説明

未使用リソースのシグナリング

無線ネットワーク上のユーザー装置は、受信器、ノイズ検出器及びノイズ判定器を含む。受信器は、時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信しているユーザー装置に割り当てるように指示する基地局から下りリンクデータ通信を受信する。ノイズ検出器は、ユーザー装置の1つに割り当てられない、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックでノイズを測定する。ノイズ判定器は、ユーザー装置の1つに割り当てられないリソースブロックにおけるノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許)
本出願は、2009年3月30日出願の米国実用特許出願第12/414,046号及び2008年4月24日出願の米国仮特許出願第61/047,555号及び2008年9月15日出願の米国仮特許出願第61/097,015号に対する優先権を請求し、同出願の全体を参考文献としてここに援用する。
【0002】
本発明は、概略的には、無線通信に、厳密には、セルラーネットワークにおけるチャンネル品質評価に関する。
【背景技術】
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、現在、正式にはE−UTRA(次世代UMTS地上波無線アクセス)と呼ばれる無線インタフェースを使用する、新たな次世代LTE(ロングタームエボリューション)先進セルラー方式通信規格のための様々な通信プロトコルを規定している。
【0004】
LTE規格は、eNode−B基地局と、有効スペクトルがそれぞれ異なる周波数で多数の比較的に狭帯域幅の搬送波に分割される複数のユーザー設備機器(UE)との間で、OFDM伝送を使用する。これから参照する図1A及び図1Bでは、送信時間間隔の実例を示している。多重搬送波はY軸に示され、時間はX軸に示される。図1A及び図1Bでは、TTI(伝送時間間隔)の中の3つの搬送波が、3つのユーザー設備機器UE、UE及びUE毎に1つ割り当てられている。E−UTRA専門用語では、各搬送波は、物理的リソースブロック又はPRB20として表される。グリッドから分かるように、各PRB20は、メッセージの一部が送信される時間−周波数ビン22に分けられる。
【0005】
図1Aは、第1のTTI、TTIの実例を図示し、図1Bは、第2のTTI、TTIの実例を図示している。各時間間隔TTIの間、基地局は、PRB20をUE及び制御チャネルに割り当てる。PRB20の割り当ては、TTIからTTIまで変化し得る。而して、図1A及び図1Bでは、3つのUEが異なるPRB20に割り当てられている。図1A及び図1Bでは、15のPRB20が示されている。15のPRBは、20Aから20Oと名付けられ、PRB20D、20G及び20Kは、UE、UE及びUEにそれぞれ割り当てられている。図1Bでは、割り当てられたPRB20だけを名付けている。而して、PRB20Bは、UEに割り当てられ、PRB20Jは、UEに割り当てられ、PRB20Oは、UEに割り当てられている。
【0006】
基地局からの下りリンク制御チャネル(制御)も、TTI毎に伝送される。しかしながら、図1A及び図1Bから分かるように、伝送時間間隔の第1のカラム(又は最初の数カラム)は、制御チャネルに割り当てられる。この割り当ては、全ての周波数の中で1つの伝送に相当する。制御チャネルは、PRB割り当てを現在のTTIのUEまで搬送する。このチャネルは、更に共通メッセージを基地局からUEまで送り得る。
【0007】
図1Cは、制御構造の実例を図示している。この伝送では、UE毎のポインタは、現在のTTIにおいてUEに割り当てられたPRBを指している。図1Cでは、ポインタは、UEからUEまで順々に記載されている。しかしながら、このようである必要はない。各ポインタは、各UEのID番号で符号化されるので、各UEは、制御割り当てを読み取った後、各ポインタをID番号で復号化しさえすればよい。成功裏に復号化する全てのポインタは、そのようなUE用のポインタである。
【0008】
高データスループットを支援するために、ネットワークが、多重搬送波を通じて有効なスケジューリング及びデータ伝送を行うことは重要である。eNode−B基地局からUEまでのデータ伝送は、例えば、チャネル品質の機能として異なる変調及び符号化スキーム(MCS)を利用する場合がある。他の伝送パラメータもチャネル品質の影響を受ける場合がある。
【0009】
チャネル品質の評価は、標準的には、シグナル及び所与の瞬間における干渉又はノイズの個別の電力測定を含む。UEは、それらの測定値を標準的にはチャネル品質指標(CQI)シグナルの形態で基地局に伝送し、基地局は、チャネル品質を踏まえて、スループットを最大化させるべく命令を伝送し得る。例えば、より最適なMCS、アンテナ配列などを使用してもよい。しかしながら、LTEネットワークのような幾つかのOFDMネットワークでは、何らかの特定のUEから被る干渉は、時間/周波数ビンによって異なる場合があり、ネットワークトラヒック荷重、隣接セルからのシグナルなど、他から影響を受ける場合がある。この様な影響の全てが、干渉測定及び関連するCQI報告に影響を与える可能性がある。
【0010】
干渉を評価する1つの従来式の手法は、基地局がチャネル評価で使用するために既知の記号によって定義される基準シグナルを伝送する間の特定のRS(基準シグナル)ビンにおけるノイズの測定に基づくものである。当該手法は、RSビンにおける干渉は、関連するデータビンにおける干渉とは系統的に異なる可能性があるという不利点を有する。
【0011】
別の従来式の手法によれば、図1A及び図1Bではハッシングで示される複数の僅かな「穴」は、TTIの時間−周波数空間全体に固定ロケーションで分散される。RS記号を伝送せずに、基地局は、これらの特定の穴には何も伝送しない。穴は、シグナル伝送に割り当てられないので、UEは、ノイズに相当するこれらの穴における干渉を容易に評価することができる。この従来式の手法は、しかしながら、データの伝送に割り当てられる時間/周波数ビンの有効伝送容量を減らす。図1A及び図1Bでは、穴はPRB20A、20D、20G、20J及び20Mにあることがわかる。図1Aでは、これは、UE及びUEの有効伝送容量を減らしている。図1Bでは、穴は、UEに影響を与えており、その伝送容量を減らしている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
この様な次第で、本開示の或る実施形態によると、無線ネットワークにおいてユーザー装置によって使用される通信の方法が提供される。当該方法は、時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信しているユーザー装置に割り当てるように指示する基地局から下りリンク通信を受信する工程と、ユーザー装置の1つに割り当てられない、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックでノイズを測定する工程と、ユーザー装置の1つに割り当てられないリソースブロックにおけるノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定する工程と、を含んでいる。
【0013】
更に、或る実施形態によると、測定工程は、伝送のためにユーザー装置の1つに割り当てられないというシグナルを送信される、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックで行われる。
【0014】
その上更に、或る実施形態によると、測定工程は、他のユーザー装置が利用できるというシグナルを送信される、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックで行われる。
【0015】
その上、或る実施形態によると、判定工程は、複数の期間から得られたノイズの量を平均化する工程を含む。
【0016】
更に、或る実施形態によると、受信工程は、仮想ユーザー装置に指定される割り当てを受信する工程を含む。
【0017】
更に、或る実施形態によると、受信工程は、割り当てチャネルのユーザー探索空間又は共通探索空間の何れかにおける仮想ユーザー装置への割り当てを探索する工程を含む。
【0018】
更に、或る実施形態によると、ノイズは異なる時間/周波数リソースの中で測定される。
【0019】
本開示の或る実施形態によると、無線ネットワーク上のユーザー装置が更に提供される。ユーザー装置は、受信器、ノイズ検出器及びノイズ判定器を含む。受信器は、時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信しているユーザー装置に割り当てるように指示する基地局からの下りリンクデータ通信を受信する。ノイズ検出器は、ユーザー装置の1つに割り当てられない、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックでノイズを測定する。ノイズ判定器は、ユーザー装置の1つに割り当てられないリソースブロックにおけるノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定する。
【0020】
更に、或る実施形態によると、ノイズ検出器は、伝送のためにユーザー装置の1つに割り当てられないというシグナルを送信される少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックでノイズを測定するユニットを含む。
【0021】
更にその上、或る実施形態によると、ノイズ検出器は、他のユーザー装置が利用できるというシグナルを送信される少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックでノイズを測定するユニットを含む。
【0022】
その上、或る実施形態によると、ノイズ判定器は、複数の期間から得られるノイズの量を平均化するノイズ平均化器を含む。
【0023】
更に、或る実施形態によると、受信器は、仮想ユーザー装置に指定される割り当てを受信する仮想ユーザー受信器を含む。
【0024】
更に、或る実施形態によると、受信器は、割り当てチャネルのユーザー探索空間又は共通探索空間で仮想ユーザー装置への割り当てを探索する探索器を含む。
【0025】
更に、或る実施形態によると、ノイズは、異なる時間/周波数リソースの中で測定される。
【0026】
その上、或る実施形態によると、ユーザー装置は、セルラー通信システムの一部を形成する。例えば、セルラー通信システムは、LTEシステムであり得る。
【0027】
本開示の或る実施形態によると、基地局による通信の方法が更に提供される。当該方法は、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信している現在アクティブなユーザー装置に割り当てる工程と、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックの少なくとも1つはノイズ測定に利用することができるというシグナルを送信する工程と、を含む。
【0028】
更に、或る実施形態によると、当該方法は、現在アクティブなユーザー装置による使用に利用できる時間/周波数リソースブロックを仮想ユーザー装置に指定する工程を含む。
【0029】
更にその上、或る実施形態によると、指定工程は、時間/周波数リソースブロックを現在アクティブなユーザー装置に割り当てるのと同様の方法でリソースを仮想ユーザー装置に割り当てる工程を含む。
【0030】
その上、或る実施形態によると、当該方法は、或る期間と期間の間にリソース及び仮想ユーザー装置を現在必要としているユーザー装置の中で時間/周波数リソースブロックの割り当てを変更する工程を含む。
【0031】
更に、或る実施形態によると、シグナルを送信する工程は、ユーザー探索空間又は割り当てチャネルの共通の探索空間の何れかにおける仮想ユーザー装置への割り当てをシグナリングする工程を含む。
【0032】
その上更に、或る実施形態によると、当該方法は、どのようなユーザー装置による使用にも利用することができるというシグナルが送信される時間/周波数リソースにシグナルを、或る期間に亘って伝送しない工程を更に含む。
【0033】
更に、或る実施形態によると、当該方法は、どのようなユーザー装置による使用にも利用することができるというシグナルが送信される時間/周波数リソースの周波数を、或る期間と期間の間に回転させる工程を更に含む。当該回転は、ランダムな回転でもあり得る及び/又は当該回転は、時間−周波数空間の全体に亘ってサンプリングロケーションの分散を提供するようなものでもあり得る。
【0034】
更に、或る実施形態によると、基地局は、セルラー通信システムの一部を形成する。例えば、セルラー通信システムは、LTEシステムであり得る及び/又はセルラー通信システムは、OFDMA無線通信を行うことができる。
【0035】
本開示の或る実施形態によると、ユーザー割り当て器及び信号器を含む基地局をその上更に提供する。ユーザー割り当て器は、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信している現在アクティブなユーザー装置に割り当てる。信号器は、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックの少なくとも1つが、ノイズ測定に利用できるというシグナルを送信する。
【0036】
最後に、本開示の或る実施形態によると、通信システムの方法が提供される。当該方法は、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックを、少なくとも、基地局と通信している現在アクティブなユーザー装置に割り当てる工程と、複数の時間/周波数ビンを備える時間/周波数リソースブロックの少なくとも1つがノイズ測定に利用できるというシグナルを送信する工程と、ユーザー装置が、利用できるというシグナルを送信される時間/周波数リソースブロックのノイズを測定する工程と、ユーザー装置が、利用できるリソースブロックのノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定する工程と、を含む。
【0037】
動作の組織化及び方法の両方に関する本開示の実施形態は、添付の図面と併せると、以下の詳細説明を参照することにより最良に理解頂けるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】2つの伝送時間間隔(TTI)における時間−周波数空間の先行技術の割り当ての2つの実例を示す説明図である。
【図1B】2つの伝送時間間隔(TTI)における時間−周波数空間の先行技術の割り当ての2つの実例を示す説明図である。
【図1C】下りリンク制御チャネル割り当ての先行技術の実例を示す説明図である。
【図2A】或る実施形態によって構成され且つ作動する、下りリンク制御チャネル割り当てを示す説明図である。
【図2B】或る実施形態によって構成され且つ作動する、2つのTTISのリソースの3つの代替的な割り当てを示す説明図である。
【図2C】或る実施形態によって構成され且つ作動する、2つのTTISのリソースの3つの代替的な割り当てを示す説明図である。
【図2D】或る実施形態によって構成され且つ作動する、2つのTTISのリソースの3つの代替的な割り当てを示す説明図である。
【図3】或る実施形態によって構成され且つ作動する、図2A、図2B、図2C及び図2Dのリソースの割り当て方法を説明する流れ図である。
【図4】チャネル品質を測定するために、図2A、図2B、図2C及び図2Dの割り当てを利用する方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
表示を簡潔且つ明瞭にするため、図中に示す要素は、必ずしも縮尺を合わせて描いてはいない。例えば、幾つかの要素の寸法は、明瞭にするために他の要素に対して強調されている。更に、適切と考えられる場合、参照数字は、対応する又は類似の要素を表すために各図を通して繰り返して使用されている。
【0040】
これより図2Aを参照すると、一実施形態によって構成され且つ作動する、下りリンク制御チャネル構造を図示している。図1Aのように、様々なUEが割り当てを受信している。しかしながら、この実施形態によると、更なる、「空白」と表示される仮想UEも割り当てを受信する。空白の仮想UEは、任意の領域20又は1つ又はそれ以上のビン22のような、基地局が別の方法で現在のアクティブなUEに割り当てなかった領域の一部に割り当てられてもよい。
【0041】
次に図2B、2C及び2Dを参照すると、或る実施形態によって構成され且つ作動する、3つの伝送時間間隔(TTI)、TTIt1、TTIt2及びTTIt3をそれぞれ図示している。物理的リソースブロック(PRB)20のアクティブなユーザー装置UE、UE及びUEへの割り当てが示される。分かるように、これらの割り当ては変化する。図2Bでは、時間間隔TTIt1で、UEはPRB20Bを受信し、UEはPRB20Nを受信し、UEはPRB20Kを受信する。図2Cでは、時間間隔TTIt2で、UEはPRB20Mを受信し、UEはPRB20Cを受信し、UEはPRB20Lを受信する。
【0042】
図2B、図2C及び図2Dでは、空白の仮想UEも、時間−周波数割り当てを受信していた。空白の仮想UEは、基地局が別の方法で現在アクティブなUEに割り当てなかった、任意のPRB20に割り当てられ得る。図2B及び図2Cで分かるように、空白の仮想UEは、TTIt1の間はPRB20Fに、またTTIt2の間はPRB20Oに割り当てられ得る。図2Dでは、空白の仮想UEは、幾つかのPRB即ちPRB20D、PRB20E及びPRB20Oに割り当てられている。
【0043】
次に図3を参照すると、基地局の動作を図示している。それぞれの時間間隔TTIt1、TTIt2及びTTIt3を作り上げるために、基地局は、最初に、TTIの第1のカラム又は最初の数カラムを制御チャネル(ステップ25)に割り当てる(ステップ25)。次に、PRBをアクティブなユーザー装置(この実例では、UE、UE及びUE)に割り当てる(ステップ27)。最後に、ステップ29では、ネットワークが軽負荷の場合、任意の残りの未割当PRB又はその一部から空白の仮想UEに割り当てる。
【0044】
一実施形態によると、基地局は、空白の仮想UE、現在稼働中の全てのUEへの割り当てを含む、時間−周波数リソースの割り当てを伝達する。そのような伝達は、定期的なPRBシグナル(図2Aに示すような)の一部として又は他の適切なシグナリングを通じて提供され得る。而して、或るTTIのための時間−周波数割り当て又は割り当てのグループを指示するシグナルを受信すると、各UEは、(自身のIDを用いた復号化などによって)自身の時間/周波数割り当てを及び(一般IDを用いた復号化などによって)空白仮想UEの時間−周波数割り当てを見つけるために、制御チャネル割り当てを探索することができる。各UEは、その後、割り当てデータPRB20(又は割り当て時間−周波数ビン22)をデータ伝送に利用することができ、伝送のない空白仮想UEPRB20(又は空白時間−周波数ビン22)を干渉及びノイズの測定に利用することができる。
【0045】
空白仮想UEに割り当てられるPRB20は、定期的なスケジューリング及び/又はリソース回転によって動的に変化する特徴がある。従って、それらの時間−周波数領域で測定されたノイズ及び/又は干渉も、動的であり得る。幾つかのTTIの期間に亘って、空白仮想UEは、全て又は大部分のPRB20の割り当てをランダムに受信し得、それによって時間−周波数空間全体に亘ってノイズ評価に好都合に分散されたサンプリングロケーションを提供することが可能であるが、時間−周波数空間全体に亘るノイズ評価のサンプリングロケーションの広範囲な(又は加重された)分散を確実にする目的で、空白UEに割り当てられる時間−周波数領域の回転を特異的に進めるように適切なアルゴリズムを更に提供する特徴がある。
【0046】
同様に、特定のビン22だけを、空白仮想UEに割り当てることが可能である。しかしながら、図1A及び図1Bに示すような時間−周波数ビンの従来式の割り当てとは対照的に、本開示の或る実施形態によると、割り当てビンは、固定した時間−周波数ビンには位置付けられない、即ち、そうではなく時間−周波数可能性領域の全体に亘って回転され得る。その結果、本開示の実施形態は、長期に亘るデータチャネルのサンプリングロケーションの改良された分散、ノイズ評価に必要な時間−周波数リソース数の削減及びデータ伝送に使用可能なビンの増加を提供することができる。
【0047】
次に図4を参照すると、本開示の一実施形態による空白仮想UEに割り当てられる未使用PRBを他の方法で利用するためにUEを作動させる方法を図示している。
【0048】
UEは、データチャネル、ブランク仮想UEへの割り当て及び次のTTIの制御チャネルへのリソース割り当てのために現在のTTIの制御チャネルを探索する(ステップ30)。
【0049】
UEは、次に、PRB20又は空白仮想UEに割り当てられる単数又は複数のビン22のノイズを検出する(ステップ32)ためにノイズ検出器を作動させ、これによって時間−周波数空間の該当部分でノイズを検出することができる。割り当てノイズ測定時間の終わりに、UEは、以前の測定で入手したフレームを用いて現在のTTIから得たノイズ測定値を平均化することができる。仮想空白UEのために時間周波数リソースで行われた平均ノイズ測定値は、CQI(チャネル品質指標)報告を生成する(ステップ36)ために利用することができる。
【0050】
基地局側では、基地局は、基地局によって現在稼働されている全てのUEに伝達されるIDで仮想空白UEを定義し得る。基本スケジューラは、基地局と通信するセルの他のUEに適用されるものと同じ方法論を用いて又は使用可能な時間−周波数空間全体に亘って、空白時間−周波数リソースの長期に亘る、均一な又は加重された或る所望の分布を確実にするように他の方法論を用いて、仮想空白UEに割り当てられる時間−周波数リソースのロケーションを動的に回転することができる。ノイズ測定及び/又は干渉評価に利用し得る仮想空白UEの他の未使用リソースは、セルのUEに周期的に伝送される従来式のPDCCHメッセージを使用してシグナルを送信され得る。随意的に、未使用リソースをシグナリングする専用のメッセージを使用してもよい。先に述べたように、しかしながらそのメッセージのリソース情報が下りリンクデータが伝送されない未使用時間−周波数リソース、PRB20又は単数又は複数のビン22の何れかに対応する、という点を除いて、仮想空白UEへのリソース割り当ては、他のUEへの割り当てと同じであり得る。
【0051】
当該方法は、十分な帯域幅が利用できる時には、1つの仮想空白UE又は複数の空白UEに適用することが可能であり、それによって、ノイズ測定に利用することができる未使用リソースの数量を適応的に判定し得る。
【0052】
基地局は、任意のTTIサブフレームで使用可能な未使用時間−周波数リソースを示すPDCCHメッセージを伝送するか又は伝送しないのかを選択的に選ぶことができるとの特徴がある。この融通性によって、例えば、基地局は、セルが軽負荷である時(追加の制御情報には負担がほとんど又は全く掛からず、更にUEは、ノイズ測定に使用することが可能な空白時間−周波数リソースから大いに収穫の有る場合)には空白UEメッセージを送信し、セルが高負荷である時(追加の制御情報にかかる負担がゼロではなく、測定からUEに対して単に小さい収穫しか生じない場合)にはその様なメッセージを送信しないということが可能になる。
【0053】
上文に記載した当該方法は、異なるセルラー規格の様々な異なる方法で実施することができる。E−UTRAでは、記載した方法をより効率的にし得る幾つかの設計上の考慮事項が存在し得る。
【0054】
E−UTRAでは、UEは、そのIDに対応する独自の探索空間でPDCCHメッセージを探索する。その上、E−UTRAは、全てのUEが全ての又は一部のUEを対象としたメッセージを探索する、PDCCH共通空間と呼ばれる別の探索空間を更に定義する。
【0055】
本開示の実施形態によると、空白UEメッセージは、PDCCH共通空間に位置付けられ、任意の他の共通のPDCCHメッセージとして扱うことができる。その様な場合、空白UEのIDは、E−UTRA仕様に従って、他の共通メッセージと同様の方法で判定されるであろう。UEは、サブフレーム毎に又はできる限り所定の数のサブフレーム毎に共通区域全体に亘って探索するように求められる。仮想空白UEリソースを示すPDCCH共通空間の中のメッセージの固有のロケーションは、所定の固定ロケーションであってもよく、又は融通性を有するロケーションであってもよい。
【0056】
或いは、仮想空白UEに割り当てられた時間−周波数リソースを示すメッセージは、UE固有の区域に設置されてもよい。この実施形態では、基地局は、空白UEのIDを選択し得、そのIDを、例えば共通下りリンク制御チャネルの、全てのUEに伝えることができる。独自のリソース割り当てを探索する時、セルの各UEは、仮想空白UEに割り当てられた任意の時間−周波数リソースを特定するために仮想空白UE探索区域で追加の探索を行い得る。
【0057】
新たなE−UTRA規格によると、PDCCHメッセージは、様々なフォーマットで伝送され得る。それらのフォーマットは、UE基準毎に半静的に設定され得る、又は各UEは、それらを復号化し得る。PDCCHフォーマットは、全PDCCHペイロードサイズの他に、様々なビットフィールドのサイズ及びパッキングオーダを指定し得る。本開示の一実施形態によると、空白仮想UEメッセージは、既に利用可能なペイロードフォーマットの1つを使用し得る。
【0058】
仮想空白UEのためのリソース割り当てメッセージは、PDCCHメッセージングの1つのPRB割り当てビットフィールドだけを利用し、他の共通PDCCHビットフィールドの何れも使用する必要がないことが特徴である。而して、一実施形態によると、仮想空白UEのためのメッセージングは、仮想空白UEに特有であり得、全ての又は幾つかの未使用PRBのマッピングを確実に表現し得る。或いは、現在及び新たな仕様で定義済みのタイプのPRB割り当てフィールドは、基地局で適切にマッピングされる1つのメッセージにまとめることができる。ベーススケジューラは、仮想空白UEをスケジューリングタスクに追加するだけで空白リソースを示す適切なマップを生成し得る。
【0059】
未使用リソースシグナリング用の関連フォーマット一式は、仮想空白UEを特定するシグナルのPDCCHでロケーションに採用される選択肢によって左右され得る。例えば共通PDCCH空間に位置付けられる場合、空白UEメッセージフォーマットサイズは、PDCCH共通メッセージで使用されるフォーマットと一致し得る。或いは、仮想空白UEが他のUEと同じ方法でIDを与えられる場合、フォーマットサイズは、UE独自のメッセージで使用されるフォーマットと一致しなければならない。後者の事例では、E−UTRAネットワークに対応する開示された実施形態では、基地局は、空白UEにはMIMOモードを同報通信し得る。
【0060】
E−UTRA通信に適用可能な本開示の一実施形態によると、下りリンクPDCCHグラントのペイロードビットサイズ(16ビットCRCを除く)は、下記のようになり得、フォーマットは、変調及び符号化を示す輸送フォーマットに関する。これらのフォーマットは、20MHz帯域幅に対応し、同様のフォーマットを他の帯域幅に提供してもよい。
【0061】
フォーマット1C 10ビット
【0062】
フォーマット1A 28ビット
【0063】
フォーマット1 39ビット
【0064】
フォーマット2 55ビット
【0065】
新たなE−UTRA仕様によると、20MHz帯域幅でのPRB割り当てタイプ及びその対応するビットサイズは、以下のようになる特徴がある。
【0066】
タイプ0又は1:25+1(断片化割り当て、タイプ0又は1マッピングを表すために1ビット加える)
【0067】
タイプ2又は分散型:13+1(連続した又は分散した、1大きいビットで表される)
【0068】
タイプ1c 5
【0069】
仮想空白UEメッセージは、上述のように、定義済みフォーマット(1C、1A、1、2)のうちの1つのサイズと等しい全てのペイロードサイズを有することを余儀なくされるので、このメッセージに埋め込まれた割り当てフィールドが、20MHz帯域幅実例では、既に合意済みのタイプ(0/1、2又は1c)、1つのメッセージの中に含まれる多重PRB割り当てフィールドのうちの1つ又はそれ以上であると仮定すれば、以下のようになり得る。
【0070】
フォーマット1C:2xタイプ1c=10ビット
【0071】
フォーマット1A:28ペイロードビットを使用するための2つの選択肢:
【0072】
a)1xタイプ0/1=26ビット(2ビットは未使用)
【0073】
b)2xタイプ2=28ビット
【0074】
フォーマット1:1xタイプ0/1+1xタイプ2連続=26+13=39ビット
【0075】
フォーマット2:2xタイプ0/1=52ビット(3ビットは未使用)
【0076】
セルラーネットワークによる未使用のリソースのシグナリングは、UEによるノイズ測定及び干渉評価以外の目的で使用することができる特徴がある。例えば、未使用リソースのシグナリングは、未使用リソースメッセージを監視し、未使用セルラーネットワークリソースだけを利用するようにその独自の伝送を動的に計画することで、それによってセルラーネットワークとの干渉を引き起こすことを回避できるように、認知無線伝送システム(セルラーネットワークの存在を認識する無線伝送システム)によって利用され得る。
【0077】
本開示の原理は、E−UTRAシステム及びネットワーク以外のセルラーシステム及びネットワークに適用することができる。例えば、開示された方法論は、Wimax(IEEE 16E、16Mなど)ネットワーク、WiFi及び他の適切な無線ネットワークに適用することができる。
【0078】
特に指定のない限り、本明細書の開示から明らかなように、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」又は類似の動作は、専用の計算ハードウェア、又はファームウェア又はソフトウェアを使用する汎用コンピュータ装置で行うことができる動作を指すものである。
【0079】
本発明の実施形態の特定の特徴が一例として本明細書で図解及び説明されているが、多くの修正、置き換え、変形、変更、組み合わせ及び等価物は、当業者には自明であろう。従って、ここに添付される特許請求の範囲で具現化される本発明の範囲は、先行技術では未開示の、前述の説明に基づいて当業者により行われるその様な修正、置き換え、変形、変更、組み合わせ及び等価物の全てを含むものと意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークにおいてユーザー装置によって使用される通信の方法において、
少なくとも基地局と通信しているユーザー装置に時間/周波数リソースブロックを割り当てるように指示する前記基地局から下りリンク通信を受信する受信工程と、
複数の時間/周波数ビンを備え、前記ユーザー装置の1つに割り当てられない時間/周波数リソースブロックにおいてノイズを測定する測定工程と、
前記ユーザー装置の1つに割り当てられない前記リソースブロックにおけるノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定する判定工程と
を備える方法。
【請求項2】
前記測定工程は、伝送のために前記ユーザー装置の1つに割り当てられないというシグナルが送信される、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ノイズの測定工程は、他のユーザー装置が利用できるというシグナルが送信される、少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックにおいて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記判定工程は、複数の期間から得られた前記ノイズの量を平均化する工程を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信工程は、仮想ユーザー装置に指定される割り当てを受信する工程を更に備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記受信工程は、以下の割り当てチャネルの探索空間、即ちユーザー探索空間及び共通探索空間のうちの1つにおける前記仮想ユーザー装置への前記割り当てを探索する工程を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ノイズは異なる時間/周波数リソースの中で測定される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
無線ネットワーク上で通信するユーザー装置において、
少なくとも基地局と通信しているユーザー装置に時間/周波数リソースブロックを割り当てるように指示する前記基地局から下りリンクデータ通信を受信する受信器と、
複数の時間/周波数ビンを備え、前記ユーザー装置の1つに割り当てられない時間/周波数リソースブロックにおいてノイズを測定するノイズ検出器と、
前記ユーザー装置の1つに割り当てられない前記リソースブロックにおけるノイズに基づいて干渉ノイズのレベルを判定するノイズ判定器と、を備えているユーザー装置。
【請求項9】
前記ノイズ検出器は、伝送のために前記ユーザー装置の1つに割り当てられないというシグナルが送信される少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックにおいてノイズを測定するユニットを備えている、請求項8に記載のユーザー装置。
【請求項10】
前記ノイズ検出器は、他のユーザー装置が利用できるというシグナルが送信される少なくとも1つの時間/周波数リソースブロックにおいてノイズを測定するユニットを備えている、請求項8に記載のユーザー装置。
【請求項11】
前記ノイズ判定器は、複数の期間から得られる前記ノイズの量を平均化するノイズ平均化器を備えている、請求項8に記載のユーザー装置。
【請求項12】
前記受信器は、仮想ユーザー装置に指定される割り当てを受信する仮想ユーザー受信器を備えている、請求項8に記載のユーザー装置。
【請求項13】
前記受信器は、以下の割り当てチャネルの探索空間、即ちユーザー探索空間及び共通探索空間のうちの1つにおいて前記仮想ユーザー装置への前記割り当てを探索する探索器を備えている、請求項12に記載のユーザー装置。
【請求項14】
前記ノイズは、異なる時間/周波数リソースの中で測定される、請求項11に記載のユーザー装置。
【請求項15】
前記ユーザー装置は、セルラー通信システムの一部を形成する、請求項8に記載のユーザー装置。
【請求項16】
前記セルラー通信システムは、LTEシステムである、請求項15に記載のユーザー装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−524103(P2011−524103A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505613(P2011−505613)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005375
【国際公開番号】WO2009/130592
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(502188642)マーベル ワールド トレード リミテッド (302)
【Fターム(参考)】