未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法
【課題】本発明は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法と、未分化の哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する化合物を同定する方法とを提供する。加えて、本発明は、ポリヌクレオチド及びベクターを提供し、そして平均骨密度の全身的あるいは部分的な減少に伴って生じる疾患を治療するための薬剤としてのそれらの使用法を提供する。さらに、本発明は、骨組織、骨芽細胞の試験管内での培養方法と、骨密度の全身的あるいは部分的な減少、又はコンディションへの影響に伴って生じる病的状態を診断するための方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法に関する。本発明は更に、分化を誘導するための化合物そのものと共に、分化を誘導する1又は2以上の化合物を同定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨には2種類の細胞、即ち骨形成細胞(例えば骨芽細胞)と骨再吸収細胞(例えば破骨細胞)とがある。これらの骨芽細胞と破骨細胞との間の複雑な相互作用によって破壊されたり、再吸収、再形成される動的組織である。破骨細胞に関して、先駆細胞から機能的な破骨細胞への発達に関連した種々の転写因子と成長因子はよく立証されている。対照的に、骨芽細胞に関しては少数、解明されているのみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
骨芽細胞は、間充織祖先細胞(MPC)の分化で起こる。骨芽細胞のアルカリ性ホスファターゼ活性(BAP)への分化中に、発現上昇が起こる。生体中の骨形成は図1に示すような軟骨内又は膜間骨化のような胚成長中の2つの別個な方法によって起こる。この図1に示されるように、間充織祖先細胞又は幹細胞は、両方の骨組成の形成の出発点を示している。膜形成性骨化では、頭蓋骨又は鎖骨のような平坦な骨は間充織細胞の凝縮によって直接的に形成される。手足の骨のような長い骨の間充織細胞の凝縮は、はじめ、エンドシリアル細胞によって広がる軟骨中間体と、骨芽細胞及び骨細胞に分化する破骨細胞及び間充織細胞とによって導かれる(中島とド・クロンブリュッゲ(de Crombrugghe)の2003年の報告)。
【0004】
多くの疾患は、骨受容と骨再生との間の精巧な調整バランスの妨害によって引き起こされることが分かっている。かかる骨の疾患を持つ患者が増えている。即ち、悪性の過カルシウム血症、パゲット症、リューマチや歯周病等の骨の炎症であり、それらの症状は、また骨格変性やクローゾン症候群、くる病、成熟遅延骨異形成症、濃化異骨症(トゥールーズ−ロートレック変性)、骨髄遺伝子不全症に焦点を合わせているが、骨の疾患で最も重要なのは骨粗鬆症である。
【0005】
骨粗鬆症は、50歳以上の5人に一人の女性と、50歳以上の20人に一人の男性がかかりやすい。骨再吸収という多くの治療法が患者に役立っている。これらは主に骨再吸収、つまり、ホルモン交替治療(HRT)、選択的エストロゲンレセプタ変調法(SERM)、ビスホスホン酸塩或いはビスホスホン酸エステル、カルシトニンの本当の増加となっている。
【0006】
以上の処置方法が骨の再吸収を遅くすると、欠損した骨は十分に成分を補給されないので骨折を治癒することができない。骨折を唯一食い止めるのは、骨の成分を十分に増量したときである。それゆえ、同定骨髄遺伝子方法に与える骨の同化を伴った治癒力干渉には興味がある。今のところ、単一骨同化治療は骨粗鬆症の部位に触れているだけである。例えば骨粗鬆症部位に効く骨同一化治療法には、パラチロイドホルモン(PTH)1〜34番を用いる。PTHは断続的に投与した時の骨同一化効果を表す。その扱いは、薬を患者に毎日投与する必要があるため、とても厄介である。更に、腫瘍の形態を、薬剤を多く投与した動物の実験で見る必要がある。しかも、高いコストの実験である。
【0007】
別の骨同一化方法には、骨モルホジェニックタンパク質(BMP)を用いることがあるが、それは骨の隙間にのみ作用する。これらは、骨治癒効果量の増加を必要とする患者には不都合である。骨モルホジェニックタンパク質のレセプタを多くの組織で同定し、BMP自体を特殊な時空間パターン組織の多くの種類として発現する。このことは、BMPが骨の多くの組織よりも効果を持っていること、患者に対して系統的に投与した場合に発現されることを示唆している。1又はそれ以上の上記同一化の欠点を解消する新規な同一化体が必要とされている。
【0008】
本発明の目的は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的では、未分化の細胞を表4に示す阻害剤としてのポリペプチド、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体とのコンタクトする方法である、未分化哺乳類の細胞を分化して誘導する方法によって達成される。即ち、表4にリストアップしたポリペプチドのいずれか、及び/又はポリペプチド群の断片及び/又は誘導体の阻害剤を持った未分化細胞を接触させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人工的な膝関節、指関節、股関節のような関節部分並びに歯科インプラントのような顎への移植を含み、それが軸受移植の対策となっている。また、骨自体のダメージをなくし、欠損部分を増加するための骨フィルタやスペーサとして特殊な外科手術に用いられる。骨の形成は、誘発的伝導的工程の両面からのミネラル分補給の変形によって最適化される。また、適当な未分化細胞は骨の骨髄細胞であり、血液細胞や特定の間質細胞も含んでいる。骨髄細胞や特に間質細胞は個々の環境に対応したとき、骨を生成する効果がよく発揮される。未分化の細胞は、直接的に基質へ適用することができるか、或いは基質に適用される前の基質の不存在のときに効果的に繁殖される。後半のモードでは、細胞は繁殖後でも未分化であることが多く、本発明の目標としては未分化として参照される。その後、細胞は分化を許容される。更に、このような未分化型細胞はしばしば多量に得られ、成熟した骨細胞を用いるより簡便であり、病気の回復をより低い力で達成できる。更に未分化型細胞は、移植を考えている患者から得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によるポリペプチド阻害剤は、例えばポリペプチドの生理活性をポリペプチドの発現及び/又は変換を抑制することによって、或いはポリペプチド自体を抑制することによって低下させる多くの分子に関連することに留意すべきである。
【0012】
未分化の細胞は分化の早い段階、つまり未だに最終機能を持っておらず、かつ複数の種類の細胞へ誘導できない多能性幹細胞である。特に、これらの細胞は例えば破骨細胞と骨芽細胞を識別していない。このような細胞の例には、血液細胞と骨髄細胞或いはアジポース細胞から運搬された細胞がある。更に、本発明では、間充織細胞前駆体細胞に分化した細胞、例えば胚細胞のような全能性幹細胞を観察する。
【0013】
骨芽細胞の分化は、アルカリ性ホスファターゼ(BAP)、1型コラーゲン、オステオカルシン、オステオポンチンのような分化過程を発現する酵素のレベルを測定することによって同定することができる。アルカリ性ホスファターゼ活性は、細胞に4−メチルウンベリフェリル七リン酸(MUP)溶液(シグマ(Sigma))を添加することによって測定できる。AP活性のMUPが添加された蛍光遺伝子は、蛍光プレート読取器(フルオスター(Fluostar),ビーエムジー(BMG)社)で測定される。
【0014】
本発明を実施するための最良の形態は、阻害剤がポリペプチドを符号化するポリヌクレオチドの表示又は変換を阻害することである。
【0015】
また別の形態は、阻害剤がポリペプチドを符号化するポリヌクレオチドの表示又は変換を阻害することができる核酸であることである。
【0016】
好ましくは、核酸はベクターの中に包括される。更に好ましくは、ベクターはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス、センダイウィルスベクターのいずれかである。
【0017】
核酸の阻害剤として次のようなものが挙げられる。例えばアンチセンスRNA、リボチーム、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、及び/又はsiRNAである。このようにベクター及びウィルスベクターは、前記阻害剤を連続的に生産するのに有用である。ベクターはプラスミドやウィルスを包括する。ベクター中では、核酸配列がCMV,HSV,TK,SV40、又はそれらを長くしたような因子などのような適切なプロモータの制御下で形成される。阻害剤の入門的な産出はより長い抑制能を与えると共に、より少ない転送能を与えることが必要である。
【0018】
ある特定の好ましい形態では、阻害剤は、アンチセンスRNA、ポリリボヌクレオチドを裂くリボチーム、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、及び小さな妨害RNA(siRNA)で成るグループから選択され、siRNAはポリペプチドの生産を引き起こすポリリボヌクレオチドを抑制することができるように、ポリリボヌクレオチドの一部に同一源となっている。
【0019】
本発明で用いられる阻害剤の化学変形物は、それらの安定性を増加させるように変形された阻害剤に関連している。この結果、阻害剤は例えば変形されたヌクレオシド間相互作用、変形された核酸塩基及び/又は糖等のような核分解に抵抗を与える変形物で成る。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、細胞分割又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性を上げるためのオリゴヌクレオチド部位又は共役体と結合させることによって化学に変質するということが可能である。このような部位で成るもの又は共役体は、脂質、例えばコレステロール、コール酸、チオエステル、脂肪族炭素鎖、リン脂質、ポリアミン、ポリエチレングリコール(PEG)、パルミチン酸誘導体に対して制限があるわけではない。他の化学的変質物の形成は、例えば2′−O−メチル体、リン酸メチル体、逆変換されたエンド変質物(3′−3′結合体)などでも可能である。
【0020】
表示−抑制因子の1つの型として、表4に示されるような遺伝子で成るアンチセンス型の核酸がある。例えば、DNAのようなアンチセンス型核酸は試験管スケールで生産されたり、生体内で形成されたりまた表4に示されている遺伝子で成る核酸の細胞発現を抑制する遺伝子治療にも用いられる。アンチセンス核酸は、誘導された遺伝子の発現のような目標の発現に含まれる特殊で補完的な核酸配列を持つ塩基対を介して相互作用するヌクレオチド配列を持つ核酸を意味している。好ましくは、遺伝子の発現に含まれる特殊で補完的な核酸配列は、遺伝子を符号化するゲノムDNA分子又はmRNA分子である。このゲノムDNA分子は、遺伝子の通常部位又は成熟した遺伝子の符号化配列で成っている。
【0021】
アンチセンス型核酸は好ましくは大体17〜100通りの配列で成り、さらに好ましくは大体18〜30種類のヌクレオチドで成る。本発明の抗センス型核酸は好ましくは表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化された核酸の全て又は一部と特殊にハイブリッド化できる核酸断片、又はメッセンジャRNAに対応化できる核酸断片であり、或いは細胞の発現は表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化されたmRNAコンプライジング核酸配列の全て又は一部に補完的にRNAを生産するDNA配列である。抗センス型核酸は表4にあげるような遺伝子のいずれかを符号化した核酸群の全て又は一部分の発現によって、反対方向において用意される。好ましくは、抗センス型核酸はSEQのID番号:1〜226番及び247〜333番の配列で成るグループから選択された配列の発現によって、反対方向に用意される。好ましくは、抗センスの配列は少なくとも大体17個のヌクレオチドの長さである。
【0022】
抗センス核酸の背景におけるヌクレオチド配列に対する期限的補完及び方法は、細胞の配列、つまり生理的状態の下にハイブリッド化できる配列のように十分補完的であることを意味している。
【0023】
本発明による発現−抑制の別の形態は、RNA分子の分裂を触媒することのできる核酸のことである。リボチームは、特定の配列において他のRNAのリン酸エステル結合を分解させる触媒的RNA分子のことを意味する。分裂された目標配列の加水分解は、リボチームと基質RNAで成る活性錯体を形成することによって始まる。リン酸エステル結合を分裂させるような全てのリボチーム類は、分子間的に切断するので本発明の目標にふさわしい。
【0024】
また発現−抑制の別の形態はRNA干渉(RNAi)のことである。RNAiは、動植物について観察される同一の静的RNAである二重鎖RNA(dsRNA)によって静的に調停される遺伝子の書き換え後の工程のことである。
【0025】
このことに関連する本発明の最良の形態によれば、阻害剤はsiRNAであり、siRNAは、表4にリストアップされた目標遺伝子のいずれかから選択されたヌクレオチド配列に同族の17〜23種のヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列と、第1のヌクレオチド配列に対称的な17〜23種のヌクレオチドの第2のヌクレオチド配列とで構成されている。好ましくは、阻害剤はsiRNAであり、このsiRNAは、表4及び表5のSEQのID番号:1〜220番及び247〜333番で同定されるヌクレオチド配列から選択される17〜23種のヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列と、第1のヌクレオチド配列に対称的な17〜23種のヌクレオチドの第2のヌクレオチド配列とで構成されている。
【0026】
他の形態としてsiRNAは、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列に接続される第3のヌクレオチド配列で成り、siRNA内部でステムループ構造を形成することができる。
【0027】
本発明によるこのような自己補完型単鎖siRNAポリヌクレオチドは少なくとも第1のガイド配列と、第1のガイド配列に寄与する第2のガイド配列と、第2のガイド配列内にステム−ループ構造を形成する第3のガイド配列とで構成され、第3のガイド配列は第1のガイド配列の末端と第2のガイド配列の中央端に結合されている。第1及び第2の配列を持つ全てのヌクレオチドは塩基対となっているか、又は第1の配列と第2の配列の間で不整合を生じている。そのヌクレオチドの配列は、好ましくは17〜23個と同じ長さである。好ましくは第1又は第2の配列は表4に示されている遺伝子のポリヌクレオチド配列から17番目と23番目の間のオリゴヌクレオチド配列である。このようなループを伴ったsiRNAポリヌクレオチドは自己補完型であり、安定なヘアピン構造をとることができる。ヘアピン構造は通常のdsRNAより安定である。更にそれらはベクターを作るよりも簡単である。
【0028】
更に好ましくは第1又は第2の配列のヌクレオチドは、SEQのID番号:1〜220番と247〜333番の情報をもつヌクレオチドで成る。そのSEQのID番号:1〜220番と247〜333番の情報を持つヌクレオチド配列は、siRNAの設計ルールに則っていないヌクレオチド配列と比較される目標配列の誘導を促進するsiRNAの設計ルールに従って選択される(国際公開第2004/094636号パンフレット参照)。
【0029】
好ましくは、第3のヌクレオチド配列は4〜30個のヌクレオチド長であり更に好ましくは5〜15個分のヌクレオチド長であり、最適なのは8個長である。最適な形態において、ヌクレオチド配列はUUGCUAUAである(SEQのID番号:344)。
【0030】
本発明は未分化の哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導し、化合物を同定する方法に関連している。以下の(a)〜(d)で構成される。
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化されたポリペプチド、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を1又はそれ以上の化合物と接触させる工程;
(b)結合親和力を決定する工程;
(c)未分化哺乳類の細胞を少なくとも10μモル濃度で結合させる工程;
(d)未分化哺乳類の細胞の分化を誘導する化合物を同定する工程。
【0031】
本発明で用いるポリペプチド又はポリヌクレオチドは溶液中でフリーであり、固相担持され、細胞表面に位置される。
【0032】
その方法を実施するために、本発明で用いているポリペプチド又は合成されていないポリペプチドから分離を有用化する合成物のいずれかを固定し、同様に分析の自動化を適合化させる。本発明のポリペプチド合成物との相互作用は、試験管スケールで実験できる。例えばミクロ滴定プレートや試験管などといった機材である。1つの形態において、融解タンパク質がマトリクスに縛られるポリペプチドを許容する領域を付加するように供される。例えば本発明におけるポリペプチドはヒスチジン(His)と相性がよく、Ni−NTAミクロ力価プレート上に吸収させたり、或いは本発明のポリペプチドと共に融解タンパク質(ProtA)をIgGに吸収させたりして、それらを細胞リセーツ(分子量35の硫黄で標識した)及び予備合成物と結合させ、合成物は錯体構造/塩及びpHの生理状態に適した生理条件の下にインキュベーションされる。インキュベーション後に、そのプレーは、未結合のラベルを取り除いて洗浄し、そのマトリクスを固定する。放射性活性化物の量は直接的或いは錯体を分離した後に決定される。代わりに、錯体をマトリクスから分離でき、SDS−PAGEによって分離され、電気泳動用ゲル内で束ねた本発明のタンパク質のレベルから分離する。
【0033】
マトリクス上のタンパク質固定の別の技術は、化合物の同定する方法に用いることができる。例えば本発明のポリペプチド又は化合物は、ビオチン及びストレプタビジンとの結合を固定できる。本発明のビオチン化したタンパク質分子は、公知の技術(例えばビオチン化キット、ピエルスケミカル社、ロックホード社、イル)を用いてビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシイミド)から誘導でき、またストレプタビチジンを層設された96ウェルプレート(ピエルスケミカル社)のウェルに固定される。代わりに、本発明のポリペプチドで反応するが、化合物に対してポリペプチドの結合を妨げない抗体はプレートのウェルに誘導することができ、本発明のポリペプチドは抗体結合によってウェルに閉じ込めることができる。上述のように、予備化合物の標識の準備は本発明のポリペプチドがプレート上のウェルで成長し、溝にトラップされる錯体の量を定量できる。
【0034】
ポリペプチド又はポリヌクレオチドと化合物との結合親和力は、表面プラズマ共振型バイオセンサ(バイアコア(Biacore))のような公知技術を用いて測定することができる。表面プラズマ共振型バイオセンサとしては、置換反応を介した標識化合物を用いた飽和結合分析によるもの(例えばスカッチャードとリンドモの分析)、差動式紫外吸収スペクトル法、蛍光極性分析によるもの、蛍光イメージプレート読取器(FLIPR(登録商標))、蛍光共鳴エネルギー変換や生物蛍光共鳴エネルギー変換がある。その化合物の結合親和力は、解離定数(Kd)で、或いはIC50又はEC50として示される。IC50は、ポリペプチドの別の配位子が50%結合を阻害されたときの化合物の濃度を示す。EC50は、試験管内での50%分の最大効果を得るために要求される濃度を表す。解離定数Kdを用いることで配位結合がポリペプチドで起こる状態を測定することができ、ポリペプチド中の結合サイトの半分を正確に抽出し飽和化する配位子濃度と等価である。高結合親和力の化合物は、Kd、IC50及びEC50が低い。即ち100nM〜1pMの範囲では、低い結合親和力に対するモデレートが、高いKd、IC50及びEC50とマイクログラム分子の領域で関連している。
【0035】
高い処理量の目標のために、化合物のライブラリーは、ペプチドライブラリー(例えばLOPAP(商標),シグマアルドリッチ社)、脂質ライブラリー(バイオモル(BioMol)社)、合成化合物ライブラリー(例えばLOPAC(商標),シグマアルドリッチ社)又は天然物ライブラリー(スペクッス(Specs),タイムテック(TimTec)社)を使用することができる。
【0036】
本発明はまた、単一化合物或いは未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の混合物を同定する方法に関し、以下の工程で構成されている。
(a)表4のポリペプチドとして表記され、表4にリストアップされた遺伝子によって符号化された未分化哺乳類の細胞、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び又は誘導物を培養させる工程;
(b)前記化合物の細胞又は化合物の混合物をさらす工程;
(c)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する単一化合物又は化合物の混合物を選択する工程。
【0037】
上記方法で同定された単一化合物又は混合物は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導することに適用できる。
【0038】
好ましくは、本発明の方法で同定するのは、低分子化合物についてである。低分子化合物、つまり500ダルトン若しくはそれ以下の分子重量を持つ化合物は生物化学上の透過や吸収があり、約500ダルトンの分子重量を持つ薬剤模倣体として使われている(リピンスキー他、2001年)。
【0039】
別の実施形態によれば、化合物群がペプチドである。ペプチドは良質な薬剤模倣体であり、また良質なホルモン及び血小板凝塊形成(抗血栓剤)のような市場で価値を有するペプチドの多様的な例である。
【0040】
また、別の実施形態では天然物化合物である。天然物化合物は、植物などの天然資源から抽出される。抽出された天然物を用いることは、多種の分子を抽出するのに好都合である。天然物化合物には種々の分子がある。合成化合物はこのような膨大な数ではない。他の化合物は、炭水化物とグリコシル化したポリペプチドから選択される。
【0041】
更に本発明では、表4に示される目標遺伝子のいずれかから選んだヌクレオチド配列に対する17〜23種のヌクレオチド同族の配列と、その変形物及び/又は逆のコンプリメンツとで成るポリヌクレオチドに関連する。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは表4と表5中のSEQのID番号:1〜220番と247〜333番によって同定されるヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、或いは表4及び表5のSEQのID番号:1〜220番及び247〜333番によって同定されるヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列の逆のコンプリメンツを有する。本発明のヌクレオチドは骨芽細胞の分化の増加を示している。
【0042】
本発明はまた、ポリヌクレオチドを薬剤として用いる場合にも関連している。
【0043】
更に、本発明は前記ポリヌクレオチドを体全体の疾患を処置したり、或いは骨密度減少疾患の薬剤を製造することに関連している。
【0044】
最初に示されているように、本発明では、表4に示されているグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドが未分化の哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化することに包含され、本発明の形態では化合物は公知であるか、或いは表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られており、これらの化合物が未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導することに使用される。それ故に、本発明はまた、表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られている化合物を薬として使用することに関連している。更に、本発明は表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られている化合物を、全身の疾患処置又は骨密度の部分的疾患のための薬剤として使用することに関連している。
【0045】
本発明で前述したポリヌクレオチドで成るベクターに関連し、更にベクターを薬剤として用いられていることにも関連している。
【0046】
また好ましい例では、ベクターにはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス又はセンダイウィルスなどがある。好ましくは、ベクターはSEQのID番号:1〜220番と247〜333番で成るグループから選択されたヌクレオチドの配列で成るsiRNAを符号化する。
【0047】
本発明は更に、全身疾患又は骨密度の部分的減少を処置する薬剤の生産にベクターを用いることにも関連している。また本発明の好ましい例では、疾病群として骨化症、悪性のカルシウム過多血症、多発性骨髄腫、副甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能亢進症が挙げられる。
【0048】
組み換えウィルスは一般的に遺伝子交換に用いられる。ここで、遺伝子組み換えで使われる主要な3種類のウィルスはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルスである。最近では、レンチウィルス、レトロウィルス群のサブグループやセンダイウィルスが用いられている。アデノウィルスは分割細胞と非分割細胞の両方に変換でき、高いウィルス滴定が可能である。レトロウィルスは分割細胞のみを汚染でき、ホストクロモソームの中にゲノムを集約できる。集約は、長い周期の遺伝子発現を纏め上げる。レトロウィルスの仲間であるレンチウィルスは、レトロウィルスの標準的な性質を全て持ち合わせているが、非分割細胞を変換する能力もある。アデノアソシエイトウィルス(AAV)は小さく、非病原性の単純標準的DNAのウィルスである。アデノアソシエイトウィルスは、ヘルパウィルス(アデノウィルス又はヘルペスウィルス)の動きを助長する作用がある。ヘルパウィルスが存在しない場合、野生型AAVが位置選択的にホストゲノムへ集約している。レトロウィルスと同様に、集約は長い周期の遺伝子の発現に有用である。AAVは非分割細胞及び分割細胞の両方を汚染する。センダイウィルスはパラミクソウィルスの1つであり、分割細胞及び非分割細胞の両方に変換できる単一標準的なRNAウィルスである。センダイウィルスの細胞への注入方法は、多くの細胞の型に共通するシアル酸とコレステロールを用いる。センダイウィルスの遺伝子発現と複製は核に入るのに多数のウィルスと比較して、シトプラズム中に局在化する。
【0049】
さらに、本発明は骨組織を試験管内で生産する方法に関し、以下の工程で構成される。
(a)細胞基質を形成する基質上に未分化哺乳類の細胞を付与する工程;
(b)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化する間、ポリヌクレオチド或いはポリヌクレオチドで成るベクターのどれかを誘導し、それによって連続的な骨のマトリクスを生産する工程。好ましくは連続的な骨のマトリクスは、基質の表面において少なくとも0.5μmの厚さを有している。
【0050】
本発明はこのようにマトリクス成長を伴った基質の生産方法を提供し、人工的な膝関節、指関節、股関節のような関節部分並びに歯科インプラントのような顎への移植を含み、それが軸受移植の対策となっている。また、骨自体のダメージをなくし、欠損部分を増加するための骨フィルタやスペーサとして特殊な外科手術に用いられる。骨の形成は、誘発的伝導的工程の両面からのミネラル分補給の変形によって最適化される。
【0051】
マトリクスで成る骨フィルタを持った軸受移植(好ましくは上述のようにマトリクスが層設されている)の対策は、本発明では有利な構成となっている。
【0052】
本発明の手段はまた、前の外科装置が置き換えられるときなど、外科的処置にも最適である。
【0053】
適当な未分化細胞は骨の骨髄細胞であり、血液細胞や特定の間質細胞も含んでいる。骨髄細胞や特に間質細胞は個々の環境に対応したとき、骨を生成する効果がよく発揮される。未分化の細胞は、直接的に基質へ適用することができるか、或いは基質に適用される前の基質の不存在のときに効果的に繁殖される。後半のモードでは、細胞は繁殖後でも未分化であることが多く、本発明の目標としては未分化として参照される。その後、細胞は分化を許容される。分化はグルココルチコイドのような適切な誘発剤や抗炎症剤によって、誘発又は増加される。特に分化の適切な誘発剤は、本発明の阻害能の発現にある。
【0054】
未分化細胞の使用はいくつかの利点を示している。第一に、より低い分化はより高い増殖率を意味し、一層直接的で制御された不自由さを許容している。更に、これらの細胞は有機質及び無機質の成分で成る骨のマトリクスを生産するだけでなく、培地媒体やマトリクス中で生きている組織への助長、そして成長している組織を取り扱うためのいくつかの因子を示している。また、培地媒体は移植過程において用いられるとき、成長因子のような活性因子の源となる。更に、このような未分化型細胞はしばしば多量に得られ、成熟した骨細胞を用いるより簡便であり、病気の回復をより低い力で達成できる。更に未分化型細胞は、移植を考えている患者から得ることができる。これらの細胞から作られた骨は、患者の体内で自動複製され異常がなくなる。100μmの厚さのマトリクスは、結果として未分化型細胞から生産することができる。
【0055】
未分化型細胞が培養される培地基質はチタンやコバルトクロム合金或いはステンレス鋼などの金属や、リン酸カルシウムのような生理活性表面、ポリエチレンのようなポリマー表面などが使われる。わずかな例であるが、ガラス陶器のようなケイ素物質も基質として使われている。最も適しているのは金属ではチタン、リン酸カルシウムである。ただしリン酸カルシウムは基質に不可欠な成分というわけではない。基質は極性又は非極性である。細胞群は1cm2当たり103〜106個、その中でも104〜2×105個が特に好ましい。
【0056】
本発明で使われる培地媒体は、MEM(最小限の要素を備えた培地)のような一般的に知られた培地である。有用に用いるには、媒体は条件の整ったものを使う。この背景には整えられた培地は、類似の細胞が以前に熟考され、ポリペプチドのような因子を含んでいる培地の基であったり、細胞成長と細胞分化が重要な細胞によって秘密になっていることが理解される。
【0057】
細胞群は、例えば少なくとも0.5μmの厚さで、特に1μm以上100μm以下、さらにいえば10〜50μm以内のマトリクス層で十分な時間で培養される。細胞を培地に培養するには2〜15週間が必要とされ、特に4〜10週間が望ましい。
【0058】
マトリクスの生産で、基質に対して表面の少なくとも50%、特に表面の80%で連続的若しくは擬似連続的に融和するという結果がある。
【0059】
本発明の他の例は本発明の方法で得られる骨芽細胞を提供することにある。
【0060】
本発明の更に他の例では、例えば骨組織の生産を試験管培養物で行う。
【0061】
また、さらに本発明では病気が引き起こす骨密度の全身的又は局所的な減少を診断したり、患者の状態を究明したりする方法に関し、以下の工程で構成される。
(a)前記患者から集めた生理学的サンプルを、表4に示されている目標遺伝子のいずれかによって符号化されたポリヌクレオチドの表示レベルを決定する工程;
(b)健康体の被験者から集めたサンプルのポリヌクレオチドの発現レベルで発現レベルを比較する工程。健康体の被験者のサンプルを含む患者のヌクレオチド量の増加は、この場合、病的な条件に誘導される。
【0062】
更に、本発明は、病気が引き起こす骨密度の全身的又は局所的な減少を診断したり、患者の状態を究明したりする方法に関し、以下の工程で構成されている。
(a)前記患者から集めた生理学的サンプルを、表4中に示されている目標遺伝子を符号化したポリペプチドの量から決定する工程;
(b)健康体の被験者から集めたサンプルにおけるポリペプチドの量から比較する工程;
健康体の被験者のサンプルで成る患者のポリペプチド量の増加も、この場合の病的なコンディションに誘導される。好ましくは、この場合の病的な条件というのは骨粗鬆症、悪性のカルシウム過多血症、多発性骨髄腫、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症に起因している。
【0063】
本発明では、用語「ポリペプチドの誘導体」はタンパク質、タンパク質分子、タンパク質断片、ペプチド、ポリペプチドが途中で切れて伸びきったようなアミノ酸残基を含み、タンパク質の生理活性を保つオリゴペプチドに関連する。例えば、タンパク質の1つであるポリペプチドは、自然に生じた形態のアミノ酸配列と比較してアミノ酸変異を有している。ここでの誘導体は自然派生型変形でグリコシル化、アシル化したアミノ酸残基、或いはポリペプチド自然派生型形態のアミノ酸残基と比較される非天然型のアミノ酸残基で成っている。また、その誘導体は、自然派生型のポリペプチドのアミノ酸残基と比較される1又はそれ以上の非アミノ酸基質で成る。例えば、レポータ分子又はアミノ酸配列と共有又は非共有する別の配位子である。
【0064】
用語「ポリペプチドの断片」は、伸びきったアミノ酸残基で成り、必要な同一性、完全配列の機能的活性ばかりでなく、実質的に類似性を示すペプチド、オリゴペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、酵素に関連する。
【0065】
用語「ポリヌクレオチド」は、二重鎖又は一本鎖DNAや(メッセンジャ)RNAに関連し、オリゴヌクレオチドの全形に関連する。また、ペプチド核酸(PNA)、ポリシロキサン、2′−O−(2−メトキシ)エチルチオリン酸のような変形体を含んだ核酸を含んでいる。
【0066】
用語「ポリヌクレオチドの誘導体」は、DNA分子、RNA分子、そしてポリヌクレオチド中の伸びきった核酸残基で成るオリゴヌクレオチドに関連する。例えば、核酸に変形が生じたポリヌクレオチドと自然に生じたポリヌクレオチドの核酸配列を比較するということである。ここでいう誘導体はペプチド核酸、ポリシロキサン、2′−O−(2−メトキシ)エチルチオリン酸のような変形体を含んだ核酸と、非天然型の核酸残基、或いは1又はそれ以上の核酸の置換基を変換したもの、例えばメチル基、チオ、硫酸エステル、ベンゾイル基、フェニル基、アミノ基、プロピル基、クロロ基、そしてメタノカルバヌクレオシド、或いは方向を有効化するレポータ分子とで成っている。
【0067】
用語「ポリヌクレオチド断片」は、必要な同一性、完全な配列としての活性ばかりでなく、実質的に類似性を示し、伸びきった核酸残基で成るオリゴヌクレオチドに関連する。
【0068】
核酸配列又はアミノ酸配列における「同一配列」は、親配列における同一的又は実質的同一性の配列に制限され、親配列として同様な生物的性質を持つものをいう。この用語は、自然発生的な親配列の突然変異を示している。親配列は表4〜表6に示されているものか、これらの表の中でさらに遺伝子銀行にアクセスしたもののいずれかである。一般的に、同一配列というのは親配列と少なくとも95%同様の配列をしたものを指す。しかしながら、2つ以上の不適切な配列というのは、同一配列が親配列として対応する遺伝子の類似の下位規則に通じれば、17〜21個のsiRNA配列では許容される。
【実施例】
【0069】
[実施例1]内生アルカリ性ホスファターゼ探知法による高処理スクリーニング法の開発
<試験片の組成>
間充織原型細胞(MPCs)は、例えばBMP2のような適切な因子で骨芽細胞への分化を決定される。このような因子を検査した試験片は、アルカリ性ホスファターゼ(AP)の活性、骨芽細胞分化プログラム中の早生マーカをモニタリングすることによって伝達される。MPCsは384種類のウェルプレートに植えつけ、その1日後にSilence Select(商標)コレクションからヒトコクサッキーと、アデノウィルスレセプタ (hCAR;Ad−hCAR)と、不可分siRNAアデノウィルスとを符号化したアデノウィルス(Ad−siRNA)を感染させた。AdC15‐hCAR/AdC20‐hCARの相互注入は、AdC01−siRNAの注入効率を向上させる。細胞のAP活性は、注入(13dpi)から13日後に決定された。図2は試験片の組成を図示している。
【0070】
<試験片の伝達>
MPCsは、事前説明後に健康なボランティアの骨髄から採取した(ベルギー,キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker),ヴェルヴィエールズ(Verviers)社)。
【0071】
この実験では、384枚のプレートをいくつかのパラメータに分けて検査した。即ち、細胞を注入したときの密度、ウィルス(Ad−BMP2又はAd−eGFP)制御の感染多様性(MOI)、Ad−hCARのMOI、感染の継続時間、毒性、感染率(Ad−eGFPを使用)、及び解読の日数である。
【0072】
試験片伝達のポジティブコントロールにAd−BMP2(BMP2の過剰遺伝子発現)を使用したとき、以下のプロトコルは、バックグラウンド信号上で一番低い偏差の試験片に対して最も高い動的領域を決定する。即ち、MPCsは1枚当たり500個の細胞を384枚のプレートに流し入れ、1日後に、Ad‐hCAR(5μlのAd−hCAR溶液で合計MOI=155.7)と1μlのAd制御ウィルス(理論MOIが5000に相当するAd−BMP2又はAd−eGFP)の混合物を注入した。5日後、培地のウィルスを、ウィルスの存在した清浄な別の培地に移した。アルカリ性ホスファターゼの発現上昇は、13dpiで解読される。即ち、15μlの4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP,シグマ社製)をおのおののウェルに添加し、そのプレートを37℃、15分間おき、蛍光プレート読取器(フルオスター(Fluostar),ビーエムジー(BMG)社)を用いてAP活性を観察した。
【0073】
この試験片の最適化後、小試験スクリーンは自動装置(スイス、テキャン エージー(Tecan AG)社製、TeMO96,TeMO384,RoMa装備のテキャンフリーダム(Tecan Freedom)200の96/384チャンネル解読器)を用いることで、(103個の違ったAd−siRNAウィルスに)分けられた。このスクリーンでのヒットは同じ試験片を訂正及び再試験をすることである。最も強く付けられる2種のAd−siRNA(H9=H24−010;H10=H24−011)は、Ad−siRNAを含んだ制御プレート(ノックダウン式(KD)制御プレート)を生成するのに用いられる。3陰極(N1,N2,N3)と3陽極(P1,P2,P3)を含んだ96枚のプレートがウィルスを制御している制御プレートは、図3に示されている。このノックダウン式制御プレートは、ポジティブコントロール用のAd−H9(H24−010)及びAd−H10(H24−011)を含み、汚染制御用のAd−eGFP(ノック−イン ウィルス)を含み、ネガティブコントロール用のAd−eGFP−siRNA、Ad−M6PR−siRNA及びAd−Luc−siRNA(この3種全てのウィルスはノック−ダウンウィルスである)を含んでいる。
【0074】
制御ウィルスを、96枚のKD制御プレートから384枚プレートに自動装置を用いて滴下した。384枚のプレートの最終的なレイアウトを図4に示す。
【0075】
図5はKD制御プレートを用いたときの自動的スクリーニング工程図の結果を示している。KDネガティブコントロール(N1−N3)の平均値及び標準偏差は、ヒット分析のカットオフ値を計算するのに用い、カットオフ値はN1,N2,N3(‘全て陰極’)の平均値に‘全陰極’の標準偏差の3倍を足したものにセットした。ポジティブコントロール(P1及びP2)は、汚染されたウェルの95%以上の点がつけられた。ネガティブコントロールウィルスは汚染ウェルの5%以下の点になった。
【0076】
[実施例2]骨芽細胞片中の7980種Ad−siRNAアデノウィルスのスクリーニング法
SilenceSelectライブラリーのスクリーニングの最適化は、次の方法で行った。MPCを、1プレート当たり500個の細胞がつくように60μlの培地に混ぜ、下部が透明なウェルプレート(コースタ型又はヌンク型)384枚に流し込んだ。1日後、384枚のウェルプレート(ml当たり2.5×109個のウィルス部分の換算力価)及び5μlのAd−hCAR溶液(計MOI=155)に入れられ、96枚のV字型ウェルプレートに分配されたSilenceSelect(商標)のコレクションから採取した1μlのAd−siRNAウィルスを、Ad−hCAR溶液を含む96枚のウェルプレートのウェルから、MPCsを含む384枚のウェルプレートの各ウェルに、96/384チャンネル分配器(スイス、テキャン エージー(Tecan AG)社製、TeMO96,TeMO384及びRoMaを装備したテキャンフリーダム(Tecan Freedom)200)を用いて変換した。KD制御プレートは、同様の条件でSilenceSelectコレクションからのアリコートプレートとして用いた。全てのAd−siRNAウィルスを、違った各個のMPCプレート上で同じようにスクリーニングした。プレートを37℃に保った。それから4日間、アデノウィルスが繁殖するのを待った。13日後の感染では、AP活性が解読された。その384枚のスクリーニングプレートの様子を図6に示す。そして関係蛍光ユニット(RFU)は、384枚のそれぞれの点がY軸方向にプロットされると共に、対応してX軸方向にもプロットされている。
【0077】
この複製スクリーンを2回行い、全ての4点データをヒットコーリングとして用いた(実施例3参照)。
【0078】
[実施例3]AP試験片の目標同定
これら2つのスクリーンを実行した後に、AP活性を測定して得られたデータは以下の通り分析された。即ち、バックグラウンドは、制御プレート以外の全てのプレートから得られたデータ点の平均値で計算する。ヒットコーリングのカットオフ値は、制御プレートを除いて全データの3倍の標準偏差で計算した。各データ点はカットオフ値の上下スコアで分析した。カットオフ値以上のAP活性レベルを標識符号化したAd−siRNAのみに関心がある。ヒット理論は1つ又は両方のスクリーン中で、単一又は複数の点数に優先された。データは、4091個の独立した遺伝子を示す7980種のAd−siRNAウィルス中に集約した。その構成は表4に示されている。
【0079】
同定されたヒットの1つは、試験片に認められた骨同一化因子を示している。
【0080】
<H24−034:SRC>
マーツィア(Marzia)らの報告(2000)では、骨の組成は野生のマウスに比べてサーク型マウスの方が増加していると示されている。この研究の最も適切なところは、サーク型マウスから抽出した骨芽細胞、或いはサークアンチセンスオリゴヌクレオチドを除いた野生のマウスから抽出した骨芽細胞は、試験管内ではAP活性が増加していると示していることである。
【0081】
このスクリーン中で同定された8個の遺伝子を2つのAd−siRNAsの対象とした。これらの遺伝子は表4中の“AVPR1B,FLJ22955,IL1F8,PPIA,USP38,C9,LOC254378及びBRS3”である(表4参照)。
【0082】
[実施例4]目標Ad‐siRNAsの性質制御
この後の目標として言及されるAd−siRNAヒットは、骨同一化因子としての治療方法を確立するための分析方法として議論される。第一段階は、更なる分析のために選択されたAd−siRNAの性質制御を伴っている(本実施例)。他の有効化ステップはmRNA標識の目標物有効化であり(実施例5)、石灰化した断片のような骨形成断片の目標物スクリーニングであり(実施例6)、同定された遺伝子をターゲットにした付加的Ad−siRNAsの伝達である(実施例9)。これらの有効断片の後に重要性が残されているようなターゲットは、薬剤の発見へと検討される。即ち、断片をターゲットAd−siRNAsの骨同一化作用に似せた化合物の発見と最適化を発展させた(実施例7)。更に、同定されたAd−siRNAsの非再吸収活性は破骨細胞の有効化である(実施例8)。
【0083】
<目標Ad−siRNAsの性質制御>
目標Ad−siRNAsを、最初の断片中の数種のMOIのウィルスを再スクリーニングすることにより(実施例1参照)、及び目標Ad−siRNAウィルスを符号化したsiRNAを配列することにより、96種のプレート版にPerC6(オランダのクルーセル(Crucell)、レイデン(Leiden))細胞を繁殖させた。
【0084】
PerC6/E2A細胞は、180μlのPerC6/E2A培地の1ウェル当たり40,000個細胞密度の96個のプレートにあることになる。これらの細胞を、10%の二酸化炭素を充填した39℃の恒温槽に一晩中静置した。1日後、細胞を、目標Ad−siRNAを含んだSilenceSelectの蓄積からの粗細胞溶菌液1μlに感染させた。10%の二酸化炭素を充填した34℃の恒温槽に細胞変性効果が現れるまで、細胞を静置した(大体7日位すると、細胞特有の臭いが立ち込めてくる)。その上澄み液を採取し、その粗細胞溶菌液をプロテナーゼKを用いて処理した。即ち、先ず4μlの溶菌緩衝溶液(1x拡張高忠実緩衝液に塩化マグネシウムを添加したもの(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.1332465))に12μlの溶菌液を加え、1mg/mlのプロテナーゼK(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.745723)と0.45%のTween‐20(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.1335465)をPCR管の中で混合させた。そのPCR管を55℃で2時間反応させ、15分間かけて95℃で活動を不活性化させた。そのPCR管反応では1μlの溶菌液を10倍に薄め、塩化マグネシウムを添加した緩衝溶液5μl、0.5μlのdNTP(各dNTPについて10mM)混合物、1μlの前駆型プライマ(10mM溶液、塩基配列は5′CCG CCA CCT TAT ATA TAT TCT TTC C,SEQのID番号:245)、1μlの逆型プライマ(10mM溶液、塩基配列は5’CCC CCA CCT TAT ATA TAT TCT TTC C,SEQのID番号:246)、拡張高忠実DNAポリメラーゼ0.2μl(3.5U/μl、ロチェ分子バイオケミカル社)と41.3μlの水を加えた。PCR管は、PE Biosystems GeneAmp PCRシステム9700で以下のように行った。PCR管中の50μlの反応溶液は95℃で5分間静置後、95℃で15秒、55℃で30秒、68℃で4分、それぞれ35回転させた。最終的には68℃で7分間静置した。その後、反応液の5μlは6倍に希釈したゲル状の緩衝溶液2μlと混ぜ、拡大生成物を分解させるために臭化エチジウム0.5μg/μlで成る0.8%のアガロースゲルに注ぎ込んだ。拡大生成物の大きさは、同じようなゲル中の一重鎖はしご型DNAを軸に算出した。その予測される大きさは、〜500bpまでであった。
【0085】
配列分析は、標識アデノウィルスより符号化されたsiRNAをpIPspAdapt6−U6プラスミドのSpaIサイトに横付けしたベクター配列に、プライマを用いたPCRによって拡大される。PCRのフラグメントの配列を決定し、予測した配列と比較した。
【0086】
<多様化MOI再スクリーニング>
繁殖させた目標Ad−siRNAをAP活性を持つ数種のMOIで再スクリーニング化した(実施例1参照)。Ad−siRNAは、性質制御工程を通過した少なくとも1つのMOIの二重鎖に点数を数えなくてはならなかった。
【0087】
表4に示されている全てのヒットはこの性質制御を次のように達成した。
a)PCRフラグメントの正確な長さを示す。
b)PCRフラグメントの正確な配列を示す。
c)少なくとも1つのMOIの二重鎖AP活性を誘発させる。
【0088】
[実施例5]同定目標物のmRNA有効化実験
目標Ad−siRNAの初期有効化は、感染したMPCから分離されたRNAについて実行した。最初に、目標物の発現を、初期型ヒトMPCとヒト骨芽細胞(hOBs)のいくつかの異性体から分析した。次に、Ad−siRNAによって目標遺伝子発現のノックダウンを、mRNAレベルにおいて証明した。三番目に、符号化された骨のAP mRNAの調節向上と胎盤或いは腸AP mRNAの調節向上を比較分析した。
【0089】
<MPCと目標プロファイルのための骨芽細胞発現分析>
目標遺伝子の発現レベルを、4種のMPC異性体と2種のhOB異性体で決定した。MPCとhOB(ベルギー,キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker),ヴェルヴィエールズ(Verviers)社より提供)はT180型フラスコに1cm2当たり5000個の細胞を3000倍にした場合、80%に届くまで培養した。培養した細胞を氷冷したPBSで洗浄し、1050μlのSV RNA緩衝溶液をT180型フラスコに入れて採取した。集めたRNAをSV総合RNA分離システム(プロメガ社製、カタログ番号Z3100)を用いて調整した。集めたRNAの濃度はリボグリーンRNA定量キット(オランダ、ライデン(Leiden)のモルキュラーpローブス(Molecular Probes)社のカタログ番号R−11490)で測定する。cDNA合成は、1反応当たり40ngのRNAを使ってタックマン(TaqMan)ユニバーサルPCR、No AmpErase UNG、キット(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)社、部品番号4324018)を用いて行った。各RT反応は陰極RT反応(ネガティブコントロール:この反応における酵素はない)で行った。
【0090】
リアルタイム逆転写酵素(rtRT)−PCR反応を、SYBRグリーンPCRマスターミックス(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ社、部品番号4309155)中で、cDNA及び陰性逆転写酵素の両方に関連する遺伝子特殊プライマを用いて行った。発現レベルの普遍化では、RT−PCR反応をヒトβ−アクチンキット(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ社、部品番号4310881E)を用いたヒトβ−アクチンについて行った。その後のプログラムではリアルタイムPCR装置(ABI PRISM 7000配列検出システム)で、25℃で10分、48℃で30分、95℃で5分の条件で行った。図7(A)と図8において、10個の遺伝子の発現レベルがMPCとhOBの分離の異性体のそれぞれについて示されている。図7(A)のデータでは、合計されたRNAを4種のMPC異性体から抽出し、目標Ad−siRNAを経て同定された目標遺伝子の発現レベルを分析するのに用いた。rtRT−PCR共用プライマセットを10個の遺伝子に伝達し、β−反応の発現レベルと比較した。データはY軸について−log(β−アクチンの微分値)として示されている。図8に示したデータは2種の別個のhOB異性化体から抽出した。
【0091】
<Ad‐siRNAによる目標遺伝子発現のノックダウン分析のmRNAのレベルでの証明>
目標Ad−siRNAが対応する遺伝子からノックダウンの発現の結果を決定するために、合計RNAをMPCに感染したAd−siRNAから採取し、遺伝子の発現が遺伝子特有のプライマを用いて分析した。
【0092】
MPCを、24枚のウェルプレートに1枚当たり25000個となるように注入した。24時間後、ノックダウンヒットウィルス、或いは骨遺伝子に関連しない発光酵素とPPARγ(4つの公知のスプライス変形物)の発現を停止させたネガティブコントロールウィルスのAd−gPPARg及びAd−GL2.2に細胞を感染した。Ad−siRNAにおいては、Ad−hCARとAd−siRNAの混合溶菌液(MOI Ad−hCAR:750;40,10,3.3μlのウィルスでそれぞれ1ml換算にして2.5×109個のウィルスを含んでいる)で、細胞を汚染した。5dpiで培地を清浄化し、14dpiで細胞溶菌液を作った。前項で記述したmRNA分析で、細胞群を処理した。特定遺伝子のmRNAレベルをβ−アクチンレベルで標準化し、ネガティブコントロール型Ad−siRNAの測定レベルと比較した。3種の分析例を図7Bに示した。結果をβ−アクチン発現レベルで標準化し、ネガティブコントロールしたウィルスを感染させたMPCの符号化遺伝子発現レベルと比較した(Y軸:符号化遺伝子の遺伝発現率。100%=ネガティブコントロール化試料に存在する符号化遺伝mRNAレベル)。
【0093】
<内生骨のAP mRNA対胎盤又は腸由来のAP mRNAの発現上昇比較分析>
BAPは、骨組成に関連する物理的に妥当なAPである。測定されたAP活性がBAP発現或いは別のAP遺伝子生成物に基づいて規格向上するかを決定するために、全てのAP遺伝子のmRNAレベルを感染したMPCについて分析した。mRNAレベルは前項で説明されている。その違いはプライマセットにある(表2参照)。即ち、BAP ALPL(ヒトアルカリ性ホスファターゼ(肝臓、骨、腎臓由来))のmRNA発現を検出している。また、他のセットは3種の遺伝子、つまりAP遺伝子(ALPI(腸由来のヒトアルカリ性ホスファターゼ),ALPP(胎盤由来のヒトアルカリ性ホスファターゼ(PLAP))、ALPPL2(擬似胎盤型ヒトアルカリ性ホスファターゼ))である。ALPI、ALPP及びALPPL2はヌクレオチドレベルに近接しており、プライマ対を用いることで拡充できる。
【0094】
始めに、Ad−eGFP及びAd−BMP2で感染させたMPCから分離されたRNAについてプライマ対を有効化した。図9は、Ad−BMP2によるBAP型mRNAの強い発現上昇と、他のAP遺伝子発現の発現上昇性の欠損とを示している。Ad−eGFP(ネガティブコントロール)又は骨ジェニックAd−BMP2を用いて、24枚のウェルプレートにMPCを感染させた。細胞を採取し、他の3種のAP遺伝子(PLAP/IAP)から派生したBAP mRNA又はmRNAを拡充するプライマセットを使用してRNArtRT−PCRに調整した。Ad−BMP2は強くBAP mRNAレベルを上げたが、ほか3種のAP遺伝子のmRNAレベルは上がらなかった。
【0095】
両プライマセットとも、MPCに感染したAd−siRNAから分離したRNA中のAP遺伝子全てのmRNAの測定レベルで使用した。
【0096】
[実施例6]石灰化
骨遺伝子の工程は、数種の連続した事象から成り立つ。骨遺伝子の開始面では、骨アルカリ性ホスファターゼ(BAP)が発現上昇することである。石灰化のような骨遺伝子の後のステージで発生する特別の事象を観測することは重要である。
【0097】
<試験片の準備>
骨遺伝子の工程は、数種の連続した事象から成り立つ。骨遺伝子の開始面の間、骨アルカリ性ホスファターゼ(BAP)は発現上昇する。その後、分化の間、石灰化した骨を形成するために、主成分がコラーゲンIのマトリクスに(ハイドロキシ)アパタイト(リン酸カルシウムの沈殿物)を堆積した。石灰化した骨細胞の試験片(BM片)において、骨髄代替品としてBMP2(再結合物又はアデノウィルス変換による派生物)を用いて石灰化骨芽細胞に試験管スケールで初期型ヒトMPCを注入した。石灰化は、カルシウムに対し高い親和力を示す染料であるアリザリンレッドに間葉系幹細胞(MSC)を着色することで視覚化した(図10参照)。
<スクリーニング及びヒットコーリング>
以下の最適化プロトコルは最初の試験片を同定したAd−siRNA及びAd−cDNAの目標物をスクリーニングすることに使用される。
【0098】
10%のFCSを含んだ2mlのMSC培地中に、1枚当たり100,000個のMPCを6枚用意する。次の日、それらを10%の二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽に1日静置した後、それぞれにAdC15−hCAR(最終MOIが750),AD−siRNA,Ad−cDNA,或いは最終MOIが1250,2500,5000の制御ウィルスを感染させた。そして、10%の二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽に更に6日間以上静置した。2mlの新しいMSC培地にウィルスを移した。22日間の内で、培地を2週間で3回新しくした。他の時間に培地を半分又は完全に新しくした。実験を始めて28日後、条件の整った培地を取り除き、細胞を10%のパラホルムアルデヒドを用いて固定処理し、処理した単層を逆浸透水(pH=4.2)に溶かした1mL、〜1%までのアリザリンレッド水溶液(シグマ社、カタログ番号A5533)で着色した。伝染率を評価したAd−eGFP、強い骨遺伝誘導因子であるAd−BMP2、弱い骨遺伝誘導因子であるAd−H4−2を、それぞれネガティブ及びポジティブコントロール実験で補足した。いずれの実験もAd−H4−2が石灰化を誘発せず、完全にその実験が繰り返された。
【0099】
Ad−shRNAについても同様の石灰化実験を行い、その結果を表6に示した。
【0100】
[実施例7]同定した目標物に対する薬の発見
本発明で使用したポリペプチドで化合物をスクリーニングした。ポリペプチドに対する化合物の親和力は、置き換え実験で決定される。このような置き換え実験は当業者に良く知られており、ポリペプチドの同定法においても共通している。
【0101】
要約すると、本発明で用いたポリペプチドは、標識(放射線標識、蛍光又は他の認識可能な標識)配位子(ligand)と一緒に培養させているが、標識配位子はそのポリペプチドを結合する物として知られ標識のない化合物と更に培養される。
【0102】
ポリペプチドからの標識された配位子の置き換えは、ポリペプチドと関連している標識配位子の量を測定することによって決定される。ペプチドに関連する標識された配位子の量は非標識化合物の親和力の指標となる。
【0103】
ポリペプチドに関連している標識配位子の量は、IC50値を算出する未標識化合物の濃度をプロットして得られる。この値は目標、つまり本発明のポリペプチドに対する未標識化合物の結合親和力を表す。
【0104】
化合物は、IC50がナノグラム分子又はピコグラム分子単位のとき強い接合能となる。IC50が少なくとも10μモル或いは良くてもナノモル又はピコモルの範囲の化合物は、BAP及び/又は骨芽細胞マーカ及び骨芽細胞機能を誘導する効果を決定する試験片のいずれかに適応される。IC50がより低いときの化合物は、一般的に重要性が低い。本発明のポリペプチドは、細胞や細胞断片、或いは生理学的に純粋なタンパク質に依存する。このような調整法は、別の違った試験方法として当業者に公知である。
【0105】
[実施例8]破骨細胞片;同定目標物の反再吸収活性の検査
生命の始めから終わりまで、骨格は常に再生の繰り返しである。骨について重要な作用は分裂した骨髄による再吸収であり、骨芽細胞を鋳型とした骨で再生することである。骨粗鬆症を治療する方法は、分裂仲介している骨の再吸収を増加させることで、破骨細胞と骨芽細胞の間のバランスを最小化することである。
【0106】
破骨細胞は細胞の単一サイト又はマクロファージから広がっていく。生体内では、破骨細胞前駆体の分化は、ストラーマ細胞(MPCs)によって発現された2つの中心因子によって制御されている。即ち、NFκB配位子(RANKL)のレセプタ活性化体と骨プロテゲリン(OPG)とである。RANKLは、破骨細胞の分化を促すMPCの界面に発現された膜の配位子である。OPGは、活性化RANKLを捕捉して破骨細胞の分化を阻害するRANKLに溶解したおとり型レセプタである。MPCによるRANKLとOPGの発現のバランスは破骨細胞の分化のレベルを決定する。
【0107】
MPCが破骨細胞の分化を制御するとき、破骨細胞の分化又は活性における目標Ad−siRNAの同定の効果を知ることが重要である。破骨細胞の分化と活性が減少した目標Ad−siRNAは非常に価値があり、これらは2つの機構によって骨の付加の増加を予測している。即ち、骨芽細胞の分化及び活性の増加と、破骨細胞の活性の低下である。そのことは、論文(スィルナヴカラス(Thirunavukkarasu)ら、2000年「バイオロジカル ケミストリ(Biological Chemistry)」誌275巻25163‐25172ページ;山田ら、2003年「血液学」101巻2227〜2234ページ)に掲載されており、分裂因子の効果は予測可能である。
<破骨細胞分化片>
破骨細胞の分裂因子の効果を2タイプの試験片によって評価する。
【0108】
試験片の最初の準備として、MPCと初期型ヒト分子細胞を共に混合した培地を用意した。破骨細胞遺伝子を手助けするノックダウンウィルスに汚染されたMPC単層の効果を評価する。期待している効果は、次のような効果である。即ち、MPC中におけるAd−siRNA目標遺伝子発現のノックダウンが、例えば10nMの1.25(OH)2vitD3と50nMのM−CSFの混合物が引き起こす物理的な誘引によって稼動された破骨細胞の分化を阻害することである。使用されたモノサイトを、骨髄又は末梢血液から導入することができる。本例では、分子細胞(PBMC)を導入する末梢血液を基盤とした分化実験を説明する。MPC(ベルギー、キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker)社、ヴェルヴィエールズ(Verviers))を、10%のFBSを与えたα−MEM培地(GIBCO−LIFE テクノロジー社)中の96枚のウェルプレート(1ウェル当たり1000個の細胞)に注入した。1日後これらを目標Ad−siRNAに感染させた。少なくとも3日後、プレート1枚当たり10000個のPBMCをM‐CSF(アール アンド ディー(R&D)システムズ社、最終濃度50ng/ml)と共に注入した。培地の半分の量を、1週間2回にわたって50ng/mlのM−CSFと10nMの1.25(OH)2vitD3で清浄にした。培養地にPBMCを添加してから14日後に解読を行った。物理的誘引関連混合物による自発的破骨細胞の分化は、多面的な解読によって評価される。ウェル当たりの多核細胞TRAPポジティブ数の微視的評価を、破骨細胞分化のレベルで測定する。「TRAPポジティブ」は、細胞が酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性を持ち合わせていることを意味している。これを評価することは、この共培養が酸ホスファターゼ検出キット(シグマ社製、386−A)によって生体内TRAP着色が説明される。正極細胞は、処理すると紫色になる。代替で解読するときには、熟した破骨細胞のマーカ特異性を以下のようなもので識別する。例えばTRACP5b(酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5bタイプ)、カルシトニンレセプタ(CTR)又はキャセプシンK(CTSK)である。超自然的に共培養した破骨細胞運搬型酒石酸耐性酸性ホスファターゼタンパク質(TRACP5b)の量測定を、市場で価値あるELISA(骨TRAP断片、フィンランド、ツルクのスバ サイエンシズ(Sba sciences)社)で行った。CTR又はCTSKは、以下の一般的なプロトコルの応用に基づく免疫細胞化学によって検知した。培地を動かし、共培養体を4%のパラホルムアルデヒドと0.1%のTritonX−100で4℃、30分間なじませ、ブロッキング緩衝溶液(PBS+1%BSA+0.1%Tween20)で洗浄した後、少なくとも4時間反応させた。ブロッキング緩衝溶液を取り除き、キャセプチンK(発ガン遺伝子IM55L)或いはカルシトニンレセプタを別の緩衝溶液(例えば0.05Mトリス塩酸塩水溶液、pH7.4、1%BSA含有)に溶かしたものに対する初期抗体をウェルに補足した。4℃で一晩中静置した。混合物を取り除く際、細胞をPBSと0.1%Tween20の混合液で洗浄し、第一抗体を同じ緩衝溶液で薄めた第二抗体の共役体であるHRPを単離し、加えた。少なくとも4時間静置の後、PBSと0.1%Tween20の混合液で洗浄し、ルミノール(蛍光信号を与えるHRR用基質。BM化学発光ELISA基質[POD](ルミノール)、ローチェ ダイアグノスティック(Roche Diagnostic)社、カタログ番号1582950)を加えた。5分間の静置後、ルミノメータ(ルミノスカン上昇、ラブシステム(Labsystem)社)で解読を行った。説明した2つの試験片(多核細胞の量の評価と破骨細胞特殊マーカ検知のための免疫化学)は、骨髄分裂前の単核細胞分化の評価が許諾されたものであるが、破骨細胞の骨再吸収活性については認められない。
【0109】
破骨細胞の活性をくぼんだ形の試験片で測定した。この実験の目的は、共培養と細胞の感染を、骨擬似基質が、共培養が実施されるウェルの底部に存在する差異をもって記述されている試験片のために行うことにある。この骨擬似基質は象牙質(例えばカミヤ製薬製)、或いは試験的に得られたそれ相当の物質(炭酸カルシウム被膜、OAAS(商標)、ゲンタウアー(Gentaur)社;バイオコート(商標)、オステオロジック(商標)、ビーディー バイオサイエンス社)である。共培養を、その骨擬似基質で少なくとも14日間行う。細胞を次亜塩素酸ナトリウムで処理し、破骨細胞(再吸収ピット)を再吸収した範囲は微視的に認められる。このことは、象牙質がトルイジンブルーに着色することで判明する。
【0110】
第二の実験は破骨細胞に向かう分化の可能性があるヒットウィルスを伴った破骨細胞前駆体細胞(PBMC又はBMMC)の汚染効果を単一培地で測定することである。この目標のために、モノサイト(PBMC又はBMMC)を、10%の血清と25ng/mlの再生M−CSF(アール アンド ディー システムズ(R&D systems)社)を加えたα−MEM培地中の384枚のウェルプレートに植え付けた。1日後、細胞を目標Ad−siRNAに感染させた。感染4日後、再生RANKLをウェル(25ng/ml、アール アンド ディー システムズ社)に加えた。培地を1週間に2回清浄化した。RANKLを加えて14日後、破骨細胞への分化を第一実験の試験片同様に解読した。この実験は、M−CSF又はRANKLに対する破骨細胞前駆体細胞の応答の必要性をもつ因子の同定法を示すものである。
<PBMC分離>
以下のプロトコルに事前説明済みの患者から得た末梢血液からPBMCを取り出す。血液を無菌状態で50mlのファルコンチューブに注ぎ、25℃10分間で3000回転させた。その緩衝被覆を集め、緩衝被覆と同量のPBSで薄めた。その緩衝被覆を50mlのファルコンチューブにリンパ液(シグマ社)を20ml注いだ。遠心分離(25℃で35分400回転)を行い、リンパ液上の単核細胞の白い層を集めてPBS(25℃で10分間200回転)で2回洗浄し、7mlのPBSで薄めた。この溶液を15mlのファルコンチューブで成る超浸透濾過勾配に7ml注ぎ、25℃、35分間400回転で遠心分離を行った。超浸透濾過勾配は、以下のようにして作成される。即ち、1.5Mの塩化ナトリウム溶液を1として、9倍のパーコール(ファーマシア製、d=1.130g/ml)を混合する。この混合物と1:1になるように、PBS/クエン酸緩衝溶液(リン酸二水素ナトリウム1.49mM,リン酸水素ナトリウム9.15mM,クエン酸ナトリウム13mM,pH7.2)を加える。遠心分離後、単核細胞はこのプローブでは球に形成される。細胞は実験片の中で用い始める。
【0111】
[実施例9]停止目標物のノックダウン効果の分析
siRNAは、近年の発見や機構の理解を介して遺伝子発現のノックダウン効果を使っている。mRNAへのsiRNAの配列の特定アニーリング法が遺伝子特定‘オンターゲット’ノックダウンに対して応答可能であることは、一般的に受け入れられている。しかしながら、siRNAと別のmRNAの間の制限されたミスマッチが、遺伝子発現の‘オフターゲット’を誘発するということは得るものではない。
【0112】
‘オフターゲット’mRNAのノックダウンが破骨細胞効果を観測可能に応答することを排除するために、厳格な尺度を用いて石灰化(実施例6)を誘発する38個のターゲットのために付加的なsiRNAとshRNAを設計した。付加的なshRNAをBAP試験片中で検査した。
【0113】
可能なオフターゲット効果の問題に取り組むために、付加的なsiRNAが元のsiRNAによってターゲットとされたmRNAを完璧に整列させるように設計した。好ましいsiRNAの配列は、別のmRNAを整列させない。しかしながら、siRNAのみのいくつかの事例を、mRNAとオーバーラップさせる設計は可能である。siRNAが‘オフターゲット’mRNA(19merのポジションごとにチェックされた2塩基対の非同一性最大値)の最小値を整理するには、以下の規則が適用される。即ち、噂の‘オフターゲット’mRNAは原型mRNAから同定されたものは、一線を画し、また噂の‘オフターゲット’mRNAは全て原型の目標siRNAから同定されたものは、一線を画す。この規則の例外は、PPIAから設計されたsiRNAについてである。
【0114】
38種の選択された目標遺伝子のそれぞれについては、再構成するアデノウィルスを運ぶために7種の付加的なsiRNAを設計して調整した。全てのsiRNAを同定の証明をしたり、オリゴヌクレオチドの合成をエラーから守ったりするためにクローニング配列した。
【0115】
261種のAd−shRNAを定量的に発生させ、原型38種Ad−shRNAと平行して、2つの独立した実験中の3MOIのBAP試験片中で試験した。
【0116】
設計shRNA(Ad−shRNA)を符号化した再生アデノウィルスを生産し、圧力をかけ、96枚のプレートを分割し、−80℃で保管した。これらのプレートを、次のように初期型BAP試験片として用いた。
【0117】
MPC細胞を1枚当たり500個の細胞が入るようにマルチドロップ384(ラブシステムズ(Labsystems)社)と黒で下部が透明の384枚のウェルプレート(コースタ型又はヌンク型)に、10%の牛の胎児血清(オランダ、プロゲンティックス(Progentix)社)を含んだMSC培地60μlと一緒に注入した。1日後、そのうちの分割したAd−shRNAで成る96枚のプレートと正負極の制御ウィルスを修復し、ウィルス分割はMPCプレートによって変換した。制御プレートにおいて、1μlのウィルスストック(1ml換算で2×109個のウィルスを平均力価とする)を384種のスクリーニング版に移した。制御プレート上で(図3参照)、負極(N1,N2,N3)と正極(P1,P2)の制御ウィルスを散布した。ここで、N1,N2,N3は、おのおのeGFPを目標としたAd−siRNA、マンノース−6−リン酸レセプタ、発光酵素のmRNAを示す。また、P1,P2はおのおのPRKCN(H24−010)を目標としたAd−siRNA、MPP6(H24−011)である。P3はeGFPの過表示をしたAd−eGFPである。
【0118】
Ad−shRNAを12000、4000、1333の3種のMOIにスクリーニングした。Ad−shRNAを96種のプレートに1.5×109/4μlの力価とその1/3,1/9に薄めたものを分割した(図11)。結果が出た3つのプレートにMSCを注入した3×384種のプレートに感染させるために用いた。制御プレートから発生したウィルスをA2とB1の位置に滴下した。
【0119】
次に、ヒトコクサッキーウィルスを発現したアデノウィルスとアデノウィルスレセプタ(hCAR)の混合物5μlを96個のV型プレートから155の最終MOIを持つプレートに移し変えた。
【0120】
そのプレートを、10%二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽で4日間静置した。4日後、アデノウィルスを含んだ培地を、新鮮な無菌の10%FCSを含むMSC培地60μlに移した。それから9日後、培地を取り除き、4−メチルウンベリフェリルリン酸(シグマ社、カタログ番号.M3168)15μlをおのおののウェルにいれ、AP活性によって自由になった4−メチルウンベリフェロンの蛍光を蛍光度計(極大波長360nm、発光波長440nm)で37℃15分間静置して測定した。
【0121】
全てのAd−shRNAウィルスを、2つの独立したスクリーンに3種のMOIに重複させてスクリーニングした。しきい値は全てのネガティブコントロールがスクリーニング球(‘global’全体的な分析)、或いはスクリーニングプレート(‘local’局所的な分析)のいずれかを用いてヒット衝動で計算した。しきい値はネガティブコントロールの標準偏差の3倍平均値よりも高い値のBAPシグナルに設定した。このバッチにおけるおのおののウィルスの2点は依存されずに分析された。ヒットはAd−shRNAがしきい値より上の2スクリーンの1つに少なくとも1つのMOIが重複してプレートならば選択される(表3参照)。
【0122】
61種のsiRNAの標識した32中心を同定したデータの全体的な分析と、84種のsiRNAの標識した35中心を同定したデータの局所的な分析である。38種の選択した遺伝子の正体をBAP試験片に打ち込んだsiRNAの最終数と共に表1に示す。表1ではその数が原型の38種のsiRNAを含んだBAP試験片を点数付けした全てのsiRNAを示している。全体的又は局所的な分析の基盤となっているのは、2.61と3.21の構成物の平均値が38種の有効化目標物おのおのに最終的に同定される。
【0123】
全ての38種の原型siRNAは全体的と局所的の両方の分析を基盤としてBAP試験片を点数付ける。
【0124】
結果として、38種の選択されたターゲットを目標化した付加的Ad−shRNAを設計し組み立てた。制御版で考慮中のネガティブコントロールをヒット衝動のカットオフで決定するのにプレート(局所的)とバッチしたプレート(全体的)を用いた。
【0125】
全体的な分析は、38種の認証ターゲットの32種のBAP試験片の正極にスコアした61種のウィルスが導き出された。局所的な分析は、38種の認証ターゲットの35種のBAP試験片の正極にスコアした84種のウィルスが導き出された。38種の原型Ad−shRNAウィルスの全てをBAP試験片で順番つけたのは、全体的又は局所的な分析法を用いたときである。ターゲットLOC160662とPPIAとSLC39A4は局所的な分析のみで同定される。
【0126】
【表1】
表1の左側の列は遺伝子特有のプライマを示す。2番目はそのプライマがセンス(Forと示す)型かアンチセンス(Revと示す)型かを示している。3列目はプライマの核酸塩基配列である。
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】膜内部と軟骨内部の骨化を示す図である。
【図2】骨芽細胞の分化試験の原理を示す図である。
【図3】96種のノックダウン制御プレートのレイアウト図である。
【図4】384種の制御プレートのレイアウト図である。
【図5】AP試験中のノックダウン制御プレートの挙動を示す図である。
【図6】静的スクリーニングの列データを示すプロット図である。
【図7】MPCの目標表示の輪郭(A)とAd−siRNAによる遺伝子表示の分解(B)を示す図である。
【図8】初期型ヒト骨芽細胞の目標表示の輪郭を示す図である。
【図9】BAP−mRNA対PLAP又はIAP−mRNAの発現上昇の解析図である。
【図10】石灰化試験の結果を示す図である。
【図11】3種のMOIにおけるAd−shRNAをスクリーニングするための滴下試験を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法に関する。本発明は更に、分化を誘導するための化合物そのものと共に、分化を誘導する1又は2以上の化合物を同定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨には2種類の細胞、即ち骨形成細胞(例えば骨芽細胞)と骨再吸収細胞(例えば破骨細胞)とがある。これらの骨芽細胞と破骨細胞との間の複雑な相互作用によって破壊されたり、再吸収、再形成される動的組織である。破骨細胞に関して、先駆細胞から機能的な破骨細胞への発達に関連した種々の転写因子と成長因子はよく立証されている。対照的に、骨芽細胞に関しては少数、解明されているのみである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
骨芽細胞は、間充織祖先細胞(MPC)の分化で起こる。骨芽細胞のアルカリ性ホスファターゼ活性(BAP)への分化中に、発現上昇が起こる。生体中の骨形成は図1に示すような軟骨内又は膜間骨化のような胚成長中の2つの別個な方法によって起こる。この図1に示されるように、間充織祖先細胞又は幹細胞は、両方の骨組成の形成の出発点を示している。膜形成性骨化では、頭蓋骨又は鎖骨のような平坦な骨は間充織細胞の凝縮によって直接的に形成される。手足の骨のような長い骨の間充織細胞の凝縮は、はじめ、エンドシリアル細胞によって広がる軟骨中間体と、骨芽細胞及び骨細胞に分化する破骨細胞及び間充織細胞とによって導かれる(中島とド・クロンブリュッゲ(de Crombrugghe)の2003年の報告)。
【0004】
多くの疾患は、骨受容と骨再生との間の精巧な調整バランスの妨害によって引き起こされることが分かっている。かかる骨の疾患を持つ患者が増えている。即ち、悪性の過カルシウム血症、パゲット症、リューマチや歯周病等の骨の炎症であり、それらの症状は、また骨格変性やクローゾン症候群、くる病、成熟遅延骨異形成症、濃化異骨症(トゥールーズ−ロートレック変性)、骨髄遺伝子不全症に焦点を合わせているが、骨の疾患で最も重要なのは骨粗鬆症である。
【0005】
骨粗鬆症は、50歳以上の5人に一人の女性と、50歳以上の20人に一人の男性がかかりやすい。骨再吸収という多くの治療法が患者に役立っている。これらは主に骨再吸収、つまり、ホルモン交替治療(HRT)、選択的エストロゲンレセプタ変調法(SERM)、ビスホスホン酸塩或いはビスホスホン酸エステル、カルシトニンの本当の増加となっている。
【0006】
以上の処置方法が骨の再吸収を遅くすると、欠損した骨は十分に成分を補給されないので骨折を治癒することができない。骨折を唯一食い止めるのは、骨の成分を十分に増量したときである。それゆえ、同定骨髄遺伝子方法に与える骨の同化を伴った治癒力干渉には興味がある。今のところ、単一骨同化治療は骨粗鬆症の部位に触れているだけである。例えば骨粗鬆症部位に効く骨同一化治療法には、パラチロイドホルモン(PTH)1〜34番を用いる。PTHは断続的に投与した時の骨同一化効果を表す。その扱いは、薬を患者に毎日投与する必要があるため、とても厄介である。更に、腫瘍の形態を、薬剤を多く投与した動物の実験で見る必要がある。しかも、高いコストの実験である。
【0007】
別の骨同一化方法には、骨モルホジェニックタンパク質(BMP)を用いることがあるが、それは骨の隙間にのみ作用する。これらは、骨治癒効果量の増加を必要とする患者には不都合である。骨モルホジェニックタンパク質のレセプタを多くの組織で同定し、BMP自体を特殊な時空間パターン組織の多くの種類として発現する。このことは、BMPが骨の多くの組織よりも効果を持っていること、患者に対して系統的に投与した場合に発現されることを示唆している。1又はそれ以上の上記同一化の欠点を解消する新規な同一化体が必要とされている。
【0008】
本発明の目的は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的では、未分化の細胞を表4に示す阻害剤としてのポリペプチド、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体とのコンタクトする方法である、未分化哺乳類の細胞を分化して誘導する方法によって達成される。即ち、表4にリストアップしたポリペプチドのいずれか、及び/又はポリペプチド群の断片及び/又は誘導体の阻害剤を持った未分化細胞を接触させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、人工的な膝関節、指関節、股関節のような関節部分並びに歯科インプラントのような顎への移植を含み、それが軸受移植の対策となっている。また、骨自体のダメージをなくし、欠損部分を増加するための骨フィルタやスペーサとして特殊な外科手術に用いられる。骨の形成は、誘発的伝導的工程の両面からのミネラル分補給の変形によって最適化される。また、適当な未分化細胞は骨の骨髄細胞であり、血液細胞や特定の間質細胞も含んでいる。骨髄細胞や特に間質細胞は個々の環境に対応したとき、骨を生成する効果がよく発揮される。未分化の細胞は、直接的に基質へ適用することができるか、或いは基質に適用される前の基質の不存在のときに効果的に繁殖される。後半のモードでは、細胞は繁殖後でも未分化であることが多く、本発明の目標としては未分化として参照される。その後、細胞は分化を許容される。更に、このような未分化型細胞はしばしば多量に得られ、成熟した骨細胞を用いるより簡便であり、病気の回復をより低い力で達成できる。更に未分化型細胞は、移植を考えている患者から得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によるポリペプチド阻害剤は、例えばポリペプチドの生理活性をポリペプチドの発現及び/又は変換を抑制することによって、或いはポリペプチド自体を抑制することによって低下させる多くの分子に関連することに留意すべきである。
【0012】
未分化の細胞は分化の早い段階、つまり未だに最終機能を持っておらず、かつ複数の種類の細胞へ誘導できない多能性幹細胞である。特に、これらの細胞は例えば破骨細胞と骨芽細胞を識別していない。このような細胞の例には、血液細胞と骨髄細胞或いはアジポース細胞から運搬された細胞がある。更に、本発明では、間充織細胞前駆体細胞に分化した細胞、例えば胚細胞のような全能性幹細胞を観察する。
【0013】
骨芽細胞の分化は、アルカリ性ホスファターゼ(BAP)、1型コラーゲン、オステオカルシン、オステオポンチンのような分化過程を発現する酵素のレベルを測定することによって同定することができる。アルカリ性ホスファターゼ活性は、細胞に4−メチルウンベリフェリル七リン酸(MUP)溶液(シグマ(Sigma))を添加することによって測定できる。AP活性のMUPが添加された蛍光遺伝子は、蛍光プレート読取器(フルオスター(Fluostar),ビーエムジー(BMG)社)で測定される。
【0014】
本発明を実施するための最良の形態は、阻害剤がポリペプチドを符号化するポリヌクレオチドの表示又は変換を阻害することである。
【0015】
また別の形態は、阻害剤がポリペプチドを符号化するポリヌクレオチドの表示又は変換を阻害することができる核酸であることである。
【0016】
好ましくは、核酸はベクターの中に包括される。更に好ましくは、ベクターはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス、センダイウィルスベクターのいずれかである。
【0017】
核酸の阻害剤として次のようなものが挙げられる。例えばアンチセンスRNA、リボチーム、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、及び/又はsiRNAである。このようにベクター及びウィルスベクターは、前記阻害剤を連続的に生産するのに有用である。ベクターはプラスミドやウィルスを包括する。ベクター中では、核酸配列がCMV,HSV,TK,SV40、又はそれらを長くしたような因子などのような適切なプロモータの制御下で形成される。阻害剤の入門的な産出はより長い抑制能を与えると共に、より少ない転送能を与えることが必要である。
【0018】
ある特定の好ましい形態では、阻害剤は、アンチセンスRNA、ポリリボヌクレオチドを裂くリボチーム、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、及び小さな妨害RNA(siRNA)で成るグループから選択され、siRNAはポリペプチドの生産を引き起こすポリリボヌクレオチドを抑制することができるように、ポリリボヌクレオチドの一部に同一源となっている。
【0019】
本発明で用いられる阻害剤の化学変形物は、それらの安定性を増加させるように変形された阻害剤に関連している。この結果、阻害剤は例えば変形されたヌクレオシド間相互作用、変形された核酸塩基及び/又は糖等のような核分解に抵抗を与える変形物で成る。本発明におけるアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた、細胞分割又はアンチセンスオリゴヌクレオチドの活性を上げるためのオリゴヌクレオチド部位又は共役体と結合させることによって化学に変質するということが可能である。このような部位で成るもの又は共役体は、脂質、例えばコレステロール、コール酸、チオエステル、脂肪族炭素鎖、リン脂質、ポリアミン、ポリエチレングリコール(PEG)、パルミチン酸誘導体に対して制限があるわけではない。他の化学的変質物の形成は、例えば2′−O−メチル体、リン酸メチル体、逆変換されたエンド変質物(3′−3′結合体)などでも可能である。
【0020】
表示−抑制因子の1つの型として、表4に示されるような遺伝子で成るアンチセンス型の核酸がある。例えば、DNAのようなアンチセンス型核酸は試験管スケールで生産されたり、生体内で形成されたりまた表4に示されている遺伝子で成る核酸の細胞発現を抑制する遺伝子治療にも用いられる。アンチセンス核酸は、誘導された遺伝子の発現のような目標の発現に含まれる特殊で補完的な核酸配列を持つ塩基対を介して相互作用するヌクレオチド配列を持つ核酸を意味している。好ましくは、遺伝子の発現に含まれる特殊で補完的な核酸配列は、遺伝子を符号化するゲノムDNA分子又はmRNA分子である。このゲノムDNA分子は、遺伝子の通常部位又は成熟した遺伝子の符号化配列で成っている。
【0021】
アンチセンス型核酸は好ましくは大体17〜100通りの配列で成り、さらに好ましくは大体18〜30種類のヌクレオチドで成る。本発明の抗センス型核酸は好ましくは表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化された核酸の全て又は一部と特殊にハイブリッド化できる核酸断片、又はメッセンジャRNAに対応化できる核酸断片であり、或いは細胞の発現は表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化されたmRNAコンプライジング核酸配列の全て又は一部に補完的にRNAを生産するDNA配列である。抗センス型核酸は表4にあげるような遺伝子のいずれかを符号化した核酸群の全て又は一部分の発現によって、反対方向において用意される。好ましくは、抗センス型核酸はSEQのID番号:1〜226番及び247〜333番の配列で成るグループから選択された配列の発現によって、反対方向に用意される。好ましくは、抗センスの配列は少なくとも大体17個のヌクレオチドの長さである。
【0022】
抗センス核酸の背景におけるヌクレオチド配列に対する期限的補完及び方法は、細胞の配列、つまり生理的状態の下にハイブリッド化できる配列のように十分補完的であることを意味している。
【0023】
本発明による発現−抑制の別の形態は、RNA分子の分裂を触媒することのできる核酸のことである。リボチームは、特定の配列において他のRNAのリン酸エステル結合を分解させる触媒的RNA分子のことを意味する。分裂された目標配列の加水分解は、リボチームと基質RNAで成る活性錯体を形成することによって始まる。リン酸エステル結合を分裂させるような全てのリボチーム類は、分子間的に切断するので本発明の目標にふさわしい。
【0024】
また発現−抑制の別の形態はRNA干渉(RNAi)のことである。RNAiは、動植物について観察される同一の静的RNAである二重鎖RNA(dsRNA)によって静的に調停される遺伝子の書き換え後の工程のことである。
【0025】
このことに関連する本発明の最良の形態によれば、阻害剤はsiRNAであり、siRNAは、表4にリストアップされた目標遺伝子のいずれかから選択されたヌクレオチド配列に同族の17〜23種のヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列と、第1のヌクレオチド配列に対称的な17〜23種のヌクレオチドの第2のヌクレオチド配列とで構成されている。好ましくは、阻害剤はsiRNAであり、このsiRNAは、表4及び表5のSEQのID番号:1〜220番及び247〜333番で同定されるヌクレオチド配列から選択される17〜23種のヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列と、第1のヌクレオチド配列に対称的な17〜23種のヌクレオチドの第2のヌクレオチド配列とで構成されている。
【0026】
他の形態としてsiRNAは、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列に接続される第3のヌクレオチド配列で成り、siRNA内部でステムループ構造を形成することができる。
【0027】
本発明によるこのような自己補完型単鎖siRNAポリヌクレオチドは少なくとも第1のガイド配列と、第1のガイド配列に寄与する第2のガイド配列と、第2のガイド配列内にステム−ループ構造を形成する第3のガイド配列とで構成され、第3のガイド配列は第1のガイド配列の末端と第2のガイド配列の中央端に結合されている。第1及び第2の配列を持つ全てのヌクレオチドは塩基対となっているか、又は第1の配列と第2の配列の間で不整合を生じている。そのヌクレオチドの配列は、好ましくは17〜23個と同じ長さである。好ましくは第1又は第2の配列は表4に示されている遺伝子のポリヌクレオチド配列から17番目と23番目の間のオリゴヌクレオチド配列である。このようなループを伴ったsiRNAポリヌクレオチドは自己補完型であり、安定なヘアピン構造をとることができる。ヘアピン構造は通常のdsRNAより安定である。更にそれらはベクターを作るよりも簡単である。
【0028】
更に好ましくは第1又は第2の配列のヌクレオチドは、SEQのID番号:1〜220番と247〜333番の情報をもつヌクレオチドで成る。そのSEQのID番号:1〜220番と247〜333番の情報を持つヌクレオチド配列は、siRNAの設計ルールに則っていないヌクレオチド配列と比較される目標配列の誘導を促進するsiRNAの設計ルールに従って選択される(国際公開第2004/094636号パンフレット参照)。
【0029】
好ましくは、第3のヌクレオチド配列は4〜30個のヌクレオチド長であり更に好ましくは5〜15個分のヌクレオチド長であり、最適なのは8個長である。最適な形態において、ヌクレオチド配列はUUGCUAUAである(SEQのID番号:344)。
【0030】
本発明は未分化の哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導し、化合物を同定する方法に関連している。以下の(a)〜(d)で構成される。
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子の幾つかによって符号化されたポリペプチド、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を1又はそれ以上の化合物と接触させる工程;
(b)結合親和力を決定する工程;
(c)未分化哺乳類の細胞を少なくとも10μモル濃度で結合させる工程;
(d)未分化哺乳類の細胞の分化を誘導する化合物を同定する工程。
【0031】
本発明で用いるポリペプチド又はポリヌクレオチドは溶液中でフリーであり、固相担持され、細胞表面に位置される。
【0032】
その方法を実施するために、本発明で用いているポリペプチド又は合成されていないポリペプチドから分離を有用化する合成物のいずれかを固定し、同様に分析の自動化を適合化させる。本発明のポリペプチド合成物との相互作用は、試験管スケールで実験できる。例えばミクロ滴定プレートや試験管などといった機材である。1つの形態において、融解タンパク質がマトリクスに縛られるポリペプチドを許容する領域を付加するように供される。例えば本発明におけるポリペプチドはヒスチジン(His)と相性がよく、Ni−NTAミクロ力価プレート上に吸収させたり、或いは本発明のポリペプチドと共に融解タンパク質(ProtA)をIgGに吸収させたりして、それらを細胞リセーツ(分子量35の硫黄で標識した)及び予備合成物と結合させ、合成物は錯体構造/塩及びpHの生理状態に適した生理条件の下にインキュベーションされる。インキュベーション後に、そのプレーは、未結合のラベルを取り除いて洗浄し、そのマトリクスを固定する。放射性活性化物の量は直接的或いは錯体を分離した後に決定される。代わりに、錯体をマトリクスから分離でき、SDS−PAGEによって分離され、電気泳動用ゲル内で束ねた本発明のタンパク質のレベルから分離する。
【0033】
マトリクス上のタンパク質固定の別の技術は、化合物の同定する方法に用いることができる。例えば本発明のポリペプチド又は化合物は、ビオチン及びストレプタビジンとの結合を固定できる。本発明のビオチン化したタンパク質分子は、公知の技術(例えばビオチン化キット、ピエルスケミカル社、ロックホード社、イル)を用いてビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−スクシイミド)から誘導でき、またストレプタビチジンを層設された96ウェルプレート(ピエルスケミカル社)のウェルに固定される。代わりに、本発明のポリペプチドで反応するが、化合物に対してポリペプチドの結合を妨げない抗体はプレートのウェルに誘導することができ、本発明のポリペプチドは抗体結合によってウェルに閉じ込めることができる。上述のように、予備化合物の標識の準備は本発明のポリペプチドがプレート上のウェルで成長し、溝にトラップされる錯体の量を定量できる。
【0034】
ポリペプチド又はポリヌクレオチドと化合物との結合親和力は、表面プラズマ共振型バイオセンサ(バイアコア(Biacore))のような公知技術を用いて測定することができる。表面プラズマ共振型バイオセンサとしては、置換反応を介した標識化合物を用いた飽和結合分析によるもの(例えばスカッチャードとリンドモの分析)、差動式紫外吸収スペクトル法、蛍光極性分析によるもの、蛍光イメージプレート読取器(FLIPR(登録商標))、蛍光共鳴エネルギー変換や生物蛍光共鳴エネルギー変換がある。その化合物の結合親和力は、解離定数(Kd)で、或いはIC50又はEC50として示される。IC50は、ポリペプチドの別の配位子が50%結合を阻害されたときの化合物の濃度を示す。EC50は、試験管内での50%分の最大効果を得るために要求される濃度を表す。解離定数Kdを用いることで配位結合がポリペプチドで起こる状態を測定することができ、ポリペプチド中の結合サイトの半分を正確に抽出し飽和化する配位子濃度と等価である。高結合親和力の化合物は、Kd、IC50及びEC50が低い。即ち100nM〜1pMの範囲では、低い結合親和力に対するモデレートが、高いKd、IC50及びEC50とマイクログラム分子の領域で関連している。
【0035】
高い処理量の目標のために、化合物のライブラリーは、ペプチドライブラリー(例えばLOPAP(商標),シグマアルドリッチ社)、脂質ライブラリー(バイオモル(BioMol)社)、合成化合物ライブラリー(例えばLOPAC(商標),シグマアルドリッチ社)又は天然物ライブラリー(スペクッス(Specs),タイムテック(TimTec)社)を使用することができる。
【0036】
本発明はまた、単一化合物或いは未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の混合物を同定する方法に関し、以下の工程で構成されている。
(a)表4のポリペプチドとして表記され、表4にリストアップされた遺伝子によって符号化された未分化哺乳類の細胞、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び又は誘導物を培養させる工程;
(b)前記化合物の細胞又は化合物の混合物をさらす工程;
(c)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する単一化合物又は化合物の混合物を選択する工程。
【0037】
上記方法で同定された単一化合物又は混合物は、未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導することに適用できる。
【0038】
好ましくは、本発明の方法で同定するのは、低分子化合物についてである。低分子化合物、つまり500ダルトン若しくはそれ以下の分子重量を持つ化合物は生物化学上の透過や吸収があり、約500ダルトンの分子重量を持つ薬剤模倣体として使われている(リピンスキー他、2001年)。
【0039】
別の実施形態によれば、化合物群がペプチドである。ペプチドは良質な薬剤模倣体であり、また良質なホルモン及び血小板凝塊形成(抗血栓剤)のような市場で価値を有するペプチドの多様的な例である。
【0040】
また、別の実施形態では天然物化合物である。天然物化合物は、植物などの天然資源から抽出される。抽出された天然物を用いることは、多種の分子を抽出するのに好都合である。天然物化合物には種々の分子がある。合成化合物はこのような膨大な数ではない。他の化合物は、炭水化物とグリコシル化したポリペプチドから選択される。
【0041】
更に本発明では、表4に示される目標遺伝子のいずれかから選んだヌクレオチド配列に対する17〜23種のヌクレオチド同族の配列と、その変形物及び/又は逆のコンプリメンツとで成るポリヌクレオチドに関連する。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは表4と表5中のSEQのID番号:1〜220番と247〜333番によって同定されるヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列を有する、或いは表4及び表5のSEQのID番号:1〜220番及び247〜333番によって同定されるヌクレオチド配列から選択されたヌクレオチド配列の逆のコンプリメンツを有する。本発明のヌクレオチドは骨芽細胞の分化の増加を示している。
【0042】
本発明はまた、ポリヌクレオチドを薬剤として用いる場合にも関連している。
【0043】
更に、本発明は前記ポリヌクレオチドを体全体の疾患を処置したり、或いは骨密度減少疾患の薬剤を製造することに関連している。
【0044】
最初に示されているように、本発明では、表4に示されているグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドが未分化の哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化することに包含され、本発明の形態では化合物は公知であるか、或いは表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られており、これらの化合物が未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導することに使用される。それ故に、本発明はまた、表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られている化合物を薬として使用することに関連している。更に、本発明は表4中のグループから選択されたアミノ酸配列で成るポリペプチドのいずれかの活性を阻害することが知られている化合物を、全身の疾患処置又は骨密度の部分的疾患のための薬剤として使用することに関連している。
【0045】
本発明で前述したポリヌクレオチドで成るベクターに関連し、更にベクターを薬剤として用いられていることにも関連している。
【0046】
また好ましい例では、ベクターにはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス又はセンダイウィルスなどがある。好ましくは、ベクターはSEQのID番号:1〜220番と247〜333番で成るグループから選択されたヌクレオチドの配列で成るsiRNAを符号化する。
【0047】
本発明は更に、全身疾患又は骨密度の部分的減少を処置する薬剤の生産にベクターを用いることにも関連している。また本発明の好ましい例では、疾病群として骨化症、悪性のカルシウム過多血症、多発性骨髄腫、副甲状腺機能亢進症及び甲状腺機能亢進症が挙げられる。
【0048】
組み換えウィルスは一般的に遺伝子交換に用いられる。ここで、遺伝子組み換えで使われる主要な3種類のウィルスはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルスである。最近では、レンチウィルス、レトロウィルス群のサブグループやセンダイウィルスが用いられている。アデノウィルスは分割細胞と非分割細胞の両方に変換でき、高いウィルス滴定が可能である。レトロウィルスは分割細胞のみを汚染でき、ホストクロモソームの中にゲノムを集約できる。集約は、長い周期の遺伝子発現を纏め上げる。レトロウィルスの仲間であるレンチウィルスは、レトロウィルスの標準的な性質を全て持ち合わせているが、非分割細胞を変換する能力もある。アデノアソシエイトウィルス(AAV)は小さく、非病原性の単純標準的DNAのウィルスである。アデノアソシエイトウィルスは、ヘルパウィルス(アデノウィルス又はヘルペスウィルス)の動きを助長する作用がある。ヘルパウィルスが存在しない場合、野生型AAVが位置選択的にホストゲノムへ集約している。レトロウィルスと同様に、集約は長い周期の遺伝子の発現に有用である。AAVは非分割細胞及び分割細胞の両方を汚染する。センダイウィルスはパラミクソウィルスの1つであり、分割細胞及び非分割細胞の両方に変換できる単一標準的なRNAウィルスである。センダイウィルスの細胞への注入方法は、多くの細胞の型に共通するシアル酸とコレステロールを用いる。センダイウィルスの遺伝子発現と複製は核に入るのに多数のウィルスと比較して、シトプラズム中に局在化する。
【0049】
さらに、本発明は骨組織を試験管内で生産する方法に関し、以下の工程で構成される。
(a)細胞基質を形成する基質上に未分化哺乳類の細胞を付与する工程;
(b)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化する間、ポリヌクレオチド或いはポリヌクレオチドで成るベクターのどれかを誘導し、それによって連続的な骨のマトリクスを生産する工程。好ましくは連続的な骨のマトリクスは、基質の表面において少なくとも0.5μmの厚さを有している。
【0050】
本発明はこのようにマトリクス成長を伴った基質の生産方法を提供し、人工的な膝関節、指関節、股関節のような関節部分並びに歯科インプラントのような顎への移植を含み、それが軸受移植の対策となっている。また、骨自体のダメージをなくし、欠損部分を増加するための骨フィルタやスペーサとして特殊な外科手術に用いられる。骨の形成は、誘発的伝導的工程の両面からのミネラル分補給の変形によって最適化される。
【0051】
マトリクスで成る骨フィルタを持った軸受移植(好ましくは上述のようにマトリクスが層設されている)の対策は、本発明では有利な構成となっている。
【0052】
本発明の手段はまた、前の外科装置が置き換えられるときなど、外科的処置にも最適である。
【0053】
適当な未分化細胞は骨の骨髄細胞であり、血液細胞や特定の間質細胞も含んでいる。骨髄細胞や特に間質細胞は個々の環境に対応したとき、骨を生成する効果がよく発揮される。未分化の細胞は、直接的に基質へ適用することができるか、或いは基質に適用される前の基質の不存在のときに効果的に繁殖される。後半のモードでは、細胞は繁殖後でも未分化であることが多く、本発明の目標としては未分化として参照される。その後、細胞は分化を許容される。分化はグルココルチコイドのような適切な誘発剤や抗炎症剤によって、誘発又は増加される。特に分化の適切な誘発剤は、本発明の阻害能の発現にある。
【0054】
未分化細胞の使用はいくつかの利点を示している。第一に、より低い分化はより高い増殖率を意味し、一層直接的で制御された不自由さを許容している。更に、これらの細胞は有機質及び無機質の成分で成る骨のマトリクスを生産するだけでなく、培地媒体やマトリクス中で生きている組織への助長、そして成長している組織を取り扱うためのいくつかの因子を示している。また、培地媒体は移植過程において用いられるとき、成長因子のような活性因子の源となる。更に、このような未分化型細胞はしばしば多量に得られ、成熟した骨細胞を用いるより簡便であり、病気の回復をより低い力で達成できる。更に未分化型細胞は、移植を考えている患者から得ることができる。これらの細胞から作られた骨は、患者の体内で自動複製され異常がなくなる。100μmの厚さのマトリクスは、結果として未分化型細胞から生産することができる。
【0055】
未分化型細胞が培養される培地基質はチタンやコバルトクロム合金或いはステンレス鋼などの金属や、リン酸カルシウムのような生理活性表面、ポリエチレンのようなポリマー表面などが使われる。わずかな例であるが、ガラス陶器のようなケイ素物質も基質として使われている。最も適しているのは金属ではチタン、リン酸カルシウムである。ただしリン酸カルシウムは基質に不可欠な成分というわけではない。基質は極性又は非極性である。細胞群は1cm2当たり103〜106個、その中でも104〜2×105個が特に好ましい。
【0056】
本発明で使われる培地媒体は、MEM(最小限の要素を備えた培地)のような一般的に知られた培地である。有用に用いるには、媒体は条件の整ったものを使う。この背景には整えられた培地は、類似の細胞が以前に熟考され、ポリペプチドのような因子を含んでいる培地の基であったり、細胞成長と細胞分化が重要な細胞によって秘密になっていることが理解される。
【0057】
細胞群は、例えば少なくとも0.5μmの厚さで、特に1μm以上100μm以下、さらにいえば10〜50μm以内のマトリクス層で十分な時間で培養される。細胞を培地に培養するには2〜15週間が必要とされ、特に4〜10週間が望ましい。
【0058】
マトリクスの生産で、基質に対して表面の少なくとも50%、特に表面の80%で連続的若しくは擬似連続的に融和するという結果がある。
【0059】
本発明の他の例は本発明の方法で得られる骨芽細胞を提供することにある。
【0060】
本発明の更に他の例では、例えば骨組織の生産を試験管培養物で行う。
【0061】
また、さらに本発明では病気が引き起こす骨密度の全身的又は局所的な減少を診断したり、患者の状態を究明したりする方法に関し、以下の工程で構成される。
(a)前記患者から集めた生理学的サンプルを、表4に示されている目標遺伝子のいずれかによって符号化されたポリヌクレオチドの表示レベルを決定する工程;
(b)健康体の被験者から集めたサンプルのポリヌクレオチドの発現レベルで発現レベルを比較する工程。健康体の被験者のサンプルを含む患者のヌクレオチド量の増加は、この場合、病的な条件に誘導される。
【0062】
更に、本発明は、病気が引き起こす骨密度の全身的又は局所的な減少を診断したり、患者の状態を究明したりする方法に関し、以下の工程で構成されている。
(a)前記患者から集めた生理学的サンプルを、表4中に示されている目標遺伝子を符号化したポリペプチドの量から決定する工程;
(b)健康体の被験者から集めたサンプルにおけるポリペプチドの量から比較する工程;
健康体の被験者のサンプルで成る患者のポリペプチド量の増加も、この場合の病的なコンディションに誘導される。好ましくは、この場合の病的な条件というのは骨粗鬆症、悪性のカルシウム過多血症、多発性骨髄腫、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症に起因している。
【0063】
本発明では、用語「ポリペプチドの誘導体」はタンパク質、タンパク質分子、タンパク質断片、ペプチド、ポリペプチドが途中で切れて伸びきったようなアミノ酸残基を含み、タンパク質の生理活性を保つオリゴペプチドに関連する。例えば、タンパク質の1つであるポリペプチドは、自然に生じた形態のアミノ酸配列と比較してアミノ酸変異を有している。ここでの誘導体は自然派生型変形でグリコシル化、アシル化したアミノ酸残基、或いはポリペプチド自然派生型形態のアミノ酸残基と比較される非天然型のアミノ酸残基で成っている。また、その誘導体は、自然派生型のポリペプチドのアミノ酸残基と比較される1又はそれ以上の非アミノ酸基質で成る。例えば、レポータ分子又はアミノ酸配列と共有又は非共有する別の配位子である。
【0064】
用語「ポリペプチドの断片」は、伸びきったアミノ酸残基で成り、必要な同一性、完全配列の機能的活性ばかりでなく、実質的に類似性を示すペプチド、オリゴペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、酵素に関連する。
【0065】
用語「ポリヌクレオチド」は、二重鎖又は一本鎖DNAや(メッセンジャ)RNAに関連し、オリゴヌクレオチドの全形に関連する。また、ペプチド核酸(PNA)、ポリシロキサン、2′−O−(2−メトキシ)エチルチオリン酸のような変形体を含んだ核酸を含んでいる。
【0066】
用語「ポリヌクレオチドの誘導体」は、DNA分子、RNA分子、そしてポリヌクレオチド中の伸びきった核酸残基で成るオリゴヌクレオチドに関連する。例えば、核酸に変形が生じたポリヌクレオチドと自然に生じたポリヌクレオチドの核酸配列を比較するということである。ここでいう誘導体はペプチド核酸、ポリシロキサン、2′−O−(2−メトキシ)エチルチオリン酸のような変形体を含んだ核酸と、非天然型の核酸残基、或いは1又はそれ以上の核酸の置換基を変換したもの、例えばメチル基、チオ、硫酸エステル、ベンゾイル基、フェニル基、アミノ基、プロピル基、クロロ基、そしてメタノカルバヌクレオシド、或いは方向を有効化するレポータ分子とで成っている。
【0067】
用語「ポリヌクレオチド断片」は、必要な同一性、完全な配列としての活性ばかりでなく、実質的に類似性を示し、伸びきった核酸残基で成るオリゴヌクレオチドに関連する。
【0068】
核酸配列又はアミノ酸配列における「同一配列」は、親配列における同一的又は実質的同一性の配列に制限され、親配列として同様な生物的性質を持つものをいう。この用語は、自然発生的な親配列の突然変異を示している。親配列は表4〜表6に示されているものか、これらの表の中でさらに遺伝子銀行にアクセスしたもののいずれかである。一般的に、同一配列というのは親配列と少なくとも95%同様の配列をしたものを指す。しかしながら、2つ以上の不適切な配列というのは、同一配列が親配列として対応する遺伝子の類似の下位規則に通じれば、17〜21個のsiRNA配列では許容される。
【実施例】
【0069】
[実施例1]内生アルカリ性ホスファターゼ探知法による高処理スクリーニング法の開発
<試験片の組成>
間充織原型細胞(MPCs)は、例えばBMP2のような適切な因子で骨芽細胞への分化を決定される。このような因子を検査した試験片は、アルカリ性ホスファターゼ(AP)の活性、骨芽細胞分化プログラム中の早生マーカをモニタリングすることによって伝達される。MPCsは384種類のウェルプレートに植えつけ、その1日後にSilence Select(商標)コレクションからヒトコクサッキーと、アデノウィルスレセプタ (hCAR;Ad−hCAR)と、不可分siRNAアデノウィルスとを符号化したアデノウィルス(Ad−siRNA)を感染させた。AdC15‐hCAR/AdC20‐hCARの相互注入は、AdC01−siRNAの注入効率を向上させる。細胞のAP活性は、注入(13dpi)から13日後に決定された。図2は試験片の組成を図示している。
【0070】
<試験片の伝達>
MPCsは、事前説明後に健康なボランティアの骨髄から採取した(ベルギー,キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker),ヴェルヴィエールズ(Verviers)社)。
【0071】
この実験では、384枚のプレートをいくつかのパラメータに分けて検査した。即ち、細胞を注入したときの密度、ウィルス(Ad−BMP2又はAd−eGFP)制御の感染多様性(MOI)、Ad−hCARのMOI、感染の継続時間、毒性、感染率(Ad−eGFPを使用)、及び解読の日数である。
【0072】
試験片伝達のポジティブコントロールにAd−BMP2(BMP2の過剰遺伝子発現)を使用したとき、以下のプロトコルは、バックグラウンド信号上で一番低い偏差の試験片に対して最も高い動的領域を決定する。即ち、MPCsは1枚当たり500個の細胞を384枚のプレートに流し入れ、1日後に、Ad‐hCAR(5μlのAd−hCAR溶液で合計MOI=155.7)と1μlのAd制御ウィルス(理論MOIが5000に相当するAd−BMP2又はAd−eGFP)の混合物を注入した。5日後、培地のウィルスを、ウィルスの存在した清浄な別の培地に移した。アルカリ性ホスファターゼの発現上昇は、13dpiで解読される。即ち、15μlの4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP,シグマ社製)をおのおののウェルに添加し、そのプレートを37℃、15分間おき、蛍光プレート読取器(フルオスター(Fluostar),ビーエムジー(BMG)社)を用いてAP活性を観察した。
【0073】
この試験片の最適化後、小試験スクリーンは自動装置(スイス、テキャン エージー(Tecan AG)社製、TeMO96,TeMO384,RoMa装備のテキャンフリーダム(Tecan Freedom)200の96/384チャンネル解読器)を用いることで、(103個の違ったAd−siRNAウィルスに)分けられた。このスクリーンでのヒットは同じ試験片を訂正及び再試験をすることである。最も強く付けられる2種のAd−siRNA(H9=H24−010;H10=H24−011)は、Ad−siRNAを含んだ制御プレート(ノックダウン式(KD)制御プレート)を生成するのに用いられる。3陰極(N1,N2,N3)と3陽極(P1,P2,P3)を含んだ96枚のプレートがウィルスを制御している制御プレートは、図3に示されている。このノックダウン式制御プレートは、ポジティブコントロール用のAd−H9(H24−010)及びAd−H10(H24−011)を含み、汚染制御用のAd−eGFP(ノック−イン ウィルス)を含み、ネガティブコントロール用のAd−eGFP−siRNA、Ad−M6PR−siRNA及びAd−Luc−siRNA(この3種全てのウィルスはノック−ダウンウィルスである)を含んでいる。
【0074】
制御ウィルスを、96枚のKD制御プレートから384枚プレートに自動装置を用いて滴下した。384枚のプレートの最終的なレイアウトを図4に示す。
【0075】
図5はKD制御プレートを用いたときの自動的スクリーニング工程図の結果を示している。KDネガティブコントロール(N1−N3)の平均値及び標準偏差は、ヒット分析のカットオフ値を計算するのに用い、カットオフ値はN1,N2,N3(‘全て陰極’)の平均値に‘全陰極’の標準偏差の3倍を足したものにセットした。ポジティブコントロール(P1及びP2)は、汚染されたウェルの95%以上の点がつけられた。ネガティブコントロールウィルスは汚染ウェルの5%以下の点になった。
【0076】
[実施例2]骨芽細胞片中の7980種Ad−siRNAアデノウィルスのスクリーニング法
SilenceSelectライブラリーのスクリーニングの最適化は、次の方法で行った。MPCを、1プレート当たり500個の細胞がつくように60μlの培地に混ぜ、下部が透明なウェルプレート(コースタ型又はヌンク型)384枚に流し込んだ。1日後、384枚のウェルプレート(ml当たり2.5×109個のウィルス部分の換算力価)及び5μlのAd−hCAR溶液(計MOI=155)に入れられ、96枚のV字型ウェルプレートに分配されたSilenceSelect(商標)のコレクションから採取した1μlのAd−siRNAウィルスを、Ad−hCAR溶液を含む96枚のウェルプレートのウェルから、MPCsを含む384枚のウェルプレートの各ウェルに、96/384チャンネル分配器(スイス、テキャン エージー(Tecan AG)社製、TeMO96,TeMO384及びRoMaを装備したテキャンフリーダム(Tecan Freedom)200)を用いて変換した。KD制御プレートは、同様の条件でSilenceSelectコレクションからのアリコートプレートとして用いた。全てのAd−siRNAウィルスを、違った各個のMPCプレート上で同じようにスクリーニングした。プレートを37℃に保った。それから4日間、アデノウィルスが繁殖するのを待った。13日後の感染では、AP活性が解読された。その384枚のスクリーニングプレートの様子を図6に示す。そして関係蛍光ユニット(RFU)は、384枚のそれぞれの点がY軸方向にプロットされると共に、対応してX軸方向にもプロットされている。
【0077】
この複製スクリーンを2回行い、全ての4点データをヒットコーリングとして用いた(実施例3参照)。
【0078】
[実施例3]AP試験片の目標同定
これら2つのスクリーンを実行した後に、AP活性を測定して得られたデータは以下の通り分析された。即ち、バックグラウンドは、制御プレート以外の全てのプレートから得られたデータ点の平均値で計算する。ヒットコーリングのカットオフ値は、制御プレートを除いて全データの3倍の標準偏差で計算した。各データ点はカットオフ値の上下スコアで分析した。カットオフ値以上のAP活性レベルを標識符号化したAd−siRNAのみに関心がある。ヒット理論は1つ又は両方のスクリーン中で、単一又は複数の点数に優先された。データは、4091個の独立した遺伝子を示す7980種のAd−siRNAウィルス中に集約した。その構成は表4に示されている。
【0079】
同定されたヒットの1つは、試験片に認められた骨同一化因子を示している。
【0080】
<H24−034:SRC>
マーツィア(Marzia)らの報告(2000)では、骨の組成は野生のマウスに比べてサーク型マウスの方が増加していると示されている。この研究の最も適切なところは、サーク型マウスから抽出した骨芽細胞、或いはサークアンチセンスオリゴヌクレオチドを除いた野生のマウスから抽出した骨芽細胞は、試験管内ではAP活性が増加していると示していることである。
【0081】
このスクリーン中で同定された8個の遺伝子を2つのAd−siRNAsの対象とした。これらの遺伝子は表4中の“AVPR1B,FLJ22955,IL1F8,PPIA,USP38,C9,LOC254378及びBRS3”である(表4参照)。
【0082】
[実施例4]目標Ad‐siRNAsの性質制御
この後の目標として言及されるAd−siRNAヒットは、骨同一化因子としての治療方法を確立するための分析方法として議論される。第一段階は、更なる分析のために選択されたAd−siRNAの性質制御を伴っている(本実施例)。他の有効化ステップはmRNA標識の目標物有効化であり(実施例5)、石灰化した断片のような骨形成断片の目標物スクリーニングであり(実施例6)、同定された遺伝子をターゲットにした付加的Ad−siRNAsの伝達である(実施例9)。これらの有効断片の後に重要性が残されているようなターゲットは、薬剤の発見へと検討される。即ち、断片をターゲットAd−siRNAsの骨同一化作用に似せた化合物の発見と最適化を発展させた(実施例7)。更に、同定されたAd−siRNAsの非再吸収活性は破骨細胞の有効化である(実施例8)。
【0083】
<目標Ad−siRNAsの性質制御>
目標Ad−siRNAsを、最初の断片中の数種のMOIのウィルスを再スクリーニングすることにより(実施例1参照)、及び目標Ad−siRNAウィルスを符号化したsiRNAを配列することにより、96種のプレート版にPerC6(オランダのクルーセル(Crucell)、レイデン(Leiden))細胞を繁殖させた。
【0084】
PerC6/E2A細胞は、180μlのPerC6/E2A培地の1ウェル当たり40,000個細胞密度の96個のプレートにあることになる。これらの細胞を、10%の二酸化炭素を充填した39℃の恒温槽に一晩中静置した。1日後、細胞を、目標Ad−siRNAを含んだSilenceSelectの蓄積からの粗細胞溶菌液1μlに感染させた。10%の二酸化炭素を充填した34℃の恒温槽に細胞変性効果が現れるまで、細胞を静置した(大体7日位すると、細胞特有の臭いが立ち込めてくる)。その上澄み液を採取し、その粗細胞溶菌液をプロテナーゼKを用いて処理した。即ち、先ず4μlの溶菌緩衝溶液(1x拡張高忠実緩衝液に塩化マグネシウムを添加したもの(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.1332465))に12μlの溶菌液を加え、1mg/mlのプロテナーゼK(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.745723)と0.45%のTween‐20(ロチェ分子バイオケミカル社、カタログNo.1335465)をPCR管の中で混合させた。そのPCR管を55℃で2時間反応させ、15分間かけて95℃で活動を不活性化させた。そのPCR管反応では1μlの溶菌液を10倍に薄め、塩化マグネシウムを添加した緩衝溶液5μl、0.5μlのdNTP(各dNTPについて10mM)混合物、1μlの前駆型プライマ(10mM溶液、塩基配列は5′CCG CCA CCT TAT ATA TAT TCT TTC C,SEQのID番号:245)、1μlの逆型プライマ(10mM溶液、塩基配列は5’CCC CCA CCT TAT ATA TAT TCT TTC C,SEQのID番号:246)、拡張高忠実DNAポリメラーゼ0.2μl(3.5U/μl、ロチェ分子バイオケミカル社)と41.3μlの水を加えた。PCR管は、PE Biosystems GeneAmp PCRシステム9700で以下のように行った。PCR管中の50μlの反応溶液は95℃で5分間静置後、95℃で15秒、55℃で30秒、68℃で4分、それぞれ35回転させた。最終的には68℃で7分間静置した。その後、反応液の5μlは6倍に希釈したゲル状の緩衝溶液2μlと混ぜ、拡大生成物を分解させるために臭化エチジウム0.5μg/μlで成る0.8%のアガロースゲルに注ぎ込んだ。拡大生成物の大きさは、同じようなゲル中の一重鎖はしご型DNAを軸に算出した。その予測される大きさは、〜500bpまでであった。
【0085】
配列分析は、標識アデノウィルスより符号化されたsiRNAをpIPspAdapt6−U6プラスミドのSpaIサイトに横付けしたベクター配列に、プライマを用いたPCRによって拡大される。PCRのフラグメントの配列を決定し、予測した配列と比較した。
【0086】
<多様化MOI再スクリーニング>
繁殖させた目標Ad−siRNAをAP活性を持つ数種のMOIで再スクリーニング化した(実施例1参照)。Ad−siRNAは、性質制御工程を通過した少なくとも1つのMOIの二重鎖に点数を数えなくてはならなかった。
【0087】
表4に示されている全てのヒットはこの性質制御を次のように達成した。
a)PCRフラグメントの正確な長さを示す。
b)PCRフラグメントの正確な配列を示す。
c)少なくとも1つのMOIの二重鎖AP活性を誘発させる。
【0088】
[実施例5]同定目標物のmRNA有効化実験
目標Ad−siRNAの初期有効化は、感染したMPCから分離されたRNAについて実行した。最初に、目標物の発現を、初期型ヒトMPCとヒト骨芽細胞(hOBs)のいくつかの異性体から分析した。次に、Ad−siRNAによって目標遺伝子発現のノックダウンを、mRNAレベルにおいて証明した。三番目に、符号化された骨のAP mRNAの調節向上と胎盤或いは腸AP mRNAの調節向上を比較分析した。
【0089】
<MPCと目標プロファイルのための骨芽細胞発現分析>
目標遺伝子の発現レベルを、4種のMPC異性体と2種のhOB異性体で決定した。MPCとhOB(ベルギー,キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker),ヴェルヴィエールズ(Verviers)社より提供)はT180型フラスコに1cm2当たり5000個の細胞を3000倍にした場合、80%に届くまで培養した。培養した細胞を氷冷したPBSで洗浄し、1050μlのSV RNA緩衝溶液をT180型フラスコに入れて採取した。集めたRNAをSV総合RNA分離システム(プロメガ社製、カタログ番号Z3100)を用いて調整した。集めたRNAの濃度はリボグリーンRNA定量キット(オランダ、ライデン(Leiden)のモルキュラーpローブス(Molecular Probes)社のカタログ番号R−11490)で測定する。cDNA合成は、1反応当たり40ngのRNAを使ってタックマン(TaqMan)ユニバーサルPCR、No AmpErase UNG、キット(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)社、部品番号4324018)を用いて行った。各RT反応は陰極RT反応(ネガティブコントロール:この反応における酵素はない)で行った。
【0090】
リアルタイム逆転写酵素(rtRT)−PCR反応を、SYBRグリーンPCRマスターミックス(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ社、部品番号4309155)中で、cDNA及び陰性逆転写酵素の両方に関連する遺伝子特殊プライマを用いて行った。発現レベルの普遍化では、RT−PCR反応をヒトβ−アクチンキット(英国ワーリントンのアップライドバイオシステムズ社、部品番号4310881E)を用いたヒトβ−アクチンについて行った。その後のプログラムではリアルタイムPCR装置(ABI PRISM 7000配列検出システム)で、25℃で10分、48℃で30分、95℃で5分の条件で行った。図7(A)と図8において、10個の遺伝子の発現レベルがMPCとhOBの分離の異性体のそれぞれについて示されている。図7(A)のデータでは、合計されたRNAを4種のMPC異性体から抽出し、目標Ad−siRNAを経て同定された目標遺伝子の発現レベルを分析するのに用いた。rtRT−PCR共用プライマセットを10個の遺伝子に伝達し、β−反応の発現レベルと比較した。データはY軸について−log(β−アクチンの微分値)として示されている。図8に示したデータは2種の別個のhOB異性化体から抽出した。
【0091】
<Ad‐siRNAによる目標遺伝子発現のノックダウン分析のmRNAのレベルでの証明>
目標Ad−siRNAが対応する遺伝子からノックダウンの発現の結果を決定するために、合計RNAをMPCに感染したAd−siRNAから採取し、遺伝子の発現が遺伝子特有のプライマを用いて分析した。
【0092】
MPCを、24枚のウェルプレートに1枚当たり25000個となるように注入した。24時間後、ノックダウンヒットウィルス、或いは骨遺伝子に関連しない発光酵素とPPARγ(4つの公知のスプライス変形物)の発現を停止させたネガティブコントロールウィルスのAd−gPPARg及びAd−GL2.2に細胞を感染した。Ad−siRNAにおいては、Ad−hCARとAd−siRNAの混合溶菌液(MOI Ad−hCAR:750;40,10,3.3μlのウィルスでそれぞれ1ml換算にして2.5×109個のウィルスを含んでいる)で、細胞を汚染した。5dpiで培地を清浄化し、14dpiで細胞溶菌液を作った。前項で記述したmRNA分析で、細胞群を処理した。特定遺伝子のmRNAレベルをβ−アクチンレベルで標準化し、ネガティブコントロール型Ad−siRNAの測定レベルと比較した。3種の分析例を図7Bに示した。結果をβ−アクチン発現レベルで標準化し、ネガティブコントロールしたウィルスを感染させたMPCの符号化遺伝子発現レベルと比較した(Y軸:符号化遺伝子の遺伝発現率。100%=ネガティブコントロール化試料に存在する符号化遺伝mRNAレベル)。
【0093】
<内生骨のAP mRNA対胎盤又は腸由来のAP mRNAの発現上昇比較分析>
BAPは、骨組成に関連する物理的に妥当なAPである。測定されたAP活性がBAP発現或いは別のAP遺伝子生成物に基づいて規格向上するかを決定するために、全てのAP遺伝子のmRNAレベルを感染したMPCについて分析した。mRNAレベルは前項で説明されている。その違いはプライマセットにある(表2参照)。即ち、BAP ALPL(ヒトアルカリ性ホスファターゼ(肝臓、骨、腎臓由来))のmRNA発現を検出している。また、他のセットは3種の遺伝子、つまりAP遺伝子(ALPI(腸由来のヒトアルカリ性ホスファターゼ),ALPP(胎盤由来のヒトアルカリ性ホスファターゼ(PLAP))、ALPPL2(擬似胎盤型ヒトアルカリ性ホスファターゼ))である。ALPI、ALPP及びALPPL2はヌクレオチドレベルに近接しており、プライマ対を用いることで拡充できる。
【0094】
始めに、Ad−eGFP及びAd−BMP2で感染させたMPCから分離されたRNAについてプライマ対を有効化した。図9は、Ad−BMP2によるBAP型mRNAの強い発現上昇と、他のAP遺伝子発現の発現上昇性の欠損とを示している。Ad−eGFP(ネガティブコントロール)又は骨ジェニックAd−BMP2を用いて、24枚のウェルプレートにMPCを感染させた。細胞を採取し、他の3種のAP遺伝子(PLAP/IAP)から派生したBAP mRNA又はmRNAを拡充するプライマセットを使用してRNArtRT−PCRに調整した。Ad−BMP2は強くBAP mRNAレベルを上げたが、ほか3種のAP遺伝子のmRNAレベルは上がらなかった。
【0095】
両プライマセットとも、MPCに感染したAd−siRNAから分離したRNA中のAP遺伝子全てのmRNAの測定レベルで使用した。
【0096】
[実施例6]石灰化
骨遺伝子の工程は、数種の連続した事象から成り立つ。骨遺伝子の開始面では、骨アルカリ性ホスファターゼ(BAP)が発現上昇することである。石灰化のような骨遺伝子の後のステージで発生する特別の事象を観測することは重要である。
【0097】
<試験片の準備>
骨遺伝子の工程は、数種の連続した事象から成り立つ。骨遺伝子の開始面の間、骨アルカリ性ホスファターゼ(BAP)は発現上昇する。その後、分化の間、石灰化した骨を形成するために、主成分がコラーゲンIのマトリクスに(ハイドロキシ)アパタイト(リン酸カルシウムの沈殿物)を堆積した。石灰化した骨細胞の試験片(BM片)において、骨髄代替品としてBMP2(再結合物又はアデノウィルス変換による派生物)を用いて石灰化骨芽細胞に試験管スケールで初期型ヒトMPCを注入した。石灰化は、カルシウムに対し高い親和力を示す染料であるアリザリンレッドに間葉系幹細胞(MSC)を着色することで視覚化した(図10参照)。
<スクリーニング及びヒットコーリング>
以下の最適化プロトコルは最初の試験片を同定したAd−siRNA及びAd−cDNAの目標物をスクリーニングすることに使用される。
【0098】
10%のFCSを含んだ2mlのMSC培地中に、1枚当たり100,000個のMPCを6枚用意する。次の日、それらを10%の二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽に1日静置した後、それぞれにAdC15−hCAR(最終MOIが750),AD−siRNA,Ad−cDNA,或いは最終MOIが1250,2500,5000の制御ウィルスを感染させた。そして、10%の二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽に更に6日間以上静置した。2mlの新しいMSC培地にウィルスを移した。22日間の内で、培地を2週間で3回新しくした。他の時間に培地を半分又は完全に新しくした。実験を始めて28日後、条件の整った培地を取り除き、細胞を10%のパラホルムアルデヒドを用いて固定処理し、処理した単層を逆浸透水(pH=4.2)に溶かした1mL、〜1%までのアリザリンレッド水溶液(シグマ社、カタログ番号A5533)で着色した。伝染率を評価したAd−eGFP、強い骨遺伝誘導因子であるAd−BMP2、弱い骨遺伝誘導因子であるAd−H4−2を、それぞれネガティブ及びポジティブコントロール実験で補足した。いずれの実験もAd−H4−2が石灰化を誘発せず、完全にその実験が繰り返された。
【0099】
Ad−shRNAについても同様の石灰化実験を行い、その結果を表6に示した。
【0100】
[実施例7]同定した目標物に対する薬の発見
本発明で使用したポリペプチドで化合物をスクリーニングした。ポリペプチドに対する化合物の親和力は、置き換え実験で決定される。このような置き換え実験は当業者に良く知られており、ポリペプチドの同定法においても共通している。
【0101】
要約すると、本発明で用いたポリペプチドは、標識(放射線標識、蛍光又は他の認識可能な標識)配位子(ligand)と一緒に培養させているが、標識配位子はそのポリペプチドを結合する物として知られ標識のない化合物と更に培養される。
【0102】
ポリペプチドからの標識された配位子の置き換えは、ポリペプチドと関連している標識配位子の量を測定することによって決定される。ペプチドに関連する標識された配位子の量は非標識化合物の親和力の指標となる。
【0103】
ポリペプチドに関連している標識配位子の量は、IC50値を算出する未標識化合物の濃度をプロットして得られる。この値は目標、つまり本発明のポリペプチドに対する未標識化合物の結合親和力を表す。
【0104】
化合物は、IC50がナノグラム分子又はピコグラム分子単位のとき強い接合能となる。IC50が少なくとも10μモル或いは良くてもナノモル又はピコモルの範囲の化合物は、BAP及び/又は骨芽細胞マーカ及び骨芽細胞機能を誘導する効果を決定する試験片のいずれかに適応される。IC50がより低いときの化合物は、一般的に重要性が低い。本発明のポリペプチドは、細胞や細胞断片、或いは生理学的に純粋なタンパク質に依存する。このような調整法は、別の違った試験方法として当業者に公知である。
【0105】
[実施例8]破骨細胞片;同定目標物の反再吸収活性の検査
生命の始めから終わりまで、骨格は常に再生の繰り返しである。骨について重要な作用は分裂した骨髄による再吸収であり、骨芽細胞を鋳型とした骨で再生することである。骨粗鬆症を治療する方法は、分裂仲介している骨の再吸収を増加させることで、破骨細胞と骨芽細胞の間のバランスを最小化することである。
【0106】
破骨細胞は細胞の単一サイト又はマクロファージから広がっていく。生体内では、破骨細胞前駆体の分化は、ストラーマ細胞(MPCs)によって発現された2つの中心因子によって制御されている。即ち、NFκB配位子(RANKL)のレセプタ活性化体と骨プロテゲリン(OPG)とである。RANKLは、破骨細胞の分化を促すMPCの界面に発現された膜の配位子である。OPGは、活性化RANKLを捕捉して破骨細胞の分化を阻害するRANKLに溶解したおとり型レセプタである。MPCによるRANKLとOPGの発現のバランスは破骨細胞の分化のレベルを決定する。
【0107】
MPCが破骨細胞の分化を制御するとき、破骨細胞の分化又は活性における目標Ad−siRNAの同定の効果を知ることが重要である。破骨細胞の分化と活性が減少した目標Ad−siRNAは非常に価値があり、これらは2つの機構によって骨の付加の増加を予測している。即ち、骨芽細胞の分化及び活性の増加と、破骨細胞の活性の低下である。そのことは、論文(スィルナヴカラス(Thirunavukkarasu)ら、2000年「バイオロジカル ケミストリ(Biological Chemistry)」誌275巻25163‐25172ページ;山田ら、2003年「血液学」101巻2227〜2234ページ)に掲載されており、分裂因子の効果は予測可能である。
<破骨細胞分化片>
破骨細胞の分裂因子の効果を2タイプの試験片によって評価する。
【0108】
試験片の最初の準備として、MPCと初期型ヒト分子細胞を共に混合した培地を用意した。破骨細胞遺伝子を手助けするノックダウンウィルスに汚染されたMPC単層の効果を評価する。期待している効果は、次のような効果である。即ち、MPC中におけるAd−siRNA目標遺伝子発現のノックダウンが、例えば10nMの1.25(OH)2vitD3と50nMのM−CSFの混合物が引き起こす物理的な誘引によって稼動された破骨細胞の分化を阻害することである。使用されたモノサイトを、骨髄又は末梢血液から導入することができる。本例では、分子細胞(PBMC)を導入する末梢血液を基盤とした分化実験を説明する。MPC(ベルギー、キャンブレックス/ビオウィッタッカー(Cambrex/Biowhittacker)社、ヴェルヴィエールズ(Verviers))を、10%のFBSを与えたα−MEM培地(GIBCO−LIFE テクノロジー社)中の96枚のウェルプレート(1ウェル当たり1000個の細胞)に注入した。1日後これらを目標Ad−siRNAに感染させた。少なくとも3日後、プレート1枚当たり10000個のPBMCをM‐CSF(アール アンド ディー(R&D)システムズ社、最終濃度50ng/ml)と共に注入した。培地の半分の量を、1週間2回にわたって50ng/mlのM−CSFと10nMの1.25(OH)2vitD3で清浄にした。培養地にPBMCを添加してから14日後に解読を行った。物理的誘引関連混合物による自発的破骨細胞の分化は、多面的な解読によって評価される。ウェル当たりの多核細胞TRAPポジティブ数の微視的評価を、破骨細胞分化のレベルで測定する。「TRAPポジティブ」は、細胞が酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性を持ち合わせていることを意味している。これを評価することは、この共培養が酸ホスファターゼ検出キット(シグマ社製、386−A)によって生体内TRAP着色が説明される。正極細胞は、処理すると紫色になる。代替で解読するときには、熟した破骨細胞のマーカ特異性を以下のようなもので識別する。例えばTRACP5b(酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5bタイプ)、カルシトニンレセプタ(CTR)又はキャセプシンK(CTSK)である。超自然的に共培養した破骨細胞運搬型酒石酸耐性酸性ホスファターゼタンパク質(TRACP5b)の量測定を、市場で価値あるELISA(骨TRAP断片、フィンランド、ツルクのスバ サイエンシズ(Sba sciences)社)で行った。CTR又はCTSKは、以下の一般的なプロトコルの応用に基づく免疫細胞化学によって検知した。培地を動かし、共培養体を4%のパラホルムアルデヒドと0.1%のTritonX−100で4℃、30分間なじませ、ブロッキング緩衝溶液(PBS+1%BSA+0.1%Tween20)で洗浄した後、少なくとも4時間反応させた。ブロッキング緩衝溶液を取り除き、キャセプチンK(発ガン遺伝子IM55L)或いはカルシトニンレセプタを別の緩衝溶液(例えば0.05Mトリス塩酸塩水溶液、pH7.4、1%BSA含有)に溶かしたものに対する初期抗体をウェルに補足した。4℃で一晩中静置した。混合物を取り除く際、細胞をPBSと0.1%Tween20の混合液で洗浄し、第一抗体を同じ緩衝溶液で薄めた第二抗体の共役体であるHRPを単離し、加えた。少なくとも4時間静置の後、PBSと0.1%Tween20の混合液で洗浄し、ルミノール(蛍光信号を与えるHRR用基質。BM化学発光ELISA基質[POD](ルミノール)、ローチェ ダイアグノスティック(Roche Diagnostic)社、カタログ番号1582950)を加えた。5分間の静置後、ルミノメータ(ルミノスカン上昇、ラブシステム(Labsystem)社)で解読を行った。説明した2つの試験片(多核細胞の量の評価と破骨細胞特殊マーカ検知のための免疫化学)は、骨髄分裂前の単核細胞分化の評価が許諾されたものであるが、破骨細胞の骨再吸収活性については認められない。
【0109】
破骨細胞の活性をくぼんだ形の試験片で測定した。この実験の目的は、共培養と細胞の感染を、骨擬似基質が、共培養が実施されるウェルの底部に存在する差異をもって記述されている試験片のために行うことにある。この骨擬似基質は象牙質(例えばカミヤ製薬製)、或いは試験的に得られたそれ相当の物質(炭酸カルシウム被膜、OAAS(商標)、ゲンタウアー(Gentaur)社;バイオコート(商標)、オステオロジック(商標)、ビーディー バイオサイエンス社)である。共培養を、その骨擬似基質で少なくとも14日間行う。細胞を次亜塩素酸ナトリウムで処理し、破骨細胞(再吸収ピット)を再吸収した範囲は微視的に認められる。このことは、象牙質がトルイジンブルーに着色することで判明する。
【0110】
第二の実験は破骨細胞に向かう分化の可能性があるヒットウィルスを伴った破骨細胞前駆体細胞(PBMC又はBMMC)の汚染効果を単一培地で測定することである。この目標のために、モノサイト(PBMC又はBMMC)を、10%の血清と25ng/mlの再生M−CSF(アール アンド ディー システムズ(R&D systems)社)を加えたα−MEM培地中の384枚のウェルプレートに植え付けた。1日後、細胞を目標Ad−siRNAに感染させた。感染4日後、再生RANKLをウェル(25ng/ml、アール アンド ディー システムズ社)に加えた。培地を1週間に2回清浄化した。RANKLを加えて14日後、破骨細胞への分化を第一実験の試験片同様に解読した。この実験は、M−CSF又はRANKLに対する破骨細胞前駆体細胞の応答の必要性をもつ因子の同定法を示すものである。
<PBMC分離>
以下のプロトコルに事前説明済みの患者から得た末梢血液からPBMCを取り出す。血液を無菌状態で50mlのファルコンチューブに注ぎ、25℃10分間で3000回転させた。その緩衝被覆を集め、緩衝被覆と同量のPBSで薄めた。その緩衝被覆を50mlのファルコンチューブにリンパ液(シグマ社)を20ml注いだ。遠心分離(25℃で35分400回転)を行い、リンパ液上の単核細胞の白い層を集めてPBS(25℃で10分間200回転)で2回洗浄し、7mlのPBSで薄めた。この溶液を15mlのファルコンチューブで成る超浸透濾過勾配に7ml注ぎ、25℃、35分間400回転で遠心分離を行った。超浸透濾過勾配は、以下のようにして作成される。即ち、1.5Mの塩化ナトリウム溶液を1として、9倍のパーコール(ファーマシア製、d=1.130g/ml)を混合する。この混合物と1:1になるように、PBS/クエン酸緩衝溶液(リン酸二水素ナトリウム1.49mM,リン酸水素ナトリウム9.15mM,クエン酸ナトリウム13mM,pH7.2)を加える。遠心分離後、単核細胞はこのプローブでは球に形成される。細胞は実験片の中で用い始める。
【0111】
[実施例9]停止目標物のノックダウン効果の分析
siRNAは、近年の発見や機構の理解を介して遺伝子発現のノックダウン効果を使っている。mRNAへのsiRNAの配列の特定アニーリング法が遺伝子特定‘オンターゲット’ノックダウンに対して応答可能であることは、一般的に受け入れられている。しかしながら、siRNAと別のmRNAの間の制限されたミスマッチが、遺伝子発現の‘オフターゲット’を誘発するということは得るものではない。
【0112】
‘オフターゲット’mRNAのノックダウンが破骨細胞効果を観測可能に応答することを排除するために、厳格な尺度を用いて石灰化(実施例6)を誘発する38個のターゲットのために付加的なsiRNAとshRNAを設計した。付加的なshRNAをBAP試験片中で検査した。
【0113】
可能なオフターゲット効果の問題に取り組むために、付加的なsiRNAが元のsiRNAによってターゲットとされたmRNAを完璧に整列させるように設計した。好ましいsiRNAの配列は、別のmRNAを整列させない。しかしながら、siRNAのみのいくつかの事例を、mRNAとオーバーラップさせる設計は可能である。siRNAが‘オフターゲット’mRNA(19merのポジションごとにチェックされた2塩基対の非同一性最大値)の最小値を整理するには、以下の規則が適用される。即ち、噂の‘オフターゲット’mRNAは原型mRNAから同定されたものは、一線を画し、また噂の‘オフターゲット’mRNAは全て原型の目標siRNAから同定されたものは、一線を画す。この規則の例外は、PPIAから設計されたsiRNAについてである。
【0114】
38種の選択された目標遺伝子のそれぞれについては、再構成するアデノウィルスを運ぶために7種の付加的なsiRNAを設計して調整した。全てのsiRNAを同定の証明をしたり、オリゴヌクレオチドの合成をエラーから守ったりするためにクローニング配列した。
【0115】
261種のAd−shRNAを定量的に発生させ、原型38種Ad−shRNAと平行して、2つの独立した実験中の3MOIのBAP試験片中で試験した。
【0116】
設計shRNA(Ad−shRNA)を符号化した再生アデノウィルスを生産し、圧力をかけ、96枚のプレートを分割し、−80℃で保管した。これらのプレートを、次のように初期型BAP試験片として用いた。
【0117】
MPC細胞を1枚当たり500個の細胞が入るようにマルチドロップ384(ラブシステムズ(Labsystems)社)と黒で下部が透明の384枚のウェルプレート(コースタ型又はヌンク型)に、10%の牛の胎児血清(オランダ、プロゲンティックス(Progentix)社)を含んだMSC培地60μlと一緒に注入した。1日後、そのうちの分割したAd−shRNAで成る96枚のプレートと正負極の制御ウィルスを修復し、ウィルス分割はMPCプレートによって変換した。制御プレートにおいて、1μlのウィルスストック(1ml換算で2×109個のウィルスを平均力価とする)を384種のスクリーニング版に移した。制御プレート上で(図3参照)、負極(N1,N2,N3)と正極(P1,P2)の制御ウィルスを散布した。ここで、N1,N2,N3は、おのおのeGFPを目標としたAd−siRNA、マンノース−6−リン酸レセプタ、発光酵素のmRNAを示す。また、P1,P2はおのおのPRKCN(H24−010)を目標としたAd−siRNA、MPP6(H24−011)である。P3はeGFPの過表示をしたAd−eGFPである。
【0118】
Ad−shRNAを12000、4000、1333の3種のMOIにスクリーニングした。Ad−shRNAを96種のプレートに1.5×109/4μlの力価とその1/3,1/9に薄めたものを分割した(図11)。結果が出た3つのプレートにMSCを注入した3×384種のプレートに感染させるために用いた。制御プレートから発生したウィルスをA2とB1の位置に滴下した。
【0119】
次に、ヒトコクサッキーウィルスを発現したアデノウィルスとアデノウィルスレセプタ(hCAR)の混合物5μlを96個のV型プレートから155の最終MOIを持つプレートに移し変えた。
【0120】
そのプレートを、10%二酸化炭素を充填した37℃の恒温槽で4日間静置した。4日後、アデノウィルスを含んだ培地を、新鮮な無菌の10%FCSを含むMSC培地60μlに移した。それから9日後、培地を取り除き、4−メチルウンベリフェリルリン酸(シグマ社、カタログ番号.M3168)15μlをおのおののウェルにいれ、AP活性によって自由になった4−メチルウンベリフェロンの蛍光を蛍光度計(極大波長360nm、発光波長440nm)で37℃15分間静置して測定した。
【0121】
全てのAd−shRNAウィルスを、2つの独立したスクリーンに3種のMOIに重複させてスクリーニングした。しきい値は全てのネガティブコントロールがスクリーニング球(‘global’全体的な分析)、或いはスクリーニングプレート(‘local’局所的な分析)のいずれかを用いてヒット衝動で計算した。しきい値はネガティブコントロールの標準偏差の3倍平均値よりも高い値のBAPシグナルに設定した。このバッチにおけるおのおののウィルスの2点は依存されずに分析された。ヒットはAd−shRNAがしきい値より上の2スクリーンの1つに少なくとも1つのMOIが重複してプレートならば選択される(表3参照)。
【0122】
61種のsiRNAの標識した32中心を同定したデータの全体的な分析と、84種のsiRNAの標識した35中心を同定したデータの局所的な分析である。38種の選択した遺伝子の正体をBAP試験片に打ち込んだsiRNAの最終数と共に表1に示す。表1ではその数が原型の38種のsiRNAを含んだBAP試験片を点数付けした全てのsiRNAを示している。全体的又は局所的な分析の基盤となっているのは、2.61と3.21の構成物の平均値が38種の有効化目標物おのおのに最終的に同定される。
【0123】
全ての38種の原型siRNAは全体的と局所的の両方の分析を基盤としてBAP試験片を点数付ける。
【0124】
結果として、38種の選択されたターゲットを目標化した付加的Ad−shRNAを設計し組み立てた。制御版で考慮中のネガティブコントロールをヒット衝動のカットオフで決定するのにプレート(局所的)とバッチしたプレート(全体的)を用いた。
【0125】
全体的な分析は、38種の認証ターゲットの32種のBAP試験片の正極にスコアした61種のウィルスが導き出された。局所的な分析は、38種の認証ターゲットの35種のBAP試験片の正極にスコアした84種のウィルスが導き出された。38種の原型Ad−shRNAウィルスの全てをBAP試験片で順番つけたのは、全体的又は局所的な分析法を用いたときである。ターゲットLOC160662とPPIAとSLC39A4は局所的な分析のみで同定される。
【0126】
【表1】
表1の左側の列は遺伝子特有のプライマを示す。2番目はそのプライマがセンス(Forと示す)型かアンチセンス(Revと示す)型かを示している。3列目はプライマの核酸塩基配列である。
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
【表4】
【0130】
【表5】
【0131】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】膜内部と軟骨内部の骨化を示す図である。
【図2】骨芽細胞の分化試験の原理を示す図である。
【図3】96種のノックダウン制御プレートのレイアウト図である。
【図4】384種の制御プレートのレイアウト図である。
【図5】AP試験中のノックダウン制御プレートの挙動を示す図である。
【図6】静的スクリーニングの列データを示すプロット図である。
【図7】MPCの目標表示の輪郭(A)とAd−siRNAによる遺伝子表示の分解(B)を示す図である。
【図8】初期型ヒト骨芽細胞の目標表示の輪郭を示す図である。
【図9】BAP−mRNA対PLAP又はIAP−mRNAの発現上昇の解析図である。
【図10】石灰化試験の結果を示す図である。
【図11】3種のMOIにおけるAd−shRNAをスクリーニングするための滴下試験を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表4にリストしたポリペプチド群のいずれか、及び/又は前記ポリペプチド群の断片及び/又は誘導体の阻害剤を持った未分化細胞を接触させることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項2】
分子が、前記ポリペプチドを符号化したポリリボヌクレオチドの表示又は変換を抑制する表示又は変換阻害剤である請求項1に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項3】
前記阻害剤が、前記ポリペプチドを符号化したポリリボヌクレオチドの表示又は変換を抑制する表示又は変換阻害剤を示す核酸である請求項1に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項4】
前記核酸がベクターに誘導されるようになっている請求項3に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項5】
前記ベクターは、アデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス、センダイウィルスベクターのいずれかである請求項4に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項6】
前記阻害剤が、アンチセンス型RNA、ポリリボヌクレオチドから派生したリボチーム、アンチセンス型オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)及び小妨害型RNA(siRNA)で成るグループから選択され、ポリリボヌクレオチドや前記小妨害型RNA(siRNA)は前記ポリペプチドの生成を引き起こすポリリボヌクレオチドを抑制することができるものであり、前記ポリリボヌクレオチドの一部と同族である請求項1乃至5のいずれかに記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項7】
前記阻害剤がsuRNAであり、表4でリストアップされた目標遺伝子から選択されたヌクレオチド配列に対して同族の17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第1のヌクレオチド配列と、前記第1のヌクレオチド配列に対称な17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第2のヌクレオチド配列とで成っている請求項6に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項8】
前記阻害剤がsiRNAであり、表4及び表5中のID番号1〜120番及び247〜333番によって特定されるヌクレオチド配列から選択された17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第1のヌクレオチド配列と、前記第1のヌクレオチド配列に対称な17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第2のヌクレオチド配列とで成っている請求項6に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項9】
前記siRNAが前記第1及び第2のヌクレオチド配列と接合している第3のヌクレオチド配列を更に含み、前記siRNAの中ではステムループ構造が形成されている請求項7又は8に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項10】
前記第3のヌクレオチド配列はID番号334番のヌクレオチド配列で定義されるヌクレオチド配列で成っている請求項9に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項11】
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子のいくつかによって、符号化されたポリペプチドを持つ1又は2以上の化合物、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を接合する工程と、
(b)前記ポリペプチドに対する前記化合物の結合親和力を決定する工程と、
(c)少なくとも10μモル濃度中での結合親和力が示された化合物と未分化された哺乳類の細胞の固体群を接合する工程と、
(d)未分化哺乳類の細胞の分化を誘導する化合物を同定する工程と、
で成ることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の同定方法。
【請求項12】
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子のいくつかによって、符号化されたポリペプチドを発現する未分化哺乳類の細胞の集団及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を培養する工程と、
(b)前記化合物群の化合物又は混合物に対して前記細胞集団を曝す工程と、
(c)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物又は混合物を選択する工程と、
で成ることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物又は混合物の同定方法。
【請求項13】
前記化合物群は低分子化合物、ペプチド、脂質、天然物及び生理活性物質のグループから選択された化合物群である請求項11又は12に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の同定方法。
【請求項14】
表4中にリストアップされている目的遺伝子のいくつかから選択されたヌクレオチド配列に同族の17〜23個のヌクレオチド群の配列、及びその変体及び/又は逆配列で成ることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項15】
表4及び5のID番号1〜220番及び247〜333番の配列によって同定されるヌクレオチド配列群から選択されたヌクレオチド配列を有している請求項14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
表4及び5のID番号1〜220番及び247〜333番の配列によって同定されるヌクレオチド配列群から選択されたヌクレオチド配列の逆成分を有している請求項14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項17】
薬剤として用いられる請求項14乃至16のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
平均骨密度の全身的又は局所的低下を含む病気の処置のための薬剤の製造における請求項14乃至16のいずれかに記載のポリヌクレオチドの使用。
【請求項19】
請求項14乃至17のいずれかに記載のポリペプチドで成るベクター。
【請求項20】
薬剤として用いられる請求項19に記載のベクター。
【請求項21】
前記ベクターはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス又はセンダイウィルスベクターである請求項19又は20に記載のベクター。
【請求項22】
平均骨密度の全身的又は局所的低下を含む病気の処置のための薬剤の製造における請求項19乃至21のいずれかに記載のベクターの使用。
【請求項23】
(a)細胞基質を形成するために基質上に未分化哺乳類の細胞を付与する工程と、
(b)連続的な骨のマトリックスを形成するために未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化するとき、請求項14乃至17のいずれかに記載のポリヌクレオチド又は前記のベクターを誘導する工程と、
で成ることを特徴とする試験管内で骨組織を生成する方法。
【請求項24】
(a)被験者から採取した生理学的サンプル中で、表4にリストアップされた目標遺伝子によって符号化されたポリヌクレオチドの表示程度を決定する工程と、
(b)健康体の被験者から採取したサンプル中のポリヌクレオチド群の表示程度を前記表示程度と比較する工程と、
で成り、
前記健康体の被験者のサンプルと比較される被験者のサンプルにおけるポリヌクレオチドの量の増加が、感じやすい状態を示していることを特徴とする平均骨密度の全身的又は局所的減少又は被験者の状態に対する感受性を含む病理状態を診断する方法。
【請求項25】
(a)被験者から採取した生理学的サンプル中で、表4にリストアップされた目標遺伝子によって符号化されたポリペプチドの量を決定する工程と、
(b)健康体の被験者から採取したサンプル中のポリペプチド群の量を前記量と比較する工程と、
で成り、
前記健康体の被験者のサンプルと比較される被験者のサンプルにおけるポリペプチドの量の増加が、感じやすい状態を示していることを特徴とする平均骨密度の全身的又は局所的減少又は被験者の状態に対する感受性を含む病理状態を診断する方法。
【請求項1】
表4にリストしたポリペプチド群のいずれか、及び/又は前記ポリペプチド群の断片及び/又は誘導体の阻害剤を持った未分化細胞を接触させることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項2】
分子が、前記ポリペプチドを符号化したポリリボヌクレオチドの表示又は変換を抑制する表示又は変換阻害剤である請求項1に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項3】
前記阻害剤が、前記ポリペプチドを符号化したポリリボヌクレオチドの表示又は変換を抑制する表示又は変換阻害剤を示す核酸である請求項1に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項4】
前記核酸がベクターに誘導されるようになっている請求項3に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項5】
前記ベクターは、アデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス、センダイウィルスベクターのいずれかである請求項4に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項6】
前記阻害剤が、アンチセンス型RNA、ポリリボヌクレオチドから派生したリボチーム、アンチセンス型オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)及び小妨害型RNA(siRNA)で成るグループから選択され、ポリリボヌクレオチドや前記小妨害型RNA(siRNA)は前記ポリペプチドの生成を引き起こすポリリボヌクレオチドを抑制することができるものであり、前記ポリリボヌクレオチドの一部と同族である請求項1乃至5のいずれかに記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項7】
前記阻害剤がsuRNAであり、表4でリストアップされた目標遺伝子から選択されたヌクレオチド配列に対して同族の17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第1のヌクレオチド配列と、前記第1のヌクレオチド配列に対称な17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第2のヌクレオチド配列とで成っている請求項6に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項8】
前記阻害剤がsiRNAであり、表4及び表5中のID番号1〜120番及び247〜333番によって特定されるヌクレオチド配列から選択された17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第1のヌクレオチド配列と、前記第1のヌクレオチド配列に対称な17〜23個の配列を持つヌクレオチド群の第2のヌクレオチド配列とで成っている請求項6に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項9】
前記siRNAが前記第1及び第2のヌクレオチド配列と接合している第3のヌクレオチド配列を更に含み、前記siRNAの中ではステムループ構造が形成されている請求項7又は8に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項10】
前記第3のヌクレオチド配列はID番号334番のヌクレオチド配列で定義されるヌクレオチド配列で成っている請求項9に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導する方法。
【請求項11】
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子のいくつかによって、符号化されたポリペプチドを持つ1又は2以上の化合物、及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を接合する工程と、
(b)前記ポリペプチドに対する前記化合物の結合親和力を決定する工程と、
(c)少なくとも10μモル濃度中での結合親和力が示された化合物と未分化された哺乳類の細胞の固体群を接合する工程と、
(d)未分化哺乳類の細胞の分化を誘導する化合物を同定する工程と、
で成ることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の同定方法。
【請求項12】
(a)表4にリストアップされ、表4にリストアップされた遺伝子のいくつかによって、符号化されたポリペプチドを発現する未分化哺乳類の細胞の集団及び/又は前記ポリペプチドの断片及び/又は誘導体を培養する工程と、
(b)前記化合物群の化合物又は混合物に対して前記細胞集団を曝す工程と、
(c)未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物又は混合物を選択する工程と、
で成ることを特徴とする未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物又は混合物の同定方法。
【請求項13】
前記化合物群は低分子化合物、ペプチド、脂質、天然物及び生理活性物質のグループから選択された化合物群である請求項11又は12に記載の未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化して誘導した化合物の同定方法。
【請求項14】
表4中にリストアップされている目的遺伝子のいくつかから選択されたヌクレオチド配列に同族の17〜23個のヌクレオチド群の配列、及びその変体及び/又は逆配列で成ることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項15】
表4及び5のID番号1〜220番及び247〜333番の配列によって同定されるヌクレオチド配列群から選択されたヌクレオチド配列を有している請求項14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項16】
表4及び5のID番号1〜220番及び247〜333番の配列によって同定されるヌクレオチド配列群から選択されたヌクレオチド配列の逆成分を有している請求項14に記載のポリヌクレオチド。
【請求項17】
薬剤として用いられる請求項14乃至16のいずれかに記載のポリヌクレオチド。
【請求項18】
平均骨密度の全身的又は局所的低下を含む病気の処置のための薬剤の製造における請求項14乃至16のいずれかに記載のポリヌクレオチドの使用。
【請求項19】
請求項14乃至17のいずれかに記載のポリペプチドで成るベクター。
【請求項20】
薬剤として用いられる請求項19に記載のベクター。
【請求項21】
前記ベクターはアデノウィルス、レトロウィルス、アデノアソシエイトウィルス、レンチウィルス又はセンダイウィルスベクターである請求項19又は20に記載のベクター。
【請求項22】
平均骨密度の全身的又は局所的低下を含む病気の処置のための薬剤の製造における請求項19乃至21のいずれかに記載のベクターの使用。
【請求項23】
(a)細胞基質を形成するために基質上に未分化哺乳類の細胞を付与する工程と、
(b)連続的な骨のマトリックスを形成するために未分化哺乳類の細胞を骨芽細胞に分化するとき、請求項14乃至17のいずれかに記載のポリヌクレオチド又は前記のベクターを誘導する工程と、
で成ることを特徴とする試験管内で骨組織を生成する方法。
【請求項24】
(a)被験者から採取した生理学的サンプル中で、表4にリストアップされた目標遺伝子によって符号化されたポリヌクレオチドの表示程度を決定する工程と、
(b)健康体の被験者から採取したサンプル中のポリヌクレオチド群の表示程度を前記表示程度と比較する工程と、
で成り、
前記健康体の被験者のサンプルと比較される被験者のサンプルにおけるポリヌクレオチドの量の増加が、感じやすい状態を示していることを特徴とする平均骨密度の全身的又は局所的減少又は被験者の状態に対する感受性を含む病理状態を診断する方法。
【請求項25】
(a)被験者から採取した生理学的サンプル中で、表4にリストアップされた目標遺伝子によって符号化されたポリペプチドの量を決定する工程と、
(b)健康体の被験者から採取したサンプル中のポリペプチド群の量を前記量と比較する工程と、
で成り、
前記健康体の被験者のサンプルと比較される被験者のサンプルにおけるポリペプチドの量の増加が、感じやすい状態を示していることを特徴とする平均骨密度の全身的又は局所的減少又は被験者の状態に対する感受性を含む病理状態を診断する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−516714(P2007−516714A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546129(P2006−546129)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014885
【国際公開番号】WO2005/063976
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504064364)ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (27)
【氏名又は名称原語表記】Galapagos N.V.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014885
【国際公開番号】WO2005/063976
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(504064364)ガラパゴス・ナムローゼ・フェンノートシャップ (27)
【氏名又は名称原語表記】Galapagos N.V.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]