説明

検査方法及び装置

【課題】既存の検査方法及び装置の問題を解消することが可能な検査方法及び装置を提供する。
【解決手段】一態様では、物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査方法が開示される。この方法は、凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する放射をオブジェクトへ誘導するステップと、オブジェクト又はオブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するステップと、再誘導された放射から欠陥の存在又は不在を判定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、検査方法及び装置に関する。検査方法及び装置は、例えば(これに限定はされないが)、インプリントリソグラフィテンプレートの検査に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ分野では、所与の基板領域上のフィーチャの密度を増大するために、リソグラフィパターン内のフィーチャのサイズを低減するという従来からの要望がある。フォトリソグラフィ分野では、小さいフィーチャへの努力によってコスト高ではあるが液浸リソグラフィ及び極端紫外線(EUV)リソグラフィなどの技術が開発されてきた。
【0003】
[0003] ますます関心が寄せられている潜在的にコスト高でない小さいフィーチャを得る方法が、一般に「スタンプ」(多くの場合、インプリントテンプレート又はインプリントリソグラフィテンプレートと呼ばれる)を用いて基板上にパターンを転写するいわゆるインプリントリソグラフィである。インプリントリソグラフィの利点は、フィーチャの解像度が、例えば、放射源の放射波長又は投影システムの開口数によって制限されないということである。逆に、解像度は、主としてインプリントテンプレート上のパターンの密度によって制限される。
【0004】
[0004] インプリントリソグラフィは、パターン形成する基板の表面上のインプリント可能な媒体のパターン形成工程を含む。パターン形成は、インプリント可能な媒体がパターン形成された表面の凹部に流入し、パターン形成された表面上の突起によって脇に押しのけられるように、インプリントテンプレートのパターン形成された表面とインプリント可能な媒体の層とを貼り合わせる(例えば、インプリントテンプレートをインプリント可能な媒体に近づけるか、又はインプリント可能な媒体をインプリントテンプレートに近づけるか、あるいはその両方を互いに近づけることで)ステップを含んでいてもよい。凹部は、インプリントテンプレートのパターン形成された表面のパターンフィーチャを画定する。通常、パターン形成された表面とインプリント可能な媒体とが貼り合わされた時にインプリント可能な媒体は流動可能である。インプリント可能な媒体のパターン形成に続けて、インプリント可能な媒体は、適切に非流動可能な状態又は凍結状態(すなわち固定状態)に置かれ、インプリントテンプレートのパターン形成された表面とパターン形成されたインプリント可能な媒体は分離される。次に、通常、基板とパターン形成されたインプリント可能な媒体は、さらに処理されて基板のパターン形成又は別のパターン形成が実行される。インプリント可能な媒体は、通常、パターン形成する基板の表面上に液滴の形態で提供されるが、代わりに、スピンコーティングなどを用いて提供してもよい。
【発明の概要】
【0005】
[0005] インプリントテンプレートの使用中に、インプリントテンプレートは欠陥を堆積させることがある。例えば、欠陥は、インプリント工程中にインプリントテンプレート上に堆積したインプリント可能な媒体の1つ又は複数の粒子であってもよい。このような欠陥が除去されないと、インプリントテンプレートの後続のインプリント中にその欠陥はインプリント可能な媒体上に又は媒体内に物理的に移送されることがあり、又は欠陥自体がインプリント可能な媒体内に対応するパターンを提供することがある。いずれの例でも、インプリント可能な媒体内にインプリントされたパターンには欠陥がある可能性がある。
【0006】
[0006] 欠陥がインプリントテンプレート上に堆積するという問題を除去又は軽減するために、このような欠陥の存在(又は不在)を検出するためにインプリントテンプレートを検査できることが望ましい。検出された欠陥は除去することができる。このような検査は、例えば、走査型電子顕微鏡を用いて実行することができる。しかし、このような検査方法は時間がかかることがあり、望ましくない。別の検査方法は、欠陥が散乱する放射を検出することで欠陥の存在を検出するステップを含む。しかし、この方法では、放射はインプリントテンプレート自体のパターンフィーチャ(例えば、インプリントテンプレートの凹部)によっても散乱し、そのために、欠陥からの散乱を、それ故、欠陥の存在を正確に整合的に検出することが困難又は不可能になる可能性がある。インプリントテンプレートのパターンフィーチャが周期的な場合、周期的なパターンフィーチャからの散乱を空間フィルタによってある程度抑制することができる。しかし、空間フィルタリングは非周期的なパターンフィーチャには無効であり、インプリントテンプレートは、多くの場合、非周期的なパターンフィーチャを含む。パターンフィーチャの非周期的な性質を考慮する他の方法も可能であるが、これらの方法では非周期的なパターンフィーチャのレイアウト(すなわちデザイン)を事前に知っていることが必要である。このような事前の情報の要件を回避することが望ましい。
【0007】
[0007] 例えば、本明細書に記載されているか別の場所に記載されているかを問わず、当技術分野の少なくとも1つの問題を除去又は軽減する、又は既存の検査方法及び装置の代替案を提供する検査方法及び装置を提供することが望ましい。
【0008】
[0008] 一態様によれば、物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査方法であって、凹部の光学的深さ(凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい)の2倍に実質的に等しい波長を有する放射をオブジェクトへ誘導するステップと、オブジェクト又はオブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するステップと、再誘導された放射から欠陥の存在又は不在を判定するステップとを含む検査方法が提供される。
【0009】
[0009] 一態様によれば、物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査方法であって、オブジェクトに接触している液体を提供するステップと、放射の波長に対するオブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する液体を通して放射をオブジェクトへ誘導するステップと、オブジェクト又はオブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するステップと、再誘導された放射から欠陥の存在又は不在を判定するステップとを含む検査方法が提供される。放射は、液体内で凹部の光学的深さ(凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい)の2倍に実質的に等しい波長を有していてもよい。
【0010】
[0010] 上記の態様で、オブジェクトは、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスクであってもよい。
【0011】
[0011] 上記の態様で、凹部の光学的(又は物理的な)深さは、ナノメートルオーダでよく、0nm〜100nmの範囲内、又は40nm〜70nmの範囲内であってもよい。凹部の物理的深さは、エッチングの選択性を可能にするため、4nm以上であってもよい。
【0012】
[0012] 上記の態様で、放射は、ナノメートルオーダ、すなわち、0nm〜200nmの範囲内、又は80nm〜140nmの範囲内の波長を有していてもよい。
【0013】
[0013] 上記の態様で、放射は実質的に単色光であってもよく、又は狭い範囲の波長を含んでいてもよい。
【0014】
[0014] 上記の態様で、再誘導された放射は、散乱放射を含んでいてもよい。
【0015】
[0015] 上記の態様で、欠陥の存在又は不在は、再誘導された放射の強度分布又は強度分布の変化から検出されてもよい。
【0016】
[0016] 上記の態様で、欠陥の存在又は不在は、暗視野結像法を用いて検出されてもよい。
【0017】
[0017] 上記の態様で、オブジェクトは、複数の凹部を含んでいてもよい。複数の凹部は、非周期的に配置されていてもよい。
【0018】
[0018] 上記の態様で、オブジェクトは、溶融シリカ又は石英を含んでいてもよい。
【0019】
[0019] 一態様によれば、物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査装置であって、オブジェクトへ放射を誘導するように構成された放射出口であって、凹部の光学的深さ(凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値)の2倍に実質的に等しい波長を有する放射を誘導するように構成された放射出口と、オブジェクト又はオブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するように構成された検出器と、再誘導された放射を用いて欠陥の存在又は不在を判定するように構成された検出装置とを備える検査装置が提供される。
【0020】
[0020] 一態様によれば、物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査装置であって、オブジェクト上へ液体を提供するように構成され、オブジェクトに接触する液体ディスペンサと、使用時に液体を通してオブジェクトへ放射を誘導するように構成された放射出口であって、液体が放射の波長に対するオブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する放射出口と、オブジェクト又はオブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するように構成された検出器と、再誘導された放射を用いて欠陥の存在又は不在を判定するように構成された検出装置とを備える検査装置が提供される。
【0021】
[0021] 一態様によれば、オブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出するように、使用時にオブジェクトへ誘導される放射の波長の半分に実質的に等しい光学的深さ(凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値)を有する凹部を含むオブジェクトが提供される。
【0022】
[0022] 検査装置及びオブジェクトの態様は、適宜、上記の1つ又は複数のフィーチャを有するか含んでいてもよい。
【0023】
[0023] ある態様によれば、オブジェクトは、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスクであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
[0024] 以下、添付の図面を参照しながら、本発明の特定の実施形態について説明する。
【図1a】[0025]ホットインプリントリソグラフィの例の略図である。
【図1b】[0025]UVインプリントリソグラフィの例の略図である。
【図2】[0026]検査方法に関連する原理の略図である。
【図3】[0027]図2に示しそれに関連して説明する検査方法に関連する別の原理の略図である。
【図4】[0028]本発明のある実施形態による検査方法の略図である。
【図5】[0029]図4に示しそれに関連して説明する検査方法に関連する別の原理の略図である。
【図6】[0030]本発明のある実施形態の検査方法に関連する原理をテストするためのテスト構造の略図である。
【図7】[0031]図6に示しそれに関連して説明するテスト構造から散乱する放射の強度プロファイルを概略的に示すグラフである。
【図8】[0032]本発明の別の実施形態による検査方法の略図である。
【図9】[0033]図8に示しそれに関連して説明するテスト方法に関連する別の原理の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0034] インプリントリソグラフィの2つの方法の例を図1a〜図1bに示す。
【0026】
[0035] 図1aは、いわゆるホットインプリントリソグラフィ(又はホットエンボス)の一例を示す。典型的なホットインプリント工程では、インプリントテンプレート2が、基板6の表面に提供された熱硬化性又は熱可塑性のインプリント可能な媒体4内にインプリントされる。インプリント可能な媒体4は、例えば樹脂であってもよい。インプリント可能な媒体4は、例えば、スピンコートして基板表面、又は図示の例のように、基板6の平坦化及び転写層8に焼成してもよい。熱硬化性ポリマー樹脂4を使用する場合、樹脂4はインプリントテンプレート2に接触すると、インプリントテンプレート2上に形成されたパターンフィーチャ内に流入する程度に十分に流動可能な状態になるような温度に加熱される。次に、樹脂4の温度は、上昇して樹脂4を熱硬化(架橋結合)させ、樹脂は固体化し所望のパターンを不可逆的に採用する。次に、インプリントテンプレート2を除去してパターン形成された樹脂4を冷却することができる。熱可塑性ポリマー樹脂4の層を使用するホットインプリントリソグラフィでは、熱可塑性樹脂が加熱されてインプリントテンプレートによるインプリントの直前に自由に流動可能な状態になる。場合によって、熱可塑性樹脂を樹脂のガラス転移温度より大幅に高い温度まで上昇させる必要がある。インプリントテンプレートは流動性樹脂に接触し、次に樹脂はガラス転移温度より下の温度まで冷却され、その間、インプリントテンプレートが所定位置でパターンを硬化させる。その後、テンプレートは除去される。パターンは、樹脂の残りの層から浮き彫りになったフィーチャからなり、次に、残りの層は、適切なエッチング工程によって除去され、パターンフィーチャだけが後に残される。ホットインプリントリソグラフィ工程で使用される熱可塑性ポリマー樹脂の例は、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリ(ベンジルメタクリレート)、又はポリ(シクロヘキシルメタクリレート)である。ホットインプリントの詳細情報については、例えば、米国特許第4,731,155号及び米国特許第5,772,905号を参照されたい。
【0027】
[0036] 図1bは、紫外線(UV)放射を透過する透明な又は半透明のインプリントテンプレート10とインプリント可能な媒体12としてのUV硬化性液体(本明細書では「UV」という用語が便宜上使用されているが、インプリント可能な媒体を硬化させる任意の適切な化学線放射を含むものと解釈すべきである)の使用を含むUVインプリントリソグラフィの一例を示す。UV硬化性液体は、多くの場合、ホットインプリントリソグラフィで使用される熱硬化性及び熱可塑性樹脂よりも粘性が低く、したがって、はるかに速く移動してインプリントテンプレートのパターンフィーチャを充填することができる。図1aの工程と同様の方法で石英テンプレート10が、UV硬化性インプリント可能な媒体12に当てられる。しかし、ホットインプリントリソグラフィの場合と異なり、熱又は温度サイクリングを用いるのではなく、石英インプリントテンプレート10を通してインプリント可能な媒体12上に印加されるUV放射14でインプリント可能な媒体12を硬化させることでパターンは固まる。インプリントテンプレート10を除去した後で、インプリント可能な媒体12はエッチングされ(及び/又は他の処理を施され)、例えば、基板6内にパターンフィーチャを提供する。UVインプリントリソグラフィによって基板をパターン形成する特定の方法は、いわゆるステップアンドフラッシュインプリントリソグラフィ(SFIL)である。SFILは、従来、IC製造で使用されている光ステッパと類似の方法で基板を細かいステップでパターン形成するために使用することができる。UVインプリントの詳細情報については、例えば、米国特許出願公開第2004−0124566号、米国特許第6,334,960号、PCT特許出願公開WO02/067055号、及び「Mold−assisted nanolithography:A process for reliable pattern replication」、J.Vac.Sci.Technol.B14(6),1996年11月/12月と題されたJ.Haisma氏の論文を参照されたい。
【0028】
[0037] また、上記インプリント技術の組合せも可能である。例えば、インプリント可能な媒体の加熱及びUV硬化の組合せを記述する米国特許出願公開第2005−0274693号を参照されたい。
【0029】
[0038] 使用時に、インプリントテンプレートは、インプリント可能な媒体の粒子又はその他の汚染物などの1つ又は複数の欠陥を堆積させることがある。欠陥が検出され除去されないと、インプリントテンプレートの後続のインプリント中にその欠陥はインプリント可能な媒体上に物理的に移送されることがあり、又は欠陥がインプリント可能な媒体内にパターンフィーチャを提供することがある。いずれの例でも、インプリントされたパターンには欠陥がある可能性がある。したがって、欠陥の存在を検出するためにインプリントテンプレートを検査し、その後に該欠陥を除去できることが望ましい。
【0030】
[0039] インプリントテンプレート上の欠陥の存在を検出する検査方法を図2に示す。図2は、インプリントテンプレート20(例えば、図1a及び/又は図1bに示しそれに関連して説明するインプリントテンプレート)を概略的に示す。インプリントテンプレート20の凹部22は、インプリント可能な媒体内にパターンを提供するために使用することができるパターンフィーチャを提供する。インプリントテンプレート20の凹部22内には粒子の形態の欠陥24がある。
【0031】
[0040] この検査方法は、放射26をインプリントテンプレート20へ誘導するステップを含む。放射26は、任意の一時点でインプリントテンプレート20の特定の局所領域又は大きい領域(例えば、大部分のもしくは全領域)へ誘導することができる。代替的に又は追加的に、放射26(又は放射源)をインプリントテンプレート20に対して移動させて(及び/又はインプリントテンプレート20を放射26に対して移動させて)インプリントテンプレート20の一部又は全体を検査することができる。
【0032】
[0041] 図3は、放射がインプリントテンプレート20と欠陥24によって再誘導される(すなわち、この実施形態では散乱する)様子を示す。特に、放射の小さい部分28は、欠陥24によって散乱する。放射のはるかに大きい部分30は、インプリントテンプレート20のパターンフィーチャ(例えば、凹部22及びこれらの凹部22を提供することで形成された突起)によって散乱する。放射のはるかに大きい部分30の散乱によって欠陥24によって散乱した放射の小さい部分28を正確に整合的に検出することが困難又は不可能になる。この放射の小さい部分28は十分には又は全く検出されないため、欠陥24の存在もまた十分には又は全く検出されない。
【0033】
[0042] 欠陥24を検出できるようにするために、インプリントテンプレート20のパターンフィーチャによって散乱した放射(のより大きい部分)を低減することができることが望ましい。本発明の実施形態に従ってこのような低減を達成することができる。
【0034】
[0043] ある実施形態によれば、オブジェクト上の欠陥の存在を検出する検査方法が提供される。オブジェクトは、例えば、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスク(例えば、1つ又は複数の凹部を含む反射型マスク)であってもよい。オブジェクトは、物理的深さ(又は凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい光学的深さ)を有する少なくとも1つの凹部を含む。この方法は、放射をオブジェクトへ誘導するステップを含む。放射は、凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する。次に、オブジェクトによって再誘導された(例えば、散乱したか又は反射した)放射が検出される(例えば、検出器又は検出装置によって)。再誘導された放射から、例えば、再誘導された放射の強度分布又は強度分布の変化から欠陥の存在が検出される。
【0035】
[0044] 放射の波長は凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しいため、オブジェクトのパターンフィーチャ(例えば、凹部など)からの放射の散乱は大幅に低減される。これは、凹部の底から再誘導された放射と凹部の頂点との位相差が2πに等しいためである。この場合、散乱した放射の近距離場は理想的には連続的であり、その結果、0次ストップで有効に抑止することができる放射の正反射だけが得られる。したがって、欠陥の検出は達成するのが容易になる。放射の波長が凹部の光学的又は物理的深さ(これは凹部の光学的深さに実質的に等しい)より数ナノメートル(すなわち、0〜5nm又は0〜3nm)長いか短い場合にも、この効果は達成することができる。
【0036】
[0045] 別の実施形態によれば、オブジェクト上の欠陥の存在を検出する検査方法が提供される。オブジェクトは、例えば、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスク(例えば、1つ又は複数の凹部を含む反射型マスク)であってもよい。オブジェクトは、物理的深さ(又は凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい光学的深さ)を有する少なくとも1つの凹部を含む。この方法は、オブジェクトに接触している液体を提供するステップを含む。次に、放射は、液体を通してオブジェクトへ誘導される。液体は、放射の波長(又は波長範囲)に対するオブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する。一例では、液体の屈折率とオブジェクトの屈折率との差は0.0001以下であってもよく、この例では、両方の屈折率は実質的に等しいままである。次に、オブジェクトによって再誘導された(例えば、散乱された)放射が、例えば検出器又はその他の検出装置を用いて検出される。再誘導された放射から、例えば、再誘導された放射の強度分布又は強度分布の変化から欠陥の存在が検出される。
【0037】
[0046] この実施形態は、オブジェクト一般(すなわち、オブジェクト上の欠陥だけではなく)によって散乱する放射量を低減するため、有利である。これは、オブジェクトとガスとの界面の代わりに、液体がオブジェクトの屈折率に一致する屈折率を有するオブジェクトと液体との界面が存在するためである。この場合、屈折率が一致するために界面での放射の散乱はほとんど又は全くない。放射の唯一の有意な散乱は、放射がオブジェクト上の1つ又は複数の欠陥に入射しこれによって散乱することによる。したがって、欠陥の検出は、達成するのが容易になる。
【0038】
[0047] 液体の分散曲線は、オブジェクトの分散曲線と交差することがある。次に、放射を提供する放射源は、オブジェクトと液体の屈折率が一致するまで調整することができる(放射源の帯域内で)。
【0039】
[0048] 図4〜図9を用いて特定の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものにすぎない。図4〜図9では、図は特定の縮尺に従って描かれていない。さらに、異なる図に示される類似のフィーチャは、一貫性と分かりやすさのために同じ参照数字が与えられている。
【0040】
[0049] 図4は、インプリントテンプレート20を概略的に示す。インプリントテンプレート20は、インプリントテンプレート20のパターンフィーチャを形成する複数の凹部22を備える。粒子の形態の欠陥24が凹部22の1つの底にある。凹部22は、物理的深さ(又は凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい光学的深さ)を有する。インプリントテンプレート20は、図1〜図3のいずれかに示しそれに関連して説明するインプリントテンプレートであってもよい。
【0041】
[0050] この検査方法では、放射42がインプリントテンプレート20の方へ誘導される。放射42は、凹部22の光学的深さ40の2倍に実質的に等しい波長44を有する。放射42は、任意の一時点でインプリントテンプレート20の特定の局所領域又は大きい領域(例えば、大部分のもしくは全領域)へ誘導することができる。代替的に又は追加的に、放射42(又は放射源)をインプリントテンプレート20に対して移動させて(及び/又はインプリントテンプレート20を放射42に対して移動させて)インプリントテンプレート20の一部又は全体を検査することができる。
【0042】
[0051] 図5は、インプリントテンプレート20と欠陥24とによって再誘導された(例えば、散乱された)放射を概略的に示す。入射する放射の波長は凹部22の光学的深さの2倍であったため、凹部22からの放射46の散乱は低減される(放射の波長が実質的に凹部の光学的深さの2倍でなかった状況と比較して)。これは、凹部22の底からの放射と凹部22の頂点との位相差が2πに等しいためである(すなわち、放射は実際には同相である)。この場合、散乱した放射46の近距離場は理想的には連続的であり、その結果、0次ストップで有効に抑止することができる正反射だけが得られる。
【0043】
[0052] 同時に、放射48は、欠陥24によっても散乱する。凹部22によって散乱する放射46の連続的な性質のため、欠陥24によって散乱する放射48はより容易に検出することができ、欠陥24の存在を検出するのに使用することができる。例えば、欠陥の存在は、暗視野結像法などを用いて検出することができる。
【0044】
[0053] 図6は、ある実施形態による検査方法のシミュレーションで使用されるテスト構造50の一部を概略的に示す。テスト構造50は、一般に、各々が70nmの光学的又は物理的深さを有する100nm幅の凹部52(すなわち、例えば、溝)を含む格子である。凹部のピッチは2000nmである。20nmの長さの粒子54が凹部52の底にある。次に、シミュレーションでは、凹部52の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する放射(すなわち、140nmの波長を有する放射)がテスト構造50へ誘導される。
【0045】
[0054] 図7は、2つの信号レベルを描画するグラフである。信号レベルは暗視野信号レベルであり、図6の構造によって散乱した放射のレベルを表す。第1のグラフ(点線で示す)は、粒子(すなわち、欠陥)が凹部の底にある時の暗視野信号レベルを示す。第2のグラフ(実線で示す)は、粒子(すなわち、欠陥)が凹部の底にない時の暗視野信号レベルを示す。2つの信号のレベルには明らかな差があり、これはオブジェクトの凹部内の欠陥の存在(又は不在)を検出することができるということを意味する。
【0046】
[0055] 図8は、図4〜図7に示しそれに関連して説明する実施形態に代わる、又はそれと併用できる本発明の別の実施形態による検査方法を概略的に示す。
【0047】
[0056] 図8の実施形態では、インプリントテンプレート20と接触する液体60が提供され、インプリントテンプレート20の凹部22を充填する。粒子の形態の欠陥24が凹部22の底にある。インプリントテンプレート20は、図1〜図5のいずれかに示し、それに関連して説明するインプリントテンプレートであってもよい。
【0048】
[0057] 放射62は、液体60を通してインプリントテンプレート20の方へ誘導され、放射62は、インプリントテンプレート20に入射する。放射62は、任意の一時点でインプリントテンプレート20の特定の局所領域又は大きい領域(例えば、大部分のもしくは全領域)へ誘導することができる。代替的に又は追加的に、放射62(又は放射源)をインプリントテンプレート20に対して移動させて(及び/又はインプリントテンプレート20を放射62に対して移動させて)インプリントテンプレート20の一部又は全体を検査することができる。
【0049】
[0058] 上記のように、放射62は、凹部22の光学的深さの2倍に等しい波長を有していてもよい。波長62は、液体60内でこの特定の波長を有していてもよい。別の実施形態では、放射62は別の波長を有していてもよい。
【0050】
[0059] 液体60は、インプリントテンプレート20の屈折率に実質的に一致する屈折率を有する。例えば、インプリントテンプレート20が1.46の屈折率を有する石英又は溶融シリカ製の場合、液体60は実質的にそれに対応する屈折率を有する。液体は、例えば、1.461の屈折率を有するCClであってもよい。CClは洗浄剤でもあり、これは、インプリントテンプレート20の検査をインプリントテンプレート20の洗浄と同時に、洗浄前に、又は洗浄後に実行することができるということを意味する。
【0051】
[0060] 液体60の屈折率はインプリントテンプレート20の屈折率に実質的に一致するため、液体60とインプリントテンプレート20との間の界面に放射62の散乱はほとんど又は全く発生しない。したがって、いかなる散乱放射も欠陥24からの放射の散乱によるものである。図9は、欠陥24からの放射64のこのような散乱を概略的に示す。放射64の散乱は欠陥24による散乱から発生しなければならないため、欠陥の存在は、検出器又はその他の検出装置を用いて容易に検出可能である。欠陥の存在は、例えば暗視野結像法を用いて検出することができる。
【0052】
[0061] 上記の実施形態では、インプリントテンプレートは、そのオブジェクト上の欠陥の存在を検出するように放射が誘導されるオブジェクトとして記述されている。本明細書に記載の検査方法を用いて、例えば、EUVリソグラフィで使用するのに好適な格子又はマスクなどの別のオブジェクトを検査することができる。EUVリソグラフィで使用するのに好適なマスクは、例えば、1つ又は複数の凹部を含んでいてもよい。このような凹部は、例えば、EUV放射ビームにパターンを付与するように構成された突起状の反射型又は非反射型の材料本体の間に形成されていてもよい。インプリントテンプレート又はEUVマスクを検査する検査方法は特に望ましい。これは、使用時に、このようなテンプレート又はマスクが汚染されないようにするためにペリクルなどを使用することができないためである。EUVマスクの場合、EUV放射はこのようなペリクルに吸収される。インプリントテンプレートの場合、ペリクルによってインプリント可能な媒体へのインプリントテンプレートのパターンの転写を阻止する。
【0053】
[0062] 上記の凹部の光学的又は物理的深さは、例えば、ナノメートルオーダでよく、例えば、0nm〜100nmの範囲内、又は40nm〜70nmの範囲内であってもよい。オブジェクトへ誘導される放射が凹部の光学的深さの2倍の波長を有する実施形態では、その結果、ナノメートルオーダの波長、例えば、0nm〜200nmの範囲内の波長、又は80nm〜140nmの範囲内の波長(例えば、UV又はVUV放射)を有する放射を提供する必要が生じる可能性がある。放射が液体を通してオブジェクトへ誘導される前に液体をオブジェクトに接触させる場合、液体内の放射の波長は、凹部の光学的深さの2倍であってもよい。望ましくは、使用される放射は実質的に単色光である(例えば、単一の波長又は狭い範囲の波長だけを含む)。上記の実施形態は単色光放射の使用に特に好適であるため、これによって散乱がさらに低減される。
【0054】
[0063] オブジェクトの凹部が非周期的に配置されている場合、検査に困難が伴うことがある。本発明の1つ又は複数の実施形態は、このような関連する困難を有さない。したがって、本発明の実施形態はオブジェクト上の欠陥の存在を検出する検査方法であって、オブジェクトが非周期的に配置された1つ又は複数の凹部を含む検査方法を提供することができる。インプリントテンプレート又はEUVマスク(又はその他の任意のマスク)の凹部は、非周期的な方法又は配置で提供されることが多い。
【0055】
[0064] 上記の本発明の実施形態では、放射は、オブジェクトのパターンフィーチャ(例えば、凹部及び/又は突起)へ直接誘導された。ある実施形態では、放射は、パターンフィーチャへオブジェクトを通して誘導することができる。この実施形態では、放射は、オブジェクトを通過した後にパターンフィーチャによる再誘導(例えば、散乱又は反射)が可能である。この結果、凹部の物理的深さがオブジェクト自体の内部にあるか又はその一部を形成するため、凹部の光学的深さが有効に増大する。
【0056】
[0065] 上記の実施形態は、検査方法に関連して記述してきた。また、本発明の実施形態に従って対応する検査装置を提供することができる。例えば、一実施形態では、オブジェクト上の欠陥の存在を検出する検査装置が提供される。オブジェクトは、物理的深さ(又は凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい光学的深さ)を有する少なくとも1つの凹部を含んでいてもよい。この装置は、オブジェクトへ放射を誘導するように構成された放射源又は放射出口を含んでいてもよい。放射源又は放射出口は、凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する(例えば、オブジェクトと接触する空気中など又は液体中の)放射を提供するように構成されていてもよい。オブジェクト又は欠陥によって再誘導された(例えば散乱した)放射を検出する検出器が提供される。再誘導された放射を用いて欠陥の存在(又は不在)を検出する検出装置も提供される。例えば、再誘導された放射の強度プロファイル又は強度プロファイルの変化を検出する検出装置を使用することができる。
【0057】
[0066] 本発明のある実施形態によれば、オブジェクト上の欠陥の存在を検出する検査装置が提供される。オブジェクトは、物理的深さ(又は凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい光学的深さ)を有する少なくとも1つの凹部を含む。この装置は、オブジェクト上へ液体を提供するように構成された液体ディスペンサを備える。液体は、オブジェクトに接触するように分配される。使用時に液体を通してオブジェクトへ放射を誘導する放射源又は放射出口を提供してもよい。分配された液体は、放射の波長に対するオブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する。オブジェクト又は、欠陥によって再誘導された(例えば、散乱した)放射を検出する検出器が提供される。再誘導された放射を用いて欠陥の存在(又は不在)を検出する検出装置も提供される。例えば、再誘導された放射の強度分布プロファイル又は強度分布プロファイルの変化を検出する検出装置を使用することができる。
【0058】
[0067] 本発明による装置の実施形態では、オブジェクト又は欠陥によって再誘導された放射を検出する検出器と再誘導された放射を用いて欠陥の存在(又は不在)を検出する検出装置は同じ装置であってもよい。検出器及び/又は検出装置は、欠陥の存在(又は不在)を検出するために、一定の強度プロファイルを検出するか又はそれらの強度プロファイルの変化を検出するように構成された計算装置を含んでいてもよい。
【0059】
[0068] 本発明のある実施形態によれば、オブジェクト(例えば、インプリントテンプレート又はEUVマスク)がその場、例えば、インプリントリソグラフィ装置又はEUVリソグラフィ装置内にある時に、ある方法を実行することができ、及び/又は装置を使用することができる。インプリント又は露光の間に検査を実行することができる。代替的に又は追加的に、リソグラフィ装置がオフライン、例えば、停止時間のために稼働していないか又は装置が使用されていない時に検査を実行することができる。屈折率を一致させるためにオブジェクト上に液体を提供する処理に関連する実施形態では、液体の存在によってオブジェクトが意図したように使用されないことがあるため、オブジェクトが使用されていない時にこの実施形態による方法が実行される場合が多い。
【0060】
[0069] いずれの実施形態においても、欠陥が検出されると、次の動作を実行することができる。例えば、オブジェクトを清潔な(欠陥がない)オブジェクトと交換することができる。代替的に又は追加的に、オブジェクトを洗浄してもよい。オブジェクトの洗浄は、従来の方法で、例えば、1種又は数種の流体などを用いて実行することができる。
【0061】
[0070] オブジェクトへ誘導されるか又はこれから誘導される放射は、放射源によって生成される。オブジェクトの凹部の光学的深さに実質的に等しい波長を選択することができるように、この放射源は調整可能であってもよい。オブジェクト全体で凹部の深さが変化する場合、又はオブジェクトが異なると凹部の深さが異なる場合、これは有用である。
【0062】
[0071] 本発明のある実施形態によれば、オブジェクト上の欠陥の存在(又は不在)を検出するために使用時にオブジェクトへ誘導される放射の波長の半分に実質的に等しい光学的深さ(凹部の物理的深さに凹部内の媒体又は真空の屈折率を乗算して得た値に等しい)を有する少なくとも1つの凹部を含むオブジェクトが提供される。オブジェクトは、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスクであってもよい。
【0063】
[0072] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含む1つ又は複数のコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶した1つ又は複数のデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。本明細書で言及する1つ又は複数の検出器及び/又は検出装置は、1つ又は複数のコンピュータプログラムが検出器及び/又は検出装置の少なくとも1つのコンポーネント内にあるか又は検出器及び/又は検出装置と相互動作する何か別のコンポーネント内にある1つ又は複数のプロセッサによって読み出された時に動作可能になる。
【0064】
[0073] 上述し図示した実施形態は、その性質が例示的なものであって制限するものではない。好ましい実施形態だけが図示され説明されており、特許請求の範囲に記載する本発明の範囲を逸脱することなく、すべての変更及び修正は保護されることを理解されたい。説明内の「好適な」、「好適には」、「好ましい」又は「より好ましい」などの用語の使用は、そのように記載された特徴が望ましいことを示すが、必ずしも必要ではなく、そのような特徴を有さない実施形態も添付の特許請求の範囲に定義する本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。特許請求の範囲に関して、「ある」、「少なくとも1つの」、又は「少なくとも一部」などの用語は、添付の特許請求の範囲で、特に断りのない限り、特許請求の範囲をそのような特徴に限定する意図がない特徴に先行するものである。「少なくとも一部」及び/又は「一部」といった言語が使用される場合には、その要素は、特に断りのない限り、一部及び/又は要素全体を含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査方法であって、
前記凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する放射を前記オブジェクトへ誘導するステップと、
前記オブジェクト又は前記オブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するステップと、
前記再誘導された放射から欠陥の存在又は不在を判定するステップと、
を含む検査方法。
【請求項2】
物理的深さを有する凹部を含む前記オブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査方法であって、
前記オブジェクトに接触している液体を提供するステップと、
前記放射の波長に対する前記オブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する液体を通して放射を前記オブジェクトへ誘導するステップと、
前記オブジェクト又は前記オブジェクト上の欠陥によって再誘導された放射を検出するステップと、
前記再誘導された放射から欠陥の存在又は不在を判定するステップと、
を含む検査方法。
【請求項3】
前記放射が、前記液体内で前記凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する、請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記凹部の光学的又は物理的深さが、ナノメートルオーダであり、0nm〜100nmの範囲内、又は40nm〜70nmの範囲内である、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項5】
前記放射が、ナノメートルオーダ、すなわち、0nm〜200nmの範囲内、又は80nm〜140nmの範囲内の波長を有する、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記放射が、実質的に単色光である、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項7】
前記再誘導された放射が、散乱放射を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項8】
前記欠陥の存在又は不在が、前記再誘導された放射の強度分布又は強度分布の変化から決定される、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項9】
前記欠陥の存在又は不在が、暗視野結像法を用いて検出される、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項10】
前記オブジェクトが、複数の凹部を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項11】
前記複数の凹部が、非周期的に配置された、請求項10に記載の検査方法。
【請求項12】
前記オブジェクトが、溶融シリカ又は石英を含む、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法。
【請求項13】
物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査装置であって、
前記オブジェクトへ放射を誘導するように構成された放射出口であって、前記凹部の光学的深さの2倍に実質的に等しい波長を有する放射を誘導するように構成された放射出口と、
前記オブジェクト又は前記オブジェクト上の欠陥によって再誘導された前記放射を検出するように構成された検出器と、
前記再誘導された放射を用いて欠陥の存在又は不在を判定するように構成された検出装置とを備える検査装置。
【請求項14】
物理的深さを有する凹部を含むオブジェクト上の欠陥の存在又は不在を検出する検査装置であって、
前記オブジェクト上へ液体を提供するように構成され、前記オブジェクトに接触する液体ディスペンサと、
使用時に前記液体を通して前記オブジェクトへ放射を誘導する放射出口であって、前記液体が前記放射の波長に対する前記オブジェクトの屈折率に実質的に一致する屈折率を有する放射出口と、
前記オブジェクト又は前記オブジェクト上の欠陥によって再誘導された前記放射を検出するように構成された検出器と、
前記再誘導された放射を用いて欠陥の存在又は不在を判定するように構成された検出装置と、
を備える検査装置。
【請求項15】
前記放射を前記放射出口へ供給する放射源をさらに備える、請求項13又は14に記載の装置。
【請求項16】
前記請求項のいずれか1項に記載の前記オブジェクトとして使用するオブジェクトであって、使用時に前記オブジェクトへ誘導される放射の波長の半分に実質的に等しい光学的深さを有する凹部を含むオブジェクト。
【請求項17】
前記オブジェクトが、EUVリソグラフィで使用するのに好適なインプリントテンプレート又はマスクである、前記請求項のいずれか1項に記載の検査方法、装置又はオブジェクト。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−43810(P2011−43810A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−181487(P2010−181487)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】