説明

末端装填型電池ケース

第1および第2二重接点集成体を含む電池ケースを提供する。第1二重接点集成体は、電池ケースの本体部上に配置されており、第2二重接点集成体は、電池ケースの分離可能部上に配置されている。各二重接点集成体は、正接点および負接点を含み、これらの接点は、それぞれ、電池の正接点および負接点に接触するように構成されている。電池ケースの分離可能部は、本体部との結合状態に入るように、そして結合状態から解除するように移動可能である。結合状態にあるとき、二重接点集成体は、離間して保持され、これらの二重接点集成体が電池の反対側の端部を保持する収容部の範囲を定める。また、分離可能部分を移動させて結合状態にすると、二重接点集成体の各々の正接点間、および負接点間に電気的導通が生じる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 電子デバイスに電力を供給するには、電池を使用するのが一般的である。通例、電池は、電気回路を適正に完成させるために特定の向きで、電池動作型デバイスの内部に配置される。例えば、電池の中には、正端子をその電池の一端に有し、負端子をその電池の他端に有するものがあり、これらの電池端子がデバイスのしかるべき接点と係合するように、デバイス内部において電池を適正な向きに配置しなければならない。デバイス内において電池の向きが正しくないと、不完全な回路となって電池動作型デバイスが使用不能になるだけでなく、デバイスの電子部品に、取り返しのつかない損傷を起こす原因にもなり得る。
【発明の概要】
【0002】
[0002] したがって、本明細書では、電池動作型デバイスの中に組み込むことができる電池ケース(battery carriage)を提供する。この電池ケースは、第1および第2の二重接点集成体を含み、これらの集成体の各々が、電池の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池の負端子に接触するように構成されている負接点とを有する。二重接点集成体の正および負接点によって、電池が電池ケース内でどのように配置されるかには関係なく、電池ケースおよび電池動作型デバイスへの電池の適正な電気的接続が確保される。更に、電池ケースは、第1二重接点集成体が取り付けられる本体部と、第2二重接点集成体が取り付けられる分離可能部とを含む。分離可能部は、本体部との結合状態となるように、そして結合状態から解除されるように、選択的に移動可能となっている。結合状態では、第1二重接点集成体および第2二重接点集成体は、収容部の範囲を定めるように、離間された関係で保持され、第1二重接点集成体および第2二重接点集成体が電池を受け入れ、その反対側の端部を保持するように動作可能となる。分離可能部を結合状態に移動させると、二重接点集成体のそれぞれの正接点と、二重接点集成体のそれぞれの負接点との間に、電気的導通が生じる。
【0003】
[0003] この摘要は、詳細な説明において以下で更に説明する概念から選択したものを、簡略化した形態で紹介するために設けられている。この摘要は、特許請求する主題の主要な特徴や必須の特徴を特定することを意図するのではなく、特許請求する主題の範囲を限定するために用いられることを意図するのでもない。更に、特許請求する主題は、本開示のいずれの部分に記されている実施形態の内いずれかの欠点を解決するものにも、また全ての欠点を解決するものにも限定されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、分離状態における電池ケースの一実施形態のブロック図を示す。
【図2】図2は、結合状態における図1の電池ケースのブロック図を示す。
【図3】図3は、電池の正端子と接触している二重接点集成体の一実施形態を模式的に示す。
【図4】図4は、電池の負端子と接触している図3の二重接点集成体を模式的に示す。
【図5】図5は、電池の末端装填を可能にする電池動作型デバイスの一実施形態を模式的に示す。
【図6】図6は、分離状態における電池の電池室開閉部を示す、図5のデバイスの一部断面分解図である。
【図7】図7は、結合状態における電池室開閉部を示す、図6と同様の図である。
【図8】図8は、電池室の他の実施形態を模式的に示す。
【図9】図9は、電池室の更に他の実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0013] 本開示は、末端装填型電池を収容するように構成されている電池ケース(battery carriage)に関する。ある種の側面装填(side-loading)の実施態様とは異なり、本明細書において記載する末端装填型電池ケースは、当該電池ケースの一部が、デバイスの電池開閉部のような、デバイスの分離可能な部分に取り付けられる。更に、この分離可能な部分を適所に結合すると、記載された位置に電池を保持すること、および/または適切な電気的接続を形成することができる。例えば、デバイスは、電池を末端から装填する電池室を有することができ、蝶番型開閉部または取り外し可能な開閉部がデバイス上に置かれたときに、電池と電子回路の残りの部分との電気的接続が完成する。このような電池ケースを利用するデバイスには、懐中電灯、ワイヤレス・コンピューター・マウス、ディジタル・カメラ、ゲーミング・コントローラー、リモコン等を含むことができる。
【0006】
[0014] これまでの解決策における電池室では、ユーザーが電池を特定の向きで挿入しなければならず、正端子および負端子を、デバイス上にある対応する極性特定接点(即ち、正および負)と適正に位置合わせするように注意しなければならなかった。このような以前の解決策には、適正な電池の向きを示す図または説明書が添付されるのが通例であるが、照明が暗い場所のように、視界が遮られる状態や、一部の年配のユーザーにあり得るように、このような説明書を読むことが困難な場合もあり得る。加えて、子供がこのような説明書通りに作業することも難しい場合もあり得る。更に、電池が直ぐになくなってしまうデバイスにおいて電池を交換する毎にこのような図にしたがって作業するのは、不必要に時間を消費することもあり、このような電池交換がユーザーにとって苛々の元になり得る。前述のように、このような以前の解決策において電池を正しい向きに装填しないと、電気回路が不完全になるだけでなく、デバイスの他の電子部品を損傷する虞れもあり得る。このため、本開示の電池ケースは、いずれの向きでも電池を受け入れるように構成されている二重接点集成体を含む。これについては、以下で更に詳しく説明する。
【0007】
[0015] 図1および図2は、電池ケース100の一実施形態を示す。電池ケース100は、第1二重接点集成体104を取り付けることができる本体部102と、第2二重接点集成体108を取り付けることができる分離可能部106とを備えている。図1は、電池ケース100の分離状態を示し、一方図2は電池ケース100の結合状態を示す。更に具体的には、分離可能部106は、本体部102との結合状態に入るように、そして結合状態を解除するように、選択的に移動可能になっているとよい。分離可能部106を移動させて結合状態にすると、第1二重接点集成体104と第2二重接点集成体108との間に電気的導通が生じる。実施形態の中には、この電気的導通を生じさせるために、電気カプラーを用いるとよい場合もある。このようなカプラーーは、第1結合部110と第2結合部112とを含むことができる。これについては、以下で更に詳しく説明する。
【0008】
[0016] 図1に戻って、本体部102は、電池動作型デバイス114の上に配置することができる。このような電池動作型デバイスの非限定的な例には、懐中電灯、ワイヤレス・コンピューター・マウス、ディジタル・カメラ、ゲーミング・コントローラー、リモコン等が含まれる。例の中には、分離可能部106が、電池動作型デバイス114の電池室開閉部であってもよい場合もある。このような分離可能部106(例えば、電池動作型デバイスの電池室開閉部)は、電池動作型デバイス114の本体部102から完全に取り外し可能にしてもよい。あるいは、分離可能部106は、電池動作型デバイス114の本体部102に、移動可能に接続されてもよい。このような移動可能な接続の非限定的な例には、蝶番、留め金、誘導装置等が含まれる。
【0009】
[0017] 第1二重接点集成体104は、電池の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む。同様に、第2二重接点集成体108も、電池の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む。したがって、電池が正端子および負端子を当該電池の反対側に有する場合、2つの可能な向きのいずれでも、この電池を第1二重接点集成体104と第2二重接点集成体108との間に配することができる。言い換えると、電池の正端子が第1二重接点集成体104の正接点に接触し、電池の負端子が第2二重接点集成体108の負接点に接触する第1配向で、電池を位置付けることができる(図1では正の電池端子は下向きになっている)。あるいは、電池の負端子が第1二重接点集成体104の負接点と接触し、電池の正端子が第2二重接点集成体108の正接点に接触する別の配向で、電池を位置付けることもできる(図1では、正の電池端子が上向きになっている)。このように、電池ケース100は、いずれの向きで電池を収容しても、なおもデバイスに対する適切な電気的接続を維持/形成するように構成することができる。
【0010】
[0018] 一例として、図3は、このような二重接点集成体の一実施形態を示す。即ち、二重接点集成体300は、正接点302と負接点304と含む。更に、二重接点集成体300は、正接点302と負接点304との間における電気的導通を防止するために、電気絶縁体306を含む。図示のように、正接点302は窪んでおり、電池310の突出した正端子308に接触するように構成されている。図4は、二重接点集成体300に関する電池310の代わりの向きを示す。図示のように、負接点304は窪んでおらず、電池310の実質的に平坦な負端子312に接触するように構成されている。したがって、電池がどのように向けられているかには関係なく、適正な端子の接触が生じる。
【0011】
[0019] 図1および図2に戻り、第1二重接点集成体104は、電池動作型デバイス114の正回路接続部116に電気的に結合されており、更に電池動作型デバイス114の負回路接続部118に電気的に結合されている。更に具体的には、第1二重接点集成体104の正接点は、正回路接続部116に電気的に結合されており、第1二重接点集成体104の負接点は、負回路接続部118に電気的に結合されている。したがって、電池ケース100の中に電池を入れれば、電池動作型デバイス114に給電するために用いることができる。
【0012】
[0020] 前述のように、図1は、本体部102との結合状態にないときの分離可能部106を示す。一方、図2は、本体部102との結合状態にあるときの分離可能部106を示す。結合状態では、第1二重接点集成体104および第2二重接点集成体108は、収容部の範囲を定めるように、離間された関係で保持されており、第1二重接点集成体104および第2二重接点集成体108は、電池120を収容しその反対側にある端部を保持するように動作可能となる。
【0013】
[0021] 更に、前述のように、分離可能部106を移動させて本体部102との結合状態にすることによって、第1二重接点集成体104および第2二重接点集成体108間に、電気的導通が生じる。更に具体的には、この結合状態では、第1二重接点集成体104の正接点と第2二重接点集成体108の正接点との間に電気的導通が生じ、更に第1二重接点集成体104の負接点と第2二重接点集成体108の負接点との間にも電気的導通が生じる。あるいは、これら2つの部分を結合および切断することによって、二重接点集成体108間の正接続(または負接続)の接続および遮断(interruption)のみが生ずるようにしてもよい。
【0014】
[0022] 前述のように、実施形態の中には、電気的導通を生じさせるために、電気カプラーを用いるとよい場合もある。このようなカプラーーは、第1結合部110と第2結合部112とを含むことができる。第1結合部110は、第1二重接点集成体104の正接点に電気的に結合されている正接点と、第1二重接点集成体104の負接点に電気的に結合されている負接点とを含む。同様に、第2結合部112は、第2二重接点集成体108の正接点に電気的に結合されている正接点と、第2二重接点集成体108の負接点に電気的に結合されていされている負接点とを含む。したがって、結合状態では、第1結合部110の正接点は、第2結合部112の正接点に電気的に結合され、第1結合部110の負接点は、第2結合部112の負接点に電気的に結合されている。
【0015】
[0023] 第1結合部110および第2結合部112は、適した電気結合部品であればいずれでも含むことができる。例えば、実施形態の中には、第2結合部112が、前述のように、正接点と負接点とを含むとよい場合がある。すると、第1結合部110は、ばね荷重コネクター・ピン(例えば、ポゴ・ピン(pogo pin))を含み、このばね荷重コネクター・ピンが物理的に第2結合部112の正接点に接触したときに、第2結合部112の正接点に電気的に結合するように構成することができる。したがって、第1結合部110は、更に、他のばね荷重コネクター・ピンも含み、このばね荷重コネクター・ピンが第2結合部112の負接点に物理的に接触したときに、第2結合部112の負接点に電気的に結合するように構成することができる。このような電気カプラーを利用することにより、分離状態では、分離可能部106を本体部102から部分的にまたは完全に取り外すことが可能になり、そして結合状態にあるときには電気的導通を生じさせることが可能になる。
【0016】
[0024] 実施形態の中には、電池ケース100を、1つよりも多い末端装填型電池を収容するように構成することができる場合もある。このような実施形態では、第1二重接点集成体104および第2二重接点集成体108が、第1電池を収容するための二重接点集成体対の形状を定め、更に電池ケース100は、1つ又は複数の追加の電池を収容するために、1つ又は複数の追加の二重接点集成体対を備えることができる。このような実施形態については、図8および図9を参照しながら更に詳しく説明する。
【0017】
[0025] 図5は、電池動作型デバイス500の一実施形態を模式的に示す。図示のように、電池動作型デバイス500は、ワイヤレス・コンピューター・マウスであり、電池室502(例えば、電池ケース)を図示するために、電池室開閉部(図5には示されていない)が取り除かれている。電池室502は、末端装填型動作によって電池504を収容するように構成することができ、電池は長手方向にデバイスに挿入される。
【0018】
[0026] 図6は、電池動作型デバイス500の電池室502の別の図を模式的に示す。図6の見方では、電池動作型デバイス500が図5に対して180度回転させられており、電池室402の構成部品が見えるようにするために、外側の外装が取り除かれている。図示のように、筐体内部には電池室502の範囲が定められている。この筐体は、電池室502への電池504の末端装填型を可能にするように構成されている。
【0019】
[0027] 電池動作型デバイス500は、更に、筐体の第1対向端507に配置されている第1二重接点集成体506を含む。前述のように、第1二重接点集成体506は、電池504の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池504の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む。図5および図6に示すように、電池504は、電池504の負端子508が第1二重接点集成体506に接触するように向けられている。しかしながら、代わりに、電池504を逆向きにして、電池504の正端子510が第1二重接点集成体506に接触することも可能である。
【0020】
[0028] 更に、電池動作型デバイス500は、電池室開閉部514上に配置されている第2二重接点集成体512も含む。第2二重接点集成体512は、更に、電池504の正端子に接触するように構成されている正接点516と、電池504の負端子に接触するように構成されている負接点518とを含む。前述のように、図5および図6は、結合状態にあるときに、電池504の正端子510が第2二重接点集成体512の正接点516に接触するように向けられた電池504を示す。しかしながら、代わりに、電池504を逆向きにして、電池504の負端子508が第2二重接点集成体512の負接点518に接触することもできることは言うまでもない。
【0021】
[0029] 電池室開閉部514は、筐体の第2対向端519との結合状態に入るように、そして結合状態を解除するように、選択的に移動可能である。図6に示すように、電池室開閉部514は結合状態にはない。
【0022】
[0030] 一例として、図7は、筐体の第2対向端519との結合状態にある電池室開閉部514を示す。結合状態では、第1二重接点集成体506および第2二重接点集成体512は、電池504を収容しその反対側の端部を保持するように、離間関係に保持されている。更に、電池室開閉部514を移動させて結合状態にすると、第1二重接点集成体506の正接点と第2二重接点集成体512の正接点516との間に、電気的導通が生じる。更に、電池室開閉部514を移動させて結合状態にすると、第1二重接点集成体506の負接点と、第2二重接点集成体512の負接点518との間に電気的導通が生じる。
【0023】
[0031] 更に、電気カプラー520によって電気的導通を生じさせることもできる。電気カプラー520は、第1二重接点集成体506に電気的に結合されている第1結合部522と、第2二重接点集成体512に電気的に結合されていされている第2結合部524とを含むことができる。一例として、第1結合部522は、第1二重接点集成体506の正接点に電気的に結合されているばね荷重コネクター・ピン526と、第1二重接点集成体506の負接点に電気的に結合されているばね荷重コネクター・ピン528とを含むことができる。第2結合部524は、第2二重接点集成体512の正接点516に電気的に結合されていされている正接点530と、第2二重接点集成体512の負接点518に電気的に結合されている負接点532とを含むことができる。このため、結合状態では、ばね荷重コネクター・ピン526は正接点530に接触し、ばね荷重コネクター・ピン528は負接点532に接触する。
【0024】
[0032] 前述のように、電池室は、1つよりも多い電池を収容するように構成することもできる。このような場合、電池室は、1つよりも多い二重接点集成体対を含み、各対が、第1二重接点集成体および第2二重接点集成体を含み、各二重接点集成体対が、2つの潜在的に可能な向きのいずれでも、電池を収容するように構成されている。
【0025】
[0033] 図8は、4つの末端装填型電池、即ち、電池802、電池804、電池806、および電池808を収容するように構成されている電池室800の一例を示す。しかしながら、これは、このような電池室の一例に過ぎないこと、そして本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において論じられているような電池を複数個収容するように構成された電池室を、他の構成で、これらの電池を収容するように構成することもできることは言うまでもない。
【0026】
[0034] 前述のように、これまでの解決策では、電池室は、各電池を特定の向きで収容するように構成されていた。しかしながら、電池ケース100および電池室502を参照しながら先に説明したように、電池室800は、各電池をいずれの向きであっても収容することができる。即ち、電池室800の対向端810に正端子がきても、対向端810に負端子がきてもよい。図示のように、電池802および電池806は、前者の向き(正の電池端子が上を向いている)になっており、電池804および電池808は、後者の向き(正の電池端子が下を向いている)になっている。しかしながら、これは、各電池を収容する二重接点集成体が、前述のように、電池をいずれの向きででも収容するように構成されているので、各電池はいずれの向きで装填してもよいことを、単に例示の目的で示すに過ぎない。
【0027】
[0035] 4つの二重接点集成体対の各々では、第1二重接点集成体(図示せず)が、デバイス814内部に配置されている電池室800の対向端812に位置付けられている。したがって、4つの二重接点集成体対の各々の第2二重接点集成体は、デバイス814の電池室開閉部816に位置付けられている。一例として、第2二重接点集成体820は、電池808を収容するように構成されている二重接点集成体対に対して示されている。
【0028】
[0036] 各第1二重接点集成体は、電池の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む。これらの正接点の各々は、デバイス814において正回路接続部に電気的に接続されており、これらの負接点の各々は、デバイス814において負回路接続部に電気的に接続されている。更に、各第1二重接点集成体は、第1結合部822に電気的に接続されている。
【0029】
[0037] 各第2二重接点集成体は、電池の正端子に接触するように構成されている正接点と、電池の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む。一例として、第2二重接点集成体820は、正接点824と負接点826とを含む。各第2二重接点集成体は、第2結合部828に電気的に接続されている。電池室開閉部816が、デバイス814の本体部に関して結合状態にあるとき、各二重接点集成体対の第1二重接点が、第1結合部822の第2結合部828との接触を通じて、その二重接点集成体対の第2二重接点に電気的に接続されるようになる。実施形態の中には、第1二重接点集成体または第2二重接点集成体のような二重接点集成体が、電池との連続接合面を確保するために、ばね構造を含むとよい場合もある。更に、実施形態の中には、二重接点集成体が、正接点と負接点との間に分離壁を含み、電池が同時に双方の接点に触れるのを防止するようにするとよい場合もある。
【0030】
[0038] 図8に示したような多重電池構成では、二重接点集成体対を種々の方法で電気的に結合することができる。例の中には、二重接点集成体対を互いに配線して、電池の直列接続を形成することができる場合もある。他の例の中には、並列アーキテクチャを形成するように、二重接点集成体対を配線することもできる。いずれの場合でも、電池室800の対向端812においてプリント回路ボードまたは同様のメカニズムの使用によって配線接続が望まれる場合、この配線接続を形成することができる。並列構造の場合、配線接続に何らかの簡素化を行うことが可能な場合もある。例えば、電池室開閉部816の上にある二重接点集成体の正端子の全てを互いに配線することができ、負端子の全てを互いに配線することができる。その結果、この並列回路構造は、第1結合部822および第2結合部828の相互作用を通じて結合される1本の正ワイヤおよび1本の負ワイヤのみを有することによって形成することができる。逆に、直列回路構成では、N本の正結合ワイヤおよびN本の負結合ワイヤが、N個の電池の構成には必要となると考えられる。更に、並列回路配線および直列回路配線の前述の例は、直列回路および並列回路の組み合わせを有する回路構造というように、他の配線構成も形成することができるということから、非限定的である。
【0031】
[0039] 図9は、複数の電池を収容するように構成されている別の電池ケース、即ち、電池ケース900を示す。電池ケース900は、筐体内部に形状が定められている電池室を含む。この筐体は、複数の電池の長手方向への挿入を可能にするように構成されており、複数の電池が電池室内に挿入されると、端同士が接続する積層体(end-to-end stack)の形状が定められる。図9は、2つの電池(即ち、電池922および電池924)が連続的に電池ケース900に挿入されるときの、時系列t、t等、tまでを示す。その結果、2つの電池から成る積層体が電池ケース内に装填されることになる。図示および説明の簡略化のために2つの電池が示されているが、このようなケースは、3つ以上の電池を有する積層体を収容するように製作できることは、認められてしかるべきである。
【0032】
[0040] 時点tにおいて示すように、積層体の内第1電池922を、筐体901の近端904から挿入する。筐体901は、電池室903の形状を定める。また、筐体901は遠端902も含み、時点tにおいて示すように、一旦電池積層体が筐体内に完全に挿入されると、遠端902が電池積層体の遠端に接触する。更に、電池ケース900は、筐体の遠端902にある二重接点集成体906と、筐体の近端904に取り付け可能な電池室開閉部910上に配置されている二重接点集成体908とを含む。実施形態の中には、この筐体を電池動作型デバイス内部に配置してもよい場合もある。このような場合、二重接点集成体906および/または二重接点集成体908を、電池動作型デバイスにおける正回路接続部に電気的に結合することができ、電池動作型デバイスにおける負回路接続部に電気的に結合することができ、電池ケース900の中にある端部連続積層体(end-to-end stack)が電池動作型デバイスに電力を供給できるようになる。
【0033】
[0041] 更に、電池ケース900は、スペーサー集成体912も含み、スペーサー集成体912は複数の電池の内隣接する対毎に筐体内部に配置されている。スペーサー集成体912は、複数の電池の内隣接する対を分離し、その隣接する対の内第1電池には二重接点集成体914を有し、その隣接する対の内第2電池には二重接点集成体916を有する。筐体の近端および遠端にある二重接点集成体、ならびにスペーサー集成体912にある二重接点集成体は、全て、先に説明した例の二重接点集成体と同様である。具体的には、これらには、正および負電池端子接点が設けられ、どちらの電池端子(正または負)にこれらが係合されているかには関係なく、電池との適切な電気的接続を行うように設計されている。
【0034】
[0042] 図示した例では、電池ケース900は、2つの電池を収容するように構成されており、したがってこの電池の隣接対の間に、1つのスペーサー集成体912を含む。しかしながら、他の実施形態では、電池ケースが、例えば、3つの電池を収容することもできる。このような三電池積層体では、電池ケースは2つのスペーサー集成体を有することになる。1つは、電池の第1隣接対を分離し、他の1つは、電池の第2隣接対を分離する。更に一般的には、電池ケースがn個の電池の端部連続積層体を形成するように、n個の電池を収容するように構成することもできる。したがって、このような積層体は、(n−1)個の隣接電池対を含み、したがって、電池ケースは、筐体内部に配置された(n−1)個のスペーサー集成体を含む。
【0035】
[0043] スペーサー集成体は、装填された端部連続積層体において隣接する電池をスペーサーが分離する第1状態と、電池がスペーサー集成体を通過して電池室の筐体の端まで長手方向に進むことができる第2状態との間で移動可能とするとよい。更に特定すれば、図9に示すように、スペーサー集成体912は、ばね荷重された2つの部分を含むことができる。実施形態の中には、これら2つの部分が互いに対してばね荷重されているとよい場合もある。そして更に、これら2つの部分が互いに対して、そして筐体に対してばね荷重されていてもよい。したがって、図9において時点t、t、およびtに連続的に示すように、スペーサー集成体912は、折れ曲がって末端装填型電池の通過を可能にすることができる。スペーサー集成体912は、第2部分に対してばね荷重された、またはそれ以外で弾性変形可能な第1部分918を含み、2つの部分918および920は、更に、筐体に対してばね荷重されるか、またはそれ以外で弾性変形可能とするとよい。したがって、電池922との接触に応答して、第1部分918が920に向かって曲がることにより、電池922の通過を可能にする。これは、時点tにおいて最も明確に見ることができる。更に、一旦電池922がスペーサー集成体912を通過したなら、第2部分920は、時点tに示すように、曲がって元に戻り、第1部分918に対して屈曲した(unstretched)外形に戻る。
【0036】
[0044] 図9の例では、二重接点集成体および1つ又は複数のスペーサー集成体は、端部連続積層体の中にある複数の電池の各々が、二重接点集成体の対によって範囲が定められた、配向不問電池長収容部(orientation-neutral battery-length receptacle)の中に保持されるように、構成されている。時点tにおいて示すように、第1二重接点集成体対は、二重接点集成体906と、スペーサー集成体912の二重接点集成体914とを含み、電池922を収容するように、第1の配向不問電池長収容部を形成する。したがって、電池922は、図示のように向けられて、正端子が二重接点集成体906に接触し、負端子が二重接点集成体914に接触することができる。または、代わりに、逆向きに装填することもできる。
【0037】
[0045] 更にtにおいて示すように、二重接点集成体908とスペーサー集成体912の二重接点集成体916とを含む別の二重接点集成体対が、他の電池、即ち、電池924を収容するように、他の配向不問電池長収容部を形成する。したがって、電池924は、図示のように向けられて、正端子が二重接点集成体908に接触し、負端子が二重接点集成体916に接触することができる。または、代わりに、逆向きに装填することもできる。
【0038】
[0046] 配向不問電池長収容部は、互いに電気的に結合され、複数の電池の各々がどのように筐体内に挿入されたかには関係なく、端部連続積層体に望ましい電気的構造が得られる。例えば、実施形態の中には、配向不問電池長収容部が互いに結合されて直列回路を形成するように、電気的に接続することができる場合もある。例えば、積層体において、隣接する収容部が上にあり、更に隣接する収容部が下にある所与の収容部では、この中央にある収容部の正接続を、上に隣接する収容部の負接続に配線し、負接続を、下に隣接する収容部の正接続に配線することになる。
【0039】
[0047] 他の例では、配向不問電池長収容部を互いに結合して並列回路を形成するように、二重接点集成体を電気的に接続することもできる。直列の例とは対照的に、並列構造は、電池長収容部の正接続を共通ノード/位置に繋げ、負接続を別の共通ノード/位置に繋げることによって得られる。更に別の例では、配向不問電池長収容部を互いに結合して、並列回路および直列回路の組み合わせを形成するように、二重接点集成体を電気的に接続することもできる。例えば、積層体内部にある2つの電池を直列構成にするが、直列構成になっている他の2つの電池とは並列に配線することができる。二重接点集成体によって、そして配向不問収容部の範囲を定めるために、対をなすようにこれらを装備したことによって、ユーザーが個々の電池をどのように挿入したかには関係なく、電池および電池積層体に合わせた所望の電気的構造を得ることが可能になる。
【0040】
[0048] 尚、本明細書において記載した構成および/または手法は、その性質上例示であること、そして、多数の変形が可能であることから、これらの具体的な実施形態や例は、限定的な意味で解釈してはならないことは言うまでもない。本明細書において記載した具体的なルーチンまたは方法は、あらゆる数の処理方策の内1つ又は複数を代表することができる。したがって、図示した種々の動作は、図示した順に行うことができ、他の順で行うことができ、並列して行うこともでき、また場合によっては省略することもできる。同様に、前述のプロセスの順序も変更することができる。
【0041】
[0049] 本開示の主題は、種々のプロセス、システムおよび構成、ならびにその他の機構、機能、動作、および/または本明細書において開示した特性の全ての新規で非自明のコンビネーションおよびサブコンビネーション、更にはそのあらゆる均等物および全ての均等物を含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池ケース(100)であって、
電池(120)の正端子に接触するように構成されている正接点と、前記電池(120)の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む第1二重接点集成体(104)と、
前記電池(120)の正端子に接触するように構成されている正接点と、前記電池(120)の負端子に接触するように構成されている負接点とを含む第2二重接点集成体(108)と、
前記第1二重接点集成体(104)が取り付けられている本体部(102)と、
前記第2二重接点集成体(108)が取り付けられている分離可能部(106)と、
を備えており、
前記分離可能部(106)が、前記本体部(102)との結合状態に入るように、そして結合状態を解除するように、選択的に移動可能であり、
前記結合状態において、前記第1二重接点集成体(104)および前記第2二重接点集成体(108)が、収容部の範囲を定めるために、離間関係で保持され、前記収容部において、前記第1二重接点集成体(104)および前記第2二重接点集成体(108)が前記電池(120)を収容し、その反対側の端部を保持するように動作可能である、電池ケース(100)。
【請求項2】
請求項1記載の電池ケースにおいて、前記本体部が電池動作型デバイス上に配置されている、電池ケース。
【請求項3】
請求項2記載の電池ケースにおいて、前記分離可能部が、前記電池動作型デバイスの電池室開閉部である、電池ケース。
【請求項4】
請求項3記載の電池ケースにおいて、前記電池動作型デバイスの電池室開閉部が、前記本体部から完全に取り外し可能である、電池ケース。
【請求項5】
請求項3記載の電池ケースにおいて、前記電池動作型デバイスの電池室開閉部が、前記本体部に移動可能に接続されている、電池ケース。
【請求項6】
請求項2記載の電池ケースにおいて、前記第1二重接点集成体が、前記電池動作型デバイスの正回路接続部に電気的に結合されており、更に前記電池動作型デバイスの負回路接続部に電気的に結合されている、電池ケース。
【請求項7】
請求項1記載の電池ケースにおいて、前記分離可能部を異動させて前記結合状態にすると、(a)前記第1二重接点集成体の正接点および前記第2二重接点集成体の正接点の内少なくとも1つと、(b)前記第1二重接点集成体の負接点および前記二重接点集成体の負接点との間に、電気的導通が生じる、電池ケース。
【請求項8】
請求項7記載の電池ケースであって、更に、前記第1二重接点集成体と前記第2二重接点集成体との間に前記電気的導通を生じさせるために電気カプラーを備えており、この電気カプラーが、前記第1二重接点集成体および前記第2二重接点集成体の内の一方に電気的に結合されている第1結合部と、前記第1二重接点集成体および前記第2二重接点集成体の内の他方に電気的に結合されている第2結合部とを含み、前記第1結合部が1つ又は複数のばね荷重コネクター・ピンを含み、前記第2結合部が1つ又は複数の電気接点を含む、電池ケース。
【請求項9】
請求項1記載の電池ケースにおいて、前記第1二重接点集成体および前記第2二重接点集成体が、第1電池を収容する二重接点集成体対の範囲を定め、前記電池ケースが、更に、1つ又は複数の追加の電池を収容するために1つ又は複数の追加の二重接点集成体対を備えている、電池ケース。
【請求項10】
電池動作型デバイスであって、
複数の電池の長手方向の挿入を可能にするように構成されている筐体(901)内部に規定されている電池室(900)であって、この電池室(900)に挿入されたときに、前記複数の電池が端部連続積層体の範囲を定め、この端部連続積層体が、前記筐体(901)の遠端(902)に位置する遠端と、前記筐体(901)の近端(904)に位置する近端とを有する、電池室(900)と、
前記筐体(901)の遠端(902)にある二重接点集成体(906)と、
前記筐体(901)の近端(904)に取り付け可能な電池室開閉部(910)上に配置されている二重接点集成体(908)と、
前記複数の電池の隣接する対毎に、前記筐体(901)内部に配置されているスペーサー集成体(912)であって、前記複数の電池の内その隣接する対を分離し、その隣接対の第1電池(922)に対する二重接点集成体(914)と、その隣接対の第2電池(924)に対する二重接点集成体(916)とを有する、スペーサー集成体(912)と、
を備えており、
前記二重接点集成体および前記1つ又は複数のスペーサー集成体が、前記端部連続積層体における前記複数の電池の各々が、1対の前記二重接点集成体によって範囲が定められる配向不問電池長収容部の中に保持されるように構成されており、前記配向不問電池長収容部が、前記複数の電池の各々を前記筐体(901)にどのように挿入するかには関係なく、前記端部連続積層体に所望の電気的構造を形成するように、電気的に互いに結合されている、電池動作型デバイス。
【請求項11】
請求項10記載の電池動作型デバイスにおいて、前記筐体が電池動作型デバイス上に配置され、前記筐体の遠端にある前記二重接点集成体が、前記電池動作型デバイスにおける正回路接続部に電気的に結合されており、更に前記電池動作型デバイスにおける負回路接続部に電気的に結合されている、電池動作型デバイス。
【請求項12】
請求項10記載の電池動作型デバイスにおいて、前記配向不問電池長収容部が、直列回路を形成するように、互いに電気的に結合されている、電池動作型デバイス。
【請求項13】
請求項10記載の電池動作型デバイスにおいて、前記配向不問電池長収容部が、並列回路を形成するように、互いに電気的に結合されている、電池動作型デバイス。
【請求項14】
請求項10記載の電池動作型デバイスにおいて、前記スペーサー集成体が、装填された端部連続積層体における電池の隣接する対を分離する第1状態と、前記スペーサー集成体が、前記筐体の端まで当該スペーサー集成体を通過して、前記電池の長手方向進行を可能にする第2状態との間で、前記スペーサー集成体が移動可能である、電池動作型デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2012−528462(P2012−528462A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513216(P2012−513216)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/036212
【国際公開番号】WO2010/138599
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】