説明

樹脂乾燥装置

【課題】成形用樹脂の乾燥に関し、樹脂の成層状態を乱すことなく、乾燥処理中の全樹脂の流動性を高めることにある。
【解決手段】粒状又は粉状の樹脂(樹脂ペレット4)を乾燥する樹脂乾燥装置(200)であって、前記樹脂を乾燥させる処理槽(乾燥処理槽6)と、前記処理槽内で回転する回転部(回転本体28)と、この回転部から前記処理槽の内壁面に向かって突出させ、前記回転部とともに回転して前記処理槽内の前記樹脂中を移動する回転棒(32)と、前記処理槽から前記回転部に向かって突出させて前記処理槽内の前記樹脂中に挿入される制止棒(26)とを備えることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用樹脂を乾燥させる樹脂乾燥装置に関し、特に、樹脂成形装置への供給前の樹脂を減圧下で乾燥させる樹脂乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形等の樹脂成形に用いられる樹脂が湿っていると、その水分が成形品に色調変化を生じさせる等、成形不良の原因になるので、水分除去の対策として成形樹脂の乾燥は不可欠である。水分を除去するには樹脂を加熱すればよいが、樹脂を高温下にさらすと樹脂を劣化させるので、樹脂乾燥では、その樹脂を減圧状態の雰囲気に置いて水分の沸点を下げ、低温加熱によって水分を除去する乾燥方法が採用されてきた。
【0003】
斯かる樹脂乾燥に関し、樹脂を揺動させることにより樹脂同士が付着して団塊化するのを防止し、成形機に対する乾燥樹脂の安定供給を実現したもの(特許文献1)、成層状態の樹脂中で羽根を回転させ、前記羽根が通過する部分の前記樹脂を上下動させる処理を行うもの(特許文献2)等がある。
【特許文献1】特開2001−150436
【特許文献2】特開2007−045080
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
射出成形等の樹脂成形においては、水分が含まれていることが不良の原因になるので、乾燥が不可欠であるが、液晶ポリマー(LCP)等の樹脂では、ペレット状を成す粒体が乾燥処理槽内で膠着して団粒状態を呈し、この団粒状態の樹脂が乾燥処理終了後、乾燥処理槽から成形装置側への搬送処理を妨げる。故障、清掃、金型交換等で樹脂成形機を停止させた場合、乾燥処理槽内に樹脂の滞留時間が長くなると、樹脂の膠着状態の発生が著しい。樹脂搬送が妨げられると、成形処理が困難となり、成形装置に異常を発生させる原因になる。
【0005】
樹脂搬送の不安定化を回避するには、乾燥前、乾燥中又は乾燥後、樹脂を揺動させて樹脂膠着を防止し、流動性を維持することが必要である。この流動性の維持には、樹脂の揺動又は樹脂の攪拌の他、樹脂に機械振動や音響振動等を付与する方法がある。
【0006】
樹脂を揺動させるには、循環管路やポンプを用いて循環揺動させる方法がある。これは、樹脂を循環搬送させる設備が必要であり、また、短時間で団粒状態になる液晶ポリマー等では、頻繁に循環させることが必要であるが、乾燥に時間を要すると、樹脂を未乾燥状態で成形機に搬送させてしまうおそれがある。処理槽の上層側に供給された樹脂は順次に下層側に段階的に移動して乾燥処理が行われるが、未乾燥の樹脂が処理槽上部から処理槽の最下部側に陥没して排出口に排出され、成形機に搬送される場合がある。また、短時間で団粒化する樹脂は、循環揺動で対応しきれない場合がある。
【0007】
樹脂を撹拌させる方法では、処理槽内に投入される樹脂の先入れ先出しに関係なく、処理槽内の全樹脂を撹拌してしまうため、先入れ先出しのための樹脂の成層状態が崩れ、処理槽と別個に乾燥後の樹脂を貯蔵する保温貯蔵槽が必要となる等、設備コストや設置面積が不利等の不都合がある。
【0008】
この樹脂攪拌では、全樹脂の攪拌を防止するため、成層状態を成す樹脂中で羽根を回転させ、羽根が通過する部分の樹脂を上下動させて樹脂の団粒化を防止する方法がある。この方法では、粉砕材(成形した製品以外の部分をその場で粉砕して再利用した材料)を混ぜた材料を用いると、その粉砕材の大きさや形状が一定ではないため、羽根による揺動作用が吸収され、処理槽上部で樹脂にブリッジを発生させるおそれがある。羽根による揺動作用の吸収を防止するため、羽根の大きさや形状を変え、揺動作用を上部にも波及させようとすれば、モータ等の駆動部側の負荷が大きくなるため、軸受け、ギア、シャフト径等も大きくなり、コスト高となる。
【0009】
また、樹脂中で羽根を回転させると、その羽根の回転によって樹脂が回動し、樹脂同士や樹脂と処理槽との摩擦等によって軋む音を生じ、樹脂と羽根及びその駆動部に負荷が加わっていることが推測される。
【0010】
そこで、本発明の第1の目的は、成形用樹脂の乾燥に関し、樹脂の成層状態を乱すことなく、乾燥処理中の全樹脂の流動性を高めることにある。
【0011】
また、第2の目的は、樹脂乾燥に関し、樹脂の処理槽に対する先入れ先出しを損なうことなく、乾燥樹脂の供給機能を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記第1又は第2の目的を達成するため、本発明の樹脂乾燥装置の構成は以下の通りである。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の樹脂乾燥装置は、粒状又は粉状の樹脂を乾燥する樹脂乾燥装置であって、前記樹脂を乾燥させる処理槽と、前記処理槽内で回転する回転部と、この回転部から前記処理槽の内壁面に向かって突出させ、前記回転部とともに回転して前記処理槽内の前記樹脂中を移動する回転棒と、前記処理槽から前記回転部に向かって突出させて前記処理槽内の前記樹脂中に挿入される制止棒とを備えることである。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記樹脂乾燥装置において、好ましくは、前記処理槽は円筒部と、円錐部とを備え、複数の前記制止棒の端部を前記回転部の中心方向に向けて突出させるとともに、前記円筒部の高さ方向の複数の位置に設置してなる構成としてもよいし、前記回転棒は、前記制止棒の高さ方向の間隔内に配置され、その突出長を異ならせた構成としてもよい。
【0015】
上記目的を達成するためには、上記樹脂乾燥装置において、好ましくは、前記回転部に加熱手段を設置し、前記回転棒が前記加熱手段の熱を前記樹脂に伝導させる熱伝導手段であってもよいし、また、前記処理槽に加熱手段を設置し、前記制止棒が前記加熱手段の熱を前記樹脂に伝導させる熱伝導手段であってもよいし、また、前記処理槽を減圧する減圧手段を備え、樹脂乾燥の際、前記処理槽が前記減圧手段により、減圧状態に維持される構成であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
(1) 回転部の回転により、回転棒が処理槽内に装填された樹脂中を移動し、処理槽側から樹脂中に挿入された制止棒が樹脂の回転を妨げるので、樹脂は回転棒の回転を受けて上下動し、樹脂の団塊化を防止でき、流動性を持つ乾燥樹脂を得ることができる。液晶ポリマー等の短時間で団塊状態になる樹脂であっても、流動性を持つ乾燥樹脂を得ることができる。
【0017】
(2) 先入れの樹脂を下層部、後入れの樹脂を上層部とする処理槽の成層状態を損なうことなく、乾燥中の樹脂を回転棒の回転により上下動させて流動性を得るので、処理槽から乾燥樹脂のみを下層部から取り出すことができる。樹脂乾燥の信頼性を高めることができる。
【0018】
(3) 回転棒が軸垂直方向及び軸方向の適宜な場所に設置される構成とすれば、樹脂の成層状態を損なうことなく、回転棒の通過部分の樹脂のみを上下動させ、乾燥樹脂の流動化を図ることができる。
【0019】
(4) 回転部に加熱手段を備えれば、加熱手段の熱を回転棒を通して樹脂に伝達でき、回転棒に接触する樹脂を加熱して乾燥させ、また、処理槽に加熱手段を備えれば、周囲の樹脂の乾燥を行うとともに処理槽に設置された制止棒に熱が伝達され、樹脂を均一に乾燥させることができる。
【0020】
(5) 処理槽に設置された制止棒により、回転棒が回転して起きる樹脂の攪拌を抑え、均一な樹脂揺動を行うことができる。
【0021】
(6) 回転棒が設置された回転部の回転を制御する構成とすれば、樹脂や樹脂の種類や形態等に応じて回転棒を回転させることができ、種類や形態に無関係に又はそれらに応じて樹脂の流動化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
〔第1の実施の形態〕
【0023】
本発明の第1の実施の形態について、図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8及び図9を参照する。図1は、樹脂乾燥装置の乾燥処理部の一部を切り欠いて示した図、図2は、図1のII−II線断面図、図3は、揺動部の回転部分を示す図、図4は、図3のA部を示す図、図5は、図3のB部を示す図、図6は、図3のC部を示す図、図7は、図3のD部を示す図、図8は、図3のE部を示す図、図9は、揺動部の回転部分を示す断面図である。図1ないし図9に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0024】
この乾燥処理部2は成形用樹脂として樹脂ペレット4を減圧下(又は真空下)で加熱乾燥する乾燥手段であって、図1に示すように、乾燥処理槽6と、揺動部8とを備え、この乾燥処理部2には補給部10を通じて樹脂ペレット4が供給される。樹脂ペレット4は、粒状樹脂の一例であって、乾燥対象としては粉状の樹脂であってもよい。
【0025】
乾燥処理槽6は、減圧下で樹脂ペレット4を乾燥させる処理槽の一例であって、円筒部12と、漏斗部14と、蓋部16とを備え、漏斗部14を下方にして直立状態に設置される。円筒部12の上部には円筒部12より径大なフランジ部18が形成され、このフランジ部18に設置された蓋部16によって上部開口部が開閉される。フランジ部18にはパッキン20が設置され、円筒部12と蓋部16との気密性が保持される。パッキン20は、気密保持手段の一例であり、他の部材又は機構を用いてもよい。蓋部16には乾燥処理槽6内を減圧ないし真空に維持するための減圧手段が接続される。
【0026】
円筒部12は、同一内径を持つ円筒体であって、壁面部にはヒータ24(図21)が設置されているとともに、複数の制止棒26が円筒部12の中心軸Oに向かって放射状に設置されている。制止棒26は、円筒部12内で成層状態にある樹脂ペレット4の回転を阻止する手段であって、上方から第1の複数の制止棒26A1、26A2、26A3、26A4、第2の複数の制止棒26B1、26B2、26B3、26B4、第3の複数の制止棒26C1、26C2、26C3、26C4、第4の複数の制止棒26D1、26D2、26D3、26D4で4段に亘って設置され、高さ方向に間隔H1 が設定されている。この実施の形態では、各制止棒26A1〜26D4は、図2に示すように、θ1 =90〔度〕毎の角度間隔で設置され、合計16本構成である。各制止棒26A1〜26D4の長さL1 は、円筒部12の内壁と揺動部8の回転本体28の外面との間隔Wより僅かに小さく(W>L1 )設定されている。
【0027】
また、揺動部8は、乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4を揺動させて樹脂ペレット4に流動性を持たせるための揺動手段であって、回転本体28と、回転駆動部30とを備え、回転本体28には複数の回転棒32が放射状に設置されている。回転本体28は、回転筒部の一例であって、回転中心を円筒部12の中心軸Oに一致させてある。即ち、回転本体28の外面部と円筒部12の内面部とは同心円状である。
【0028】
回転本体28は蓋部16に回転可能に支持されている。回転本体28は回転シャフト34を備え、蓋部16にこの回転シャフト34を貫通させ、蓋部16上にある軸受部36に支持させている。回転シャフト34には蓋部16上に設置されたモータ38から回転連結部40を介して回転力が付与されている。回転連結部40は回転連結手段の一例であって、例えば、ギヤ比によって所望の回転を得る減速手段を備える構成としてもよい。
【0029】
そして、回転本体28の周面部には、図2及び図3に示すように、複数の回転棒32が放射状に設置され、各回転棒32は、上方より第1の複数の回転棒32A1、32A2、32A3、32A4、32A5、32A6、32A7、32A8(図4)、第2の複数の回転棒32B1、32B2、32B3、32B4(図5)、第3の複数の回転棒32C1、32C2(図6)、第4の複数の回転棒32D1、32D2(図7)、第5の複数の回転棒32E1、32E2(図8)の5段に亘って設置され、高さ方向に間隔H2 が設定されている。この実施の形態では、H1 =H2 (図1)であり、制止棒26と回転棒32との間隔ΔHは、ΔH=H1 /2=H2 /2に設定され、制止棒26と回転棒32とは高さ方向に間隔ΔHが設定されている。間隔ΔHを部分的に異なる構成としてもよい。各回転棒32A1〜32D2の長さL2 (図4)は、円筒部12の内壁と揺動部8の回転本体28の外面との間隔Wより僅かに小さく(W>L2 )設定されており、また、漏斗部14側に設置される回転棒32E1、32E2の長さL3 (図3、図8)は、漏斗部14の内壁との接触を回避するため、L3 <L2 に設定されている。
【0030】
回転棒32A1、32A2、32A3、32A4、32A5、32A6、32A7、32A8は、図4に示すように、θ2 =45〔°〕毎に設置され、合計8本で構成されている。これに対し、回転棒32B1、32B2、32B3、32B4は、図5に示すように、θ3 =2θ2 =90〔°〕毎に設置され、合計4本で構成されている。回転棒32A1〜32A8と回転棒32B1〜32B4の配置関係は、回転棒32A1の位置をθ=0〔°〕として基準位置とすれば、回転棒32B1は、回転棒32A1から角度Δθab=135〔°〕に設定されている。
【0031】
回転棒32C1、32C2は、図6に示すように、θ4 =2θ2 =4θ1 =180〔°〕毎に設置され、合計2本で構成されている。回転棒32A1〜32A8と回転棒32C1、32C2の配置は、回転棒32A1の基準位置と回転棒32C1との間の角度Δθac=90〔°〕に設定されている。
【0032】
回転棒32D1、32D2は、図7に示すように、θ5 =2θ2 =4θ1 =180〔°〕毎に設置され、合計2本で構成されている。回転棒32A1〜32A8と回転棒32D1、32D2の配置は、回転棒32A1の基準位置と回転棒32D1との間に角度Δθad=45〔°〕が設定されている。
【0033】
このように、複数の回転棒32は、回転棒32A1、32A2、32A3、32A4、32A5、32A6、32A7、32A8、回転棒32B1、32B2、32B3、32B4、回転棒32C1、32C2、回転棒32D1、32D2及び回転棒32E1、32E2からなる複数段構成であるとともに、各A〜E段において、異なる本数を持ち、各回転棒32A1〜32E2が互いに上下方向で重ならないように最小角度θmin =45〔°〕の角度変位を設定している。
【0034】
回転棒32E1、32E2は、図8に示すように、θ6 =2θ2 =4θ1 =180〔°〕毎に設置され、合計2本で構成されている。回転棒32A1〜32A8と回転棒32E1、32E2の配置は、回転棒32A1の基準位置と回転棒32E1との間に角度Δθae=0〔°〕が設定されている。各回転棒32E1、32E2は乾燥処理槽6の漏斗部14内に設置されるので、他の回転棒32A1〜32D2より短く設定されて漏斗部14の内壁部との間に僅かな間隙が設定され、漏斗部14との接触が回避されている。
【0035】
漏斗部14は、円筒部12の内径が同径であるのに対し、内壁面が一定の傾斜を持つ円錐面である。この漏斗部14の下端部には、樹脂ペレット4の排出口42が形成され、この排出口42は、シャッター部43によって開閉される。シャッター部43が開かれたとき、この排出口42から乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4が排出される。
【0036】
また、乾燥処理槽6に対する樹脂ペレット4を補給する補給部10には、図1に示すように、補給ホッパ44と、シャッター部46と、導入筒48とが備えられ、補給ホッパ44には、管路50を通じて吸引力が加えられ、この吸引力に応じて管路52を通じて樹脂ペレット4が樹脂ペレット供給源であるペレットタンクから供給される。シャッター部46は、補給ホッパ44と導入筒48とを分離する分離手段であるとともに開閉手段である。導入筒48は蓋部16に設置されて樹脂ペレット4の導入手段である。そこで、このシャッター部46が開かれたとき、補給ホッパ44にある樹脂ペレット4が導入筒48を介して乾燥処理槽6に供給される。
【0037】
そして、回転本体28は、図9に示すように、回転円筒部54を備え、この回転円筒部54の上部に回転支持部56が設けられ、この回転支持部56に既述の回転シャフト34が設置されている。回転円筒部54の内壁部には、加熱手段として例えば、ラバーヒータ58が設置されており、このラバーヒータ58は固定手段として例えば、複数の固定ばね板60によって固定されている。このラバーヒータ58により、回転円筒部54及び回転棒32が加熱され、その熱が回転円筒部54及び回転棒32を通じて樹脂ペレット4に伝えられる。ラバーヒータ58を固定する最下段の固定ばね板60上には、ラバーヒータ58の給電部62とともに温度センサ64が設置されている。温度センサ64は、例えば、熱伝対で構成されている。給電部62の給電線66及び温度センサ64のリード線68は、回転円筒部54の上部に導かれ、回転シャフト34の貫通孔70から外部に引き出されている。乾燥処理槽6が減圧状態に維持されるのに対し、回転円筒部54は大気圧に保持されるので、回転本体28の下端には、気密性を保持するための、円錐状を成す蓋部72が取り付けられている。
【0038】
次に、樹脂ペレットの揺動機構について、図10、図11、図12、図13及び図14を参照する。図10は、樹脂ペレットが装填された乾燥処理槽を示す図、図11及び図12は、樹脂ペレットの揺動状態を示す図、図13及び図14は、他の回転棒を示す図である。
【0039】
樹脂ペレット4は、図10に示すように、乾燥処理槽6に装填され、揺動部8の回転本体28を回転させると、回転棒32が回転し、各回転棒32は樹脂ペレット4内を周回移動する。回転本体28を正転させると、図11Aに示すように、回転棒32は矢印mで示すように周回移動し、制止棒26によって回転が阻止される樹脂ペレット4は矢印n1 、n2 で示すように上方に移動し、回転棒32の移動後の樹脂ペレット4は矢印n3 で示すように下降する。このような上下動によって樹脂ペレット4が揺動し、その流動性が維持される。回転本体28を逆転させると、図11Bに示すように、同様に、樹脂ペレット4は揺動し、流動性が高められる。
【0040】
この樹脂ペレット4の揺動状態において、正転の場合には、図12Aに示すように、樹脂ペレット4は疎密状態となり、また、逆転の場合には、図12Bに示すように、樹脂ペレット4は疎密状態となる。
【0041】
このように、樹脂ペレット4は乾燥処理槽6内で制止棒26によって回転が阻止されるとともに、回転棒32によって上下動するので、乾燥処理槽6内で成層状態を乱すことなく、流動性が高められる。
【0042】
上記実施の形態では、回転棒32を円柱で構成したが、図13に示すように、三角柱とし、底面74を水平に維持し、傾斜面76、78を上部側にして樹脂ペレット4内を回動するようにしてもよいし、また、図14に示すように、四角柱とし、角部80、82を水平方向に維持し、角部84、86を上下側にして樹脂ペレット4内を回動するようにしてもよい。
【0043】
次に、揺動部8の回転機構部30について、図15及び図16を参照する。図15は、ロータリーアクチュエータを用いた回転機構部を示す図、図16は、エアシリンダを用いた回転駆動部を示す図である。図15及び図16は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図15及び図16において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0044】
ロータリーアクチュエータ90は、回転駆動力発生手段の一例であって、既述のモータ38に代えて用いることができる。この場合、図15Aに示すように、圧縮空気を空気通路92、94に供給又は引込みを交互に行うことにより、回転軸96に正転又は逆転のための回転駆動力を発生させることができる。この回転駆動力を回転連結部40により回転シャフト34に伝達することにより、図15Bに示すように、回転本体28を回転させることができる。
【0045】
また、エアシリンダ98を用いる場合には、図16に示すように、蓋部16の縁側に支持軸100によってエアシリンダ98の一端を回動可能に取り付け、このエアシリンダ98によって進退するアーム102をクランク104の一端に回動可能に取り付け、クランク104の回転中心に回転シャフト34を取り付けたものである。斯かる構成によれば、エアシリンダ98から進退するアーム102によってクランク104を回転させ、その回転力が回転シャフト34に伝えられる。従って、このエアシリンダ98及びクランク104をモータ38に代えて用いることができる。
【0046】
次に、蓋部の開閉機構について、図17、図18、図19及び図20を参照する。図17は、蓋部の開閉機構を示す図、図18は、蓋部を示す平面図、図19及び図20は、位置合せ機構部を示す図である。図17〜図20は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図17〜図20において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0047】
乾燥処理槽6を開閉する蓋部16には図17に示すように、揺動部8の回転本体28が取り付けられているとともに、蓋部16を開閉させる開閉機構106が設置されている。この開閉機構106は、蓋部16とともに回転本体28を昇降させる昇降手段であって、この実施の形態では、複数のシリンダ装置108、110で構成されており、乾燥処理槽6が設置された筐体112にシリンダ114が設置され、このシリンダ114によって進退するアーム116に蓋部16が固定されている。蓋部16の縁部には図18に示すように、回転シャフト34を挟んで固定部118、120が取り付けられ、各固定部118、120にシリンダ装置108、110のアーム116が固定される。各アーム116は固定部118、120の固定孔121に固定される。
【0048】
シリンダ装置108、110にはシリンダ駆動部122が接続され、アーム116の進退はシリンダ駆動部122によって実行され、その駆動制御は制御部124によって行われる。制御部124にはモータ38及び近接センサ126が接続されている。制御部124はシリンダ駆動部122の制御手段であるとともに、モータ38の制御手段でもある。近接センサ126は、回転本体28の停止位置を検出する位置検出手段である。即ち、回転本体28の停止位置が適正位置即ち、回転棒32と制止棒26とが緩衝しない位置(衝突しない位置)になければ、モータ38が駆動され、適正位置に制御する。そして、回転本体28の停止位置が適正位置にある場合、開指令を受ければ、蓋部16を上方に移動させ、乾燥処理槽6を開閉させ、回転本体28を昇降させることができる。
【0049】
そこで、回転シャフト34には図19及び図20に示すように、位置検出片128が取り付けられ、この位置検出片128を検出する手段として既述の近接センサ126が設置されている。この近接センサ126の対向位置に位置検出片128が到来すれば、その位置を表す検出信号が近接センサ126に得られる。この近接センサ126の検出出力によって回転本体28が適正位置にあるか否かを知ることができる。この場合、回転シャフト34には、回転連結部40のギヤ41が固定されている。回転シャフト34は、軸受部36によって回転可能に維持されている。
【0050】
次に、上記実施の形態について、特徴事項や効果を列挙すれば以下の通りである。
【0051】
(1) 樹脂ペレット4の軋む音を抑制でき、静かな乾燥処理が行える。
【0052】
(2) 上蓋上昇時の制御について、蓋部16を上昇させる際、回転棒32と制止棒26との縦位置が一致していると、互いにぶつかり合って上昇できないが、近接センサ126等で回転位置を検出し、上昇可能な適正位置にあるか否かを判断し、適正位置に無い場合には回転させて位置を変更させ、適正位置にある場合に蓋部16を上昇させ、回転本体28を乾燥処理槽6から引き出すことができる。
【0053】
(3) 回転動力の種類について、回転させる原動力にモータを使用したが、これに限るものではない。実際に樹脂ペレットが満杯に入っているときの回転させる軸トルクはおおよそ最高13〔N・m〕である。この軸トルク以上のトルクを発生でき、90〔度〕以上の往復回転できるものであればよいので、例えばエアシリンダを使用してアームを介して回転させる方法や、圧縮エアで駆動する「ロータリーアクチュエータ」と一般的に呼ばれる装置に置き換えることも可能である。
【0054】
(4) この構造で、乾燥処理槽6側に制止棒26が無い場合、一緒に回転するガラス繊維入りの材料と粉砕材入りの材料を入れたところ、回転現象が解消された。
【0055】
(5) 乾燥処理槽6側の制止棒26が回転しようとする樹脂ペレット4を制止させ、回転棒32が樹脂ペレット4中を潜って進み、乾燥処理槽6内の全ての樹脂ペレット4の粒同同士を揺動させ、その流動性を高めることができる。
【0056】
(6) 回転棒32の本数は、上から8本、4本、2本、2本、2本の計18本としたが、回転棒32及び制止棒26の上記実施の形態の本数に対して±4本前後しても、樹脂ペレット4が回転する現象は確認できなかった。
【0057】
(7) 回転棒32及び制止棒26の本数について、本数が多ければ、樹脂ペレット4の加熱面では伝熱表面積が増え有利になるが、樹脂ペレット4の材料換えの際の清掃やコスト面との兼ね合いにより所望の本数を設定すればよい。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
【0059】
本発明の第2の実施の形態について、図21を参照する。図21は、射出成形機に接続された樹脂乾燥装置を示す図である。図21は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図21において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0060】
樹脂乾燥装置200は、第1の実施の形態の乾燥処理部2を搭載して構成され、ペレットタンク208から樹脂ペレット4を取り出して乾燥し、射出成形機202に供給する構成であって、樹脂ペレット4の補給機構部204、乾燥処理部2、乾燥した樹脂ペレット4の射出成形機202に対する供給部206が備えられている。成形用樹脂の形態には、粒状、粉状又はペレット状等の各種のものがあるが、この実施の形態では、樹脂ペレット4を例示している。そして、この樹脂乾燥装置200において、乾燥処理部2にはペレット揺動部8が備えられ、また、乾燥処理槽6に設置された制止棒26により樹脂ペレット4を全体的に攪拌しない程度に部分的に揺動させることにより、樹脂ペレット4の団塊化を防止している。
【0061】
〔樹脂ペレット4の補給機構部204等の構成及び機能〕
【0062】
乾燥処理部2には乾燥処理槽6が設置されており、この乾燥処理槽6の上部には樹脂ペレット4の補給ホッパ44が設置されている。ペレットタンク208の樹脂ペレット4を補給ホッパ44に流し込むため、補給ホッパ44には管路50、52が連結され、管路52はペレットタンク208に挿入され、管路50には吸引手段であるブロワ210が連結され、開閉弁212及びフィルタ214が設置されている。ブロワ210には管路216が連結されており、管路216には開閉弁218が設けられているとともに、管路220が分岐され、管路220は開閉弁222を介して外気に開放されている。また、管路50には管路224が分岐され、開閉弁226が設置されている。従って、開閉弁218、226を閉じ、開閉弁212、222を開いてブロワ210を駆動すると、補給ホッパ44の空気が管路50、52、216、220を通じて外気に放出されるので、補給ホッパ44が減圧され、ペレットタンク208から樹脂ペレット4が管路52を通じて補給ホッパ44内に吸引されて流れ込み、補給される。補給ホッパ44には管路50側にフィルタ228が設置されているので、樹脂ペレット4と吸引空気とが分離され、樹脂ペレット4の管路50側への流出が防止されている。また、フィルタ214により、塵埃のブロワ210への進入が防止されている。
【0063】
補給ホッパ44と乾燥処理槽6との間には、補給ホッパ44から乾燥処理槽6に樹脂ペレット4を導く導入筒48が設けられており、この導入筒48にはシャッター装置230とともに、樹脂検出部として例えば、近接スイッチ232が設置されている。シャッター装置230は導入筒48を開閉する開閉手段であって、補給ホッパ44の補給口234を開閉するシャッター板236を備え、このシャッター板236の開閉は駆動手段であるシリンダ装置238によって行われる。また、近接スイッチ232は、樹脂ペレット4の有無を検出する手段であって、樹脂ペレット4が所定の高さまで装填されているか否かを電気的又は光学的に検出している。従って、近接スイッチ232が樹脂ペレット4の不足を検出すると、シャッター装置230を駆動して補給口234が開かれ、補給ホッパ44から所定量の樹脂ペレット4が乾燥処理槽6に補給される。
【0064】
〔乾燥処理部2の構成及び機能〕
【0065】
乾燥処理部2の乾燥処理槽6は、樹脂ペレット4から水分を除去するための乾燥処理手段であって、この乾燥処理には、乾燥処理槽6の密閉及び減圧とともに、加熱手段による加熱を併用する。この乾燥処理槽6は、円筒部12及び漏斗部14(図1)を備え、円筒部12を開閉及び密閉する蓋部16が設けられ、この蓋部16には管路240を介して減圧手段である真空ポンプ242が連結されている。管路240にはフィルタ244が設置されているとともに、圧力スイッチ246及び真空破壊バルブ248が接続されている。従って、蓋部16及びシャッター装置230で密閉された乾燥処理槽6は真空ポンプ242によって減圧され、乾燥処理される樹脂ペレット4は減圧状態(所謂真空状態)下に維持される。
【0066】
また、この乾燥処理槽6の円筒部12の内壁には制止棒26が同一円周上に90度毎に、回転シャフト34の軸方向に向かって上下4段に設置され、ペレット揺動部8が回転したとき、樹脂ペレット4がペレット揺動部8と一緒に回転、攪拌することを抑制し、スムーズに樹脂ペレット4が揺動することを補助している。その外壁部に加熱手段として複数のヒータ24が配設されているとともに、その加熱温度を検出する温度センサ250が設けられている。従って、ヒータ24の発熱は、制止棒26にもに伝達されて樹脂ペレット4が均一に乾燥される。また、蓋部16の中心には、回転シャフト34が立設されている。回転シャフト34(図1)の先端にはペレット揺動部8が取り付けられている。また、ペレット揺動部8の内部には、ラバーヒータ58が設置されているため、乾燥処理槽6に装填されて減圧状態に維持された樹脂ペレット4は、ヒータ24及びラバーヒータ58により均一に加熱され、減圧下で沸点が低下して水蒸気化した水分が真空ポンプ242によって吸引されて外気に放出されることにより乾燥される。
【0067】
〔回転棒32と制止棒26の構成〕
【0068】
ペレット揺動部8に設置された回転棒32と乾燥処理槽6の円筒部12の内壁に設置された制止棒26の位置関係を示している。回転棒32と制止棒26は、上下方向において互い違いに等間隔に設置されている。また、回転棒32と乾燥処理槽6の内壁の隙間は、樹脂ペレット4が噛み込んで軋み音が発生しないように例えば、7〜8mmとし、各回転棒32、制止棒26の先端は球状に面取りされている。
【0069】
〔ペレット揺動部8の構成及び機能〕
【0070】
ペレット揺動部8は、乾燥処理槽6の中心に設置されており、樹脂ペレット4を部分的に揺動させて団塊化を阻止し、樹脂ペレット4の流動性を維持させている。ペレット揺動部8は、乾燥処理槽6の蓋部16の中心部にシール部252によってシールされた軸受部36により回転可能に立設されている。回転シャフト34の先端にはペレット揺動部8が取り付けられている。ペレット揺動部8の回転本体28は中空となっていて、内面にはラバーヒータ58が貼り付けられている。また、回転本体28の周囲には、複数の回転棒32が設置されており、回転シャフト34が回転すると、樹脂ペレット4を団塊化させないように揺動させる。
【0071】
従って、回転棒32等の通過により樹脂ペレット4が上下動し、部分的に揺動を生じ、これにより、樹脂ペレット4がほぐされ、団塊化が防止される。複数の回転棒32は、回転本体28に直交方向に配置され、同軸円周上に2本ないし4本が5段に積層して設置されている。各段の回転棒32は、重なり合わないように角度を変えて設置されている。また、回転本体28の内面には、ラバーヒータ58が貼り付けられているため、回転本体28が加熱されるとともに、回転棒32等にもその熱が伝達されて樹脂ペレット4を加熱する。ラバーヒータ58の温度は温度センサ64(図9)で検出され、操作指令に基づいて樹脂毎等に応じた温度管理を行えるようになっている。
【0072】
また、回転シャフト34には、回転連結部40を介してモータ38の回転が付与される。この回転連結部40は例えば、平歯車で構成され、ギア比によって減速可能に構成する。前述したようにペレット揺動部8の回転本体28の内部にはラバーヒータ58が固定されているが、回転シャフト34を回転させるとラバーヒータ58への配線に負荷が掛かるため、回転シャフト34は、180度回転すると反転するようになっている。回転連結部40に接触式の接点を使用すれば、回転させることも可能である。
【0073】
また、ペレット揺動部8を乾燥処理槽6から出入れする際にペレット揺動部8の回転棒32を制止棒26に衝突させないため、回転シャフト34の先端に位置検出片128(図19)が取り付けられ、その位置検出片128の位置を近接センサ126(図19)により検出して位置あわせしている(図9)。
【0074】
この場合、乾燥処理槽6を閉じる蓋部16には、ペレット揺動部8の周囲に樹脂ペレット4が供給されるように供給口254が形成されている。乾燥処理槽6には、ブロワ210の駆動により搬送された未乾燥の樹脂ペレット4が供給口254から装填されるため、ペレット揺動部8の回転本体28の直径は乾燥処理槽6の内径に対して例えば、1/2から1/3程度がよい。回転本体28及び乾燥処理槽6の内径は、樹脂ペレット4の処理量に応じて設定すればよく、また、樹脂ペレット4の流動性や成層状態を妨げないように設定すればよい。
【0075】
〔樹脂ペレット4の供給部206の構成及び機能〕
【0076】
乾燥処理槽6の下部には乾燥した樹脂ペレット4を貯留する貯留槽256が設置され、この貯留槽256と乾燥処理槽6との間にはシャッター装置258が設置されている。シャッター装置258はシャッター板260、262を備え、各シャッター板260、262をシリンダ装置263、265を以て開閉させることにより、所定量の樹脂ペレット4を乾燥処理槽6の排出口42(図1)から貯留槽256に装填させる。266はリークバルブである。
【0077】
この貯留槽256には、既述の管路216を介してブロワ210が接続されているとともに、管路268を介して射出成形機202側の供給ホッパ270が接続され、この供給ホッパ270には既述の管路224を介してブロワ210が連結されている。供給ホッパ270には空気と樹脂ペレット4とを分離するフィルタ272が設置され、供給ホッパ270と射出成形機202との間に設置された樹脂供給部274には近接スイッチ276が設置され、この近接スイッチ276によって樹脂供給部274内の樹脂ペレット4の供給状態を監視している。従って、樹脂供給部274内の樹脂ペレット4が不足すると、開閉弁212、222が閉じられるとともに、開閉弁218、226が開かれてブロワ210が駆動され、供給ホッパ270内の空気がブロワ210に流れ、ブロワ210から空気が貯留槽256を介して供給ホッパ270に循環することにより、その空気とともに樹脂ペレット4が貯留槽256から供給ホッパ270に供給される。
【0078】
このような樹脂乾燥装置200によれば、乾燥処理槽6で乾燥される樹脂ペレット4をペレット揺動部8の回転棒32の回動、及び乾燥処理槽6の制止棒26により上下方向に揺動させるので、流動状態に維持され、乾燥中の膠着や、団塊化を防止できる。しかも、樹脂ペレット4は攪拌されることがないので、乾燥処理槽6内に成層状態で維持され、乾燥処理槽6に先入れされた樹脂ペレット4は乾燥後、後入れされたものに先立って貯留槽256に排出され、未乾燥の樹脂ペレット4が排出されることはない。
【0079】
乾燥処理槽6には、その排出口42がシャッター装置258で閉塞されているものとすれば、上方から装填された樹脂ペレット4が成層状態で保持され、減圧状態を維持されながら、ヒータ24等で加熱される。その際、回転シャフト34を回転すると、回転棒32が成層状態にある樹脂ペレット4内で回動し、回転棒32の通過部分で樹脂ペレット4を上下動させる。この実施の形態では、回転棒32が18本存在し、乾燥処理槽6の制止棒26が16本存在しているので、樹脂ペレット4の上下動部分は34箇所となる。従って、ペレット揺動部8で団塊化が防止されるとともに、乾燥によって流動化を促進した樹脂ペレット4は、成層状態が維持され、全体的な攪拌が防止される。この結果、乾燥処理槽6に先入れされた樹脂ペレット4は、漏斗部14側に維持され、シャッター装置258のシャッター板260、262が開かれると、排出口42から貯留槽256に導かれる。
【0080】
次に、電熱制御部について、図22を参照する。図22は、乾燥処理槽の電熱制御部を示す図である。図22において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0081】
電熱制御部300では、ヒータ24、ラバーヒータ58には駆動回路302の切替回路304を介して電源回路306が接続され、切替回路304及び電源回路306には制御装置400(図23)の制御演算部404が接続されている。切替回路304は、ヒータ24又はラバーヒータ58と電源回路306との電気的な接続を切り替えるスイッチであって、リレー等で構成される。電源回路306は、直流電源、交流電源又はパルス電源等で構成される。制御演算部404は、シーケンス制御回路やプログラム制御回路で構成でき、マイクロコンピュータ等で構成される。
【0082】
このような構成とすれば、乾燥処理槽6の容量や乾燥すべき樹脂ペレット4の形態等、種々の条件に対応した加熱制御を行える。この結果、乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4を偏ることなく乾燥させることができ、効率的な処理が行える。
【0083】
次に、制御装置について、図23を参照して説明する。図23は、制御装置を示す図である。図23において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0084】
制御装置400は、マイクロコンピュータで構成された制御演算部404を含む制御部402とともに、操作部406を備えている。制御演算部404には、演算処理を行うCPU( Central Processing Unit)408、記憶手段として各種検出出力等の制御情報を記憶するRAM( Random-Access Memory )410、制御プログラムや固定データ等を記憶するROM( Read-Only Memory )412、停電等による制御情報の消失を防止するための記憶手段であるEEPROM414、時間設定のためのTIMER416が設けられているとともに、検出入力や制御入力を取り込むための入力ポート418、制御出力を取り出すための出力ポート420が設けられている。制御部402は、この制御演算部404とともに複数の検出回路422、424、426、428、430、駆動回路432、434、436、438、440、442、444及び音声回路446が備えられている。
【0085】
温度センサ64、250の検出温度は検出回路422、モータ38の回転を検出する回転検出センサ448の検出出力は検出回路424、近接スイッチ232、276の検出出力は検出回路426、回転シャフト34の回転位置を検出する近接センサ126の検出出力は検出回路428、圧力スイッチ246の検出出力は検出回路430から入力ポート418を介してCPU408等に取り込まれる。また、制御演算部404の制御出力は出力ポート420から各駆動回路432、434、436、438、440、442、444及び音声回路446に加えられ、ブロワ210、真空ポンプ242、ヒータ24、ラバーヒータ58、シリンダ装置238、263、265、開閉弁212、218、222、226、真空破壊バルブ248、モータ38及びスピーカ450が駆動される。
【0086】
操作部406はパネルスイッチであって、マイクロコンピュータで構成され、演算処理を行うCPU452、記憶手段として各種検出出力等の制御情報を記憶するRAM454、制御プログラムや固定データ等を記憶するROM456、画像メモリ458、検出入力や制御入力を取り込むための入力回路460、制御出力を取り出すための出力回路462、表示器464を駆動するための液晶駆動回路466、スイッチ468からのスイッチ入力を検出する検出回路470等を備えている。この操作部406の入力回路460が制御部402の制御演算部404の出力ポート420に接続され、出力回路462が入力ポート418に接続され、操作部406と制御部402が連携されている。
【0087】
この制御装置400の処理及び制御は、乾燥処理槽6の温度制御、樹脂ペレット4の補給、排出及び供給、減圧処理制御、表示制御等の各種制御に及ぶ。例えば、温度センサ64、250の検出温度を制御情報としてヒータ24、ラバーヒータ58の駆動制御を行い、乾燥処理槽6の内部を所定温度に制御する。近接スイッチ232、276による樹脂ペレット4の検出に基づき、樹脂ペレット4の補給ホッパ44への補給、供給ホッパ270への供給等を行う。スイッチ468からの減圧指令入力に基づき、真空ポンプ242を駆動し、圧力スイッチ246により乾燥処理槽6内が所定圧力に到達したか否かを検出することができる。そして、スイッチ468による樹脂ペレット4の予め設定した揺動指令入力に基づき、モータ38を駆動させ、回転棒32による乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4の部分的な揺動処理を行う。その他、ブロワ210、ヒータ24、ラバーヒータ58、シリンダ装置238、263、265の選択的な駆動、開閉弁212、218、222、226の選択的な開閉操作、真空破壊バルブ248の開閉、表示器464、スピーカ450からの告知出力の発生等を行う。
【0088】
次に、操作部の構成例について、図24を参照する。図24は、操作部の構成例を示す図である。図24において、図23と同一部分には同一符号を付してある。
【0089】
操作部406にはタッチパネル部472が備えられ、このタッチパネル部472には表示器464とともに、スイッチ474を備えている。このスイッチ474から各種の入力処理(揺動の有無及び揺動の条件の設定)を行うとともに、表示器464にスイッチ474の機能や動作内容等の表示が行われる。
【0090】
また、この操作部406には、電源スイッチ476、切替スイッチ478、起動スイッチ480が備えられている。電源スイッチ476には表示手段としてランプ482が内蔵されている。
【0091】
次に、タッチパネル部の操作及び動作について、図25を参照する。図25は、タッチパネル部の操作手順を示すフローチャートである。
【0092】
電源スイッチ476を押すと、ランプ482が点灯し、初期画面が立ち上がり、初期設定の後、揺動の選択画面が展開される。揺動の選択モードが起動し(ステップS11)、無を選択すれば(ステップS12)、モータ38の回転はなく、揺動は行われない。また、有を選択すれば(ステップS13)、回転シャフト34の回転回数設定モード(ステップS14)となり、テンキー入力(ステップS15)により、1回に所定の角度回転として例えば、90°回転する回転回数を入力し、その設定(ステップS16)を確定させることにより、回転回数が設定される。停止時間(ステップS17)も同様に、テンキー入力(ステップS18)により時間を入力し、その設定(ステップS19)を確定することにより、設定された回転回数及び停止時間でペレット揺動部8が動作し、回転本体28とともに回転棒32が回転する。
【0093】
その後、起動スイッチ480を押すと、運転が開始され、揺動が開始される。再び、起動スイッチ480を押すと、運転が停止される。即ち、起動スイッチ480が操作されるまで、ペレット揺動部8の動作を継続させることができる。
【0094】
次に、揺動処理について、図26を参照する。図26は、揺動を設定しない場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0095】
揺動選択を「無」にセットした場合には、起動スイッチ480をONにすると、初期充填か否かを判定し(ステップS21)、初期充填の場合には、初期樹脂補給モードを実行する(ステップS22)。即ち、近接スイッチ232が樹脂ペレット4を検出していない場合には、初期樹脂補給モードに移行し、開閉弁212、220を開き、ブロワ210を駆動することにより、ペレットタンク208から樹脂ペレット4を補給ホッパ44に補給する。この補給の後、シリンダ装置238を駆動してシャッター装置230のシャッター板236を開き、樹脂ペレット4を乾燥処理槽6に装填し、近接スイッチ232が樹脂ペレット4の制止状態を検出したとき、この補給モードを解除し、ブロワ210の駆動を停止する。
【0096】
減圧乾燥モードに移行し(ステップS23)、乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4を減圧下に保持して乾燥処理を行う。ステップS21で初期充填でない場合にも、ステップS23に移行して乾燥処理を行う。即ち、シリンダ装置238、263、265を駆動してシャッター板236、260、262を閉じ、真空ポンプ242を駆動して圧力スイッチ246が所定の減圧を検出するまで減圧処理を行い、ヒータ24、ラバーヒータ58を駆動して設定温度での加熱処理を行う。この結果、乾燥処理槽6の樹脂ペレット4に含まれる水分が蒸発し、樹脂ペレット4が乾燥する。
【0097】
この減圧乾燥モードが終了すると、乾燥処理槽6に樹脂ペレット4が滞留し、樹脂供給指令があったか否かを判定する(ステップS24)。そして、樹脂供給指令が発せられている場合には、樹脂供給モードを実行する(ステップS25)。樹脂供給指令がない場合には、減圧乾燥モードに戻る(ステップS23)。
【0098】
樹脂供給モードでは、乾燥処理槽6を大気に復帰させた後、シャッター装置258のシャッター板260、262を開いて乾燥した樹脂ペレット4を乾燥処理槽6から貯留槽256に落とし込む。そして、開閉弁222を閉じるとともに、開閉弁218を開き、ブロワ210を駆動すると、管路268を通じて供給ホッパ270に流動化した樹脂ペレット4を安定供給することができる。
【0099】
樹脂供給モードに入ると、乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4の量が減少するため、乾燥処理槽6の貯留量が基準以上あるか否かを監視する(ステップS26)。乾燥処理槽6の貯留量が基準以下の場合には、樹脂補給モードに移行する(ステップS27)。この樹脂補給モードでは、シャッター装置230のシャッター板236を閉じるとともに、開閉弁212、222を開き、ブロワ210を駆動することにより、樹脂ペレット4をペレットタンク208から管路52を通して補給ホッパ44に補給する。補給ホッパ44に補給された樹脂ペレット4はシャッター板236を開くことにより、乾燥処理槽6に装填される。そして、樹脂補給が終了すると、ステップS21に戻る。
【0100】
次に、揺動処理について、図27を参照する。図27は、揺動を連続に設定した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
揺動選択で揺動を連続に設定したいときは、設定を「有」にし、停止時間を0にセットすると、起動スイッチ480をONしてからOFFするまでモータ38(ペレット揺動部8)が回転を続ける(ステップS31)。ステップS32〜S38は、ステップS21〜S27(図26)と同一であるので、その説明を省略する。
【0102】
実際には、5分毎に90度回転を1〜2回行えば、どの種類のブリッジ性の材料もほぐすことができる。
【0103】
次に、揺動処理について、図28を参照する。図28は、揺動を断続に設定した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0104】
揺動選択で揺動を断続に設定したいときは、「有」に設定し、停止時間を0以上にセットすると、設定時間停止し、設定回数で回転シャフト34が回転する。初期充填(ステップS41)、初期樹脂補給モード(ステップS42)、減圧乾燥モード(ステップS43)、樹脂供給指令の有無の判断処理(ステップS44)、樹脂供給モード(ステップS47)、乾燥処理槽6の貯留量の基準以上の判断処理(ステップS48)、樹脂補給モード(ステップS49)は、既述のステップS21〜S27(図26)と同様である。
【0105】
ステップS43の減圧乾燥モードの終了の後、乾燥処理槽6に樹脂ペレット4が滞留し、樹脂の供給指令があるか否かを判定すると同時に、滞留時間の計測を開始する(ステップS44)。これは、滞留時間を所定時間例えば、5分が経過した場合、又は揺動時間の停止時間を例えば、5分に設定した場合に5分以内に樹脂供給指令が発せられなかった場合には、モータ38がONになり(ステップS45)、設定された揺動時間例えば1分間だけ、ペレット揺動部8を回転させ、樹脂ペレット4を揺動させる。設定された時間が経過すると、モータ38を停止させ(ステップS46)、再びステップS43に戻り、樹脂供給指令を待つ。
【0106】
ステップS44で所定時間内に樹脂供給指令が発せられている場合には、樹脂供給モードを実行する(ステップS47)。樹脂供給モードに入ると、乾燥処理槽6内の樹脂ペレット4の量が減少するため、乾燥処理槽6の貯留量が基準以上あるか否かを監視し(ステップS48)、乾燥処理槽6の貯留量が基準以下になったときには、樹脂補給モードに移行する(ステップS49)。そして、既述の樹脂供給が終了すると、ステップS41の初期充填に戻る。
【0107】
以上説明したように、樹脂ペレット4の揺動及び乾燥は、予め入力セットした回転数、停止時間で連続又は断続的に回転させることができ、合理的な乾燥処理を実現することができる。
【0108】
実験結果によれば、ブリッジしない樹脂であることが明らかな場合は「無」を選択し、ブリッジする可能性のある樹脂は「有」を選択する。この「有」でも特に「連続」/「断続」の選択はなく、「90〔°〕回転」の回数と、「停止」時間の入力では、例えば、回数は1〜5回、停止時間は240〜360〔秒〕に入力制限を設ける。この根拠は、ブリッジ性樹脂をほぐした結果に基づくものである。
【0109】
次に、ヒータ24及びラバーヒータ58の温度制御について、図29を参照する。図29は、温度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0110】
この処理手順は、温度制御方法の一例であって、図29に示すように、表示器(タッチ画面)464よりヒータ24及びラバーヒータ58の設定温度を入力し(設定可能な温度として例えば、20〜160〔℃〕の範囲とする)、起動スイッチ480を押せば(ステップS51)、自動運転が開始される(ステップSS52)。
【0111】
制御演算部404にあるシーケンサがヒータ温度を一定期間毎例えば、4秒毎に読み取り、一定期間毎例えば、4秒毎に読み取った温度センサ64又は250の検出温度と、入力された設定温度と、(設定温度−20〔℃〕)を比較し、温度センサ64又は250の検出温度が最低値に低下した場合には、リレーを一定の通電パターン例えば、2秒入/2秒切の通電間隔で加熱する。
【0112】
そこで、タイマー416が自動運転開始から4秒間の経過を計時したか否かを判定し(ステップS53)、4秒間計時すれば(ステップS53のYES)、タイマー416をリスタートさせ(ステップS54)、ヒータ温度の読み取りを行い(ステップS55)、ヒータ温度が設定温度に到達したか、設定温度−所定温度(例えば、20〔℃〕)より低いか、設定温度−所定温度(例えば、20〔℃〕)より高いかを判定する(ステップS56)。
【0113】
ヒータ24又はラバーヒータ58の温度(=温度センサ64又は250の検出温度)が、ヒータ温度<(設定温度−20〔℃〕)であれば、所定時間として継続する例えば、2秒間だけヒータONとし(ステップS57)、また、(設定温度−20〔℃〕)≦ヒータ温度<設定温度であれば、所定時間として継続する例えば、0.1〜2秒間だけヒータONとし(ステップS58)、また、設定温度以上(ヒータ温度≧設定温度)であれば、ヒータOFFとする(ステップS59)。
【0114】
この場合、(設定温度−20〔℃〕)に達したとき、加熱停止のため、リレーの加熱時間を減少させる。現在温度と設定温度との差に比例して、設定温度に近づく程に、通電時間を短縮し、この通電を設定温度まで継続する。
【0115】
この温度制御では、起動スイッチ480の操作を監視し(スイッチ60)、起動スイッチ480がON状態であれば、ステップS53に戻る。また、ステップS53において、タイマー416が4秒経過していなければ(ステップS53のNO)、ステップS60に移行してまた、起動スイッチ480がON状態であれば(ステップS60のYES)、ステップS53に戻る。
【0116】
そして、起動ステップS480をOFFすれば(ステップS60のNO)、自動運転終了となり(ステップS61)、ヒータ加熱が停止される。
【0117】
次に、第2の実施の形態における利点等を列挙すれば以下の通りである。
【0118】
(1) 回転棒32の回転タイミングについて、表示器(タッチ画面)464から回転時間及び停止時間をテンキーからユーザが入力し、又は樹脂ペレット4の材質や種類を表示器(タッチ画面)464から選択すると、その条件に従って作動する制御を説明したが、既述したように、乾燥処理槽6側に制止棒26を取り付け、成層状態にある樹脂ペレット4をその成層状態を乱すことなく、揺動させる回転棒32によるほぐす作用が得られたことで、例えば、5分毎に回転本体28を90度往復回転させることで、樹脂ペレット4をブリッジしないようにほぐしておけば、下シャッター部(シャッター板260、262)を開けたときに流動性の高い樹脂ペレット4の排出を良好に行える。
【0119】
(2) モータの作動時間が大幅に短縮できたことから、モータや軸受け、ギア等のパーツの寿命が延びる。さらに、樹脂ペレット4の材質や種類の違いによる回転時間及び停止時間の条件出しや、その都度の銘柄追加のためのソフトバージョンアップ、及びユーザへのその周知、ソフトの書き込み等のアフターサービスの手間が全く不要になる。
【0120】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、粒状又は粉状等の樹脂を減圧下で加熱し、水分を除去する樹脂乾燥に関し、樹脂の成層状態を損なうことなく揺動させ、乾燥樹脂の流動化を図り、団塊化を防止でき、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】樹脂乾燥装置の乾燥処理部の一部を切り欠いて示した図である。
【図2】図1のII−II線断面図を示す図である。
【図3】揺動部の回転部分を示す図である。
【図4】図3のA部を示す図である。
【図5】図3のB部を示す図である。
【図6】図3のC部を示す図である。
【図7】図3のD部を示す図である。
【図8】図3のE部を示す図である。
【図9】揺動部の回転部分を示す断面図である。
【図10】樹脂ペレットが装填された乾燥処理槽を示す図である。
【図11】樹脂ペレットの揺動状態を示す図である。
【図12】樹脂ペレットの揺動状態を示す図である。
【図13】他の回転棒を示す図である。
【図14】他の回転棒を示す図である。
【図15】ロータリーアクチュエータを用いた回転機構部を示す図である。
【図16】エアシリンダを用いた回転駆動部を示す図である。
【図17】蓋部の開閉機構を示す図である。
【図18】蓋部を示す平面図である。
【図19】位置合せ機構部を示す図である。
【図20】位置合せ機構部を示す図である。
【図21】射出成形機に接続された樹脂乾燥装置を示す図である。
【図22】乾燥処理槽の電熱制御部を示す図である。
【図23】制御装置を示す図である。
【図24】操作部の構成例を示す図である。
【図25】タッチパネル部の操作手順を示すフローチャートである。
【図26】揺動を設定しない場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】揺動を連続に設定した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図28】揺動を断続に設定した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図29】温度制御の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
2 乾燥処理部
4 樹脂ペレット
6 乾燥処理槽
8 ペレット揺動部
10 補給部
12 円筒部
14 漏斗部
16 蓋部
24 ヒータ
26 制止棒
26A1、26A2、26A3、26A4 第1の複数の制止棒
26B1、26B2、26B3、26B4 第2の複数の制止棒
26C1、26C2、26C3、26C4 第3の複数の制止棒
26D1、26D2、26D3、26D4 第4の複数の制止棒
28 回転本体
30 回転駆動部
32 回転棒
32A1、32A2、32A3、32A4、32A5、32A6、32A7、32A8 第1の複数の回転棒
32B1、32B2、32B3、32B4 第2の複数の回転棒
32C1、32C2 第3の複数の回転棒
32D1、32D2 第4の複数の回転棒
32E1、32E2 第5の複数の回転棒
34 回転シャフト
38 モータ
54 回転円筒部
58 ラバーヒータ
200 樹脂乾燥装置
202 射出成形機
210 ブロワ
242 真空ポンプ
246 圧力スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状又は粉状の樹脂を乾燥する樹脂乾燥装置であって、
前記樹脂を乾燥させる処理槽と、
前記処理槽内で回転する回転部と、
この回転部から前記処理槽の内壁面に向かって突出させ、前記回転部とともに回転して前記処理槽内の前記樹脂中を移動する回転棒と、
前記処理槽から前記回転部に向かって突出させて前記処理槽内の前記樹脂中に挿入される制止棒と、
を備えることを特徴とする樹脂乾燥装置。
【請求項2】
請求項1の樹脂乾燥装置において、
前記処理槽は円筒部と、円錐部とを備え、複数の前記制止棒の端部を前記回転部の中心方向に向けて突出させるとともに、前記円筒部の高さ方向の複数の位置に設置してなることを特徴とする樹脂乾燥装置。
【請求項3】
請求項2の樹脂乾燥装置において、
前記回転棒は、前記制止棒の高さ方向の間隔内に配置され、その突出長を異ならせたことを特徴とする樹脂乾燥装置。
【請求項4】
請求項1の樹脂乾燥装置において、
前記回転部に加熱手段を設置し、前記回転棒が前記加熱手段の熱を前記樹脂に伝導させる熱伝導手段であることを特徴とする樹脂乾燥装置。
【請求項5】
請求項1の樹脂乾燥装置において、
前記処理槽に加熱手段を設置し、前記制止棒が前記加熱手段の熱を前記樹脂に伝導させる熱伝導手段であることを特徴とする樹脂乾燥装置。
【請求項6】
請求項1の樹脂乾燥装置において、
前記処理槽を減圧する減圧手段を備え、樹脂乾燥の際、前記処理槽が前記減圧手段により、減圧状態に維持されることを特徴とする樹脂乾燥装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2010−115807(P2010−115807A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289124(P2008−289124)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】