説明

格納システム及び電子キー

【課題】収納手段の利用状態を適切に管理できる技術を提供すること。
【解決手段】格納棚の扉に錠装置が組込まれる。電子キーが錠装置にセットされることで、電子キーと錠装置とが通信を行って認証処理を実行し、利用可と判断された場合に、錠装置が解錠状態とされる。扉の開閉タイミングに応じて、電子キーに利用履歴を記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャビネット等の収納手段を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイル等の格納物を格納するためのキャビネットとして、機械的な錠機構付の扉を開閉自在に備えたものがある。
【0003】
従来のキャビネットでは、利用者が鍵を持って錠の鍵穴に差込んで回すことによって、施錠又は解錠するのが一般的である。
【0004】
なお、机に施錠装置を取付けた技術として、特許文献1に開示のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−303828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、情報セキュリティ対策に関する要求が厳しくなった。これに伴い、キャビネット等に格納されるファイルについても十分に管理するように要請され、例えば、キャビネットの利用者等、その利用状況についても適切に管理することができるようにとの要請が強くなった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、収納手段の利用状態を適切に管理できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る格納システムは、開閉自在とされた開閉部材を有する収納手段と、前記開閉部材を施錠状態又は解錠状態にする錠装置と、電子キーとを備え、前記錠装置と前記電子キーとが通信を行って認証動作を行い利用可と判断されたときに、前記錠装置を解錠状態にする格納システムであって、前記錠装置及び前記電子キーのうち少なくとも一方は、前記収納手段に関する利用履歴を記憶する記憶手段を有するものである。
【0009】
また、この発明に係る他の格納システムは、開閉自在とされた開閉部材を有する収納手段と、前記開閉部材を施錠状態又は解錠状態にする錠ロック部と前記錠ロック部を制御する錠側制御部とを有する錠装置と、認証情報を記憶した記憶部と前記錠側制御部との間で通信を行うキー側制御部とを有する電子キーと、を備え、前記錠側制御部と前記キー側制御部との間で通信を行って認証動作を行い、利用可と判断されたときに前記錠側制御部が前記錠ロック部に解錠動作を行わせる格納システムであって、前記キー側制御部は、前記収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させるものである。
【0010】
この場合に、利用者を特定するための利用者特定手段をさらに備え、前記キー側制御部は、特定された利用者に関する情報を含む利用履歴を前記記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記収納手段内に格納された格納物の格納状況を検索する格納物検索手段をさらに備え、前記収納手段の利用開始タイミング及び利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記格納物検索手段による検索動作を行うと共に、その検索結果を前記記憶部に記憶させるようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記格納物検索手段は、前記各格納物に取付けられたタグ装置と、前記各タグ装置と通信可能な通信手段と、前記通信手段を通じて前記各タグ装置との間で通信を行うことで前記各格納物の在庫状況を認識する検索制御部とを備え、前記検索制御部は、前記電子キーに組込まれており、前記電子キーが前記錠装置にセットされた状態で、前記検索制御部が前記通信手段を介して前記各タグ装置と通信を行うようにしてもよい。
【0013】
さらに、この発明に係る電子キーは、収納手段に取付けられた錠装置を解錠するための電子キーであって、認証情報を記憶した記憶部と、前記錠装置との間で通信を行って認証に関する処理を行うキー側制御部と、を備え、前記キー側制御部は、前記収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させるものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明の格納システムによると、錠装置及び電子キーのうち少なくとも一方が、利用履歴を記憶しているため、収納手段の利用状態を適切に管理できる。
【0015】
また、この発明の格納システムによると、電子キーは、前記収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させるため、収納手段の利用状態を適切に管理できる。
【0016】
この場合に、前記キー側制御部は、特定された利用者に関する情報を含む利用履歴を前記記憶部に記憶させると、電子キーが複数の利用者で共用される場合であっても、各利用者毎に利用履歴を管理できる。
【0017】
また、この場合に、前記収納手段内に格納された格納物の格納状況を検索する格納物検索手段をさらに備え、前記収納手段の利用開始タイミング及び利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記格納物検索手段による検索動作を行うと共に、その検索結果を前記記憶部に記憶させると、各利用時における格納物の在庫状況を管理でき、収納手段の利用状況をより適切に管理できる。
【0018】
さらに、前記格納物検索手段は、前記各格納物に取付けられたタグ装置と、前記各タグ装置と通信可能な通信手段と、前記通信手段を通じて前記各タグ装置との間で通信を行うことで前記各格納物の在庫状況を認識する検索制御部とを備え、前記検索制御部は、前記電子キーに組込まれており、前記電子キーが前記錠装置にセットされた状態で、前記検索制御部が前記通信手段を介して前記各タグ装置と通信を行うと、収納手段自体に制御手段を組込む必要が無く、従って、収納手段の構成を簡易化できる。
【0019】
また、この発明の電子キーによると、電子キーは、収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させるため、収納手段の利用状態を適切に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】格納システムの全体構成を示す図である。
【図2】格納棚を示す斜視図である。
【図3】錠装置及び電子キーを示す斜視図である。
【図4】錠装置に電子キーを差込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】錠装置及び電子キーの電気的構成を示すブロック図である。
【図6】認証情報の一例を示す図である。
【図7】キー発行機及び電子キーの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】キー発行機の動作を示すフローチャートである。
【図9】電子キーの動作を示すフローチャートである。
【図10】錠装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係る格納システムを示す斜視図である。
【図12】変形例に係る錠装置、電子キー及び格納物検索装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】変形例に係る電子キーの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
{実施形態}
<全体構成>
以下、この発明の実施形態に係る格納システムについて説明する。図1は、格納システムの全体構成を示す図である。
【0022】
格納システムは、格納棚10,10Bと、格納棚10,10Bに取付けられた錠装置20と、電子キー60と、電子キー60の発行管理を行うキー発行機80とを備えている。
【0023】
格納棚10,10Bは、一つ又は複数の収納手段を有している。ここでは、格納棚10は、収納手段として、両開き式の収納部11aと、引出式の収納部11b.11c,11dとを有している。格納棚10Bは、両開き式の収納部11Baを有している。
【0024】
上記各収納部11a,11b,11c,11d,11Baには、それらを施錠状態又は解錠状態にするための錠装置20が取付けられている。
【0025】
本格納システムの利用者に対しては、キー発行機80から電子キー60が発行される。利用者は該電子キー60を用いて錠装置20を施錠又は解錠して各所定の収納部11a,11b,11c,11d,11Baを利用する。
【0026】
本発明では、収納部11a,11b,11c,11d,11Baの利用履歴を記憶させるようにしている。以下、より詳細に説明する。
【0027】
<格納棚>
図2は格納棚を示す斜視図である。この格納棚10は、収納本体部11の上半部に収納手段としての収納部11aが設けられると共に、下半部に収納手段としての収納部11b,11c,11dが設けられてなる。上記収納部11aは、収納本体部11の上半部に設けられた収納スペースの開口部に、開閉部材としての両開きタイプの扉12a,12bを開閉自在に取付けた構成とされている。また、収納部11b,11c,11dは、収納本体部11の下半部に設けられた収納スペースに、引出し部14が開閉自在、換言すれば、引出し及び押込自在に設けられた構成とされている。
【0028】
一方の扉12aには、操作部としての取っ手部13aと、ラッチ機構13bとが取付けられている。ラッチ機構13bは、扉12aに組込まれ、扉12aを閉状態に保つようにロックする機構である。このような機構としては、爪部を収納本体部11側に係脱自在に係合させるような周知の機構等を採用できる。取っ手部13aは、扉12aの外面側に姿勢変更自在に取付けられている。この取っ手部13aの姿勢変更に連動して、上記ラッチ機構13bがロック及びロック解除動作を行うようになっている。
【0029】
そして、扉12a,12bを閉じることで、上記ラッチ機構13bが収納本体部11にロックして扉12a,12bが閉じた状態に保たれる。この状態で、取っ手部13aを引張ることで、上記ラッチ機構13bがロック解除状態となり、扉12a,12bも開くことができるようになる。
【0030】
また、引出し部14は、上方に開口する筺状に形成されており、その前面に取っ手部15aと、操作部としての操作レバー15bと、ラッチ機構15cとが取付けられている。
【0031】
ラッチ機構15cは、引出し部14の前面側の部分に組込まれ、引出し部14を閉じた状態に保つようにロックする機構である。このような機構としては、爪部を収納本体部11側に係脱自在に係合させるようにした周知の機構等を採用できる。取っ手部15aは、引出し部14を引出し容易にするために設けられた掴み用の部材であり、その内側に上記操作レバー15bが姿勢変更自在に取付けられている。この操作レバー15bの姿勢変更に連動して、上記ラッチ機構15cがロック及びロック解除動作を行うようになっている。
【0032】
そして、引出し部14を閉じることで、上記ラッチ機構15cが収納本体部11にロックして該引出し部14が閉じた状態に保たれる。この状態で、上記操作レバー15bを掴んで操作することで、ラッチ機構15cが解除状態となり、取っ手部15aを掴んで引出し部14を引出せるようになる。
【0033】
なお、格納棚10Bは、上記扉式の収納部11aと同様構成を全体に適用した構成であり、詳細な説明は省略する。格納棚としては、その他、引出式の収納部のみを有する格納棚であってもよい。要するに、開閉自在な開閉部材を有する種々の収納手段が本発明の適用対象となる。
【0034】
<錠装置及び電子キー>
図3は錠装置及び電子キーを示す斜視図であり、図4は錠装置に電子キーを差込んだ状態を示す斜視図である。
【0035】
錠装置20は、上記のような格納棚10における扉12a,引出し部14の外面側に取付けられる。より具体的には、図2の2点鎖線で示すように、錠装置20は、扉12aにおける取っ手部13aを覆う位置と、各引出し部14における取っ手部15a及び操作レバー15bを覆う各位置に取付けられる。
【0036】
この錠装置20は、装置本体部22に、遮蔽部材30と遮蔽ロック部40と錠側制御部54とが組込まれた構成とされている。なお、遮蔽部材30と遮蔽ロック部40とで、開閉部材としての上記扉12a、引出し部14を施錠状態又は解錠状態にする錠ロック部としての機能を実現し、これらの錠ロック部は上記錠側制御部54により制御される。
【0037】
装置本体部22は、扉12a及び引出し部14の外面側に取付固定される部材である。取付は、例えば、両面テープやねじ止固定等により行われる。
【0038】
より具体的には、装置本体部22は、ベース板23上に、遮蔽部材30を開閉自在に支持する支持フレーム24と、カバー25とが取付けられてなる。装置本体部22におけるベース板23及び支持フレーム24には窓部25Wが形成されており、この窓部25Wを通じて操作部としての取っ手部13a又は操作レバー15bが外方に露出する構成となっている。
【0039】
遮蔽部材30は、上記装置本体部22におけるベース板23と支持フレーム24との間で、図3に示す所定の遮蔽位置と、図4に示す所定の開放位置との間でスライド自在に保持されている。遮蔽部材30が遮蔽位置に配設された状態では、遮蔽部材は窓部25Wを閉塞して取っ手部13a又は操作レバー15bを覆う。これにより、取っ手部13a又は操作レバー15bに対する操作が不可能となり、施錠状態となる。また、この状態から、遮蔽部材30をカバー25側の開放位置へスライド移動させて窓部25Wの横側方へ退避させると、窓部25Wが開放して取っ手部13a又は操作レバー15bが露出する状態となる。これにより、取っ手部13a又は操作レバー15bに対する操作が可能となり、解錠状態となる。なお、本錠装置が直接的に上記ラッチ機構13b,15c等を駆動してロック状態(解錠状態)又はロック解除状態(施錠状態)にする構成であっても構わない。
【0040】
遮蔽ロック部40は、錠側制御部54の制御に応じて、上記遮蔽部材30のロックを解除するように構成されている。
【0041】
この遮蔽ロック部40としては、ソレノイド44(図5参照)を駆動させることにより、上記遮蔽部材30側の被係合部(図示省略)と装置本体部22側の係合部を係脱させて、遮蔽部材30をロック解除状態(遮蔽位置から移動可能な状態)にする構成が採用されている。なお、ロック状態に戻る機構については、例えば、一旦、ロック解除状態にした後、電子キー60をセット部42から抜くと、バネ等による機械的な付勢力によってロック状態(遮蔽位置から移動不可能な状態)に戻る機構を採用できる。なお、所定のタイミング(例えば、遮蔽部材30が閉じられたタイミング等)で、上記ソレノイド44等のアクチュエータの駆動によってロック状態に戻らせる機構を採用してもよい。
【0042】
また、ここでは、上記ソレノイド44は、装置本体部22に設けられたセット部42の受電端子42aを介して電子キー60からの電力供給を受けて駆動する構成となっている。勿論、遮蔽ロック部40としては、その他、アクチュエータを利用してロック及びアンロック解除状態にすることが可能な種々の構成を採用することができる。
【0043】
錠側制御部54は、マイコンチップ等を含む電子回路によって構成されており、制御基板の形態で上記装置本体部22に組込まれている。この錠側制御部54は、受電端子42aを介して電子キー60から電力供給を受けて動作する。また、錠側制御部54は、セット部42に設けられた通信部42bを介して電子キー60と通信を行って後述する所定の演算処理を実行し、ソレノイド44の駆動等を制御する構成となっている。
【0044】
電子キー60は、電子的な認証によって上記錠装置20を解錠するためのものであり、上記セット部42にセット可能な形状、ここでは、略長方形板状に形成されている。
【0045】
図5は錠装置及び電子キーの電気的構成を示すブロック図である。
【0046】
すなわち、電子キー60は、キー側制御部62と記憶部63と電源64とを有している。
【0047】
キー側制御部62は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータにより構成され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行される要素である。このキー側制御部62には、認証情報を記憶した記憶部63が組込まれている。
【0048】
また、電子キー60が上記セット部42にセットされると、キー側制御部62は、通信部65を介して錠側制御部54との間で通信を行って、認証情報を参照しつつ認証に関する所定の処理を実行する。また、キー側制御部62はタイマ回路を含んでおり、後述する所定のタイミングで記憶部63に利用履歴を書込む。なお、記憶部63は、キー側制御部62とは別構成とされていてもよい。
【0049】
電源64は、充電池であり、キー側制御部62等の電源として機能する。本電子キー60がキー発行機80にセットされた状態では、電源64に対して充電がなされる。また、電子キー60がセット部42にセットされた状態では、電源64から給電端子66及び受電端子42aを介して錠装置20側に給電を行う。
【0050】
錠装置20は、錠側制御部54と記憶部55とを有している。錠側制御部54は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータにより構成され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行される要素である。この錠側制御部54には、上記認証動作に必要な所定の情報を記憶した記憶部55が組込まれている。そして、電子キー60が上記セット部42にセットされると、上記電子キー60との間で通信を行って、認証に関する所定の処理を実行する。そして、認証結果が利用可である場合に、スイッチ部56を一時的にオンにしてソレノイド44に通電可能な状態にする。なお、記憶部55は、錠側制御部54とは別構成とされていてもよい。
【0051】
また、錠装置20は、開閉センサ28を備えている。開閉センサ28は、扉12a,12bや引出し部14の開閉状態を検出するセンサであり、光センサやマイクロスイッチ等により構成されている。この開閉センサ28の検知結果が錠側制御部54を介してキー側制御部62に与えられる。
【0052】
そして、電子キー60をセット部42にセットすると、給電端子66及び受電端子42aを介して、電源64から錠側制御部54に給電がなされる。そして、通信部42b,65を介して、電子キー60のキー側制御部62と錠側制御部54との間で通信がなされる。ここでは、通信は、電波通信又は光通信等により行われ、好ましくは、FeliCa等に適用される無線通信により行われる。そして、キー側制御部62と錠側制御部54との間で通信を行うことで、該当する格納棚10での使用可か否かに関して所定の認証動作がなされる。
【0053】
ここでの認証処理としては周知の種々の方式を採用できるが、そのうちの一つを例示すると次のような処理である。すなわち、キー側制御部62の記憶部63には、認証情報として、図6に示すように、各利用者を特定するための利用者特定番号(B0000,B0001,B0002,B0003,…)毎に、収納部11a,11b,11c,11dの位置を特定する位置特定番号(A0000,A0001,A0002,A0003,…)と利用可否の情報を特定したテーブルが書込まれている。つまり、ここでは、複数の格納位置及び複数の利用者が想定される格納システムを前提としているため、認証情報として、利用者別に、各格納位置の利用可否を設定した情報を記憶している。キー発行機80から電子キー60が発行される際に、利用者が特定され、特定情報が電子キー60に与えられている。また、錠側制御部54の記憶部55には、位置特定番号が記憶されている。そして、電子キー60がセット部42にセットされることで、錠側制御部54からキー側制御部62に、格納棚10の位置特定番号が与えられる。これにより、キー側制御部62は、前記テーブル、予め与えられた利用者特定情報、さらに、錠側制御部54から与えられる位置特定番号に基づいて、該錠側制御部54が設けられた収納部11a,11b,11c,11dの利用可否を判断する。利用可と判断された場合に、利用許可指令を錠側制御部54に与える。この指令を受けて、錠側制御部54は、ソレノイド44の駆動を制御しえてロック解除状態にして遮蔽部材30を開放可能な状態にする。また、その後、ソレノイド44を駆動制御して、遮蔽部材30をロック状態にする。
【0054】
なお、例えば、キー側制御部62から錠側制御部に認証情報を与え、錠側制御部54で利用可否を判断するようにしてもよい。要するに、電子キー60側の記憶部63に記憶された認証情報に基づいて、キー側制御部62と錠側制御部54との通信を通じて利用可否を決定する種々の認証動作を採用することができる。
【0055】
<キー発行機>
キー発行機80は、図1に示すように、電子キー60をセットするためのセット部81を有しており、利用者に対して電子キー60を発行する。
【0056】
図7はキー発行機及び電子キーの電気的構成を示すブロック図である。キー発行機80は、キー発行ロック部84とキー発行制御部90とを備えている。
【0057】
キー発行ロック部84は、充電部83及びキー発行ロック部84とを備えている。充電部83は、セット部81にセットされた電子キー60の電源64に対して、充電端子82aを介して充電を行う。キー発行ロック部84は、キー発行制御部90の制御に応じて、セット部81にセットされた電子キー60を取出し不能にロック又はロック解除するように構成されている。このようなキー発行ロック部84は、例えば、セット部81にセットされた電子キー60に係脱自在な係合機構を、ソレノイド等のアクチュエータにより駆動制御する機構等により実現される。
【0058】
キー発行制御部90は、発行制御部92と、テンキー94とを備えている。発行制御部92は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータにより構成され、その演算動作はすべて予め格納されたソフトウェアプログラムによって実行される要素である。このキー発行制御部90には、記憶部93が組込まれており、この記憶部93には、個人を特定するための情報、ここでは、各利用者と各利用者に割当てられた暗証番号とを対応づけた特定情報テーブルが記憶されている。テンキー94は、利用者が暗証番号を入力するための入力手段である。そして、利用者がテンキー94を通じて暗証番号を入力すると、キー発行制御部90は、入力された暗証番号と上記特定情報テーブルとに基づいて、正規の利用者であるか否かを判断すると共に、利用者を特定する。そして、特定された利用者に関する情報を、通信部81bを通じてセット部81にセットされた電子キー60に与える。この後、キー発行ロック部84を制御してロック解除にする。
【0059】
なお、ここでは、キー発行制御部90が利用者を特定するための利用者特定手段として機能している。キー発行制御部90は、上記のようにテンキー94を通じた暗証番号の入力によって利用者を特定する他、IDカード(例えばfelica)をリーダ(例えばパソリ)で読込んで認証する構成、指紋や静脈、音声等の生体認証装置を追加して又は代替手段として採用することで、利用者特定手段を構成するようにしてもよい。
【0060】
また、これらの利用者特定手段としての構成を、電子キー60自体に組込むようにしてもよい。また、上記キー発行ロック部84とキー発行制御部90との間で、無線LAN等の無線方式で通信を行わせ、両者を分離して設置可能にし、キー発行ロック部84を格納棚10自体に取付けるようにしてもよい。
【0061】
<動作説明>
図8はキー発行機の動作を示すフローチャートである。
【0062】
すなわち、キー発行機80における電子キー60の発行、回収動作は次のようにしてなされる。
【0063】
初期状態は、キー発行機80のセット部81に電子キー60がセットされ、キー発行ロック部84のロックにより電子キー60は抜けない状態となっている。
【0064】
この状態で、ステップS1に示すように、テンキー94を通じて暗証番号が入力されると、次のステップS2において、入力された暗証番号及び上記特定情報テーブルに基づいて、暗証番号が合致したか否かが判定される。そして、暗証番号が不一致の場合には処理を終了し、暗証番号が合致している場合には、ステップS3に進み、利用者特定情報を電子キー60に付与し、キー発行ロック部84をロック解除状態にする。これにより、電子キー60はセット部81から抜いて取出し可能となり、利用者は該電子キー60を所持して本格納システムを利用できるようになる。
【0065】
この後、ステップS4において、電子キー60の返却の有無が判断される。ここでの判断は、例えば、セット部81に設けられた接触センサ等の検知出力に基づいて発行制御部92においてなされる。電子キー60が返却されるまで、ステップS4の処理が繰返され、電子キー60が返却されると、ステップS5に進む。
【0066】
ステップS5では、キー発行ロック部84をロック状態にする。これにより、電子キー60はセット部81から抜けない状態となる。これにより、利用者は電子キー60をキー発行機80に返却して、本格納システムの利用を終了する。
【0067】
図9は電子キーの動作を示すフローチャートである。
【0068】
すなわち、上記発行動作を経て電子キー60が利用者に対して発行される。
【0069】
そして、まず、ステップS11において、電子キー60が錠装置20のセット部42にセットされたか否かが判断される。電子キー60がセット部42にセットされるまでステップS11の処理が繰返され、電子キー60がセット部42にセットされると、次のステップS12に進む。
【0070】
ステップS12では、錠側制御部54とキー側制御部62との間で通信を行って上述したような認証処理を行い、ステップS13に進む。
【0071】
ステップS13において、認証処理の結果、利用不可であると判断された場合には、処理を終了する。一方、ここで、利用可と判断された場合には、ステップS14に進み、錠側制御部54に対して解錠指令を与え、次ステップS15に進む。
【0072】
ステップS15では、扉12a,12b又は引出し部14が開かれたか否かが判断される。ここでの判断は、上記開閉センサ28からの検知結果に基づいてなされる。そして、開状態が検知されるまで、ステップS15の処理が繰返され、開状態が検知されると、ステップS16に進む。
【0073】
ステップS16では、キー側制御部62は、記憶部63に利用履歴を書込み、次ステップS17に進む。
【0074】
ステップS17では、扉12a,12b又は引出し部14が閉じられたか否かが判断される。ここでの判断は、上記開閉センサ28からの検知結果に基づいてなされる。そして、閉状態が検知されるまで、ステップS17の処理が繰返され、閉状態が検知されると、ステップS18に進む。
【0075】
ステップS18では、キー側制御部62は記憶部63に利用履歴を書込む。そして、処理を終了する。
【0076】
なお、上記記憶部63に書込まれる利用履歴は、利用された収納部11a,11b,11c,11d等(又は施解錠された錠装置20)を特定する情報(例えば図6の位置特定番号)、利用者を特定する情報(例えば図6の利用者特定番号)、利用内容に関する情報(例えば、扉12a,12b又は引出し部14が開かれたのか、閉じられたのか)、時間情報を含み、かつ、互いに対応づけられた情報である。なお、利用履歴は、これらの各情報のうち少なくとも一つを含むものであってもよい。
【0077】
図10は錠装置の動作を示すフローチャートである。
【0078】
まず、ステップS21において、電子キー60のセットの有無が判断される。電子キー60がセットされるまでステップS21の処理が繰返される。そして、利用者が電子キー60を錠装置20のセット部42にセットし、電子キー60のセット有りと判断されると、次ステップS22に進む。
【0079】
ステップS22では、錠側制御部54とキー側制御部62との間で通信を行って上述したような認証処理を行い、ステップS23に進む。
【0080】
ステップS23では、解錠指令の有無が判断される。解錠指令が無い場合、処理を終了する。一方、キー側制御部62から解錠指令が与えられた場合、遮蔽ロック部40を解錠状態にする。これにより、遮蔽ロック部40の遮蔽部材30は開放可能な状態になる。これにより、利用者は、遮蔽部材30を開くことにより、扉12a,12bや引出し部14を開いて収納部11a,11b,11c,11d等のうちの一つを利用できる。
【0081】
ステップS23の後、ステップS24に進む。ステップS24では、上記ソレノイド44を制御することで、遮蔽ロック部40を施錠可能状態にする。これにより、遮蔽部材30を閉じると、遮蔽部材30が閉じられた状態でロックされ、遮蔽ロック部40は施錠状態になる。以上により処理を終了する。
【0082】
<格納システムの利用例>
上記格納システムの利用例について説明する。
【0083】
まず、本システムの初期設定において、各利用者の特定情報及び各利用者毎に利用可能な収納部11a,11b,11c,11d等(又は錠装置20)の特定情報が設定登録される。この設定登録情報は、図示省略の管理パソコンに登録されると共に、この管理パソコンを通じて予め電子キー60等に登録されている。この電子キー60は予めキー発行機80のセット部81にセットされている。
【0084】
本格納システムの利用者は、キー発行機80前に移動する。そして、テンキー94に暗証番号を入力して、そのセット部81から電子キー60の発行を受ける。
【0085】
利用者は、電子キー60を所持して利用したい収納部11a,11b,11c,11d等の前に移動し、電子キー60を錠装置20のセット部42にセットする。すると、電子キー60と錠装置20との間で、上記認証処理が行われ、利用可であると判断されると、錠装置20が解錠される。これにより、利用者は、錠装置20の遮蔽部材30を開いて所望の収納部11a,11b,11c,11d等を利用できる。
【0086】
利用が終了すると、利用者は遮蔽部材30を閉じ、電子キー60をセット部42から抜く。すると、錠装置20は施錠状態になる。この後、利用者は、再度キー発行機80前に移動し、電子キー60をキー発行機80のセット部81にセットして利用を終了する。
【0087】
なお、電子キー60に記憶された利用履歴は、適宜管理パソコン等を通じて読込んで、該パソコンの表示手段等に表示させることができる。
【0088】
<まとめ>
以上のように構成された格納システムによると、錠装置20と電子キー60とが通信を行って認証動作を行い利用可と判断されたときに、錠装置20を解錠状態にする格納システムにおいて、錠装置20に、収納部11a,11b,11c,11d等に関する利用履歴を記憶させるようにしている。このため、各収納部11a,11b,11c,11d等の利用状況を適切に管理でき、情報セキュリティ対策にとても有効である。
【0089】
なお、錠装置20側に利用履歴を書込むようにしてもよい。もっとも、電子キー60側に利用履歴を書込むようにした方が、例えば、管理パソコン等で履歴管理を行い易く、また、電子キー60単位で管理を行えるというメリットがある。
【0090】
また、利用履歴としては、電子キー60を用いて収納部11a,11b,11c,11d等を利用する種々の履歴を考えることができる。
【0091】
特に、本実施形態では、電子キー60は、収納部11a,11b,11c,11d等の利用開始タイミングとして扉12a,12b又は引出し部14の開状態が検知されたタイミングと、収納部11a,11b,11c,11d等の利用終了タイミングとして扉12a,12b又は引出し部14の閉状態が検知されたタイミングとで、利用履歴を記憶させるようにしているため、利用者の利用開始及び終了時間を履歴として残すことで、それらの利用状況をより適切に管理できる。
【0092】
なお、利用開始タイミング及び利用終了タイミングのうち一方のみで利用履歴を残すようにしてもよい。また、利用開始タイミング及び利用終了タイミングとして、扉12a,12b又は引出し部14の開閉状態に応じたタイミングの他、ソレノイド44の駆動タイミングや遮蔽部材30の開閉検出タイミング、電子キー60がセット部42に挿脱されたタイミング等のうち少なくとも一つに応じたタイミングであってもよい。
【0093】
また、電子キー60は、上述したような利用開始タイミング及び利用終了タイミングの他、キー発行機80から発行されたタイミングや、キー発行機80に返却されたタイミングでそれらの発行、返却履歴を記憶するようにしてもよい。
【0094】
さらに、利用者をキー発行制御部90で特定し、利用者特定情報を電子キー60に与え、電子キー60で、特定された利用者に関する情報を含む利用履歴を前記記憶部に記憶させるようにしているため、電子キーが複数の利用者で共用される場合であっても、各利用者毎に利用履歴を管理できる。
【0095】
もっとも、電子キー60が各利用者毎に個別に発行されるような場合においては、各電子キー60は利用者を特定せずに、その電子キー60の利用履歴を記憶していくことで、結局は、電子キー60毎、即ち、利用者毎に電子キー60の利用履歴を管理できる。
【0096】
{変形例}
図11は変形例に係る格納システムを示す斜視図であり、図12は変形例に係る錠装置、電子キー及び格納物検索装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0097】
この変形例に係る格納システムは、収納手段としての収納部11aに格納された格納物を検索する格納物検索装置100をさらに備えている。
【0098】
格納物検索装置100は、タグ装置110と通信部112とを備えており、キー側制御部62Bが検索制御部として機能するように構成されている。
【0099】
タグ装置110は、格納物111に応じた識別符号が割与えられた装置であり、上記各格納物(例えば書類を閉じたファイル等)に取付けられている。通信部112は、例えば、扉12aの内側に取付けられており、収納部11a内の格納物111に取付けられた各タグ装置110との間で通信可能とされている。タグ装置110と通信部112とは、ここでは、光信号により通信を行う。勿論、電波等を用いた通信形式であってもいよい。
【0100】
そして、電子キー60Bが錠装置20Bのセット部42にセットされた状態で、検索制御部としてのキー側制御部62Bが、錠側制御部54及び通信部112を介して、各タグ装置110との間で通信を行う。これにより、該収納部11a内に収納された格納物111の在庫状況(少なくとも在庫の有無を含む状況)を認識可能なように構成されている。
【0101】
なお、格納物検索装置100自体は、例えば、特開2004−359459号公報に開示されている技術を適用できる。
【0102】
また、通信部112は、錠装置20Bにおけるセット部42の受電端子42aにも接続されている。そして、通信部112は、錠装置20Bを介して、セット部42にセットされた電子キー60Bの電源64から光通信を行うための(特に光信号を発するための)電力供給を受けるように構成されている。
【0103】
図13は、変形例に係る格納システムにおいて、電子キーの動作を示すフローチャートである。
【0104】
すなわち、電子キー60Bが利用者に対して発行された後、まず、ステップS31において、電子キー60Bが錠装置20のセット部42にセットされたか否かが判断される。電子キー60Bがセット部42にセットされるまでステップS31の処理が繰返され、電子キー60Bがセット部42にセットされると、次のステップS32に進む。
【0105】
ステップS32では、錠側制御部54とキー側制御部62Bとの間で通信を行って認証処理を行い、ステップS33に進む。
【0106】
ステップS33において、認証処理の結果、利用不可であると判断された場合には、処理を終了する。一方、ここで、利用可と判断された場合には、ステップS34に進み、錠装置20B側に解錠指令を与え、次ステップS15に進む。
【0107】
ステップS35では、扉12aが開かれたか否かが判断される。ここでの判断は、上記開閉センサ28からの検知結果に基づいてなされる。そして、開状態が検知されるまで、ステップS35の処理が繰返され、開状態が検知されると、ステップS36に進む。
【0108】
ステップS36では、キー側制御部62Bが通信部112を介して各タグ装置110との間で通信を行い、格納物111の在庫状況を検索する。この後、ステップS37に進んで、記憶部63に利用履歴を書込み、次ステップS38に進む。ここでの利用履歴には、上記実施形態で述べた情報に加えて、格納物111の在庫状況が含まれる。
【0109】
ステップS38では、扉12aが閉じられたか否かが判断される。そして、閉状態が検知されるまで、ステップS38の処理が繰返され、閉状態が検知されると、ステップS39に進む。
【0110】
ステップS39では、キー側制御部62Bが通信部112を介して各タグ装置110との間で通信を行い、格納物111の在庫状況を検索する。この後、ステップS40に進んで、記憶部63に利用履歴を書込み、処理を終了する。ここでの利用履歴には、上記実施形態で述べた情報に加えて、格納物111の在庫状況が含まれる。
【0111】
この変形例によると、収納部11aの利用開始タイミングとして扉12aが開かれたタイミングと、その利用終了タイミングとして扉12aが閉じられたタイミングで、格納物の在庫状況を検索すると共に、その検索結果としての在庫状況を含む利用履歴を記憶部63に記憶させるようにしているため、各利用開始時又は終了時における格納物111の在庫状況をも管理できる。これにより、各格納物111毎に取出され或は返却された時点ないし利用者を特定して管理でき、利用状況をより適切に管理できる。
【0112】
しかも、キー側制御部62Bが電子キー60Bに組込まれているため、格納棚10側に検索用の制御装置を組込む必要がない。しかも、通信部112も電子キー60Bからの電力供給を受けてタグ装置110と光通信を行う構成であるため、格納棚10側に電源を組込む必要がない。このため、検索を行うために格納棚10自体に追加する構成を簡易化できるというメリットがある。
【0113】
なお、上記利用開始タイミング及び利用終了タイミングの一方のみで、検索動作を行って格納物の在庫状況を記憶させるようにしてもよい。また、利用開始タイミング及び利用終了タイミングは、扉12aの開閉タイミングに限られず、上記実施形態で説明したように、利用開始又は終了に伴って動作制御され或は変化する種々の状態に応じたタイミングとすることができる。
【符号の説明】
【0114】
10,10B 格納棚
11a,11b,11c,11d,11Ba 収納部
12a,12b 扉
14 引出し部
20,20B 錠装置
40 遮蔽ロック部
54 錠側制御部
55 記憶部
60,60B 電子キー
62 キー側制御部
62,62B キー側制御部
63 記憶部
64 電源
80 キー発行機
100 格納物検索装置
110 タグ装置
111 格納物
112 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉自在とされた開閉部材を有する収納手段と、前記開閉部材を施錠状態又は解錠状態にする錠装置と、電子キーとを備え、前記錠装置と前記電子キーとが通信を行って認証動作を行い利用可と判断されたときに、前記錠装置を解錠状態にする格納システムであって、
前記錠装置及び前記電子キーのうち少なくとも一方は、前記収納手段に関する利用履歴を記憶する記憶手段を有する、格納システム。
【請求項2】
開閉自在とされた開閉部材を有する収納手段と、
前記開閉部材を施錠状態又は解錠状態にする錠ロック部と前記錠ロック部を制御する錠側制御部とを有する錠装置と、
認証情報を記憶した記憶部と前記錠側制御部との間で通信を行うキー側制御部とを有する電子キーと、
を備え、前記錠側制御部と前記キー側制御部との間で通信を行って認証動作を行い、利用可と判断されたときに前記錠側制御部が前記錠ロック部に解錠動作を行わせる格納システムであって、
前記キー側制御部は、前記収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させる、格納システム。
【請求項3】
請求項2記載の格納システムであって、
利用者を特定するための利用者特定手段をさらに備え、
前記キー側制御部は、特定された利用者に関する情報を含む利用履歴を前記記憶部に記憶させる、格納システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の格納システムであって、
前記収納手段内に格納された格納物の格納状況を検索する格納物検索手段をさらに備え、
前記収納手段の利用開始タイミング及び利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記格納物検索手段による検索動作を行うと共に、その検索結果を前記記憶部に記憶させる、格納システム。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかに記載の格納システムであって、
前記格納物検索手段は、
前記各格納物に取付けられたタグ装置と、前記各タグ装置と通信可能な通信手段と、前記通信手段を通じて前記各タグ装置との間で通信を行うことで前記各格納物の在庫状況を認識する検索制御部とを備え、
前記検索制御部は、前記電子キーに組込まれており、前記電子キーが前記錠装置にセットされた状態で、前記検索制御部が前記通信手段を介して前記各タグ装置と通信を行う、格納システム。
【請求項6】
収納手段に取付けられた錠装置を解錠するための電子キーであって、
認証情報を記憶した記憶部と、
前記錠装置との間で通信を行って認証に関する処理を行うキー側制御部と、
を備え、
前記キー側制御部は、前記収納手段の利用開始タイミング又は利用終了タイミングのうち少なくとも一方のタイミングで、前記収納手段に関する利用履歴を前記記憶部に記憶させる、電子キー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−256710(P2011−256710A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201364(P2011−201364)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【分割の表示】特願2005−79776(P2005−79776)の分割
【原出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(595043170)アドバンテック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】