説明

楽曲検索装置、楽曲演奏装置及び楽曲検索プログラム

【課題】カラオケ装置など多数の楽曲を扱う装置を利用してギター演奏を行う際、自分の弾ける楽曲を検索する。
【解決手段】本発明に係る楽曲検索装置は、ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースを備え、指定ギターコードを指定する指定処理と、指定ギターコードとデータベースに基づいて楽曲を検索する検索処理と、を実行することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置などにおいて所望の条件に適合する楽曲を検索する楽曲検索装置および楽曲検索プログラム、ならびに、これらを利用して検索された楽曲を演奏する楽曲演奏装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケボックスやスナックなどのナイト店に設置されているカラオケ装置では、楽曲の演奏に合わせて歌唱を楽しむことが行われている。特許文献1、2には、歌唱のみならず楽器演奏を楽しむことのできるカラオケ装置が提案されている。
【0003】
特許文献1では、歌詞の近くにコード名を表示することで、歌い手と楽器演奏者が一体感をもって同じ演奏曲を楽しむことのできるカラオケ装置が開示されている。また、特許文献2では、カラオケ演奏されるパートの内、ミュート(消音)できるパートを表示し、利用者から指示されたパートをミュートし、当該パートのマイナスワン演奏を楽しむことのできるカラオケ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3551441号公報
【特許文献2】特開2001−100771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示される、楽器演奏を行うことのできるカラオケ装置では、画面にコード名を表示させて、演奏者に対してどのコードを演奏するべきかを指示し、楽譜を用いずとも演奏を楽しむことが可能となっている。
【0006】
楽器の中でもギターは、演奏する際に習得しなくてはならないギターコードが楽曲毎に異なり、ギターを練習し始めたばかりの演奏者などは、予め演奏したい楽曲を練習しておく、あるいは、自分が弾ける(知っている)ギターコードで演奏できる楽曲を調べておく必要がある。
【0007】
現在、カラオケ装置では、数万曲の中から歌唱する楽曲を選択することが可能となっている。従来、楽曲名あるいは歌手名などを検索項目として備えた冊子(歌本)にて歌唱したい楽曲を検索していたが、このような膨大の数の楽曲を扱うため、現在では楽曲のデータベースに基づいて検索可能なリモコン装置、いわゆる電子早見本が主流となっている。しかしながら、この電子早見本でも、楽器演奏を補助することは考慮されておらず、前述したような利用者が自分の演奏できる楽曲を検索し、その楽曲を楽しめるようにすることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る楽曲検索装置は、ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースを備え、指定ギターコードを指定する指定処理と、前記指定ギターコードと前記データベースに基づいて楽曲を検索する検索処理と、を実行することを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る楽曲検索装置において、前記検索処理は、前記使用ギターコード
が前記指定ギターコードに含まれる楽曲を検索することを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る楽曲検索装置において、前記検索処理は、前記使用ギターコードを移調した移調使用ギターコードが前記指定ギターコードに含まれる楽曲を検索することを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係る楽曲検索装置は、前記検索処理で検索された楽曲の前記使用ギターコードのうち、前記指定ギターコードが有していないギターコードの数を表示する表示処理を、実行することを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明に係る楽曲検索装置は、前記検索処理で検索された楽曲の前記使用ギターコードのうち、前記指定ギターコードが有していないギターコードのタブ譜を表示する表示処理を、実行することを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係る楽曲検索装置において、前記指定処理は、ユーザー情報に含まれるギターコード指定情報に基づいて前記指定ギターコードを指定することを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係る楽曲演奏装置は、ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースを備え、指定ギターコードを指定する指定処理と、前記指定ギターコードと前記データベースに基づいて楽曲を検索する検索処理と、楽曲に対応する楽曲情報を楽曲演奏手段に演奏させる演奏処理と、を実行することを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る楽曲検索プログラムは、指定ギターコードを指定する指定処理と、ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースにおいて、前記指定ギターコードと前記使用ギターコードに基づいて楽曲を検索する検索処理と、をコンピュータに実行可能とさせることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自分の弾けるギターコードを指定ギターコードとして指定し、ギター演奏時に使用される使用ギターコードを含むデータベースを検索することで、指定ギターコードのみで演奏できる楽曲、移調もしくはギターにカポを装着することで演奏できる楽曲、あるいは、演奏するために覚えなくてはならないギターコードをユーザーに提示することが可能となる。このような楽曲検索装置を多数の楽曲を取り扱う楽曲演奏装置に適用することで、ギター演奏を行うユーザーに対し、新しい観点での楽曲検索を提供することができる。
【0017】
さらに、本発明によれば、使用ギターコードが指定ギターコードに含まれている楽曲を検索することで、ユーザーは知っているギターコード、もしくは、弾けるギターコードのみで演奏できる楽曲を容易に知ることが可能となる。
【0018】
さらに、本発明によれば、使用ギターコードを移調した移調使用ギターコードが指定ギターコードに含まれる楽曲を検索することで、楽曲を移調、もしくは、ギターにカポを装着することで演奏可能となる楽曲を容易に知ることが可能となる。
【0019】
さらに、本発明によれば、検索された楽曲の使用ギターコードのうち、指定ギターコードが有していないギターコードの数を表示させることで、検索された楽曲が自分にとってどの程度の難易度、すなわち、当該楽曲を演奏するにあたりいくつのギターコードを習得する必要があるかを知ることが可能となる。
【0020】
さらに、本発明によれば、検索された楽曲の使用ギターコードのうち、指定ギターコードが有していないギターコードのタブ譜を検索時、あるいは、当該楽曲の演奏時に表示させることで、検索された楽曲を演奏する際、必要とされるギターコードの押さえ方(運指)を知ることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明によれば、ユーザー情報に予めギターコード指定情報を含ませておくことで、ユーザーは、検索の毎に指定ギターコードを指定することなく、指定ギターコードを利用した楽曲検索を行うことが可能となる。
【0022】
また、本発明は、楽曲演奏を行う楽曲演奏装置、あるいは、カラオケ装置やリモコン装置などの各種コンピュータにて実行可能な楽曲検索プログラムに適用することも可能である。特に、楽曲検索プログラムとして提供する場合には、各種コンピュータにおいて楽曲検索機能を追加することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示す図。
【図2】本発明の実施形態に係るトップ画面を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る楽曲属性情報のデータ構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る楽曲検索処理を示すフロー図。
【図5】本発明の実施形態に係る指定ギターコード入力画面を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係る検索結果表示画面を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面Aを示す図。
【図8】本発明の実施形態に係る楽曲演奏時のモニタ画面を示す図。
【図9】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面Bの様子を示す図。
【図10】本発明の実施形態に係る移調時、カポ取付時のタブ譜を示す図。
【図11】本発明の実施形態に係る楽曲演奏時のモニタ画面を示す図。
【図12】本発明の実施形態に係る楽曲演奏時のモニタ画面を示す図。
【図13】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面Cの様子を示す図。
【図14】本発明の実施形態に係る楽曲演奏時のモニタ画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、コマンダ2(カラオケ装置)と、リモコン装置1にて構成されており、これらは、LAN100にて、無線、有線で互いに接続されている。
【0025】
コマンダ2は、全体を統括制御する制御部30を中心として機能し、主な機能として、演奏処理、映像再生処理、選曲処理などを実行可能としている。演奏処理は、入力部21やリモコン装置1にてユーザーにより、指定された楽曲に対応する楽曲情報をMIDI音源26などの音源部にて演奏させ、スピーカー42から放音させる処理である。このとき、スピーカー42からはマイクロホン44から入力される音声や外部ギター44cから入力される演奏音も合わせて放音される。映像再生処理は、映像再生部29にて背景映像や歌詞情報などを再生させ、モニタ41を介して視覚情報をユーザーに提供する処理である。
【0026】
選曲処理は、ユーザーからの指定に基づいて楽曲を検索するための処理である。本実施形態では、リモコン装置1と連携して実行している。リモコン装置1の操作部17から入力されたユーザーの指令は、赤外線通信部19、23、あるいは、LAN100を介してコマンダ2に伝達される。コマンダ2での処理結果は、リモコン装置1側の表示部11に表示され、ユーザーは選曲のための各種情報を視認することが可能である。コマンダ2と
リモコン装置1は、この選曲処理に限らず、ユーザーから各種入力を受付けて、ログイン処理など各種処理を実行することが可能である。
【0027】
本実施形態に係る楽曲検索装置は、このコマンダ2とリモコン装置1との組み合わせで実現しているが、この形態に限らず、リモコン装置1のみ、あるいは、コマンダ2のみにて楽曲検索装置を実現することとしてもよい。本発明における制御手段は、リモコン装置1、コマンダ2であることを問わず、本発明における処理を実行するのに必要となる構成をいうものである。また、リモコン装置1、コマンダ2に対しインストール可能なプログラムとして提供することとしてもよい。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係るトップメニューを示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示させ、リモコン装置1を操作するユーザーに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種スイッチの他、表示部11に表示されたアイコンを直接タッチして操作を行うタッチパネル等を採用することができる。
【0029】
トップメニューには、楽曲選択のための各種方法を指定可能の他、ユーザーのログインに関する情報が表示されている。本実施形態では、楽曲選択として、歌手名、曲名を指定した検索を行うことができると共に、本発明の特徴となるギターコードにて楽曲を検索することが可能となっている。
【0030】
ユーザーのログインに関する情報は、画面上方に常時表示されたものとなっており、ログイン中のユーザーを示すアバターが表示される。図ではAさん、Eさん、Cさん、3人のアバターが表示されているが、更なる人数をログインさせることが可能であり、アバター右側に示される三角形のスイッチを操作することで、アバターをシフト表示させ、更なるメンバーの表示を行うことができる。表示されている3人のアバター中、背景が褐色であるものは、当該アバターに対応するユーザーが操作ユーザーであることを示している。本実施形態では、操作ユーザーのユーザー名、並びに、ユーザーに対して操作を促す各種メッセージも表示されている。
【0031】
操作ユーザーに対しては、予め記憶されているユーザー情報に基づいて各種サービスを行うことが可能となっており、操作ユーザーの個人情報や操作履歴などを参照することで、それに基づくサービスを提供することが可能である。特に、本発明ではこのユーザー情報中に指定ギターコードを記憶したギターコード指定情報を含ませておくことで、ユーザーは選曲時に指定ギターコードを指定することなく、楽曲検索を行うことも可能となる。
【0032】
操作ユーザーは、画面上方左側に表示されているユーザー切替を操作することで切り換えることができる。また、画面上方右側には、新たにユーザーをログインさせる新規ログイン、操作ユーザーをログアウトさせるログアウトが表示されており、これらを操作することで、ユーザーの追加、ログアウトを行うことができる。
【0033】
図3は、本発明の実施形態に係る楽曲属性情報のデータ構成を示す図である。このような楽曲属性情報の集合でデータベースが構成されている。楽曲属性情報には、楽曲ID、楽曲タイトル、歌手名、歌い出し、楽曲ジャンルといった、従来の楽曲検索に用いられる各種情報の他、使用ギターコードが含まれている。楽曲IDは、MIDI情報などで構成された楽曲情報と対応付けられており、楽曲IDに対応する楽曲情報を読み出して、MIDI音源に演奏させることで楽曲の演奏を実行することが可能となっている。
【0034】
使用ギターコードは、楽曲情報の演奏に併せてギター演奏を行う際、必要とされるギターコードを示す情報が含まれている。楽曲情報中には、演奏に同期して歌うべき歌詞を表
示させる歌詞情報の他、演奏すべきギターコードを表示させるためのギターコード情報が含まれている。通常、このギターコード情報にて表示させるギターコードが使用ギターコードに指定される。
【0035】
図4は、本発明の実施形態に係る楽曲検索処理を示すフロー図である。図2に示されるトップ画面において「ギターコードで探す」を指定することでこの楽曲検索処理が開始される。本実施形態では、楽曲検索を行う度、リモコン装置1の操作部17などを介して入力することとしているが、ユーザーが予め設定したユーザー情報中のギターコード指定情報を用いて自動で指定することとしてもよい。
【0036】
図5には、本発明の実施形態に係る指定ギターコード入力画面の一例が示されている。ユーザーは、この画面上において演奏可能なギターコードの指定を行う。図中、丸印が付されている箇所が指定ギターコードとして指定されたものであって、この場合、「C、D、E、G、A、C7、D7、G、A」が指定ギターコードとして指定されていることを示している。なお、ギターコードには6thなど図示した以外のものもあるが、図示された以外を指定可能としてもよいし、利用頻度の高いものに限定して指定可能とするものであってもよい。
【0037】
入力を終えたユーザーが「決定」ボタンを操作することで、指定したギターコードに基づく検索処理が実行され検索結果が表示される。この検索処理では、指定ギターコードのみならず、他の検索項目、例えば、楽曲タイトル、歌手名、楽曲ジャンル、歌い出しを併せて指定することで、検索対象を絞り込むことも可能である。図6は、本発明の実施形態に係る検索結果表示画面の一例を示したものであって、この例では歌手名を「あいうえお」に限定した場合が示されている。
【0038】
この検索結果表示画面には、検索結果の一覧(一部)が表示され、楽曲毎に、曲名、歌手名の他、アイコンで示されるコード状態、未知コード数などの表示項目が表示されている。ユーザーは、この中から所望の楽曲にタッチ、あるいは、カーソルを合わせるなどして選択することが可能となっている。
【0039】
表示項目中、コード状態は、当該楽曲の使用ギターコードと指定ギターコードとの関係を3種類のアイコンで表したものである。第1のアイコンは当該楽曲の使用ギターコードが指定ギターコードに含まれていること、すなわち、ユーザーは自分の弾けるギターコードにて演奏可能であることを示している。第2のアイコンは、当該楽曲の使用ギターコードを移調した移調使用ギターコードが指定ギターコードに含まれていること、すなわち、当該楽曲を移調させる、あるいは、ギターにカポ(カポタスト)を装着することで、ユーザーが演奏可能となることを示している。第3のアイコンは、第1のアイコン、第2のアイコンの場合の何れでもない場合であって、ユーザーが演奏できない、あるいは、知らないギターコードが当該楽曲に含まれていることを示している。
【0040】
表示項目中、未知コード数は、当該楽曲の使用ギターコード中のギターコードであって、指定ギターコードに存在しないギターコードの数を示した数値である。例えば、第1のアイコンが表示される楽曲では、未知コード数は0(ゼロ)となる。ユーザーは、これらコード状態、未知コード数を参考にして演奏したい楽曲を選択することができる。
【0041】
この検索結果表示画面にて楽曲が選択される(S104)と、選択された楽曲の種別(ここでは「コード状態」の項目別)に応じた楽曲確認画面が表示され、ユーザーは楽曲の詳細を確認すると共に、演奏に際しての各種指定を行うことができる。S105にて弾けるギターコードのみと判定、すなわち、第1のアイコンが表示された楽曲の場合には、図7に示される楽曲確認画面が表示される。本実施形態では、検索結果表示画面と同じ項目
が表示されているが、歌い出しなど他の項目を表示してもよい。ユーザーは「予約」ボタンを操作することで楽曲を決定する。決定された楽曲は、コマンダ2にて管理する予約リストに掲載され、予約した順で演奏が実行される。
【0042】
図8には、本発明の実施形態に係る楽曲演奏時におけるモニタ画面が示されている。画面には、演奏に同期して表示される歌詞映像の上部にはギターコード映像が表示される。歌詞映像、ギターコード映像は、それぞれ楽曲情報に含まれる歌詞情報、コード情報に基づいて表示される。ユーザーは、ギターコード映像にて、演奏すべきギターコードを確認することが可能となる。
【0043】
一方、S107にてキー変更して演奏可能な楽曲、すなわち、第2のアイコンが表示された楽曲と判定された場合には、図9に示される楽曲確認画面Bが表示される。なお、キー変更の候補が複数存在した場合には、最もキー変更数の少ないものが選択される。この画面では、楽曲に関する各種情報が表示される他、ユーザーは、演奏に際しキー(音程)を変更して演奏を実行させるか、ユーザー自身でギターにカポタストを装着して演奏するかを選択することが可能となっている。図では「キーを3下げる」「3フレットにカポ」の2つのボタンが表示され、ユーザーはこのボタンを選択することで、キーを変更するか、ギターにカポタストを装着して演奏するかを選ぶことができる。
【0044】
図10は、本発明の実施形態に係る移調時、カポタスト装着時のタブ譜を説明する図である。図10(a)は、楽曲中にて使用されるギターコード、すなわち、使用ギターコードの一例を示した図である。例えば、ユーザーがFのようにバレーコードを演奏することができず、指定ギターコードとしてC、D、E、G、Aのようなローコードのみを指定している場合を考えてみる。この場合、図10(b)に示されるようにキーを−3下げることで、当該楽曲は指定ギターコードにて演奏可能となる。あるいは、3フレットにカポタストを装着することで、ギターコードはF、G、Cのまま、D、E、Aのローコードの押さえ方(運指)で演奏可能となる。
【0045】
図9では、図10(b)のように楽曲のキー(音程)を変更して演奏させることで、指定ギターコードにて演奏可能とさせるか、もしくは、図10(c)のようにカポタストをギターに装着させ、指定ギターコードの運指で演奏可能とさせることとしている。なお、これらどちらかを選択せずに、楽曲を予約することも可能(S110にてNoを選択)であって、その場合、後で説明する確認画面Cと同様に、ユーザーが覚えていない、あるいは、習得していない未知ギターコードが表示される。
【0046】
図9にて「キーを3下げる」を選択して、楽曲が予約された場合、当該楽曲に対応する楽曲情報は、音程を3下げて演奏される。図11には、この場合の楽曲演奏時のモニタ画面が示されている。図8のモニタ画面と同様、背景映像上には、歌詞映像とギターコード映像が表示されている。楽曲情報が音程を3だけ下げて演奏されることに合わせて、ギターコード映像も音程を3だけ下げて表示される。
【0047】
一方、図9にて「3フレットにカポ」を選択して、楽曲が予約された場合、当該楽曲に対応する楽曲情報は、本来の音程、すなわち、音程変更のないまま演奏される。図12には、この場合の楽曲演奏時におけるモニタ画面が示されている。背景映像上に歌詞映像とギターコード映像が表示されることとなるが、ギターコード映像は、実際に演奏するギターコード名ではなく、ローコードにおける運指でのギターコード名が表示される。表示されているギターコード名「D、E、A」は、3フレットにカポタストを装着した演奏では「F、G、C」となる。
【0048】
このように、S107にてキー変更して演奏可能と判定された場合には、キー変更して
楽曲情報を演奏させるか、あるいは、指定されたフレットにカポタストを装着して演奏させることで、ユーザーは指定ギターコードの運指で演奏可能となる。
【0049】
S107にてキー変更して演奏可能と判定されなかった楽曲、すなわち、第3のアイコンが表示された楽曲の場合には、図13に示される楽曲確認画面Cが表示される。この場合、楽曲に関する情報の他、当該楽曲における使用ギターコードの内、指定ギターコードに含まれていないギターコードのタブ譜が表示され、ユーザーは、当該楽曲を演奏するに際し、覚える必要のあるギターコード、並びに、その運指を事前に知ることが可能となる。また、ユーザーはタブ譜を確認することで、当該楽曲を演奏するか否かを判断することも可能となる。図では、C7、Asus4の2つのタブ譜が表示されている。
【0050】
図14には、この場合の楽曲演奏時のモニタ画面が示されている。図8のモニタ画面と同様、背景映像上には、歌詞映像とギターコード映像が表示されている。楽曲情報は、音程変更せずにMIDI音源26などにて演奏される。また、図に示されるように、歌詞映像には、ギターコード名に加えて当該ギターコードのタブ譜を表示することが好ましい。特に、指定ギターコードに含まれていないギターコードについてタブ譜を表示することで、ユーザーは覚えていないギターコードを確認しつつ演奏を行うことが可能となる。
【0051】
以上、本発明では、予めユーザーが知っている、あるいは、弾くことのできるギターコードを指定ギターコードとして指定しておき、ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶したデータベースを検索することで、ユーザーは演奏可能である楽曲などを容易に知ることが可能となる。特に、カラオケ装置のように膨大な数の楽曲を収録した楽曲演奏装置では、膨大な数の楽曲から演奏可能な楽曲を選択することが可能となる。ここでは、楽曲検索装置をカラオケ装置に適用した場合の実施形態を説明したが、カラオケ装置に限らず、電子楽器など他の楽曲演奏装置に適用することも可能である。さらに、電子化したギターの教則本、あるいは、インターネットにおける楽曲検索など各種楽曲の検索に利用することも可能である。
【0052】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0053】
1…リモコン装置、11…表示部、12…ビデオRAM、13…映像制御部、14…メモリ、15…制御部、16…無線LAN通信部、17…操作部、18…操作処理部、19…赤外線通信部、2…コマンダ(カラオケ装置)、21…操作部、22…操作処理部、23…赤外線通信部、24…インターフェイス部、25…音声制御部、26…MIDI音源、27…メモリ、28…ビデオRAM、29…映像再生部、30…制御部、31…映像制御部、32…ハードディスク、41…モニタ、42…スピーカー、44a、44b…歌唱用マイク、44c…外部ギター、100…LAN、110…アクセスポイント、120…ルータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースを備え、
指定ギターコードを指定する指定処理と、
前記指定ギターコードと前記データベースに基づいて楽曲を検索する検索処理と、を実行することを特徴とする
楽曲検索装置。
【請求項2】
前記検索処理は、前記使用ギターコードが前記指定ギターコードに含まれる楽曲を検索することを特徴とする
請求項1に記載の楽曲検索装置。
【請求項3】
前記検索処理は、前記使用ギターコードを移調した移調使用ギターコードが前記指定ギターコードに含まれる楽曲を検索することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の楽曲検索装置。
【請求項4】
前記検索処理で検索された楽曲の前記使用ギターコードのうち、前記指定ギターコードが有していないギターコードの数を表示する表示処理を、実行することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の楽曲検索装置。
【請求項5】
前記検索処理で検索された楽曲の前記使用ギターコードのうち、前記指定ギターコードが有していないギターコードのタブ譜を表示する表示処理を、実行することを特徴とする
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の楽曲検索装置。
【請求項6】
前記指定処理は、ユーザー情報に含まれるギターコード指定情報に基づいて前記指定ギターコードを指定することを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の楽曲検索装置。
【請求項7】
ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースを備え、
指定ギターコードを指定する指定処理と、
前記指定ギターコードと前記データベースに基づいて楽曲を検索する検索処理と、
楽曲に対応する楽曲情報を楽曲演奏手段に演奏させる演奏処理と、を実行することを特徴とする
楽曲演奏装置。
【請求項8】
指定ギターコードを指定する指定処理と、
ギター演奏時に使用する使用ギターコードを楽曲に対応付けて記憶するデータベースにおいて、前記指定ギターコードと前記使用ギターコードに基づいて楽曲を検索する検索処理と、をコンピュータに実行可能とさせることを特徴とする
楽曲検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−78478(P2012−78478A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222314(P2010−222314)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】