説明

検体分析装置

【課題】分析結果を迅速かつ確実に得ることができ、試薬や検体の無駄をなくすことができる検体分析装置を提供する。
【解決手段】それぞれ試薬を収容する複数の試薬容器を保持する試薬保持部と、前記試薬保持部に保持された試薬容器に収容された試薬と検体とが混合された測定試料を測定し、測定データを取得する測定部と、試薬に対応する検量線を記憶可能な記憶部と、前記測定部によって得られた測定データを、前記試薬吸引部によって吸引された試薬に対応する検量線に基づいて変換し、分析結果を取得する測定データ処理手段と、同一種類の試薬がそれぞれ収容された複数の試薬容器が前記試薬保持部に保持された場合に、前記同一種類の試薬それぞれに対する前記記憶部における検量線の有無に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定する決定手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は免疫分析装置、血液凝固分析装置などの検体を分析する検体分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫分析装置や血液凝固分析装置を含む多くの検体分析装置では、多くの分析項目を測定するために複数の試薬が使用される。各試薬は、1つの分析項目だけで使用されるものもあれば、複数の分析項目で使用されるものもあり、その消費量もまちまちである。このうち、比較的消費量が多い試薬については、分析プロセス中に試薬切れが発生して測定エラーになるのを防ぐために、複数個の試薬容器を、検体分析装置の試薬容器保持部に保持するようにしている。
そして、複数個の試薬容器に収容されている同一の試薬の使用順序に関しては、例えば、装置の動作開始時において試薬残量の少ない試薬容器から使用を開始することが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−43234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検体分析装置では、検体と試薬とが混合された測定試料を測定し、得られた測定データを、使用した試薬に対応する検量線に基づいて変換して分析結果を得ている。したがって、検量線が存在しなければ分析結果を得ることができないが、(1)検量線を作成する際にはキャリブレータの測定を行わなくてはならず、この間検体の測定ができない、(2)スクリーニングシステムでは、検体を次の検査へ送るために早期に検体測定を完了することが要望される、という理由から、検量線が作成されていない試薬を用いて測定を行う場合もある。この場合、検量線が作成されるまでは、分析結果を得ることができず、例えば再検が必要であるか否かの判断を測定後すぐに行うことができない。
【0005】
また、試薬管理上の不具合などの理由により検量線自身にエラーが生じることも考えられる。この場合、検量線が作成されていない試薬を用いて測定を行い、後になって当該試薬の検量線にエラーが存在することが判明することから、それまでに行った測定、及び測定に使用した検体や試薬が無駄になってしまう。
【0006】
このように検量線の有無は、検体の分析プロセスにおいて重要な意味をもつものであるが、同一の試薬が複数装置内に存在する場合において、従来、この検量線の有無に基づいて試薬の使用順序を決める検体分析装置は存在しなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、分析結果を迅速かつ確実に得ることができ、試薬や検体の無駄をなくすことができる検体分析装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の検体分析装置は、それぞれ試薬を収容する複数の試薬容器を保持する試薬保持部と、
前記試薬保持部に保持された試薬容器に収容された試薬と検体とが混合された測定試料を測定し、測定データを取得する測定部と、
試薬に対応する検量線を記憶可能な記憶部と、
前記測定部によって得られた測定データを、前記試薬吸引部によって吸引された試薬に対応する検量線に基づいて変換し、分析結果を取得する測定データ処理手段と、
同一種類の試薬がそれぞれ収容された複数の試薬容器が前記試薬保持部に保持された場合に、前記同一種類の試薬それぞれに対する前記記憶部における検量線の有無に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定する決定手段と
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の検体分析装置では、同一の試薬が試薬保持部に複数存在する場合に、検量線が作成されている試薬を先に使用するように構成されている。検量線が存在しないと、分析結果を得ることができず、例えば再検が必要であるか否かの判断をすることができないが、検量線が存在している試薬を用いると、分析結果を迅速かつ確実に得ることができ、前記再検の判断もスムーズに行うことができる。また、試薬管理上の不具合などの理由により検量線自身にエラーが生じることも考えられ、この場合、検量線が作成されていない試薬を用いて測定を行い、後になって当該試薬の検量線にエラーがあることが判明すると、それまでに行った測定や検体が無駄になってしまう。検量線が存在する試薬を用いて測定を行うと、このような測定や検体の無駄が生じることがない。
【0010】
試薬容器は、試薬を特定する特定情報が記録された記録部を有しており、
前記検体分析装置は、試薬容器の記録部に記録された特定情報を読み取る読取手段を備え、
前記決定手段は、前記同一種類の試薬それぞれに対して、特定情報によって特定される試薬に対応する検量線が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定するように構成することができる。
また、前記記憶部は、検量線を記憶する場合に、試薬のロット番号と対応付けて検量線を記憶し、
前記決定手段は、前記同一種類の試薬それぞれに対して、試薬のロット番号に対応する検量線が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定するように構成することができる。
【0011】
前記決定手段は、前記同一種類の試薬の使用順序を決定するように構成することができる。
また、本発明の検体分析装置は、前記決定手段によって決定された使用順序に従って試薬に関する情報が並べられた試薬リストを表示する表示手段をさらに備えることができる。
本発明の検体分析装置は、検量線を作成する検量線作成手段と、
この検量線作成手段によって作成された検量線を、検体の分析に使用するための承認を受け付ける承認受付手段とをさらに備えることができ、
前記記憶部を、前記承認受付手段によって検量線の承認が受け付けられた場合に、承認された検量線を記憶するように構成することができる。
【0012】
前記記憶部における検量線の有無を示す情報を含む試薬情報を、前記試薬保持部によって保持された収容容器に収容された試薬毎に記憶する試薬情報記憶部をさらに備えることができ、
前記決定手段は、前記試薬情報記憶部に記憶された試薬情報に含まれる検量線の有無を示す情報に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成することができる。
【0013】
試薬の有効期限を管理する有効期限管理手段をさらに備えることができ、
前記決定手段は、さらに試薬の有効期限に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成することができる。
また、試薬の残量を管理する残量管理手段をさらに備えることができ、
前記決定手段は、さらに試薬の残量に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の検体分析装置によれば、分析結果を迅速かつ確実に得ることができ、試薬や検体の無駄をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の検体分析装置の実施の形態を詳細に説明する。
[装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置1の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示される免疫分析装置1の平面図である。免疫分析装置1は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカ及び甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための装置である。この免疫分析装置1では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体及び磁性粒子をBF(Bound Free)分離部14(図1及び図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原及び標識抗体をBF分離部14の磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原又は抗体を定量的に測定している。
【0016】
この免疫分析装置1は、図1及び図2に示されるように、測定機構部2と、測定機構部2の前面側に配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続されたPC(パーソナルコンピュータ)からなる制御装置4とを備えている。また、測定機構部2は、検体分注アーム5と、試薬設置部6及び7と、試薬分注アーム(試薬吸引部)8、9及び10と、1次反応部11及び2次反応部12と、キュベット供給部13と、BF分離部14と、検出部15とから構成されている。また、図3に示されるように、測定機構部2における各機構(各種分注アーム、試薬設置部6及び試薬設置部7など)は、測定機構部2に設けられた本体制御部2aにより制御されている。具体的には、本体制御部2aは、試薬設置部7に設けられた各種センサ(センサ60d、60g、70a、70b、70c、70d及び原点検知センサ60eなど)の信号を受信するとともに、試薬設置部7に設けられた各種駆動源(ステッピングモータ53、63及びモータ76など)の駆動を制御している。また、搬送機構部3も本体制御部2aによって制御される。なお、各種分注アーム、各種センサ及び各種駆動源については後に詳細に説明する。
本体制御部2aは、図4に示されるように、CPU2bと、ROM2cと、RAM2dと、通信インタフェース2eとから主として構成されている。
【0017】
CPU2bは、ROM2cに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM2dに読み出されたコンピュータプログラムを実行することが可能である。ROM2cは、CPU2bに実行させるためのコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。RAM2dは、ROM2cに記憶しているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU2bの作業領域として利用される。
【0018】
通信インタフェース2eは、制御装置4に接続されており、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4の制御部4aからの信号を受信するための機能を果たす。また、通信インタフェース2eは、搬送機構部3及び測定機構部2の各部を駆動するためのCPU2bからの指令を送信するための機能を有する。
【0019】
検体搬送部3は、図1及び図2に示されるように、検体を収容した複数の試験管100が載置されたラック101を、検体分注アーム5が検体を吸引する吸引位置1aに対応する位置まで搬送するように構成されている。この検体搬送部3は、未処理の検体を収容した試験管100が載置されたラック101をセットするためのラックセット部3aと、分注処理済みの検体を収容した試験管100が載置されたラック101を貯留するためのラック貯留部3bとを有している。そして、未処理の検体を収容した試験管100を検体分注アーム5の吸引位置1aに対応する位置まで搬送することにより、検体分注アーム5により試験管100内の血液などの検体の吸引が行われ、その後、その試験管100を載置したラック101がラック貯留部3bに貯留されるように構成されている。
【0020】
制御装置4(図1参照)は、パーソナルコンピュータ(PC)などからなり、CPU、ROM、RAMなどからなる制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとを含んでいる。また、表示部4bは、検出部15から送信されたデジタル信号のデータを分析して得られた分析結果、後述する試薬に関する情報が並べられた試薬リストなどを表示するために設けられている。また、本実施の形態では、制御装置4において、後述する試薬容器300の交換、追加及び取出しの指示を行うことが可能に構成されている。
【0021】
次に、制御装置4の構成について説明する。制御装置4は、図5に示されるように、制御部4aと、表示部4bと、キーボード4cとから主として構成されたコンピュータ401によって構成されている。制御部4aは、CPU401aと、ROM401bと、RAM401cと、ハードディスク401dと、読出装置401eと、入出力インタフェース401fと、通信インタフェース401gと、画像出力インタフェース401hとから主として構成されている。CPU401a、ROM401b、RAM401c、ハードディスク401d、読出装置401e、入出力インタフェース401f、通信インタフェース401g、及び画像出力インタフェース401hは、バス401iによって接続されている。
【0022】
CPU401aは、ROM401bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM401cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム404aをCPU401aが実行することにより、コンピュータ401が制御装置4として機能する。
ROM401bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されており、CPU401aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータなどが記録されている。
【0023】
RAM401cは、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。RAM401cは、ROM401b及びハードディスク401dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401aの作業領域として利用される。
ハードディスク401dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU401aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。本実施の形態に係る免疫分析用のアプリケーションプログラム404aも、このハードディスク401dにインストールされている。
【0024】
読出装置401eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブなどによって構成されており、可搬型記録媒体404に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体404には、免疫分析用のアプリケーションプログラム404aが格納されており、コンピュータ401がその可搬型記録媒体404からアプリケーションプログラム404aを読み出し、そのアプリケーションプログラム404aをハードディスク401dにインストールすることが可能である。
【0025】
なお、前記アプリケーションプログラム404aは、可搬型記録媒体404によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ401と通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、前記アプリケーションプログラム404aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ401がアクセスして、そのアプリケーションプログラム404aをダウンロードし、これをハードディスク401dにインストールすることも可能である。
【0026】
また、ハードディスク401dには、例えば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、アプリケーションプログラム404aは前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
入出力インタフェース401fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインタフェースなどから構成されている。入出力インタフェース401fには、キーボード4cが接続されており、ユーザがそのキーボード4cを使用することにより、コンピュータ401にデータを入力することが可能である。
【0027】
通信インタフェース401gは、たとえば、Ethernet(登録商標)インタフェースである。コンピュータ401は、その通信インタフェース401gにより、所定の通信プロトコルを使用して測定機構部2との間でデータの送受信が可能である。
画像出力インタフェース401hは、LCD又はCRTなどで構成された表示部4bに接続されており、CPU401aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部4bに出力するようになっている。表示部4bは、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0028】
また、制御部4aのハードディスク401dにインストールされた免疫分析用のアプリケーションプログラム404aは、測定機構部2の検出部15から送信された測定用試料の発光量(デジタル信号のデータ)を用いて、測定用試料の抗原又は抗体の量を測定している。
【0029】
検体分注アーム5(図1及び図2参照)は、検体搬送部3により吸引位置1aに搬送された試験管100内の検体を、後述する1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bに保持されるキュベット150内に分注する機能を有している。この検体分注アーム5は、図1及び図2に示されるように、モータ5aと、モータ5aに接続される駆動伝達部5bと、駆動伝達部5bに軸5cを介して取り付けられるアーム部5dとを含んでいる。駆動伝達部5bは、モータ5aからの駆動力によりアーム部5dを、軸5cを中心に回動させるとともに、上下方向(Z方向)に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部5dの先端部には、検体の吸引及び吐出を行うピペット5eが設けられている。
【0030】
試薬設置部6(図1及び図2参照)は、捕捉抗体を含むR1試薬が収容される試薬容器及び標識抗体を含むR3試薬が収容される試薬容器を保持する試薬容器を設置するために設けられている。この試薬設置部6は、図1に示されるように、試薬容器が保持される試薬保持部20と、試薬保持部20に取り付けられる蓋部30と、試薬保持部20内の試薬容器を蓋部30に設けられた孔30aを介して交換するための昇降部40とを含んでいる。
【0031】
試薬設置部7(図1及び図2参照)は、磁性粒子を含むR2試薬が収容される試薬容器を保持する試薬容器300(図6参照)を設置するために設けられている。試薬設置部7の構造については後に詳細に説明する。
【0032】
試薬分注アーム8(図1及び図2参照)は、試薬設置部6に設置される試薬容器内のR1試薬を吸引するとともに、その吸引したR1試薬を1次反応部11の検体が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム8は、モータ8aと、モータ8aに接続される駆動伝達部8bと、駆動伝達部8bに軸8cを介して取り付けられたアーム部8dとを含んでいる。駆動伝達部8bは、モータ8aからの駆動力により軸8cを中心にアーム部8dを回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部8dの先端部には、試薬容器内のR1試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット8e(図1参照)が取り付けられている。すなわち、ピペット8eは、試薬設置部6に設置された試薬容器内のR1試薬を吸引した後、吸引したR1試薬を1次反応部11の検体が分注されたキュベット150内に分注するように構成されている。
【0033】
試薬分注アーム9(図1及び図2参照)は、試薬設置部7に設置される試薬容器300内のR2試薬を1次反応部11の検体及びR1試薬が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム9は、モータ9aと、モータ9aに接続される駆動伝達部9bと、駆動伝達部9bに軸9cを介して取り付けられたアーム部9dとを含んでいる。駆動伝達部9bは、モータ9aからの駆動力により、軸9cを中心にアーム部9dを回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部9dの先端部には、試薬容器300内のR2試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット9e(図1参照)が取り付けられている。したがって、ピペット9eは、試薬設置部7の試薬容器300内のR2試薬を吸引した後、吸引したR2試薬を1次反応部11の検体及びR1試薬が分注されたキュベット150内に分注するように構成されている。
【0034】
試薬分注アーム10(図1及び図2参照)は、試薬設置部6に設置される試薬容器内のR3試薬を吸引するとともに、その吸引されたR3試薬を2次反応部12の検体、R1試薬及びR2試薬が分注されたキュベット150内に分注するための機能を有している。この試薬分注アーム10は、モータ10aと、モータ10aに接続される駆動伝達部10bと、駆動伝達部10bに軸10cを介して取り付けられたアーム部10dとを含んでいる。駆動伝達部10bは、モータ10aからの駆動力により、軸10cを中心にアーム部10dを回動させるとともに、上下方向に移動させることが可能なように構成されている。また、アーム部10dの先端部には、試薬容器内のR3試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット10e(図1参照)が取り付けられている。すなわち、ピペット10eは、試薬設置部6の試薬容器内のR3試薬を吸引した後、吸引したR3試薬を2次反応部12の検体、R1試薬及びR2試薬が分注されたキュベット150内に分注される。
【0035】
1次反応部11は、図1及び図2に示すように、回転テーブル部11aの保持部11bに保持されるキュベット150を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット150内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するために設けられている。つまり、1次反応部11は、キュベット150内で磁性粒子を有するR2試薬と検体中の抗原とを反応させるために設けられている。この1次反応部11は、検体とR1試薬及びR2試薬とが収容されるキュベット150を回転方向に搬送するための回転テーブル部11aと、キュベット150内の検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体、R1試薬及びR2試薬が収容されたキュベット150を後述するBF分離部14(図1及び図2参照)に搬送する容器搬送部11cとから構成されている。
【0036】
また、回転テーブル部11aは、保持部11bに保持されたキュベット150を18秒毎に所定の角度だけ回転移送するように構成されている。そのため、免疫分析装置1の各種装置(検体分注アーム5や試薬分注アーム8及び9など)は、回転テーブル部11aにより所定の位置に移送されたタイミングで、移送された所定の位置のキュベット150に対して動作するように制御されている。
【0037】
また、容器搬送部11cは、回転テーブル部11aの中心部分に回転可能に設置されている。この容器搬送部11cは、回転テーブル部11aの保持部11bに保持されるキュベット150を把持するとともにキュベット150内の試料を攪拌する機能を有している。さらに、容器搬送部11cは、検体、R1試薬及びR2試薬を攪拌してインキュベーションした試料を収容したキュベット150をBF分離部14(図1及び図2参照)に搬送する機能も有している。
【0038】
2次反応部12(図1及び図2参照)は、1次反応部11と同様の構成を有しており、回転テーブル部12aの保持部12bに保持されるキュベット150を所定の期間(本実施形態では、18秒)毎に所定の角度だけ回転移送するとともに、キュベット150内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するために設けられている。つまり、2次反応部12は、キュベット150内で標識抗体を有するR3試薬と検体中の抗原とを反応させるとともに、発光基質を有するR5試薬とR3試薬の標識抗体とを反応させるために設けられている。なお、R5試薬は、2次反応部12の近傍に設けられたR5試薬分注アーム(図示せず)により、2次反応部12の検体、R1試薬、R2試薬及びR3試薬が収容されたキュベット150内に分注されるように構成されている。この2次反応部12は、検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬が収容されるキュベット150を回転方向に搬送するための回転テーブル部12aと、キュベット150内の検体、R1試薬、R2試薬、R3試薬及びR5試薬を攪拌するとともに、攪拌された検体などが収容されたキュベット150をBF分離部14に搬送する容器搬送部12cとから構成されている。さらに、容器搬送部12cは、BF分離部14により処理されたキュベット150を再び回転テーブル部12aの保持部12bに搬送する機能を有している。なお、2次反応部12の詳細構造は、1次反応部11と同様であるので、その説明を省略する。
【0039】
キュベット供給部13(図1及び図2参照)は、複数のキュベット150を1次反応部11の回転テーブル部11aの保持部11bに順次供給することが可能なように構成されている。
BF分離部14は、1次反応部11の容器搬送部11cによって搬送されたキュベット150内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能と、2次反応部12の容器搬送部12cによって搬送されたキュベット150(図1参照)内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離する機能とを有する。
【0040】
検出部15(図1及び図2参照)は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定するために設けられている。
【0041】
次に、図6〜18を参照しつつ、本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置1の試薬設置部7及び試薬設置部7に設置される試薬容器300の構造を説明する。
試薬設置部7は、図6に示されるように、試薬容器300を円環状に並べて保持する円筒形状の試薬保持部50と、試薬保持部50に開閉可能に取り付けられる蓋部60と、円筒形状の試薬保持部50の側面(外壁部51)に取り付けられる昇降部70とを含んでいる。また、試薬設置部7の底部にはペルチエ素子(図示せず)が取り付けられており、試薬設置部7の内部は約15℃に保たれている。
【0042】
試薬保持部50は、図7及び図8に示されるように、円筒状の外壁部51と、中心に設けられる回転可能な回転軸52と、回転軸52を回転させるためのステッピングモータ53と、ステッピングモータ53の駆動力を回転軸52に伝達するためのベルト54(図8参照)とを含んでいる。外壁部51の内面には全面に渡って断熱材(図示せず)が取り付けられており、試薬保持部50内部の温度を低温(約15℃)に保っている。また、ステッピングモータ53の駆動力は、図8に示されるように、ステッピングモータ53により回転するプーリ53aと、回転軸52に同軸上に固定されるプーリ52aとにより、ベルト54を介して回転軸52に伝達されるように構成されている。
【0043】
また、回転軸52には、複数の試薬容器300を円環状に保持するためのラック600が固設されている。ラック600に試薬容器300を保持させた状態で回転軸52を回転させることにより、試薬容器300が保持されたラック600が回転されるので、吸引する試薬を保持する試薬容器300を後述する蓋部60の孔60b及び入出孔60cの下方に移動させることが可能である。このラック600は、図9に示すように、ラック600の中心に設けられ、回転軸52が挿入される挿入部601と、挿入部601を中心に円環状に形成され、試薬容器300を保持するための複数の保持部602と、挿入部601の上方に突出するように設けられた原点検知片603とを含んでいる。保持部602は、仕切板602aと支持部602bとにより構成されている。仕切板602aは、挿入部601から半径方向に放射状に延びるように所定の角度間隔で複数設けられている。支持部602bは、仕切板602aの互いに対向する部分の下部及び挿入部501の下部に、内側に突出するように設けられている。各試薬容器300は、一対の仕切板602aにより挟まれる空間に支持部602bにより底部323(図18参照)の周縁部が支持されるように配置される。また、図8に示すように、保持部602の上部、下部及び半径方向の外側部を開放端とすることにより、試薬容器300を昇降させるための昇降部70の載置台71及びアーム72がラック600の保持部602に接触することなく昇降可能に構成されている。
【0044】
また、蓋部60は、図6に示されるように、試薬保持部50にヒンジ部60aを介して開閉可能に取り付けられている。この蓋部60は、試薬設置部7内の温度が低温(15℃)に保たれるように外気を遮断するとともに、試薬設置部7内の試薬を外部から吸引可能で、かつ、試薬容器300を試薬設置部7内に出し入れ可能なように構成されている。具体的には、蓋部60は、図10及び図11に示されるように、試薬容器300の試薬容器310(図16及び図17参照)から試薬を吸引する際に試薬分注アーム9のピペット9eが挿入される孔60bと、試薬容器300を試薬設置部7から昇降部70によって出し入れするための入出孔60cとを含んでいる。また、蓋部60は、孔60bの下方に配置された試薬容器300のスライド蓋322(図16及び図17参照)を開閉可能な開閉部材61と、開閉部材61をスライド可能に支持する直動ガイド62と、開閉部材61を往復駆動するステッピングモータ63とを含んでいる。また、蓋部60には、試薬容器300がラック600の保持部602に保持されているか否かを検知するための反射型のセンサ60dと、ラック600の原点位置を検知するための透過型の原点検知センサ60eと、開閉部材61の原点位置を検知するための透過型のセンサ60fと、後述する昇降部70の載置台71に載置された試薬容器300を検知するための透過型のセンサ60gとが設けられている。センサ60dは、蓋部60の裏面側に向かって光を照射可能なように蓋部60の表面側に配置されており、原点検知センサ60eは、蓋部60の裏面側に配置されている。また、センサ60fは、蓋部60の表面側に配置されている。また、センサ60gは、入出孔60cを跨ぐように蓋部60の表面側に配置されている。
【0045】
また、図11に示されるように、開閉部材61は、開閉部材31と同様に二股の係合片61aを有している。また、試薬容器300がスライド蓋322が閉まった状態で孔60bの下方に配置された場合には、試薬容器300のスライド蓋322の係合片322a(図16参照)が開閉部材61の二股の係合片61aの間に位置するように構成されている。また、蓋部60の裏面の孔60bの近傍には一対のガイド片60hが取り付けられている。この一対のガイド片60hは、試薬容器300のスライド蓋322が開いた状態で孔60bの下方に配置された場合に、回転軸52の回転によってスライド蓋322の係合片322aに当接してガイドすることにより、スライド蓋322の係合片322aを開閉部材61の二股の係合片61aの間に位置させる機能を有している。
【0046】
また、反射型のセンサ60dは、ラック600の保持部602に試薬容器300が保持されているか否かを検出するように構成されている。また、透過型の原点検知センサ30eは、ラック600に設けられた原点検知片603を検知することにより、回転するラック600の原点位置を検知する機能を有している。
【0047】
ここで、本実施の形態では、昇降部70は、試薬設置部7内に試薬容器300を出し入れするために設けられている。昇降部70は、図12〜14に示されるように、試薬容器300が載置される載置台71と、載置台71を支持するアーム72と、アーム72を支持する支持部材73と、支持部材73が固定されるスライダ74及びスライダ74を上下方向にスライド可能に支持するガイドレール75からなる直動ガイドと、モータ76と、モータ76の駆動力を伝達するためのベルト77と、ブラケット78とを含んでいる。また、ブラケット78には、3つの透過型のセンサ70a、70b及び70cと、反射型のセンサ70dとが取り付けられている。
【0048】
載置台71は、試薬容器300を載置した状態で下降することにより、ラック600の保持部602に試薬容器300を保持させる機能を有している。また、載置台71は、試薬容器300を保持する保持部602の下方から上昇することにより、保持部602の試薬容器300を持ち上げて、蓋部60の入出孔60cから取り出す機能を有する。また、載置台71には、試薬容器300の底部323に設けられたリブ323a(図18参照)と係合可能な十字形状の溝71aが設けられている。また、図15に示されるように、アーム72は、外壁部51に設けられた上下方向に延びる孔51aを介して、試薬保持部50の外部に設けられたモータ76の駆動力により載置台71を上下方向に移動させる機能を有している。
【0049】
なお、孔51aには、孔51aに対応するスリットが設けられた弾性材料からなる閉塞部材(図示せず)が取り付けられている。アーム72は、スリットを介して載置台71を支持している。この閉塞部材により、アーム52の移動を妨げることなく、孔51aから容器保持部50内の冷気が外部に漏れるのが抑制される。
【0050】
また、図14に示されるように、支持部材73に設けられた二股の固定片73aがベルト77を挟んでベルト77に固定されている。これにより、モータ76の駆動力がベルト77を介して支持部材73に伝達される。また、支持部材73には検知片73bが突出して設けられている。この検知片73bがセンサ70a、70b及び70cに検知されることにより、載置台71の上下方向の位置が検知されるように構成されている。具体的には、検知片73bがセンサ70aに検知された時には、載置台71は、試薬容器300の載置及び取出が可能な載置・取出位置(上死点)に位置している。また、検知片73bがセンサ70bに検知された時には、載置台71は、ラック600の保持部602の下方(下死点)に位置している。載置台71は、下死点に位置するときにラック600に保持された試薬容器300の下方に配置され、これにより、ラック600が回転することが可能に構成されている。また、ラック600と下死点との間には、所定のクリアランス領域が設けられており、センサ70cは、検知片73bを検知する。これにより、制御部2aは、載置台71が、ラック600の保持部602と下死点との間のクリアランス領域に位置することを認識することができる。これにより、載置台71がクリアランス領域に位置するときに、ラック600を回転させることにより載置台71とラック600とが接触することが回避される。また、ベルト77は、モータ76の回転軸(図示せず)と同軸上に設けられたプーリ(図示せず)と、上方に設けられたプーリ77aとにより回転駆動されるように構成されている。
【0051】
また、反射型のセンサ70dは、外壁部51に設けられた孔51b(図15参照)を介して、ラック600の保持部602に保持された試薬容器300を検知することにより、試薬容器300の交換が正常に行なわれたか否かを監視している。
また、試薬容器300は、図16〜18に示されるように、R2試薬が収容される試薬容器310と、試薬容器310を収納するケース320とからなる。ケース320の上面321には、試薬容器310を密閉するためのスライド蓋322が設けられている。スライド蓋322には、開閉部材61の二股の係合部61aと係合する係合片322aが設けられている。また、ケース320の底面323には、昇降部70の載置台71の溝71aと係合する十字形状のリブ323aが設けられている。また、ケース320の側面324には、試薬容器310に収容されている試薬の量を視認可能にするためのスリット324a(図17参照)が設けられている。
【0052】
なお、試薬設置部6は、試薬容器が2つのR1試薬及びR2試薬の2つの試薬容器を含むことに対応して蓋部30に開閉機構が2つ設けられていることなどを除き、試薬設置部7と同様の構成を有するので説明を省略する。
【0053】
次に、図8、図10及び図19〜22を参照しつつ、本実施の形態に係る免疫分析装置1の試薬設置部7における試薬容器300の追加、交換及び取出動作を説明する。
図10に示されるように、載置台71は、待機状態において、載置・取出位置(センサ70aがONの状態)に配置されている。試薬容器300を追加する場合には、まず、図19及び図21に示されるように、ユーザが載置台71に試薬容器300を載置する。
【0054】
この状態で、ユーザが制御装置4により試薬の追加の指示を行うと、試薬容器300の追加が開始される。試薬容器300の追加が開始されると、ステッピングモータ53(図8参照)の駆動によりラック600が回転されて、試薬容器300が保持されていない保持部602が蓋部60の入出孔60cの下方に移動される。その後、図20に示されるように、モータ76の駆動により載置台71の下方への移動が開始される。そして、図22に示されるように、載置台71が保持部602の支持部602bを通過する際に、試薬容器300の底面323の周縁部が支持部602bによって支持されて、試薬容器300は保持部602に保持される。
【0055】
そして、検知片73bがセンサ70bにより検知されると、モータ76の駆動が停止される。この状態で、ステッピングモータ53の駆動によりラック600が回転されて、試薬容器300を保持していない保持部602が入出孔60cの下方(下死点にある載置台71の上方)の待機位置に移動される。そして、モータ76の駆動により載置台71の上方への移動が開始される。載置台71は、試薬容器300を保持していない保持部602を通過する。そして、載置台71は、センサ70aが検知片73bを検知するまで上昇されて、載置・取出位置に配置される。本実施形態では、このようにして試薬容器300の追加が行われる。
【0056】
また、試薬容器300を交換する場合には、ユーザが、試薬容器300を載置・取出位置にある載置台41に載置した後、制御装置4により交換の指示を行なう。これにより、載置台71が下降して、試薬容器300がラック600に保持されるとともに、載置台71は下死点(センサ70bがONの状態)まで移動する。
【0057】
この後、ステッピングモータ53の駆動によりラック600が回転されて、交換対象の試薬容器300を保持している保持部602が入出孔60cの下方(下死点にある載置台71の上方)に移動される。そして、モータ76の駆動により載置台71の上方への移動が開始される。上昇する載置台71は、保持部602の支持部602bに支持されている試薬容器300を持ち上げて、さらに上昇する。そして、載置台71は、センサ70aが検知片73bを検知するまで上昇されて、載置・取出位置に配置される。これにより、交換対象の試薬容器300が、試薬設置部7の外部に取り出される。本実施の形態では、このようにして試薬容器300の交換が行われる。
【0058】
また、試薬容器300を取り出す場合には、制御装置4により取出しの指示を行なう。まず、ステッピングモータ53の駆動によりラック600が回転されて、試薬容器300を保持していない保持部602が入出孔60cの下方(下死点にある載置台71の上方)に移動される。そして、載置台71が、試薬容器300が保持されていない保持部602を通過して下死点(センサ70bがONの状態)まで移動される。この後、ラック600が回転されて、取出し対象の試薬容器300を保持する保持部602が載置台71の上方に移動される。この後、載置台71が上昇することにより、取出し対象の試薬容器300が試薬設置部7の外部に取り出される。
なお、試薬設置部6における試薬容器の交換、追加及び取出しも、試薬設置部7における試薬容器300の場合と同様に行なわれるので、説明を省略する。
【0059】
次に、図1、図8、図11、図23及び図24を参照しつつ、本実施の形態に係る試薬容器300から試薬分注アーム9のピペット9eにより試薬を吸引する吸引動作を説明する。
まず、試薬保持部50の回転軸52(図8参照)が試薬容器300を保持するラック600を回転させることにより、吸引対象の試薬を収容した試薬容器310を含む試薬容器300が蓋部60の孔60bの下方に移動される。試薬容器300が蓋部60の孔60bの下方に移動する際、試薬容器300のスライド蓋322が閉まっている場合には、図23に示されるように、スライド蓋322の係合片322aが蓋部60の開閉部材61の二股の係合部61aの間に配置される。また、試薬容器300が蓋部60の孔60bの下方に移動する際、試薬容器300のスライド蓋322が開いている場合には、スライド蓋322の係合片322aは、蓋部60の孔60bの近傍に配置されたガイド片60h(図11参照)によりガイドされて開閉部材61の二股の係合部61aの間に配置される。
【0060】
この状態で、ステッピングモータ63により開閉部材61が矢印A方向にスライドされることにより、図24に示すように、スライド蓋322の係合片322aが二股の係合部61aとともに矢印A方向にスライドされてスライド蓋322が開状態となる。これにより、試薬分注アーム9のピペット9eを試薬容器310の内部に挿入することが可能となる。また、ピペット9eは、モータ9a及び駆動伝達部9bによる回動により蓋部60の孔60bの上方に移動されており、スライド蓋322の開状態でピペット9eが下降することによりピペット9eが孔60bを介して試薬容器310の内部に挿入されて、試薬が吸引される。
【0061】
そして、試薬を吸引したピペット9eは、モータ9a及び駆動伝達部9bにより上昇するとともに回動されて、1次反応部11(図1参照)の上方に移動される。そして、1次反応部11のキュベット150に試薬容器310から吸引した試薬が分注される。
また、試薬の吸引が終了した後、回動部材61がステッピングモータ63により矢印B方向に移動されることによって、スライド蓋322の係合片322aが二股の係合部61aとともに矢印B方向にスライドされる。これにより、スライド蓋322が閉められて、試薬が密閉状態となる。これにより、ラック600が回転されて試薬容器300が移動される際などにも、試薬の密閉状態が保持される。
【0062】
本実施の形態では、前記のように、載置・取出位置(センサ70aがONの状態)にある載置台71に試薬容器300を載置した状態で載置台71を下降させてラック600の保持部602に試薬容器300を保持させるように構成している。また、下死点(センサ70bがONの状態)にある載置台71の上方に試薬容器300を保持するラック600の保持部602を配置し、載置台71を上昇させることにより試薬容器300を持ち上げて、試薬設置部7の外部に取り出すように構成している。このように構成することによって、免疫分析装置1を簡素化及び小型化することができる。また、ユーザは、載置・取出位置にある載置台71に試薬容器300を載置及び取出しを行なうことができるので、試薬容器300の交換の際、試薬設置部7内に手を挿入する必要がなくなる。これにより、容易に試薬の交換を行うことができる。
【0063】
[全体プロセス]
免疫分析装置1による分析処理の全体のフローを図25に示す。なお、以下のフローチャート中の判断において、「Yes」及び「No」を図示しない場合は、下がYes、右(左)がNoである。また、以下に説明する処理は、制御部4a及び本体制御部2aによって制御される処理である。
【0064】
まず、免疫分析装置1の電源が投入されると、本体制御部2aの初期化が行われる(ステップS1)。この初期化動作では、プログラムの初期化や免疫分析装置1の駆動部分の原位置復帰などが行われる。
一方、前記免疫分析装置1に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ401の電源が投入されると、当該パーソナルコンピュータ401の制御部4aの初期化が行われる(ステップS101)。この初期化動作では、プログラムの初期化などが行われる。初期化が完了すると、免疫分析装置1を用いて分析を行う際に使用される試薬の登録処理が行われる(ステップS102)。この試薬登録処理は、試薬容器300に設けられたバーコード情報及び試薬設置部6、7における試薬容器300の位置情報に基づいて作成された情報、並びに試薬について検量線の有無の情報からなる試薬情報により、使用可能な試薬を判定したり、同一種類の試薬の使用順序を決定したりする処理である。
【0065】
前記試薬情報は、免疫分析装置1の試薬保持部50に関する情報をいい、例えば試薬ID(試薬保持部50におけるセット位置を示す番号)、当該試薬を用いて分析される項目(分析項目)、ロット番号、シリアル番号、有効期限、残量、試薬の種別(R1/R3試薬かR2試薬か)、測定可能試薬セットである場合、相手(R1/R3試薬の場合はR2試薬、R2試薬の場合はR1/R3試薬)のシリアル番号、検量線の有無の情報が含まれる。なお、R1/R3試薬とR2試薬とはセットで用いられるが、分析項目が異なる場合やロット番号が異なる場合は、セットとして用いることができない。本明細書において、「測定可能試薬セット」とは、分析項目が同じであり且つロット番号が同じであるので測定に用いることができるR1/R3試薬とR2試薬のセットのことをいう。
【0066】
免疫分析装置1の初期化が完了すると、ステップS2において、本体制御部2aによって試薬セットテーブルの作成処理が行われる。試薬セットテーブルは試薬に関する情報のテーブルであり、試薬毎に、試薬ID、分析項目、ロット番号、シリアル番号、有効期限、残量、試薬の種別、測定可能試薬セットである場合、相手のシリアル番号、検量線の有無の情報、バーコード情報(試薬容器に設けられたバーコードのイメージ情報)を含んでいる。試薬セットテーブルは、作成された後、本体制御部2aのRAM2dに記憶される。本体制御部2aは、試薬のバーコードを読み取った時点では、試薬IDとバーコードのイメージ情報だけを保有している。バーコード情報を制御部4aへ送信することによって、他の情報(試薬情報)を要求し、制御部4aがこの要求に応じて試薬情報をハードディスク401dから取得し、本体制御部2aへ送信する。これにより、本体制御部2aが試薬セットテーブルを構成する各種情報を取得する。
【0067】
ついでステップS103において、制御部4aによって、測定開始の指示が行われたか否かが判断される。制御部4aは、測定開始の指示が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS104へ処理を進め、測定開始の指示が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS106へ処理を進める。そして、ステップS104において、測定開始信号が制御部4aから本体制御部2aへ送信される。
【0068】
ついでステップS3において、本体制御部2aによって、測定開始信号の受信が行われたか否かが判断される。本体制御部2aが、測定開始信号の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS4へ処理を進め、測定開始信号の受信が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS9へ処理を進める。
ついでステップS4において、試薬と検体とが混合された測定試料を測定し、測定データを取得する処理が行われる。
一方、ステップS105において、制御部4aによって、検量線に基づいて測定された結果の分析及び分析結果の表示が行われる。
【0069】
ついでステップS106において、制御部4aによって、試薬の交換又は追加の指示が受け付けられたか否かが判断される。制御部4aは、試薬の交換又は追加の指示が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS107へ処理を進め、試薬の交換又は追加の指示が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS109へ処理を進める。そして、ステップS107において、試薬交換・追加指示信号が制御部4aから本体制御部2aへ送信される。
【0070】
ついでステップS5において、本体制御部2aによって、試薬交換・追加指示信号の受信が行われたか否かが判断される。本体制御部2aが、試薬交換・追加指示信号の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS6へ処理を進め、試薬交換・追加指示信号の受信が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS7へ処理を進める。
【0071】
試薬は試薬保持部の空きセット位置に追加したり、又は現に試薬保持部にセットされている試薬と交換したりすることができる。試薬の交換は、R1/R3試薬とR2試薬とをセットで交換するセット交換、及びR1/R3試薬又はR2試薬を個別に交換する個別交換のいずれも可能である。例えば、R1/R3試薬とR2試薬とをセットで交換したい場合、図33に示される試薬セット状態画面において、「試薬交換」ボタン200を選択する。すると図34に示される「試薬交換ダイアログ」が表示される。この「試薬交換ダイアログ」において、「R1/R3、R2試薬」ボタン201を選択し、ついで表示される「OK」ボタン(図示せず)を押すと、図35に示される「R1/R3、R2試薬交換ダイアログ」が表示される。この「R1/R3、R2試薬交換ダイアログ」において、交換したい試薬を指定する。満タンの新しい試薬と交換する場合は、満タンの試薬(R1/R3試薬とR2試薬)をそれぞれの交換位置に載置する。載置後に「交換」ボタン202を選択すると、まず満タンの試薬が試薬保持部の空きセット位置に取り込まれ、ついで交換対象の試薬が試薬保持部から排出される。なお、交換する試薬は、必ずしも分析項目が同じ試薬である必要はなく、分析項目が異なる試薬と交換することも可能である。また、試薬保持部に保持されている試薬を取り出すだけの場合は、「R1/R3、R2試薬交換ダイアログ」において、取り出したい試薬を選択し、ついで「取出し」ボタン203を押すことで、選択した試薬が交換位置に排出される。
【0072】
なお、誤ってセット(同一分析項目)でないR1/R3試薬及びR2試薬を交換した場合に対応して、R1/R3試薬のみ、又はR2試薬のみ交換できるように構成されている。
【0073】
交換後、新たにセットされた試薬容器に設けられたバーコード情報が、試薬情報読取り手段(バーコードリーダ)によって読み取られ、前述したように制御部4aに送信される。そして、前記バーコード情報に対応する試薬情報が、制御部4aから本体制御部2aに送信されるとともに、制御部4aによって、試薬セット状態画面(図33)、R1/R3、R2試薬交換ダイアログ画面(図35)、及び試薬の分析項目やロット番号などをリストとして表示する測定可能試薬画面(図36)などが更新される。
ついでステップS6において、本体制御部2aによって、第1試薬テーブルの更新処理が行われる。
【0074】
ついでステップS108において、制御部4aによって、第1試薬画面の更新処理が行われる。
ついでステップS109において、制御部4aによって、検量線の承認が受け付けられたか否かが判断される。制御部4aは、検量線の承認が受け付けられたと判断した場合(Yes)にはステップS110へ処理を進め、検量線の承認が受け付けられなかったと判断した場合(No)にはステップS113へ処理を進める。そして、ステップS110において、制御部4aによって、該当する試薬の試薬情報に検量線有りの情報が付加される。そしてステップS111において、試薬情報が制御部4aから本体制御部2aへ送信される。
【0075】
検量線は、オーダ登録画面において検量線測定オーダを登録し、キャリブレータ(既知の濃度の抗原又は抗体(分析項目が抗原であれば抗原、抗体であれば抗体)が入っている)を測定し、その測定データのカウント値(検出部15によって検出した光子量データ)と、キャリブレータの濃度とから作成される。作成された検量線は、そのままでは使用することができず、ユーザによるバリデート操作(検量線承認)が行われることで、以後の分析工程において濃度算出(測定データから濃度データへの変換)を行う際に使用することができる。このように作成され、バリデートされた検量線は、キャリブレータの測定に使用された試薬のロット番号と対応付けられてハードディスク401dの検量線データベースに記憶される。このように記憶された検量線は、対応する試薬、すなわち対応するロット番号の試薬を用いて試料が測定されたときに、その測定データの処理に使用される。
【0076】
ついでステップS7において、本体制御部2aによって、試薬情報の受信が行われたか否かが判断される。本体制御部2aが、試薬情報の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS8へ処理を進め、試薬情報の受信が行われなかったと判断した場合(No)にはステップS9へ処理を進める。
ついでステップS8において、本体制御部2aによって、第2試薬テーブルの更新処理が行われる。
【0077】
ついでステップS112において、制御部4aによって、第2試薬画面の更新処理が行われる。
ついでステップS115において、制御部4aによって、パーソナルコンピュータ401をシャットダウンする指示を受け付けているか否かが判断される。制御部4aは、シャットダウンする指示を受け付けていると判断した場合(Yes)にはステップS114に処理を進め、シャットダウンする指示を受け付けていないと判断した場合(No)にはステップS103に戻る。
【0078】
ついでステップS114において、シャットダウン信号が制御部4aから本体制御部2aへ送信される。
そして、ステップS115において、制御部4aにより、パーソナルコンピュータ401のシャットダウンが行われ、処理が終了する。
ついでステップS9において、本体制御部2aによって、シャットダウン信号の受信が行われたか否かが判断される。本体制御部2aが、シャットダウン信号の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS10へ処理を進め、シャットダウン信号の受信が行われていないと判断した場合(Yes)にはステップS3に戻る。
そして、ステップS10において、本体制御部2aにより、免疫分析装置1のシャットダウンが行われ、処理が終了する。
【0079】
[試薬登録処理及び試薬セットテーブル作成処理]
前記ステップS102における試薬登録処理及びステップS2における試薬セットテーブル作成処理のフローを図26に示す。
【0080】
まず、ステップS201において、最初のセット位置の試薬容器が、当該試薬容器に付設された試薬バーコード読取り位置へ位置するように試薬保持部が駆動される。試薬保持部には、複数個の試薬容器を設置することが可能であるが、この複数の設置(セット)位置に対して、予め番号(試薬ID)が設定されている。ステップS201では、この試薬IDが「1」の位置に配設されている試薬容器の試薬バーコードを読み取るために、当該試薬容器が試薬バーコード読取り位置へ移動される。
【0081】
ついでステップS202において、試薬バーコード読取り位置に配設されているバーコードリーダ(図示せず)によって、試薬容器の試薬バーコードが読み取られる。
ついでステップS203において、試薬バーコードの読取りを行った試薬容器が設置されているセット位置の情報、すなわち試薬IDと、読み取られたバーコード情報とが、本体制御部2aから制御部4aへ送信される。
ついでステップS301において、制御部4aによって、セット位置の情報及びバーコード情報の受信が行われたか否かが判断される。制御部4aが、セット位置の情報及びバーコード情報の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS302へ処理を進める。
【0082】
ついでステップS302において、制御部4aによって、受信したバーコード情報に対する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースに記憶されているか否かが判断される。制御部4aは、試薬データベースに記憶されていると判断した場合(Yes)にはステップS305へ処理を進め、試薬データベースに記憶されていないと判断した場合(No)にはステップS303へ処理を進める。
受信したバーコード情報に対する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースに記憶されていない場合、ステップS303において、制御部4aによって、当該受信したバーコード情報の解析が行われ、ついでステップS304において、得られた試薬情報が前記ハードディスク401dにおける試薬データベースに登録される。
【0083】
ついでステップS305において、制御部4aによって、バーコード情報に対応する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースから読み出される。そして、ステップS306において、読み出された試薬情報に、本体制御部2aから送信されたセット位置情報が付加される。
ついでステップS307において、制御部4aによって、前記試薬情報に含まれるロット番号に対応する検量線がハードディスク401dにおける検量線データベースに記憶されているか否かが判断される。制御部4aは、前記試薬情報に含まれるロット番号に対応する検量線が検量線データベースに記憶されていると判断した場合(Yes)にはステップS309へ処理を進め、検量線データベースに記憶されていないと判断した場合(No)にはステップS308へ処理を進める。そして、ステップS308において、「検量線無し」の情報が、試薬情報に付加される。
【0084】
ついでステップS310において、制御部4aによって、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬について、検量線の有無を含む試薬情報の登録(試薬データベースへの登録)が終了したか否かが判断される。制御部4aは、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬について登録が終了したと判断した場合(Yes)にはステップS311へ処理を進め、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬については登録が終了していないと判断した場合(No)にはステップS301に戻る。
【0085】
一方、ステップS204において、本体制御部2aによって、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬についてセット位置情報及びバーコード情報の制御部4aへの送信が終了したか否かが判断される。本体制御部2aは、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬について前記情報の送信が終了したと判断した場合(Yes)にはステップS206へ処理を進め、試薬保持部にセットされたすべての試薬容器の試薬については前記情報の送信が終了していないと判断した場合(No)には、次のセット位置の試薬容器が試薬バーコード読取り位置へ位置するように試薬保持部を駆動させ(ステップS205)、ステップS202に戻る。
【0086】
ついでステップS311において、制御部4aによって、後述する第1使用可能試薬の判定処理が行われる。
ついでステップS312において、制御部4aによって、試薬データベースに記憶されている試薬情報の更新処理が行われ、さらにステップS313において更新された試薬情報が本体制御部2aに送信される。
【0087】
ついでステップS206において、本体制御部2aによって、更新された試薬情報が受信されたか否かが判断される。本体制御部2aは、更新された試薬情報が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS207へ処理を進める。そしてステップS207において、本体制御部2aによって、受信した試薬情報がRAM2dに登録される。
ついでステップS208において、本体制御部2aによって、試薬リストの更新を要求する信号が制御部4aへ送信される。
【0088】
ついでステップS314において、制御部4aによって、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたか否かが判断される。制御部4aは、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS315へ処理を進める。
ついでステップS315において、制御部4aによって、後述する、同一種類の試薬が複数存在した場合における試薬の使用順序(優先順位)を決定する処理が行われる。
そしてステップS316において、制御部4aによって、試薬セット状態画面及び測定可能試薬リスト画面の更新が行われる。
【0089】
[測定処理及びデータ解析処理]
前記ステップS4における測定処理及びステップS105におけるデータ解析処理のフローを図27に示す。
まず、ステップS401において、検体搬送部3により、検体を収容した複数の試験管100が載置されたラック101が検体分注アーム5の吸引位置1aに対応する位置まで搬送される。前記ラック4に収容された各試験管100には、当該試験管100を特定するための情報が記録されたバーコードが付されており、この試験管100を所定の位置まで搬送する搬送路に設けられた検出部であるバーコードリーダ(図示せず)によって、前記バーコードが読み取られる(ステップS402)。読み取られた検体番号は、ステップS403において、本体制御部2aによって制御部4aに送信される。
【0090】
ついでステップS501において、制御部4aによって、検体番号の受信が行われたか否かの判断をする。制御部4aが、検体番号の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS502へ処理を進める。そして、ステップS502において、制御部4aによって検体分析のオーダが取得され、ついでステップS503において、取得されたオーダが本体制御部2aへ送信される。
ついでステップS404において、本体制御部2aによって、検体分析のオーダの受信が行われたか否かの判断をする。本体制御部2aが、検体分析のオーダの受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS405へ処理を進める。
【0091】
ついでステップS405において、本体制御部2aによって、検体分析のオーダに含まれる複数の測定項目のなかから最初の測定項目が選択される。
ついでステップS406において、本体制御部2aによって、同一種類の使用可能な試薬が複数存在する場合における使用優先順位の決定処理が行われる。
ついでステップS407において、オーダされた項目について測定が行われる。
【0092】
ついでステップS408において、本体制御部2aによって、ステップS407における測定で使用された試薬の残量がデクリメントされ、その後、使用した試薬に係る試薬ID、すなわち使用した試薬が収容されている試薬容器の試薬保持部におけるセット位置を示す番号と、試薬の残量情報とが、本体制御部2aから制御部4aへ送信される(ステップS409)。
ついでステップS504において、制御部4aによって、試薬ID及び試薬の残量情報の受信が行われたか否かの判断をする。制御部4aが、試薬ID及び試薬の残量情報の受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS505へ処理を進める。そして、ステップS505において、試薬データベースにおける試薬情報が更新される。このとき、試薬の残量が0である場合には、試薬の使用可否情報が「使用不可」にセットされる。
【0093】
ついでステップS506において、制御部4aによって、更新された試薬情報に基づいて、表示部4bに表示される試薬セット状態画面及び測定可能試薬リスト画面の更新が必要であるか否かの判断をする。試薬切れによる測定エラーを防止するために、本実施の形態では、試薬保持部に試薬がセットされている状態を模式的に示す試薬セット状態画面(図33参照)、及び測定可能な試薬をリストとして表示する画面(図36参照)において、ユーザが、残量が所定値以下である試薬を認識できるように構成されている。具体的には、残量が所定回数の測定分以下になったときに、当該試薬が表示されている領域(図33)又は欄(図36)の色を他の試薬の色と変えることで、ユーザに試薬切れを警告することができる。このようにすることにより、残量がなくなった試薬が使用されることがなく、また試薬の残量が少なくなったときにはユーザに警告することができ、適切に試薬の残量管理が行われる。
【0094】
ついでステップS410において、本体制御部2aによって、ステップS407で得られた測定データが制御部4aへ送信される。
ついでステップS508において、制御部4aによって、測定データが受信されたか否かの判断をする。制御部400aが、測定データの受信が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS509へ処理を進める。
【0095】
ステップS509では、本体制御部2a側から送信された測定データの解析処理が行われる。すなわち、制御部4aは、送信された測定データと、予め標準試料を用いて作成され、前記ハードディスク401dの検量線データベースに記憶されている検量線とから、測定対象の抗原の濃度を換算し、その結果(分析結果)を記憶する。また、制御部4aは、分析結果の出力を行う(ステップS510)。
ついでステップS411において、本体制御部2aによって、受信したオーダのすべての項目の測定が終了したか否かの判断を行う。本体制御部2aは、すべての項目について測定が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS413へ処理を進め、すべての項目については測定が行われていないと判断した場合(No)には、次の項目を選択し(ステップS412)、ステップS406に戻る。
【0096】
ついでステップS413において、本体制御部2aによって、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体について測定が行われたか否かが判断される。本体制御部2aは、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体について測定が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS5へ処理を進め、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体については測定が行われていないと判断した場合(No)には、ラック101を所定距離(次に測定される検体を収容する試験管が被吸引位置に到達する距離)だけ搬送し(ステップS414)、ステップS402に戻る。
【0097】
ついでステップS511において、制御部4aによって、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体について測定が行われたか否かが判断される。制御部4aは、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体について測定が行われたと判断した場合(Yes)にはステップS106へ処理を進め、ラック101に保持されているすべての試験管100中の検体については測定が行われていないと判断した場合(No)には、ステップS501に戻る。
【0098】
[第1試薬セットテーブル更新処理及び第1試薬画面更新処理]
前記ステップS6における第1試薬セットテーブル更新処理及びステップS108における第1試薬画面更新処理のフローを図28に示す。
【0099】
まず、ステップS601において、前述したようにして、試薬設置部の昇降部及び試薬保持部が駆動されて、試薬容器(新)が当該試薬保持部の空きセット位置へ移動される。
ついでステップS602において、本体制御部2aによって、ユーザにより試薬交換が指示されたか否かを判断する。本体制御部2aは、試薬交換が指示されたと判断した場合(Yes)にはステップS603へ処理を進め、試薬交換が指示されていない、すなわち試薬の追加であると判断した場合(No)には、ステップS605へ進む。
【0100】
試薬交換が指示された場合は、ステップS603において、試薬設置部の昇降部及び試薬保持部が駆動されて、交換対象となる試薬容器セット位置から取り出し位置に移動される。そして、ステップS604において、本体制御部2aによって、交換対象となった試薬容器中の試薬に関する試薬情報が試薬セットテーブルから削除される。
ついでステップS605において、新たにセットされた試薬容器が試薬バーコード読取り位置に位置するように、試薬保持部が駆動される。
【0101】
ついでステップS606において、試薬バーコード読取り位置に配設されているバーコードリーダ(図示せず)によって、試薬容器の試薬バーコードが読み取られる。この読み取られたバーコード情報及び新たにセットされた試薬容器のセット位置情報(試薬ID)は、ステップS607において、本体制御部2aから制御部4aへ送信される。試薬交換の場合は、取り出された試薬容器のセット位置情報も併せて送信される。
【0102】
ついでステップS701において、制御部4aによって、バーコード情報及び新たにセットされた試薬容器のセット位置情報、並びに試薬交換の場合における取り出された試薬容器のセット位置情報が受信されたか否かを判断する。制御部4aは、前記各情報を受信したと判断した場合(Yes)にはステップS702へ処理を進める。
ついでステップS702において、制御部4aによって、受信したバーコード情報に対する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースに記憶されているか否かが判断される。制御部4aは、試薬データベースに記憶されていると判断した場合(Yes)にはステップS705へ処理を進め、試薬データベースに記憶されていないと判断した場合(No)にはステップS703へ処理を進める。
【0103】
受信したバーコード情報に対する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースに記憶されていない場合、ステップS703において、制御部4aによって、当該受信したバーコード情報の解析が行われ、ついでステップS704において、得られた試薬情報が前記ハードディスク401dにおける試薬データベースに登録される。
ついでステップS705において、制御部4aによって、バーコード情報に対応する試薬情報がハードディスク401dにおける試薬データベースから読み出される。そして、ステップS706において、読み出された試薬情報に、本体制御部2aから送信されたセット位置情報が付加される。
【0104】
ついでステップS707において、制御部4aによって、前記試薬情報に含まれるロット番号に対応する検量線がハードディスク401dにおける検量線データベースに記憶されているか否かが判断される。制御部4aは、前記試薬情報に含まれるロット番号に対応する検量線が検量線データベースに記憶されていると判断した場合(Yes)にはステップS709へ処理を進め、検量線データベースに記憶されていないと判断した場合(No)にはステップS708へ処理を進める。そして、ステップS708において、「検量線無し」の情報が、試薬情報に付加される。
【0105】
ついでステップS710において、制御部4aによって、第2の使用可能試薬の判定処理が行われる。
ついでステップS711において、制御部4aによって、試薬データベースに記憶されている試薬情報の更新処理が行われ、さらにステップS712において更新された試薬情報が本体制御部2aに送信される。
【0106】
ついでステップS608において、本体制御部2aによって、更新された試薬情報が受信されたか否かが判断される。本体制御部2aは、更新された試薬情報が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS609へ処理を進める。そしてステップS609において、本体制御部2aによって、受信した試薬情報がRAM2dに登録される。
ついでステップS610において、本体制御部2aによって、試薬リストの更新を要求する信号が制御部4aへ送信される。
【0107】
ついでステップS713において、制御部4aによって、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたか否かが判断される。制御部4aは、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS714へ処理を進める。
ついでステップS714において、制御部4aによって、後述する、同一種類の試薬が複数存在した場合における試薬の使用順序(優先順位)を決定する処理が行われる。
そしてステップS715において、制御部4aによって、試薬セット状態画面及び測定可能試薬リスト画面の更新が行われる。
【0108】
[第2試薬セットテーブル更新処理及び第2試薬画面更新処理]
前記ステップS8における第2試薬セットテーブル更新処理及びステップS112における第2試薬画面更新処理のフローを図29に示す。
まず、ステップS901において、制御部4aによって、試薬情報の更新が行われ、ついでステップS902において、更新された試薬情報が本体制御部2aへ送信される。
ついでステップS801において、本体制御部2aによって、更新された試薬情報が受信されたか否かを判断する。
【0109】
本体制御部2aは、更新された試薬情報が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS802へ処理を進める。そしてステップS802において、本体制御部2aによって、受信した試薬情報に基づいて試薬セットテーブルが更新される。
ついでステップS803において、本体制御部2aによって、試薬リストの更新を要求する信号が制御部4aへ送信される。
【0110】
ついでステップS903において、制御部4aによって、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたか否かが判断される。制御部4aは、試薬リストの更新を要求する信号が受信されたと判断した場合(Yes)にはステップS904へ処理を進める。
ついでステップS904において、制御部4aによって、後述する、同一種類の試薬が複数存在した場合における試薬の使用順序(優先順位)を決定する処理が行われる。
そしてステップS905において、制御部4aによって、試薬セット状態画面及び測定可能試薬リスト画面の更新が行われる。
【0111】
[第1使用可能試薬判定処理]
前記ステップS311における第1使用可能試薬判定処理のフローを図30に示す。なお、図30に示されるフローチャートにおいて、「i」及び「j」は、試薬セット位置の番号(試薬ID)を示しており、「N」は、最大試薬セット数、すなわち試薬IDの最大値を示している。本実施の形態では、試薬保持部における複数の試薬セット位置のうち少なくとも1つを常に空きスペースとしておく構成であるので、この最大試薬セット数は、試薬容器のセット位置の数から1を引いた値となる。
【0112】
第1使用可能試薬判定処理では、試薬保持部にセットされたすべての試薬について使用可能かどうかの判定が行われる。これに対して、第1使用可能試薬判定処理では、フローチャートは省略しているが、試薬の交換又は追加により新たに試薬保持部にセットされた試薬についてのみ使用可能かどうかを、第1使用可能試薬判定処理と同様の処理によって判定している。例えば、新たに追加されたR1/R3試薬の試薬情報が試薬データベースに存在している場合、その試薬情報に相手のシリアル番号が入っていれば、そのシリアル番号で特定されるR2試薬が試薬保持部にセットされているか否かを判断する。相手のR2試薬がセットされていない場合には、現にセットされている他のR2試薬に、分析項目及びロット番号が同一のものがあるかどうかを判断し、該当するR2試薬があれば使用可能試薬として登録される。
【0113】
まず、ステップS1001において、制御部4aによって、「i」に「0」がセットされる。ついで、ステップS1001−1おいて、制御部4aによって、「i」の試薬情報の有効期限情報から、有効期限切れでないか否かを判断する。有効期限が切れていない場合には(Yes)、ステップS1002へ処理を移す。また、ステップS1001−1において、有効期限が切れている場合には、ステップS1001−2において、制御部4aによって、「i」の試薬情報の使用可否情報に「使用不可」がセットされ、ステップS1017へ処理を移す。これにより、有効期限が切れている試薬は使用されず、適切に試薬の有効期限の管理が行われる。
【0114】
ついで、ステップS1002において、制御部4aによって、「i」がR1/R3試薬であるか否かを判断する。制御部4aは、「i」がR1/R3試薬であると判断した場合(Yes)にはステップS1003へ処理を進め、「i」がR1/R3試薬でないと判断した場合(No)にはステップS1017へ処理を進める。
ついでステップS1003において、制御部4aによって、「i」の試薬情報に相手(R2試薬)のシリアル番号が存在するか否かを判断する。制御部4aは、「i」の試薬情報に相手(R2試薬)のシリアル番号が存在すると判断した場合(Yes)にはステップS1004へ処理を進め、「i」の試薬情報に相手(R2試薬)のシリアル番号が存在しないと判断した場合(No)にはステップS1017へ処理を進める。
【0115】
ついでステップS1004において、制御部4aによって、相手のシリアル番号で特定されるR2試薬が試薬保持部にセットされているか否かを判断する。制御部4aは、相手のシリアル番号で特定されるR2試薬が試薬保持部にセットされていると判断した場合(Yes)にはステップS1004−1へ処理を進め、「i」の試薬情報に「使用可」の情報を付加し、ステップS1017へ処理を進める。一方、相手のシリアル番号で特定されるR2試薬が試薬保持部にセットされていないと判断した場合(No)にはステップS1005へ処理を進め、ステップS1005において「i」の試薬情報に「使用不可」の情報を付加する。
【0116】
ついでステップS1006において、「j」に「0」がセットされる。ついで、ステップS1007において、制御部4aによって、「j」がR2試薬であるか否かを判断する。制御部4aは、「j」がR2試薬であると判断した場合(Yes)にはステップS1008へ処理を進め、「j」がR2試薬でないと判断した場合(No)にはステップS1011へ処理を進める。
【0117】
ついでステップS1008において、制御部4aによって、「j」の試薬情報に相手(R1/R3試薬)のシリアル番号が存在するか否かを判断する。制御部4aは、「j」の試薬情報に相手(R1/R3試薬)のシリアル番号が存在すると判断した場合(Yes)にはステップS1009へ処理を進め、「j」の試薬情報に相手(R1/R3試薬)のシリアル番号が存在しないと判断した場合(No)にはステップS1013へ処理を進める。
【0118】
ついでステップS1009において、制御部4aによって、相手のシリアル番号で特定されるR1/R3試薬が試薬保持部にセットされているか否かを判断する。制御部4aは、相手のシリアル番号で特定されるR1/R3試薬が試薬保持部にセットされていると判断した場合(Yes)にはステップS1009−1へ処理を進め、「j」の試薬情報に「使用可」の情報を付加し、ステップS1011へ処理を進める。一方、相手のシリアル番号で特定されるR1/R3試薬が試薬保持部にセットされていないと判断した場合(No)にはステップS1010へ処理を進め、ステップS1010において「j」の試薬情報に「使用不可」の情報を付加する。
【0119】
ついでステップS1011において、制御部4aによって、「j」が「N」に等しいか否かを判断する。制御部4aは、「j」が「N」に等しいと判断した場合(Yes)にはステップS1017へ処理を進め、「j」が「N」に等しくないと判断した場合(No)にはステップS1012へ処理を進め、ステップS1012において、「j」をインクリメントしてステップS1007に戻る。
ついでステップS1013において、制御部4aによって、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致するか否かを判断する。制御部4aは、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致すると判断した場合(Yes)にはステップS1014へ処理を進め、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致しないと判断した場合(No)にはステップS1013−1へ処理を進め、「i」と「j」の試薬情報に「使用不可」の情報を付加し、ステップS1011に戻る。
【0120】
ついでステップS1014において、制御部4aによって、「i」と「j」のロット番号が一致するか否かを判断する。制御部4aは、「i」と「j」のロット番号が一致すると判断した場合(Yes)にはステップS1015へ処理を進め、「i」と「j」のロット番号が一致しないと判断した場合(No)にはステップS1013−1へ処理を進め、「i」と「j」の試薬情報に「使用不可」の情報を付加し、ステップS1011に戻る。
ついでステップS1015において、制御部4aによって、「i」の試薬情報に相手のシリアル番号としての「j」のシリアル番号及び「使用可」の情報が付加される。
【0121】
なお、ステップS710において説明した第2使用可能試薬判定処理は、フローチャートを省略したが、上述の第1使用可能試薬判定処理のように試薬保持部にセットされた全ての試薬について使用可能か否かを判定する処理ではなく、試薬交換・追加により新たにセットされた試薬についてのみ使用可能かどうかを第1使用可能試薬判定処理と同様の処理により判定する。この第2使用可能試薬判定処理では、新たに追加されたR1/R3試薬の試薬情報が試薬DBに存在している場合、その試薬情報に相手のシリアル番号が入っていれば、そのシリアル番号で特定されるR2試薬が試薬保持部にセットされているかどうかを判断する。試薬DBに試薬情報が存在しない場合には、セットされているR2試薬と項目及びロット番号が同一のものがあるかどうかを判断し、ペアがあれば使用可能試薬として登録される。
【0122】
ついでステップS1016において、制御部4aによって、「j」の試薬情報に相手のシリアル番号としての「i」のシリアル番号及び「使用可」の情報が付加される。
ついでステップS1017において、制御部4aによって、「i」が「N」に等しいか否かを判断する。制御部4aは、「i」が「N」に等しいと判断した場合(Yes)にはステップS312へ処理を進め、「i」が「N」に等しくないと判断した場合(No)にはステップS1018へ処理を進め、ステップS1018において、「i」をインクリメントしてステップS1002に戻る。
【0123】
[優先順位決定処理]
前記ステップS315、ステップS406、ステップS715及びステップS904における優先順位決定処理のフローを図31〜32に示す。なお、この図31〜32に示されるフローチャートにおいても、図30と同じく、「i」及び「j」は、試薬セット位置の番号(試薬ID)を示しており、「N」は、最大試薬セット数、すなわち試薬IDの最大値を示している。また、P〜Pは優先順位を示すパラメータであり、添え字の「0」は「使用不可」を示し、「1」は優先順位1位、「2」は優先順位2位・・・「N」は優先順位N位を示している。
【0124】
まず、ステップS1101において、制御部4aによって、P〜Pに「1」がセットされ、さらにステップS1102において、制御部4aによって、「i」に「0」がセットされる。
ついで、ステップS1103において、制御部4aによって、「i」がR1/R3試薬であるか否かを判断する。制御部4aは、「i」がR1/R3試薬であると判断した場合(Yes)にはステップS1104へ処理を進め、「i」がR1/R3試薬でないと判断した場合(No)にはステップS1106へ処理を進める。
【0125】
ついでステップS1104において、制御部4aによって、「i」は使用可か否かを判断する。制御部4aは、「i」が使用可であると判断した場合(Yes)にはステップS1105へ処理を進め、「i」が使用可ではないと判断した場合(No)にはステップS1106へ処理を進める。
ついでステップS1105において、制御部4aによって、「j」に「i+1」がセットされる。一方、ステップS1106において、制御部4aによって、Pに「0」がセットされる。
【0126】
ついでステップS1107において、制御部4aによって、「j」がR1/R3試薬であるか否かを判断する。制御部4aは、「j」がR1/R3試薬であると判断した場合(Yes)にはステップS1108へ処理を進め、「j」がR1/R3試薬でないと判断した場合(No)にはステップS1109へ処理を進める。
ついでステップS1108において、制御部4aによって、「j」は使用可か否かを判断する。制御部4aは、「j」が使用可であると判断した場合(Yes)にはステップS1110へ処理を進め、「j」が使用可ではないと判断した場合(No)にはステップS1109へ処理を進める。
ついでステップS1110において、制御部4aによって、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致するか否かを判断する。制御部4aは、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致すると判断した場合(Yes)にはステップS1111へ処理を進め、「i」と「j」の項目(測定項目)が一致しないと判断した場合(No)にはステップS1124へ処理を進める。一方、ステップS1109において、制御部4aによって、Pに「0」がセットされる。
【0127】
ついでステップS1111において、制御部4aによって、ステップS1110において測定項目が一致した2つのR1/R3試薬について、試薬情報に基づいて両方とも検量線が存在するか又は両方とも検量線が存在しないか否かを判断する。つまり、測定項目が一致した2つのR1/R3試薬のそれぞれについて、試薬のロット番号に対応する検量線が存在するか否かが判定され、両方とも検量線が存在する、両方とも検量線が存在しない、片方だけ検量線が存在する、のいずれに該当するかが判定される。制御部4aは、両方とも検量線が存在するか又は両方とも検量線が存在しないと判断した場合(Yes)にはステップS1115へ処理を進め、一方だけに検量線が存在すると判断した場合(No)にはステップS1112へ処理を進める。
【0128】
ついでステップS1112において、制御部4aによって、「i」は検量線を有しているか否かを判断する。制御部4aは、「i」が検量線を有している(「i」の試薬のロット番号に対応する検量線が存在する)と判断した場合(Yes)にはステップS1113へ処理を進め、ステップS1113においてPをインクリメントする。一方、制御部4aは、「i」が検量線を有していない(「i」の試薬のロット番号に対応する検量線が存在しない)と判断した場合(No)にはステップS1114へ処理を進め、ステップS1114において「P」をインクリメントする。
【0129】
ついでステップS1115において、制御部4aによって、試薬情報に基づいて「i」と「j」の両試薬の有効期限が同一であるか否かを判断する。制御部4aは、両試薬の有効期限が同一であると判断した場合(Yes)にはステップS1119へ処理を進め、両試薬の有効期限が同一ではないと判断した場合(No)にはステップS1116へ処理を進める。
ついでステップS1116において、制御部4aによって、「i」と「j」の両試薬の有効期限について、試薬情報に基づいて「i」の有効期限の方が「j」の有効期限よりも早いか否かを判断する。制御部4aは、「i」の有効期限の方が「j」の有効期限よりも早いと判断した場合(Yes)にはステップS1117へ処理を進め、ステップS1117において「P」をインクリメントし、さらにステップS1124へ処理を進める。一方、「i」の有効期限が「j」の有効期限よりも早くはないと判断した場合(No)にはステップS1118へ処理を進め、ステップS1118において「P」をインクリメントし、さらにステップS1124へ処理を進める。
【0130】
ついでステップS1119において、制御部4aによって、試薬情報に基づいて「i」と「j」の両試薬の残量が同一であるか否かを判断する。制御部4aは、両試薬の残量が同一であると判断した場合(Yes)にはステップS1123へ処理を進め、両試薬の残量が同一ではないと判断した場合(No)にはステップS1120へ処理を進める。
ついでステップS1120において、制御部4aによって、「i」と「j」の両試薬の残量について、試薬情報に基づいて「i」の残量の方が「j」の残量よりも少ないか否かを判断する。制御部4aは、「i」の残量の方が「j」の残量よりも少ないと判断した場合(Yes)にはステップS1121へ処理を進め、ステップS1121において「P」をインクリメントし、さらにステップS1124へ処理を進める。一方、「i」の残量が「j」の残量よりも少なくはないと判断した場合(No)にはステップS1122へ処理を進め、ステップS1122において「P」をインクリメントし、さらにステップS1124へ処理を進める。
【0131】
ついでステップS1124において、制御部4aによって、「j」=「N」であるか否かを判断する。制御部4aは、「j」=「N」であると判断した場合(Yes)にはステップS1126へ処理を進め、「j」=「N」ではないと判断した場合(No)にはステップS1125へ処理を進め、ステップS1125において「j」をインクリメントし、ステップS1107に戻る。
ついでステップS1126において、制御部4aによって、「i」=「N−1」であるか否かを判断する。制御部4aは、「i」=「N−1」であると判断した場合(Yes)には処理が終了し、「i」=「N−1」ではないと判断した場合(No)にはステップS1127へ処理を進め、ステップS1127において「i」をインクリメントし、ステップS1103に戻る。
【0132】
つぎに前述した優先順位決定処理を具体例に基づいて説明する。今、表1に示される8つの試薬について、図31〜32に示されるフローチャートにしたがって使用する優先順位を決定するものとする。表1において、試薬IDが「2」の位置にある試薬は、相手試薬のシリアル番号の情報がなく、他の位置にある試薬は、相手試薬のシリアル番号の情報が存在している。
【0133】
【表1】

【0134】
まずステップS1101において、P〜Pが「1」にセットされる。ついで、「i」が「0」にセットされる(ステップS1101)。「0」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているので、ステップS1105において、「j」が「1」にセットされる。「1」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているが、「0」の項目はHBAgであり、「1」の項目はHTLVであり、両試薬は項目が一致しないので、ステップS1110において「No」となる。そして、ステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「2」になる。したがって、この段階ではP及びPに変化はなく、最初にセットされた「1」のままである。
【0135】
ついでステップS1107に戻り、「2」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「2」の試薬は、R1/R3試薬であるが、相手のシリアル番号が存在していないので、ステップS1109において、Pが「0」にセットされる。そして、ステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「3」になる。
ついでステップS1107に戻り、「3」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「3」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているが、「0」の項目はHBAgであり、「3」の項目はHCVであり、両試薬は項目が一致しないので、ステップS1110において「No」となる。そして、ステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「4」になる。したがって、この段階ではP及びPに変化はなく、最初にセットされた「1」のままである。
【0136】
ついでステップS1107に戻り、「4」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「4」の試薬はR2試薬であり、R1/R3試薬ではないので、ステップS1107において「No」となる。そしてステップS1109において、Pが「0」にセットされる。なお、Pには変化がなく「1」のままである。ついでステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「5」になる。
ついでステップS1107に戻り、「5」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「5」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しており、且つ「0」に試薬と項目が一致しているので、ステップS1111へ進む。また、「0」の試薬と「5」の試薬は、両方とも試薬ロット番号に対応する検量線が存在しており、有効期限(2007/3/30)も同じであるので、ステップS1119へ進み残量が同一であるか否かが判断される。その結果、「5」の試薬の方が「0」の試薬よりも残量が少ないので、ステップS1120において「No」となり、ステップS1122においてPがインクリメントされて「2」になる。なお、Pには変化がなく「1」のままである。ついでステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「6」になる。
【0137】
ついでステップS1107に戻り、「6」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「6」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているが、「0」の項目はHBAgであり、「3」の項目はHCVであり、両試薬は項目が一致しないので、ステップS1110において「No」となる。そして、ステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「7」になる。したがって、この段階ではP及びP6に変化はなく、P=2、P=1である。
【0138】
ついでステップS1107に戻り、「7」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「7」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しており、且つ「0」の試薬と項目が一致しているので、ステップS1111へ進む。ステップS1111において、「0」の試薬はそのロット番号に対応する検量線が存在しているが、「7」の試薬はそのロット番号に対応する検量線が存在しないので、「No」となり、ステップS1112へ進む。「0」の試薬はそのロット番号に対応する検量線が存在しているので、ステップS1113へ進み、Pがインクリメントされて「2」になる。なお、Pには変化がなく「2」のままである。
【0139】
ついでステップS1124、ステップS1126及びステップS1127を経て「i」が「1」にセットされ、ステップS1103に戻る。
ついでステップS1103において、「1」の試薬がR1/R3試薬であるか否かが判断される。「1」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているので、ステップS1105において、「j」が「2」にセットされる。「2」の試薬は、R1/R3試薬であり、相手のシリアル番号が存在しているが、「1」の項目はHTLVであり、「2」の項目はHBAgであり、両試薬は項目が一致しないので、ステップS1110において「No」となる。そして、ステップS1124、ステップS1125を経て「j」がインクリメントされて「3」になる。
【0140】
以下、同様にして、「i」=6、「j」=7になるまで処理が行われる。説明は省略するが、処理の結果、P0=2、P1=1、P2=0、P3=1、P4=0、P5=1、P6=2、P7=3となり、HBAgの優先順位は、「5」の試薬、「0」の試薬、「7」の試薬の順に低くなる。すなわち、まず最初に「5」の試薬が使用され、つぎに「0」の試薬が使用され、最後に「7」の試薬が使用される。また、HCVの優先順位は、「3」の試薬、「6」の試薬の順に低くなる。
【0141】
なお、本実施の形態においては、制御部4aによって実行される優先順位決定処理(ステップS315、ステップS715及びステップS904)と、本体制御部2aによって実行される優先順位決定処理(ステップS406)とを同じ処理として説明したが、制御部4aによって実行される優先順位決定処理と本体制御部2aによって実行される優先順位決定処理を異ならせてもよい。本体制御部2aにおいては、測定の都度試薬の優先順位を決定し、最も優先順位の高い試薬を使用して測定を行う。したがって、同じ項目の試薬が2つ以上セットされている場合において、それぞれの試薬に対してロット番号に対応する検量線が存在するか否かを判定し、1つの試薬だけが対応する検量線を有する場合には、その試薬を使用対象として、残りの試薬の優先順位を判定せずに処理を終了するようにしてもよい。
【0142】
また、本実施の形態においては、検量線を試薬のロット番号毎に作成し、同一項目であり且つ同一ロット番号の複数の試薬で、一つの検量線を共有する構成とした。しかし、これに限定されない。検量線を試薬のシリアル番号毎、すなわち試薬毎に作成し、検量線と試薬とを一対一に対応させることも可能である。この場合には、キャリブレータの測定に使用された試薬のシリアル番号が、その測定データから生成された検量線と対応付けられて検量線データベースに記憶される。そして、試薬の使用優先順位決定の際には、同一項目の2つの試薬について、それぞれのシリアル番号に対応する検量線が存在するか否かが判定され、その判定結果に基づいて優先順序が決定されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の一実施の形態に係る免疫分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示される免疫分析装置の平面図である。
【図3】図1に示される免疫分析装置の測定機構部の制御部を含むブロック図である。
【図4】図3に示される測定機構部の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示される免疫分析装置の制御装置を示すブロック図である。
【図6】図1に示される試薬設置部の全体構成を示す斜視図である。
【図7】図6に示される試薬設置部の試薬保持部を示す斜視図である。
【図8】図7に示される試薬設置部の試薬保持部の平面図である。
【図9】図1に示される免疫分析装置において使用される試薬容器を保持するためのラックを示す斜視図である。
【図10】図6に示される試薬設置部を示す斜視図である。
【図11】図10に示される試薬設置部の蓋部の裏面を示す斜視図である。
【図12】昇降部の一例を示す斜視図である。
【図13】昇降部の一例を示す斜視図である。
【図14】昇降部の一例を示す平面図である。
【図15】試薬保持部の外壁部に設けられた孔を示す斜視図である。
【図16】図1に示される免疫分析装置において使用される試薬容器の外観図である。
【図17】図1に示される免疫分析装置において使用される試薬容器の外観図である。
【図18】図16に示される試薬容器の底面を示す斜視図である。
【図19】図1に示される免疫分析装置の昇降部の載置台が載置・取出位置に位置した状態を示す斜視図である。
【図20】図1に示される免疫分析装置の昇降部の載置台が下死点に位置した状態を示す斜視図である。
【図21】図19の100−100線に沿った断面図である。
【図22】図20の200−200線に沿った断面図である。
【図23】試薬を吸引する際、試薬容器のスライド蓋が閉まった状態を示す断面図である。
【図24】試薬を吸引する際、試薬容器のスライド蓋が開いた状態を示す断面図である。
【図25】図1に示される免疫分析装置を用いた免疫分析の全体フローを示す図である。
【図26】試薬登録処理及び試薬セットテーブル作成処理のフローを示す図である。
【図27】測定処理及びデータ解析処理のフローを示す図である。
【図28】第1試薬セットテーブル更新処理及び第1試薬画面更新処理のフローを示す図である。
【図29】第2試薬セットテーブル更新処理及び第2試薬画面更新処理のフローを示す図である。
【図30】第1使用可能試薬判定処理のフローを示す図である。
【図31】全体優先順位決定処理フローを示す図である。
【図32】全体優先順位決定処理フローを示す図である。
【図33】試薬のセット状況を示す試薬セット状態画面の例である。
【図34】試薬交換ダイアログの例である。
【図35】R1/R3、R2試薬交換ダイアログの例である。
【図36】測定可能試薬をリストで示す測定可能試薬リスト画面の例である。
【符号の説明】
【0144】
1 免疫分析装置(分析装置)4 制御装置(分析部、交換指示受付手段)8、9、
10 試薬分注アーム(試薬吸引部)60c 入出孔70 昇降部71 載置台76 モータ(駆動部)
200 試薬交換ボタン
201 R1/R3、R2試薬ボタン
202 交換ボタン
203 取出しボタン
300 試薬容器323 底面602 保持部(支持部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ試薬を収容する複数の試薬容器を保持する試薬保持部と、
前記試薬保持部に保持された試薬容器に収容された試薬と検体とが混合された測定試料を測定し、測定データを取得する測定部と、
試薬に対応する検量線を記憶可能な記憶部と、
前記測定部によって得られた測定データを、前記試薬吸引部によって吸引された試薬に対応する検量線に基づいて変換し、分析結果を取得する測定データ処理手段と、
同一種類の試薬がそれぞれ収容された複数の試薬容器が前記試薬保持部に保持された場合に、前記同一種類の試薬それぞれに対する前記記憶部における検量線の有無に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定する決定手段と
を備えることを特徴とする検体分析装置。
【請求項2】
試薬容器は、試薬を特定する特定情報が記録された記録部を有しており、
前記検体分析装置は、試薬容器の記録部に記録された特定情報を読み取る読取手段を備え、
前記決定手段は、前記同一種類の試薬それぞれに対して、特定情報によって特定される試薬に対応する検量線が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定するように構成されている請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
前記記憶部は、検量線を記憶する場合に、試薬のロット番号と対応付けて検量線を記憶し、
前記決定手段は、前記同一種類の試薬それぞれに対して、試薬のロット番号に対応する検量線が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定するように構成されている請求項2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記同一種類の試薬の使用順序を決定するように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記決定手段によって決定された使用順序に従って試薬に関する情報が並べられた試薬リストを表示する表示手段をさらに備える請求項4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
検量線を作成する検量線作成手段と、
この検量線作成手段によって作成された検量線を、検体の分析に使用するための承認を受け付ける承認受付手段とをさらに備え、
前記記憶部は、前記承認受付手段によって検量線の承認が受け付けられた場合に、承認された検量線を記憶する請求項1〜5のいずれかに記載の検体分析装置。
【請求項7】
前記記憶部における検量線の有無を示す情報を含む試薬情報を、前記試薬保持部によって保持された収容容器に収容された試薬毎に記憶する試薬情報記憶部をさらに備え、
前記決定手段は、前記試薬情報記憶部に記憶された試薬情報に含まれる検量線の有無を示す情報に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の検体分析装置。
【請求項8】
試薬の有効期限を管理する有効期限管理手段をさらに備え、
前記決定手段は、さらに試薬の有効期限に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の検体分析装置。
【請求項9】
試薬の残量を管理する残量管理手段をさらに備え、
前記決定手段は、さらに試薬の残量に基づいて、前記同一種類の試薬のうち、測定に使用する試薬を決定するように構成されている請求項1〜8のいずれかに記載の検体分析装置。

【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−249600(P2008−249600A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93409(P2007−93409)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】