母材間連結構造及びその母材間連結構造用の添板
【課題】簡単な操作により個々の接合用補助部材を添板側の所定位置に保持し得るように構成し、作業負担を軽減するとともに、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置でき、その方向性の維持にも有効であり、しかも接合用補助部材と添板との接合面に異物が侵入することを防止し得る、使い勝手のきわめて良好な母材間連結技術を提供する。
【解決手段】母材間に跨って添設される添板7,8と前記母材を構成するフランジ部3との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材11を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルト12及びナット13によって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材11をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料21を用いて添板7,8に付着させた状態で前記母材のフランジ部3に対して添設する。
【解決手段】母材間に跨って添設される添板7,8と前記母材を構成するフランジ部3との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材11を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルト12及びナット13によって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材11をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料21を用いて添板7,8に付着させた状態で前記母材のフランジ部3に対して添設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば梁や柱を構成するH形鋼などの母材同士をそれらの母材間に跨って添設する添板と母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させた状態で連結する母材間連結技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築や橋梁などの鋼構造材の摩擦接合部に適用される接合用鋼材においては、その接合耐力を向上すべく、接合面における摩擦係数、すなわちすべり係数を大きくするための工夫が種々なされている。例えば、接合面の黒皮を除去して赤錆を発生させることによりすべり係数を増やしたり、ショットブラスト等のブラスト処理によりすべり係数を増やしたりする方法が知られている。しかしながら、これらの方法によるすべり係数の増加には自ずと限界があり、しかもいずれの場合にも、広いスペースが必要とされ、作業性にも問題があった。ところで、すべり係数の大小には、接合面の面粗さ、すなわち表面の凹凸の高低差だけではなく、接合面の表面の硬さも関与する。そこで、接合面の凹凸の高低差を拡大するために、凹凸状のロールによる転写、機械加工、レーザ加工、放電加工、化学的手段などを用い、さらに表面硬さを強化するために、焼入れ処理などを施すことにより、接合面の凹凸の高低差を0.2〜1.0mm、表面硬さをヴィッカース硬さで250以上に構成したものも提案されている(特許文献1参照)。また、母材間に跨って添設する添板と母材との間に両面に刃状突起を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらを貫通する高力ボルトとナットの締付けにより、その接合用補助部材の両面に形成した刃状突起をそれぞれ添板及び母材の双方の接合面に食込ませることによって母材間の連結状態の強化を図ったものも知られている(特許文献2参照)。また、その場合に、前記接合用補助部材の両面に形成する刃状突起を母材の連結方向に直交する方向に平行に並設した複数条からなる刃状突起にて構成することにより、母材の連結方向のすべり係数を増加させる手法も知られているところである。さらに、前記接合用補助部材に磁気や接着剤により接着性をもたせることにより良好な作業性が得られる旨の指摘もあった。
【特許文献1】特許第3607742号公報
【特許文献2】特公平8−30364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、両面に係合部を備えた接合用補助部材を母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定する際には、接合用補助部材を添板の外側から直視することができず、また作業中に移動したり脱落してしまう可能性もあることから、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置するには作業者にかかる負担も大きかった。特に、その接合用補助部材の設置方向に方向性がある場合には作業負担が倍加されるといった問題があった。さらに、前記接合用補助部材に磁気や接着剤により接着性をもたせることにより良好な作業性が得られる旨の従来の指摘は、その具体性に欠けるだけでなく、特に接着剤を使用する場合には、固着用部材の挿通孔へ付着して挿入操作性を害したり、接合用補助部材の両面に形成した刃状突起が添板及び母材の接合面へ食込む際の阻害要因になりかねないといった技術的問題があった。
【0004】
本発明は、以上のような従来の技術状況に鑑み、簡単な操作により個々の接合用補助部材を添板側の所定位置に保持し得るように構成し、作業負担を軽減するとともに、ボルトの挿通孔への挿入操作性を害したり、接合用補助部材に形成した刃状突起の食込みを阻害することなく、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置でき、その方向性の維持にも有効であり、しかも接合用補助部材と添板との接合面に異物が侵入することを防止し得る、使い勝手のきわめて良好な母材間連結技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明では、母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて前記添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するという技術手段を採用した。前記接合用補助部材の外周部に前記添板との間に間隙部が形成されるように構成し、その間隙部にて前記高分子材料により添板に付着させるようにしてもよいし、前記添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより前記接合用補助部材の外周部で添板に付着させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するという技術手段を採用したので、次の効果を得ることができる。
(1)接合用補助部材の外周部において、しかもブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて添板に付着させるように構成したので、接合用補助部材に形成した刃状突起の食込みを阻害する問題は解消できる。
(2)接合用補助部材の外周部において添板に付着するように構成したので、固着用部材の挿通孔に付着して挿入操作性を害する問題は解消できる。
(3)個々の接合用補助部材を添板に付着した状態で母材に対して添設するように構成したので、それらの接合用補助部材が作業中に移動したり脱落してしまう問題は解消できる。
(4)添板の外側から接合用補助部材を直視できなくとも、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置することが可能となり、所期の耐力を確実に達成し得るとともに、作業者にかかる作業負担を大幅に軽減することができる。
(5)接合用補助部材の設置に方向性がある場合には、その方向性の維持にも有効である。
(6)接合用補助部材と添板との接合面に対するゴミや水分等の異物の侵入を防止して、それらの異物の侵入による接合耐力の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る母材間連結技術は、建築や橋梁などにおいて梁や柱を構成するH形鋼などの母材同士をボルトとナットを用いて連結する場合に広く適用することが可能である。前記接合用補助部材の両面に設けられる係止部に関しては、その中の少なくとも母材側の面に形成される係止部は、母材の接合面に食込んですべり係数を増すように構成されるが、他方の添板側の面に形成される係止部については、母材側の場合と同様に添板の接合面に食込んですべり係数を増やすように構成してもよいし、あるいは添板側の接合面に予め前記係止部に係合し得る係合部を形成しておき、それらの接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やすように構成しても構わない。その接合用補助部材に形成される係止部の具体的形状に関しては、相手側の接合面に食込ませてすべり係数を増やす形態の場合には、先端が尖った刃状突起のものや錐状のものが適当である。これに対して、接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やす形態の場合には、添板側へ食込ませる必要性がないことから、係合可能な種々の形状が可能である。また、それらの係止部及び係合部のどちらが凸側でも凹側でも構わない。
【0008】
さらに、接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やす形態を採用する場合に、それらの係合部を、母材間の連結方向に直交する方向に平行に並設される複数条の係合部から構成するようにすれば、それらの係止部と係合部との係合によって所要の方向性が自動的かつ的確に決り、母材間の連結方向に対するすべり係数を効率的かつ確実に向上することができる。因みに、接合用補助部材に関しては、焼入れ処理等によりとりわけ母材側の接合面に食込む係止部の部分の硬度を高めたものが望ましい。また、添板に関しては、焼入れ処理を施さない方が、添板、接合用補助部材及び母材の締付け固定時に、部材の厚さに関する多少の寸法差や梁間における施工誤差があっても、変形して馴染みやすいことから、より安定した締付けが可能であるが、それらに限定されるものではない。
【0009】
前記接合用補助部材をその外周部において添板に付着させるには、接着剤ではなく、常温で粘弾性のある高分子材料が使用される。具体的には、ブチルゴムが最適であるが、常温で粘弾性のある他の高分子材料の使用が可能なことはいうまでもない。接合用補助部材の外周部と添板との間に間隙部を形成し、その間隙部に前記高分子材料を供給するようにすれば、その表面張力により的確に充填できるとともに、周囲への流出を少なくできる。また、添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより、接合用補助部材の外周部を添板に付着させるように構成すれば、接合用補助部材の外周部における的確な付着状態が簡便に得られる。因みに、接合用補助部材の外形は、以下の実施例のように八角形に限らず、四角形や六角形などの他の多角形あるいは円形状のものでもよい。
【実施例】
【0010】
図1は母材間の連結状態を示した正面図であり、図2はその平面図である。また、図3は添板を外して示した平面図、図4は図1中の丸内を示した部分拡大図である。図中1,2はH形鋼からなる母材で、それらの母材1,2間を本発明に係る母材間連結構造により連結した状態を示したものである。図示のように、母材1及び母材2に対しては、それらの母材1のフランジ部3,4と母材2のフランジ部5,6との間に跨った状態に添板7〜10が添設される。添板7〜10と母材1,2のフランジ部3〜6との間には、図3及び図4に示したように、両面に適宜の係止部(図示せず)を設けた板状からなる所要数の接合用補助部材11が介装され、それらの添板7〜10、個々の接合用補助部材11及び母材1,2を、それらに貫通させたボルト12及びナット13によって締付け固定するように構成されている。また、母材1のウェブ14と母材2のウェブ15とは、図1に示したように添板16を用いて接合用補助部材11と同様の接合用補助部材を介装しながらボルト17とナットにより連結されている。なお、図5は母材1のフランジ部3と母材2のフランジ部5との厚さに寸法差がある場合の連結状態を示したものである。ここでは、添板7〜10に焼入れ処理を施していない場合を示したものであり、図示のように添板8が変形してフランジ部3,5の寸法差を吸収しながら馴染むことから、より安定した締付けが可能である。なお、母材1と母材2の高さに多少の施工誤差があった場合にも同様である。
【0011】
次に、図6〜図9に基づいて本発明の特徴である接合用補助部材の添板側への付着の仕方に関して説明する。図6は前記添板7に接合用補助部材11を付着させた状態を示した平面図であり、図7はそのA−A断面図である。また、図8は図7中の丸内を拡大して示した部分拡大図、図9は接合用補助部材付きの添板の使用状態を示した部分拡大図である。なお、以下の説明は添板8〜10に関しても共通である。因みに、添板7,9の場合には、以下の方法で接合用補助部材11が所定位置に付着された添板7,8は、使用に際して、上下を逆転して接合用補助部材11を下方にした状態で母材1,2に添設され、ボルト12及びナット13を用いて締付け固定されることになる。しかして、図中18は接合用補助部材11に形成した前記ボルト12用の挿通孔で、添板7に形成した挿通孔19と同心的に設置され、その挿通孔19と同径か若干大径に形成される。因みに、図1〜図3ではボルト12を計12本使用する場合を例示したが、ここでは計16本使用する場合を例示した。図6に示したように、本実施例に係るそれぞれの接合用補助部材11は若干偏平に変形された八角形からなり、その長手方向の両側に位置する平行辺部を隣接間で互いに当接させることにより、接合用補助部材11の設置方向が規制され、接合用補助部材11の付着作業時に有効であるとともに、ボルト12による締付け時などにおける接合用補助部材11の供回りを防止できるように構成している。なお、図示のように、本実施例では、接合用補助部材11の両面に備える係止部として、母材1,2の連結方向に直交する方向に平行に並設した複数条からなる突起20を形成した場合を示した。因みに、接合用補助部材11の添板7側に形成する突起20を大きくし、その突起20に係合する係合凹部を添板7の接合面に形成して、両者が係合するように構成すれば、上述のように八角形の接合用補助部材11を使用しなくても、接合用補助部材11の方向性を的確に維持できるとともに、供回りの防止も可能である。さらに、接合用補助部材11の片面をこのような大きな突起とすれば、添板7に対する当接面積を大きくとることが可能なことから、他方の面に形成した突起の食込みの安定化にも有効である。
【0012】
図8の部分拡大図に示したように、それぞれの接合用補助部材11は、外周部にブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料21を用いて添板7の所定位置に付着されている。この接合用補助部材11の付着作業においては、接合用補助部材11側の挿通孔18と添板7側の挿通孔19に仮のボルトやピン状の治具などを挿通して同心的に支持した状態で添板7側の所定位置に付着させる。その場合に、前述のように隣接する接合用補助部材11の長手方向の両側に位置する平行辺部を互いに当接させることにより、接合用補助部材11の設置方向が規制されることになる。以上のようにして、接合用補助部材11を当該添板上の所定位置へ付着できたら、添板7,9の場合には上下を逆転して接合用補助部材11を下方にし、添板8,10の場合にはそのまま接合用補助部材11を上方にした状態で、図9に示したように母材1,2に添設し、ボルト12及びナット13を用いて締付け固定する。これにより、接合用補助部材11の外周部に付着した高分子材料21は変形して、図示のように母材1,2のフランジ部3〜6の表面に圧接されることになる。なお、図10〜図12は接合用補助部材11の外周部に対する高分子材料21の付着形態を例示した部分拡大縦断面図である。図10の形態は、接合用補助部材11の外周部に段部22を形成し、その段部22の部分にかけて高分子材料21を付着させることにより、段部22と母材1,2のフランジ部3〜6の表面との間に形成される間隙部において高分子材料21をより強力に圧接し得るように構成したもので、上記実施例においても採用した形態である。図11の形態は、接合用補助部材11の外周部に段部を設けず、接合用補助部材11の外周部の下面にかけて高分子材料21を付着させるものであり、図12の形態は、接合用補助部材11の外周面に高分子材料21を付着させるものである。
【0013】
図13〜図16は他の実施例を示したものであり、図13は高分子材料を流し込む前の添板の状態を示した部分平面図、図14は同状態の部分拡大縦断面図、図15は高分子材料を流し込んだ後の添板の状態を示した部分平面図、図16は同状態の部分拡大縦断面図である。図示のように、本実施例に係る添板23の場合には、その外周部に枠部24を設け、該枠部24内に高分子材料25を流し込むことにより、前記接合用補助部材11の外周部を添板23に付着させるように構成した点で特徴を有する。図14に示したように、枠部24の高さは、接合用補助部材11の高さ(突起の先端部まで)より若干低く、締付け状態において隙間が生じないように設定し、係合部としての前記突起20の母材1,2に対する食込みを阻害しないように構成する。しかして、本実施例の場合には、流動性のある高分子材料25を用いて枠部24内に流し込む。これにより、図15に示したように、枠部24内一面に高分子材料25が行渡り、接合用補助部材11の外周部が添板23に付着される。なお、本実施例の場合には、隣接する接合用補助部材11相互間にも高分子材料25が行渡るように、若干の間隙をあけておくことになる。以上のように、本実施例の場合には、全ての接合用補助部材11の外周部を一斉に添板23に付着できるので作業性がよい。なお、本実施例の場合においても、高分子材料25を流し込む際には、仮のボルトやピン状の治具などを用いて、各接合用補助部材11を添板23側の所定位置に支持しておくことになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】母材間の連結状態を示した正面図である。
【図2】同母材間の連結状態を示した平面図である。
【図3】同母材間の連結状態を添板を外して示した平面図である。
【図4】図1中の丸内を示した部分拡大図である。
【図5】母材のフランジ部の厚さに寸法差がある場合の連結状態を示した部分拡大図である。
【図6】添板に接合用補助部材を付着させた状態を示した平面図である。
【図7】同添板のA−A断面図である。
【図8】図7中の丸内を拡大して示した部分拡大図である。
【図9】接合用補助部材付きの添板の使用状態を示した部分拡大図である。
【図10】接合用補助部材の外周部に対する高分子材料の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図11】同高分子材料の他の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図12】同高分子材料の他の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図13】他の実施例における高分子材料を流し込む前の添板の状態を示した部分平面図である。
【図14】同状態の添板を示した部分拡大縦断面図である。
【図15】同実施例における高分子材料を流し込んだ後の添板の状態を示した部分平面図である。
【図16】同状態の添板を示した部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1,2…母材、3〜6…フランジ部、7〜10…添板、11…接合用補助部材、12…ボルト、13…ナット、14,15…ウェブ、16…添板、17…ボルト、18,19…挿通孔、20…突起、21…高分子材料、22…段部、23…添板、24…枠部、25…高分子材料
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば梁や柱を構成するH形鋼などの母材同士をそれらの母材間に跨って添設する添板と母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させた状態で連結する母材間連結技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建築や橋梁などの鋼構造材の摩擦接合部に適用される接合用鋼材においては、その接合耐力を向上すべく、接合面における摩擦係数、すなわちすべり係数を大きくするための工夫が種々なされている。例えば、接合面の黒皮を除去して赤錆を発生させることによりすべり係数を増やしたり、ショットブラスト等のブラスト処理によりすべり係数を増やしたりする方法が知られている。しかしながら、これらの方法によるすべり係数の増加には自ずと限界があり、しかもいずれの場合にも、広いスペースが必要とされ、作業性にも問題があった。ところで、すべり係数の大小には、接合面の面粗さ、すなわち表面の凹凸の高低差だけではなく、接合面の表面の硬さも関与する。そこで、接合面の凹凸の高低差を拡大するために、凹凸状のロールによる転写、機械加工、レーザ加工、放電加工、化学的手段などを用い、さらに表面硬さを強化するために、焼入れ処理などを施すことにより、接合面の凹凸の高低差を0.2〜1.0mm、表面硬さをヴィッカース硬さで250以上に構成したものも提案されている(特許文献1参照)。また、母材間に跨って添設する添板と母材との間に両面に刃状突起を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらを貫通する高力ボルトとナットの締付けにより、その接合用補助部材の両面に形成した刃状突起をそれぞれ添板及び母材の双方の接合面に食込ませることによって母材間の連結状態の強化を図ったものも知られている(特許文献2参照)。また、その場合に、前記接合用補助部材の両面に形成する刃状突起を母材の連結方向に直交する方向に平行に並設した複数条からなる刃状突起にて構成することにより、母材の連結方向のすべり係数を増加させる手法も知られているところである。さらに、前記接合用補助部材に磁気や接着剤により接着性をもたせることにより良好な作業性が得られる旨の指摘もあった。
【特許文献1】特許第3607742号公報
【特許文献2】特公平8−30364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、両面に係合部を備えた接合用補助部材を母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定する際には、接合用補助部材を添板の外側から直視することができず、また作業中に移動したり脱落してしまう可能性もあることから、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置するには作業者にかかる負担も大きかった。特に、その接合用補助部材の設置方向に方向性がある場合には作業負担が倍加されるといった問題があった。さらに、前記接合用補助部材に磁気や接着剤により接着性をもたせることにより良好な作業性が得られる旨の従来の指摘は、その具体性に欠けるだけでなく、特に接着剤を使用する場合には、固着用部材の挿通孔へ付着して挿入操作性を害したり、接合用補助部材の両面に形成した刃状突起が添板及び母材の接合面へ食込む際の阻害要因になりかねないといった技術的問題があった。
【0004】
本発明は、以上のような従来の技術状況に鑑み、簡単な操作により個々の接合用補助部材を添板側の所定位置に保持し得るように構成し、作業負担を軽減するとともに、ボルトの挿通孔への挿入操作性を害したり、接合用補助部材に形成した刃状突起の食込みを阻害することなく、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置でき、その方向性の維持にも有効であり、しかも接合用補助部材と添板との接合面に異物が侵入することを防止し得る、使い勝手のきわめて良好な母材間連結技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明では、母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて前記添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するという技術手段を採用した。前記接合用補助部材の外周部に前記添板との間に間隙部が形成されるように構成し、その間隙部にて前記高分子材料により添板に付着させるようにしてもよいし、前記添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより前記接合用補助部材の外周部で添板に付着させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するという技術手段を採用したので、次の効果を得ることができる。
(1)接合用補助部材の外周部において、しかもブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて添板に付着させるように構成したので、接合用補助部材に形成した刃状突起の食込みを阻害する問題は解消できる。
(2)接合用補助部材の外周部において添板に付着するように構成したので、固着用部材の挿通孔に付着して挿入操作性を害する問題は解消できる。
(3)個々の接合用補助部材を添板に付着した状態で母材に対して添設するように構成したので、それらの接合用補助部材が作業中に移動したり脱落してしまう問題は解消できる。
(4)添板の外側から接合用補助部材を直視できなくとも、個々の接合用補助部材を所定位置に的確に設置することが可能となり、所期の耐力を確実に達成し得るとともに、作業者にかかる作業負担を大幅に軽減することができる。
(5)接合用補助部材の設置に方向性がある場合には、その方向性の維持にも有効である。
(6)接合用補助部材と添板との接合面に対するゴミや水分等の異物の侵入を防止して、それらの異物の侵入による接合耐力の低下を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る母材間連結技術は、建築や橋梁などにおいて梁や柱を構成するH形鋼などの母材同士をボルトとナットを用いて連結する場合に広く適用することが可能である。前記接合用補助部材の両面に設けられる係止部に関しては、その中の少なくとも母材側の面に形成される係止部は、母材の接合面に食込んですべり係数を増すように構成されるが、他方の添板側の面に形成される係止部については、母材側の場合と同様に添板の接合面に食込んですべり係数を増やすように構成してもよいし、あるいは添板側の接合面に予め前記係止部に係合し得る係合部を形成しておき、それらの接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やすように構成しても構わない。その接合用補助部材に形成される係止部の具体的形状に関しては、相手側の接合面に食込ませてすべり係数を増やす形態の場合には、先端が尖った刃状突起のものや錐状のものが適当である。これに対して、接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やす形態の場合には、添板側へ食込ませる必要性がないことから、係合可能な種々の形状が可能である。また、それらの係止部及び係合部のどちらが凸側でも凹側でも構わない。
【0008】
さらに、接合用補助部材側に形成された前記係止部と添板側に予め形成された係合部との係合によってすべり係数を増やす形態を採用する場合に、それらの係合部を、母材間の連結方向に直交する方向に平行に並設される複数条の係合部から構成するようにすれば、それらの係止部と係合部との係合によって所要の方向性が自動的かつ的確に決り、母材間の連結方向に対するすべり係数を効率的かつ確実に向上することができる。因みに、接合用補助部材に関しては、焼入れ処理等によりとりわけ母材側の接合面に食込む係止部の部分の硬度を高めたものが望ましい。また、添板に関しては、焼入れ処理を施さない方が、添板、接合用補助部材及び母材の締付け固定時に、部材の厚さに関する多少の寸法差や梁間における施工誤差があっても、変形して馴染みやすいことから、より安定した締付けが可能であるが、それらに限定されるものではない。
【0009】
前記接合用補助部材をその外周部において添板に付着させるには、接着剤ではなく、常温で粘弾性のある高分子材料が使用される。具体的には、ブチルゴムが最適であるが、常温で粘弾性のある他の高分子材料の使用が可能なことはいうまでもない。接合用補助部材の外周部と添板との間に間隙部を形成し、その間隙部に前記高分子材料を供給するようにすれば、その表面張力により的確に充填できるとともに、周囲への流出を少なくできる。また、添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより、接合用補助部材の外周部を添板に付着させるように構成すれば、接合用補助部材の外周部における的確な付着状態が簡便に得られる。因みに、接合用補助部材の外形は、以下の実施例のように八角形に限らず、四角形や六角形などの他の多角形あるいは円形状のものでもよい。
【実施例】
【0010】
図1は母材間の連結状態を示した正面図であり、図2はその平面図である。また、図3は添板を外して示した平面図、図4は図1中の丸内を示した部分拡大図である。図中1,2はH形鋼からなる母材で、それらの母材1,2間を本発明に係る母材間連結構造により連結した状態を示したものである。図示のように、母材1及び母材2に対しては、それらの母材1のフランジ部3,4と母材2のフランジ部5,6との間に跨った状態に添板7〜10が添設される。添板7〜10と母材1,2のフランジ部3〜6との間には、図3及び図4に示したように、両面に適宜の係止部(図示せず)を設けた板状からなる所要数の接合用補助部材11が介装され、それらの添板7〜10、個々の接合用補助部材11及び母材1,2を、それらに貫通させたボルト12及びナット13によって締付け固定するように構成されている。また、母材1のウェブ14と母材2のウェブ15とは、図1に示したように添板16を用いて接合用補助部材11と同様の接合用補助部材を介装しながらボルト17とナットにより連結されている。なお、図5は母材1のフランジ部3と母材2のフランジ部5との厚さに寸法差がある場合の連結状態を示したものである。ここでは、添板7〜10に焼入れ処理を施していない場合を示したものであり、図示のように添板8が変形してフランジ部3,5の寸法差を吸収しながら馴染むことから、より安定した締付けが可能である。なお、母材1と母材2の高さに多少の施工誤差があった場合にも同様である。
【0011】
次に、図6〜図9に基づいて本発明の特徴である接合用補助部材の添板側への付着の仕方に関して説明する。図6は前記添板7に接合用補助部材11を付着させた状態を示した平面図であり、図7はそのA−A断面図である。また、図8は図7中の丸内を拡大して示した部分拡大図、図9は接合用補助部材付きの添板の使用状態を示した部分拡大図である。なお、以下の説明は添板8〜10に関しても共通である。因みに、添板7,9の場合には、以下の方法で接合用補助部材11が所定位置に付着された添板7,8は、使用に際して、上下を逆転して接合用補助部材11を下方にした状態で母材1,2に添設され、ボルト12及びナット13を用いて締付け固定されることになる。しかして、図中18は接合用補助部材11に形成した前記ボルト12用の挿通孔で、添板7に形成した挿通孔19と同心的に設置され、その挿通孔19と同径か若干大径に形成される。因みに、図1〜図3ではボルト12を計12本使用する場合を例示したが、ここでは計16本使用する場合を例示した。図6に示したように、本実施例に係るそれぞれの接合用補助部材11は若干偏平に変形された八角形からなり、その長手方向の両側に位置する平行辺部を隣接間で互いに当接させることにより、接合用補助部材11の設置方向が規制され、接合用補助部材11の付着作業時に有効であるとともに、ボルト12による締付け時などにおける接合用補助部材11の供回りを防止できるように構成している。なお、図示のように、本実施例では、接合用補助部材11の両面に備える係止部として、母材1,2の連結方向に直交する方向に平行に並設した複数条からなる突起20を形成した場合を示した。因みに、接合用補助部材11の添板7側に形成する突起20を大きくし、その突起20に係合する係合凹部を添板7の接合面に形成して、両者が係合するように構成すれば、上述のように八角形の接合用補助部材11を使用しなくても、接合用補助部材11の方向性を的確に維持できるとともに、供回りの防止も可能である。さらに、接合用補助部材11の片面をこのような大きな突起とすれば、添板7に対する当接面積を大きくとることが可能なことから、他方の面に形成した突起の食込みの安定化にも有効である。
【0012】
図8の部分拡大図に示したように、それぞれの接合用補助部材11は、外周部にブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料21を用いて添板7の所定位置に付着されている。この接合用補助部材11の付着作業においては、接合用補助部材11側の挿通孔18と添板7側の挿通孔19に仮のボルトやピン状の治具などを挿通して同心的に支持した状態で添板7側の所定位置に付着させる。その場合に、前述のように隣接する接合用補助部材11の長手方向の両側に位置する平行辺部を互いに当接させることにより、接合用補助部材11の設置方向が規制されることになる。以上のようにして、接合用補助部材11を当該添板上の所定位置へ付着できたら、添板7,9の場合には上下を逆転して接合用補助部材11を下方にし、添板8,10の場合にはそのまま接合用補助部材11を上方にした状態で、図9に示したように母材1,2に添設し、ボルト12及びナット13を用いて締付け固定する。これにより、接合用補助部材11の外周部に付着した高分子材料21は変形して、図示のように母材1,2のフランジ部3〜6の表面に圧接されることになる。なお、図10〜図12は接合用補助部材11の外周部に対する高分子材料21の付着形態を例示した部分拡大縦断面図である。図10の形態は、接合用補助部材11の外周部に段部22を形成し、その段部22の部分にかけて高分子材料21を付着させることにより、段部22と母材1,2のフランジ部3〜6の表面との間に形成される間隙部において高分子材料21をより強力に圧接し得るように構成したもので、上記実施例においても採用した形態である。図11の形態は、接合用補助部材11の外周部に段部を設けず、接合用補助部材11の外周部の下面にかけて高分子材料21を付着させるものであり、図12の形態は、接合用補助部材11の外周面に高分子材料21を付着させるものである。
【0013】
図13〜図16は他の実施例を示したものであり、図13は高分子材料を流し込む前の添板の状態を示した部分平面図、図14は同状態の部分拡大縦断面図、図15は高分子材料を流し込んだ後の添板の状態を示した部分平面図、図16は同状態の部分拡大縦断面図である。図示のように、本実施例に係る添板23の場合には、その外周部に枠部24を設け、該枠部24内に高分子材料25を流し込むことにより、前記接合用補助部材11の外周部を添板23に付着させるように構成した点で特徴を有する。図14に示したように、枠部24の高さは、接合用補助部材11の高さ(突起の先端部まで)より若干低く、締付け状態において隙間が生じないように設定し、係合部としての前記突起20の母材1,2に対する食込みを阻害しないように構成する。しかして、本実施例の場合には、流動性のある高分子材料25を用いて枠部24内に流し込む。これにより、図15に示したように、枠部24内一面に高分子材料25が行渡り、接合用補助部材11の外周部が添板23に付着される。なお、本実施例の場合には、隣接する接合用補助部材11相互間にも高分子材料25が行渡るように、若干の間隙をあけておくことになる。以上のように、本実施例の場合には、全ての接合用補助部材11の外周部を一斉に添板23に付着できるので作業性がよい。なお、本実施例の場合においても、高分子材料25を流し込む際には、仮のボルトやピン状の治具などを用いて、各接合用補助部材11を添板23側の所定位置に支持しておくことになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】母材間の連結状態を示した正面図である。
【図2】同母材間の連結状態を示した平面図である。
【図3】同母材間の連結状態を添板を外して示した平面図である。
【図4】図1中の丸内を示した部分拡大図である。
【図5】母材のフランジ部の厚さに寸法差がある場合の連結状態を示した部分拡大図である。
【図6】添板に接合用補助部材を付着させた状態を示した平面図である。
【図7】同添板のA−A断面図である。
【図8】図7中の丸内を拡大して示した部分拡大図である。
【図9】接合用補助部材付きの添板の使用状態を示した部分拡大図である。
【図10】接合用補助部材の外周部に対する高分子材料の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図11】同高分子材料の他の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図12】同高分子材料の他の付着形態を示した部分拡大縦断面図である。
【図13】他の実施例における高分子材料を流し込む前の添板の状態を示した部分平面図である。
【図14】同状態の添板を示した部分拡大縦断面図である。
【図15】同実施例における高分子材料を流し込んだ後の添板の状態を示した部分平面図である。
【図16】同状態の添板を示した部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1,2…母材、3〜6…フランジ部、7〜10…添板、11…接合用補助部材、12…ボルト、13…ナット、14,15…ウェブ、16…添板、17…ボルト、18,19…挿通孔、20…突起、21…高分子材料、22…段部、23…添板、24…枠部、25…高分子材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて前記添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するように構成したことを特徴とする母材間連結構造。
【請求項2】
前記接合用補助部材の外周部に前記添板との間に間隙部が形成されるように構成し、その間隙部にて前記高分子材料により添板に付着させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の母材間連結構造。
【請求項3】
前記添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより前記接合用補助部材の外周部を添板に付着させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の母材間連結構造。
【請求項4】
母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造に使用される添板であって、前記接合用補助部材がその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料によって付着されていることを特徴とする母材間連結構造用の添板。
【請求項1】
母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造において、前記接合用補助部材をその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料を用いて前記添板に付着させた状態で前記母材に対して添設するように構成したことを特徴とする母材間連結構造。
【請求項2】
前記接合用補助部材の外周部に前記添板との間に間隙部が形成されるように構成し、その間隙部にて前記高分子材料により添板に付着させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の母材間連結構造。
【請求項3】
前記添板の外周部に枠部を設け、その枠部内に前記高分子材料を流し込むことにより前記接合用補助部材の外周部を添板に付着させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の母材間連結構造。
【請求項4】
母材間に跨って添設される添板と前記母材との間に両面に係止部を設けた板状の接合用補助部材を介在させ、それらの添板、接合用補助部材及び母材に貫通させたボルトとナットによって締付け固定するように構成した母材間連結構造に使用される添板であって、前記接合用補助部材がその外周部においてブチルゴム等の常温で粘弾性のある高分子材料によって付着されていることを特徴とする母材間連結構造用の添板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−177590(P2007−177590A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−380515(P2005−380515)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000000446)岡部株式会社 (277)
【Fターム(参考)】
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