説明

椅子兼用脚のストレッチ器具

【課題】一台の装置で、椅子と、アキレス腱や腓腹筋等の脚裏筋肉の伸長と、ふくらはぎのマッサージが簡単に兼用できる器具を提供する。
【解決手段】座板12と、座板の裏面に描いた長方形の四隅に立てた4本の支持脚12a、12b,12c,12dと、座板と支持脚を固定するための4枚の側板16a,16b,18a,18bを有する椅子を、上下反転した状態で設置し、踏み板20を、端部は座板の裏面と側板の接合部にあて、他方は向かい側の側板上に載せ、この踏み板上で起立することで脚裏筋肉を伸長する。この踏み板を水平に回転移動するだけで傾斜角度が調節できる。椅子の支持脚の先端部に連結板14を設置し、球体複数個を軸棒で連結したマッサージ棒22をこの連結板に脱着自在に設置すれば、ふくらはぎのマッサージもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜した踏み板による脚裏面のアキレス腱や腓腹筋等の伸長器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脚裏面にあるアキレス腱等の伸長器具としては、傾斜した踏み板の上につま先あがりに直立起立する装置(例えば、特許文献1参照)がある。
【特許文献1】特開2003−180720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1は、手すりを設けた構造であるため、大型で設置場所を選ぶという難点がある。
【0004】
特許文献1は傾斜の角度を調節する場合、止め金具類やフックを用いているため、複雑で美観を損ない、自然と人目につかない場所に置かれがちで、使わずに放置される難点がある。
【0005】
特許文献1は、健康器具としての用途に限られており、他の用途に兼用できるように構成されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の伸長器は、傾斜角度を調節する際、踏み板の置き位置を90度もしくは180度もしくは270度水平に回転移動することで、最大4段階の調節が可能で、調節金具を必要としないため美観を損なわず、小型化できる。
【0007】
本発明は、特別の金属器具や装置を用いることなく、椅子の構造をそのまま伸長器に使用するもので、椅子として日常の生活空間に常備しても美しく、しかも目に付く所にあるため、忘れることなく伸長訓練を継続しやすい。
【0008】
アキレス腱や腓腹筋等の脚裏面の筋肉を伸長する主な目的は、筋肉を鍛えて弾力性をつけ、筋肉のポンプとしての働きにより、血液とリンパ液の循環を良好にすることにあるが、本発明は、マッサージ棒を装着するだけで簡単にふくらはぎのマッサージができる多機能性を備え、伸長とマッサージの両面を施すことで、より一層抹消血管とリンパ液の鬱血状態を解消できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、つま先上がりに傾斜した踏み板の上に乗るだけで、自然に足首を曲げてアキレス腱や腓腹筋等の脚裏の筋肉を伸長することができ、結果、脚の血流とリンパ液の循環を良好にし、同時に、身体の重心が前方にかかることから、骨盤と背骨を矯正して肩こりや腰痛等の不具合を良好にする効果がある。
【0010】
伸長器具としてだけではなく、マッサージ棒を取り付け、ふくらはぎのマッサージを並行して実行できるので、より一層、筋肉を柔軟にし、脚部の鬱血状態を解消して、むくみや老廃物や脂肪の排出を促す総合的な効果が期待できる。
【実施例1】
【0011】
椅子の構造について説明する。椅子の座部にあたる座板10に4本の支持脚12を立てる。支持脚と座板を堅固に固定するため、4枚の側板16a、16b、18a、18bを用いて、支持脚と支持脚を結合すると同時に座板と直角に接するよう結合する、図2。
【0012】
脚裏伸長方法を説明する。椅子を上下反転して設置し、踏み板20の一方の端部を座板裏面と側板16bの接合部にあてて置き、他方を側板16aの上部に載せ、傾斜した踏み板とする、図1。使用者がこの踏み板上につま先あがりに乗る時、側板16bがかかとのすべり止めになる、図6。
【0013】
踏み板の傾斜角度の調節を説明する。支持脚を座板裏面に描いた長方形の四隅に立て、長辺上の側板を16a、16b短辺上の側板を18a、18bとする。踏み板を16aまたは16bに載せて傾斜に設置した場合、図4と、踏み板を90度水平に回転移動し、18aまたは18bに載せた場合図3では傾斜角度が異なるため、2段階の角度調節が可能になる。さらに、側板16aの高さを他より高くしておき図1、踏み板を側板16aに載せ傾斜した踏み板にするとき、傾斜角度が最も大きくなり図5、側板16bに載せた場合図4、側板18aまたは18bに載せた場合図3の順に傾斜角度は小さくなり、3段階の調節ができる。さらに側板18bの高さを側板18aより低くしておくと,4段階の調節ができる。
【実施例2】
【0014】
ふくらはぎのマッサージを説明する。支持脚の先端部分で、二本の支持脚12a、12bを連結板14により連結する。向かい合う二本の支持脚12c、12dも同様に連結板で連結する、図1、図2。この連結板は座板からの高さをかかとからひざまでの高さにし、連結位置を調節可能にしておく。これはふくらはぎのマッサージをする際、脚を載せるに適当な高さにするためである。
【0015】
マッサージ棒を説明する。硬質製球体の中心部を貫通する孔に軸棒を挿入し、球体複数個を連結し、軸棒の両端に把持部を備えたマッサージ棒22を脱着自在に連結板14に固定する図1。マッサージ棒球体部分にふくらはぎを載せると図7、脚の重力によりほどよい圧力が加わり、脚を前後に動かすことによりマッサージされ、足首から心臓に向かって血流とリンパ液の流れを良好にし、鬱血状態を解消してむくみや老廃物や脂肪のセルライトなどを除去できる。
【実施例3】
【0016】
椅子に代えて、底面が長方形の箱状体図8に踏み板を傾斜に設置し脚裏筋肉の伸長器具とする。長辺側板26に踏み板を載せると傾斜角度は大きく、短辺側板28に踏み板を載せると傾斜角度は小さくなり図9、2段階に調節できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】椅子に踏み板とマッサージ棒を設置した状態の斜視図。(実施例1、2)
【図2】椅子を正面右上方から見た斜視図。(実施例1)
【図3】踏み板の設置による傾斜角度最小を示す正面からの断面図。(実施例1)
【図4】踏み板の設置による傾斜角の状態を示す右側面からの断面図。(実施例1)
【図5】踏み板の設置による傾斜角度最大を示す右側面からの断面図。(実施例1)
【図6】踏み板の実施形態を示す脚裏筋肉の伸長例図。(実施例1)
【図7】マッサージ棒実施形態を示すふくらはぎのマッサージ例図。(実施例2)
【図8】箱状体の急勾配の傾斜を示す踏み板設置例斜視図。(実施例3)
【図9】箱状体の緩勾配の傾斜を示す踏み板設置例斜視図。(実施例3)
【符号の説明】
【0018】
10座板
12支持脚
14連結板
16側板
18側板
20踏み板
22マッサージ棒
26箱状体の長辺側板
28箱状体の短辺側板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座板と、4本の支持脚と、支持脚と座板を固定するための4枚の側板を有する椅子を、上下反転して床に設置し、踏み板を傾斜になるよう、端部は座板裏面と側板の接合部に当てるように置き、他方は側板上に載せることを特徴とした椅子兼用脚のストレッチ器具。
【請求項2】
支持脚を、座板裏面に描いた長方形の四隅に立てて、傾斜に置いた踏み板を90度水平に回転移動すると、傾斜角度を2段階に調節でき、さらに4枚の側板のうち1枚の高さを他の3枚と異なる高さにして、踏み板を水平に回転移動すると、傾斜角度を3段階に調節でき、隣り合う2枚の側板の高さを他と違えておくと、傾斜角度を4段階に調節できることを特徴とした請求項1記載の椅子兼用脚のストレッチ器具。
【請求項3】
支持脚の先端の部分に、2本の支持脚を連結する連結板を固定位置変更可能に固定したものを、向かい合う二箇所にほどこし、この連結板の上に、硬質材の球体複数個を軸棒で連結したマッサージ棒を、水平に脱着自在器具により固定し、ふくらはぎをこのマッサージ棒に載せ、脚を前後に動かすことにより、脚自身の重みにより、力を加えることなくマッサージできることを特徴とした請求項1記載の椅子兼用脚のストレッチ器具。
【請求項4】
椅子に換えて、底面が長方形の箱状体を使い、踏み板を傾斜に置き、90度水平に回転移動するだけで傾斜角度を2段階に調節できることを特徴とした請求項1記載の椅子兼用脚のストレッチ器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−129905(P2006−129905A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−318949(P2004−318949)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(304048609)
【Fターム(参考)】