構内交換装置
【課題】受付者と受付支援者との連携を効率よくきめ細やかに行うことできる利便性が高い構内交換機を提供する。
【解決手段】局線を接続する複数の局線接続制御ボード110と、音声をミキシングする音声ミキシングボード112と、受付電話、受付支援電話を含む内線電話を接続する複数の電話接続制御ボード111a〜111nとを収容する通話路スイッチ101及びCPUによる制御手段102を備える。制御手段102は、局線からの着信を受付け、局線との通話を継続させならがら、複数の受付支援電話機を呼び出し、打合せ等が可能なようにする。
【解決手段】局線を接続する複数の局線接続制御ボード110と、音声をミキシングする音声ミキシングボード112と、受付電話、受付支援電話を含む内線電話を接続する複数の電話接続制御ボード111a〜111nとを収容する通話路スイッチ101及びCPUによる制御手段102を備える。制御手段102は、局線からの着信を受付け、局線との通話を継続させならがら、複数の受付支援電話機を呼び出し、打合せ等が可能なようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換装置に係り、特に、コールセンター等で公衆網からの着信呼に受付者が応答する業務等に用いて好適な構内交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、局線から電話機B1への着信要求に対して電話機B2が応答し、局線と電話機B2との間の通話を電話機B1がモニタすることができるように通話路スイッチ回路を接続し、電話機B1の利用者が局線と電話機B2とり間の通話を聞き、局線の利用者の通話の趣旨を理解した後、電話機B2の利用者による機能ボタンの押下により、通話路スイッチ回路を、電話機B1と電話機B2との間を双方向に接続し、電話機B1と電話機B2とが局線の利用者からの音声をモニタできるよう接続し、電話機B2の利用者が、電話機B1の利用者に通話の意思を確認し、電話機B1の利用者が通話の意思がある場合に、局線の利用者との通話を電話機B1へ転送するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−262323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来技術は、局線から着信要求のあった電話機の利用者が応答し、局線の利用者とその着信要求のあった電話機の利用者との通話音声を、他の電話の利用者がモニタしながら着信に応答した電話機の利用者とモニタを行っている他の電話機の利用者との間で打合せの通話をした後、着信に応答した電話機と局線との通話に、モニタを行っている他の電話機が割込み通話を行ったり、その後、再び局線の利用者とその着信要求のあった電話機の利用者との通話音声を他の電話の利用者がモニタしながら、着信に応答した電話機とモニタを行っている他の電話機との通話に切り替えるというようなことを行うことができないものであった。
【0005】
本発明の目的は、前述したような点に鑑み、コールセンター等の受付業務において、受付者と受付支援者との連携を効率よく、きめ細やかに行うことのできる利便性の高い構内交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば前記目的は、局線を接続する複数の局線接続制御ボードと、音声をミキシングする音声ミキシングボードと、内線電話を接続する複数の電話接続制御ボードとを収容する通話路スイッチ及びCPUによる制御手段を備えた構内交換装置において、前記複数の電話接続制御ボードのそれぞれには、受付者が使用する1または複数の受付電話及び受付支援者が使用する1または複数の受付支援電話が接続されており、前記制御手段は、前記局線からの着信の報告を前記局線接続制御ボードから受けて、前記受付電話と前記局線接続制御ボードとを接続して、局線からの発信者と受付者との間での通話を行わせ、前記受付電話の受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話に対する呼び出しボタンが押下されると、前記受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話の呼び出しを行うと共に前記ミキシングボードを補足して前記局線からの発信者と受付者との間での通話パスを前記ミキシングボードを介するように接続し、前記受付支援者の少なくとも1人が応答すると、その受付支援者が使用した受付支援電話と前記ミキシングボードとの間を1方向パスにより接続して受付支援者に前記局線からの発信者と受付者との間での通話をモニタさせ、前記受付電話または前記受付支援電話の打合せボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話との間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記受付者と前記受付支援者との間で打合せを行うことができるようにし、前記受付電話または前記受付支援電話の割込みボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話と前記局線接続制御ボードとの間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記局線からの発信者と受付者と受付支援者との間で通話を行うことができるように制御することにより達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コールセンター等の受付者と受付支援者との連携を効率よくきめ細やかに行って、発信者に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による構内交換装置の構成例を示すブロック図ある。
【図2】多機能電話端末の盤面に設けられた機能キーの配置例を示す図である。
【図3】図2により説明した機能キーの種別毎の状態とLEDによるランプの表示の状態とを関連付けた制御データの構成例を示す図である。
【図4】受付電話機及び受付支援電話機に割り当てられた内線番号毎に各電話機が備えるボタンのボタン種別に関する設定内容を示す電話機管理データの構成例を示す図である。
【図5】受付支援グループ番号毎に受付支援グループに属する支援者の内線番号を対応付けた設定内容を示す管理データの構成例を示す図である。
【図6】受付電話機及び受付支援電話機に割り当てられた内線番号毎に電話機の状態と関連付けされて動的に登録される管理データの構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における複数の受付支援者の呼出し処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図8】本発明の実施形態における受付者と受付支援者との打ち合わせ処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図9】本発明の実施形態における受付支援者からの割り込み処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図10】本発明の実施形態における音声パスの接続状態を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態でCPUが発信者と受付者との通話中に受付者が受付支援者を呼出す処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態で受付者が打ち合わせボタンを押下したときに打ち合わせ状態に遷移させる際のCPUでの処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態で受付者が割込みボタンを押下したときに割込み状態に遷移させる際のCPUでの処理動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による構内交換装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態による構内交換装置の構成例を示すブロック図ある。
【0011】
本発明の実施形態による構内交換装置100は、図1に示すように、通話路スイッチ(TSW)101と、中央制御装置(CPU)102と、記憶装置(MEM)103と、制御バス104と、局線接続制御ボード(COT)110と、複数の多機能電話端末接続制御ボード(LINa〜LINn)111a〜111nと、音声ミキシング用会議ボード(CFT)112と、音声記憶ボード113とを備えて構成されている。
【0012】
前述において、中央制御装置102は、制御バス104を介して構内交換装置100及び記憶装置103に接続され、構内交換装置100の全体を制御する中央制御装置であり、各条件において、様々なプログラムを実行する。記憶装置103は、中央制御装置102と制御バス104を介して接続されており、中央制御装置102からの指示により、中央制御装置102とデータの授受を行い、交換動作制御プログラム等の各種プログラム、及び、構内交換装置の内線データ、局データ、制御データなどの各種データを記憶すると共に、交換動作を実行するときに一時的に中央制御装置102により利用される情報を記憶する記憶装置である。また、通話路スイッチ101は、中央制御装置102と制御バス104を介して接続されており、中央制御装置102からの指示により通話路の接続、切断等を行う。
【0013】
また、局線接続制御ボードCOT110は、公衆網120を構内交換装置100の通話路スイッチ101に接続するための接続ユニットであり、この回線接続制御ボードCOT110の内部には、図示しない制御装置が内蔵されている。この回線接続制御ボードCOT110は、公衆網120に収容されている局線接続者が使用する電話機130からの発呼情報(着信情報)、ダイヤル情報、切断情報等の各種情報を中央制御装置102に通知すると共に、中央制御装置102から公衆網120を経由して局線接続者が使用する電話機130へのリンギング情報、着信情報等の各種情報を局線接続制御ボードCOT110内の制御装置に通知することにより、公衆網120に対する制御を実行している。
【0014】
多機能電話端末制御ボード111a〜111nは、多機能電話端末140及び150a〜150nを構内交換装置100の通話路スイッチ101に接続するための接続ユニットであり、この多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれの内部には、図示しない制御装置が内蔵されている。この多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれは、多機能電話端末140及び150a〜150nからの発呼情報(着信情報)、ダイヤル情報、切断情報等の各種情報を中央制御装置102に通知すると共に、中央制御装置102から多機能電話端末140及び150a〜150nを制御するためのランプ情報、表示情報(LCD表示情報)、リンギング情報、着信情報等の各種情報を多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれの制御装置に通知することにより、多機能電話端末140及び150a〜150nに対する制御を実行している。
【0015】
音声ミキシング用会議ボード112は、局線接続制御ボード110及び多機能電話端末制御ボード111a〜111nを接続し、局線接続制御ボード110及び多機能電話端末制御ボード111a〜111nからの音声を音声をミキシングして打合せ通話を行うユニットである。
【0016】
音声記憶ボード113は、音声を録音及び再生する機能を有し、前もって通話時の背景雑音、例えば、事務所内での人々の会話、室内雑音等を記録しておき、打合せ時に局線接続制御ボード110に接続して背景雑音を送信するユニットである。
【0017】
図2は多機能電話端末104、150a〜150nの盤面に設けられた機能キーの配置例を示す図である。
【0018】
多機能電話端末140及び150a〜150nの盤面200には、多数の機能キーが設けられており、それらの機能キーのそれぞれには、ボタン番号01から任意のボタン番号までのボタン番号が付与されている。図2に示す例では、ボタン番号37〜48の番号が付与されて機能キーが配置されている部分のみを示している。
【0019】
図2において、ボタン番号45〜48の番号が付与されている機能キー221、231、241は、それぞれ、局線と受付者との通話内容を受付支援者にモニタさせるために、音声パスの接続を切り替えるためのモニタボタン、局線の音声をモニタしながら受付者及び複数の受付支援者相互間で通話をするために、音声パスの接続を切り替えるための打合せボタン、局線、受付者及び複数の受付支援者相互間で通話をするために、音声パスの接続を切り替えるための割込みボタンである。これらの機能キーには、隣接して、そのキーに連動してボタンの状態を可視表示するLED220、230、240が設けられている。LED220は、モニタボタン220に連動し、モニタ中、モニタ中以外の状態を可視表示する。LED230は、打合せボタン231に連動し、打合せ中、打合せ中以外の状態を可視表示する。LED240は、割込みボタン241に連動し、割込み中、割込み中以外の状態を可視表示する。
【0020】
また、ボタン番号41〜44の番号が付与されている機能キーは、複数の受付支援者を同時に呼び出すときに使用する機能キーであり、グループ1からグループ4の名称が付与されている。なお、本発明の実施形態は、受付支援者の複数がグループを構成することとしているが、受付支援者が1人であってもよい。そして、これらの機能キーにも、前述したと同様に、そのキーに連動してキーの状態を可視表示するLEDが設けられている。これらのLEDのそれぞれは、グループ呼び出し用のボタンに連動し、呼出中、通話中、空き等の状態を可視表示する。また、ボタン番号37〜40の番号が付与されている機能キーは、受付支援者を含む個々のユーザの呼び出し等に使用する内線ボタンである。そして、ボタン番号39、40の番号が付与されている機能キーは、受付支援者の内線呼び出し用の内線ボタン249、251であり、図示例では、内線番号として、201、202が付与されている。これらのボタンに隣接して設けられるLED248、250は、内線ボタン249、251に連動し、発信中、通話中、空き等の状態を可視表示する。
【0021】
次に、記憶装置103に記憶される制御データの内容についてを、図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜6に示していテーブルは、それぞれ予め呼制御時の条件として記憶装置103に記憶されている局データの一部である。
【0022】
図3は図2により説明した機能キーの種別毎の状態とLEDによるランプ表示の状態とを関連付けた制御データの構成例を示す図である。
【0023】
図3に示すテーブルは、ボタン種別300毎に、ボタンの状態301とそれに対応するLEDによるランプ表示の状態302とが対応付けられたデータを格納して構成されている。そして、例えば、ボタン種別がモニタボタンについて見ると、モニタ中の態ではLEDが緑点灯、モニタ中以外ではLED滅灯となっている。また、例えば、ボタン種別が支援者内線ボタンについて見ると、支援者呼出し中ではLEDが緑点滅、支援者応答中ではLEDが緑点灯、支援者打合せ要求中ではLEDが赤点滅、支援者割込み要求中では黄点滅となっている。他のボタンについての説明を省略するが、他のボタンについても、そのボタンの状態に応じて、図3に示すように、LEDの点灯、点滅、滅灯等が制御されることになる。
【0024】
図4は受付電話機140及び受付支援電話機150a〜150nに割り当てられた内線番号毎に各電話機が備えるボタンのボタン種別に関する設定内容を示す電話機管理データの構成例を示す図である。
【0025】
図4に示すテーブルは、各電話機の内線番号400と、各電話機が備える機能ボタンに対応するボタンインデックスであるボタン番号401と、各電話機のボタンインデックスに関連付けられる機能ボタンのボタン種別402とを対応付けたデータを格納して構成されている。そして、例えば、内線番号400における内線200の電話機について見ると、内線200のボタン番号01には、機能ボタンのボタン種別が未実装として割付けされていないことが示されている。また、内線200のボタン番号39には内線201が割付けされ、ボタン番号40には内線202が割付けされ、ボタン番号41には受付支援グループ001が割付けされ、ボタン番号42には受付支援グループ002が割付けされ、ボタン番号46にはモニタボタンが割付けされ、ボタン番号47には打合せボタンが割付けされ、ボタン番号48には割込みボタンが割付けされていることを示している。
【0026】
図5は受付支援グループ番号毎に受付支援グループに属する支援者の内線番号を対応付けた設定内容を示す管理データの構成例を示す図である。
【0027】
図5に示すテーブルは、受付支援グループ番号500と、この支援グループに属する支援者の内線番号501とを対応付けたデータを格納して構成されている。図5に示している受付支援グループ番号500が受付支援グループ001であるグループについて見ると、受付支援グループ001に属する支援者の内線番号501は、内線201と内線202とが所属するグループであることが示されている。また、例えば、他の支援グループ番号500が受付支援グループ002であるグループについて見ると、受付支援グループ002に属する支援者の内線番号501は、内線202と内線203と内線204とが所属するグループであることが示されている。
【0028】
図6は受付電話機140及び受付支援電話機150a〜150nに割り当てられた内線番号毎に電話機の状態と関連付けされて動的に登録される管理データの構成例を示す図である。
【0029】
図6に示すテーブルは、内線番号600毎に、その内線の内線状態を対応付けたデータを格納して構成されている。図6に示す例では、例えば、内線番号600が内線200である電話機の状態が受付通話中、内線番号600が内線201である電話機の状態が打合せ要求中、内線番号600が内線202である電話機の状態がモニタ中であることを示している。
【0030】
図7は本発明の実施形態における複数の受付支援者の呼出し処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0031】
(1)公衆網を介して発信者からの着信があると、COT110がその着信を検出する。そして、COT110は、着信があったことを検出するとCPU102に対し着信検出を通知する(ステップS701、S702)。
【0032】
(2)CPU102は、着信検出の通知を受けて、受付電話140(内線200)に呼び出し音を送信して、受付電話140のベルを鳴動させて受付者を呼び出すと共に、受付者に着信を可視表示する(ステップS703)。
【0033】
(3)受付者が受付電話140の送受話器を上げて応答(オフフック)すると、受付電話機140は、CPU102に対して受付電話140が応答したこと通知する。この通知を受けたCPU102は、COT110と受付電話140との間の音声パスを接続し、発信者と受付者とが双方向通話を行うことを可能とする(ステップS704)。
【0034】
(4)受付者が、外線からの発信者との通話内容により受付支援が必要と判断した場合、支援してもらいたい内容により、受付者は、電話機の盤面に割付けられている受付支援グループボタンの1つ、ここでは、グループ1のボタンを押下する。受付電話機140は、受付支援グループボタンのグループ1が押されたことをCPU102に通知する(ステップS705)。
【0035】
(5)CPU102は、受付支援グループに該当する受付支援電話150a及び受付支援電話150bのに呼び出し音を送信して、受付支援電話のベルを鳴動させて受付支援者を呼び出すと共に着信を可視表示し、また、CFT112を捕捉し、受付電話140と捕捉したCFT112とを双方向にパス接続し、COT110とCFT112との音声も双方向にパス接続することにより、発信者と受付者とがCFT112を介して双方向の通話を継続することができるようにする(ステップS706、S707)。
【0036】
(6)また、CPU102は、呼出中の受付支援者を受付者に可視表示させるため、受付電話140の該当するボタンのLEDに呼出中表示を通知する。これにより、受付電話140は、盤面の該当する内線ボタンのLEDを呼出中に表示にする(ステップS708)。
【0037】
(7)受付支援者、ここでは受付支援電話aを使用する受付支援者が応答すると、その受付支援電話150aは、CPU102に対し支援者応答を通知する。この通知を受けたCPU102は、受付支援電話150aの該当するボタンのLEDに対しモニタ中のボタン表示を通知する。これにより、受付支援電話150aは、LEDを点灯させ受付支援者がモニタ中であることを可視表示する。そして、CPU102は、CFT112から受付支援電話aに片方向パスを接続することにより、発信者と受付者との通話を受付支援者が使用する受付支援電話aに送出する。これにより、受付支援者は、発信者と受付者との通話のモニタを開始する(ステップS709、S710)。
【0038】
(8)CPU102は、受付支援者が応答したことを受付電話140に通知し、受付電話140の盤面の該当する内線ボタンをモニタ中表示にさせる(ステップS711)。
【0039】
(9)その後、もう一方の受付支援者が応答すると、その受付支援者が使用する受付支援電話bについても、ステップS709からステップ711の処理と同様の操作及び制御が行われ、もう一方の受付支援者は、発信者と受付者との通話のモニタを開始する。これにより、以後、発信者と受付者との通話のモニタが2人の受付支援者により行われることになる(ステップ712〜714)。
【0040】
図8は本発明の実施形態における受付者と受付支援者との打ち合わせ処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0041】
(1)図7により説明したステップS713の処理の後に、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112からの片方向パス接続を行って発信者と受付者との通話のモニタを2人の受付支援者が行っている状態で、受付支援電話150aを使用している受付支援者が発信者と受付者の通話内容について受付者にアドバイスを行ったり、受付者を介して発信者に質問等を行ってもらいたい要求が発生した場合、その受付支援者は、受付支援電話150aの打合せボタンを押下する。これにより、受付支援電話150aは、CPU102に打合せボタンが押下されたことを通知する(ステップS801)。
【0042】
(2)CPU102は、受付支援者に打合せ要求中であることを可視表示するため、受付支援電話150aに対し打合せ要求中を通知し、受付支援電話aのLEDを打合せ要求中を示すように制御させる(ステップS802)。
【0043】
(3)また、CPU102は、受付者に対して受付支援者が打合せ要求中であることを可視表示するため、受付電話140に対し打合せ要求中を通知する。受付電話140は、この通知により、受付支援者が使用する受付支援電話呼び出しボタンである自電話の内線ボタンの内線201のLEDを打合せ要求中に表示させる(ステップS803)。
【0044】
(4)受付者が打合せ要求を確認し、発信者との通話に支障がないタイミングで受付電話140の打合せボタンを押下すると、受付電話140は、CPU102に対し打合せボタンの押下を通知する(ステップS804)。
【0045】
(5)CPU102は、COT110からの音声パスの接続をCFT側に片方向に接続し、受付電話140と受付支援電話150aとをCFT112を介して双方向接続することにより、受付者と受付支援者とが、発信者の音声をモニタしながら打合せ通話を行うことを可能とする。この際、受付支援電話150bを利用する受付支援者は、CFT112と片方向接続を継続することにより、発信者からの音声と、受付電話140及び受付支援電話150aの打ち合わせの音声を聴取し続ける。また、CPU102は、予め背景雑音、例えば、オッフィス内の遠くの席に居る人の会話、事務機器等の操作音、あるいは、音楽等を記憶したVREC113からの片方向パスをCOT110接続し、発信者に対して前述したような背景雑音を聴取させ、受付者との通話が継続していると認識させて片方向通話になったことによる違和感を与えないようにする。そして、CPU102は、打合せ状態であることを受付電話及び受付支援電話に通知する(ステップS805)。
【0046】
(6)その後、前述したような受付者と受付支援者とによる打合せ状態に、受付支援電話150bを利用する受付支援者が追加参加したい場合、その受付支援者は、受付支援電話150bの打合せボタンを押下する。これにより、受付支援電話150bは、CPU102に打合せボタンの押下を通知する(ステップS806)。
【0047】
(7)CPU120は、CFT112と受付支援電話150bとを双方向通話接続することにより、発信者の音声をモニタさせながら受付電話と複数の受付支援電話とで打合せ通話を行うことが可能な状態とし、打合せ状態であることを受付支援電話150bに通知、受付支援電話機bのLEDを打合せ状態を示すように表示させる(ステップS807)。
【0048】
(8)その後、受付者が発信者との通話に戻る場合、受付者は、受付電話140の支援者モニタボタンを押下する。受付電話140は、CPU102に対しモニタボタンの押下を通知する。CPU102は、この通知を受けて、COT110と受付電話140とのパスをCFT112を介して双方向接続させ、受付支援電話150a及び受付支援電話機150bのパスを片方向接続とする。これにより、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112からの片方向パス接続を行って発信者と受付者との通話のモニタを2人の受付支援者が行っている状態となる。そして、CPU102は、受付支援者がモニタ状態になったことを受付電話140及び受付支援電話105a、150bに通知する。受付電話及び受付支援電話は、モニタボタンに対応するLEDを点灯させ、受付者及び受付支援者に受付支援者がモニタ状態に移行したことを認識させる(ステップS808、S809)。
【0049】
(9)また、図示しない条件により、受付者が受付電話機140の打合せボタンを押下すると、受付支援電話を利用する受付支援者との打合せ要求の状態に関わらず、受付支援モニタ中の受付支援電話を打合せ状態に引き込むことができる。この場合、受付者は、受付電話機140の打合せボタンを押下する。これにより、受付電話150aは、CPU102に対し打合せボタンの押下を通知する。この通知を受けたCPU102は、COT110からの音声をCFTに片方向接続し、受付電話140、受付支援電話150a及び受付支援電話150bをCFTを介して双方向接続して、受付者及び受付支援者が発信者の音声をモニタしながら打合せ通話を行うことができるようにする。その後、CPU102は、打合せ状態であることを受付電話140及び受付支援電話150a、150bに通知する(ステップS810、S811)。
【0050】
前述したシーケンスでの処理では、受付支援者からの打合せの要求により、受付者と受付支援者とが打合せを行うこととしているが、受付者から打合せの要求を行って、受付者と受付支援者とが打合せを行うようにしてもよい。
【0051】
図9は本発明の実施形態における受付支援者からの割り込み処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0052】
(1)COT110と受付電話140とがCFT112に双方向パス接続され、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112から片方向パス接続されて発信者と受付者との通話のモニタが2人の受付支援者により行われている状態で、受付支援電話150aを利用する受付支援者が発信者と受付者の通話に割込み通話を行おうとする場合、その受付支援者は、受付支援電話150aの割込みボタンを押下する。これにより、受付支援電話機150aは、CPU102に割込みボタンの押下を通知する(ステップS901)。
【0053】
(2)CPU102は、割込みボタンの押下を通知を受けると、受付支援者が使用した受付支援電話150aに割込み要求中であることを可視表示させるため、受付支援電話150aに対し割込み要求中を通知すると共に、受付者に受付支援者が割込み要求中であることを可視表示するため、受付電話140に対し割込み要求中を通知する(ステップS902、S903)。
【0054】
(3)受付電話140は、前述の割込み要求中の通知を受けて、受付支援者が使用している内線201ボタンのLEDを割込み要求表示にする。受付者が、割込み要求を確認し、発信者に割込み通話を行うことの了解を得て割込みボタンを押下すると、受付電話140は、CPU102に対し割込みボタン押下を通知する(ステップS904)。
【0055】
(4)CPU102は、受付支援電話150aをCFT112に双方向接続することにより、発信者、受付者及び受付支援電話150aを使用する受付支援者の3者で打合せ通話を行うことを可能とする。このとき、他の受付支援者が使用する受付支援電話150bは、CFT112への片方向接続が継続されることにより、発信者と受付電話140と受付支援電話150aを使用する受付支援者の音声の聴取を続ける。そして、CPU102は、割込み状態であることを受付電話140及び受付支援電話150aに通知する(ステップS905)。
【0056】
(5)前述した割り込みによる3者での打ち合わせ通話に、受付支援電話150bを使用する受付支援者が追加参加する場合、その受付支援者は、受付支援電話150bの割込みボタンを押下する。これにより、受付支援電話150bは、CPU102に割込みボタンの押下を通知する(ステップS906)。
【0057】
(6)CPU102は、CFT112と受付支援電話150bとを双方向に通話パスを接続することにより、発信者、受付電話及び複数の受付支援電話での割込み通話による4者での通話を可能とし、また、割込み状態であることを受付支援電話150bに通知する(ステップS907)。
【0058】
(7)受付者が発信者との通話に戻る場合、図8により説明した受付電話140の支援者モニタボタンを押下した場合と同様の処理となる(ステップS908、S909)。
【0059】
(8)また、図示しない条件により、受付者が受付電話機140の割込みボタンを押下すると、受付支援電話の割込み要求の状態に関わらず、受付支援モニタ中の受付支援電話を割込み状態に引き込むことができる。この場合、受付者は、使用している受付電話140の割込みボタンを押下する。受付電話150aよりCPU102に対し割込みボタン押下を通知する。CPU102は、この通知を受け、受付支援電話150a及び受付支援電話150bとCFT112とを双方向にパス接続することにより、発信者、受付者及び受付支援者で割込み通話を行わせることができ、また、割込み状態であることを受付電話及び受付支援電話に通知する(ステップS910、S911)。
【0060】
図10は本発明の実施形態における音声パスの接続状態を説明する図である。図10において、J1001は受付支援者呼出中状態、J1002は支援者モニタ中状態、J1003は打合せ状態、J1004は割込み通話状態を示している。
【0061】
図10において、受付支援者呼出中状態J1001では、COT110と受付電話140を接続する多機能電話端末制御ボードLINaとの間の音声パスがCFT112を介して接続されている。このJ001の受付支援者呼出中状態J001で受付支援者が応答すると、受付支援者が使用する受付支援電話を接続する多機能電話端末制御ボード例えばLINbとCFT112との間に音声パスが追加して設定されて、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。そして、この受付支援モニタ状態J1002で受付者が打合せボタンを押下すると、音声記憶ボードVREC113とCOT110との間に、新たな音声パスが追加して設定されて、打合せ状態J1003に遷移する。また、この打合せ状態J1003で受付者が支援者モニタボタンを押下すると、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。さらに、受付支援モニタ状態J1002で受付者が割込みボタンを押下すると、音声パスをそのままとして、割込み状態J1004に遷移する。この割込み状態J1004で受付者が支援者モニタボタンを押下すると、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。
【0062】
図11は本発明の実施形態でCPU102が発信者と受付者との通話中に受付者が受付支援者を呼出す処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図7により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0063】
(1)受付者が受付電話140の図2に示す盤面の受付支援者グループ番号を押下すると、CPUは、図4に示して説明した制御データのボタン種別に関する設定内容から押下された該当内線番号のボタン番号からボタン種別を抽出し、受付支援グループボタンか否かを判定し、受付支援グループボタン以外であった場合、別なボタン操作であるため、ここでの本処理を終了する(ステップS1101、S1102)。
【0064】
(2)ステップS1102の判定で、ボタン種別が受付支援グループボタンであった場合、使用可能なCFT112があり捕捉可能か否かをチェックし、CFT112が捕捉が可能か否かを判定し、CFTの補足が不可の場合、ここでの処理を終了する(ステップS1103、S1104)。
【0065】
(3)ステップS1104の判定でCFT112が捕捉可能であった場合、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、抽出した受付支援内線について、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データからそれぞれの内線電話の状態を抽出する(ステップS1105、S1106)。
【0066】
(4)そして、内線電話の状態を判定し、呼出し可能な受付支援者がなかった場合、ここでの処理を終了し、呼出し可能な受付支援者があった場合、音声パスをCOT110とCFT112との双方向接続とすると共に、受付電話140に接続されるLINa111aとCFT112とを双方向接続とする(ステップS1107〜S1109)。
【0067】
(5)また、図6に示して説明した制御データの受付支援電話の内線状態を呼出中に設定し、受付電話が呼び出した内線ボタンのLEDを呼出中表示とするため、受付電話140に接続されるLINa111aに内線ランプ呼出中を通知する(ステップS1110、S1111)。
【0068】
図12は本発明の実施形態で受付者が打ち合わせボタンを押下したときに打ち合わせ状態に遷移させる際のCPU102での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図8により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0069】
(1)処理を開始するに当たって、CPU102は、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データから受付電話の状態データを抽出し受付電話の状態が支援者モニタ状態となっているか、それ以外と成っているかを判定し、支援者モニタ状態以外となっていた場合、ここでの処理を終了する(ステップS1201、S1202)。
【0070】
(2)ステップ1202の判定で、受付電話の状態が支援者モニタ状態となっていた場合、音声パスを、COT110からCFT112への片方向にパス接続し、また、音声パスを、VREC113からCOT110への片方向にパス接続する(ステップS1203、S1204)。
【0071】
(3)また、CPU102は、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、図6に示して説明した制御データの内線状態が打合せ要求中の受付支援電話とCFT112との音声パスを双方向接続する(ステップS1205)。
【0072】
(4)受付電話及び受付支援電話の図6に示して説明した制御データの内線状態を打合せ状態に設定し、受付電話及び受付支援電話に打合せ状態に遷移したことを通知するため、打合せ状態中を通知して、それぞれの電話のLEDを打合せ状態中に表示させる(ステップS1206、S1207)。
【0073】
図13は本発明の実施形態で受付者が割込みボタンを押下したときに割込み状態に遷移させる際の処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図9により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0074】
(1)処理を開始するに当たって、CPU102は、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データから受付電話の状態データを抽出し受付電話の状態が支援者モニタ状態となっているか、それ以外と成っているかを判定し、支援者モニタ状態以外となっていた場合、ここでの処理を終了する(ステップS1301、S1302)。
【0075】
(2)ステップ1202の判定で、受付電話の状態が支援者モニタ状態となっていた場合、CPU102は、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、図6に示して説明した制御データの内線状態が打合せ要求中の受付支援電話とCFT112との音声パスを双方向接続する(ステップS1303)。
【0076】
(3)次に、受付電話及び受付支援電話の図6に示して説明した制御データの内線状態を割込み状態に設定し、受付電話及び受付支援電話に割込み状態に遷移したことを通知するため、割込み状態中を通知して、それぞれの電話のLEDを割込み状態中に表示させる(ステップS1304、S1305)。
【0077】
前述した本発明の実施形態によれば、コールセンタ等の受付者が受付支援者へ支援を要求し、局線からの音声をモニタしながら受付者と受付支援者との間で通話した後、受付者と局線との通話に受付支援者が割込み通話を行ったり、その後再び局線の音声をモニタしながら受付者と受付支援者の通話に切り替えを行ったり音声パスを繰り返し切替可能とすることにより、効率よくきめ細やかに発信者に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
101 通話路スイッチ
102 中央処理装置(CPU)
103 記憶装置(MEM)
104 制御バス
110 局線接続制御ボード(COT)
111a〜111n 多機能電話端末接続制御ボード
112 音声ミキシング用会議ボード(CFT)
113 音声記憶ボード(VREC)
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換装置に係り、特に、コールセンター等で公衆網からの着信呼に受付者が応答する業務等に用いて好適な構内交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、局線から電話機B1への着信要求に対して電話機B2が応答し、局線と電話機B2との間の通話を電話機B1がモニタすることができるように通話路スイッチ回路を接続し、電話機B1の利用者が局線と電話機B2とり間の通話を聞き、局線の利用者の通話の趣旨を理解した後、電話機B2の利用者による機能ボタンの押下により、通話路スイッチ回路を、電話機B1と電話機B2との間を双方向に接続し、電話機B1と電話機B2とが局線の利用者からの音声をモニタできるよう接続し、電話機B2の利用者が、電話機B1の利用者に通話の意思を確認し、電話機B1の利用者が通話の意思がある場合に、局線の利用者との通話を電話機B1へ転送するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−262323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来技術は、局線から着信要求のあった電話機の利用者が応答し、局線の利用者とその着信要求のあった電話機の利用者との通話音声を、他の電話の利用者がモニタしながら着信に応答した電話機の利用者とモニタを行っている他の電話機の利用者との間で打合せの通話をした後、着信に応答した電話機と局線との通話に、モニタを行っている他の電話機が割込み通話を行ったり、その後、再び局線の利用者とその着信要求のあった電話機の利用者との通話音声を他の電話の利用者がモニタしながら、着信に応答した電話機とモニタを行っている他の電話機との通話に切り替えるというようなことを行うことができないものであった。
【0005】
本発明の目的は、前述したような点に鑑み、コールセンター等の受付業務において、受付者と受付支援者との連携を効率よく、きめ細やかに行うことのできる利便性の高い構内交換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば前記目的は、局線を接続する複数の局線接続制御ボードと、音声をミキシングする音声ミキシングボードと、内線電話を接続する複数の電話接続制御ボードとを収容する通話路スイッチ及びCPUによる制御手段を備えた構内交換装置において、前記複数の電話接続制御ボードのそれぞれには、受付者が使用する1または複数の受付電話及び受付支援者が使用する1または複数の受付支援電話が接続されており、前記制御手段は、前記局線からの着信の報告を前記局線接続制御ボードから受けて、前記受付電話と前記局線接続制御ボードとを接続して、局線からの発信者と受付者との間での通話を行わせ、前記受付電話の受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話に対する呼び出しボタンが押下されると、前記受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話の呼び出しを行うと共に前記ミキシングボードを補足して前記局線からの発信者と受付者との間での通話パスを前記ミキシングボードを介するように接続し、前記受付支援者の少なくとも1人が応答すると、その受付支援者が使用した受付支援電話と前記ミキシングボードとの間を1方向パスにより接続して受付支援者に前記局線からの発信者と受付者との間での通話をモニタさせ、前記受付電話または前記受付支援電話の打合せボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話との間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記受付者と前記受付支援者との間で打合せを行うことができるようにし、前記受付電話または前記受付支援電話の割込みボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話と前記局線接続制御ボードとの間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記局線からの発信者と受付者と受付支援者との間で通話を行うことができるように制御することにより達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コールセンター等の受付者と受付支援者との連携を効率よくきめ細やかに行って、発信者に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態による構内交換装置の構成例を示すブロック図ある。
【図2】多機能電話端末の盤面に設けられた機能キーの配置例を示す図である。
【図3】図2により説明した機能キーの種別毎の状態とLEDによるランプの表示の状態とを関連付けた制御データの構成例を示す図である。
【図4】受付電話機及び受付支援電話機に割り当てられた内線番号毎に各電話機が備えるボタンのボタン種別に関する設定内容を示す電話機管理データの構成例を示す図である。
【図5】受付支援グループ番号毎に受付支援グループに属する支援者の内線番号を対応付けた設定内容を示す管理データの構成例を示す図である。
【図6】受付電話機及び受付支援電話機に割り当てられた内線番号毎に電話機の状態と関連付けされて動的に登録される管理データの構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における複数の受付支援者の呼出し処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図8】本発明の実施形態における受付者と受付支援者との打ち合わせ処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図9】本発明の実施形態における受付支援者からの割り込み処理の動作を説明するシーケンスチャートである。
【図10】本発明の実施形態における音声パスの接続状態を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態でCPUが発信者と受付者との通話中に受付者が受付支援者を呼出す処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態で受付者が打ち合わせボタンを押下したときに打ち合わせ状態に遷移させる際のCPUでの処理動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態で受付者が割込みボタンを押下したときに割込み状態に遷移させる際のCPUでの処理動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による構内交換装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施形態による構内交換装置の構成例を示すブロック図ある。
【0011】
本発明の実施形態による構内交換装置100は、図1に示すように、通話路スイッチ(TSW)101と、中央制御装置(CPU)102と、記憶装置(MEM)103と、制御バス104と、局線接続制御ボード(COT)110と、複数の多機能電話端末接続制御ボード(LINa〜LINn)111a〜111nと、音声ミキシング用会議ボード(CFT)112と、音声記憶ボード113とを備えて構成されている。
【0012】
前述において、中央制御装置102は、制御バス104を介して構内交換装置100及び記憶装置103に接続され、構内交換装置100の全体を制御する中央制御装置であり、各条件において、様々なプログラムを実行する。記憶装置103は、中央制御装置102と制御バス104を介して接続されており、中央制御装置102からの指示により、中央制御装置102とデータの授受を行い、交換動作制御プログラム等の各種プログラム、及び、構内交換装置の内線データ、局データ、制御データなどの各種データを記憶すると共に、交換動作を実行するときに一時的に中央制御装置102により利用される情報を記憶する記憶装置である。また、通話路スイッチ101は、中央制御装置102と制御バス104を介して接続されており、中央制御装置102からの指示により通話路の接続、切断等を行う。
【0013】
また、局線接続制御ボードCOT110は、公衆網120を構内交換装置100の通話路スイッチ101に接続するための接続ユニットであり、この回線接続制御ボードCOT110の内部には、図示しない制御装置が内蔵されている。この回線接続制御ボードCOT110は、公衆網120に収容されている局線接続者が使用する電話機130からの発呼情報(着信情報)、ダイヤル情報、切断情報等の各種情報を中央制御装置102に通知すると共に、中央制御装置102から公衆網120を経由して局線接続者が使用する電話機130へのリンギング情報、着信情報等の各種情報を局線接続制御ボードCOT110内の制御装置に通知することにより、公衆網120に対する制御を実行している。
【0014】
多機能電話端末制御ボード111a〜111nは、多機能電話端末140及び150a〜150nを構内交換装置100の通話路スイッチ101に接続するための接続ユニットであり、この多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれの内部には、図示しない制御装置が内蔵されている。この多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれは、多機能電話端末140及び150a〜150nからの発呼情報(着信情報)、ダイヤル情報、切断情報等の各種情報を中央制御装置102に通知すると共に、中央制御装置102から多機能電話端末140及び150a〜150nを制御するためのランプ情報、表示情報(LCD表示情報)、リンギング情報、着信情報等の各種情報を多機能電話端末制御ボード111a〜111nのそれぞれの制御装置に通知することにより、多機能電話端末140及び150a〜150nに対する制御を実行している。
【0015】
音声ミキシング用会議ボード112は、局線接続制御ボード110及び多機能電話端末制御ボード111a〜111nを接続し、局線接続制御ボード110及び多機能電話端末制御ボード111a〜111nからの音声を音声をミキシングして打合せ通話を行うユニットである。
【0016】
音声記憶ボード113は、音声を録音及び再生する機能を有し、前もって通話時の背景雑音、例えば、事務所内での人々の会話、室内雑音等を記録しておき、打合せ時に局線接続制御ボード110に接続して背景雑音を送信するユニットである。
【0017】
図2は多機能電話端末104、150a〜150nの盤面に設けられた機能キーの配置例を示す図である。
【0018】
多機能電話端末140及び150a〜150nの盤面200には、多数の機能キーが設けられており、それらの機能キーのそれぞれには、ボタン番号01から任意のボタン番号までのボタン番号が付与されている。図2に示す例では、ボタン番号37〜48の番号が付与されて機能キーが配置されている部分のみを示している。
【0019】
図2において、ボタン番号45〜48の番号が付与されている機能キー221、231、241は、それぞれ、局線と受付者との通話内容を受付支援者にモニタさせるために、音声パスの接続を切り替えるためのモニタボタン、局線の音声をモニタしながら受付者及び複数の受付支援者相互間で通話をするために、音声パスの接続を切り替えるための打合せボタン、局線、受付者及び複数の受付支援者相互間で通話をするために、音声パスの接続を切り替えるための割込みボタンである。これらの機能キーには、隣接して、そのキーに連動してボタンの状態を可視表示するLED220、230、240が設けられている。LED220は、モニタボタン220に連動し、モニタ中、モニタ中以外の状態を可視表示する。LED230は、打合せボタン231に連動し、打合せ中、打合せ中以外の状態を可視表示する。LED240は、割込みボタン241に連動し、割込み中、割込み中以外の状態を可視表示する。
【0020】
また、ボタン番号41〜44の番号が付与されている機能キーは、複数の受付支援者を同時に呼び出すときに使用する機能キーであり、グループ1からグループ4の名称が付与されている。なお、本発明の実施形態は、受付支援者の複数がグループを構成することとしているが、受付支援者が1人であってもよい。そして、これらの機能キーにも、前述したと同様に、そのキーに連動してキーの状態を可視表示するLEDが設けられている。これらのLEDのそれぞれは、グループ呼び出し用のボタンに連動し、呼出中、通話中、空き等の状態を可視表示する。また、ボタン番号37〜40の番号が付与されている機能キーは、受付支援者を含む個々のユーザの呼び出し等に使用する内線ボタンである。そして、ボタン番号39、40の番号が付与されている機能キーは、受付支援者の内線呼び出し用の内線ボタン249、251であり、図示例では、内線番号として、201、202が付与されている。これらのボタンに隣接して設けられるLED248、250は、内線ボタン249、251に連動し、発信中、通話中、空き等の状態を可視表示する。
【0021】
次に、記憶装置103に記憶される制御データの内容についてを、図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜6に示していテーブルは、それぞれ予め呼制御時の条件として記憶装置103に記憶されている局データの一部である。
【0022】
図3は図2により説明した機能キーの種別毎の状態とLEDによるランプ表示の状態とを関連付けた制御データの構成例を示す図である。
【0023】
図3に示すテーブルは、ボタン種別300毎に、ボタンの状態301とそれに対応するLEDによるランプ表示の状態302とが対応付けられたデータを格納して構成されている。そして、例えば、ボタン種別がモニタボタンについて見ると、モニタ中の態ではLEDが緑点灯、モニタ中以外ではLED滅灯となっている。また、例えば、ボタン種別が支援者内線ボタンについて見ると、支援者呼出し中ではLEDが緑点滅、支援者応答中ではLEDが緑点灯、支援者打合せ要求中ではLEDが赤点滅、支援者割込み要求中では黄点滅となっている。他のボタンについての説明を省略するが、他のボタンについても、そのボタンの状態に応じて、図3に示すように、LEDの点灯、点滅、滅灯等が制御されることになる。
【0024】
図4は受付電話機140及び受付支援電話機150a〜150nに割り当てられた内線番号毎に各電話機が備えるボタンのボタン種別に関する設定内容を示す電話機管理データの構成例を示す図である。
【0025】
図4に示すテーブルは、各電話機の内線番号400と、各電話機が備える機能ボタンに対応するボタンインデックスであるボタン番号401と、各電話機のボタンインデックスに関連付けられる機能ボタンのボタン種別402とを対応付けたデータを格納して構成されている。そして、例えば、内線番号400における内線200の電話機について見ると、内線200のボタン番号01には、機能ボタンのボタン種別が未実装として割付けされていないことが示されている。また、内線200のボタン番号39には内線201が割付けされ、ボタン番号40には内線202が割付けされ、ボタン番号41には受付支援グループ001が割付けされ、ボタン番号42には受付支援グループ002が割付けされ、ボタン番号46にはモニタボタンが割付けされ、ボタン番号47には打合せボタンが割付けされ、ボタン番号48には割込みボタンが割付けされていることを示している。
【0026】
図5は受付支援グループ番号毎に受付支援グループに属する支援者の内線番号を対応付けた設定内容を示す管理データの構成例を示す図である。
【0027】
図5に示すテーブルは、受付支援グループ番号500と、この支援グループに属する支援者の内線番号501とを対応付けたデータを格納して構成されている。図5に示している受付支援グループ番号500が受付支援グループ001であるグループについて見ると、受付支援グループ001に属する支援者の内線番号501は、内線201と内線202とが所属するグループであることが示されている。また、例えば、他の支援グループ番号500が受付支援グループ002であるグループについて見ると、受付支援グループ002に属する支援者の内線番号501は、内線202と内線203と内線204とが所属するグループであることが示されている。
【0028】
図6は受付電話機140及び受付支援電話機150a〜150nに割り当てられた内線番号毎に電話機の状態と関連付けされて動的に登録される管理データの構成例を示す図である。
【0029】
図6に示すテーブルは、内線番号600毎に、その内線の内線状態を対応付けたデータを格納して構成されている。図6に示す例では、例えば、内線番号600が内線200である電話機の状態が受付通話中、内線番号600が内線201である電話機の状態が打合せ要求中、内線番号600が内線202である電話機の状態がモニタ中であることを示している。
【0030】
図7は本発明の実施形態における複数の受付支援者の呼出し処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0031】
(1)公衆網を介して発信者からの着信があると、COT110がその着信を検出する。そして、COT110は、着信があったことを検出するとCPU102に対し着信検出を通知する(ステップS701、S702)。
【0032】
(2)CPU102は、着信検出の通知を受けて、受付電話140(内線200)に呼び出し音を送信して、受付電話140のベルを鳴動させて受付者を呼び出すと共に、受付者に着信を可視表示する(ステップS703)。
【0033】
(3)受付者が受付電話140の送受話器を上げて応答(オフフック)すると、受付電話機140は、CPU102に対して受付電話140が応答したこと通知する。この通知を受けたCPU102は、COT110と受付電話140との間の音声パスを接続し、発信者と受付者とが双方向通話を行うことを可能とする(ステップS704)。
【0034】
(4)受付者が、外線からの発信者との通話内容により受付支援が必要と判断した場合、支援してもらいたい内容により、受付者は、電話機の盤面に割付けられている受付支援グループボタンの1つ、ここでは、グループ1のボタンを押下する。受付電話機140は、受付支援グループボタンのグループ1が押されたことをCPU102に通知する(ステップS705)。
【0035】
(5)CPU102は、受付支援グループに該当する受付支援電話150a及び受付支援電話150bのに呼び出し音を送信して、受付支援電話のベルを鳴動させて受付支援者を呼び出すと共に着信を可視表示し、また、CFT112を捕捉し、受付電話140と捕捉したCFT112とを双方向にパス接続し、COT110とCFT112との音声も双方向にパス接続することにより、発信者と受付者とがCFT112を介して双方向の通話を継続することができるようにする(ステップS706、S707)。
【0036】
(6)また、CPU102は、呼出中の受付支援者を受付者に可視表示させるため、受付電話140の該当するボタンのLEDに呼出中表示を通知する。これにより、受付電話140は、盤面の該当する内線ボタンのLEDを呼出中に表示にする(ステップS708)。
【0037】
(7)受付支援者、ここでは受付支援電話aを使用する受付支援者が応答すると、その受付支援電話150aは、CPU102に対し支援者応答を通知する。この通知を受けたCPU102は、受付支援電話150aの該当するボタンのLEDに対しモニタ中のボタン表示を通知する。これにより、受付支援電話150aは、LEDを点灯させ受付支援者がモニタ中であることを可視表示する。そして、CPU102は、CFT112から受付支援電話aに片方向パスを接続することにより、発信者と受付者との通話を受付支援者が使用する受付支援電話aに送出する。これにより、受付支援者は、発信者と受付者との通話のモニタを開始する(ステップS709、S710)。
【0038】
(8)CPU102は、受付支援者が応答したことを受付電話140に通知し、受付電話140の盤面の該当する内線ボタンをモニタ中表示にさせる(ステップS711)。
【0039】
(9)その後、もう一方の受付支援者が応答すると、その受付支援者が使用する受付支援電話bについても、ステップS709からステップ711の処理と同様の操作及び制御が行われ、もう一方の受付支援者は、発信者と受付者との通話のモニタを開始する。これにより、以後、発信者と受付者との通話のモニタが2人の受付支援者により行われることになる(ステップ712〜714)。
【0040】
図8は本発明の実施形態における受付者と受付支援者との打ち合わせ処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0041】
(1)図7により説明したステップS713の処理の後に、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112からの片方向パス接続を行って発信者と受付者との通話のモニタを2人の受付支援者が行っている状態で、受付支援電話150aを使用している受付支援者が発信者と受付者の通話内容について受付者にアドバイスを行ったり、受付者を介して発信者に質問等を行ってもらいたい要求が発生した場合、その受付支援者は、受付支援電話150aの打合せボタンを押下する。これにより、受付支援電話150aは、CPU102に打合せボタンが押下されたことを通知する(ステップS801)。
【0042】
(2)CPU102は、受付支援者に打合せ要求中であることを可視表示するため、受付支援電話150aに対し打合せ要求中を通知し、受付支援電話aのLEDを打合せ要求中を示すように制御させる(ステップS802)。
【0043】
(3)また、CPU102は、受付者に対して受付支援者が打合せ要求中であることを可視表示するため、受付電話140に対し打合せ要求中を通知する。受付電話140は、この通知により、受付支援者が使用する受付支援電話呼び出しボタンである自電話の内線ボタンの内線201のLEDを打合せ要求中に表示させる(ステップS803)。
【0044】
(4)受付者が打合せ要求を確認し、発信者との通話に支障がないタイミングで受付電話140の打合せボタンを押下すると、受付電話140は、CPU102に対し打合せボタンの押下を通知する(ステップS804)。
【0045】
(5)CPU102は、COT110からの音声パスの接続をCFT側に片方向に接続し、受付電話140と受付支援電話150aとをCFT112を介して双方向接続することにより、受付者と受付支援者とが、発信者の音声をモニタしながら打合せ通話を行うことを可能とする。この際、受付支援電話150bを利用する受付支援者は、CFT112と片方向接続を継続することにより、発信者からの音声と、受付電話140及び受付支援電話150aの打ち合わせの音声を聴取し続ける。また、CPU102は、予め背景雑音、例えば、オッフィス内の遠くの席に居る人の会話、事務機器等の操作音、あるいは、音楽等を記憶したVREC113からの片方向パスをCOT110接続し、発信者に対して前述したような背景雑音を聴取させ、受付者との通話が継続していると認識させて片方向通話になったことによる違和感を与えないようにする。そして、CPU102は、打合せ状態であることを受付電話及び受付支援電話に通知する(ステップS805)。
【0046】
(6)その後、前述したような受付者と受付支援者とによる打合せ状態に、受付支援電話150bを利用する受付支援者が追加参加したい場合、その受付支援者は、受付支援電話150bの打合せボタンを押下する。これにより、受付支援電話150bは、CPU102に打合せボタンの押下を通知する(ステップS806)。
【0047】
(7)CPU120は、CFT112と受付支援電話150bとを双方向通話接続することにより、発信者の音声をモニタさせながら受付電話と複数の受付支援電話とで打合せ通話を行うことが可能な状態とし、打合せ状態であることを受付支援電話150bに通知、受付支援電話機bのLEDを打合せ状態を示すように表示させる(ステップS807)。
【0048】
(8)その後、受付者が発信者との通話に戻る場合、受付者は、受付電話140の支援者モニタボタンを押下する。受付電話140は、CPU102に対しモニタボタンの押下を通知する。CPU102は、この通知を受けて、COT110と受付電話140とのパスをCFT112を介して双方向接続させ、受付支援電話150a及び受付支援電話機150bのパスを片方向接続とする。これにより、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112からの片方向パス接続を行って発信者と受付者との通話のモニタを2人の受付支援者が行っている状態となる。そして、CPU102は、受付支援者がモニタ状態になったことを受付電話140及び受付支援電話105a、150bに通知する。受付電話及び受付支援電話は、モニタボタンに対応するLEDを点灯させ、受付者及び受付支援者に受付支援者がモニタ状態に移行したことを認識させる(ステップS808、S809)。
【0049】
(9)また、図示しない条件により、受付者が受付電話機140の打合せボタンを押下すると、受付支援電話を利用する受付支援者との打合せ要求の状態に関わらず、受付支援モニタ中の受付支援電話を打合せ状態に引き込むことができる。この場合、受付者は、受付電話機140の打合せボタンを押下する。これにより、受付電話150aは、CPU102に対し打合せボタンの押下を通知する。この通知を受けたCPU102は、COT110からの音声をCFTに片方向接続し、受付電話140、受付支援電話150a及び受付支援電話150bをCFTを介して双方向接続して、受付者及び受付支援者が発信者の音声をモニタしながら打合せ通話を行うことができるようにする。その後、CPU102は、打合せ状態であることを受付電話140及び受付支援電話150a、150bに通知する(ステップS810、S811)。
【0050】
前述したシーケンスでの処理では、受付支援者からの打合せの要求により、受付者と受付支援者とが打合せを行うこととしているが、受付者から打合せの要求を行って、受付者と受付支援者とが打合せを行うようにしてもよい。
【0051】
図9は本発明の実施形態における受付支援者からの割り込み処理の動作を説明するシーケンスチャートであり、次に、これについて説明する。
【0052】
(1)COT110と受付電話140とがCFT112に双方向パス接続され、受付支援電話150a及び受付支援電話150bがCFT112から片方向パス接続されて発信者と受付者との通話のモニタが2人の受付支援者により行われている状態で、受付支援電話150aを利用する受付支援者が発信者と受付者の通話に割込み通話を行おうとする場合、その受付支援者は、受付支援電話150aの割込みボタンを押下する。これにより、受付支援電話機150aは、CPU102に割込みボタンの押下を通知する(ステップS901)。
【0053】
(2)CPU102は、割込みボタンの押下を通知を受けると、受付支援者が使用した受付支援電話150aに割込み要求中であることを可視表示させるため、受付支援電話150aに対し割込み要求中を通知すると共に、受付者に受付支援者が割込み要求中であることを可視表示するため、受付電話140に対し割込み要求中を通知する(ステップS902、S903)。
【0054】
(3)受付電話140は、前述の割込み要求中の通知を受けて、受付支援者が使用している内線201ボタンのLEDを割込み要求表示にする。受付者が、割込み要求を確認し、発信者に割込み通話を行うことの了解を得て割込みボタンを押下すると、受付電話140は、CPU102に対し割込みボタン押下を通知する(ステップS904)。
【0055】
(4)CPU102は、受付支援電話150aをCFT112に双方向接続することにより、発信者、受付者及び受付支援電話150aを使用する受付支援者の3者で打合せ通話を行うことを可能とする。このとき、他の受付支援者が使用する受付支援電話150bは、CFT112への片方向接続が継続されることにより、発信者と受付電話140と受付支援電話150aを使用する受付支援者の音声の聴取を続ける。そして、CPU102は、割込み状態であることを受付電話140及び受付支援電話150aに通知する(ステップS905)。
【0056】
(5)前述した割り込みによる3者での打ち合わせ通話に、受付支援電話150bを使用する受付支援者が追加参加する場合、その受付支援者は、受付支援電話150bの割込みボタンを押下する。これにより、受付支援電話150bは、CPU102に割込みボタンの押下を通知する(ステップS906)。
【0057】
(6)CPU102は、CFT112と受付支援電話150bとを双方向に通話パスを接続することにより、発信者、受付電話及び複数の受付支援電話での割込み通話による4者での通話を可能とし、また、割込み状態であることを受付支援電話150bに通知する(ステップS907)。
【0058】
(7)受付者が発信者との通話に戻る場合、図8により説明した受付電話140の支援者モニタボタンを押下した場合と同様の処理となる(ステップS908、S909)。
【0059】
(8)また、図示しない条件により、受付者が受付電話機140の割込みボタンを押下すると、受付支援電話の割込み要求の状態に関わらず、受付支援モニタ中の受付支援電話を割込み状態に引き込むことができる。この場合、受付者は、使用している受付電話140の割込みボタンを押下する。受付電話150aよりCPU102に対し割込みボタン押下を通知する。CPU102は、この通知を受け、受付支援電話150a及び受付支援電話150bとCFT112とを双方向にパス接続することにより、発信者、受付者及び受付支援者で割込み通話を行わせることができ、また、割込み状態であることを受付電話及び受付支援電話に通知する(ステップS910、S911)。
【0060】
図10は本発明の実施形態における音声パスの接続状態を説明する図である。図10において、J1001は受付支援者呼出中状態、J1002は支援者モニタ中状態、J1003は打合せ状態、J1004は割込み通話状態を示している。
【0061】
図10において、受付支援者呼出中状態J1001では、COT110と受付電話140を接続する多機能電話端末制御ボードLINaとの間の音声パスがCFT112を介して接続されている。このJ001の受付支援者呼出中状態J001で受付支援者が応答すると、受付支援者が使用する受付支援電話を接続する多機能電話端末制御ボード例えばLINbとCFT112との間に音声パスが追加して設定されて、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。そして、この受付支援モニタ状態J1002で受付者が打合せボタンを押下すると、音声記憶ボードVREC113とCOT110との間に、新たな音声パスが追加して設定されて、打合せ状態J1003に遷移する。また、この打合せ状態J1003で受付者が支援者モニタボタンを押下すると、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。さらに、受付支援モニタ状態J1002で受付者が割込みボタンを押下すると、音声パスをそのままとして、割込み状態J1004に遷移する。この割込み状態J1004で受付者が支援者モニタボタンを押下すると、受付支援者モニタ状態J1002に遷移する。
【0062】
図11は本発明の実施形態でCPU102が発信者と受付者との通話中に受付者が受付支援者を呼出す処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図7により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0063】
(1)受付者が受付電話140の図2に示す盤面の受付支援者グループ番号を押下すると、CPUは、図4に示して説明した制御データのボタン種別に関する設定内容から押下された該当内線番号のボタン番号からボタン種別を抽出し、受付支援グループボタンか否かを判定し、受付支援グループボタン以外であった場合、別なボタン操作であるため、ここでの本処理を終了する(ステップS1101、S1102)。
【0064】
(2)ステップS1102の判定で、ボタン種別が受付支援グループボタンであった場合、使用可能なCFT112があり捕捉可能か否かをチェックし、CFT112が捕捉が可能か否かを判定し、CFTの補足が不可の場合、ここでの処理を終了する(ステップS1103、S1104)。
【0065】
(3)ステップS1104の判定でCFT112が捕捉可能であった場合、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、抽出した受付支援内線について、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データからそれぞれの内線電話の状態を抽出する(ステップS1105、S1106)。
【0066】
(4)そして、内線電話の状態を判定し、呼出し可能な受付支援者がなかった場合、ここでの処理を終了し、呼出し可能な受付支援者があった場合、音声パスをCOT110とCFT112との双方向接続とすると共に、受付電話140に接続されるLINa111aとCFT112とを双方向接続とする(ステップS1107〜S1109)。
【0067】
(5)また、図6に示して説明した制御データの受付支援電話の内線状態を呼出中に設定し、受付電話が呼び出した内線ボタンのLEDを呼出中表示とするため、受付電話140に接続されるLINa111aに内線ランプ呼出中を通知する(ステップS1110、S1111)。
【0068】
図12は本発明の実施形態で受付者が打ち合わせボタンを押下したときに打ち合わせ状態に遷移させる際のCPU102での処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図8により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0069】
(1)処理を開始するに当たって、CPU102は、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データから受付電話の状態データを抽出し受付電話の状態が支援者モニタ状態となっているか、それ以外と成っているかを判定し、支援者モニタ状態以外となっていた場合、ここでの処理を終了する(ステップS1201、S1202)。
【0070】
(2)ステップ1202の判定で、受付電話の状態が支援者モニタ状態となっていた場合、音声パスを、COT110からCFT112への片方向にパス接続し、また、音声パスを、VREC113からCOT110への片方向にパス接続する(ステップS1203、S1204)。
【0071】
(3)また、CPU102は、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、図6に示して説明した制御データの内線状態が打合せ要求中の受付支援電話とCFT112との音声パスを双方向接続する(ステップS1205)。
【0072】
(4)受付電話及び受付支援電話の図6に示して説明した制御データの内線状態を打合せ状態に設定し、受付電話及び受付支援電話に打合せ状態に遷移したことを通知するため、打合せ状態中を通知して、それぞれの電話のLEDを打合せ状態中に表示させる(ステップS1206、S1207)。
【0073】
図13は本発明の実施形態で受付者が割込みボタンを押下したときに割込み状態に遷移させる際の処理動作を説明するフローチャートであり、次に、これについて説明する。ここでの処理は、図9により説明したシーケンスでの処理に対応するものである。
【0074】
(1)処理を開始するに当たって、CPU102は、図6に示して説明した制御データの内線電話の状態データから受付電話の状態データを抽出し受付電話の状態が支援者モニタ状態となっているか、それ以外と成っているかを判定し、支援者モニタ状態以外となっていた場合、ここでの処理を終了する(ステップS1301、S1302)。
【0075】
(2)ステップ1202の判定で、受付電話の状態が支援者モニタ状態となっていた場合、CPU102は、図5に示して説明した制御データの該当する受付支援グループデータから所属する受付支援内線を抽出し、図6に示して説明した制御データの内線状態が打合せ要求中の受付支援電話とCFT112との音声パスを双方向接続する(ステップS1303)。
【0076】
(3)次に、受付電話及び受付支援電話の図6に示して説明した制御データの内線状態を割込み状態に設定し、受付電話及び受付支援電話に割込み状態に遷移したことを通知するため、割込み状態中を通知して、それぞれの電話のLEDを割込み状態中に表示させる(ステップS1304、S1305)。
【0077】
前述した本発明の実施形態によれば、コールセンタ等の受付者が受付支援者へ支援を要求し、局線からの音声をモニタしながら受付者と受付支援者との間で通話した後、受付者と局線との通話に受付支援者が割込み通話を行ったり、その後再び局線の音声をモニタしながら受付者と受付支援者の通話に切り替えを行ったり音声パスを繰り返し切替可能とすることにより、効率よくきめ細やかに発信者に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
101 通話路スイッチ
102 中央処理装置(CPU)
103 記憶装置(MEM)
104 制御バス
110 局線接続制御ボード(COT)
111a〜111n 多機能電話端末接続制御ボード
112 音声ミキシング用会議ボード(CFT)
113 音声記憶ボード(VREC)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局線を接続する複数の局線接続制御ボードと、音声をミキシングする音声ミキシングボードと、内線電話を接続する複数の電話接続制御ボードとを収容する通話路スイッチ及びCPUによる制御手段を備えた構内交換装置において、
前記複数の電話接続制御ボードのそれぞれには、受付者が使用する1または複数の受付電話及び受付支援者が使用する1または複数の受付支援電話が接続されており、
前記制御手段は、
前記局線からの着信の報告を前記局線接続制御ボードから受けて、前記受付電話と前記局線接続制御ボードとを接続して、局線からの発信者と受付者との間での通話を行わせ、
前記受付電話の受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話に対する呼び出しボタンが押下されると、前記受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話の呼び出しを行うと共に前記ミキシングボードを補足して前記局線からの発信者と受付者との間での通話パスを前記ミキシングボードを介するように接続し、
前記受付支援者の少なくとも1人が応答すると、その受付支援者が使用した受付支援電話と前記ミキシングボードとの間を1方向パスにより接続して受付支援者に前記局線からの発信者と受付者との間での通話をモニタさせ、
前記受付電話または前記受付支援電話の打合せボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話との間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記受付者と前記受付支援者との間で打合せを行うことができるようにし、
前記受付電話または前記受付支援電話の割込みボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話と前記局線接続制御ボードとの間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記局線からの発信者と受付者と受付支援者との間で通話を行うことができるように制御することを特徴とする構内交換装置。
【請求項2】
前記通話路スイッチは、背景雑音を記憶している音声記憶ボードを、さらに収容しており、
前記制御手段は、
前記打合せ状態で、前記局線に前記音声記憶ボードから背景雑音を送出することを特徴とする請求項1記載の構内交換装置。
【請求項1】
局線を接続する複数の局線接続制御ボードと、音声をミキシングする音声ミキシングボードと、内線電話を接続する複数の電話接続制御ボードとを収容する通話路スイッチ及びCPUによる制御手段を備えた構内交換装置において、
前記複数の電話接続制御ボードのそれぞれには、受付者が使用する1または複数の受付電話及び受付支援者が使用する1または複数の受付支援電話が接続されており、
前記制御手段は、
前記局線からの着信の報告を前記局線接続制御ボードから受けて、前記受付電話と前記局線接続制御ボードとを接続して、局線からの発信者と受付者との間での通話を行わせ、
前記受付電話の受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話に対する呼び出しボタンが押下されると、前記受付支援者のグループのそれぞれが使用する受付支援電話の呼び出しを行うと共に前記ミキシングボードを補足して前記局線からの発信者と受付者との間での通話パスを前記ミキシングボードを介するように接続し、
前記受付支援者の少なくとも1人が応答すると、その受付支援者が使用した受付支援電話と前記ミキシングボードとの間を1方向パスにより接続して受付支援者に前記局線からの発信者と受付者との間での通話をモニタさせ、
前記受付電話または前記受付支援電話の打合せボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話との間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記受付者と前記受付支援者との間で打合せを行うことができるようにし、
前記受付電話または前記受付支援電話の割込みボタンが押下されると、前記受付電話と前記受付支援電話と前記局線接続制御ボードとの間を前記ミキシングボートを介して双方向接続して、前記局線からの発信者と受付者と受付支援者との間で通話を行うことができるように制御することを特徴とする構内交換装置。
【請求項2】
前記通話路スイッチは、背景雑音を記憶している音声記憶ボードを、さらに収容しており、
前記制御手段は、
前記打合せ状態で、前記局線に前記音声記憶ボードから背景雑音を送出することを特徴とする請求項1記載の構内交換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−26851(P2013−26851A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160213(P2011−160213)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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