説明

殺虫化合物

1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、R4、G1、G2、Q1、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1に定義された通りである構造式(I)の化合物;又はその塩もしくはそのN酸化物。さらに、本発明は、構造式(I)の化合物を調製するためのプロセス及び中間体、それらを含む殺虫、殺ダニ、殺軟体動物及び殺線虫組成物、及び昆虫、ダニ目動物、軟体動物及び線虫などの有害生物を駆除し制御する目的でのこれらの組成物の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、或る種の芳香族ビスアミド誘導体、それらを調製するためのプロセス及び中間体、それらを含む殺虫、殺ダニ、殺軟体動物及び殺線虫組成物、及び昆虫、ダニ目の動物、軟体動物及び線虫などの有害生物を駆除し制御する目的でのこれらの組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫特性をもつ芳香族ビスアミド誘導体は、例えば欧州特許第1,714,958号(EP1,714,958)、日本特許第2006/306771号(JP2006/306771)、国際公開第06/137376号(WO06/137376)、国際公開第06/137395号(WO06/137395)及び国際公開第07/017075号(WO07/017075)の中で開示されている。
【0003】
現在、驚くべきことに、イソキサゾリニル置換基によって置換される或る種の芳香族ビスアミド誘導体が殺虫特性を有することが発見されている。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明は
【化1】

という構造式(I)の化合物において、
式中、
− A1、A2、A3及びA4は、それらのうちの2つ以下のものが窒素であることを条件として、互いに独立してC−X又は窒素であり;
− 各Xが独立して水素、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル又はC1−C4アルコキシであり;
− R1及びR2が互いに独立して水素、C1−C4アルキル又はC1−C4アルキルカルボニルであり;
− G1及びG2が互いに独立して酸素又は硫黄であり;
− Q1はアリール又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたアリールであるか、そうでなければQ1はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− R3は水素、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C3−C8シクロアルキル、C3−C8ハロシクロアルキル、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、2−ナフチル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換された2−ナフチル又はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− R4は、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルスルフィニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルスルフィニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4−アルキルスルホニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルスルホニル−C1−C4−アルキル−、C3−C8シクロアルキル、C3−C8ハロシクロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6ハロアルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6ハロアルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、C1−C6ハロアルキルスルホニル、N,N−ジ(C1−C6)アルキルアミノ、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− Y1及びY4は、互いに独立して水素、シアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C3アルキルチオ、C1−C3ハロアルキルチオ、C1−C3アルキルスルフィニル、C1−C3ハロアルキルスルフィニル、C1−C3アルキルスルホニル又はC1−C3ハロアルキルスルホニルであり;
− Y2及びY3は、互いに独立して水素、ハロゲン又はC1−C4アルキルであり;
− 各R5は、独立してシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C2−C4ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロ−シクロアルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3ハロアルコキシ、C1−C3アルキルチオ、C1−C3ハロアルキルチオ、C1−C3アルキルスルフィニル、C1−C3ハロアルキルスルフィニル、C1−C3アルキルスルホニル、C1−C3ハロアルキルスルホニル、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルオキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ又はフェニルである、
化合物又はその塩もしくはそのN酸化物を提供する。
【0005】
構造式(I)の化合物は、異なる幾何又は光学異性体又は互変異性体形態で存在し得る。本発明は、かかる異性体及び互変異性体及びあらゆる割合でのそれらの混合物ならびに重水素化合物といったような同位体形態を全て網羅している。
【0006】
各々のアルキル部分は単独で又はより大きな基(例えばアルコキシ、アルコキシ−カルボニル、アルキルカルボニル)の一部として、直鎖又は分岐鎖であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル又はtert−ブチルである。アルキル基は、好ましくはC1−C6アルキル基、より好ましくはC1−C4であり、最も好ましくはC1−C3アルキル基である。
【0007】
アルケニル及びアルキニル部分(単独で又はアルケニルオキシ又はアルキニルオキシといったより大きな基の一部として)は、直鎖又は分岐鎖の形であり得、該当する場合、アルケニル部分は、(E)−又は(Z)−構成のいずれかのものであり得る。例としては、ビニル、アリル及びプロパルギルがある。アルケニル及びアルキニル基は好ましくはC2−C6アルケニル又はアルキニル基、より好ましくはC2−C4そして最も好ましくはC2−C3アルケニル又はアルキニル基である。
【0008】
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0009】
ハロアルキル基(単独で又はハロアルコキシ又はハロアルキルチオといったようなより大きな基の一部として)は、1つ以上の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されるアルキル基であり、例えば−CF3、−CF2Cl、−CH2CF3又は−CH2CHF2である。ペルフルオロアルキル基(単独で又はペルフルオロアルキルチオといったようなより大きな基の一部として)は、特定のタイプのハロアルキル基である。これらは、フッ素原子で完全に置換されるアルキル基であり、例えば−CF3、−CH2CF3又は−CF(CF32である。
【0010】
ハロアルケニル及びハロアルキニル基(単独で又はハロアルケニルオキシ又はハロアルキニルオキシといったようなより大きな基の一部として)は、それぞれ1つ以上の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されるアルケニル及びアルキニル基であり、例えば−CH=CF2、−CCl=CClF又は−CHClC≡CHである。
【0011】
シクロアルキル基は、単環又は2環式形態であり得、任意には、1つ以上のメチル基によって置換され得る。シクロアルキル基は好ましくは3〜8個の炭素原子、より好ましくは3〜6個の炭素原子を含有する。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルがある。
【0012】
ハロシクロアルキル基は、1つ以上の同じ又は異なるハロゲン原子で置換されるシクロアルキル基であり、任意には1つ以上のメチル基で置換されてもよい。単環式ハロシクロアルキル基の例としては、2,2−ジクロロ−シクロプロピル、2,2−ジクロロ−1−メチル−シクロプロピル及び2−クロロ−4−フルオロシクロヘキシルがある。
【0013】
本明細書に関しては、「アリール」なる用語は、単環、2環又は3環式であり得る環系を意味する。かかる環の例としてはフェニル、ナフタレニル、アントラセニル、インデニル又はフェナントレニルが含まれる。好ましいアリール基はフェニルである。
【0014】
「ヘテロアリール」なる用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、単環又は2つ以上の融合環から成る芳香族環系を意味する。好ましくは、単環は最高3個、そして2環系は最高4個のヘテロ原子を含有し、これらのヘテロ原子は好ましくは、窒素、酸素及び硫黄から選択される。かかる基の例には、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル及びテトラゾリルが含まれる。好ましいヘテロアリール基はピリジンである。2環式基の例としては、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリニル、シンノリニル及びキノキサリニルがある。
【0015】
「ヘテロシクリル」なる用語は、ヘテロアリール及びそれに加えてそれらの不飽和又は部分的に不飽和の類似体例えば4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾチオフェニル、9H−フルオレニル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−ジオキセピニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニル、ピペリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル、4,5−ジヒドロ−イソキサゾリル、テトラヒドロフラニル及びモルホリニルを含むものとして定義される。
【0016】
1、A2、A3、A4、X、R1、R2、G1、G2、Q1、R3、R4、Y1、Y2、Y3及びY4の好ましい値は、任意の組合せで以下に記されている通りである。
【0017】
好ましくは、A1はC−Xである。
【0018】
好ましくは、A2はC−Xである。
【0019】
好ましくは、A3はC−Xである。
【0020】
好ましくは、A4はC−Xである。
【0021】
好ましくは、各Xは独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル又はメトキシである。
【0022】
より好ましくは、各Xは独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0023】
さらに好ましくは、各Xは独立して水素、フルオロ、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0024】
さらに一層好ましくは、各Xは独立して水素又はフルオロである。
【0025】
最も好ましくは、各Xは水素である。
【0026】
好ましくは、R1は水素、メチル、エチル又はアセチルである。
【0027】
より好ましくは、R1は水素、メチル又はエチルである。
【0028】
さらに好ましくは、R1は水素又はエチルである。
【0029】
最も好ましくは、R1は水素である。
【0030】
好ましくは、R2は水素、メチル、エチル又はアセチルである。
【0031】
より好ましくは、R2は水素、メチル又はエチルである。
【0032】
さらに好ましくは、R2は水素又はエチルである。
【0033】
最も好ましくは、R2は水素である。
【0034】
好ましくは、G1は酸素である。
【0035】
好ましくは、G2は酸素である。
【0036】
好ましくは、Q1はフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル又は1,2,3−チアジアゾリル、或いはシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル又はフェニルの中から独立して選択された1〜3個の置換基により置換されたフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル又は1,2,3−チアジアゾリルである。Q1についてのかかる基の例としては、5−ブロモ−フラン−2−イル、2−ブロモ−フェニル、5−ブロモ−ピリド−3−イル、2−クロロ−5−ニトロ−フェニル、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリド−3−イル、2−クロロ−ピリド−4−イル、6−クロロ−ピリド−3−イル、5−クロロ−チオフェン−2−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリド−2−イル、4−シアノ−フェニル、2,5−ジクロロ−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル、4−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−ピリド−3−イル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−ピリド−2−イル、2−メチルチオ−ピリド−3−イル、4−ニトロ−フェニル、フェニル、1,2,3−チアジアゾール−4−イル、チオフェン−2−イル及び4−トリフルオロメチル−フェニルがある。
【0037】
より好ましくは、Q1はフェニル又はピリジル、或いはシアノ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル又はフェニルの中の中から独立して選択された1〜3個の置換基により置換されたフェニル又はピリジルである。Q1についてのより好ましい基の例としては、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリド−3−イル、2−クロロ−ピリド−4−イル、6−クロロ−ピリド−3−イル、3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリド−2−イル、4−シアノ−フェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−ピリド−3−イル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル、2−メチル−フェニル、3−メチル−ピリド−2−イル、2−メチルチオ−ピリド−3−イル、フェニル及び4−トリフルオロメチル−フェニルがある。
【0038】
さらに好ましくは、Q1は、シアノ、フルオロ又はクロロの中から選択された1個の置換基により置換されたフェニルである。Q1についてのさらに好ましい基の例としては、2−クロロ−フェニル、3−クロロ−フェニル、4−シアノ−フェニル及び4−フルオロ−フェニルがある。
【0039】
最も好ましくは、Q1は4−フルオロ−フェニルである。
【0040】
好ましくは、R3はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、フェニル或いは同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニルである。
【0041】
より好ましくは、R3はC1−C6アルキル又はC1−C6ハロアルキルである。
【0042】
最も好ましくは、R3はトリフルオロメチルである。
【0043】
好ましくは、R4はC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、フェニル或いは同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル或いは同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルである。
【0044】
より好ましくは、R4はフェニル、或いはハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C3アルコキシ又はC1−C3ハロアルコキシから選択された同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル、或いはハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C3アルコキシ又はC1−C3ハロアルコキシから選択された同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基により置換されたヘテロシクリルである。
【0045】
さらに好ましくは、R4はフェニル或いはハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C3アルコキシ又はC1−C3ハロアルコキシから選択された同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル或いはハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C3アルコキシ又はC1−C3ハロ−アルコキシから選択された同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基により置換されたヘテロシクリルである。R4についてのかかる基の例としては、4−ブロモ−フェニル、4−クロロ−フェニル、4−シアノ−フェニル、3,4−ジクロロフェニル、4−ジフルオロメトキシ−フェニル、4−フルオロ−フェニル、4−メチルスルホニルオキシ−フェニル、4−メチルスルホニル−フェニル、4−メチルチオ−フェニル、4−ニトロ−フェニル、フェニル、4−トリフルオロメトキシ−フェニル及び4−トリフルオロメチル−フェニルがある。
【0046】
最も好ましくは、R4はフェニル或いはハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキルの中から選択された1個の置換基により置換されたフェニルである。R4についてのかかる好ましい基の例としては、4−クロロ−フェニル、4−フルオロ−フェニル及び4−トリフルオロメチル−フェニルがある。
【0047】
好ましくは、Y1はシアノ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はメトキシメチルである。
【0048】
より好ましくは、Y1はシアノ、クロロ、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0049】
さらに好ましくは、Y1はメチル又はエチルである。
【0050】
最も好ましくは、Y1はメチルである。
【0051】
好ましくは、Y2は水素、フルオロ、クロロ又はメチルである。
【0052】
最も好ましくは、Y2は水素である。
【0053】
好ましくは、Y3は水素、フルオロ、クロロ又はメチルである。
【0054】
最も好ましくは、Y3は水素である。
【0055】
好ましくは、Y4はシアノ、クロロ、メチル、エチル又はトリフルオロメチルである。
【0056】
より好ましくは、Y4はシアノ、クロロ、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0057】
さらに好ましくは、Y4はメチル又はエチルである。
【0058】
最も好ましくは、Y4はメチルである。
【0059】
1つの好ましい実施形態は、A1、A2、A3、A4がCHである、構造式(Ia)の化合物である。
【0060】
もう1つの好ましい実施形態は、A1がC−Fであり、かつA2、A3及びA4がCHである、構造式(Ib)の化合物である。
【0061】
さらなる好ましい実施形態は、A3がC−Fであり、かつA1、A2及びA4がCHである、構造式(Ic)の化合物である。
【0062】
さらにもう1つの好ましい実施形態は、A4がC−Fであり、かつA1、A2、及びA3はCHである、構造式(Id)の化合物である。
【0063】
1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0064】
もう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−エチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0065】
さらなる好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジエチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0066】
さらにもう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−メトキシメチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0067】
1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0068】
もう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−エチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0069】
さらなる好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジエチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0070】
さらにもう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−メトキシメチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0071】
1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0072】
もう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−エチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0073】
さらなる好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジエチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0074】
さらにもう1つの好ましい実施形態は、Q2が4−[3−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2−メトキシメチル−6−メチル−フェニルである、構造式(I)の化合物である。
【0075】
本発明の1つの実施形態において、Y1及びY4は互いに独立してシアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C3アルキルチオ、C1−C3ハロアルキルチオ、C1−C3アルキルスルフィニル、C1−C3ハロアルキルスルフィニル、C1−C3アルキルスルホニル又はC1−C3ハロアルキルスルホニルである。Y1及びY4についての選好性は、Y1及びY4がメトキシメチルとはなり得ない点を除き、構造式(I)の化合物について明記されているものと同じである。
【0076】
本発明の一実施形態においては、各々のXは独立して水素、ハロゲン、C1−C4アルキル又はトリフルオロメチルである。
【0077】
一部の中間体は新規のものであり、従って本発明のさらなる態様を成す。新規の中間体の1群は、A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、G1、G2、Q1、Y1、Y2、Y3及びY4が構造式Iに関連して定義された通りである、
【化2】

という構造式(II)を有する化合物又はその塩もしくはそのN酸化物である。A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、G1、G2、Q1、Y1、Y2、Y3及びY4についての選好性は、構造式(I)の化合物の対応する置換基について明記された選好性と同じである。
【0078】
新規中間体のもう1つの群は、R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4が構造式(I)に関して定義された通りである、
【化3】

という構造式(V)を有する化合物又はその塩もしくはそのN酸化物である。R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4についての選好性は、構造式(I)の化合物の対応する置換基について明記された選好性と同じである。
【0079】
新規中間体のさらなる群は、A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が構造式(I)に関して定義された通りである、
【化4】

という構造式(XII)を有する化合物又はその塩もしくはそのN酸化物である。A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4についての選好性は、構造式(I)の化合物の対応する置換基について明記された選好性と同じである。
【0080】
新規中間体のもう1つの群は、A1、A2、A3、A4、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が構造式(I)に関して定義された通りである、
【化5】

という構造式(XIII)を有する化合物又はその塩もしくはそのN酸化物である。A1、A2、A3、A4、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4についての選好性は、構造式(I)の化合物の対応する置換基について明記された選好性と同じである。
【0081】
新規中間体のさらなる群は、A1、A2、A3、A4、R2、R3、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が構造式(I)に関して定義された通りである、
【化6】

という構造式(XIV)を有する化合物又はその塩もしくはそのN酸化物である。A1、A2、A3、A4、R2、R3、G2、Y1、Y2、Y3及びY4についての選好性は、構造式(I)の化合物の対応する置換基について明記された選好性と同じである。
【0082】
下表1〜22中の化合物は、本発明の化合物を例示する。
【0083】
表1:
表1は、R4が4−ブロモフェニルでありQ1が下表に列挙された値を有する、
【化7】

という構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0084】
【表1】

【0085】
表2:
表2は、R4が4−クロロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0086】
表3:
表3は、R4が4−シアノ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0087】
表4:
表4は、R4が3,4−ジクロロフェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0088】
表5:
表5は、R4が4−ジフルオロメトキシ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0089】
表6:
表6は、R4が4−フルオロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0090】
表7:
表7は、R4が4−メチルスルホニルオキシ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0091】
表8:
表8は、R4が4−メチルスルホニル−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0092】
表9:
表9は、R4が4−メチルチオ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0093】
表10:
表10は、R4が4−ニトロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0094】
表11:
表11は、R4がフェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0095】
表12:
表12は、R4が4−トリフルオロメトキシ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0096】
表13:
表13は、R4が4−トリフルオロメチル−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ia)の26個の化合物を提供する。
【0097】
表14:
表14は、R4が4−クロロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ib)の26個の化合物を提供する。
【化8】

【0098】
表15:
表15は、R4が4−フルオロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ib)の26個の化合物を提供する。
【0099】
表16:
表16は、R4が4−トリフルオロメチル−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ib)の26個の化合物を提供する。
【0100】
表17:
表17は、R4が4−クロロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ic)の26個の化合物を提供する。
【化9】

【0101】
表18:
表18は、R4が4−フルオロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ic)の26個の化合物を提供する。
【0102】
表19:
表19は、R4が4−トリフルオロメチル−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Ic)の26個の化合物を提供する。
【0103】
表20:
表20は、R4が4−クロロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Id)の26個の化合物を提供する。
【化10】

【0104】
表21:
表21は、R4が4−フルオロ−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Id)の26個の化合物を提供する。
【0105】
表22:
表22は、R4が4−トリフルオロメチル−フェニルであり、かつQ1が表1中に列挙されている数値を有する、構造式(Id)の26個の化合物を提供する。
【0106】
本発明の化合物はさまざまな方法により作ることができる。
【0107】
1) G1及びG2が酸素である構造式(I)の化合物は、2段階で構造式(III)のヒドロキシル−オキシムを用いて、G1及びG2が酸素である構造式(II)の化合物を処理することによって作ることができる:
【0108】
【化11】

【0109】
まず最初に構造式(III)のヒドロキシル−オキシムをN−クロロスクシニミドといったハロゲン化剤と反応させて、ハロゲン化ビニルを形成させる。その後、トリエチルアミンといったような塩基の存在下で構造式(II)の化合物とハロゲン化ビニルを反応させる。かかる手順は、例えば、Indian Journal of Chemistry、Section B(1993年)、32B(4)、471〜474頁;及び Current Organic Chemistry (2005年)、9(10)、925〜958頁から既知である。構造式(III)のヒドロキシ−オキシムは市販されており、そうでなければ、当業者にとって既知の方法により作ることもできる。
【0110】
2) G1及びG2が酸素である構造式(II)の化合物は、構造式(V)のアミンを用いて、G1が酸素でありRがOH、C1−C6アルコキシ又はCl、F又はBrである構造式(IV)の化合物を処理することで作ることができる。
【0111】
【化12】

【0112】
RがOHである場合、かかる反応は通常、DCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1−エチル−3−[3−ジメチルアミノ−プロピル]カルボジイミドヒドロクロリド)又はBOP−Cl(ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホニッククロリド)といったようなカップリング剤の存在下、ビリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン又はジイソプロピルエチルアミンといった塩基の存在下、そして任意にはヒドロキシベンゾトリアゾールといった求核触媒の存在下で実施される。RがClである場合、かかる反応は、通常、ここでも任意には求核触媒の存在下で、(例えばピリジン、トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下といったような)塩基性条件下で実施される。代替的には、有機溶媒、好ましくは酢酸エチル及び水性溶媒、好ましくは重炭酸ナトリウム溶液を含む二相系の中で反応を実施することが可能である。RがC1−C6アルコキシである場合、時として、熱プロセス中でエステルとアミンを一緒に加熱することにより、エステルを直接アミドに転換することが可能である。
【0113】
3) G1が酸素でRがCl、F又はBrである構造式(IV)の酸ハロゲン化物は、塩化チオニル又は塩化オキサリルでの処置といったような標準的条件下で、G1が酸素でありRがOHである構造式(IV)のカルボン酸から作ることができる。
【0114】
4) G1が酸素でありRがOHである構造式(IV)のカルボン酸は、G1が酸素でRがC1−C6アルコキシである構造式(IV)のエステルから形成することができる。当業者にとっては、アルコキシ基の性質に応じてかかるエステルの加水分解のための数多くの方法が存在することは公知である。かかる変換を達成するために広く用いられている1つの方法は、エタノールといった溶媒中で水酸化ナトリウムといったようなアルカリ性水酸化物でエステルを処理することにある。
【0115】
5) 構造式(V)のアミンは、2段階プロセスを介して、X4がハロゲン好ましくは臭素といった離脱基である構造式(VI)のアミンから作ることができる。まず最初に、構造式(VI)のアミンを、不活性雰囲気下で塩基が存在する中で、パラジウム(II)錯体であることが多い触媒/リガンド系の存在下で、ビス(ピナコラト)ジボロンといったホウ素試薬と反応させる。このような手順は、例えば「アルコキシジボロンとハロアレーンのパラジウム(O)を触媒とする交叉結合反応:アリールボロン酸エステルのための直接的手順」:イシヤマ・タツオ;ムラタ・ミキ;ミヤウラ・ノリオ;及びJournal of Organic Chemistry (1995年)、60(23)、7508〜10頁から公知である。
【0116】
【化13】

【0117】
このとき、構造式(VII)のボロン酸エステルを次に、不活性雰囲気下で塩基が存在する中、パラジウム(II)錯体であることの多い適切な触媒/リガンド系の存在下で、構造式(VIII)のハロゲン化ビニルと反応させる。かかる手順は、例えば国際公開第02/08221号(WO02/28221)から公知である。構造式(VIII)のハロゲン化ビニルは、市販されており、そうでなければ当業者にとって公知の方法により作ることができる。
【0118】
6) G1が酸素でありRがC1−C6アルコキシである構造式(IV)の化合物は、2)で記述された標準的条件下で、HalがCl、F又はBrであるQ1−COHalという構造式の酸ハロゲン化物又は構造式Q1−COOHのカルボン酸でのアシル化によって、RがC1−C6アルコキシである構造式(IX)の化合物から作ることができる。
【0119】
【化14】

【0120】
7) 構造式(IV)の化合物については、4)で記述されている通りのエタノールといったような溶媒中で、水酸化ナトリウムといったようなアルカリ性水酸化物との処理により、エステル(ここでRはC1−C6アルコキシである)を酸(ここでRはOHである)に加水分解することができる。酸(ここでRはOHである)は、3)で記述されている通りの塩化チオニル又は塩化オキサリルでの処理により、酸塩化物(ここでRはClである)に転換され得る。
【0121】
8) RがC1−C6アルコキシである構造式(IX)の化合物は、酸性条件下でアルコールR−OHで逐次的に処理し次にN−R1結合を形成させることによって、構造式(X)の化合物から作ることができる。当業者にとっては、置換基R1の性質に応じて、この結合の形成方法が数多く報告されているということは公知である。
【0122】
【化15】

【0123】
例えば、アルデヒド又はケトン及び、シアノホウ化水素ナトリウムといった還元剤を用いたアミンの処理により、還元性アミノ化を達成することができる。代替的には、任意には塩基の存在下で、ハロゲン化アルキルといったようなアルキル化剤でアミンを処理することによってアルキル化を達成することができる。代替的には、パラジウム(O)錯体であることの多い適切な触媒/リガンド系の存在下で、ハロゲン化アリール又はスルホン酸アリールでアミンを処理することによって、アリール化を達成できる。構造式(X)の化合物は、公知の化合物であるか、又は、当業者にとって公知の方法で作ることのできるものである。
【0124】
9) 代替的には、RがC1−C6アルコキシである構造式(IX)の化合物は、構造式R1−NH2のアミンによる離脱基の求核置換を介して、RがC1−C6アルコキシでありLGがフルオロ、クロロ又はスルホネートといった離脱基である構造式(XI)の化合物から作ることができる。
【0125】
【化16】

【0126】
構造式(XI)の化合物及び構造式R1−NH2のアミンは、公知の化合物であるか又は当業者にとって公知の方法で作ることのできるものである。
【0127】
10) 代替的には、G1及びG2が酸素である構造式(I)の化合物は、2)で記述されている通りの標準的条件下で、HalがCl、F又はBrである構造式Q1−COHalの酸ハロゲン化物又は構造式Q1−COOHのカルボン酸を用いてアシル化により、G2が酸素である構造式(XII)の化合物から作ることができる。
【化17】

【0128】
11) G2が酸素でありR1が水素である構造式(XII)の化合物は、G2が酸素である構造式(XIII)のニトロ化合物の還元によって作ることができる。
【0129】
【化18】

【0130】
酸性条件下での塩化スズでの処理、又は炭素上のパラジウムといったような貴金属を触媒とする水素化など、文献中で報告されているかかる変換を達成するための方法が数多く存在する。
【0131】
12) G2が酸素である構造式(XIII)の化合物は、1)で記述されている通りの2段階での構造式(III)のヒドロキシル−オキシムを用いた処理により、G2が酸素である構造式(XIV)の化合物から誘導可能である。
【0132】
【化19】

【0133】
13) G2が酸素である構造式(XIV)の化合物は、2)に記述されている通りの標準的条件下で、構造式(V)のアミンを用いて、RがOH、C1−C6アルコキシ又はCl、F又はBrである構造式(XV)の化合物を処理することによって作ることができる。
【0134】
【化20】

【0135】
構造式(XV)の化合物は、市販されているか又は当業者にとって公知の方法で作ることができる。
【0136】
14) G1及びG2が硫黄である構造式(I)の化合物は、ローソン(Lawesson)試薬又は五硫化リンといったようなチオトランスファ(thio-transfer)試薬を用いた処理により、G1及びG2が酸素である構造式(I)の化合物から作ることができる。
【0137】
15) G1が硫黄でG2が酸素である構造式(I)の化合物は、構造式(V)のアミンとのカップリングに先立ち、ローソン試薬又は五硫化リンといったようなチオトランスファ試薬を用いた処理により、G1が酸素でありRがOH又はC1−C6アルコキシである構造式(IV)の化合物から作ることができる。
【0138】
16) G1が酸素でG2が硫黄である構造式(I)の化合物は、HalがCl、F又はBrである構造式Q1−COHalの酸ハロゲン化物又は構造式Q1−COOHのカルボン酸でのアシル化に先立ち、ローソン試薬又は五硫化リンといったようなチオトランスファ試薬での処理により、G2が酸素である構造式(XII)の化合物から作ることができる。
【0139】
構造式(I)の化合物は、鱗翅目、双翅目、半翅目、総翅目、直翅目、網翅目、鞘翅目、隠翅目、膜翅目及び等翅目といったような昆虫有害生物と共にその他の無脊椎有害生物例えばダニ目動物、線虫及び軟体動物などの有害生物を駆除し、まん延を制御するために使用できる。昆虫、ダニ目動物、線虫及び軟体動物を以下集合的に有害生物と呼ぶ。本発明の化合物を使用することによって駆除及び制御できる有害生物としては、農業(この用語には食物及び繊維製品用作物の成育が含まれる)、園芸及び畜産、コンパニオン・アニマル、林業及び植物由来の産物(例えば果物、穀物及び木材)の貯蔵に付随する有害生物;人工構造物の損傷及びヒト及び動物の病気の感染に付随する有害生物;ならびに不快な有害生物(例えばハエなど)がある。
【0140】
構造式(I)の化合物によって制御可能な有害生物種の例としては、Myzus persicae(モモアカアブラムシ)、Aphis gossypii(ワタアブラムシ)、Aphis fabae(マメクロアブラムシ)、Lygus spp.(カメムシ種)、Dysdercus spp.(カメムシ種)、Nilaparvata lugens(トビイロウンカ)、Nephotettixcincticeps(ヨコバイ種)、Nezara spp.(カメムシ科)、Euschistus spp.(カメムシ種)、Leptocorisa spp.(カメムシ科)、Frankliniella occidentalis(ミカンキイロアザミウマ)、Thrips spp.(アザミウマ科)、Leptinotarsa decemlineaia(コロラドハムシ)、Anlhonomus grandis(ワタハミハナゾウムシ)、Aonidiella spp.(カイガラムシ)、Trialeurodes spp.(コナジラミ)、Bemisia tabaci(コナジラミ)、Ostrinia nubilalis(ヨーロッパアワノメイガ)、Spodoptera littoralis(ハンスモンヨトウ)、Heliothis virescens(ニセアメリカタバコガ)、Helicoverpa armigera(オオタバコガ)、Helicoverpa zea(アメリカタバコガ)、Sylepla derogata(ワタノメイガ)、Pieris brassicae(オオモンシロチョウ)、Plutella xylostella(コナガ)、Agrolis spp.(ヨトウ科)、Chilo suppressalis(ニカメイチュウ)、Locusta migratoria(トノサマバッタ)、Chortiocetes terminifera(イナゴ)、Diabrotica spp.(コーンルートワーム)、Panonychus ulmi(リンゴハダニ)、Panonychus citri(ミカンハダニ)、Tetranychus urticae(ナミハダニ)、Tetranychus cinnabarinus(ニセナミハダニ)、Phyllocoptruta oleivora(ミカンサビダニ)、Polyphagotarsonemus latus(チャノホコリダニ)、Brevipalpus spp.(ヒメハダニ科)、Boophilus microplus(オウシマダニ)、Dermacentor variabilis(アメリカイヌダニ)、Ctenocephalides felis(ネコノミ)、Liriomyza spp. (ハモグリバエ科)、Musca domestica(イエバエ)、Aedes aegypti(ネッタイシマカ)、Anopheles spp. (ハマダラカ)、Culex spp.(イエカ)、Lucillia spp.(キンバエ)、Blattella germanica(チャバネゴキブリ)、Periplaneta americana(ワモンゴキブリ)、Blatta orientalis (トウヨウゴキブリ)、ムカシシロアリ種のシロアリ(例えばMastotermes spp.)、レイビシロアリ(例えばNeotermes spp.)、ミゾガシラシロアリ(例えばCoptotermes formosanus、Reticulitermes flavipes、R. speratu、R. virginicus、R. hesperus及びR. santonensis)並びにシロアリ科(例えばGlobitermes sulfureus)、Solenopsis geminata(ヒアカアリ)、Monomorium pharaonis(イエヒメアリ)、Damalinia spp.及びLinognathus spp.(ハジラミ類及び吸血シラミ)、Meloidogyne spp.(ネコブセンチュウ)、Globodera spp. 及び Heterodera spp.(シストセンチュウ)、Pratylenchus spp.(ネグサレセンチュウ)、Rhodopholus spp.(バナナネモグリセンチュウ)、Tylenchulus spp.(ミカンネセンチュウ)、Haemonchus contortus(捻転胃虫)、Caenorhabditis elegans(エレガンス線虫)、Trichostrongylus spp.(消化管内線虫)及び Deroceras reticulatum(ナメクジ)がある。
【0141】
従って、本発明は、有害生物、有害生物の居場所、好ましくは植物又は有害生物による攻撃を受ける可能性のある植物に対して、構造式(I)の化合物を殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物上有効な量だけ適用する段階を含む、昆虫、ダニ目動物、線虫又は軟体動物を駆除し制御する方法を提供する。構造式(I)の化合物は、好ましくは昆虫、ダニ目動物又は線虫に対して使用される。
【0142】
本書で使用する「植物」なる用語は、苗木、低木及び樹木を含む。
【0143】
作物には、従来の育種方法によって又は遺伝子工学によって除草剤又は除草剤の類(例えばALS−、GS−、EPSPS−、PPO−及びHPPD−阻害物質)に対する耐性が付与された作物も含まれるものと理解すべきである。従来の品種改良方法により例えばイマザモックスなどのイミダゾリノンに対する耐性が付与された作物の一例としては、Clearfield(登録商標)ナタネ(summer rape)(カノーラ)がある。遺伝子工学方法により除草剤に対する耐性が付与された作物の例には、例えば、Round Ready(登録商標)及びLiberty Link(登録商標)といった商標名で市販されているグリホセート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ変種が含まれる。
【0144】
作物は同様に、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガ耐性)、Bt綿花(綿花ゾウムシ耐性)と共にBtジャガイモ(コロラドハムシ耐性)といった、遺伝子工学方法により害虫に対する耐性が付与された作物であるものとも理解すべきである。Btトウモロコシの例としては、NK(登録商標)(Syngenta Seed)のBt176トウモロコシハイブリッドがある。殺虫剤耐性についてコードし1つ以上の毒素を発現する1つ以上の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例としては、KnockOutR(トウモロコシ)、Yield GardR(トウモロコシ)、NuCOTIN33BR(綿花)、BollgardR(綿花)、NewLeafR(ジャガイモ)、NatureGardR 及び ProtexctaRがある。
【0145】
植物作物又はその種子材料は両方共除草剤に対する耐性を有すると同時に昆虫飼養に対する耐性も有することができる(「積層」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、グリホセートに対する耐性を有すると同時に、殺虫性Cry3タンパク質を発現する能力を有する可能性がある。
【0146】
作物は同様に、従来の品種改良又は遺伝子工学方法によって得られかついわゆる出力形質(例えば改善された貯蔵安定性、より高い栄養価及び改善された風味)を含むものであると理解すべきである。
【0147】
有害生物、有害生物の居場所又は有害生物による攻撃を受けやすい植物に対し殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺軟体動物剤として構造式(I)の化合物を適用するために、構造式(I)の化合物は通常、構造式(I)の化合物に加えて適切な不活性希釈剤又は担体及び任意には表面活性剤(SFA)を含む組成物の形に処方される。SFAは、界面張力を低下させかくしてその他の特性(例えば分散、乳化及び水和化)の変化を導くことにより界面(例えば液体/固体、液体/空気又は液体/液体界面)の特性を修正することのできる化学物質である。全ての組成物(固体及び液体の両方の処方)が、0.0001〜95重量%、より好ましくは1〜85重量%、例えば5〜60%の構造式(I)の化合物を含むことが好ましい。組成物は一般に、構造式(I)の化合物が1ヘクタールにつき0.1g〜10kg、好ましくは1g〜6kg、より好ましくは1g〜1kgの割合で適用されるような形で、有害生物の制御のために使用される。
【0148】
種子粉衣中に使用される場合、構造式(I)の化合物は、種子1kgあたり0.0001g〜10g(例えば0.001g又は0.05g)、好ましくは0.005g〜10g、より好ましくは0.005g〜4gの割合で使用される。
【0149】
もう1つの態様においては、本発明は殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物上有効な量の構造式(I)の化合物及びそのための適切な担体又は希釈剤を含む殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物組成物を提供する。組成物は好ましくは、殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物性の組成物である。
【0150】
組成物は、散布用粉末(DP)、可溶性粉末(SP)、水溶性顆粒(SG)、水分散性顆粒(WG)、水和性粉末(WP)、顆粒(GR)(徐放性及び速放性)、可溶性濃縮物(SL)、油混和性液体(OL)、超低体積液体(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、エマルジョン(水中油型(EW)及び油中水型(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁液濃縮物(SC)、エアロゾル、雲霧/発煙処方物、カプセル懸濁液(CS)及び種子処理処方物を含めた数多くの処方物タイプの中から選択可能である。任意のケースで選択される処方物タイプは、考慮対象の特定の用途及び構造式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性により左右される。
【0151】
散布用粉末(DP)は、構造式(I)の化合物を1つ以上の固体希釈剤(例えば天然粘土、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土(kieselguhr)、白亜、珪藻土(diatomaceous earths)、リン酸カルシウム及び炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク及びその他の有機及び無機固体担体)と混合し、この混合物を細かい粉末になるまで機械的に粉砕することによって調製可能である。
【0152】
可溶性粉末(SP)は、構造式(I)の化合物を1つ以上の水溶性無機塩(例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム)又は1つ以上の水溶性有機固体(例えば多糖類)及び任意には水分散性/可溶性を改善するための1つ以上の水和化剤、1つ以上の分散剤又は前記作用物質の混合物と混合することにより調製可能である。混合物は次に、細かい粉末となるまで粉砕される。水溶性顆粒(SG)を形成するために類似の組成物を造粒することもできる。
【0153】
水和性粉末(WP)は、構造式(I)の化合物を1つ以上の固体希釈剤又は担体、1つ以上の水和化剤そして好ましくは液体中での分散を容易にするための1つ以上の分散剤及び任意には1つ以上の懸濁剤と混合することによって調製可能である。次に混合物は細かい粉末となるまで粉砕される。水分散性顆粒(WG)を形成するために類似の組成物を造粒することもできる。
【0154】
顆粒(GR)は、構造式(I)の化合物と1つ以上の粉末化した固体希釈剤又は担体の混合物を造粒することによってか、又は多孔質粒状材料(例えば軽石粉、アタパルジャイト粘土、フラー土、珪藻土(kieselguhr)、珪藻土(diatomaceous earths又は粉末コーンコブ)の中に構造式(I)の化合物(又は適切な作用物質中のその溶液)を吸収させることによって予備成形されたブランク顆粒からか、或いは又ハードコア材料(例えば砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩)上に構造式(I)の化合物(又は適切な作用物質中のその溶液)を吸着させ、必要とあらば乾燥させることによって形成可能である。吸収又は吸着を助けるために一般に使用される作用物質には、溶媒(例えば脂肪族及び芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトン及びエステル)及び固着剤(例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖及び植物油)が含まれる。顆粒中には(例えば乳化剤、水和化剤又は分散剤などの)1つ以上のその他の添加剤を含み入れることもできる。
【0155】
分散性濃縮物(DC)は、水又は有機溶媒例えばケトン、アルコール又はグリエールエーテル中に構造式(I)の化合物を溶解させることによって調製可能である。これらの溶液は、(例えば水希釈を改善させるか又は噴霧タンク内での結晶化を防止するため)表面活性剤を含有していてよい。
【0156】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油型エマルジョン(EW)は、(任意には1つ以上の水和化剤、1つ以上の乳化剤又は前記作用物質の混合物を含有する)有機溶媒中に、構造式(I)の化合物を溶解させることによって調製可能である。EC中で使用するための適切な有機溶媒には、芳香族炭化水素(例えばSOLVESSO100、SOLVESSO150及びSOLVESSO200により例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレン;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(例えばシクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノン)及びアルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール)、N−アルキルピロリドン(例えばN−メチルピロリドン又はN−オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えばC8−C10脂肪酸ジメチルアミド)及び塩素化炭化水素が含まれる。ES製品は、水に添加した時点で自然発生的に乳化して、適切な機器を介した噴霧適用を可能にするのに充分な安定性を伴ってエマルジョンを生成することができる。EWの調製には、液体として(室温で液体でない場合それは標準的には70℃未満の適正な温度で融解してよい)か又は溶解状態(それを適切な溶媒中で溶解させることによる)のいずれかで構造式(I)の化合物を得る段階、そして次に、結果として得た液体又は溶液を1つ以上のSFAを含有する水の中に高いせん断力の下で乳化させてエマルジョンを生成する段階が関与する。EWの中で使用するための適切な溶媒には、植物油、塩素化炭化水素(例えばクロロベンゼン)、芳香族溶媒(例えばアルキルベンゼン又はアルキルナフタレン)及び低い水溶性をもつその他の適切な有機溶媒が含まれる。
【0157】
マイクロエマルジョン(ME)は、1つ以上のSFAと1つ以上の溶媒の配合物と水を混合して熱力学的に安定な等方性液体処方物を自然発生的に生成させることによって調製可能である。構造式(I)の化合物は、当初水又は溶媒/SFA配合物のいずれかの中に存在する。ME中で使用するための適切な溶媒には、EC又はEW中での使用のために以上で記述されたものが含まれる。MEは、水中油型又は油中水型系のいずれであってもよく(どの系が存在するかは、伝導度測定により決定可能である)、同じ処方物中で水溶性及び油溶性殺有害生物剤を混合するために適したものであり得る。MEは水中への希釈に適しており、マイクロエマルジョンとして残存するか又は従来の水中油型エマルジョンを形成する。
【0158】
懸濁液濃縮物(SC)は、構造式(I)の化合物の細かく分割された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、化合物の細かい粒子懸濁液を生成するべく任意には1つ以上の分散剤を伴って、適切な媒質中に構造式(I)の固体化合物をボールミル又はビーズミル粉砕することによって調製可能である。1つ以上の水和化剤を組成物中に含み入れることができ、粒子が沈降する速度を低減させるために懸濁剤を含み入れてもよい。代替的には、構造式(I)の化合物を乾式粉砕し、以上で記述した作用物質を含有する水に添加して、所望の最終生成物を生成することもできる。
【0159】
エアロゾル処方物は、構造式(I)の化合物及び適切な高圧ガス(例えばn−ブタン)を含む。構造式(I)の化合物は同様に適切な媒質(例えば水、又は水混和性液体、例えばn−プロパノール)中に溶解又は分散させられて、非加圧式の手動噴霧ポンプ中で使用するための組成物を提供することもできる。
【0160】
構造式(I)の化合物は、火工用混合物と乾燥状態で混合させられて、閉鎖空間内で化合物を含有する煙を発生させるのに適した組成物を形成することができる。
【0161】
カプセル懸濁液(CS)は、EW処方物の調製と類似の要領で、ただし油滴の水性分散が得られるような形で付加的な重合段階を伴って調製可能であり、ここで各々の油滴は重合体シェルによりカプセル化され、構造式(I)の化合物及び任意にはそのための担体又は希釈剤を含有する。重合体シェルは、界面重縮合反応か又は液滴形成手順のいずれかによって生成され得る。組成物は、構造式(I)の化合物の制御放出を提供でき、これらを種子処理のために使用することができる。構造式(I)の化合物は同様に、化合物の低速、制御放出を提供するように、生物分解性重合体マトリクスの形で処方してもよい。
【0162】
組成物には、(例えば表面上の水和化、保持又は分布;処理済み表面上の耐雨性;又は構造式(I)の化合物の取り込み又は移動度を改善することにより)組成物の生物学的性能を改善するための1つ以上の添加剤が含まれていてよい。かかる添加剤には、表面活性剤、油ベースの噴霧添加剤例えば或る種の鉱油又は天然植物油(例えばダイズ油及び菜種油)、及びこれらとその他の生物増強アジュバント(構造式(I)の化合物の作用を助けるか又は修正することのできる成分)の配合物が含まれる。
【0163】
構造式(I)の化合物は、同様に、例えば乾燥種子処理(DS)、水溶性粉末(SS)又はスラリー処理用の水分散性粉末(WS)を含めた粉末組成物として又は流動性濃縮物(FS)、溶液(LS)又はカプセル懸濁液(CS)を含めた液体組成物として、種子処理として使用するためにも処方可能である。DS、SS、WS、FS及びLS組成物の調製は、それぞれ上述のDP、SP、WP、SC及びDC組成物のものにきわめて類似している。種子処理用組成物は、種子に対する組成物の付着を補助するための作用物質(例えば鉱油又は塗膜形成バリア)を含み得る。
【0164】
水和化剤、分散剤及び乳化剤は、カチオン、アニオン、両性又は非イオンタイプの表面SFAであってよい。
【0165】
カチオンタイプの適切なSFAは、第4アンモニウム化合物(例えばセチルトリメチルアンモニウム・ブロミド)、イミダゾリン及びアミン塩を含む。
【0166】
適切なアニオンSFAには、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン酸化芳香族化合物((例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン及びスルホン酸ナトリウムジ−イソプロピル及びトリ−イソプロピルナフタレンの混合物))、硫酸エーテル、アルコール硫酸エーテル(例えばラウレス−3−硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えばラウレス−3−カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1つ以上の脂肪アルコールとリン酸(主にモノエステル)又は五酸化リン(主にジエステル)の間の反応、例えばラウリルアルコールと四リン酸の間の反応からの生成物;付加的にはこれらの生成物をエトキシル化してもよい)、スルフォサクシナメート、パラフィン又はオレフィンスルホネート、タウレート及びリグノスルホネートが含まれる。
【0167】
両性タイプの適切なSFAには、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが含まれる。
【0168】
非イオンタイプの適切なSFAには、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はその混合物と脂肪アルコール(例えばオレイルアルコール又はセチルアルコール)又はアルキルフェノール(例えばオクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾール)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又はヘキシトール無水物から誘導された部分エステル;エチレンオキシドと前記部分エステルの縮合生成物;(エチレンオキシドとプロピレンオキシドを含む)ブロック重合体;アルカノールアミド;単純エステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチンが含まれる。
【0169】
適切な懸濁剤には、親水コロイド(例えば多糖類、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウム)及び膨潤粘土(例えばベントナイト又はアタパルジャイト)が含まれる。
【0170】
構造式(I)の化合物は、殺有害生物化合物を適用する公知の手段のいずれかによって適用することができる。例えばこれを処方された状態又は未処方の状態で、有害生物又は有害生物の居場所(例えば有害生物の生息場所又は有害生物がまん延しやすい成長植物)又は群葉、茎、枝又は根を含めた植物の任意の部分、植え付け前の種子又は植物が成長しているか又は植付けられる予定のその他の媒質(例えば根をとり囲む土壌、土壌全般、田面水又は水耕栽培システム)に対し直接適用してもよいし、或いは、これを土壌又は水性環境上に噴霧するか、散布するか、浸漬により適用するか、クリーム又はペースト処方物として塗布するか、蒸気として適用するか又はその中への組成物(例えば粒状組成物又は水溶性袋に詰め込まれた組成物)の分配又は取込みを通して適用することもできる。
【0171】
構造式(I)の化合物は、同様に、植物内に注入するか又は電気力学的噴霧技術又はその他の低容積方法を用いて植生上に噴霧するか、又は陸上又は空中かんがい(aerial irrigation)システムにより適用することもできる。
【0172】
水性調製物(水性溶液又は分散)として使用するための組成物は、一般に、高い割合の活性成分を含有する濃縮物の形で供給され、この濃縮物は使用前に水に添加される。CD、SC、EC、EW、ME、SG、SP、WP、WG及びCSを含み得るこれらの濃縮物は長期にわたる貯蔵耐性と、かかる貯蔵の後水に添加して従来の噴霧機器により適用できるために充分な時間均質な状態にとどまる水性調製物を形成する能力を求められることが多い。このような水性調製物は、それらを使用する予定の用途に応じて変動する量の構造式(I)の化合物(例えば0.0001〜10重量%)を含有し得る。
【0173】
構造式(I)の化合物は、肥料(例えば窒素、カリウム又はリン含有肥料)との混合物の形で使用してよい。適切な処方タイプには、肥料の顆粒が含まれる。混合物は好ましくは最高25重量%の構造式(I)の化合物を含有している。
【0174】
従って本発明は、肥料と構造式(I)の化合物を含む肥料組成物をも提供している。
【0175】
本発明の組成物は、生物活性を有するその他の化合物、例えば殺真菌活性を有するか又は植物成長調節活性、除草活性、殺菌活性、殺線虫活性又は殺ダニ活性を有する微量栄養素又は化合物を含有し得る。
【0176】
構造式(I)の化合物は組成物の唯一の活性成分であってもよいし又は、該当する場合には殺有害生物剤、殺真菌剤、共力剤、除草剤又は植物成長調節剤として1つ以上の付加的な活性成分と混和されてもよい。付加的な活性成分は、より広範囲の活性及び居場所におけるより長い持続性をもつ組成物を提供し;構造式(I)の化合物の活性に相乗作用を与えるか又はその活性を補足し(例えば効果の速度を高めるか又は揮発性を克服することなどによる);或いは又個々の構成要素に対する耐性の発生を克服又は防止するのを助けることができる。特定の付加的な活性成分は、組成物の意図された有用性によって左右される。適切な殺有害生物剤の例としては、以下のものがある:
a) ピレスロイド、例えばペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、デルタメトリン、シハロトリン(特にラムダ−シハロトリン)、ビフェントリン、フェンプロパトリン、シフルトリン、テフルトリン、魚類安全ピレスロイド(例えばエトフェンプロクス)、天然ピレトリン、テトラメトリン、s−ビオアレトリン、フェンフルトリン、プラレトリン又は5−ベンジル−3−フリルメチル−(E)−(lR,3S)−2,2−ジメチル−3−(2−オキソチオラン−3−イリデンメチル)シクロプロパンカルボキシレート;
b) 有機リン殺虫剤、例えば、プロフェノホス、スルプロホス、アセフェート、メチル パラチオン、アジンホス−メチル、デメトン−s−メチル、ヘプテノホス、チオメトン、フェナミホス、モノクロトホス、プロフェノホス、トリアゾホス、メタミドホス、ジメトエート、ホスファミドン、マラチオン、クロルピリホス、ホサロン、テルブホス、フェンスルホチオン、フォノホス、フォレート、フォキシム、ピリミホス−メチル、ピリミホス−エチル、フェニトロチオン、フォスチアゼート又はディアジノン;
c) カルバメート(カルバミン酸アリールを含む)、例えばピリミカルブ、トリアザメート、クロエトカルブ、カルボフラン、フラチオカルブ、エチオフェンカルブ、アルジカルブ、チオフロックス、カルボスルファン、ベンジオカルブ、フェノブカルブ、プロポキスル、メトミル又はオキサミル;
d) ベンゾイル尿素、例えばジフルベンズロン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン又はクロルフルアズロン;
e) 有機スズ化合物、例えばシヘキサチン、フェンブタチンオキシド又はアゾシクロチン;
f) ピラゾール、例えばテブフェンピラド及びフェンピロキシメート;
g) マクロライド、例えばアベルメクチン又はミベマイシン、例えばアベメクチン、安息香酸エマメクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、スピノサド又はアザジラクチン;
h) ホルモン又はフェロモン;
i) 有機塩素化合物、例えばエンドスルファン、ベンゼンヘキサクロリド、DDT、クロルダン又はジエルドリン;
j) アミジン、例えばクロルジメホルム又はアミトラズ;
k) 薫蒸剤、例えばクロロピクリン、ジクロロプロパン、メチルブロミド又はメタム;
1) ネオニコチノイド化合物、例えばイミダクロプリド、チアクロプリド、アセトアミプリド、ニテンピラム、ジノテフラン又はチアメトキサム;
m) ジアシルヒドラジン、例えばテブフェノジド、クロマフェノジド又はメトキシフェノジド;
n) ジフェニルエーテル、例えばジオフェノラン又はピリプロキシフェン;
o) インドキサカルブ;
p) クロルフェナピル;
q) ピメトリジン;
r) スピロテトラマート、スピロジクロフェン又はスピロメチフェン;又は
s) フルベンジアミド又はリナキシピル。
【0177】
上述の主要な殺有害生物の化学物質分類に加えて、組成物の意図された有用性にとって適切である場合には、特定の標的を有するその他の殺有害生物剤を組成物中に使用することができる。例えば、特定の作物向けの選択的殺虫剤例えば茎せん孔性動物に特異的な殺虫剤(例えばカルタップ)又はイネに使用されるヨコバイ類に特異的な殺虫剤(例えばブプロフェジン)を使用することができる。代替的には、特定の昆虫種/期に特異的な殺虫剤又は殺ダニ剤も、組成物中に含み入れることができる(例えば殺ダニ性殺卵−殺幼虫剤例えばクロフェンテジン、フルベンズイミン、ヘキシチアゾックス又はテトラジフォン;殺ダニ性、殺運動性剤(motolicide)例えばシコフオル又はプロパルジャイト;殺ダニ剤例えばブロモプロピレート又はクロロベンジレート;又は成長調節剤例えばヒドラメチルノン、シロマジン、メトプレン、クロルフルアズロン又はジフルベンズロン)。
【0178】
本発明の組成物中に含み入れることのできる殺真菌化合物の例としては、以下のものがある:(E)−N−メチル−2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)フェニル]−2−メトキシ−イミノアセタミド(SSF−129)、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロメチルベンズイミダゾール−1−スルホンアミド、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセタミド]−γ−ブチロラクトン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−ρ−トリルイミダゾール−1−スルホンアミド(IKF−916、シアミダゾスルファミド)、3−5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH−7281、ゾキサミド)、N−アリル−4,5,−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド(MON65500)、N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド(AC382042)、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカルボキサミド、アシベンゾラール(CGA245704)、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビロキサゾル、ビテルタノール、ブラスチチシジンS、ブロムコナゾール、ブピリメート、カプタフォル、カプタン、カルベンダジム、カルベンダジムクロルハイドレート、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、キノメチオネート、クロロタロニル、クロロゾリネート、クロジラコン、銅含有化合物例えば銅オキシクロリド、銅オキシキノレート、硫酸銅、銅ターレート及びボルドー液、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1’−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾクアット、ジフルメトリム、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメトモルフ、ジメチリモル、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エチリモル、エチル(Z)−N−ベンジル−N([メチル(メチル−チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン(RPA407213)、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド(KBR2738)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロオキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトバー、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジントリアセテート、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ(SZX0722)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メパニピリム、メルプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メチラム、メチラム亜鉛、メトミノストロビン、ミクロブタニル、ネオアソジン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキシリン酸、オキシポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、フェナジンオキシド、フォセチル−Al、リン酸、フタリド、ピコキシストロビン(ZA1963)、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、ピラゾホス、フィリフェノクス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロルニトリン、第4級アンモニウム化合物、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、シプコナゾール(F−155)、ナトリウムペンタクロロフェネート、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオフェネート−メチル、チラム、チミベンコナゾール、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノル、トリアズブチル、トリアズオキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン(CGA279202)、トリフォリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、ジネブ及びジラム。
【0179】
種子伝染病、土壌伝染病又は葉真菌病に対し植物を保護するため、土壌、泥炭又はその他の発根培地と構造式(I)の化合物を混合することが可能である。
【0180】
組成物中で使用するための適切な共力剤の例としては、ピペロニル、ブトキシド、セサメックス、サフロキサン及びドデシルイミダゾールが含まれる。
【0181】
組成物中に含み入れるための適切な除草剤及び植物成長調節剤は、意図された標的及び必要とされる効果によって左右される。
【0182】
含み入れることのできるイネ選択的除草剤の例としてはプロパニルがある。綿花中で使用するための植物成長調節剤の例としてはPIXTMがある。
【0183】
一部の混合物は、著しく異なる物理的、化学的又は生物学的特性を有する活性成分を含む可能性があるため、従来の同じ処方物タイプに容易に結びつかなくなっている。このような情況下ではその他の処方物タイプを調製することができる。例えば、1つの活性成分が不水溶性固体であり、もう一方の活性成分が不水溶性液体である場合、それでも、(SCのものと類似の調製を用いて)懸濁液として固体活性成分を分散させるものの液体活性成分は(EWのものと類似の調製を用いて)エマルジョンとして分散させることによって、同一の連続的水相中に各々の活性成分を分散させることが可能であり得る。結果として得られる組成物は、サスポエマルジョン(SE)処方物である。
【0184】
以下の実施例は本発明を例示するものの、それを限定するものではない。
【実施例】
【0185】
調製例
実施例I1:2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェニルアミンの調製
【化21】

【0186】
4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニルアミン(2.00g、10.0mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.79g、11.0mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド(PdCl2dppf)(ジクロロメタン1:1で結晶化させたもの)(0.16g、0.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.11g、0.2mmol)及び酢酸カリウム(2.94g、30.0mmol)を、アルゴン雰囲気下で無水ジオキサン(30ml)中に溶解させた。反応混合物を80℃で18時間撹拌した。反応混合物を周囲温度まで冷却させ、セライト(登録商標)栓を通してろ過した。ろ液を水(100ml)及びジクロロメタン(100ml)で希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄し、水相をジクロロメタンで2回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上のクロマトグラフィにより精製することで(溶離剤;ヘキサン/酢酸エチル(4:1))、2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミン(3.13g、収率87%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):7.4(s,2H)、4.0(s,2H)、2.2(s,6H)、1.3(s,12H)。
【0187】
実施例I2:2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルアミンの調製
【化22】

【0188】
マイクロ波バイアル内で2,6−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニルアミン(200mg、0.8/mmol)(実施例11)を1,2−ジメトキシエタン(1.2ml)とテトラヒドロフラン(1.2ml)中に溶解させた。その後、アルゴン雰囲気下にて0℃で2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン(167μl、1.62mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(PPh32)(18mg、0.03mmol)及びトリフェニルホスフィン(32mg、0.12mmol)を添加した。最終的に、アルゴン雰囲気下にて0℃で水酸化ナトリウム水溶液(2M)(1.6ml)を添加した。バイアルを密封し、マイクロ波オーブン内にて10分間130℃で加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却させ濃縮した。残渣を、酢酸エチル(30ml)中に懸濁させ、セライト(登録商標)栓を通してろ過した。ろ液を水(30ml)で2回洗浄した。水相を酢酸エチル(30ml)で抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。分取順相HPLCで精製することで2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルアミン(140mg、収率80%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):7.1(s,2H)、5.75(s,1H)、5.6(s,1H)、3.9(s,2H)、2.2(s,6H)。
【0189】
実施例I3:3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステルの調製
【化23】

【0190】
3−アミノ−安息香酸メチルエステル(1.47g、9.7mmol)をトルエン(7.5ml)中に溶解させた。トリエチルアミン(2.03ml、29.1mmol)を添加した。その後、0℃でトルエン中の2−メチル−ベンゾイルクロリド溶液(7.5ml)をゆっくりと添加した。反応混合物をまず0℃で2時間、そして次に周囲温度で2時間撹拌した。酢酸エチル(80ml)で反応混合物を希釈し、塩酸(0.5M)(70ml)で一回、水(70ml)で一回そして塩水(70ml)で一回洗浄した。酢酸エチル(70ml)で水相を抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステル(2.48g、収率95%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.1(s,1H)、8.05(d,1H)、7.8(dd,1H)、7.7(s,1H)、7.5(d,1H)、7.45(d,1H)、7.35(dd,1H)、7.25(dd,2H)、3.9(s,3H)、2.5(s,3H)。
【0191】
類似の方法を用いて3−(4−シアノ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステル、3−(2,3−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステル及び3−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステルを作製した。
【0192】
実施例I4:3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸の調製
【化24】

【0193】
テトラヒドロフラン(18ml)中に、3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸メチルエステル(実施例I3)を溶解させた。水(4ml)中の水酸化リチウム−水和物(0.772g、18.4mmol)の懸濁液を添加した。反応混合物を18時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水(20ml)で希釈し、蒸発によりテトラヒドロフランを除去した。水溶液を塩酸(2M)(20ml)で酸性化した。沈殿物をろ過により単離させ、高真空下で乾燥させて3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸(2.037g、収率87%)を得た。
1H−NMR(d−DMSO、400MHz):8.4(s,1H)、7.9(d,1H)、7.6(d,1H)、7.4(m,2H)、7.3(dd,1H)、7.25(d,2H)、2.3(s,3H)。
【0194】
類似の方法を用いて3−(4−シアノ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸、3−(2,3−ジフルオロ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸及び3−(4−フルオロ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸を作製した。
【0195】
実施例I5:2−メチル−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミドの調製
【化25】

【0196】
2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルアミン(700mg、3.25mmol)(実施例I2)、3−(2−メチル−ベンゾイルアミノ)−安息香酸(830mg、3.25mmol)(実施例I4)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホニッククロリド(BOP−Cl)(994mg、3.90mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(ヒューニッヒ塩基)(1.67ml、9.76mmol)をジメチルホルムアミド(15ml)中に溶解させた。反応混合物を18時間50℃で撹拌し、その後周囲温度まで冷却させた。反応混合物を水(200ml)及び酢酸エチル(200ml)で希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄した。水相を酢酸エチルで一回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上でのクロマトグラフィにより精製することで(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル4:1〜1:1)、2−メチル−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミド(378mg、収率26%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.25(s,1H)、7.85(s,1H)、7.75(d,1H)、7.7(s,1H)、7.65(s,1H)、7.5(d,2H)、7.4(d,1H)、7.3(s,1H)、7.25(s,1H)、7.2(s,2H)、7.1(s,1H)、5.95(s,1H)、5.75(s,1H)、2.5(s,3H)、2.3(s,6H)。
【0197】
類似の方法を用いて4−シアノ−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミド、2,3−ジフルオロ−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミド及び4−フルオロ−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミドを作製した。
【0198】
実施例P1:2−メチル−安息香酸3−(4−[3−(4−フルオロ−フェニル−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル1−2,6−ジメチルフェニルカルバモイル}−フェニルアミド(表Aの化合物A3)の調製
【化26】

【0199】
4−フルオロ−ベンズアルデヒドオキシム(93mg、0.66mmol)及びN−クロロスクシンイミド(NCS)(89mg、0.66mmol)をジメチルホルムアミド(1ml)中に溶解させた。反応混合物を90分間周囲温度で撹拌した。ジメチルホルムアミド(1ml)中の2−メチル−安息香酸3−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルカルバモイル]−フェニルアミド(100mg、0.22mmol)(実施例I5)及びトリエチルアミン(93μl、0.66mmol)の溶液を添加し、反応混合物を18時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水(40ml)及び酢酸エチル(40ml)で希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄し、水相を酢酸エチルで1回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。分取順相HPLCにより精製することで、表Aの化合物A3(99mg、収率77%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.25(s,1H)、7.85(d,1H)、7.65(m,3H)、7.6(s,1H)、7.5(d,2H)、7.4(s,1H)、7.35(s,2H)、7.3(s,1H)、7.1(t,2H)、4.05(d,1H)、3.75(d,1H)、2.5(s,3H)、2.3(s,6H)。
【0200】
類似の方法を用いて表Aの化合物A1、A2及びA4〜A11を作製した。
【0201】
実施例I6:N−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミドの調製
【化27】

【0202】
2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニルアミン(1.19g、5.55mmol)(実施例I2)をトルエン(5ml)中に溶解させた。トリエチルアミン(1.1ml、8.3mmol)を添加した。次に0°Cで、トルエン(3ml)中の3−ニトロ−ベンゾイルクロリド(1.03g、5.55mmol)の溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を2時間0℃で、次に2時間周囲温度で撹拌した。粗製生成物をろ過により単離し、分取順相HPLCにより精製して、N−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロメチル−ビニル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミド(1.2g、収率68%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.75(s,1H)、8.45(d,1H)、8.3(d,1H)、7.75(t,1H)、7.5(s,1H)、7.2(s,2H)、6.0(s,1H)、5.8(s,1H)、2.3(s、3H)。
【0203】
実施例I7:N−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2.6−ジメチルフェニル}−3−ニトロベンズアミドの調製
【化28】

【0204】
ジメチルホルムアミド(10ml)中に4−クロロ−ベンズアルデヒドオキシム(1.93g、12.4mmol)及びN−クロロスクシンイミド(NCS)(1.66g、12.4mmol)を溶解させた。反応混合物を2時間周囲温度で撹拌した。ジメチルホルムアミド(10ml)中のN−[2,6−ジメチル−4−(1−トリフルオロ−メチル−ビニル)−フェニル]−3−ニトロ−ベンズアミド(1.29g、3.55mmol)(実施例I6)及びトリエチルアミン(1.73ml、3.5mmol)の溶液を添加し、反応混合物を3時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水及び酢酸エチルで希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄し、水相を酢酸エチルで1回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。分取順相HPLCにより精製することで、N−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニル}−3−ニトロベンズアミド(1.58g、収率86%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.75(s,1H)、8.45(d,1H)、8.3(d,1H)、7.75(t,1H)、7.65−7.40(m,8H)、4.05(d,1H)、3.75(d,1H)、2.3(s,6H)。
【0205】
実施例I8:N−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニル}−3−アミノベンズアミドの調製
【化29】

【0206】
2−プロパノール(20ml)中のN−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニル}−3−ニトロベンズアミド(1.3g、2.51mmol)(実施例I7)の溶液に対し塩化スズ(II)(1.72g、9.0mmol)及びゆっくり濃縮した塩酸(2.43ml)を添加した。反応混合物を2時間80°Cで撹拌し、次にそれを周囲温度まで冷却させた。反応混合物を水及びジクロロメタンで希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄し、水相をジクロロメタンで1回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。酢酸エチル及びヘキサンからの結晶化によりN−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニル}−3−アミノベンズアミド(1.27g、収率86%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):7.60−7.20(m,13H)、4.05(d,1H)、3.75(d,1H)、2.3(s,6H)。
【0207】
実施例P2:4−トリフルオロメチル−安息香酸3−{4−[3−(4−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチル−フェニルカルバモイル}−フェニルアミド(表Aの化合物A30)の調製
【化30】

【0208】
N−{4−[3−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−4,5−ジヒドロ−イソキサゾール−5−イル]−2,6−ジメチルフェニル}−3−アミノベンズアミド(50mg、0.10mmol)(実施例I8)、4−トリフルオロメチル安息香酸(20mg、0.1mmol)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホニッククロリド(BOP−Cl)(32mg、0.12mmol)及びN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(ヒューニッヒ塩基)(53μl、0.3mmol)をジメチルホルムアミド(15ml)中に溶解させた。反応混合物を20時間周囲温度で撹拌した。反応混合物を水(20ml)及び酢酸エチル(20ml)で希釈し、相を分離させた。有機相を水で2回洗浄した。水相を酢酸エチルで1回抽出した。有機相を組合せ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。分取順相HPLCにより精製することで表Aの化合物A30(55mg、収率82%)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz):8.40(s,1H)、8.25(s,1H)、8.00−7.25(m,14H)、4.0(d,1H)、3.65(d,1H)、2.25(s,6H)。
【0209】
類似の方法を用いて表Aの化合物A12〜A29を作製した。
【0210】
HPLC−MS分析には以下の方法(方法A及び方法B)を利用した:
【0211】
下記のHPLC勾配条件(溶媒A:水中0.05%のギ酸及び溶媒B:アセトニトリル/メタノール中0.04%のギ酸、4:1)を用いた方法A(Agilent1100LC)
時間(分) A(%) B(%) 流速(ml/分)
0 95 5 1.7
2.0 0 100 1.7
2.8 0 100 1.7
2.9 95 5 1.7
3.1 95 5 1.7
カラムのタイプ: Phenomenex Gemini Cl 8;カラム長:30mm;カラムの内径:3mm;粒径:3ミクロン;温度:60℃。
【0212】
下記のHPLC勾配条件(溶媒A:水中0.1%のギ酸/アセトニトリル(9:1)及び溶媒B:アセトニトリル中1%のギ酸)を用いた方法B(Water Alliance 2795 LC)
時間(分) A(%) B(%) 流速(ml/分)
0 90 10 1.7
2.5 0 100 1.7
2.8 0 100 1.7
2.9 950 10 1.7
カラムのタイプ: Water atlantis del 8;カラム長:20mm;カラムの内径:3mm;粒径:3ミクロン;温度:40°C。
【0213】
各化合物について得られた特性値は、保持時間(「RT」、分単位で記録)及び分子イオン、標準的には表A中に列記されているようなカチオンMH+、であった。使用されたHPLC−MS方法はカッコ内に示されている。
【0214】
表A:構造式(Ia)の化合物:
【化31】

【表2】

【表3】

【0215】
生物学的実施例
本実施例は、構造式(I)化合物の殺有害生物/殺虫特性を例示する。試験は以下のように実施された:
【0216】
セポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)(エジプトワタガ(Egyptian cotton leafworm)):
24ウェルのマイクロタイタープレート内で円盤状のワタの葉を寒天上に置き、試験溶液を200ppmの適用濃度で噴霧した。乾燥後、円盤状の葉に5匹のL1幼虫を蔓延させた。処理から3日後(DAT)に死亡率、摂食行動及び成長調節について試料を検査した。
【0217】
以下の化合物はセポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)に関して少なくとも80%の制御を示した:A3、A5、A7、A8、A9、Al0、A11、A12、A13、A19、A25。
【0218】
ヘリオチス・ビレスセンス(Heliothis virescens)(ニセアメリカタバコガ):
卵(0〜24時齢)を24ウェルのマイクロタイタープレート内で人工飼料上に置き、200ppmの適用濃度でピペット操作により試験溶液で処理した(ウェル中の濃度18ppm)。4日間のインキュベーション期間後、卵の死亡率、幼虫の死亡率及び成長調節について試料を検査した。
【0219】
以下の化合物はヘリオチス・ビレスセンス(Heliothis virescens)に関して少なくとも80%の制御を示した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20、A21、A22、A23、A24、A25、A26、A27、A28、A29、A30。
【0220】
プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(コナガ):
人工飼料の入った24ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)を200ppmの適用濃度でピペット操作により試験溶液で処理した(ウェル中の濃度18ppm)。乾燥後、MTPにL2幼虫を蔓延させた(ウェルあたり7〜12匹)。6日間のインキュベーション期間後、幼虫の死亡率及び成長調節について試料を検査した。
【0221】
以下の化合物はプルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)に関して少なくとも80%の制御を示した:A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20、A22、A23、A24、A25、A27、A29。
【0222】
ジアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)(ネキリムシ):
人工飼料の入った24ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)を200ppmの適用濃度でピペット操作により試験溶液で処理した(ウェル中の濃度18ppm)。乾燥後、MTPにL2幼虫を蔓延させた(ウェルあたり6〜10匹)。5日間のインキュベーション期間後、幼虫の死亡率及び成長調節について試料を検査した。
【0223】
以下の化合物はジアブロチカ・バルテアタ(Diabrotica balteata)に関して少なくとも80%の制御を示した:A1、A2、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A19、A20、A21、A22、A23、A24、A25、A26、A27、A29、A30。
【0224】
アエデス・アエジプチ(Aedes aegypti) (黄熱病蚊):
栄養混合物と共に10〜15匹のアエデス(Aedes)幼虫(L2)を96ウェルのマイクロタイタープレート中に置く。試験溶液を適用濃度2ppmでウェル内にピペット操作により入れた。2日後、死亡率及び生長阻害について昆虫を検査した。
【0225】
以下の化合物はアエデス・アエジプチ(Aedes aegypti)に関して少なくとも80%の制御を示した:A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、A11、A12、A13、A14、A15、A16、A17、A18、A23、A24、A25。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
− A1、A2、A3及びA4は、それらのうちの2つ以下のものが窒素であることを条件として、互いに独立してC−X又は窒素であり;
− 各Xが独立して水素、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル又はC1−C4アルコキシであり;
− R1及びR2が互いに独立して水素、C1−C4アルキル又はC1−C4アルキルカルボニルであり;
− G1及びG2が互いに独立して酸素又は硫黄であり;
− Q1はアリール又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたアリールであるか、そうでなければQ1はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− R3は水素、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C3−C8シクロアルキル、C3−C8ハロシクロアルキル、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、2−ナフチル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換された2−ナフチル、又はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− R4は、水素、ハロゲン、シアノ、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、C3−C6シクロアルキル−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルコキシ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルチオ−C1−C4−アルキル−、C1−C4アルキルスルフィニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルスルフィニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4−アルキルスルホニル−C1−C4−アルキル−、C1−C4ハロアルキルスルホニル−C1−C4−アルキル−、C3−C8シクロアルキル、C3−C8ハロシクロアルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルコキシ、C1−C6アルキルチオ、C1−C6ハロアルキルチオ、C1−C6アルキルスルフィニル、C1−C6ハロアルキルスルフィニル、C1−C6アルキルスルホニル、C1−C6ハロアルキルスルホニル、N,N−ジ(C1−C6)アルキルアミノ、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル又は同じか又は、異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルであり;
− Y1及びY4は、互いに独立して水素、シアノ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ−C1−C4−アルキル、C1−C3アルキルチオ、C1−C3ハロアルキルチオ、C1−C3アルキルスルフィニル、C1−C3ハロアルキルスルフィニル、C1−C3アルキルスルホニル又はC1−C3ハロアルキルスルホニルであり;
− Y2及びY3は、互いに独立して水素、ハロゲン又はC1−C4アルキルであり;
− 各R5は、独立してシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C2−C4アルケニル、C2−C4ハロアルケニル、C2−C4アルキニル、C2−C4ハロアルキニル、C3−C6シクロアルキル、C3−C6ハロ−シクロアルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3ハロアルコキシ、C1−C3アルキルチオ、C1−C3ハロアルキルチオ、C1−C3アルキルスルフィニル、C1−C3ハロアルキルスルフィニル、C1−C3アルキルスルホニル、C1−C3ハロアルキルスルホニル、C1−C4アルキルアミノ、ジ−(C1−C4アルキル)アミノ、C1−C4アルキルカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルオキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、C1−C4アルキルカルボニルアミノ又はフェニルである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物。
【請求項2】
1がC−Xである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2がC−Xである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
3がC−Xである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
4がC−Xである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
各Xが独立して水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル又はメトキシである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
1が水素、メチル、エチル又はアセチルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
2が水素、メチル、エチル又はアセチルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
1が酸素である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
2が酸素である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
1がフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル又は1,2,3−チアジアゾリル、或いはシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、メチルチオ、メチルスルフィニル、メチルスルホニル又はフェニルの中から独立して選択された1〜3個の置換基により置換されたフェニル、ピリジル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル又は1,2,3−チアジアゾリルである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
3が、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
4がC1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、フェニル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたフェニル、又はヘテロシクリル又は、同じか又は異なるものであり得る1〜5個の置換基R5により置換されたヘテロシクリルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
1がシアノ、クロロ、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はメトキシメチルである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
2が水素、フルオロ、クロロ又はメチルである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
3が水素、フルオロ、クロロ又はメチルである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
4がシアノ、クロロ、メチル、エチル又はトリフルオロメチルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
式(II)
【化2】

(式中、A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、G1、G2、Q1、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1で定義された通りである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物;
式(V)
【化3】

(式中、R2、R3、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1で定義された通りである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物;
式(XII)
【化4】

(式中、A1、A2、A3、A4、R1、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1で定義された通りである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物;
式(XIII)
【化5】

(式中、A1、A2、A3、A4、R2、R3、R4、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1で定義された通りである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物;
式(XIV)
【化6】

(式中、A1、A2、A3、A4、R2、R3、G2、Y1、Y2、Y3及びY4が請求項1で定義された通りである)の化合物又はその塩もしくはそのN酸化物。
【請求項19】
有害生物、有害生物の居場所又は有害生物による攻撃を受ける可能性のある植物に対して、殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物に有効な量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物を適用することを含んで成る、昆虫、ダニ目動物、線虫又は軟体動物を駆除及び制御する方法。
【請求項20】
殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物に有効な量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の式(I)の化合物を含んで成る、殺虫、殺ダニ、殺線虫又は殺軟体動物用組成物。

【公表番号】特表2009−544635(P2009−544635A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521151(P2009−521151)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006431
【国際公開番号】WO2008/012027
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】