効率が低い副画素に含まれる有機EL素子を駆動する場合、駆動電流が大きくなり、電源配線抵抗に起因した電源電圧降下によるシェーディングが目立つ。そこで、シェーディングがデジタル階調駆動よりも小さくなるアナログ階調駆動を行う。アナログ階調駆動では、駆動トランジスタの特性ばらつきに起因した輝度ムラが存在しているが、駆動電流が大きいため、視認されにくい。
【0040】
デジタル階調駆動とアナログ階調駆動の切り替えを行うためには、基準電圧線に印加した基準電圧の入力波形を切り替える。デジタル階調駆動をする時には、駆動トランジスタが線形領域で動作するような電圧を含むように、三角波や鋸波といった、時間の経過と共に電圧が変化する信号を入力する。アナログ階調駆動を行う時には、駆動トランジスタが飽和領域で動作するような一定の電圧を入力する。
【0041】
有機EL素子A・Bには電源配線により電力が供給されるが、この電源配線に印加する電源電圧は、デジタル階調駆動時を、アナログ階調駆動時よりも下げた方が好ましい。これは、駆動トランジスタをより線形領域で動作させ易くなり、かつ消費電力抑制の効果も得られるためである。
【0042】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0043】
〔実施例1〕
図4(a)はマトリクス状に配置された複数の画素83(m行n列画素)を有し、各画素に有機EL素子が配置された有機ELパネル80の概略図であり、本実施例の有機ELパネルである。有機ELパネル80は不図示の有機EL素子、データ線駆動回路81(データ線ドライバ)、ゲート線駆動回路82(ゲート線ドライバ)、画素回路、基準電圧線駆動回路84(基準電圧線ドライバ)を有する。データ線駆動回路81はデータ線85にデータ信号を印加する。ゲート線駆動回路82はゲート線P1〜P3を駆動する。画素回路は各画素83に配置され、複数のトランジスタを有し、有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、有機EL素子を点灯させる。基準電圧線駆動回路84は基準電圧線86に基準電圧信号を印加する。各画素はRを発光し光学特性の異なる2つの副画素、Gを発光し光学特性の異なる2つの副画素、Bを発光し光学特性の異なる2つの副画素を有する。図4(a)ではゲート線駆動回路82、基準電圧線駆動回路84は画素群を挟んで左右に配置してあるが、左右どちらか片側に配置しても良いし、画素の書き込み動作の品質を向上すべく同じ機能を左右両側に配置して両側から駆動しても良い。
【0044】
図4(b)は本実施例の表示装置における画素に相当する部分を示す部分断面図である。保護層25より下の層は図1(b)と同様の構成である。有機EL素子Aの上は平坦面であり、有機EL素子Bの上にはマイクロレンズ111が形成されている。マイクロレンズ111は樹脂材料を加工することにより形成されており、具体的には型押し等の方法により形成可能である。
【0045】
マイクロレンズが無い副画素Aの有機EL素子Aでは、有機EL層23の発光層から斜めに出射された光は、保護層25から出射する際に更に斜めになって出射するか、あるいは全反射されて外部に取り出すことができない。一方、マイクロレンズ111がある副画素Bの有機EL素子Bでは、有機EL層23の発光層から出射された光は、透明なカソード電極24を透過し、その後保護層25、マイクロレンズ111を透過して外部へ出射される。
【0046】
マイクロレンズ111がある場合には、マイクロレンズが無い場合に比べて出射角度が基板の法線方向に近づく。従って、マイクロレンズ111がある場合の方が基板の法線方向への集光効果が向上する。即ち、表示装置としては正面方向における光の利用効率を高めることができる。また、マイクロレンズ111がある場合には、発光層から斜めに出射された光の出射界面に対する入射角度が垂直に近くなるため全反射する光量が減少する。その結果、光取り出し効率も向上する。
【0047】
このように、本実施例の有機ELパネル80は有機EL素子の光放出面側が平坦な副画素Aと、有機EL素子の光放出面側(光を取り出す側、即ちトップエミッション型の場合は有機EL素子の上側)にマイクロレンズが形成された副画素Bを有する。副画素Aはマイクロレンズが無いため視野角の広い光学特性を持ち、副画素Bはマイクロレンズがあるため光取り出し効率(正面輝度)の高い光学特性を持つ。
【0048】
図4(c)は本実施例の有機ELパネルの画素配置である。R画素101、G画素102、B画素103が配置されており、R画素101、G画素102、B画素103の3つで1つの画素ユニットを構成する有機ELパネルである。R画素101はR−1副画素1011、R−2副画素1012で形成され、G画素102はG−1副画素1021、G−2副画素1022で形成され、B画素103はB−1副画素1031、B−2副画素1032で形成されている。R−1副画素1011、G−1副画素1021、B−1副画素1031に含まれる有機EL素子Aの光放出面側は平坦である。R−2副画素1012、G−2副画素1022、B−2副画素1032に含まれる有機EL素子Bの光放出面側にはマイクロレンズが形成されている。R−1副画素1011、G−1副画素1021、B−1副画素1031における相対輝度−視野角特性と、R−2副画素1012、G−2副画素1022、B−2副画素1032における相対輝度−視野角特性は、それぞれ図2中の(a)(b)の通りである。
【0049】
図5は本実施例の画素回路である。ゲート線P1はTFT(M1)のゲート端子に接続され、有機EL素子Aの選択ゲート線P2はTFT(M3)のゲート端子に接続され、有機EL素子Bの選択ゲート線P3はTFT(M4)のゲート端子に接続されている。データ線はTFT(M1)のドレイン端子に接続され、データ信号として電圧データVdataがデータ線から入力される。有機EL素子Aのアノード電極はTFT(M3)のソース端子に接続され、カソード電極は接地電位CGNDに接続されている。有機EL素子Bのアノード電極はTFT(M4)のソース端子に接続され、カソード電極は接地電位CGNDに接続されている。TFT(M3)のドレイン端子はTFT(M2)のドレイン端子に接続され、TFT(M2)のソース端子は電源電位に接続されている。TFT(M4)のドレイン端子はTFT(M2)のドレイン端子に接続されている。TFT(M1)のソース端子は容量C1の一端及びTFT(M2)のゲート端子に接続されている。容量C1の他端は基準電圧線に接続されている。
【0050】
本実施例では、同一色の有機EL素子A・Bはどちらか一方が選択されて駆動する。正面方向の光取り出し効率が相対的に低い副画素Aに含まれる有機EL素子Aを発光させる時はアナログ階調駆動を行い、正面方向の光取り出し効率が相対的に高い副画素Bに含まれる有機EL素子Bを発光させる時はデジタル階調駆動を行う。具体的には、各画素における駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、有機EL素子Aを発光レベルで階調表示し、有機EL素子Bを、発光期間を制御して階調表示する。そして、有機EL素子A・Bでこの階調表示を別々に行う。
【0051】
次に、図5の画素回路の動作を図6のタイミングチャートを用いて説明する。図6中で、横軸は時間、縦軸はP1〜P3のON(HI)・OFF(LOW)、Vref、Vg、発光パターンを示している。P2とP3は有機EL素子A・Bの発光を司る信号である。
【0052】
まず、データ書き込み期間について説明する。
【0053】
この期間では、どちらの駆動でもP1にはHIレベル、P2とP3にはLOWレベルの信号が入力され、M1がON、M3とM4がOFFとなる。この時、M3とM4は導通状態でないため、有機EL素子A・Bには電流が流れない。VdataによりM1の電流駆動能力に応じた電圧が、M2のゲート端子と電源電位V1の間に配置されたC1に生じる。即ち、どちらの駆動でもデータ信号が書き込まれる(Vdataが入力される)。上記では、M1、M3、M4がnMOS、M2がpMOSの場合について述べているが、M1、M3、M4がpMOSの場合には、HI・LOWレベルを逆にする必要がある。
【0054】
次に、発光期間について説明する。
【0055】
アナログ階調駆動では、P1にはLOWレベル、P2にはHIレベル、P3にはLOWレベル、Vrefには一定の信号が入力され、M1がOFF、M3がON、M4がOFFとなる。この時、M3が導通状態であるため、M2のゲート電極に印加された画像データの電圧により、M2の電流駆動能力に応じた電流が有機EL素子Aに供給され、その供給された電流に応じた輝度で有機EL素子Aが発光する。また、P2がHIの期間中、有機EL素子Aが発光することになり、その積算光量の1フレーム期間の時間平均値が有機EL素子Aの輝度となる。
【0056】
デジタル階調駆動では、P1にはLOWレベル、P2にはLOWレベル、P3にはHIレベル、Vrefには発光期間内で時間と共に電圧が上昇する三角波が入力され、M1がOFF、M3がOFF、M4がONとなる。この時、M4が導通状態であるため、データ書き込み直後のVrefが低い時は、M2が十分ONとなるようなデータ電圧がC1に書き込まれており、M2の電流駆動能力に応じた電流が有機EL素子Bに供給される。時間の経過と共に、Vref電圧が上昇し、M2のゲート電極の電位も上昇していくが、M2はスイッチ動作とみなせる線形領域で動作しているので、電流駆動能力に応じたほぼ一定の電流が有機EL素子Bに供給され続ける。Vref電圧が更に上昇すると、M2のゲート電極の電位がM2の閾値電圧(Vth)に到達する。この時、M2はOFF状態となり、有機EL素子Bに供給されていた電流が止まる。
【0057】
データ書き込み期間に書き込まれた電圧により発光開始時のVgの電圧が設定される。このため、画像データによってVgがVthに到達するまでの期間が異なる。即ち、発光期間が制御される。こうして電流が供給された期間、ほぼ一定の輝度で有機EL素子Bが発光し、その積算光量の1フレーム期間の時間平均値が有機EL素子Bの輝度となる。
【0058】
このように発光させることで、同一の画素回路構成で、アナログ階調駆動とデジタル階調駆動の切り替えを行い、有機EL素子の光取り出し効率に応じた最適な駆動を選択することが可能となり、輝度ムラやシェーディングを抑制できる。よって、高い画質を実現できる。
【0059】
上記では、M2がpMOSの場合について述べているが、nMOSの場合には、Vref電位の電位変化の方向を逆にすれば同様の効果を得ることが可能である。
【0060】
また、デジタル階調駆動時はアナログ階調駆動時よりも電源電圧を下げた方が好ましい。これは、TFT(M2)トランジスタをより線形領域で動作させ易くなり、かつ消費電力抑制の効果も得られるためである。
【0061】
〔実施例2〕
実施例1においては、有機EL素子A・Bのどちらか一方を発光させていたが、本実施例では基準電圧線と駆動トランジスタを複数設けることにより有機EL素子A・Bを同時に発光させる。
【0062】
本実施例の有機ELパネルは図4と同じであり、本実施例の表示装置の画素構成、画素配置は図4(b)(c)と同じであるため説明を省略する。
【0063】
図7は本実施例の画素回路である。ゲート線P1、P2はそれぞれTFT(M1)のゲート端子、TFT(M5)のゲート端子に接続されている。有機EL素子A・Bの両方の選択ゲート線P3はTFT(M3)のゲート端子及びTFT(M4)のゲート端子に接続されている。データ線はTFT(M1)のドレイン端子及びTFT(M5)のドレイン端子に接続され、データ信号として電圧データVdataがデータ線から入力される。有機EL素子Aのアノード電極はTFT(M3)のソース端子に接続され、カソード電極は接地電位CGNDに接続されている。有機EL素子Bのアノード電極はTFT(M4)のソース端子に接続され、カソード電極は接地電位CGNDに接続されている。TFT(M3)のドレイン端子はTFT(M1)のソース端子、TFT(M2)のドレイン端子、及び容量C1の一端に接続され、TFT(M2)のソース端子は電源電位Aに接続されている。TFT(M4)のドレイン端子はTFT(M5)のソース端子、TFT(M6)のドレイン端子、及び容量C2の一端に接続され、TFT(M6)のソース端子は電源電位Bに接続されている。容量C1の他端は基準電圧線Aに接続され、容量C2の他端は基準電圧線Bに接続されている。
【0064】
本実施例では、同一色の有機EL素子A・Bが同時に選択されて駆動する。正面方向の光取り出し効率が相対的に低い副画素Aに含まれる有機EL素子Aを発光させる時はアナログ階調駆動を行い、正面方向の光取り出し効率が相対的に高い副画素Bに含まれる有機EL素子Bを発光させる時はデジタル階調駆動を行う。具体的には、各画素における駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、有機EL素子Aを発光レベルで階調表示し、有機EL素子Bを、発光期間を制御して階調表示する。そして、有機EL素子A・Bでこの階調表示を同時に行う。
【0065】
次に、図7の画素回路の動作を図8のタイミングチャートを用いて説明する。図8中で、横軸は時間、縦軸はP1〜P3のON(HI)・OFF(LOW)、Vref_A、Vref_B、Vg、発光パターンを示している。P3は有機EL素子A・Bの発光を司る信号である。
【0066】
まず、データ書き込み期間について説明する。
【0067】
この期間では、P1とP2をHIレベル、P3をLOWレベルにする。そして、C1とC2の両方に同じ画像データを書き込む。
【0068】
次に、発光期間について説明する。
【0069】
この期間では、P1とP2をLOWレベル、P3をHIレベルにする。同時に、Vref_Aの電圧をシフトさせ、VgAの電位を所望の電圧にセットする。Vref_Bは徐々に電圧を上昇させていく。
【0070】
このようにして実施例1と同様に、有機EL素子Aはアナログ階調駆動、有機EL素子Bはデジタル階調駆動で発光させる。
【0071】
このように発光させることで、同一の画素回路構成で、アナログ階調駆動とデジタル階調駆動の切り替えを行い、有機EL素子の光取り出し効率に応じた最適な駆動を選択することが可能となり、輝度ムラやシェーディングを抑制できる。よって、高い画質を実現できる。
【0072】
上記では、M2がpMOSの場合について述べているが、nMOSの場合には、Vref電位の電位変化の方向を逆にすれば同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
また、電源電位Aと電源電位Bは同電位でも構わないが、電源電位Bの方が電圧を下げた方が好ましい。これは、TFT(M2)をより線形領域で動作させ易くなり、かつ消費電力抑制の効果も得られるためである。
【0074】
なお、本実施例の別の形態として、データ書き込み期間にM1とM2のONのタイミングをずらして、C1とC2に異なる画像データを書き込んでも良い。この場合でも、発光期間は、有機EL素子Aはアナログ階調駆動、有機EL素子Bはデジタル階調駆動で発光させる。
【符号の説明】
【0075】
11、80:有機ELパネル、12、81:データ線駆動回路、13、82:ゲート線駆動回路、14:画素回路、20:基板、21:アノード電極、22:画素分離層、23:有機化合物層(有機EL層)、24:カソード電極、25:保護層、31、101:R画素、32、102:G画素、33、103:B画素、311、1011:R画素のR−1副画素、312、1012:R画素のR−2副画素、321、1021:G画素のG−1副画素、322、1022:G画素のG−2副画素、331、1031:B画素のB−1副画素、332、1032:B画素のB−2副画素、83:画素、84:基準電圧線駆動回路、111:マイクロレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配置され、それぞれが第1副画素と第2副画素を備える複数の画素と、
前記各副画素に配置された有機EL素子と、
前記各画素に画像データに応じたデータ信号を供給するデータ線ドライバと、
前記各画素に配置され、複数のトランジスタを有し、前記有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、前記有機EL素子を点灯させる画素回路と、
前記各トランジスタを駆動するゲート線ドライバと、
を備える有機EL表示装置であって、
前記各画素は同一色を発光する第1副画素に配置された第1有機EL素子と第2副画素に配置された第2有機EL素子を有し、
前記第1副画素と前記第2副画素の各々の光取り出し効率は前記第2副画素の方が高く、
前記複数のトランジスタの少なくとも1つは駆動電流を供給するトランジスタであり、
前記駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、前記第1有機EL素子を発光レベルで階調表示させ、前記第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示させる、基準電圧線ドライバを有することを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
前記第2副画素の光放出面側に集光性の高い素子が配置されており、
前記第1副画素の光放出面側に集光性の高い素子が配置されていないことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
前記集光性の高い素子はマイクロレンズであることを特徴とする請求項2に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
マトリクス状に配置され、それぞれが第1副画素と第2副画素を備える複数の画素と、
前記各副画素に配置された有機EL素子と、
前記各画素に画像データに応じたデータ信号を供給するデータ線ドライバと、
前記各画素に配置され、複数のトランジスタを有し、前記有機EL素子にデータ信号に応じた駆動電流を供給し、前記有機EL素子を点灯させる画素回路と、
前記各トランジスタを駆動するゲート線ドライバと、
を備える有機EL表示装置の駆動方法であって、
前記各画素は同一色を発光する第1副画素に配置された第1有機EL素子と第2副画素に配置された第2有機EL素子を有し、
前記第1副画素と前記第2副画素の各々の光取り出し効率は前記第2副画素の方が高く、
前記複数のトランジスタの少なくとも1つは駆動電流を供給するトランジスタであり、
前記駆動トランジスタのゲート端子に基準電圧を供給することにより、前記第1有機EL素子を発光レベルで階調表示し、前記第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示することを特徴とする有機EL表示装置の駆動方法。
【請求項5】
基準電圧を発光時に一定の電圧とすることにより、前記第1有機EL素子を発光レベルで階調表示し、
基準電圧を時間の経過と共に変化させることにより、前記第2有機EL素子を、発光期間を制御して階調表示することを特徴とする請求項4に記載の有機EL表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記第1有機EL素子と前記第2有機EL素子に電力を供給する電源配線を有し、
前記電源配線に印加する電源電圧は、前記第1有機EL素子の方が前記第2有機EL素子よりも高くすることを特徴とする請求項4又は5に記載の有機EL表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−118381(P2012−118381A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269260(P2010−269260)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】