説明

梱包体

【課題】印画紙ロールに衝撃が与えられることを防止するとともに、印画紙ロールを容易に取り出すことができる梱包体を提供する。
【解決手段】本発明による梱包体1は、収納箱2と、この収納箱内に配置された一対の印画紙ロール箱10と、収納箱内であって一対の印画紙ロール箱上に配置されたインクリボン箱20とを備えている。各印画紙ロール箱に、印画紙が巻き付けられて形成された印画紙ロールが収納されている。インクリボン箱に、インクリボンと、このインクリボンが巻き付けられた繰出ロールと、この繰出ロールから繰り出されたインクリボンを巻き取る巻取ロールとを有するインクリボンユニットが収納されている。一対の印画紙ロール箱は、収納箱内に隙間なく配置され、各印画紙ロール箱の上面に取出用貫通孔が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印画紙ロールを収納する一対の印画紙ロール箱と、インクリボンユニットを収納するインクリボン箱とが収納された梱包体に係り、とりわけ、印画紙ロールに衝撃が与えられることを防止するとともに、印画紙ロールを容易に取り出すことができる梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、昇華転写プリンターでは、そのプリンター専用のインクリボンと印画紙が使用される。このため、このインクリボンと、インクリボンが巻き付けられた繰出ロールと、この繰出ロールから繰り出されたインクリボンを巻き取る巻取ロールとを有するインクリボンユニットと、印画紙を巻き付けた印画紙ロールとが、一つの収納箱に収納されて輸送されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここでインクリボンユニットと印画紙ロールを梱包する方法として、これらインクリボンユニットと印画紙ロールを個装箱にそれぞれ収納し、各個装箱を収納箱内に隙間なく詰めて収納する方法が考えられる。このような方法によれば、収納箱内に使用される緩衝材の削減を図りながらインクリボンユニットと印画紙ロールに衝撃が加わることを防止するとともに、輸送効率の向上が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−51541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した方法では、個装箱が収納箱内に隙間なく詰められているため、収納されていた個装箱を収納箱から取り出すことが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、印画紙ロールに衝撃が与えられることを防止するとともに、印画紙ロールを容易に取り出すことができる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、印画紙ロールとインクリボンの梱包体において、収納箱と、この収納箱内に配置された一対の印画紙ロール箱と、収納箱内であって一対の印画紙ロール箱上に配置されたインクリボン箱と、を備え、各印画紙ロール箱に、印画紙が巻き付けられて形成された印画紙ロールが収納され、インクリボン箱に、インクリボンと、このインクリボンが巻き付けられた繰出ロールと、この繰出ロールから繰り出されたインクリボンを巻き取る巻取ロールとを有するインクリボンユニットが収納され、一対の印画紙ロール箱は、収納箱内に隙間なく配置され、各印画紙ロール箱の上面に取出用貫通孔が設けられていることを特徴とする梱包体である。
【0008】
本発明は、インクリボン箱は、底面と、上面と、4つの側面とを有し、少なくとも対向する一対の側面に、側方に突出する垂直板が設けられ、垂直板が設けられた対向する一対の側面上部および下部から、水平板が側方に突出し、各水平板は、収納箱内面に当接してインクリボン箱の水平方向の動きを規制し、垂直板は上部または下部の水平板に当接して垂直方向の剛性をもつことを特徴とする梱包体である。
【0009】
本発明は、インクリボン箱は、一対の垂直板から内部へ延びる仕切板を有し、各垂直板は一対の垂直片からなり、かつ仕切板は一対の仕切片からなり、インクリボン箱の仕切片と垂直片は、一体形成されていることを特徴とする梱包体である。
【0010】
本発明は、印画紙ロール箱は、底面と、上面と、4つの側面とを有し、印画紙ロール箱内面に、印画紙ロールの両端に係合自在な一対の係合部が設けられ、印画紙ロール箱の底面、上面、4つの側面、および一対の係合部は、全て一体のブランク板から構成されていることを特徴とする梱包体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、収納箱内に、印画紙ロールを収納する一対の印画紙ロール箱と、インクリボンユニットを収納するインクリボン箱とが収納され、一対の印画紙ロール箱は、収納箱内に隙間なく配置されている。このため、印画紙ロールに衝撃が与えられることを確実に防止することができる。また、各印画紙ロール箱の上面に印画紙ロール箱を取り出すための取出用貫通孔が設けられている。このため、収納箱内から各印画紙ロール箱を容易に取り出すことができ、印画紙ロールを容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の形態において、梱包体の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態において、印画紙ロール箱の構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態において、印画紙ロールが収納された印画紙ロール箱を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態において、インクリボン箱の構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態において、インクリボンユニットが収納されたインクリボン箱を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態において、印画紙ロール箱用の印画紙ブランク板を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態において、インクリボン箱用のインクリボンブランク板を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態において、収納箱用の収納ブランク板を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態において、印画紙ロール箱の組立方法を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態において、インクリボン箱の組立方法を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態において、印画紙ロール箱およびインクリボン箱を収納箱に収納する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図11は、本発明の第1の実施の形態における梱包体を示す図である。
【0014】
まず、図1により梱包体1の全体構成について説明する。
【0015】
図1に示すように梱包体1は、収納箱2と、この収納箱2内に配置された一対の印画紙ロール箱10と、収納箱2内であって一対の印画紙ロール箱10上に配置されたインクリボン箱20と、を備えている。このうち、各印画紙ロール箱10には、印画紙3aが巻き付けられて形成された印画紙ロール3が収納されている。本実施の形態における印画紙ロール3は、図3に示すように、印画紙3aと、この印画紙3aが巻き付けられ、軸線方向に延びる中空部3cを含み円筒状に形成された巻付軸3bとを有している。また、インクリボン箱20には、図5に示すように、インクリボン4aと、このインクリボン4aが巻き付けられた繰出ロール4bと、この繰出ロール4bから繰り出されたインクリボン4aを巻き取る巻取ロール4cとを有するインクリボンユニット4が後述する第1収納空間20aおよび第2収納空間20bにそれぞれ収納される。
【0016】
収納箱2は、図1に示すように、底面2aと、上面2bと、4つの側面2cとを有し、このうち底面2aの大きさは、2つの印画紙ロール箱10を並べて配置可能な大きさを有しており、2つの印画紙ロール箱10が収納箱2内に隙間なく配置して収納可能になっている。
【0017】
各印画紙ロール箱10は、図2に示すように、底面11と、上面12と、4つの側面13とを有し、このうち上面11に、印画紙ロール箱10を収納箱2から取り出すための一対の取出用貫通孔14が設けられている。
【0018】
印画紙ロール箱10の内面には、印画紙ロール3の巻付軸3bの両端に係合自在な一対の係合部15、16が設けられている。すなわち、図3に示すように、各印画紙ロール箱10の底面11には、巻付軸3bの中空部3cの下端に係合自在な底面側係合部15が設けられ、上面12には、巻付軸3bの中空部3cの上端に係合自在な上面側係合部16が設けられている。このような印画紙ロール箱10内に、印画紙ロール3は樹脂製の保護袋5に収容されて保持されるようになっている。また、印画紙ロール箱10の底面11、上面12、4つの側面13、底面側係合部15、および上面側係合部16は全て一体の印画紙ブランク板(後述)30から構成されている(図6参照)。なお、上述した一対の係合部は、印画紙ロール箱10の底面11および上面12ではなく、対向するいずれか2つの側面13に設けるようにしてもよい。
【0019】
インクリボン箱20は、図4に示すように、底面21と、上面22と、4つの側面23とを有している。これら4つの側面23のうち少なくとも対向する一対の側面23に、側方に突出する垂直板24が設けられている。また、垂直板24が設けられた側面23の上部から上部水平板25が側方に突出するとともに、この側面23の下部から下部水平板26が側方に突出している。これら上部水平板25および下部水平板26は、収納箱2内面に当接してインクリボン箱20の水平方向の動きを規制している。
【0020】
また、上部水平板25には、垂直板24が挿入されてその上縁が上方に露出可能な垂直板係合溝部27が設けられており、垂直板24は、収納箱2に収納した際、その下縁が下部水平板26に当接するとともに、上縁が収納箱2の上面フラップ54(後述、図11参照)に当接して、収納時の垂直方向の剛性をもっている(図1参照)。
【0021】
インクリボン箱20は、図4および図5に示すように、一対の垂直板24から内部へ延びる仕切板28を有し、各垂直板24は一対の垂直片、すなわち第1垂直片24aおよび第2垂直片24b(図10参照)からなり、かつ仕切板28は一対の仕切片、すなわち第1仕切片28aおよび第2仕切片28bからなっている。さらに、インクリボン箱20の底面21、上面22、4つの側面23、垂直板24、上部水平板25、下部水平板26、および仕切板28は、全て一体のインクリボンブランク板(後述)40から構成されている(図7参照)。
【0022】
図4に示すように、インクリボン箱20の上面22に、インクリボン箱20からインクリボンユニット4を取り出すためのインクリボン取出用貫通孔29が設けられている。
【0023】
インクリボン箱20内には、仕切板28によって区画され、インクリボンユニット4をそれぞれ収納可能な第1収納空間20aおよび第2収納空間20bが形成されている。これら第1収納空間20aおよび第2収納空間20bは、インクリボンユニット4に対応する大きさをそれぞれ有している。このようなインクリボン箱20の第1収納空間20aおよび第2収納空間20bには、図5に示すように、インクリボンユニット4の繰出ロール4bと巻取ロール4cの両端に連結部材6が取り付けられて互いに連結され、樹脂製の保護袋7に収容されたインクリボンユニット4がそれぞれ収納される。なお、インクリボンユニット4の収納方法としては、このことに限られることはなく、繰出ロール4bと巻取ロール4cとの間に緩衝シート(図示せず)を介在させてインクリボンユニット4全体が包装シート(図示せず)により覆われてインクリボン箱20の第1収納空間20aおよび第2収納空間20bに収納されるようにしても良い。
【0024】
図6を用いて、印画紙ロール箱10を作製するための印画紙ブランク板30について説明する。印画紙ブランク板30は、板紙からなり、4つの側面パネル31と、一端側に連結され、側方に延びる折返部32とを有している。また、各側面パネル31には、これら各側面パネル31に渡って延びる側面側ミシン目線33が設けられている。
【0025】
印画紙ロール箱10の対向するいずれか一対の側面13を形成する側面パネル31に、一対の第1底面フラップ34および一対の第1上面フラップ36が連結されている。このうち、各第1底面フラップ34は、対応する側面パネル31に連結され、印画紙ロール箱10の底面11を形成する第1底面フラップ本体34aと、この第1底面フラップ本体34aの先端側に延びる第1底面突出部34bと、この第1底面突出部34bの先端縁に延びる第1底面溝部34cとを含んでいる。
【0026】
また、印画紙ロール箱10の対向する他の一対の側面13を形成する側面パネル31に、一対の第2底面フラップ35および一対の第2上面フラップ37が連結されている。このうち各第2底面フラップ35は、対応する側面パネル31に連結され、印画紙ロール箱10の底面11を形成する第2底面フラップ本体35aと、この第2底面フラップ本体35aの先端側に延びる第2底面突出部35bと、第2底面フラップ本体35aから第2底面突出部35bに亘って延びる第2底面溝部35cとを含んでいる。
【0027】
これら第1底面突出部34bと第2底面突出部35bとにより、印画紙ロール箱10の底面側係合部15が構成される。
【0028】
上述した各第1上面フラップ36は、対応する側面パネル31に連結され、印画紙ロール箱10の上面12を形成する第1上面フラップ本体36aと、この第1上面フラップ本体36aの先端側に延びる第1上面突出部36bと、この第1上面突出部36bの先端縁に延びる第1上面溝部36cとを含んでいる。各第1上面フラップ本体36aのうち側面パネル31側には、印画紙ロール箱10を取り出すための取出用貫通孔14がそれぞれ形成されている。
【0029】
上述した各第2上面フラップ37は、対応する側面パネル31に連結され、印画紙ロール箱10の上面12を形成する第2上面フラップ本体37aと、この第2上面フラップ本体37aの先端側に延びる第2上面突出部37bと、第2上面フラップ本体37aから第2上面突出部37bに亘って延びる第2上面溝部37cとを含んでいる。各第2上面フラップ本体37aには、印画紙ロール箱10が組み立てられた際に取出用貫通孔14の周縁に対応する位置に上面側ミシン目線38が形成されている。
【0030】
これら第1上面突出部36bと第2上面突出部37bとにより、印画紙ロール箱10の上面側係合部16が構成される。
【0031】
図7を用いて、インクリボン箱20を作製するためのインクリボンブランク板40について説明する。インクリボンブランク板40は、板紙からなり、インクリボン箱20の底面21を形成する底面パネル41を有している。この底面パネル41に、インクリボン箱20の側面23を形成する2つの側面パネル42aが連結され、このうちの一方の側面パネル42aの両側に、2つの側面パネル42bが連結されている。
【0032】
各側面パネル42bに、上部水平板25および下部水平板26がそれぞれ連結されている。また、各上部水平板25から対応する側面パネル42b亘って垂直板係合溝部27が延びている。なお、底面パネル41と各下部水平板26との間に、切込線47が形成されている。
【0033】
また、一方の側面パネル42aに、第1インクリボンフラップ43が連結され、他方の側面パネル42aに、第2インクリボンフラップ44が連結されている。このうち第1インクリボンフラップ43に、インクリボンユニット4を取り出すための一対のインクリボン取出用貫通孔29が形成されている。なお、第2インクリボンフラップ44と各上部水平線25との間に、切込線48が形成されている。
【0034】
第1インクリボンフラップ43に第1仕切片28aが連結され、この第1仕切片28aの両側に第1垂直片24aがそれぞれ連結されている。第1仕切片28aと各第1垂直片24aとの間に第1仕切片係合溝部45が形成され、第1垂直片24aおよび第1仕切片28aの先端縁に延びている。同様に、第2インクリボンフラップ44に第2仕切片28bが連結され、この第2仕切片28bの両側に第2垂直片24bがそれぞれ連結されている。第2仕切片28bと各第2垂直片24bとの間に第2仕切片係合溝部46が形成され、第2垂直片24bおよび第2仕切片28bの先端縁に延びている。
【0035】
図8を用いて、収納箱2を作製するための収納ブランク板50について説明する。収納ブランク板50は、板紙からなり、4つの側面パネル51と、一端側に位置し、側方に延びる折返部52とを有している。各側面パネル51に、4つの底面フラップ53および4つの上面フラップ54がそれぞれ連結されている。
【0036】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。まず、印画紙ロール箱10の組立方法について説明する。
【0037】
まず、図6に示すような印画紙ブランク板30を準備する。次に、印画紙ブランク板30の4つの側面パネル31と折返部32とが互いにそれぞれ折り曲げられ、図9に示すように、折返部32と対応する側面パネル31とが連結される。次に、各第1底面フラップ本体34aが対応する側面パネル31に対して折り曲げられ、この第1底面フラップ本体34aに対して第1底面突出部34bが折り曲げられる。同様にして、各第2底面フラップ本体35aが対応する側面パネル31に対して折り曲げられ、この第2底面フラップ本体35aに対して第2底面突出部35bが折り曲げられる。
【0038】
次に、各第2底面突出部35bが印画紙ロール箱10内部に向くように各第2底面フラップ本体35aが閉じられる。この場合、各第2底面フラップ35の第2底面溝部35cが連通する。
【0039】
次に、各第1底面突出部34bを連通した第2底面溝部35cに挿入するように各第1底面フラップ本体34aが閉じられる。この場合、各第1底面溝部34cに各第2底面突出部35bが係合し、各第2底面溝部35cに各第1底面突出部34bが係合する。このようにして、各第1底面突出部34bと各第2底面突出部35bとにより底面側係合部15が形成されて、印画紙ロール箱10の底面11が形成される。
【0040】
次に、各第1上面フラップ本体36aが対応する側面パネル31に対して折り曲げられ、この第1上面フラップ本体36aに対して第1上面突出部36bが折り曲げられる。同様にして、各第2上面フラップ本体37aが対応する側面パネル31に対して折り曲げられ、この第2上面フラップ本体37aに対して第2上面突出部37bが折り曲げられる。
【0041】
次に、底面11が形成された印画紙ロール箱10に、印画紙ロール3が収納される。この場合、予め保護袋5に収容された印画紙ロール3の巻付軸3bの中空部3cの下端が、印画紙ロール箱10の底面側係合部15に係合する(図3参照)。
【0042】
次に、図9に示すように、各第2上面突出部37bが印画紙ロール箱10内部に向くように各第2上面フラップ本体37aが閉じられる。この場合、各第2上面突出部37bが印画紙ロール3の巻付軸3bの中空部3cの上端に係合する。また、各第2上面フラップ37の第2上面溝部37cが連通し、この第2上面フラップ本体37aに形成された上面側ミシン目線38が現れている。
【0043】
次に、各第1上面突出部36bを連通した第2上面溝部37cに挿入するように各第1上面フラップ本体36aが閉じられる。この場合、各第1上面溝部36cに各第2上面突出部37bが係合し、各第2上面溝部37cに各第1上面突出部36bが係合するとともに、各第1上面突出部36bが各第2上面突出部37bとともに印画紙ロール3の巻付軸3bの中空部3cの上端に係合する。このようにして、各第1上面突出部36bと各第2上面突出部37bとにより上面側係合部16が形成されて、印画紙ロール箱10の上面12が形成される。このとき、印画紙ロール箱10の上面12に、印画紙ロール箱10を取り出すための取出用貫通孔14が現れている。
【0044】
次に、インクリボン箱20の組立方法について説明する。まず、図7に示すようなインクリボンブランク板40を準備する。次に、図10に示すように、インクリボンブランク板40の底面パネル41に対して4つの側面パネル42a、42bが立ち上げられる。この際、上部水平板25および下部水平板26が底面パネル41に略水平となるように折り曲げられる。
【0045】
次に、第1インクリボンフラップ43および第2インクリボンフラップ44が対応する側面パネル42aに対して折り曲げられ、第1インクリボンフラップ43に対して第1仕切片28aが折り曲げられるとともに、第2インクリボンフラップ44に対して第2仕切片28bが折り曲げられる。
【0046】
次に、底面21が形成されたインクリボン箱20に、予め保護袋7に収容されたインクリボンユニット4が収納される。この場合、この後、第1仕切片28aおよび第2仕切片28bからなる仕切板28によって区画される第2収納空間20b(図5参照)に相当する部分にインクリボンユニット4が収納される。
【0047】
次に、図10に示すように、第2垂直片24bが上部水平板25に形成された垂直板係合溝部27に挿入されるように、第2インクリボンフラップ44が閉じられる。この場合、第2仕切片係合溝部46に側面パネル42bが係合するとともに、垂直板係合溝部27に第2垂直片24bが係合する。
【0048】
次に、インクリボン箱20の第1収納空間20a(図5参照)に、予め保護袋7に収容されたもう一つのインクリボンユニット4が収納される。
【0049】
次に、図10に示すように、第1垂直片24aが上部水平板25に形成された垂直板係合溝部27に挿入されるように、第1インクリボンフラップ43が閉じられる。この場合、第1仕切片係合溝部45に側面パネル42が係合するとともに、垂直板係合溝部27に第1垂直片24aが係合する。
【0050】
このようにして、インクリボン箱20の上面22が形成される。この場合、この上面22に、インクリボン箱20からインクリボンユニット4を取り出すためのインクリボン取出用貫通孔29が現れる。
【0051】
上述のようにして得られた印画紙ロール箱10が、収納箱2内に隙間なく収納される。この場合、まず、図8に示すような収納ブランク板50を準備し、収納ブランク板50の側面パネル51と折返部52とが互いにそれぞれ折り曲げられ、折返部52と対応する側面パネル51とが連結される(図11参照)。次に、各底面フラップ53が対応する側面パネル51に対して折り曲げられて閉じられ、接着テープ8により底面フラップ53同士が貼り付けられる。
【0052】
次に、上方から2つの印画紙ロール箱10が並んで配置されて収納される。次に、印画紙ロール箱10の上面12に、インクリボン箱20が収納される。このとき、インクリボン箱20の側面23から側方に突出する上部水平板25および下部水平板26が収納箱2の内面に当接している。その後、収納箱2の上面フラップ54が折り曲げられて閉じられ、接着テープ8により上面フラップ54同士が貼り付けられる。このとき、インクリボン箱20の側面23から側方に突出する垂直板24の下縁が下部水平板26に当接するとともに、上縁が収納箱2の上面フラップ54に当接している。このようにして、印画紙ロール3およびインクリボンユニット4が収納箱2に収納される。
【0053】
ところで、印画紙ロール3およびインクリボンユニット4が収納された収納箱2から印画紙ロール3およびインクリボンユニット4を取り出す場合、まず、図11に示すように、接着テープ8が剥がされて上面フラップ54が開けられ、収納箱2からインクリボン箱20が引き出される。
【0054】
次に、インクリボン箱20の上面22に形成されたインクリボン取出用貫通孔29を用いて、第1垂直片24aおよび第1仕切片28aを上方に引き上げるようにして第1インクリボンフラップ43が開けられる。このことにより、インクリボン箱20の第1収納空間20aに収納されていたインクリボンユニット4を取り出すことができる。この際、インクリボン取出用貫通孔29を用いることにより、第1インクリボンフラップ43を容易に開けることができる。
【0055】
その後、第2垂直片24bおよび第2仕切片28bを上方に引き上げるようにして第2インクリボンフラップ44が開けられる(図10参照)。このことにより、インクリボン箱20の第2収納空間20bからインクリボンユニット4を取り出すことができる。
【0056】
次に、図11に示すように、印画紙ロール箱10の上面に形成された取出用貫通孔14を用いて、収納箱2から印画紙ロール箱10が引き出される。この場合、まず、印画紙ロール箱10の第2上面フラップ37に形成された上面側ミシン目線38が破断されて、第2上面フラップ37に貫通孔が形成される。次に、この第2上面フラップ37に形成された貫通孔と、予め形成されていた取出用貫通孔14とを用いて、収納箱2から印画紙ロール箱10が引き出される。
【0057】
次に、印画紙ロール箱10の第1上面突出部36bを上方に引き上げるようにして第1上面フラップ36が開けられ、第2上面突出部37bを上方に引き上げるようにして第2上面フラップ37が開けられる(図9参照)。このことにより、印画紙ロール箱10から印画紙ロール3を取り出すことができる。なお、第1上面フラップ36および第2上面フラップ37を開けることなく、印画紙ロール箱10の側面13に形成された側面側ミシン目線33(図6参照)を介して印画紙ロール箱10を上下方向に2分割して、印画紙ロール3を取り出すこともできる。
【0058】
このように本実施の形態によれば、収納箱2内に、印画紙ロール3を収納する一対の印画紙ロール箱10と、インクリボンユニット4を収納するインクリボン箱20とが収納され、一対の印画紙ロール箱10は、収納箱2内に隙間なく配置されて収納される。これら各印画紙ロール箱10の上面に、この印画紙ロール箱10を取り出すための取出用貫通孔14が設けられている。このため、この取出用貫通孔14を用いることによって収納箱2内から各印画紙ロール箱10を容易に取り出すことができる。
【0059】
また、本実施の形態によれば、上述したように、一対の印画紙ロール箱10が収納箱2内に隙間なく並べて配置されて収納されている。このため、収納箱2内において印画紙ロール箱10が水平方向に動くことを規制することができる。また、印画紙ロール箱10の上面12に配置されたインクリボン箱20の側面23から側方に突出する上部水平板25および下部水平板26が収納箱2の内面に当接している。このことにより、収納箱2内においてインクリボン箱20が水平方向に動くことを規制することができる。さらに、インクリボン箱20の側面23から側方に垂直板24が突出して、その下縁が下部水平板26に当接するとともに、上縁が収納箱2の上面フラップ54に当接している。このことにより、収納時の垂直方向の剛性をもたせ、収納箱2内において印画紙ロール箱10およびインクリボン箱20が垂直方向に動くことを規制することができる。このため、印画紙ロール3とインクリボンユニット4に衝撃が与えられることを防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、印画紙ロール箱10の底面11、上面12、4つの側面13、底面側係合部15、および上面側係合部16は全て一体の印画紙ブランク板30から構成されている。ここで、印画紙ロール3の巻付軸3bの中空部3cの両端を係合して保持するために、別構成の樹脂成型品を用いる方法も考えられる。しかしながらこの場合、この樹脂成型品用の金型製作のために費用がかかり、印画紙およびインクリボンの受注量が比較的少ない場合には、梱包体1の製作コストを低く抑えることが困難になる。これに対して本発明によれば、このような別構成の樹脂成型品を用いることなく、印画紙ブランク板30から組み立てられた印画紙ロール箱10の底面側係合部15および上面側係合部16によって、印画紙ロール3の巻付軸3bの両端を係合することができる。このため、印画紙およびインクリボンの受注量が比較的少ない場合であっても、梱包体1の製作コストを低く抑えることができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、各印画紙ロール箱10に収納される印画紙ロール3は、印画紙3aと、この印画紙3aが巻き付けられ、軸線方向に延びる中空部3cを含む円筒状の巻付軸3bとを有し、この巻付軸3bの両端に印画紙ロール箱10の各係合部15、16が係合する例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、各印画紙ロール箱10に収納される印画紙ロール3は、巻付軸3bを用いることなく、印画紙3aを円筒状に巻き付けて形成されたコアレスタイプの印画紙ロール(図示せず)であってもよい。この場合においても、印画紙3aの内側には軸線方向に延びる中空部が形成されているため、この印画紙ロールの中空部の両端に印画紙ロール箱10の各係合部15、16を係合させて、印画紙ロールを確実に保持することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 梱包体
2 収納箱
2a 底面
2b 上面
2c 側面
3 印画紙ロール
3a 印画紙
3b 巻付軸
3c 中空部
4 インクリボンユニット
4a インクリボン
4b 繰出ロール
4c 巻取ロール
5 保護袋
6 連結部材
7 保護袋
8 接着テープ
10 印画紙ロール箱
11 底面
12 上面
13 側面
14 取出用貫通孔
15 底面側係合部
16 上面側係合部
20 インクリボン箱
20a 第1収納空間
20b 第2収納空間
21 底面
22 上面
23 側面
24 垂直板
24a 第1垂直片
24b 第2垂直片
25 上部水平板
26 下部水平板
27 垂直板係合溝部
28 仕切板
28a 第1仕切片
28b 第2仕切片
29 インクリボン取出用貫通孔
30 印画紙ブランク板
31 側面パネル
32 折返部
33 側面側ミシン目線
34 第1底面フラップ
34a 第1底面フラップ本体
34b 第1底面突出部
34c 第1底面溝部
35 第2底面フラップ
35a 第2底面フラップ本体
35b 第2底面突出部
35c 第2底面溝部
36 第1上面フラップ
36a 第1上面フラップ本体
36b 第1上面突出部
36c 第1上面溝部
37 第2上面フラップ
37a 第2上面フラップ本体
37b 第2上面突出部
37c 第2上面溝部
38 上面側ミシン目線
40 インクリボンブランク板
41 底面パネル
42a 側面パネル
42b 側面パネル
43 第1インクリボンフラップ
44 第2インクリボンフラップ
45 第1仕切片係合溝部
46 第2仕切片係合溝部
47 切込線
48 切込線
50 収納ブランク板
51 側面パネル
52 折返部
53 底面フラップ
54 上面フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印画紙ロールとインクリボンの梱包体において、
収納箱と、
この収納箱内に配置された一対の印画紙ロール箱と、
収納箱内であって一対の印画紙ロール箱上に配置されたインクリボン箱と、を備え、
各印画紙ロール箱に、印画紙が巻き付けられて形成された印画紙ロールが収納され、
インクリボン箱に、インクリボンと、このインクリボンが巻き付けられた繰出ロールと、この繰出ロールから繰り出されたインクリボンを巻き取る巻取ロールとを有するインクリボンユニットが収納され、
一対の印画紙ロール箱は、収納箱内に隙間なく配置され、各印画紙ロール箱の上面に取出用貫通孔が設けられていることを特徴とする梱包体。
【請求項2】
インクリボン箱は、底面と、上面と、4つの側面とを有し、
少なくとも対向する一対の側面に、側方に突出する垂直板が設けられ、
垂直板が設けられた対向する一対の側面上部および下部から、水平板が側方に突出し、
各水平板は、収納箱内面に当接してインクリボン箱の水平方向の動きを規制し、垂直板は上部または下部の水平板に当接して垂直方向の剛性をもつことを特徴とする請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
インクリボン箱は、一対の垂直板から内部へ延びる仕切板を有し、
各垂直板は一対の垂直片からなり、かつ仕切板は一対の仕切片からなり、
インクリボン箱の仕切片と垂直片は、一体形成されていることを特徴とする請求項2に記載の梱包体。
【請求項4】
印画紙ロール箱は、底面と、上面と、4つの側面とを有し、
印画紙ロール箱内面に、印画紙ロールの両端に係合自在な一対の係合部が設けられ、
印画紙ロール箱の底面、上面、4つの側面、および一対の係合部は、全て一体のブランク板から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−1065(P2011−1065A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143119(P2009−143119)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】