樹脂被覆方法および樹脂塗布装置
【課題】 線条体に樹脂を塗布するときに、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たすように線条体に樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させて樹脂被覆線条体を製造することを目的とする。
【解決手段】 貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する。
【解決手段】 貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂被覆方法および樹脂塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ニップルの下面およびダイの上面がそれぞれ通る塗布装置の中心軸に垂直である樹脂塗布装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平4−124048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、線条体に樹脂を塗布するときに、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たすように線条体に樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させて樹脂被覆線条体を製造することを課題とする。また、本発明は、線条体に樹脂を塗布する装置であって、外径が均一であるように、表面が滑らかであるように、偏肉がないようにまたは気泡が混入しないように樹脂を塗布することができる樹脂塗布装置を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法に関する。
【0006】
前記の樹脂被覆方法において、前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなるように前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置することが好ましい。
【0007】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法に関する。
【0008】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動する樹脂塗布装置に関する。
【0009】
前記の樹脂塗布装置において、前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でない樹脂塗布装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、塗布性よく線条体に樹脂を塗布して、前記樹脂を硬化させて樹脂を被覆し、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たす樹脂被覆線条体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
線条体に樹脂を塗布する方法には、図1に示すように、塗布装置1のポイント2とダイ3との隙間に樹脂6を供給し、線条体5をその樹脂6中に通過させる方法がある。この方法では、線条体5が樹脂6を牽引して塗布装置1を出た線条体5に樹脂6が塗布される。線条体5に塗布された樹脂60を硬化させるには、塗布装置1よりも線条体5の進行方向下流に硬化装置4を配置して、線条体5を硬化装置4に通過させて線条体5に塗布された樹脂60を硬化させ、これにより被覆線条体7を製造することができる。例えば、樹脂6が紫外線硬化型樹脂であれば、硬化装置4内に紫外線光源を配置して紫外線光源から樹脂60に紫外線を照射して硬化させることができる。樹脂6が熱硬化型樹脂であれば、硬化装置4内に熱源を配置して熱源から熱を発生させて硬化装置4内を樹脂60の硬化に必要な温度として樹脂60を硬化させることができる。
【0013】
本発明では、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が前記線条体5と直交する方向において変動する形態(第一形態)または前記ポイント2の下面21および前記ダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面が前記線条体5に垂直な面でない形態(第二形態)とすることにより、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たす樹脂被覆線条体を製造することができる。つまり、塗布性よく線条体に樹脂を塗布して、前記樹脂を硬化させて樹脂被覆線条体を製造することができる。線条体の例には、鋼線、光学繊維などを挙げることができる。
【0014】
本発明の第一形態では、線条体に樹脂を塗布する塗布装置において、ポイントの下面とダイの上面との距離が、前記線条体または前記ダイの貫通孔の軸に直交する方向において変動する。図2ないし図16にこの例を示す。
【0015】
図2に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21をポイント2の貫通孔22に近づくにつれて隆起(図2では下に向かって突出)する形状としている。なお、ポイントの下面またはダイの上面が隆起するとは、それらの厚さが増大するように変化することをいい、沈降するとはそれらの厚さが減少するように変化することをいう。ポイント2の下面21は外縁から中程にかけては平面である。一方、ダイ3の上面31はダイ3の貫通孔32の軸に垂直な平面としている。このポイント2とダイ3とを組み合わせて、図2に示すように、それぞれの貫通孔22、32が縦に並ぶように配置すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離はポイント2またはダイ3の外縁からそれらの中程にかけては一定であるが、ポイント2の貫通孔22またはダイ3の貫通孔32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は短くなっている。これは、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向(図2では横方向、以下径方向ということがある)に変動する一例である。本発明では、図2に示すように、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が、径方向で見て一部の区間で変動していればよく、距離が一定である区間があってもよい。
【0016】
図3に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21を貫通孔22近くおよび外縁部分では平面とし、中程で隆起(図3では下に突出)する形状としている。一方、ダイ3の上面31は図2と同様に平面である。図2と図3とを比較すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する箇所が異なるが、ポイント2の下21面とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向に変動することに変わりはない。
【0017】
図4に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は貫通孔22の軸に垂直な平面としている。一方、ダイ3の上面31は貫通孔32に近づくにつれて隆起(図4では上に隆起)する形状としている。ダイ3の上面31は外縁から中程にかけては平面である。これは、図2に示す塗布装置のポイント下面の形状とダイ上面の形状とを入れ替えた構造となっている。したがって、図2に示す塗布装置と同様に、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離はポイントまたはダイの外縁からそれらの中程にかけては一定であるが、線条体5に近づくにつれて短くなっている。これもポイント2の下21面とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向に変動する例である。
【0018】
図5に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21を貫通孔22の軸に垂直な平面としている。一方、ダイ3の上面31は、貫通孔32の近くおよび外縁部分では平面とし、中程で隆起(図5では上に突出)する形状としている。これは、図3に示す塗布装置のポイントの下面の形状とダイの上面の形状とを入れ替えた構造となっている。これもポイントの下面とダイの上面との距離が線条体5に直交する方向に変動する例である。
【0019】
図6に示す塗布装置1では、線条体5の軸を含む断面(図6に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31をそれぞれを直線となる形状としている。ただし、両直線は平行ではない。ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図6では下に隆起)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図6では下に沈降)にする形状である。このポイント2とダイ3を組み合わせた塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が一定の比率で短くなる。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0020】
図7に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31とも外縁から貫通孔にかけて隆起する形状としている。このポイントとこのダイとを組み合わせた塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が短くなる。図6に示す塗布装置と図7に示す塗布装置とで、それぞれのポイントの下面の傾きが等しいとすれば、図7に示す塗布装置は図6に示す塗布装置よりも樹脂の絞り効率が大きく、樹脂の塗布性に優れる。
【0021】
図8に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図8では下に隆起)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図8では下に沈降)する形状であるが、線条体5の軸を含む断面(図8に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31ともその傾きが途中から変わる形状としている。これは、図6に示す塗布装置のポイント2の下面21およびダイ3の上面31それぞれをより複雑な形状した例である。この塗布装置も貫通孔の軸に直交する方向においてポイントの下面とダイの上面との距離が変動する例である。
【0022】
図9に示す塗布装置1は、線条体5の軸を含む断面(図9に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31をそれぞれを直線となる形状としている。ただし、両直線は平行ではない。ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図9では上に沈降)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図9では上に隆起)にする形状である。これは、図6に示す塗布装置のポイント2の下面21の形状とダイ3の上面31の形状とを入れ替えた構造である。したがって、 図6に示す塗布装置と同様に、外縁から貫通孔にかけてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が一定の比率で短くなる。この塗布装置も線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0023】
図10に示す塗布装置1は、ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図10では上に沈降)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図10では上に隆起)する形状であるが、線条体5の軸を含む断面(図10に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31ともその傾きが途中から変わる形状としている。そして、ポイント2の下面21とダイ3の上面31とは平行ではない。これは、図8に示す塗布装置のポイントの下面の形状とダイの上面の形状とを入れ替えた構造である。したがって、図8に示す塗布装置と同様に、この塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が一定の比率で短くなる。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0024】
図11に示す塗布装置では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせた塗布装置では貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0025】
図12に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている点は図11と同様である。ただし、ダイ3の上面31の方がポイント2の下面21よりも隆起する高さが高い。この塗布装置1でも貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。貫通孔22、32の近くでは、ポイント2の下面21は貫通孔22に向かって下向きとなり、ダイ3の上面31は貫通孔32に向かって上向きとなるが、ダイ3の上面31の隆起が急激であるために、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は線条体5に近づくにつれて上向きとなる。つまり、仮想面8が線条体に垂直な面とはならない。
【0026】
図13に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている点は図11、12と同様である。ただし、図12に示す塗布装置とは逆に、ポイント2の下面21の方がダイ3の上面31よりも隆起する高さが高い。この塗布装置1でも貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。貫通孔22、32の近くでは、ポイント2の下面21は貫通孔22に向かって下向きとなり、ダイ3の上面31は貫通孔32に向かって上向きとなるが、ポイント2の下面21の隆起が急激であるために、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は線条体5に近づくにつれて下向きとなる。
【0027】
図14に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31とも、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって隆起しているが、貫通孔22、32の直近で平面となっている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせた塗布装置1では、ポイント2およびダイ3の外縁からポイント2の貫通孔22またはダイ3の貫通孔32に向かってポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなり、貫通孔22、32の直近では前記距離は一定である。これもポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0028】
図15に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は図3に示すポイントと同様に、外縁近くおよび貫通孔22近くでは平面であり、その中部で隆起している。ダイ3の上面は31は外縁近くおよび貫通孔32近くでは平面であり、その中部で沈降している。この塗布装置1では、ポイント2の下面21の貫通孔22近くの平面21aがダイ3の上面31の貫通孔32近くの平面31aよりも小さい。これによりポイント2の下面21が隆起しつつある部分21bにダイ3の上面31の平面部31aが向き合う部分で、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は貫通孔に近づくにつれて短くなる。図15における平面部21a、31aの幅や隆起しつつある部分21bまたは沈降しつつある部分31bの幅を変更すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離を径方向に変動させることができ、径方向にそって見たときに、ある部分では一定、ある部分では徐々に長く、ある部分では徐々に短くすることができる。
【0029】
図2ないし図15に示した塗布装置では、線条体の軸を含む断面で見て、ポイントとダイの隙間が外縁から線条体に向かって徐々に狭くなる箇所がある。そこで線条体に向かう樹脂の流れが絞られるので、樹脂の塗布性が向上する。
【0030】
本発明の第二形態では、線条体に樹脂を塗布する塗布装置において、ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する。
【0031】
図16に示す塗布装置では、ポイント2の下面21は貫通孔22の近くで貫通孔32に向かって沈降する形状であり、ダイ3の上面31は平面となっている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせると、ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面が貫通孔に近づくにつれてもち上がり、線条体に垂直な面ではない。また、この塗布装置は、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例でもある。
【0032】
図17に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、線条体5の軸を含む断面(図17に示す断面)において、それぞれ外縁から貫通孔22、32にかけて直線となる形状であり、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は一定である。ポイント2の下面21は外縁から貫通孔22に向かって沈降し、ダイ3の上面31は外縁から貫通孔32に向かって隆起する。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31が同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図17の塗布装置1が構成される。ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面8も同じ円錐台の斜面となり、線条体5に垂直な面ではない。ポイントの下面とダイの上面との隙間は外縁から線条体5に向かって上向きとなっている。
【0033】
図18に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、線条体5の軸を含む断面(図18に示す断面)において、それぞれ外縁から貫通孔22、32にかけて直線となる形状であり、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が一定である点では図17と同様である。しかし、図17とは逆に、ポイント2の下面21は外縁から貫通孔22に向かって隆起し、ダイ3の上面31は外縁から貫通孔32に向かって沈降する。この塗布装置1も、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31が同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより構成される。ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面8も同じ円錐台の斜面となり、線条体5に垂直な面ではない。ポイントの下面とダイの上面との隙間は外縁から線条体5に向かって下向きとなっている。
【0034】
図18に示す塗布装置1では、仮想面8が下向きであるので線条体5の進行方向に樹脂6が速やかに流れる。ポイントの下面とダイの上面との隙間が若干絞られるとなお樹脂の塗布性が向上する。一方、図17に示すように仮想面8が貫通孔の近くで上向きになると、塗布された樹脂の外径が均一、表面がなめらかであったり、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないなど樹脂の塗布性がよい。例えば、ポイントとダイの間隔、樹脂圧その他の条件を同一として、ポイントとダイとの隙間の向きだけを異ならせて樹脂被覆線条体を製造すると、図17に示すように線条体に向かって上向きに20度とする場合は、図18に示すように下向きに20度とする場に比べて、樹脂中の気泡が混入する異常が見られる頻度は1割ほどよくなる。
【0035】
図19に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって中部まで一定の幅で平面である。貫通孔22、32の近くでは、線条体5の軸を含む断面(図19に示す断面)において、直線となる形状であり、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である。ポイント2の下面21は貫通孔22の近くでは貫通孔22に向かって沈降し、ダイ3の上面31は貫通孔32の近くでは貫通孔32に向かって隆起する。ポイント2の下面21の沈降部21cおよびダイ3の上面31の隆起部31cが同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図19の塗布装置1が構成される。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は平面と円錐台の斜面の組み合わせとなり、線条体5に垂直な面ではない。そして、仮想面8が貫通孔の近くで上向きになっている。
【0036】
図20に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって一定の幅で平面であって、貫通孔22、32の近くでは、線条体5の軸を含む断面(図20に示す断面)において、直線となる形状であり、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である点では図19と同様である。しかし、図18とは逆にポイント2の下面21は貫通孔22の近くでは貫通孔22に向かって隆起し、ダイ3の上面31は貫通孔32の近くでは貫通孔32に向かって沈降する。ポイント2の下面21の隆起部21dおよびダイ3の上面31の沈降部31dが同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図20の塗布装置1が構成される。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は平面と円錐台の斜面の組み合わせとなり、線条体5に垂直な面ではない。
【0037】
図21に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は中部が隆起している。ダイ3の上面31は中部が沈降して貫通孔にかけて隆起していてかつ外縁にかけて隆起している。線条体5の軸を含む断面(図21に示す断面)において、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31はそれぞれ同半径の円弧である。このポイント2とダイ3とを組み合わせてなる塗布装置1では、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8はポイント2の下面21およびダイ3の上面31と同じ曲面となり、線条体5に垂直な面ではない。そして、仮想面8が貫通孔の近くで上向きになっている。
【0038】
図2ないし図6、図8ないし図10、図12、図13、図15および図16に示した塗布装置もポイントの下面とダイの上面からの距離が等しい仮想面が線条体に垂直な面ではないので、これらの例は本発明の第一形態であると同時に第二形態でもある。例えば、図16に示した塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31から等しい距離にある仮想面8が貫通孔22、32近くで上向きとなる。ここで、樹脂の塗布性が向上する。
【0039】
図7、図11および図14に示す塗布装置は、ポイント2の下面21とダイ3の上面31とからの距離が等しい仮想面に対して面対称の形状であるときには第二形態ではないが、それ以外の場合は第一形態であると同時に第二形態である。
【0040】
本発明では図2ないし図21に例示した被覆装置などを使用して、ポイント2とダイ3の隙間に樹脂6を供給して、その樹脂6に線条体5を通過させて線条体に樹脂を塗布する。続けて樹脂60が塗布された線条体を硬化装置に通し、樹脂60が紫外線硬化型樹脂の場合は硬化装置4内で樹脂60に紫外線を照射し、あるいは樹脂60が熱硬化型樹脂の場合は硬化装置4内で樹脂60に熱を加えて、樹脂60を硬化させて樹脂被覆線条体を製造する。本発明では、樹脂と線条体とが接する箇所とポイント下面との線条体の長さ方向の距離を5mm以内とすることができる。この距離は、ポイントとダイとの隙間の形状を変更することにより数mmの範囲で調整可能である。
【0041】
図2ないし図21では、ダイが一つのもののみ示したが、図22に示すようにダイが二段構成になっており、ポイント20と第一ダイ30の間に第一樹脂61を供給し、第一ダイ30と第二ダイ40の間に第二樹脂62を供給して、塗布装置11を通過するときに第一樹脂61および第二樹脂62を同時に塗布する場合にも、本発明は有効である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、線条体に樹脂を塗布して被覆する方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の樹脂被覆方法を説明する図である。
【図2】本発明の樹脂塗布装置の一態様を示す図である。
【図3】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図4】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図5】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図6】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図7】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図8】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図9】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図10】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図11】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図12】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図13】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図14】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図15】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図16】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図17】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図18】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図19】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図20】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図21】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図22】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 塗布装置
2 ポイント
3 ダイ
4 硬化装置
5 線条体
6 樹脂
7 被覆線条体
21 ポイントの下面
22 貫通孔
31 ポイントの上面
32 貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂被覆方法および樹脂塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ニップルの下面およびダイの上面がそれぞれ通る塗布装置の中心軸に垂直である樹脂塗布装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平4−124048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、線条体に樹脂を塗布するときに、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たすように線条体に樹脂を塗布し、前記樹脂を硬化させて樹脂被覆線条体を製造することを課題とする。また、本発明は、線条体に樹脂を塗布する装置であって、外径が均一であるように、表面が滑らかであるように、偏肉がないようにまたは気泡が混入しないように樹脂を塗布することができる樹脂塗布装置を供給することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法に関する。
【0006】
前記の樹脂被覆方法において、前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなるように前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置することが好ましい。
【0007】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法に関する。
【0008】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動する樹脂塗布装置に関する。
【0009】
前記の樹脂塗布装置において、前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でない樹脂塗布装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、塗布性よく線条体に樹脂を塗布して、前記樹脂を硬化させて樹脂を被覆し、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たす樹脂被覆線条体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
線条体に樹脂を塗布する方法には、図1に示すように、塗布装置1のポイント2とダイ3との隙間に樹脂6を供給し、線条体5をその樹脂6中に通過させる方法がある。この方法では、線条体5が樹脂6を牽引して塗布装置1を出た線条体5に樹脂6が塗布される。線条体5に塗布された樹脂60を硬化させるには、塗布装置1よりも線条体5の進行方向下流に硬化装置4を配置して、線条体5を硬化装置4に通過させて線条体5に塗布された樹脂60を硬化させ、これにより被覆線条体7を製造することができる。例えば、樹脂6が紫外線硬化型樹脂であれば、硬化装置4内に紫外線光源を配置して紫外線光源から樹脂60に紫外線を照射して硬化させることができる。樹脂6が熱硬化型樹脂であれば、硬化装置4内に熱源を配置して熱源から熱を発生させて硬化装置4内を樹脂60の硬化に必要な温度として樹脂60を硬化させることができる。
【0013】
本発明では、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が前記線条体5と直交する方向において変動する形態(第一形態)または前記ポイント2の下面21および前記ダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面が前記線条体5に垂直な面でない形態(第二形態)とすることにより、外径が均一、表面がなめらか、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないのいずれかを満たす樹脂被覆線条体を製造することができる。つまり、塗布性よく線条体に樹脂を塗布して、前記樹脂を硬化させて樹脂被覆線条体を製造することができる。線条体の例には、鋼線、光学繊維などを挙げることができる。
【0014】
本発明の第一形態では、線条体に樹脂を塗布する塗布装置において、ポイントの下面とダイの上面との距離が、前記線条体または前記ダイの貫通孔の軸に直交する方向において変動する。図2ないし図16にこの例を示す。
【0015】
図2に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21をポイント2の貫通孔22に近づくにつれて隆起(図2では下に向かって突出)する形状としている。なお、ポイントの下面またはダイの上面が隆起するとは、それらの厚さが増大するように変化することをいい、沈降するとはそれらの厚さが減少するように変化することをいう。ポイント2の下面21は外縁から中程にかけては平面である。一方、ダイ3の上面31はダイ3の貫通孔32の軸に垂直な平面としている。このポイント2とダイ3とを組み合わせて、図2に示すように、それぞれの貫通孔22、32が縦に並ぶように配置すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離はポイント2またはダイ3の外縁からそれらの中程にかけては一定であるが、ポイント2の貫通孔22またはダイ3の貫通孔32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は短くなっている。これは、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向(図2では横方向、以下径方向ということがある)に変動する一例である。本発明では、図2に示すように、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が、径方向で見て一部の区間で変動していればよく、距離が一定である区間があってもよい。
【0016】
図3に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21を貫通孔22近くおよび外縁部分では平面とし、中程で隆起(図3では下に突出)する形状としている。一方、ダイ3の上面31は図2と同様に平面である。図2と図3とを比較すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する箇所が異なるが、ポイント2の下21面とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向に変動することに変わりはない。
【0017】
図4に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は貫通孔22の軸に垂直な平面としている。一方、ダイ3の上面31は貫通孔32に近づくにつれて隆起(図4では上に隆起)する形状としている。ダイ3の上面31は外縁から中程にかけては平面である。これは、図2に示す塗布装置のポイント下面の形状とダイ上面の形状とを入れ替えた構造となっている。したがって、図2に示す塗布装置と同様に、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離はポイントまたはダイの外縁からそれらの中程にかけては一定であるが、線条体5に近づくにつれて短くなっている。これもポイント2の下21面とダイ3の上面31との距離が線条体5に直交する方向に変動する例である。
【0018】
図5に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21を貫通孔22の軸に垂直な平面としている。一方、ダイ3の上面31は、貫通孔32の近くおよび外縁部分では平面とし、中程で隆起(図5では上に突出)する形状としている。これは、図3に示す塗布装置のポイントの下面の形状とダイの上面の形状とを入れ替えた構造となっている。これもポイントの下面とダイの上面との距離が線条体5に直交する方向に変動する例である。
【0019】
図6に示す塗布装置1では、線条体5の軸を含む断面(図6に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31をそれぞれを直線となる形状としている。ただし、両直線は平行ではない。ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図6では下に隆起)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図6では下に沈降)にする形状である。このポイント2とダイ3を組み合わせた塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が一定の比率で短くなる。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0020】
図7に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31とも外縁から貫通孔にかけて隆起する形状としている。このポイントとこのダイとを組み合わせた塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が短くなる。図6に示す塗布装置と図7に示す塗布装置とで、それぞれのポイントの下面の傾きが等しいとすれば、図7に示す塗布装置は図6に示す塗布装置よりも樹脂の絞り効率が大きく、樹脂の塗布性に優れる。
【0021】
図8に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図8では下に隆起)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図8では下に沈降)する形状であるが、線条体5の軸を含む断面(図8に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31ともその傾きが途中から変わる形状としている。これは、図6に示す塗布装置のポイント2の下面21およびダイ3の上面31それぞれをより複雑な形状した例である。この塗布装置も貫通孔の軸に直交する方向においてポイントの下面とダイの上面との距離が変動する例である。
【0022】
図9に示す塗布装置1は、線条体5の軸を含む断面(図9に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31をそれぞれを直線となる形状としている。ただし、両直線は平行ではない。ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図9では上に沈降)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図9では上に隆起)にする形状である。これは、図6に示す塗布装置のポイント2の下面21の形状とダイ3の上面31の形状とを入れ替えた構造である。したがって、 図6に示す塗布装置と同様に、外縁から貫通孔にかけてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が一定の比率で短くなる。この塗布装置も線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0023】
図10に示す塗布装置1は、ポイント2の下面21はその外縁からその貫通孔にかけて沈降(図10では上に沈降)する形状であり、ダイ3の上面31はその外縁からその貫通孔にかけて隆起(図10では上に隆起)する形状であるが、線条体5の軸を含む断面(図10に示す断面)においてポイント2の下面21、ダイ3の上面31ともその傾きが途中から変わる形状としている。そして、ポイント2の下面21とダイ3の上面31とは平行ではない。これは、図8に示す塗布装置のポイントの下面の形状とダイの上面の形状とを入れ替えた構造である。したがって、図8に示す塗布装置と同様に、この塗布装置1では、外縁から貫通孔にかけてポイントの下面とダイの上面との距離が一定の比率で短くなる。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0024】
図11に示す塗布装置では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせた塗布装置では貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。これも線条体5に直交する方向においてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0025】
図12に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている点は図11と同様である。ただし、ダイ3の上面31の方がポイント2の下面21よりも隆起する高さが高い。この塗布装置1でも貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。貫通孔22、32の近くでは、ポイント2の下面21は貫通孔22に向かって下向きとなり、ダイ3の上面31は貫通孔32に向かって上向きとなるが、ダイ3の上面31の隆起が急激であるために、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は線条体5に近づくにつれて上向きとなる。つまり、仮想面8が線条体に垂直な面とはならない。
【0026】
図13に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31を貫通孔22、32に近づくにつれて隆起する形状としている点は図11、12と同様である。ただし、図12に示す塗布装置とは逆に、ポイント2の下面21の方がダイ3の上面31よりも隆起する高さが高い。この塗布装置1でも貫通孔22、32に近づくにつれてポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなっている。貫通孔22、32の近くでは、ポイント2の下面21は貫通孔22に向かって下向きとなり、ダイ3の上面31は貫通孔32に向かって上向きとなるが、ポイント2の下面21の隆起が急激であるために、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は線条体5に近づくにつれて下向きとなる。
【0027】
図14に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31とも、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって隆起しているが、貫通孔22、32の直近で平面となっている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせた塗布装置1では、ポイント2およびダイ3の外縁からポイント2の貫通孔22またはダイ3の貫通孔32に向かってポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が短くなり、貫通孔22、32の直近では前記距離は一定である。これもポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例である。
【0028】
図15に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は図3に示すポイントと同様に、外縁近くおよび貫通孔22近くでは平面であり、その中部で隆起している。ダイ3の上面は31は外縁近くおよび貫通孔32近くでは平面であり、その中部で沈降している。この塗布装置1では、ポイント2の下面21の貫通孔22近くの平面21aがダイ3の上面31の貫通孔32近くの平面31aよりも小さい。これによりポイント2の下面21が隆起しつつある部分21bにダイ3の上面31の平面部31aが向き合う部分で、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は貫通孔に近づくにつれて短くなる。図15における平面部21a、31aの幅や隆起しつつある部分21bまたは沈降しつつある部分31bの幅を変更すると、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離を径方向に変動させることができ、径方向にそって見たときに、ある部分では一定、ある部分では徐々に長く、ある部分では徐々に短くすることができる。
【0029】
図2ないし図15に示した塗布装置では、線条体の軸を含む断面で見て、ポイントとダイの隙間が外縁から線条体に向かって徐々に狭くなる箇所がある。そこで線条体に向かう樹脂の流れが絞られるので、樹脂の塗布性が向上する。
【0030】
本発明の第二形態では、線条体に樹脂を塗布する塗布装置において、ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する。
【0031】
図16に示す塗布装置では、ポイント2の下面21は貫通孔22の近くで貫通孔32に向かって沈降する形状であり、ダイ3の上面31は平面となっている。このポイント2とこのダイ3とを組み合わせると、ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面が貫通孔に近づくにつれてもち上がり、線条体に垂直な面ではない。また、この塗布装置は、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が変動する例でもある。
【0032】
図17に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、線条体5の軸を含む断面(図17に示す断面)において、それぞれ外縁から貫通孔22、32にかけて直線となる形状であり、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離は一定である。ポイント2の下面21は外縁から貫通孔22に向かって沈降し、ダイ3の上面31は外縁から貫通孔32に向かって隆起する。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31が同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図17の塗布装置1が構成される。ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面8も同じ円錐台の斜面となり、線条体5に垂直な面ではない。ポイントの下面とダイの上面との隙間は外縁から線条体5に向かって上向きとなっている。
【0033】
図18に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、線条体5の軸を含む断面(図18に示す断面)において、それぞれ外縁から貫通孔22、32にかけて直線となる形状であり、ポイント2の下面21とダイ3の上面31との距離が一定である点では図17と同様である。しかし、図17とは逆に、ポイント2の下面21は外縁から貫通孔22に向かって隆起し、ダイ3の上面31は外縁から貫通孔32に向かって沈降する。この塗布装置1も、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31が同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより構成される。ポイントの下面およびダイの上面からの距離が等しい仮想面8も同じ円錐台の斜面となり、線条体5に垂直な面ではない。ポイントの下面とダイの上面との隙間は外縁から線条体5に向かって下向きとなっている。
【0034】
図18に示す塗布装置1では、仮想面8が下向きであるので線条体5の進行方向に樹脂6が速やかに流れる。ポイントの下面とダイの上面との隙間が若干絞られるとなお樹脂の塗布性が向上する。一方、図17に示すように仮想面8が貫通孔の近くで上向きになると、塗布された樹脂の外径が均一、表面がなめらかであったり、樹脂の偏肉がないまたは樹脂中に気泡がないなど樹脂の塗布性がよい。例えば、ポイントとダイの間隔、樹脂圧その他の条件を同一として、ポイントとダイとの隙間の向きだけを異ならせて樹脂被覆線条体を製造すると、図17に示すように線条体に向かって上向きに20度とする場合は、図18に示すように下向きに20度とする場に比べて、樹脂中の気泡が混入する異常が見られる頻度は1割ほどよくなる。
【0035】
図19に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって中部まで一定の幅で平面である。貫通孔22、32の近くでは、線条体5の軸を含む断面(図19に示す断面)において、直線となる形状であり、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である。ポイント2の下面21は貫通孔22の近くでは貫通孔22に向かって沈降し、ダイ3の上面31は貫通孔32の近くでは貫通孔32に向かって隆起する。ポイント2の下面21の沈降部21cおよびダイ3の上面31の隆起部31cが同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図19の塗布装置1が構成される。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は平面と円錐台の斜面の組み合わせとなり、線条体5に垂直な面ではない。そして、仮想面8が貫通孔の近くで上向きになっている。
【0036】
図20に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21、ダイ3の上面31は、それぞれ外縁から貫通孔22、32に向かって一定の幅で平面であって、貫通孔22、32の近くでは、線条体5の軸を含む断面(図20に示す断面)において、直線となる形状であり、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である点では図19と同様である。しかし、図18とは逆にポイント2の下面21は貫通孔22の近くでは貫通孔22に向かって隆起し、ダイ3の上面31は貫通孔32の近くでは貫通孔32に向かって沈降する。ポイント2の下面21の隆起部21dおよびダイ3の上面31の沈降部31dが同じ円錐台の斜面をなすポイント2とダイ3を組み合わせることにより図20の塗布装置1が構成される。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8は平面と円錐台の斜面の組み合わせとなり、線条体5に垂直な面ではない。
【0037】
図21に示す塗布装置1では、ポイント2の下面21は中部が隆起している。ダイ3の上面31は中部が沈降して貫通孔にかけて隆起していてかつ外縁にかけて隆起している。線条体5の軸を含む断面(図21に示す断面)において、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31はそれぞれ同半径の円弧である。このポイント2とダイ3とを組み合わせてなる塗布装置1では、ポイント2の下面21の距離とダイ3の上面31の距離は一定である。ポイント2の下面21およびダイ3の上面31からの距離が等しい仮想面8はポイント2の下面21およびダイ3の上面31と同じ曲面となり、線条体5に垂直な面ではない。そして、仮想面8が貫通孔の近くで上向きになっている。
【0038】
図2ないし図6、図8ないし図10、図12、図13、図15および図16に示した塗布装置もポイントの下面とダイの上面からの距離が等しい仮想面が線条体に垂直な面ではないので、これらの例は本発明の第一形態であると同時に第二形態でもある。例えば、図16に示した塗布装置1では、ポイント2の下面21およびダイ3の上面31から等しい距離にある仮想面8が貫通孔22、32近くで上向きとなる。ここで、樹脂の塗布性が向上する。
【0039】
図7、図11および図14に示す塗布装置は、ポイント2の下面21とダイ3の上面31とからの距離が等しい仮想面に対して面対称の形状であるときには第二形態ではないが、それ以外の場合は第一形態であると同時に第二形態である。
【0040】
本発明では図2ないし図21に例示した被覆装置などを使用して、ポイント2とダイ3の隙間に樹脂6を供給して、その樹脂6に線条体5を通過させて線条体に樹脂を塗布する。続けて樹脂60が塗布された線条体を硬化装置に通し、樹脂60が紫外線硬化型樹脂の場合は硬化装置4内で樹脂60に紫外線を照射し、あるいは樹脂60が熱硬化型樹脂の場合は硬化装置4内で樹脂60に熱を加えて、樹脂60を硬化させて樹脂被覆線条体を製造する。本発明では、樹脂と線条体とが接する箇所とポイント下面との線条体の長さ方向の距離を5mm以内とすることができる。この距離は、ポイントとダイとの隙間の形状を変更することにより数mmの範囲で調整可能である。
【0041】
図2ないし図21では、ダイが一つのもののみ示したが、図22に示すようにダイが二段構成になっており、ポイント20と第一ダイ30の間に第一樹脂61を供給し、第一ダイ30と第二ダイ40の間に第二樹脂62を供給して、塗布装置11を通過するときに第一樹脂61および第二樹脂62を同時に塗布する場合にも、本発明は有効である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、線条体に樹脂を塗布して被覆する方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の樹脂被覆方法を説明する図である。
【図2】本発明の樹脂塗布装置の一態様を示す図である。
【図3】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図4】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図5】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図6】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図7】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図8】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図9】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図10】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図11】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図12】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図13】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図14】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図15】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図16】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図17】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図18】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図19】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図20】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図21】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【図22】本発明の樹脂塗布装置の別の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 塗布装置
2 ポイント
3 ダイ
4 硬化装置
5 線条体
6 樹脂
7 被覆線条体
21 ポイントの下面
22 貫通孔
31 ポイントの上面
32 貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法。
【請求項2】
前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなるように前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する請求項1に記載の樹脂被覆方法。
【請求項3】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法。
【請求項4】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動する樹脂塗布装置。
【請求項5】
前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなる請求項4に記載の樹脂塗布装置。
【請求項6】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でない樹脂塗布装置。
【請求項1】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動するような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法。
【請求項2】
前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなるように前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する請求項1に記載の樹脂被覆方法。
【請求項3】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイをそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置し、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの前記貫通孔に樹脂を供給し、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔に線条体を通過させて前記線条体に前記樹脂を塗布し、さらに前記樹脂を硬化させる樹脂被覆方法であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でないような前記ポイントと前記ダイとを組み合わせて配置する樹脂被覆方法。
【請求項4】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記線条体と直交する方向において変動する樹脂塗布装置。
【請求項5】
前記ポイントと前記ダイとの隙間の少なくとも一部において前記ポイントの下面と前記ダイの上面との距離が前記ポイントまたは前記ダイの前記貫通孔に近づくにつれて短くなる請求項4に記載の樹脂塗布装置。
【請求項6】
貫通孔を有するポイントおよび貫通孔を有するダイがそれぞれの貫通孔が縦に並ぶように配置され、前記ポイントと前記ダイの隙間から前記ダイの貫通孔に樹脂が供給可能であり、前記樹脂が供給された前記ダイの前記貫通孔を線条体が通過することにより前記線条体に前記樹脂が塗布される樹脂塗布装置であって、前記ポイントの下面および前記ダイの上面からの距離が等しい仮想面が前記線条体に垂直な面でない樹脂塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−90163(P2009−90163A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260559(P2007−260559)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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