説明

柔軟なバルク材料包装用ドラムのための容器及び同容器を含むバルク材料のための充てんモジュール

本発明は、容器底8、側壁6、上部4と特に上部に位置する1つ以上の供給口9を有する内部空間に1つ以上の柔軟なコンテナ2を収容する寸法安定性容器1であって、可逆的に開閉でき1つ以上の柔軟なコンテナを容器の内部空間に挿入し及び取り外すための1つ以上の通路装置と、内部空間に通じる1つ以上の吸込管と、供給口及び/又はその辺りに位置し及び/又は供給口を形成する1つ以上の第1ドッキング連結部とを備える寸法安定性容器に関する。ドッキング連結部は、容器内に位置する柔軟なコンテナが第1のドッキング連結部及び/又は供給口に直接又は間接に連結されると、吸込管によって真空状態(第1真空)を作り出すことのできる内部空間が生じるよう、特に耐環境の方式でバルク材料のための第1の供給路をドッキングする。本発明は更に柔軟なコンテナ特にバルク材料コンテナにバルク材料を充てんする方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟なバルク材料包装用ドラムのための容器、及び同容器を含むバルク材料のための充てんモジュールに関する。本発明はさらに、柔軟な包装用ドラムにバルク材料を充てんする方法、本発明の容器の使用、及び柔軟な包装用ドラムにバルク材料を充てんするための充てんモジュールの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟な包装用ドラム、例えば大袋や小袋などは、常々、様々な種類のバルク材料を搬送するのに使用されてきた。また、柔軟な包装用ドラムは、例えば、そのバルク材料が環境からの物質で汚染されてはならないという理由で、あるいはそのバルク材料が環境に害を及ぼし得るという理由で、なるべく環境に耐え得るやり方(environmentally sealed manner)で搬送され、または貯蔵されるべきであるバルク材料にもますます使用されるようになっている。この傾向は、特に、そのような柔軟な包装用ドラムに、環境に耐え得るやり方で簡単および確実に充てんし、これを空にするための連結閉鎖システムおよびドッキング装置が初めて利用できるようになったことによるものである。例として、第WO03/037717A1号、第WO2004/103816A1号、第WO2005/070776A1号、第WO2006/053545A1号の各文献に記載されている連結閉鎖機構などが挙げられる。また、前述の各文献からは、相互に対応し合う2つの連結閉鎖機構を使用すると、環境に耐え得るドッキング装置が得られることも推論することができる。そのような連結閉鎖機構およびドッキング装置の利点は、(ドッキング装置が形成される)連結工程においても、分離工程においても、その環境と、搬送される、または搬送されるべきバルク材料の間にいかなる接触も生じないことに存する。別の利点は、前述の連結閉鎖機構を柔軟な包装用ドラムの材料にしっかりと接続するのが容易であることに存する。
【0003】
また特に、環境に耐え得る充てん工程を保証し得ることは、製薬分野においてもきわめて重要である。これは、基礎材料および中間製品の取扱いに対してのみならず、タブレットなどとして存在する最終製品にも当てはまる。通常は、多数の完成したタブレットが、かなりの速度でシュート、あるいはパイプラインを介して対応する搬送包装用ドラムに供給される。この際に不可避的に生じる摩耗によりダストが形成され、好適な予防策が講じられなかった場合には、環境をひどく汚染することにもなり得る。これらの対策の1つは、搬送されるタブレット上方の空気を吸い出すことである。
【0004】
これまでに使用されてきたバルク材料(タブレットなど)のための充てんシステムでは、材料を別のコンテナに充てんする工程において、あるいは充てん工程において生じる面倒な事態を、十分確実に排除することができない。そのような問題では、発生した問題を手作業で解決することができるように、何度も充てん工程を中断することが必要になる。これらの中断は、通常は基本的に完全に自動化された工程である工程を大きく妨げる。面倒な事態を十分確実なやり方で回避することができ、それと同時に汚染のレベルが可能な限り低くなるようにするためには、常に、(特に製薬分野において、また食品分野においても)多くの設備を必要とし、したがって費用のかかる構築物が優先される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際出願公開WO03/037717A1
【特許文献2】国際出願公開WO2004/103816A1
【特許文献3】国際出願公開WO2005/070776A1
【特許文献4】国際出願公開WO2006/053545A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、柔軟な包装用ドラムにも、確実に、基本的に面倒な事態を生じずに、安全に、および汚染のリスクを高めることなく充てんするための装置を提供することであった。特に、本発明の目的は、柔軟な包装用ドラムに、バルク材料を、基本的に自動の工程において汚染を伴わず、面倒な事態を全く生じずに充てんするためのそのような装置を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、本発明の目的は、容器底、側壁、上部、および特に上部に位置する少なくとも1つの供給口を有する内部空間に少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを収容する寸法安定性容器であって、可逆的に開閉できる、少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを容器の内部空間に挿入し、上記包装用ドラムを容器の内部空間から取り外すための少なくとも1つの通路装置と、内部空間に通じる少なくとも1つの吸込管と、容器内に位置する柔軟な包装用ドラムが、第1のドッキング連結部及び/又は供給口に直接的または間接的に連結されると、吸込管によって真空状態(第1の真空状態)を作り出すことのできる内部空間が生じるように、特に環境に耐え得るやり方で、バルク材料のための第1の供給路をドッキングする、供給口及び/又は供給口の辺りに位置し、及び/又は供給口を形成する少なくとも1つの第1のドッキング連結部とを備える寸法安定性容器によって達成される。
【0008】
一実施形態は、第1の開口端および第2の、特に対向する開口端を有し、第1の開口端は、環境に耐え得るやり方で、供給口及び/又は第1のドッキング連結部に接続され、または接続することができ、第2の開口端のところには、容器内に位置する柔軟な包装用ドラムの対応する第2の連結閉鎖機構に環境に耐え得るやり方で連結するのに適した第1の連結閉鎖機構が位置し、環境に耐え得る第1のドッキング装置が形成される、容器の内部空間に位置する少なくとも1つの第2の供給路をさらに備える容器を提供することができる。
【0009】
例えば、第1の供給路は、タブレットプレス機に直接接続することもでき、柔軟な包装用ドラムに充てんされるべきタブレットのためのシュートとして設計することもできる。タブレットの搬送時または製造時に発生するダストは、第1の供給路及び/又は第2の供給路に接続されている吸込管を介して除去することができる。
【0010】
別の態様によれば、本発明の目的は、容器底、側壁、上部、および特に上部に位置する少なくとも1つの供給口を有する、内部空間に少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを収容する寸法安定性容器(特に前述のような容器)であって、可逆的に開いたり閉じたりすることのできる、少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを容器の内部空間に挿入し、上記包装用ドラムを容器の内部空間から取り外すための少なくとも1つの通路装置、特に通路閉鎖機構と、内部空間に通じる少なくとも1つの吸込管と、特に環境に耐え得るやり方で、バルク材料のための第1の供給路をドッキングするための、供給口及び/又は供給口の辺りに位置し、及び/又は供給口を形成する少なくとも1つの第1のドッキング連結部と、第1の開口端および第2の対向する開口端を有し、第1の開口端は、環境に耐え得るやり方で、供給口及び/又は第1のドッキング連結部に接続され、または接続することができ、第2の開口端のところには、特に、容器内に挿入することができ、または容器内に位置する柔軟な包装用ドラムの対応する第2の連結閉鎖機構に環境に耐え得るやり方で連結するのに適した第1の連結閉鎖機構が位置し、容器の内部空間に少なくとも部分的に位置し、環境に耐え得る第1のドッキング装置が形成される第2の供給路と、を備え、このため、柔軟な包装用ドラムの第2の連結閉鎖機構が第1の連結閉鎖機構に連結されると、吸込管によって真空状態(第1の真空状態)を作り出すことのできる内部空間が生じ、内部空間に少なくとも部分的に位置し、特に内部空間の外部で操作することのできる、第1の連結閉鎖機構及び/又は第2の連結閉鎖機構及び/又は第1のドッキング装置を閉じたり(閉鎖モード)開いたり(充てんモード)する少なくとも1つの操作装置をさらに備える寸法安定性容器によって達成される。
【0011】
この操作装置は、好ましくは、柔軟な包装用ドラムの入口を保持すると共に、この入口を、柔軟な包装用ドラムの供給口の辺りで、または第2の供給路の第2の開口の辺りで開いたり閉じたりすることができるように設計されている。好適な実現形態においては、通常は容器が閉じられている状態で、柔軟な包装用ドラムの入口を外から開閉することができるように、これらの操作装置を外から操作することができる。この操作装置は、好ましくは、供給口内に、または供給口に隣接して設けられる。
【0012】
容器の内部空間に十分な真空状態を作り出すために、吸込管にはポンプが接続されており、または接続することができる。さらに、例えば、設定すべき真空状態の制御を高めるために、吸込管内に、あるいは吸込管と接続した状態でバルブを設置することも可能である。あるいは、吸込管による真空状態は、吸込管が、例えば迂回接続などを介して、除じん吸込管に、あるいはその吸込管に使用されるポンプに接続され、または接続することができるものとして作り出すこともできる。また、そのような管は、内部空間において望ましい真空状態の微調整のためのバルブを備えていてもよい。
【0013】
本発明の容器を使用するには、通常、内部空間において真空状態を設定することができ、上記真空状態をある一定の期間にわたって維持することができれば十分である。例えばあるバージョンでは、真空状態を作り出した後で吸込管が閉じられ、それ以上ポンプが使用されなくてもすむように、内部空間を密閉することができる。別の実施形態では、内部空間における真空状態は、内部空間に位置する柔軟な包装用ドラムに充てんする工程において、ポンプによって吸込管を介して内部空間から排気することによって生じさせることができ、空気は、エアレーションバルブを介して内部空間内に連続して吸い込まれる。また、エアレーションバルブの吸気容量に合わせて(必要な場合には、バルブによって微調整される)ポンプの吸引力を調整することによって、内部空間において定義された真空状態を設定し、維持することも可能である。好適には、充てん工程における内部空間内の圧力は、少なくとも一時的には、最大100ミリバール、好ましくは最大50ミリバールまでの範囲であり、特に好ましくは、5から50ミリバールまでの範囲、特に、5から30ミリバールまでの範囲、例えば、10から20ミリバールまでの範囲などである。
【0014】
好適な容器は、通路装置、あるいは、通路閉鎖機構(通常はドアまたはフラップ)が、側壁に、及び/又は容器底に、好ましくは側壁に位置することを特徴とする。内部空間内の真空状態を、長時間にわたって可能な限り容易に維持することができるように、密閉を、例えば通路閉鎖機構などに設けることができる。
【0015】
本発明の寸法安定性容器においては、排気されるべき、あるいは真空状態が作り出されるべき内部空間は、普通、容器内に位置し、供給口にしっかりと接続され、または接続することのできる柔軟な包装用ドラムによってふさがれない容積によって形成される。
【0016】
寸法安定性容器には、内部空間において作り出される真空状態による容器に対する損傷や、大幅な、または不可逆的な容器の変形を生じないことが保証される限り、多種多様な材料を使用することができる。容器は、例えば、金属部品、及び/又はプラスチック部品で作ることもできる。したがって、容器底、容器の側壁および上部には、様々な材料を使用することができる。好ましい実施形態では、容器底及び/又は少なくとも1つの側壁及び/又は上部の少なくとも一部を、透明または半透明とすることができる。少なくとも容器のいくつかの要素は透明または半透明であるため、充てん工程を容易に観察することができるので、常に、充てん状態のみならず、面倒な事態の生じる可能性も、常に直ちに見分けることができる。
【0017】
また、特に好ましい容器は、操作装置が閉鎖モードにあるときにだけ通路閉鎖機構を開くことができるように、操作装置が通路閉鎖機構と相互に作用し合うような容器でもある。このようにして、搬送されるべきバルク材料が、充てん工程においてもその後においても、決して環境からの物質で汚染されることがないように保証される。このようにして、本発明の容器は、必然的に非常に高度な操作安全性を保証する。
【0018】
好適な実施形態では、供給口に、あるいは供給口の辺りに、特に環境に耐え得るやり方で、第1の供給路に連結し、及び/又は第2の供給路に連結するための結合要素の役割を果たす第1のドッキング連結部(例えばトリクランプ接続など)が設けられる。代替として、第WO03/037717A1号、第WO2004/103816A1号、第WO2005/070776A1号及び第WO2006/053545A1号に記載されている連結閉鎖機構(第3の連結閉鎖機構ともいう)を使用することもできる。したがって、一実施形態では、第1のドッキング連結部を、容器外に位置する第1の供給路への環境に耐え得る接続と容器内に位置する第2の供給路への環境に耐え得る接続の両方が得られるように設計することができる。当然ながら、第1のドッキング連結部を、結合要素の組み合わせから、例えば、2つの直接的または間接的に隣接したトリクランプ接続などから形成することも可能である。したがって、好ましい実現形態では、2つのそのような結合要素を相互に直接隣接して設けることができ、第1の結合要素は、特に環境に耐え得るやり方で第1の供給路に接続するために設けられ、第2の結合要素は、柔軟な包装用ドラムの入口に、直接的または間接的に接続するために設けられる。
【0019】
またこの場合、第2の供給路を、供給口の辺りに第1の端部を有し、対向する第2の端部を有する、供給口または第1のドッキング連結部から内部空間へと至る基本的にホース状の構造として延在させることもでき、第2の端部のところには、別の第3の結合要素、特に、第1の連結閉鎖機構としての少なくとも一部が柔軟な連結閉鎖機構であり、柔軟な包装用ドラムとの基本的に環境に耐え得る接続を形成するのに適し、およびこれを形成するように適合されている結合要素を配置することができる。
【0020】
少なくとも一部が柔軟な連結閉鎖機構は、第1の連結閉鎖機構と呼ばれ、好ましくは第3の結合要素として使用され、例えば、第WO03/037717A1号、第WO2004/103816A1号、第WO2005/070776A1号、第WO2006/053545A1号などに記載されているような、柔軟な包装用ドラムの入口辺りの対応する連結閉鎖機構との基本的に環境に耐え得るドッキング装置(この場合には、第1のドッキング装置ともいう)を形成するのに適し、およびこれを形成するように適合されている。
【0021】
したがって一実施形態では、好適な連結閉鎖機構は、少なくとも部分的には弾性的に変形可能であり、第2の連結閉鎖機構の上側に、基本的にしっかりと、特に可逆的にドッキングすることのできる上側を有し、その標準状態では閉じられており、連結要素の第1の側から第2の側までの通路が生じるように、特に少なくとも1つのスリットによる弾性変形によって可逆的に開くことができることを特徴とする。2つのそのような対応する連結閉鎖機構を使用することによって、開閉するために、各連結閉鎖機構を弾性的に変形し、少なくとも一部がオーバーラップする通路ギャップまたはスリットを形成することのできる、密閉されたドッキング装置が得られる。
【0022】
特に好適な連結閉鎖機構は、内側、外側、上側及び/又は上端及び/又は下側及び/又は下端を有し、少なくとも部分的には弾性を有する少なくとも1つの側面体と、特に、丸みを帯びた、特に放射状の周辺または周辺部を有し、及び/又は関節のある輪軸を収容するための少なくとも1つの第1の空間を有し、及び/又は第1のヒンジ要素の形をした、側面体の第1の端部のところにある少なくとも1つ第1の軸受要素と、特に、丸みを帯びた、特に放射状の周辺または周辺部を有し、及び/又は関節のある輪軸を収容するための少なくとも1つの第2の空間を有し、及び/又は第2のヒンジ要素の形をした、側面体の第1の端部と対向して位置する側面体の第2の端部のところにある少なくとも1つの第2の軸受要素とを含む少なくとも1つの第1の閉じバンドと、内側、外側、上側及び/又は上端及び/又は下側及び/又は下端を有し、少なくとも部分的には弾性のある少なくとも1つの側面体と、特に、丸みを帯びた、特に放射状の周辺または周辺部を有し、及び/又は関節のある輪軸を収容するための少なくとも1つの空間を有し、及び/又は第1のヒンジ要素の形をした、側面体の第1の端部のところにある少なくとも1つ第1の軸受要素と、特に、丸みを帯びた、特に放射状の周辺または周辺部を有し、及び/又は関節のある輪軸を収容するための少なくとも1つの空間を有し、及び/又は第1のヒンジ要素の形をした、側面体の第1の端部と対向して位置する側面体の第2の端部のところにある少なくとも1つの第2の軸受要素とを含む少なくとも1つの第2の閉じバンドとを備え、第1の閉じバンドと第2の閉じバンドの側面体の内側は、少なくとも部分的には密閉するように相互にしっかりと適合させることができ、一方では、第1の閉じバンドと第2の閉じバンドの側面体の内側を、少なくとも部分的には相互にしっかりと適合させることによって、第1の閉じバンドの第1の軸受要素と第2の閉じバンドの第2の軸受要素を相互に隣接して配置させることができ、他方では、第1の閉じバンドと第2の閉じバンドの側面体の内側を、少なくとも部分的には相互にしっかりと適合させることによって、第1の閉じバンドの第2の軸受要素と第2の閉じバンドの第1の軸受要素を相互に隣接して配置させることができ、特に、共通の外表面部分、特に円筒表面部分を備える第1の関節体および第2の関節体が形成される。特に好ましくは、これらの連結閉鎖機構はさらに、対向する第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つ第1の屈曲弾性及び/又は伸張弾性要素であり、これら第1の端部と第2の端部の内側の、少なくとも、特に、第1の閉じバンドの側面体の第1の端部のところの、または第1の端部に隣接した第1の取付台と、特に、第1の閉じバンドの側面体の第2の端部のところの、または第2の端部に隣接した第2の取付台との間に延在する上記要素、及び/又は対向する第1の端部および第2の端部を有する少なくとも1つ第2の屈曲弾性及び/又は伸張弾性要素であり、これら第1の端部と第2の端部の内側の、少なくとも、特に、第2の閉じバンドの側面体の第1の端部のところの、または第1の端部に隣接した第1の取付台と、特に、第2の閉じバンドの側面体の第2の端部のところの、または第2の端部に隣接した第2の取付台との間に延在する上記要素を備える。
【0023】
前述の連結閉鎖機構およびドッキング装置は、例えば、本明細書で参照する、第WO03/037717A1号、第WO2004/103816A1号、第WO2006/053545A1号などに詳細に開示されている。
【0024】
また、好適な本発明の容器は、通常、可逆的に閉じることのできる、例えばフラップなどの形の、内部空間のための少なくとも1つのエアレーション装置、あるいは換気装置も備える。例えばそのような装置は、充てんされた包装用ドラムを取り出すことができるように、通路装置、あるいは通路閉鎖機構を特に迅速に開くことを可能にする。さらに、面倒な事態が発生した場合に、特に迅速に介入することが可能である。一バージョンでは、エアレーション装置、あるいは換気装置は、エアレーション装置、あるいは換気バルブとして設計され得る。当然ながら、そのようなエアレーション装置、あるいは換気装置は、いずれの場合も、容器の内部空間において最も好適な真空状態を設定するのにも使用することができる。例えば、このエアレーション装置、あるいは換気装置は、吸込管が迂回接続を介して除じん室またはタブレットプレス機の吸引ポンプに接続されているときに、内部空間において好適な真空状態を設定するのにも特に適する。
【0025】
好ましくは、好適な容器は、その寸法が基本的に、容器において充てんされるべき柔軟な包装用ドラムの寸法に対応する内部空間を備える。
【0026】
本発明の容器の特に好適な実施形態は、さらに、内部空間における柔軟な包装用ドラムの充てんレベルを判定するのに適し、およびこれを判定するように配置されている少なくとも1つ第1の検出器を備える。代替として、またはこれに加えて、さらに、容器内に位置する柔軟な包装用ドラムに充てんする工程において、第1の供給路及び/又は第2の供給路にバルク材料がたまっているかどうか判定するのに適し、およびこれを判定するように配置されている少なくとも1つの第2の検出器を設けることもできる。第1の検出器は特に、柔軟な包装用ドラムのバルク材料充てんレベルを連続して観測するために設けられるが、通常は、バルク材料が第1の供給路及び/又は第2の供給路にたまるやいなやバルク材料を検出する第2の検出器を使用することができれば十分である。第2の検出器が、第2の供給路にバルク材料がたまっているかどうか判定するのに使用される場合には、この第2の検出器を、容器の内部空間に、好ましくは第2の供給路に隣接して配置し、特に第2の供給路の第1の端部と第2の端部の間に設置すると有利であることが判明している。第2の供給路が柔軟な包装用ドラムの入口の上方に位置する場合、通常はまず、第2の検出器によって、所与の充てん環境下において柔軟な包装用ドラムの吸気容量を超えていると判定される。第2の検出器によって、第2の供給路が詰まっていると判定された場合、充てん工程は、例えば、信号送信機とのやりとりなどによって手動で停止することができる。あるいは、第1の検出器または第2の検出器を制御及び/又は調整ユニットに接続することによって、充てん工程を自動的に停止することも可能である。というのは、内部空間内の柔軟な包装用ドラムは充てん工程においては真空にさらされているため、通常は、包装用ドラムの最大吸気容量の約90〜95%までしか達しないからである。その場合、第1の供給路及び/又は第2の供給路にたまったバルク材料が柔軟な包装用ドラム内に落ちるようにするには、通常、充てん工程を停止した後、内部空間における真空状態を、短時間(例えば数秒間、5〜10秒間など)にわたって下げれば十分である。このようにして、包装用ドラムの入口は、大抵、後で閉じることができるように再度開けられる。さらに、この手順は、柔軟な包装用ドラムに最高レベルまで充てんさせることも可能にする。
【0027】
例えば、好適な第1の検出器および第2の検出器は、光センサにも相当する。そのような検出器は、当業者には知られていない。
【0028】
別の態様によれば、本発明の目的は、柔軟な包装用ドラムのための少なくとも1つの本発明の寸法安定性容器と、ドッキング連結、供給口及び/又は第2の供給路に連結され、または連結することのできる少なくとも1つの入口を含む少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムとを備える、バルク材料のための充てんモジュールによって達成される。一実施形態において、そのような充てんモジュールは、容器底、側壁および上部を有する寸法安定性容器であり、そこに真空状態を作り出すことのできる内部空間を包囲し、容器の内部空間に柔軟な包装用ドラムを挿入し、容器の内部空間から上記包装用ドラムを取り出すための、可逆的に開いたり閉じたりすることのできる通路装置、例えば通路閉鎖機構など、少なくとも1つの供給口、および内部空間に通じる少なくとも1つの吸込管を備える容器と、少なくとも1つの入口を含む少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムとを備える。
【0029】
また本発明の目的は、先に詳述した本発明の容器の実施形態と、少なくとも1つの入口を含む少なくとも1つの柔軟な包装用ドラム、特に、バルク材料包装用ドラムとを備えるそのような充てんモジュールによっても達成される。
【0030】
よって、好ましい実施形態によれば、柔軟な包装用ドラムの入口は第2の連結閉鎖機構を備え、第2の供給路の第2の端部は第1の連結閉鎖機構を備え、第1の連結閉鎖機構と第2の連結閉鎖機構は環境に耐え得るやり方で相互に接続されており、または接続することができ、第1のドッキング装置が形成されている。
【0031】
柔軟な包装用ドラムは、好ましくは、ガス密の、あるいは気密性のある材料に基づくものとすることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリ塩化ビニルといった合成材料などで作成することができる。
【0032】
本発明の充てんモジュールには、好ましくは、入口の反対側に位置する、(例えば柔軟な包装用ドラムの縁部などにおける穴、あるいは開口などとして)少なくとも1つの運搬用または保持用装置が設けられている柔軟な包装用ドラムが使用される。柔軟な包装用ドラムは、例えば、使用される連結閉鎖機構によって充てん工程後にしっかりと閉じることができ、必要であれば、(例えば別個のロックユニットや、連結閉鎖機構に位置するロックユニットなどによって)ロックすることもできるため、充てんされた包装用ドラムは、次の充てん工程のために、実行可能なように、この運搬用装置にかけておくこともでき、あるいは搬送することもできる。
【0033】
本発明の容器と充てんモジュールは、好ましくは、内部空間に位置する柔軟な包装用ドラムが供給口及び/又は第1のドッキング連結部に接続されているときに、排気可能な内部空間が引き続き残り、あるいは生じて、吸込管によって真空状態を作り出し、あるいは維持することができるように設計され、配置される。したがって、本発明の容器は、必ずしも、柔軟な包装用ドラムが容器の内部空間に挿入され、供給口に接続される前に排気可能である必要はない。
【0034】
本発明の充てんモジュールの別の展開では、上記充てんモジュールはさらに、特に吸引ポンプを備える少なくとも1台のタブレットプレス機を備え、タブレットプレス機の出口は、第1の供給路及び/又は第3の供給路を介して供給口に接続され、または接続することができる。別の展開によれば、さらに、タブレットプレス機及び/又は第1の供給路及び/又は第3の供給路と相互作用し、第1の供給路、第2の供給路、及び/又は第3の供給路において、および必要な場合には柔軟な包装用ドラムにおいて第2の真空状態を作り出すのに適し、および作り出すように配置されており、好ましくは、上記第2の真空状態を維持するのに適し、好ましくはこれを維持するように配置されている除じん室をさらに備えるそのような充てんモジュールも提供される。
【0035】
当然ながら、容器と、いくつかのこれらの容器がまとまりのあるユニットとして統合されている充てんモジュールも提供することができる。
【0036】
本発明の充てんモジュールは、例えば、1つの構成ユニットとして設けられている、それぞれが柔軟な包装用ドラムを備える2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの本発明の容器を備えることができる。特に好適な実現形態では、少なくとも2つの容器を備えるそのような充てんモジュールは、さらに、例えば、第2の位置では、第1の容器の第1の供給路を開くと同時に第2の容器の第1の供給路を閉じる、少なくとも1つの分流装置を備えることができる。
【0037】
別の実現形態では、本発明の充てんモジュールはさらに、制御及び/又は調整ユニットを備える。そのような制御及び/又は調整ユニットは、例えば、第1の検出器及び/又は第2の検出器と、タブレットプレス機及び/又は分流装置とに接続し、検出された充てん状態に応じて、タブレットプレス機をオンに、あるいはオフにし、及び/又は分流装置を第1の位置から第2の位置に、あるいは第2の位置から第1の位置に切り換えさせることができる。
【0038】
本発明の容器および充てんモジュールは、柔軟な包装用ドラムにバルク材料を充てんするのに特に適する。好適なバルク材料は、液体または固体とすることができる。本発明の装置は、柔軟な包装用ドラムに、粒子状のバルク材料、特にタブレットを充てんするのに特に適する。
【0039】
別の態様によれば、本発明の目的は、柔軟な包装用ドラム、特にバルク材料包装用ドラムにバルク材料を充てんする方法であって、
a)本発明の容器または本発明の充てんモジュールを設けること、
b)必要な場合には、すでに内部空間にあり、あるいは以前から内部空間に含まれているのでない限り、特に、少なくとも一部は柔軟であり、可逆的に閉じることのできる第2の連結閉鎖機構を備える、入口を有する柔軟な包装用ドラムを設けること、
c)必要な場合には、包装用ドラムがすでに内部空間にあり、あるいは以前から内部空間に含まれているのでない限り、特に通路装置、例えば通路閉鎖機構などを介して、柔軟な包装用ドラムを、容器の、または充てんモジュールの内部空間に挿入すること、
d)必要な場合には、この状態がすでに生じているのでない限り、柔軟な包装用ドラムの、特に第2の連結閉鎖機構の入口を、柔軟な袋によって、また場合によっては、第2の供給路によってふさがれていない内部空間が、供給口に対して密閉され、真空にさらすことができるように、供給口、第1のドッキング連結部に、または第2の供給路に接続すること、
e)必要な場合には、包装用ドラムがすでに内部空間に含まれており、通路装置が閉じられているのでない限り、通路装置、あるいは通路閉鎖機構を閉じること、
f)吸込管によって内部空間に第1の真空状態を作り出すこと、
g)供給口を介して柔軟な包装用ドラムにバルク材料を充てんすること、
h)内部空間における第1の真空状態の少なくとも一部を解除すること、
i)通路装置、あるいは通路閉鎖機構によって容器を開くこと、および
j)充てんされた柔軟な包装用ドラムを取り出すこと
を含む方法によって達成される。
【0040】
特に好適な実現形態では、少なくともステップg)による充てん工程において、供給口及び/又は第1の供給路を介して柔軟な包装用ドラム内に、第2の真空状態を少なくとも一時的に設定し、あるいは維持することができる。好ましい実現形態では、ステップg)による充てん工程において、第1の真空状態、すなわち内部空間における真空状態は、少なくとも一時的には第2の真空状態とほぼ等しい。
【0041】
また、少なくとも充てんするステップg)の前及び/又は充てんするステップg)の初めに、第1の真空状態が第2の真空状態よりも少なくとも一時的に量ΔP1だけ低い場合も、特に適切である。このようにして、バルク材料が充てん工程の初めに包装用ドラムの上部領域、あるいは入口においてたまるのを防ぐことができ、例えばバルク材料自体の低重量のために、及び/又は包装用ドラムの壁が相互に密着し合っているために、バルク材料が包装用ドラムの底まで落ちないのを防ぐことができる。このようにして、充てん工程を中断させずにすみ、例えばバルク材料を手作業で落とすなどのために容器を開けずにすむようにすることができる。別の実現形態によれば、充てんするステップg)を終えた後で、第1の真空状態が少なくとも一時的に第2の真空状態よりも量ΔP2だけ高くなるようにすることができる。このようにして、包装用ドラムへのバルク材料の最適な充てんを保証すると共に、バルク材料が、入口付近における安全で環境に耐え得る、特に自動的な、及び/又はツールで支援された包装用ドラムの閉鎖を妨げ、またはこれに影響を及ぼすのを防止することを特に効率よく行うことができる。この場合好ましくは、量ΔP1及び/又は量ΔP2は、20Paから200Paまでの範囲内、特に、30Paから100Paまでの範囲内とすることができる。
【0042】
本発明の容器、あるいは本発明の充てんモジュールを使用すると、(例えば合成材料や、他の柔軟な、好ましくは基本的に気密性を有する材料などでできた)柔軟な包装用ドラムに、汚染もなく、面倒な事態を発生する危険性も伴わずに、バルク材料を好ましくは連続して充てんすることを、特に効率よく行うことができる。内部空間に真空状態を作り出すことによって、充てん装置を無じんに保つ除じん室の吸引ポンプによって生じる、充てんされるべきバルク材料自体の重量による、そのような柔軟な包装用ドラムが開かず、または不十分にしか開かない傾向に対抗することが可能になる。このようにして、搬送時に小さなダスト粒子を帯びることの多い粒子状バルク材料を、コンテナに充てんし、汚染なしで搬送することができる。充てん工程においても、充てんされた包装用ドラムの交換工程においても、そのようなダストが環境中に漏れ出す恐れはない。よって、本発明の容器および本発明の充てんモジュールは、製薬産業において、あるいは、製薬分野および食品分野における中間製品および最終製品の製造および搬送、およびそれらの製品をコンテナに充てんする工程において使用するのにも特に適する。
【0043】
本発明は、充てんユニット上方の空気が吸い出される場合でさえも、柔軟な包装用ドラムは、特に、影響を受けやすいバルク材料、中でも粒子状のバルク材料を充てんするのに適するという驚くべき知見に基づくものであった。このためには、柔軟な包装用ドラムは、内部で真空状態が作り出され、好ましくはそれが充てん工程においても維持される容器に挿入されるべきである。タブレットなどのバルク材料の収集がもはや高級鋼容器に依存しなくなり、柔軟な包装用ドラムを使用するとタブレットなどの衝撃を和らげることができるため、不良品の量を低減することができる。
【0044】
本発明の別の利点、特徴および用途は、以下の好ましい実施形態の説明を添付の図面と併せて読めば察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の充てんモジュールを示す概略的側断面図である。
【図2】長手方向軸の周りで90度回転させた図1による充てんモジュールを示す概略的側断面図である。
【図3】本発明の充てんモジュールの別の実施形態を示す概略的側断面図である。
【図4】本発明の充てんモジュールの別の実施形態を示す概略的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1に、図示の実施形態において、本発明の寸法安定性容器1と柔軟な包装用ドラム2とを備える本発明の充てんモジュール100を示す。本発明の寸法安定性容器1は、上部4、側壁6および容器底8を有する。図示の実施形態では、上部4の中心位置に供給口9が位置している。図1に示すように、供給口9には例えばトリクランプ接続などの形の第1のドッキング連結部10が位置し、柔軟な包装用ドラム2にバルク材料を充てんするために、特に環境に耐え得るやり方でこの第1のドッキング連結部10に第1の供給路(feeding conduct)(図4参照)をドッキングさせ、あるいは連結することができる。図示の実施形態では、第1のドッキング連結部10は、ホース要素の形の第2の供給路14を介して包装用ドラム2の入口12に接続されている。ホース要素14の第1の端部は、例えばトリクランプ接続などによって第1のドッキング連結部10に接続されており、対向するホース要素14の第2の端部18には第1の連結閉鎖機構20を備えることができる。この連結閉鎖機構20は、柔軟な包装用ドラム2の入口12の辺りに位置する対応する第2の連結閉鎖機構22と環境に耐え得る第1のドッキング装置24を形成するように配置され、適合されている。そのような連結閉鎖機構およびドッキング装置には、例えば、第WO03/037717A1号、第WO2004/103816A1号、第WO2005/070776A1号、第WO2006/053545A1号などに開示されているシステムを使用することができる。好適な連結閉鎖機構は、入口12、あるいはホース要素14の第2の端部18を、連結モードと非連結モードの両方で、閉じた状態に保つことができる。
【0047】
図1に示すように、柔軟な包装用ドラム2の寸法は、容器1の内部空間26の寸法に合わせて調整することができる。図示の実施形態では、包装用ドラム2は、下側に、2つの運搬用開口29を備える縁部、あるいはバンド27を備える。これらの開口29は、第2の連結閉鎖機構によって閉じられている充てんされた包装用ドラム2を、実用的に搬送することを可能にする。連結要素10を供給口8と同じ高さで取り付け、ホース要素14と包装用ドラム2の連結閉鎖機構20および22を接続して、第1のドッキング装置24を形成することにより、吸込管28によって真空状態を作り出すことのできる基本的に密閉された内部空間26が得られる。このために、吸込管28に、例えばポンプ30などを接続することができる。吸込管28を閉じるために、及び/又は吸込管28における真空状態の微調整のためにバルブ32を使用することができる。
【0048】
容器1はさらに、第1のドッキング装置24を開閉するための操作装置34を有する。ドッキング装置24を形成する連結閉鎖機構20および22がそれぞれ、(例えば、第WO2004/103816A1号や第WO2006/053545号に開示されている連結閉鎖機構などの場合のように)例えば相互にしっかりと適合する2つの柔軟なバンドによって形成されている場合、保持用装置34のロッキングアーム36および38を互いの方へと移動させることによって、ドッキング装置のところに通路開口を形成することができ、この通路開口を通ってバルク材料が包装用ドラム2に入る。充てん工程が完了すると、ロッキングアームを戻すことができ、それによってドッキング装置24が閉じられる。このためには、例えば図1に示すレバー装置40などを使用することができる。レバー装置40は手動で操作することができる。
【0049】
図2に、その長手方向軸の周りで90度回転させた図1による充てんモジュール100を、やはり概略的断面図として示す。図示の実施形態では、容器底8および上部4は透明である。これは、充てん工程を連続して監視することを可能にする。当然ながら、側壁6の各部分も透明とすることができる。図2にはさらに、通路装置、あるいは通路閉鎖機構38が、ドアとして示されている。この容器1のドアは、基本的には、容器1の側壁34の表面全体を長手方向にカバーする。ドア38はハンドル40によって開かれ、これが可能なのは、図示の実施形態では、第1のドッキング装置34、あるいは第1の連結閉鎖機構20および第2の連結閉鎖機構22が閉じた状態にあるときに限られる。さらに通路閉鎖機構38には、例えばエアレーションフラップ42などとしてのエアレーション装置42が位置する。このエアレーションフラップは、特に充てんされた包装用ドラム2の取り外しを迅速化するために、例えば排気された内部空間26の迅速なエアレーションに使用することができる。当然ながらエアレーション装置は、容器の別の場所に配置することもできる。
【0050】
図3に、2つの本発明の容器1および容器1’が相互に組み合わされており、共通の側壁44が設けられている本発明の充てんモジュール100の別の実現形態を示す。図3に示す本発明の充てんモジュール100のバージョンは、連続した充てん工程を可能にする。容器1内の柔軟な包装用ドラム2の充てんが完了すると、第1の供給路46において分流装置48が切り換わり、それによって、第1の容器1に至る供給路部分50が閉じ、同時に、第2の容器1’に至る供給路部分52が開く。柔軟な包装用ドラム2’の充てん時には、充てんされた包装用ドラム2を容器1から取り外し、空の包装用ドラムと交換することができる。この工程を、特に、連結閉鎖機構20および22と(前述の)ドッキング装置24が使用されるために、容易および迅速に行うことができるので、多くの場合、真空状態(不図示)を作り出すポンプのスイッチを切ったり、ポンプを減速させたりせずに済み、通路閉鎖機構38によって容器1を開かせるために、エアレーションフラップ42を介して真空状態を一時的に解除すれば十分である。当然ながら、本発明の1つの充てんモジュール100では、2つ以上の容器1および容器1’を相互に組み合わせることも可能である。例えば、1つの充てんモジュールに3つ、4つ、またはそれ以上の数の容器を組み合わせたものが位置し、これらに、1つ、2つ、またはそれ以上の数の供給路を介して充てんすることもできる。
【0051】
図示の本発明の充てんモジュール100の実施形態では、容器1および容器1はそれぞれ、個々の内部空間26、26’に第2の検出器54、あるいは54を備えている。これら第2の検出器のそれぞれの内側は、第2の供給路14、14と同じ高さで、隔壁44に取り付けられている。例えば光センサなどとすることのできるこれら第2の検出器は、第2の供給路14、あるいは14’の充てん状態を検出し、分流装置48とやりとりすることのできる信号送信機(不図示)及び/又は制御及び/又は調整ユニット(不図示)とやりとりすることができる。例えば、検出器54が、第2の供給路14にバルク材料がたまっていることを検出した場合、制御及び/又は調整ユニットに信号が送信されて、(電気モータ(不図示)などを介して)分流装置48に、供給部分52を開けると同時に供給部分50を閉じさせることができ、このため、容器1’内の包装用ドラム2’が充てんされる。この充てん工程では、(例えば、エアレーション装置42などによって)容器1内の真空状態を低減し、または解除することができ、充てんされた(閉じた状態の)包装用ドラム2を取り外し、空の包装用ドラムと交換することができる。
【0052】
明らかに、本発明の充てんモジュールは、非常に高度な操作に際しての利便性および安全性を呈する。というのは、例えば高級鋼容器などを使用しなくても、環境に耐え得るやり方で、有害なバルク材料をコンテナに充てんし、搬送することもできるからである。
【0053】
図4に、本発明の充てんモジュール100の別の展開を示す。図1に示す充てんモジュール100の特徴に加えて、図4に示すバージョンは、その一方の端が容器1の供給口9の辺りで第1のドッキング連結部10に環境に耐え得るやり方で接続されており、そのもう一方の端が、概略的に示されているタブレットプレス機58の出口に接続されている第1の供給路56を備える。したがって、タブレットプレス機によって排出されたタブレットは、第1の供給路56および第2の供給路14を経て柔軟な包装用ドラム2に入る。搬送されるタブレットの摩耗粒子、およびタブレットプレス機58から漏れ出す他の粒子状成分は、除じん室58によって分離される。除じん室58は、吸引ポンプ60と、第1の供給路56に至る接続管62(第3の供給路)とを備える。吸引ポンプ60は、基本的に、第1の供給路、第2の供給路および柔軟な包装用ドラムによって形成される密閉システムにおいて真空状態を作り出す。特に包装用ドラム2がまだ空であるときには、この真空状態により通常、包装用ドラム2の内側が相互に密着し合い、バルク材料が包装用ドラムの底に落ちず、入口の辺りに詰まった状態になる。吸込管28およびポンプ30によって内部空間26に真空状態を作り出すことにより、柔軟な包装用ドラム2に充てんする工程、特にこの工程の初めの部分を、大幅に改善し、面倒な事態をほとんど生じずに行うことができる。
【0054】
以上の説明、特許請求の範囲、および図面において開示している本発明の特徴は、本発明の様々な実施形態における本発明の具現化に際して、個別的にも、任意の組み合わせとしても必要とされ得るものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器底、側壁、上部、及び特に前記上部に位置する少なくとも1つの供給口を有する、内部空間に少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを収容する寸法安定性容器であって、
可逆的に開閉できる、少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを容器の前記内部空間に挿入し、前記包装用ドラムを容器の前記内部空間から取り外すための少なくとも1つの通路装置と、
前記内部空間に通じる少なくとも1つの吸込管と、
容器内に位置する柔軟な包装用ドラムが、第1のドッキング連結部及び/又は前記供給口に直接的または間接的に連結されると、前記吸込管によって真空状態(第1の真空状態)を作り出すことのできる内部空間が生じるように、特に環境に耐え得るやり方で、バルク材料のための第1の供給路をドッキングする、前記供給口及び/又は前記供給口の辺りに位置し、及び/又は前記供給口を形成する少なくとも1つの前記第1のドッキング連結部と、
を備える寸法安定性容器。
【請求項2】
第1の開口端及び第2の特に対向する開口端を有し、前記第1の開口端は、環境に耐え得るやり方で、前記供給口及び/又は前記第1のドッキング連結部に接続され、又は接続することができ、前記第2の開口端の位置には、特に、容器に挿入することができ又は容
器内に位置する柔軟な包装用ドラムの対応する第2の連結閉鎖機構に環境に耐え得るやり方で連結するのに適した第1の連結閉鎖機構が位置し、環境に耐え得る第1のドッキング装置が形成される、容器の前記内部空間に少なくとも部分的に位置する少なくとも1つの第2の供給路を備える、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
容器底、側壁、上部、及び特に前記上部に位置する少なくとも1つの供給口を有する、内部空間に少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを収容する寸法安定性容器であって、
可逆的に開閉できる、少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムを容器の前記内部空間に挿入し、前記包装用ドラムを容器の前記内部空間から取り外すための少なくとも1つの通路装置、特に通路閉鎖機構と、
前記内部空間に通じる少なくとも1つの吸込管と、
特に環境に耐え得るやり方で、バルク材料のための第1の供給路をドッキングする、前記供給口及び/又は前記供給口の辺りに位置し、及び/又は前記供給口を形成する少なくとも1つの第1のドッキング連結部と、
第1の開口端および第2の対向する開口端を有し、前記第1の開口端は、環境に耐え得るやり方で、前記供給口及び/又は前記第1のドッキング連結部に接続され、または接続することができ、前記第2の開口端の位置には、特に、容器に挿入することができ、または容器内に位置する柔軟な包装用ドラムの対応する第2の連結閉鎖機構に環境に耐え得るやり方で連結するのに適した第1の連結閉鎖機構が位置し、環境に耐え得る第1のドッキング装置が形成される、容器の前記内部空間に少なくとも部分的に位置する第2の供給路と、を備え、このため、前記柔軟な包装用ドラムの前記第2の連結閉鎖機構が前記第1の連結閉鎖機構に連結されると、前記吸込管によって真空状態(第1の真空状態)を作り出すことのできる内部空間が生じ、前記内部空間に少なくとも部分的に位置し、特に前記内部空間の外部で操作することのできる、前記第1の連結閉鎖機構及び/又は前記第2の連結閉鎖機構及び/又は前記第1のドッキング装置を閉じたり(閉鎖モード)開いたり(充てんモード)するための少なくとも1つの操作装置をさらに備える、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記第1のドッキング連結部及び/又は前記供給口に環境に耐え得るやり方で接続するのに適し、及び接続するように配置されており、容器に挿入することができ、あるいは容器内に位置する柔軟な容器にバルク材料を充てんするのに適し、及び充てんするように配置されているバルク材料のための少なくとも1つの第1の供給路をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記吸込管に接続されており、または接続することができるポンプ、及び/又は前記吸込管と相互作用するバルブをさらに備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記通路装置、あるいは前記通路閉鎖機構は前記側壁に、及び/又は前記容器底に位置することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記容器底及び/又は少なくとも1つの側壁及び/又は前記上部の少なくとも一部は透明または半透明であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記通路装置または前記通路閉鎖機構は真空気密性の閉鎖可能なドアまたはフラップを表すことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記操作装置は前記通路装置または前記通路閉鎖機構と、前記操作装置が閉鎖モードにあるときにだけ前記通路装置または前記通路閉鎖機構を開くことができるように相互作用することを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記第1のドッキング連結部は、少なくとも1つのトリクランプ接続または第3の連結閉鎖機構を表し、又は備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
可逆的に閉じることのできる、前記内部空間のための少なくとも1つのエアレーション装置又は換気装置、特に、エアレーション装置又は換気バルブをさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記内部空間の寸法が基本的に容器内で充てんされるべき柔軟な包装用ドラムの寸法に対応することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の容器。
【請求項13】
柔軟な包装用ドラムの充てんレベルを判定するのに適し、及び判定するように配置されている少なくとも1つの第1の検出器をさらに備える、請求項1〜12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
容器内に位置する柔軟な包装用ドラムに充てんする工程において、前記第2の供給路及び/又は前記第1の供給路にバルク材料がたまっているかどうか判定するのに適し、および判定するように配置されている少なくとも1つの第2の検出器をさらに備える、請求項1〜13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記第1の検出器及び/又は前記第2の検出器は、前記第1の供給路供給路に隣接して、及び/又は前記第2の供給路に隣接して位置することを特徴とする、請求項13又は請求項14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記第1の検出器及び/又は前記第2の検出器は、前記第2の供給路にバルク材料がたまっているかどうか判定することができるように前記内部空間に配置されていることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記第1の検出器及び/又は前記第2の検出器は1つまたは複数の光学検出器であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の容器。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の柔軟な包装用ドラムのための少なくとも1つの寸法安定性容器と、
第1のドッキング連結部、供給口及び/又は第2の供給路に連結されている、または連結することのできる少なくとも1つの入口を含む少なくとも1つの柔軟な包装用ドラムとを備える、
バルク材料のための充てんモジュール。
【請求項19】
前記柔軟な包装用ドラムの前記入口は第2の連結閉鎖機構を備え、前記第2の供給路の第2の端部は第1の連結閉鎖機構を備え、前記第1の連結閉鎖機構と前記第2の連結閉鎖機構は、特に環境に耐え得るやり方で相互に接続されており、または相互に接続することができ、第1のドッキング装置が形成されることを特徴とする、請求項18に記載の充てんモジュール。
【請求項20】
前記柔軟な包装用ドラムは基本的に気密性材料に基づくものであり、及び/又は主として合成材料でできていることを特徴とする、請求項18又は請求項19に記載の充てんモジュール。
【請求項21】
前記柔軟な包装用ドラムは、前記入口の反対側に位置する少なくとも1つの運搬用または保持用装置、特に運搬用または保持用開口を有することを特徴とする、請求項18〜20のいずれか1項に記載の充てんモジュール。
【請求項22】
特に吸引ポンプを備える少なくとも1つのタブレットプレス機をさらに備え、
前記タブレットプレス機の出口は、前記第1の供給路及び/又は第3の供給路を介して前記供給口に接続されており、または接続することができ、前記吸引ポンプは特に、前記第1の供給路、前記第2の供給路、及び/又は前記第3の供給路、および必要な場合には前記柔軟な包装用ドラムにおいて第2の真空状態を作り出すのに適し、および作り出すように配置されており、好ましくは前記第2の真空状態を維持するのに適し、および好ましくは前記第2の真空状態を維持するように配置されている、請求項18〜21のいずれか1項に記載の充てんモジュール。
【請求項23】
吸引ポンプを備え、前記タブレットプレス機及び/又は前記第1の供給路及び/又は前記第3の供給路と相互作用し、特に、前記第1の供給路、前記第2の供給路、及び/又は前記第3の供給路、および必要な場合には前記柔軟な包装用ドラムにおいて第2の真空状態を作り出すのに適し、および作り出すように配置されており、好ましくは前記第2の真空状態を維持するのに適し、および好ましくは前記第2の真空状態を維持するように配置されている除じん室をさらに備える、請求項18〜22のいずれか1項に記載の充てんモジュール。
【請求項24】
請求項4〜17のいずれか1項に記載の少なくとも2つの容器を備えると共に、
第1の位置では、前記第2の容器の前記第1の供給路を開くと同時に前記第1の容器の前記第1の供給路を閉じ、第2の位置では、前記第1の容器の前記第1の供給路を開くと同時に前記第2の容器の前記第1の供給路を閉じる少なくとも1つの分流装置をさらに備える、請求項18〜23のいずれか1項に記載の充てんモジュール。
【請求項25】
第1の検出器及び/又は第2の検出器と、前記タブレットプレス機及び/又は前記分流装置と相互作用し、検出される充てん状態に応じて、前記タブレットプレス機をオンまたはオフに切り換え、及び/又は前記分流装置を前記第1の位置から前記第2の位置に、あるいは前記第2の位置から前記第1の位置に切り換えさせる制御及び/又は調整ユニットをさらに備える請求項18〜24のいずれか1項に記載の充てんモジュール。
【請求項26】
柔軟な包装用ドラムにバルク材料、特にタブレットを充てんするための、請求項1〜17のいずれか1項に記載の容器、又は請求項18〜25のいずれか1項に記載の充てんモジュールの使用。
【請求項27】
柔軟な包装用ドラム、特にバルク材料包装用ドラムにバルク材料を充てんする方法であって、
a)請求項1〜17のいずれか1項に記載の容器又は請求項18〜25のいずれか1項に記載の充てんモジュールを設けること、
b)必要な場合には、すでに内部空間にあり、あるいは以前から前記内部空間に含まれているのでない限り、特に、少なくとも一部は柔軟であり、可逆的に閉じることのできる第2の連結閉鎖機構を特に備える、入口を有する柔軟な包装用ドラムを設けること、
c)必要な場合には、前記包装用ドラムがすでに前記内部空間にあり、あるいは以前から内部空間に含まれているのでない限り、特に通路装置、例えば通路閉鎖機構などを介して、前記柔軟な包装用ドラムを、前記容器の、又は前記充てんモジュールの前記内部空間に挿入すること、
d)必要な場合には、この状態がすでに生じているのでない限り、前記柔軟な包装用ドラムの、特に前記第2の連結閉鎖機構の前記入口を、前記柔軟な袋によって、また場合によっては、第2の供給路によってふさがれていない前記内部空間が、供給口に対して密閉され、真空にさらすことができるように、前記供給口、第1のドッキング連結部に、または前記第2の供給路に接続すること、
e)必要な場合には、前記包装用ドラムがすでに前記内部空間に含まれており、前記通路装置が閉じられているのでない限り、前記通路装置、あるいは前記通路閉鎖機構を閉じること、
f)吸込管によって前記内部空間に第1の真空状態を作り出すこと、
g)前記供給口を介して前記柔軟な包装用ドラムにバルク材料を充てんすること、
h)前記内部空間における前記第1の真空状態の少なくとも一部を解除すること、
i)前記通路装置、あるいは前記通路閉鎖機構によって前記容器を開くこと、および
j)前記充てんされた柔軟な包装用ドラムを取り出すこと、
を含む方法。
【請求項28】
少なくとも前記ステップg)による充てん工程において、前記供給口及び/又は前記第1の供給路を介して前記柔軟な包装用ドラム内に第2の真空状態が少なくとも一時的に設定されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ステップg)による充てん工程において、前記第1の真空状態は少なくとも一時的に前記第2の真空状態とほぼ等しくなることを特徴とする、請求項27又は請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の真空状態は、少なくとも前記充てんするステップg)の前及び/又は前記充てんするステップg)の初めに、少なくとも一時的に前記第2の真空状態よりも量ΔP1だけ低くなることを特徴とする請求項28又は請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の真空状態は、前記充てんするステップg)を終えた後に、少なくとも一時的に前記第2の真空状態よりも量ΔP2だけ高くなることを特徴とする、請求項28〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記量ΔP1及び/又は前記量ΔP2は、20Paから200Paまでの範囲にあり、特に、30Paから100Paまでの範囲にあることを特徴とする、請求項31又は請求項32に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2011−524308(P2011−524308A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512034(P2011−512034)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004070
【国際公開番号】WO2009/146943
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(509168564)ゲーエーアー ファーマ システムズ アーゲー (3)
【Fターム(参考)】