説明

止水機能付き目地板

【解決手段】 まだ完全硬化していないコンクリ−トに接触させた状態で保持するとコンクリート硬化後にそのコンクリートに接着する性質を有する生コン接着型シール材2を、目地板1の表面に層状に形成させたことを特徴とする、コンクリートの硬化後に目地板部の止水を可能とした止水機能付き目地板。
【効果】 目地板の設置と目地部のシールを一度の作業で行うことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は様々な現場打ちコンクリート製の土木構造物工事に於いて作られている目地に関するものであり、従来、複数の工程で形成されていた目地シールを一度に容易に行うことができる画期的な材料と工法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
目地板について;
コンクリート製の土木構造物には様々なものがあるが、そのうちの多くは現場打ちのコンクリートで作られている。例えば、コンクリート舗装道路、埠頭、空港、工場内や事業所内のヤードなどの広い平面的なコンクリート構造物から、ダム、高架、護岸擁壁、法面、建築物などの立体的なものまで様々である。この現場打ちのコンクリートで構造物を建造する際、コンクリートの大きさや構造によってはその途中に目地板を挿入している。目地板はコンクリートが温度膨張してもその膨張による移動量を吸収する役目を果たしており、これが無いと膨張による圧力によりひび割れやコンクリートの破壊を生じる。
目地板はコンクリートよりも柔らかい材料で、圧縮されても復元しやすい材料で作られている。例えば木材繊維を互いに絡ませて板状にし、アスファルトを染み込ませたもの(一般名:ケンタイト)、樹脂を発泡させた板、ゴムを発泡させた板、アスファルトと木質繊維等を混合して板状にし、表裏面を被覆材で覆ったもの(一般名:エラスタイト)などである。
このような目地板はコンクリート構造物を作る際に予め目地を形成させようとする位置に設置しておいてから、生コンクリートを打設したり、あるいは既に硬化した一部のコンクリート面に目地板を貼り付けてから、生コンクリートを打設する。このようにして挿入された目地板は構造物の完成後、その膨張を吸収する機能を果たす。
【0003】
目地シールについて:
土木工事でのコンクリート構造物は雨水に曝されるものが多く、その中には雨水の侵入を許さない構造物あるいは雨水をできるだけ侵入させたくないものがある。目地板は上述のようにコンクリートの膨張の圧力を吸収することが目的のため、通常は目地板とコンクリートの隙間から雨水は侵入する。このようなコンクリート構造物の目地はその表面をシールして雨水の浸入を防いでいる。例えば、コンクリート舗装や空港、工場内や事業所内のヤードなどの広い平面的な構造物は、目地から雨水が常に浸入すると、コンクリート版の下面に施した路盤を軟弱化させたり、損傷を与えたりして最終的にはコンクリート版をも傷つけてしまう。
【0004】
道路を立体交差にする場合や高速道路などでの基礎を支える道路擁壁や護岸の擁壁、法面に施したコンクリートなどは雨水を出来るだけ侵入させたくないケースである。
目地のシールは次のように行う。まず、道路、空港、工場のヤードなどの広い面積のコンクリート舗装は一定間隔に目地を形成させてこれに後からゴムアスファルト系の加熱注入シール材やウレタン系、ポリサルファイド系等の常温注入シール材等を注入する。広い面積のコンクリートの場合、硬化収縮によるひび割れを一定の位置に導く為に、さらにコンクリートカッターを用いてコンクリートを切断して目地を作っているが、コンクリートの膨張を吸収させる部分には目地板を挿入してあり、この目地の上端から何センチかを空間にして、この部分にシール材を流し入れている。
次に立体的な建造物では、その建造物が雨水の浸入を拒否する場合には、目地の上端の2センチ程度を空間にしてそこにノンサギングタイプ(垂直目地用)のシール材をコーキングガンなどによりコーキングして止水シールしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目地のシールは、その重要性からシール材がコンクリート面と接着して水密性を保つようにしなければならない。そのためにはまず、目地シール材の位置する空間を形成させること、次にシール材が接するコンクリート面から接着を阻害するコンクリートのろや埃を取り除くこと、並びに接着を媒介するプライマーを塗布することなどの作業が必要である。
具体的な施工順序をコンクリート舗装の膨張目地を例に取って説明するとまず、膨張目地の位置に目地板を設置する。目地板の上部にはシールするための空間を形成する為の仮挿入物を設置しておく。この仮挿入物は目地板の上端に切れ目を入れ、コンクリートの硬化後に引っ張れば取れるようにする方法もある。コンクリートの硬化後、コンクリートカッターで目地部のコンクリートを切断し、仮挿入物を取り除いてシール材を注入する空間を形成する。コンクリートを切断するとコンクリートノロが多量に残るので、これを水洗浄した上で乾燥させる。乾燥が完了したら、乾燥中にコンクリート表面に付着した埃を取り除くためエアーブラスト処理を行う。その上でシール材に適したプライマー(濡れ接着を増強させるための低粘度の接着剤)を塗布する。これらの作業を完了させた上でシール材を注入する。なお、シール材は種類が多いが、コンクリート道路に使用されているシール材は予め材料を加熱溶解しておいてから注入しなければならない(特許文献1)。
【0006】
これを加熱注入シール材と呼ぶが、現場でこれを加熱溶解し注入するためには専用の溶解釜、注入機が必要になり、これらの機械はプロパンガスか重油のバーナーを用いて加熱しているのが通常である。これは環境問題上から考えれば使わないで良い方法に切り替えることを要望されるものである。
現場で加熱溶融することが無ければ、CO2の発生を抑制することができ、地球環境の保護にも役立つ。
目地のシールは以上のように煩雑な作業を行った上で行われるものである。工程を箇条書きにすれば下記の手順となる。
1)コンクリートカッターによる目地の切断
2)切り開いた目地の水洗浄
3)水分の乾燥
4)埃の撤去のためのエアーブラスト
5)プライマー塗布
6)シール材の準備(加熱注入シール材の場合は溶解作業)
7)注入作業
これらの煩雑な作業を行わないで良いこととなれば、施工の工程を短縮できる、施工の人員を削減できる、施工のコストを低減できるなどの効果が得られるとともに、前述の地球環境の保護にもつながることとなる。
【0007】
なお、道路を立体交差にする場合や高速道路などでの基礎を支える道路擁壁や護岸の擁壁、法面に施したコンクリートなどは雨水を出来るだけ侵入させたくないコンクリート構造物であるが、目地板を挿入してコンクリートを打設した後で目地の上部にシールする空間を作ろうとしたときに、この方法に容易な方法が無いがためにシールを行われないことがある。
しかしながら、シールを行うことによってより強度が安定し、耐久性が向上することから、施工が容易なシール方法が求められていた。
【特許文献1】特公平2−42875号公報
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、施工費低減、工期短縮につながる工法を確立するため、本発明者らが以前発明した「生コンクリート中に設置すれば硬化後にコンクリートに接着する熱可塑性樹
脂」を用いた新たな目地板とそれを使用した工法を検討した。
その結果、まだ完全硬化していないコンクリ−トに接触させた状態で保持するとコンクリート硬化後にそのコンクリートに接着する性質を有する接着材(以下、生コン接着型シール材という)を目地板の表面に層状に形成させると、コンクリートの硬化に伴って、このシール材が接着性を示し、これにより目地部の水密性を発揮できることを確認するに至った。
【0009】
したがって本発明は、生コン接着型シール材を目地板の表面に層状に形成させたことを特徴とする、コンクリートの硬化後に目地板部の止水を可能とした止水機能付き目地板に関するものである。
生コン接着型シール材としては、まだ完全硬化していないコンクリ−トに接触させた状態で保持するとコンクリート硬化後にそのコンクリートに接着する性質を有するものであれば使用できるが、熱可塑性材料よりなるものを使用すると、目地部のシールのほかにコンクリート版の上層に施工する排水性舗装用のアスファルト合材を舗設するとき、コンクリート版内に配設した目地板の生コン接着型シール材が舗設するアスファルト合材の熱によって溶融し、融着することで、上層の排水性舗装との間の水密性が得られる。
それゆえ、もう一つの本発明は、上記止水機能付き目地板を用いた目地の止水工法に関するものである。。
【0010】
目地板への生コン接着型シール材の適用は、目地板または目地板基材(以下単に目地板という)の全面に適当な厚さで層状に設けてもよく、また、目地板の頂部または頂部及び上端部表面に層状に形成させてもよい。
目地板頂部への生コン接着型シール材の適用は、目地板への直接塗布のほかに、目地板頂部へ嵌着できるキャップを別に作成し、この嵌着可能なキャップの頂部及び上端部表面に生コン接着型シール材を層状に形成させたシールキャップを目地板に装着するようにしてもよい。
第3の本発明は、上記の目地板上部にシール機能を付与するための目地板用シールキャップに関するものである。
【発明の効果】
【0011】
生コン接着型シール材の性質を利用すれば、目地板をセットして生コンクリートを打設したときに、目地板に施された生コン接着型シール材がコンクリートと接着するので、コンクリート硬化後に目地シール材を施工した場合と同じように止水機能を発揮できる。生コン接着型シール材が熱可塑性材料よりなるものであるときは、上記したように、コンクリート版の上層に舗設する排水性舗装用のアスファルト合材の熱によって溶融・融着し、排水性舗装との間の水密性をより確実に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明において目地板は、この種の分野で通常使用されているものが使用でき、例えば、瀝青繊維質目地板、樹脂発泡体目地板、ゴム発泡体目地板、瀝青質目地板等を挙げることができる。
目地板の頂部に装着するシールキャップの基材であるキャップとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックのシートからの成形体や厚紙、樹脂含浸紙、不織布、発泡プラスチックシート等から成形したものなどが使用される。
シールキャップに代えて、目地板頂部を覆うことができる幅のテープの表面に生コン接着型シール材を塗布したシールテープを用いてもよい。テープの場合には、裏面に粘着剤や接着剤を塗布し、必要に応じて離型紙等で被覆し使用時に剥離するなどとするとよい。
【0013】
目地板とシールキャップは予め一体としておいてもよいが、これらは別々に梱包して運送し、施工現場で組み合わせて使用してもよい。
生コン接着型シール材としては種々のものが使用できるが、一例としては、アタクチック型ポリプロピレン100重量部に、トールピッチ20〜80重量部、前記ポリプロピレンと相溶性の新ゴム30〜60重量部及び脂肪族系炭化水素樹脂24〜90重量部からなる混合物が使用できる。この混合物には、目的に応じて炭酸カルシウム、カーボン等の充填剤、増量剤や老化防止剤等を添加することができる。生コン接着型シール材は、溶融塗布してもよく、適当な溶剤による溶液として塗布してもよく、この他このシール材をシート状に成形したものを目地板またはキャップに貼着する方法によってもよい。
【0014】
以下、本発明を実施例と共に詳細に説明する。
実施例1
本発明の基本材料であるコンクリ−トの硬化後にコンクリ−トと接着する性質を有する熱可塑性材料は本発明者らによる既存発明である特公平2−42875号公報に記載のものを用いることができる。但し、この既存発明の配合にはとらわれず、未硬化のコンクリートに接すれば、コンクリートの硬化後にコンクリート面に接着する樹脂またはゴム系材料で有れば本発明に使用できる。この熱可塑性樹脂の配合構成例を表.1に示す。
【0015】
【表1】

【0016】
この熱可塑性材料は加熱し溶融することで、様々な材料に塗布して使用することが出来るので、本発明者らは目地板の表裏面にコーティングしたものを製作し、これらに生コンクリートを打設して止水性をテストした。
なお、目地板には瀝青繊維質目地板、樹脂発泡体目地板、ゴム発泡体目地板、瀝青質目地板などの種類があるため、それぞれの目地板について実験を行った。本実験に用いた本発明の目地板の外観図を図1に示した。目地板1の上部への生コン接着型シール材2の塗布は、溶融した熱可塑性材料の中に目地板1を所定深さまで漬け、引き上げたあとに冷却しておくだけで容易に行うことができる。
【0017】
実験では本発明の目地板が生コンクリートに埋め込まれた時に、目地板1の表面の生コン接着型シール材2と硬化後のコンクリート4との接着面の止水性を確認した。すなわち、図2に示すような一定の大きさの型枠3を平板上に配置し、この型枠3内に本発明の目
地板1を設置し、これに生コンクリートを打設して硬化させた。コンクリート打設から7日後に図3に示すような試験装置を用いて止水テストを行った。
試験装置は、下面に開口を有する金属製函体で上面にて給水ホースと接続する金属製貯水部5と、耐圧給水ホース6と加圧給水用の手動ポンプ7からなり、ハンドル9を上下動させることによりホース6を介して貯水部5に給水できるようになっている。
試験は図3に示すように、目地板1を埋め込んだコンクリート4の試験体の上面に、目地板1とコンクリート4との接する部分を覆うようにして金属製貯水部5を被せ、その金属製貯水部5の下端部周囲をコンクリート4面にパテ状のエポキシ樹脂接着剤10で接着してこの部分からの漏水がないようにし、このようにした金属製貯水部5の中に水を満たした後、更に手動ポンプ7で給水を続けて水圧を上昇させ、各水圧のときの目地部からの漏水の有無を測定した。水圧は図3に示すように途中の圧力ゲージ8で測定した。この結果を表2に示す。
なお、表2中の「表1の熱可塑性材料」は生コン接着型シール材を示す。

【0018】
【表2】

この結果で、水圧1kg/cm2は10mの水頭に相当するのでコンクリートに接着した目地板との間からの水の侵入は防止できる。
【0019】
実施例2
目地板1として瀝青繊維質目地板(一般名:ケンタイト)を用い、この目地板1の頂部にはまる寸法形状の合成樹脂製のシールキャップ11を取り付けたものを使用した。このシールキャップ11は、図4に示すように合成樹脂製のキャップ12の頂部と両側面に表1に示した組成の熱可塑性材料をシート状に成形した生コン接着型シール材2を貼り付け
たものである。このシールキャップ11を図5に示すように目地板1の上端部に嵌着させてシールキャップ付き目地板とする。
【0020】
この本発明のシールキャップ付き目地板1をトンネルのカルバート部の目地に用いた。カルバートの側壁部分が既に先行して打設してあり、つぎに底部のコンクリート舗装版を打設する。ここには目地板が必要であり、目地板の上部はシール材で止水することが必要である。通常であればこの目地板の上部はコンクリートカッターを用いてコンクリートを切断して空隙を形成してそこに加熱溶融した目地シール材を注入して止水しているが、本発明の止水機能付きの目地板を使用すれば、後工程でのシール注入は不要である。側壁部分のコンクリートに本発明の目地板を部分的に釘打ちを行って設置し、目地板の側面の生コン接着型シール材を露出させて次に新しいコンクリートを打設した。
コンクリートの硬化後は目地板の生コン接着型シール材がコンクリートと接着しており、止水性を保っていた。このような極めて容易な方法で目地のシールを完了させることができた。施工は工程、労力、日数、費用とも、通常の目地板を施工するのと同じ状況で出来、施工後に目地シールまですることが不可能な現場にも使用できる。
【0021】
なお、実施例2の目地板の頂部に取り付けるシールキャップは、様々な形状にしてそれぞれ特長のある使用方法を採ることができる。例えば、図6(A)は単にキャップ12の外表面に生コン接着型シール材2を層状に設けたものであるが、図6(B)に示すように、キャップ12の頂部を断面U字型に凹ませたり、図6(C)のように頂部を波板状にして、目地板が圧縮されたときにコンクリート版間から飛び出る部分を少なくするようにしたり、キャップ12の一部にギザギザの起伏や突条などの係止部13を設けて生コンクリートに接したときに硬化後のコンクリートをグリップするようにしたり、キャップ12の形状をアコーディオンのように開くようにして目地幅が開いたときにも追従して止水できるようにしたりすることができる(図6(D)。
【0022】
また、近年コンクリート舗装の上層にアスファルトコンクリート製の「排水性舗装」を舗設する2重構造の舗装(いわゆるハイブリッド舗装)も実施されている。この二重構造の舗装の下層のコンクリートの目地に本発明品を用いると、コンクリートの硬化後に上層に舗設するアスファルト合材の熱により本発明の目地板の頂部表面の熱可塑性材料(生コン接着型シール材)が溶融してアスファルトコンクリート舗装と密着するとともに、目地部の止水効果をより確実なものとする機能がある。
この機能は排水性舗装の下部のコンクリート舗装の水密性を高めるために応用可能な機能である。
このように本発明品はコンクリート舗装道路、ハイブリッド舗装、埠頭、空港、工場内や事業所内のヤード、ダム、高架、護岸擁壁、法面、その他建築物など全ての目地に使用でき、応用できる用途範囲も多い。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上により、本発明は次のような多数の効果をもたらす。
1.本発明の生コンクリート接着型目地板を用いることで、通常の目地シールを施工したと同等の止水性が得られる。
2.後工程で目地シールを行う時には目地の切断、水洗浄、乾燥、掃除プライマー塗布、シール材注入などの多くの工程を必要とするが、本発明品を使用すれば、これらの工程を全く必要とせず、通常の目地板の設置と同じ作業で済む。
3.後工程でのシールに比べ、施工期間の短縮、人件費の低減、トータルコストの低減が可能となる。
4.本発明の工法であれば、従来のような加熱注入シール材を現場で熔解する機械や燃料を必要とすることなく、CO2ガスの発生も無く、地球に優しい工法である。
5.施工は極めて容易で有ると共に施工管理も容易である。
6.施工後には目地シールが出来ないような場所の目地シールも可能になる工法である。
7.総合的な効果により、工事のコストを低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の目地板の一例を示す斜視図である。
【図2】目地板の水密性の試験の試験体の製法を示す斜視図である。
【図3】目地板の水密性の試験方法を示す斜視図である。
【図4】シールキャップ付き目地板の一例を示す分解斜視図である。
【図5】シールキャップ付き目地板の一例を示す斜視図である。
【図6】シールキャップの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1:目地板
2:生コン接着型シール材
3:型枠
4:コンクリート
5:金属製貯水部
6:耐圧ホース
7:手動ポンプ
8:圧力ゲージ
9:エポキシ樹脂接着剤
11:シールキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まだ完全硬化していないコンクリ−トに接触させた状態で保持するとコンクリート硬化後にそのコンクリートに接着する性質を有する生コン接着型シール材を、目地板の表面に層状に形成させたことを特徴とする、コンクリートの硬化後に目地板部の止水を可能とした止水機能付き目地板。
【請求項2】
生コン接着型シール材が、まだ完全硬化していないコンクリ−トに接触させた状態で保持するとコンクリート硬化後にそのコンクリートに接着する性質を有する熱可塑性材料よりなることを特徴とする請求項1記載の止水機能付き目地板。
【請求項3】
生コン接着型シール材を、目地板の頂部及び上端部表面に層状に形成させてコンクリートの硬化後に目地板頂部の止水を可能としたことを特徴とする請求項1記載の止水機能付き目地板。
【請求項4】
目地板の頂部に嵌着可能な形状のキャップの両側面またはキャップの頂部と両側面に生コン接着型シール材を層状に形成したシールキャップを目地板の頂部に嵌着させたことを特徴とする、目地板の機能と同時に、目地板上部のシール機能を併せ持つ止水機能付き目地板。
【請求項5】
目地板として瀝青繊維質目地板、樹脂発泡体目地板、ゴム発泡体目地板、瀝青質目地板のいずれかを使用することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の止水機能付き目地板。
【請求項6】
目地板の頂部に嵌着可能な形状の合成樹脂等からなるキャップの両側面またはキャップの頂部と両側面に生コン接着型シール材を層状に形成させたことを特徴とする、目地板上部にシール機能を付与するための目地板用シールキャップ。
【請求項7】
キャップが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂、厚紙等からなり、これらに生コン接着型シール材を塗布又は含浸塗付したことを特徴とする請求項6記載の目地板用シールキャップ。
【請求項8】
硬化後のコンクリート上層に排水性舗装用のアスファルト合材を舗設するとき、コンクリート版内に配設した目地板の生コン接着型シール材が舗設するアスファルト合材の熱によって溶融し、融着することで、上層の排水性舗装との間の水密性が得られるようにすることを特徴とする請求項1ないし4記載の止水機能付き目地板を用いた目地の止水工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−63624(P2006−63624A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246779(P2004−246779)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(502277441)アオイテクノサービス株式会社 (9)
【Fターム(参考)】