木材欠陥検出装置
【課題】安価である上に安定した欠陥検出を行うことができるものとする。
【解決手段】所定速度で移送される検査木材1の表面を照明する照明手段3と、照明手段3で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段2と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段4とからなる。上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射し、上記処理手段は撮像された画像における輝度を基に欠陥部を抽出する。上記波長の光を用いることで、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得られるために、欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【解決手段】所定速度で移送される検査木材1の表面を照明する照明手段3と、照明手段3で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段2と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段4とからなる。上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射し、上記処理手段は撮像された画像における輝度を基に欠陥部を抽出する。上記波長の光を用いることで、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得られるために、欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材欠陥検出装置、殊に合板に張り合わせる薄厚でシート状の単板表面、あるいは単板を張り合わせた合板表面の欠陥を検出する木材欠陥検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材表面の欠陥検出にあたり、色分布を基に欠陥を検出するものが特開2007−147442号公報に示されている。この場合、色も加味して欠陥を検出するために、欠陥検出を正確に行うことができるものの、モノクロ画像を利用するものに比して、システムが高額となる。また、ここでは欠陥判定に複雑な関数を利用していることと、事前に収集した欠陥パターンを用いて欠陥を判定しているために、検査処理(判定処理)が高速でなく、事前に欠陥パターンの把握が必要であるという問題がある。
【0003】
一方、モノクロ画像で欠陥を検出することができるようにしたものとしては、特開平8−145914号公報に示されたものがある。これは一次元テレビカメラを用いることもあって、安価であるものの、欠陥部と良品部の輝度差が十分獲得できず、安定して検出できないことがあるという問題を有しているほか、欠陥状態によって撮像画像中の見え方が異なるために、欠陥検出を確実に行えない場合がある。これは表面状態、含水率等の検査対象に依存する要因及び欠陥部の輝度レベルに依存する要因が考えられる。
【特許文献1】特開2007−147442号公報
【特許文献2】特開平8−145914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、安価である上に安定した欠陥検出を行うことができる木材欠陥検出装置を提供することを課題とするものであり、更には単純な処理で欠陥を高速に検出することができる木材欠陥検出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る木材欠陥検出装置は、所定速度で移送される検査木材の表面を照明する照明手段と、照明手段で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段とからなり、上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものであり、上記処理手段は撮像された画像における各画素の輝度情報を基に欠陥部を抽出するものであることに特徴を有している。上記波長の光を用いることで、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得ることができるものであり、このために欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【0006】
この時、上記照明手段としては、検査木材の繊維方向に対して略平行方向な光を検査木材の検査面に対して40〜75°の角度で照明するものが好ましい。木材の特性を活用した撮像部と処理部の単純な構成で欠陥検出ができるものであり、また事前に欠陥パターンを収集することなく、様々な欠陥を検出することができる。
【0007】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以上である領域を欠陥領域として抽出するものであるために、欠陥を含むものを確実に抽出することができる。
【0008】
そして上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以下である領域を欠陥候補領域として抽出し、該欠陥候補領域を中心とした所定領域において、周辺輝度が高い場合はしきい値レベルを上昇させ、周辺輝度が低い場合はしきい値レベルを低下させる処理を行って上記領域の面積値を再計測し、該面積値にて欠陥判定を行うものであると、しきい値を周辺輝度に応じて調整することになるために、欠陥部と良品部の輝度差が十分にないものにおいても、確実に欠陥を検出することができる。
【0009】
また、上記処理手段は、欠陥領域の最低輝度画素の存在する所定領域における平均輝度と全撮像画像の平均輝度に基づいて2値化のためのしきい値を設定し、該しきい値を基に欠陥領域を抽出するものであると、周辺領域(良品部領域)の輝度を反映させて正確に欠陥部領域を抽出することができる。
【0010】
上記処理手段は、複数のしきい値を用いて欠陥領域を求めるとともに、各しきい値において夫々欠陥があると判定された欠陥領域のうち、重複する箇所にある欠陥領域を求め、更に重複する欠陥領域のうちの最大の欠陥領域を残して他の欠陥領域を削除するものであると、検査木材表面状態や撮像状態により欠陥部輝度が安定しない場合でも、安定して欠陥領域を抽出することができる。
【0011】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、欠陥領域内の最低輝度画素を中心とした少なくとも4方向の輝度分布がいずれかの方向においても少なくとも1個以上の変曲点を有するものを欠陥と判定するものであると、本来は欠陥であるものの、面積では欠陥と判定されない節欠陥についても、欠陥と判定することができる。
【0012】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、所定の輝度値以下の領域における最低輝度画素を中心とした輝度分布の最低輝度から所定の輝度値を超えるまでの勾配の角度に応じて欠陥と判定するものであると、最低輝度が同レベルである欠陥領域でも欠陥種を安定して分類することができる。
【0013】
さらに上記処理手段は、検査木材表面の所定領域間の平均輝度差に基づいて表面色むら欠陥を判定するものであると、従来はカラー画像を用いて色分布から判定していた色むら欠陥も検出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、照明手段として検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものを用いるために、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得ることができるものであり、このために輝度を基に行う欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明すると、図示例は、合板の表面に貼られる厚みが薄いシート状の単板の表面に現れる各種欠陥を検出するためのもので、図1及び図2に示すように、コンベア4によって搬送される検査木材1の上方に少なくとも1台のカメラ2を配置するとともに、カメラ2による撮像範囲となる部分を照明する光源3を配置してある。撮像手段である上記カメラ2としてはラインセンサ型のものを用いており、また照明手段である上記光源3には発光ダイオードを用いて、斜光照明を検査木材1に対して与える。
【0016】
ここで、光源3には420nm〜530nmの波長の光を出力するものを用いている。図3は検査木材1の正常部分の反射率イと、欠陥部分(カナスジ欠陥)の反射率ロとを波長を変えて測定した結果を示しており、この両反射率イ、ロの比率ハは、420〜530nmの範囲において小さく、従って正常部(良品部)と欠陥部とのコントラストが大きくなるために、上記波長の光を用いたものであり、図からも明らかなように、430nm〜480nmの波長であれば、コントラストが最大となるために、更に良好な欠陥検出を行うことができる。
【0017】
また、上記光源3による照明は、検査木材1の繊維方向Sに略平行で且つ40〜75°、図示例では60°上方より照射している。繊維方向Sには木材の水分を供給する導管等が一般に存在するために、図4に示すように繊維方向Sと直交する方向に凹凸が現れる。また、木目・欠陥等が存在する場合には、凹凸形状が他凹凸と異なることがある。これは形状が大きい、凹凸部の色が他凹凸と異なる等の特徴を有することであり、繊維方向Sに対して平行な光を斜め上方から照射することで、木目・欠陥等の凹凸を他の凹凸よりも強調することができる。さらに、木材内部に浸透した光が凹凸の影響を受けにくく、表面に光が返りやすくなる(拡散しやすくなる)。逆に、繊維方向Sと直交する方向から照射した場合には、木目・欠陥等の識別が困難になる。なお、繊維方向S以外の方向に走る凹凸も存在することがあるが、その量は微小で問題になるレベルでない。
【0018】
また、図5は光源3による照明の角度を変化させて、3種の木材(カバ(M1)、ナラ(M2)、ブナ(M3))に光を当てた際の平均輝度を測定したものであるが、図から明らかなように、角度は40°〜75°、殊に60°前後とした時に高い反射輝度を得ることができるために、欠陥検出のための反射光を多く得ることができる。
【0019】
カメラ2の出力画像は図1,図2に示す処理手段4において次のような処理がなされて欠陥検出が行われる。すなわち、画像処理用コンピュータからなる上記処理手段4は、検査木材1の搬送に同期させてラインセンサ型カメラ2の出力を取り込むことで得られた2次元撮像画像の各画素に対し、図6に示すように、しきい値を段階的に変化させてしきい値毎に2値化処理を行って画素のグループ化を行い、撮像画像から領域を抽出する。そして、この処理でグループ化した領域の面積を、検出しきい値毎に予め設定した規格面積と比較して、規格面積以上であれば、その領域を欠陥領域と判定するという処理を行う。
【0020】
ところで、撮像画像の状態によりエッジ部がだらける状態(エッジ部から立上る画素数が多数となる状態)となり、画像から正確に面積が検出できないことがある。このエッジの「だらけ」を削除するために、しきい値を再設定して2値化処理を行うのが好ましい。図7はこの場合のフローを示しており、該フローは図6に示したフロー中の「しきい値毎に検出画素をまとめて領域化する」というステップまでをFとする時、このFに続けて実行する。
【0021】
図6に示した場合と同様に、まず検出しきい値毎に予め設定した面積と比較して、該面積以上であれば、その領域を欠陥候補領域と判定し、次いで一度計測した欠陥候補領域を再度2値化しきい値を変更して2値化処理を行って、上記の予め設定した面積以下であった欠陥候補領域を再度チェックする。しきい値を変更する場合の値Aとしては固定値を与える。例えば、最初の検出しきい値が30であり、欠陥部最低輝度と良品部平均輝度の輝度差が110である時、輝度差の1/2となる55をAの値として用いて欠陥検出しきい値に加算した値85をしきい値として設定する。周辺輝度に応じてしきい値を調整するのである。そして、領域面積を再計測して判定を行う。この処理を行うことで、図8に示すように、検出した欠陥のサイズS1よりも広くて目視確認することができる欠陥のサイズS0にほぼ一致する欠陥領域を検出することができる。周辺輝度との分離を確実に行うことができ、欠陥部を正確に抽出することができるものとなる。
【0022】
ところで、検査木材1が図9に示すように、合板上に複数枚の単板(ピース)を貼り合わせたものである場合、欠陥9の存在するピースP1と欠陥9が存在しないピースP2とで平均輝度が異なる時、しきい値設定時にいずれかのピースに存在する欠陥の輝度レベルでしきい値を設定すると、同欠陥をピースP1で検出する場合とピースP2で検出する場合とでは欠陥として検出する領域に差が発生してしまう。
【0023】
この点に対処したフローを図10に示す。撮像画像に存在するピースの平均輝度を基準として、欠陥が存在するピースの平均輝度との差を加味してしきい値を可変させるとともに全ピースの平均輝度を基準として変動させることで、平均的なしきい値を設定するのである。すなわち、「全体平均輝度−欠陥存在ピース平均輝度」の値でしきい値を変化させるのである。なお、各ピースの境界の判断は、撮像画像の端部を検出して、その端部にマッチするようにピース境界を割り付けることで行っている。
【0024】
また、撮像画像中の欠陥領域は、撮像系の状態(カメラ2のピントボケ、カメラ2のレンズの収差等)や検査木材1の状態(含水率による反射光量の差等)により同一しきい値で検出されず、複数のしきい値領域から検出されるために、図11に示すように複数の欠陥領域A1,A2,A3が重複することになる。
【0025】
このような場合には、検出領域が最大となる領域で欠陥判定を行うことで、欠陥領域の重複を防ぐ。図12はこの重複する欠陥領域の削除(記録除去)を行うために、しきい値Nにおいて欠陥判定して検出した領域の重心座標を中心とした所定の範囲内に重心位置を有する他の欠陥領域があれば、その欠陥領域(狭い面積の欠陥領域)の記録を削除することを行っている。
【0026】
上記所定範囲としては、規格面積値が最大となる欠陥サイズ(通常、最大輝度値をしきい値として検出した領域に適用する規格面積値)に相当する半径で設定することが好ましい。また、この処理は、高輝度のしきい値設定により検出した領域(しきい値が高い設定により検出した領域)から処理を行うことが好ましい。
【0027】
欠陥にも各種のものが存在しており、その中の節欠陥については、規定された所定の面積値を満足しない場合においても欠陥として検出する必要がある。従って、欠陥検出にあたり、節欠陥であるかどうかの検出も必要となるが、節欠陥のある部分について輝度分布を調べると、欠陥領域内の最低輝度(領域重心位置)を中心としてその輝度分布が図13に示す3パターンに分類できることが判明した。この特性から、変曲点が1つ以上の場合、及び同一節欠陥でも変曲点が1つの場合と2つ以上ある場合で欠陥を分類できる。なお、通常の欠陥は図13(a)に示す輝度分布と同様であり、節欠陥の場合、図13(b)や図13(c)に示すような輝度分布も存在することから、このような分類でも節欠陥を判定することができる。
【0028】
この点に基づき、図14に示すように、欠陥領域の重心位置を試算し、得た重心位置を中心として領域の外接矩形の2倍のサイズのエリアの輝度分布を重心位置を通る4方向(重心位置から見て8方向)で計測し、さらに輝度分布に変曲点があるかどうかを計測する。そして、上記の4方向のうちの2方向で且つ変曲点が2つ以上あれば生節欠陥として記録するとともに、2方向で変曲点が1つ以上であれば、しきい値に対応した欠陥領域として記録するという面積に依存しない欠陥検出を行う。
【0029】
また、節欠陥のように周辺輝度までの輝度変化が、図15(a)に示すように、最低輝度レベルから急峻に周辺輝度に到達する輝度分布を持つ欠陥と、図15(b)に示すように、なだらかに輝度変化しながら周辺輝度パターンに到達する輝度分布を持つ欠陥の2種類が存在する。ちなみに、図15(a)に示すものでは、最低輝度レベルから周辺良品部への輝度変化が10画素程度であり、図15(b)に示す例では20画素程度である。
【0030】
これらの欠陥では、しきい値の輝度値の設定によっては欠陥の規格面積値を満足せず、欠陥と判定されない場合でもこの輝度分布の特性から欠陥として判定することで、安定した欠陥検出を行うことができる。
【0031】
この点に対処したフローを図16に示す。まず、面積での欠陥判定を行い、この面積値を満足しない場合に、輝度分布を用いて判定する。輝度分布は欠陥候補の重心位置を中心して、その中心から両側(両方向)に欠陥の外接矩形の2倍のサイズを計測する。また、この輝度分布は重心位置を通る4方向で45度毎に計測して、この内の2方向以上において輝度変化が所定の傾き以上である場合に欠陥と判定する。
【0032】
このほか、合板表面に複数の単板(ピース)を貼り合わせたものでは、他のピースとの差が大きいピースがあるものは欠陥として扱うのが好ましい。この点に関しては、これまでカラー画像でこれらピースの色差(色分布差)を計測し評価していたが、ここでは輝度コントラストが最大となる波長域の光を照射していることから、この輝度を利用してカラー画像と同様の検出を行っている。
【0033】
具体的には図17に示すように、ピース毎に領域分割を行って、ピース毎の平均輝度を求め、あるピースとこれに隣接するピースとの輝度差が所定以上である時、そのピースは欠陥を有するものと判定する。たとえば470nmの波長の光に対してピースP1の平均輝度が68、ピースP2の平均輝度が55,ピースP3の平均輝度が70、ピースP4の平均輝度が65であり、ピースP2にピースP1,P3,P4が隣接している時、ピース2の平均輝度は周辺ピース(ピースP1,P3,P4)に対して所定以上の輝度差を有するために、色不良欠陥として検出する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態の一例の概略ブロック図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】反射率及び反射比率と波長との関係の説明図である。
【図4】検査木材表面の凹凸を示すもので、(a)は平面図、(b)はX−X線断面図である。
【図5】照射方向と輝度との関係の説明図である。
【図6】同上のフローチャートである。
【図7】他例のフローチャートである。
【図8】輝度分布の一例の説明図である。
【図9】検査木材表面の一例の平面図である。
【図10】更に他例のフローチャートである。
【図11】複数のしきい値による2値化画像の一例の説明図である。
【図12】別の例のフローチャートである。
【図13】(a)(b)(c)は夫々節欠陥の場合の輝度分布の説明図である。
【図14】更に別の例のフローチャートである。
【図15】(a)(b)は夫々節欠陥の場合の輝度分布の説明図である。
【図16】他の例のフローチャートである。
【図17】別の例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 検査木材
2 カメラ
3 光源
4 処理手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材欠陥検出装置、殊に合板に張り合わせる薄厚でシート状の単板表面、あるいは単板を張り合わせた合板表面の欠陥を検出する木材欠陥検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材表面の欠陥検出にあたり、色分布を基に欠陥を検出するものが特開2007−147442号公報に示されている。この場合、色も加味して欠陥を検出するために、欠陥検出を正確に行うことができるものの、モノクロ画像を利用するものに比して、システムが高額となる。また、ここでは欠陥判定に複雑な関数を利用していることと、事前に収集した欠陥パターンを用いて欠陥を判定しているために、検査処理(判定処理)が高速でなく、事前に欠陥パターンの把握が必要であるという問題がある。
【0003】
一方、モノクロ画像で欠陥を検出することができるようにしたものとしては、特開平8−145914号公報に示されたものがある。これは一次元テレビカメラを用いることもあって、安価であるものの、欠陥部と良品部の輝度差が十分獲得できず、安定して検出できないことがあるという問題を有しているほか、欠陥状態によって撮像画像中の見え方が異なるために、欠陥検出を確実に行えない場合がある。これは表面状態、含水率等の検査対象に依存する要因及び欠陥部の輝度レベルに依存する要因が考えられる。
【特許文献1】特開2007−147442号公報
【特許文献2】特開平8−145914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、安価である上に安定した欠陥検出を行うことができる木材欠陥検出装置を提供することを課題とするものであり、更には単純な処理で欠陥を高速に検出することができる木材欠陥検出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る木材欠陥検出装置は、所定速度で移送される検査木材の表面を照明する照明手段と、照明手段で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段とからなり、上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものであり、上記処理手段は撮像された画像における各画素の輝度情報を基に欠陥部を抽出するものであることに特徴を有している。上記波長の光を用いることで、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得ることができるものであり、このために欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【0006】
この時、上記照明手段としては、検査木材の繊維方向に対して略平行方向な光を検査木材の検査面に対して40〜75°の角度で照明するものが好ましい。木材の特性を活用した撮像部と処理部の単純な構成で欠陥検出ができるものであり、また事前に欠陥パターンを収集することなく、様々な欠陥を検出することができる。
【0007】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以上である領域を欠陥領域として抽出するものであるために、欠陥を含むものを確実に抽出することができる。
【0008】
そして上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以下である領域を欠陥候補領域として抽出し、該欠陥候補領域を中心とした所定領域において、周辺輝度が高い場合はしきい値レベルを上昇させ、周辺輝度が低い場合はしきい値レベルを低下させる処理を行って上記領域の面積値を再計測し、該面積値にて欠陥判定を行うものであると、しきい値を周辺輝度に応じて調整することになるために、欠陥部と良品部の輝度差が十分にないものにおいても、確実に欠陥を検出することができる。
【0009】
また、上記処理手段は、欠陥領域の最低輝度画素の存在する所定領域における平均輝度と全撮像画像の平均輝度に基づいて2値化のためのしきい値を設定し、該しきい値を基に欠陥領域を抽出するものであると、周辺領域(良品部領域)の輝度を反映させて正確に欠陥部領域を抽出することができる。
【0010】
上記処理手段は、複数のしきい値を用いて欠陥領域を求めるとともに、各しきい値において夫々欠陥があると判定された欠陥領域のうち、重複する箇所にある欠陥領域を求め、更に重複する欠陥領域のうちの最大の欠陥領域を残して他の欠陥領域を削除するものであると、検査木材表面状態や撮像状態により欠陥部輝度が安定しない場合でも、安定して欠陥領域を抽出することができる。
【0011】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、欠陥領域内の最低輝度画素を中心とした少なくとも4方向の輝度分布がいずれかの方向においても少なくとも1個以上の変曲点を有するものを欠陥と判定するものであると、本来は欠陥であるものの、面積では欠陥と判定されない節欠陥についても、欠陥と判定することができる。
【0012】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、所定の輝度値以下の領域における最低輝度画素を中心とした輝度分布の最低輝度から所定の輝度値を超えるまでの勾配の角度に応じて欠陥と判定するものであると、最低輝度が同レベルである欠陥領域でも欠陥種を安定して分類することができる。
【0013】
さらに上記処理手段は、検査木材表面の所定領域間の平均輝度差に基づいて表面色むら欠陥を判定するものであると、従来はカラー画像を用いて色分布から判定していた色むら欠陥も検出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、照明手段として検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものを用いるために、正常部(良品部)と欠陥部とで高いコントラストを得ることができるものであり、このために輝度を基に行う欠陥部の判定を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明すると、図示例は、合板の表面に貼られる厚みが薄いシート状の単板の表面に現れる各種欠陥を検出するためのもので、図1及び図2に示すように、コンベア4によって搬送される検査木材1の上方に少なくとも1台のカメラ2を配置するとともに、カメラ2による撮像範囲となる部分を照明する光源3を配置してある。撮像手段である上記カメラ2としてはラインセンサ型のものを用いており、また照明手段である上記光源3には発光ダイオードを用いて、斜光照明を検査木材1に対して与える。
【0016】
ここで、光源3には420nm〜530nmの波長の光を出力するものを用いている。図3は検査木材1の正常部分の反射率イと、欠陥部分(カナスジ欠陥)の反射率ロとを波長を変えて測定した結果を示しており、この両反射率イ、ロの比率ハは、420〜530nmの範囲において小さく、従って正常部(良品部)と欠陥部とのコントラストが大きくなるために、上記波長の光を用いたものであり、図からも明らかなように、430nm〜480nmの波長であれば、コントラストが最大となるために、更に良好な欠陥検出を行うことができる。
【0017】
また、上記光源3による照明は、検査木材1の繊維方向Sに略平行で且つ40〜75°、図示例では60°上方より照射している。繊維方向Sには木材の水分を供給する導管等が一般に存在するために、図4に示すように繊維方向Sと直交する方向に凹凸が現れる。また、木目・欠陥等が存在する場合には、凹凸形状が他凹凸と異なることがある。これは形状が大きい、凹凸部の色が他凹凸と異なる等の特徴を有することであり、繊維方向Sに対して平行な光を斜め上方から照射することで、木目・欠陥等の凹凸を他の凹凸よりも強調することができる。さらに、木材内部に浸透した光が凹凸の影響を受けにくく、表面に光が返りやすくなる(拡散しやすくなる)。逆に、繊維方向Sと直交する方向から照射した場合には、木目・欠陥等の識別が困難になる。なお、繊維方向S以外の方向に走る凹凸も存在することがあるが、その量は微小で問題になるレベルでない。
【0018】
また、図5は光源3による照明の角度を変化させて、3種の木材(カバ(M1)、ナラ(M2)、ブナ(M3))に光を当てた際の平均輝度を測定したものであるが、図から明らかなように、角度は40°〜75°、殊に60°前後とした時に高い反射輝度を得ることができるために、欠陥検出のための反射光を多く得ることができる。
【0019】
カメラ2の出力画像は図1,図2に示す処理手段4において次のような処理がなされて欠陥検出が行われる。すなわち、画像処理用コンピュータからなる上記処理手段4は、検査木材1の搬送に同期させてラインセンサ型カメラ2の出力を取り込むことで得られた2次元撮像画像の各画素に対し、図6に示すように、しきい値を段階的に変化させてしきい値毎に2値化処理を行って画素のグループ化を行い、撮像画像から領域を抽出する。そして、この処理でグループ化した領域の面積を、検出しきい値毎に予め設定した規格面積と比較して、規格面積以上であれば、その領域を欠陥領域と判定するという処理を行う。
【0020】
ところで、撮像画像の状態によりエッジ部がだらける状態(エッジ部から立上る画素数が多数となる状態)となり、画像から正確に面積が検出できないことがある。このエッジの「だらけ」を削除するために、しきい値を再設定して2値化処理を行うのが好ましい。図7はこの場合のフローを示しており、該フローは図6に示したフロー中の「しきい値毎に検出画素をまとめて領域化する」というステップまでをFとする時、このFに続けて実行する。
【0021】
図6に示した場合と同様に、まず検出しきい値毎に予め設定した面積と比較して、該面積以上であれば、その領域を欠陥候補領域と判定し、次いで一度計測した欠陥候補領域を再度2値化しきい値を変更して2値化処理を行って、上記の予め設定した面積以下であった欠陥候補領域を再度チェックする。しきい値を変更する場合の値Aとしては固定値を与える。例えば、最初の検出しきい値が30であり、欠陥部最低輝度と良品部平均輝度の輝度差が110である時、輝度差の1/2となる55をAの値として用いて欠陥検出しきい値に加算した値85をしきい値として設定する。周辺輝度に応じてしきい値を調整するのである。そして、領域面積を再計測して判定を行う。この処理を行うことで、図8に示すように、検出した欠陥のサイズS1よりも広くて目視確認することができる欠陥のサイズS0にほぼ一致する欠陥領域を検出することができる。周辺輝度との分離を確実に行うことができ、欠陥部を正確に抽出することができるものとなる。
【0022】
ところで、検査木材1が図9に示すように、合板上に複数枚の単板(ピース)を貼り合わせたものである場合、欠陥9の存在するピースP1と欠陥9が存在しないピースP2とで平均輝度が異なる時、しきい値設定時にいずれかのピースに存在する欠陥の輝度レベルでしきい値を設定すると、同欠陥をピースP1で検出する場合とピースP2で検出する場合とでは欠陥として検出する領域に差が発生してしまう。
【0023】
この点に対処したフローを図10に示す。撮像画像に存在するピースの平均輝度を基準として、欠陥が存在するピースの平均輝度との差を加味してしきい値を可変させるとともに全ピースの平均輝度を基準として変動させることで、平均的なしきい値を設定するのである。すなわち、「全体平均輝度−欠陥存在ピース平均輝度」の値でしきい値を変化させるのである。なお、各ピースの境界の判断は、撮像画像の端部を検出して、その端部にマッチするようにピース境界を割り付けることで行っている。
【0024】
また、撮像画像中の欠陥領域は、撮像系の状態(カメラ2のピントボケ、カメラ2のレンズの収差等)や検査木材1の状態(含水率による反射光量の差等)により同一しきい値で検出されず、複数のしきい値領域から検出されるために、図11に示すように複数の欠陥領域A1,A2,A3が重複することになる。
【0025】
このような場合には、検出領域が最大となる領域で欠陥判定を行うことで、欠陥領域の重複を防ぐ。図12はこの重複する欠陥領域の削除(記録除去)を行うために、しきい値Nにおいて欠陥判定して検出した領域の重心座標を中心とした所定の範囲内に重心位置を有する他の欠陥領域があれば、その欠陥領域(狭い面積の欠陥領域)の記録を削除することを行っている。
【0026】
上記所定範囲としては、規格面積値が最大となる欠陥サイズ(通常、最大輝度値をしきい値として検出した領域に適用する規格面積値)に相当する半径で設定することが好ましい。また、この処理は、高輝度のしきい値設定により検出した領域(しきい値が高い設定により検出した領域)から処理を行うことが好ましい。
【0027】
欠陥にも各種のものが存在しており、その中の節欠陥については、規定された所定の面積値を満足しない場合においても欠陥として検出する必要がある。従って、欠陥検出にあたり、節欠陥であるかどうかの検出も必要となるが、節欠陥のある部分について輝度分布を調べると、欠陥領域内の最低輝度(領域重心位置)を中心としてその輝度分布が図13に示す3パターンに分類できることが判明した。この特性から、変曲点が1つ以上の場合、及び同一節欠陥でも変曲点が1つの場合と2つ以上ある場合で欠陥を分類できる。なお、通常の欠陥は図13(a)に示す輝度分布と同様であり、節欠陥の場合、図13(b)や図13(c)に示すような輝度分布も存在することから、このような分類でも節欠陥を判定することができる。
【0028】
この点に基づき、図14に示すように、欠陥領域の重心位置を試算し、得た重心位置を中心として領域の外接矩形の2倍のサイズのエリアの輝度分布を重心位置を通る4方向(重心位置から見て8方向)で計測し、さらに輝度分布に変曲点があるかどうかを計測する。そして、上記の4方向のうちの2方向で且つ変曲点が2つ以上あれば生節欠陥として記録するとともに、2方向で変曲点が1つ以上であれば、しきい値に対応した欠陥領域として記録するという面積に依存しない欠陥検出を行う。
【0029】
また、節欠陥のように周辺輝度までの輝度変化が、図15(a)に示すように、最低輝度レベルから急峻に周辺輝度に到達する輝度分布を持つ欠陥と、図15(b)に示すように、なだらかに輝度変化しながら周辺輝度パターンに到達する輝度分布を持つ欠陥の2種類が存在する。ちなみに、図15(a)に示すものでは、最低輝度レベルから周辺良品部への輝度変化が10画素程度であり、図15(b)に示す例では20画素程度である。
【0030】
これらの欠陥では、しきい値の輝度値の設定によっては欠陥の規格面積値を満足せず、欠陥と判定されない場合でもこの輝度分布の特性から欠陥として判定することで、安定した欠陥検出を行うことができる。
【0031】
この点に対処したフローを図16に示す。まず、面積での欠陥判定を行い、この面積値を満足しない場合に、輝度分布を用いて判定する。輝度分布は欠陥候補の重心位置を中心して、その中心から両側(両方向)に欠陥の外接矩形の2倍のサイズを計測する。また、この輝度分布は重心位置を通る4方向で45度毎に計測して、この内の2方向以上において輝度変化が所定の傾き以上である場合に欠陥と判定する。
【0032】
このほか、合板表面に複数の単板(ピース)を貼り合わせたものでは、他のピースとの差が大きいピースがあるものは欠陥として扱うのが好ましい。この点に関しては、これまでカラー画像でこれらピースの色差(色分布差)を計測し評価していたが、ここでは輝度コントラストが最大となる波長域の光を照射していることから、この輝度を利用してカラー画像と同様の検出を行っている。
【0033】
具体的には図17に示すように、ピース毎に領域分割を行って、ピース毎の平均輝度を求め、あるピースとこれに隣接するピースとの輝度差が所定以上である時、そのピースは欠陥を有するものと判定する。たとえば470nmの波長の光に対してピースP1の平均輝度が68、ピースP2の平均輝度が55,ピースP3の平均輝度が70、ピースP4の平均輝度が65であり、ピースP2にピースP1,P3,P4が隣接している時、ピース2の平均輝度は周辺ピース(ピースP1,P3,P4)に対して所定以上の輝度差を有するために、色不良欠陥として検出する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態の一例の概略ブロック図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】反射率及び反射比率と波長との関係の説明図である。
【図4】検査木材表面の凹凸を示すもので、(a)は平面図、(b)はX−X線断面図である。
【図5】照射方向と輝度との関係の説明図である。
【図6】同上のフローチャートである。
【図7】他例のフローチャートである。
【図8】輝度分布の一例の説明図である。
【図9】検査木材表面の一例の平面図である。
【図10】更に他例のフローチャートである。
【図11】複数のしきい値による2値化画像の一例の説明図である。
【図12】別の例のフローチャートである。
【図13】(a)(b)(c)は夫々節欠陥の場合の輝度分布の説明図である。
【図14】更に別の例のフローチャートである。
【図15】(a)(b)は夫々節欠陥の場合の輝度分布の説明図である。
【図16】他の例のフローチャートである。
【図17】別の例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 検査木材
2 カメラ
3 光源
4 処理手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定速度で移送される検査木材の表面を照明する照明手段と、照明手段で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段とからなり、上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものであり、上記処理手段は撮像された画像における各画素の輝度情報を基に欠陥部を抽出するものであることを特徴とする木材欠陥検出装置。
【請求項2】
上記照明手段は、検査木材の繊維方向に対して略平行方向な光を検査木材の検査面に対して40〜75°の角度で照明するものであることを特徴とする請求項1記載の木材欠陥検出装置。
【請求項3】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以上である領域を欠陥領域として抽出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の木材欠陥検出装置。
【請求項4】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以下である領域を欠陥候補領域として抽出し、該欠陥候補領域を中心とした所定領域において、周辺輝度が高い場合はしきい値レベルを上昇させ、周辺輝度が低い場合はしきい値レベルを低下させる処理を行って上記領域の面積値を再計測し、該面積値にて欠陥判定を行うものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項5】
上記処理手段は、欠陥領域の最低輝度画素の存在する所定領域における平均輝度と全撮像画像の平均輝度に基づいて2値化のためのしきい値を設定し、該しきい値を基に欠陥領域を抽出するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項6】
上記処理手段は、複数のしきい値を用いて欠陥領域を求めるとともに、各しきい値において夫々欠陥があると判定された欠陥領域のうち、重複する箇所にある欠陥領域を求め、更に重複する欠陥領域のうちの最大の欠陥領域を残して他の欠陥領域を削除するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項7】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、欠陥領域内の最低輝度画素を中心とした少なくとも4方向の輝度分布がいずれかの方向においても少なくとも1個以上の変曲点を有するものを欠陥と判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項8】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、所定の輝度値以下の領域における最低輝度画素を中心とした輝度分布の最低輝度から所定の輝度値を超えるまでの勾配の角度に応じて欠陥と判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項9】
上記処理手段は、検査木材表面の所定領域間の平均輝度差に基づいて表面色むら欠陥を判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項1】
所定速度で移送される検査木材の表面を照明する照明手段と、照明手段で照明された検査木材の表面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された画像に基づいて検査木材表面の欠陥を検出する処理手段とからなり、上記照明手段は検査木材の検査面に420nm〜530nmの波長域の光を照射するものであり、上記処理手段は撮像された画像における各画素の輝度情報を基に欠陥部を抽出するものであることを特徴とする木材欠陥検出装置。
【請求項2】
上記照明手段は、検査木材の繊維方向に対して略平行方向な光を検査木材の検査面に対して40〜75°の角度で照明するものであることを特徴とする請求項1記載の木材欠陥検出装置。
【請求項3】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以上である領域を欠陥領域として抽出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の木材欠陥検出装置。
【請求項4】
上記処理手段は、所定のしきい値以下の輝度であり且つその輝度値を有する領域の面積が所定値以下である領域を欠陥候補領域として抽出し、該欠陥候補領域を中心とした所定領域において、周辺輝度が高い場合はしきい値レベルを上昇させ、周辺輝度が低い場合はしきい値レベルを低下させる処理を行って上記領域の面積値を再計測し、該面積値にて欠陥判定を行うものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項5】
上記処理手段は、欠陥領域の最低輝度画素の存在する所定領域における平均輝度と全撮像画像の平均輝度に基づいて2値化のためのしきい値を設定し、該しきい値を基に欠陥領域を抽出するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項6】
上記処理手段は、複数のしきい値を用いて欠陥領域を求めるとともに、各しきい値において夫々欠陥があると判定された欠陥領域のうち、重複する箇所にある欠陥領域を求め、更に重複する欠陥領域のうちの最大の欠陥領域を残して他の欠陥領域を削除するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項7】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、欠陥領域内の最低輝度画素を中心とした少なくとも4方向の輝度分布がいずれかの方向においても少なくとも1個以上の変曲点を有するものを欠陥と判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項8】
上記処理手段は、所定の輝度値以下の輝度値を有する欠陥領域の面積値が欠陥と判定する所定値より小さい時、所定の輝度値以下の領域における最低輝度画素を中心とした輝度分布の最低輝度から所定の輝度値を超えるまでの勾配の角度に応じて欠陥と判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【請求項9】
上記処理手段は、検査木材表面の所定領域間の平均輝度差に基づいて表面色むら欠陥を判定するものであることを特徴とする請求項3記載の木材欠陥検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2009−293999(P2009−293999A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146157(P2008−146157)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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