説明

段ボール箱用シートの接合方法および段ボール箱用シートの接合装置

【課題】二枚一組のユニットからなる段ボール箱用シートの継ぎしろ部と被継ぎしろ部の
縫合に際して、継ぎしろ部や被継ぎしろ部側シート部の折曲の確実性、縫合時における断
面方形状の段ボール箱用シートの姿勢の盲動を抑制し、ルーパー機構側に対する荷重の負
荷を解消し、適性な縫合作業を提供する。
【解決手段】ミシン針28aを備えたミシン針機構28bと針板28cを有するルーパー
機構28dからなるミシン28において、ルーパー機構28dの針板28cを継ぎしろ部
12aの内側に、ミシン針機構28bを被継ぎしろ部12bの外側に配置し、両段ボール
箱用シートW1、W2の姿勢を断面方形状に保持しつつ、第1の折目10と平行に間欠駆
動させつつ、ミシン針28aを往復移動と同期させ、縫合部Sの外側から内側に向けて水
平方向に往復移動させることにより縫合部Sを縫合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボール箱用シートの継ぎしろ部と被継ぎしろ部の縫合による接合方法と
その装置に関する。
特に、大型の段ボール箱用シートに関するもので、いわゆるツーピースに分割された二
枚一組のユニットからなる段ボール箱用シートの接合に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来例として、二枚一組のユニットからなる段ボール箱用シートの継ぎしろ部
と被継ぎしろ部を接合するのにワイヤーステッチングと称された装置や方法が伝統的に採
用された(特許文献1)。
【0003】
この従来例には、一方の段ボール紙を上部のガイドバーへ、他方の段ボール紙を下部の
ガイドバーへ供給し、予め設けられた折目に沿わせてガイドバーを介して段ボール紙を折
曲させることにより、断面方形状の枠体を設け、次いで、継ぎしろ部と被継ぎしろ部から
なる接合部を順次ワイヤーステッチャーにより接合する方法と装置が記載されている。
【0004】
この従来例はワイヤーによる接合部の接合であるから、再生活用時にワイヤーの存在が
障害になり、ワイヤーの取り外しに手間どるほか、使用時にワイヤーが人体に触れて怪我
をしたり、被包装物に傷を与えたり、被服が損傷することもまれではなかった。
【0005】
また、折目に沿わせ、ガイドバーを介して折曲させることにより、断面方形状の枠体を
設けるようにしてなるものの、折曲の確実性や枠体の姿勢制御などに関して正確性に欠け
るおそれがあった。
【0006】
そこで、近年ワイヤーによる接合に代えてグルージョイントと称された接着剤による接
合が主流になり、各種の接合方法や接合装置が開発されたが、接着剤による接合の場合、
接着工程、加熱工程、乾燥工程などを必要とするから、工程数の増加を招き生産能率が不
十分であった。
【0007】
そこで、前記の従来例らの課題を解決することを意図して接合部を縫合することにより
接合する方法およびその装置が開発された(特許文献2を参照)。
【0008】
この例は、一枚の段ボール箱用シートを折目を介して断面方形状に手作業により折り曲
げ、基台の下方に継ぎしろ部を支持し、被継ぎしろ部をその上方に支持させて継ぎしろ部
と被継ぎしろ部からなる接合部を基台の上下に挟んで構成し、その接合部をミシン針を上
下に昇降させてスフ糸などにより縫合する際に、一枚からなる段ボール箱用シートを基台
からミシン針の下方へ抜き出し、順次、接合部を縫合するものであった。
【0009】
したがって、前記の従来例らのそれぞれの課題を解決した点で評価できる。
一方、ミシン針を昇降することにより、接合部を縫合するものであるから、比較的小型
あるいは標準の大きさで軽量な段ボール箱用シートに関しては課題は少ない。
【0010】
ところが、仮に、一枚の段ボール箱用シートにより、大型の段ボール箱用シートを接合
しようとすれば(たとえばその一枚は、長さが5200mm、幅が1200mm、重量が
4100gとなる)、縫合時の煩雑さを生じることはもとより
、作業スペースが大幅に拡大される問題点のあることのほか、荷重の負荷を回避できない

シートの荷重が針板やルーパーが内装されたケースに加わるから、その結果、針板やケ
ースなどがたわみ、あるいは変形し、針、ルーパー、針板の位置関係に狂いが発生し、縫
合の確実性を低下させた。
よって、一枚の段ボール箱用シートにより大型の段ボール箱用シートを縫合することは
困難であることが発明者らの試験により検証された。
【0011】
さらに、特許文献3記載の考案が開発されたものの、特許文献2記載の発明と同様に比
較的小型あるいは標準の大きさで軽量な段ボール箱用シートに関する限り、問題が少ない
ものの、大型であって、重量の重い段ボール箱用シートについては、上記のとおり問題が
あった。
【0012】
また、前記の特許文献1ないし3では、この発明がテーマとする大型の段ボール箱用シ
ートの接合において、そのグループの中でも、大小の大きさの段ボール箱用シートの接合
の必要性はいうまでもないが、特定の1台の接合装置により、その接合に関して、大小の
大きさの段ボール箱用シートの大きさ毎に対応できる汎用性のある装置や方法は未解決で
あった。
【特許文献1】特公昭52−29667号公報(明細書第1頁第2欄第35行ないし同第2ページ第3欄第4行、第3図、第4図)
【特許文献2】特開2006−175157号公報(明細書第3頁段落「0004」、図4、図5)
【特許文献3】登録実用新案第3142579号公報(明細書第2頁段落「0009」、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
解決しようとする課題は、上記の課題に鑑み、この発明の目的は大型であって
、重量の重い段ボール箱用シートの接合について、二枚一組のユニットからなる段ボール
箱用シートの継ぎしろ部と被継ぎしろ部の縫合に際して、継ぎしろ部や被継ぎしろ部側シ
ートを得るための折曲の確実性を得、シートの荷重が針板やルーパーが内装されたケース
に加わらないようにし、針板やケースなどのたわみや
、あるいは変形を抑制し、針、ルーパー、針板の位置関係の狂いを抑制する大型の段ボー
ル箱用シートの接合方法および接合装置を提供することにある。
【0014】
他の目的は、この発明がテーマとする大小の大きさの段ボール箱用シートの接合に関し
て、大小の大きさの段ボール箱用シートの大きさ毎に対応できる汎用性のある接合方法や
接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の課題を解決するための第1の課題解決手段は、
段ボール箱用シートの継ぎしろ部と被継ぎしろ部を縫い糸により接合する方法において

第1の折目を境にして一側に継ぎしろ部が突設され、該継ぎしろ部に対応する被継ぎし
ろ部が他側の裏面に形成され、該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部との間に第2の折目が形成
され、該第1の折目と該第2の折目との間に継ぎしろ部側シート、該第2の折目と該被継
ぎしろ部との間に被継ぎしろ部側シートが備えられた段ボール箱用シートを二枚一組設け

一方の段ボール箱用シートを水平状態により上方に配置し、他方の段ボール箱用シート
を一方の段ボール箱用シートに対して対称であって、かつ、水平状態によりその下方に配
置した上該両シートの姿勢を保持し、
前記の一方の段ボール箱用シートの該継ぎしろ部を該第1の折目を境にして下方に向け
て直角に折曲させ、
前記の他方の段ボール箱用シートの該継ぎしろ部を該第1の折目を境にして上方に向け
て直角に折曲させ、
前記の一方の段ボール箱用シートの該被継ぎしろ部側シートを該第2の折目を境にして
下方に向けて直角に折曲させ、
前記の他方の段ボール箱用シートの該被継ぎしろ部側シートを該第2の折目を境にして
上方に向けて直角に折曲させることにより、前記の両段ボール箱用シートの姿勢を断面方
形状に形成するとともに、対向するそれぞれの該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部からなるそ
れぞれの縫合部を対角線上に設定した上その姿勢を保持し、
水平方向に移動自在なミシン針を備えたミシン針機構と針板を有するルーパー機構から
なる二組のミシンのそれぞれを該縫合部の傍らに配置し、
該ルーパー機構の該針板を該縫合部の内側に、ミシン針機構を該縫合部の外側にそれぞ
れ設定し、
前記の断面方形状に形成した両段ボール箱用シートを該第1の折目および該第2の折目
と平行に間欠移動させつつ、ミシン針を該間欠駆動と同期させ、該縫合部の外側から内側
に向け水平方向に往復移動させることにより該縫合部を縫合す
ることを特徴とする段ボール箱用シートの接合方法である。
【0016】
なお、第1の課題解決手段では、それぞれの継ぎしろ部を被継ぎしろ部の内側に設定す
ることにより、外観上、継ぎしろ部が露呈しないように試みたが、外観を無視するのであ
れば、反対に、被継ぎしろ部を継ぎしろ部の内側に折曲することは自由である。
【0017】
本発明の課題を解決するための第2の課題解決手段は、
第1の折目を境にして一側に継ぎしろ部が突設され、該継ぎしろ部に対応する被継ぎし
ろ部が他側の裏面に形成され、該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部との間に第2の折目が形成
され、該第1の折目と該第2の折目との間に継ぎしろ部側シート、該第2の折目と該被継
ぎしろ部との間に被継ぎしろ部側シートを備えた二枚一組の段ボール箱用シートの接合装
置において、
該二枚一組の段ボール箱用シートのそれぞれを上下に分け、水平方向に搬送する上方側
搬送手段と下方側搬送手段がそれぞれ設けられ、
該二枚一組の段ボール箱用シートにおいて、少なくとも折曲が予定されるそれぞれの部
位に上方側姿勢制御手段と下方側姿勢制御手段がそれぞれ設けられ、
両段ボール箱用シートのそれぞれの第1の折目および第2の折目を境にして該継ぎしろ
部を折曲する上方側継ぎしろ部用折曲手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側
被継ぎしろ部側シート用折曲手段の組物、下方側継ぎしろ部用折曲手段と、下方側被継ぎ
しろ部側シート用折曲手段の組物が対角線上であって
、かつ、対称に設けられ、
両段ボール箱用シートを間欠移動させる上方側間欠移動手段と、下方側間欠移動手段の
それぞれが対角線上であって、かつ、対称に設けられ、
水平方向に移動自在なミシン針を備えたミシン針機構と針板を備えたルーパー機構から
なる上方側ミシンと、下方側ミシンが対角線上であって、かつ、対称に設けられ、
それぞれの該ルーパー機構の針板は縫合が予定されるそれぞれの該継ぎしろ部の内側に
、それぞれのミシン針機構は縫合が予定されるそれぞれの該被継ぎしろ部の外側に設けら
れ、
前記のミシン針が該間欠移動手段の間欠移動と同期され、該被継ぎしろ部の外側から内
側の該継ぎしろ部に向けて水平方向に往復移動されることにより、該継ぎしろ部と該被継
ぎしろ部からなる縫合部を縫合するようしてなることを特徴と
する段ボール箱用シートの接合装置である。
【0018】
本発明の課題を解決するための第3の課題解決手段は、第2の課題解決手段において、
該上方側搬送手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側被継ぎしろ部側シート
用折曲手段と、上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれ
ぞれが上下方向に昇降自在に設けられるとともに該上方側搬送手段は幅方向の間隔が調整
自在に設けられ、
上方側間欠移動手段と、上方側ミシンと、該継ぎしろ部を折曲する上方側継ぎしろ部用
折曲手段と、該継ぎしろ部用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれぞれが上下方向に
昇降自在に設けられるとともに水平方向に移動自在に設けられ
、該被継ぎしろ部側シートを折曲する下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段と
、該下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの下方側姿勢制御手段と、下方側搬送手
段がそれぞれ水平方向に移動自在に設けられるとともに該下方側搬送手段は長さ方向の間
隔が調整自在に設けられてなることを特徴とする請求項2記載の段ボール箱用シートの接
合装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の課題を解決する第1の課題解決手段は、上記の構成であるから、以下の作用効
果を奏する。
とりわけ、一方の段ボール箱用シートを水平状態により上方に配置し、他方の段ボール
箱用シートを一方の段ボール箱用シートに対して対称であって、かつ、水平状態によりそ
の下方に配置した上その姿勢を保持し、前記の一方の段ボール箱用シートの該継ぎしろ部
を該第1の折目を境にして内側の下方に向けて直角に折曲させ、前記の他方の段ボール箱
用シートの該被継ぎしろ部側シートを該第2の折目を境にして内側の上方に向けて直角に
折曲させることにより、前記の両段ボール箱用シートの姿勢を断面方形状に形成するとと
もに、対向する該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部からなるそれぞれの縫合部を対角線上に設
定した上、その姿勢を保持し、水平方向に移動自在なミシン針を備えたミシン針機構と針
板を有するルーパー機構からなる二組のミシンをそれぞれの該縫合部の傍らに配置し、該
ルーパー機構の該針板を該縫合部の内側に、ミシン針機構を該縫合部の外側にそれぞれ設
定し、前記の断面方形状に形成した両段ボール箱用シートを該第1の折目および該第2の
折目と平行に間欠移動させつつ、ミシン針を該間欠駆動と同期させ、該縫合部の外側から
内側に向け水平方向に往復移動させることにより該縫合部を縫合するようにした。
【0020】
したがって、縫合工程に備えて両シートの姿勢を制御した上、折目を介して折曲される
両シートは断面方形状であるから、形成される縫合部は爾後の縫合工程に備えて垂直方向
にあらわれるので、シートの荷重負担による不具合を解消し、縫合の確実性を期待できる

【0021】
特許文献2、3では縫合される被継ぎしろ部側の段ボール箱用シートおよび継ぎしろ部
は、水平方向に積層されるから、シートの荷重が針板やルーパーが内装されたケースに加
わり、針板やケースなどがたわみ、あるいは変形し、針、ルーパー、針板の位置関係に狂
いが発生し、縫合の確実性を低下させるおそれがあった。
【0022】
これに対してこの発明では、たとえば、ユニットの一枚が2050gの重量の重い段ボ
ール箱用シートの接合をテーマとするが、被継ぎしろ部側の段ボール箱用シートおよび継
ぎしろ部は垂れ下がるように垂直方向に積層されるに止まるから、その荷重はケースや針
板など、ルーパー機構側に加わることが極めてすくないので、縫合の確実性を期待できる
(図4を参照)。
【0023】
その結果、ケースや針板などルーパー機構側に変形やたわみを生じさせないから、ルー
パー機構を常時、正規の状態に維持できるので、縫合作用の確実性が期待できる。
【0024】
本発明の課題を解決する第2の課題解決手段は、上記の構成であるから、以下の作用効
果を奏する。
第1の課題解決手段と共通の作用効果を奏するほか、折曲が予定されるそれぞれの部位
に上方側姿勢制御手段と下方側姿勢制御手段がそれぞれ設けられ、両段ボール箱用シート
のそれぞれの第1の折目および第2の折目を境にして該継ぎしろ部を折曲する上方側継ぎ
しろ部用折曲手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側被継ぎしろ部側シート用
折曲手段の組物、下方側継ぎしろ部用折曲手段と、下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手
段の組物が対角線上であって、かつ、対称に設けられているから、姿勢を制御しつつ、両
シートを妄動させることなく、それぞれの折目に沿って継ぎしろ部と被継ぎしろ部側シー
トを断面L字状と倒立断面L字状に折曲できる。
その結果、両シートを縫合に備えて断面方形状に形成でき、上方側間欠移動手段と下方
側間欠移動手段によりミシン針の往復移動と同期させて縫合できる。
【0025】
本発明の課題を解決する第3の課題解決手段は、上記の構成であるから、以下の作用効
果を奏する。
該上方側搬送手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側被継ぎしろ部側シート
用折曲手段と、上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれ
ぞれが上下方向に昇降自在に設けられるとともに該上方側搬送手段は幅方向の間隔が調整
自在に設けられ、上方側間欠移動手段と、上方側ミシンと、該継ぎしろ部を折曲する上方
側継ぎしろ部用折曲手段と、該継ぎしろ部用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれぞ
れが上下方向に昇降自在に設けられるとともに水平方向に移動自在に設けられ、該被継ぎ
しろ部側シートを折曲する下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段と、該下方側被継ぎし
ろ部側シート用折曲手段寄りの下方側姿勢制御手段と、下方側搬送手段がそれぞれ水平方
向に移動自在に設けられるとともにと該下方側搬送手段は長さ方向の間隔が調整自在に設
けられてなるから、大小の大きさの段ボール箱用シートの接合に関して、大小の大きさの
段ボール箱用シートの大きさ毎に対応できる汎用性のある接合方法や接合装置を提供でき
る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
重量の重い、いわゆるツーピースタイプと称されている段ボールシートの継ぎしろ部と
被継ぎしろ部からなる縫合部を糸縫いにより接合するに際して、段ボールシートの荷重に
よる負荷を回避する目的を、縫合部を垂直方向に設定し、ミシン針を縫合部に対して水平
方向へ往復運動させることにより達成したものである。
【0027】
この発明は、1個の段ボール箱Kが二枚一組の段ボール箱用シートW1、W2から構成
される形態を対象とするもので、当業界でいわゆる「ツーピースタイプ」と称されている
段ボール箱を対象とする。
【0028】
因みに、大型の段ボール箱の例では、一枚の段ボール箱用シートが長さが2600mm
、幅が1200mm、重量が2050gものも予定されている。
図12では、箱Kの蓋片Fや底片Bを構成するフラップやスリット15、15が表され
てなるが、蓋F、底B、スリット15などの有無は問わない。
【0029】
この発明の詳細を図面を参照し、方法の発明を装置の発明とともに以下に説明する。
【0030】
この発明は、第1の折目10を境にして一側に継ぎしろ部12aが突設され、継ぎしろ
部12aに対応する被継ぎしろ部12bが他側の裏面に形成され、継ぎしろ部12aと被
継ぎしろ部12bとの間に第2の折目14が形成され、第1の折目10と第2の折目14
との間に継ぎしろ部側シートWa、該第2の折目14と被継ぎしろ部12bとの間に被継
ぎしろ部側シートWbが備えられた二枚一組の段ボール箱用シートW1、W2のそれぞれの
継ぎしろ部12aと被継ぎしろ部12bからなる縫合部Hを縫い糸Sにより接合する方法
とその装置Mに関するものである(図11、図12を参照)。
【0031】

[上方側搬送手段について]
上方側搬送手段16Aを図1、図2を参照して説明すると、上方に位置する一方の段ボ
ール箱用シートW1を次工程の折曲工程に備えて装置Mの上方へ搬送することを意図する
もので、詳細な図示は省略されているが、具体例はいわゆる吸着パッド16aを主体とす
るものである。
【0032】
複数個の吸着パッド16aはエジェクタに接続されるとともにシリンダに内装されたピ
ストンの往復運動に支配され、吸着パッド16aが予め架台上に水平状態に積載された一
方の段ボール箱用シートW1上へ降下し、シートW1に接触し
、吸引作用により吸着するようにされたものである。
したがって、一方の段ボール箱用シートW1を吸着した吸着パッド16aが往復移動す
ることにより、シートW1を水平状態を保持して、次工程向けて搬送し、所定の位置に降
下できる。
【0033】
吸着パッド16aは、両側の回転自在なスプロケットホイル16bに掛装されたチェー
ン16cに垂設され、チェーン16cの往復運動に支配される。
また、この例では、追って説明する折曲手段により折曲された断面方形状の両シートW
1、W2は縫合工程へ送られるが、空になった上方側搬送手段16Aの主要部17は原位
置へ復帰され、次のシートW1の搬送に備えて待機する。
【0034】
主として装置Mのスペースの拡大を抑制することを意図して、上方側搬送手段16Aと
して吸着パッド16aを主たる要素とする例を挙げたが、この例に制限する趣旨ではない

たとえば、追って説明する下方側搬送手段16Bの具体例と同様にベルトコンベアを採
用することも発明者らは予定している。
【0035】
詳細は追って説明するが、この架台16xに搭載された上方側搬送手段16Aは、大小
の大きさの段ボール箱用シートW1、W2のうち、上方へ搬送される一方の段ボール箱用
シートW1に関し、その大小の変化があっても搬送に対応できるように上下方向へ移動自
在に、加えて、複数個の吸着パッド16aが互いの幅方向の間隔を調整できるようにも図
られるている。
【0036】
[下方側搬送手段について]
下方側搬送手段16Bは、下方に位置する他方の段ボール箱用シートW2を次工程の折
曲工程に備えて装置Mの下方へ搬送することを意図するもので、詳細な図示は省略されて
いるが、具体例として広く知られたベルトコンベアが採用され
、長いシートW2の搬送にも対応できるように4ラインのベルトコンベアが採用されてい
る(図1、図3、図4を参照)。
【0037】
一方の段ボール箱用シートW1の搬送は上方側搬送手段16Aにより、他方の段ボール
箱用シートW2は下方側搬送手段16Bにより、両シートW1、W2の二枚一組を折曲さ
せて断面方形状に形成して縫合工程に備えるため、互いの配置向きを予め対称にして両手
段16A、16Bへそれぞれが供給され搬送される。
因みに、図面上、一方の段ボール箱用シートW1の継ぎしろ部12aは左側に
、他方の段ボール箱用シートW2の継ぎしろ部12aは右側に位置されている(
図3、図4を参照)。
【0038】
なお、図3に示されるように、一方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側シート
Wbの長さαに等しい距離分だけを他方の段ボール箱用シートW2に対して図面上右側へ
ずらして配置することにより、追って説明する上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段2
4Aおよび下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24Bを介して一方の被継ぎしろ部側
シートWbを直角の下方へ、他方の被継ぎしろ部側シートWbを直角の上方へ向けて折り
曲げたとき、それぞれの被継ぎしろ部12bをそのままそれぞれの継ぎしろ部12aの外
側へ対向させることができから、縫合に備える縫合部Hを手軽に得ることができる。
【0039】
下方側搬送手段16Bとしてベルトコンベアの例を挙げたが、この例に制限する趣旨で
はない。
たとえば、先に説明した上方側搬送手段16Aの具体例と同様に吸着パッド16aを主
たる要素とする搬送手段を採用することも発明者らは予定している。
【0040】
なお、詳細は追って説明するが、この架台16yに搭載された下方側搬送手段16Bは
、大小の大きさの段ボール箱用シートW1、W2のうち、下方へ搬送される他方の段ボー
ル箱用シートW2に関し、大小の変化があっても搬送に対応できるよう4ラインのベルト
コンベアの間隔を調整できるようにも図られている。
さらにいえば、4ラインのベルトコンベアによる下方側搬送手段16Bを静止すること
により、他方の段ボール箱用シートW2の裏面側の姿勢制御できるから
、このベルトコンベアは、下方側搬送手段16Bであるとともに、追って説明す下方側姿
勢制御手段の一部を構成するものである。
【0041】
[上方側姿勢制御手段について]
二枚一組の段ボール箱用シートW1、W2のうち、装置Mの上方に搬送される一方の段
ボール箱用シートW1を次工程の折曲工程に備えて姿勢を制御することを意図するもので
ある。
この上方側姿勢制御手段は、図3ないし図6を参照して明らかなように、一方のシート
W1の折曲時の水平状態の姿勢制御と折曲後の断面L字状および断面倒立L字状のそれぞ
れの姿勢制御を図るものである。
とりわけ、断面方形状の両シートW1、W2における縫合部Hの姿勢制御の機構に工夫
が凝らされている。
【0042】
この上方側姿勢制御手段の具体例は図3ないし図6に示されるように、シートW1の裏
面と表面を支持する部材が設けられられている。
これらの部材は、折曲が予定される一方の段ボール箱用シートW1の第1の折目10の
内側寄りと第2の折目14の内側寄りにそれぞれ設けることが好ましい

【0043】
シートW1の裏面を支持する部材が第1の折目10の内側寄りと第2の折目14の内側
寄りにそれぞれ設けられることにより、一方の段ボール箱用シートW1の継ぎしろ部12
aを第1の折目10を境に、また、被継ぎしろ部側シートWbを第2の折目14を境にし
て折曲し易い。
【0044】
図3を参照すると第2の折目14の内側寄りに第1の細長い倒立L字状のアングル部材
18aが設けられている。
なお、このアングル部材18aは、追って詳細を説明するが、上下方向へ移動自在に設
けられている。
一方、追って詳細を説明するが、第1の細長い倒立L字状のアングル部材18aの内側
に、第2の細長い倒立L字状のアングル部材18bがシートW1の姿勢制御のほか二次作
用を奏するように意図され、水平方向と上下方向へ移動自在に設けられている。
【0045】
第1の折目10寄りのシートW1の裏面を支持するため、コーナー用第1ベルトコンベ
ア18cが設けられている。
このベルトコンベア18cは前記の下方側搬送手段16Bとは異なり、多目的のもので
ある。
その目的の1は、第1の折目10寄りのシートW1の裏面を支持すること、その2は、
折曲後の断面方形状の両シートW1、W2を縫合工程に備えて搬送を行うことにある。
コーナー用第1ベルトコンベア18cを静止させることにより、ベルトの上面を利用し
て前記した第1の細長い倒立L字状のアングル部材18aや第2の細長い倒立L字状のア
ングル部材18bと同様にシートW1の裏面を支持することが意図されている。
【0046】
なお、図3、図4を参照すると、コーナー用第1ベルトコンベア18cの傍らにさらに
コーナー用第2ベルトコンベア18dが設けられている。
コーナー用第2ベルトコンベア18dは、折曲工程後の断面方形状の両シートW1、W
2を縫合工程に備えて搬送に寄与するほか、折曲後の他方の被継ぎしろ部側シートWbを
追って説明する盲動抑制部材20と相まって盲動しないよう制御するものである。
【0047】
図4を参照して明らかなように、縫合工程に向けて断面方形状の二枚の両シートW1、
W2を搬送する場合、前記の4ラインのベルトコンベアによる下方側搬送手段16Bのみ
で搬送しようとしても、これらの裏面が支持されるに止まり、その姿勢を断面方形状に保
持して搬送することの困難性に鑑み、とりわけ、折曲
が予定される両シートW1、W2のそれぞれの部位にコーナー用第1ベルトコンベア18
cやさらにコーナー用第2ベルトコンベア18dが設けられている。
もっとも、この発明は、前記したように重量の重い両シートW1、W2を搬送させるか
ら、4ラインのベルトコンベアは搬送に際して寄与する。
【0048】
コーナー用第2ベルトコンベア18dは折曲工程後の断面方形状の他方のシートW2の
被継ぎしろ部側シートWbの内側に当接され、その姿勢の制御と搬送に寄与する。
コーナー用第2ベルトコンベア18dの外側に揺動自在な盲動抑制部材20が設けられ
ている。
追って詳細を説明する盲動抑制部材20は被継ぎしろ部側シートWbの外側に当接され
ることにより、コーナー用第2ベルトコンベア18dと相まって被継ぎしろ部側シートW
bを盲動しないように制御するものである。
【0049】
第1の細長い倒立L字状のアングル部材18a、第2の細長い倒立L字状のアングル部
材18bおよびコーナー用第1ベルトコンベア18cによる上方側姿勢制御手段によって
シートW1の水平状態の姿勢制御は可能である。
一方、前記したように、断面方形状の二枚の両シートW1、W2の姿勢の制御には、こ
の実施例では、さらに、一方の段ボール箱用シートW1の姿勢制御をその表面側からも行
うことを意図しているから、この点について説明する。
図3ないし図6を参照して明らかなように、この表面側姿勢制御手段18Aは昇降自在
なものである。
【0050】
前記したコーナー用第1ベルトコンベア18cの上方において、断面形態が倒立L字状
の細長いアングル部材18eが設けられ、この内側に多数のローラ18fが垂直方向に発
条体を介して回転自在に弾装され、アングル部材18eにシリンダ内を昇降するピストン
が結合されている。
表面側姿勢制御手段18Aのピストンを降下させ、ローラ18fをシートW1の表面に
当接させてシートW1の表面側を制御し、その裏面の制御を前記のコーナー用第1ベルト
コンベア18cとにより、サンドイッチ状態で姿勢を制御できるから、一層、シートW1
の姿勢制御の確実性が期待できる。
【0051】
そこで、前記した盲動抑制部材20について説明する。
盲動抑制部材20は下方側姿勢制御手段についても共通の部材であり、上方側の盲動抑
制部材20対角線上であって、上方側の盲動抑制部材20と対称に設けられている。
この盲動抑制部材20は、二枚一組の段ボール箱用シートW1、W2のうち、装置Mの
下方に搬送された他方の段ボール箱用シートW2の上方に折曲後の被継ぎしろ部側シート
Wbの外側面に支持され、縫合工程への搬送時の姿勢を制御するものであり、前記したコ
ーナー用第2ベルトコンベア18dと相まってその制御を行うものである。
【0052】
この発明は、前記したように、大型のシートW1、W2を断面L状に折曲させて縫合を
行うから、折曲後の被継ぎしろ部側シートWbは垂直に立起されている

シートWbを垂直に立起させるに際して、下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24
Bのピストン24cを上昇させるから、ピストン24cに付設されたローラー24bがシ
ートWbの外側面に当接し、外側面を保持し、姿勢を制御できるものの、大型の被継ぎし
ろ部側シートWbについては、とりわけ、その上方側の姿勢制御について盲動のおそれが
ある。
【0053】
そこで、前記の課題解決のため、盲動抑制部材20が下方側被継ぎしろ部側シート用折
曲手段24Bの上方であって、前記のコーナー用第2ベルトコンベア18dに対向して設
けられている。
具体的には、シリンダとピストン20a、揺動自在に支軸に装着された揺動部材20b
、揺動部材20bに連結された断面L字状の細長いローラー用部材20c、そしてローラ
ー用部材20cに多数のローラー20dが発条体を介して回転自在に装着されている。
【0054】
盲動抑制部材20は、揺動自在であるから、縫合工程への搬送時には、被継ぎしろ部側
シートWbの姿勢を制御するため、揺動部材20bがシートWb側へ揺動され、回転する
ローラー20dがシートWbの外側に対して接触するから、その姿勢の制御とともに、前
記のコーナー用第2ベルトコンベア18dの駆動と相まって、シートWbを縫合工程へ搬
送させる。
一方、シートWbの縫合工程への搬送後は、縫合に備えて盲動抑制部材20は
原位置側へ揺動し、姿勢制御と搬送は解除される。
【0055】
[下方側姿勢制御手段について]
二枚一組の段ボール箱用シートW1、W2のうち、装置Mの下方に搬送される他方の段
ボール箱用シートW2を次工程の折曲工程に備えて姿勢を制御することを意図するもので
ある。
この下方側姿勢制御手段は、図3ないし図6を参照して明らかなように、他方のシート
W2の折曲時の水平状態の姿勢制御と折曲後の断面L字状および断面倒立L字状のそれぞ
れの姿勢制御を図るものである。
【0056】
この下方側姿勢制御手段は、詳細な図示は省略されているが、シートW2の表面側と裏
面側を制御する部材により構成され、そのうち、前記の4ラインによるベルトコンベアは
静止されることによりシートW2の裏面を支持する。
【0057】
さらに、シートW2の姿勢制御を裏面側から制御することを意図して、上方側姿勢制御
手段に採用された表面側姿勢制御手段18Aがそっくり裏面側姿勢制御手段18Bとして
採用され、対角線上であって、かつ、対称に設けられている。
【0058】
さらに、加えて、上方側姿勢制御手段に採用されたコーナー用第1ベルトコンベア18
c、コーナー用第2ベルトコンベア18d、揺動自在な盲動抑制部材20がそっくり採用
され、対角線上であって、かつ、対称に設けられ、他方のシートW2の姿勢制御の向上化
を図られているが、その作用は、前記した上方側姿勢制御手段による作用と共通である。
【0059】
4ラインによるベルトコンベアの下方側姿勢制御手段のみでシートW2の姿勢制御は基
本的に可能ではあるものの、この実施例では、さらに、他方の段ボール箱用シートW2の
姿勢制御をその表面側からも行うことを意図しているから、この点について説明する。
図3ないし図6を参照して明らかなように、両側寄りのベルトコンベア上に二次表面側
姿勢制御手段18gが設けられている。
【0060】
細長い断面倒立L字状のアングル部材18hと多数のローラ18iからなり、ローラ1
8iが垂直方向に回転自在に装着され、ローラ18iは図示が省略された発条体の弾発作
用に支配されてなるもので、ベルトコンベア上に搬送された他方のシートW2を表面から
も制御することにより、ベルトコンベアと相まって、サンドイッチ状態で、一層、姿勢制
御の確実性が図られている。
【0061】
両段ボール箱用シートW1、W2のそれぞれの第1の折目10および第2の折目14を
介して継ぎしろ部12aおよび被継ぎしろ部側シート部Wbを折曲する上方側継ぎしろ部
用折曲手段22Aと上方側被継ぎしろ部側シート部用折曲手段22Bについて説明する。
【0062】
[上方側継ぎしろ部用折曲手段について]
上方側継ぎしろ部用折曲手段22Aは、両段ボール箱用シートW1、W2を次工程の縫
合工程に備えて装置Mの上下の対称位置に設けられている。
上方に位置する一方の段ボール箱用シートW1の継ぎしろ部12aについて、
直角の下方に向けて折曲することを意図するものであり、下方に位置する他方の段ボール
箱用シートW2の継ぎしろ部12aについて、直角の上方に向けて折曲することを意図す
る相違があるが、対角線上であって対称に設けられる相違があるものの、その構成、作用
は共通である。
【0063】
詳細な図示は省略されているが、具体例はシリンダ、ピストン22aからなり
、一方の継ぎしろ部12aについていえば、折曲が予定される継ぎしろ部12aの第1の
折目10寄りの上方において(図3ないし図6を参照)、昇降自在なピストンが継ぎしろ
部12aに向けて配置され、ピストンを降下させることにより継ぎしろ部12aを第1の
折目10を境にして下方へ向けて直角に折曲できるようにしたものである。
【0064】
他方の継ぎしろ部12aについていえば、一方の継ぎしろ部12aと対称にその下方に
おいて、昇降自在なピストン22aが継ぎしろ部12aに向けて配置され、ピストン22
aを上昇させることにより継ぎしろ部12aを第1の折目10を境にして上方へ向けて直
角に折曲できるようにしたものである(図3ないし図6を参照)。
【0065】
[上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段について]
この上方側被継ぎしろ部側シート部用折曲手段24Aは、両段ボール箱用シートW1、
W2を次工程の縫合工程に備えて装置Mの上下の対称の位置に設けられている(図3ない
し図6を参照)。
上方に位置する一方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側シートWbについて、
直角に下方に向けて折曲することを意図するものであり、下方に位置する他方の段ボール
箱用シートW2の被継ぎしろ部側シートWbについては直角に上方に向けて折曲すること
を意図する相違があるが、その構成、作用は共通である。
【0066】
詳細な図示は省略されているが、具体例はシリンダと先端にローラー24bが回転自在
に装着されたピストン24cからなるもので、シートWbの両側から折曲できるよう一定
の間隔を設けて2個設けられている(図3ないし図6を参照)

一方のシートW1についていえば、シートW1の上方の被継ぎしろ部側シートWb側に
おいて昇降自在なピストン24aを降下させることにより被継ぎしろ部側シート部Wbは
第2の折目14を境にして下方へ向けて直角に折曲される(図3、図4を参照)。
【0067】
[下方側継ぎしろ部用折曲手段について]
下方側継ぎしろ部用折曲手段22Bは、両段ボール箱用シートW1、W2を次工程の縫
合工程に備えて装置Mの上下の対称位置に設けられている。
その構成および作用は、前記した上方側継ぎしろ部用折曲手段22Aと共通であるから
、前記の説明を援用する。
【0068】
[下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段について]
他方のシートW2についていえば、前記した一方の被継ぎしろ部側シート部用折曲手段
24Aと対称に、シートW2の下方において昇降自在なピストンが被継ぎしろ部側シート
部Wbに向けて配置され、先に説明した一方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側
シート部Wbの折曲方向と反対にピストン24cを上昇させることにより被継ぎしろ部側
シート部Wbは第2の折目14を境にして上方へ向けて直角に折曲できるように図られて
いる。
【0069】
前記の上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24Aおよび下方側被継ぎしろ部側シー
ト用折曲手段24Bのローラー24bは、折曲後の断面方形状にある被継ぎしろ部側シー
トWbの外側からの姿勢制御を補助的に行う作用を奏するものである。
【0070】
両シートW1、W2のそれぞれの継ぎしろ部12aを被継ぎしろ部側シートWbの折曲
に先立って行うことにより、それぞれの被継ぎしろ部12bは、それぞれの他方のシート
Wの継ぎしろ部12aの外側に向き合うことになり、これらの継ぎしろ部12aと被継ぎ
しろ部12bがそれぞれの縫合部Hを構成し、対角線上に形成されることになる。
【0071】
[上方側間欠移動手段について]
上方側間欠移動手段26は、前工程において折曲され、断面方形状に形成された両シー
トW1、W2の縫合部Hの縫合に際してミシン針28aの往復移動に同期させ、両シート
W1、W2を間欠移動させる手段である。
間欠移動手段26は、ミシン28の傍らに設けられているが、対角線上であって対称に
設けられているから、上方側間欠移動手段26について説明し、下方側間欠移動手段につ
いては、上方側間欠移動手段26の説明を援用し、図示が省略されている。
【0072】
図7を参照すると明らかなように、縫合が予定される両シートW1、W2は互いにL字
状および倒立L字状にそれぞれ形成されることは前記した通りである。
このようなツーピースからなる両シートW1、W2を盲動しないようにしつつ
、縫合に備えて間欠移動するように配慮されている。
【0073】
縦方向の一方のシートW1の継ぎしろ部12aを含む継ぎしろ部側シートWaと縦方向
の他方のシートW2の被継ぎしろ部12bを含む継ぎしろ部側シートWbからなる、とり
わけ、縫合部Hを両側から挟んで保持して回転するローラ26aが縫合部Hの一側に2個
、他側に2個設けられている。
一側の2個の水平方向に回転自在なローラ26aおよび他側の2個の水平方向に回転自
在なローラ26a間のそれぞれ間隔は水平方向に移動するミシン針28aに干渉しなよう
に一定に設定されている。
【0074】
さらに、両シートW1、W2の間欠移動時の姿勢と間欠移動の確実性を図るようにされ
ている。
間欠移動が予定される一方のシートW1の継ぎしろ部側シートWa側の上下に一定の間
隔を設けて2個毎のローラ26aが垂直方向に回転自在に設けられている。
【0075】
間欠移動が予定される他方のシートW2の被継ぎしろ部側シートWb側の両側に一定の
間隔を設けて2個毎のローラ26aが水平方向に回転自在に設けられている。
【0076】
合計12個のローラ26aのすべては図示されていないものの、これらの12個のロー
ラ26aは図示が省略されたサーボモータに接続されることにより、ミシン針28aの往
復移動と同期し、両シートW1、W2を順序よく移動できるように図られている。
【0077】
[下方側間欠移動手段について]
下方側間欠移動手段は、前記したように、前工程において折曲され、断面方形状に形成
された両シートW1、W2の下方側の縫合部Hの縫合に際してミシン針28aの往復移動
に同期させ、両シートW1、W2を間欠移動させる手段である

下方側間欠移動手段は、上方側間欠移動手段26と比較して対角線上であって対称に設
けられている相違があるものの、その構成および作用は上方側間欠移動手段26と共通す
るから、上方側間欠移動手段26の説明を援用し、図示が省略されている。
【0078】
[上方側ミシンについて]
上方側ミシン28Aは、水平方向に移動自在なミシン針28aを備えたミシン針機構2
8bと針板28cを備えたルーパー機構28dからなるものである。
上方側ミシン28Aは縫合が予定されるそれぞれの継ぎしろ部12aと被継ぎしろ部1
2bの傍らに設けられている。
【0079】
ルーパー機構28dの針板28cは縫合が予定されるそれぞれの継ぎしろ部12aの内
側に設けられいる。
一方、ミシン針機構28bは縫合が予定されるそれぞれの被継ぎしろ部12bの外側に
設けられている。
【0080】
そして、ミシン針26aが上方側間欠移動手段26の間欠移動と同期され、被継ぎしろ
部12bの外側から内側に向け水平方向に往復移動されることにより、該継ぎしろ部12
aと被継ぎしろ部12bからなる縫合部Hを縫い糸Sにより縫合するようしてなる。
図7の符号「28e」は、ミシン針機構28bを制御する各種の制御部材の収容ケース
である。
なお、この実施例では、2本針を採用し、縫合部Hを同時に2本線として縫合するよう
にしたから、第1の折目12aの損傷に伴う不具合を抑制できる。
因みに、第1の折目12aが損傷し、その折目12a側の縫い糸Sの機能を期待できな
いおそれが発生したとしても、折目12a側から外れた他の縫い糸Sにより折目12aの
損傷に伴う不具合を抑制できる。
【0081】
縫い糸Sが縫合された段ボール箱Kの使用後の最終処分つまり廃棄処分に配慮した場合
、環境破壊を回避する見地から、スフ糸などの天然繊維糸を縫い糸Sに採用することが好
ましい。
【0082】
[下方側ミシンについて]
下方側ミシン28Bは、上方側ミシン28Aと比較して対角線上であって対称に設けら
れている相違があるものの、その構成および作用は上方側ミシン28Aと共通するから、
上方側ミシン28Aの説明を援用し、図示が省略されている。
【0083】
なお、前記した上方側搬送手段、下方側搬送手段、表面側姿勢制御手段、上方側姿勢制
御手段、下方側姿勢制御手段、上方側継ぎしろ部用折曲手段、上方側被継ぎしろ部側シー
ト用折曲手段、下方側継ぎしろ部用折曲手段、下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段、
上方側間欠移動手段、下方側間欠移動手段、上方側ミシンおよび下方側ミシンの制御は電
気的に接続された図示を省略した制御盤の操作用プレートZの各スイッチの操作により行
われる。
【0084】
以下にこの装置Mによる作用を説明する。
(1)一方の段ボール箱用シートW1を図面上継ぎしろ部12aを左側に向け、水平状態
により上方搬送手段16Aの吸着パッド16により継ぎしろ部12a側を吸着し、装置M
内の所定の位置まで次工程に備えて搬送する。
(2)搬送されたシートW1の裏面は、静止状態のコーナー用第1ベルトコンベア18c
、第1の細長い倒立L字状のアングル部材18aおよび第2の細長い倒立L字状のアング
ル部材18bにより姿勢を制御する。
(3)他方の段ボール箱用シートW2を図面上一方の段ボール箱用シートW1と対称にそ
の下方へ被継ぎしろ部側シートWbを左側に向け、水平状態により下方搬送手段16Bの
ベルトコンベアにより装置M内の所定の位置まで次工程に備えて搬送するが、両側の二次
表面側姿勢制御手段18gの弾発作用に抗してベルトコンベアとの間に挟むようにする。
この場合、図3、図4に示すように、一方の段ボール箱用シートW1を図面上、他方の
段ボール箱用シートW2に対して、被継ぎしろ部側シートWbの長さαだけ右側へずらし
て配置する。
(4)折曲工程に備えて、一方の段ボール箱用シートW1の継ぎしろ部12a寄りの表面
に向けて、表面側姿勢制御手段18Aのピストンを降下させ、ローラ18fをシートW1
の表面に当接させてシートW1の表面側を制御し、その裏面の制御をコーナー用第1ベル
トコンベア18cとにより、サンドイッチ状態で姿勢を制御する。
(5)折曲工程に備えて、他方の段ボール箱用シートW2の継ぎしろ部12a寄りの裏面
に向けて、裏面側姿勢制御手段18Bのピストンを上昇させ、ローラ18fをシートW2
の裏面に当接させてシートW2の裏面側を制御し、その裏面の制御をコーナー用第1ベル
トコンベア18cとにより、サンドイッチ状態で姿勢を制御する。
(6)上方側継ぎしろ部用折曲手段22Aのピストン22aを降下させ、一方の段ボール
箱用シートW1の継ぎしろ部12aを第1の折目10を境にして直角の下方へ折曲させる

(7)下方側継ぎしろ部用折曲手段22Bのピストン22aを上昇させ、他方の段ボール
箱用シートW2の継ぎしろ部12aを第1の折目10を境にして直角の上方へ折曲させる

(8)上方側被継ぎしろ部側シート部用折曲手段24Aのピストン24cを降下させ、一
方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側シートWbを第2の折目14を境にして直
角の下方へ折曲させ、被継ぎしろ部12bを他方の段ボール箱用シートW2の継ぎしろ部
12aに対向させる。
(9)下方側被継ぎしろ部側シート部用折曲手段24Bのピストン24cを上昇させ、他
方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側シートWbを第2の折目14を境にして直
角の上方へ折曲させ、被継ぎしろ部12bを一方の段ボール箱用シートW1の継ぎしろ部
12aに対向させる。
(10)上方側の盲動抑制部材20を一方の段ボール箱用シートW1の被継ぎしろ部側シ
ートWbの下方に向けて揺動させ、ローラー20dをシートWbの外側へ当接させるとと
もにその内側はコーナー用第2ベルトコンベア18dにより制御させる一方、下方側の盲
動抑制部材20を他方の段ボール箱用シートW2の被継ぎしろ部側シートWbの上方に向
けて揺動させ、ローラー20dをシートWbの外側へ当接させるとともにその内側はコー
ナー用第2ベルトコンベア18dにより制御させることにより、両シートW1、W2を断
面方形状の姿勢に制御した上、下方搬送手段16B、コーナー用第1ベルトコンベア18
c、コーナー用第2ベルトコンベア18dにより、縫合工程へ搬送する。
この搬送時に両シートWbの外側の上下は、上方側被継ぎしろ部側シート部用折曲手段
24Aのローラー24bにより誘導される。
(11)縫合工程へ搬送された断面方形状の両シートW1、W2は、姿勢が解除され自由
状態となるが、次工程の縫合工程と併せ、上方側間欠移動手段と下方側間欠移動手段によ
り、姿勢が制御され縫合が行われる。
縫合は、断面方形状に形成した両段ボール箱用シートW1、W2を該第1の折目10お
よび該第2の折目14と平行に間欠移動させつつ、ミシン針28aを該間欠駆動と同期さ
せ、縫合部Hの外側から内側に向け水平方向に往復移動させることにより縫合部Hを縫合
することにより行われる。
【0085】
この発明の他の例がテーマとする大小の大きさの段ボール箱用シートの接合に関して言
及する。
そのグループ内における大小の大きさの段ボール箱用シートの大きさに対応できる汎用
性のある接合方法や接合装置に関するものである。
【0086】
他の例においても、両段ボール箱用シートW1、W2の大小を問わず、前記した工程の
すべてや装置Mの各手段を必須とすることは共通している。
【0087】
一方、大小の大きさの段ボール箱用シートW1、W2の大小に対応できるように、装置
Mの各手段の一部を水平方向と上下方向に、さらに、上方側搬送手段に関していえば、上
下自在に設けられるほか、複数個の吸着パッド16a間の間隔を調整自在にされているか
ら、以下に言及する。
【0088】
この例は先の例と発明の本質において共通するから、共通する事項については
、先の例の説明と図面の記載を援用しその説明を省略し、以下に図8、図9を参照して説
明する。
【0089】
縫合が予定され上方に配置される大小の一方のシートW1について、大小のシートW1
の搬送位置を上下方向の適宜の位置に対応させることを意図し上方側搬送手段16Aは上
下方向に自在であり、被継ぎしろ部12bおよび第2の折目14の上下方向の位置を適宜
に設定できるようにするため、上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24Aおよびその
折曲手段24A寄りの第1の細長い倒立L字状のアングル部材18aは上下方向に昇降自
在に設けられている。
【0090】
上方側搬送手段16Aは上下方向へそれぞれ移動できるように図られているほか、一方
のシートW1の幅方向の大小に対応できるように複数個の吸着パッド16aを両側間つま
りシートW1の幅方向に対応できるように移動自在に設けられている。
なお、上方側搬送手段16Aの長さは、予期されるこの種の一方のシートW1の最大長
さを見込んだ長さに設定されているから、長さ方向への移動については関与しない。
【0091】
一方のシートW1の継ぎしろ部12a側についていえば、図3、図4を参照し
、左から右側にかけて盲動抑制部材20、上方側継ぎしろ部用折曲手段22A、表面側姿
勢制御手段18A、コーナー用第1ベルトコンベア18c、コーナー用第2ベルトコンベ
ア18d、第2の細長い倒立L字状のアングル部材18bがシートW1の大小の長さに対
応できるように水平方向および上下方向へそれぞれ移動できるように図られている。
【0092】
縫合が予定され下方に配置される大小の他方のシートW2について、他方のシートW2
の継ぎしろ部シートWa側において、継ぎしろ部12a寄りのコーナー用第1ベルトコン
ベア18c、コーナー用第2ベルトコンベア18d、裏面側姿勢制御手段18B、下方側
継ぎしろ部用折曲手段22B、盲動抑制部材20はそれぞれ固定されている。
【0093】
他方のシートW2の被継ぎしろ部側シートWb側についていえば、図面上、左から右側
にかけて、4ラインのベルトコンベア16Bのそれぞれの間隔が他方のシートW2の大小
の長さに対応できるよう調整自在に設けられている。
また、下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24Bおよびその折曲手段24B寄りの
二次表面側姿勢制御手段18gは水平方向へ移動自在に設けられている

なお、下方側搬送手段16Bの幅は、予期されるこの種の他方のシートW2の最大幅を
見込んで設定されているから、幅方向への移動については関与しない。
【0094】
上方側搬送手段16Aが上下方向に移動自在であることを説明したが、具体例は図1、
図8、図9に示されるように、両側の縦ラック板R1に係合されたピニオンに制御され、
両側の縦方向のガイドレール30を介して上下方向に移動自在に設けられている。
【0095】
また、上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24Aおよびその折曲手段22A寄りの
第1の細長い倒立L字状のアングル部材18aは、それぞれ昇降自在な部材を介して昇降
自在に、かつ、その折曲手段24Aが複数設けられている場合は、間隔を調整自在に設け
られている。
【0096】
一方のシートW1の継ぎしろ部12a側に設定される盲動抑制部材20、継ぎしろ部用
折曲手段22A、表面側姿勢制御手段18e、ベルトコンベア18c、別のベルトコンベ
ア18d、第2の細長い倒立L字状のアングル部材18bがシートW1の大小の長さに対
応できるように水平方向および上下方向へそれぞれ移動できるように図られていることを
説明した。
【0097】
そこで、その具体例を説明すると、一対のフレーム32が一定の間隔を設け垂設されて
いる。
これらのフレーム32は、連結部材を介して横ラック板R2に係合されたピニオンに制
御され、ピニオンの回転作用によりその間隔を調整できるように図られている。
前記の盲動抑制部材20ないし第2の細長い倒立L字状のアングル部材18bを包括的
に移動できるようにガイドレール34が一方のフレーム32に固定されている。
かくして、これらの盲動抑制部材20らをまとめて水平方向へ移動できる。
【0098】
一方、上下方向の移動に関しては、連結部材がフレーム32に垂設されたガイドレール
34に誘導され、両側に設けられたラック板に係合されたピニオンに制御され上下に移動
する。
【0099】
以下に他の例の装置Mによる作用を説明する(図10を参照)。
他の例の作用は、本質的に先の例の作用と相違しない。
相違する点は、上方側搬送手段16A、被継ぎしろ部側シートWbを折曲する上方側被
継ぎしろ部側シート用折曲手段24A、被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの上方側姿
勢制御手段のそれぞれが大小のシートW1、W2の大きさに対応させて上下方向に昇降さ
せ、上方側搬送手段16Aは幅方向の間隔が調整させる。
一方、上方側間欠移動手段26、上方側ミシン28、該継ぎしろ部を折曲する上方側継
ぎしろ部用折曲手段22A、該継ぎしろ部用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれぞ
れが大小のシートW1、W2の大きさに対応させて上下方向に昇降させるとともに水平方
向に移動させる。
被継ぎしろ部側シートを折曲する下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段24B、下方
側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの下方側姿勢制御手段16B、下方側搬送手段1
6Bのそれぞれを大小のシートW1、W2の大きさに対応させて水平方向に移動させ、下
方側搬送手段16Bの長さ方向の間隔を大小のシートW1、W2の大きさに対応させて調
整することにより縫合が行われる。
【0100】
図10は、図4と対比して明らかなように、前記の各構成の作用がそれぞれ表れている
ことが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】この装置の全体を示す斜視図である。
【図2】この装置の上方側搬送手段の斜視図である。
【図3】この装置の姿勢制御手段および折曲手段を示し、折曲前の状態を示す説明図である。
【図4】この装置の姿勢制御手段および折曲手段を示し、折曲後の状態を示す説明図である。
【図5】この装置の要部を示す左側面の斜視図である。
【図6】この装置の要部を示す右側面の斜視図である。
【図7】この装置の上方側間欠移動手段および上方側ミシンによる段ボール箱用シートの縫合状態を示す斜視図である。
【図8】この装置の要部を示す断面図である。
【図9】この装置の要部を示す背面図である。
【図10】この装置の他の実施例の説明図である。
【図11】段ボール箱用シートの平面図である。
【図12】段ボール箱の斜視図である。
【符号の説明】
【0102】
10 第1の折目
12a 継ぎしろ部
12b 被継ぎしろ部
14 第2の折目
15 スリット
16A 上方側搬送手段
16B 下方側搬送手段
16a 吸着パッド
16b スプロケットホイル
16c チェーン
16x 架台
16y 架台
17 上方側搬送手段の主要部
18A 表面側姿勢制御手段
18B 裏面側姿勢制御手段
18a 第1の細長い倒立L字状のアングル部材
18b 第2の細長い倒立L字状のアングル部材
18c コーナー用第1ベルトコンベア
18d コーナー用第2ベルトコンベア
18e 倒立L字状の細長いアングル部材
18f ローラー
18g 二次表面側姿勢制御手段
18h 細長い断面倒立L字状のアングル部材
18i ローラー
20 盲動抑制部材
20a ピストン
20b 揺動部材
20c ローラー用部材
20d ローラー
22A 上方側継ぎしろ部用折曲手段
22B 下方側継ぎしろ部用折曲手段
24A 上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段
24B 下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段
24b ローラー
24c ピストン
26 上方側間欠移動手段
26a ローラー
28A 上方側ミシン
28B 下方側ミシン
28a ミシン針
28b ミシン針機構
28c 針板
28d ルーパー機構
28e 収容ケース
30 ガイドレール
32 フレーム
34 ガイドレール
36 連結部材
α 被継ぎしろ部側シートの長さ
W1 一方の段ボール箱用シート
W2 他方の段ボール箱用シート
Wa 継ぎしろ部側シート
Wb 被継ぎしろ部側シート
H 縫合部
S 縫い糸
M 接合装置
K 段ボール箱
Z 制御盤の操作用プレート
R1 縦ラック板
R2 横ラック板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボール箱用シートの継ぎしろ部と被継ぎしろ部を縫い糸により接合する方法において

第1の折目を境にして一側に継ぎしろ部が突設され、該継ぎしろ部に対応する被継ぎし
ろ部が他側の裏面に形成され、該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部との間に第2の折目が形成
され、該第1の折目と該第2の折目との間に継ぎしろ部側シート、該第2の折目と該被継
ぎしろ部との間に被継ぎしろ部側シートが備えられた段ボール箱用シートを二枚一組設け

一方の段ボール箱用シートを水平状態により上方に配置し、他方の段ボール箱用シート
を一方の段ボール箱用シートに対して対称であって、かつ、水平状態によりその下方に配
置した上、該両シートの姿勢を保持し、
前記の一方の段ボール箱用シートの該継ぎしろ部を該第1の折目を境にして下方に向け
て直角に折曲させ、
前記の他方の段ボール箱用シートの該継ぎしろ部を該第1の折目を境にして上方に向け
て直角に折曲させ、
前記の一方の段ボール箱用シートの該被継ぎしろ部側シートを該第2の折目を境にして
下方に向けて直角に折曲させ、
前記の他方の段ボール箱用シートの該被継ぎしろ部側シートを該第2の折目を境にして
上方に向けて直角に折曲させることにより、前記の両段ボール箱用シートの姿勢を断面方
形状に形成するとともに、対向するそれぞれの該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部からなるそ
れぞれの縫合部を対角線上に設定した上、その姿勢を保持し、
水平方向に移動自在なミシン針を備えたミシン針機構と針板を有するルーパー機構から
なる二組のミシンのそれぞれを該縫合部の傍らに配置し、
該ルーパー機構の該針板を該縫合部の内側に、ミシン針機構を該縫合部の外側にそれぞ
れ設定し、
前記の断面方形状に形成した両段ボール箱用シートを該第1の折目および該第2の折目
と平行に間欠移動させつつ、ミシン針を該間欠駆動と同期させ、該縫合部の外側から内側
に向け水平方向に往復移動させることにより該縫合部を縫合することを特徴とする段ボー
ル箱用シートの接合方法。
【請求項2】
第1の折目を境にして一側に継ぎしろ部が突設され、該継ぎしろ部に対応する被継ぎし
ろ部が他側の裏面に形成され、該継ぎしろ部と該被継ぎしろ部との間に第2の折目が形成
され、該第1の折目と該第2の折目との間に継ぎしろ部側シート、該第2の折目と該被継
ぎしろ部との間に被継ぎしろ部側シートを備えた二枚一組の段ボール箱用シートの接合装
置において、
該二枚一組の段ボール箱用シートのそれぞれを上下に分け、水平方向に搬送する上方側
搬送手段と下方側搬送手段がそれぞれ設けられ、
該二枚一組の段ボール箱用シートにおいて、少なくとも折曲が予定されるそれぞれの部
位に上方側姿勢制御手段と下方側姿勢制御手段がそれぞれ設けられ、
両段ボール箱用シートのそれぞれの第1の折目および第2の折目を境にして該継ぎしろ
部を折曲する上方側継ぎしろ部用折曲手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側
被継ぎしろ部側シート用折曲手段の組物、下方側継ぎしろ部用折曲手段と、下方側被継ぎ
しろ部側シート用折曲手段の組物が対角線上であって
、かつ、対称に設けられ、
両段ボール箱用シートを間欠移動させる上方側間欠移動手段と、下方側間欠移動手段の
それぞれが対角線上であって、かつ、対称に設けられ、
水平方向に移動自在なミシン針を備えたミシン針機構と針板を備えたルーパー機構から
なる上方側ミシンと、下方側ミシンが対角線上であって、かつ、対称に設けられ、
それぞれの該ルーパー機構の針板は縫合が予定されるそれぞれの該継ぎしろ部の内側に
、それぞれのミシン針機構は縫合が予定されるそれぞれの該被継ぎしろ部の外側に設けら
れ、
前記のミシン針が該間欠移動手段の間欠移動と同期され、該被継ぎしろ部の外側から内
側の該継ぎしろ部に向けて水平方向に往復移動されることにより、該継ぎしろ部と該被継
ぎしろ部からなる縫合部を縫合するようしてなることを特徴とする段ボール箱用シートの
接合装置。
【請求項3】
該上方側搬送手段と、該被継ぎしろ部側シートを折曲する上方側被継ぎしろ部側シート
用折曲手段と、上方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれ
ぞれが上下方向に昇降自在に設けられるとともに該上方側搬送手段は幅方向の間隔が調整
自在に設けられ、
上方側間欠移動手段と、上方側ミシンと、該継ぎしろ部を折曲する上方側継ぎしろ部用
折曲手段と、該継ぎしろ部用折曲手段寄りの上方側姿勢制御手段のそれぞれが上下方向に
昇降自在に設けられるとともに水平方向に移動自在に設けられ
、該被継ぎしろ部側シートを折曲する下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段と
、該下方側被継ぎしろ部側シート用折曲手段寄りの下方側姿勢制御手段と、下方側搬送手
段がそれぞれ水平方向に移動自在に設けられるとともに該下方側搬送手段は長さ方向の間
隔が調整自在に設けられてなることを特徴とする請求項2記載の段ボール箱用シートの接
合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−30217(P2010−30217A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196488(P2008−196488)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(391040401)株式会社タワダ (5)
【出願人】(391005123)株式会社森本製作所 (26)
【Fターム(参考)】