説明

歪測定結像システム

歪測定及び検査システムが提供される。一実施形態において、ビジョンシステムが実装される。ビジョンシステムは、歪を決定するために2つの焦平面の同時結像が試料基板上及び基準基板上で同時に実施される、二重焦平面結像を行う。さらに、歪測定中の分解能を高めるために高反射背景が実装される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2007年2月26日に出願された、米国特許出願第60/903443号の恩典と優先権を主張する。上記出願の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は歪測定結像システムに向けられる。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)は現在普及している技術である。LCDはテレビ及びコンピュータを含む多くの表示デバイスに用いられている。LCDガラス製造は非常に複雑なプロセスである。液晶ディスプレイ(LCD)のような、テレビまたはコンピュータ用途に使用できるガラスの作成に必要な許容度要件を満たすには、極めて許容幅の狭い制御が必要である。したがって、LCDの製造においては測定及び検査が肝要なプロセスであり、測定及び検査プロセスを可能にするために用いられる技術は、いかなるLCD製造作業においても肝要な構成要素である。肝要な測定及び検査装置の1つはLCDガラスの歪を測定するために用いられる。歪は製造中に多くの原因で生じ得る。原因の中には、製造における熱または温度サイクルがある。ガラスの切断は応力を発生させ、ガラスを歪ませ得る。
【0004】
測定及び検査装置の1つでは、LCD基板内の歪を測定するために相対測定が用いられる。従来の測定及び検査装置は、基板を支持するために用いられる支持台及び、基板が動かないように、基板を引き付ける真空を備える。支持台は、基板の検査を行うために用いることができる、基準マーク及び手段を有する。次いで、基板にプロセスが施されて、基板が支持台上で再位置決めされる。次いで、歪量を決定するために、基板上の検査マークと基準マークの間の比較を行うことができる。
【0005】
一般的に言って、相対測定には、上述した支持プレートのような、規準格子パターンを有する基準プレートの使用が含まれる。次いで、試料LCDガラス基板が基準プレートの上面上に置かれる。試料基板は同様の規準格子パターンを有する。基準プレート格子と試料ガラス格子は互いに対してオフセットされる。基準プレート格子規準と試料ガラス格子規準の間のベクトル距離は測定ノードと称される。図1は、基準ガラス格子、試料ガラス格子及びこれら2つの間のベクトル距離の従来技術例を示す。図1に示されるように、基準ガラス格子100が示されている。試料ガラス格子も参照数字110で示されている。基準ガラス格子100と試料ガラス格子110の間のベクトル距離120(すなわち測定ノード)も示されている。
【0006】
従来の歪測定は2段階で実施される。第1段階は支持台上の格子パターンに対するガラス基板上のそれぞれのノードを測定する工程を含む。サブミクロン精度が必要であれば、格子パターンを弁別し、測定ノードの変化を観察するために、カメラのような光学装置が用いられる。第1段階は、プレート切断または温度サイクル印加のようなプロセスのガラス試料への実施に先立って行われる。そのようなプロセスが行われてしまうと、第2段階が行われる。第2段階は支持台上の格子パターンに対するガラス基板上のそれぞれのノードを測定する工程を含む。次いで、第1段階と第2段階の間での測定ノードの何らかの変化を測定することによってガラスの歪を計算することができる。ガラス変形を決定するためには、第1段階と第2段階の間の測定値の差に純粋な平行移動及び回転の補正が必要である。
【0007】
図2は歪測定に用いられるコンポーネントの拡大図を示す。試料基板200が示されている。工程1において、試料基板200が基準基板210上に位置決めされる。工程2において、格子230が試料基板200上に罫描かれる。基準基板210は参照数字220で示される真空ポートを有する。試料基板200上に第1の格子パターン230が示されている。基準基板210上に第2の格子パターン240が示されている。カメラのようなビジョンシステム250が示されている。工程3において、格子パターン(230,240)が互いに向き合うように試料基板200が裏返され、第2の格子パターン240に対する第1の格子パターン230の位置がビジョンシステム250を用いて測定される。次いで、工程4において、試料基板200は取り外され、プロセス(すなわち、切断、温度サイクル)が実施される。工程5において、工程3と同様に格子パターンを互いに向き合わせて試料基板200が再び位置決めされ、再び測定される。工程3の測定値と工程5の測定値の間の差(すなわち測定ノード)が試料基板の歪である。
【0008】
検査されている試料基板上の規準格子はその上面上に印される。試料基板厚は0.4mm〜1.1mmの範囲にある。規準格子はいずれも、測定誤差を低減するため、同時に測定される。したがって、従来方法では、試料基板の格子が基準基板の格子と同じ焦平面にあるように、試料基板が裏返される。大寸基板の裏返し後に規準格子を位置合せする(すなわち、全シートにわたり格子間のオフセットをほぼ±50μmにする)ことは極めて難題であり、この結果、特別なハンドリング技術が必要である。
【0009】
基板の裏返しまたは反転にともなう問題に加えて、従来のビジョンシステムを用いる基準格子パターンと試料格子パターンの弁別において別の問題に遭遇する。詳しくは、試料基板の裏返し及び基準基板と同じ焦平面上の試料基板の格子パターンの配置がビジョンシステムの2つの格子パターンを弁別及び対比できる能力を低下させる。規準格子を結像させるための従来照明では明視野ケーラー照明が利用される。この照明は、明るい背景(すなわち、焦点を外れた基板の反射)及び暗い前景(すなわち、結像レンズのNAの外側の規準格子散乱)を生じさせる。この背景は規準格子のコントラストを低下させる2つの主要な要因の影響を受け易い。第1に、測定中に、試料ガラス基板の下面に真空が印加される。これには、試料プレートと基準プレートの間に相対変位がないことを保証することが必要であり、さらに試料ガラス基板に一貫した形状が与えられることも保証される必要がある。この結果、2つの基板の間の間隙はサブミクロンレベルまで最小限に抑えられ、結像される測定ノードのコントラストを激烈に低下させ得る干渉を2つの表面間におこさせ得るであろう。第2に、基準基板の上面には、試料基板の裏返し、清掃、塵埃等のような複数の原因による、掻き傷のような汚染が生じ易い。これも、像を劣化させ、試料基板の格子パターンと基準基板の格子パターンの間のコントラストを低下させる。コントラスト及び像品位の低下よりもさらに重要なことに、これらの干渉及び塵埃は第1の測定と第2の測定の間で異なるであろう。したがって、そのような干渉及び塵埃は2つの測定に異なる態様で影響を与え、重大な測定誤差を生させることになるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
すなわち、基板の裏返しにともなう問題に対処することが有益であろう。例えば、基板の裏返し及び歪の測定にともなう、機械的問題、ハンドリング問題、位置合せ問題及び結像問題に対処することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
測定及び検査のための基板の裏返しにともなう、機械的問題、ハンドリング問題、位置合せ問題及び結像問題に対処するための方法及び装置が提供される。本発明の教示にしたがえば、基板の裏返しを必要としない結像方法及びコントラスト強調アセンブリが用いられる。一実施形態において、歪を決定するために二重焦平面結像方法が用いられる。第2の実施形態において、コントラスト強調アセンブリを作成するために、一様高反射面が基準基板の裏面に与えられる。基板の裏返しにともなう問題に対処するためにそれぞれの実施形態が個別に、または組み合わせられて、用いられ得ることは当然である。
【0012】
本発明の教示にしたがえば、ガラス測定及び検査システムに二重焦平面結像が実施される。一実施形態において、二重焦平面結像は、基板厚で(すなわち、光軸に沿って0.4mm〜1.1mm)隔てられた2つの別々の焦平面を提供する、試料基板及び基準基板のそれぞれの上の規準格子を同時に結像させることにより高分解能を与えるために実施される。
【0013】
本発明の教示にしたがえば、基準基板の結像システムとは逆の側に配される面に一様高反射面が与えられた、コントラスト強調アセンブリが提供される。高反射面(すなわち鏡面)は、干渉及び汚染による、試料基板と基準基板の間のコントラスト変動を最小限に抑えるために用いられる。別の実施形態において明白色面のような高反射拡散面も実施され得ることは当然である。
【0014】
一実施形態において、結像システムが開示される。結像システムは結像副光学系及び照明副光学系を備える。結像システムは、焦平面複合、拡大、照明、光発生、像形成及び像検出に用いられる。
【0015】
サブミクロンレベルの歪及び所要精度の結果、本発明の教示にしたがえば、基板の歪(すなわち測定ノードの変化)を弁別するためにはほぼ15Xの倍率及びほぼ0.1の開口数(NA)が必要である。所要の倍率及びNAを達成するにはほぼ88μmの焦点深度が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は従来技術の測定ノードの図を示す。
【図2】図2は従来技術の測定及び検査システムの図を示す。
【図3】図3は本発明の教示にしたがって実施される照明副光学系を示す。
【図4】図4は本発明の教示にしたがって実施される結像副光学系を示す。
【図5】図5は本発明の二重焦平面光学系実施形態の概念図を示す。
【図6】図6は本発明のカラーフィルタ実施形態の概念図を示す。
【図7】図7は本発明の偽干渉計光学系実施形態の概念図を示す。
【図8】図8は本発明の教示にしたがって実施される高反射面と組み合わされたビジョンシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を示し、記述とともに本発明の原理を、無限定で、説明するに役立つ。
【0018】
本発明の教示にしたがえば、ガラス測定及び検査システムに二重焦平面ビジョンシステムが実装される。一実施形態において、2005年4月28日に出願され、コーニング社(Corning Incorporated)に譲渡された、米国特許出願公開第2006/0217891A1号の明細書の、透明基板における寸法変化を測定するための方法及び装置に開示されるシステムのような、測定及び検査システムが本明細書に参照として含まれる。
【0019】
二重焦平面結像システムは二重焦平面形成システム及び二重焦平面検出システムの両者を備える。二重焦平面ビジョンシステムは、2つの格子パターンをサブミクロンレベルで明瞭に測定できる1つの検出器像平面への2つの物焦平面の同時結像を容易にする、いずれかのビジョンシステムと考えることができる。一実施形態において、どちらの格子パターンが基準であり、どちらの格子パターンが基板であるかにかかわらず、ノードが測定される。本発明の教示にしたがえば、二重焦平面システムは、偏光多重化または色多重化を用いるか、あるいは偽干渉計構成によって、実施することができる。
【0020】
本発明の教示にしたがえば、試料基板及び基準基板が互いに接して配置され、接平面に相互の界面を形成する。試料基板は基準基板よりも結像平面に近づけて配置される。試料基板の前面が第1の焦平面をなし、基準基板の前面(すなわち試料基板と接する面)が第2の焦平面をなす。一実施形態において、第1の焦平面及び第2の焦平面が二重焦平面と称される。試料基板及び基準基板は、罫描き線のような、位置情報を伝えるマーキングを有する。一時に様々な点で測定される、これらのマーキングの相対位置が基準基板に対する試料基板の相対形状に関する情報を伝える。さらに、位置情報は、それぞれの基板の幅及び長さ、互いに対する基板の横位置及び水平位置、等も含むことができる。位置情報は、基板の物理的境界及び/または基板の方位を表すいかなる情報も含むことができる。
【0021】
入射光は二重焦平面で検出される。入射光は二重焦平面から反射され、反射光を形成する。一実施形態において、反射光は少なくとも2本の同行直交偏光ビームを含む。本発明の教示にしたがえば、同行は2本の光ビームの間の関係を定める幾何的術語であり、2本の光ビームは互いに重なって、実質的に同一の空間及び時間を占めている。2本のビームは非幾何的属性、すなわち偏光の方向により相互に弁別される。
【0022】
少なくとも2本の同行直交偏光ビームは実質的に共通の光路を通過する。本発明の一実施形態において、実質的に共通の光路の通過は、2本のビームが同一空間を占め、同じ素子またはコンポーネントを同時間に通過することを表し、同一空間は、コンポーネントの移動が測定されるべき歪よりも小さい像移動を生じさせる空間として定義され、同時間は、測定されている歪よりも像が大きく移動できる時間より短い、2つの測定の間の時間として定義される。本発明の教示にしたがえば、空間測定値はナノメートルスケールで定められ、検出される。
【0023】
実質的に共通な光路の通過後、二重焦平面からの位置情報は単一の像平面上に精確に再生され、精確な再生とは、測定しようとしている歪より小さいレベルでの再生である。一実施形態において、像平面には少なくとも1つの検出器が実装される。この結果、焦平面に関連付けられる位置情報(すなわち、基準マーキング、相対位置情報、等)と像平面上の位置の間に1対1の関係が表れる。一実施形態において、この1対1の関係の構成は結像と定義することができる。本明細書においては少なくとも1対1の関係が論じられ、説明されるが、このことが、1対多数の関係が定められる状況を排除するものではないことは当然である。
【0024】
別の実施形態において、光路が定められる。光路に沿って光学コンポーネントが配置される。光路の一端に二重焦平面アセンブリが配置され、光路の二重焦平面に対向する端(すなわち光路の他端)に像平面が配置される。本発明の教示にしたがえば、光は互いに対して配置された二重焦平面から反射され(すなわち、位置情報を生成し)、光路を通過して像平面に進む。したがって、結像は、二重平面からの光の反射、実質的に共通の光路を通る反射光の処理、次いで光路の二重焦平面に対向する端に配置された像平面における1対1の関係の構成として定義される。
【0025】
ナノメートルレベルでの1対1マッピング関係の形成により、多くの様々なタイプの二重焦平面の測定が可能になる。例えば、基板を結像させることができ、次いで温度サイクル印加のようなプロセスを基板に実施することができる。基板を再び配置すれば、試料基板を再び結像させることができ、歪測定値をとることができる。
【0026】
一実施形態において、照明副光学系は図3に示される照明光路を有し、結像副光学系は図4に示される結像光路を有する。一実施形態において、図3の照明副光学系は明視野反射ケーラー照明光をつくる。照明光路及び結像光路はいずれもシステムのシグマ値調節能力を提供するための個別のアパーチャ絞りを有する。シグマ値は像開口数(結像光路のNA)に対する照明開口数(照明光路のNA)の比である。シグマ値が高くなるほど、結像ひとみの溢光の度合いが大きくなって、横及び焦点の変動変化にわたって照明光が一様になる。
【0027】
図3は、本発明の教示にしたがって実施される照明副光学系を示す。図3に詳細に示される照明副光学系は一様なオンアクシステレセントリック照明光をつくる。一実施形態において、照明副光学系は、広帯域、中強度、安定、オンアクシス、テレセントリックの光をつくり、開口数を制御することができる。開口数はシステムが光を受け入れるかまたは放射することができる角度範囲の表示である。テレセントリックレンズは、レンズの入射ひとみまたは出射ひとみの中心を通る光線が、レンズの一方の側または両側で、像平面または物平面のいずれの領域において光線が終端または出発していようとも、全て光軸に平行であるレンズとして定義することができる。言い換えれば、テレセントリック結像及びテレセントリック照明は、全ての中心光線が光軸に平行になる光をつくる。副光学系は、その光軸が焦平面に直交するように配置される。一実施形態において、照明副光学系で発生される光を操作するために用いられる、レンズ及びアパーチャのような素子は、照明光路と称される光路を形成する。
【0028】
白色発光ダイオード(LED)照明源300が示される。一実施形態において、強度が一定の広帯域光をつくり、ほぼ3Wのパワーを発生する白色LED300が実装される。白色LED300が開示されるが、ニュートン環を最小限に抑えるようにコヒーレンスが抑えられたいかなる多色光源も本発明の教示にしたがって実装され得ることは当然である。
【0029】
二重レンズ310が示される。集光レンズ310は白色LED300で発生される光をコリメートするために用いられる。光源の全ての点から放射されるビームが集束する場所320に視野絞りが組み込まれる。この視野絞りは、照明のために、レンズ330及び350によって物上に結像される。よって、視野絞りの大きさを調節することで、物の照明領域の大きさを調節することができる。
【0030】
アパーチャ絞りと呼ばれる第2のアパーチャが配置される中間の位置340に第2のレンズ330が光源を再結像させる。アパーチャ絞りの直径が照明のNAを制御する。アパーチャ絞りはレンズ360の背焦平面に配置され、よってアパーチャ絞りの中心からの光線は物側でこのレンズの光軸に平行に出てくる。すなわち、アパーチャ絞りの位置は物側で照明光路をテレセントリックにする。
【0031】
ケーラー照明として知られるこの照明システムにより、照明の大きさ及びNAの制御が可能になり、一様照明が保証され、方向が物に垂直な光の円錐によって物のそれぞれの点が照明されることを意味する、テレセントリック照明も保証される。
【0032】
ミラー(425)は最終的に、物で反射された光のビームスプリッタを通す集光を可能にする、50%ビームスプリッタとすることができる。次いで、同じ装置において、照明及び結像機能を提供するため、図4に示される結像システムを図3に示される照明システムとともに用いることができる。
【0033】
図4は本発明の教示にしたがって実施される二重焦平面結像システムの結像副光学系を示す。結像副光学系は2つの焦平面を少なくとも1つの検出器に結合させる手段を提供する。一実施形態において、二重焦平面ビジョンシステムを実施するために偏光多重化が用いられる。一実施形態において、偏光多重化を実施するために複屈折レンズが用いられる。本発明の教示にしたがって実装される複屈折レンズは結像光学系を用いて初期ビームを2つの異なる焦平面上に分離するために用いられる。複屈折レンズは、入射光線の偏光ベクトルの方位に依存する、異なる屈折率を有する。この結果、複屈折レンズは入射光線を2本の(すなわち、常光線及び異常光線と呼ばれることが多い)光線に分解する。異なる軸上位置にある2つの物を結像するための複屈折レンズの使用は既知であり、例えば、米国特許第4566762A号明細書及び米国特許第5073021A号明細書に説明されている。
【0034】
単一の複屈折レンズが用いられる場合、いずれの偏光光線も倍率色収差として知られる波長依存シフトを受けるであろう。この収差を制御するため、複屈折レンズの光学能が最小限に抑えられる。一実施形態において、これは、物から発せられる光ビームを初めにコリメートし、次いでビームがコリメートされる場所に配置される低光学能複屈折レンズを用いることで達成される。
【0035】
図4に、基準基板400が示され、試料基板410が示される。本発明の教示にしたがえば、基準基板400はアルミノホウケイ酸ディスプレイガラスで実施される。基準基板は約6.8mmの厚さ405を有することができ、試料基板410は約0.7mmの厚さ415を有することができる。試料基板410は、コーニング1737,コーニングEagle2000,等のような、アルミノホウケイ酸ガラスファミリーで実施される。上記ガラス名はコーニング社の商標である。試料基板は、参照数字410aで示される前面すなわち第1の焦平面及び参照数字410bで示される背面すなわち第2の焦平面を有する。議論の目的のため、光は前焦平面410aから反射され。背焦平面410bから反射される。一実施形態において、第2の焦平面410bは基板410と基準基板400の接触配置によって実施される。基準基板400も前面405a及び背面405bを有することにも注意すべきである。本発明の一実施形態において、試料基板410の背面410bと基準基板400の前面405aの間の界面は第2の焦平面を形成する。
【0036】
図4に示されるように結像副光学系に入る照明光420が示される。一実施形態において、照明光420は図3の照明副光学系によって発生される。無偏光性プレートビームスプリッタ425が照明光420を受取り、照明光420を様々な物平面上に向ける。照明光420は複屈折レンズ430及び対物二重レンズ435を通過する。光は次いで焦平面410a及び410bのそれぞれから反射され、対物二重レンズを通って戻る。複屈折レンズ430は、撮像装置において光が適切に結合できるように、補正集束レンズとしてはたらく。アパーチャ445,デマルチプレクサ450及びCCD検出器460も示される。ビームスプリッタ425,複屈折レンズ430,像二重レンズ435,アパーチャ445,デマルチプレクサ450及びCCD検出器460はそれぞれ結像光路に沿って配置される。
【0037】
動作中、図3に示される照明副光学系が図4に示される照明光420を発生する。照明光420はビームスプリッタ425を照射する。参照数字462で示されるように、照明光420の50%が順向光路に沿って複屈折レンズ430に向けられ、参照数字422で示される50%がビームダンプに向けて導かれる。光は複屈折レンズ430を通過し、二重レンズ435が光を試料410上に集束させる。
【0038】
一実施形態において、逆方向で、反射光468は、光学系がCCD平面460において物を拡大(すなわち15X〜19Xに)するように配置された像二重レンズ435によって処理される。光は、第1及び第2の、2つの異なる直交偏光に作用する2つの異なる屈折率を有する、複屈折レンズ430を通過する。試料410の上面から反射される第1の直交偏光がCCD平面460に正しく集束されるように、5つの屈折率の内の大きい方の屈折率が第1の偏光に作用する。試料410と基準基板400の間の界面から反射される第2の直交偏光がCCD平面460に正しく集束されるように、2つの屈折率の内の小さい方の屈折率が第2の偏光に作用する。一実施形態において、二重レンズ435及び複屈折レンズ430を有するステージ440を、試料基板厚415に関して正しく集束させるように調節された様々な二重レンズ435及び複屈折レンズ430が置き換えられて結像光路に入り得るように、回転させるためにタレット442が用いられる。
【0039】
逆方向に、ビームスプリッタ425において、信号468の50%が反射されて照明副光学系に戻り、50%が(参照数字474で示されるように)逆向光路をアパーチャ絞り445の方向に進む。アパーチャ絞り445は結像光学系の開口数の制御を容易にする。アパーチャ絞り445はコントラストを変える(すなわち微調する)かまたはシグマ値を操作することによる、像品位を調節するためにフレキシビリティも提供する。
【0040】
デマルチプレクサ450が2つの異なる焦平面に対応するアパーチャ絞り445から光476を受け取る。光476は同じ光軸を共有する異なる偏光に関する2つの光路を有する。それぞれの焦平面(すなわち、410a,410b)は異なる偏光に関連付けられる。デマルチプレクサは第1の領域450a及び第2の領域450bを有する。デマルチプレクサ450の第1の領域450aは第1の直交偏光を含む光を通し、第2の領域450bは第2の直交偏光を含む光を通す。
【0041】
デマルチプレクサ450は、多くの目的を果たす。例えば、デマルチプレクサは2つの異なる焦平面に対応する光を分離する。デマルチプレクサはコントラストを高レベルに保つ。デマルチプレクサの使用は一方の焦平面からの情報が他方の焦平面からの情報に乗ることを避けるに役立つ。デマルチプレクサは異なる偏光を含む光を受取り、別々の偏光に分離する。デマルチプレクサ450の第1の領域450aは光を受取り、第1の偏光を通す。デマルチプレクサ450の第2の領域450bは光を受取り、第2の偏光を通す。したがって、デマルチプレクサは第1の偏光455a及び第2の偏光455bを発生する。
【0042】
最後に、逆向光路において、第1の偏光455a及び第2の偏光455bは、一実施形態において検出器を実装することができる、像平面460に伝えられる。本発明の教示にしたがえば、第1の偏光455a及び第2の偏光455bは像平面において、例えば検出器に結合される。像平面460の第1の領域460aは第1の偏光455aを受け取って処理し、像平面460の第2の領域460bは第2の偏光455bを受け取って処理する。
【0043】
第2の実施形態においては、第1,第2,第3及び第4の偏光ビームが(参照数字468で示されるように)反射される。第1及び第2の偏光ビームは第1の焦平面410aから反射され、第3及び第4の偏光ビームは第2の焦平面410bから反射される。
【0044】
一実施形態において、光466は2本の直交偏光ビームを含む。2本の直交偏光ビームは第1の焦平面410aから、また第2の焦平面410bから、反射される。反射光468は、様々な焦平面(すなわち、410a,410b)及び高反射面402から反射される光を全体として表すために示される。
【0045】
2本の同行直交偏光ビームは第1の焦平面410aから反射され、対物二重レンズ435を通って進む。全体として反射光468で表される、2本の同行直交偏光ビームは、光学能/倍率を提供する、対物二重レンズ435によって処理される。複屈折レンズ430において、2本の同行直交偏光ビームは2つの異なる屈折率に出会うであろう。一実施形態において、第1の焦平面410aから反射された光466(2本の同行直交偏光ビーム)は複屈折レンズ430の高屈折率すなわち高光学能領域で処理される。この結果、2本の同行直交偏光ビームは若干異なる距離に集束されるであろう。高屈折率によって処理された同行直交偏光ビームは検出器(すなわち焦平面)に集束されるであろう。他方の同行直交偏光ビームは検出器460の後方に集束されるであろう。本発明の一実施形態において、デマルチプレクサ450は第1のビームを通し、第2のビームを遮るであろうことに注意すべきである。2本の同行直交偏光ビームの相対集束位置は変えられているが、2本の同行直交偏光ビームは未だに同じ光軸上を進んでいる。
【0046】
他方の2本の同行直交偏光ビーム(すなわち、第3及び第4のビーム)は第2の焦平面410bから反射され、対物二重レンズ435を通って進む。全体として反射光468で表される、2本の同行直交偏光ビームは、光学能/倍率を提供する、対物二重レンズ435によって処理される。複屈折レンズ430において、2本の同行直交偏光ビームは2つの異なる屈折率に出会うであろう。一実施形態において、第2の焦平面410bから反射された光466(2本の同行直交偏光ビーム)は複屈折レンズ430の低屈折率すなわち低光学能領域で処理される。この結果、2本の同行直交偏光ビームは若干異なる距離に集束されるであろう。低屈折率によって処理された一方の同行直交偏光ビーム(すなわち第3のビーム)は検出器460(すなわち焦平面)に集束されるであろう。他方の同行直交偏光ビーム(すなわち、第4のビーム)は検出器460の前方に集束されるであろう。本発明の一実施形態において、デマルチプレクサ450は第3のビームを通し、第4のビームを遮るであろうことに注意すべきである。2本の同行直交偏光ビームの相対集束位置は変えられているが、2本の同行直交偏光ビームは未だに同じ光軸上を進んでいる。
【0047】
第3の実施形態において、光466は順向光路を進んだ後に試料410を照射し、3つの平面から反射される。試料410の上面が光を反射し、試料410と基準基板400の間の界面が光を反射し、高反射面402が光を反射する。3つの反射の全てが、順向光路で試料に入る入射光466に比例する、反射光468を形成する。
【0048】
反射光468と光476の間に共通光路が示されていることは当然である。続いて、デマルチプレクサ450と結像面460の間に、異なるビームすなわち直交偏光が分離され、異なる場所で結像面460に当たる、実質的に共通の光路が示される。
【0049】
本発明の教示にしたがえば、焦平面460において様々な検出方法を実施することができる。一実施形態において、偏光ビームスプリッタがアパーチャ絞り445の後方に配置され、2つの直交偏光光路が同じ集束距離に配置された2つの異なるCCDカメラに向けられる。第2の実施形態においては、CCDカメラの感光領域の前面に、感光領域の一方の部分が一方向の偏光(すなわち第1の直交偏光)を受け取り、感光領域の他方の部分が他方向の偏光(すなわち第2の直交偏光)を受け取るように、偏光子が配置される。第3の実施形態においては、感光領域がある期間第1の直交偏光で照射され、感光領域が別の期間第2の直交偏光で照射されるように、スイッチング方法(すなわち、回転ホイールに取り付けられた液晶素子または偏光子)を実施することができる。一実施形態において、複屈折レンズ焦点距離を用いて試料基板厚に相当する常焦平面と異常焦平面の間隔を達成することにより、プレート厚の異なるプレートの測定が達成される。
【0050】
図5は、本発明の教示にしたがって実施される偏光多重化の概念的実施形態を示す。光は2つの平面から反射される。近平面510からの光は対物レンズ520を通過し、複屈折レンズ540を通過して、そこで第1及び第2の同行直交直線偏光ビームに分離される。第1のビームは複屈折レンズ540の高屈折率を受け、よって像平面560に正しく集束されるであろう。第2のビームは正しく集束されない。マルチプレクサ550が第1のビームを選択し、第2のビームを像平面の所望の領域から遮る。遠平面500からの光も対物レンズ520を通過し、複屈折レンズ540を通過して、そこで第2の組の第1及び第2の同行直交直線偏光ビームに分離される。第2のビームは複屈折レンズ540の低屈折率を受け、よって像平面560に正しく集束される。第1のビームは正しく集束されない。マルチプレクサ550が第2のビームを選択し、第1のビームを像平面の所望の領域から遮る。
【0051】
本発明の教示にしたがえば、二重焦点を形成するために色ビーム分離システムが測定及び検査システムに実装される。一実施形態において、それぞれの色が異なる焦平面に対応する光学系を作成するために色ビーム分離法が実施される。一実施形態において、ダイクロイックビームスプリッタがビーム経路に挿入される。ダイクロイックビームスプリッタは2つの色を分離し、次いでそれぞれの色は個別の光路に沿って進む。それぞれの光路は焦点距離の異なる発散レンズを有し、この結果試料基板厚に等しい光路長差が得られる。光路は次いで再合体されて共通結像面に進む。偏光多重化と同様に、CCDを2つのカラーフィルタで半分ずつに分割するかまたは一時にCCDに進められる色を交互させるために色フィルタ回転ホイールを用いることによって、検出を行うことができるであろう。
【0052】
色多重化の概念図が図6に示される。
【0053】
照明光620がシステムに入り、50%がビームスプリッタ615から反射され、対物レンズを通って平面600及び605を照明する。残る50%は透過してビームダンプに向かい、失われる。この光は、ダイクロイックフィルタで弁別できる少なくとも2つの波長を含む、白色光または多色光である。平面600から反射される第1の光を考える。この第1の光は対物レンズ610に送られ、そこでほぼ像平面690に向けて集束される。次いで、50%がビームスプリッタ615を透過し、残る50%は反射されて光源に向けて戻り、失われる。第1の光は次いで、ダイクロイックフィルタ625と655、ミラー640と670及び第1のレンズ645と第2のレンズ650で構成される、色マルチプレクサ695に入る。多色光である、第1の光はダイクロイックフィルタ625によって第1及び第2の波長すなわち色に分離され、第1の波長は透過し、第2の波長は反射される。第1の波長は、第1の波長が像平面690上に精確に集束するであろうようにその焦点を調節する、チューブレンズ645を通過し、ミラー670から反射され、ダイクロイックフィルタ655から反射されて、チューブレンズ680を通過する。色デマルチプレクサ685は第1の波長を像平面690のある領域に通し、別のある領域から遮り、よって第1の波長は像平面のある領域上に平面600の十分に集束された像を与える。第2の波長はミラー640から反射され、第2の波長が像平面690に集束しないであろうようにその焦点を調節する、チューブレンズ650を通過し、ダイクロイックフィルタ655を透過して、チューブレンズ680を通過する。色デマルチプレクサ685は第2の波長を像平面690の第2のある領域に通す。第2の波長は像平面690上に集束しないから、第2の波長は、拡散し、集束されておらず、像平面690の第2の領域にいかなる像も与えない、背景光を与える。
【0054】
対称な態様で、平面605からの光も光学系を進み、同じく色マルチプレクサ695によって第1及び第2の波長に分離され、それぞれの波長はチューブレンズ645及び650のいずれか一方に送られる。この結果、第2の波長は像平面690の第2の領域上に平面605の十分に集束された像を与えるが、第1の波長は、拡散し、集束されておらず、像平面690の第1の領域にいかなる像も与えない、背景光を与える。
【0055】
本発明の教示にしたがえば、平面600及び605から像平面690への光路は実質的に一致していなければならない。これは、測定されるべき歪によって生じる移動より度合いが大きい、2つの波長の相対位置に影響を与えるであろう相対運動または移動がおこりえないように、色マルチプレクサ695のコンポーネントが設計されなければならないことを意味する。一実施形態において、これは、インバーのような低膨張金属またはZerodur(登録商標)のような低膨張セラミック材料の基盤上に色マルチプレクサを作製することで達成することができる。別の実施形態において、これは、全ての光学素子をセメントで接合して擬一体構造ガラスアセンブリにすることで色マルチプレクサを作製することにより達成することができる。
【0056】
図7は本発明の教示にしたがう偏光多重化を実施するために用いられる偽干渉計を示す。一実施形態において、2つの物表面が与えられた光路長だけ隔てられ、1つの結像面に結合される、偽干渉計が実施される。2つの表面を1つの共通結像焦平面に重ねるため、50/50ビームスプリッタがビーム路に組み込まれて2本の個別の光路を与える。2本の光路の長さは測定されている試料基板の厚さに相当する距離だけ相互にオフセットされる。これらの2本の光路は次いで再結合されて、以下に示されるように共通の像焦平面を与える。先の二重焦点結像方式とは異なり、この方法では2つの光路が多重化されず、したがって、一実施形態において、検出器は無デマルチプレックスで実装されることは当然である。
【0057】
図7において、試料は参照数字700で示される。照明光720がシステムに入り、ビームスプリッタによって50%が反射され、対物レンズ710を通過して平面700及び705を照射する。残り50%は透過してビームダンプに向かい、失われる。平面700から反射される第1の光を考える。第1の光は対物レンズ710を通過し、次いでビームスプリッタ715に向かい、50%が透過して、光を像平面790に向けて集束させるチューブレンズ730に向かう。残り50%は反射されて照明源に向けて戻り、失われる。この第1の光は次いで、ビームスプリッタ750及びミラー760と770で構成される、偽干渉計795に入る。第1の光はビームスプリッタによって分離され、50%は透過してミラー760に向かい、50%は反射されてミラー770に向かう。ビームスプリッタ750からミラー760までの距離は、例えば、ミラー760から反射される第1の光の50%が透過して対物レンズに戻り、失われ、残る50%が像平面790に向けて反射されて平面700の十分に収束された像を形成するように、ビームスプリッタ750からミラー770までの距離より短い。ミラー770から反射されてビームスプリッタ750に戻る第1の光は、50%が反射されて対物レンズに向かい、失われ、残る50%が透過して像平面790に向かい、拡散し、集束されておらず、像平面にいかなる像も与えない、背景光を与える。
【0058】
対称な態様で、平面705からの第2の光も光学系を進み、同じくビームスプリッタ750で分離され、50%が透過してミラー760に向かい、50%が反射されてミラー770に向かう。この結果、第2の光は像平面790上に平面705の十分に収束された像を与え、この十分に収束された像は第2の光のミラー770から反射されて像平面に実質的に到達する部分を含む。第2の光のミラー760から反射されて像平面に実質的に到達する部分は、拡散し、集束されておらず、像平面にいかなる像も与えない。
【0059】
第1及び第2の光で形成される像は、第1及び第2の光の十分に収束された部分が像平面790の所望の場所に落ちるように、ビームスプリッタ750並びにミラー760及び770の1つまたは1つより多くに、若干の、例えば5°より小さい、回転角を導入することによって、一致するかまたは隣接するように配置することができる。回転角の導入は製造中に1回行われ、回転角は動作中一定であり、固定されている。
【0060】
本発明の教示にしたがえば、平面700及び705から像平面790までの光路は実質的に一致していなければならない。これは、測定されるべき歪によって生じる移動より度合いが大きい、第1の光と第2の光の相対位置に影響を与えるであろう相対運動または移動がおこりえないように、偽干渉計795のコンポーネントが設計されなければならないことを意味する。一実施形態において、これは、インバーのような低膨張金属または低膨張セラミック材料の基盤上に偽干渉計を作製することで達成することができる。別の実施形態において、これは、全ての光学素子をセメントで接合して擬一体構造ガラスアセンブリにすることで偽干渉計を作製することにより達成することができる。
【0061】
最後に、物が異なる収束位置に置かれるという事実により、いくつかの像補正が必要になる。第1の補正は、物対像倍率が2つの焦平面で異なるという事実による。この問題を示すため、x1及びx2にそれぞれ置かれた2つの物に関する測定ノードを考察しよう。測定の第1段階中のCCD上のそれぞれの位置は、
Y1=G1×x1,
Y2=G2×x2
で与えられるであろう。ここでG1及びG2は2つの焦平面についての2つの倍率係数である。第2段階において測定を反復する場合、いずれの物も、例えばビジョンシステムがノードに関して同じ位置に完全には中心が合わされていないため、ベクトルdxだけ平行シフトしていることがあり得る。したがって、この場合に位置は、
Y'1=G1×(x1+dx),
Y'2=G2×(x2+dx),
で与えられる。よって、倍率が互いに異なるという事実により、大きさが(G1−G2)×dxの測定誤差が生じる。したがって、いずれの倍率も較正し、異なる倍率で測定値を補正する必要がある。最後に、データ補正が必要になり得る別の態様は視差効果に関係する。実際、物が互いに異なる集束位置にあれば、それぞれの見かけの距離はビジョンシステムの角度ずれによって影響を受ける。これは、ビジョンシステムの角安定性が十分に小さいままであることを保証するかまたはビジョンシステムの角度ずれをモニタしてデータ補正を行うことによって、最小限に抑えることができる。
【0062】
図8は本発明の教示にしたがって実施されるコントラスト強調アセンブリを示す。試料基板800が示される。試料基板800は上面805及び下面807を有する。試料基板800は基準基板810上に配置される。基準基板810は上面815及び下面820を有する。高反射面860が基準基板810の下面820に対して配置される。基準基板810は参照数字850で示される真空ポートを有する。基準基板810上に第1の格子パターン840が示される。試料基板810上に第2の格子パターン830が示される。本発明の教示にしたがうビジョンシステム870が実装される。ビジョンシステム870は(光線880及び885に対応する)2つの焦平面を同時に処理する。参照数字880で表される光線は位置805にある第1の焦平面における処理を表すように示され、参照数字885で表される光線は第2の焦平面807における処理を表すように示される。
【0063】
測定及び検査システムに用いられる石英ハロゲン白色光源は、スペクトルが非常に広い出力を有する。したがって、システムの透過スペクトルはセンサとして用いられるCCDカメラのスペクトル感度で制限される。一実施形態において、CCDカメラは約350〜900nmに感度を有する。この結果、コヒーレンス長は、CL=λ/Δλ=0.710μmで与えられる。ここで。CLはコヒーレンス長、λは中心波長、Δλはスペクトル幅である。したがって、2枚のプレートの間の間隙が0.710μmより小さければ、干渉がおこるであろう。これは、試料基板が基準基板に真空で引き付けられている場合に実際におこる状況である。したがって、一貫した正確な測定結果を得るためにはこの干渉が最小限に抑えられることが必要である。図8は、ミラーのような、高反射面860を用いた場合に生じる反射を示す。一実施形態において、高反射面は反射率が100%の理想ミラーと見なされる。一実施形態において、基板800の上面805からの(参照数字865で示される)反射は4%である。基板800の下面と基準基板510の、干渉界面としても知られる、界面からの(参照数字890で示される)反射はほぼ0と8%の間である。高反射面からの反射は88%であり、参照数字895で示される。この結果、96%±4%の反射が得られる。最悪の場合、変動は8/92×100=8.7%である。要約すれば、干渉層の効果を理論的には最大で91.3%低減することができる。
【0064】
ミラー面反射は、試料LCD基板810の下面と基準プレート815の上面の間の界面の効果を圧倒する。高反射面860の導入は照明方式を明視野反射から仮想明視野透過に変える。この照明は、露出表面上の表面汚染の効果を、第4の表面と比較した表面汚染反射の寄与が最小になるから、低減するであろう。
【0065】
本出願明細書を通して、様々な公開文書が参照される。これらの公開文書の開示は、本明細書に説明される化合物、組成及び方法をより完全に説明するため、それぞれの全体が本明細書に参照として含まれる。
【0066】
本発明のいくつかの説明のための特定の態様に関して本発明を詳細に説明したが、添付される特許請求の範囲に定められるような本発明の広い範囲を逸脱することなく数多くの改変が可能であるから、本発明がそのような態様に限定されると見なされるべきではないことは当然である。
【符号の説明】
【0067】
800 試料基板
805 試料基板上面
807 試料基板下面
810 基準基板
815 試料基板上面
820 試料基板下面
830,840 格子パターン
850 真空ポート
860 高反射面
865 基板上面反射光
870 ビジョンシステム
880,885 光線
890 試料基板/基準基板界面反射光
895 高反射面反射光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を処理する方法において、
(a)入射光ビームを2つの焦平面から反射させることによって位置情報を有する2本の同行直交偏光ビームを形成する工程であって、前記位置情報は前記2つの焦平面のそれぞれにおける点の相対位置を表すものである工程、
(b)前記2本の同行直交偏光ビームを同じ光路を通して処理し、次いで単一の像平面における処理のために分離する工程、及び
(c)前記単一像平面において前記位置情報を再生する工程、
を含むことを特徴とする光を処理する方法。
【請求項2】
前記単一像平面における前記位置情報の再生に応じて歪を決定する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光を処理する方法。
【請求項3】
歪を測定する方法において、
第1の焦平面を有する第1の基板を第2の焦平面を有する第2の基板に対して位置決めする工程であって、前記第1の焦平面は前記第2の焦平面より結像位置に近いものである工程、
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程、及び
前記結像位置からの前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面の両者の同時結像に応じて前記第2の基板の歪を決定する工程、
を含むことを特徴とする歪を測定する方法。
【請求項4】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、偏光多重化を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項5】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、色多重化を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項6】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、偽干渉計を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項7】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、前記第1及び第2の焦平面を結像させるためにほぼコリメートされたビーム部分内に低光学能複屈折レンズを実装する工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の歪を測定する方法。
【請求項8】
前記結像位置からの前記第1及び第2の焦平面の両者の同時結像によって実施される前記歪を決定する工程が、前記結像場所の前方に偏光ビームスプリッタを実装して、2本の偏光光路を形成し、それぞれの光路を検出するために異なる検出器を用いる工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の歪を測定する方法。
【請求項9】
前記結像位置からの前記第1及び第2の焦平面の両者の同時結像によって実施される前記歪を決定する工程が、検出器のそれぞれ半分の前面に異なる偏光子を配置し、よって、検出器の一方の半分の面が一方向の偏光を受取り、検出器の他方の半分の面が他方向の偏光を受け取る、工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の歪を測定する方法。
【請求項10】
前記結像位置からの前記第1及び第2の焦平面の両者の同時結像によって実施される前記歪を決定する工程が、前記焦平面と前記結像位置の間にスイッチング素子を配置し、前記焦平面に検出器を配置し、よって、前記検出器が時間の関数として交互に一方向の偏光検出と他方向の偏光の検出を行う、工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の歪を測定する方法。
【請求項11】
前記位置情報が、前記2つの焦平面間で異なる倍率因子を考慮に入れるために補正されることを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項12】
視差効果を回避するため、結像光学系の角度ずれがモニタされるかまたは最小限に抑えられることを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項13】
照明の開口数が結像光路の開口数に対してかなり大きくつくられることを特徴とする請求項3に記載の歪を測定する方法。
【請求項14】
歪を測定する方法において、
第1の焦平面を有する第1の基板を第2の焦平面を有する第2の基板に対して位置決めする工程であって、前記第1の焦平面は前記第2の焦平面より結像位置に近いものである工程、
前記第2の基板の前記第2の焦平面とは逆の側に反射面を配置する工程、
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程であって、光を前記第1の焦平面を透過させ、前記第2の焦平面を透過させ、前記反射面から反射させて、前記結像位置に戻す工程を含む工程、及び
前記結像位置からの前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面の両者の同時結像に応じて前記第2の基板の歪を決定する工程、
を含むことを特徴とする歪を測定する方法。
【請求項15】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、偏光多重化を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の歪を測定する方法。
【請求項16】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、色多重化を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の歪を測定する方法。
【請求項17】
前記第1の焦平面及び前記第2の焦平面をともに前記結像位置から同時に結像させる工程が、偽干渉計を実施する工程をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の歪を測定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−519562(P2010−519562A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551996(P2009−551996)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/002502
【国際公開番号】WO2008/106120
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】