説明

機器システム及び画像形成機器システム

【課題】電力供給ユニットによる電力供給が不可能になった場合においても制限動作等を行うことなく、通常の画像形成動作を継続することを可能とすること。
【解決手段】装置内に電力供給量を決定・供給するための電力供給ユニットを構成として持つ機器システム及び画像形成機器システムにおいて、複数のオプション機器の中から機器動作状況及びその際の余剰電力量等から補助電力を供給可能なオプション機器を選択し、当該オプション機器より補助的に電力供給を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数電力稼動ユニット及び電力供給ユニットにより構成される機器システムにおける個々電力稼動ユニットに対する電力供給制御、且つ、そのような構成を持つ機器システム及び画像形成機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機器システムは、機器システム全体に対する電力を供給するための電力供給ユニットを有し、機器全体の動作に対して必要な電力供給能力を決定し、機器設計を行っていた。
【0003】
しかしながら、機器動作を行う上で必要となる電力量は、機器システムの置かれている状況に応じて常に変動しており、例えば長時間に亘って或る動作を継続して行うような場合においては、機器システムが必要とする電力量が電力供給ユニットによって供給可能な電力量を越えてしまうことがあるため、そのような場合に通常機器システムは動作の続行が不可能となる。そこで、そのような場合であっても動作の継続を可能とするために、或る一部の機能を制限することによって機器システムの動作継続を可能とするような制限動作の実行が提案されている。
【0004】
例えば、電子写真機器システムにおいては、複数枚の記録媒体への連続定着にあっては、定着ローラから各記録媒体への吸熱量が累積されていくことから、連続定着によりメインヒータがフル点灯されても、定着ローラの温調温度からの低下の度合いが著しくなってくる。環境や紙種にもよるがそのまま連続定着を続けると、定着ローラ温度が定着下限温度を下回ってしまい、結果として定着性が確保できなくなることがある。定着ローラ温度が定着下限温度を下回らないように、定着下限温度に何度か加えた温度に達すると、時間当りの画像形成枚数を減らし、定着ローラから記録媒体への時間当りの吸熱量を減少させて定着ローラの温度低下を抑え、生産性を落として定着性を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
制限動作の実行は本来の機器システムの性能を考えた場合、あくまで機器停止を防ぐための暫定動作に過ぎず、できれば回避されることが望ましい。上記の電子写真機器システムの例で言えば、定着ローラの温調温度の低下を回避することができるならば時間当りの画像形成枚数を減らすような動作は本来必要はない筈である。そのためには、記録媒体の吸熱によって定着ローラから奪われる熱量を上回る熱量を供給すれば良く、従って、機器システムが供給できる電力供給量を増加させ、単位時間当たりの定着ローラへ熱供給量を増加させることが1つの解決策となる。
【0006】
しかしながら、その場合には機器システムに搭載する電力供給ユニットの電力供給能力を上げることが必要となるため電力供給ユニット自体が高価となる。又、必要となる電力供給能力如何によっては、一般家庭用コンセント(100V/15A)等の標準的な電源コードで給電可能な電力供給系統からの電力供給が不可能となるため実用上不便が生じることとなる。
【0007】
このような場合において、従来では1つの機器システムに複数の電源コードを有し、それを機器内の電力需要に応じて電力供給元を切り換えるような構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
又は、機器システムに対するオプション機器が別個の電力供給に用いる電源コードを有し、オプション機器が接続されていることを検知した場合に機器システムの一部のユニットに対して補助的な電力を供給するような形態も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2003−330313号公報
【特許文献2】特開2003−323085号公報
【特許文献3】特公平4−076125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2にあるような構成では、1つの機器システムに複数の電源コードを持たなければならず、設置場所のアウトレット端子の有無制約等から設置性が制限されることがあった。又、ユーザによっては給電を強化してまで性能を上げる必要ないとする場合もあり、その際にはユーザにとってコストの面等でデメリットとなってしまう場合もあった。
【0011】
一方、オプション機器に別電源を設け、オプション機器が接続された場合に限り機器システムへの電力供給を補助する形態は、それを必要としないユーザはオプション機器ユニットの有り無しにおいて自由に選択できるメリットがあるものの、オプション機器からの電力供給はオプション機器が接続されていることを検知した場合には或る特定のユニットに対して一意に補助電力を供給するようになっているため、オプション機器側での電力使用状況に応じて動的に供給を切り換えることは不可能であり、機器システムに対して電力供給行うことを前提と考なければならないことから、或る程度オプション機器側の電力供給に余裕を持たせる必要があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、合理的且つ効率の良い補助電力供給を動的に行うことができる機器システム及び画像形成機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、本発明では、上記のれれの利点を継承しつつ、且つ、欠点を補うことができるような構成として、接続可能な1つ若しくは複数のオプション機器が本体機器システムに対して電力供給が可能な電力供給ユニットを有し、且つ、1つ若しくは複数のオプション機器と本体機器システムの間で互いの電力供給状況を相互に通知するための通信手段を持つようにすることによって、もし該機器ユニットにおいて供給しなければならない電力量が不足する場合には、機器システムは1つ若しくは複数のオプション機器に対して相互通信を行った結果から適当なオプション機器ユニットが有する電力供給ユニットから機器システムに対して補助的に電力供給を行うようにする。
【0014】
それによって、本体である機器システムで特に補助的電力の供給によって実現可能な機能が不要であるユーザに対しては、機器システム単体で使用することでコスト及び機器設置面での利点を残す一方で、1つ若しくは複数のオプション機器の接続状況や稼動状況を鑑みながら、稼動状況の低いオプション機器の有する電力供給ユニットから選択的に補助電力供給を行わせることによって、より合理的且つ効率の良い補助電力供給を動的に行うことを可能としている。
【0015】
又、本機器システム特有の利点として、複数のオプション機器の中から機器動作状況及びその際の余剰電力量等から補助電力を供給するオプション機器を選択可能とすることで特にオプション機器側の電力供給能力強化等を伴わずとも、オプション機器側の電力供給能力の範囲内で比較的効率良く補助電力の供給を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、オプション機器−機器システム間の相互情報通信により接続されたオプション機器の電力供給ユニットの稼動状況に応じて機器システムの電力供給不足分をオプション機器の有する電力供給ユニットより合理的且つ効率的に動的供給させることによって機器システムが有する電力供給ユニットによる電力供給が不可能になった場合においても制限動作等を行うことなく、通常の機器動作を継続することを可能としている。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、接続されたオプション機器の電力供給ユニットから機器システムの電力供給を増強することで機器システム単体で実行不可能な拡張機能動作の実行を可能としている。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、接続された複数のオプション機器の中から補助的電力供給に最適なオプション機器を選択し、当該機器システムの使用状況に応じた効率の良い電力供給を行うことを可能としている。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、オプション機器−画像形成機器システム間の相互情報通信により接続されたオプション機器の電力供給ユニットの稼動状況に応じて画像形成機器システムの電力供給不足分をオプション機器の有する電力供給ユニットより合理的且つ効率的に動的供給させることによって画像形成機器システムが有する電力供給ユニットによる電力供給が不可能になった場合においても制限動作等を行うことなく、通常の画像形成機器システム動作を継続することを可能としている。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、接続されたオプション機器の電力供給ユニットから画像絵形成機器システムの電力供給を増強することで画像形勢機器システム単体で実行不可能な拡張機能動作の実行を可能としている。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、接続された複数のオプション機器の中から補助的電力供給に最適なオプション機器を選択し、当該画像形成機器システムの使用状況に応じた効率の良い電力供給を行うことを可能としている。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、電子写真画像形成機器システムにおける個別の機能ユニット(画像形成サブユニット)が特にレーザ制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着ユニット等であることを提案している。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、画像形成機器システムに接続されたオプションユニットが記録媒体排紙後処理オプションであることを提案している。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、画像形成機器システムに接続されたオプションユニットが記録媒体給紙オプションであることを提案している。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、画像形成機器システムにおける電力転送を補助的に行うサブシステムが定着器ユニットであることを提案している。
【0026】
請求項11記載の発明によれば、画像形成機器システムにおけるサブシステムである定着器ユニットに対して、画像形成機器システムが有する電力供給ユニットからの電力供給が不能となって場合に、オプションユニットから電力供給することで定着温度の低下等による制限動作(ダウンシーケンス)に陥るのを回避することを可能としている。
【0027】
請求項12記載の発明によれば、接続されたオプションユニットの電力供給ユニットからの電力供給を行うことで、画像形成機器システム単体では実現不可能な生産性の向上の実現を可能としている。
【0028】
請求項13記載の発明によれば、他の同一構成による機器システム−機器システム間の相互情報通信により接続された他の機器システムの電力供給ユニットの稼動状況に応じて機器システムの電力供給不足分を他の機器システムの有する電力供給ユニットより合理的且つ効率的に動的供給させることによって機器システムが有する電力供給ユニットによる電力供給が不可能になった場合においても制限動作等を行うことなく、通常の機器動作を継続することを可能としている。
【0029】
請求項14記載の発明によれば、接続された同一構成による他の機器システムの電力供給ユニットから機器システムの電力供給を増強することで機器システム単体で実行不可能な拡張機能動作の実行を可能としている。
【0030】
請求項15記載の発明によれば、他の同一構成による画像形成機器システム間の相互情報通信により接続された他の画像形成機器システムの電力供給ユニットの稼動状況に応じて機器システムの電力供給不足分を他の画像形成機器システムの有する電力供給ユニットより合理的且つ効率的に動的供給させることによって画像形成機器システムが有する電力供給ユニットによる電力供給が不可能になった場合においても制限動作等を行うことなく、通常の機器動作を継続することを可能としている。
【0031】
請求項16記載の発明によれば、同一構成による他の画像形成機器システムの電力供給ユニットから画像絵形成機器システムの電力供給を増強することで画像形勢機器システム単体で実行不可能な拡張機能動作の実行を可能としている。
【0032】
請求項17記載の発明によれば、電子写真画像形成機器システムにおける個別の機能ユニット(画像形成サブユニット)が特にレーザー制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着ユニット等であることを提案している。
【0033】
請求項18記載の発明によれば、画像形成機器システムにおける電力転送を補助的に行うサブシステムが定着器ユニットであることを提案している。
【0034】
請求項19記載の発明によれば、画像形成機器システムにおけるサブシステムである定着器ユニットに対して、画像形成機器システムが有する電力供給ユニットからの電力供給が不能となって場合に、同一構成による他の画像形成機器システムから電力供給することで定着温度の低下等による制限動作(ダウンシーケンス)に陥るのを回避することを可能としている。
【0035】
請求項20記載の発明によれば、接続された同一構成による他の画像形成機器システムの電力供給ユニットからの電力供給を行うことで、画像形成機器システム単体では実現不可能な生産性の向上の実現を可能としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明を実現するための機器システムの構成について図1を用いて説明する。
【0037】
本発明における機器システムは、機器制御ユニット101と機器内の内部機能毎に分割された機能ユニットA103,B104,C105,D106により構成されている。機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対して何らかの機器動作を行う上で必要な機能ユニットに対する個々の機能動作を行うための指令を行う。
【0038】
その一方で機器制御ユニット101は電源部102をその構成に含んでおり、電源部102から各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対して電力供給バスA107,B108,C109,D110を介した電力供給を可能としている。
【0039】
又、電源部102を含む機器制御ユニット101は、CPU112によって各機能ユニットA103,B104,C105,D106に対する電力供給量を判断する。即ち、機器制御ユニット101は、電力供給ユニットとしても機能していることとなる。その際、各機能ユニットに対する電力供給量の配分を判断するための判断情報を記憶する手段として、機器制御ユニット101は各機能ユニットの機能優先順位情報を記録するための記録メモリ113を有している。又、CPU112は、論理系通信バス111を介して各機能ユニットA103,B104,C105,D106が有する論理制御部A114,B115,C116,D117に対する制御指示及び必要な情報通信を行う。
【0040】
又、各機能ユニットA103,B104,C105,D106は外部電力供給バスA119,B120,C121,D122より電力供給することも可能である。その際に通常はスイッチャA124,B125,C126,D127を切り換えることで機内の電源部102からではなく、外部電力供給バスA119,B120,C121,D122からの電力供給に切り換えることができる。
【0041】
本実施の形態では、機器システムにオプション機器ユニット118(a),(b)が接続されており、論理系機器間通信バス123を介した通信を行いながらオプション機器ユニット118(a),(b)との連携動作を行うが、その一方で外部電力供給バスA119,B120,C121,D122を介してオプション機器ユニット118(a),(b)が有する電力供給ユニット128,129から電力供給を行うことが可能な構成となっている。尚、機器システムが有する電源部102を含む電力供給ユニットとオプション機器ユニット118(a),(b)が有する電力供給ユニット128,129は各々異なるACアウトレットより電力の供給を行うものとし、各々の電力使用状況に関わらず安定した電力供給がなされるものであるとする。
【0042】
このような構成による発明における機器システムにおいては、通常は機器システム内の機器ユニットA103,B104,C105,D106に対する電力は電源部102より供給されている。しかしながら、一方各機能ユニットA103,B104,C105,D106より通知された機能動作を行うに当たって必要な使用電力量の総計が電源部102が供給しうる電力量以上となる場合がある。そのような場合、従来では、本来行うべき動作モードに比して緊急度が比較的低い機能を制限した動作モードにて動作することによって、使用電力量を制限し、使用電力量の総計が電源部102が供給し得る電力量を超えないような制限動作を行う。図2に従来の制限動作へ移行する場合の電力使用状況を示す。
【0043】
しかしながら、本実施の形態では、そのような場合において機能ユニットA103,B104,C105,D106のうちの1つ若しくは複数の機能ユニットに対する電力供給をオプション機器ユニット118(a),(b)が有する電力供給ユニット128,129の何れかから行うことにより、機器システム内の電源部102に対する電力負荷を軽減させ、結果的に制限動作に移行することなく使用電力量の総計が電源部102より供給しうる電力量を超えた状態で動作を継続することができる。
【0044】
尚、機器システムで電力供給が不足する場合における機器システム−機器ユニット間の電力供給の振り分け判断について図3のフローで詳細に説明する。
【0045】
先ず、S301で機器システムは機器制御ユニット101のCPU112は機能ユニットA103,B104,C105,D106に対する電力供給量の監視を通常行っている。ここで、各機能ユニットA103,B104,C105,D106での使用電力量の総計が電源部102より供給し得る電力量に接近した場合、S302で機器制御ユニット101は、論理系機器間通信バス123を介してオプション機器ユニット118(a),(b)に対する電力供給補助要求を送信する。その際、機器制御ユニット101は、補助供給を期待する要求電力量を情報として通知するが、電力の供給元の切り換えスイッチは機器ユニット毎になっているため、機器ユニット単位で切り換えを要求する電力量の通知を行うこととなる。
【0046】
すると、S303において、オプション機器ユニット118(a),(b)側では機器制御ユニット101からの電力供給補助要求に対しオプション機器ユニット118(a),(b)での電力使用状況を考慮した上で要求元の機器システムに電力供給が可能かどうかを通知する。ここで、オプション機器ユニット118(a),(b)の両者での電力使用状況より供給が不可能である場合には、機器制御ユニット101は電源部102が供給し得る電力の範囲内で動作するしかないため、その場合はS304で使用電力量を制限した動作を行うことで機能実行を継続する。
【0047】
一方、オプション機器ユニット118(a),(b)の何れかより電力供給が可能であるとの合意が取れた場合にはS305に移行する。S305では先ず供給側のオプション機器ユニット118(a),(b)何れか電力供給の合意が取れた方からの電力供給バスを電源に対して接続する。続いて、機器制御ユニット101側でスイッチャA124,B125,C126,D127を切り換え電力供給元の切り換えを完了する。
【0048】
図4に機能制限動作を回避するための電力供給源切り換え動作の実行を模式的に示す。
【0049】
S306において切り換え後も機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103、B104、C105、D106での電力使用状況を随時監視し、もし電力使用量の合計が電源部102が供給し得る電力量を十分越えないレベルに低下してきた場合において、S307に移行しスイッチャA124,B125、C126,D127を電源部102側に切り換えた後に、論理系機器間通信バス123を介してオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)にその旨を通知する。フローではS301に戻り通常通りの電力供給量の監視を継続する。因に、制限動作中であるS304においても機能実行を行っていく上で電力量の制限が不要となった時点でフローとしてはS301に復帰する。
【0050】
ここまでは、本来機器システムが仕様として実行可能な機能動作中において、使用状況や環境等によって使用電力量が不足する場合の補助的な電力供給について詳細に説明したが、それとは別に本実施の形態においては、オプション機器 ユニット118(a)、(b)が接続された場合に、そのユニットが有する電力供給ユニット128,129からの電力供給があることを前提として、更に高水準な機能動作を実行することができる。その実施の形態について詳細に説明する。
【0051】
本実施の形態での機器システムにおいて、機能ユニットA103は、仕様上最大電力使用量がWN
であるとして設計されているとする。ところが、機能ユニットA103は実力的には仕様以上の高水準な動作実行が可能であり、その場合の機能ユニットA103での最大電力使用量はWN
よりも多いWH であるとすると、電力供給能力の関係からたとえ機能ユニットA103のユニットとしての実力が現在の仕様よりも高水準であるとしても、事実上そのような高水準な動作を実行することは電源設計の観点からは不可能であると考えられる。
【0052】
しかしながら、本実施の形態では、オプション機器ユニット118(a),(b)が接続された場合に、オプション機器ユニット118(a),(b)の電力供給ユニット128,129を補助的電源として利用することによって通常機器システム単体では供給不可能な電力量を補助的に供給することが可能となるため、機能ユニットA103の機能を本来の機器システムとしての仕様以上に引き出すことが可能となる。即ち、結果として、機器システム全体としての機能の拡張が可能となる。
【0053】
オプション機器ユニット118(a),(b)接続時に機器システムの機能拡張を行う場合の電力供給振り分け判断について図5のフローに基づき説明する。
【0054】
先ず、S501で機器システムは電源投入時にオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)が接続されているか否かをチェックする。もし接続されていな場合は通常の処理を行う。もし接続されている場合には、S502に移り機器システムの機能拡張が実行可能となる。
【0055】
S502では、オプション機器ユニット118(a)若しくは(b)が接続されていることが確認されると、機器システムでは拡張機能の実行指示を受理することが可能となる。そこで拡張機能の実行指示が受理されると、先ず、機器制御ユニット101は論理系機器間通信バス123を介してオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)に対する電力供給補助要求を送信する。
【0056】
すると、S503においてオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)側では機器制御ユニット101からの電力供給補助要求に対しオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)での電力使用状況を考慮した上で要求元の機器システムに電力供給が可能かどうかを通知する。ここで、オプション機器ユニット118(a),(b)の両者で電力使用状況より供給が不可能である場合には、機器制御ユニット101は電源部102が供給しうる電力の範囲内で動作するしかないため、その場合はS504で使用電力量を制限した動作を行うことで拡張機能の実行は不可能となる。その場合は類似の従来機能を代換えとして実行するか、若しくは速やかに拡張機能の実行を中止する。一方、電力供給が可能であるとの合意が取れた場合にはS505に移行する。
【0057】
S505では、先ず、供給側のオプション機器ユニット118(a),(b)の何れか電力供給の同意が取れた方の電力供給バスを電源に対して接続する。続いて、機器制御ユニット101側でスイッチャA124,B125,C126,D127を切り換え電力供給元の切り換えを完了する。この際、S506において切り換え後も機器制御ユニット101は、各機能ユニットA103,B104,C105,D106での電力使用状況を随時監視し、拡張機能動作が完了した場合において、スイッチャA124,B125,C126,D127を電源部102側に切り換えた後に、論理系機器間通信バス123を介して電力供給を行っていたオプション機器ユニット118(a)若しくは(b)にその旨を通知する。フローではS501に戻り通常通り電力供給量の監視を継続する。
【0058】
図6〜図8は本発明の効果を説明する上で最適な実施の形態である電子写真画像形成機器システムの機器構成を表す図面である。
【0059】
(カラーリーダ部の構成)
先ず、カラーリーダ部の構成について説明する。
【0060】
図7は画像形成機器システムの全体構成を示すものである。ここで、701はCCD、711はCCD701の実装された基板、700は画像形成機器システム全体を制御する制御部、712は図6に示す画像処理部を除いた部分を含むプリンタ処理部、701は原稿台ガラス(プラテン)、702は原稿給紙装置(DF)(尚、この原稿給紙装置702の代わりに未図示の鏡面圧板を装着する構成もある)、703及び704は原稿を照明する光源(ハロゲンランプ又は蛍光灯)、705及び706は光源703,704の光を原稿に集光する反射傘、707〜709はミラー、710は原稿からの反射光又は投影光をCCD701上に集光するレンズ、714はハロゲンランプ703,704と反射傘705,713は他のデバイスとの外部インターフェース(I/F)である。尚、キャリッジ814は速度Vで、キャリッジ815は速度V/2で、CCD801の電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に駆動モータ816によって機械的に移動することによって、原稿の全面を走査(副走査)する。
【0061】
又、制御部700は、図8に示すようにプリンタ制御部712と外部I/F713、プリンタ制御I/F717に対してそれぞれ制御を行うための情報をやり取りするI/Fを持つCPU801と操作部802、メモリ803によって構成されている。操作部302は、操作者による処理実行内容の入力や操作者に対する処理に関する情報及び警告等の通知のためのタッチパネル付き液晶により構成される。
【0062】
又、外部I/F713は、画像情報やコード情報等を画像処理装置外部とやり取りするためのインターフェースであり、具体的には図9に示すようにファクシミリ装置901やLANインターフェース装置902等を接続することが可能である。尚、ファクシミリ装置901やLANインターフェース装置902との画像情報及びコード情報のやり取り手続き制御については、各接続装置であるファクシミリ装置901やLANインターフェース装置902と制御部700のCPU801との相互通信により行われる。
【0063】
次に、デジタル画像処理部の詳細な説明を行う。図6はデジタル画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【0064】
原稿台ガラス上の原稿は光源703,704からの光を反射し、その反射光は、CCD701に導かれて電気信号に変換される(CCD601は、カラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わず、フィルタがオンチップ化又は、フィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)は画像処理部612に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部602でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。
【0065】
続いてRGB信号はシェーディング部603で、シェーディング補正及び黒補正が施される。補正後のRGB信号は、更につなぎ&MTF補正補正&原稿検知部604で、CCD601が3ラインCCDの場合、つなぎ処理はライン間の読取位置が異なるため、読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正し、MTF補正は読取速度や変倍率によって読取のMTFが変るため、その変化を補正し、原稿検知は原稿台ガラス上の原稿を走査することにより原稿サイズを認識する。
【0066】
読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は、入力マスキング部605によって、CCD601の分光特性及び光源703,704及び反射傘705,706の分光特性を補正する。入力マスキング部605の出力は、外部I/F信号との切り換え可能なセレクタ606に入力される。セレクタ606から出力された信号は、色空間圧縮&下地除去&LOG変換部607と下地除去部615に入力される。下地除去部615に入力された信号は、下地除去された後、原稿中の原稿の黒い文字かどうかを判定する黒文字判定部616に入力され、原稿から黒文字信号を生成する。
【0067】
又、もう1つのセレクタ606の出力が入力された色空間圧縮&下地除去&LOG変換部607では、色空間圧縮は読み取った画像信号がプリンタで再現できる範囲に入っているかどうか判断し、入っている場合はそのまま、入っていない場合は画像信号をプリンタで再現できる範囲に入るように補正する。そして、下地除去処理を行い、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。そして、黒文字判定部616で生成された信号とタイミングを補正するため色空間圧縮&下地除去&LOG変換部607の出力信号は遅延608でタイミングを調整される。この2種類の信号はモワレ除去部609でモワレが除去され、710で、主走査方向に変倍処理される。
【0068】
611はUCR&マスキング&黒文字反映部で、変倍処理部で処理された信号はCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理部でプリンタの出力にあった信号に補正されると共に黒文字判定部616で生成された判定信号がCMYK信号にフィードバックされる。UCR&マスキング&黒文字反映部611で処理された信号は、γ補正部612で濃度調整された後、フィルタ部613でスムージング又はエッジ処理される。
【0069】
(プリンタ部の構成)
続いて、プリンタ部の構成について説明する。
【0070】
図7は本発明に係る画像形成機器システムの一例であるフルカラープリンタの要部構成図である。尚、フルカラープリンタには排紙後処理用のオプションユニットとしてフィニッシャユニット742が接続されている。ここでは、フィニッシャユニット742についても併せて説明する。
【0071】
先ず、像担持体としての感光体ドラム(以下、単に「感光体」と言う)725は図示しないモータで矢印Aの方向に回転できるように設けられている。感光体725の周囲には、一次帯電器721、露光装置818、黒現像ユニット819、カラー現像ユニット723、転写帯電器720、クリーナ装置722が配置されている。
【0072】
前記黒現像装置819は、モノクロ現像のための現像装置であり、感光体725上の潜像をKのトナーで現像する。又、前記カラー現像ユニット723は、フルカラー現像のための3台の現像装置723Y,723M,723Cから成る。現像装置723Y,723M,723Cは、感光体725上の潜像をそれぞれY,M,Cのトナーで現像する。各色のトナーを現像する際には、図示しないモータによって現像ユニット723を矢印R方向に回転させ、当該色の現像装置が感光体725に当接するように位置合わされる。
【0073】
感光体725上に現像された各色のトナー像は、転写帯電器720によって中間転写体としての転写転写ベルト726に順次転写されて、4色のトナー像が重ね合わされる。転写ベルト726は、ローラ727,728,729に張架されている。これらのうち、ローラ727は図示しない駆動源に結合されて転写ベルト726を駆動する駆動ローラとして機能し、ローラ728は転写ベルト726の張力を調節するテンションローラとして機能し、ローラ729は2次転写装置としての転写ローラ731のバックアップローラとして機能する。
【0074】
又、転写ローラ脱着ユニット750は、転写ローラ731を転写ベルト726に接着させる、若しくは離脱させるための駆動ユニットである。転写ベルト726を挟んでローラ727と対向する位置にはクリーナブレード732が設けられている。クリーナブレード脱着ユニット768は、クリーナブレード732を転写ベルト726に接着させる、若しくは離脱させるための駆動ユニットである。クリーナブレード脱着ユニット768によってクリーナブレード732が着方向に動作することによって転写ベルト726上の残留トナーがブレードで掻き落とされる。
【0075】
カセット740,741及び手差し給紙部753に格納された記録媒体は、レジローラ755及び給紙ローラ対735,736,737によってニップ部、つまり2次転写装置731と転写ベルト726との当接部に給送される。尚、その際2次転写装置731は、転写ローラ脱着ユニット750を当接方向に駆動させることによって転写ベルト726に当接されている。転写ベルト726上に形成されたトナー像は、このニップ部で記録媒体上に転写され、定着装置734で熱定着されて装置外へ排出される。尚、カセット740,741及び手差し給紙部753はそれぞれ、記録媒体の有無を検知するためのシートなし検センサ743,744,745を有している。又、カセット740,741及び手差し給紙部753は、それぞれ記録媒体のピックアップ不良を検知するための給紙センサ747,748,749を有している。
【0076】
又、オプションとしてラージサイズ専用のラージペーパーデッキユニット772が接続されており、記録媒体の有無を検知するためのシートなし検センサ774とそれぞれ記録媒体のピックアップ不良を検知するための給紙センサ775を有している。
【0077】
上記構成によるカラープリンタでは、次のようにして画像形成が実行される。
【0078】
先ず、給紙部における記録媒体の搬送動作について説明する。
【0079】
カセット740,741及び手差し給紙部753、ラージペーパーデッキユニット772に格納された記録媒体は、ピックアップローラ738,739,754及び773により1枚毎に給紙パス766(ラージペーパーデッキユニットの場合は776)上に搬送される。給紙パス766若しくは776上の記録媒体は、給紙ローラ対735,736,737,773によりレジローラ755へと搬送されると、その直前のレジセンサ756により記録媒体の通過が検知される。
【0080】
レジセンサ756により記録媒体の通過が検知された時点で、本実施の形態では、適当な時間経過の後に一端搬送動作を中断する。その結果、記録媒体は停止しているレジローラ755に突き当たり搬送が停止されるが、その際記録媒体の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置固定がなされ、記録媒体の搬送方向が搬送経路に対してずれることにより斜行が発生している場合の給紙パス搬送方向補正がなされる。この処理を通常給紙レジ取りと称する。給紙レジ取りは以降の記録媒体に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必須となる。給紙レジ取り後、レジローラ755を起動させることにより、記録媒体は2次転写装置731へ供給される。
【0081】
続いて、2次転写装置731へ供給された記録媒体の上へ画像を形成する手順について説明する。
【0082】
先ず、帯電装置721に電圧を印加して感光体725の表面を予定の帯電部電位で一様にマイナス帯電させる。続いて、帯電された感光体725上の画像部分が予定の露光部電位になるようにレーザスキャナ部から成る露光装置718で露光を行い潜像が形成される。露光装置718は画像信号に基づいてオン・オフすることにより、画像に対応した潜像を形成する。
【0083】
図10に本実施の形態におけるレーザスキャナ部の構成を示す模式図を示す。
【0084】
レーザー1001から発せられた光は、集光レンズ1013(以下、コリメータとする)を経由してレーザー光L1となり、ドラムを走査するために駆動モータ1003にて回転している回転多面体1002により偏向される。偏向されたレーザー光L1は、ドラム1015上を均一密度で走査するためにするために、結像レンズ1014を経由してドラム1015上を走査する。又、各ラインの画像書き出しタイミングを一定にするために、レーザー光L1を検知し、水平同期信号を発生するためのセンサ1018(以下、BDセンサ1018とする)により構成されている。
【0085】
又、黒現像装置719及びカラー現像装置723の現像ローラには各色毎に予め設定された現像バイアスが印加されており、前記潜像は該現像ローラの位置を通過時にトナーで現像され、トナー像として可視化される。トナー像は、転写装置720で転写ベルト726に転写され、更に2次転写装置731で、給紙部より搬送された記録媒体に転写された後、定着搬送ベルト730を介して、定着装置734へと搬送される。定着装置734では、先ず、トナーの吸着力を補って画像乱れを防止するために、定着前帯電器751,752で帯電され、更に定着ローラ733でトナー画像が熱定着された後、排紙フラッパ757により排紙パス758側に搬送パスを切り換えられ、そのままフィニッシャユニット742に排紙される。
【0086】
フィニッシャユニット742は、排紙された複数枚数の記録媒体を束単位で処理するための後処理ユニットであり、具体的には束単位での左右シフト処理、若しくはステープル処理を行うことができる。カラープリンタ本体より排出された記録媒体は一旦処理トレイ770に積載され、その後、所定枚数積載したところでステープラ769が動作することでステープル処理される、若しくは処理トレイ770自体が排出方向に対して垂直な方向にスライド移動することによってシフト処理を行い、その後処理トレイ770から排出トレイ771に排出されることで後処理を完了する。
【0087】
フルカラープリント時は転写ベルト726上で4色のトナーが重ね合わされた後、記録媒体に転写される。感光体725上に残留したトナーは予備清掃装置(不図示)でトナーの帯電を、クリーニングし易い状態にし、クリーナ装置722で除去・回収され、最後に、感光体725は除電装置(不図示)で一様に0ボルト付近まで除電されて、次の画像形成サイクルに備える。
【0088】
上記カラープリンタの画像形成タイミングは、転写ベルト726上の所定位置を基準として制御されている。転写ベルト726は駆動ローラ727、テンションローラ728、バックアップローラ729から成るローラ類に掛け渡されていて、テンションローラ728によって所定の張力が与えられている。
【0089】
駆動ローラ727及びローラ729の間には、基準位置を検知する反射型センサ724(a),(b)が配置されている。反射型センサ724(a),(b)は、それぞれ転写ベルト726の外周面端部の両端に配置され、転写ベルト726の面上に丁度対向する位置に設けられた反射テープ等のマーキングを検知して、転写ベルト726が半周する毎に交互にI−top(a),(b)信号を出力する。
【0090】
前記感光体725の外周の長さと転写ベルト726の周長は、1:n(nは整数)で表される整数比になっている。このように設定しておくと、転写ベルト726が1周する間に、感光体725が整数回転し、転写ベルト726周前と全く同じ状態に戻るため、中間転写ベルト726上に4色を重ね合わせる際に(ベルトは4周回る)、感光体725の回転ムラによる色ズレを回避することが可能である。
【0091】
上記のような中間転写方式の画像形成機器システムにおいては、I−top(a),(b)信号の何れか検知した後、所定時間経過後にレーザスキャナから成る露光装置718で露光を開始する。ここで、I−top(a),(b)信号については特に区別はなく、どちらか一方でも先に検出された方をトリガとして露光は開始される。
【0092】
又、転写ベルト726は短い用紙サイズ画像の場合には、2画像分のトナー像を形成することが可能なベルト長になっており、特に4色重ね合わせたカラー画像を形成するために2枚分の画像をベルト4回転だけの時間で形成可能とすることによって生産性を向上させている。この画像形成手法を以下では2枚貼り動作と呼ぶ。
【0093】
本実施の形態における2枚貼り動作においては、2枚の画像がそれぞれ転写ベルト726のI−top(a),(b)信号の各々をトリガ信号として画像形成される(この場合の先行する画像をA画像、後続の画像をB画像と便宜上呼ぶこととする)。
【0094】
しかしながら、A画像及びB画像は転写ベルト726上で均等位置に配置される訳ではなく、画像A−B間の距離よりも画像B−A間の距離の方を広く取っている。なぜならば、画像形成の流れを考えると、画像B−A間においては、書き出されるトナー像の色が異なるため途中でカラー現像ユニット723はフルカラー現像のための3台の現像装置723Y,723M,723Cの切り換えを行わなければならず、その切り換えのための現像ユニット723の回転駆動を行うための時間的なマージンを確保する必要があるためである。2枚貼りの場合においても、画像の書き出しの開始はI−top(a),(b)信号のどちらを先に使用するのであっても良い。
【0095】
引き続いて記録媒体の裏面に画像を形成する場合の動作について詳細に説明する。
【0096】
記録媒体の裏面に画像を形成する際には、先ず、記録媒体の表面への画像形成が先んじて実行される。その表面への画像形成動作については先に詳細に述べたのでここでは省略するが、表面のみの画像形成であれば、画像形成後定着器734でトナー画像を熱定着された後に排紙フラッパ757により排紙パス758側に搬送パスを切り換えられそのままフィニッシャユニット742に排紙されるが、引き続いて裏面の画像形成を行う場合には排紙フラッパ757により裏面パス759側に搬送パスが切り換えられ、それに合わせた反転ローラ760の回転駆動によって記録媒体は両面反転パス761内に一旦搬送される。その後、記録媒体は、シート媒体の送り方向幅の分だけ両面反転パス761内に搬送された後に反転ローラの逆回転駆動及び両面パス搬送ローラ762の駆動により進行方向が切り換えられ、表面に画像形成された画像面を下向きにして両面パス763に搬送される。
【0097】
続いて記録媒体は両面パス763上を再給紙ローラ764に向かって搬送されると、その直前の再給紙センサ765により記録媒体の通過が検知される。再給紙センサ765により記録媒体の通過が検知された時点で、本実施の形態では、適当な時間経過の後に一端搬送動作を中断する。その結果、記録媒体は停止している再給紙ローラ764に突き当たり搬送が一時停止されるが、その際記録媒体の進行方向端部が搬送経路に対して垂直になるように位置固定がなされ、記録媒体の搬送方向が再給紙パス内の搬送経路に対してずれることにより斜行が発生している場合の再給紙パス搬送方向補正がなされる。この処理を通常再給紙レジ取りと称する。
【0098】
再給紙レジ取りは以降の記録媒体裏面に対する画像形成方向の傾きを最小化するために必須となる。再給紙レジ取り後、再給紙ローラ764を起動させることにより記録媒体は、表裏が逆転した状態で再度給紙パス766上に搬送される。その後の画像形成動作については先に述べた表面の画像形成動作と同じであるためここでは省略する。こうして表裏両面に画像形成がなされた記録媒体は、そのまま排紙フラッパ757により排紙パス758側に搬送パスを切り換えられ、そのままフィニッシャユニット742に排紙される。
【0099】
以上のような動作により、本実施の形態では、操作者がシート媒体の表裏を改めてセットし直すことなく、自動的にシート媒体の両面へ画像形成を行うことが可能となっている。
【0100】
ところで、本実施の形態における電子写真画像形成システム及びオプションであるフィニッシャユニット742、ラージペーパーデッキユニット772の全体機能について説明したが、これらの各機能については、図11に示すような機能ごとに分割された複数の画像形成サブユニットの機能動作を複合的に組み合わせることによって実現される。各サブユニットについての機能を以下で説明する。
【0101】
リーダ制御ユニット1101は、電子写真画像形成システムにおけるカラーリーダ部の動作を制御するためのサブユニットである。
【0102】
デジタル画像処理ユニット1102は、カラーリーダ部からの画像信号をプリンタ部に引き渡すための画像処理動作を制御するためのサブユニットである。
【0103】
レーザスキャナ制御ユニット1103は、デジタル画像処理ユニット1202を介した画像信号に基づき露光処理を行い、感光体825に潜像形成を行うためのサブユニットである。
【0104】
現像器ユニット1104は、レーザスキャナ制御ユニット1103によって形成された潜像よりトナー像をするためのサブユニットである。
【0105】
記録媒体転写ユニット1105は、トナー像を記録媒体に転写させるためのサブユニットである。
【0106】
記録媒体給紙ユニット1106は、記録媒体を画像形成のために給紙するためのサブユニットである。
【0107】
記録媒体搬送ユニット1107は、記録媒体に画像形成を行うために転写部に対して記録媒体を搬送するためのサブユニットである。
【0108】
両面記録媒体搬送ユニット1108は、画像形成を行った記録媒体の裏面に同様の画像形成を行うために一度画像形成した記録媒体を反転・再送するためのサブユニットである。
【0109】
定着器ユニット1109は、画像形成した記録媒体上のトナー像を熱定着させるためのサブユニットである。
【0110】
これらのサブユニットへの電力供給は、画像形成機器システム全体を制御する制御部内にある電力供給ユニット1110によって行われる。
【0111】
これらのサブユニット1101〜1109と電力供給ユニット1110とについては、先に発明を実施するための最良の形態として説明した機器システム構成における機能ユニットA103,B104,C105,D106と電源部102を有する機器制御ユニット101と同様の構成及び関係を有し、電力供給に関して同様の機能を実現するものである。
【0112】
又、オプションであるフィニッシャユニット742若しくはラージペーパーデッキユニット772においてユニット内の各負荷への電力供給はそれぞれオプション電力供給ユニット1111,1112によって行われるが、フィニッシャユニット742及びラージペーパーデッキユニット772におけるオプション電力供給ユニット1111,1112は、先に発明を実施するための最良の形態として説明した機器システム構成におけるオプション機器ユニット118(a),(b)と電力供給ユニット128,129と同様の構成及び関係を有し、電力供給に関して同様の機能を実現するものである。
【0113】
こうした構成を持つ電子写真画像形成システムにて画像形成動作を比較的長時間に亘って実行する場合においてであるが、複数枚の記録媒体への連続定着により定着ローラから各記録媒体への吸熱量が累積されていくことから、連続定着によりメインヒータがフル点灯されても、定着ローラの温調温度からの低下の度合いが著しくなってくる。従来そのような場合において、電子写真画像形成システムでは記録媒体への定着性を確保するために、生産性を低下させる処理(いわゆるダウンシーケンス)を行っていたが、本実施の形態においては オプションユニットの電力供給を利用し、ダウンシーケンスに入ることなく画像形成動作を継続することが可能である。
【0114】
そのための処理の詳細について以下で説明する。
【0115】
先ず、操作者により通常の画像形成動作開始が指示される。本実施の形態では、先ず白黒印刷動作の指示がされるものとする。すると、先ず制御部700より各サブユニットに対して、白黒印刷を行う上で必要となる動作モードへの移行指示が各サブユニットに対してなされる。
【0116】
次に、各サブユニットより動作を行うに当たって必要となる使用電力量が制御部700へ通知される。もし各サブユニットから通知される電力量の総計が最大供給電力量以上である場合には、電力量の調整を行うが、通常は印刷指示の開始時であることから各サブユニットから通知される電力量の総計が最大供給電力量を超えていることは考えにくく、そのため通常は所望の画像形成動作を開始する。
【0117】
本実施の形態での定着器ユニット1109の温調温度は印刷開始初期においては190℃であるが、複数枚の記録媒体への白黒連続定着にあっては、定着ローラから各記録媒体への吸熱量が累積されていくことから、連続定着により、定着ローラの温調温度からの低下の度合いが著しくなってくる。環境や紙種にもよるが、そのまま連続定着を続けると、定着ローラ温度が定着下限温度を下回ってしまい、結果として定着性が確保できなくなることがある。そのような場合に定着器ユニットへの供給電力を増加させれば、生産性を下げることなく定着ローラの温度低下を抑える、若しくは画像形成開始初期状態の定着ローラ温度へと復帰させることができるが、電力供給ユニット1110から電力供給を行うことは不可能である。
【0118】
そこで、本実施の形態では、フィニッシャユニット742若しくはラージペーパーデッキユニット772の何れかが有するオプション電力供給ユニット1111若しくは1112から補助的に電力供給させることで生産性を落とすことなく定着性の確保を実現している。電力供給のためのやり取りの詳細については、発明を実施するための最良の形態として先に詳細に説明したため、ここでは省略するが、その場合における画像形成機器システムでの電力供給状況を図12に模式的に示す。
【0119】
又、本実施の形態では、更に、フィニッシャユニット742若しくはラージペーパーデッキユニット772におけるオプション電力供給ユニット1111若しくは1112の電力供給に余裕がある場合に限り、フィニッシャユニット742若しくはラージペーパーデッキユニット772におけるオプション電力供給ユニット1111若しくは1112から補助的に電力供給を供給されるようにすることで通常の画像形成動作の短時間当たりの実行枚数を電子写真画像形成システム単体で実現可能な枚数よりも高める、即ち、電子写真画像形成システム単体での性能規格以上の生産性を実現することが可能である。
【0120】
その場合、元々定着器ユニット1109や記録媒体給紙ユニット1106/記録媒体搬送ユニット1107/両面記録媒体搬送ユニット1108等の搬送関連ユニット等は実力的に電子写真画像形成システム単体での性能規格の生産性を達成できる装置的な実力を持っていることが大前提であるが、その上で電子写真画像形成システムにおける電力供給ユニット1110が供給可能な最大電力量が制約となって実力としての生産性を達成できないような場合に限り、フィニッシャユニット742若しくはラージペーパーデッキユニット772におけるオプション電力供給ユニット1111若しくは1112から補助的に電力供給を行うことで性能規格以上の生産性にて動作することが可能となる。その場合の電力供給のためのやり取りの詳細については、発明を実施するための最良の形態として先に詳細に説明したためここでは省略するが、本動作中の画像形成機器システムでの電力供給状況を図13に模式的に示す。
【0121】
尚、これらの補助的な電力供給がオプションユニットのどちらから供給されるかについては、画像形成機器システムの動作状況によって異なる。例えば、スモールサイズの紙を給紙している場合であれば、ラージペーパーデッキユニット772が稼動されている可能性はないため、ラージペーパーデッキユニット772の電力供給ユニット1112より補助的電力供給を行うべきである。
【0122】
一方、ラージペーパーデッキユニット772から給紙中であれば、ラージペーパーデッキユニット772で使用されている電力量は多いため電力供給ユニット1112より余剰電力は供給不能となることから、必然的にフィニッシャユニット742からの供給に頼ることとなる。しかしながら、同時にフィニッシャユニット742でも余剰電力が殆どない状態で稼動している場合もあるため、その時には補助電力供給は得られず、画像形成機器システムは制限動作を余儀なくされる場合もある。
【0123】
何れの場合もオプションユニットと画像形成機器システムとが常時通信を行いながら、稼動状況の監視を行いながら電力配分を行うことにより、オプションユニットを含めた機器システム全体で供給可能な電力量を効率良く使用しながら動作を行うことができる。 <その他の実施の形態>
本実施の形態では、機器システム及び電子写真画像形成機器システムに対し、オプション機器が有する電力供給ユニットによって補助的に電力を供給可能とする例として説明したが、例えばこの電力供給ユニットを有するオプションユニットが機器システム及び電子写真画像形成機器システムと同等の機能及び電力供給ユニットを有する1つ若しくは複数の機器システム及び電子写真画像形成機器システムであっても良い。
【0124】
その場合、或る機器システム及び電子写真画像形成機器システムが、他の機器システム及び電子写真画像形成機器システムより補助的電力の供給を受けようとする場合には、その機器システム及び電子写真画像形成機器システムが使用電力量を多く必要とする動作を行っておらず、待機中の状態にあることが必要条件となる。その場合の具体的な電力供給のためのやり取りの詳細については、発明を実施するための最良の形態として先に詳細に説明したものと同様であるため、ここでは省略するが、図14及び図15にオプションユニットを、1つ若しくは複数の同一の機器システム及び電子写真画像形成機器システムに置き換えた場合の構成及びその場合に他の機器システム及び電子写真画像形成機器システムから補助的な電力供給を受ける場合の実施の形態を模式的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本特許を実現するための機器システムの構成を示す図である。
【図2】従来の機器システムにおいて制限動作へ移行する場合の電力使用状況を示す模式図である。
【図3】機器システムで電力供給が不足する場合における機器システム−機器ユニット間の電力供給の振り分け判断を詳細に説明するためのフロー図である。
【図4】機能制限動作を回避するための電力供給源の切り換え動作及び復帰動作の実行を示す模式図である。
【図5】オプション機器ユニット接続時に機器システムの機能拡張を行う場合の電力供給の振り分け判断を詳細に説明するためのフロー図である。
【図6】画像デジタル画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図7】画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図8】制御部の構成を示すブロック図である。
【図9】外部インターフェースの構成を示すブロック図である。
【図10】レーザスキャナ部の構成を示すブロック図である。
【図11】電子写真画像形成システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図12】画像形成機器システムで電力供給が不足する場合にオプションユニットにおける補助電力供給を受けている場合の画像形成動作中におけるユニット毎の電力使用状況を示す模式図である。
【図13】画像形成機器システムが拡張機能動作を行う場合にオプションユニットにおける補助電力供給を受けている場合の画像形成動作中におけるユニット毎の電力使用状況を示す模式図である。
【図14】オプションユニットをひとつ若しくは複数の同一の機器システム及び電子写真画像形成機器システムに置き換えた場合を示す模式図である。
【図15】電子写真画像形成機器システムで電力供給不足が生じた場合に他の機器システム及び電子写真画像形成機器システムより電力供給を受ける場合の具体例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0126】
101 機器制御ユニット
102 電源部
103 機能ユニットA
104 機能ユニットB
105 機能ユニットC
106 機能ユニットD
107 電力供給バスA
108 電力供給バスB
109 電力供給バスC
110 電力供給バスD
111 論理系通信バス
112 CPU
113 記録メモリ
114 論理制御部A
115 論理制御部B
116 論理制御部C
117 論理制御部D
118(a),(B) オプション機器ユニット
119 外部電力供給バスA
120 外部電力供給バスB
121 外部電力供給バスC
122 外部電力供給バスD
123 論理系機器間通信バス
124 スイッチャA
125 スイッチャB
126 スイッチャC
127 スイッチャD
601 CCD
602 クランプ&Amp.&S/H&A/D部
603 シェーディング部
604 つなぎ&MTF補正補正&原稿検知部
605 入力マスキング部
606 セレクタ
607 色空間圧縮&下地除去&LOG変換部
608 遅延
609 モアレ除去部
610 変倍処理部
611 UCR&マスキング&黒文字反映部
612 γ補正部
613 フィルタ部
614 外部I/F部
615 下地除去部
616 黒文字判定部
700 制御部
701 原稿台ガラス
702 原稿給紙装置(DF)
703,704 光源
705,706 反射傘
707〜709 ミラー
710 レンズ
711 CCDが実装された基板
712 プリンタ制御部
713 外部インターフェース(I/F)
714,715 キャリッジ
716 駆動モータ
717 プリンタ制御I/F
718 露光装置
719 黒現像装置
720 転写帯電気
721 一次帯電器
722 クリーナ装置
723 カラー現像ユニット
724 反射型センサ
725 感光体
726 転写ベルト
727〜729 ローラ
730 定着搬送ベルト
731 転写ローラ
732 クリーナブレード
733 定着ローラ
734 定着装置
735〜737 給紙ローラ対
738,739,754,773 ピックアップローラ
740,741 カセット
742 フィニッシャユニット
743〜745 シートなし検センサ
747〜749 給紙センサ
750 転写ローラ脱着ユニット
751,752 定着前帯電器
753 手差し給紙部
755 レジローラ
756 レジセンサ
757 排紙フラッパ
758 排紙パス
759 裏面パス
760 反転ローラ
761 両面反転パス
762 両面パス搬送ローラ
763 両面パス
764 再給紙ローラ
765 再給紙センサ
766 給紙パス
768 クリーナブレード脱着ユニット
769 ステープラ
770 処理トレイ
771 排出トレイ
772 ラージペーパーデッキユニット
774 シートなし検センサ
775 給紙センサ
801 CPU
802 操作部
803 メモリ
901 ファクシミリ装置
902 LANインターフェース装置
1001 レーザー
1002 回転多面体
1003 駆動モータ
1013 集光レンズ
1014 結像レンズ
1015 ドラム
1016 BDセンサ
1101 リーダ制御ユニット
1102 デジタル画像処理ユニット
1103 レーザスキャナ制御ユニット
1104 現像器ユニット
1105 記録媒体転写ユニット
1106 記録媒体給紙ユニット
1107 記録媒体搬送ユニット
1108 両面記録媒体搬送ユニット
1109 定着ユニット
1110 電力供給ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源を管理及び電力を供給するための第1の電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する1つ若しくは複数電力稼動ユニットより構成されており、且つ、システムへの機能付加を目的とし、電源を管理及び電力を供給するための該第1の電力供給ユニットとは別の第2の電力供給ユニットを有するオプション機器が接続可能である機器システムにおいて、
前記第2の電力供給ユニットはオプション機器への電力供給を行うと共に該機器システムを構成する電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対しても電力供給が可能な電力転送手段と、
機器システムが有する1つ若しくは複数電力稼動ユニットに対して電力供給元を第1の電力供給ユニットとするか第2の電力供給ユニットとするかを動的に切り換えるためのスイッチング手段と、
該機器システムとオプション機器の間で相互の電力需要状況を通知するための情報通信手段とを有し、
該機器システムにおいて第1の電力供給ユニットによる電力供給不足が生じたことを情報通信手段を介して機器システムよりオプション機器に通知し、該オプション機器において第2の電力供給ユニットが余剰電力を供給可能であると判断された場合には、スイッチング手段を用いて第2の電力供給ユニットから電力転送を電力稼動ユニット単位で行うことにより第1の電力供給ユニットからの電力供給不足分を補うことで機器動作の保証を行うことを特徴とする機器システム。
【請求項2】
前記第2の電力供給ユニットからの補助的な電力供給を前提とし、該オプション機器が接続された場合に限り、該第1の電力供給ユニットからの電力供給量の制限により該オプション機器が未接続の場合には実行不可としている拡張機能動作の実行を許可することを特徴とする請求項1記載の機器システム。
【請求項3】
前記オプション機器が複数ある場合において、該機器システムにおいて第1の電力供給ユニットによる電力供給不足が生じたことを該情報通信手段を介して該機器システムより複数の該オプション機器に同時に通知し、
それに対して該複数の該オプション機器は、該第2の電力供給ユニットにおける余剰電力量を該機器システムに通知し、該機器システムでは、通知された余剰電力量からオプション機器における電力供給ユニットが補助的に電力供給可能であると判断した場合において電力供給を対象とする該オプション機器を選択し、該スイッチング手段を用いて選択された該オプション機器が有する第2の電力供給ユニットから電力転送を該電力稼動ユニット単位で行うことにより第1の電力供給ユニットからの電力供給不足分を補うことで機器動作の保証を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の機器システム。
【請求項4】
電源を管理及び電力を供給するための第1の電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する1つ若しくは複数画像形成サブユニットより構成されており、且つ、システムへの機能付加を目的とし、電源を管理及び電力を供給するための該第1の電力供給ユニットとは別の第2の電力供給ユニットを有するオプション機器を接続可能である画像形成機器システムにおいて、
前記第2の電力供給ユニットはオプション機器への電力供給を行うと共に該画像形成機器システムを構成する電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対しても電力供給が可能な電力転送手段と、
画像形成機器システムが有する複数電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対して電力供給元を第1の電力供給ユニットとするか第2の電力供給ユニットとするかを動的に切り換えるためのスイッチング手段と、
第1の電力供給ユニットと第2の電力供給ユニット間での電力需要状況を相互に通知するための情報通信手段とを有し、
画像形成機器システムにおいて第1の電力供給ユニットによる電力供給に不足が生じたことを情報通信手段を介して第1の電力供給ユニットが第2の電力供給ユニットに通知し、第2の電力供給ユニットが余剰電力を供給可能である場合には、該スイッチング手段を用いて第2の電力供給ユニットから電力転送を該画像形成サブユニット単位で行うことにより第1の電力供給ユニットからの電力供給不足分を補うことで機器動作の保証を行うことを特徴とする画像形成機器システム。
【請求項5】
前記第2の電力供給ユニットからの補助的な電力供給を前提とし、オプション機器が接続された場合に限り、第1の電力供給ユニットからの電力供給量の制限によりオプション機器が未接続の場合に実行不可としている拡張機能動作の実行を許可することを特徴とする請求項4記載のが画像形成機器システム。
【請求項6】
前記オプション機器が複数ある場合において、該画像形成機器システムにおいて第1の電力供給ユニットによる電力供給不足が生じたことを情報通信手段を介して機器システムより複数の該オプション機器に同時に通知し、それに対して複数のオプション機器は、第2の電力供給ユニットにおける余剰電力量を該画像形成機器システムに通知し、該画像形成機器システムでは、通知された余剰電力量からオプション機器における電力供給ユニットが補助的に電力供給可能であると判断した場合において電力供給を対象とする該オプション機器を選択し、スイッチング手段を用いて選択されたオプション機器が有する第2の電力供給ユニットから電力転送を電力稼動ユニット単位で行うことにより第1の電力供給ユニットからの電力供給不足分を補うことで機器動作の保証を行うことを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成機器システム。
【請求項7】
特に画像形成サブユニットがレーザ制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着器ユニットであることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項8】
前記オプション機器が記録媒体排紙後処理オプションであることを特徴とする前記4〜7の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項9】
前記オプション機器が記録媒体給紙オプションであることを特徴とする前記4〜8の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項10】
第2の電力供給ユニットから電力転送を補助的に行う画像形成サブユニットを特に定着器ユニットとすることを特徴とする請求項4〜9の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項11】
前記定着器ユニットの定着温度が低下してきた場合に第2の電力供給ユニットから電力転送を補助的に行うことによって生産性を低下させることなく画像形成動作を継続させることを特徴とする請求項10記載の画像形成機器システム。
【請求項12】
拡張機能動作が記録媒体への画像形成速度及び単位時間当たりの画像形成枚数の増加であることを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項13】
電源を管理及び電力を供給するための電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する1つ若しくは複数の電力稼動ユニットより構成されている機器システムにおいて、
1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムに対して各々が有する電力供給ユニットより各々を構成する電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対して相互に電力供給が可能な電力転送手段と、
該機器システムが有する複数電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対して電力供給元を1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムが有する各々の電力供給ユニットの何れとするかを動的に切り換えるためのスイッチング手段と、
他の機器システムが有する各々の電力供給ユニット間での電力需要状況を相互に通知するための情報通信手段とを有し、
該機器システム若しくは1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムにおける電力供給ユニットによる電力供給に不足が生ずる場合に、該機器システムにおいて電力供給ユニットによる電力供給に不足が生じたことを該情報通信手段を介して該機器システムより複数の他の機器システムに同時に通知し、
それに対して該複数の他の機器システムは、第2の電力供給ユニットにおける余剰電力量を該機器システムに通知し、該機器システムでは、通知された余剰電力量から他の機器システムにおける電力供給ユニットが補助的に電力供給可能である場合と判断した場合において電力供給を対象とする他の機器システムを選択し、スイッチング手段を用いて必要に応じて他の機器システムが有する電力供給ユニットより電力転送を電力稼動ユニット単位で行うことにより該電力供給ユニットからの電力供給不足分を補い合うことで相互に機器動作の保証を行うことを特徴とする機器システム。
【請求項14】
1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムにおける電力供給ユニットからの補助的な電力供給を前提とし、1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムが電力転送手段を介して接続された場合に限り、電力供給ユニットからの電力供給量の制限により他の機器システムが未接続の場合に実行不可としている拡張機能動作の実行を許可することを特徴とする請求項13記載の機器システム。
【請求項15】
電源を管理及び電力を供給するための電力供給ユニットと、該電力供給ユニットより電力を供給されることによって稼動する1つ若しくは複数画像形成サブユニットより構成されている画像形成機器システムにおいて、
1つ若しくは複数の同一の構成による他の機器システムに対して各々が有する電力供給ユニットより各々を構成する複数電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対して相互に電力供給が可能な電力転送手段と、
該画像形成機器システムが有する複数電力稼動ユニットの1つ若しくは複数に対して電力供給元を1つ若しくは複数の同一の構成による他の画像形成機器システムが有する各々の電力供給ユニットの何れとするかを動的に切り換えるためのスイッチング手段と、
他の画像形成機器システムが有する各々の電力供給ユニット間での電力需要状況を相互に通知するための情報通信手段とを有し、
該画像形成機器システムにおいて電力供給ユニットによる電力供給に不足が生じたことを該情報通信手段を介して該画像形成機器システムより複数の他の画像形成機器システムに同時に通知し、
それに対して該複数の他の画像形成機器システムは、第2の電力供給ユニットにおける余剰電力量を該画像形成機器システムに通知し、該画像形成機器システムでは、通知された余剰電力量から他の画像形成機器システムにおける電力供給ユニットが補助的に電力供給可能である場合と判断した場合において電力供給を対象とする他の画像形成機器システムを選択し、該スイッチング手段を用いて必要に応じて他の画像形成機器システムが有する該電力供給ユニットより電力転送を該電力稼動ユニット単位で行うことにより該電力供給ユニットからの電力供給不足分を補い合うことで相互に機器動作の保証を行うことを特徴とする画像形成機器システム。
【請求項16】
1つ若しくは複数の同一の構成による他の画像形成機器システムにおける電力供給ユニットからの補助的な電力供給を前提とし、1つ若しくは複数の同一の構成による他の画像形成機器システムが接続された場合に限り、第1の電力供給ユニットからの電力供給量の制限により他の画像形成機器システムが未接続の場合に実行不可としている拡張機能動作の実行を許可することを特徴とする請求項15記載の画像形成機器システム。
【請求項17】
特に該画像形成サブユニットがレーザ制御ユニット、現像器ユニット、記録媒体転写ユニット、記録媒体給紙ユニット、記録媒体搬送ユニット、両面記録媒体搬送ユニット、定着器ユニットであることを特徴とする請求項15又は16記載の画像形成機器システム。
【請求項18】
電力供給ユニットから電力転送を補助的に行う該画像形成サブユニットを特に定着器ユニットとすることを特徴とする請求項15〜17の何れかに記載の画像形成機器システム。
【請求項19】
定着器ユニットの定着温度が低下してきた場合に1つ若しくは複数の同一の構成による電力供給ユニットから電力転送を補助的に行うことによって生産性を低下させることなく画像形成動作を継続させることを特徴とする18記載の画像形成機器システム。
【請求項20】
拡張機能動作が記録媒体への画像形成速度及び単位時間当たりの画像形成枚数の増加であることを特徴とする請求項15〜19の何れかに記載の画像形成機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−221217(P2006−221217A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31312(P2005−31312)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】