説明

機械的ブレード荷重伝達スリットを備えた航空機ターボエンジンのステータ用シェル

本発明は、それぞれがステータブレード(4)を収容するように設計された複数の貫通開口部(22)を備え、各開口部はブレードの後縁(26)を収容するように設計された第1の端部(25)とブレードの前縁(28)を収容するように設計された第2の端部(27)との間に伸びるスケルトン(32)を形成する、航空機ターボエンジンモジュールのステータのシェル(16a)に関する。本発明によれば、開口部(22)の少なくとも1つは、シェルを貫通しスケルトン(32)の方向に沿って開口部の第1の端部(25)に対向しかつ第1の端部(25)から離間して配置された機械的荷重伝達スリット(36)に関連付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、好ましくは、ターボジェットまたはターボプロップ式の航空機ターボエンジンに関する。
【0002】
特に、本発明は、このようなターボエンジンのモジュールのステータ部に関し、このステータ部は、複数のステータブレードと、ブレードが固定される2つの同心シェルとを備え、これらのシェルはこのターボエンジンを通るコアエンジン流を半径方向に画定し、一方のシェルは内側流を画定し、他方のシェルは外側流を画定する。
【0003】
本発明は、さらに、これらのコアエンジン流を画定するシェルに関する。
【背景技術】
【0004】
外側シェルは、一般的には、円周方向に互いに離間し、通常は金属製のシェルの厚さを貫通する複数の開口部を備え、この外側シェルから半径方向内側に伸びるステータブレードを保持する。
【0005】
各開口部は、ステータブレードの1つのヘッドを収容し、このヘッドは、ブレードヘッドの周囲全体に連続的に広がる関連開口部内の溶接部によって外側シェルに固定される。
【0006】
同様に、内側シェルは、一般的には、円周方向に互いに離間し、シェルを貫通した複数の開口部を備え、この内側シェルから半径方向外側に伸びるステータブレードを保持する。各開口部は、ステータブレードの1つの根元部を収容し、この根元部は、ブレード根元部の周囲全体に連続的に広がる関連開口部内の溶接部によって外側シェルに固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この設計は当業界では一般的であるが、ブレードヘッドの後縁および/またはブレード根元部の後縁に亀裂が頻繁に生じるという不利点がある。
【0008】
ステータブレードの寿命を短くするこの現象は、ブレードヘッドおよび/またはブレード根元部の後縁に非常に高い静荷重が作用するため動的なマージンが小さくなりすぎて亀裂が生じやすくなるというものである。
【0009】
動作時の変形を少なくし、ひいてはブレードヘッドおよび根元部の後縁に加えられる応力を低減するために、シェルを厚くすることで上述の不利点を克服することが提案されている。しかしながら、この解決策は、コスト面と質量面において非常に費用がかかる。
【0010】
また、ブレードを厚くすることが提案されたが、これは必然的にブレード間を通る気流に対する外乱を生じさせ、ターボエンジンの全体性能に必然的にマイナスの結果をもたらす。
【0011】
したがって、本発明の目的は、先行技術の実施形態で生じる上述の問題を少なくとも部分的に克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明の目的は、それぞれがステータブレードを保持するいくつかの貫通開口部を備えた航空機ターボエンジンモジュールのステータ用シェルであり、各開口部はブレードの後縁が嵌合する第1の端部とブレードの前縁が嵌合する第2の端部との間に伸びるスケルトンを画定する。本発明によれば、前記開口部の少なくとも1つにシェルを貫通する機械的荷重伝達スリットが形成され、前記スケルトンの方向に沿って開口部の前記第1の端部に対向しかつ第1の端部から離間して配置される。
【0013】
提案されている本発明により、このような機械的荷重伝達スリットが取り付けられた開口部と協働するブレードの前縁部における静荷重を全体的に低減することができ、動的なマージンができるので、亀裂の発生を確実に遅らせることができる。したがって、動作時のシェルの変形時に、高い荷重領域がスリットの端部に伝達される、すなわち、後縁から離間して、この荷重を容易に支持することができるシェル内に伝達される。
【0014】
この解決策は、質量、コストまたは性能の面で全く不利でないという点で非常に満足できる。また、本発明は、ブレードの寿命を長くし、ひいては、有利には、検査とメンテナンス動作との間の間隔が広げられるということである。
【0015】
当然、要求や制約に応じて、この固有の特徴は全てのステータブレードに適用されてもよいし、またはいくつかの特定のブレードに限定されてもよい。例として、本発明のシェルがセクタ化されている場合、シェルの各セクタの両端の2つのブレードに対してのみこの機械的荷重伝達スリットを関連付けるのが賢明であることがわかった。しかしながら、本発明の範囲から逸脱せずに任意の他の構造も考えられる。
【0016】
機械的荷重伝達スリットの製造は、スリットが開口部と同時に機械加工されうるので、シェル製造プロセスの時間をわずかに延長するだけで済む。さらに、既存のシェルにこのようなスリットを形成することができるのが有利である。
【0017】
最後に、好ましくは、本発明のシェルは、コアエンジン流の半径方向外側シェルに適用可能である、すなわち、動作時にターボエンジンケーシングの変位の影響下で最も大きな変形が生じるステータシェルに適用可能であることに留意されたい。外側シェルの主変形さらには内側シェルのわずかな変形は、直径が後部に向かって大きくなることが特徴であり、全体として円筒形が円錐台形に変形することであることに留意されたい。
【0018】
好ましくは、前記スリットは、曲線にそって開口部に向かって伸び、場合によっては、開口部の一部の周囲に伸びる。
【0019】
好ましくは、前記開口部は、スケルトンの両側に、開口部の前記第1の端部および第2の端部で結合する内輪部と外輪部とを有し、また、前記スリットは、前記第1の端部および第2の端部で結合する内輪部の一部および外輪部の一部に対向してそこから離間して伸びる。スリットは、開口部の後方部からほぼ一定の間隔を置いてその後方部の周囲に伸びることができる。
【0020】
好ましくは、前記スリットは、略U字形またはV字形であり、開口部の前記第1の端部は、U字形またはV字形の凹部の内側に位置して、ブレードの後縁からの荷重伝達を向上させる。
【0021】
好ましくは、前記スリットは、充填材で埋められる。この材料を詰めることで求められる主な機能は、ステータブレードを通過する気流を気密にすることであり、さらに熱損失を制限することである。したがって、このスリットは中空のままにしてもよいし、前記充填材で埋められてもよいが、スリットが提供できる機械的支持はゼロまたはごくわずかである。
【0022】
例えば、充填材は、例えば、温度変化に強いシリコーンゴム化合物で、球状粒子を含む、アブレイダブルタイプの充填材にすることができる。
【0023】
シェルは、好ましくは、一部品から成るほぼ環状の連続構造体を形成するのが好ましい。あるいは、シェルは、端から端まで、シェルの角度セクタを設置することで形成される。
【0024】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの上述のようなシェルと複数のステータブレードとを備える航空機ターボエンジンモジュールのステータ部である。
【0025】
好ましくは、前記シェルは外側シェルであり、貫通開口部のそれぞれは、開口部内に形成されブレードヘッドの周囲全体に連続的に広がる溶接部によって外側シェルに固定された前記ブレードの1つのヘッドを含む。したがって、この解決策により、連続溶接部により開口部内でブレードヘッドを十分に支持することができ、本発明に固有の機械的荷重伝達スリットをブレードヘッドの後縁から離間して配置することで、この後縁が過荷重状態になるのを防ぐことができる。
【0026】
この固有の特徴は、同時にまたは代替的に、いくつかの貫通開口部を備える内側シェルをさらに備えるステータ部の内側シェルに適用可能であり、開口部のそれぞれは、開口部内に形成されブレード根元部の周囲全体に連続的に広がる溶接部によって内側シェルに固定された前記ブレードの1つの根元部を含む。したがって、機械的荷重伝達スリットは、内側シェルのこれらの開口部の1つまたは複数に関連付けられてよい。
【0027】
本発明の別の目的は、少なくとも上述したステータ部を備える航空機ターボエンジンモジュールであり、モジュールは、好ましくは、圧縮機であり、さらに好ましくは、高圧圧縮機であり、あるいは、場合によっては、本発明の範囲から逸脱しないタービンである。
【0028】
最後に、本発明の別の目的は、少なくとも1つの上述のようなモジュールを備える航空機用ターボエンジンであり、ターボエンジンは、好ましくは、ターボジェットである。
【0029】
本発明の他の利点および特徴は、以下の非限定的な詳細な説明の中で明らかになるであろう。
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好適な実施形態に係るターボエンジンの高圧圧縮機の部分片側断面図である。
【図2】図1に示された圧縮機のステータ部の角度部分を形成するアセンブリの正面図である。
【図3】図2に示されたアセンブリの部分上面図である。
【図3a】図3に示されたアセンブリのシェルに形成された機械的荷重伝達スリットの代替形態を示す図である。
【図3b】図3に示されたアセンブリのシェルに形成された機械的荷重伝達スリットの代替形態を示す図である。
【図4a】図3に示されたアセンブリのシェルに形成された追加の機械的荷重伝達スリットの実施形態の例を示す図である。
【図4b】図3に示されたアセンブリのシェルに形成された追加の機械的荷重伝達スリットの実施形態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
最初に、図1は、本発明の好適な実施形態に係るターボエンジンの高圧圧縮機1の一部を示している。知られているように、圧縮機は、圧縮機軸2に平行な軸方向に沿って交互にステータブレード4とロータブレード6とを備える。ステータブレード4は、軸2の円周方向に分布し、また本発明のステータ部13に組み込まれ、ステータ部13はさらに、ターボエンジンを通過する環状コアエンジン流10の半径方向内側を画定する内側シェル8を備え、内側シェル8は、シェル8を貫通するブレード根元部4を支持する。ステータ部はさらに、環状コアエンジン流10の半径方向外側を画定する外側シェル16を含み、外側シェル16は、シェル16を貫通するブレードヘッド4を支持する。
【0033】
この点において、ステータ部はさらに、シェル8に付けられる追加の知られている要素、例えば、環状封止トラックを形成するアブレイダブル半径方向内側コーティング15を備えることに留意されたい。コーティング15は、回転ブレード6を担持し関連ステータ部から下流側に配置されるロータ段14によって担持される封止装置12によって接触される。上述したように、回転封止装置12は、知られているラビリンス式またはリップ式のシールである。
【0034】
説明される好適な実施形態では、ステータ部13は、軸2を有するほぼ環状の構造体を形成し、好ましくは、図2に示されるような、各々がステータ部の角度部分または円周部分を形成する複数のアセンブリ20を配置して構成される。図2に見られるように、各アセンブリ20は、複数のステータブレード4を備える内側シェルの角度セクタ8aを備え、内側シェル8は、セクタ8aの全てを端から端まで配置することで形成される。
【0035】
したがって、図示されたセグメント構造では、一体となってシェル8を形成する角度セクタ8a(図2には1つだけ示されている)は、好ましくは、セクタを互いに接続する直接の剛性的な機械的接続部を持たず、セクタの隣接端部が間隙の有無に関係なく互いに対向して配置されるだけである。
【0036】
シェル8を形成するために行われるセグメント化は、全く同じ方法で、環状封止トラックを形成するアブレイダブル半径方向内側コーティング15にも採用され、つまり、このコーティングの1つの角度セクタ15aのみがシェルのセクタ8aによって支持され、セクタ8aに固定される。
【0037】
同様に、アセンブリ20は、複数のステータブレード4を支持する外側シェルの角度セクタ16aを備え、外側シェル16は、セクタ16a全てを配置することで形成される。したがって、同様にして、一体となってシェル16を形成する角度セクタ16a(図2には1つだけ示されている)は、好ましくは、セクタを互いに接続する直接の剛性的な機械的接続部を持たず、セクタの隣接端部が間隙の有無に関係なく互いに対向して配置されるだけである。
【0038】
ステータ部13は、これらのいくつかの角度部分20を端から端まで配置することで構成されているので、いわゆるセグメント設計を採用しており、シェル8および16のそれぞれが唯一の構成要素であり360°連続した連続体と言われる別の設計(これも想定できる)を採用しない。1つの可能な代替形態は、2つのシェル8およびシェル16の一方が360°連続した単一部品で形成され、他方のシェルがセクタ化されるというものである。
【0039】
参考までに、上述の環状ステータ部13を形成するのに使用されるアセンブリ/セクタ20の数は6〜14とすることができ、各アセンブリ20は、好ましくは、同じ角度/周方向面積を有する。
【0040】
図3は、外側シェルの角度セクタ16aが、貫通開口部となるようにこのセクタ16aの厚さ内に形成された開口部22を備える図である。説明を明確にするために、図3の下側に示されている関連ブレード4のヘッドが差し込まれた開口部22とは違って、図3の上側に見られる開口部22は、関連ブレードが差し込まれていない状態で示されている。このヘッドは、開口部22の側壁とブレードヘッドの外表面との間に画定されるスペース19内のブレードヘッド周囲全体の連続溶接部21によって堅く固定される。
【0041】
各開口部22は、開口部の前端および後端で結合する内輪部23と外輪部24とを備える側壁を有する。これらの2つの端部のうちの第1の端部25は、ブレードヘッドの後縁26を収容し、第2の端部27は、ブレードヘッドの前縁28を収容する。
【0042】
内輪部23および外輪部24は、2つの端部25、27が通るスケルトン32を画定し、スケルトン32は、知られている方法では、内輪部23と外輪部24との間の中線に対応する。さらに、図3の下側の開口部に示されるように、開口部22のスケルトン32は、この開口部内で溶接部21によって固定されるブレードヘッドのスケルトン33と一致し、開口部の輪郭とブレードヘッドの輪郭との中心が合わされて相似となる。
【0043】
本発明の1つの固有の特徴は、少なくとも1つの開口部22に関連付けられた機械的荷重伝達スリット36で、関連開口部22から後方に離間してシェルを貫通する機械的荷重伝達スリット36を形成することである。より詳細には、スリット36は、スケルトン32の方向に沿って開口部の第1の端部25に対向してそこから離間して配置される、つまり、関連ブレードの後縁から離間して配置される。図示されている実施形態では、スリット36は、開口部に向かって、開口部の後方部の周囲に伸びる曲線38に沿って伸びる。図3では、スリット36および曲線38は、馬蹄形のような略U字形またはV字形であり、その内側に開口部の後方部が形成され、第1の端部25はこのU字形の底部に対向して底部から離間される。この点では、スケルトン32の方向に沿った開口部の端部25とスリット36との間の間隔「d」は、このスケルトンに沿ったブレードヘッド4の全長(記載せず)の0.02〜0.1倍、好ましくは、0.03〜0.05倍であることに留意されたい。
【0044】
この構造では、U字の2つの枝部も同様に、第1の端部25で結合する内輪部23の一部23aおよび外輪部24の一部24aにそれぞれ対向してそこから離間して伸びる。U字の2つの枝部を関連開口部の2つの部分23a、23bから離す間隔は、間隔「d」と同じまたは近い間隔とする、つまり、スリット36が開口部22の後方部の周囲に、後方部からほぼ一定間隔離間して伸びるということである。
【0045】
U字の枝部はほぼ同じ長さであり、スケルトン32の後方部はU字形スリット36のほぼ対称軸であることに留意されたい。
【0046】
U字の開口部に入り込むスケルトン32の方向に沿った開口部22の長さ「l」は、このスケルトンに沿ったブレードヘッド4の全長(記載せず)の0.03〜0.4倍、好ましくは、このスケルトンに沿ったブレードヘッド4の全長の0.05〜0.2倍である。
【0047】
第1の可能な形態は、図3の上側に示されるように、機械的荷重伝達スリット36を中空にした形態である。あるいは、スリット36は、主にコアエンジン流を封止することを目的とした、すなわち、スリット36からの漏れを防ぐことを目的とした充填材40で埋められてもよい。このような充填材は、図3の下側のスリットの参照番号40で示されている。例えば、充填材は、例えば、温度変化に強いシリコーンゴム化合物で、球状粒子を含むアブレイダブルタイプの材料とすることができる。
【0048】
このような機械的荷重伝達スリット36は、単にアセンブリ20の両端に位置するブレードに関連付けて配設されるのが好ましいが、本発明の範囲から逸脱せずに他の形の構造も十分に可能であろう。
【0049】
さらに、この機械的荷重伝達スリット36は、ブレード根元部が嵌合する内側シェル8の貫通開口部に関連付けて配設されてもよい。この場合、アセンブリは、外側シェルの図3に示されたアセンブリと同じである、または類似している。
【0050】
図3aは、スリット36の第1の代替形態を示す図である。スリット36の全体の形状は上述の形状とほぼ同じであるが、2つの端部36aのみが広げられて、シェル内のこれらのスリット端部における応力を低減する。したがって、スリット36は、全長にわたってほぼ同じ幅でなく、好ましくは、ブレードの方向と反対の方向に応力を向けるために開口部22から離れるように配置された広く丸い端部36aを含む。
【0051】
図3bは、別の代替形態を示しており、スリット36は図3aに示されたスリットのほぼ半分に相当し、開口部22のスケルトン32は端部36aの一方を通る。
【0052】
このようなスリット36は、ブレード部に高い静荷重がかかるため、このブレードの後縁に関連付けられているが、同様の機械的荷重伝達スリットが静的に高い荷重を受けるブレード4の他の部分に関連付けられてもよい。例えば、これは、ブレードの根元部またはヘッドのいずれかのブレード前縁に適用できる。この場合、図4aに示された追加の機械的荷重伝達スリット136が、シェルを貫通して、スケルトン32の方向に沿って開口部の第2の端部27に対向して端部27から離間して形成されてもよい。このようなスリット136は、この場合、上述したスリット36と同じ形状で、開口部22の方向に向けられて、この開口部の前方部が入り込む形にすることができる。
【0053】
同時にまたは代替的に、図4bに示されるように、開口部の内輪部23および/または外輪部24に沿って、関連部分23、24から離間して、複数の機械的荷重伝達スリット236を備えることができる。
【0054】
当然、当業者は、単なる非限定的な例として上述した本発明に対して種々の変更を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがステータブレード(4)を収容するように設計された複数の貫通開口部(22)を備え、各開口部はブレードの後縁(26)を収容するように設計された第1の端部(25)とブレードの前縁(28)を収容するように設計された第2の端部(27)との間に伸びるスケルトン(32)を形成する、航空機ターボエンジンモジュールのステータ用シェル(16)であって、前記開口部(22)の少なくとも1つは、シェルを貫通し前記スケルトン(32)の方向に沿って開口部の前記第1の端部(25)に対向しかつ前記第1の端部から離間して配置された機械的荷重伝達スリット(36)に関連付けられることを特徴とするシェル(16)。
【請求項2】
前記スリット(36)は、開口部に向かって曲線(38)に沿って伸びることを特徴とする、請求項1に記載のシェル。
【請求項3】
前記開口部(22)は、スケルトン(32)の両側に、開口部の前記第1および第2の端部(25、27)で結合する内輪部(23)と外輪部(24)とを有すること、および前記スリット(36)はさらに、開口部(22)の前記第1の端部(25)で結合する内輪部および外輪部(23、24)の一部(23a、24a)に対向してそこから離間して伸びることを特徴とする、請求項1または2に記載のシェル。
【請求項4】
前記スリット(36)は、略U字形またはV字形であり、開口部の前記第1の端部(25)は、U字またはV字の凹部の内側に位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシェル。
【請求項5】
前記スリット(36)は、充填材(40)で埋められることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシェル。
【請求項6】
ほぼ環状の連続構造体を形成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシェル。
【請求項7】
端から端までシェルの角度セクタ(16a)を配置して形成されたほぼ環状の構造体を形成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシェル。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのシェル(16)と複数のステータブレード(4)とを備える、航空機ターボエンジンモジュールのステータ部(13)。
【請求項9】
前記シェルは外側シェル(16)であること、および貫通開口部(22)のそれぞれは、開口部内に配置されブレード(4)のヘッドの周囲全体に連続的に広がる溶接部(21)によって外側シェルに固定された前記ブレード(4)の1つのヘッドを収容することを特徴とする、請求項8に記載のステータ部。
【請求項10】
さらに複数の貫通開口部を備える内側シェル(8)を備え、貫通開口部のそれぞれは開口部内に形成され前記ブレード(4)の根元部の周囲全体に連続的に広がる溶接部によって内側シェルに固定された前記ブレード(4)の1つの根元部を収容することを特徴とする、請求項9に記載のステータ部。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一項に記載の少なくとも1つのステータ部(13)を備える、航空機ターボエンジンのモジュール(1)。
【請求項12】
圧縮機であり、好ましくは、高圧圧縮機であることを特徴とする、請求項11に記載のモジュール。
【請求項13】
請求項11または12に記載の少なくとも1つのモジュール(1)を備える、航空機用ターボエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2012−526228(P2012−526228A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509004(P2012−509004)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055998
【国際公開番号】WO2010/128025
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】