横型製袋充填包装機
【課題】 被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減して、被包装体を安定して搬送できる横型製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】 筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共に搬送する第1搬送部1と、一対のシール体30により被包装体Xを個装するシール部3と、個装される被包装体Xを搬送する第2搬送部4とを備える横型製袋充填包装機において、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体30と干渉するのを防止すべく、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入する前に、シール部3側の端部同士が離間して、シール体30が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部3側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする。
【解決手段】 筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共に搬送する第1搬送部1と、一対のシール体30により被包装体Xを個装するシール部3と、個装される被包装体Xを搬送する第2搬送部4とを備える横型製袋充填包装機において、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体30と干渉するのを防止すべく、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入する前に、シール部3側の端部同士が離間して、シール体30が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部3側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体で個装する横型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横型製袋充填包装機として、図11に示すように、回転式エンドシールを備える横型製袋充填包装機100が知られている。横型製袋充填包装機100は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部101と、第1搬送部101の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装する回転式エンドシールとしてのシール部102と、シール部102における被包装体を搬送する中間搬送部103と、シール部102の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部104とを備える。
【0003】
シール部102は、上シール体102a及び下シール体102bからなる一対のシール体を備える。上シール体102a及び下シール体102bは、互いに同期して真円状で回転する。そして、上シール体102a及び下シール体102bは、互いの先端部で包装体を溶断又は溶着して封止する。
【0004】
中間搬送部103は、被包装体の搬送路となる上面を備える。具体的には、中間搬送部103は、下シール体102bと同期して無端回転する一対のチェーン部材103a,103aを備え、一対のチェーン部材103a,103aが複数の連結部材103b,…で連結され、さらに、被包装体の搬送路となるベルト103cが連結部材103b,…に取り付けられて構成される。
【0005】
そして、横型製袋充填包装機100は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に第1搬送部101から中間搬送部103に移載し、シール部102において包装体を封止して被包装体を個装し、さらに、包装体で個装された被包装体を中間搬送部103から第2搬送部に移載して搬送する。このようにして、横型製袋充填包装機100は、被包装体を包装体で包装する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかる横型製袋充填包装機100は、第1搬送部101及び中間搬送部103間や、中間搬送部103及び第2搬送部104間といった搬送部間の移載部が複数箇所存在する。しかも、各搬送部間の移載部は平坦ではないため、かかる横型製袋充填包装機100は、被包装体が複数の移載部にて搬送姿勢を乱し、所望の状態で被包装体を包装体で包装できないことが起こり得る。
【0007】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減して、被包装体を安定して搬送することで、所望の状態で被包装体を包装体で包装できる横型製袋充填包装機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る横型製袋充填包装機は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部と、第1搬送部の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装するシール部と、シール部の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部とを備え、シール部は、一対のシール体がそれぞれ回転軸周りに回転することにより包装体を封止するように構成される横型製袋充填包装機において、第1搬送部及び第2搬送部は、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体と干渉するのを防止すべく、シール体が被包装体の搬送路に進入する前に、シール部側の端部同士が離間して、シール体が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1搬送部が筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に下流側に配置されるシール部へ搬送し、そして、シール部における一対のシール体が、それぞれの回転軸周りを回転することにより、搬送される包装体における被包装体間の部位を封止する。その後、シール体が包装体の封止を終えて被包装体の搬送路から退出すると、第1搬送部及び第2搬送部が、シール部側の端部同士を被包装体の搬送方向に沿って接近させる。そして、第1搬送部が、搬送方向側の包装体の部位を封止された被包装体を第2搬送部に移載する。
【0010】
また、被包装体が第2搬送部に載り移ると、シール体が被包装体の搬送路に進入してくるのに伴い、第1搬送部及び第2搬送部が、シール体との干渉を防止するようにシール部側の端部同士を被包装体の搬送方向に沿って離間させる。そして、シール体が被包装体の搬送路に進入して包装体を再び封止すると、被包装体が包装体で個装(包装)され、第2搬送部により下流側へ搬送される。したがって、被包装体の搬送部間の載り移りが最小回数(一回)に抑えられるため、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減できる。
【0011】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方は、被包装体の搬送方向に沿って移動可能な移動体をシール部側に備え、移動体の変位によって第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成を採用してもよい。
【0012】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方で、移動体が被包装体の搬送方向に沿って移動することにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離する。それにより、第1搬送部の上流に配置される前工程設備及び第1搬送部間の位置関係や、第2搬送部の下流に配置される後工程設備及び第2搬送部間の位置関係が変化するのを防止できる。よって、前工程設備や後工程設備に影響を与えることなく、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離できる。
【0013】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、第1搬送部及び第2搬送部は、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において、シール部側の端部間に介在するシール体の部位における被包装体の搬送方向の長さ寸法がシール体の回転に伴って変化するのに応じて、シール部側の端部間の離間距離が変化するような構成を採用してもよい。
【0014】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部と干渉しうるシール体の部位であって被包装体の搬送方向の長さ寸法、別の言い方をすれば、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部間に介在するシール体の傾斜度合いが、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において変化するのに対応して、第1搬送部及び第2搬送部のシール部側の端部同士における搬送方向の離間距離が変化する。したがって、例えば、第1搬送部及び第2搬送部が、シール体と干渉しない程度に、シール部側の端部同士を必要最小限の離間距離で変化させることができる。
【0015】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、シール体を回転させる駆動力を受けて、被包装体の搬送方向に沿う動力として第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に伝達する伝達機構を備え、第1搬送部及び第2搬送部は、伝達される動力によって、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成を採用してもよい。
【0016】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に設けられる伝達機構が、シール体を回転させる駆動力を被包装体の搬送方向に沿う動力として搬送部に伝達することにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離する。したがって、シール体の回転や、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士の接離といった動作が機械要素(機構)だけで構成されるため、例えば、シール体、第1搬送部、及び第2搬送部が互いに干渉(衝突)して破損するのを確実に防止でき、その結果、互いの干渉(衝突)を防止するための安全機構(インタロック)が不要である。
【0017】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、伝達機構は、シール体を回転させる駆動力を受けて回転するカムと、カムの表面を摺動するカムフォロアが設けられ、カムの動力を被包装体の搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構とを備えてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、シール体を回転させる駆動力を受けてカムが回転すると、変換機構が、カムの表面を摺動するカムフォロアの変位を被包装体の搬送方向に沿う変位に変換して搬送部に伝達する。それにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール側の端部同士が、シール体の回転と同期して被包装体の搬送方向に相対的に接離する。したがって、被包装体の形状や被包装体の搬送速度といった各種条件に応じて、シール体、第1搬送部、及び第2搬送部の位置関係をシール体の回転角度ごとにフレキシブルに設定でき、その結果、被包装体を安定して搬送できる。
【発明の効果】
【0019】
したがって、本発明によれば、被包装体の搬送部間の載り移りが最小回数に抑えられるため、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減して、被包装体を安定して搬送することで、所望の状態で被包装体を包装体で包装できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る横型製袋充填包装機における一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、互いに密着する複数(図1において三つとする)の円柱状物品X1,…(例えば、半径より高さ寸法の方が小さい円柱状の缶詰)からなる被包装体Xを包装体Yで包装する場合を例とする。
【0021】
本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、図1及び図2に示すように、筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共に搬送する第1搬送部1と、第1搬送部1の下流側に配置されて包装体Yにおける被包装体X間の部位を封止して被包装体Xを個装するシール部3と、シール部3の下流側に配置されて個装される被包装体Xを搬送する第2搬送部4とを備える。また、横型製袋充填包装機は、シール部3において、一対のシール体30(上シール体30a及び下シール体30b)がそれぞれ回転軸31周りに回転することにより包装体Yを封止するように構成される。
【0022】
そして、横型製袋充填包装機は、シール体30を回転させる駆動力を受けて、被包装体Xの搬送方向に沿う動力として第1搬送部1に伝達する第1伝達機構2と、シール体30を回転させる駆動力を受けて、被包装体Xの搬送方向に沿う動力として第2搬送部4に伝達する第2伝達機構5とを備える。また、横型製袋充填包装機は、弾性体からなる表面部が無端回転する補助搬送部6を第1搬送部1の上方に配置する。そして、横型製袋充填包装機は、被包装体Xの搬送姿勢が乱れるのを防止すべく、筒状の包装体Yの中の被包装体Xを包装体Yと共に、第1搬送部1及び搬送補助部6で上下方向に挟んで押圧しつつ搬送するように構成される。
【0023】
第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、回転するシール体30と干渉するのを防止すべく、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入する前に、シール部3側の端部同士が離間して、シール体30が被包装体Xの搬送路から退出した後に、シール部3側の端部同士が接近するように構成される。
【0024】
さらに具体的には、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入してから退出するまでの間において、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部間に介在するシール体30の部位における被包装体Xの搬送方向の長さ寸法が、シール体30の回転に伴って変化するのに応じて、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士における被包装体Xの搬送方向の離間距離を変化させるように構成される。
【0025】
第1搬送部1は、図3〜5に示すように、被包装体Xの搬送方向に沿って移動可能な移動体10をシール部3側に備え、シール部3側の端部が、移動体10の変位によって第2搬送部4におけるシール部3側の端部と被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。また、第1搬送部1は、移動体10の平面状の上面と、装置本体(図示しない)に固定されて設けられる固定体11の平面状の上面とにより被包装体Xの搬送路が構成される。
【0026】
そして、第1搬送部1は、被包装体Xの搬送方向に沿って移動体10を案内する案内機構12と、移動体10の上面及び固定体11の上面を摺動し、被包装体Xを載置して搬送する搬送部材13(ここではベルトとする)と、搬送部材13を回転させる駆動部14とを備える。さらに、第1搬送部1は、第2搬送部4に被包装体Xを安定して移載させるためのガイド部15がシール部3側の端部であって搬送部材13の上方に設けられる。
【0027】
移動体10は、被包装体Xの搬送路に沿って延伸する長尺な二つの天板が、搬送方向と垂直方向に離間して設けられる。そして、移動体10は、被包装体Xの搬送方向に延伸する一対の側板が二つの天板を側面側から挟むように設けられ、二つの天板及び一対の側板を複数の連結板で連結して構成される。また、移動体10は、シール部3側の端部に配置される第1方向転換部材10a(ここではプーリとし、以下「第1移動プーリ10a」とする)と、第1方向転換部材10aより下方で、且つシール部3と反対方向側に配置される第2方向転換部材10b(ここではプーリとし、以下「第2移動プーリ10b」とする)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。
【0028】
固定体11は、被包装体Xの搬送路に沿って延伸する天板がシール部3側で移動体10の二つの天板間に配置して設けられる。また、固定体11は、被包装体Xの搬送方向に延伸する一対の側板が移動体10を側面側から挟むようにして設けられ、一対の側板が装置本体に固定されると共に、一対の側板に天板が固定されて構成される。そして、固定体11は、移動する第2移動プーリ10bより常にシール部3側に位置するように配置される第1方向転換部材11a(ここではプーリとし、以下「第1固定プーリ11a」とする)と、シール部3の反対方向側の端部に配置される第2方向転換部材11b(ここではプーリとし、以下「第2固定プーリ11b」という)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。
【0029】
案内機構12は、いわゆるリニアガイドであり、固定体11の一対の側板の内側に固定されるレール12a,12aと、移動体10の一対の側板の外側に固定される摺動体(スライダ)12b,12bとを備えて構成される。具体的には、被包装体Xの搬送方向に沿って延伸するレール12aと、レール12aの外側を嵌合して摺動可能な摺動体12bとを備えて構成される。また、レール12aは、断面が略長方形状に形成され、摺動体12bは、レール12aが一部挿入される断面が略コ字状に形成される。
【0030】
搬送部材13は、第1移動プーリ10a、第2移動プーリ10b、第1固定プーリ11a、及び第2固定プーリ11bに掛けられて無端回転するように構成される。具体的には、搬送部材13は、第1移動プーリ10aにおけるシール部3側(被包装体Xの搬送方向側、第2搬送部4側)、第2移動プーリ10bにおけるシール部3と反対方向側、第1固定プーリ11aにおけるシール部3側、及び第2固定プーリ11bにおけるシール部3と反対方向側とそれぞれ接触して無端回転するように構成される。
【0031】
駆動部14は、駆動手段(図示しない)によって回転駆動する駆動軸14aと、駆動軸14aに搬送部材13を押圧させる二つの調整プーリ14b,14cとを備える。具体的には、駆動部14は、一方の調整プーリ14bを変位させて搬送部材13の張力を調整可能に構成され、前記張力により駆動軸14aの駆動力を搬送部材13に確実に伝達する。また、駆動部14は、第1固定プーリ11a及び第2固定プーリ11b間における搬送部材13の部位で駆動力を伝達するように配置される。
【0032】
ガイド部15は、被包装体Xが搬送方向と交差方向に移動するのを防止すべく、被包装体Xの搬送路と平行であって搬送方向と直交方向に離間して配置される一対の部材片15a,15aを備えて構成される。また、ガイド部15は、搬送部材13の上方であって、搬送部材13と接触していない被包装体X(包装体Y)の部位の下方に配置される部位を有する。具体的には、ガイド部15は、搬送部材13と搬送部材13に接触していない被包装体(包装体Y)の部位との間に配置する部位を有する。
【0033】
そして、ガイド部15は、前記部位の上面側が被包装体X(包装体Y)の形状に対応して形成され、被包装体X(包装体Y)の下方側を支持するように構成される。具体的には、ガイド部15は、被包装体Xの円柱状物品X1,…に対応して、被包装体Xを下方から支持すべく、上面側が円弧状に形成される。また、ガイド部15は、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載する際に、第1搬送部1の搬送路及び第2搬送部4の搬送路に亘って(跨って)配置されるべく、一部が移動体10から第2搬送部4側に突出するように構成される。
【0034】
第1伝達機構2は、シール体30を回転させる駆動力を受けて回転するカム20と、カム20の動力を被包装体Xの搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構21とを備える。カム20は、シール体30と同期して回転する。具体的には、カム20は、板カムとしている。
【0035】
変換機構21は、カム20の表面を摺動するカムフォロア21aを備え、カムフォロア21aの変位を被包装体Xの搬送方向に沿った変位に変換させるように構成される。また、変換機構21は、カムフォロア21aが取り付けられる第1部材21bと、第1部材21bに接続される第2部材21cと、第2部材21c及び第1搬送部1を接続する接続部材21dとを備えるリンク機構で構成される。
【0036】
カムフォロア21aは、第1搬送部1及び下シール体30bの位置関係が下シール体30bの回転角度に応じて設定されるように、板カムであるカム20の無端周縁を摺動する。具体的には、カムフォロア21aは、カム20の周縁を摺動するカムローラとしている。また、カムフォロア21aは、弾性体22により付勢され、カム20に押圧されて摺動するように構成される。
【0037】
第1部材21bは、略L字状に形成され、一端側にカムフォロア21aが取り付けられ、屈曲部に設けられる軸受21eを軸として回動可能に構成される。第2部材21cは、略長方形状に形成され、一端側に軸受21fを介して第1部材21bの他端側に接続(枢着)され、他端側に接続部材21dを介して第1搬送部1の移動体10に接続(枢着)される。接続部材21dは、第1搬送部1の固定体11における一対の側板の一方に、被包装体Xの搬送方向に沿って設けられる孔部11cに挿通され、長尺な孔部11cの内縁を摺動するように構成される。これにより、接続部材21dは、孔部11cの内縁で案内されるため、被包装体Xの搬送方向に沿って移動するように構成される。
【0038】
かかる第1搬送部1は、図6に示すように、移動体10が案内機構12に案内されて被包装体Xの搬送方向に沿って移動する、即ち、第1移動プーリ10a及び第2移動プーリ10bが被包装体Xの搬送方向に沿って移動すると、搬送路が伸縮するように構成される。具体的には、第1搬送部1は、移動体10がシール部3側(被包装体Xの搬送方向)に移動すると搬送路が伸び、シール部3側と反対方向に移動すると搬送路が縮むように構成される。そして、第1搬送部1は、搬送路の伸縮、即ち、第1移動プーリ10a及び第2固定プーリ11b間の距離の変化が、第2移動プーリ10b及び第1固定プーリ11a間の距離の変化で調整可能であり、それゆえ、搬送路の伸縮状態を問わず、一定長の搬送部材13が無端回転可能に構成される。
【0039】
シール部3は、図1に示すように、一対のシール体30a,30bが互いに同期して真円状に回転するように、同期して回転する一対の回転軸31a,31bにそれぞれのシール体30a,30bの基部が取り付けられている。そして、一対のシール体30a,30bは、それぞれの先端部で包装体Yを溶断又は溶着して封止するように構成される。また、一対の回転軸31a,31bは、それぞれの軸が被包装体Xの搬送路と平行に配置され、さらに、それぞれの軸を含む面が被包装体Xの搬送路と直交するように配置される。
【0040】
第2搬送部4は、基本的構成態様は第1搬送部2と同様であり、図7に示すように、被包装体Xの搬送方向に沿って移動可能な移動体40をシール部3側に備え、シール部3側の端部が、移動体40の変位によって第1搬送部1におけるシール部3側の端部と被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。また、第2搬送部4は、移動体40の平面状の上面と、装置本体(図示しない)に固定されて設けられる固定体41の平面状の上面とにより被包装体Xの搬送路を構成する。そして、第2搬送部4は、被包装体Xの搬送方向に沿って移動体40を案内する案内機構42と、移動体40の上面及び固定体41の上面を摺動して、被包装体Xを載置して搬送する搬送部材43(ここではベルトとする)と、搬送部材43を回転させる駆動部44とを備える。
【0041】
移動体40は、シール部3側の端部に配置される第1方向転換部材40a(ここではプーリとし、以下「第1移動プーリ40a」とする)と、第1方向転換部材40aより下方で、且つシール部3と反対方向側に配置される第2方向転換部材40b(ここではプーリとし、以下「第2移動プーリ40b」とする)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。固定体41は、移動する第2移動プーリ40bより常にシール部3側に位置するように配置される第1方向転換部材41a(ここではプーリとし、以下「第1固定プーリ41a」とする)と、シール部3の反対方向側の端部に配置される第2方向転換部材41b(ここではプーリとし、以下「第2固定プーリ41b」という)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。搬送部材43は、第1移動プーリ40a、第2移動プーリ40b、第1固定プーリ41a、及び第2固定プーリ42bに掛けられて駆動部44により無端回転するように構成される。
【0042】
第2伝達機構5は、基本的構成態様は第1伝達機構2と同様であり、シール体30を回転させる駆動力を受けて回転するカム50と、カム50の動力を被包装体Xの搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構51とを備える。カム50は、シール体30と同期して回転する。変換機構51は、カム50の表面を摺動するカムフォロア51aを備え、カムフォロア51aの変位を被包装体Xの搬送方向に沿う変位に変換させるように構成される。また、変換機構51は、カムフォロア51aが取り付けられる第1部材51bと、第1部材51bに接続される第2部材51cと、第2部材51c及び第1搬送部1を接続する接続部材51dとを備えるリンク機構で構成される。
【0043】
かかる第2搬送部4は、移動体40が案内機構42に案内されて被包装体Xの搬送方向に沿って移動する、即ち、第1移動プーリ40a及び第2移動プーリ40bが被包装体Xの搬送方向に沿って移動すると、搬送路が伸縮するように構成される。具体的には、第2搬送部4は、移動体40がシール部3側(被包装体Xの搬送方向)に移動すると搬送路が伸び、シール部3側と反対方向に移動すると搬送路が縮むように構成される。そして、第2搬送部4は、搬送路の伸縮、即ち、第1移動プーリ40a及び第2固定プーリ41b間の距離の変化が、第2移動プーリ40b及び第1固定プーリ41a間の距離の変化で調整可能であり、それゆえ、搬送路の伸縮状態を問わず、一定長の搬送部材43が無端回転可能に構成される。
【0044】
本実施形態に係る横型製袋充填包装機の構成に関する説明は、以上の通りであり、次に、本実施形態に係る横型製袋充填包装機の作用について説明する。なお、以下の説明のために参酌される図においては、移動体10,40に関しては、第1移動プーリ10a,40aのみを図示している。
【0045】
まず、図8(a)に示すように、第1搬送部1は、筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共にシール部3へ搬送する。そして、一対のシール体30は、一対の回転軸31を軸として回転して、搬送される包装体Yにおける被包装体X間の部位を封止する。具体的には、第1搬送部1上に位置する被包装体Xと第2搬送部4上に位置する被包装体Xとの間における包装体Yの部位を封止する。
【0046】
そして、図8(b)及び(c)に示すように、干渉しうる下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向の長さ寸法(即ち、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部間に介在する下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向での幅寸法)が、下シール体30bが包装体Yを封止する際よりも被包装体Xの搬送路から退出する際の方が大きくなるように変化するのに対応して、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が変化する。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が、下シール体30bが包装体Yを封止する際よりも被包装体Xの搬送路から退出する際の方が大きくなるように変化させる。
【0047】
より具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、包装体Yの封止を終えて被包装体Xの搬送路から退出する下シール体30bとの干渉を防止するように、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って離間させる。さらに具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向に移動させつつ、さらに、第1搬送部1の移動体10の移動速度よりも第2搬送部4の移動体40の移動速度の方を速くすることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って離間させる。
【0048】
このとき、第1搬送部1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を伸ばし、第2搬送部4は、移動体40を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を縮めることになる。しかも、第1搬送部1は、被包装体Xがシール部3側の端部から突出するのを防止すべく、被包装体X(包装体Y)の搬送速度、即ち、搬送部材13の回転速度よりも速い速度で移動体10を被包装体Xの搬送方向に移動させる。したがって、複数の物品X1,…からなる被包装体Xの先端が第1搬送部1のシール部3側の端部から微小量突出することにより、先頭の物品X1が搬送姿勢を乱すという問題も解消できる。
【0049】
しかも、第1搬送部1は、移動体10を除く本体が上流側(被包装体Xの搬送方向の反対方向側)に配置される前工程設備(図示しない)に対して変位せず、第2搬送部4も、移動体40を除く本体が下流側(被包装体Xの搬送方向側)に配置される後工程設備(図示しない)に対して変位しない。したがって、第1搬送部1及び第2搬送部4は、前後の工程設備に影響することなく、搬送路を伸縮することでシール部3側の端部同士を相対的に接離できる。
【0050】
そして、図8(d)に示すように、下シール体30bが被包装体Xの搬送路から完全に退出すると、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って接近して、図9(a)に示すように、互いに干渉しない程度に微小な離間距離を有して接近する。その後、図9(b)及び(c)に示すように、第1搬送部1は、搬送方向側の包装体Yの部位を封止された被包装体Xを第2搬送部4に移載する。
【0051】
このとき、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士間の微小な離間距離を維持しつつ、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動、即ち、各移動体10,40を同じ速度で移動させる。具体的には、第1搬送部1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を縮め、そして、第2搬送部材4は、移動体40を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を伸ばす。
【0052】
さらに、第1搬送部1及び第2搬送部4間の移載部に凹部(第1移動プーリ10a,40a間に生じる凹部)が生じるが、第1搬送部1は、被包装体Xの搬送方向の端部に設けたガイド部15により、安定して被包装体Xを移載する。具体的には、ガイド部15が第1搬送部1の搬送路の平面部位及び第2搬送部4の搬送路の平面部位に亘って(跨って)配置され、さらに、被包装体Xの形状に対応して円弧状に上面を形成されているため、移載部の凹部に影響されることなく、第1搬送部1は、第2搬送部4に被包装体Xを移載できる。
【0053】
そして、図9(d)に示すように、被包装体Xが第2搬送部4に完全に載り移ると、図10(a)及び(b)に示すように、第1搬送部1及び第2搬送部4は、被包装体Xの搬送路に再び進入する下シール体30bとの干渉を防止すべく、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って離間する。具体的には、第1搬送部材1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を縮め、そして、第2搬送部材4は、移動体40(第1移動プーリ40a)を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を縮めることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って離間する。
【0054】
その後、図10(c)及び(d)に示すように、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入すると、一対のシール体30は、包装体Yを撓ませながら回転する。なお、上シール体30aは、先端部に設けられる接触部材30c,30cにより、包装体Yを溶着する加熱部分が、下シール30bとで包装体Yを封止する位置まで包装体Yと接触しないように構成されている。そして、図8(a)に示すように、回転する一対のシール体30が包装体Yを封止すると、被包装体Xが包装体Yで個装(包装)され、第2搬送部4で次工程設備(下流側)に搬送される。したがって、被包装体Xは、搬送部間の移載が第1搬送部1から第2搬送部4への一回のみで包装が完了される。
【0055】
ここで、第1搬送部1及び第2搬送部4と干渉しうる下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向の長さ寸法が、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入する際よりも包装体Yを封止する際の方が小さくなるのに対応して、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離を変化させる。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入する際よりも包装体Yを封止する際の方が小さくなるように変化させる。
【0056】
より具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、被包装体Xの搬送路に進入して包装体Yを封止する下シール体30bとの干渉を防止しつつも、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って接近させる。さらに具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向に移動させつつ、さらに、第1搬送部1の移動体10の移動速度よりも第2搬送部4の移動体40の移動速度の方を遅くすることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って接近させる。
【0057】
また、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度(第1搬送部1の搬送部材13の回転速度)は、シール体30が包装体Yを封止する際に包装体Yと接触する先端部の回転速度と略同速度に設定される。これにより、包装体Yは、シール体30に接触された部位を略維持したまま封止される。したがって、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度とシール体30の先端部の回転速度とが異なる場合と比較して、包装体Yが良好に封止される。
【0058】
一方、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度(第2搬送部4の搬送部材43の回転速度)は、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度より速く設定される。これにより、包装体Yは、第1搬送部1及び第2搬送部4に跨っている際、前記速度差によって封止される部位が引っ張られる。したがって、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度が、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度に対して同じ又は遅い場合と比較して、包装体Yは、封止される部位が撓むことがなく、それにより、良好に封止される。
【0059】
さらに、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度は、シール体30の包装体Yと接触する先端部の回転速度より速く設定される。これにより、包装体Yは、シール体30で溶断される際に、第2搬送部4上に位置する部位が引っ張られる。したがって、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度が、シール体30の先端部の回転速度に対して同じ又は遅い場合と比較して、包装体Yは、溶断されやすいため、良好に封止される。
【0060】
以上より、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1及び第2搬送部4における相互に対向する側の端部が被包装体Xの搬送方向に沿って互いに接離可能な構成であるため、被包装体Xを包装体Yで包装するにあたり、被包装体Xの搬送姿勢を乱す要因の一つである搬送部間の移載を一回に抑えることができ、その結果、被包装体Xを安定して搬送できる。
【0061】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1の搬送路が第2搬送部4側で伸縮し、そして、第2搬送部4の搬送路が第1搬送部1側で伸縮する構成であるため、前後の工程設備に影響を与えることなく、第1搬送部1及び第2搬送部4における相互に対向する側の端部が相対的に接離でき、その結果、前後の工程設備間において、被包装体Xの搬送姿勢を乱す要因を増加するのを防止できる。
【0062】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入している間において、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の各端部が、被包装体Xの搬送方向に速度差を有して移動する構成であるため、前記端部同士における離間距離を変化させることができる。具体的には、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入してから包装体Yを封止する間においては、第1搬送部1のシール部3側の端部よりも第2搬送部2のシール部3側の端部の方が遅く移動するため、端部同士間の離間距離が小さくなり、また、下シール体30bが包装体Yを封止してから被包装体Xの搬送路から退出する間においては、第1搬送部1のシール部3側の端部よりも第2搬送部2のシール部3側の端部の方が速く移動するため、端部同士間の離間距離が大きくなる。
【0063】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、機械要素だけでなる第1伝達部2及び第2伝達部5によって、第1搬送部1及び第2搬送部4の相互に対向する側の端部同士がシール体30と同期して相対的に接離する構成であるため、例えば、動作が目視で確認でき、その結果、部品の故障や磨耗等により発生するトラブルを早期に発見できる。
【0064】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載する際における、第1搬送部1の第1移動プーリ10aの軸及び第2搬送部4の第1移動プーリ40aの軸間であって、第1搬送部1及び第2搬送部4の上方に部位を有するガイド部15を備える構成であるため、第1搬送部1及び第2搬送部4間における移載部の凹部に影響されることなく被包装体Xを移載でき、その結果、被包装体Xをさらに安定して搬送できる。
【0065】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、シール体30を回転させる駆動力を受けてカム20,50を回転させ、カム20,50の無端周縁にカムフォロア20a,50aを摺動させる構成であるため、シール体30、第1搬送部1、及び第2搬送部4の位置関係がシール体30の回転角度ごとにフレキシブルに設定できる。
【0066】
例えば、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載される際に、第1搬送部1及び第2搬送部4のシール部3側の端部同士が互いに干渉しない程度に接近するまで、被包装体Xが第1搬送部1のシール部3側の端部から突出するのを防止すべく、第1搬送部1と下シール体30bとの位置関係が設定されるように構成される(図8(a)〜(d)参照)。
【0067】
さらに、例えば、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に対して進入(突出)する高さ寸法(一対のシール体30が対向する方向の長さ寸法)が同一であって、下シール体30bが被包装体Xの搬送方向側に傾斜する場合と搬送方向と反対方向側に傾斜する場合とにおける、第1搬送部1及び下シール体30b間の搬送方向の距離が相違すると共に、第2搬送部4及び下シール体30b間の搬送方向の距離が相違するように構成される(図8(b)及び図10(d)と、図8(c)及び図10(c)と参照)。
【0068】
なお、本発明に係る横型製袋充填包装機は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0069】
例えば、本発明に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1の第1移動プーリ10a及び第2搬送部4の第1移動プーリ40aの径寸法を小さくする方が好ましい。かかる構成によれば、例えば、ガイド部15の被包装体Xの搬送方向の長さ寸法を小さくしたり、第1搬送部1及び第2搬送部4間の凹部を小さくしたりすることができる。
【0070】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機は、シール体30の回転速度や、第1搬送部1における搬送部材13の回転速度や、第2搬送部4における搬送部材43の回転速度をシール体30の一回転中においてフレキシブルに変更してもよい。かかる構成によれば、例えば、シール体30が包装体Yを封止する際に、シール体30の回転速度及び第1搬送部1の搬送部材13の回転速度を小さくすることで、包装体Yの封止状態を良好にすることもできる。
【0071】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機は、シール体30の回転における駆動手段と、第1搬送部1の駆動部14における駆動手段と、第2搬送部4の駆動部44における駆動手段とが、それぞれ単独の駆動手段でもよく、二つ又は三つの駆動手段が同一であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、被包装体Xが互いに密着する複数の円柱状物品X1,…からなる場合を説明したが、被包装体Xは、一つの物品からなってもよく、また、二つ以上の物品からなってもよい。さらに、被包装体Xは、円柱状の形状だけでなく、特定した形状に限られないのは勿論である。
【0073】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4が、それぞれの搬送路を伸縮して、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離させる場合を説明したが、第1搬送部1及び第2搬送部4の搬送路の長さ寸法を変化することなく、あるいは、第1搬送部1又は第2搬送部4の何れか一方の搬送路の長さ寸法を変化することで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離する構成としてもよい。要するに、搬送路の長さ寸法を変化することなく、搬送路全体が被包装体Xの搬送方向に沿って移動させてもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4にそれぞれ移動体10,40を備える場合を説明したが、移動体を備えない、あるいは、第1搬送部1又は第2搬送部4の何れか一方のみに移動体を備えて、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成としてもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能とするため、第1伝達部2及び第2伝達5を備える場合を説明したが、第1伝達部2及び第2伝達部5を備えない、あるいは、第1伝達部2又は第2伝達部5の何れか一方のみを備える構成としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、変換機構21,51がリンク機構である場合を説明したが、リンク機構は必須の構成ではない。例えば、変換機構は、カムの表面を摺動して被包装体Xの搬送方向に沿って変動するカムフォロアと、カムフォロアと移動体10,40(第1搬送部1、第2搬送部4)とを接続する接続手段とを備えて構成されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、第1伝達部2及び第2伝達部5が、それぞれカム機構20,50及び変換機構21,51を備える場合を説明したが、例えば、シール体30の回転角度を検知(測定)して電気信号化する角度検知手段と、該角度検知手段から送信される前記電気信号を認識し、前記電気信号により予め設定される位置に第1搬送部1(移動体10)を移動させる第1移動手段と、前記角度検知手段から送信される電気信号を認識し、前記電気信号により予め設定される位置に第2搬送部4(移動体40)を移動させる第2移動手段とから構成されてもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、板カムであるカム20,50と、カムローラであるカムフォロア21a,51aとで構成される場合を説明したが、立体カムのカムでもよく、板状のカムフォロアでもよい。要するに、シール体30と同期して変動するカムと、該カムの表面を摺動し、カムの変動に伴って変動するカムフォロアであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る横型製袋充填包装機の全体概略図であって、正面図を示す。
【図2】同横型製袋充填包装機の全体概略図であって、平面図を示す。
【図3】同横型製袋充填包装機の要部概略図であって、図2のA−A線における断面図を示す。
【図4】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が縮んだ状態における、平面図を示す。
【図5】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が縮んだ状態における、(a)は外視正面図、(b)は内視正面図を示す。
【図6】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が伸びた状態における、(a)は平面図、(b)は内視正面図を示す。
【図7】同横型製袋充填包装機の下流側における要部概略図であって、正面図を示す。
【図8】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、シール体が包装体を封止して搬送路から退出する過程における、正面図を示す。
【図9】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、被包装体が搬送部間を移載する過程における、正面図を示す。
【図10】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、シール体が搬送路に進入する過程における、正面図を示す。
【図11】従来の同横型製袋充填包装機の全体概略図であって、斜視図を示す。
【符号の説明】
【0080】
1…第1搬送部、2…(第1)伝達部、3…シール部、4…第2搬送部、5…(第2)伝達部、10…移動体、20…カム、21…変換機構、21a…カムフォロア、30…シール体、31…回転軸、40…移動体、50…カム、51…変換機構、51a…カムフォロア、X…被包装体、Y…包装体
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体で個装する横型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、横型製袋充填包装機として、図11に示すように、回転式エンドシールを備える横型製袋充填包装機100が知られている。横型製袋充填包装機100は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部101と、第1搬送部101の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装する回転式エンドシールとしてのシール部102と、シール部102における被包装体を搬送する中間搬送部103と、シール部102の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部104とを備える。
【0003】
シール部102は、上シール体102a及び下シール体102bからなる一対のシール体を備える。上シール体102a及び下シール体102bは、互いに同期して真円状で回転する。そして、上シール体102a及び下シール体102bは、互いの先端部で包装体を溶断又は溶着して封止する。
【0004】
中間搬送部103は、被包装体の搬送路となる上面を備える。具体的には、中間搬送部103は、下シール体102bと同期して無端回転する一対のチェーン部材103a,103aを備え、一対のチェーン部材103a,103aが複数の連結部材103b,…で連結され、さらに、被包装体の搬送路となるベルト103cが連結部材103b,…に取り付けられて構成される。
【0005】
そして、横型製袋充填包装機100は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に第1搬送部101から中間搬送部103に移載し、シール部102において包装体を封止して被包装体を個装し、さらに、包装体で個装された被包装体を中間搬送部103から第2搬送部に移載して搬送する。このようにして、横型製袋充填包装機100は、被包装体を包装体で包装する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、かかる横型製袋充填包装機100は、第1搬送部101及び中間搬送部103間や、中間搬送部103及び第2搬送部104間といった搬送部間の移載部が複数箇所存在する。しかも、各搬送部間の移載部は平坦ではないため、かかる横型製袋充填包装機100は、被包装体が複数の移載部にて搬送姿勢を乱し、所望の状態で被包装体を包装体で包装できないことが起こり得る。
【0007】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減して、被包装体を安定して搬送することで、所望の状態で被包装体を包装体で包装できる横型製袋充填包装機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る横型製袋充填包装機は、筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部と、第1搬送部の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装するシール部と、シール部の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部とを備え、シール部は、一対のシール体がそれぞれ回転軸周りに回転することにより包装体を封止するように構成される横型製袋充填包装機において、第1搬送部及び第2搬送部は、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体と干渉するのを防止すべく、シール体が被包装体の搬送路に進入する前に、シール部側の端部同士が離間して、シール体が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1搬送部が筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に下流側に配置されるシール部へ搬送し、そして、シール部における一対のシール体が、それぞれの回転軸周りを回転することにより、搬送される包装体における被包装体間の部位を封止する。その後、シール体が包装体の封止を終えて被包装体の搬送路から退出すると、第1搬送部及び第2搬送部が、シール部側の端部同士を被包装体の搬送方向に沿って接近させる。そして、第1搬送部が、搬送方向側の包装体の部位を封止された被包装体を第2搬送部に移載する。
【0010】
また、被包装体が第2搬送部に載り移ると、シール体が被包装体の搬送路に進入してくるのに伴い、第1搬送部及び第2搬送部が、シール体との干渉を防止するようにシール部側の端部同士を被包装体の搬送方向に沿って離間させる。そして、シール体が被包装体の搬送路に進入して包装体を再び封止すると、被包装体が包装体で個装(包装)され、第2搬送部により下流側へ搬送される。したがって、被包装体の搬送部間の載り移りが最小回数(一回)に抑えられるため、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減できる。
【0011】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方は、被包装体の搬送方向に沿って移動可能な移動体をシール部側に備え、移動体の変位によって第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成を採用してもよい。
【0012】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方で、移動体が被包装体の搬送方向に沿って移動することにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離する。それにより、第1搬送部の上流に配置される前工程設備及び第1搬送部間の位置関係や、第2搬送部の下流に配置される後工程設備及び第2搬送部間の位置関係が変化するのを防止できる。よって、前工程設備や後工程設備に影響を与えることなく、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離できる。
【0013】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、第1搬送部及び第2搬送部は、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において、シール部側の端部間に介在するシール体の部位における被包装体の搬送方向の長さ寸法がシール体の回転に伴って変化するのに応じて、シール部側の端部間の離間距離が変化するような構成を採用してもよい。
【0014】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部と干渉しうるシール体の部位であって被包装体の搬送方向の長さ寸法、別の言い方をすれば、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部間に介在するシール体の傾斜度合いが、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において変化するのに対応して、第1搬送部及び第2搬送部のシール部側の端部同士における搬送方向の離間距離が変化する。したがって、例えば、第1搬送部及び第2搬送部が、シール体と干渉しない程度に、シール部側の端部同士を必要最小限の離間距離で変化させることができる。
【0015】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、シール体を回転させる駆動力を受けて、被包装体の搬送方向に沿う動力として第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に伝達する伝達機構を備え、第1搬送部及び第2搬送部は、伝達される動力によって、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成を採用してもよい。
【0016】
かかる構成によれば、第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に設けられる伝達機構が、シール体を回転させる駆動力を被包装体の搬送方向に沿う動力として搬送部に伝達することにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離する。したがって、シール体の回転や、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士の接離といった動作が機械要素(機構)だけで構成されるため、例えば、シール体、第1搬送部、及び第2搬送部が互いに干渉(衝突)して破損するのを確実に防止でき、その結果、互いの干渉(衝突)を防止するための安全機構(インタロック)が不要である。
【0017】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機においては、伝達機構は、シール体を回転させる駆動力を受けて回転するカムと、カムの表面を摺動するカムフォロアが設けられ、カムの動力を被包装体の搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構とを備えてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、シール体を回転させる駆動力を受けてカムが回転すると、変換機構が、カムの表面を摺動するカムフォロアの変位を被包装体の搬送方向に沿う変位に変換して搬送部に伝達する。それにより、第1搬送部及び第2搬送部におけるシール側の端部同士が、シール体の回転と同期して被包装体の搬送方向に相対的に接離する。したがって、被包装体の形状や被包装体の搬送速度といった各種条件に応じて、シール体、第1搬送部、及び第2搬送部の位置関係をシール体の回転角度ごとにフレキシブルに設定でき、その結果、被包装体を安定して搬送できる。
【発明の効果】
【0019】
したがって、本発明によれば、被包装体の搬送部間の載り移りが最小回数に抑えられるため、被包装体の搬送姿勢を乱す要因を削減して、被包装体を安定して搬送することで、所望の状態で被包装体を包装体で包装できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る横型製袋充填包装機における一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、互いに密着する複数(図1において三つとする)の円柱状物品X1,…(例えば、半径より高さ寸法の方が小さい円柱状の缶詰)からなる被包装体Xを包装体Yで包装する場合を例とする。
【0021】
本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、図1及び図2に示すように、筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共に搬送する第1搬送部1と、第1搬送部1の下流側に配置されて包装体Yにおける被包装体X間の部位を封止して被包装体Xを個装するシール部3と、シール部3の下流側に配置されて個装される被包装体Xを搬送する第2搬送部4とを備える。また、横型製袋充填包装機は、シール部3において、一対のシール体30(上シール体30a及び下シール体30b)がそれぞれ回転軸31周りに回転することにより包装体Yを封止するように構成される。
【0022】
そして、横型製袋充填包装機は、シール体30を回転させる駆動力を受けて、被包装体Xの搬送方向に沿う動力として第1搬送部1に伝達する第1伝達機構2と、シール体30を回転させる駆動力を受けて、被包装体Xの搬送方向に沿う動力として第2搬送部4に伝達する第2伝達機構5とを備える。また、横型製袋充填包装機は、弾性体からなる表面部が無端回転する補助搬送部6を第1搬送部1の上方に配置する。そして、横型製袋充填包装機は、被包装体Xの搬送姿勢が乱れるのを防止すべく、筒状の包装体Yの中の被包装体Xを包装体Yと共に、第1搬送部1及び搬送補助部6で上下方向に挟んで押圧しつつ搬送するように構成される。
【0023】
第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、回転するシール体30と干渉するのを防止すべく、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入する前に、シール部3側の端部同士が離間して、シール体30が被包装体Xの搬送路から退出した後に、シール部3側の端部同士が接近するように構成される。
【0024】
さらに具体的には、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入してから退出するまでの間において、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部間に介在するシール体30の部位における被包装体Xの搬送方向の長さ寸法が、シール体30の回転に伴って変化するのに応じて、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士における被包装体Xの搬送方向の離間距離を変化させるように構成される。
【0025】
第1搬送部1は、図3〜5に示すように、被包装体Xの搬送方向に沿って移動可能な移動体10をシール部3側に備え、シール部3側の端部が、移動体10の変位によって第2搬送部4におけるシール部3側の端部と被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。また、第1搬送部1は、移動体10の平面状の上面と、装置本体(図示しない)に固定されて設けられる固定体11の平面状の上面とにより被包装体Xの搬送路が構成される。
【0026】
そして、第1搬送部1は、被包装体Xの搬送方向に沿って移動体10を案内する案内機構12と、移動体10の上面及び固定体11の上面を摺動し、被包装体Xを載置して搬送する搬送部材13(ここではベルトとする)と、搬送部材13を回転させる駆動部14とを備える。さらに、第1搬送部1は、第2搬送部4に被包装体Xを安定して移載させるためのガイド部15がシール部3側の端部であって搬送部材13の上方に設けられる。
【0027】
移動体10は、被包装体Xの搬送路に沿って延伸する長尺な二つの天板が、搬送方向と垂直方向に離間して設けられる。そして、移動体10は、被包装体Xの搬送方向に延伸する一対の側板が二つの天板を側面側から挟むように設けられ、二つの天板及び一対の側板を複数の連結板で連結して構成される。また、移動体10は、シール部3側の端部に配置される第1方向転換部材10a(ここではプーリとし、以下「第1移動プーリ10a」とする)と、第1方向転換部材10aより下方で、且つシール部3と反対方向側に配置される第2方向転換部材10b(ここではプーリとし、以下「第2移動プーリ10b」とする)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。
【0028】
固定体11は、被包装体Xの搬送路に沿って延伸する天板がシール部3側で移動体10の二つの天板間に配置して設けられる。また、固定体11は、被包装体Xの搬送方向に延伸する一対の側板が移動体10を側面側から挟むようにして設けられ、一対の側板が装置本体に固定されると共に、一対の側板に天板が固定されて構成される。そして、固定体11は、移動する第2移動プーリ10bより常にシール部3側に位置するように配置される第1方向転換部材11a(ここではプーリとし、以下「第1固定プーリ11a」とする)と、シール部3の反対方向側の端部に配置される第2方向転換部材11b(ここではプーリとし、以下「第2固定プーリ11b」という)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。
【0029】
案内機構12は、いわゆるリニアガイドであり、固定体11の一対の側板の内側に固定されるレール12a,12aと、移動体10の一対の側板の外側に固定される摺動体(スライダ)12b,12bとを備えて構成される。具体的には、被包装体Xの搬送方向に沿って延伸するレール12aと、レール12aの外側を嵌合して摺動可能な摺動体12bとを備えて構成される。また、レール12aは、断面が略長方形状に形成され、摺動体12bは、レール12aが一部挿入される断面が略コ字状に形成される。
【0030】
搬送部材13は、第1移動プーリ10a、第2移動プーリ10b、第1固定プーリ11a、及び第2固定プーリ11bに掛けられて無端回転するように構成される。具体的には、搬送部材13は、第1移動プーリ10aにおけるシール部3側(被包装体Xの搬送方向側、第2搬送部4側)、第2移動プーリ10bにおけるシール部3と反対方向側、第1固定プーリ11aにおけるシール部3側、及び第2固定プーリ11bにおけるシール部3と反対方向側とそれぞれ接触して無端回転するように構成される。
【0031】
駆動部14は、駆動手段(図示しない)によって回転駆動する駆動軸14aと、駆動軸14aに搬送部材13を押圧させる二つの調整プーリ14b,14cとを備える。具体的には、駆動部14は、一方の調整プーリ14bを変位させて搬送部材13の張力を調整可能に構成され、前記張力により駆動軸14aの駆動力を搬送部材13に確実に伝達する。また、駆動部14は、第1固定プーリ11a及び第2固定プーリ11b間における搬送部材13の部位で駆動力を伝達するように配置される。
【0032】
ガイド部15は、被包装体Xが搬送方向と交差方向に移動するのを防止すべく、被包装体Xの搬送路と平行であって搬送方向と直交方向に離間して配置される一対の部材片15a,15aを備えて構成される。また、ガイド部15は、搬送部材13の上方であって、搬送部材13と接触していない被包装体X(包装体Y)の部位の下方に配置される部位を有する。具体的には、ガイド部15は、搬送部材13と搬送部材13に接触していない被包装体(包装体Y)の部位との間に配置する部位を有する。
【0033】
そして、ガイド部15は、前記部位の上面側が被包装体X(包装体Y)の形状に対応して形成され、被包装体X(包装体Y)の下方側を支持するように構成される。具体的には、ガイド部15は、被包装体Xの円柱状物品X1,…に対応して、被包装体Xを下方から支持すべく、上面側が円弧状に形成される。また、ガイド部15は、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載する際に、第1搬送部1の搬送路及び第2搬送部4の搬送路に亘って(跨って)配置されるべく、一部が移動体10から第2搬送部4側に突出するように構成される。
【0034】
第1伝達機構2は、シール体30を回転させる駆動力を受けて回転するカム20と、カム20の動力を被包装体Xの搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構21とを備える。カム20は、シール体30と同期して回転する。具体的には、カム20は、板カムとしている。
【0035】
変換機構21は、カム20の表面を摺動するカムフォロア21aを備え、カムフォロア21aの変位を被包装体Xの搬送方向に沿った変位に変換させるように構成される。また、変換機構21は、カムフォロア21aが取り付けられる第1部材21bと、第1部材21bに接続される第2部材21cと、第2部材21c及び第1搬送部1を接続する接続部材21dとを備えるリンク機構で構成される。
【0036】
カムフォロア21aは、第1搬送部1及び下シール体30bの位置関係が下シール体30bの回転角度に応じて設定されるように、板カムであるカム20の無端周縁を摺動する。具体的には、カムフォロア21aは、カム20の周縁を摺動するカムローラとしている。また、カムフォロア21aは、弾性体22により付勢され、カム20に押圧されて摺動するように構成される。
【0037】
第1部材21bは、略L字状に形成され、一端側にカムフォロア21aが取り付けられ、屈曲部に設けられる軸受21eを軸として回動可能に構成される。第2部材21cは、略長方形状に形成され、一端側に軸受21fを介して第1部材21bの他端側に接続(枢着)され、他端側に接続部材21dを介して第1搬送部1の移動体10に接続(枢着)される。接続部材21dは、第1搬送部1の固定体11における一対の側板の一方に、被包装体Xの搬送方向に沿って設けられる孔部11cに挿通され、長尺な孔部11cの内縁を摺動するように構成される。これにより、接続部材21dは、孔部11cの内縁で案内されるため、被包装体Xの搬送方向に沿って移動するように構成される。
【0038】
かかる第1搬送部1は、図6に示すように、移動体10が案内機構12に案内されて被包装体Xの搬送方向に沿って移動する、即ち、第1移動プーリ10a及び第2移動プーリ10bが被包装体Xの搬送方向に沿って移動すると、搬送路が伸縮するように構成される。具体的には、第1搬送部1は、移動体10がシール部3側(被包装体Xの搬送方向)に移動すると搬送路が伸び、シール部3側と反対方向に移動すると搬送路が縮むように構成される。そして、第1搬送部1は、搬送路の伸縮、即ち、第1移動プーリ10a及び第2固定プーリ11b間の距離の変化が、第2移動プーリ10b及び第1固定プーリ11a間の距離の変化で調整可能であり、それゆえ、搬送路の伸縮状態を問わず、一定長の搬送部材13が無端回転可能に構成される。
【0039】
シール部3は、図1に示すように、一対のシール体30a,30bが互いに同期して真円状に回転するように、同期して回転する一対の回転軸31a,31bにそれぞれのシール体30a,30bの基部が取り付けられている。そして、一対のシール体30a,30bは、それぞれの先端部で包装体Yを溶断又は溶着して封止するように構成される。また、一対の回転軸31a,31bは、それぞれの軸が被包装体Xの搬送路と平行に配置され、さらに、それぞれの軸を含む面が被包装体Xの搬送路と直交するように配置される。
【0040】
第2搬送部4は、基本的構成態様は第1搬送部2と同様であり、図7に示すように、被包装体Xの搬送方向に沿って移動可能な移動体40をシール部3側に備え、シール部3側の端部が、移動体40の変位によって第1搬送部1におけるシール部3側の端部と被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される。また、第2搬送部4は、移動体40の平面状の上面と、装置本体(図示しない)に固定されて設けられる固定体41の平面状の上面とにより被包装体Xの搬送路を構成する。そして、第2搬送部4は、被包装体Xの搬送方向に沿って移動体40を案内する案内機構42と、移動体40の上面及び固定体41の上面を摺動して、被包装体Xを載置して搬送する搬送部材43(ここではベルトとする)と、搬送部材43を回転させる駆動部44とを備える。
【0041】
移動体40は、シール部3側の端部に配置される第1方向転換部材40a(ここではプーリとし、以下「第1移動プーリ40a」とする)と、第1方向転換部材40aより下方で、且つシール部3と反対方向側に配置される第2方向転換部材40b(ここではプーリとし、以下「第2移動プーリ40b」とする)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。固定体41は、移動する第2移動プーリ40bより常にシール部3側に位置するように配置される第1方向転換部材41a(ここではプーリとし、以下「第1固定プーリ41a」とする)と、シール部3の反対方向側の端部に配置される第2方向転換部材41b(ここではプーリとし、以下「第2固定プーリ41b」という)とが被包装体Xの搬送路と平行な軸でそれぞれ回転可能に設けられる。搬送部材43は、第1移動プーリ40a、第2移動プーリ40b、第1固定プーリ41a、及び第2固定プーリ42bに掛けられて駆動部44により無端回転するように構成される。
【0042】
第2伝達機構5は、基本的構成態様は第1伝達機構2と同様であり、シール体30を回転させる駆動力を受けて回転するカム50と、カム50の動力を被包装体Xの搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構51とを備える。カム50は、シール体30と同期して回転する。変換機構51は、カム50の表面を摺動するカムフォロア51aを備え、カムフォロア51aの変位を被包装体Xの搬送方向に沿う変位に変換させるように構成される。また、変換機構51は、カムフォロア51aが取り付けられる第1部材51bと、第1部材51bに接続される第2部材51cと、第2部材51c及び第1搬送部1を接続する接続部材51dとを備えるリンク機構で構成される。
【0043】
かかる第2搬送部4は、移動体40が案内機構42に案内されて被包装体Xの搬送方向に沿って移動する、即ち、第1移動プーリ40a及び第2移動プーリ40bが被包装体Xの搬送方向に沿って移動すると、搬送路が伸縮するように構成される。具体的には、第2搬送部4は、移動体40がシール部3側(被包装体Xの搬送方向)に移動すると搬送路が伸び、シール部3側と反対方向に移動すると搬送路が縮むように構成される。そして、第2搬送部4は、搬送路の伸縮、即ち、第1移動プーリ40a及び第2固定プーリ41b間の距離の変化が、第2移動プーリ40b及び第1固定プーリ41a間の距離の変化で調整可能であり、それゆえ、搬送路の伸縮状態を問わず、一定長の搬送部材43が無端回転可能に構成される。
【0044】
本実施形態に係る横型製袋充填包装機の構成に関する説明は、以上の通りであり、次に、本実施形態に係る横型製袋充填包装機の作用について説明する。なお、以下の説明のために参酌される図においては、移動体10,40に関しては、第1移動プーリ10a,40aのみを図示している。
【0045】
まず、図8(a)に示すように、第1搬送部1は、筒状の包装体Yの中に間隔を有して並べられる被包装体Xを包装体Yと共にシール部3へ搬送する。そして、一対のシール体30は、一対の回転軸31を軸として回転して、搬送される包装体Yにおける被包装体X間の部位を封止する。具体的には、第1搬送部1上に位置する被包装体Xと第2搬送部4上に位置する被包装体Xとの間における包装体Yの部位を封止する。
【0046】
そして、図8(b)及び(c)に示すように、干渉しうる下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向の長さ寸法(即ち、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部間に介在する下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向での幅寸法)が、下シール体30bが包装体Yを封止する際よりも被包装体Xの搬送路から退出する際の方が大きくなるように変化するのに対応して、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が変化する。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が、下シール体30bが包装体Yを封止する際よりも被包装体Xの搬送路から退出する際の方が大きくなるように変化させる。
【0047】
より具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、包装体Yの封止を終えて被包装体Xの搬送路から退出する下シール体30bとの干渉を防止するように、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って離間させる。さらに具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向に移動させつつ、さらに、第1搬送部1の移動体10の移動速度よりも第2搬送部4の移動体40の移動速度の方を速くすることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って離間させる。
【0048】
このとき、第1搬送部1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を伸ばし、第2搬送部4は、移動体40を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を縮めることになる。しかも、第1搬送部1は、被包装体Xがシール部3側の端部から突出するのを防止すべく、被包装体X(包装体Y)の搬送速度、即ち、搬送部材13の回転速度よりも速い速度で移動体10を被包装体Xの搬送方向に移動させる。したがって、複数の物品X1,…からなる被包装体Xの先端が第1搬送部1のシール部3側の端部から微小量突出することにより、先頭の物品X1が搬送姿勢を乱すという問題も解消できる。
【0049】
しかも、第1搬送部1は、移動体10を除く本体が上流側(被包装体Xの搬送方向の反対方向側)に配置される前工程設備(図示しない)に対して変位せず、第2搬送部4も、移動体40を除く本体が下流側(被包装体Xの搬送方向側)に配置される後工程設備(図示しない)に対して変位しない。したがって、第1搬送部1及び第2搬送部4は、前後の工程設備に影響することなく、搬送路を伸縮することでシール部3側の端部同士を相対的に接離できる。
【0050】
そして、図8(d)に示すように、下シール体30bが被包装体Xの搬送路から完全に退出すると、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って接近して、図9(a)に示すように、互いに干渉しない程度に微小な離間距離を有して接近する。その後、図9(b)及び(c)に示すように、第1搬送部1は、搬送方向側の包装体Yの部位を封止された被包装体Xを第2搬送部4に移載する。
【0051】
このとき、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士間の微小な離間距離を維持しつつ、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動、即ち、各移動体10,40を同じ速度で移動させる。具体的には、第1搬送部1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を縮め、そして、第2搬送部材4は、移動体40を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を伸ばす。
【0052】
さらに、第1搬送部1及び第2搬送部4間の移載部に凹部(第1移動プーリ10a,40a間に生じる凹部)が生じるが、第1搬送部1は、被包装体Xの搬送方向の端部に設けたガイド部15により、安定して被包装体Xを移載する。具体的には、ガイド部15が第1搬送部1の搬送路の平面部位及び第2搬送部4の搬送路の平面部位に亘って(跨って)配置され、さらに、被包装体Xの形状に対応して円弧状に上面を形成されているため、移載部の凹部に影響されることなく、第1搬送部1は、第2搬送部4に被包装体Xを移載できる。
【0053】
そして、図9(d)に示すように、被包装体Xが第2搬送部4に完全に載り移ると、図10(a)及び(b)に示すように、第1搬送部1及び第2搬送部4は、被包装体Xの搬送路に再び進入する下シール体30bとの干渉を防止すべく、シール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って離間する。具体的には、第1搬送部材1は、移動体10を被包装体Xの搬送方向と反対方向に移動させて搬送路を縮め、そして、第2搬送部材4は、移動体40(第1移動プーリ40a)を被包装体Xの搬送方向に移動させて搬送路を縮めることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って離間する。
【0054】
その後、図10(c)及び(d)に示すように、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入すると、一対のシール体30は、包装体Yを撓ませながら回転する。なお、上シール体30aは、先端部に設けられる接触部材30c,30cにより、包装体Yを溶着する加熱部分が、下シール30bとで包装体Yを封止する位置まで包装体Yと接触しないように構成されている。そして、図8(a)に示すように、回転する一対のシール体30が包装体Yを封止すると、被包装体Xが包装体Yで個装(包装)され、第2搬送部4で次工程設備(下流側)に搬送される。したがって、被包装体Xは、搬送部間の移載が第1搬送部1から第2搬送部4への一回のみで包装が完了される。
【0055】
ここで、第1搬送部1及び第2搬送部4と干渉しうる下シール体30bの部位であって被包装体Xの搬送方向の長さ寸法が、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入する際よりも包装体Yを封止する際の方が小さくなるのに対応して、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離を変化させる。具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、シール部3側の端部同士の距離が、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入する際よりも包装体Yを封止する際の方が小さくなるように変化させる。
【0056】
より具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、被包装体Xの搬送路に進入して包装体Yを封止する下シール体30bとの干渉を防止しつつも、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って接近させる。さらに具体的には、第1搬送部1及び第2搬送部4は、各移動体10,40を被包装体Xの搬送方向に移動させつつ、さらに、第1搬送部1の移動体10の移動速度よりも第2搬送部4の移動体40の移動速度の方を遅くすることで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って接近させる。
【0057】
また、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度(第1搬送部1の搬送部材13の回転速度)は、シール体30が包装体Yを封止する際に包装体Yと接触する先端部の回転速度と略同速度に設定される。これにより、包装体Yは、シール体30に接触された部位を略維持したまま封止される。したがって、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度とシール体30の先端部の回転速度とが異なる場合と比較して、包装体Yが良好に封止される。
【0058】
一方、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度(第2搬送部4の搬送部材43の回転速度)は、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度より速く設定される。これにより、包装体Yは、第1搬送部1及び第2搬送部4に跨っている際、前記速度差によって封止される部位が引っ張られる。したがって、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度が、第1搬送部1における被包装体X(包装体Y)の搬送速度に対して同じ又は遅い場合と比較して、包装体Yは、封止される部位が撓むことがなく、それにより、良好に封止される。
【0059】
さらに、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度は、シール体30の包装体Yと接触する先端部の回転速度より速く設定される。これにより、包装体Yは、シール体30で溶断される際に、第2搬送部4上に位置する部位が引っ張られる。したがって、第2搬送部4における被包装体X(包装体Y)の搬送速度が、シール体30の先端部の回転速度に対して同じ又は遅い場合と比較して、包装体Yは、溶断されやすいため、良好に封止される。
【0060】
以上より、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1及び第2搬送部4における相互に対向する側の端部が被包装体Xの搬送方向に沿って互いに接離可能な構成であるため、被包装体Xを包装体Yで包装するにあたり、被包装体Xの搬送姿勢を乱す要因の一つである搬送部間の移載を一回に抑えることができ、その結果、被包装体Xを安定して搬送できる。
【0061】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1の搬送路が第2搬送部4側で伸縮し、そして、第2搬送部4の搬送路が第1搬送部1側で伸縮する構成であるため、前後の工程設備に影響を与えることなく、第1搬送部1及び第2搬送部4における相互に対向する側の端部が相対的に接離でき、その結果、前後の工程設備間において、被包装体Xの搬送姿勢を乱す要因を増加するのを防止できる。
【0062】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、シール体30が被包装体Xの搬送路に進入している間において、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の各端部が、被包装体Xの搬送方向に速度差を有して移動する構成であるため、前記端部同士における離間距離を変化させることができる。具体的には、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に進入してから包装体Yを封止する間においては、第1搬送部1のシール部3側の端部よりも第2搬送部2のシール部3側の端部の方が遅く移動するため、端部同士間の離間距離が小さくなり、また、下シール体30bが包装体Yを封止してから被包装体Xの搬送路から退出する間においては、第1搬送部1のシール部3側の端部よりも第2搬送部2のシール部3側の端部の方が速く移動するため、端部同士間の離間距離が大きくなる。
【0063】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、機械要素だけでなる第1伝達部2及び第2伝達部5によって、第1搬送部1及び第2搬送部4の相互に対向する側の端部同士がシール体30と同期して相対的に接離する構成であるため、例えば、動作が目視で確認でき、その結果、部品の故障や磨耗等により発生するトラブルを早期に発見できる。
【0064】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載する際における、第1搬送部1の第1移動プーリ10aの軸及び第2搬送部4の第1移動プーリ40aの軸間であって、第1搬送部1及び第2搬送部4の上方に部位を有するガイド部15を備える構成であるため、第1搬送部1及び第2搬送部4間における移載部の凹部に影響されることなく被包装体Xを移載でき、その結果、被包装体Xをさらに安定して搬送できる。
【0065】
また、本実施形態に係る横型製袋充填包装機は、シール体30を回転させる駆動力を受けてカム20,50を回転させ、カム20,50の無端周縁にカムフォロア20a,50aを摺動させる構成であるため、シール体30、第1搬送部1、及び第2搬送部4の位置関係がシール体30の回転角度ごとにフレキシブルに設定できる。
【0066】
例えば、被包装体Xが第1搬送部1から第2搬送部4に移載される際に、第1搬送部1及び第2搬送部4のシール部3側の端部同士が互いに干渉しない程度に接近するまで、被包装体Xが第1搬送部1のシール部3側の端部から突出するのを防止すべく、第1搬送部1と下シール体30bとの位置関係が設定されるように構成される(図8(a)〜(d)参照)。
【0067】
さらに、例えば、下シール体30bが被包装体Xの搬送路に対して進入(突出)する高さ寸法(一対のシール体30が対向する方向の長さ寸法)が同一であって、下シール体30bが被包装体Xの搬送方向側に傾斜する場合と搬送方向と反対方向側に傾斜する場合とにおける、第1搬送部1及び下シール体30b間の搬送方向の距離が相違すると共に、第2搬送部4及び下シール体30b間の搬送方向の距離が相違するように構成される(図8(b)及び図10(d)と、図8(c)及び図10(c)と参照)。
【0068】
なお、本発明に係る横型製袋充填包装機は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0069】
例えば、本発明に係る横型製袋充填包装機は、第1搬送部1の第1移動プーリ10a及び第2搬送部4の第1移動プーリ40aの径寸法を小さくする方が好ましい。かかる構成によれば、例えば、ガイド部15の被包装体Xの搬送方向の長さ寸法を小さくしたり、第1搬送部1及び第2搬送部4間の凹部を小さくしたりすることができる。
【0070】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機は、シール体30の回転速度や、第1搬送部1における搬送部材13の回転速度や、第2搬送部4における搬送部材43の回転速度をシール体30の一回転中においてフレキシブルに変更してもよい。かかる構成によれば、例えば、シール体30が包装体Yを封止する際に、シール体30の回転速度及び第1搬送部1の搬送部材13の回転速度を小さくすることで、包装体Yの封止状態を良好にすることもできる。
【0071】
また、本発明に係る横型製袋充填包装機は、シール体30の回転における駆動手段と、第1搬送部1の駆動部14における駆動手段と、第2搬送部4の駆動部44における駆動手段とが、それぞれ単独の駆動手段でもよく、二つ又は三つの駆動手段が同一であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、被包装体Xが互いに密着する複数の円柱状物品X1,…からなる場合を説明したが、被包装体Xは、一つの物品からなってもよく、また、二つ以上の物品からなってもよい。さらに、被包装体Xは、円柱状の形状だけでなく、特定した形状に限られないのは勿論である。
【0073】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4が、それぞれの搬送路を伸縮して、シール部3側の端部同士を被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離させる場合を説明したが、第1搬送部1及び第2搬送部4の搬送路の長さ寸法を変化することなく、あるいは、第1搬送部1又は第2搬送部4の何れか一方の搬送路の長さ寸法を変化することで、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離する構成としてもよい。要するに、搬送路の長さ寸法を変化することなく、搬送路全体が被包装体Xの搬送方向に沿って移動させてもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4にそれぞれ移動体10,40を備える場合を説明したが、移動体を備えない、あるいは、第1搬送部1又は第2搬送部4の何れか一方のみに移動体を備えて、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能な構成としてもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、第1搬送部1及び第2搬送部4におけるシール部3側の端部同士が被包装体Xの搬送方向に沿って相対的に接離可能とするため、第1伝達部2及び第2伝達5を備える場合を説明したが、第1伝達部2及び第2伝達部5を備えない、あるいは、第1伝達部2又は第2伝達部5の何れか一方のみを備える構成としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、変換機構21,51がリンク機構である場合を説明したが、リンク機構は必須の構成ではない。例えば、変換機構は、カムの表面を摺動して被包装体Xの搬送方向に沿って変動するカムフォロアと、カムフォロアと移動体10,40(第1搬送部1、第2搬送部4)とを接続する接続手段とを備えて構成されてもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、第1伝達部2及び第2伝達部5が、それぞれカム機構20,50及び変換機構21,51を備える場合を説明したが、例えば、シール体30の回転角度を検知(測定)して電気信号化する角度検知手段と、該角度検知手段から送信される前記電気信号を認識し、前記電気信号により予め設定される位置に第1搬送部1(移動体10)を移動させる第1移動手段と、前記角度検知手段から送信される電気信号を認識し、前記電気信号により予め設定される位置に第2搬送部4(移動体40)を移動させる第2移動手段とから構成されてもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、板カムであるカム20,50と、カムローラであるカムフォロア21a,51aとで構成される場合を説明したが、立体カムのカムでもよく、板状のカムフォロアでもよい。要するに、シール体30と同期して変動するカムと、該カムの表面を摺動し、カムの変動に伴って変動するカムフォロアであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態に係る横型製袋充填包装機の全体概略図であって、正面図を示す。
【図2】同横型製袋充填包装機の全体概略図であって、平面図を示す。
【図3】同横型製袋充填包装機の要部概略図であって、図2のA−A線における断面図を示す。
【図4】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が縮んだ状態における、平面図を示す。
【図5】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が縮んだ状態における、(a)は外視正面図、(b)は内視正面図を示す。
【図6】同横型製袋充填包装機の上流側における要部概略図であって、搬送路が伸びた状態における、(a)は平面図、(b)は内視正面図を示す。
【図7】同横型製袋充填包装機の下流側における要部概略図であって、正面図を示す。
【図8】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、シール体が包装体を封止して搬送路から退出する過程における、正面図を示す。
【図9】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、被包装体が搬送部間を移載する過程における、正面図を示す。
【図10】同横型製袋充填包装機のシール部における要部概略図であって、シール体が搬送路に進入する過程における、正面図を示す。
【図11】従来の同横型製袋充填包装機の全体概略図であって、斜視図を示す。
【符号の説明】
【0080】
1…第1搬送部、2…(第1)伝達部、3…シール部、4…第2搬送部、5…(第2)伝達部、10…移動体、20…カム、21…変換機構、21a…カムフォロア、30…シール体、31…回転軸、40…移動体、50…カム、51…変換機構、51a…カムフォロア、X…被包装体、Y…包装体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部と、第1搬送部の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装するシール部と、シール部の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部とを備え、シール部は、一対のシール体がそれぞれ回転軸周りに回転することにより包装体を封止するように構成される横型製袋充填包装機において、第1搬送部及び第2搬送部は、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体と干渉するのを防止すべく、シール体が被包装体の搬送路に進入する前に、シール部側の端部同士が離間して、シール体が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする横型製袋充填包装機。
【請求項2】
第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方は、被包装体の搬送方向に沿って移動可能な移動体をシール部側に備え、移動体の変位によって第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される請求項1記載の横型製袋充填包装機。
【請求項3】
第1搬送部及び第2搬送部は、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において、シール部側の端部間に介在するシール体の部位における被包装体の搬送方向の長さ寸法がシール体の回転に伴って変化するのに応じて、シール部側の端部間の離間距離が変化するように構成される請求項1又は2に記載の横型製袋充填包装機。
【請求項4】
シール体を回転させる駆動力を受けて、被包装体の搬送方向に沿う動力として第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に伝達する伝達機構を備え、第1搬送部及び第2搬送部は、伝達される動力によって、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される請求項1〜3に何れか1項に記載の横型製袋充填包装機。
【請求項5】
伝達機構は、シール体を回転させる駆動力を受けて回転するカムと、カムの表面を摺動するカムフォロアが設けられ、カムの動力を被包装体の搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構とを備える請求項4に記載の横型製袋充填包装機。
【請求項1】
筒状の包装体の中に間隔を有して並べられる被包装体を包装体と共に搬送する第1搬送部と、第1搬送部の下流側に配置されて包装体における被包装体間の部位を封止して被包装体を個装するシール部と、シール部の下流側に配置されて個装される被包装体を搬送する第2搬送部とを備え、シール部は、一対のシール体がそれぞれ回転軸周りに回転することにより包装体を封止するように構成される横型製袋充填包装機において、第1搬送部及び第2搬送部は、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成され、しかも、回転するシール体と干渉するのを防止すべく、シール体が被包装体の搬送路に進入する前に、シール部側の端部同士が離間して、シール体が被包装体の搬送路から退出した後に、シール部側の端部同士が接近するように構成されることを特徴とする横型製袋充填包装機。
【請求項2】
第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方は、被包装体の搬送方向に沿って移動可能な移動体をシール部側に備え、移動体の変位によって第1搬送部及び第2搬送部におけるシール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される請求項1記載の横型製袋充填包装機。
【請求項3】
第1搬送部及び第2搬送部は、シール体が被包装体の搬送路に進入してから退出するまでの間において、シール部側の端部間に介在するシール体の部位における被包装体の搬送方向の長さ寸法がシール体の回転に伴って変化するのに応じて、シール部側の端部間の離間距離が変化するように構成される請求項1又は2に記載の横型製袋充填包装機。
【請求項4】
シール体を回転させる駆動力を受けて、被包装体の搬送方向に沿う動力として第1搬送部及び第2搬送部の少なくとも何れか一方に伝達する伝達機構を備え、第1搬送部及び第2搬送部は、伝達される動力によって、シール部側の端部同士が被包装体の搬送方向に沿って相対的に接離可能に構成される請求項1〜3に何れか1項に記載の横型製袋充填包装機。
【請求項5】
伝達機構は、シール体を回転させる駆動力を受けて回転するカムと、カムの表面を摺動するカムフォロアが設けられ、カムの動力を被包装体の搬送方向に沿う動力に変換させる変換機構とを備える請求項4に記載の横型製袋充填包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−273562(P2008−273562A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118595(P2007−118595)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000110125)トキワ工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000110125)トキワ工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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