説明

極低温バルブ

【課題】極低温環境で作動することができるように特殊に設計された極低温バルブの提供。
【解決手段】内部に開口部11を有する本体1と、前記本体1に結合するボンネット2と、前記本体1の内部で開口部11と前記ボンネット2との間を移動しながら開口部11を開閉するディスク3と、前記ディスク3に連結され、前記ボンネット2を貫通するステム4と、前記ディスク3および前記ステム4を作動させ、前記本体1を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスク3と前記開口部11との当接部分には第1座部12を、前記ディスク3と前記ボンネット2との当接部分には第2座部13を含むことにより、前記ディスク3を下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスク3を上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネット2への流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキング22の取り替え作業が可能であることを特徴とする、極低温バルブを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に開口部を有する本体と、前記本体に結合するボンネットと、前記本体の内部で開口部と前記ボンネットとの間を移動しながら開口部を開閉するディスクと、前記ディスクに連結され、前記ボンネットを貫通するステムと、前記ディスクおよび前記ステムを作動させ、前記本体を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスクと前記開口部との当接部分には第1座部を、前記ディスクと前記ボンネットとの当接部分には第2座部を含むことにより、前記ディスクを下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスクを上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネットへの流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキングの取替え作業が可能であり、前記第2座部が前記ディスクの上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスクが前記第2座部に当接するときに完璧に気密が維持でき、前記第2座部が前記第1座部と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部および第2座部の両方ともに活用することができ、前記第2座部がステンレススチールで製作され、耐久性を向上させることができ、また、前記ボンネットが、外周面上に垂設される垂直補強型フィンを含むことにより、前記ボンネットの厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネットと垂直補強型フィンとを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができることを特徴とする極低温バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
極低温バルブは、LNG運搬船または航空宇宙分野などで使用されるバルブであって、極低温環境で作動することができるように特殊に設計される。すなわち、極低温バルブの構成材料は極低温下で良好な靭性、優れた溶接性および加工性、使用される流体に対する耐食性などの条件を満足しなければならず、極低温バルブの開閉部とバルブ本体は極低温下で優れた気密を維持することができなければならず、極低温バルブの駆動部は円滑な作動のために極低温から熱的に分離されていなければならない。図1は従来の極低温バルブの断面図、図2は図1における‘A’部分の拡大図である。
【0003】
図1および図2を参照すると、従来の極低温バルブは、開口部11を含む本体1、前記本体1に結合するボンネット2、本体の内部で前記開口部11を開閉するディスク3、前記ディスク3に締結されて前記ボンネット2を貫通するステム4、並びに前記ステム4および前記ディスク3の移動を制御するポジショナー6、アクチュエータ7およびハンドル8などを含み、前記本体1の内部には前記開口部11とディスク3との当接部位に第1座部12のみを含んでいる。
【0004】
したがって、前記ポジショナー6の電気的信号によって空圧が前記アクチュエータ7に比例的に適用されると、その信号に基づいて0、25、50、75、100%の割合で前記ステム4および前記ディスク3のリフト距離が定められ、それにより前記ステム4が頻繁に移動するので、前記ボンネット2とヨーク5との当接部位で流体の前記ヨーク5への流入を防止するように気密を維持しているパッキング22の磨耗が急速に進むことにより、前記パッキング22の定期的な取り替え作業を行わなければならない。
【0005】
ところが、流体の温度条件および爆発危険性のため、流体が前記ボンネット2と前記ステム4間の隙間24から漏れる(c方向)ことを完全に遮断して作業を行わなければならない。このためには、前記ディスク3を完全に下方に下げて((1)方向)、前記ディスク3と前記第1座部12との当接状態、すなわちバルブを閉じてラインを中止させた状態で別途の定められた時点に作業を行わなければならない。すなわち、システム運用中には前記パッキング22の取り替え作業が不可能なので、システムを中止させてから作業を行わなければならないという問題点がある。
【0006】
また、従来の前記ボンネット2の外面に取り付けられるフィン23は、主に前記ボンネット2の長手方向に対して直角、すなわち水平に設けられるフランジ形状をする。この場合、前記ボンネット2と一体にして生産することに多くの難しさがあるという問題点がある。
【特許文献1】特開2003-269653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的とするところは、内部に開口部を有する本体と、前記本体に結合するボンネットと、前記本体の内部で開口部と前記ボンネットとの間を移動しながら開口部を開閉するディスクと、前記ディスクに連結され、前記ボンネットを貫通するステムと、前記ディスクおよび前記ステムを作動させ、前記本体を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスクと前記開口部との当接部分には第1座部を、前記ディスクと前記ボンネットとの当接部分には第2座部を含むことにより、前記ディスクを下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスクを上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネットへの流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキングの取り替え作業が可能であることを特徴とする極低温バルブを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が前記ディスクの上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスクが前記第2座部に当接するときに完璧に気密が維持されることを特徴とする極低温バルブを提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が前記第1座部と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部および前記第2座部の両方ともに活用することができるため、生産効率を高めることができることを特徴とする極低温バルブを提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部がステンレススチールで製作され、使用される流体に対する耐食性、加工性などを向上させることができることを特徴とする極低温バルブを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記ボンネットが、外周面上に垂設される垂直補強型フィンを含むことにより、前記ボンネットの厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネットと垂直補強型フィンとを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができることを特徴とする極低温バルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の極低温バルブは次のような構成を含む。
【0013】
本発明の一実施例によれば、本発明の極低温バルブは、内部に開口部を有する本体と、前記本体に結合するボンネットと、前記本体の内部で開口部と前記ボンネットとの間を移動しながら開口部を開閉するディスクと、前記ディスクに連結され、前記ボンネットを貫通するステムと、前記ディスクおよび前記ステムを作動させ、前記本体を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスクと前記開口部との当接部分には第1座部を、前記ディスクと前記ボンネットとの当接部分には第2座部を含むことにより、前記ディスクを下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスクを上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネットへの流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキングの取り替え作業が可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明の他の実施例によれば、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が、前記ディスクの上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスクが前記第2座部に当接するときに完璧に気密が維持されることを特徴とする。
【0015】
本発明の別の実施例によれば、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が前記第1座部と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部および第2座部の両方ともに活用することができることを特徴とする。
【0016】
本発明の別の実施例によれば、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部がステンレススチールで製作され、耐久性を向上させることができることを特徴とする。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記ボンネットが、外周面上に垂設される垂直補強型フィンを含むことにより、前記ボンネットの厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネットと垂直補強型フィンとを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、前述した実施例と下記に説明する構成、結合および使用関係によって次の効果を得ることができる。
【0019】
本発明に係る極低温バルブは、内部に開口部を有する本体と、前記本体に結合するボンネットと、前記本体の内部で開口部と前記ボンネットとの間を移動しながら開口部を開閉するディスクと、前記ディスクに連結され、前記ボンネットを貫通するステムと、前記ディスクおよび前記ステムを作動させ、前記本体を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスクと前記開口部との当接部分には第1座部を、前記ディスクと前記ボンネットとの当接部分には第2座部を含むことにより、前記ディスクを下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスクを上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネットへの流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキングの取り替え作業が可能であるという効果を提供する。
【0020】
本発明は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が、前記ディスクの上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスクが前記第2座部に当接するときに完璧に気密が維持されるという効果を提供する。
【0021】
本発明は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部が前記第1座部と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部および第2座部の両方ともに活用することができるため、生産効率を高めることができるという効果を提供する。
【0022】
本発明は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記第2座部がステンレススチールで製作され、耐久性を向上させることができるという効果を提供する。
【0023】
本発明は、本発明に係る極低温バルブにおいて、前記ボンネットが、外周面上に垂設される垂直補強型フィンを含むことにより、前記ボンネットの厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネットと垂直補強型フィンとを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができるという効果を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る極低温バルブの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図3は本発明の一実施例に係る極低温バルブの斜視図、図4は本発明の一実施例に係る極低温バルブの断面図、図5は図4のバルブを閉にした状態の「本体」部分の拡大図、図6は図4のバルブを全開にした状態の「本体」部分の拡大図である。
【0026】
図3〜図6を参照すると、本発明の一実施例に係る極低温バルブは、内部に開口部11を有する本体1と、前記本体1に結合するボンネット2と、前記本体1の内部で開口部11と前記ボンネット2との間を移動しながら開口部11を開閉するディスク3と、前記ディスク3に連結され、前記ボンネット2を貫通するステム4と、前記ディスク3および前記ステム4を作動させ、前記本体1を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスク3と前記開口部11との当接部分には第1座部12を、前記ディスク3と前記ボンネット2との当接部分には第2座部13を含んでなる。ここで、前記駆動部とは、前記ディスク3および前記ステム4の作動を制御する構成であって、一般的なヨーク5、ポジショナー6、アクチュエータ7およびハンドル8などを通称する意味である。
【0027】
前記本体1は、極低温の流体が流れるバルブボディを意味するが、通常のグローブ型バルブの本体は、全体的に球状の外観形状を有し、流体の流入する入口15および流体の流出する出口16の中心線が一直線上にあり、前記本体1の内部に中間膜14が設けられ、前記中間膜14の中央部に開口部11が設けられることにより流体の流れがS字状を成す。
【0028】
本発明の一実施例に係る極低温バルブに採用される前記本体1も、これと同一の構造で形成できる。
【0029】
この場合、前記ディスク3が前記開口部11の前記第1座部12上に位置すると流体の流れが塞がり、また、前記開口部11と前記ディスク3間の離隔距離によって流体の流量などが異なるので、前記ディスク3を上((2)方向)下((1)方向)動させることにより、すなわちバルブを開閉することにより、流れる流体の流量および圧力などを制御することができる。よって、前記開口部11の第1座部12と前記ディスク3とが当接したときの気密維持が重要になる。また、前記本体1の内部における流体の流れは、左から右に流体が流れる場合(a方向)、すなわち、前記入口15から流体が流入して前記開口部11を下方から上方に通過して前記出口16を介して流出する場合と、右から左に流れる場合(b方向)、すなわち前記出口16から流体が流入して前記開口部11を上方から下方に通過して前記入口15を介して流出する場合があるが、本発明に係る極低温バルブは前述した全ての場合に適用可能であるという利点がある。
【0030】
前記ボンネット2は、前記本体1の上部に連結され、前記本体1と駆動部とを連結させる役割を果たすが、全体的に中空の棒状をしており、内部の中空には後述の前記ディスク3に連結されるステム4が位置する。
【0031】
この場合、前記ボンネット2の内部には前記本体1の内部に流れる流体が流入するが、前記本体1の内部に流れる流体は極低温であり、前記駆動部は常温で作動するため、極低温の流体が前記駆動部に影響を及ぼさないようにしなければならない。ところが、前記ボンネット2の長さが長ければ長いほど、流体が移動しながら外部からの熱伝達によって流体の温度は上昇し、さらに前記ボンネット2の外部にフィンが設けられていることにより流体の温度はさらに上昇するので、前記ボンネット2は前記駆動部が正常的に作動し得るように流体の極低温から前記駆動部を隔離させる役割を果たす。また、前記ボンネット2と駆動部との連結部位では、流体が駆動部へ流出することを防止するためにパッキング22が使用されるが、前述したようにバルブの開閉の際に前記ステム4が頻繁に移動して前記パッキング22が磨耗するので、周期的に前記パッキング22を取り替えなければならない。
【0032】
前記ディスク3は、後述の前記ステム4に連結され、前記駆動部の制御の下に前記本体1の内部で前記開口部11と前記ボンネット2との間を移動しながら前記開口部11を開閉する役割を果たすが、全体的に円筒状をしてもよく、その下部の形状は後述の前記第1座部12の内面に相応する形状である。ディスク3は、具体的には円筒状の外周面で下斜めに第1傾斜面31を形成しながら縮径され、縮径された外周面の直径d1は前記第1座部12の内径の直径と同一であり、前記第1傾斜面31は後述する前記第1座部12の傾斜面121と当接して前記ディスク3を下方に下げたとき((1)方向)、前記第1座部12に密着して気密を維持することができる。また、ディスク3の上部の形状は後述する前記第2座部13の内面に相応する形状であって、具体的には円筒状の外周面で上斜めに第2傾斜面32を形成しながら縮径され、縮径された外周面の直径d2は前記第2座部13の内径の直径と同一であり、前記第2傾斜面32は後述する前記第2座部13の傾斜面131と当接して前記ディスク3を上方に完全に上げたとき((2)方向)、前記第2座部13に密着して気密を維持することができる。尚、ディスク3は、後述するように前記第1座部12と前記第2座部13とが同一の形状に形成される場合には、前記第1傾斜面31と第2傾斜面32の形状、および前記直径d1とd2の長さも同一とすることができる。
【0033】
この際、前記ディスク3と前記開口部11間の離隔距離および前記ディスク3の下部の形状によって、流れる流体の流量および流圧などが定められるが、特に前記ディスク3の下部の形状に応じてディスクの移動距離に正比例して流量が調節されるリニアフロー(Linear flow)形態、ディスクの移動距離に比べて流量の変化が緩やかなイコールパーセンテイジフロー(Equal percentage flow)形態や、ディスクの移動距離に比べて流量の変化が急激なクイックオープニングフロー(Quick opening flow)形態などにバルブの制御形態が分けられるが、本発明に係る極低温バルブは前記全ての形態に適用可能であるという利点がある。
【0034】
前記ステム4は、前記ディスク3と連結され、前記駆動部の制御下に前記ディスク3を移動させる役割を果たすが、全体的に棒状をしており、その下部は前記ディスク3に連結され、その上部は前記駆動部に連結される。
【0035】
この場合、前記ステム4は前記駆動部の制御の下に上下に移動するが、これにより、特に前記ボンネット2と前記駆動部間の気密を維持するために設置された前記パッキング22が磨耗するので、前記パッキング22の周期的な取り替え作業が必要である。
【0036】
前記駆動部とは、前述したように前記ディスク3および前記ステム4の移動を制御する構成をいい、一般的なヨーク5、ポジショナー6、アクチュエータ7およびハンドル8などを通称する意味である。
【0037】
前記第1座部12は、前記本体1内の開口部11における前記ディスク3との当接部分に位置し、前記中間膜14にボルトによって結合できるが、全体的に内部に中空を含む形状であって、その外部は前記開口部11に相応する形状、その内部は前記ディスク3の下部に相応する形状を有してもよい。具体的に、前記第1座部12の上面123と中空の内面122との当接部分に傾斜面121が形成できるが、前記傾斜面121は前記ディスク3の第1傾斜面31と同一の形状を有し、前記内面122の内径は前記ディスク3の縮径された外周面の直径d1と同一であってもよい。
【0038】
この際、前記第1座部12の内面122が、前記ディスク3の下部に相応する形状および前記ディスク3の下部と同じ直径を持つように形成されることにより、前記ディスク3が前記駆動部の制御下に下方に移動して((1)方向)前記開口部11を閉鎖する場合、前記ディスク3と前記第1座部12とが正確に密着して流体が前記開口部11に漏れないように気密を維持することができる。また、前記第1座部12は、極低温の流体と接触する構成であるので、極低温の流体に対する耐食性、加工性などを確保することが可能なステンレススチールで製作されることが好ましい。
【0039】
前記第2座部13は、前記本体1と前記ボンネット2とが当接し、前記ステム4が貫通するステム貫通部17における前記ディスク3との当接部分に位置し、前記本体1または前記ボンネット2にボルトによって結合できるが、全体的に内部に中空を含む形状であって、その外部はステム貫通部17に相応する形状をし、その内部は前記ディスク3の上部に相応する形状を有してもよい。具体的に、前記第2座部13の下面133と中空の内面132との当接部分に傾斜面131が形成できるが、前記傾斜面131は前記ディスク3の第2傾斜面32と同一の形状であり、前記内面132の内径は前記ディスク3の縮径された外周面の直径d2と同一であってもよい。
【0040】
この際、前記第2座部13の内面132が、前記ディスク3の上部に相応する形状に形成されることにより、前記ディスク3が前記駆動部の制御の下に上方に移動して((2)方向)前記ステム貫通部17を閉鎖する場合、前記ディスク3と前記第2座部13とが正確に密着して流体が前記ボンネット2の内部に漏れないように気密を維持することができる。したがって、前述したようにパッキング22の磨耗によって周期的な取り替え作業を行うとき、従来ではバルブを閉じて前記ディスク3が前記開口部11を閉鎖した状態で作業を行わなければならないのでシステムを停止しなければならなかったが、本発明によれば、バルブを全開にした状態でも、すなわち前記ディスク3が第2座部13に密着した状態でも、前記第2座部13が気密を維持して流体が前記ボンネット2の内部に流入しないため、システムを停止することなく前記パッキング22の取り替え作業を行うことができる。
【0041】
また、前記第2座部13は、前記第1座部12とは同一の形状および同一の内径を持つように形成できるが、この場合、前記第1座部12と前記第2座部13とが互換できるので、1種の座部のみを生産しても、それが前記第1座部12および第2座部13の両方に活用できるため、生産効率およびコストの面で効果的である。
【0042】
また、前記第2座部13は、極低温の流体と接触する構成であるので、ステンレススチールで製作できるが、この場合、前記第2座部13は極低温の流体に対する耐食性、加工性などを確保することができるため、耐久性が増大する。
【0043】
また、前記第2座部13は、前記ステム貫通部17に設置される構成であるので、前記ステム4が移動する場合に別途のガイドの役割も行う。
【0044】
したがって、このような本発明の一実施例に係る極低温バルブは、前記第2座部13を含むことにより、前記ディスク3を下方に下げて((1)方向)バルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスク3を上方に上げて((2)方向)バルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネット2への流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にも前記パッキング22の取り替え作業が可能である。また、前記第2座部13が前記ディスク3の上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスク3が前記第2座部13に当接するときに完璧に気密が維持できる。また、前記第2座部13が前記第1座部12と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部12および第2座部13の両方ともに活用することができる。また、前記第2座部13がステンレススチールで製作され、耐久性の向上を図ることができる。
【0045】
図7は本発明の他の実施例に係る極低温バルブの斜視図である。
【0046】
図7を参照すると、本発明の他の実施例に係る極低温バルブは、前記ボンネット2が、外周面上に垂設される垂直補強型フィン21をさらに含むことを特徴とする。
【0047】
前記垂直補強型フィン21は、前記ボンネット2の外周面上に垂直に、すなわち前記ボンネット2の長手方向に延設されるが、前記ボンネット2の外周面に多数個が設けられてもよい。
【0048】
前述したように、前記ボンネット2の内部には前記本体1の内部に流れる流体が流入するが、前記本体1の内部に流れる流体は極低温であり、前記駆動部は常温で作動するため、極低温の流体が前記駆動部に影響を及ぼさないようにしなければならないが、前記ボンネット2の長さを伸ばすうえ、前記ボンネット2の外周面上に多数の前記垂直補強型フィン21を含むことにより、流体が前記ボンネット2の内部を移動しながら外部からの熱伝達によって流体の温度は上昇するので、前記ボンネット2は前記駆動部が正常に作動し得るように流体の極低温から前記駆動部を隔離させる役割を果たすことができる。また、流体の温度上昇効果を増大させるためには、前記垂直補強型フィン21の断面形状が梯形または三角形の形状からなることが好ましく、末端部分が鋭ければ鋭いほど、流体の温度上昇効果は大きくなる。また、流体の温度上昇効果が大きくなる分だけ、前記ボンネット2の厚さを減らすことができる。
【0049】
この場合、従来のフィン23は、通常、前記ボンネット2の外周面上に水平に、すなわち前記ボンネット2の長手方向に対し直角に設けられるので、前述したように前記ボンネット2と一体にして生産することに多くの難しさがあった。これに対し、本発明によれば、前記垂直補強型フィン21は、前記ボンネット2の射出または押出成形の際に一体に生産することができるうえ、前記ボンネット2の厚さも減らすことができるため、生産性を向上させることができる。
【0050】
したがって、このような本発明の他の実施例に係る極低温バルブは、前記ボンネット2が、外周面上に垂設される多数の垂直補強型フィン21を含むことにより、前記ボンネット2の厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネット2と垂直補強型フィン21とを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施例を説明したが、このような実施例は本発明の技術的思想を実現する一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を実現する限りはいずれの変形例または修正例も本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】従来の極低温バルブの断面図である。
【図2】図1の‘A’部分の拡大図である。
【図3】本発明の一実施例に係る極低温バルブの斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る極低温バルブの断面図である。
【図5】図4のバルブを閉にした状態の「本体」部分の拡大図である。
【図6】図4のバルブを全開にした状態の「本体」部分の拡大図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る極低温バルブの斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 本体
2 ボンネット
3 ディスク
4 ステム
5 ヨーク
6 ポジショナー
7 アクチュエータ
8 ハンドル
11 開口部
12 第1座部
13 第2座部
14 中間膜
15 入口
16 出口
17 ステム貫通部
21 垂直補強型フィン
22 パッキング
23 フィン
24 隙間
31 第1傾斜面
32 第2傾斜面
121 傾斜面
122 内面
123 上面
131 傾斜面
132 内面
133 下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に開口部を有する本体と、前記本体に結合するボンネットと、前記本体の内部で前記開口部と前記ボンネットとの間を移動しながら前記開口部を開閉するディスクと、前記ディスクに連結され、前記ボンネットを貫通するステムと、前記ディスクおよび前記ステムを作動させ、前記本体を通過する流体を制御する駆動部とを含み、前記ディスクと前記開口部との当接部分には第1座部を、前記ディスクと前記ボンネットとの当接部分には第2座部を含むことにより、前記ディスクを下方に下げてバルブを閉にしたときだけでなく、前記ディスクを上方に上げてバルブを全開にしたときにも、流体の前記ボンネットへの流入を防止するように気密が維持されるため、システム運用の際にもパッキングの取り替え作業が可能であることを特徴とする極低温バルブ。
【請求項2】
前記第2座部が前記ディスクの上部に相応する形状をしており、前記バルブを全開にして前記ディスクが前記第2座部に当接するときに完璧に気密が維持されることを特徴とする請求項1に記載の極低温バルブ。
【請求項3】
前記第2座部が前記第1座部と同一の形状をしており、1種の座部を前記第1座部および第2座部の両方ともに活用することができることを特徴とする請求項1に記載の極低温バルブ。
【請求項4】
前記第2座部がステンレススチールで製作され、耐久性を向上させることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の極低温バルブ。
【請求項5】
前記ボンネットが、外周面上に垂設される垂直補強型フィンを含むことにより、前記ボンネットの厚さを減らすことができるうえ、前記ボンネットと前記垂直補強型フィンとを一体にして生産することができるため、生産効率を向上させることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の極低温バルブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−293794(P2009−293794A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196899(P2008−196899)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(508231751)ゾカン アイ.エル.アイ カンパニー,リミテッド (1)
【Fターム(参考)】