植込み型医療装置用の抗菌性保護
【課題】
【解決手段】抗菌性のIMD構成要素は、ポケット内にて体液に露呈され、かなりの植え込み期間に亙って抗菌性活性を呈する濃度にて、金属イオンを溶離させる抗菌性金属イオンゼオライトの合成物である。この抗菌性構成要素は、近接し且つ皮下ポケット内にて保持され且つ安定位置となるようにIMDに物理的に取り付けられる。別の実施の形態において、抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに取り付け、また、IMDから取り外すことができる。別の実施の形態において、重合系構成要素は、IPG又はモニタ装置のコネクタヘッダを有し、又は皮下ポケット内に又は皮下に植え込んだカルジオバーション/除細動(C/D)電極の補強部内に配置されたIPG又はモニタ装置と連結された電気的医療リードの基端側コネクタ組立体のコネクタスリーブ又は密封リングを有する。
【解決手段】抗菌性のIMD構成要素は、ポケット内にて体液に露呈され、かなりの植え込み期間に亙って抗菌性活性を呈する濃度にて、金属イオンを溶離させる抗菌性金属イオンゼオライトの合成物である。この抗菌性構成要素は、近接し且つ皮下ポケット内にて保持され且つ安定位置となるようにIMDに物理的に取り付けられる。別の実施の形態において、抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに取り付け、また、IMDから取り外すことができる。別の実施の形態において、重合系構成要素は、IPG又はモニタ装置のコネクタヘッダを有し、又は皮下ポケット内に又は皮下に植え込んだカルジオバーション/除細動(C/D)電極の補強部内に配置されたIPG又はモニタ装置と連結された電気的医療リードの基端側コネクタ組立体のコネクタスリーブ又は密封リングを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、植込み型医療装置(implantable medical devices;IMDs)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、皮下に植え込まれるハウジングを有し且つ、典型的に、皮下箇所からその他の皮下箇所又は器官或いは身体内に深くその他の植え込み箇所まで伸びる細長い医療用電気リード又は薬剤供給カテーテルを有する、多岐に亙る型式のIMDsが臨床的植え込みのため商業的に販売され又は提案されている。典型的に、IMDは、電気医療リードと連結された電池作動式の植込み型パルス発生器(IPG)と、電気医療リードと連結するか又は連結されない電池作動式の植込み型モニタ装置と、薬剤供給カテーテルと連結された電池作動式の薬剤ポンプと、等を有する。かかるIMDは、植込み型心臓ペースメーカと、ペーシング能力を持つカルジオバータ/除細動器と、脊髄、深大脳、神経及び筋肉刺激器と、薬剤供給システムと、心臓及びその他の生理学的モニタ装置と、人口内耳と、等を含む。
【0003】
典型的に、IMDの電池作動式構成要素は、該電池作動式構成要素を交換することが必要なとき、容易にアクセスすることのできる、「ポケット」と称される、外科的に準備した箇所にて皮下に植え込まれる。外科的に準備し且つ、IMDの最初の及び交換用のための植え込みは、滅菌場にて行われ、滅菌場に導入する前に、IMD構成要素は滅菌容器内に包装し又は滅菌する。しかし、これらの予防的配慮にも拘らず、常にポケット内に微生物が導入される虞れはある。このため、外科医は、典型的に、外科手術の前に、外科手術箇所の皮膚に殺菌剤(例えば、クロルヘキジン(Chlorhexidine)、グルコネート(Gluconate)、ポビドンヨード(Povidone-Iodine)、イソプロピルアルコール、エチルアルコール)又は無菌剤(例えば、ゲンタマイシン(gentamicin)、バンコマイシン(vancomycin))を切開部が閉じられる前に、その箇所に直接的に施し、また、回復する間、患者が消化するため経口抗生物質(例えば、セフロキシン(sefuroxin)、ゲンタマイシン、リファマイシン(rifamycin)、バンコマイシン)を処方する。
【0004】
IPG及びリードを取り囲む線維状組織内の定住炎症性細胞は、時間の経過と共に、弱体化し又は「消費され」、このため、IPGを交換する時点にて、ポケット内にて感染を引き起こす可能性のある細菌の量は、数倍程度、減少する。ポケットが感染したならば、その感染は、リードシースに沿って心臓まで移動し、また、かかる移動する感染は、追跡不能となり且つ、生命を脅かし、このため、IPG及びリードを除去し、また、感染を治療する薬剤療法を行うことが必要となる。持続的に植え込んだリードを除去することは、困難で且つ危険であり、場合によっては、胸郭切除術が必要となることもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IMD又は一時的に植え込んだ装置、器具、特にカテーテルを含む、多岐に亙る製品と関係して抗菌的振舞いを呈する特定の元素金属、及び金属イオンを実際に使用し又は使用することの提案に関する長い歴史がある。抗生作用又は抗菌作用を有することが判明している金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマスを含む。特に、銀、金、銅及び亜鉛の抗菌性金属イオンは、生体内で使用するのに安全であると考えられている。抗菌性銀イオンは、身体に実質的に吸収されないため、生体内で使用するのに特に有用であることが判明している。IMD内に元素金属を組み込むこと、特に、心臓弁の縫合リング内に銀を組み込むことは、米国特許明細書6,297,782号にて提案されている。
【0006】
米国特許明細書5,474,797号及び米国特許明細書5,520,664号に記載されたように、イオンビーム支援蒸着又は打ち込みにより、例えば、カテーテルのような、医療用インプラントの表面に金属銀が含浸されている。しかし、これらの特許に記載された製品は、通常、銀金属被覆上に不動態層が形成されるため、長期間に亙って抗生効果を示さない。この層は、製品からの銀金属の解放率を減少させ、その結果、抗生効果は低下する。
【0007】
銀イオンを体液及び組織内に解放するカテーテル及びその他の装置を被覆する各種のコンパウンドが開発されている。米国特許明細書6,123,925号及び米国特許明細書6,296,863号に記載されているように、抗生ゼオライトは周知であり且つ、米国特許明細書4,923,450号、米国特許明細書4,938,958号、米国特許明細書4,911,898号、米国特許明細書5,100,671号に記載されているように、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの全て又は一部分をアンモニウムイオン及び抗生金属イオンにて置換することにより作製されている。「ゼオライト」は、Mが全体として一価の又は二価の金属イオンであるイオン交換可能なイオンを表わし、nが該(金属)イオンの原子価を表わし、X及びYが金属酸化物及び二酸化ケイ素の係数をそれぞれ表わし、Zが結晶水の数を表わす、XM2/nO−Al2O3−YSiO2−−ZH2Oという実験式により表される三次元的骨格構造を有する天然の又は合成のアルミノケイ酸塩である。
【0008】
かかるゼオライトの例は、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、T型ゼオライト、高二酸化ケイ素ゼオライト、ソーダライト、モルデン沸石、方沸石、クリノプチロライト、菱沸石、毛沸石を含む。かかるゼオライトは、米国特許明細書4,938,955号及び米国特許明細書4,906,464号に示すように、抗菌剤として効果的な十分な濃度にて抗生樹脂内に組み込まれ、また、米国特許明細書4,775,585号に示すように、ポリマー製品内に組み込まれている。上述した米国特許明細書4,923,450号、米国特許明細書5,100,671号には、例えば、カテーテルのような医療装置の表面を例えば、シリコーンゴムのようなポリマー内にて抗菌性金属イオンのゼオライトを被覆することが開示されている。
【0009】
米国特許明細書6,123,925号、米国特許明細書6,296,863号において、特に、上述した抗生ゼオライトの特定のものは、抗菌作用を提供する濃度にて、植込み型脈管移植片を形成するために使用される多孔質織地に施された被覆に組み込まれ、また、歯磨剤のフォーミュレーション中にそれぞれ組み込まれている。しかし、上述した型式の被覆を長期間、植え込むことを目的とするIMDの表面に施すことは、被覆が時間の経過と共に分解し且つ、落脱する可能性があるため、問題となる。本発明は、上述した型式のIMDを受容し得るように外科的に準備した皮下植え込みポケット内に簡単、効果的で且つ持続性の抗菌剤を提供することを目的とする。この目的は、請求項1の方法及び請求項10の方法により実現される。本発明の好ましい実施の形態の特徴は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの形態に従い、ポケット内にて体液に曝されるIMDの抗菌性構成要素は、かなりの植え込み期間に亙って抗菌作用を示す濃度にて金属イオンを溶離する抗生ゼオライトにて合成される。抗菌性構成要素は、近接して且つ、皮下ポケット内の安定位置に保持されるようIMDに物理的に取り付けられる。
【0011】
1つの実施の形態において、抗菌性構成要素はIMDの形状に順応し且つ、IMDに取り付け可能であり、またIMDから除去可能である。抗菌性構成要素は、IMDの外側のハウジングの少なくとも一部分の周りに嵌まる重合系パッド及びブートを有しており、ここで、IMDは、ICD IPG、ペースメーカIPG、神経刺激器IPG、筋肉刺激器IPG、モニタ装置、薬剤ポンプ又は皮下に植え込まれた皮下電極又はその構成要素を含むことができる。外科医は、医学的又は審美的考慮に基づくかどうかを問わずに、任意の特定の場合にて抗菌性構成要素を使用し又は使用しないオプションを行使することができる。更に、抗菌性の重合系構成要素を備える1つのモデル、又は、抗菌性の重合系構成要素を備えない1つのモデルといったように高価なIMDの冗長的なモデルを製造メーカが製造したり、臨床調達者がこれらのモデルを在庫をしておくことが不要となる。
【0012】
別の実施の形態において、重合系構成要素は、IPGのコネクタヘッダと、又は電気的医療リードの基端側コネクタ組立体のモニタ装置又は密封リングとを有しており、該モニタ装置又は密封リングは、皮下ポケット或いは皮下に植え込んだカルジオバーション/除細動器(C/D)電極の補強部に配置されたIPG又はモニタ装置と連結されている。
【0013】
重合系ブートは、これらが相対的に薄いにも拘わらず、長期間の臨床的使用に亙り、体内にて顕著に分解しないことが判明している。このため、抗菌性パッド又はブート構成要素又はその他の構成要素の薄い壁を通じて分散された抗菌剤の金属(例えば、銀)イオンが時間の経過に伴い有益に解放されるものと予想される。
【0014】
特に、本発明の幾つかの実施の形態は、IMDと関係し且つ、持続的植え込みの間、抗菌性保護効果を提供し得るようポリマー及び抗菌剤から合成された重合系部材に関する。1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、植え込み型パルス発生器(IPG)と、モニタ装置とから成る群の1つの組み合わせを備えており、これらの各々は、コネクタ組立体のコネクタ穴内に受容されるコネクタ組立体を有する医療用電気リードと組み合わされたコネクタヘッダを備えており、また、抗菌性のIMD構成要素は、コネクタヘッダの少なくとも一部分を備えている。
【0015】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIPGは、仙骨神経刺激器IPGと、脊髄刺激器IPGと、深大脳刺激器IPGと、心臓ペーシングIPGと、単一のIPGモジュール又は複数のIPGモジュールにて形成された植え込み型カルジオバータ/除細動器とから成る群の1つを備えている。
【0016】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、植え込み型パルス発生器(IPG)と、モニタ装置とから成る群の1つの組み合わせ体を備えており、各々は、コネクタ組立体のコネクタ穴内に受容されるリードコネクタ組立体を有する電気的医療リードと組み合わされたコネクタヘッダを有しており、また、抗菌性のIMD構成要素は、リードコネクタ組立体の少なくとも一部分を備えている。
【0017】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、重合系補強部にて支持された導電性電極面を備える皮下植え込み型電極を備え、また、抗菌性のIMD構成要素は、重合系補強部の少なくとも一部分を備えている。1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、重合系ヘッダを有する植え込み型モニタ装置を備えており、また、抗菌性のIMD構成要素は、ヘッダの少なくとも一部分を備えている。
【0018】
本発明のこの概要は、本発明が先行技術にて存在する難点を解決する方法の幾つかを指摘し且つ、本発明を先行技術から識別するためにのみ記載するものであり、従って、特許出願明細書に最初に記載され、最終的に付与される特許請求の範囲の解釈について何ら限定的な意義を含むことを意図するものではない。
【0019】
本発明の上記及びその他の有利な効果及び特徴は、幾つかの図面の全体を通じて同一の構造を同様の参照番号で表示する、図面と共に検討したとき、この好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明から一層容易に理解されよう。以下の詳細な説明において、本発明を実施する方法及び装置の一例としての実施の形態に関して説明する。本発明の範囲から逸脱せずに、その他の実施の形態が利用可能であることが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
好ましい実施の形態において、皮下に植え込まれたIMDのハウジング、特に、モニタ装置、薬剤ポンプ、IPG及び皮下に植え込んだ電極又はセンサに対し又はこれらの上に選択的に装着することのできる重合系構成要素又は除去可能なブート内に無機質抗菌剤が組み込まれる。無機質抗菌剤は、上述した米国特許明細書6,123,925号、米国特許明細書6,296,863号の譲受人である、アグイオン(AgION)(商標登録名)テクノロジースインキ(Technologies,Inc)が販売する、ヘルスシールド(HealthShield)(商標登録名)という名称の型式の抗生銀イオンゼオライトであることが好ましい。
【0021】
この材料は、基本的に、Ag、Cu、Znから成る群から選ばれたイオン交換可能な金属の少なくとも一種により置換された金属の1つ又は全体を有する金属を持つ、上述した型式の抗菌性ゼオライトである。薬剤に対する典型的な粒子寸法は、0.8ないし10ミクロンの範囲にある。粒子は、重量比にて0.5ないし20%、より好ましくは、重量比にて0.5ないし15%、最も好ましくは、重量比にて0.5ないし10%の範囲の量にてシリコーンゴム中に分散される。シリコーンゴム−粒子混合体は、従来の医療等級シリコーンゴムの成形技術を採用して所望の形状に成形される。本発明に従い、例えば、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンのようなその他の無機質抗菌性金属イオンを銀に代えて採用することができる。
【0022】
シリコーンゴム及び好ましい抗菌性金属イオンゼオライトが混合され且つ、患者10に植え込んだIPG又はモニタ装置50の上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート15の第一の実施の形態が図1乃至図4に示される。このブート15は、相互のブート端縁30により接続され、ブートキャビティ45を画成する、第一及び第二の長ブート側部20、25を有する。ブートの長側部20を貫通する側部開口部35及びブート端縁30の一部を貫通する端縁開口部40が設けられている。
【0023】
ブート15は、一例としてのIPG又はモニタ装置のハウジング55及びコネクタブロック60上に装着され且つ、図1に示すように心臓100からのある距離にて皮下ポケット140内に挿入される。装着したブート15は、IPG/モニタ装置50のハウジング55の少なくとも一部分を側部開口部35を通じて露出されたたままにしつつ、皮下植え込みポケット140内にて抗菌性保護効果を提供する。IPG50は、従来の経静脈経路を通じてコネクタブロック60との接続部から心臓100内に伸びる心臓リード70に連結された心室ペースメーカIPG又は血行動態モニタ装置として図1に示される。
【0024】
心臓リードは、リード本体75の末端における活性又は陰極側ペース/感知電極80を備え、また、選択的に、ペース/感知電極80に対する基端側にて圧力変換器90を備えており、この場合、これらは、共に、心臓100の右心室105内に配置される。IPG50のハウジング55は、密閉的に密封され且つ、導電性金属にて形成され、この導電性金属は、ハウジング55内にてペーシング及び(又は)感知回路に電気的に接続され、側部開口部35により露出される同一のすなわち陽極側ペース/感知電極85として機能する。
【0025】
IPG/モニタ装置50のハウジング55及びコネクタブロック60は、当該技術にて既知の任意の形状をとることができ、該形状は、ブート15の形状及び寸法を決定する。ペースメーカIPG及び該IPGと連結された心臓リードの仕様、作動モード及びその他の特徴は、当該技術にて既知の任意のものに相応するものとすることができる。モニタ装置は、容量型血圧及び体温センサ並びに少なくとも1つのEGM感知電極を有する、同時に譲渡された米国特許明細書5,564,434号に記載された型式の心臓リードを介して連結されたメドトロニック(Medtronic)(登録商標名)クロニクル(CHRONICLE)(商標登録名)IHMに相応したものとすることができる。
【0026】
IPG/モニタ装置50は、側部開口部35に滑入され、また、コネクトブロック60を、端縁開口部40を通じて露出されるよう向き決めされる。単極ペースメーカIPG/モニタ装置50又は、同様にファーフィールドEGMを監視する能力を有する双極ペースメーカIPG/モニタ装置の何れかにて遠隔の同一のペーシング及び(又は)感知電極として使用し得るようハウジング55を露出させるため、側部開口部35は必要であることも理解されよう。かかる側部開口部35を有するブート15は、かかるファーフィールド感知能力を備える典型的な双極ペースメーカIPG/モニタ装置にて効果的に使用することができる。これらのブート15の特徴は、図5ないし図10に示したその他のブートの実施の形態に適用可能である。
【0027】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、患者10に植え込まれた直線状ICD IPG250の上に装着し得る形状にて成形された、除去可能な弾性ブート215の第二の実施の形態が図5に図示されている。このブート215は、また、ブートの長側部を貫通する側部開口部235と、ブートの端縁の一部分を貫通する端縁開口部240とを画成する相互のブート端縁により接続された第一及び第二のブートの長側部にて形成されている。
【0028】
このブート215は、一例としてのICD IPG250のハウジング255及びコネクタブロック260の上に装着され且つ、図5に示すように、心臓100からある距離にて皮下ポケット140内に挿入されている。装着したブート215は、ICD IPG250のハウジング255の少なくとも一部分を側部開口部235を通じて露出させつつ、皮下植え込みポケット140内にて抗菌性保護効果を提供する。ハウジング255の露出部分は、1つのC/D電極として採用することができる。
【0029】
図5に示すICD IPG250は、ペース/感知電極及びC/D電極まで伸びる一例としての一組みのC/Dリードに連結される。図示したC/Dリード及びC/Dリードのその他の組み合わせの全てが、ICD IPG250に接続可能であるとは限らないことが理解されよう。この特定の場合、右心室(RV)C/Dリード275は、コネクタブロック260との接続部から従来の経静脈経路を通って心臓100の右心室105内に伸びている。RVC/Dリード275は、リード本体の末端にて活性すなわち陰極側ペース/感知リード及び固定ヘリックス280と、及びより基端側に配置されたリング形状の同一のすなわち陽極側ペース/感知型電極285と、細長いC/D電極290とを備えている。冠状静脈洞(CS)C/Dリード225は、コネクタブロック260との接続部から従来の経静脈経路を通って心臓100の冠状静脈洞又は大静脈115内に配置された細長いC/D電極230まで伸びる。
【0030】
更なるC/Dリード265は、コネクタブロック260との接続部から外科医が選んだ更なる皮下ポケット140´内に配置された直線状のパッド形状のC/D電極270まで皮下を伸びて、選んだ対のC/D電極230、255、270、290の間にて最適にC/Dショック療法を施すことができる。典型的に、直線状のC/D電極270は、心臓100に向けて配置された1つの長側部にて及び皮膚に向けて配置された非導電性側部にてC/D電極の面又は列を支持する可撓性のシリコーンゴム又はポリウレタンパッドにて形成されている。シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、直線状のC/D電極270の非導電性長側部の上に装着し得る形状にて成形された更なる除去可能な弾性ブート295が図5に示されている。該ブート295は、縫合材又はその他の手段にてシリコーンゴム又はポリウレタンパッドに固定し、該ブートがポケット140´内にて非導電性側部から動いたり又は分離しないようにすることができる。
【0031】
より近年、胸郭の周りにて皮下ポケット140、140´内に植え込まれた2つ又はより多くのC/D電極支持モジュールの間にてICDの全ての構成要素を皮下に植え込み且つ、分配して、これらモジュールの間にて且つ、心臓を通じてC/Dショック療法を施すことが提案されている。かかるICDは、米国特許明細書5,255,692号、米国特許明細書5,314,451号、米国特許明細書5,342,407号及び米国特許出願明細書2002/0042634号、米国特許出願明細書2002/0035377号に開示されている。かかる配置は,図6に示されており,ここにおいて、ICD300は、ケーブル315により互いに固縛された,概略図的に示し且つ、密閉的に密封した第一及び第二のICD IPGモジュール305、310を備えている。第一及び第二のC/D電極320、325は、ICD IPGモジュール305、310の一側部にてそれぞれ支持されており、これらのモジュールは、心臓100に臨む皮下ポケット140、140´内に互いに植え込むことを目的とする。
【0032】
密閉的に密封したICD IPGモジュール305は、荷電され且つ、C/Dショックを供給し得るように放電される相対的に大型の高電圧コンデンサと、回路及び供給されたペーシングパルスを作動させるべく採用された低電圧電池とを含む、電子感知、ペーシング及びC/D回路を包み込んでいる。第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール310は、相対的に大型の高電力のC/D電池と、上述した米国特許明細書5,314,451号に記載された要領にて第一のICD IPGモジュール305内の回路を荷電する高電圧のコンデンサと選択的に接続することを可能にするスイッチとを包み込んでいる。ケーブル315は、電池からの電力を分配し且つ、第一及び第二のICD IPGモジュール305、310内の回路の間にて信号及び命令を交換する導体を収納している。
【0033】
各々、シリコーンゴムにて、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、患者10内に植え込まれたそれぞれの第一及び第二のICD IPGモジュール305、310上に装着し得る形状にて成形した第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340も図6に示されている。ブート335、340は、第一及び第二のそれぞれのC/D電極320、325を露出させる、その長側部における開口部345、350を有する。
【0034】
第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310は、図示した前方位置と後方位置との中間における単一の皮膚切開部を通じて前方位置及び後方位置にて皮下に植え込まれることが好ましい。組織を変位させ且つ、第一及び第二の密閉的に密封したハウジングを胸郭の周りの図示した箇所又はその他の選んだ箇所まで前進させるため開通(tunneling)ツールが採用されよう。第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310を所要箇所に固定し且つ、移動を阻止するため組織の接着剤を採用することができる。これと代替的に、所要箇所は、最小の外科的露出程度にて露出させ、また、第一及び第二の除去可能、弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310をブート335、340を通じて所要箇所にて縫合し移動を阻止してもよい。
【0035】
治療のため、硬膜上腔又は硬腔内腔の何れかに対する脊髄内腔へ痛み抑制の電気的刺激を施すことも図7に示すように、当該技術にて既知である。椎骨の脇の脊髄に対する脊椎管によって閉塞部内にて脳を封入するものと連続した3つの髄膜鞘が脊髄を取り囲んでいる。これら3つの髄膜鞘の最外側のものは、硬膜、すなわち硬膜上腔により脊髄の骨膜から前方に分離された高密度の線維状膜である。硬膜の後方には、硬膜下腔がある。硬膜下腔は、3つの髄膜鞘の第二のもの、すなわちくも膜を取り囲み、該くも膜は、脊髄を取り囲む。くも膜は、くも膜下及び硬腔内腔により第三の髄膜の鞘、すなわち軟膜から分離されている。くも膜下腔は、CSFにて充填されている。軟膜の下方には、脊髄がある。このように、脊椎から内方に向いて順次に、又は後方に進む要領にて、硬膜上腔、硬膜、硬膜下腔、くも膜、硬腔内腔、軟膜、脊髄が位置している。
【0036】
各々、シリコーンゴム、また、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、神経刺激器IPG450のハウジング及びコネクタの上方に装着し得る形状にて成形された神経刺激器SCS IPG450、SCSリード410、除去可能な弾性ブート415を備える、一例としての脊髄刺激(SCS)システム400が患者10に植え込んだ状態にて図7に示されている。該神経刺激器IPG450は、メドトロニック(登録商標名)イトレル(Itrel)(登録商標名)3、シナジー(Synergy)(登録商標名)又はシナジーベリシトリル(Synergy Versitrel)(登録商標名)神経刺激器を備えることができ、また、SCSリード410は、メドトロニック(Medtronic)ピスセス(Pisces)Z クアッド(Quad)リードを備えることができる。
【0037】
膀胱の機能を制御し又は性機能不全を治療するため仙骨神経を刺激する療法を施すことも神経刺激器IPG450及び除去可能な弾性ブート415から仙骨孔内に伸びる破線にて示した仙骨神経刺激器420により代替的に図7に示されている。この場合、神経刺激器IPG450は、メドトロニック(登録商標名)インタースティム(InterStim)(登録商標名)神経刺激器モデル3023を備えることができる。1つの実施の形態において、1つ又は複数の末端刺激電極を支持する仙骨神経刺激リード420は、S3仙骨神経を選択的に刺激する目的のため、背及び仙骨セグメントS3の仙骨孔を通して皮下に植え込まれる。末端電極は、中空の脊椎針を使用して仙骨孔(単一の孔)を通して配置される。電極は、リード本体を所要位置にて縫合することにより固定され、リード本体をブート415内の神経刺激器IPG450の植え込み箇所の皮下に開通させる。
【0038】
除去可能な弾性ブート415は、図1乃至図4に関して上述した除去可能な弾性ブート15に相応する。かかる商業的に入手可能な神経刺激器IPGの実際の形状は、図7に示した神経刺激器IPG450の一例としての形状と相違し、また、該ブート415は、その実際の形状に順応するよう成形されることも理解されよう。この場合にも、ブート415は、脊椎間間隙に配置され、図面にて不明確なSCSリード410の末端セグメントに沿って1つ又は複数の刺激電極と共に同一の刺激電極として機能することが可能であるIPG450のハウジング455を露出させる長側部開口部435を有する。該ブート415はまた、コネクタブロック460へのアクセスを可能にする端縁開口部440も有する。
【0039】
同様に先行技術にて既知であるように、脊髄内腔に痛み抑制又は治療用薬剤を治療目的にて投与する状態が図8に示されている。硬腔内腔に直接、薬剤を投与することは、脊椎タップ注入又はカテーテル挿入法の何れかにより行うことができる。硬腔内への薬剤投与は、経口的に投与したときの一部の薬剤の不動態化及び経口的又は静脈内投与の全身的効果を回避することができる。更に、硬腔内腔への投与は、使用する有効投与量が経口又は非経口投与により必要とされる有効投与量の一部で足りるようにする。更に、硬腔内腔は、全体として小型のカテーテルを受容し、これにより持続的な薬剤の供給システムを可能にするのに十分に幅が広い。このため、バクロフェンを硬腔内腔へ投与することにより痙直を治療することが知られている。更に、バクロフェンの硬腔内腔投与とボツリヌス菌毒素の筋肉内注射とを組み合わせ、筋肉の痙直の減少のための筋肉内ボツリヌス菌の付随的な効果を得られるようにすることが知られている。
【0040】
更に、オオピオイド モルヒネ及びフェンタニールの脊髄内投与により痛みを治療することも知られている。現在使用している抗侵害受容又は抗痙攣性薬剤は、活性期間が短く、このため、頻繁に再投与しなければならず、この再投与は、実際上、日常的な脊椎タップ注射により行われないため、薬剤ポンプが必要とされる。薬剤ポンプは患者の腹部の皮膚の下に外科的に配置される。カテーテルの一端をポンプに接続し、カテーテルの他端を脊髄のCSFを充填した患者のくも膜下又硬腔内腔に挿入する。植え込んだ薬剤ポンプは、薬剤を硬腔内腔に配置されたカテーテルを通じて連続的に又は間欠的に注入し得るようプログラム化することができる。
【0041】
このように、例えば、プログラム化可能なシンクロメド(SynchroMed)(登録商標名)薬剤ポンプ550と、薬剤供給カテーテル510とを備える、メドトロニック(登録商標名)シンクロメド(登録商標名)EL注入システムのような完全に植込み型硬腔内薬剤供給システム500が図8に図示される。シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトを混合され且つ薬剤ポンプ550のハウジング及びコネクタの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート515が患者10に植え込んだ状態にて図7に示される。
【0042】
この場合にも、ブート515は、長側部開口部535を有しており、該開口部は、この場合、薬剤充填ポート555を露出させ、当該技術にて周知の要領にて薬剤ポンプ550内の薬剤チャンバを皮下的に再充填する。ブート515はまた、端縁開口部540も有しており、薬剤供給カテーテル510が取り付けられるコネクタブロック560へアクセスすることを可能にする。薬剤ポンプ550及び該薬剤ポンプ550を収容するブート515は、準備した皮下ポケット140内にて腹部の皮膚の真下に植え込まれ、このため、薬剤充填ポートは、薬剤充填ポート555へのアクセスを可能にし得るよう外方に向き決めされている。
【0043】
図9を参照すると、本態性振戦及びパーキンソン氏病に関係した振戦を制御するためメドトロニック(登録商標名)アクティバ(Activa)(登録商標名)振戦コントロール療法又はパーキンソン氏病コントロール療法を患者10に提供する状態が概略図的に示されている。アクティバ(登録商標名)療法は、心臓ペースメーカと同様の深大脳刺激器によって提供し、該刺激器は、脳内に植え込んだ電極により供給される弱い電気的刺激を使用して振戦を生じさせる脳の信号を遮断する。
【0044】
アクティバ振戦コントロールシステムは、脳内に外科的に植え込まれ且つ、鎖骨付近に植え込んだ神経刺激器IPGに接続された電極を介して視床−脳のメッセージ伝達中枢内の標的細胞を刺激する。パーキンソン氏病の振戦の治療において、電極は、動作及び筋肉の機能を制御する視床下核(STN)又は淡蒼球内節(GPI)に配置される。小型の電極を有するリードは、脳のこれらの箇所に外科的に植え込まれ且つ、皮膚の下に位置する伸長線により鎖骨付近に植え込んだ神経刺激器IPGに接続される。電気的刺激は、患者の各々の必要性に適合するよう非侵襲的に調節することができる。
【0045】
図9に示したアクティバ(登録商標名)システム600の植え込んだ構成要素は、メドトロニック(登録商標名)イトレル(登録商標名)IIモデル7424神経刺激器IPG650と、ディービーエス(DBS)(登録商標名)リード670と、該リード670を神経刺激器IPG650に接続する伸長線610とを有する。リード670は、頭を静止状態に保ち且つ、外科医がリード670を脳130内に配置して電極680を所望の箇所135に配置するのを誘導するのを助ける設計とされた、定位的ヘッドフレームを使用して植え込まれる。脳130及びリード670の配置は、CT(コンピュータ断層撮影)又はMRI(磁気共鳴画像)装置を使用して画像化される。
【0046】
間隔の広い複数の電極を有するモデル3387ディービーエス(登録商標名)リード及び間隔の狭い複数の電極を有するモデル3389ディービーエス(登録商標名)リードは、外科医に対し正確に配置し且つ、刺激を選択するオプションを提供する。アクティバ(登録商標名)システム600のその他の構成要素は、神経刺激器の制御磁石と、神経学的試験刺激器と、外科医プログラマと、リードフレームキットと、メモリモド(MemoryMod)(登録商標名)ソフトウェアカートリッジとを含む。
【0047】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、神経刺激器IPG650のハウジング及びコネクタブロックの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート615が患者10に植え込んだ状態にて図9に示されている。この場合にも、ブート615は、長側部開口部635と、リード伸長部610が取り付けられるコネクタブロック660へアクセスすることを可能にする端縁開口部640とを有する。神経刺激器IPG650及び該神経刺激器IPG650dを収納するブート615は、準備した皮下ポケット140内にて上胸郭の皮膚の真下に植え込まれる。この場合、双極型神経刺激器ハウジング655の露出面は、刺激電極として採用することができる。
【0048】
植込み型薬剤ポンプ及びカテーテルを備える植込み型注入ポンプ(IIP)は、頭蓋を通して植え込み、特定の箇所まで伸びる末端のカテーテル部分を通じて膵臓ポリペプチド遮断剤及び空腹感を減少させ且つ、満腹感を増すその他の薬剤を脳内の特定の箇所へ分与するため、同時に譲渡された米国特許明細書5,643,207号、米国特許明細書5,782,798号に開示されている。食欲不振を治療すべく食欲を増し得るように、その他の食欲作用薬剤を脳内に直接、供給することも米国特許明細書5,643,207号に提案されている。カテーテルに連結された注入ポンプからカテーテル管腔を通して且つ脳内に分与される薬剤は、カロリーの摂取量を減少させることにより肥満を治療すべく満腹感じを誘発させ又は増し、又は、カロリーの摂取量を増大させることにより食欲不振を治療すべく空腹感を増すものと予想される。米国特許明細5,782,798号のシステムは、また、カテーテル支承電極及び導体を通して脳に対し電気的刺激を与え、肥満を治療すべく満腹感を増し、又は、多分、特定の薬剤を供給し又は供給せずに、食欲不振を治療すべく満腹感を減少させるため、採用することもできる。
【0049】
かかる植込み型深大脳薬剤供給システム700は、植込み型薬剤ポンプ750と、膵臓ポリペプチド遮断剤及び空腹感を減少させ且つ、満腹感を増すその他の薬剤をカテーテルポンプ780を通して分与し、頭蓋を通して植え込まれ且つ、特定の箇所135まで伸びるカテーテルの末端部分770を通って脳130内の特定の箇所135に入れる植込み型薬剤ポンプ750及びカテーテル710を備える状態が図10に示されている。植込み型薬剤ポンプ750は、プログラマブルなシンクロメド(登録商標名)薬剤ポンプ750を備えることができる。
【0050】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、薬剤ポンプ750のハウジング及びコネクタブロックの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート715が患者10に植え込んだ状態にて図10に示されている。この場合にも、ブート715は、この場合、当該技術にて周知の要領にて薬剤ポンプ750内の薬剤チャンバを皮下的に再充填すべく薬剤充填ポート755を露出させる長側部開口部735を有する。ブート715は、また、薬剤供給カテーテル710が取り付けられるコネクタブロック760へアクセスすることを可能にする端縁開口部740も有する。薬剤ポンプ750及び該薬剤ポンプ750を収納するブート715は、準備した皮下ポケット140内の胸郭の皮膚の真下に植え込まれ、このため、薬剤充填ポートは、薬剤充填ポート755へアクセスすることを可能にすべく外方に向き決めされる。
【0051】
心臓から遠方の電極からの心電図を記録する植込み型EGMモニタ装置は、同時に譲渡された米国特許明細書5,331,966号及び国際公開WO98/02209号に開示され且つ、モデル6191患者起動装置及びモデル9790プログラマと共に採用される隔たったハウジングEGM電極を有するメドトロニック(登録商標名)リヴィール(REVEAL)(登録商標名)モデル9526挿入型ループ記録器にて具体化される。かかる植込み型モニタ装置は、心臓不整脈又は心不全の患者に植え込んだとき、日付及び時刻が記されたデータを蓄積し、このデータは、長期間に亙って且つ、患者が日常的活動に従事している間の心臓の状態を測定するのに有用である。米国特許明細書6,221,011号に記載された多くのその他の生理学的状態を監視するため、多岐に亙るその他のIMDが提案されている。
【0052】
このため、リヴィール(登録商標名)挿入型ループ記録器850は、患者10の胸郭内にて皮下ポケット140内に植え込んだ状態にて図11に示されている。該挿入型ループ記録器850は、監視用回路、電池、ラレメトリーアンテナ、及びその他の構成要素を包み込む密閉的に密封したハウジング855と、ヘッダ860とを備えており、該ヘッダ860は、ハウジング855を貫通して伸びるフィードスルーを介して感知増幅器に連結された感知電極810を支持しており、また、貫通して伸びる1対の縫合穴を有する。
【0053】
感知増幅器に連結されたハウジング855の電気的非絶縁部分は、第二の感知電極820を提供する。除去可能な弾性ブート815は、シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、少なくともハウジング855の上に装着し得る形状にて成形されている。この場合にも、ブート815は、感知電極820を露出させる長側部開口部835と、ブート815へのハウジング855の挿入を可能にする端縁開口部840とを有する。ブート815は、ブートを挿入型ループ記録器850に固定し且つ、挿入型ループ記録器850を皮下組織に固定するため同一の縫合糸を使用することを可能にする縫合糸穴を有するヘッダ860の少なくとも一部分の上を伸びる形状とすることができる。
【0054】
このように、多岐に亙る用途及び皮下ポケット140、140´内に植え込んだ形状を有する、多岐に亙る皮下に植え込んだIMDであって、このIMDの上に、IMDの外側ハウジングの少なくとも一部分の周りに嵌まるパッド又はパッドとして特徴を有する除去可能な抗菌性構成要素が配置される、IMDについて説明した。かなりの植え込み期間に亙って抗菌性活性を呈する濃度にて銀イオンを溶離する抗菌性ゼオライトの合成物とされた、ポケット140、140´内にて体液に露呈される抗菌性の重合系構成要素を含めることにより、皮下組織は、上述した型式の微生物の成長及び感染から好ましいように保護される。図1ないし図11に示したこれらの実施の形態において、抗菌性構成要素は、該要素をIMDの上に装着することにより、IMDに物理的に取り付けられる。抗菌性構成要素は、例えば、胃刺激器及び薬剤ポンプ、インシュリン供給薬剤ポンプ、その他の身体器官、筋肉、又は神経刺激器及び本明細書にて特に特定した薬剤供給装置のような、現在、利用可能であり又は将来、利用可能となるであろう、皮下に植え込み得るようにされた任意のIMDの形状に順応するよう成形することができることが理解されよう。
【0055】
別の好ましい実施の形態において、抗菌性構成要素は、準備した皮下ポケット140内に植え込んだ上述したIMDの任意のものの恒久的に取り付けられた部分を備えている。例えば、コネクタヘッダ960を部分断面図にて示す一例としてのIPG/モニタ装置950、及びコネクタ穴965内に装着し得るようにされた電気的医療リード910の一例としてのリードコネクタ組立体915の部分的な概略図が図12に示されている。コネクタピン920と、ピン受容接点925に嵌まり得るようにされたコネクタリング930と、概略図に示したコネクタヘッダ960のリング受容接点とを備える、従来の双極設計のコネクタ組立体915を有する双極リード910が示されている。弾性的な重合系密封リング940、945は、コネクタピン920及びコネクタリング930に隣接して配置されている。細長いリード本体990に連結されたリードコネクタ組立体915の末端部分985は、リードコネクタ組立体915のより基端側部分がコネクタ穴965内に完全に挿入されたとき、コネクタ穴965の外側に配置される。
【0056】
弾性バンド970、980は、コネクタ穴の開口部を取り巻き、また、縫合糸を取り付けて、これらを密封リング945と末端部分955との間にてコネクタ組立体の弾性部分に対して締め付けることができる。コネクタ要素925、935、フィールドスルー及び線接続部、電気的接続を確実にするべく成形した重合系のヘッダ本体975内に収納された任意の止めねじ又はその他の締結具の特定の形態は、既知の任意の形態とすることができ、本発明の実施にとって重要ではなく、従って図示していない。図示したIPG/モニタ装置950は、IPG/モニタ装置及びその構成要素50、250、305−310、450、650の任意のものの一例であるが、リードコネクタ組立体及びコネクタヘッダのコネクタ要素の数及びそれらの特定の形態は、大幅に変更することが可能である。
【0057】
IPGコネクタヘッド975及び(又は)リードコネクタ組立体915の重合系構成要素の選んだ1つ又は全ては、本発明の更なる実施の形態に従い図12に斜線で示すように、金属イオンゼオライトにて合成される。通常、リードコネクタ組立体915は、別個に形成され且つ、製造中、リード本体990に取り付けられ、このため、重合系リードコネクタ組立体の部品は、金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴム又はポリウレタンにて成形することが便宜である。これにより、抗菌性銀イオンをコネクタヘッダ本体975及び(又は)弾性バンド970から及び(又は)コネクタ穴965の外側に配置されたリードコネクタの部分985から溶離させることができる。抗菌性銀イオンはまた、持続的植え込みの間、体液にて湿った状態となったならば、密封リング940、945から溶離させ、コネクタ穴/コネクタ組立体の境界部内の全ての微生物の活動を阻止するようにすることもできる。
【0058】
図13は、例えば、C/D電極275のような皮下植え込み型C/D電極の斜視図であり、この場合、C/D電極275の重合系構成要素の選ばれたもの又はその全ては、本発明の更なる実施の形態に従い金属イオンゼオライトにて合成される。特に、シリコーンゴム又はポリウレタンパッド220の全て又は一部は、図13に斜線で示すように、金属イオンゼオライトにて合成することができる。この場合にも、シリコーンゴム又はポリウレタンパッド220を別個に形成し且つ製造中、C/Dリード265のリード本体に取り付け、設計に依存して、重合系パッドをシリコーンゴムから又は金属イオンゼオライトの合成物とされたポリウレタンから単一の部品又は多数の部品として成形することが便宜である。
【0059】
同様に、例えば、植込み型モニタ装置800の重合系ヘッダ860は、例えば、皮下に植え込んだIMD構成要素の間にて皮下に通したケーブル315、及び、植込み型薬剤ポンプ500、700を有するカテーテルコネクタ560、760の重合系構成要素は、例えば、金属イオンゼオライトの合成物とされたポリマーから成形することができる。
【0060】
本明細書に記載した全ての特許及び出版物は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含める。
上述した好ましい実施の形態の上述した構造、機能及び作用の特定のものは、本発明を実施する上で不必要であり、一例としての実施の形態の完璧さを期すためにのみ本明細書に含めたものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図2】図1の金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートの平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿ったブートの側面断面図である。
【図4】図2のブートの頂面図である。
【図5】装置の上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートと、装置の非導電性側部に装着され又は該非導電性側部に取り付けられた金属イオンゼオライトの合成物とされた更なるシリコーンゴムブートとを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図6】患者の胸郭を渡って皮下に植え込まれ且つ、互いに固縛された2つのモジュールを含み、該モジュールの各々が装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図7】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図8】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図9】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図10】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図11】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図12】コネクタヘッダを部分断面図にて示す、本発明に従った一例としての植込み型医療装置及びコネクタ穴内に装着し得るようにされた一例としてのリードコネクタ組立体を示す概略部分図であり、コネクタヘッダ及び(又は)リードコネクタ組立体の重合系構成要素の選んだもの又はその全てが本発明の1つの実施の形態に従って金属インプラントゼオライトの合成物である。
【図13】本発明の1つの実施の形態の皮下植込み型C/D電極の斜視図である。この皮下植込み型C/D電極において、C/D電極の重合系構成要素の選ばれた1つ又は全てが金属イオンゼオライトの合成物である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、植込み型医療装置(implantable medical devices;IMDs)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、皮下に植え込まれるハウジングを有し且つ、典型的に、皮下箇所からその他の皮下箇所又は器官或いは身体内に深くその他の植え込み箇所まで伸びる細長い医療用電気リード又は薬剤供給カテーテルを有する、多岐に亙る型式のIMDsが臨床的植え込みのため商業的に販売され又は提案されている。典型的に、IMDは、電気医療リードと連結された電池作動式の植込み型パルス発生器(IPG)と、電気医療リードと連結するか又は連結されない電池作動式の植込み型モニタ装置と、薬剤供給カテーテルと連結された電池作動式の薬剤ポンプと、等を有する。かかるIMDは、植込み型心臓ペースメーカと、ペーシング能力を持つカルジオバータ/除細動器と、脊髄、深大脳、神経及び筋肉刺激器と、薬剤供給システムと、心臓及びその他の生理学的モニタ装置と、人口内耳と、等を含む。
【0003】
典型的に、IMDの電池作動式構成要素は、該電池作動式構成要素を交換することが必要なとき、容易にアクセスすることのできる、「ポケット」と称される、外科的に準備した箇所にて皮下に植え込まれる。外科的に準備し且つ、IMDの最初の及び交換用のための植え込みは、滅菌場にて行われ、滅菌場に導入する前に、IMD構成要素は滅菌容器内に包装し又は滅菌する。しかし、これらの予防的配慮にも拘らず、常にポケット内に微生物が導入される虞れはある。このため、外科医は、典型的に、外科手術の前に、外科手術箇所の皮膚に殺菌剤(例えば、クロルヘキジン(Chlorhexidine)、グルコネート(Gluconate)、ポビドンヨード(Povidone-Iodine)、イソプロピルアルコール、エチルアルコール)又は無菌剤(例えば、ゲンタマイシン(gentamicin)、バンコマイシン(vancomycin))を切開部が閉じられる前に、その箇所に直接的に施し、また、回復する間、患者が消化するため経口抗生物質(例えば、セフロキシン(sefuroxin)、ゲンタマイシン、リファマイシン(rifamycin)、バンコマイシン)を処方する。
【0004】
IPG及びリードを取り囲む線維状組織内の定住炎症性細胞は、時間の経過と共に、弱体化し又は「消費され」、このため、IPGを交換する時点にて、ポケット内にて感染を引き起こす可能性のある細菌の量は、数倍程度、減少する。ポケットが感染したならば、その感染は、リードシースに沿って心臓まで移動し、また、かかる移動する感染は、追跡不能となり且つ、生命を脅かし、このため、IPG及びリードを除去し、また、感染を治療する薬剤療法を行うことが必要となる。持続的に植え込んだリードを除去することは、困難で且つ危険であり、場合によっては、胸郭切除術が必要となることもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IMD又は一時的に植え込んだ装置、器具、特にカテーテルを含む、多岐に亙る製品と関係して抗菌的振舞いを呈する特定の元素金属、及び金属イオンを実際に使用し又は使用することの提案に関する長い歴史がある。抗生作用又は抗菌作用を有することが判明している金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマスを含む。特に、銀、金、銅及び亜鉛の抗菌性金属イオンは、生体内で使用するのに安全であると考えられている。抗菌性銀イオンは、身体に実質的に吸収されないため、生体内で使用するのに特に有用であることが判明している。IMD内に元素金属を組み込むこと、特に、心臓弁の縫合リング内に銀を組み込むことは、米国特許明細書6,297,782号にて提案されている。
【0006】
米国特許明細書5,474,797号及び米国特許明細書5,520,664号に記載されたように、イオンビーム支援蒸着又は打ち込みにより、例えば、カテーテルのような、医療用インプラントの表面に金属銀が含浸されている。しかし、これらの特許に記載された製品は、通常、銀金属被覆上に不動態層が形成されるため、長期間に亙って抗生効果を示さない。この層は、製品からの銀金属の解放率を減少させ、その結果、抗生効果は低下する。
【0007】
銀イオンを体液及び組織内に解放するカテーテル及びその他の装置を被覆する各種のコンパウンドが開発されている。米国特許明細書6,123,925号及び米国特許明細書6,296,863号に記載されているように、抗生ゼオライトは周知であり且つ、米国特許明細書4,923,450号、米国特許明細書4,938,958号、米国特許明細書4,911,898号、米国特許明細書5,100,671号に記載されているように、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの全て又は一部分をアンモニウムイオン及び抗生金属イオンにて置換することにより作製されている。「ゼオライト」は、Mが全体として一価の又は二価の金属イオンであるイオン交換可能なイオンを表わし、nが該(金属)イオンの原子価を表わし、X及びYが金属酸化物及び二酸化ケイ素の係数をそれぞれ表わし、Zが結晶水の数を表わす、XM2/nO−Al2O3−YSiO2−−ZH2Oという実験式により表される三次元的骨格構造を有する天然の又は合成のアルミノケイ酸塩である。
【0008】
かかるゼオライトの例は、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、T型ゼオライト、高二酸化ケイ素ゼオライト、ソーダライト、モルデン沸石、方沸石、クリノプチロライト、菱沸石、毛沸石を含む。かかるゼオライトは、米国特許明細書4,938,955号及び米国特許明細書4,906,464号に示すように、抗菌剤として効果的な十分な濃度にて抗生樹脂内に組み込まれ、また、米国特許明細書4,775,585号に示すように、ポリマー製品内に組み込まれている。上述した米国特許明細書4,923,450号、米国特許明細書5,100,671号には、例えば、カテーテルのような医療装置の表面を例えば、シリコーンゴムのようなポリマー内にて抗菌性金属イオンのゼオライトを被覆することが開示されている。
【0009】
米国特許明細書6,123,925号、米国特許明細書6,296,863号において、特に、上述した抗生ゼオライトの特定のものは、抗菌作用を提供する濃度にて、植込み型脈管移植片を形成するために使用される多孔質織地に施された被覆に組み込まれ、また、歯磨剤のフォーミュレーション中にそれぞれ組み込まれている。しかし、上述した型式の被覆を長期間、植え込むことを目的とするIMDの表面に施すことは、被覆が時間の経過と共に分解し且つ、落脱する可能性があるため、問題となる。本発明は、上述した型式のIMDを受容し得るように外科的に準備した皮下植え込みポケット内に簡単、効果的で且つ持続性の抗菌剤を提供することを目的とする。この目的は、請求項1の方法及び請求項10の方法により実現される。本発明の好ましい実施の形態の特徴は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの形態に従い、ポケット内にて体液に曝されるIMDの抗菌性構成要素は、かなりの植え込み期間に亙って抗菌作用を示す濃度にて金属イオンを溶離する抗生ゼオライトにて合成される。抗菌性構成要素は、近接して且つ、皮下ポケット内の安定位置に保持されるようIMDに物理的に取り付けられる。
【0011】
1つの実施の形態において、抗菌性構成要素はIMDの形状に順応し且つ、IMDに取り付け可能であり、またIMDから除去可能である。抗菌性構成要素は、IMDの外側のハウジングの少なくとも一部分の周りに嵌まる重合系パッド及びブートを有しており、ここで、IMDは、ICD IPG、ペースメーカIPG、神経刺激器IPG、筋肉刺激器IPG、モニタ装置、薬剤ポンプ又は皮下に植え込まれた皮下電極又はその構成要素を含むことができる。外科医は、医学的又は審美的考慮に基づくかどうかを問わずに、任意の特定の場合にて抗菌性構成要素を使用し又は使用しないオプションを行使することができる。更に、抗菌性の重合系構成要素を備える1つのモデル、又は、抗菌性の重合系構成要素を備えない1つのモデルといったように高価なIMDの冗長的なモデルを製造メーカが製造したり、臨床調達者がこれらのモデルを在庫をしておくことが不要となる。
【0012】
別の実施の形態において、重合系構成要素は、IPGのコネクタヘッダと、又は電気的医療リードの基端側コネクタ組立体のモニタ装置又は密封リングとを有しており、該モニタ装置又は密封リングは、皮下ポケット或いは皮下に植え込んだカルジオバーション/除細動器(C/D)電極の補強部に配置されたIPG又はモニタ装置と連結されている。
【0013】
重合系ブートは、これらが相対的に薄いにも拘わらず、長期間の臨床的使用に亙り、体内にて顕著に分解しないことが判明している。このため、抗菌性パッド又はブート構成要素又はその他の構成要素の薄い壁を通じて分散された抗菌剤の金属(例えば、銀)イオンが時間の経過に伴い有益に解放されるものと予想される。
【0014】
特に、本発明の幾つかの実施の形態は、IMDと関係し且つ、持続的植え込みの間、抗菌性保護効果を提供し得るようポリマー及び抗菌剤から合成された重合系部材に関する。1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、植え込み型パルス発生器(IPG)と、モニタ装置とから成る群の1つの組み合わせを備えており、これらの各々は、コネクタ組立体のコネクタ穴内に受容されるコネクタ組立体を有する医療用電気リードと組み合わされたコネクタヘッダを備えており、また、抗菌性のIMD構成要素は、コネクタヘッダの少なくとも一部分を備えている。
【0015】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIPGは、仙骨神経刺激器IPGと、脊髄刺激器IPGと、深大脳刺激器IPGと、心臓ペーシングIPGと、単一のIPGモジュール又は複数のIPGモジュールにて形成された植え込み型カルジオバータ/除細動器とから成る群の1つを備えている。
【0016】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、植え込み型パルス発生器(IPG)と、モニタ装置とから成る群の1つの組み合わせ体を備えており、各々は、コネクタ組立体のコネクタ穴内に受容されるリードコネクタ組立体を有する電気的医療リードと組み合わされたコネクタヘッダを有しており、また、抗菌性のIMD構成要素は、リードコネクタ組立体の少なくとも一部分を備えている。
【0017】
1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、重合系補強部にて支持された導電性電極面を備える皮下植え込み型電極を備え、また、抗菌性のIMD構成要素は、重合系補強部の少なくとも一部分を備えている。1つの好ましい実施の形態において、本発明のIMDは、重合系ヘッダを有する植え込み型モニタ装置を備えており、また、抗菌性のIMD構成要素は、ヘッダの少なくとも一部分を備えている。
【0018】
本発明のこの概要は、本発明が先行技術にて存在する難点を解決する方法の幾つかを指摘し且つ、本発明を先行技術から識別するためにのみ記載するものであり、従って、特許出願明細書に最初に記載され、最終的に付与される特許請求の範囲の解釈について何ら限定的な意義を含むことを意図するものではない。
【0019】
本発明の上記及びその他の有利な効果及び特徴は、幾つかの図面の全体を通じて同一の構造を同様の参照番号で表示する、図面と共に検討したとき、この好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明から一層容易に理解されよう。以下の詳細な説明において、本発明を実施する方法及び装置の一例としての実施の形態に関して説明する。本発明の範囲から逸脱せずに、その他の実施の形態が利用可能であることが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
好ましい実施の形態において、皮下に植え込まれたIMDのハウジング、特に、モニタ装置、薬剤ポンプ、IPG及び皮下に植え込んだ電極又はセンサに対し又はこれらの上に選択的に装着することのできる重合系構成要素又は除去可能なブート内に無機質抗菌剤が組み込まれる。無機質抗菌剤は、上述した米国特許明細書6,123,925号、米国特許明細書6,296,863号の譲受人である、アグイオン(AgION)(商標登録名)テクノロジースインキ(Technologies,Inc)が販売する、ヘルスシールド(HealthShield)(商標登録名)という名称の型式の抗生銀イオンゼオライトであることが好ましい。
【0021】
この材料は、基本的に、Ag、Cu、Znから成る群から選ばれたイオン交換可能な金属の少なくとも一種により置換された金属の1つ又は全体を有する金属を持つ、上述した型式の抗菌性ゼオライトである。薬剤に対する典型的な粒子寸法は、0.8ないし10ミクロンの範囲にある。粒子は、重量比にて0.5ないし20%、より好ましくは、重量比にて0.5ないし15%、最も好ましくは、重量比にて0.5ないし10%の範囲の量にてシリコーンゴム中に分散される。シリコーンゴム−粒子混合体は、従来の医療等級シリコーンゴムの成形技術を採用して所望の形状に成形される。本発明に従い、例えば、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンのようなその他の無機質抗菌性金属イオンを銀に代えて採用することができる。
【0022】
シリコーンゴム及び好ましい抗菌性金属イオンゼオライトが混合され且つ、患者10に植え込んだIPG又はモニタ装置50の上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート15の第一の実施の形態が図1乃至図4に示される。このブート15は、相互のブート端縁30により接続され、ブートキャビティ45を画成する、第一及び第二の長ブート側部20、25を有する。ブートの長側部20を貫通する側部開口部35及びブート端縁30の一部を貫通する端縁開口部40が設けられている。
【0023】
ブート15は、一例としてのIPG又はモニタ装置のハウジング55及びコネクタブロック60上に装着され且つ、図1に示すように心臓100からのある距離にて皮下ポケット140内に挿入される。装着したブート15は、IPG/モニタ装置50のハウジング55の少なくとも一部分を側部開口部35を通じて露出されたたままにしつつ、皮下植え込みポケット140内にて抗菌性保護効果を提供する。IPG50は、従来の経静脈経路を通じてコネクタブロック60との接続部から心臓100内に伸びる心臓リード70に連結された心室ペースメーカIPG又は血行動態モニタ装置として図1に示される。
【0024】
心臓リードは、リード本体75の末端における活性又は陰極側ペース/感知電極80を備え、また、選択的に、ペース/感知電極80に対する基端側にて圧力変換器90を備えており、この場合、これらは、共に、心臓100の右心室105内に配置される。IPG50のハウジング55は、密閉的に密封され且つ、導電性金属にて形成され、この導電性金属は、ハウジング55内にてペーシング及び(又は)感知回路に電気的に接続され、側部開口部35により露出される同一のすなわち陽極側ペース/感知電極85として機能する。
【0025】
IPG/モニタ装置50のハウジング55及びコネクタブロック60は、当該技術にて既知の任意の形状をとることができ、該形状は、ブート15の形状及び寸法を決定する。ペースメーカIPG及び該IPGと連結された心臓リードの仕様、作動モード及びその他の特徴は、当該技術にて既知の任意のものに相応するものとすることができる。モニタ装置は、容量型血圧及び体温センサ並びに少なくとも1つのEGM感知電極を有する、同時に譲渡された米国特許明細書5,564,434号に記載された型式の心臓リードを介して連結されたメドトロニック(Medtronic)(登録商標名)クロニクル(CHRONICLE)(商標登録名)IHMに相応したものとすることができる。
【0026】
IPG/モニタ装置50は、側部開口部35に滑入され、また、コネクトブロック60を、端縁開口部40を通じて露出されるよう向き決めされる。単極ペースメーカIPG/モニタ装置50又は、同様にファーフィールドEGMを監視する能力を有する双極ペースメーカIPG/モニタ装置の何れかにて遠隔の同一のペーシング及び(又は)感知電極として使用し得るようハウジング55を露出させるため、側部開口部35は必要であることも理解されよう。かかる側部開口部35を有するブート15は、かかるファーフィールド感知能力を備える典型的な双極ペースメーカIPG/モニタ装置にて効果的に使用することができる。これらのブート15の特徴は、図5ないし図10に示したその他のブートの実施の形態に適用可能である。
【0027】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、患者10に植え込まれた直線状ICD IPG250の上に装着し得る形状にて成形された、除去可能な弾性ブート215の第二の実施の形態が図5に図示されている。このブート215は、また、ブートの長側部を貫通する側部開口部235と、ブートの端縁の一部分を貫通する端縁開口部240とを画成する相互のブート端縁により接続された第一及び第二のブートの長側部にて形成されている。
【0028】
このブート215は、一例としてのICD IPG250のハウジング255及びコネクタブロック260の上に装着され且つ、図5に示すように、心臓100からある距離にて皮下ポケット140内に挿入されている。装着したブート215は、ICD IPG250のハウジング255の少なくとも一部分を側部開口部235を通じて露出させつつ、皮下植え込みポケット140内にて抗菌性保護効果を提供する。ハウジング255の露出部分は、1つのC/D電極として採用することができる。
【0029】
図5に示すICD IPG250は、ペース/感知電極及びC/D電極まで伸びる一例としての一組みのC/Dリードに連結される。図示したC/Dリード及びC/Dリードのその他の組み合わせの全てが、ICD IPG250に接続可能であるとは限らないことが理解されよう。この特定の場合、右心室(RV)C/Dリード275は、コネクタブロック260との接続部から従来の経静脈経路を通って心臓100の右心室105内に伸びている。RVC/Dリード275は、リード本体の末端にて活性すなわち陰極側ペース/感知リード及び固定ヘリックス280と、及びより基端側に配置されたリング形状の同一のすなわち陽極側ペース/感知型電極285と、細長いC/D電極290とを備えている。冠状静脈洞(CS)C/Dリード225は、コネクタブロック260との接続部から従来の経静脈経路を通って心臓100の冠状静脈洞又は大静脈115内に配置された細長いC/D電極230まで伸びる。
【0030】
更なるC/Dリード265は、コネクタブロック260との接続部から外科医が選んだ更なる皮下ポケット140´内に配置された直線状のパッド形状のC/D電極270まで皮下を伸びて、選んだ対のC/D電極230、255、270、290の間にて最適にC/Dショック療法を施すことができる。典型的に、直線状のC/D電極270は、心臓100に向けて配置された1つの長側部にて及び皮膚に向けて配置された非導電性側部にてC/D電極の面又は列を支持する可撓性のシリコーンゴム又はポリウレタンパッドにて形成されている。シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、直線状のC/D電極270の非導電性長側部の上に装着し得る形状にて成形された更なる除去可能な弾性ブート295が図5に示されている。該ブート295は、縫合材又はその他の手段にてシリコーンゴム又はポリウレタンパッドに固定し、該ブートがポケット140´内にて非導電性側部から動いたり又は分離しないようにすることができる。
【0031】
より近年、胸郭の周りにて皮下ポケット140、140´内に植え込まれた2つ又はより多くのC/D電極支持モジュールの間にてICDの全ての構成要素を皮下に植え込み且つ、分配して、これらモジュールの間にて且つ、心臓を通じてC/Dショック療法を施すことが提案されている。かかるICDは、米国特許明細書5,255,692号、米国特許明細書5,314,451号、米国特許明細書5,342,407号及び米国特許出願明細書2002/0042634号、米国特許出願明細書2002/0035377号に開示されている。かかる配置は,図6に示されており,ここにおいて、ICD300は、ケーブル315により互いに固縛された,概略図的に示し且つ、密閉的に密封した第一及び第二のICD IPGモジュール305、310を備えている。第一及び第二のC/D電極320、325は、ICD IPGモジュール305、310の一側部にてそれぞれ支持されており、これらのモジュールは、心臓100に臨む皮下ポケット140、140´内に互いに植え込むことを目的とする。
【0032】
密閉的に密封したICD IPGモジュール305は、荷電され且つ、C/Dショックを供給し得るように放電される相対的に大型の高電圧コンデンサと、回路及び供給されたペーシングパルスを作動させるべく採用された低電圧電池とを含む、電子感知、ペーシング及びC/D回路を包み込んでいる。第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール310は、相対的に大型の高電力のC/D電池と、上述した米国特許明細書5,314,451号に記載された要領にて第一のICD IPGモジュール305内の回路を荷電する高電圧のコンデンサと選択的に接続することを可能にするスイッチとを包み込んでいる。ケーブル315は、電池からの電力を分配し且つ、第一及び第二のICD IPGモジュール305、310内の回路の間にて信号及び命令を交換する導体を収納している。
【0033】
各々、シリコーンゴムにて、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、患者10内に植え込まれたそれぞれの第一及び第二のICD IPGモジュール305、310上に装着し得る形状にて成形した第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340も図6に示されている。ブート335、340は、第一及び第二のそれぞれのC/D電極320、325を露出させる、その長側部における開口部345、350を有する。
【0034】
第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310は、図示した前方位置と後方位置との中間における単一の皮膚切開部を通じて前方位置及び後方位置にて皮下に植え込まれることが好ましい。組織を変位させ且つ、第一及び第二の密閉的に密封したハウジングを胸郭の周りの図示した箇所又はその他の選んだ箇所まで前進させるため開通(tunneling)ツールが採用されよう。第一及び第二の除去可能な弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310を所要箇所に固定し且つ、移動を阻止するため組織の接着剤を採用することができる。これと代替的に、所要箇所は、最小の外科的露出程度にて露出させ、また、第一及び第二の除去可能、弾性ブート335、340を支持する第一及び第二の密閉的に密封したICD IPGモジュール305、310をブート335、340を通じて所要箇所にて縫合し移動を阻止してもよい。
【0035】
治療のため、硬膜上腔又は硬腔内腔の何れかに対する脊髄内腔へ痛み抑制の電気的刺激を施すことも図7に示すように、当該技術にて既知である。椎骨の脇の脊髄に対する脊椎管によって閉塞部内にて脳を封入するものと連続した3つの髄膜鞘が脊髄を取り囲んでいる。これら3つの髄膜鞘の最外側のものは、硬膜、すなわち硬膜上腔により脊髄の骨膜から前方に分離された高密度の線維状膜である。硬膜の後方には、硬膜下腔がある。硬膜下腔は、3つの髄膜鞘の第二のもの、すなわちくも膜を取り囲み、該くも膜は、脊髄を取り囲む。くも膜は、くも膜下及び硬腔内腔により第三の髄膜の鞘、すなわち軟膜から分離されている。くも膜下腔は、CSFにて充填されている。軟膜の下方には、脊髄がある。このように、脊椎から内方に向いて順次に、又は後方に進む要領にて、硬膜上腔、硬膜、硬膜下腔、くも膜、硬腔内腔、軟膜、脊髄が位置している。
【0036】
各々、シリコーンゴム、また、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、神経刺激器IPG450のハウジング及びコネクタの上方に装着し得る形状にて成形された神経刺激器SCS IPG450、SCSリード410、除去可能な弾性ブート415を備える、一例としての脊髄刺激(SCS)システム400が患者10に植え込んだ状態にて図7に示されている。該神経刺激器IPG450は、メドトロニック(登録商標名)イトレル(Itrel)(登録商標名)3、シナジー(Synergy)(登録商標名)又はシナジーベリシトリル(Synergy Versitrel)(登録商標名)神経刺激器を備えることができ、また、SCSリード410は、メドトロニック(Medtronic)ピスセス(Pisces)Z クアッド(Quad)リードを備えることができる。
【0037】
膀胱の機能を制御し又は性機能不全を治療するため仙骨神経を刺激する療法を施すことも神経刺激器IPG450及び除去可能な弾性ブート415から仙骨孔内に伸びる破線にて示した仙骨神経刺激器420により代替的に図7に示されている。この場合、神経刺激器IPG450は、メドトロニック(登録商標名)インタースティム(InterStim)(登録商標名)神経刺激器モデル3023を備えることができる。1つの実施の形態において、1つ又は複数の末端刺激電極を支持する仙骨神経刺激リード420は、S3仙骨神経を選択的に刺激する目的のため、背及び仙骨セグメントS3の仙骨孔を通して皮下に植え込まれる。末端電極は、中空の脊椎針を使用して仙骨孔(単一の孔)を通して配置される。電極は、リード本体を所要位置にて縫合することにより固定され、リード本体をブート415内の神経刺激器IPG450の植え込み箇所の皮下に開通させる。
【0038】
除去可能な弾性ブート415は、図1乃至図4に関して上述した除去可能な弾性ブート15に相応する。かかる商業的に入手可能な神経刺激器IPGの実際の形状は、図7に示した神経刺激器IPG450の一例としての形状と相違し、また、該ブート415は、その実際の形状に順応するよう成形されることも理解されよう。この場合にも、ブート415は、脊椎間間隙に配置され、図面にて不明確なSCSリード410の末端セグメントに沿って1つ又は複数の刺激電極と共に同一の刺激電極として機能することが可能であるIPG450のハウジング455を露出させる長側部開口部435を有する。該ブート415はまた、コネクタブロック460へのアクセスを可能にする端縁開口部440も有する。
【0039】
同様に先行技術にて既知であるように、脊髄内腔に痛み抑制又は治療用薬剤を治療目的にて投与する状態が図8に示されている。硬腔内腔に直接、薬剤を投与することは、脊椎タップ注入又はカテーテル挿入法の何れかにより行うことができる。硬腔内への薬剤投与は、経口的に投与したときの一部の薬剤の不動態化及び経口的又は静脈内投与の全身的効果を回避することができる。更に、硬腔内腔への投与は、使用する有効投与量が経口又は非経口投与により必要とされる有効投与量の一部で足りるようにする。更に、硬腔内腔は、全体として小型のカテーテルを受容し、これにより持続的な薬剤の供給システムを可能にするのに十分に幅が広い。このため、バクロフェンを硬腔内腔へ投与することにより痙直を治療することが知られている。更に、バクロフェンの硬腔内腔投与とボツリヌス菌毒素の筋肉内注射とを組み合わせ、筋肉の痙直の減少のための筋肉内ボツリヌス菌の付随的な効果を得られるようにすることが知られている。
【0040】
更に、オオピオイド モルヒネ及びフェンタニールの脊髄内投与により痛みを治療することも知られている。現在使用している抗侵害受容又は抗痙攣性薬剤は、活性期間が短く、このため、頻繁に再投与しなければならず、この再投与は、実際上、日常的な脊椎タップ注射により行われないため、薬剤ポンプが必要とされる。薬剤ポンプは患者の腹部の皮膚の下に外科的に配置される。カテーテルの一端をポンプに接続し、カテーテルの他端を脊髄のCSFを充填した患者のくも膜下又硬腔内腔に挿入する。植え込んだ薬剤ポンプは、薬剤を硬腔内腔に配置されたカテーテルを通じて連続的に又は間欠的に注入し得るようプログラム化することができる。
【0041】
このように、例えば、プログラム化可能なシンクロメド(SynchroMed)(登録商標名)薬剤ポンプ550と、薬剤供給カテーテル510とを備える、メドトロニック(登録商標名)シンクロメド(登録商標名)EL注入システムのような完全に植込み型硬腔内薬剤供給システム500が図8に図示される。シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトを混合され且つ薬剤ポンプ550のハウジング及びコネクタの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート515が患者10に植え込んだ状態にて図7に示される。
【0042】
この場合にも、ブート515は、長側部開口部535を有しており、該開口部は、この場合、薬剤充填ポート555を露出させ、当該技術にて周知の要領にて薬剤ポンプ550内の薬剤チャンバを皮下的に再充填する。ブート515はまた、端縁開口部540も有しており、薬剤供給カテーテル510が取り付けられるコネクタブロック560へアクセスすることを可能にする。薬剤ポンプ550及び該薬剤ポンプ550を収容するブート515は、準備した皮下ポケット140内にて腹部の皮膚の真下に植え込まれ、このため、薬剤充填ポートは、薬剤充填ポート555へのアクセスを可能にし得るよう外方に向き決めされている。
【0043】
図9を参照すると、本態性振戦及びパーキンソン氏病に関係した振戦を制御するためメドトロニック(登録商標名)アクティバ(Activa)(登録商標名)振戦コントロール療法又はパーキンソン氏病コントロール療法を患者10に提供する状態が概略図的に示されている。アクティバ(登録商標名)療法は、心臓ペースメーカと同様の深大脳刺激器によって提供し、該刺激器は、脳内に植え込んだ電極により供給される弱い電気的刺激を使用して振戦を生じさせる脳の信号を遮断する。
【0044】
アクティバ振戦コントロールシステムは、脳内に外科的に植え込まれ且つ、鎖骨付近に植え込んだ神経刺激器IPGに接続された電極を介して視床−脳のメッセージ伝達中枢内の標的細胞を刺激する。パーキンソン氏病の振戦の治療において、電極は、動作及び筋肉の機能を制御する視床下核(STN)又は淡蒼球内節(GPI)に配置される。小型の電極を有するリードは、脳のこれらの箇所に外科的に植え込まれ且つ、皮膚の下に位置する伸長線により鎖骨付近に植え込んだ神経刺激器IPGに接続される。電気的刺激は、患者の各々の必要性に適合するよう非侵襲的に調節することができる。
【0045】
図9に示したアクティバ(登録商標名)システム600の植え込んだ構成要素は、メドトロニック(登録商標名)イトレル(登録商標名)IIモデル7424神経刺激器IPG650と、ディービーエス(DBS)(登録商標名)リード670と、該リード670を神経刺激器IPG650に接続する伸長線610とを有する。リード670は、頭を静止状態に保ち且つ、外科医がリード670を脳130内に配置して電極680を所望の箇所135に配置するのを誘導するのを助ける設計とされた、定位的ヘッドフレームを使用して植え込まれる。脳130及びリード670の配置は、CT(コンピュータ断層撮影)又はMRI(磁気共鳴画像)装置を使用して画像化される。
【0046】
間隔の広い複数の電極を有するモデル3387ディービーエス(登録商標名)リード及び間隔の狭い複数の電極を有するモデル3389ディービーエス(登録商標名)リードは、外科医に対し正確に配置し且つ、刺激を選択するオプションを提供する。アクティバ(登録商標名)システム600のその他の構成要素は、神経刺激器の制御磁石と、神経学的試験刺激器と、外科医プログラマと、リードフレームキットと、メモリモド(MemoryMod)(登録商標名)ソフトウェアカートリッジとを含む。
【0047】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、神経刺激器IPG650のハウジング及びコネクタブロックの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート615が患者10に植え込んだ状態にて図9に示されている。この場合にも、ブート615は、長側部開口部635と、リード伸長部610が取り付けられるコネクタブロック660へアクセスすることを可能にする端縁開口部640とを有する。神経刺激器IPG650及び該神経刺激器IPG650dを収納するブート615は、準備した皮下ポケット140内にて上胸郭の皮膚の真下に植え込まれる。この場合、双極型神経刺激器ハウジング655の露出面は、刺激電極として採用することができる。
【0048】
植込み型薬剤ポンプ及びカテーテルを備える植込み型注入ポンプ(IIP)は、頭蓋を通して植え込み、特定の箇所まで伸びる末端のカテーテル部分を通じて膵臓ポリペプチド遮断剤及び空腹感を減少させ且つ、満腹感を増すその他の薬剤を脳内の特定の箇所へ分与するため、同時に譲渡された米国特許明細書5,643,207号、米国特許明細書5,782,798号に開示されている。食欲不振を治療すべく食欲を増し得るように、その他の食欲作用薬剤を脳内に直接、供給することも米国特許明細書5,643,207号に提案されている。カテーテルに連結された注入ポンプからカテーテル管腔を通して且つ脳内に分与される薬剤は、カロリーの摂取量を減少させることにより肥満を治療すべく満腹感じを誘発させ又は増し、又は、カロリーの摂取量を増大させることにより食欲不振を治療すべく空腹感を増すものと予想される。米国特許明細5,782,798号のシステムは、また、カテーテル支承電極及び導体を通して脳に対し電気的刺激を与え、肥満を治療すべく満腹感を増し、又は、多分、特定の薬剤を供給し又は供給せずに、食欲不振を治療すべく満腹感を減少させるため、採用することもできる。
【0049】
かかる植込み型深大脳薬剤供給システム700は、植込み型薬剤ポンプ750と、膵臓ポリペプチド遮断剤及び空腹感を減少させ且つ、満腹感を増すその他の薬剤をカテーテルポンプ780を通して分与し、頭蓋を通して植え込まれ且つ、特定の箇所135まで伸びるカテーテルの末端部分770を通って脳130内の特定の箇所135に入れる植込み型薬剤ポンプ750及びカテーテル710を備える状態が図10に示されている。植込み型薬剤ポンプ750は、プログラマブルなシンクロメド(登録商標名)薬剤ポンプ750を備えることができる。
【0050】
シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、薬剤ポンプ750のハウジング及びコネクタブロックの上に装着し得る形状にて成形された除去可能な弾性ブート715が患者10に植え込んだ状態にて図10に示されている。この場合にも、ブート715は、この場合、当該技術にて周知の要領にて薬剤ポンプ750内の薬剤チャンバを皮下的に再充填すべく薬剤充填ポート755を露出させる長側部開口部735を有する。ブート715は、また、薬剤供給カテーテル710が取り付けられるコネクタブロック760へアクセスすることを可能にする端縁開口部740も有する。薬剤ポンプ750及び該薬剤ポンプ750を収納するブート715は、準備した皮下ポケット140内の胸郭の皮膚の真下に植え込まれ、このため、薬剤充填ポートは、薬剤充填ポート755へアクセスすることを可能にすべく外方に向き決めされる。
【0051】
心臓から遠方の電極からの心電図を記録する植込み型EGMモニタ装置は、同時に譲渡された米国特許明細書5,331,966号及び国際公開WO98/02209号に開示され且つ、モデル6191患者起動装置及びモデル9790プログラマと共に採用される隔たったハウジングEGM電極を有するメドトロニック(登録商標名)リヴィール(REVEAL)(登録商標名)モデル9526挿入型ループ記録器にて具体化される。かかる植込み型モニタ装置は、心臓不整脈又は心不全の患者に植え込んだとき、日付及び時刻が記されたデータを蓄積し、このデータは、長期間に亙って且つ、患者が日常的活動に従事している間の心臓の状態を測定するのに有用である。米国特許明細書6,221,011号に記載された多くのその他の生理学的状態を監視するため、多岐に亙るその他のIMDが提案されている。
【0052】
このため、リヴィール(登録商標名)挿入型ループ記録器850は、患者10の胸郭内にて皮下ポケット140内に植え込んだ状態にて図11に示されている。該挿入型ループ記録器850は、監視用回路、電池、ラレメトリーアンテナ、及びその他の構成要素を包み込む密閉的に密封したハウジング855と、ヘッダ860とを備えており、該ヘッダ860は、ハウジング855を貫通して伸びるフィードスルーを介して感知増幅器に連結された感知電極810を支持しており、また、貫通して伸びる1対の縫合穴を有する。
【0053】
感知増幅器に連結されたハウジング855の電気的非絶縁部分は、第二の感知電極820を提供する。除去可能な弾性ブート815は、シリコーンゴム、好ましくは、抗菌性金属イオンゼオライトにて合成され且つ、少なくともハウジング855の上に装着し得る形状にて成形されている。この場合にも、ブート815は、感知電極820を露出させる長側部開口部835と、ブート815へのハウジング855の挿入を可能にする端縁開口部840とを有する。ブート815は、ブートを挿入型ループ記録器850に固定し且つ、挿入型ループ記録器850を皮下組織に固定するため同一の縫合糸を使用することを可能にする縫合糸穴を有するヘッダ860の少なくとも一部分の上を伸びる形状とすることができる。
【0054】
このように、多岐に亙る用途及び皮下ポケット140、140´内に植え込んだ形状を有する、多岐に亙る皮下に植え込んだIMDであって、このIMDの上に、IMDの外側ハウジングの少なくとも一部分の周りに嵌まるパッド又はパッドとして特徴を有する除去可能な抗菌性構成要素が配置される、IMDについて説明した。かなりの植え込み期間に亙って抗菌性活性を呈する濃度にて銀イオンを溶離する抗菌性ゼオライトの合成物とされた、ポケット140、140´内にて体液に露呈される抗菌性の重合系構成要素を含めることにより、皮下組織は、上述した型式の微生物の成長及び感染から好ましいように保護される。図1ないし図11に示したこれらの実施の形態において、抗菌性構成要素は、該要素をIMDの上に装着することにより、IMDに物理的に取り付けられる。抗菌性構成要素は、例えば、胃刺激器及び薬剤ポンプ、インシュリン供給薬剤ポンプ、その他の身体器官、筋肉、又は神経刺激器及び本明細書にて特に特定した薬剤供給装置のような、現在、利用可能であり又は将来、利用可能となるであろう、皮下に植え込み得るようにされた任意のIMDの形状に順応するよう成形することができることが理解されよう。
【0055】
別の好ましい実施の形態において、抗菌性構成要素は、準備した皮下ポケット140内に植え込んだ上述したIMDの任意のものの恒久的に取り付けられた部分を備えている。例えば、コネクタヘッダ960を部分断面図にて示す一例としてのIPG/モニタ装置950、及びコネクタ穴965内に装着し得るようにされた電気的医療リード910の一例としてのリードコネクタ組立体915の部分的な概略図が図12に示されている。コネクタピン920と、ピン受容接点925に嵌まり得るようにされたコネクタリング930と、概略図に示したコネクタヘッダ960のリング受容接点とを備える、従来の双極設計のコネクタ組立体915を有する双極リード910が示されている。弾性的な重合系密封リング940、945は、コネクタピン920及びコネクタリング930に隣接して配置されている。細長いリード本体990に連結されたリードコネクタ組立体915の末端部分985は、リードコネクタ組立体915のより基端側部分がコネクタ穴965内に完全に挿入されたとき、コネクタ穴965の外側に配置される。
【0056】
弾性バンド970、980は、コネクタ穴の開口部を取り巻き、また、縫合糸を取り付けて、これらを密封リング945と末端部分955との間にてコネクタ組立体の弾性部分に対して締め付けることができる。コネクタ要素925、935、フィールドスルー及び線接続部、電気的接続を確実にするべく成形した重合系のヘッダ本体975内に収納された任意の止めねじ又はその他の締結具の特定の形態は、既知の任意の形態とすることができ、本発明の実施にとって重要ではなく、従って図示していない。図示したIPG/モニタ装置950は、IPG/モニタ装置及びその構成要素50、250、305−310、450、650の任意のものの一例であるが、リードコネクタ組立体及びコネクタヘッダのコネクタ要素の数及びそれらの特定の形態は、大幅に変更することが可能である。
【0057】
IPGコネクタヘッド975及び(又は)リードコネクタ組立体915の重合系構成要素の選んだ1つ又は全ては、本発明の更なる実施の形態に従い図12に斜線で示すように、金属イオンゼオライトにて合成される。通常、リードコネクタ組立体915は、別個に形成され且つ、製造中、リード本体990に取り付けられ、このため、重合系リードコネクタ組立体の部品は、金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴム又はポリウレタンにて成形することが便宜である。これにより、抗菌性銀イオンをコネクタヘッダ本体975及び(又は)弾性バンド970から及び(又は)コネクタ穴965の外側に配置されたリードコネクタの部分985から溶離させることができる。抗菌性銀イオンはまた、持続的植え込みの間、体液にて湿った状態となったならば、密封リング940、945から溶離させ、コネクタ穴/コネクタ組立体の境界部内の全ての微生物の活動を阻止するようにすることもできる。
【0058】
図13は、例えば、C/D電極275のような皮下植え込み型C/D電極の斜視図であり、この場合、C/D電極275の重合系構成要素の選ばれたもの又はその全ては、本発明の更なる実施の形態に従い金属イオンゼオライトにて合成される。特に、シリコーンゴム又はポリウレタンパッド220の全て又は一部は、図13に斜線で示すように、金属イオンゼオライトにて合成することができる。この場合にも、シリコーンゴム又はポリウレタンパッド220を別個に形成し且つ製造中、C/Dリード265のリード本体に取り付け、設計に依存して、重合系パッドをシリコーンゴムから又は金属イオンゼオライトの合成物とされたポリウレタンから単一の部品又は多数の部品として成形することが便宜である。
【0059】
同様に、例えば、植込み型モニタ装置800の重合系ヘッダ860は、例えば、皮下に植え込んだIMD構成要素の間にて皮下に通したケーブル315、及び、植込み型薬剤ポンプ500、700を有するカテーテルコネクタ560、760の重合系構成要素は、例えば、金属イオンゼオライトの合成物とされたポリマーから成形することができる。
【0060】
本明細書に記載した全ての特許及び出版物は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含める。
上述した好ましい実施の形態の上述した構造、機能及び作用の特定のものは、本発明を実施する上で不必要であり、一例としての実施の形態の完璧さを期すためにのみ本明細書に含めたものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図2】図1の金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートの平面図である。
【図3】図2の線3−3に沿ったブートの側面断面図である。
【図4】図2のブートの頂面図である。
【図5】装置の上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートと、装置の非導電性側部に装着され又は該非導電性側部に取り付けられた金属イオンゼオライトの合成物とされた更なるシリコーンゴムブートとを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図6】患者の胸郭を渡って皮下に植え込まれ且つ、互いに固縛された2つのモジュールを含み、該モジュールの各々が装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図7】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図8】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図9】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図10】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図11】装置上に装着された金属イオンゼオライトの合成物とされたシリコーンゴムブートを有する、患者の胸郭領域の皮下に植え込まれた、本発明に従った植込み型医療装置の概略図である。
【図12】コネクタヘッダを部分断面図にて示す、本発明に従った一例としての植込み型医療装置及びコネクタ穴内に装着し得るようにされた一例としてのリードコネクタ組立体を示す概略部分図であり、コネクタヘッダ及び(又は)リードコネクタ組立体の重合系構成要素の選んだもの又はその全てが本発明の1つの実施の形態に従って金属インプラントゼオライトの合成物である。
【図13】本発明の1つの実施の形態の皮下植込み型C/D電極の斜視図である。この皮下植込み型C/D電極において、C/D電極の重合系構成要素の選ばれた1つ又は全てが金属イオンゼオライトの合成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型医療装置(IMD)に抗菌性保護を提供する方法であって、
生体適合性ポリマーを、金属イオンを体液中に溶離させることにより、抗菌活性を有する合成物材料を提供するのに十分な濃度の金属イオンゼオライトと合成するステップと、
抗菌性構成要素を該材料から形成するステップと、
抗菌性構成要素が皮下ポケット内に植え込まれたとき体液に露呈されるように抗菌性構成要素をIMDに取り付けるステップと、を含む方法。。
【請求項2】
前記抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに選択的に、取り付け、また、IMDから取り外し可能である所定の形状を有する請求項1の方法。
【請求項3】
前記抗菌性構成要素は、IMDの少なくとも一部分の上に嵌まり得るようにされた薄肉厚の弾性的覆い物となるように形成される請求項1の方法。
【請求項4】
前記形成するステップは、IMDの一部分を受容し得る形状とされた内部のブートキャビティを有するブートを成形するステップを含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンから成る群から選ばれる請求項1の方法。
【請求項6】
請求項4の方法において、IMDは電極面を有し、ブートは開口部を有し、前記取り付けるステップは、IMDの部分をキャビティ内に挿入するステップと、該開口部を電極面に対し整合させ、該電極面を露出させるステップとを含む、方法。
【請求項7】
前記形成するステップは、抗菌性構成要素をIMDの少なくとも一部分に取り付け得るようにされたパッドとなるように成形するステップを含む請求項1の方法。
【請求項8】
IMDの一部分に取り付けられた抗菌性構成要素を含む植込み型医療装置(IMD)であって、IMDの部分は、皮下に植え込むことを目的とし、構成要素は、IMDを皮下ポケット内に植え込んだとき、体液に露呈される植込み型医療装置(IMD)。
【請求項9】
前記抗菌性構成要素は、金属イオンを体液中に溶離させることにより抗菌活性を提供するのに十分な濃度の金属イオンゼオライトと生体適合性ポリマーとのコンパウンドを備える材料にて形成される請求項8のIMD。
【請求項10】
前記抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに選択的に、取り付け、また、IMDから取り外し可能である所定の形状を有する請求項8のIMD。
【請求項11】
前記抗菌性構成要素は、IMDの一部分の上に嵌まる薄肉厚の弾性的覆い物として形成される請求項8のIMD。
【請求項12】
前記抗菌性構成要素は、IMDの一部分を受容する内部のブートキャビティを有するブートとして形成される請求項8のIMD。
【請求項13】
前記金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンから成る群から選ばれる請求項8のIMD。
【請求項14】
請求項8のIMDにおいて、電極面を更に備え、抗菌性構成要素は、電極面を露出させ得るよう電極面に対して配置された開口部を有するIMD。
【請求項15】
前記抗菌性構成要素は、IMDの部分に取り付けられたパッドとして形成される請求項8のIMD。
【請求項1】
植込み型医療装置(IMD)に抗菌性保護を提供する方法であって、
生体適合性ポリマーを、金属イオンを体液中に溶離させることにより、抗菌活性を有する合成物材料を提供するのに十分な濃度の金属イオンゼオライトと合成するステップと、
抗菌性構成要素を該材料から形成するステップと、
抗菌性構成要素が皮下ポケット内に植え込まれたとき体液に露呈されるように抗菌性構成要素をIMDに取り付けるステップと、を含む方法。。
【請求項2】
前記抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに選択的に、取り付け、また、IMDから取り外し可能である所定の形状を有する請求項1の方法。
【請求項3】
前記抗菌性構成要素は、IMDの少なくとも一部分の上に嵌まり得るようにされた薄肉厚の弾性的覆い物となるように形成される請求項1の方法。
【請求項4】
前記形成するステップは、IMDの一部分を受容し得る形状とされた内部のブートキャビティを有するブートを成形するステップを含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンから成る群から選ばれる請求項1の方法。
【請求項6】
請求項4の方法において、IMDは電極面を有し、ブートは開口部を有し、前記取り付けるステップは、IMDの部分をキャビティ内に挿入するステップと、該開口部を電極面に対し整合させ、該電極面を露出させるステップとを含む、方法。
【請求項7】
前記形成するステップは、抗菌性構成要素をIMDの少なくとも一部分に取り付け得るようにされたパッドとなるように成形するステップを含む請求項1の方法。
【請求項8】
IMDの一部分に取り付けられた抗菌性構成要素を含む植込み型医療装置(IMD)であって、IMDの部分は、皮下に植え込むことを目的とし、構成要素は、IMDを皮下ポケット内に植え込んだとき、体液に露呈される植込み型医療装置(IMD)。
【請求項9】
前記抗菌性構成要素は、金属イオンを体液中に溶離させることにより抗菌活性を提供するのに十分な濃度の金属イオンゼオライトと生体適合性ポリマーとのコンパウンドを備える材料にて形成される請求項8のIMD。
【請求項10】
前記抗菌性構成要素は、IMDの形状に順応し且つ、IMDに選択的に、取り付け、また、IMDから取り外し可能である所定の形状を有する請求項8のIMD。
【請求項11】
前記抗菌性構成要素は、IMDの一部分の上に嵌まる薄肉厚の弾性的覆い物として形成される請求項8のIMD。
【請求項12】
前記抗菌性構成要素は、IMDの一部分を受容する内部のブートキャビティを有するブートとして形成される請求項8のIMD。
【請求項13】
前記金属イオンは、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、アンチモン、ヒ素、セレニウム、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、カドミウム、クロム、及びタリウムイオンから成る群から選ばれる請求項8のIMD。
【請求項14】
請求項8のIMDにおいて、電極面を更に備え、抗菌性構成要素は、電極面を露出させ得るよう電極面に対して配置された開口部を有するIMD。
【請求項15】
前記抗菌性構成要素は、IMDの部分に取り付けられたパッドとして形成される請求項8のIMD。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−523215(P2006−523215A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507376(P2006−507376)
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/008467
【国際公開番号】WO2004/084955
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/008467
【国際公開番号】WO2004/084955
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(591007804)メドトロニック・インコーポレーテッド (243)
【Fターム(参考)】
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