説明

有益剤送達粒子を含有する組成物

本開示は、少なくとも1つの有益剤及び少なくとも1つのセルロース系ポリマーを含有する有益剤送達粒子を含有する組成物に関する。本開示は更に、有益剤送達粒子を含有する組成物、並びにそのような組成物を製造及び使用するプロセスに関する。本開示は更に、洗浄組成物に効果送達能を付与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有益剤送達粒子、このような有益剤送達粒子を含む組成物、並びにこのような有益剤送達粒子及び組成物の製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有益剤、例えば酵素、色調染料、香料、香料送達組成物、漂白剤、キレート化剤、及びポリマーは高価であり、他の成分への不相溶性から、特に洗浄組成物内に処方するのが困難な場合がある。更に、このような洗浄組成物は、多くの場合長期間の保管を必要とするため、有益剤と他の処方成分の相互作用による保管中の処方分解の結果、洗浄組成物の総合的な洗浄性能、ケア性能、及び/又は感覚性能が低下する恐れがある。
【0003】
有益剤はどちらかといえば高価であるため、その有効性の最大化と、処方安定性の維持に対する要望がある。有益剤の有効性は、製品中の有益剤を他の製品成分と隔離すること、例えば有益剤を封入することにより改善される場合がある。隔離により、保管中の製品安定性の改善、効果送達の促進、及び/又はより低濃度の有益剤の使用による効果の送達などの多くの利益がもたらすことができる。これにより、配合者及び消費者に対し、材料資源をより有効に使用するための持続可能性の点でメリットをもたらす。残念ながら、有益剤を含むカプセルは、拡散及び/又はカプセル破裂速度といった効果放出メカニズムが変化しやすいため、正確な速度又は時間で有益剤を放出することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、保管中に1つ以上の成分の分解の悪影響がなく、不相溶性有益剤を保管できる組成物の必要性がある。組成物中に有益剤を安定的に保管できるが、使用中は効率的に放出可能な組成物の更なる必要性がある。開示される封入システム及び/又は組成物は、1つ以上の上記欠点を最低限にするか又は解消する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、有益剤送達粒子、このような有益剤送達粒子を含む組成物、並びにこのような有益剤送達粒子及び組成物の製造及び使用方法に関する。かかる組成物は、液体洗剤などの液体組成物を含んでよい。
【0006】
一実施形態によると、本開示は、(a)有益剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるセルロース系ポリマーと、を含む有益剤送達粒子と、(b)移染阻害剤、増白剤、漂白剤、光退色剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、汚れ放出ポリマー、汚れ懸濁ポリマー、泡抑制剤、香料、柔軟仕上げ剤、色調剤、キレート化剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の補助剤成分と、を含み、この洗浄組成物が液体である洗浄組成物を提供する。
【0007】
別の実施形態によると、本開示は、有益剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーと、を含む粒子を洗浄組成物と混合する工程を含む、布地洗浄組成物に効果送達能を付与する方法を提供する。
【0008】
更なる実施形態によると、本開示は、本明細書に記載される様々な実施形態による洗浄組成物と、水溶性フィルムと、を含む物品を提供する。
【0009】
更に別の実施形態によると、本開示は、(a)任意に部位をすすぐ及び/又は洗浄する工程と、(b)部位を本明細書に記載の様々な実施形態による洗浄組成物と接触させる工程と、(c)任意に部位を洗浄する及び/又はすすぐ工程と、を含む、部位を洗浄及び/又は処理する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
本明細書で使用するとき、語句「有益剤送達粒子」は、1つ以上の有益剤と、1つ以上の本明細書に記載のセルロース系ポリマーと、を含む、封入体、及び/又はマイクロカプセル、及び/又は凝集体、及び/又は粒子を指すことを意図する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄組成物」としては、特に指示のない限り、いわゆる強力液体タイプ;液体高級衣類用洗剤;泡立ちのよいタイプなどの手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤;家庭又は業務用の各種の液体、及びすすぎ補助剤型などの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗いタイプ、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、歯磨剤、車又はカーペット用シャンプー、浴室洗浄剤などの液体洗浄消毒剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワージェル及び発泡入浴剤、並びに金属洗浄剤;並びに漂白補助剤、及び「ステインスティック」又は前処理用などの洗浄助剤、又はドライヤー付与シート、乾燥及び湿潤型拭取り布及びパッド、不織布基材、並びにスポンジなどの基材付与製品;並びに上記洗浄組成物を含有するスプレー剤及びミスト剤などの、液体、ゲル、ペースト、顆粒、又は粉末状の洗剤及び/又は洗浄剤が挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」のような冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、限定することを意図しない。
【0014】
本明細書で使用するとき、本明細書の組成物に適用される用語「液体」は、約20センチポアズ〜約50,000センチポアズの粘度を有する組成物を指すことを意図し、液体、ゲル及びペースト状の製品形態が挙げられる。
【0015】
本明細書で用いるとき、用語「部位(situs)」には、紙製品、繊維、衣服、硬質表面、毛髪、及び皮膚が含まれる。
【0016】
本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を使用するべきである。
【0017】
特記しない限り、本明細書に開示される酵素は、活性タンパク質濃度によって表現され、市販の供給源に存在する可能性がある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除く。
【0018】
特記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0019】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0020】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0021】
組成物
有益剤送達粒子を含有する洗浄組成物が開示される。思いがけなく出願者らは、有益剤送達粒子を含む開示される組成物が有益剤の不安定性に関する問題を解決することを見出した。驚くべきことに出願者らは、布地を洗濯すると起こるイオン性条件に直面すると、開示される組成物の有益剤送達粒子が破裂し、有益剤を効率的に放出することを見出した。
【0022】
開示される組成物の有益剤送達粒子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのセルロース系ポリマーと、有益剤と、を含んでよい。このようなポリマーとして、NF Hypromellose Phthalate(HPMCP)(Shin−Etsu)、G.M.Chemie Pvt Ltd(Mumbai,400705,India)及びEastman Chemical Company(Kingsport,USA)からcellulose ester NF又はcellulose cellacefate NF(CAP)の商品名で市販されるポリマーが挙げられる。有益剤は、酵素、色調染料、金属触媒、漂白剤触媒、過酸、香料、バイオポリマー、キレート化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよい。有益剤送達粒子によりもたらされる効果として、白色、及び/又はくすみ洗浄、染み除去(草、血液、又はソースなど)、脂肪性染み除去、漂白、新しさの持続、及び布地色調を包含してよい。
【0023】
一態様では、1つ以上の有益剤は酵素である。有益剤は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、オキシドレダクターゼ、デヒドロゲナーゼ、キシログルカナーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及びこれらの混合物を含んでよい。
【0024】
一態様では、酵素は、メタロプロテアーゼ、又はセリンプロテアーゼ、又はキモトリプシン型若しくはトリプシン型プロテアーゼを含んでよい。
【0025】
一態様では、酵素は、中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼなどのセリンプロテアーゼを含んでよい。一態様では、前記中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼは、Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus、及びBacillus gibsoniiなどのバチルス属由来のサブチリシン(EC3.4.21.62)、及び前記中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼと少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%、又は100%の同一性を持つその遺伝子操作された変異型を含んでよい。本明細書で使用するとき、2つのアミノ酸配列間の同一性の度合は、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends in Genetics 16:276〜277;http://emboss.org)のNeedleプログラム、バージョン3.0.0以降で実行される、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443〜453)を用いて決定される。使用される所望によるパラメータは、ギャップ開始ペナルティが10、ギャップ伸長ペナルティが0.5、EBLOSUM62(EMBOSSバージョンBLOSUM62)置換マトリックスである。「最長同一(longest identity)」と標識されたNeedle出力(−nobriefオプションを使用して得られる)が、同一性パーセントとして使用され、次のように計算される。
(同一残基×100)/(アラインメントの長さ−アラインメント中のギャップの合計数)
【0026】
一態様では、プロテアーゼは、Y217L突然変異を含むBacillus amyloliquefaciens由来のサブチリシンBPN’野生型酵素の変異型であってよい。サブチリシンBPN’野生型酵素の配列は、Swissprot登録番号P00782の275アミノ酸(アミノ酸108〜382)(Bacillus amyloliquefaciens由来)である。
【0027】
一態様では、酵素は、Bacillus amyloliquefaciens由来のメタロプロテアーゼ、及び該メタロプロテアーゼと少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%、又は100%の同一性を持つその遺伝子操作された変異型を含んでよい。
【0028】
一態様では、酵素はα−アミラーゼを含んでよい。α−アミラーゼは、EC分類3.2.1.1の任意のものを含んでよい。α−アミラーゼは、低温アミラーゼを含んでよく、又は化学的若しくは遺伝子的に操作された突然変異体(変異型)低温アミラーゼを含む。例として、バチルス種NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(米国特許公開第2008/0050807(A1)号)、KSM K36、又はKSM K38(米国特許公開第2002/0197698(A1)号)由来のものと少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%、又は100%の同一性を持つアルカリ性アミラーゼが挙げられる。
【0029】
一態様では、酵素は、EC分類、IUPAC−IUBMBで定義されるE.C.分類3.1.1.3のリパーゼ、及び該リパーゼと少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%、又は100%の同一性を持つその遺伝子操作された変異型を含んでよい。一態様では、前記リパーゼ及びその変異型は、野生型Humicola Lanuginosa由来である。一態様では、リパーゼは、T231R及びN233R突然変異を含むThermomyces lanuginosus由来の野生型リパーゼの変異型であってよい。野生型配列は、Swissprot登録番号Swiss−ProtO59952の269アミノ酸(アミノ酸23〜291)(Thermomyces lanuginosus(Humicola lanuginosa)由来)である。
【0030】
一態様では、酵素は、グリコシルヒドロラーゼのファミリー44に属するキシログルカナーゼであってよい。
【0031】
一態様では、酵素は、E.C.分類3.1.1.73で定義されるクチナーゼを含んでよい。酵素は、Fusarium solani、Pseudomonas Mendocina、又はHumicola Insolensのうちの1つ由来の野生型と少なくとも約90%、又は約95%、又は約98%の同一性を有してよい。
【0032】
更なる態様では、酵素はセルビオースデヒドロゲナーゼを含んでよい。
【0033】
一態様では、有益剤は、予め形成された過酸、漂白活性化剤、触媒性金属錯体、非金属漂白剤触媒、及びこれらの混合物などの漂白剤又は漂白剤触媒を含んでよい。一態様では、予め形成された過酸として、過カルボン酸と塩、過炭酸と塩、過イミド酸と塩、ペルオキシ一硫酸と塩(例えば、Oxone(登録商標))、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
一態様では、有益剤は、2−[3−[(2−ヘキシルドデシル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[3−[(2−ペンチルウンデシル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、2−[3−[(2−ブチルデシル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[3−(オクタデシルオキシ)−2−(スルホオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、2−[3−(ヘキサデシルオキシ)−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[2−(スルホオキシ)−3−(テトラデシルオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、2−[3−(ドデシルオキシ)−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、2−[3−[(3−ヘキシルデシル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[3−[(2−ペンチルノニル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[3−[(2−プロピルヘプチル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、2−[3−[(2−ブチルオクチル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、2−[3−(デシルオキシ)−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩、3,4−ジヒドロ−2−[3−(オクチルオキシ)−2−(スルホオキシ)プロピル]イソキノリウム分子内塩、2−[3−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−2−(スルホオキシ)プロピル]−3,4−ジヒドロイソキノリウム分子内塩などの、漂白促進剤を含んでよい。
【0035】
一態様では、有益剤は、ジアシル、あるいは包接化ジアシル、あるいは、ジノニルペルオキシド(dinonoyl peroxide)、ジデカノイルペルオキシド、ジウンデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるジアシルを含んでよい。
【0036】
一態様では、有益剤は触媒性金属錯体を含んでよい。遷移金属漂白剤触媒は、例えば、マンガン、鉄、及びクロムを含んでよい。一態様では、配位子は、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンなどの超剛性架橋配位子を含んでよい。好適な遷移金属配位子は、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許WO00/32601号及び米国特許第6,225,464号で教示されているような手順によって容易に製造される。好適な非金属漂白剤触媒、及びかかる触媒の適切な濃度は、米国特許第7,169,744(B2)号及び米国特許公開第2006/0287210(A1)号に開示される。好適な金属触媒として、ジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ(tetraaazabicyclo)[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)、ジクロロ−1,4−ジメチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
一態様では、有益剤は、香料、香料送達組成物、又はこれらの混合物を含んでよい。一態様では、有益剤は、少なくとも1つの香料成分を封入するメラミンホルムアルデヒドポリマーを含む、少なくとも1つの香料成分を含有する。
【0038】
一態様では、有益剤は、米国特許公開第2007/0129150(A1)号、及び米国特許公開第2008/0177089(A1)号に開示されるものなどの色調染料、染料粘土共役体、並びに/又は顔料を含んでよい。好適な色調染料として、以下が挙げられる。(a)Colour Index(C.I.)分類でダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット、及びベーシックレッドに分類される染料、又はこれらの混合物からなる群から選択される低分子染料、例えばダイレクトバイオレットColour Index(Society of Dyers and Colourists,Bradford,UK)番号でダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90、及びアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、及びダイレクトバイオレット51。(b)ポリマー染料として、共役型色原体(染料−ポリマー共役体)を含有するポリマー、及び色原体がポリマーの主鎖に共重合されるポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料、例えば、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1つの反応性染料、及びヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーから形成される染料−ポリマー共役体、並びにこれらの混合物が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)バイオレットCT、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料で共役されているカルボキシメチルセルロース(CMC)、例えばMegazyme(Wicklow,Ireland)から製品名AZO−CM−CELLULOSE(製品コード:S−ACMC)で販売されるC.I.リアクティブブルー19で共役されるCMC、及びこれらの混合物が挙げられる。(c)染料粘土共役体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料、及びスメクタイト粘土を含む群から選択される染料粘土共役体、及びこれらの混合物が挙げられる。(d)顔料、例えば、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物。
【0039】
一態様では、有益剤は、例えば、米国特許公開第2008/0131695号に記載される任意のものなどの、布地柔軟剤、付着剤、カチオン性ポリマー若しくはカチオンデンプン、又はこれらの混合物を含んでよい。
【0040】
一態様では、有益剤は、例えば、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(「DTPMP」)、ヒドロキシエタンジホスホン酸(「HEDP」)、ジエチレントリアミン五酢酸(「DTPA」)、及びこれらの混合物などのキレート化剤活性物質を含んでよい。
【0041】
一態様では、有益剤送達粒子は、約0.1マイクロメートル〜約2000マイクロメートル、約0.2マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約0.3マイクロメートル〜約200マイクロメートル、又は約0.5マイクロメートル〜約50マイクロメートル、又は約0.5〜約30マイクロメートルの粒径を有してよい。有益剤送達粒子は、マイクロカプセル形態であってよい。一態様では、粒子又はマイクロカプセルの寸法は、このようなマイクロカプセルを洗浄組成物の中に組み込むとき、典型的には、消費者に視認されないようなものとされる。理論に束縛されるものでないが、小さい粒径によって、粒子を懸濁させる液相の能力が促進され、液相が可能な限り均質に保たれると考えられる。
【0042】
一態様では、2種類以上の有益剤送達粒子(例えば、異なる放出特性を有する異なる種類粒子)を含有できる液体洗浄組成物が開示される。一態様では、液体洗浄組成物は、試験方法1により、約1秒〜約1分、又は約1秒〜約2分、又は約1秒〜3分の有益剤放出能がある第1の有益剤送達粒子、及び試験方法1により、約2分〜約10分以内、又は約3分〜約10分以内、又は約5分〜約10分以内の間有益剤放出能がある第2の有益剤を含有してよい。一態様では、2つ以上の有益剤送達粒子により2つ以上有益剤が供給される。有益剤は、総洗浄組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約4重量%、又は約0.01重量%〜約2重量%、又は約0.2重量%〜約1.5重量%の量で存在してよい。
【0043】
一態様では、組成物は有益剤送達粒子を含有し、有益剤送達粒子は、試験方法1に示されるように、水に希釈後約1秒〜約10分、又は約1秒〜約5分、又は約1秒〜約2分、又は約1秒〜約1分の時間内に有益剤の約50%〜約100%、又は約60%〜約100%、又は約70%〜約100%、又は約80%〜約100%、又は約90%〜約100%を放出する。一態様では、有益剤送達粒子は、試験方法1に示されるように、水に希釈後約5分以内に、有益剤の約50%〜約100%、又は約60%〜約100%、又は約70%〜約100%、又は約80%〜約100%、又は約90%〜約100%を放出する。
【0044】
一態様では、組成物は有益剤送達粒子を含有し、有益剤送達粒子は、3週間温暖保管条件(試験方法2に示す)で保管された後、有益剤の約60%〜約100%、又は約70%〜約100%、又は約80%〜約100%、又は約90%〜約100%を含有する。
【0045】
一態様では、組成物は、組成物の総重量に基づき、約1%〜約90%の水、約3%〜約60%、約4%〜約40%、約5%〜約25%、又は約5%〜約10%の水を含有してよい。一態様では、組成物は、約0.01%〜約80%、又は約0.01%〜約70%、又は約0.01%〜約60%、又は約0.01%〜約50%、又は約0.01%〜約40%の水及び/又はその他溶媒を含有してよい。組成物は、有益剤送達粒子を含有してよく、有益剤送達粒子は、乾燥重量で約0.5%〜約90%、又は約1%〜約50%、又は約2%〜約30%、又は約5%〜約25%、又は約10%〜約25%の有益剤を含有する。
【0046】
一態様では、開示される組成物は、約20cP〜約50,000cP、又は約50cP〜約5,000cP、又は約60cP〜約1,000cPの粘度を有してよい。組成物は、約6〜約11、約7〜約10、又は約7.5〜約9のpHを有してよい。一態様では、1つ以上の有益剤送達粒子を含まない組成物は、約1.0〜約1.5、約1.01〜約1.2、又は約1.02〜約1.1の比重(g/cmで表す)を有してよい。
【0047】
一態様では、組成物は、有益剤送達粒子の比重と、有益剤送達粒子を含まない組成物の比重との間の差により特徴づけられる。この態様では、各種有益剤送達粒子の比重と、1つ以上の有益剤送達粒子を抜いた洗浄組成物の比重との間の差(g/cmで表す)は、約0〜約0.5、0〜約0.2、0.00001〜約0.05であってよい。各種有益剤送達粒子の比重の標準偏差は、約0〜約0.2、又は約0.00001〜約0.05であってよい。
【0048】
補助材料
一態様では、開示される組成物は、有益剤送達粒子及び1つ以上の補助剤成分を含有する。補助剤成分は、本明細書に記載する任意のものを含んでよく、又は所望の組成物での使用に好適な任意のその他の補助剤を含んでよい。以下に例示される補助剤の非限定的な一覧は、本発明の組成物での使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、洗浄される基材の処理のために、又は組成物の審美性を変化させるために、特定の態様に組み込むことができる。このような補助剤を、上述の有益剤送達粒子に加えてよい。このような追加的構成成分の明確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき作業の性質に依存する。好適な補助材料として、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、増白剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤が挙げられる。補助剤には、触媒材料、漂白剤、光退色剤、非金属漂白剤触媒、ポリマー性分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、汚れ放出ポリマー及び汚れ懸濁ポリマー、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、顔料、色調剤、並びにこれらの混合物を挙げてよい。好適な補助剤の例及び使用濃度はまた、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号にも見出される。
【0049】
一態様では、構造剤は外部構造化システムであってよい。本発明の組成物は、好ましくは0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜1重量%の外部構造化システムを含む。外部構造化システムは、好ましくは(i)非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性構造剤、及び/又は(ii)ポリマー構造剤からなる群から選択される。
【0050】
このような外部構造化システムは、十分な降伏応力又は低剪断粘度を付与し、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは別に、又は外因的に流体洗濯洗剤組成物を安定化させるものである。好ましくは、これらは流体洗濯洗剤組成物に、20s−1、21℃における1〜1500cPの高剪断粘度を、及び5000cPを超える低剪断粘度(0.05s−1、21℃における)を付与する。粘度は、直径40mmの平板鋼製スピンドル及び間隙サイズ500μmを使用するTA instruments製のAR550レオメーターを使用して測定される。20s−1での高剪断粘度、及び0.5s−1での低剪断粘度は、21℃で3分間の0.1s−1〜25s−1の対数剪断速度掃引から得ることができる。
【0051】
非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性材料:好ましい実施形態では、組成物は、0.01重量%〜1重量%の非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造剤を更に含む。このような非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能性構造剤は、予め乳化が可能な結晶化可能グリセリドを一般に含み、最終の1回用量洗濯洗剤組成物中への分散を補助する好ましい結晶化可能グリセリドとして、液体洗剤組成物中で晶出可能な条件で、硬化ヒマシ油(「HCO」)又はその誘導体が挙げられる。その他の非ポリマー構造剤として、ジグリセリド、トリグリセリド、及びエチレングリコールジステアレート、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
ポリマー構造剤:本発明の洗濯洗剤組成物は、0.01重量%〜5重量%の天然由来及び/又は合成ポリマー構造剤を含んでよい。本発明で使用する天然由来ポリマー構造剤の例として、微結晶セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、バイオポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体として、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジュランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で使用する合成ポリマー構造剤の例として、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート又はこれらの混合物である。別の好ましい実施形態では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸のC1〜C30アルキルエステルのコポリマーである。こうしたコポリマーは、Noveon Inc.から商品名Carbopol Aqua 30として入手可能である。
【0053】
更なる態様では、組成物のpHは約2〜約11、又は約3〜約8.5、又は3〜約5である。理論に束縛されるものではないが、pHが低いほど製品安定性がよくなると考えられる。酵素などの様々な反応性が高い成分は、処方された極端なpH(9以上又は6以下)のようなマトリクス内では、通常は安定ではない。本発明のカプセルは、配合者が優れた洗浄性を送達できるようにする。
【0054】
一態様では、補助剤は、(a)カルシウム塩、マグネシウム塩及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩、(b)オリゴ糖、多糖類及びこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物、(c)フェニルボロン酸及びこの誘導体からなる群から選択される質量効率的可逆性プロテアーゼ阻害剤、並びに(d)これらの混合物、からなる群から選択される酵素安定剤を含んでよい。
【0055】
有益剤送達粒子及び組成物の製造プロセス
有益剤送達粒子の製造方法もまた開示される。例えば米国特許第4,990,280号、米国特許公開第2003/0087791(A1)号、同第2003/0087790(A1)号、同第2005/0003983(A1)号に開示されるように、組成物は、任意の好適な形態で処方され、配合者が選択する任意のプロセスで製造されてよい。一態様では、i)溶媒中にセルロース系ポリマー及び有益剤を提供し、混合物を生成する工程と、ii)有益剤送達粒子の形成に十分な時間、噴霧乾燥機に混合物を投入する工程と、を含む、噴霧乾燥プロセスを使用して有益剤送達粒子を製造してよい。溶媒は、有機溶媒、アルカリ性アルコール溶媒、アルカリ性水性溶媒、水性溶媒、又はこれらの混合物を含んでよい。一態様では、溶媒は重炭酸ナトリウムを含んでよい。溶解工程中に、機械的操作を使ってよい。一態様では、有益剤の投入前に、溶媒中にセルロース系ポリマーを溶解してよい。
【0056】
一態様では、セルロース系ポリマーでコーティングされた粒子及び/又は凝集体の製造プロセスは、a)ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びセルロースアセテートフタレートなどのセルロース系ポリマーと、水及び/又はエタノールなどの溶媒と、を含む溶液を、有益剤を含むメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセル、及び/又はかかるメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを含むスラリーと混合及び/又は接触させ、セルロース系ポリマー/マイクロカプセルスラリーを形成する工程と、b)かかるスラリーからセルロース系ポリマーでコーティングされたメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを回収する工程と、の2つのパートを含む。一態様では、セルロース系ポリマー溶液を調製し、有益剤を含むメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを含むスラリーをかかる溶液に添加して、セルロース系ポリマー及びかかるメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを含むスラリーを形成する。一態様では、フローフォーカシングを用いてセルロース系ポリマーでコーティングされたメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを回収するとき、上記スラリーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びセルロースアセテートフタレートが挙げられるがこれらに限定されないセルロース系ポリマーを含み得る第2のセルロース系ポリマー溶液と接触する。1つの態様では、可塑剤をセルロース系ポリマー/メラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルスラリーに添加して、得られるセルロース系ポリマーでコーティングされたメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルの特性を改質することもできる。例えば、セルロース系ポリマーでコーティングされたマイクロカプセルを柔軟化させる、及び/又は使用中のセルロース系ポリマーでコーティングされたマイクロカプセルによる有益剤の放出を改善する。好適な可塑剤としては、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチル化モノグリセリド、アセチルクエン酸トリブチル、トリアセチン、フタル酸ジメチル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、安息香酸ベンジル、脂肪酸のブチル及び/又はグリコールエステル、精製鉱物油、オレイン酸、ヒマシ油、コーン油、ショウノウ、グリセロール、ソルビン酸、ソルビトール、セラック、ポリビニルアルコール並びにこれらの混合物からなる群から選択される可塑剤が挙げられる。1つの態様では、前記可塑剤は、グリセロールを含む。一態様では、セルロース系ポリマー及びメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルスラリーを、有機物質、例えば、ダイズ油等の植物油が挙げられるがこれらに限定されない油と混合して、セルロース系ポリマー、メラミンホルムアルデヒドマイクロカプセル、及び有機物質を含むスラリーを形成する。一態様では、第2の溶媒をセルロース系ポリマー/メラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルスラリーに添加し、第1の溶媒を蒸発させて、第2の溶媒中にセルロース系ポリマーでコーティングされたメラミンホルムアルデヒドマイクロカプセルを生じさせる。本発明の前述の態様のいずれかにおいて、前述のスラリーは、必要に応じて、乾燥前に連続混合及び/又は界面活性剤を添加することにより均質に保つことができる。好適な回収技術としては、噴霧乾燥、ろ過、フローフォーカシング、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
一態様では、セルロース系ポリマーでコーティングされた粒子及び凝集体の製造プロセスは流動床の使用を含み、有益剤、メラミンホルムアルデヒドで封入された有益剤、セルロース系ポリマーでコーティングされた有益剤、及び/又はセルロース系ポリマーでコーティングされたメラミンホルムアルデヒドで封入された有益剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びセルロースアセテートフタレートが挙げられるがこれらに限定されないセルロース系ポリマーを含み得る第2のセルロース系ポリマーと接触させることができる。
【0058】
効果送達能の付与方法
有益剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーと、を含む粒子を、洗浄組成物と混合する工程を含む、洗浄組成物に効果送達能を付与する方法も開示される。一態様では、かかる有益剤は、酵素、色調染料、金属触媒、漂白剤触媒、過酸、香料、バイオポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。一態様では、かかる粒子は、かかる洗浄組成物の少なくとも1つの成分と混合され、かかる粒子とかかる洗浄組成物の少なくとも1つの成分との混合物は、別の材料と混合され洗浄組成物を生成する。
【0059】
使用方法
ある部位、とりわけ表面又は布地を洗浄及び/又は処理する方法も開示される。このような方法として、表面又は布地を任意に洗浄する及び/又はすすぐ工程と、本発明に開示される組成物(原体又は洗浄液中に希釈されたもののいずれか)を少なくとも表面又は布地の一部に接触させる工程と、次いでこのような表面又は布地を任意にすすぐ及び/又は洗浄する工程と、を含む。用語「洗浄する」は、ゴシゴシ洗う、及び/又は機械的に攪拌することを包含する。当業者に理解されるように、一態様では、開示される組成物は洗濯用途での使用に適している。したがって、布地を洗濯する方法が開示される。一態様では、この方法は、洗濯される布地を本明細書に開示される組成物と接触させる工程を含む。一態様では、洗浄又はすすぎ工程に使用される溶液の最終pHは、約5〜約8.5、約6〜約8.4、又は約6.5〜約8.2であってよい。組成物は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用されてよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は、約1:1〜約30:1であってよい。一態様では、組成物は水溶性パウチで供給されてよく、パウチはポリビニルアルコールを含んでよい。
【0060】
試験方法
粘度計(Model AR2000,TA Instruments(New Castle,Delaware,USA)から入手可能)を使用して、粘度を求め、40mmの2°スチールコーンを0.01〜150秒−1の剪断速度で使用して、それぞれの試料を25℃の試料温度で試験する。粘度を単位センチポアズ(cps)で表し、1秒−1の剪断速度で測定する。
【0061】
ASTM E1037−84バージョン1、2004に従って、平均粒子寸法を求める。
【0062】
標準的な方法ES ISO 10523:2001バージョン1に従って、pHを測定する。
【0063】
試験方法1−有益剤送達粒子からの有益剤放出
0.05gの有益剤送達粒子を計量し、実施例16に記載される液体洗剤5mLに分散する。次いで得られる混合液を、20℃で500mLの水(表1に記載される組成物を有する)に希釈する。続いてこの混合液を、Scientific Lab.comから入手できるスターラープレート、IKAMAG RET basicを使用して150RPMで10分間攪拌する。
【0064】
1、2、5、及び10分後に有益剤送達粒子から放出される有益剤量を、標準的な分析法を使用して測定できる。酵素放出は、ASTM法D0348−89(2003)を使用して測定してよい。
【0065】
試験方法2−有益剤漏出及び保管時安定性の測定
0.05gの有益剤送達粒子を計量し、実施例16に記載される液体洗剤5mLに分散する。次いで、得られる混合液を2分間混合し、10mL容の標準的気密性ガラスバイアル瓶に密封する。この手順を繰り返し、20本の複製を得る。この20本の複製を2つのバッチに等分する。バッチ1の10本の複製は、温度を35℃(温暖保管条件)に調節したオーブン内に3週間置く。バッチ2(低温保管条件)の10本の複製は、5℃の冷蔵庫内に3週間置く。3週間後、これら複製を2つの温度調節室のそれぞれから取り出し、有益剤含量を分析する(不活化し得る酵素などの材料の場合は、活性体の含量に対して得られるデータを比較して解析することに注意)。
【0066】
有益剤放出及び漏出の測定
バッチ1及び2(上述)の5本の複製をそれぞれ、20℃で500mLの水(表1に記載される組成物を有する)に希釈する。各混合液を、ScientificLab.comから入手できるスターラープレート、IKAMAG RET basicを使用して150RPMで10分間攪拌する。次いで、この混合液を試験方法1に記載の手順を使用して分析し、保管後に残存する有益剤の総量を測定する。この量をAmg/mL組成物で表し、Aはこの試験で得られる値である。各異なるバッチの5本の複製を、0.45マイクロメートルのフィルター(Whatman Incorporated(NJ,USA)から入手)でろ過し、有益剤送達粒子を除去する。次いでろ過した各流体サンプルのそれぞれを、20℃で500mLの水(表1に記載される組成物を有する)に希釈する。続いて、希釈したろ過流体サンプルを、Scientific Lab.comから入手できるスターラープレート、IKAMAG RET basicを使用して150RPMで10分間攪拌し、試験方法1に記載される手順に従って分析して、保管後に有益剤送達粒子から漏出した有益剤の量を測定する。この量をBmg/mL組成物で表し、Bはこの試験で得られる値である。
【0067】
保管後有益剤粒子中に存在する有益剤の%(「X」)は以下の式を使用して算出できる。
X=100(A−B)/C
式中、A及びBは上記で得られる値であり、Cは、試験方法1に開示するものなどの標準的分析方法を使用して、加えられた有益剤送達粒子の活性に基づき、液体洗剤サンプル中に存在すると見込まれる有益剤の量である。
【実施例】
【0068】
実施例1.ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(pthalate)(HPMCP)中に封入されたアミラーゼ酵素を含有する有益剤送達粒子の合成
2グラムのグレード55のHPMCP(Shin−Etsu,Chemical Co.,Ltd,Tokyo 100−0004,Japan)を25mLのアルコール性水酸化ナトリウム(メタノール中水酸化ナトリウム0.52%重量/容量)に溶解し、100mLの三角フラスコに入れ、30分間超音波処理する。5.2gのアミラーゼ溶液(Novozymes A/Sから入手でき、アミラーゼ活性が220KNU/mLのもの)を均質な溶液に添加し、スターラープレート、IKAMAG RET basic(ScientificLab.comから入手)を使用して150RPMで10分間攪拌した。この分散液を、0.19MPa(2kg/cm)の一定の噴霧気圧を使用して、2.5mL/分の速度で噴霧乾燥機(Buchi,B−191,Switzerlandから入手)に供給する。入口及び出口の温度は、それぞれ40℃及び30℃である。分散液材料をスターラープレート(ScientificLab.comから入手可能なIKAMAG RET basic)を使用して150RPMで継続的に攪拌しながら、噴霧乾燥機(Buchi,B−191,Switzerland)に供給する。噴霧乾燥機内で形成された有益剤送達粒子を、サイクロンを介して容器内に回収する。次いで、有益剤送達粒子を計量し(1.62g)、ASTM E1037−84法、第1版に従って約2〜約15マイクロメートルの範囲内の粒径を測定する。得られる有益剤送達粒子を、SEM(TM−1000,Hitachi)、Axio顕微鏡(Zeiss,Germany)、及びSTEREO顕微鏡(Zeiss,Germany)で分析する。
【0069】
試験方法1及び2を使用して、初期及び保管後の活性酵素含量について有益剤送達粒子を分析する。得られた粒子は、4%、つまり各粒子中40mg/g活性の酵素活性を有する。試験方法1を使用して測定するとき、粒子は、≧80%の活性酵素含量(約80〜100%)を保持し、約0%〜約5%の漏出%を有する。試験方法2による温暖保管条件(35℃で3週間)の適用後、保管後に有益剤粒子に存在する有益剤は約80%〜100%であり、一方漏出%は0〜10%である。
【0070】
実施例2.セルロースアセテートフタレート(CAP)中に封入されたプロテアーゼ酵素を含有する有益剤送達粒子の合成
5グラムのCAP粉末(G.M.Chemie Pvt Ltd,Mumbai,400 705,India)を95mLの水性重炭酸ナトリウム(1.26%重量/容量)に溶解する。次いでこの溶液をガラス製ペトリ皿に移し、続いて液体窒素を含有するガラス製容器内に5分間、又は混合液が液体窒素の温度に達するまで置いた。次いで、凍結乾燥機(Martin Christ,Gefriertrocknungsanlagen GmbH,D−37507 Osterode am Harz,GermanyのAlpha1−2LD)を使用し、9.5時間、−54℃でペトリ皿を凍結乾燥させる。得られる凍結乾燥されアルカリ処理されたCAP生成物はフィルムを形成し、小片に切断されてマイクロカプセルの製造に使用される。2gの凍結乾燥されアルカリ処理されたCAPを33mLのメタノールに溶解し、100mLの三角フラスコに入れ、30分間超音波処理する。0.81gのSavinase(登録商標)溶液(Novozymes A/Sが供給するプロテアーゼ活性が44KNPU/gのもの)を均質な溶液に添加し、スターラープレート(ScientificLab.comが供給するIKAMAG RET basic)を使用して150RPMで10分間撹拌した。分散液材料をスターラープレート(ScientificLab.comから入手可能なIKAMAG RET basic)を使用して150RPMで継続的に攪拌しながら、0.19MPa(2kg/cm)の一定の噴霧気圧を使用して、2.5mL/分の速度で噴霧乾燥機(Buchi,B−191,Switzerland)に供給する。入口及び出口の温度は、それぞれ40℃及び30℃である。噴霧乾燥機内で形成された有益剤送達粒子を、サイクロンを介して容器内に回収する。次いで、有益剤送達粒子を計量し(1.23g)、ASTM E1037−84法、第1版に従って約2〜15マイクロメートルの粒径分布を測定する。得られる有益剤送達粒子を、SEM(TM−1000,Hitachi)、Axio顕微鏡(Zeiss,Germany)、及びSTEREO顕微鏡(Zeiss,Germany)で分析する。上述の試験方法1及び2を使用し、初期及び保管後の活性酵素含量について有益剤送達粒子を分析する。
【0071】
実施例3.色調染料を含む有益剤送達粒子の合成
酵素有益剤が上述の色調染料である以外は、実施例1のプロセスを使用する。
【0072】
実施例4.20重量%芯/80重量%HPMCPでコーティングされたジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)を含む有益剤送達粒子の合成
5%重炭酸ナトリウム水溶液中、グレード50のHPMCP(「HP 50」)(SEPPIC SA,7 Boulevard Franck Kupka,92039 Paris La Defense,Cedex,Franceから入手可能)の10%溶液を50℃で調製し、1.2マイクロメートルのフィルター(Albet,Dassel,Germany)でろ過する。この溶液を室温まで冷却する。2グラムのジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)を98gの予め調製したHP 50溶液に加え、ジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)が完全に溶解するまで混合する(IKA−Werke GmbH & Co.KG,Janke & Kunkel Str.10,79219 Staufen,Germanyから入手可能なIKA RW−16−Basic)。噴霧乾燥機を使用して粒子を回収する(ProCepT(Belgium)の4M8 Spray−Dryer)。噴霧乾燥プロセスで使用するパラメータは、ノズル0.4mm、schuin 60 cyclone、入口空気温度140℃、空気流速0.4m/分、供給速度2mL/分(シリンジを用いて)である。収率58.14%が得られる。続いて粒子を回収し、SEM(TM−1000,Hitachi)で分析する。
【0073】
実施例5.20重量%芯/80重量%壁のHPMCP(グレード50)を含む有益剤送達粒子の合成
5%重炭酸ナトリウム水溶液中、グレード50のHPMCP(「HP 50」)(SEPPIC SA,7 Boulevard Franck Kupka,92039 Paris La Defense,Cedex,Franceから入手可能)の10%溶液を50℃で調製し、1.2マイクロメートルのフィルター(Albet,Dassel,Germany)でろ過する。この溶液を室温まで冷却する。4%グリセロール(Sigma Aldrich)を可塑剤として添加する。2グラムのジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)を98gの予め調製したHP 50溶液に加え、ジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)が完全に溶解するまで混合する(IKA−Werke GmbH & Co.KG,Janke & Kunkel Str.10,79219 Staufen,Germanyから入手可能なIKA RW−16−Basicを使用する)。次いで、噴霧乾燥機を使用して粒子を回収する(ProCepT,Belgiumの4M8 Spray−Dryer)。噴霧乾燥プロセスで使用するパラメータは、ノズル0.4mm、schuin 60 cyclone、入口空気温度140℃、空気流速0.4m/分、供給速度2mL/分(シリンジを用いて)である。収率65.37%が得られる。固体粒子を回収し、次いで、顕微鏡技術により分析する:SEM(TM−1000,Hitachi)、Axio顕微鏡(Zeiss,Germany)、及びSTEREO顕微鏡(Zeiss,Germany)。粒子は、有益剤としてジクロロ−1,4−ジエチル−1,4,8,11−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)を含有する。
【0074】
実施例6.液体洗濯組成物中の90重量%芯/10重量% HPMCPでコーティングされたPeractive AP
70gのPeractive AP(TAED,Clariant,Frankfurt,Germany)を計量し、wurster流動床コーター(4M8−Fluidbed,ProCepT,Belgium)に導入する。熱風を85℃に設定し、100gのHP 50(SEPPIC SA,7 Boulevard Franck Kupka,92039 Paris La Defense,Cedex,Franceから入手可能)を900gの5.5%水酸化ナトリウム水溶液に溶解して予め調製した775gの10% HPMCP 50溶液を、気流速度0.4m/分により0.5mL/分の速度で底部から噴霧する。材料を回収し、SEM(TM−1000,Hitachi)で分析する。得られるコーティングは100%未満の均一性である。
【表1】

【表2】

【表3−1】

【表3−2】

【表4】

有益剤が、Lipex(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、PCT国際公開特許WO07/044993(A2)に記載されるメタロプロテアーゼ、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)及びPectaway(登録商標)又はこれらの混合物からなる群から選択される、本明細書の実施例2又は3に従って製造された有益剤送達粒子を指す。米国特許第4,597,898号に記載される。BASFから商標名LUTENSIT(登録商標)で市販され、例えば米国特許第6,673,890号に記載されるもの。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーとは、−NH1つにつき24個のエトキシレート基及び−NH1つにつき16個のプロポキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。以下の構造を有する可逆性プロテアーゼ阻害剤。
【化1】

【表5】

有益剤が、Lipex(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、米国特許公開第2008/0293610(A1)号に記載されるメタロプロテアーゼ、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)及びPectaway(登録商標)又はこれらの混合物のいずれか1つである有益剤送達粒子を指す。BASF(Ludwigshafen,Germany)から商標名Polytergent(登録商標)SLF−18で販売される。Novozymes A/S(Denmark)から販売される。Genencor International(California,USA)から販売され、好適なプロテアーゼ錠剤は商標名FN3(登録商標)及びProperase(登録商標)で販売される。上記構造を有する可逆性プロテアーゼ阻害剤。Alco Chemical(Tennessee,USA)から販売される。Arch Chemicals Incorporated(Smyrna,Georgia,USA)から販売される。Rohm and Haas(Philadelphia,Pennsylvania,USA)から販売される。
【表6】

有益剤が、Lipex(登録商標)、Celluclean(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、米国特許公開第2008/0293610(A1)号に記載されるメタロプロテアーゼ、Stainzyme(登録商標)、Stainzyme Plus(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Mannaway(登録商標)及びPectaway(登録商標)及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤送達粒子を指す。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーとは、−NH1つにつき24個のエトキシレート基及び−NH1つにつき16個のプロポキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。ジエチレントリアミン五酢酸(diethyleneetriaminepentaacetic acid)ナトリウム塩。Millikenのポリマー着色剤。3、4布地用色調染料。非布地用直接染料。製品100g中のNaOHg。微粉末として添加。
【0075】
上記材料は、次の通り入手でき、すなわち、平均脂肪族炭素鎖長C11〜C12の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(Stepan,Northfield,Illinois,USA)、C12〜14のジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(Clariant GmbH,Sulzbach,Germany)、C12〜15アルキルエトキシ(3)硫酸であるAE3S(Stepan,Northfield,Illinois,USA)、C12〜15アルキルエトキシ(2)硫酸(Stepan,Northfield,Illinois,USA)であるAE3S、平均エトキシル化度が7のC12〜15アルコールエトキシレート(Huntsman,Salt Lake City,Utah,USA)であるAE7、1.6Rケイ酸塩(Koma,Nestemica,Czech Republic)、炭酸ナトリウム(Solvay,Houston,Texas,USA)、ポリアクリレートMW 4500(BASF,Ludwigshafen,Germany)、カルボキシメチルセルロース(CPKelco,Arnhem,Netherlandsから入手可能なFinnfix(登録商標)BDA)、Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Lipex(登録商標)、Duramyl(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Termamyl(登録商標)、Mannaway(登録商標)(Novozymes,Bagsvaerd,Denmark)、Tinopal(登録商標)AMSである蛍光増白剤1、Tinopal(登録商標)CBS−Xである蛍光増白剤2、Pergasol(登録商標)Violet BN−Zであるスルホン化亜鉛フタロシアニン及びダイレクトバイオレット9(Ciba Specialty Chemicals(Basel,Switzerland)から全て入手可能)、ジエチレントリアミン五酢酸(pentacetic acid)(Dow Chemical,Midland,Michigan,USA)、C.I.リアクティブブルー19で抱合されたカルボキシメチルセルロースであるS−ACMC(Megazyme,Wicklow,Ireland、製品名AZO−CM−CELLULOSE、製品コードS−ACMCで販売)、Repel−o−tex(登録商標)PFである汚れ放出剤(Rhodia,Paris,France)、分子量70,000でアクリル酸:マレイン酸比が70:30であるアクリル酸/マレイン酸コポリマー(BASF,Ludwigshafen,Germany)、FN3であるプロテアーゼ(Genencor International,Palo Alto,California,USA)、エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸のナトリウム塩(S,S)異性体(EDDS)(Octel,Ellesmere Port,UK)、ヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)(Dow Chemical,Midland,Michigan,USA)、Dow Corning(Midland,Michigan,USA)から入手可能な泡抑制剤疑集体、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に開示されるような中分枝鎖硫酸アルキルであるHSAS、C12〜14ジメチルアミンオキシド(Procter & Gamble Chemicals,Cincinnati,Ohio,USA)、平均エトキシル化度が7のC14〜C15エトキシレート、又は平均エトキシル化度が9のC12〜C13エトキシレートを含み得る非イオン性、Genencor International(Palo Alto,California,USA)から入手可能なプロテアーゼ、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)から入手可能なLiquitint(登録商標)Violet CT、Chris−Craft Industrial Productsから入手可能なMonosol M8630フィルム、テトラデシルジメチルアミンオキシドであるC14AO。
【0076】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0077】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0078】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物であって、
a.有益剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるセルロース系ポリマーと、を含む有益剤送達粒子と、
b.移染阻害剤、増白剤、漂白剤、光退色剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、汚れ放出ポリマー、汚れ懸濁ポリマー、増白剤、泡抑制剤、香料、柔軟仕上げ剤、色調剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の補助剤成分と、を含み、
前記洗浄組成物が液体である、洗浄組成物。
【請求項2】
前記有益剤が、酵素、色調染料、金属触媒、漂白剤触媒、過酸、香料、バイオポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
前記酵素が、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルビオースデヒドロゲナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、還元酵素、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、アミラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
前記組成物が、
a.カルシウム塩、マグネシウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される無機塩と、
b.オリゴ糖、多糖類、及びこれらの混合物からなる群から選択される炭水化物と、
c.フェニルボロン酸及びその誘導体からなる群から選択される質量効率的可逆性プロテアーゼ阻害剤と、
d.これらの混合物と、からなる群から選択される、酵素安定剤成分を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記有益剤が、予め形成された過酸、漂白活性化剤、触媒性金属錯体、非金属漂白剤触媒、及びこれらの混合物からなる群から選択される漂白剤又は漂白剤触媒を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
前記有益剤が、漂白促進剤、色調染料、布地柔軟剤、付着剤、カチオン性ポリマー、カチオンデンプン、又はこれらの混合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
前記有益剤が、メラミンホルムアルデヒドポリマーと少なくとも1つの香料成分とを含み、前記メラミンホルムアルデヒドポリマーが前記香料成分を封入する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記有益剤送達粒子が、0.1マイクロメートル〜1000マイクロメートルの粒径を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
前記有益剤送達粒子によって供給される有益剤が、組成物の0.0001重量%〜10重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
前記洗浄組成物が2つ以上の有益剤送達粒子を含み、前記2つ以上の有益剤送達粒子のそれぞれが異なる放出特性を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
前記有益剤送達粒子の比重と、前記有益剤送達粒子を除く前記洗浄組成物の比重との差が0〜0.5g/cmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
前記組成物が、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、並びにこれらの混合物からなる群から選択される構造剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
前記組成物が約70%未満の水を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項14】
前記有益剤送達粒子が、有益剤送達粒子の乾燥総重量に基づき0.5%〜90%の有益剤を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
a)部位を任意にすすぐ及び/又は洗浄することと、
b)前記部位を請求項1に記載の洗浄組成物と接触させることと、
c)前記部位を任意に洗浄する及び/又はすすぐことと、を含む、部位を洗浄及び/又は処理する方法。

【公表番号】特表2012−532247(P2012−532247A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519723(P2012−519723)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/041344
【国際公開番号】WO2011/005943
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】