説明

樹脂燃料タンク

【課題】コストアップすることなく軽量化が可能な樹脂製燃料タンクを提供する。
【解決手段】樹脂燃料タンク100は、上椀部51及び下椀部52の筒状の中央部79に沿った第1方向Aにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aと直交する第2方向Bでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分に接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出されると共に所定の半径からなる一対の第1円弧部と、所定の半径より大きい半径からなると共に一対の第1円弧部に亘って接続される第2円弧部と、を有して形成され、第2方向Bにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分に接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出される一対の第3円弧部と、一対の第3円弧部に亘って接続される接続部と、を有して形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーブロー成形又はブロー成形にて成形される、上椀部と下椀部とが組み合わされた中空形状からなる樹脂燃料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の低燃費化を目的として車両の軽量化が行われている。このような軽量化の方法の一つとして、燃料タンクが金属製のものから樹脂製のものに変更されてきた。このような樹脂製の燃料タンクの一例として、下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載のブロー成形樹脂容器は自動車用のガソリンタンクとして用いられ、樹脂を用いてブロー成形により四角形の箱形状で形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−159614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、この種の燃料を貯留する容器においては、タンク形成面どうしの角の部分(以下「角部分」という)に内圧による応力が集中し易い。また、特許文献1に記載のブロー成形樹脂容器にあっても同様である。このため、応力が集中し易い部位(特許文献1に記載のブロー成形樹脂容器にあっては箱形状の角部分)の強度を確保するために、当該部位の板厚を厚くしておく必要がある。しかしながら、角部分の板厚が厚くなるようにブロー成形を行うと、他の部位(角部分以外の部位)の板厚が必要以上に厚くなってしまい、樹脂の使用量が多くなってしまう。このため、燃料タンクとしての重量が重くなり、また製品としてのコストアップの要因となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、コストアップすることなく軽量化が可能な樹脂燃料タンクを提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するための第1発明に係る樹脂燃料タンクの特徴は、管状のパリソンを軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とし、フリーブロー成形を用いて前記管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませた形状を外形とする点にある。
【0008】
上記第1発明の特徴によれば、成形型(金型)を用いることなく、管状のパリソンを膨らませるだけの簡易な方法で樹脂燃料タンクを形成することができる。また、樹脂燃料タンクの形成過程において成形型で形状を矯正しないので、管状のパリソン内に供給される空気圧により当該管状のパリソンを均一に膨らませることができる。このため、樹脂燃料タンクの全面に亘って均一な肉厚を実現することができるので、形成後の樹脂燃料タンク内に貯留される燃料が揮発して圧力が高くなった場合でも、当該高くなった圧力を樹脂燃料タンクの内壁に均等に与えることができ、部分的に応力が集中することが少ない。したがって、その分だけ全体的な板厚を薄くして樹脂の使用量を減らすことができるので、樹脂燃料タンクの低コスト化及び軽量化を実現することが可能となる。また、成形型を使用しないので、製造コストも安くすることができる。
【0009】
また、上記目的を達成するための第2発明に係る樹脂燃料タンクの特徴は、管状のパリソンを軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とし、フリーブロー成形により前記管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませた状態での形状を有する成形型を用い、当該成形型内に配置された管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませるブロー成形により成形される点にある。
【0010】
上記第2発明の特徴によれば、フリーブロー成形を用いて管状のパリソンを膨らませた状態の形状からなる樹脂燃料タンクを、成形型(金型)を用いて形成することができる。このような形状を有する樹脂燃料タンクは、当該樹脂燃料タンクの全面に亘って均一な肉厚を実現することができるので、形成後の樹脂燃料タンク内に貯留される燃料が揮発して圧力が高くなった場合でも、当該高くなった圧力を樹脂燃料タンクの内壁に均等に与えることができる。このため、部分的に応力が集中することが少ない。したがって、その分だけ全体的な板厚を薄くして樹脂の使用量を減らすことができるので、樹脂燃料タンクの低コスト化及び軽量化を実現することが可能となる。
【0011】
また、第3発明に係る樹脂燃料タンクの特徴は、車両との取り付けを可能にする取付部が備えられ、前記取付部が、前記成形された樹脂燃料タンクの上面視において、当該樹脂燃料タンクを囲む仮想四角形内に形成されている点にある。
【0012】
上記第3発明の構成によれば、均一な肉厚で膨らんだ状態の樹脂燃料タンクを維持しつつ、取付部を成形することができる。このため、樹脂燃料タンクには、取付部に起因した偏肉が生じないので、取付部を形成するために樹脂燃料タンクの板厚を厚くする必要がない。したがって、樹脂燃料タンクの低コスト化及び軽量化を実現しつつ、取付部を形成することが可能となる。
【0013】
上記目的を達成するための第4発明に係る樹脂燃料タンクの特徴は、ブロー成形にて成形される、上椀部と下椀部とが組み合わされた中空形状からなり、記上椀部及び前記下椀部の筒状の中央部に沿った第1方向における前記上椀部及び前記下椀部の中央の前記第1方向と直交する第2方向での断面の内面が、前記上椀部及び前記下椀部の接続部分に接続されて前記上椀部及び前記下椀部の中央側に延出されると共に所定の半径からなる一対の第1円弧部と、前記所定の半径より大きい半径からなると共に前記一対の第1円弧部に亘って接続される第2円弧部と、を有して形成され、前記第2方向における前記上椀部及び前記下椀部の中央の前記第1方向での断面の内面が、前記上椀部及び前記下椀部の接続部分に接続されて前記上椀部及び前記下椀部の中央側に延出される一対の第3円弧部と、前記一対の第3円弧部に亘って接続される接続部と、を有して形成されてある点にある。
【0014】
上記第4発明の構成によれば、樹脂燃料タンク内に貯留される燃料が揮発して圧力が高くなった場合、当該高くなった圧力を樹脂燃料タンクの内壁に均等に与えることができるので部分的に応力が集中することが少ない。このため、その分だけ全体的な板厚を薄くすることが可能となる。したがって、樹脂の使用量を減らすことができるので樹脂燃料タンクの低コスト且つ軽量化が実現可能である。
【0015】
第5発明に係る樹脂燃料タンクの特徴は、周囲に窪みを有する開口部が前記上椀部の中央部に形成されてある点にある。
【0016】
上記第5発明の構成によれば、窪みが上椀部の補強リブとして機能することになり、樹脂燃料タンクの剛性を更に向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第一の実施形態に係る樹脂燃料タンクの上方斜視図である。
【図2】第一の実施形態に係る樹脂燃料タンクの上面図である。
【図3】第一の実施形態に係る樹脂燃料タンクの下面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面を示す図である。
【図5】図2のV−V線断面を示す図である。
【図6】図2のVI−VI線断面を示す図である。
【図7】角錐部分の上面図である。
【図8】角錐部分の上方斜視図である。
【図9】第二の実施形態に係る管状のパリソンについて示す図である。
【図10】第二実施形態に係る樹脂燃料タンクについて示す図である。
【図11】第三の実施形態に係る樹脂燃料タンクの成形に用いられる成形型について示す図である。
【図12】第三の実施形態に係る樹脂燃料タンクについて示す図である。
【図13】その他の実施形態に係る角錐部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第一の実施形態〕
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る樹脂燃料タンク100は、車両の内燃機関に供給される燃料(例えばガソリンや軽油等)を貯留しておく容器である。この樹脂燃料タンク100は、一般的には車両の乗員の目につかない位置(例えば後部座席下等)に備えられる。このような樹脂燃料タンク100が図1−図5に示される。
【0019】
図1は樹脂燃料タンク100の上方斜視図である。また、図2は樹脂燃料タンク100の上面図であり、図3は樹脂燃料タンク100の下面図である。図2のIV−IV線断面が図4に示され、図2のV−V線断面が図5に示される。図1−図5に示されるように、樹脂燃料タンク100は上椀部51と下椀部52とが組み合わされた中空形状からなる。上椀部51とは図2に示される側の椀状部材であり、下椀部52とは図3に示される側の椀状部材である。樹脂燃料タンク100は、このような上椀部51及び下椀部52が夫々の椀状縁部を接続部分Z(図4及び図5参照)として内部に空間を有する中空形状で構成される。また、本樹脂燃料タンク100は平面視において、角のとれた横長の長方形状で形成される(図2及び図3参照)。もちろん、角のとれた正方形状で形成することも当然に可能である。
【0020】
上椀部51及び下椀部52からなる樹脂燃料タンク100は、樹脂を用いてブロー成形により成形される。樹脂燃料タンク100に用いられる樹脂は機械的強度が強く、樹脂燃料タンク100内に貯留される燃料と反応しない特性を有するものを用いると好適である。ブロー成形とは熱可塑性樹脂の成形加工法の一つであり、その加工において空気圧が利用される。
【0021】
ブロー成形はパリソンと呼ばれる原料を溶融させパイプ状にしたものを分割した金型内に押し出し、金型を閉じてからパリソン内に注入ノズルを通じて空気を吹き込み成形する。パリソンは空気圧により膨らみ、外側の金型に押しつけられ、冷却されて中空状に固化するのでその後金型を開いて樹脂燃料タンク100を取り出すことが可能である。本樹脂燃料タンク100は、上述の上椀部51及び下椀部52が分離不能に一体成形される。したがって、上述の接続部分Zとは説明の便宜上の呼称であり、上椀部51と下椀部52とを別体で形成して接続する部分を示すものではない。
【0022】
ここで、上椀部51及び下椀部52の筒状の中央部79に沿った方向を第1方向とする。中央部79とは上椀部51及び下椀部52を長筒状と見た場合において図1に示されるように所定の幅を有してなる中央部分である。中央部79に沿った方向とは、図1に示されるAの方向が相当する。したがって、以下の説明では第1方向を符号Aを付して説明する。また、後述する第2方向を符号Bを付して説明する。
【0023】
第1方向Aにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aと直交する第2方向Bでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出されると共に所定の半径r1からなる一対の第1円弧部71と、当該所定の半径r1より大きい半径R1からなると共に一対の第1円弧部71に亘って接続される第2円弧部72と、を有して形成される。第2方向Bは図1に示されるように第1方向Aと直交する方向である。第2方向Bでの断面とは、上椀部51及び下椀部52の中央部79における断面である。このような上椀部51及び下椀部52の第2方向Bでの断面が図4に示される。図4に示される断面は、図2におけるIV−IV線断面に相当する。
【0024】
断面の内面とは、樹脂燃料タンク100の断面図における内壁に沿った面である。図4に示されるように、上椀部51及び下椀部52には供給口31、ポンプ取付口32、底部33が形成される。また、図2におけるIV−IV線から第1方向Aに沿ってポンプ取付口32から外れた位置の断面は、図4に示されるような一点鎖線のようになる。また、第1円弧部71の半径をr1とすると、第2円弧部72の半径はr1よりも大きい半径R1で形成される。このように、樹脂燃料タンク100は図4に示されるような断面視において、湯タンポ型(ラグビーボール型)の断面形状で形成される。
【0025】
ここで、第1円弧部71の内面に沿った長さをβ、第2円弧部72の内面に沿った長さをαとすると、第1円弧部71及び第2円弧部72はα>βとなるように形成される。特にβがαの1/2程度(半分程度)となるように形成すると好適である。もちろん、α<βとなるように第1円弧部71及び第2円弧部72を形成することも当然に可能である。また、接続部分Zの内面に相当する符号γが付された部分(上椀部51の第1円弧部71と下椀部52の第1円弧部72とを繋ぐ部分)は、第1円弧部71の半径r1よりも小さい半径で形成すると好適である。また、このようなγで示される部分の長さは、上述のβとの関係において、β>γとなるように形成すると好適である。特にγがβの1/2程度(半分程度)となるように形成すると好適である。もちろん、γの部分を形成せずに長さβを有する2つの第1円弧部71を直接接続して形成することも当然に可能である。
【0026】
第2方向Bにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出される一対の第3円弧部82と、当該一対の第3円弧部82に亘って接続される接続部81と、を有して形成される。第1方向Aでの断面が図5に示される。図5に示される断面は、図2におけるV−V線断面に相当する。
【0027】
図5に示されるように、上椀部51及び下椀部52の第1方向Aでの断面の内面は、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zから中央側に延出する一対の第3円弧部82が形成される。第3円弧部82は、第1円弧部71と同じ半径r1により形成すると好適である。また、一対の第3円弧部82の間には、接続部81が形成される。断面の内面とは、上述のように樹脂燃料タンク100の断面図における内壁に沿った形状である。上述のように、上椀部51及び下椀部52に形成される供給口31、ポンプ取付口32、底部33が図5に示されている。また、図2におけるV−V線から第2方向Bに沿ってポンプ取付口32から外れた位置の断面は、図5に示されるような一点鎖線のようになる。このように、樹脂燃料タンク100は図5に示されるような側面視において、偏平な薄型形状で形成される。
【0028】
本樹脂燃料タンク100は、上述のように中央断面の内面が形成される。したがって、樹脂燃料タンク100内の燃料が揮発して圧力が高くなった場合でも均一に圧力を受けることが可能となるので、樹脂燃料タンク100の変形及び破損を防止できる。
【0029】
ここで、上述のように第1円弧部71及び第3円弧部82は、共に半径がr1で形成すると好適である。このような構成とすると、上椀部51及び下椀部52の夫々の該当する部位は、半径をr1とする球体表面の一部と同様に形成される。これにより、樹脂燃料タンク100内で燃料が揮発して圧力が高まった場合でも均一に圧力を受けるので変形及び破損を防止効果を高めることができる。このように本樹脂燃料タンク100は、その全体形状が湯タンポ形状で形成される。
【0030】
樹脂燃料タンク100の上面には、当該樹脂燃料タンク100に貯留する燃料の供給口31が形成される。本実施形態では、この供給口31は上椀部51の中央から外れた位置に形成されるように図示しているが、この位置に限定されるものではない。この供給口31は、車両の給油口(図示せず)に接続される給油管(図示せず)の取り回しにより他の位置に形成することも当然に可能である。供給口31は丸穴で形成され、給油管が接続される。
【0031】
周囲に窪み41を有する開口部32が上椀部51の中央部79に形成される。この開口部32は、樹脂燃料タンク100内に貯留される燃料を吸い出すポンプ(図示せず)が取り付けられるポンプ取付口に相当する。したがって、以下の説明においては開口部32はポンプ取付口32として説明する。ポンプ取付口32の周囲に窪み41を設けることにより当該ポンプ取付口32を形成した部位の強度を高めることができる。なお、上述の供給口31と同様に、ポンプ取付口32も図示された位置に限定されるわけではない。ポンプ取付口32は丸穴で形成される。
【0032】
樹脂燃料タンク100の下面、即ち下椀部52の接続部81には、当該樹脂燃料タンク100を車両に配設した場合に配設姿勢を維持可能なように平坦面を有する底部33が形成される。このような底部33を車両が有する平坦な面に当接することにより樹脂燃料タンク100を所期の姿勢で維持することが可能となる。
【0033】
樹脂燃料タンク100は複数の取付部21が設けられる。図6は取付部21の拡大図(断面図)である。図6に示されるように、取付部21の略中央には貫通孔22が形成される。この貫通孔22と図示しない車両の保持部とをボルトで固定することにより樹脂燃料タンク100を固定することが可能となる。なお、この取付部21を形成する際、上椀部51及び下椀部52の取付部21の近傍部分の板厚が薄くならないように、つまみ部23の位置を所定の冶具(図示せず)で摘むことにより、上椀部51及び下椀部52の取付部21の近傍部分が取付部21と共に外方向に引っ張り出されないように形成される。これにより上椀部51及び下椀部52の取付部21の近傍部分の板厚を確保している。
【0034】
樹脂燃料タンク100の上椀部51及び下椀部52の少なくとも一部の内面及び外面は、複数の角錐面78を備えた角錐部分77を複数連ねて形成される。角錐部分77とは角錐体に相当し、角錐面78とは当該角錐体が有する複数の三角形からなる面が相当する。したがって、角錐部分77はダイヤモンド型やピラミッド型の形状で形成される。なお、本実施形態においては、角錐部分77は樹脂燃料タンク100に対して内側に突出する形態で形成される。このような角錐部分77の上面図が図7に示され、角錐部分77の上方斜視図が図8に示される。なお、図8に示される角錐部分77は、説明を分かり易くするために高さ方向(上下方向)を誇張して記載したものであり、図8に示されるものに限定されるものではない。
【0035】
図7及び図8に示されるように、三角形からなる複数の角錐面78の少なくとも1つは二等辺三角形で構成される。特に、本実施形態においては角錐部分77が4つの二等辺三角形を角錐面78とする四角錘であるとして説明する。したがって、複数の角錐面78とは、四角錘を構成する4つの角錐面78が相当する。上椀部51及び下椀部52は、このような角錐面78をその内面及び外面として、少なくとも一部が形成される。
【0036】
角錐部分77の底面の各頂点76と角錐部分77の頭頂部80とを結ぶ線の1つが、上椀部51及び下椀部52の筒状の中央部79に沿った第1方向A又は当該第1方向Aに直交する第2方向Bに沿って形成される。筒状の中央部79とは、上椀部51及び下椀部52を筒状とした場合に、図1に示されるように第1方向Aに沿って所定の幅を有して形成される部分が相当する。
【0037】
角錐部分77の底面とは4つの頂点76を結んで形成される四角形の面が相当する。角錐部分77の頭頂部80とは四角錘の先端が相当する。角錐部分77の底面の各頂点76と角錐部分77の頭頂部80とを結ぶ線の1つ(例えば線77A)が、第1方向Aに沿って形成される。ここで、上述のように本実施形態では角錐部分77は4つの二等辺三角形からなる角錐面78を備えて構成される。したがって、線77Aが第1方向Aに沿って形成された場合には、線78Bが第2方向Bに沿って形成されることとなる。このように角錐部分77を構成することにより、樹脂燃料タンク100が外部から荷重を受けた場合に、角錐部分77が荷重を吸収し、樹脂燃料タンク100が破損して燃料が漏れるのを防止することが可能となる。
【0038】
図1−図3に示されるように、角錐部分77は、上椀部51及び下椀部52の第2方向Bの略全周に亘って形成され、上椀部51及び下椀部52の第1方向Aの中央部79に形成すると好適である。特に角錐部分77は、ポンプ取付口32やその周囲、及び底部33には形成されていないが、必要に応じて形成することは可能である。なお、略全周とは、上椀部51と下椀部52とを接続する接続部分Zにおいては角錐部分77を形成していないので略全周となる。しかしながら、上椀部51と下椀部52との接続部分Zにおいても、角錐部分77を形成することは当然に可能であるし、本発明の権利範囲である。
【0039】
上述したように上椀部51及び下椀部52の少なくとも一部の内面及び外面が、複数の角錐面78を備えた角錐部分77を複数連ねて形成される。即ち、図4及び図5に示されるように上椀部51及び下椀部52の少なくとも一部の内面及び外面が凹凸を有するように形成される。
【0040】
例えば樹脂燃料タンク100が備えられる環境温度が高くなると、燃料が樹脂燃料タンク100内で揮発し内圧が高くなる。一方、環境温度が低くなると環境温度が高い場合に比べて内圧は低くなる。このように環境温度の変動により、樹脂燃料タンク100内の圧力も変動する。
【0041】
角錐部分77はこのような内圧の変動を吸収する機能を備えている。即ち、樹脂燃料タンク100の内圧が高くなった場合には角錐部分77の凹凸が広がり、その容積を大きくする。したがって、樹脂燃料タンク100の内圧が高くなりすぎることを防止する。一方、樹脂燃料タンク100の内圧が低くなった場合には角錐部分77の凹凸が狭まり、元の容積に戻る。したがって、樹脂燃料タンク100の内圧が低くなりすぎることを防止する。このように角錐部分77は、適宜、伸びと復帰とを繰り返すので樹脂燃料タンク100の割れを生じ難くすることができる。
【0042】
このようにして角錐部分77は、樹脂燃料タンク100内の圧力を略一定に維持する機能も備えている。なお、角錐部分77は、樹脂燃料タンク100の内圧が高くなった場合を基準に形成すると好適である。
【0043】
〔第二の実施形態〕
上述の第一の実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、ブロー成形により成形されるとして説明した。本実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、フリーブロー成形に成形される点で上述の第一の実施形態に係る樹脂燃料タンク100と異なる。以下では、このようなフリーブロー成形により成形された樹脂燃料タンク100について説明する。
【0044】
本実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、フリーブロー成形を用いて成形される。フリーブロー成形では、原料となる樹脂からなる管状のパリソンが用いられる。管状のパリソンとは、第一の実施形態において用いられたパイプ状のパリソンに相当するものである。図9には、このような管状のパリソンの斜視図が示される。
【0045】
管状のパリソンは溶融状態とされると共に、軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とされる。溶融状態とは、完全に樹脂が溶けている状態を示すものではなく、後述するように仕切ることが可能で、且つ、仕切ることにより密閉状態となる部分を構成することが可能な程度に溶けている状態を示す。また、軸方向とは、管状のパリソンの軸方向である。軸方向に所定の長さで仕切るとは、管状のパリソンを軸方向に所定の長さを有するように、所定間隔離れた2箇所で仕切ることである。本実施形態では、管状のパリソンは、図9に示されるように軸方向に所定間隔離れた摘み位置T1、T2(2箇所)で摘み治具Tで摘んで仕切られる。このような摘み位置T1及び摘み位置T2の間の間隔が、本発明における「所定の長さ」に相当する。管状のパリソンは、このように2箇所で仕切られることにより、当該仕切られている部分が密閉状態とされる。
【0046】
このように密閉状態とされた管状のパリソンには注入ノズルが挿入され、当該注入ノズルを介して管状のパリソン内に空気が吹き込まれる。管状のパリソンは当該空気に応じた空気圧により均一に膨らむ。膨らんだ管状のパリソンは、その後、摘み位置T1、T2で切断される。このように切断されたものが本実施形態における樹脂燃料タンク100に相当し、図10に示される。本実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、このように管状のパリソンに空気を吹き込んで膨らませた形状を外形として成形される。
【0047】
なお、図示はしないが、フリーブロー成形により形成された樹脂燃料タンク100は、上述の第一の実施形態に係る樹脂燃料タンク100と同様に、上椀部51と下椀部52とが組み合わされた中空形状からなり、第1方向Aにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aと直交する第2方向Bでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出されると共に所定の半径r1からなる一対の第1円弧部71と、所定の半径r1より大きい半径R1からなると共に一対の第1円弧部71に亘って接続される第2円弧部72と、を有して形成される。また、第2方向Bにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aでの断面の内面は、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出される一対の第3円弧部82と、当該一対の第3円弧部82に亘って接続される接続部81と、を有して形成される。
【0048】
このように本実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、成形型を用いることなく、管状のパリソンを膨らませるだけの簡易な方法で形成することができる。また、樹脂燃料タンク100の形成過程において成形型で形状を矯正しないので、管状のパリソン内に供給される空気圧により当該管状のパリソンを均一に膨らませることができる。このため、樹脂燃料タンク100の全面に亘って均一な肉厚を実現することができるので、成形後の樹脂燃料タンク100内に貯留される燃料が揮発して圧力が高くなった場合でも、当該高くなった圧力を樹脂燃料タンク100の内壁に均等に与えることができ、部分的に応力が集中することが少ない。したがって、その分だけ全体的な板厚を薄くして樹脂の使用量を減らすことができるので、樹脂燃料タンク100の低コスト化及び軽量化を実現することが可能となる。また、成形型を使用しないので、製造コストも安くすることができる。なお、図10においては、取付部21や供給口31やポンプ取付口32は省略しているが、上述のフリーブロー成形後に別工程で形成することが可能である。
【0049】
〔第三の実施形態〕
上述の第一の実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、金型を用いてブロー成形により成形されるとして説明した。本実施形態に係る樹脂燃料タンク100も、第一の実施形態と同様に、金型を用いてブロー成形に成形される。本実施形態では、金型を用いて成形される形状は、フリーブロー成形により膨らませた状態の形状である。以下、このような形状を有する樹脂燃料タンク100について説明する。
【0050】
本実施形態に係る樹脂燃料タンク100は、ブロー成形を用いて成形される。ブロー成形については、第一の実施形態において説明したので、ここでは説明は省略する。本実施形態に係るブロー成形で用いられる金型Kは、フリーブロー成形により形成された樹脂燃料タンク100の外面の形状を有するものが用いられる。このような金型Kが図11に示される。なお、金型Kは、本発明に係る「成形型」に相当する。フリーブロー成形とは、第二の実施形態で説明したように、管状のパリソンを軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とし、当該管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませる成形方法である。本実施形態に係るブロー成形で用いる金型Kは、当該金型内に配置される材料(本実施形態においては管状のパリソン)を、フリーブロー成形で管状のパリソンを膨らませた状態での形状に沿うように形成する。
【0051】
金型Kは、第一金型K1及び第二金型K2の一対で構成される。樹脂燃料タンク100の形成過程において、これらの第一金型K1及び第二金型K2は所定の圧力で型締めして用いられる。このように型締めされた第一金型K1と第二金型K2との間には、キャビティKVが形成される。このキャビティKVに管状のパリソンが配置される。キャビティKVに配置された管状のパリソン内には空気が吹き込まれ、空気圧に応じて膨らまされる。したがって、管状のパリソンは金型Kに形成されている形状に沿って成形される。このような金型Kに形成されている形状は、フリーブロー成形で形成された状態の形状であるので、成形条件(管状のパリソンや溶融状態等)が同一であれば、フリーブロー成形で形成される形状と同様に、管状のパリソンが均一に膨らんだ状態の樹脂燃料タンク100が成形される。
【0052】
したがって、全面に亘って均一な肉厚からなる樹脂燃料タンク100を実現することができる。このため、成形後の樹脂燃料タンク100内に貯留される燃料が揮発して圧力が高くなった場合でも、当該高くなった圧力を樹脂燃料タンク100の内壁に均等に与えることができるので部分的に応力が集中することが少ない。このため、その分だけ全体的な板厚を薄くして樹脂の使用量を減らすことができるので、樹脂燃料タンク100の低コスト化且つ軽量化を実現することが可能となる。
【0053】
また、樹脂燃料タンク100には、取付部21が形成される。この取付部21は、本樹脂燃料タンク100を車両との取り付けを可能とする。すなわち、樹脂燃料タンク100を車両に取り付ける際、取付部21を介して取り付けられる。このような取付部21は、上述の金型Kを用いて樹脂燃料タンク100の形状を成形する際に一体的に行うことができる。係る場合には、取付部21の形状が金型Kに形成されている。ここで、図12には、成形された樹脂燃料タンク(成形後の樹脂燃料タンク)100の上面視が示されている。また、図12には、樹脂燃料タンク100を仮想的に囲む仮想四角形ISが破線で示される。取付部21は、成形後の樹脂燃料タンク100の上面視において、仮想四角形IS内に収まるように形成される。これにより、均一な肉厚で膨らんだ状態の樹脂燃料タンク100を維持しつつ、取付部21を成形することができる。このため、樹脂燃料タンク100には、取付部21に起因した偏肉が生じないので、取付部21を形成するために樹脂燃料タンク100の板厚を厚くする必要がない。したがって、樹脂燃料タンク100の低コスト化且つ軽量化を実現しつつ、取付部21を形成することが可能となる。
【0054】
なお、図示はしないが、本実施形態に係る樹脂燃料タンク100も、上椀部51と下椀部52とが組み合わされた中空形状からなり、第1方向Aにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aと直交する第2方向Bでの断面の内面が、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出されると共に所定の半径r1からなる一対の第1円弧部71と、所定の半径r1より大きい半径R1からなると共に一対の第1円弧部71に亘って接続される第2円弧部72と、を有して形成される。また、第2方向Bにおける上椀部51及び下椀部52の中央の第1方向Aでの断面の内面は、上椀部51及び下椀部52の接続部分Zに接続されて上椀部51及び下椀部52の中央側に延出される一対の第3円弧部82と、当該一対の第3円弧部82に亘って接続される接続部81と、を有して形成される。
【0055】
また、図12に示されるように、樹脂燃料タンク100の上椀部51及び下椀部52の少なくとも一部の内面及び外面に、角錐部分77を複数連ねて形成することも可能である。更に、供給口31やポンプ取付口32を、ブロー成形と同時に形成することも可能である。もちろん、取付部21の略中央に貫通孔22をが形成することも当然に可能である。
【0056】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、上椀部51の中央部79に周囲に窪み41を有する開口部(ポンプ取付口32)が形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。下椀部52の中央部79に、周囲に窪み41を有する開口部(ポンプ取付口32)を形成することも当然に可能である。
【0057】
上記実施形態では、角錐部分77を構成する4つの角錐面78が二等辺三角形で形成し、係る場合には、線77A及び線77Bが、夫々第1方向A及び第2方向Bに沿って形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。角錐部分77の底面の各頂点76と角錐部分77の頭頂部80とを結ぶ線の1つが、上椀部51及び下椀部52の筒状の中央部79に沿った第1方向A又は当該第1方向Aに直交する第2方向Bに沿って形成することも当然に可能である。即ち、第1方向A及び第2方向Bのいずれか一方に形成することも当然に可能である。このような構成とすることにより、各頂点76と頭頂部80とを結ぶ前記線の1つに直交する側からの荷重を吸収することは当然に可能である。
【0058】
上記実施形態では、角錐部分77は、上椀部51及び下椀部52の第2方向Bの略全周に亘って形成され、上椀部51及び下椀部52の第1方向Aの少なくとも中央部79に形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。角錐部分77は、上椀部51及び下椀部52の第1方向Aの略全周に亘って形成し、上椀部51及び下椀部52の第2方向Bの少なくとも中央部79に形成することも当然に可能である。このように角錐部分77を形成した場合であっても、上述した効果を得ることは当然に可能である。
【0059】
上記実施形態では、角錐部分77は四角錘からなる部分であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、角錐部分77を三角錐から構成することも当然に可能である。このような三角錐からなる角錐部分77を連ねたものが図13に示される。係る場合には、3つの頂点76を結んで形成された底面が正三角形で構成すると好適である。この頂点76と頭頂部80とを結ぶ線の1つ77Bが、第2方向Bに沿って形成すると好適である。このように形成することにより、第1方向Aから受ける荷重を角錐部分77が好適に吸収することが可能であるのは当然である。なお、角錐面77は全てが二等辺三角形で形成される必要はなく、図13に示されるハッチングを付した三角形のみ(即ち、線77Bを二等辺三角形を構成する3つの辺に含まない角錐面78)を二等辺三角形で形成するだけで良い。また、線77Bが第2方向Bに沿って形成することも当然に可能である。係る場合には、第2方向Bから受ける荷重を角錐部分77が好適に吸収することが可能となる。
【0060】
上記実施形態では、上椀部51及び下椀部52の少なくとも一部の内面及び外面が、複数の角錐面78を備えた角錐部分77を複数連ねて形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。上椀部51及び下椀部52の内面及び外面の全てに亘って複数の角錐面78を備えた角錐部分77を複数連ねて形成することも当然に可能である。
【0061】
上記実施形態では、角錐部分77は樹脂燃料タンク100の内側に突出する形態で形成されるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。角錐部分77が樹脂燃料タンク100の外側に突出する形態で形成することも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ブロー成形等にて成形される、上椀部と下椀部とが組み合わされた中空形状からなる樹脂燃料タンクに利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
31:供給口
32:ポンプ取付口
51:上椀部
52:下椀部
79:中央部
100:樹脂燃料タンク
A:第1方向
B:第2方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状のパリソンを軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とし、フリーブロー成形を用いて前記管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませた形状を外形とする樹脂燃料タンク。
【請求項2】
ブロー成形にて成形される樹脂燃料タンクにおいて、
管状のパリソンを軸方向に所定の長さで仕切って密閉状態とし、フリーブロー成形により前記管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませた状態での形状を有する成形型を用い、当該成形型内に配置された管状のパリソン内に空気を吹き込んで膨らませるブロー成形により成形された樹脂燃料タンク。
【請求項3】
車両との取り付けを可能にする取付部が備えられ、
前記取付部が、前記成形された樹脂燃料タンクの上面視において、当該樹脂燃料タンクを囲む仮想四角形内に形成されている請求項2に記載の樹脂燃料タンク。
【請求項4】
ブロー成形にて成形される、上椀部と下椀部とが組み合わされた中空形状からなる樹脂燃料タンクにおいて、
前記上椀部及び前記下椀部の筒状の中央部に沿った第1方向における前記上椀部及び前記下椀部の中央の前記第1方向と直交する第2方向での断面の内面が、前記上椀部及び前記下椀部の接続部分に接続されて前記上椀部及び前記下椀部の中央側に延出されると共に所定の半径からなる一対の第1円弧部と、前記所定の半径より大きい半径からなると共に前記一対の第1円弧部に亘って接続される第2円弧部と、を有して形成され、
前記第2方向における前記上椀部及び前記下椀部の中央の前記第1方向での断面の内面が、前記上椀部及び前記下椀部の接続部分に接続されて前記上椀部及び前記下椀部の中央側に延出される一対の第3円弧部と、前記一対の第3円弧部に亘って接続される接続部と、を有して形成されてある樹脂燃料タンク。
【請求項5】
周囲に窪みを有する開口部が前記上椀部の中央部に形成されてある請求項4に記載の樹脂燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−116332(P2011−116332A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79616(P2010−79616)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【出願人】(000174378)坂本工業株式会社 (23)
【Fターム(参考)】