説明

様々な風味料および栄養添加物付きの温飲料および冷たい飲料を要求時に供給する方法

本発明は、風味が加えられ、栄養が強化された非炭酸飲料を装置内で供給する方法に関する。この方法は、炭水化物だけで構成されておらず、微生物学的、物理的、酵素学的、化学的な感受性のある少なくとも1つの飲料成分と、水分活性低減成分とを含む少なくとも1つのパッケージされた液体既混合主材料供給源を提供するステップを含む。液体既混合主材料は、室温での液体既混合主材料の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性や固形含有量で調合される。この方法は、飲料の風味、香味、量感、栄養価を調整するように適合された複数のパッケージされた流動性添加物供給源を別に提供するステップを含む。この方法は、液体既混合主材料と、温または冷たい非炭酸水とを混合して、カップに分注される飲料主材料を提供するステップを含み、少なくとも1つの添加物が供給され、飲料主材料と混合され、カップに入れられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、特製コーヒーおよびジュース飲料のような、風味が加えられた、または栄養が強化された温飲料および冷たい飲料を供給する方法を対象とする。より詳細には、本発明は、分注動作を行う場所において、異なる風味特徴および/または栄養特徴を有する様々に異なる温非炭酸飲料および冷たい非炭酸飲料を生成し供給し得る方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
飲料分注装置は、1つまたは複数の飲料供給源から飲料を調製する周知の装置である。あるタイプの飲料分注装置では、濃縮物および/または粉末を含む飲料源と液体(例えば、水)とを混合して飲料を調製する。あるタイプの分注装置は、比較的冷たい飲料(例えば、ソフトドリンク)を分注し、他のタイプの分注装置は、比較的温飲料(例えば、コーヒー、茶、およびホットチョコレート)を分注する。
【0003】
しかし、新発売のコーヒーや飲料を試したい購入者に、新鮮な味わいやコーヒー専門店の品質の、モカ、バニラ、ラズベリー、バナナその他の異なる風味および/または飲料の栄養価を高める異なる栄養添加物が入った温飲料および冷たい飲料、例えば、ミルク類入りのコーヒーやココア飲料などを、装置内で、より多くの種類で提供することに対する潜在的な商業的可能性が高まっている。
【0004】
特に、炭水化物成分だけに基づかず、温コーヒー飲料よりも疲労回復の度合いが高く、そのため、1日の中でいつでも消費し得る冷たい非炭酸飲料を消費するという傾向がますます増えつつある。また、炭水化物に基づく炭酸飲料ではなく、非炭酸飲料および活力性または機能性のドリンクに関して、消費者は健康にますます留意しつつある。特に、炭酸ソフトドリンクよりも健康的な代替物を提供するように、メディア、政府、および消費者から業者が受ける圧力はますます大きくなっている。
【0005】
また、消費者は、自分たちが消費するコーヒーには、「コーヒー専門店」の品質、品揃え、およびスタイルをも期待しており、その場で入れるコーヒーを提供し得る場所以外では、需要は極めて低調なままである。入れ立てのコーヒーを提供するには、そのような食べ物が提供される場所に、コーヒー豆、コーヒー豆挽き機およびコーヒーを入れる装置を供給するための複雑な物流管理も必要とされる。異なる風味や栄養価の点で消費者の要求を満たすように入れ立てのコーヒーをさらに調整する必要がある場合には、物流管理はさらに複雑に、時間集約的かつ労力集約的になる。
【0006】
さらに、さっと食べられるレストラン、コンビニエンスストア、コーヒーショップ、ドーナツショップ、娯楽関連の場所などの店舗では、カウンタスペースが限られている一方、この種の店舗は、より広範で、より多面的な、しばしば多文化的な消費者集団の要求を満たすことができる多機能システムを模索しているという点で矛盾が生じている。
【0007】
業者の側に立つと、業者は、人員が限られ、すぐに入れ替わるため、簡単で容易な解決策を望んでいる。また、この解決策は、食の安全に関する懸念を払拭し、いつでも一貫した再現性のよい飲料を提供するものでなければならない。
【0008】
米国特許第6419120号で開示されているものなどの従来の温飲料用の分注装置は、これらの要求を満たすように適合されていない。これらの分注装置は、複数の風味料注入器を備え、主材料粉末、水、および1つまたは複数の風味料をカップに分注することによって風味が加えられた飲料を調製する。しかし、粉末と水を混合して飲料を提供すると、風味料と結合する固形分が残ることがある。風味料を付加すると、それらは残りの固形分と結合して、固形分の集中度が高いときには風味の集中および不均一さが生じる。冷たい飲料を生成する場合、特に、大きな固形分の集中がなくなるように十分に粉末を溶解させるのは難しい。
【0009】
これらの分注装置は、典型的には背が高く大型の缶を伴う粉末用の広い保存スペースを必要とする。他の問題は、環境条件(湿度、温度など)のために粉末成分の特性が変化しやすく、搬送による損傷を受けて圧縮のために粒子サイズが変化しやすいということであり、その結果、溶解性が影響を受けることがある。
【0010】
米国特許公開第2004/0086620号は、飲料に風味化合物を供給する方法に関するものである。飲料を分注する直前に、風味化合物と、濃縮物または濃縮物と水の混合物とを混合する。この方法は、製品の濃縮物とあらかじめ混合する際に生じる香りの劣化および不安定性の問題に対処するものである。しかし、この方法は、風味が加えられた、または栄養が強化された飲料の選択肢を広げるために、異なる風味料を同じ濃縮物に供給するように適合していない。特に、風味料と濃縮物を混合すると、味汚染の問題が生じるので、他の風味料を同じ濃縮物と混合することができない。
【0011】
そのため、限られた数の製品主材料供給源から、より好都合で衛生的なやり方で、労力が少なく、風味の相互汚染がなく、溶解の問題がなく、専有面積が小さく、特定の冷凍保存条件を必要とせずに、様々な風味が加えられた、または栄養が強化された、特製のコーヒー、茶、またはココア、およびジュース飲料のような温飲料および冷たい飲料を装置内で供給する方法を開発することが求められている。さらに、
−飲料の一貫性を改善すること、
−既混合物成分の選択肢を広げること、
−飲料の分注がより迅速に行われること、
−保存される1つ(または複数)の成分の安定性を改善すること、
−環境保存条件のマイナス面を少なくし、搬送による製品成分の損傷をなくすことも求められている。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、風味が加えられた、および/または栄養が強化された非炭酸飲料を装置内で供給する方法に関する。好ましい方法は、微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的な感受性などのために分解し得る少なくとも1つの飲料成分を含む少なくとも1つのパッケージされた液体既混合主材料供給源を提供するステップを含む。この飲料成分は、炭水化物だけで構成されていない。このパッケージされた液体既混合主材料は、全固形含有量を調整することによって、および/または少なくとも1つの水分活性低減成分を付加することによって、室温での液体既混合主材料の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性を有するように調合される。この方法は、飲料の風味、香り、量感、および/または栄養価を調整するように適合された複数のパッケージされた流動性添加物供給源を別に提供するステップを含み得る。好ましくは、液体既混合主材料は、温、または冷たい非炭酸水と混合され、それによって、カップに分注される飲料主材料が提供される。少なくとも1つの添加物が供給され、飲料主材料と混合され、カップに入れられる。
【0013】
この好ましい方法では、既混合主材料は、全固形含有量が重量で少なくとも65%であり、pHが3.9〜6.8であり、水分活性が約0.855未満である。好ましくは、水分活性は約0.85未満である。最も好ましくは、水分活性は約0.84未満である。この方法では、既混合主材料は、濃縮物と水の比が体積で約1:2〜1:8の飲料主材料が形成されるように水で希釈される。好ましくは、流動性添加物は、飲料主材料中で、添加物と飲料の相対比が約1:1000〜1:25で混合される。
【0014】
好ましくは、添加物は複数の添加物を含み、飲料主材料は、飲料主材料供給ラインを介して容器に供給される。この方法はさらに、これらの添加物の少なくとも1つを選択することと、これらの添加物を飲料主材料とは別に、飲料主材料供給ライン内の飲料と接触することなく容器に供給することとを含む。液体既混合主材料は、複数の液体既混合主材料を含み得る。この方法は、これらの既混合主材料の少なくとも1つおよび添加物の少なくとも1つを選択することと、選択された既混合主材料を有する飲料主材料と、選択された添加物とを混合することとを含む。好ましくは、液体既混合主材料の少なくとも2つを選択し、飲料主材料内に分注することができる。
【0015】
好ましい液体主材料は、30℃未満の温度の水と混合されて冷たい飲料が提供されるように調合される。好ましい液体は、パッケージが未開封の状態、かつ室温、すなわち約18〜25℃で少なくとも2カ月間、安定に貯蔵されるようにも調合される。液体既混合主材料は、コーヒー濃縮物、茶濃縮物、ココア濃縮物、またはチコリ濃縮物、あるいはこれらの組合せを含む第1飲料成分と、ミルク類と、液体既混合主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分とを含み得る。さらに、パッケージされた供給源は、コーヒー濃縮物、ミルク類、および水分活性低減成分を含む、第1のパッケージされた第1液体既混合主材料供給源と、ココア濃縮物、ミルク類、および室温での液体主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分を含む、第2のパッケージされた第2液体既混合主材料供給源とを含み得る。この方法はさらに、第1および第2の液体既混合主材料の一方または両方を選択することと、選択された主材料と水とを混合して容器に分注することとを含み得る。ミルク類は、乳製品を基礎とした成分、非乳製品クリーマ、またはこれらの組合せとし得る。
【0016】
液体既混合主材料は、重量で少なくとも50%の純粋ジュースを含む飲料成分と、既混合液体主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分とを含む液体濃縮物とし得る。流動性添加物は、風味料、風味増強剤、栄養補助剤、コーヒーまたは茶の効能促進剤、風味遮蔽剤、着色剤、香味剤、飲料主材料に量感を付加するために選択された物質、またはこれらの組合せを含む。また、飲料主材料は泡立てることもできる。
【0017】
本発明の飲料分注システムの好ましい実施形態は、第1液体の第1液体供給源を備える。このシステムの少なくとも1つのパッケージされた供給源は、少なくとも非炭水化物副成分を含む少なくとも1つの分解し得る飲料成分を含む液体既混合主材料を含む。このパッケージされた液体既混合物は、室温でのこの既混合物の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性を有するように調合することができる。配合システムは、第1液体およびパッケージされた供給源に動作可能に関連し、それによって、第1液体および液体既混合主材料を受け取り、配合して飲料主材料を提供することができる。好ましくは、既混合主材料分注機構は、配合システムに液体既混合主材料を供給するように構成される。好ましくは、配合システムに第1液体を供給するように構成された、例えばポンプなどの第1液体分注機構は、風味、香味、量感、および/または栄養に関する添加物を含む複数のパッケージされた添加物供給源と、添加物供給源と動作可能に関連し、それによって、そこから添加物が選択的に分注されて既混合主材料および第1液体と混合され、その結果、風味が加えられ、香味があり、および/または栄養が強化された飲料が提供される添加物分注機構と、これらの分注機構の作動を選択的に制御するように分注機構に関連するコントローラとともに提供される。
【0018】
このコントローラは、分注された飲料主材料における分注された添加物の相対濃度を変化させるように分注機構に関連することが好ましい。好ましくは、容器に飲料主材料を分注するように構成された飲料主材料分注導管が提供される。添加物分注機構は、飲料主材料とは別に容器に添加物を分注し、それによって、添加物が飲料主材料供給導管に接触しないように構成される。また、好ましくは、このコントローラは、所定の継続時間のパルス単位で添加物を分注するように添加物分注機構を動作させるように構成される。
【0019】
このシステムは、飲料主材料を加熱して温飲料を提供するように構成された加熱器を含み得る。あるいは、またはそれに加えて、飲料主材料を周囲温度未満に冷却する冷却システムを提供することもできる。
【0020】
このように、本発明は、使用者が容易に調整することができ、かつ容易に保存され選択される成分を有する飲料を分注するための改善された方法を提供する。
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0021】
本発明は、風味が加えられた、および/または栄養が強化された非炭酸飲料を装置内で供給する方法を対象とする。好ましい実施形態では、炭水化物だけで構成されているのではなく、水性媒質の状態である少なくとも1つの微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的に感受性のある飲料成分を含む少なくとも1つのパッケージされた液体既混合主材料供給源が提供される。このパッケージされた液体既混合主材料は、全固形含有量を調整し、および/または少なくとも1つの水活性低減成分を添加することによって、室温(すなわち、約18〜25℃)での液体既混合主材料の貯蔵を安定化するのに有効な水分活性を有するように調合される。複数のパッケージされた流動性添加物供給源が別々に提供される。これらの供給源は、飲料の風味、香味、量感、および/または栄養価を調整するように適合される。液体既混合主材料を注入し、搬送し、高温から低温までの範囲の水と混合して、カップに飲料主材料を入れる。少なくとも1つの添加物を注入し、カップに供給し、カップ内の飲料主材料と混合する。
【0022】
好ましくは、この少なくとも1つの添加物は、飲料主材料を供給するときに、それとは別に容器に注入する。
【0023】
既混合主材料の貯蔵安定性とは、パッケージを開封しない状態で、ある保存期間にわたって、既混合主材料が、微生物学的、酵素学的、化学的、および物理的に安定のままである能力のことである。既混合主材料は、少なくとも約2カ月、より好ましくは少なくとも約6カ月、最も好ましくは少なくとも約12カ月の間、いかなる微生物の繁殖も、または、実質的な微生物の繁殖もあるべきではなく、相分離または味の劣化あるいは他の種類の化学的または酵素学的な劣化があるべきではない。粘度の制限範囲は、製品仕様において定義され、上記選択期間後でも、例えばこの期間から2カ月経った後でもこの制限内に収まるべきである。相分離、色などを含めて物理的な安定性は、この製品についてのすべての指定基準内に収まることが好ましい。当技術分野では周知のように、この期間後に仕損品を試験することもできる。
【0024】
好ましい実施形態では、添加物の数は2つ以上であり、前記流動性添加物のいずれか1つを選択し、飲料主材料とは別に、飲料主材料供給ラインに接触することなくカップに供給することができる。したがって、風味が加えられた、または栄養が強化された広範な選択肢の飲料を順次、相互汚染の問題が生じることなく生成することができ、そのため、生成される飲料と飲料の間の洗浄および/または水洗の動作を最小限に抑えられる。
【0025】
さらに、使用可能かつ選択可能な液体既混合主材料の数は、好ましくは2つ以上であり、各液体既混合主材料は、添加物のいずれか1つと混合することができる。したがって、こうすると、異なる主材料および異なる添加物から得られる、異なる風味の、または栄養が強化された飲料を提供する可能性が得られる。
【0026】
別の実施形態では、さらに、各液体既混合主材料を分注し、それを少なくとも1つの他の液体既混合主材料と混合することができる。こうすると、さらに広範な種類の飲料を提供する可能性も得られる。
【0027】
ある実施形態では、液体添加物の数は3つ以上である。典型的には、添加物の数は3〜20である。
【0028】
本発明の一態様では、液体主材料は、30℃未満の温度の水と混合することができ、そのため、風味が加えられた、および/または栄養が強化された冷たい飲料を均質に味付けされた状態で、要求時に供給することができる。
【0029】
本発明の一手法はまた、パッケージされた液体既混合主材料中に少なくとも2つの必須主材料成分を含めることにある。この液体既混合主材料は、
−炭水化物ではない副成分を少なくとも含み、任意選択で炭水化物を含めることができ、そのため、この成分は炭水化物だけで構成されているのではない少なくとも1つの微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的に感受性のある飲料成分と、
−水分活性を低くして液体既混合主材料に貯蔵安定性を付与する少なくとも1つの水分活性低減成分とを含む。
【0030】
本発明の状況では、水分活性低減成分は、液体既混合主材料の調合において全固形量を増加させることによって、および/または、例えば水分活性低減剤として働く一般に認められた食品等級の成分を添加することによって水分活性を低くする任意の成分とし得る。
【0031】
したがって、購入者の選択に基づく販売時点でのみ調整される広範な種類の飲料用の飲料主材料として働き得る、希釈準備が整った飲料用液体が提供される。この液体は、一般に外気中で保存される粉体と比較して、これら混合物の保存中の品質の一貫性、利便性、清浄性、およびよりよい制御安定性という利点を有する。
【0032】
本発明の一実施形態では、この既混合液体主材料は、
−コーヒーまたは茶の濃縮物、ココア濃縮物、またはチコリ濃縮物、およびこれらの組合せの群から選択される第1飲料成分と、
−ミルク類である、またはそれを含む第2飲料成分と、
−改善された貯蔵安定性を付与するのに寄与する少なくとも1つの水分活性低減成分とを含む。
【0033】
コーヒーまたは茶の濃縮物およびミルク類は、同じ液体主材料としてグループ化することが有利である。通常、これらのミルク類は、コーヒーまたは茶と別々に保存され、要求時に飲料を調製するときにのみミルク類が添加される。しかし、液体主材料を適切な水分活性レベルに設定して十分な安定性を確保し、それによってミルク類が添加された主材料の新鮮さが100%確保される場合には、ミルク類とコーヒーまたは茶とを一緒にすることによって、システムの複雑さおよび専有面積がかなり低減されることがわかっている。こうすると、飲料のカスタマイズ作業は単に、添加物によって行うことができ、それによって購入者に選択肢が提供される。別の利点は、粉末の形態では通常は安定でないミルク類を添加し得ることである。このような不安定なミルク類は、通常は事実上非乳製品であり、コーヒーにミルク類を添加するのに一般に使用するものと類似のものである。
【0034】
より好ましくは、この方法は、
コーヒーまたは茶の濃縮物、ミルク類、および少なくとも1つの水分活性低減成分を含むパッケージされた第1液体既混合主材料を提供することと、
ココア濃縮物、ミルク類、および少なくとも1つの水分活性低減成分を含むパッケージされた第2液体既混合主材料を提供することとを含み、
パッケージされた第1および第2の液体既混合主材料は、別々に、および/または同時に水と混合し、別々および/または同時にカップに分注することができる。
【0035】
本発明の別の様式では、既混合液体主材料は、
−少なくとも重量で50%の純粋なジュースを含む飲料成分と、
−既混合液体主材料の貯蔵安定性を向上させる、または既混合液体主材料に貯蔵安定性を提供する少なくとも1つの水分活性低減成分と、
−水と
を含む液体濃縮物である。
【0036】
この液体主材料は、好ましくは少なくとも2カ月間、より好ましくは6カ月間、開封されないパッケージされた形態で、少なくとも貯蔵安定性を保つことができる。この貯蔵安定性はさらに、既混合液体主材料自体の調合によって、すなわち、水分活性を十分に低くすることによって、かつ、気密パッケージの形で主材料をパッケージする前に熱処理することによって得ることができる。代替実施形態では、熱処理は、パッケージに主材料を充填し、このパッケージを密封した後で加えることができる。
【0037】
したがって、好ましくは、既混合液体主材料は、
−重量で少なくとも65%、好ましくは68%〜75%の全固形分と、
−約3.9〜6.8、好ましくは6.1〜6.7のpHと、
−0.855未満、好ましくは0.85未満、最も好ましくは0.84〜0.80の水分活性と
を含む。
【0038】
水分活性は、主として、1つ(または複数)の微生物学的、物理的、および/または化学的に感受性のある1つ(または複数)の飲料成分およびミルク類のタイプおよび濃度に応じて液体主材料中の固形分を制御することによって設定される。
【0039】
全固形分を制御するのに適切な水分活性低減成分は、炭水化物および/または塩とし得る。好ましくは、炭水化物は、結局、既混合主材料中での適切な全固形分を設定するのに使用するのと同時に、既混合主材料の甘味のバランスをとるのに使用する。炭水化物は、既混合主材料中で、重量固形分で約30%〜60%の量で、好ましくは重量固形分で約35%〜55%の量で使用する。
【0040】
水分活性を低くするにはスクロースなどの炭水化物が好ましい。その他、可能な炭水化物には、当技術分野ではGRAS(「一般に安全と認識された」)として周知の単糖類および多糖類がある。
【0041】
好ましくは、糖などの水分活性低減剤は、グリセリンおよび塩などの化合物と組み合わせて使用し得る。
【0042】
緩衝塩などの液体既混合物の他の成分は、pHの変動およびその他の不安定要因の影響から製品を保護する働きをする。
【0043】
液体既混合物は、開封しない状態で好ましくは少なくとも6カ月間、微生物学的な安定性を保証するための成分に応じて、様々なやり方で取り扱うことができる。熱処理の例には、高温短時間熱処理(HTST)または超高温熱処理(UHT)が含まれる。HTSTでは、約87〜90℃で約30秒間、主材料を加熱する。UHTでは、圧力を制御しながら約120℃で3〜5秒間、主材料を加熱する。好ましくは、次いで、清浄な状態または無菌状態で液体主材料をポーチその他の容器に熱充填する。好ましい実施形態では水分活性が低いため、HTSTも好ましい。パッケージは無菌状態で充填してもよく、その場合、充填前にパッケージング工程を無菌化し、無菌環境で充填を実施する。あるいは、パッケージは、清浄充填してもよく、その場合、パッケージング工程は清浄状態とし、周囲条件で充填を行う。これは、水分活性が低いために可能なことである。
【0044】
ミルク類は、乳製品を基礎とした濃縮物または非乳製品クリーマを含み得る。乳製品を基礎とした濃縮物は、全乳濃縮物、スキムミルク濃縮物、または、ある割合のミルクまたは乳製品を基礎としたクリームを含む濃縮物とし得る。
【0045】
典型的な非乳製品クリーマは、ミルクの視覚的かつ味覚的な印象を飲料に与える成分である。好ましい非乳製品クリーマは、植物油、炭水化物、カゼイン酸ナトリウムまたはその他のタンパク質、および緩衝剤を含む。場合によっては非乳製品クリーマが好ましいことがある。というのは、非乳製品クリーマによって、乳タンパク質および炭水化物(例えば、乳タンパク質アレルギーおよび乳糖不耐性)に関連して生じる食品に対する感受性/アレルギー誘発物質の問題の一部が回避されるからである。
【0046】
一実施形態では、液体既混合主材料の第1非炭水化物成分は、全固形分が約68%〜75%で、pHが約6.0〜6.4に設定されたコーヒー濃縮物である。他の様式では、第1成分は、全固形分が約68%〜75%で、pHが約6.5〜6.7に設定されたココア濃縮物である。
【0047】
別の実施形態では、液体主材料の飲料成分は、すぐに飲める飲料として再構築されると、液体主材料における重量で少なくとも50%の天然ジュースと、添加水分とを含む。この製品は、好ましくは約4.6よりも低い低pHと、例えば、低温殺菌、熱充填/保持、またはUHTなどの熱処理とを組み合わせるために微生物学的に安定である。
【0048】
好ましくは、使用する天然ジュースは、白ぶどう、りんご、または梨のジュース、あるいはこれらの組合せを含む。
【0049】
さらに、液体既混合主材料の物理的かつ化学的な安定性を向上させるために安定剤を使用することができる。安定剤は水分と結合し、それによって、化学反応や生物の成長を助けるのに利用し得る水分が少なくなる。安定剤は、製品基質内での質量移動も減少させ、そのため、成分同士の相互作用が減り、化学的および生化学的な反応が生じにくくなる。成分を浮遊させるために、GRASとして認められている要素を使用し得る。安定剤の例には、アラビアゴム、カラゲーニン、マルトデキストリン、およびゼラチンが含まれる。既混合液体主材料中でのコーヒー固形分の沈殿、またはタンパク質の凝集をなくすか、または減らすために、GRAS化合物または安定剤を使用してもよい。その例には、(一塩基性または二塩基性の)リン酸ナトリウムおよびヘキサメタリン酸ナトリウムが含まれる。
【0050】
この方法の混合ステップ中に、飲料分注装置内で、計量された分量の既混合主材料を水で希釈して、濃縮物と水の比が好ましくは約1:1〜1:9の、より好ましくは約1:2〜1:8の飲料主材料を形成する。
【0051】
飲料主材料中に流動性添加物を、好ましくは添加物と飲料の相対比が1:1000〜1:25で、より好ましくは1:500〜1:50で混合する。飲料主材料中での添加物の実際の濃度は、添加物、飲料主材料のタイプ、および当業者に周知の他の因子によって決まる。
【0052】
流動性添加物は、風味料、風味増強剤、栄養補助剤(例えば、ビタミン、ミネラル、および精神的または肉体的な健康を改善すると当技術分野で認められた物質を含み得る)、コーヒーまたは茶の効能促進剤、風味遮蔽剤、着色剤、香味剤、飲料主材料に量感を付加する物質(例えば、泡を形成し得る物質)、および/またはこれらの組合せとし得る。
【0053】
風味料には、非コーヒー、非ココアの風味のいずれか1つが含まれる。好ましくは、このような風味料は、アーモンドナッツ、アマレット、アニセット、ブランデー、カプチーノ、ミント、シナモン、シナモンアーモンド、ミントクリーム、モカ、グランマルニエ、ペパーミント、ピスタチオ、サンブーカ、アップル、カモミール、シナモンスパイス、クリーム、バニラ、フレンチバニラ、アイリッシュクリーム、カルーア、レモン、マカデミア、ナッツ、オレンジ、オレンジリーフ、ピーチ、レモン、バナナ、ストロベリー、グレープ、ラズベリー、チェリーなど、ハーブ、スパイスなどの香味増強剤、ならびに上記風味料の混合物を含む。
【0054】
風味料は、有機溶媒などの担体内で希釈される。好ましい溶媒は、プロピレングリコールである。というのは、プロピレングリコールは、小体積の添加物の注入(例えば、1パルス当たり1mL未満の注入量)を正確に行うことを可能にする適切な範囲の粘度を有する食品等級の溶媒であり、世界中で、かつ様々な文化圏で安全なものとして受け入れられているからである。
【0055】
好ましい実施形態では、液体既混合主材料は、約5〜10%のコーヒー、ココアまたは茶の固形物、15〜30%の非乳製品クリーマ、30〜50%の甘味料、0〜5%の1つ(または複数)の風味料、および0〜2%の1つ(または複数)の栄養添加物を含む。この主材料は、0.85未満の水分活性を有し、そのpHは約6〜7であり、全固形分は重量で約67〜75%である。
【0056】
好ましくは、既混合液体主材料は、約25℃の動作温度で約5,000cPs未満の粘度を有し、約±200cPsの範囲に維持される。粘度をこのように制限することにより、蠕動ポンプまたはピストンポンプあるいはダイヤフラムポンプなどの従来型ポンプにより既混合液体主材料を注入し、分注システムを介して迅速に分注することができる。このように粘度の偏差を小さく抑えることにより、再現性よく確実に製品を再構成することができる。より高い粘度の範囲を想定することもでき、所望の場合、または必要な場合には、高粘度を扱うように特に設計された圧送装置を使用することもできるが、そうすると、分注装置のコストが高くなり、操作者の聴覚上の快適レベルが低くなることがある。
【0057】
本発明の一実施形態では、液体既混合主材料と、温水または冷水などの希釈液との混合は、飲料主材料が容器に分注される前に実施される。混合は、乱流が生成されるのに十分な速度に希釈液が達した状態で、液体主材料と希釈液を混合ボウルに入れることによって実施し得る。液体既混合主材料と希釈液は、例えば、2本の導管の交差部のところで混合してもよい。本発明の方法は、飲料主材料を水とともに泡立て、その結果泡立った、風味が加えられた、および/または栄養が強化された飲料を供給するステップも含み得る。泡立てるステップは、主材料と水の混合物に十分な剪断変形をもたらしてそれをあらかじめ選択したレベルに泡立てる機械的な装置またはベンチュリ装置で実施し得る。混合および/または泡立て用の機械的な装置は、飲料主材料流路の経路に配置され、かつ高速で回転するインペラまたはホイッパを含み得る。そのスピードは、飲料のタイプおよび所望の泡立て量に応じてコントローラによって変化させることができる。
【0058】
別の実施形態では、希釈液と液体既混合主材料の混合は、給仕容器自体の中で行われる。そのために、液体既混合主材料が容器に分注されている間に、および/または分注された後で、少なくとも1つの高速度希釈液ジェットとして希釈液を供給する。希釈液ジェットを高速にすることにより、乱流を生成して飲料主材料と添加物とを混合し、それによって、最終的に飲料上に泡を形成することもできる。このように、2004年8月30日出願の「Method and System for In−Cup Dispensing,Mixing and Foaming Hot and Cold Beverages from Liquid Concentrations(液体濃縮物から温飲料および冷たい飲料を分注し、混合し、泡立てることをカップ内で行う方法およびシステム)」という名称の同時係属米国特許出願第10/930663号に記載の方法およびシステムに従って飲料主材料を泡立てることができる。この特許出願の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0059】
別の実施形態では、混合・泡立てステップは、濃縮物と、濃縮物の流れと衝突しながら入る少なくとも1つのジェット水とを容器の上で混合することによって行われる。それとは別に添加物は、混合および泡立てが行われている間に容器に供給することができる。2003年12月5日出願の「Method and System for Dispensing Hot and Cold Beverages from Liquid Concentrations(液体濃縮物から温飲料および冷たい飲料を分注する方法およびシステム)」という名称の同時係属米国特許出願第10/727532号に記載の方法およびシステムに従って、飲料主材料と1つ(または複数)の添加物とを混合し泡立てることができる。この特許出願の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0060】
ある実施形態では、冷たい飲料を氷とともに供給することができる。そのために、風味が加えられた、または栄養が強化された飲料が分注されている間に、それに氷を加える。氷は、飲料主材料および風味料をカップに充填する前に手作業でそのカップに加えることもできる。自動氷分注装置を分注システムに付属させて、容器内に氷を供給することもできる。
【0061】
本発明の好ましい方法では、周期的な間隔で実施される清浄化ステップを適用することによって、分注システムの、好ましくは当技術分野で周知の業界標準を維持するための適切な衛生レベルが維持される。この清浄化ステップでは、このシステムの、飲料主材料、すなわち液体既混合物と水の混合物と接触するあらゆる部品が清浄化される。
【0062】
好ましくは、この清浄化ステップは、このシステムの流体接触表面で生じ得る微生物による腐敗を防止するのに有効な温度の温水で洗い流すことを含む。有効な温度は、分注される液体既混合物の性質に応じて、約80〜99℃、より好ましくは約85〜95℃の範囲内で変化する。清浄化サイクルは、各飲料サイクル間で、および/または時間設定された間隔で(例えば、4〜24時間ごとに)実行されるように制御することができる。
【0063】
微生物の繁殖を防止する別の方法は、温水および冷水専用ノズルを設け、冷水および製品のラインを低温に、すなわち約10℃未満に、より好ましくは約5℃未満に保つことである。
【0064】
風味が加えられた、および/または栄養が強化された非炭酸飲料を装置内で供給する分注装置の好ましい実施形態は、
第1の液体供給源と、
炭水化物だけで構成されているのではない少なくとも1つの微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的に感受性のある飲料成分を含む液体既混合主材料を含む少なくとも1つのパッケージされた供給源とを備え、このパッケージされた液体既混合物は、室温での液体既混合物の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性を有するように配合され、この実施形態はさらに、
これらの供給源から第1の液体および液体既混合主材料を受け取り、配合して飲料主材料を調製するための、第1の液体およびパッケージされた液体既混合主材料供給源に関連して動作可能な配合システムと、
配合機構に液体既混合主材料を供給するように構成された既混合主材料機構と、
配合機構に第1の液体を供給するように構成された第1液体機構とを備え、第1の液体と既混合主材料は、それらの比が制御された状態で配合機構内で互いに混じり合い、それによって液体飲料主材料が提供され、この実施形態はさらに、
これらの分注機構の作動を選択的に制御するための、分注機構に関連したコントローラを備える。
【0065】
次に、本発明の方法を実施するための好ましい一分注システムを図に関連してより詳細に説明する。図面には、例示実施形態の1つまたは複数の実施例を示す。開示した分注器および分注方法は、本開示の範囲を逸脱することなく、他の応用例での分注器および分注方法が提供されるように適合され、改変し得ること、ならびに、開示した飲料分注器および分注方法に他の追加および改変を加えることができることが当業者には理解されよう。例えば、例示実施形態の特徴を組み合わせ、分離し、入れ替え、および/または再配置して他の実施形態とすることができる。このような改変および変形は、本開示の範囲に含まれることが意図されている。
【0066】
図1に示すように、好ましい実施形態の分注装置100は、既混合主材料を保存し、主材料−液体分注機構106に流体連通する主材料保存チャンバ102を備える。添加物容器112は、添加物を保存し、添加物分注機構116に流体連通する。分注機構106および116ならびに液体供給源120に流体連通する配合機構130が提供される。分注装置100は、分注機構106および116、液体供給源120、ならびに配合機構130に動作可能に接続されたコントローラ145も備える。
【0067】
分注装置100は、当業者に周知の機能を有する様々な構造的特徴も備える。例えば、分注装置100は、ハウジング182、ハウジング182に取り付けられ、保存チャンバ102を支持する棚184、186、188、容器112、他の構成要素、分注された風味付き飲料を受ける容器150、容器150からあふれた飲料または仕損飲料を集めるドリップ用のパンまたはドレイン190も備えることができる。
【0068】
好ましくは、分注装置100は、比較的温飲料および比較的冷たい飲料を含めて様々な飲料を調製するように構成される。ある種の実施形態は、比較的温飲料または比較的冷たい飲料を分注するように構成され、両方を分注するようには構成されない。以下でさらに説明するように、分注装置100の動作中、好ましくは、コントローラ145により、主材料−液体分注機構106および添加物分注機構116に、(チャンバ102に保存された既混合主材料から調製された)飲料主材料および1つまたは複数の添加物を容器150に分注させる。一般に、このような動作中に、コントローラ145は、飲料主材料および添加物の分注動作を制御して、飲料主材料が分注されている間に、分注される飲料主材料内での分注される添加物の濃度を変化させる。
【0069】
図1に示す実施形態では、主材料−液体分注機構106は、保存チャンバ102から配合機構130に既混合主材料を供給するために導管(例えば、配管および栓)によってこれらのチャンバに流体連通する成分供給機構、例えばポンプ140などを備える。保存チャンバ102は、上記で説明した様々な既混合主材料を保存することができる。主材料成分は粉体ではないことが好ましい。そのため、成分供給機構など、濃縮物を扱う機構は、粉体ではなく流体濃縮物を扱うように構成された機構を含む。例えば、オーガーの代わりにポンプを使用し得る。好ましくは、主材料−液体分注機構106は、保存チャンバ102内に保存された異なる既混合主材料間の相互汚染をなくすか、または抑制するために異なる各保存チャンバ102ごとに別々のポンプ140を備える。
【0070】
図1に示す実施形態では、添加物分注機構116は、容器112から配合機構130に添加物を供給するためにこれらの容器に接続されたポンプ160を備える。容器112は、濃縮物、液体、乳濁液、およびシロップなど、様々な添加物を保存することができるが、添加物はこれらに限定されるものではない。例えば、容器112は、風味料(例えば、バニラ抽出物)、栄養補助剤(例えば、ビタミンおよび/またはミネラル、ホエーまたはブラン、あるいは精神的および肉体的な健康を向上させると認められた物質)、コーヒーまたは茶の効能促進剤、甘味料、ミルク類、風味増強剤、風味低減剤、着色剤、香味剤、主材料液体に量感を付加する物質(例えば、泡を形成し得る物質)、および/またはこれらの組合せを保存することができる。好ましくは、添加物分注機構116は、容器112内に保存された異なる添加物間の相互汚染をなくすか、または抑制するために異なる容器112ごとに別々のポンプ160を備える。
【0071】
主材料−液体分注機構106および添加物分注機構116には、保存チャンバ102から既混合主材料を、容器116から添加物を配合機構130に供給するために、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、およびダイヤフラムポンプなど、当業者に周知の様々なポンプを使用し得る。ポンプ140および160は、液体ジェットなどの液体の流れを形成し得ることが好ましい。
【0072】
好ましい実施形態の主材料−液体分注機構106は、配合機構130内で、1つまたは複数の飲料成分および/または1つまたは複数の飲料と配合して主材料液体を提供し得る液体を提供する液体供給源120にも関連している。液体供給源120は通常、周囲温度の飲料水の供給源であり、コントローラ145によって制御される主材料−液体分注機構106の弁および/またはポンプに接続される。図1に示すように、液体供給源120は、コントローラ145に動作可能に接続され、かつコントローラ145によって配合機構130に比較的温水または比較的冷たい水を提供するように制御される加熱ユニット121(例えば、ボイラ)および/または冷却ユニット123(例えば、冷蔵ユニット)に流体連通させることができる。しかし、一実施形態では、この液体供給源は、(分注装置100の外部の専用供給源などの)専用の温水供給源または専用の冷水供給源あるいはその両方を含む。これらの供給源は、加熱および/または冷却用のユニットで覆うことができる。ある種の実施形態では、液体供給源120は、炭酸水、クリーム、ジュース、または牛乳など、周囲温度の水以外の液体の供給源であるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
図1および2を参照すると、配合機構130は、好ましくは漏斗として構成され、導管172を介して、注入ポート173および排出ポート175を有するホイップチャンバ174に流体連通した混合カップ170を備えている。混合カップ170は、ポンプ140および液体供給源120に流体連通し、それによって、それらから既混合主材料および液体を受け取る。好ましくは、ホイップチャンバ174はホイッパ176を備える。ホイッパ176は、コントローラ145に動作可能に接続され、ベーンまたはフィン177など、混合カップ170から導管172および注入ポート173を介してチャンバ174に至る飲料主材料をホイップするためのホイッパ要素を含む。飲料主材料をホイップするホイッパ176として、当業者に周知の様々なホイッパ(例えば、円盤タイプおよびベーンタイプのホイッパ)を使用し得る。
【0074】
配合機構130は、ホイップチャンバ174の排出ポート175に連通した主材料−液体分注ノズル192、分注ノズル192を取り囲む供給防護部194、および1つまたは複数の添加物ノズル196を備える。主材料供給ノズル192は、ホイップチャンバ174の排出口175を通過した飲料主材料を容器150内に方向付ける。とりわけガスケット/クランプアセンブリ198を介して分注ノズル192に取り付けることができる供給防護部194は、分注装置100から分注される液体が、供給領域、すなわち容器150の開放端部を越えてほぼ外向きに撒き散らされること、および/または射出されることをなくすか、または抑制する。添加物ノズル196は、添加物が容器150内に分注されるように、圧送装置160に流体連通し、分注ノズル192の長手軸に沿って配設される。供給防護部194内では、ノズル192は添加物ノズル196から分離され、複数の添加物ノズル196は互いに分離されており、それによって、分注装置100の動作中に、飲料主材料と添加物ならびに添加物間の撒き散らしおよび相互汚染がなくなるか、または抑制される。
【0075】
図に示す実施形態では、供給防護部194は、プラスチック、金属またはその他の適切な材料の中空円筒形状部を備える。この中空円筒形状部は、閉じた端部195、開放端部197、および閉じた端部195のところに、円弧に沿って離間して形成された1つまたは複数の開口を有する。これらの開口は、添加物ノズル196がこれらの開口内に配設されるときに、容器150内に添加物を方向付けるようにノズル196が支持され、位置決めされるように寸法設定され、整形され、配置される。あるいは、供給防護部194は、1つまたは複数の流路を有する材料からなる中実円柱形状部(またはその他の形状の部分)を備える。これらの流路は、この中実円柱形状部を貫通して形成され、ポンプ160から容器150に添加物を案内するように寸法設定され、整形され、配置される。
【0076】
図1に示すように、コントローラ145は、主材料−液体分注機構106(例えば、ポンプ140)、添加物分注機構116(例えば、ポンプ160)、液体供給源120(ならびに、ある種の実施形態では、加熱および冷却用のユニット121および123)、ならびに配合機構130(例えば、ホイッパ176)に動作可能に接続される。コントローラ145は、既混合主材料、添加物、および液体の分注動作を制御し、時間設定し得るプロセッサ制御による装置である。分注装置100およびその構成要素機構の動作を制御するコントローラ145として、当業者に周知の様々なプロセッサ制御による装置を使用し得る。これらの装置のいくつかの例には、プログラム可能な論理コントローラ(PLC)、プログラム可能な時間設定装置、パーソナルコンピュータ、コンピュータワークステーション、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、大型コンピュータ、ハンドヘルドデバイス(例えば、携帯情報端末、ポケット型パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話など)、情報機器などが含まれるが、これらに限定されるものではない。本明細書でさらに説明するように、ある種の実施形態では、コントローラ145は、例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、トラックボール、キーパッドなどのユーザインターフェースに動作可能に接続され、それによって、分注装置100の使用者からコマンドおよび/または他の情報を受け取る。
【0077】
すでに説明したように、分注装置100の動作中、コントローラ145は、飲料主材料および1つ(または複数)の添加物の分注動作を制御して、飲料主材料の分注動作中に、分注された飲料主材料内における分注された1つ(または複数)の添加物の濃度を変化させる。好ましくは、コントローラ145は、分注装置が、(i)流体のジェット流の形で飲料主材料および1つ(または複数)の添加物を分注し、(ii)飲料主材料の分注動作の後で1つ(または複数)の添加物の分注動作を開始し、(iii)飲料主材料の分注動作が完了する前にこれら1つ(または複数)の添加物の分注動作を終了するように分注動作を制御する。1つ(または複数)の添加物の分注動作をこのように行うと、分注中のジェット式流体流の衝撃により、調製される飲料内で自然に発生する撹拌が利用され、それによって、1つ(または複数)の添加物と飲料主材料の配合が促進される。配合を促進することに加えて、飲料主材料の分注動作が停止される時点よりも前に1つ(または複数)の添加物の分注動作を停止すると、調製される飲料の表面からの1つ(または複数)の添加物の撒き散らしが抑制されることによって無駄が少なくなる。
【0078】
添加物にはジェット式の流れまたは噴霧が好ましいが、非ジェット式流も利用し得る。ただし、これらの流れは、高圧でノズルから流れを強制的に出すことによって作り出し、それによって混合動作を促進することが好ましい。典型的な流量は、1秒当たり約0.25液量オンス(すなわち、1秒当たり約7.1グラム)〜1秒当たり約10液量オンス(すなわち、1秒当たり283.5グラム)、より典型的には1秒当たり約0.5〜3液量オンス(すなわち、1秒当たり14.18〜85.1グラム)であるが、好ましい流量は、1秒当たり約1液量オンス程度(1秒当たり28.35グラム)である。
【0079】
一般に、コントローラ145は、コントローラ145に風味付き飲料を調製させる命令を含む1つまたは複数の記憶媒体と通信する。これらの命令は、ポンプ140および160、加熱および冷却用のユニット121および123、ならびに他の構成要素(図1〜3に示す構成要素など)を制御して、飲料主材料および/または1つまたは複数の添加物を生成し、および/またはそれらを容器150内に分注する命令を含み得る。
【0080】
コントローラ145は通常、分注装置100の人間の操作者または使用者からユーザインターフェースを介して所望の風味付き飲料の選択結果を受け取る。例えば、コントローラ145は、使用者が行ったマウスのクリック、キーボードの入力、キーパッドの入力、および/または別の入力イベントを検出することによって選択結果を受け取ることができる。ある種の実施形態では、この選択結果の受信に基づいて、コントローラ145は、選択された香味付き飲料を自動的に調製する。例えば、このような実施形態の一部では、コントローラ145は、記憶媒体の命令(例えば、分注動作の時間設定および流量に関係する命令)に従って飲料主材料および1つまたは複数の添加物を分注する。あるいは、ある種の実施形態では、コントローラ145は、記憶媒体に含まれる命令および分注動作中に使用者から受け取った命令に基づいて飲料を調製する。例えば、このような実施形態の一部では、コントローラ145は、使用者の入力に基づいて容器150内に1つまたは複数の添加物を分注するタイミングを決定する。
【0081】
図3に、図1および2に関して示し説明した分注装置によって風味付き飲料を調製する方法の実施形態を概略的に示す。当業者には理解されるように、開示した分注方法は、図3に示す方法例に限定されるものではなく、図1および2に示すものと異なる分注装置で飲料を調製することができ、図3に示すものと異なる、および/またはそれに追加の特徴に基づいて飲料を調製することができる。
【0082】
図3に示すように、風味付き飲料の選択結果は、例えばユーザインターフェースを介して受け取られる(図3の310)。この選択結果の受信に基づいて、コントローラ145は、その選択結果に対応する飲料主材料を調製(図3の320)し、容器150内に分注する(図3の330)。
【0083】
ほとんどの実施形態では、保存チャンバ102に保存された既混合主材料の1つまたは複数と、液体供給源120からの液体とを混合することによって飲料主材料を調製する。好ましくは、既混合主材料の少なくとも1つは、流動性液体濃縮物を含む(ある種の実施形態では、もちろん、この飲料主材料は、液体供給源120自体からの液体、あるいは、液体供給源120からの液体と混合する必要がない1つまたは複数の液体既混合主材料を含み得る)。したがって、コントローラ145は通常、ポンプ140および/または他の構成要素を作動させて、所定の量の1つまたは複数の既混合主材料および液体供給源120の液体を配合機構130(例えば、混合カップ170)に方向付けることによって飲料主材料を調製する。ある種の実施形態では、コントローラ145は、実質的に周囲温度で飲料主材料を調製する。あるいは、ある種の実施形態では、コントローラ145は、配合機構130に液体を方向付ける前に、液体供給源120からの液体を加熱または冷却することによって(すなわち、加熱または冷却用のユニット121または123に液体を通過させることによって)飲料主材料を調製する。液体供給源120からの液体を冷却することにより、比較的冷たい飲料主材料を生成し得る。ある種の飲料については、飲料主材料を約50℃未満で分注することができ、異なるタイプの飲料については、約40℃、30℃、25℃、または20℃未満で分注することができ、冷たい飲料については、約10℃未満でさえ分注することができる。ある種の飲料は、室温で分注することができ、他の飲料は、高温で、例えば40℃よりも高い温度で、より好ましくは約50℃よりも高い温度で分注することができる。
【0084】
容器150内への飲料主材料の分注動作が開始された後で、コントローラ145は、ポンプ160を作動させることによって、使用者が選択した香味付き飲料に対応する1つまたは複数の添加物を容器150内に分注し、添加物および飲料主材料の分注動作を制御し(すなわち、ポンプ140および/または160および/または分注装置100の他の構成要素を制御し)、それによって、分注された飲料主材料内での分注された添加物の濃度を、飲料主材料の分注動作の期間にわたって変化させる(図3の340)。
【0085】
すでに説明したように、添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作の開始時刻後に始めて、添加物と飲料主材料の混合を促進することが好ましい。添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作の開始時刻後、約0.5秒〜10秒で開始し得るが、添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作の開始時刻後、少なくとも1秒で開始して混合動作を強めることが好ましい。ほとんどの実施形態では、添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作の開始時刻後、約1秒〜3秒で開始される。
【0086】
分注された飲料主材料内での分注された添加物の濃度は、好ましくは、約1:1000〜約1:25(主材料/添加物の体積対飲料主材料の体積)である。好ましくは、この濃度は、コーヒー製品については、飲料主材料250mL当たり添加物約0.1mLから、飲料主材料250mL当たり添加物約2mLもの量まで変化し、栄養補助飲料では、飲料主材料250mL当たり添加物約1mL〜10mLである。飲料主材料内の添加物の実際の濃度は、添加物、飲料主材料、調製される飲料のタイプ、および当業者に周知の他の因子によって決まる。
【0087】
ある種の実施形態では、コントローラ145により、添加物が容器150内に連続的に分注される。すなわち、添加物の分注動作の継続時間全体にわたって連続流の形で分注される。コントローラ145は、記憶媒体に記憶された命令および/または使用者からユーザインターフェースを介して受け取った命令に基づいて(例えば、本明細書で前に説明した「押し続ける」動作に基づいて)添加物を連続的に分注するように構成し得る。
【0088】
あるいは、ある種の実施形態では、コントローラ145により、添加物が容器150内に間欠的または「パルス的」に分注される。コントローラ145は、記憶媒体に記憶された命令、例えば、パルス数、各パルスの継続時間、各パルス間の継続時間、飲料主材料の分注動作の開始時刻に対する相対的なパルス動作の開始時刻、および飲料主材料の分注動作の開始時刻および/または終了時刻に対する相対的なパルス動作の終了時刻を示す命令に基づいて添加物をパルス送りするように構成し得る。ある種の「パルス動作」実施形態では、パルス動作中に飲料主材料の分注動作を一時停止することができる。すなわち、添加物のパルス動作の前に終了し、添加物のパルス動作の後で再開することができる。ただし、添加物のパルス動作全体にわたって飲料主材料を分注し、それによって、飲料主材料と添加物の混合動作を強めることが好ましい。あるいは、コントローラ145により、使用者からユーザインターフェースを介して受け取った命令に基づいて(例えば、本明細書で前に説明した「押す」動作に基づいて)添加物をパルス動作させることができる。このような実施形態では、パルス動作の特徴(例えば、パルス数、継続時間、間の継続時間、開始時刻、終了時刻)は、選択された特定の飲料および添加物など、使用者の入力によって決定することができる。
【0089】
最終的に、コントローラ145により、添加物の分注動作を終了し(図3の360)、飲料主材料の分注動作を終了する(図3の370)。一般に、コントローラは、期間Tにわたって飲料主材料が分注され、期間Tにわたって添加物が分注されるように分注動作期間を制御する。ここで、期間Tは、期間Tの開始後に開始され、期間Tの終了よりも前に終了する。好ましくは、添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作が終了する前に終了し(すなわち、期間Tは、期間Tの終了前に終了し)、それによって、添加物と飲料主材料の混合動作が強められ、分注された飲料の表面から添加物が撒き散らされることがなくなるか、または抑制される。そのためには、ほとんどの実施形態では、添加物の分注動作は、飲料主材料の分注動作の終了の約2秒以内に終了する。ある種の実施形態では、飲料主材料の分注動作は、添加物の分注動作の終了後、ある期間(「停止期間」)で終了させることができる。この期間の継続時間は、添加物分注期間Tに比例したものとし得る。
【0090】
ある種の実施形態では、コントローラ145は、飲料主材料の分注動作の期間の少なくとも一部の間(好ましくは、この期間の終了部分の間)、飲料主材料が容器150内に分注される前にホイッパ176によってホイップされるように、飲料主材料の分注を制御する。例えば、このような実施形態の一部では、コントローラ145により、飲料主材料の分注動作期間の終了時に向かって、ホイッパ176によって飲料主材料をホイップすることができ、それによって、容器150内の液体飲料上に泡の層(例えば、カプチーノまたはラテなどのコーヒー飲料用の泡の層)が形成される。ホイップ期間は、記憶媒体内の命令に基づいて行うこともできるし、および/または、操作者からユーザインターフェースを介して受け取った命令に基づいて決定することもできる。
【0091】
上記で説明したように、コントローラ145により、容器150内に1つまたは複数の添加物を分注することができる(図3の340)。2つ以上の添加物を分注する実施形態では、コントローラ145および/またはユーザインターフェースを介する使用者は、各添加物の分注動作の特徴、例えば、分注動作の開始時刻、分注動作の終了時刻などを制御することができる。1つのこのような実施形態では、2つ以上の添加物が分注される開始時刻と終了時刻は互いに部分的に重なり合い、そのため、これらの添加物が同時に分注され、それによって添加物間の配合が強められる。別の実施形態では、開始時刻および/または終了時刻を互いに異なるものとすることができ、それによって、同時分注動作中に生じ得る相互汚染がなくなるか、または抑制される。
【0092】
例示した実施形態に関して、開示された飲料分注装置および分注方法を示し説明してきたが、当業者なら、日常の実験によってこれらの実施形態の多くの均等物を理解し、および/またはそれらを確認することができよう。このような均等物は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲に包含されるものである。2004年11月30日に本願とともに出願された「Beverage Dispenser with Variable−Concentration Additive Dispensing(添加物を可変濃度で分注する飲料分注装置)」という名称の同時係属米国特許出願第10/999121号の内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0093】
例えば、「保存チャンバ」内に保存された既混合主材料および「容器」内に保存された「添加物」に関して、開示された飲料分注装置を説明してきたが、開示された飲料分注装置は、このような保存媒体に限定されるものではなく、バッグ、カートン、シリンダ、カートリッジ、ホッパーなど、他のタイプの保存媒体内で既混合主材料および/または添加物が保存されるように適切に改変することができる。ただし、保存媒体はこれらに限定されるものではない。したがって、本明細書で保存チャンバおよび容器を参照することは単に便宜的なものであり、これはより一般には、既混合主材料および添加物を保存する保存媒体を参照することと理解されたい。
【0094】
また、例えば、開示された飲料分注装置は、既混合主材料および/または添加物をハウジング182内に保存することに限定されるものではなく、1つまたは複数の既混合主材料および/または1つまたは複数の添加物をハウジング182の外に、ハウジング182に取り付けて、および/またはハウジング182の外に、ハウジング182に取り付けないで(例えば、ハウジングから離れた場所に)保存するように適切に改変することができる。さらに、開示された飲料分注装置は、ハウジング182内の、本明細書で示し説明した場所とは異なる場所に飲料成分を保存するように適切に改変することができる。また、例えば、開示された飲料分注装置は、図1および2に示す構成要素のタイプおよび/または配置に限定されるものではなく、異なるタイプおよび/または異なる配置の構成要素によって、本明細書で説明した混合動作の特徴がもたらされるように適切に改変することができる。特にことわらない限り、本明細書で「ある」という言葉を用いて名詞を修飾する場合、それは、修飾された名詞の1つまたは2つ以上のものを含むことを理解されたい。
【実施例】
【0095】
以下の実施例では、すべての割合を重量で表す。
【0096】
コーヒーベースの一液体既混合物は、以下のものでできている。
コーヒー固形分 5〜10%
非乳製品クリーマ 15〜30%
甘味料(スクロース) 30〜50%
風味料 1〜5%
栄養添加物 1〜2%
は、固形分の重量で表すことを示す)
【0097】
コーヒーベースの液体既混合物の水分活性は約0.85未満であり、pHは約6〜7であり、全固形分は約67%〜75%である。
【0098】
コーヒーベースの液体既混合物は、約85〜93℃で約30〜90秒(非UHT条件)という条件下で熱処理され、箔層付きの多層プラスチックポーチにパッケージされる。この既混合物は、約12カ月間、周囲条件で安定である。水分活性は、安定剤によって低く、すなわち約0.85未満とし、それによって、香味、風味、および物理的な安定性の劣化を実質的に妨げるべきである。パッケージングにより、光および酸素から製品が保護されることが好ましい。
【0099】
ココアベースの液体既混合物は、以下のものでできている。
ココア固形分 5〜10%
非乳製品クリーマ 15〜30%
甘味料(スクロース) 30〜50%
風味料 1〜5%
栄養添加物 1〜2%
好ましくは、クリーマに安定剤を組み込む。
【0100】
茶ベースの一液体既混合物は、以下のものでできている。
茶固形分 5〜10%
非乳製品クリーマ 15〜30%
甘味料(スクロース) 30〜50%
風味料 1〜5%
栄養添加物 1〜2%
【0101】
上記の実施例における製品はすべて、(温、または冷たい)水の中で、おおよそ7体積の水に対し1体積の既混合物の比で再構成される。また、添加物濃縮物は、0.3〜0.5ミリリットルで上記再構成された飲料に注入される。動作供給条件には、清浄な環境であり、直射日光から遮られ、約20〜35℃の温度であることが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】飲料分注装置の実施形態の正面斜視図である。
【図2】図1の飲料分注装置の実施形態における配合機構の斜視図である。
【図3】図1および2の分注装置で飲料を調製する方法の実施形態を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風味が加えられた、香りのある、および/または栄養が強化された非炭酸飲料を装置内で供給する方法であって、
少なくとも1つの非炭酸副成分を含む少なくとも1つの分解し得る飲料成分を含む少なくとも1つのパッケージされた液体既混合主材料供給源を提供するステップであり、前記パッケージされた液体既混合主材料が、室温での前記既混合物の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性を有するように調合される、ステップと、
複数のパッケージされた供給源または風味、香味、および/または栄養のある流動性添加物を別に提供するステップと、
前記液体既混合主材料を注入するステップと、
前記注入された既混合主材料と非炭酸水を混合して飲料主材料を提供するステップであり、前記飲料主材料は容器に分注される、ステップと、
少なくとも1つの添加物を注入するステップと、
前記添加物および飲料主材料を混合し、前記容器に供給するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加物は、前記飲料主材料が供給されるときに前記容器に別々に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記飲料成分は、微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的に分解し得る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記既混合主材料は、重量で少なくとも65%の全固形含有量と、
3.9〜6.8のpHと、
0.855未満の水分活性とを有する、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記液体既混合主材料は、パッケージが開封されるまで少なくとも2カ月間、室温で安定に貯蔵されるように調合され、熱処理され、密封パッケージに保存される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記既混合主材料は、濃縮物と水の比が体積で約1:2〜1:8の前記飲料主材料が形成されるように水で希釈される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記流動性添加物は、前記飲料主材料中で、添加物と飲料の相対比が約1:1000〜1:25で混合される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記添加物は、風味料およびプロピレングリコールを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記添加物は複数の添加物を含み、
前記飲料主材料は、飲料主材料供給ラインを介して前記容器に供給され、
前記方法はさらに、前記添加物の少なくとも1つを選択するステップと、前記添加物を前記飲料主材料とは別に、前記飲料主材料供給ライン内の飲料に接触することなく前記容器に供給するステップとを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記液体既混合主材料は複数の液体既混合主材料を含み、前記方法は、前記既混合主材料の少なくとも1つおよび前記添加物の少なくとも1つを選択するステップと、前記選択された既混合主材料を有する前記飲料主材料と、前記選択された添加物とを混合するステップとを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記液体既混合主材料の少なくとも2つが選択され、前記飲料主材料内に分注される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記液体主材料は、30℃未満の温度の水と混合されるように調合される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記液体既混合主材料は、
コーヒー濃縮物、茶濃縮物、ココア濃縮物、またはチコリ濃縮物、あるいはこれらの組合せを含む第1飲料成分と、
ミルク類と、
室温での前記液体既混合主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分とを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記パッケージされた供給源は、
コーヒー濃縮物、ミルク類、および水分活性低減成分を含む、第1のパッケージされた第1液体既混合主材料供給源と、
ココア濃縮物、ミルク類、および前記液体主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分を含む、第2のパッケージされた第2液体既混合主材料供給源とを含み、
前記方法はさらに、前記第1および第2の液体既混合主材料の一方または両方を選択するステップと、前記選択された主材料と前記水とを混合して前記容器に分注するステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ミルク類は乳製品を基礎とした成分である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ミルク類は非乳製品クリーマである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記既混合主材料は、約5〜10%のコーヒー固形分と、15〜30%の非乳製品クリーマと、30〜50%の甘味料と、0〜5%の1つ(または複数)の風味料と、0〜2%の1つ(または複数)の栄養添加物とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記既混合主材料は、約5〜10%のココア固形分と、15〜30%の非乳製品クリーマと、30〜50%の甘味料と、0〜5%の1つ(または複数)の風味料と、0〜2%の1つ(または複数)の栄養添加物とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記既混合主材料は、約5〜10%の茶固形分と、15〜30%の非乳製品クリーマと、30〜50%の甘味料と、0〜5%の1つ(または複数)の風味料と、0〜2%の1つ(または複数)の栄養添加物とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記液体既混合主材料は、
重量で少なくとも50%の純粋ジュースを含む飲料成分と、
前記既混合液体主材料の貯蔵を安定化させる少なくとも1つの水分活性低減成分とを含む液体濃縮物である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記流動性添加物は、風味料、風味増強剤、栄養補助剤、コーヒーまたは茶の効能促進剤、風味遮蔽剤、着色剤、香味剤、飲料主材料に量感を付加するために選択された物質、またはこれらの組合せを含む、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記飲料主材料を泡立てるステップをさらに含む、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
第1液体の第1液体供給源と、
少なくとも非炭水化物副成分を含む少なくとも1つの分解し得る飲料成分を含む液体既混合主材料を含む少なくとも1つのパッケージされた供給源であり、前記パッケージされた液体既混合物は、室温での前記既混合物の貯蔵を安定化させるのに有効な水分活性を有するように調合される、前記供給源と、
前記第1液体およびパッケージされた供給源に動作可能に関連し、それによって、前記第1液体および液体既混合主材料を受け取り、配合して飲料主材料を提供する配合システムと、
前記配合システムに前記液体既混合主材料を供給するように構成された既混合主材料分注機構と、
前記配合システムに前記第1液体を供給するように構成された第1液体分注機構と、
風味、香味、量感、および/または栄養に関する添加物を含む複数のパッケージされた添加物供給源と、
前記添加物供給源と動作可能に関連し、それによって、前記添加物供給源から前記添加物が選択的に分注されて前記既混合主材料および前記第1液体と混合され、その結果、風味が加えられ、香味があり、および/または栄養が強化された飲料が提供される添加物分注機構と、
前記分注機構の作動を選択的に制御するように前記分注機構に関連するコントローラとを備える、飲料分注システム。
【請求項24】
前記飲料成分は、微生物学的、物理的、酵素学的、および/または化学的に分解し得る、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記コントローラは、前記分注された飲料主材料における前記分注された添加物の相対濃度を変化させるように前記分注機構に関連する、請求項23に記載の分注装置。
【請求項26】
容器に前記飲料主材料を分注するように構成された飲料主材料分注導管をさらに備え、前記添加物分注機構は、前記飲料主材料とは別に前記容器に添加物を分注し、それによって、前記添加物が前記飲料主材料供給導管に接触しないように構成される、請求項23〜25のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項27】
前記コントローラは、所定の継続時間のパルス単位で前記添加物を分注するように前記添加物分注機構を動作させるように構成される、請求項23〜26のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項28】
前記飲料主材料を加熱して温飲料を提供するように構成された加熱器をさらに備える、請求項23〜27のいずれか一項に記載の分注装置。
【請求項29】
前記飲料主材料を周囲温度未満に冷却するように構成された冷却システムをさらに備える、請求項23〜28のいずれか一項に記載の分注装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−522261(P2008−522261A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541874(P2007−541874)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012753
【国際公開番号】WO2006/058713
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】