説明

機器制御システム

【課題】連係制御を適正に行うことができながら、省電力化を図ること。
【解決手段】通電状態で送信手段が送信情報を送信可能な送信可能状態と、非通電状態で送信手段が送信情報を送信できない待機状態との間で、送信手段を切換自在な第2通信・制御モジュールを備え、第2通信・制御モジュールに対する電池と、第2通信・制御モジュールの装着対象機器の動作に連動して発電する発電手段とを備え、発電手段により発電される電力も使用可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器と、各機器に対して装備された複数の通信・制御モジュールとが備えられ、通信・制御モジュールは、各機器の作動状況を示す機器情報を取得自在に構成され、機器情報と自己を他者と区別する識別情報とを含む電磁波式通信情報を電磁波式の無線通信により送信自在な送信手段および受信自在な受信手段と、その受信手段にて受信する受信情報に基づいて、他の機器の機器情報に対して連係された連係動作を装着対象機器に行わせる連係制御を実行する連係制御手段とが備えられている機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の機器制御システムとして、照明機器や空調機器等の複数の建物内設置機器や人感センサ等の機器制御用センサ等の各種の機器が備えられ、複数の建物内設置機器の夫々における作動状況や機器制御用センサの検出情報を取得するための通信手段、及び、複数の建物内設置機器について他の機器の機器情報や機器制御用センサの検出情報に対して連係された連係動作を機器に行わせる連係制御を実行する機器制御部を有するコントローラが備えられている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1のシステムでは、通信手段が、電磁波式の無線通信により建物内設置機器や機器制御用センサとの間でセンサ信号の授受や制御信号の授受を行うことで、各機器の機器情報や機器制御用センサの検出情報を取得している。そして、連係動作として、機器情報や機器制御用センサの検出情報に基づいて、建物内設置機器をオンオフし或いはレベル調整するように設定されており、コントローラの機器制御部が、取得した各機器の機器情報や機器制御用センサの検出情報に基づいて、建物内設置機器の何れをオンオフし或いはレベル調整する必要があるか、すなわち制御対象と制御量とを判断し、各機器に対して制御信号を送信することで、連係制御を行っている。例えば、連係制御として、機器制御用センサの検出情報に基づいてある部屋が不在であると検知すると、その部屋に設置されている建物内設置機器を一定時間経過後に電源をオフにしたり、機器制御用センサの検出情報に基づいて各部屋の在室人数を検知すると、その在室人数に応じてエアコンや照明等の建物内設置機器のパワーを所定のパワーにレベル調整している。
【0003】
一方、所定の機器に通信・制御モジュールを装着し、装着された通信・制御モジュールにより機器間の動作の連係を取るシステムが提案されている。この連係では、各通信・制御モジュールに、機器の動作状態等の機器情報を周期的に送信する定期通信制御手段を備える構成が考えられる。例えば、ガス燃焼機器が動作し、ガス燃焼が発生した場合に、この燃焼に連動して換気扇を動作させ、コンロが動作状態にあることを表示する連係動作を取るように構成することとなる。
このような連係を通信で行う機器の場合、周囲に電源を確保できる場合はその通信に電源を使用することとなるが、電源を確保できない場合は、例えば、通信・制御モジュール内に電池を備え、この電池から電力を得て、周期的な送信を行うこととなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−258713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のような周期的に通信・制御モジュール間で通信を確立して情報の授受を行う機器制御システムでは、例えばコンセントが近くにある等の理由から常時電力供給を受けることが可能な場合もあるが、その設置場所等の理由により、所定の寿命期間だけ電力供給が行える電池を使用する必要がある。
通信に必要な電力を考えた場合、通信に要する電力を低減する方向と、システム内で供給できる電力を増加させる方向とが存在する。
電力を低減する方向では、従来以下のような問題があった。
上記特許文献1に記載のシステムでは、コントローラと各機器との間で電磁波式の無線通信により電磁波式通信情報を送受信することで、コントローラが、各機器の機器情報や機器制御用センサの検出情報を取得しているが、各機器において電磁波式通信情報を受信可能とする受信可能状態に常時維持させるために、各機器の通信手段に常時通電しておく必要があり、消費電力が増加することになる。
【0006】
そこで、各機器の間で通信順を設定し、自己の通信順となったときだけ通電を行って電磁波式の無線通信を行う特定周期の同期通信を行うことで、省電力化を図ることが考えられる。しかしながら、特定周期の同期通信を行うと、自己の通信順となるまで、機器情報の通信を行うことができないので、次の周期になるまで、コントローラは、各機器の機器情報を取得することができない。よって、機器として、ガス燃焼機器や警報器等が含まれていると、その機器の機器情報(ガス燃焼機器の運転開始や警報器の警報出力を示す機器情報)を次の周期になるまで取得できない場合が発生する。ここで、ガス燃焼機器では、その運転開始に伴って換気扇を直ぐに運転開始させる等の連係動作を行わせることが考えられる。また、警報器では、その警報出力に伴ってガス燃焼機器等の機器を直ぐに運転停止させる等の連係動作を行わせることが考えられる。従って、上述の如く、ガス燃焼機器や警報器等が含まれている場合に、その機器の機器情報(ガス燃焼機器の運転開始や警報器の警報出力を示す機器情報)を次の周期になるまで取得できないと、その機器に連係された連係動作を直ぐに行わせることができず、連係制御を適正に行うことができない。そこで、それを防ぐために、特定周期の周期を短くすると結局消費電力が増えることになり、機器制御システムとして省電力化を図ることが困難であった。
【0007】
従来、電源としては、常時給電可能な外部電源と、通信・制御モジュールに備えられる電池を内部電源とする方向が考えられているが、電池を電源とする場合、その寿命には限界があり、長期間に渡って安定した電力の供給を受けることが困難であった。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、何らかのイベントの発生時に迅速にモジュール間の通信状態(連係状態)を確立することができるとともに、電源に電池を採用する場合にも、その電池を長い期間に渡って使用することができる、省電力性に優れた機器制御システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明に係る機器制御システムの特徴構成は、
複数の機器と、各機器に対して装備された複数の通信・制御モジュールとが備えられ、
前記通信・制御モジュールは、各機器の作動状況を示す機器情報を取得自在に構成され、前記機器情報と自己を他者と区別する識別情報とを含む電磁波式通信情報を電磁波式の無線通信により送信自在な送信手段および受信自在な受信手段と、その受信手段にて受信する受信情報に基づいて、他の機器の前記機器情報に対して連係された連係動作を装着対象機器に行わせる連係制御を実行する連係制御手段とが備えられている機器制御システムであって、
前記複数の通信・制御モジュールは、
通電により前記電磁波式通信情報を送・受信可能とする送・受信可能状態に前記送信手段及び前記受信手段が常時維持される第1通信・制御モジュールと、
通電状態で前記送信手段が送信情報を送信可能な送信可能状態と、非通電状態で前記送信手段が前記送信情報を送信できない待機状態との間で、前記送信手段を切換自在な第2通信・制御モジュールとから構成され、
前記第2通信・制御モジュールに対する電池と、前記第2通信・制御モジュールの装着対象機器の動作に連動して発電する発電手段とを備え、
前記第2通信・制御モジュールに、電磁波式通信情報の送信の終了後に前記送信手段を前記待機状態に切り換える通信制御手段を備えるとともに、
前記電池から前記送信手段に通電して、前記送信手段より前記識別情報及び前記機器情報を周期的に送信させる定期通信制御手段と、
前記装着対象機器の動作に連動して前記発電手段により発電される電力を、前記送信手段に通電して、前記送信手段より前記電磁波式の無線通信により他の通信・制御モジュールとの通信を確立するための起動情報を送信させるイベント通信制御手段とを備えたことにある。
【0010】
この機器制御システムは、複数の機器とそれら機器に装着される通信・制御モジュールとを備えて構成され、各通信・制御モジュール間の通信が確保される。
ここで、通信・制御モジュールとしては、外部電源から電力の供給を受けて送信手段及び受信手段が常に働くことが可能な第1通信・制御モジュールと、送信可能状態と待機状態との間で切換え設定される送信手段とを備えた第2通信・制御モジュールとが備えられ、この第2通信・制御モジュールでは、送信手段による送信の後、送信手段を待機状態として電力消費を抑えている。
【0011】
さらに、機器制御システム内には、電源用に使用する電池と、機器の動作に起因して発電する発電手段とを備え、第2通信・制御モジュールでは、送信手段による送信時で、少なくとも通信・制御モジュール間の通信の確立時に、発電手段により発電された電力を使用することとする。即ち、一部の第2通信・制御モジュールでは、電池から供給される電力の他、発電手段により発電された電力を利用できる構成を取る。このような構成を採用することにより、機器の動作に起因して発電される電力を機器制御システムで利用することが可能となり、システムの起動を適切に行いながら、省電力化を図ることができる。
【0012】
ここで、前記起動情報の送信により、前記第2通信・制御モジュールと前記第1通信・制御モジュールとの間で通信が確立した状態で、
前記第1通信・制御モジュールから、前記第2通信・制御モジュールに起動情報が送られ、前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール、第1通信・制御モジュール及び前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール以外の第2通信・制御モジュールとの間で通信が確立するように構成することが好ましい。
起動情報は、ガス燃焼機器に装着される第2通信・制御モジュールといった特定の通信・制御モジュールから第1通信・制御モジュールに送られるが、機器制御システムを完全な起動状態とするには、他の第2通信・制御モジュールも起動する必要がある。
そこで、前記第1通信・制御モジュールから、前記第2通信・制御モジュールに起動情報を送ることにより、前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール、第1通信・制御モジュール及び前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール以外の第2通信・制御モジュールとの間、換言すると全通信・制御モジュール間で、通信を確立することができる。
ここで、通信を確立とは、常時給電されて、電磁波式通信情報を送・受信可能な状態とされている第1通信・制御モジュールでは、送信手段、受信手段が共に、その状態のまま維持されることを意味し、待機状態においては、電磁波式通信情報を送・受信することができない状態とされている第2通信・制御モジュールでは、送信手段、受信手段が共に、電磁波式通信情報を送・受信することができる状態とされることを意味する。
【0013】
以上、説明してきた構成は、システム内に発電手段を備え、この発電手段により発生される電力を良好に使用しようとする構成であるが、電磁波式通信情報の送信には、例えば、光、音響等の電磁波式の通信より低電力消費の通信により電力の消耗をも低減するようにも構成している。以下、この構成に関しても説明する。
【0014】
以上説明してきた構成において、
前記第2通信・制御モジュールに備えられる前記受信手段に関して、
通電により前記受信手段が前記電磁波式通信情報を受信可能な受信可能状態と通電停止により前記電磁波式通信情報を受信不可とする待機状態とに切換自在に構成され、
前記連係制御手段による連係制御の終了後に前記受信手段を前記待機状態に切り換える切換手段と、
前記電磁波式とは異なる別方式の無線通信により送信される別方式通信情報を受信可能に常時維持される別方式受信手段とが備えられ、
前記通信・制御モジュールにて前記機器情報としての連係制御開始用の機器情報を取得したとの起動用入力情報を入力自在で、且つ、その起動用入力情報が入力されると、前記別方式の無線通信にて起動用別方式通信情報を送信自在な起動情報通信手段が備えられ、
前記切換手段は、前記起動情報通信手段により送信される前記起動用別方式通信情報を前記別方式受信手段にて受信すると、起動条件が満たされたと判別して、前記受信手段を前記受信可能状態に切り換える構成を採用することが好ましい。
【0015】
本特徴構成によれば、第2通信・制御モジュールには、切換手段及び別方式受信手段が備えられており、連係制御の終了後に切換手段にて受信手段を待機状態に切り換えることで、消費電力の低減を図ることができる。切換手段にて受信手段を待機状態に切り換えると、電磁波式通信情報を受信不可となるが、別方式受信手段にて別方式通信情報を常時受信することができる。
【0016】
そして、通信・制御モジュールの何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、起動情報通信手段に起動用入力情報が入力されるので、この起動用入力情報の入力により、第1通信・制御モジュールに備えられる起動情報通信手段が、別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信する。この起動用別方式通信情報の送信により、第2通信・制御モジュールに備えられた別方式受信手段が、起動用別方式通信情報を受信することになる。よって、第2通信・制御モジュールに備えられた切換手段は、起動用別方式通信情報を別方式受信手段にて受信するに伴って、起動条件が満たされたと判別して、受信手段を受信可能状態に切り換える。このようにして、第2通信・制御モジュールでは、連係制御の終了後に受信手段が待機状態に切り換えられていても、通信・制御モジュールの何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されることにより、受信手段が受信可能状態に切り換えられる。その結果、全ての通信・制御モジュールにおいて受信手段が受信可能状態に切り換えられて、複数の通信・制御モジュールの間での電磁波式通信情報の送受信を行い、連係制御を行うことができる。
以上のことから、別方式の無線通信を使用することで、連係制御を適正に確立することができながら、省電力化を図ることができる機器制御システムを実現できる。
【0017】
前記別方式受信手段が、前記受信手段よりも小さい通電量の通電により前記別方式通信情報を受信可能に常時維持されることが好ましい。
【0018】
本特徴構成によれば、別方式受信手段は、受信手段よりも小さい通電量の通電により別方式通信情報を受信可能に常時維持されるので、別方式受信手段について別方式通信情報を受信可能に常時維持することが確実に行うことができながら、消費電力の低減を図ることができる。
【0019】
本発明に係る機器制御システムの更なる特徴構成は、
前記送信手段を制御する通信制御手段が、前記通信・制御モジュールの夫々に備えられ、
前記通信制御手段は、前記受信手段にて受信する受信情報に基づいて、前記複数の通信・制御モジュールの間で設定されている送信順において自己の送信順が到来しているか否かを判別し、その送信順に従って前記機器情報と前記識別情報とを含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成され、且つ、前記起動情報を含む前記電磁波式通信情報を送信した後に、前記送信順にかかわらず、前記連係制御開始用の機器情報と前記識別情報とを含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成されていることが好ましい。
【0020】
本特徴構成によれば、通信制御手段が、受信手段にて受信する受信情報に基づいて、自己の送信順が到来しているか否かを判別し、その送信順に従って電磁波式通信情報を送信手段により送信するので、送信順を管理するためのコントローラ等を必要とせずに、機器制御システムを構築することができ、システム全体としてコストの低減及び構成の簡素化を図ることができる。
そして、上述の特徴構成で述べた如く、通信・制御モジュールの何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されることにより、全ての通信・制御モジュールにおいて受信手段が受信可能状態に切り換えられることになるが、このとき、本特徴構成によれば、連係制御開始用の機器情報が取得された通信・制御モジュールでは、通信制御手段が起動情報を含む電磁波式通信情報を送信した後に、送信順にかかわらず、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段により送信する。これにより、他の通信・制御モジュールでは、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段にて受信することになり、通信制御手段が、その受信情報に基づいて、自己の送信順が到来しているか否かを判別することができ、送信順に従って電磁波式通信情報を送信することができる。その結果、通信・制御モジュールの間で電磁波式通信情報を送信順に従って的確に送信することができ、連係制御を適正に行うことができる。
【0021】
さらには、前記第1通信・制御モジュールに備えられて前記送信手段を制御する通信制御手段は、前記受信手段にて受信する受信情報に基づいて、前記連係制御手段による連係制御が終了したか否かを判別し、終了したと判別した後に、待機情報を含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成され、前記切換手段は、前記待機情報を含む前記電磁波式通信情報を前記受信手段にて受信すると、前記受信手段を前記待機状態に切り換えるように構成されていることが好ましい。
【0022】
本特徴構成によれば、連係制御手段による連係制御が終了すると、第1通信・制御モジュールの受信手段が、他の通信・制御モジュールから連係制御手段による連係制御を終了したとの機器情報を含む電磁波式通信情報を受信するので、通信制御手段は、受信手段にて受信する受信情報に基づいて、連係制御手段による連係制御が終了したか否かを判別することができる。そして、通信制御手段は、連係制御手段による連係制御が終了したと判別した後に、待機情報を含む電磁波式通信情報を送信手段により送信するので、第2通信・制御モジュールでは、その待機情報を含む電磁波式通信情報を受信手段にて受信することになり、この待機情報を含む電磁波式通信情報の受信に伴って、受信手段を待機状態に切り換える。これにより、連係制御が終了した後の適正なタイミングで、第2通信・制御モジュールの受信手段を待機状態に的確に切り換えることができる。
【0023】
本願に係る機器制御システムにおいて、
前記機器として、ガス燃焼機器が含まれており、
前記第2通信・制御モジュールが、前記ガス燃焼機器を装着対象とし、
前記ガス燃焼機器のガス燃焼に伴って発生する火炎により、前記発電手段が発電する構成とされていることが好ましい。
ガス燃焼によって発生する火炎からエネルギーを得て、発電手段が発電した電力をシステム内で利用することができる。
【0024】
また、本願に係る機器制御システムにおいて、
前記機器として、ガス燃焼機器が含まれており、
前記第2通信・制御モジュールが、前記ガス燃焼機器を装着対象とし、
前記発電手段に発電を行わせる動作が、前記ガス燃焼機器の燃焼開始動作であることが好ましい。
ガス燃焼機器の燃焼開始動作からエネルギーを得て、発電手段が発電した電力をシステム内で利用することができる。
【0025】
本発明に係る機器制御システムは、さらに、前記別方式の無線通信にて送信される情報を常時受信可能で、且つ、前記起動情報通信手段により送信される前記起動用別方式通信情報を受信すると、その前記起動用別方式通信情報を中継して前記第2通信・制御モジュールに対して送信自在な起動情報中継通信手段が備えられていることが好ましい。
【0026】
本特徴構成によれば、起動情報通信手段により送信される起動用別方式通信情報が、起動情報中継手段により中継されながら、第2通信・制御モジュールに対して送信することができる。これにより、起動情報通信手段と第2通信・制御モジュールとが離れた位置に配置されていても、起動情報通信手段により送信される起動用別方式通信情報を的確に第2通信・制御モジュールに伝達させることができる。よって、第2通信・制御モジュールの受信手段の受信可能状態への切換を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る機器制御システムの設置状況を示す図
【図2】本発明に係る機器制御システムにおける第1通信・制御モジュール及び第2通信・制御モジュールを示すブロック図
【図3】本発明に係る機器制御システムにおいて連係制御での動作を示す図
【図4】本発明に係る機器制御システムにおいて連係制御での動作を示すフローチャート
【図5】本発明に係る機器制御システムにおいて連係制御開始用の機器情報を取得したときの動作を示す図
【図6】本発明に係る機器制御システムにおいて連係制御開始用の機器情報を取得したときの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る機器制御システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
この機器制御システムは、図1に示すように、複数の機器1と、各機器1に対して装着される複数の通信・制御モジュール2とが備えられている。そして、機器1として、燃料ガスである都市ガスの供給を受けて、当該燃料ガスの燃焼により熱を得て様々な目的に使用するガス燃焼機器(ガスコンロ3等)、このシステムの利用状況を表示する利用状況表示器4、換気扇5、ガス・火災警報器6等が備えられている。ここで、ガス・火災警報器6は、ガス漏れ検知機能、不完全燃焼検知機能の他、火災検知機能を備えている。
【0029】
本発明に係る機器制御システムでは、上記各機器(ガスコンロ3、利用状況表示器4、換気扇5、ガス・火災警報器6)に、通信・制御モジュール2をそれぞれ装着して構成される。さらに、換気扇6については、通信・制御モジュール2に加えて、計測・スイッチングモジュール7も装着される構成が採用されている。以下、通信・制御モジュール2が装着されている機器を総称して、装着対象機器1と呼称する。また、特定の通信・制御モジュール2が装着されている装着対象機器1を、その特定の通信・制御モジュール2に対して、「自己の」と呼び、自己以外を「他の」と呼ぶ。
【0030】
通信・制御モジュール2は、各通信・制御モジュール2間の通信、各装着対象機器1からのその機器1の検出情報・運転状態情報(ON操作情報を含む)の収集、自己もしくは他の通信・制御モジュール2からの受信情報に含まれる検出情報・機器情報に基づいて、自己の装着対象機器1の運転・停止等を制御する制御機能を備えている。
【0031】
通信・制御モジュール2間の通信は、装着対象機器の識別情報及び機器情報を一定の周期で定期的に送信する定期送信と、装着対象機器に所定のイベントが発生した場合に、イベントの発生に応じて送信するイベント発生送信との2つの形態が採用されている。
具体的に説明すると、装着対象機器がガスコンロ3の場合、定期送信の対象は、ガスコンロ3のON状態・OFF状態がその対象となり、ガスコンロ3がOFFからON操作がされた場合に、その操作・運転状況がイベント発生送信の対象となる。
利用状況表示器4に関しては、この利用状況表示器4において、どの機器が利用状況にあるかを表示する表示状況が定期送信の対象となる。この利用状況表示器4では、イベント発生送信の対象は特に設定されていない。
換気扇5に関しては、そのON・OFF状態が定期送信の対象となる。
ガス・火災警報器6に関しては、このガス・火災警報器6において、いずれかの警報を発する状態を検知している、及び警報を発する状態を検知していない状態は定期送信の対象となる。
【0032】
計測・スイッチングモジュール7は、特定の装着対象機器(換気扇6)に対して使用する機器である。この計測・スイッチングモジュール7は、このモジュール7を使用する電力線18に対して、その一部構成部品として使用され、電力線18を流れる電流・電圧等の情報から、この計測・スイッチングモジュール7が使用される装着対象機器1の運転状態に関する情報(電流値等)を計測する計測機能を備えるとともに、電力線18を接続・切断するスイッチング機能を備えている。
【0033】
以下、通信・制御モジュール2、計測・スイッチングモジュール7の順に説明する。
【0034】
〔通信・制御モジュール〕
通信・制御モジュール2は、図2に示すように、第1通信・制御モジュール2aと第2通信・制御モジュール2bとの2種類あり、第1通信・制御モジュール2aは、装着対象機器1としての換気扇6に装着され、第2通信・制御モジュール2bは、装着対象機器1としてのガスコンロ3、利用状況表示器4、ガス・火災警報器6に装着されている。ここで、第1通信・制御モジュール2aは、装着対象機器1のうち常時通電が可能な機器(例えば換気扇6)に装着されている。
【0035】
第1通信・制御モジュール2a及び第2通信・制御モジュール2bの夫々は、装着対象機器1の入出力部9と接続されるモジュール入出力部10と、演算処理機能を有する制御手段11と、自己及び他の通信・制御モジュール2との間で電磁波式の無線通信により電磁波式通信情報を送受信自在な無線通信手段12と、通信・制御モジュール2の作動について電力を供給する電源部13とを備えている。
【0036】
第2通信・制御モジュール2bは、さらに、電池13aから電力の供給を受けることが可能であるとともに、何らかのイベント発生時にそのイベントに起因して発電を行う発電手段13bから電力を受けて動作可能な第2通信・制御モジュール2baと、発電手段から電力の供給を受けることなく、電池13aのみで駆動する第2通信・制御モジュール2bbとの2種のモジュールから構成されている。図2に示す例では、ガスコンロ3に装着される第2通信・制御モジュール2baは、当該モジュールに備えられる電池13a若しくはガスコンロ3に備えられる発電手段13bから電力の供給を受けることが可能とされており、利用状況表示器4、ガス・火災警報器6に装着される第2通信・制御モジュール2bbは電池13aのみで動作する構成が採用されている。
(電源部13)
図2からも判明するように、第1通信・制御モジュール2aは、常時通電される装着対象機器(換気扇5)に装着されており、外部電源方式として電源部13により常時通電自在に構成されている。
第2通信・制御モジュール2bは、原則として電池駆動式に構成されている。
従って、第2通信・制御モジュール2bは、電源部13に電池13aを備えており、図2に示す例では、利用状況表示器4、ガス・火災警報器6は、電池13aから供給される電力のみにより動作する。
一方、ガスコンロ3に装着されている第2通信・制御モジュール2baは、ガスコンロ3に備えられる発電手段13bから電力の供給をも受けることが可能とされている。この発電手段13bは装着対象機器の動作(イベント)に連動して発電するものであり、具体的には、ガスコンロ3の燃焼部3aの近傍に熱発電素子を備え、ガスコンロ3が点火操作され、燃焼部3aに火炎3bが形成されている状態で、その火炎3bにより発生する熱により発電を行うように構成されている。この発電手段13bで発生される電力は、ガスコンロ3がOFF状態からON操作された場合のイベント発生送信に使用されるとともに、ON状態にある場合の定期送信に使用される。一方、OFF状態では、電池13bから供給される電力が定期送信に使用される。
【0037】
(制御手段)
制御手段11は、所定の演算処理が可能なマイクロコンピュータから構成されており、図2に示すように、識別情報記憶手段m1、機器情報取得手段m2、連係制御手段m3、通信制御手段m4、送信順序決定手段m5を備えて構成されている。
【0038】
(識別情報記憶手段)
識別情報記憶手段m1は、通信・制御モジュール2間で、自己を他者と区別する識別情報を記憶する記憶手段であり、この識別情報が、装着された装着対象機器1のシステム内における機能に応じた識別情報として設定可能に構成されている。
例えば、図1に示すように、システムが、ガスコンロ3、利用状況表示器4、換気扇5、ガス・火災警報器6から構成される場合、ガスコンロ3に装着される通信・制御モジュール2の識別情報が「a」、利用状況表示器4に装着される通信・制御モジュール2の識別情報が「b」、換気扇5に装着される通信・制御モジュール2の識別情報が「c」、ガス・火災警報器6に装着される通信・制御モジュール2の識別情報が「d」と設定可能となっている。
【0039】
(機器情報取得手段)
機器情報取得手段m2は、モジュール入出力部10を介して、検出情報である装着対象機器1から出力情報を受けて装着対象機器1の作動状況を示す機器情報を取得する。ここで、機器情報としては、装着対象機器1により検出される検出情報、装着対象機器1の状態を表す運転状態情報(装着対象機器状態情報に相当する)が含まれる。運転状態情報には、機器が運転状態にあるか否かの情報の他、運転スイッチがON操作され、運転開始指令を受け付けたか否かの情報を含む。
【0040】
具体的に説明すると、機器情報には、装着対象機器1がガスコンロである場合、ガスコンロ3がON操作されているかどうかの運転状態情報が含まれる。装着対象機器1が利用状況表示器4である場合、表示ONとする運転がされているかどうかの運転状態情報が含まれる。装着対象機器1が換気扇5である場合、実際に運転されているかどうかの運転状態情報が含まれる。装着対象機器1がガス・火災警報器6である場合、その正常監視状態情報、電源異常情報、不完全燃焼警報情報、ガス漏れ警報情報、火災警報情報が含まれる。
従って、機器情報取得手段m2では、装着対象機器1がON操作されたか、運転状態にあるか否かが認識されているとともに、装着対象機器1がガス・火災警報器6である場合は、ガス・火災警報器6から出力される警報が、その警報の種類を含めて取得されている。
【0041】
装着対象機器1がガス・火災警報器6である場合、リレー機構部14の接点情報を火災警報の認識に使用する構成が採用されており、リレー機構部14の接点状態に従って、例えば、一方の状態で、火災警報をガス・火災警報器6から火災警報が発生されたことを認識し、他方の状態では、火災警報は発生されていないと認識する。
【0042】
(連係制御手段)
連係制御手段m3は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて装着対象機器1を制御する。この制御について、連係制御手段m3は、他の装着対象機器1の機器情報に対して連係された自己の装着対象機器1に行わせる連係動作を設定可能に構成されている。そして、連係制御手段m3は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、自己の装着対象機器1に連係動作を行わせる連係制御を実行するように構成されている。
【0043】
連係制御について説明すると、例えば、図3に示すようにガスコンロ3がON操作されているとの機器情報を取得したときには、利用状況表示器4では、利用状況の表示をONさせる連係動作を行わせ、換気扇5では、運転開始させる連係動作を行わせる。また、ガスコンロ3では、換気扇5が運転されている運転状態で、ガス・火災警報器6が正常監視状態にあり、同時に、不完全燃焼、ガス漏れ、火災の全てを検出していない正常状態にあるという条件を満たされた場合は、ガスコンロ3の運転を許容させる連係動作を行わせる。一方、その条件が満たされない場合は、ガスコンロ3の運転を許容することはない。
【0044】
連係制御手段m3に連動する形態で、通信・制御モジュール2には、リレー機構部14が設けられており、このリレー機構部14が、その接点の状態に従って、装着対象機器1の運転状態を決定するように構成されている。具体的に説明すると、装着対象機器1がガスコンロ3である場合、リレー機構部14の接点状態に従って、一方の状態(例えば閉状態)で、燃焼停止制御を実行する。他方の状態では、ガスコンロ3の運転は、ガスコンロ3自体に対する操作状態に従う。
そして、装着対象機器1が利用状況表示器4である場合には、リレー機構部14の接点状態に従って、一方の状態(例えば閉状態)で、運転開始制御を実行する。この運転開始制御は、利用状況表示のONに相当する。他方の状態では、運転停止制御を実行する。この運転開始制御は、利用状況表示のOFFに相当する。
また、装着対象機器1が換気扇5である場合も、リレー機構部14の接点状態に従って、一方の状態(例えば閉状態)で、運転開始制御を実行する。この運転開始制御は、換気扇5のON操作に相当する。他方の状態では、運転停止制御を実行する。
【0045】
(無線通信手段)
無線通信手段12は、電磁波式の無線通信により電磁波式通信情報を送信自在な送信手段15と電磁波式の無線通信により電磁波式通信情報を受信自在な受信手段16とを備えて構成されている。
送信手段12は、識別情報記憶手段m1に記憶された識別情報と機器情報取得手段m2にて取得される自己の装着対象機器1の機器情報とを含む電磁波式通信情報を送信可能に構成されており、通信制御手段m4からの送信制御に従って、電磁波式通信情報を送信する。その送信形態は、所謂、ブロードキャストと呼ばれる送信形態であり、自己及び他の通信・制御モジュール2に備えられる受信手段16の夫々に、電磁波式通信情報を送信する。
【0046】
本願に係る機器制御システムでは、通信は全装着対象機器を対象として定期的に実行する定期通信と、特定の装着対象機器を対象としてイベント発生時に行うイベント発生通信の両形態が採用される。
(通信制御手段)
通信制御手段m4は、機器情報取得手段m2にて機器情報を取得すると、電源部13から電力供給を開始することで自己の送信手段15により電磁波式通信情報を通信自在となっており、自己の送信手段15による送信(例えば送信タイミング等)を制御する。
定期通信
定期的な通信においては、機器制御システムを構成する全ての通信・制御モジュール2間での送信に送信順が設定されており、その設定された送信順に従って、定期通信制御手段m4aは、自己の送信手段15による送信を制御する。
つまり、受信手段16にて受信される受信情報の中には、送信を行った通信・制御モジュール2の識別情報が含まれているので、この受信情報を受け取ることで、自己の送信順が到来しているか否かを判断する。そして、通信制御手段m4は、受信手段16にて受信される受信情報に基づいて、自己の送信順が到来しているか否かを判断し、送信順が到来していると判断すれば、送信手段15による送信が促され、送信順が到来していないと判断すれば、送信手段15による送信を禁止する。このように構成することで、予め設定された送信順に従って、識別情報及び自己の装着対象機器1の機器情報を含む電磁波式通信情報を、自己及び他の通信・制御モジュール2に備えられる受信手段16に送信することができる。
イベント発生通信
イベント発生通信においては、機器情報取得手段m2にて機器情報を取得すると、電源部13から電力供給を開始することで自己の送信手段15により電磁波式通信情報を通信自在となっており、自己の送信手段15による送信(例えば送信タイミング等)を制御する。本実施形態では、ガスコンロ3を装着対象機器とする第2通信・制御モジュール2baにのみ、このイベント通信制御手段m4bが備えられている。
このイベント発生時の通信は、イベントが発生した装着対象機器に備えられる第2通信・制御モジュール2baから、常時給電状態にあり、電磁波式の無線通信の受信が常時可能な第1通信・制御モジュール2aに、機器制御システムの起動情報及びそのイベントが発生した機器情報を送信すべく、イベント通信制御手段m4bは、自己の送信手段15による送信を制御する。
このように構成することで、イベントが発生した装着対象機器に備えられる通信・制御モジュールからシステムの起動情報を送ることが可能となる。
【0047】
(送信順序決定手段)
送信順序決定手段m5は、機器制御システムを構成する装着対象機器1の数及び種類に従って、複数の通信・制御モジュール2間における送信順を決定する。この機器制御システムでは、システムを構成する装着対象機器1が、システムの構築時(例えば、特定の住宅に設置する時)に、その数及びその種類の点で決定する。そこで、システムを構築する段階で、各通信・制御モジュール2毎に、その送信順を決定する。例えば、上記の識別情報におけるアルファベット順を、そのまま送信順として決定する。
また、送信順については、例えば、外部入力として受け付ける送信順受付手段を備え、この送信順受付手段により受け付けられる送信順を自動的に送信順序決定手段m5が送信順とするものとしてもよい。
【0048】
〔計測・スイッチングモジュール〕
計測・スイッチングモジュール7は、通信・制御モジュール2が装着される装着対象機器1(換気扇5)の運転状態を表す運転状態情報を出力するとともに、その装着対象機器1(換気扇5)の運転・停止を制御するスイッチ機構部17を備えて構成されている。
【0049】
計測・スイッチングモジュール7は、装着対象機器1に電力を供給する電力線18に取り付け可能な機器であり、この電力線18を流れる電流検出部19と、その電力線18を接続・切断するスイッチ機構部17とを備えて構成されている。そして、電流検出部19で所定の電流値以上の電流が流れている状態を検出した場合には、装着対象機器1(換気扇5)が実際に運転されていると判断することができ、流れていない場合は、装着対象機器1(換気扇5)が停止しているままと判断することができる。また、スイッチ機構部17は、上述のリレー機構部14の状態に従って、スイッチ動作される。
【0050】
計測・スイッチングモジュール7は、連係制御手段m3により装着対象機器1を運転開始制御した際に、その装着対象機器1が実際に運転されているか否かを確認するために用いられている。つまり、換気扇5に通信・制御モジュール2が装着されている構成において、この通信・制御モジュール2の連係制御手段m3から換気扇5に運転開始制御(ON制御)が出力されると、同時に、この機器情報取得手段m2には、計測・スイッチングモジュール7の電流検出部19からの出力情報が取り込まれる。そして、機器情報取得手段m2は、所定値以上の電流が流れている場合に、換気扇5の運転を確認、認識する。一方、電流が流れていない場合に、換気扇5がなんらかの事情により運転されていないことを確認、認識する。このように、計測・スイッチングモジュール7の電流検出部19は、装着対象機器1が実際に運転されているか、否かを確認するための情報を、通信・制御モジュール2とは別に、電力線18を流れる電流に関係する情報として出力する。
【0051】
この機器制御システムの動作について説明する。
この機器制御システムは、図1に示すように、ガスコンロ3、利用状況表示器4、換気扇5、ガス・火災警報器6から構成され、その識別情報は、記載順にa,b,c,dと設定されている。さらに、先に説明した送信手段15の送信順は、図3に示すように、識別情報のa,b,c,d順と設定されている。
【0052】
図3では、通信・制御モジュール2内には、リレー機構部14を、モジュール内に接点として図示している。このリレー機構部14は、ガス・火災警報器6を除いて、連係制御手段m3の制御に対応して、その接点状態が決まる。ガス・火災警報器6に関しては、ガス・火災警報器6が火災警報を発報する状態で、リレー機構部14の接点が閉となる構造とされ、機器情報取得手段m2側で、火災警報の発報が認識される。
【0053】
各装着対象機器1内におけるリレー機構部14の接点と、装着対象機器1に対する制御に関しては、以下のとおりである。
装着対象機器1がガスコンロ3の場合、リレー機構部14の接点が閉となると、ガスコンロ3を緊急停止する。接点が開の状態では、ガスコンロ3に対する操作をそのまま許容する。装着対象機器1が利用状況表示器4の場合、リレー機構部14の接点が閉となると、利用状況の表示をON制御し、接点が開の状態では、利用状況の表示をOFF制御する。装着対象機器1が換気扇5の場合、リレー機構部14の接点が閉となると、換気扇5に対して運転制御指令が発せられる。接点が開の状態では、換気扇5を停止させる。
【0054】
一方、ガスコンロ3、ガス・火災警報器6に関して、装着対象機器1内から通信・制御モジュール2への入力情報を一対の信号線20で、リレー機構部14の右側に示している。これらは、機器情報取得手段m2により取得される機器情報の例を示しており、装着対象機器1、それぞれの態様は以下のとおりである。
装着対象機器1がガスコンロ3の場合、接点閉は、ガスコンロ3がON操作されたことを意味する。これは単なる例示であって、運転状態、停止状態を取得できる情報となっていてもよい。接点開では、ガスコンロ3がON操作を待っていることを意味する。装着対象機器1がガス・火災警報器6の場合、一対の信号線20間の電位差に従って、正常監視状態情報、電源異常情報、不完全燃焼警報情報、ガス漏れ警報情報が、識別取得されることを示している。
【0055】
図3及び図4のフローチャートに基づいて、連係制御について説明する。
上述の如く、各通信・制御モジュール2における連係制御手段m3は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、他の装着対象機器1の機器情報に対して連係された自己の装着対象機器1に行わせる連係動作を行わせる連係制御を実行する。
【0056】
そして、連係制御として、例えば、ガスコンロ3がON状態にあるとの機器情報を取得したときには、利用状況表示器4では、利用状況の表示をON維持する連係動作を行わせ、換気扇5では、運転維持する連係動作を行わせる。そして、ガスコンロ3では、換気扇5が運転されている運転状態で、ガス・火災警報器6が正常監視状態にあり、同時に、不完全燃焼、ガス漏れ、火災の全てを検出していない正常状態にあるという条件を満たされた場合は、ガスコンロ3の運転維持を許容する連係動作を行わせる。一方、その条件が満たされない場合は、ガスコンロ3の運転を許容することはない。
【0057】
また、例えば、ガス・火災警報器6にて火災が検出されたとの機器情報を取得したときには、利用状況表示器4では、利用状況の表示をONさせる連係動作を行わせ、換気扇5及びガスコンロ3では、強制的に運転停止させる連係動作を行わせる。
さらに、例えば、ガス・火災警報器6にて不完全燃焼が検出されたとの機器情報を取得したときには、利用状況表示器4では、利用状況の表示をONさせる連係動作を行わせ、ガスコンロ3では、強制的に運転停止させる連係動作を行わせる。換気扇5では、運転開始させる連係動作を行わせる。
【0058】
図4では、ガスコンロ3がON操作されているとの機器情報を取得したときの連係制御の動作を示している。
ガスコンロ3がON状態にあると、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baでは、機器情報取得手段m2が、ガスコンロ3がON状態にあるとの機器情報を取得するので、通信制御手段m4が、自己の送信順(a)が到来するに伴って、ガスコンロ3がON状態にあるとの機器情報(ON状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する(ステップ#1)。この機器情報(ON状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報は、他の通信・制御モジュール2a、2bの夫々における受信手段16にて受信される。
【0059】
利用状況表示器4に装着された第2通信・制御モジュール2bbでは、受信手段16にて機器情報(ON状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信するので、連係制御手段m3が、その受信情報に基づいて、利用状況の表示をON維持する連係動作を行わせる利用状況表示ON制御を維持する(ステップ#2)。そして、通信制御手段m4が、自己の送信順(b)が到来するに伴って、利用状況表示ON制御を維持したとの機器情報(表示ON情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する(ステップ#3)。
【0060】
換気扇5に装着された第1通信・制御モジュール2aでは、受信手段16にて機器情報(ON状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信するので、連係制御手段m3が、その受信情報に基づいて、運転を維持する連係動作を行わせる換気扇運転開始制御を行う(ステップ#4)。そして、機器情報取得手段m2が、計測・スイッチングモジュール7の電流検出部19にて検出している電流値に基づいて、実際に換気扇5が運転されていることを確認し、換気扇5が実際に運転している又は実際には運転していないとの機器情報を取得する(ステップ#5)。また、通信制御手段m4が、自己の送信順(c)が到来するに伴って、換気扇5が実際に運転している又は実際には運転していないとの機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する(ステップ#6)。
【0061】
ガス・火災警報器6に装着された第2通信・制御モジュール2bbでは、受信手段16にて機器情報(ON状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信するので、機器情報取得手段m2が、ガス・火災警報器6が正常監視状態にあり、同時に、不完全燃焼、ガス漏れ、火災の全てを検出していない正常状態にあるか否かという機器情報を取得する(ステップ#7)。そして、通信制御手段m4が、自己の送信順(d)が到来するに伴って、ガス・火災警報器6が正常状態にあるか否かという機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する(ステップ#8)。
【0062】
このように、各通信・制御モジュール2から送信順に従って電磁波式通信情報が送信されると、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baでは、受信手段16にて各通信・制御モジュール2から送信される電磁波式通信情報を受信するので、連係制御手段m3が、換気扇5が運転されている運転状態で、ガス・火災警報器6が正常監視状態にあり、同時に、不完全燃焼、ガス漏れ、火災の全てを検出していない正常状態にあるという条件を満たしているか否かを判別して、満たしていれば、ガスコンロ3の運転を維持許容してガスコンロ3の運転を維持する(ステップ#9、#10)。
【0063】
そして、ガスコンロ3の運転が維持される状態から、ガスコンロ3のOFF操作がされると、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baでは、ガスコンロ3がOFF操作されたとの機器情報(OFF状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する。この機器情報(OFF状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報の送信により、他の通信・制御モジュール2の夫々における受信手段16にて機器情報(OFF状態情報)と識別情報とを含む電磁波式通信情報が受信される。利用状況表示器4に装着された第2通信・制御モジュール2bbでは、連係制御手段m3が、受信手段16の受信情報に基づいて、利用状況の表示をOFFさせる。換気扇5に装着された第1通信・制御モジュール2aでは、連係制御手段m3が、受信手段16の受信情報に基づいて、換気扇5を運転停止させる。このようにして、ガスコンロ3のOFF操作により、利用状況表示器4の表示をOFFさせるとともに、換気扇5も運転停止させて、ガスコンロ3がON操作されたときの連係制御を終了する。
【0064】
上述の連係制御を行うためには、各通信・制御モジュール2の間で電磁波式通信情報を送受信するので、各通信・制御モジュール2における受信手段16を、電磁波式通信情報を受信可能な受信可能状態にしておくことが必要となる。しかしながら、通信・制御モジュール2の全てにおいて、受信手段16を受信可能状態に常時維持しておくと、通信・制御モジュール2の全ての受信手段16に対して通電を常時行わなければならず、消費電力が増えることになる。
【0065】
そこで、本発明に係る機器制御システムでは、連係制御を終了した後に、第2通信・制御モジュール2bの受信手段16に対する通電を停止することにより、消費電力の低減を図り、連係制御を開始するときに、第2通信・制御モジュール2bの受信手段16に対する通電を開始するための独特の構成を採用している。以下、本発明に係る機器制御システムにおける独特の構成について説明する。
【0066】
まず、第1通信・制御モジュール2a及び第2通信・制御モジュール2bの夫々において、通信制御手段m4は、機器情報取得手段m2にて機器情報としての連係制御開始用の機器情報を取得すると、起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信自在に構成されている。ここで、連係制御開始用の機器情報とは、連係制御手段m3が連係制御を開始するための機器情報であり、例えば、ガスコンロ3がON操作された(本願におけるイベントの一種)との機器情報や、ガス・火災警報器6にて火災又は不完全燃焼が検出されたとの機器情報である。これにより、通信・制御モジュール2にて連係制御開始用の機器情報を取得すると、その通信・制御モジュール2の送信手段15により起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報が送信される。
この送信手段15により起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報の送信には、通信・制御モジュール2により異なった電源が使用される。これまでも説明してきたように、第1通信・制御モジュール2aでは別電源から常時通電されている電力が使用される。ガスコンロ3に装着されている第2通信・制御モジュール2baでは、発電手段13bが発電している状態ではその電力が使用され、イベントが発生していない状態では電池13aからの電力が使用される。利用状況表示器4、ガス・火災警報器6に装着されている第2通信・制御モジュール2bbでは電池13aから供給される電力のみが使用される。
【0067】
さらに詳細に説明すると、第1通信・制御モジュール2aは、通電により電磁波式通信情報を送・受信可能とする送・受信可能状態に送信手段15、受信手段16が常時維持されている。
それに対して、第2通信・制御モジュール2bは、電磁波式通信情報の送・受信を実行する送信手段15及び受信手段16とが、基本的に送・受信が必要な時点のみ働くように構成されている。即ち、送信手段15は送信可能状態と通電停止により電磁波式通信情報を送信不可とする待機状態とに切換自在に構成され、受信手段16も受信可能状態と通電停止により電磁波式通信情報を受信不可とする待機状態とに切換自在に構成されている。
また、図2に示すように、起動情報通信手段21が、第1通信・制御モジュール2aのみに備えられており、切換手段22及び別方式受信手段23が、第2通信・制御モジュール2b(2ba,2bb)のみに備えられている。
【0068】
(起動情報通信手段)
起動情報通信手段21は、連係制御開始用の機器情報を取得したとの起動用入力情報を入力自在で、且つ、その起動用入力情報が入力されると、別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信自在に構成されている。そして、起動情報通信手段21は、送信手段15により送信される電磁波式通信情報を常時受信可能で、且つ、起動情報を含む電磁波式通信情報を受信すると、起動用入力情報が入力されたと判別して、起動用別方式通信情報を送信する。ちなみに、この実施形態では、起動情報通信手段21が第1通信・制御モジュール2aに備えられているので、第1通信・制御モジュール2aの機器情報取得手段m2が連係制御開始用の機器情報を取得すると、起動情報通信手段21は、その機器情報取得手段m2から起動用入力情報の入力を受けることになる。
【0069】
第1通信・制御モジュール2aは、通電により受信手段16が受信可能状態に常時維持されているので、起動情報通信手段21において電磁波式通信情報を受信する受信手段部が自己の受信手段16で兼用されている。さらに、第1通信・制御モジュール2aには、起動情報通信手段21として、別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信自在な別方式送信手段のみが備えられている。ここで、例えば、起動情報通信手段21の周囲に光や音の発信源がある場合には、起動情報通信手段21が、起動用別方式通信情報を送信する際に、その発信源から発信される光や音と区別できるように変調させて、別方式送信手段として起動用別方式通信情報を送信するように構成されている。
【0070】
そして、上述の如く、起動用の機器情報を取得した通信・制御モジュール2では、通信制御手段m4が、起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する。これにより、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、起動情報通信手段21は、送信手段15により送信される起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信することになり、その受信に伴って別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信する。
【0071】
(別方式受信手段)
別方式受信手段23は、受信手段16よりも小さい通電量の通電により電磁波式とは異なる別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)により送信される別方式通信情報を受信可能に常時維持される。これにより、別方式受信手段23には、常時通電されることになるが、その通電量は受信手段16よりも小さいので、消費電力の低減を図ることができる。そして、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、起動情報通信手段21は、別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信するので、その起動用別方式通信情報を別方式受信手段23にて受信することができる。
【0072】
(切換手段)
切換手段22は、連係制御手段m3による連係制御の終了後に電磁波式の通信を行う受信手段16を待機状態に切り換え且つ起動条件が満たされると受信手段16を受信可能状態に切り換える。これにより、連係制御手段m3による連係制御が終了されると、受信手段16への通電を停止して待機状態に切り換えることができ、消費電力の低減を図ることができる。そして、起動条件が満たされることにより、受信手段16への通電を開始して受信可能状態に切り換えることができるので、連係制御を開始するときには、受信手段16が電磁波式通信情報を受信することができることになる。
【0073】
また、切換手段22は、起動条件が満たされると、受信手段16を受信可能状態に切り換えるのであるが、起動情報通信手段21にて送信される起動用別方式通信情報を別方式受信手段23にて受信すると、起動条件が満たされたと判別して、受信手段16を受信可能状態に切り換える。つまり、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、起動情報通信手段21が起動用別方式通信情報を送信し、その起動用別方式通信情報を別方式受信手段23にて受信することになるので、起動条件が満たされたと判別して、受信手段16を受信可能状態に切り換える。その結果、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、第2通信・制御モジュール2bの受信手段16を受信可能状態に切り換えることができる。
【0074】
第2通信・制御モジュール2bの受信手段16を受信可能状態に切り換える際の動作について説明する。
【0075】
上述の如く、第2通信・制御モジュール2bには、切換手段22及び別方式受信手段23が備えられており、切換手段22にて受信手段16を待機状態に切り換えることで、消費電力の低減を図ることができる。切換手段22にて受信手段16を待機状態に切り換えると、電磁波式通信情報を受信不可となるが、別方式受信手段23にて別方式通信情報を常時受信することができる。そこで、本発明では、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、その連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信し、第1通信・制御モジュール2aに備えられる起動情報通信手段21にてその電磁波式通信情報を電磁波式以外の起動用別方式通信情報に変換して送信し、第2通信・制御モジュール2bに備えられる別方式受信手段23にて起動用別方式通信情報を受信することで、受信手段16を受信可能状態に切り換えている。これにより、通信・制御モジュール2の何れかにおいて連係制御開始用の機器情報が取得されると、各第2通信・制御モジュール2bの受信手段16を受信可能状態に切り換えて、各通信・制御モジュール2の間で電磁波式通信情報を送受信自在として、上述の連係制御を行うようにしている。
【0076】
そして、各第2通信・制御モジュール2bでは、別方式受信手段23にて起動用別方式通信情報を受信することで、電磁波式の受信手段16を受信可能状態に切り換えているが、何らかの要因により、別方式受信手段23にて起動用別方式通信情報を受信できていない場合もある。
そこで、起動情報通信手段21は、起動用別通信情報を送信した後、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2bが存在するか否かを判別し、存在すると判別すると、再度、起動用別方式通信情報を送信自在に構成されている。
【0077】
つまり、第2通信・制御モジュール2bの夫々における受信手段16が受信可能状態に切り換えられていると、第2通信・制御モジュール2bの夫々における受信手段16にて電磁波式通信情報を受信できるので、通信制御手段m4は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、自己の送信順が到来していると判別すると、送信手段15により電磁波式通信情報を送信する。よって、第1通信・制御モジュール2aの受信手段16には、送信順に従って、第2通信・制御モジュール2bの夫々における送信手段15から送信される電磁波式通信情報を受信することになるので、起動情報通信手段21は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、第2通信・制御モジュール2bの夫々から送信順に従って電磁波式通信情報を受信できていないと、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2bが存在すると判別することができる。これにより、起動情報通信手段21は、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2bが存在すると判別すると、再度、起動用別方式通信情報を送信する。
【0078】
上述の如く、全ての通信・制御モジュール2について受信手段16を受信可能状態に切り換えても、連係制御を行うためには、各通信・制御モジュール2から送信順に従って電磁波式通信情報を送信する必要がある。そこで、連係制御開始用の機器情報を取得した通信・制御モジュール2では、通信制御手段m4が、起動情報を含む電磁波式通信情報を送信した後に、送信順にかかわらず、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信自在に構成されている。これにより、連係制御開始用の機器情報を取得した通信・制御モジュール2以外の通信・制御モジュール2では、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16に受信できる。よって、通信制御手段m4は、受信手段16に受信する受信情報に基づいて、自己の送信順が到来しているか否かを判別することができ、送信順に従って電磁波式通信情報を送信手段15にて送信することができる。従って、全ての通信・制御モジュール2において送信順に従って電磁波式通信情報を送信することができることとなって、連係制御を行うことができる。
【0079】
第2通信・制御モジュール2bの受信手段16を待機状態に切り換える際の動作について説明する。
第1通信・制御モジュール2aの通信制御手段m4は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、連係制御手段m3による連係制御が終了したか否かを判別しており、終了したと判別した後に、待機情報を含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信自在に構成されている。つまり、第1通信・制御モジュール2aの受信手段16は、他の通信・制御モジュール2から送信される電磁波式通信情報を送信順に従って受信しているので、通信制御手段m4は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、連係制御手段m3による連係制御が終了したか否かを判別することができる。具体的には、各通信・制御モジュール2では、連係制御が終了すると、その終了に伴う機器情報(例えば、ガスコンロ3のOFF操作を示す機器情報)を取得するので、その機器情報を含む電磁波式通信情報を送信することになる。よって、第1通信・制御モジュール2aの受信手段16は、連係制御終了に伴う機器情報(例えば、ガスコンロ3のOFF操作を示す機器情報)を含む電磁波式通信情報を受信するので、通信制御手段m4は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、連係制御手段m3による連係制御が終了したか否かを判別することができる。そして、通信制御手段m4は、連係制御手段m3による連係制御が終了したと判別した後に、設定時間が経過すると、待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する。
【0080】
第2通信・制御モジュール2bでは、切換手段22が、連係制御手段m3による連係制御の終了後に受信手段16を待機状態に切り換えるのであるが、待機情報を含む電磁波式通信情報を受信手段16にて受信すると、受信手段16を待機状態に切り換える。つまり、連係制御が終了した後に、第1通信・制御モジュール2aから待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報が送信されるので、受信手段16がその待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信することになり、切換手段22が、連係制御が終了したとして、受信手段16を待機状態に切り換えている。
【0081】
図5及び図6では、ガスコンロ3がON操作されたとの連係制御開始用の機器情報を取得したときの動作を示している。
ガスコンロ3がON操作されると(ステップ#100)、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baでは、機器情報取得手段m2が、イベントの発生に伴う連係制御開始用の機器情報を取得し(ステップ#101)、通信制御手段m4が、送信手段15により起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信する(ステップ#102)。この送信動作においては、イベント通信制御手段m4bが働き、発電手段13bの電力を使用して送信手段15による送信を制御する。
一方、第1通信・制御モジュール2aでは、受信手段16が受信可能状態に常時維持されているので、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baから送信された起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16にて受信する。そこで、起動情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16にて受信すると、起動情報通信手段21が、起動用入力情報が入力されたと判別して、別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて起動用別方式通信情報を送信する(ステップ#103)。
【0082】
利用状況表示器4に装着された第2通信・制御モジュール2bb及びガス・火災警報器6に装着された第2通信・制御モジュール2bbでは、起動情報通信手段21から送信された起動用別方式通信情報を別方式受信手段23にて受信する。そこで、切換手段22が、別方式受信手段23にて起動用別方式通信情報を受信すると、受信手段16を受信可能状態に切り換える(ステップ#104)。
【0083】
次に、ガスコンロ3に装着された第2通信・制御モジュール2baでは、通信制御手段m4が、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信する(ステップ#105)。この送信動作においては、定期通信制御手段m4aが働き、発電手段13bの電力を使用して送信手段15による送信を制御する。これにより、第2通信・制御モジュール2bbでは、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていると、連係制御開始用の機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16に受信することになり、通信制御手段m4が、送信順に従って機器情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信することになる。よって、第1通信・制御モジュール2aに備えられた起動情報通信手段21は、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2b(2ba,2bb)が存在するか否かにより電磁波式の無線通信のネットワークが確立されているか否かの判別を行う(ステップ#106)。そして、起動情報通信手段21は、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2b(2ba,2bb)が存在するとして、電磁波式の無線通信のネットワークが確立されていないと判別すると、再度、起動用別方式通信情報を送信する(ステップ#107)。起動情報通信手段21が、受信手段16が受信可能状態に切り換えられていない第2通信・制御モジュール2b(2ba,2bb)が存在しないとして、電磁波式の無線通信のネットワークが確立されていると判別すると、図3及び図4にて説明した連係制御が行われる(ステップ#108)。
【0084】
第1通信・制御モジュール2aでは、受信手段16にて受信する受信情報に基づいて、連係制御手段m3による連係制御が終了したか否かを判別しており(ステップ#109)、終了したと判別した後に、設定時間が経過すると、待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信する(ステップ#110)。これにより、第2通信・制御モジュール2b(2ba,2bb)では、待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16にて受信する。そこで、切換手段22が、待機情報と識別情報とを含む電磁波式通信情報を受信手段16にて受信すると、受信手段16を待機状態に切り換える(ステップ#111)。
【0085】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、別方式の無線通信にて送信される情報を常時受信可能で、且つ、起動情報通信手段21により送信される起動用別方式通信情報を受信すると、その起動用別方式通信情報を中継して第2通信・制御モジュール2bに対して送信自在な起動情報中継通信手段を備えることもできる。この起動情報中継通信手段を備えることにより、起動情報通信手段21により送信される起動用別方式通信情報を、起動情報中継手段により中継しながら、第2通信・制御モジュール2bに対して送信することができる。これにより、起動情報通信手段21と第2通信・制御モジュール2bとが離れた位置に配置されていても、起動情報通信手段21により送信される起動用別方式通信情報を的確に第2通信・制御モジュール2bに伝達させることができる。
【0086】
(2)上記実施形態では、第1通信・制御モジュール2aを1つ備えた例を示したが、第1通信・制御モジュール2aを複数備えて実施することも可能であり、第1通信・制御モジュール2a及び第2通信・制御モジュール2bの数については適宜変更が可能である。
また、上記実施形態では、起動情報通信手段21を第1通信・制御モジュール2aに備えているが、第1通信・制御モジュール2aとは別に、起動情報通信手段21を設置するようにしてもよい。この場合、起動情報通信手段21に対して常時通電することで、起動情報通信手段21が電磁波式通信情報を受信可能状態に常時維持される。
【0087】
(3)上記実施形態において、ガス燃焼機器として、図1の点線にて示すように、ガス給湯器及びガスファンヒータを備えることもできる。この場合、ガス給湯器及びガスファンヒータに第2通信・制御モジュール2bを装着させて実施することができる。
【0088】
(4)上記実施形態では、第1通信・制御モジュール2aの通信制御手段m4が、連係制御が終了したと判別した後に、待機情報を含む電磁波式通信情報を送信手段15により送信することにより、待機情報の伝達を電磁波式の無線通信にて行っているが、例えば、待機情報の伝達を別方式の無線通信(例えば、光学式又は音波式の無線通信)にて行うことも可能である。
この場合、例えば、第1通信・制御モジュール2aの通信制御手段m4が、連係制御が終了したと判別した後に、起動情報通信手段21により待機用別方式通信情報を送信し、切換手段22が、起動情報通信手段21から送信された待機用別方式通信情報を別方式受信手段23にて受信すると、受信手段16を待機状態に切り換えるように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、複数の機器と、各機器に対して装備された複数の通信・制御モジュールとが備えられ、前記通信・制御モジュールは、各機器の作動状況を示す機器情報を取得自在に構成され、前記機器情報と自己を他者と区別する識別情報とを含む電磁波式通信情報を電磁波式の無線通信により送信自在な送信手段および受信自在な受信手段と、その受信手段にて受信する受信情報に基づいて、他の機器の前記機器情報に対して連係された連係動作を機器に行わせる連係制御を実行する連係制御手段とが備えられ、連係制御を適正に行うことができながら、省電力化を図ることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 機器
2 通信・制御モジュール
2a 第1通信・制御モジュール
2b 第2通信・制御モジュール
3 ガス燃焼機器(ガスコンロ)
5 換気扇
15 送信手段
16 受信手段
21 起動情報通信手段
22 切換手段
23 別方式受信手段
m3 連係制御手段
m4 通信制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機器と、各機器に対して装備された複数の通信・制御モジュールとが備えられ、
前記通信・制御モジュールは、各機器の作動状況を示す機器情報を取得自在に構成され、前記機器情報と自己を他者と区別する識別情報とを含む電磁波式通信情報を電磁波式の無線通信により送信自在な送信手段および受信自在な受信手段と、その受信手段にて受信する受信情報に基づいて、他の機器の前記機器情報に対して連係された連係動作を装着対象機器に行わせる連係制御を実行する連係制御手段とが備えられている機器制御システムであって、
前記複数の通信・制御モジュールは、
通電により前記電磁波式通信情報を送・受信可能とする送・受信可能状態に前記送信手段及び前記受信手段が常時維持される第1通信・制御モジュールと、
通電状態で前記送信手段が送信情報を送信可能な送信可能状態と、非通電状態で前記送信手段が前記送信情報を送信できない待機状態との間で、前記送信手段を切換自在な第2通信・制御モジュールとから構成され、
前記第2通信・制御モジュールに対する電池と、前記第2通信・制御モジュールの装着対象機器の動作に連動して発電する発電手段とを備え、
前記第2通信・制御モジュールに、電磁波式通信情報の送信の終了後に前記送信手段を前記待機状態に切り換える通信制御手段を備えるとともに、
前記電池から前記送信手段に通電して、前記送信手段より前記識別情報及び前記機器情報を周期的に送信させる定期通信制御手段と、
前記装着対象機器の動作に連動して前記発電手段により発電される電力を、前記送信手段に通電して、前記送信手段より前記電磁波式の無線通信により他の通信・制御モジュールとの通信を確立するための起動情報を送信させるイベント通信制御手段とを備えた機器制御システム。
【請求項2】
前記起動情報の送信により、前記第2通信・制御モジュールと前記第1通信・制御モジュールとの間で通信が確立した状態で、
前記第1通信・制御モジュールから、前記第2通信・制御モジュールに起動情報が送られ、前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール、第1通信・制御モジュール及び前記起動情報を送信した第2通信・制御モジュール以外の第2通信・制御モジュールとの間で通信が確立する請求項1記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記第2通信・制御モジュールに備えられる前記受信手段に関して、
通電により前記受信手段が前記電磁波式通信情報を受信可能な受信可能状態と通電停止により前記電磁波式通信情報を受信不可とする待機状態とに切換自在に構成され、
前記連係制御手段による連係制御の終了後に前記受信手段を前記待機状態に切り換える切換手段と、
前記電磁波式とは異なる別方式の無線通信により送信される別方式通信情報を受信可能に常時維持される別方式受信手段とが備えられ、
前記通信・制御モジュールにて前記機器情報としての連係制御開始用の機器情報を取得したとの起動用入力情報を入力自在で、且つ、その起動用入力情報が入力されると、前記別方式の無線通信にて起動用別方式通信情報を送信自在な起動情報通信手段が備えられ、
前記切換手段は、前記起動情報通信手段により送信される前記起動用別方式通信情報を前記別方式受信手段にて受信すると、起動条件が満たされたと判別して、前記受信手段を前記受信可能状態に切り換える請求項1又は2記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記別方式受信手段が、前記受信手段よりも小さい通電量の通電により前記別方式通信情報を受信可能に常時維持される請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記送信手段を制御する通信制御手段が前記通信・制御モジュールの夫々に備えられ、
前記通信制御手段は、前記受信手段にて受信する受信情報に基づいて、前記複数の通信・制御モジュールの間で設定されている送信順において自己の送信順が到来しているか否かを判別し、その送信順に従って前記機器情報と前記識別情報とを含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成され、且つ、前記起動情報を含む前記電磁波式通信情報を送信した後に、前記送信順にかかわらず、前記連係制御開始用の機器情報と前記識別情報とを含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成されている請求項4に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記第1通信・制御モジュールに備えられて前記送信手段を制御する通信制御手段は、前記受信手段にて受信する受信情報に基づいて、前記連係制御手段による連係制御が終了したか否かを判別し、終了したと判別した後に、待機情報を含む前記電磁波式通信情報を前記送信手段により送信自在に構成され、
前記切換手段は、前記待機情報を含む前記電磁波式通信情報を前記受信手段にて受信すると、前記受信手段を前記待機状態に切り換える請求項3〜5の何れか1項に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記機器として、ガス燃焼機器が含まれており、
前記第2通信・制御モジュールが、前記ガス燃焼機器を装着対象とし、
前記ガス燃焼機器のガス燃焼に伴って発生する火炎により、前記発電手段が発電する請求項1〜6の何れか1項に記載の機器制御システム。
【請求項8】
前記機器として、ガス燃焼機器が含まれており、
前記第2通信・制御モジュールが、前記ガス燃焼機器を装着対象とし、
前記発電手段に発電を行わせる動作が、前記ガス燃焼機器の燃焼開始動作である請求項1〜6の何れか1項に記載の機器制御システム。
【請求項9】
前記別方式の無線通信にて送信される情報を常時受信可能で、且つ、前記起動情報通信手段により送信される前記起動用別方式通信情報を受信すると、その前記起動用別方式通信情報を中継して前記第2通信・制御モジュールに対して送信自在な起動情報中継通信手段が備えられている請求項3〜6の何れか1項に記載の機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−160224(P2011−160224A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20599(P2010−20599)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】