説明

樹脂表面の加工方法及び複合部材、筐体、及び電子機器の製造方法

【課題】 無機充填材のエッチングにより樹脂表面を粗面化する方法では、無機充填材を含有しない樹脂表面を粗面化することができない。樹脂のブタジエン成分を酸化分解して樹脂部材から脱離させる方法では、ブタジエン成分を含有しない樹脂表面を粗面化することができない。
【解決手段】 樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する。液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する。ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、樹脂表面をエッチングすることにより、樹脂表面を粗面化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂表面を粗面化する加工方法、及びこの方法を用いて複合部材、筐体、及び電子機器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
美的観点から、または導電性等の性質を付与するために、樹脂表面を金属めっきする方法が用いられる。樹脂表面と金属めっき膜との密着力が弱いと、金属めっき膜が樹脂表面から剥離し易くなる。樹脂表面を粗面化すると、いわゆるアンカー効果により、金属めっき膜の密着力が向上することが知られている。
【0003】
樹脂部材に無機充填材が含有されている場合、樹脂表面に露出している無機充填材をエッチングするか、脱離させることにより、微細な凹凸を形成することができる。また、樹脂表面がアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂である場合には、樹脂表面をクロム酸硫酸混液で処理すると、ブタジエン成分が酸化分解して樹脂部材から脱離する。これにより、樹脂表面に凹凸を形成することができる。
【0004】
近年、炭素繊維布を含有したプリント配線基板が注目されている。炭素繊維布を含有したプリント配線基板は、ガラスエポキシ基板に比べて、熱膨張率が低く、かつ弾性率が高い。炭素繊維含有プリント配線基板にスルーホールを形成すると、その側面に導電性の炭素繊維が露出する。スルーホール内の導電部材と、炭素繊維との間の絶縁を確保するために、基板の表面及びスルーホールの側面に絶縁性の樹脂膜を形成することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−103605号公報
【特許文献2】特開2008−41720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
無機充填材のエッチングにより樹脂表面を粗面化する方法では、無機充填材を含有しない樹脂表面を粗面化することができない。樹脂のブタジエン成分を酸化分解して樹脂部材から脱離させる方法では、ブタジエン成分を含有しない樹脂表面を粗面化することができない。樹脂の種類を問わず、種々の樹脂表面の粗面化を行う方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によると、
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と
を有する樹脂表面の加工方法が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によると、
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と、
粗面化された前記樹脂表面に金属をめっきすることにより、金属膜を形成する工程と
を有する複合部材の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
樹脂表面が無機充填材を含まない場合でも、また樹脂表面がブタジエン成分を含まない場合でも、樹脂表面を粗面化することができる。粗面化された樹脂表面に金属めっきを施すことにより、めっき膜の密着強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1−1】(1A)〜(1D)は、実施例1による樹脂表面の加工方法を説明するための製造途中段階における基板の断面図である。
【図1−2】(1E)〜(1H)は、実施例1による樹脂表面の加工方法を説明するための製造途中段階における基板の断面図である。
【図1−3】(1I)〜(1K)は、実施例1による樹脂表面の加工方法を説明するための製造途中段階における基板の断面図であり、(1L)は、実施例1による樹脂表面の加工方法身寄り製造した基板の断面図である。
【図2】樹脂基板上の銅膜の表面粗さの測定結果を示すグラフである。
【図3−1】(3A)〜(3C)は、実施例2によるプリント配線基板の製造方法の途中段階における基板の断面図である。
【図3−2】(3D)〜(3F)は、実施例2によるプリント配線基板の製造方法の途中段階における基板の断面図である。
【図3−3】(3G)は、実施例2によるプリント配線基板の製造方法の途中段階における基板の断面図であり、(3H)は、実施例2によるプリント配線基板の製造方法で製造したプリント配線基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
図1A〜図1Lを参照して、実施例1による複合部材の製造方法について説明する。
【0013】
図1Aに示す樹脂基板10を準備する。例えば、樹脂基板10の厚さは3mmであり、平面形状は、一辺の長さが50mmの正方形である。樹脂基板10には、例えばフェノールノボラック樹脂が用いられる。樹脂基板10をスピンコータに載置し、樹脂表面に、メチルトリメトキシシランをスポイトで数滴滴下する。回転数100rpmで5秒間の回転の後、回転数500rpmで30秒間の回転を行う。これにより、樹脂基板10の表面に、液状膜11が形成される。
【0014】
メチルトリメトキシシランに代えて、一置換トリアルコキシシランを用いてもよいし、二置換ジアルコキシシランを用いてもよい。一置換トリアルコキシシランの例として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの一置換トリアルコキシシランは、常温で、粘度が10mPa・s以下の液体である。この粘度は、水やエタノールの粘度と同等かそれ以下である。このため、樹脂基板10の表面に微細な凹凸模様が形成されている場合でも、塗布漏れ等の発生を抑制することができる。
【0015】
なお、スピンコータを用いる代わりに、容器に満たした一置換トリアルコキシシランに樹脂基板10を浸漬させて液状膜11を形成してもよい。
【0016】
図1Bに示すように、液状膜11に、紫外線12を照射する。紫外線の光源として、例えば低圧水銀灯を用いることができる。露光量は、例えば9.0J/cmとする。使用する紫外線は、波長300nm以下の波長成分を含むものであればよい。また、露光量は、1J/cm以上にすることが好ましい。
【0017】
図1Cに、紫外線照射後の状態を示す。紫外線照射により、液状膜11のメチルトリメトキシシランが重合し、ポリシロキサンが形成される。ポリシロキサンの平均の膜厚が0.5μm以下の場合、重合時にメチルトリメトキシシランの分子が凝集することにより、樹脂基板10の表面に島状に点在する複数のポリシロキサン膜15が形成される。ポリシロキサン膜15が形成されていない領域では、樹脂基板10が露出した状態になる。
【0018】
図1Dに示すように、ポリシロキサン膜15が点在する樹脂基板10の表面に、メチルトリメトキシシランを再度塗布することにより、液状膜17を形成する。液状膜17の形成方法は、図1Aに示した液状膜11の形成方法と同一である。
【0019】
図1Eに示すように、液状膜17に紫外線20を照射する。照射条件は、図1Bに示した紫外線12の照射条件と同一である。
【0020】
図1Fに示すように、液状膜17のメチルトリメトキシシランが重合してポリシロキサンが形成される。これにより、ポリシロキサン膜15の分布密度が高くなる。
【0021】
メチルトリメトキシシランの塗布と、紫外線照射とを、さらに、交互に3回繰り返す。すなわち、メチルトリメトキシシランの塗布と、紫外線照射とは、5回繰り返されることになる。
【0022】
図1Gに示すように、ポリシロキサン膜15の分布密度がさらに高くなる。メチルトリメトキシシランの液状膜を厚くしすぎると、ポリシロキサン膜は点在することなく、樹脂基板10のほぼ全面を覆う。1回のメチルトリメトキシシランの塗布で形成される液状膜を十分薄くすることにより、樹脂基板10の表面にポリシロキサン膜15を点在させることができる。1回のメチルトリメトキシシランの塗布で形成される液状膜は、重合後に、樹脂基板10の全面を覆うポリシロキサン膜が形成されない程度まで薄くすることが好ましい。例えば、1回のメチルトリメトキシシランの塗布と紫外線照射で形成されるポリシロキサン膜の平均の厚さを0.5μm以下にすることが好ましく、0.2μm以下にすることがより好ましい。ここで、「平均の厚さ」は、ポリシロキサン膜15の合計の体積分のポリシロキサンで、基板全面を均一な厚さで覆うと仮定した場合の厚さを意味する。
【0023】
ポリシロキサン膜の平均の厚さは、1回の塗布で形成される液状膜の厚さに依存する。液状膜の厚さの調節は、スピンコート条件や、浸漬条件を変えることにより可能である。
【0024】
図1Hに示すように、ポリシロキサン膜15が分布する樹脂基板10の表面を、Arプラズマ22に晒すことにより、樹脂基板10の表層部をエッチングする。このとき、ポリシロキサン膜15がエッチングマスクとして作用する。Arプラズマによるエッチングは、例えば平行平板型のプラズマエッチング装置を用い、プラズマ発生用高周波電力300mW/cm、圧力133Pa(1Torr)、Arガス流量100sccm、エッチング時間5分〜30分の条件で行う。この条件で、樹脂基板のエッチング速度は、0.05μm/分〜0.15μm/分である。
【0025】
なお、Arプラズマ以外のガスプラズマを用いてもよい。例えば、酸素プラズマ、窒素プラズマ等を用いてもよい。
【0026】
図1Iに、エッチング後の樹脂基板10の断面図を示す。ポリシロキサン膜15で覆われていない領域の樹脂基板10の表層部がエッチングされて凹部23が形成される。これにより、樹脂基板10の表面が粗面化される。ポリシロキサン膜15もエッチングされて薄くなるが、完全に除去されることはない。
【0027】
図1Jに示すように、樹脂基板10の表面に残っているポリシロキサン膜15(図1I)を除去する。ポリシロキサン膜15の除去は、例えば粘着テープを貼り付けた後、剥離することにより行うことができる。なお、その他、化学的エッチングによりポリシロキサン膜15を除去することも可能である。図1H及び図1Iに示したエッチング工程で、ポリシロキサン膜15が完全にエッチング除去される場合には、粘着テープ等によってポリシロキサン膜15を除去する必要はない。
【0028】
図1Kに示すように、樹脂基板10の表面に、銅を無電解めっきすることにより、銅の下地膜25を形成する。下地膜25の厚さは、例えば0.2μm〜0.5μmとする。
【0029】
図1Lに示すように、下地膜25の上に、銅を電気めっきすることにより、銅膜26を形成する。銅膜26の厚さは、例えば30μmとする。図1Jに示したように、樹脂基板10の表層部を粗面化しているため、いわゆるアンカー効果により、下地膜25及び銅膜26の密着強度を高めることができる。
【0030】
図2に、樹脂基板10の表面の粗面化を行う前と後の表面の平坦度の測定結果を示す。平坦度の測定は、蝕針式膜厚計により行った。図2の横軸は、表面内の位置に対応し、縦軸は、表面の高さに対応する。実線Sは、粗面化前(図1Aの液状膜11を形成する前)の樹脂基板10の表面平坦度の測定結果を示す。実線Sは、上記実施例の方法で表面の粗面化を行い、ポリシロキサン膜15を除去した後の樹脂基板10(図1Jに対応)の表面平坦度の測定結果を示す。参考のために、ポリシロキサン膜15を形成することなくArプラズマに晒した後の樹脂基板10の表面平坦度の測定結果を、実線Sで示す。実線S及びSの試料のArプラズマ処理時間は5分とした。
【0031】
実線SとSとを対比すると、ポリシロキサン膜15をエッチングマスクとして樹脂基板10の表層部をエッチングすることにより、表面が粗面化されていることがわかる。エッチング後の樹脂基板10の表面の山と谷との高低差は約1μmであった。
【0032】
実線Sで示した表面粗さは、実線Sで示した表面粗さよりも粗いことがわかる。すなわち、Arプラズマによるエッチングの前に、樹脂基板10の表面にポリシロキサン膜15を点在させておくことにより、エッチング後の表面をより粗くすることができることが確認された。
【0033】
上記実施例による方法で作製した銅膜26の密着強度を測定した。以下、測定方法(JIS C6481)について簡単に説明する。まず、銅膜26を、幅10mmの帯状の形状にパターニングする。帯状の銅膜26の一端をはがし、剥がれた部分の先端をつかみ具でつかむ。引張り方向が樹脂基板10の表面に垂直になるように銅箔26を引張り、毎分50mmの速さで銅膜26をはがす。剥離期間中の引張り力の最低値を、引き剥がし強さとする。
【0034】
実施例による方法で作製した銅膜26の引き剥がし強さは、約60gw/cmであった。表面をエッチングしていない樹脂基板10に形成した銅膜の引き剥がし強さは、0gw/cmであり、ポリシロキサン膜15でマスクすることなくArプラズマ処理を行った樹脂基板10上の銅膜の引き剥がし強さは、40gw/cmであった。この結果から、実施例による方法で粗面化を行うことにより、銅膜26の密着強度が高くなっていることがわかる。
【0035】
上記実施例では、粗面化した樹脂基板10に、銅を無電解めっきし、さらに銅を電気めっきしたが、その他の金属をめっきする場合にも、アンカー効果による密着強度の向上を図ることができる。
【0036】
また、樹脂基板10に、図1Hに示したプラズマ処理で適用した処理条件において、ポリシロキサンよりもエッチング速度が速いエッチング特性を持つ樹脂を用いることができる。例えば、樹脂基板10に、フェノール樹脂以外に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等を用いることができる。
【0037】
図1Gに示した状態で、ポリシロキサン膜15の平均の厚さが薄すぎると、基板が露出している領域の割合が高すぎて、十分な粗面化を行うことができない。ポリシロキサン膜15の平均の厚さを0.3μmにすると、基板表面のほぼ半分をポリシロキサン膜15で覆うことができる。十分な粗面化を行うために、ポリシロキサン膜15の平均の厚さを0.3μm以上にすることが好ましい。
【0038】
また、十分なアンカー効果を得るために、樹脂基板10の表面の粗度は、JIS B0601−1994に定めるRaで表して、0.15μm以上とすることが好ましい。
【0039】
実施例1では、樹脂基板に金属めっきを施したが、その他の樹脂部材、例えば種々の形状の筐体に金属めっきすることも可能である。
【実施例2】
【0040】
図3A〜図3Hを参照して、実施例2による複合基板の製造方法について説明する。
【0041】
図3Aに示すように、プリント配線基板50にスルーホール53を形成する。プリント配線基板50には、例えば炭素繊維製の布51にエポキシ樹脂を含浸させた複合基板が用いられる。プリント配線基板50の厚さは、例えば300μm〜1cmであり、スルーホール53の直径は、例えば50μm〜500μmである。スルーホール53の側面に、炭素繊維製の布51が露出する。
【0042】
図3Bに示すように、プリント配線基板50の表面、及びスルーホール53の側面に、絶縁性の樹脂層55を形成する。樹脂層55には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等が用いられる。
【0043】
図3Cに示すように、樹脂層55の表面を粗面化する。粗面化処理には、実施例1の図1Aから図1Jまでの工程が適用される。
【0044】
図3Dに示すように、粗面化された樹脂層55の表面に、銅を無電解めっきし、さらに銅を電気めっきすることにより、銅膜56を形成する。
【0045】
図3Eに示すように、スルーホール53内に、導電性部材58を充填する。導電性部材58は、例えば導電ペーストをスルーホール53内に充填した後、硬化させることにより形成される。
【0046】
図3Fに示すように、プリント配線基板50の両面に、形成すべき配線パターンに対応したレジストパターン60を形成する。
【0047】
図3Gに示すように、レジストパターン60をエッチングマスクとして、銅膜56(図3F)をエッチングすることにより、銅配線56Aを残す。
【0048】
図3Hに示すように、レジストパターン60(図3G)を除去する。プリント配線基板50の両面に、銅配線56Aが残る。スルーホール53内には、導電部材58が残る。
【0049】
樹脂層55の表面が粗面化されているため、銅配線56Aの密着強度を高めることができる。また、スルーホール53の側面は絶縁性の樹脂層55で覆われているため、スルーホール53内の銅配線56A及び導電性部材58が、炭素繊維製の布51に接触しない。このため、予期しない短絡故障の発生を抑制することができる。
【0050】
なお、樹脂層55の表面の粗面化時のプラズマ処理工程において、スルーホール53内の樹脂層55の表面は、平坦面上の樹脂層55に比べて、プラズマに晒され難い。このため、十分な粗面化が行われない場合もあり得る。ただし、スルーホール53内には、導電性部材58が充填されているため、スルーホール53の側面を覆う銅配線56Aの剥離は生じにくい。このため、スルーホール53の側面の表面粗度が、平坦面の表面粗度に比べて低くても、剥離の問題は生じにくい。
【0051】
このプリント配線基板は、種々の電子機器に適用される。
【0052】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0053】
10 樹脂基板
11 液状膜
12 紫外線
15 ポリシロキサン膜
17 液状膜
20 紫外線
22 Arプラズマ
23 凹部
25 下地層
26 銅膜
50 プリント配線基板
51 炭素繊維製の布
53 スルーホール
55 樹脂層
56 銅膜
56A 銅配線
58 導電性部材
60 レジストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と
を有する樹脂表面の加工方法。
【請求項2】
前記粗面化する工程において、前記樹脂表面及び前記ポリシロキサン膜をプラズマにさらすことにより、前記樹脂表面をエッチングする請求項1に記載の樹脂表面の加工方法。
【請求項3】
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と、
粗面化された前記樹脂表面に金属をめっきすることにより、金属膜を形成する工程と
を有する複合部材の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂表面を粗面化した後、前記金属膜を形成する前に、前記ポリシロキサン膜を除去する請求項3に記載の複合部材の製造方法。
【請求項5】
前記樹脂が露出した部材が、内部に炭素繊維を含み、一方の表面から他方の表面まで貫通するスルーホールが形成されている樹脂基板であり、
前記液状膜を、前記樹脂基板の表面、及び前記スルーホールの側面に形成する請求項3または4に記載の複合部材の製造方法。
【請求項6】
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と、
粗面化された前記樹脂表面に金属をめっきすることにより、金属膜を形成する工程と
を有する筐体の製造方法。
【請求項7】
樹脂が露出した部材の樹脂表面を、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランで覆うことにより、一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランの液状膜を形成する工程と、
前記液状膜の一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを重合させることにより、前記樹脂表面の上に点在する複数のポリシロキサン膜を形成する工程と、
前記ポリシロキサン膜をエッチングマスクとして、前記樹脂表面をエッチングすることにより、前記樹脂表面を粗面化する工程と、
粗面化された前記樹脂表面に金属をめっきすることにより、金属膜を形成する工程と
を有する電子機器の製造方法。

【図1−1】
image rotate

【図1−2】
image rotate

【図1−3】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図3−3】
image rotate


【公開番号】特開2011−9651(P2011−9651A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−154078(P2009−154078)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】